女騎士「魔術も剣術も極めたいっ!」(99)

女騎士「どちらも極めて最強の魔法剣士になりたいっ!」

~帝国兵団、宿舎~

女騎士「なぁ、魔法使い」

魔「何?」

女騎士「魔法を教えてくれないか」

魔「あら、貴方魔術になんか興味あったの?」

女騎士「あぁ。実は幼い頃から魔法剣士に憧れていてな」

魔「魔法剣士…私にはどっちつかずの器用貧乏なイメージなのだけれど」

女騎士「いや、魔法剣士は万能かつ有能な職業だ!あるときは華麗な剣術で前線に立ち、またあるときは魔法による攻撃や回復、補助で仲間を援護する…素晴らしいとは思わんかね!」

魔「そういうと聞こえはいいけどね。実際はどっちも中途半端でどんなパーティーでもお荷物になるのがオチよ」

女騎士「だが、私は既に剣術を極めている。そこで魔術を極めれば…私は最強の魔法剣士だ、違うか?」

魔「貴方、そこまで剣術スキル高くないわよ?」

女騎士「えっ」

魔「ここの兵団でわりと最低クラスよ、貴方」

女騎士「まじで」

魔「貴方が長けているのは防御スキルだけ。兵団に入れたのも、肉壁役としてよ」

女騎士「そんな…」

魔「現実を見なさい。貴方は魔法はおろか、剣術も最低辺のカス!カスッカスのカスなのよ!」

女騎士「…」

魔「あ…ごめん、言い過ぎた」

女騎士「…」

魔「ごめん」

女騎士「…さない」

女騎士「ゆる、さない!」

ヌギッ

女騎士「私の怒りを思い知れ!」

魔「きゃあ、何故全裸になるの!」

女騎士「もちろんお前を罰する為…辱めを受けて貰おうか!」

ガシッ

魔「いやっ…おーかーさーれーるー!」

女騎士「ンフフフフ…私はカズレーザーと同じくバイセクシャル…女も愛せる女なのよォォォ!」

ススッ ヌプゥ…

魔「やっ…ぁぁ…」

女騎士「ンフフフフ…花園の入口…」

サワサワッ サワチャン

魔「んっくっ…」

女騎士「そこか!必殺、抜き差しエンドレスエイト!」

ヌポポポポ

説明しよう!
抜き差しエンドレスとは
指を入れたり抜いたりをまるで永遠であるかのように繰り返す性技である!
これを食らったらもう快楽死間違いなし!

魔「あっあ…秘密の花園から液体が溢れる私ィィィ!」

プッシャー

女騎士「ふん、梨汁か…」

ペロリ

女騎士「美味ェ!」

ペロリ ペロリ ペロリーム

魔「あふぁ…かんにんや…かんにんやァァァ!」

プッシャー シャーオラー

魔「脱水症状になっちゃうにょるぉぉぉぉぉ!」

それでも、抜き差しエンドレスエイトは終わらない。
魔法使いは終わりの見えない快楽地獄に身を震わせるしかなかった。
そう、それは
エンドレスエイトをリアルタイムで視聴している時のそれと同じであった。

魔(いつ終わる…いつ終わるの…まさか、本当にエンドレス…?)

ゾクッ

魔(嫌…このまま終わらない夏休みかのごとく、永遠に続くの…?)

ぞわ…

魔(そんなのは…嫌!)

ぞわ ぞわ
ぞわわわわ!

女騎士「なっ!?黒い霧が魔法使いの股間から…な、何だこれは!?」

魔「…」

女騎士「意識を失って…?」

魔「ラアアアアアア!」

キィン

女騎士「くっ、何だこの金切り声は…魔法使いは一体…」

魔「ラアアアアアア!」

ヒュオン ヒュオン
スパッ

女騎士「ぐっ、風の刃、だと!?」

魔「ラアアアアアア!」

ヒュオン ヒュオン

女騎士「くそっ、一体離れるしか…」

ダダッ

ヒュオン ヒュオン

女騎士「魔力の暴走…か…」

女騎士「こいつは危険だな、このままでは兵団宿舎が壊れてしまう」

女騎士「だが魔法使いは魔法のエキスパート。なかなか骨が折れるな…」

魔「ラアアアアアア!」

ヒュオン ヒュオン

女騎士「こんな時…『あいつ』がいてくれたらなぁ…」

あいつ。

かつて世界が魔王の恐怖で震えていた時代があった。
その魔王を倒した者達。
勇者、女騎士、魔法使い、オーク。
その4人がなんやかんやあって魔王を倒したのだった。

つまり女騎士の言う、あいつとは
即ち―――――

ヒュオン

女騎士「しまっ、かわせな…」

女騎士(やられる!?)

