サーバル「えーっ! 響ちゃん、私のジャパリまん食べちゃったのー!?」 (54)

響「ご、ごめん。あんまり美味しそうだったから、つい……」

サーバル「あっ、いいよいいよ、気にしないで!
     ちょっとびっくりしちゃっただけだから!」

響「え? サーバル、怒ってないの? 家出したり、隠れたりしないのか……?」

サーバル「そんなことしないよっ!
     だってご飯準備してくれるのは響ちゃんだもん。
     それに私だって、時々つまみ食いしちゃうし!」

響「うぅ、ごめんなサーバル。ありが……って、あれ? つまみ食い?」

サーバル「あっ」

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響「……最近妙に冷蔵庫の中身が減るのが早いって思ってたんだ。それってつまり……」

サーバル「え、えー? そうなのー? なんでだろー?」

響「サーバルじゃないのか?」

サーバル「ち、ちがうよ、私じゃないよっ」

響「そっか、じゃあ他の誰かだな!
 冷蔵庫を開けられるなら、きっとイヌ美だぞ!
 イヌ美には、思いっきり説教してやらなくちゃ!」

サーバル「わわわわっ! ごめんなさい! 私だよ! 私が食べたの!」

響「まったく……。ダメだぞサーバル。こっちは色々計算して食材買い足してるんだから」

サーバル「ごめんね……。今度からはおやつが欲しかったらちゃんと言うね」

響「うんうん。って、自分もサーバルのこと言えないんだけど……」

サーバル「えへへっ……響ちゃんも、ジャパリまん食べたかったらちゃんと言ってね?
     半分こして一緒に食べよ! こっそり食べるより、きっとその方が美味しいよ!」

響「あはは、それじゃあサーバルが足りなくなるでしょ?
 その時は自分の分も買うから、一個ずつ食べるさー!」

サーバル「ほんと!? わーい! ありがとう響ちゃん!」

とある日、事務所

響「はいさーい!」

サーバル「おはよー!」

春香「あっ、おはよう響ちゃん、サーバル」

サーバル「うん、おはよー春香……ん?」

春香「? どうかしたの?」

サーバル「くんくん……。わーっ、なになに!
     なんだかすっごくいい匂いがするよ! おいしそうな匂い!」

春香「あはは、わかっちゃった? これ、作ってきたんだ」

サーバル「つくったー!? すごーい! 何これ何これー!」

響「へー、マドレーヌかぁ。流石は春香だな!」

サーバル「マドレーヌっていうの? おいしそーっ!」

響「こら、サーバルってば食いしん坊過ぎだぞ。
 そうやって食べさせてもらおうとしてるんじゃないのか?」

サーバル「えっ!? そ、そんなことしないよ! ほんとにおいしそうって思っただけだもん!」

響「本当かー?」

サーバル「ホントだよ! ウソじゃないよっ!」

春香「大丈夫大丈夫。最初から食べてもらおうと思って全員分作ってきたの。
  だからはい、どうぞサーバル。それと響ちゃんも」

サーバル「いいの!? やったー! 春香、ありがとう!」

響「ありがとう! よーし、じゃあ今度は自分がサーターアンダギーを持ってくるぞ!」

サーバル「そのときは私も手伝うよ! うー、楽しみー!」

春香「あははっ、ありがとう響ちゃん、サーバル。
   私も楽しみにしてるね!」

とある日、公園

真「いっちに、さんし……」

響「ご、ろく、しち、はち……」

サーバル「にー、にー、さーんしーっ」

真「ご、ろく、しち、はち……っと。よし、準備体操おわり!」

サーバル「今日も真と響ちゃんが獲物役だね! よーし、負けないぞー!」

響「それじゃあ、狩りごっこ……スタートー!」




真「ふーっ、いい汗かいたー!」

サーバル「あはははは! やっぱり狩りごっこは楽しいね!」

響「うがー、でも今日も逃げきれなかったぞー! 悔しいー!」

サーバル「だけど響ちゃんも真も、どんどん上手くなってる感じがするよ!
     隠れられた時、なかなか見つけられなかったもん!」

真「響、次こそなんとかして持久戦に持ち込むよ!
 体力勝負ならきっと勝てるんだから!」

響「問題はサーバルのジャンプ力だよね……。
 まだまだ大丈夫と思っても、一気に距離を詰められちゃうんだ」

真「そうそう! いっつもそれでやられちゃうんだよ!」

サーバル「ふっふーん!」

真「よーっし、明日またリベンジだ!」

響「そうだね! アイドルの底力見せてやるさー!」

真「というわけで明日も狩りごっこだよサーバル!」

サーバル「うん! でも私だって負けないよ! また二人とも捕まえちゃうんだから!」

別の日、事務所

響「そっか……オーディション落ちちゃったんだな」

雪歩「うぅ、ぐすっ……」

響「そ、そんなに気にしちゃダメだぞ。
 今回のはすごくレベル高かったんだから……」

雪歩「でも、でも、あんなに頑張ったのに……。
   私なんてやっぱりダメダメなんですぅ……!」

サーバル「そんなことないよっ!」

雪歩「! サーバルちゃん……?」

サーバル「私、雪歩が頑張り屋なの知ってるよ?
     そんな雪歩がダメダメなんて、あるはずないよ!」

雪歩「そ、そんなこと……。オーディションに落ちちゃった私がすごいなんて、そんなの……」

サーバル「それに雪歩が入れてくれるお茶、すっごく美味しいもん!
     怖がりなのに、大事なことからは全然逃げたりなんかしないもん!」

雪歩「サーバルちゃん……」

サーバル「雪歩はすっごく、すっごく心が強い子なんだよ!
     それに優しくて、友達思いで、一緒に居て楽しくて……」

雪歩「あ、ありがとうサーバルちゃん。
  でもあの、そ、そんなに褒められると恥ずかしいっていうか……」

サーバル「髪の毛はふわふわで、なんだかいい匂いもして……」

雪歩「……ん?」

サーバル「体もスベスベで、すごく柔らかくて……」

雪歩「ちょ、ちょっとサーバルちゃん?」

響「え……? な、なに? 二人とも一体どういう関係なんだ……?」

雪歩「え゛!? ち、違うよ響ちゃん! 別に私たち何も……!」

サーバル「気持ちいいこともいっぱい知ってるし、
     気持ちいいことしてくれるし、雪歩はすごいんだよ!」

響「……ゆ、雪歩……」

雪歩「ひぃ~~~~~~んっ! 穴掘って埋まってますぅ~~~~~~~!!」

別の日、事務所

美希「ただいまなのー……」

サーバル「あっ、美希! おかえりなさい!」

美希「あれっ、サーバルだけ? 響は一緒じゃないの?」

サーバル「うん、響ちゃんはお仕事に行っちゃったんだ。