ヒュオ…シュワッ
ザザッ

?「ふぅ、間一髪か」

女騎士「!」

女騎士「お、おまはん…おまはんは…勇者!」

勇者「よぉ」

女騎士「なぜお前が…ここに…」

勇者「さぁてね…」

勇者「それより、今は魔法使いを何とかしないと」

女騎士「た、確かに」

勇者「しかし暴走した魔法使いを止めるのはなかなかに大変そうd…

ヒュオン スパッ

勇者「ひゅ

ぼとり

女騎士「ひぃっ」

ブシャー

女騎士「ひぃぃぃ!勇者の首が!」

魔法使い「ラアアアアアア!」

女騎士「ま、魔法使いの暴走は止まらない…だ、誰にも止められ…」

魔「ラ…」

グギギ

女騎士「!?」

魔「ラ…ヴ…コ、コロ、シテ…」

女騎士「!?」

魔「コロシテ…」

女騎士「!?」

女騎士(よく聞こえない…)

魔「コロシテ…」

女騎士「何?いつもと喋り方違うからよく聞こえない!」

魔「ダカラ…コロシテ…」

女騎士「え?なんだって?」

魔「…だから!自分じゃ魔力の暴走を止められないから、殺してくれって言ってんの!」

女騎士「よし、わかった!」

ズバー

魔「アイヤー」

バタリ

女騎士「魔法使いー!」

魔「ぐふっ…」

女騎士「魔力の暴走を止めるためにやむなく私に斬られた魔法使い!大丈夫か!?」

魔「ぐふっ…」

女騎士「くそっ、どうしてこんなことに…」

魔「お、女騎士…」

女騎士「無理して喋るな…もはやお前は…」

魔「分かっている…それよりよく聞け…今からお前に私の魔力を授ける…私はもはや助からない…ならば私の持っている魔力…お前が受け取ってくれ…」

女騎士「マジ?やったぜ」

魔「…」

ワクワク

女騎士「はよ、はよ!」

ユッサユッサ

魔「ぐふっ…」

女騎士「おい、はよくれや!」

魔「わ、わかったから…人差し指を出せ…」

女騎士「ん」

魔「では、私の人差し指と合わせろ…E.T.みたいなノリで」

テーテーテレテレテー

ドクン

女騎士「!」

魔「た、確かに…託した…わよ…ぐふっ…」

バタリ

女騎士「これは…体から溢れるこの感覚…これが…魔力…!」

女騎士「ふふ…感謝するぞ魔法使い…!」

女騎士「そして…」

キョロキョロ

女騎士「たしかこのへんに…おっ、あったあった」

ヒョイ

女騎士「勇者の剣だ…死んでしまった勇者にはもはや無用の物だ。ありがたく私が頂くとするか」

チャキッ

女騎士「魔法使いの魔力…勇者の剣…ふふ、どうやら私にもツキがまわってきたようだな…」

女騎士「魔力も!剣も!最高のものを手にいれた!私は…魔法剣士だ…最強の、魔法剣士だ…!」

・ ・ ・ ・ ・

それから女騎士は豹変した。
手始めに帝国の王を追放し
その妻である女王を無理矢理自分の嫁にした。
魔法でチンポを生やした女騎士は
三日三晩、女王を犯しに犯した。

剣術や魔力で女騎士に勝てる者はおらず
皆、従うしかなかった。
もはや帝国は女騎士に乗っ取られたのだった。

女騎士は帝国の心臓部である王の城を
悪趣味な金に塗り替えた。
いつしか人々はそれを『黄金城』と呼ぶようになっていた…

~帝国、黄金城内、主の間~

キンキラキーン

女騎士「ふぅ…」

女騎士は、風呂に浸かっていた。
金の浴槽に、これでもかと満たされた砂金。
このゲスの極みともいえる戯れを女騎士は毎日のように繰り返していた。

こんな吐き気をもよおす光景が
ここでの日常になっていた。
目を伏せる側近。
税に苦しむ民。
陵辱に泣き崩れる女王(58)。
もはや黄金城は
女騎士の戯れの場となっていた。