     小鳥も出掛けてるし、私が留守番してるの」

美希「ふーん。それじゃ、ミキお昼寝するね。おやすみなさいなのー」ゴロン

サーバル「はやっ! もう寝ちゃうの!? 戻ってきたばっかりなのに?」

美希「だってミキ、さっきまでレッスンしてて疲れちゃったの……あふぅ」

サーバル「そっか……大変なんだね。
     あっ、じゃあ私、マッサージっていうのしてあげるね!」

美希「いいの? じゃあお願いするの☆」

サーバル「それじゃ、まずは足から……よいしょっ、よいしょっ」ギュッ ギュッ

美希「んっ……サーバル、上手だね。すっごく気持ちいいの……」

サーバル「雪歩に教えてもらったんだよ!
     狩りごっこのしすぎで疲れちゃったーって言ったら、やってくれたんだ!」ギュッ ギュッ

美希「へー、そうなんだ……」

サーバル「最初は足で、次は腰で、背中で、最後は肩……。よーし、がんばるぞー!」ギュッ ギュッ

美希「すー……すー……」




響「戻ったぞー! お待たせサーバル……って、あれ?」

美希「……響、助けてなの……身動きが取れないの……」

サーバル「すー……すー……」

響「な、何してるんだ二人とも?」

美希「サーバルにマッサージしてもらってたんだけど、
  ミキが寝ちゃってる間にサーバルがミキにのしかかって寝てたの……」

響「そ、そっか。でも、だったら起こせばいいんじゃ……」

美希「……だってあんまり気持ちよさそうに寝てるから……」

サーバル「うみゃみゃ……すー……すー……」

とある日、路地裏

あずさ「あらあら、どうしましょう~……」

サーバル「あずさ! やっぱりここに居た!」

あずさ「! まぁ、サーバルちゃん!」

サーバル「急に居なくなっちゃうから心配したよー。
     でも見つかって良かった! ほら、事務所に戻ろ! こっちだよ!」

あずさ「ええ、ありがとう……。でも、どうして私がここに居るってわかったの?」

サーバル「あずさの声が聞こえたの! 優しい声だからすぐにわかったよ!」

あずさ「まぁ~。流石サーバルちゃんね。すごいわ~」

あずさ「でも、ごめんなさいね。私ったらすぐ迷子になって人に迷惑をかけて……。
    頑張って治そうとは思ってるんだけどなかなか……」

サーバル「平気平気! 誰だって苦手なことってあるもん!
     私も『ドジー!』とか言われるし!
     あずさだって、よく迷子になるけどすごいとこもたくさんあるじゃない!」

あずさ「私のすごいところ? うーん、どんなところかしら……?」

サーバル「すっごく優しいとことか、全然慌てないとことか!
     声も綺麗だし、聞いてるだけでなんだか落ち着く感じがするし!」

あずさ「あらあら……なんだか照れちゃうわ~」

サーバル「それからあんなとこもすごいし、こんなとこも……って、あれっ?」

あずさ「? サーバルちゃん、どうしたの?」

サーバル「あれっ? あれれっ? ここどこ……?」

サーバル「や……やばいよやばいよ! どうしよう!
     話してるのに夢中で、道が分からなくなっちゃった!」

あずさ「あ、あらあら~……」

響「あっ……! み、見つけたぞ! サーバル、なんでこんなとこに居るんだ!」

サーバル「響ちゃん! 良かったー! 探しに来てくれたんだね!」

響「まさか、あずささんと一緒に迷子になっちゃったのか……?」

サーバル「ご、ごめんね。それからあずさもごめんなさい。
     せっかく助けに来たのにドジしちゃって……」

あずさ「あらあら……。それじゃあ私たち、ドジっ子仲間ね。うふふっ」

サーバル「ドジっ子仲間? そっか……そうだね! 仲間って考えたら、いいことなのかも!」

響「仲間はいいことだけどドジは治してもらわないと困るぞ!」

とある日、レッスン場

サーバル「おじゃましまーす! あっ、やっぱり千早だ!」

千早「! サーバルさん……。どうしたの? 何か用?」

サーバル「ううん、歩いてたらすごく綺麗な声が聞こえてきたから、つい来ちゃったの。
     すごいね千早! どうしてそんなに上手に歌えるの?」

千早「え? えっと……練習したから、かしら」

サーバル「すごーい! じゃあ、一生懸命練習したんだね!」

千早「えぇ、まぁ……。あの、今日は我那覇さんは一緒じゃないの?」

サーバル「響ちゃんはプロデューサーと何かお話してるよ。
     それより千早、やっぱり私のことは『サーバルさん』なんだね。
     『サーバルちゃん』って呼んでって言ったのにー」

千早「それは……ごめんなさい。人を下の名前で呼ぶことにあまり、慣れなくて」

サーバル「でも呼んでる子も居るでしょ?
     もしかして私、まだちゃんと千早とお友達になれてないのかな?
     うーん……どうやったらお友達になれるんだろ?」

千早「えっ? い、いえ、違うわ! そういうことじゃ……!
  私は、その……サーバルさんも、765プロのみんなも、
  みんな大切な仲間で友達だと思って……」

サーバル「ほんと!? じゃあじゃあ、今から『サーバルちゃん』って呼んでみてよ! ね!」

千早「さ……『サーバル』、でもいいかしら」

サーバル「うん!」

千早「じゃあ……これからはそう呼ぶわね、『サーバル』……」

サーバル「わーい! これからもよろしくね、千早!」

響「……聞いたぞ、千早」

千早「!? が、我那覇さんいつの間に!?」

響「自分だってそろそろ『響』って呼んでもらいたいのにサーバルだけずるいぞ!」

サーバル「ふっふーん! いいでしょ!」

響「千早、今すぐ自分を『響』って呼べ! 呼ぶんだー!」

千早「ご、ごめんなさい! 私このあと急用が! さようなら!」

響「あっ!? こら待てー! 千早ー!」

とある日、事務所

亜美「ねぇねぇバルにゃん、ちょっとこっち来て~」

サーバル「? なになに? 何かあったの、亜美、真美」

真美「真美たち、バルにゃんにジャパリまん買ってきたんだ。
   だから~、はい! どうぞ!」

サーバル「えっ、そうなの? わーい、ありがとう!」

亜美「ささ、がぶっといっちゃって!」

サーバル「いっただっきまーす!」

亜美真美「「……んっふっふ~……」」




響「ただいまー! おまたせサーバ……」

サーバル「うみゃみゃ~、わぁ~い、響ちゃんだぁ~。えへへへへ~~」

響「!? なんでそんな床にゴロゴロ……はっ! まさか……!」

亜美「う~む、こいつは予想以上だったねぇ」

真美「外に出すにはちょっとせくちー過ぎちゃうかなぁ」

響「こ、こらー! 亜美、真美! サーバルにマタタビあげたでしょ!?」

亜美「あはっ、バレちった?」

真美「いや~、つい出来心で」

サーバル「うみゃ~、亜美、真美~。私どうしちゃったの~?
     なんだかすっごくふわふわしちゃってるよ~えへへ~」

真美「わわっ! ちょ、ちょっとバルにゃん、くすぐったいよ!」

サーバル「あれ~? 真美のここから、なんだかいい匂いがする~!
     うみゃみゃみゃみゃ~~! どこだ~! ここか、ここか~!」

真美「うひゃあっ!? ちょっ、ま、待って! ストップストップ!」

亜美「こ、これは……マニアに大ウケ間違いなしのスペシャルな絵ヅラが今亜美の目の前に……」

響「そうだ……! サーバル、亜美の体からもいい匂いがするぞ!」

亜美「え!?」

サーバル「うみゃ~! 逃がさないぞ~! 亜美、真美~うみゃみゃ~!」

亜美「タ、タッケテー!」

真美「タッケテー!」

響「自業自得だぞ! 反省するさー!」

とある日、響宅

響(……で、なんで自分の家で伊織が料理することになったんだ?)

伊織(し、しょうがないじゃない!
   『超ゴージャスセレブ弁当』の写真をサーバルに見せたら、
   あの子私が作ったんだって勘違いしちゃって……)

響(ああ……それでつい見栄張って、否定できなかったんだな)

伊織(う、うるさいわねっ!)

サーバル「ごっはんっ。ごっはんっ。いーおりーのごっはんっ♪」

響(それで、どうするんだ? そもそも伊織、料理なんてできるのか?)

伊織(や、やってやるわよ! 目にもの見せてやるんだから!)