女騎士「ぶはは!砂金の風呂は気分がいいな!のぅ、大臣!」

大臣「は、はい…」

女騎士「のぅ、女王!」

女王「…」

女騎士「どうした、返事がないな…どうやら私をイラつかせ、罰が欲しいとみえる…」

女王「!」

女騎士「よかろう、今宵、よがり死ぬ程の快楽を与えてやろう!フハハハハ!」

女王「…」

大臣「ぐふぅっ…」

大臣(もはやこの女騎士は暴君だ…だが我々にはどうすることも…)

女王「…」

ポロッ

そして今日も女王は
ただただ涙するしかなかった…

・ ・ ・ ・ ・

~黄金城、大臣の部屋~

大臣「…」

髭兵「…」

禿兵「…」

チビ兵「…」

大臣「皆、揃ったな」

髭兵「うむ」

禿兵「ここに」

チビ兵「おう」

大臣「もはや我慢の限界だ。あの極悪非道たる女騎士を、このままにしてはおけん」

髭兵「その通り」

禿兵「では…ついに期は熟した、と」

チビ兵「あぁ。オイラの部下が走り回って、ようやく協力が得られる事となったんだ」

大臣「よくやってくれた」

髭兵「しかし…まさか『あの国』相手によく…チビ兵さん、やりましたな」

あの国。
帝国より遙か北に、それはある。
そこに住むは、氷の民。
そう、そこは氷の国。
吐く息は白く、血も凍てつく極寒の地。

大臣「協力と引き替えに氷の民が要求したのは我が帝国の領土の3割…あまりにも足下を見られた、だがそうしてでも、我々は!」

髭兵「あの暴君を打ち倒さねばならぬ!」

禿兵「そう!」

チビ兵「なりふりかまっては、いられぬ!いられぬのだ!」

一同「応!」

大臣「日の出と共に、氷の民が来る手はずになっている。間違いないな?」

チビ兵「相違無い」

禿兵「うむ」

髭兵「とはいえ、女騎士の力に屈し、従う者も少なくない」

大臣「大勢の血が流れるだろう」

禿兵「それも、同胞の血が」

チビ兵「むぅ…」

大臣「今更引けぬ、やるしか、ないのだ」

禿兵「うむ」

髭兵「では、手はず通りに」

チビ兵「うむ」

大臣「任せたぞ、帝国三大将よ。主らの武運を祈る!」

髭兵「うむ」

禿兵「御意」

チビ兵「おうさ!」

~帝国、とある酒場~

ワイワイガヤガヤ
ギャーギャーバタバタ

氷騎士「…」

まったくここはいつも騒がしい。
帝国の奴らは静かに飲むこともできないの…

チビチビ

氷騎士「…」

ザザッ

チンピラ「よぅ姉ちゃん」

キンピラ「一人かぁい?」

チンピラ「寂しいねぇ、俺達と一緒に飲まないぃ?」

キンピラ「楽しいよぉぉ?」

氷騎士「…」

なんだこいつら。
みるからに下品でチンピラな奴と
もう一人は…いかにもキンピラだ。
小鉢に遠慮がちに盛られた、ゴボウと人参が鮮やかな、キンピラだ。
キンピラが喋るのが帝国、なのか…?