伊織「さ……さぁできたわよ! 待たせたわね!」

サーバル「わーい! ……って、あれ? これって、お米を塊にしただけ?
      なんだかすっごく簡単だけど、こういうのも料理っていうの?」

伊織「そ、そうよ! これも料理なの!」

サーバル「そうなんだ! それじゃあ、いっただっきまーす!」パクッ

響「それにしても……まさか料理するって言っておにぎりを作るとは思わなかったぞ」

伊織「うっ……。わ、悪かったわね!」

伊織「そうよ、どうせ私は料理なんておにぎりくらいしか……」

サーバル「! わっ、何これ何これ! すごーい!」

伊織「え?」

サーバル「ほら、見て見て響ちゃん! お米の中に別の食べ物が入ってる!
      私こんなの初めて見たよ! おもしろーい!」

響「あ、そっか。そう言えば自分、サーバルにおにぎり作ったことなかったっけ」

サーバル「わーい! おいしーい! 伊織、本当に料理が得意だったんだね!」

伊織「と……当然よ! この伊織ちゃんに苦手なことなんてないんだから! にひひっ♪」

とある日、スーパー

サーバル「おっ買いっ物、おっ買いっ物ー♪ えっと、これをカゴに入れたらいいの?」

やよい「あ、待ってサーバルちゃん! そっちよりもこっちの方が新鮮で美味しいよ!」

サーバル「えっ? くんくん……ほんとだ! こっちの方がおいしそうな匂いがする!」

響「うんうん、流石やよいだな!」

サーバル「やよい、そんなに鼻は良くないよね? なのにどうしたわかったのー!?」

やよい「えへへっ、いろいろ見分け方があるの!」

サーバル「そうなんだ! すごーい!」

サーバル「ねぇやよい! もやしっていうのはこれでいいの?」

やよい「うん! こんなに安いのにすっごく美味しいんだよ!」

サーバル「安いの? じゃあたくさん買えるね! わーい!」

響「それにしても、やよいの家に行くのも久しぶりだなー。
 でも本当に良かったのか? こんないきなりで……」

やよい「もちろんです! サーバルちゃんが来るのは初めてで、私も楽しみですから!」

サーバル「私も楽しみだよ! やよいの家、どんなとこなんだろー!」




やよい「それじゃあもやし祭り、開催しまーす!」

弟たち「わーい!」

サーバル「すごーい! もやしがたくさんあるね!」

やよい「特製ソースをかけて……いただきまーす!」

一同「いただきまーす!」

サーバル「! わーっ、何これー! おいしーい!
     響ちゃん、これすっごくおいしいよ! もやしってこんなにおいしいのー!?」

響「やよいのだからこんなに美味しいんだぞ! 決め手は特製ソース、だよね!」

やよい「はい! えへへっ、サーバルちゃんにも気に入ってもらえて良かったですー!」

サーバル「たくさんあるからお腹いっぱい食べられるね! やったー!」

とある日、事務所

サーバル「響ちゃんはすごいんだよ! いろんなもの作ってくれるの!」

貴音「まぁ、そうなのですか?」

サーバル「毎日ご飯作ってくれるし、それにホラ!
     私が寒そうだからって、こんなにあったかいの作ってくれたんだ!」

貴音「ふふっ、よく似合っています」

サーバル「ちょっぴりイジワルな時もあるけど、すっごく優しいんだよ!」

貴音「もちろん、知っていますよ」

サーバル「貴音は私よりずっと前に響ちゃんに会ってたんだよね?
     昔の響ちゃんってどんな風だったの? 教えて教えて!」

貴音「昔から響は響ですよ。今と変わっておりません。
   明るく快活で、あの太陽のような笑顔はいつも私を元気づけてくれます」

サーバル「うんうん!」

貴音「ですが時折不安げな表情を見せることもあり、
   私を頼ってくれることもあって、
   そのおかげで私は、彼女に引け目を取らずに友人として胸を張れるのです」

サーバル「そっかー。貴音も響ちゃんのことが好きなんだね!」

貴音「ええ、もちろんです」

サーバル「でもいいなー。私は響ちゃんに助けてもらってばっかりだもん。
     私も貴音みたいに、響ちゃんのこといろいろ助けてあげたいな」

貴音「大丈夫ですよ、サーバル。あなたも十分、響の助けになっていますから」

サーバル「えっ?」

貴音「あなたの純粋さに救われていることも多いはずです。……ですよね、響?」

響「……こういう話って普通、本人が居ないところでするものじゃないか……?」

サーバル「わっ! 響ちゃんどうしたの? 顔が真っ赤だよ! 大丈夫!?」

響「な、なんでもないぞ! 自分レッスンに行ってくるから! じゃあね!」

サーバル「あっ、待ってよ響ちゃん! 響ちゃんってばー!」

とある日、事務所

響「……」

サーバル「……」ワクワク

P『響はですね、基本的にはアイドル事務所の、
 765プロといわれるプロダクションに過ごしていまして、
 若干ゃ癖が、強いところなので、
 そういったところで目立ちやすいように響、あの、小柄な個体で。
 であとポニテも大きいので、遠くの視線を集められるように。

 女子力ぅ……ですかねぇ……。
 男心の深いところに、スッと、タッチできるアイドルでして、
 結構編み物や料理が好きなので、
 軽々と一世帯二世帯は余裕でお世話してくれますね』

律子「……さて、以上がプロデューサーのインタビュー映像なわけですが」

P「はい」

律子「なんですかこれ! もうちょっと何かまともなコメントはできなかったんですか!」

P「い、いや、これでも一応徹夜で考えたんだけど……」

響「て……徹夜で考えてこれ!?
 なんだよ一世帯二世帯余裕で世話するって! 意味わかんないぞ!」

P「いや……そのくらい女子力が高いんだぞっていう……」

律子「あと癖が強い事務所ってなんですか! 失礼な!」

P「こ、個性豊かって言いたかったんだ。
 す、すまん、今思えば俺も緊張してて、そのせいで意味不明なことを……」

サーバル「えー? そうかなぁ。難しいこと言ってたけど、
     私、プロデューサーの言いたいことなんとなくわかったよ!」

P「! 本当かサーバル!」

サーバル「うん! 響ちゃんはすごいってことでしょ?
     料理はできて、編み物もできて、私たちや他の子たちのこと、
     いーっぱいお世話してくれるの!」

律子「流石ね……。響のいいところが一番よく見えてるのは、
   もしかしたらサーバルなのかもね」

サーバル「ふっふーん!」

P「うっ……。い、いや、俺だって、解説は下手だったかも知れないが、
 自分のとこのアイドルの魅力はきちんと分かってるつもりだぞ!」

サーバル「私だって、他のみんなのすごいところ知ってるよ!」

律子「へぇ……。あっ、そうだ!
  ねぇサーバル、ちなみに私のすごいところを聞いてみてもいい?」

サーバル「もっちろん! 律子はすっごくいろんなこと知ってるよね!
     それで、難しいこと考えるのが得意なの!
     賢くて、頑張り屋で、それに優しいんだ!」

律子「まあ、うふふっ。ありがとう」

サーバル「あっ、でも頑張り屋で優しいのは他の子たちも同じだね!
      ここのアイドルの子って、みーんな優しくて、いつもすごく、すっごく頑張ってるんだよ!」

律子「……サーバルは、人のいいところを見つけるのが得意なのね。
   いっそのこと、この子にインタビューしてもらった方が良かったんじゃないかしら?」

P「え!?」

サーバル「インタビュー!? わーい、楽しそー! 私やりたい私やりたーい!」

律子「それでプロデューサーのインタビュー映像と差し替えて……」

P「俺だけのけものー!? ひどいよー!」

律子「もう、冗談ですよ冗談」

P「ほんとー!? わーい!」

とある日、事務所

小鳥「うぅ、うぐぐぐ……」

サーバル「わっ、小鳥どうしたの!? なんだかめちゃくちゃ怖い顔になってるよ!」

小鳥「サ、サーバルちゃん……。だ、大丈夫よ大丈夫。
  ちょっと、一週間分のデータを飛ばしちゃっただけだから……」

サーバル「そうなの? よく分からないけど、大変なんだね……。
     私に何かできることない? 私、なんでもするよ!」

小鳥「ん?」

小鳥「ほ、本当に? 本当になんでもしてくれるの……?」

サーバル「うん! 小鳥はいつもみんなのために頑張ってくれてるもん!
     だから私も小鳥のために頑張りたいの!」

小鳥「て……」

小鳥(天使……!)

サーバル「何したらいい? 私、頑張るんだから!」

小鳥「じゃ、じゃあサーバルちゃん……。
  私のこと褒めて……いっぱい褒めて……」

サーバル「? えっと……小鳥はすごいよね!
     パソコンっていうので、いつも難しいことしてるもん!」

小鳥「お、おおぅ……」

サーバル「律子に怒られちゃう時もあるけど、でも小鳥が頑張ってるのはみんなも知ってるよ!
     だから失敗しても気にしないで! 小鳥はすごいんだから!」

小鳥「が、頑張れる……サーバルちゃんのおかげで私、三日三晩不眠不休で頑張れるわ!
   ありがとうサーバルちゃん!」

サーバル「わーい! 小鳥、元気になったね!」

小鳥「見ててねサーバルちゃん! こんなのすぐに片付けてみせるから!」カタカタカタカタカタ!ッターン!

サーバル「わっ、すごいすごーい! かっこいー!」




響(何やってんだあの二人……)

 おしまい

ヤマなし オチなし 意味なし

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした

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