チンピラ「返事はぁぁ?」

キンピラ「姉ちゃんよぉぉ?」

氷騎士「…」

無視、無視。
かかわると面倒だわ。

キンピラ「アニキぃ、こいつ無視しやがるぜぇぇ?」

チンピラ「けひゃぁっ、こいつぁ俺達の恐ろしさを教えてやらねぇといけねぇなぁぁ!」

氷騎士「…」

はぁ、面倒だわ…

客「なんだなんだぁ?」

客「ケンカかぁ?」

客「やれやれ!」

ガヤガヤ

氷騎士「…」

ちっ、ここの酒場の奴らは皆同レベルの馬鹿しかいないのね。
まぁこんな奴ら、サクッと斬ってしまえばいいか…

ガタッ

チンピラ「おぉっ、やる気になったかぁぁ!?」

キンピラ「やってやろうぜぇぇ、アニキ…」

キンピラ「ん?」

チンピラ「どうしたキンピラぁぁ?」

キンピラ「アニキ…こいつ…」

チンピラ「ん?…ぬぅ…けひゃぁっ、背はでけぇし胸がねぇ!こいつ、男だったのかぁぁ?」

キンピラ「間違いないよアニキぃぃ!後ろ姿が綺麗だったからすっかり騙されちまったぁぁ!こいつ男だぁぁ!」

氷騎士「…」

ぶちん。
ぷっつーん。

はいここで氷騎士くーいず。
この世には触れてはいけないものがいくつかありまーす。
そのもっともたるものは、なんでしょーか?

氷騎士「…」

ゴゴゴゴゴ…
ギロッ

チンピラ「ひぃっ!?」

キンピラ「ひゃぁっ!?」

答えは…

チャキッ

氷騎士「私の胸の事だぁぁぁぁぁ!」

ズバーズバー

チンピラキンピラ「ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!」

バタリバタリ

氷騎士「消えろ。ぶっとばされんうちにな」

チンピラキンピラ「ひぃっ、お助けぇぇ」

ダダダッ

客「ひゅー!」

客「やるなぁ姉ちゃん!」

客「胸は無いが剣の技術はあるな!」

客「あっ、バカやろ…」

氷騎士「…」

氷騎士「どうやらこの酒場の奴らは死にたい奴らばかりらしいな…!」

ゴゴゴゴゴ…

客達「ひぃぃぃぃぃ!」

氷騎士「この酒場ごと吹き飛べ…エターナルフォースブリ…」

ヒュッ バスーン!

氷騎士「ざはぁっ!?」

客「い、いきなり弓が飛んできて氷騎士のこめかみに!」

テクテク

?「まったく…あんたはカッとなりやすいんだから!」

氷騎士「ぐふっ…」

?「まったく…あ、みなさんすいません、ご迷惑をおかけしまして…」

客達「お、おぅ…」

氷騎士「酷いことするね、弓兵」

弓兵「このくらいしないと、あんた止まンないから」

氷騎士「まァね」

客(こめかみから血が出続けている…)

氷騎士「でもまぁいい具合に頭は冷えた」

ガシ ズボッ
ブシュー

客「ひぃっ、血が吹き出して…!」

弓兵「あーあー、矢は乱暴に抜いたら駄目なんだから」

氷騎士「知らないわよ…それにこれくらい…」

フッ キィン

氷騎士「すぐ止血できるわ」

客「傷口を凍らせて…!?」

氷騎士「だてに氷騎士を名乗っちゃいないのよ」

氷騎士「で?」

弓兵「うん?」

氷騎士「あんたが私のとこ来たって事は…アレなんでしょ?」

弓兵「察しが良くて助かるわ。ちょっと長くなりそうだから場所を変えましょ」

氷騎士「分かった」

テクテク テクテク

客「…」

客「おっかない奴だぜ、氷騎士…」

・ ・ ・ ・ ・

~帝国、麺所びらびら~

氷騎士「またここなの?」

弓兵「いいじゃん、ラーメン好きでしょ?」

氷騎士「まぁ好きだけど…あんたとはいっつもここよね」

弓兵「ここが一番落ち着くのよ、ささ、入った入った」

ガラガラ

?「らぁっしゃいアッセエエエエヘェェ!」

店員達「らぁっしゃいアッセエエエエヘェェ!」

店員達「アッセエエエエヘェェ!」

シロメ グルンッ

店員達「アッセエエエエヘェェ!」

ビクビクン ガクッ

店員達「ふぅ…」

?「ようこそ、まんどころびらびらへ!」

店員達「店長、まんどころじゃないっス、麺所っス!」

?「おぅ、盛大に間違えた!ようこそ、麺所びらびらへ!」

氷騎士「…相変わらず暑苦しい」

弓兵「そこがいいんじゃない。ね、戦士」

戦士「おう、この麺所びらびらは元気の押し売りをモットーにしているんだぜ!」

氷騎士「ゲスの極みだわ…」

弓兵「ほらほら、まずは注文注文。私はドラゴンチャーシュー麺大盛りニンニクのせのせネギ無しちょいかた濃い濃いで」

氷騎士「…うましオーク麺ハーフニンニク無しネギ無しばりやわちょい薄」

戦士「あいよぉぉぉ!野郎共、超特急で作るぜぇぇぇ!」

店員達「オオオォォォ!」

ここで説明せねばなるまい!
氷騎士が注文した『うましオーク麺』について!

ここ麺所びらびらはこってり背脂の醤油豚骨ラーメンが売りだが
実はあっさりにも力を入れているのだ。
なかでも上品な塩ダレを使った旨塩ラーメン
そう、『うましオーク麺』が密かに人気なのである!

若くて新鮮なオークを
丸二日かけてじっくり煮出し
さらに半日かけてろ過して透明なスープを作る。
そこに屈強なオークのアレをアレしてアレっぽく仕上げたのが
そう、『うましオーク麺』なのである!

その『うましオーク麺』ッッ!
まずはそのスープからだ。
琥珀色の透明なスープを一口すする。
何か物足りない。
また一口すする。
まだ何か足りない。
またすする。またすする。またすする。
そうなったら、もう手遅れだ。
もう脳内には、この目の前のラーメンをいかに堪能してやろうかという
そんな義務にも似た感情に支配されているのだ。

そうなればスープはかり飲んでいる訳にはいかない。
麺だ、麺を食わねば。
恐怖と期待の混じった貴方は震える手で麺を食す。
と、ここで箸を落とす。大げさに言っているのではない。
うましオーク麺を食べた者は皆例外なく、箸を落とす。
まるでオークの巨根にガツンと殴られたような衝撃が襲うのだ。

そしてそのまま三分ほど動かなくなる。
あまりの衝撃に脳が思考停止してしまう故、だ。
ようやく意識を取り戻したなら
そこからの貴方は、もはや食べる機械。
麺を食らい、スープを飲み、お冷やでリセット。
麺を食らい、スープを飲み、お冷やでリセット。
ただそれだけを繰り返す機械に成り果てる。

ちなみにうましオーク麺に具は乗っていない。
追加でニンニクやネギ、チャーシューや煮玉子を乗せることも可能だが
それはこの店ではギルティである。

サッサッ
グツグツ
チャッチャッ
バァ~ン!
ドンッ

戦士「はいよぉぉ、ドラゴンチャーシュー麺大盛りニンニクのせのせネギ無しちょいかた濃い濃い、おまちぃぃ!」

ドンッ

戦士「続いて、うましオーク麺ハーフニンニク無しネギ無しばりやわちょい薄、おまちぃぃ!」

店員達「ごゆっくりお楽しみくださいませンナッハァァァァァン、アンアンアン、イックグウゥゥゥゥゥ!」

ビクンビクン

店員達「あふぅ…いっちゃっ…た…」

氷騎士「ここの店員達は変態しかいないのかしら…」

弓兵「そんなことより早く食べましょう」

ガシッ

弓兵「あぁ、この分厚いドラゴンチャーシュー…かぶりつかずにいられるだろうか…いや、いられない!」

ガブッ ジュワッ ホロホロ

弓兵「はぅ…とろける…」

ドロォ…

弓兵「あふぁ…とろ…ける…どろォ…けrrrr」

ドロォ…

氷騎士「ひぃっ、物理的にとろけとるやないかァ!」

戦士「ンフフフフフ…今日のラーメンは特別でな…特殊な毒を入れておいたのさ!」

氷騎士「な、なぜそんな事をした!?言ってみろ、なぜそんな事をしたか言ってみろっていってるんだよォォォ!」

戦士「ふ、ふふ…俺はな、知ったんだ。この世界が誰が支配すべきかを、な…やっと分かったんだよ」

氷騎士「な、何を…言って…」

戦士「勇者が魔王を倒し、それから世界は平和になったか…?10年も経とうとしているのに、人は争いを止めない。いやむしろ酷くなったとさえ言える」

氷騎士「だが、いつか人は…分かり合い平和を手に…」

戦士「無理さ。人は愚かよ、永遠に分かり合えず争う。永遠にだ」

弓兵「どろぉ…」

戦士「話が長すぎて、すっかり液状化しちまったなぁ、弓兵よぉぉ!」

氷騎士「液状化…だがこの姿は、まるで…」

戦士「そう、同じだろ…魔物のスライムに?」

氷騎士「人が魔物に…なったというの…?」

戦士「少し違うな。本当の姿に戻ったのさ」

氷騎士「本当の姿…?」

弓兵「どろぉ…?」

戦士「原初の生命…それがスライムという魔物だったのさ。体のほとんどが水分とタンパク質で構成された単純な生物。思考など持たず、他生物を補食する本能のみで行動する下等な生物…」

氷騎士「それが…スライム…」

戦士「そうだ。全ての原点にして始祖がスライムなのだよ」

ババッ ズババッ

店員達「そう!スライムが!我らが!」

ヌギッ キィン

店員達「はじまりの命なのddddaどろぉ……」

ドロォ…
ドロォ…
ドロォ…

店員達「どろぉ…」

氷騎士「店員達が…スライムに…!」

店員達「ヌルルルルルルル!」

弓兵「ヌルルルルルルル!」

氷騎士「みんなスライムに…こ、これは…」

戦士「いい…いい光景だ…原初たるスライムに…みんな…みぃんな…なればいい…深く考える必要は無い…本能のまま食って食われて…まさに力だけが正義の世界が…いいのだ…」

ヌギッ

戦士「そんな単純な世界を…あのお方が支配する…それがいい…いい、のだ…!」

ビィィィン

戦士「その世界のために俺は!俺は!」

ビィィィン ビィィィン ボッキィ

氷騎士「変態や…」

戦士「ふはは…怖かろう…いきなり全裸になった俺が勃起する様は!」

ビィィィン ビィィィン

氷騎士「勃起の振動で独特の音を放っている…!?」

ビィィィン ビィィィン

戦士「この周波数で放たれる音は…貴様の脳を内部から破壊する…!」

ビィィィン ビィィィン

ピシッ

氷騎士「くぁっ…あ…あたまが…いだだだだだダイナマイト!」

アタマ バクハツ シサン

びちゃっびちゃっ

戦士「ふっ…ふふ、頭が爆発四散したか。俺の勃起ノイズクラッシュをくらえば、そうもなろう!」

弓兵「ぬるる…」

店員達「に、にく…」

弓兵「にくにくにく!」

ドロォ…
ぐちゅぐちゅばりばり

弓兵「にーくー」

店員達「うーまうまー」

ばりばり ばちゅり

げぷぅ

弓兵「うま」

店員達「うまま」

戦士「ふふ、下等生物に食われる…おまえにお似合いの最後だったな、氷騎士…あの汚らわしき女騎士の末裔よ!」

そうだ。
本当に汚らわしい女。
女騎士は、俺から大切な人を
勇者を、奪ったんだ!
心も…命までも、奪ったんだ!

許せるはずが、無い。
他の誰にも理解できるはずが、無い。
かつての魔王との戦いで共に戦えなかった惨めさを!
突然首を切り落とされ死んだという知らせを聞いた悲しみを!
俺だけにしか分からない。
この怒り、やるせなさ。
この程度では癒えない。
決して、癒えないのだ…

戦士「全ては忌むべき血のせいよ…恨むなら貴様に流れる『騎士』の血を恨むがよい」

弓兵「どろぉ」

店員達「どろぉ」

戦士「ん?」

プルルーン

戦士「もう食べ尽くしたか…スーパー食いしん坊どもめ」

弓兵「うめぇ!」

戦士「またコアなネタを…」

弓兵「どろ」

店員達「どろん?」

戦士「なんだ、こいつら意志の疎通をしようとして…?」

ハッ

戦士「進化…か…?」

戦士「知識を持ち始めたのか…スライムどもが…氷騎士を食った事で進化を…?」

弓兵「ど、る…」

店員達「るるあ」

ズモォ

店員達「るあ…う」

グチュグチュ

戦士「スライムどもが集まり食い合いを…いや、これは…」

グチュグチュ

戦士「捕食ではでは無い…合体か…?」

グチュグチュ

店員達「あぅあ…」

グチュグチュ

弓兵「あぅ!」

ピョーン グチュ

戦士「ひとつに…なった…!?」

スライム集合体「あぅあ…あああ!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom