モバP「親戚の伏し目がちな子をスカウトしよう」 (140)

ちひろ「プロデューサーさん、ちょっといいですか」

モバP「なんですか?」

ちひろ「うちの事務所も軌道に乗って随分経ちました」

モバP「そうですね、お陰さまでアイドルも仕事も増えました」

ちひろ「でも私ちょっと思うんですよ」

モバP「え?」

ちひろ「クール勢の層が薄いんじゃないかと」

モバP「……まあ、凛と楓さんの2人ですからね」


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ちひろ「パッションやキュートはたくさんいるのに、クールだけ少なすぎじゃないですか?」

モバP「ええ、まあ」

ちひろ「このままじゃバランスの悪い事務所になりますよ?いいんですか?」

モバP「そうですねえ」

ちひろ「クールの仕事独占できませんよ?」

モバP「う~~ん」

ちひろ「…なんか歯切れ悪いですね」

モバP「クール、増やしたいっちゃ増やしたいんですけどねえ……」

ちひろ「何かあるんですか?」

モバP「…まあ、凛が嫉妬するというかなんというか」

ちひろ「嫉妬?」

モバP「なんか嫌がるんですよ、新しい子を入れようとすると……」


ーーーーーーーーーー

モバP「応募してくるような子はどの子もレベル高いなあ…」ペラ

凛「なにこの紙」

モバP「あっ、凛……」

モバP(しまった…)

凛「ふーん、これが新しいクール部門のアイドル?」

モバP「や、まだ決まったわけじゃ……」

凛「私じゃ駄目だった?頑張ったつもりだったんだけど」

モバP「いやいや、そういうわけじゃなくてな?」


凛「…………」ジー

モバP「凛が大きくしてくれた部門をもっと力入れようと思ってさ」

凛「…………」

モバP「凛も手がかからなくなったし!」

凛「…………」

モバP「ま、まだ凛に集中しようかな」

凛「!!」

凛「ふーん、ま、どっちでもいいけど」

凛「いらないならこの履歴書はシュレッダーにかけとくね」

モバP「ううう……」


ーーーーーーーーーー

モバP「ってことが何度もあって……」

ちひろ「何ですかそれ…」

モバP「シンデレラガールにへそ曲げられちゃ困りますし……」

ちひろ「……」

ちひろ「とりあえず、クールアイドルを増やすのは決定事項です!来週までに連れてきてください!」

モバP「ええ!?」

ちひろ「もう決まったことです!!」

モバP「ら、来週まではキツいですよ、俺明日帰省しますし!」


ちひろ「帰省先で捕まえてくればいいでしょう!はい、決定!」

モバP「そんなあ…!」

ちひろ「連れて来れなければペナルティで給料から10時間分のお金を引かせてもらいます!」

モバP「10時間分!?鬼!悪魔!労基法をなんだと思っているんだ!」

ちひろ「聞こえませーん」

モバP「ツイッターに流して炎上させてやる!」

ちひろ「あんな風に証拠残したりしませーん抜かりなくやりまーす」

モバP「ううう…!無理ーーー!!」


ー実家ー

モバP「終わりだあ」

モバP「地元の知り合いの目が気になってスカウトできないし」

モバP「スカウトで通報されるたびに婦警になった幼馴染がシメてくるし」

モバP「もう親戚の集まり始まるし」

モバP「明日東京帰らないといけんし」

モバP「終わりだあ」


「おーい、モバP!長野のおじさんの家族が来たぞー!」

モバP「あ、はーい」

モバP「どうも、ご無沙汰してます」

「じゃあお父さんたちは飲むから、お前は若い子の相手をしていてくれ」

モバP「え」

「昔遊んでたから大丈夫だよな」

モバP「急だな、別にいいけど」

「頼むぞー」

モバP「まったく…」

モバP「えーっと、久しぶりだね。じゃあ何しよっか」

モバP「文香」



「…………」

モバP「ふ、文香?」

文香「……」

モバP「……あはは」

モバP(なんだこれ!?反抗期!?)

モバP(確かに昔から口数は少なかったけど無視はしてこなかったはず…!!)

モバP(うつむきながら袖を掴んできたあの頃の文香はどこに行ってしまったんだ…!)

文香(……)

文香(モバPさん、3年と142日と17時間9分ぶりに会ったけどやっぱり素敵です……)

文香(素敵すぎてとても直視できません……)


モバP「ま、前髪伸びたね?前もそんな感じだったっけ?」

文香(……!!)

文香(確かに毎月2日に整えている前髪を今月は帰省でまだ切り揃えられてないけど、そんな所まで見てくれてるなんて……!!)

文香「これはもう結婚…ですね」

モバP「え?結婚?誰が?」

文香「……」

モバP(また黙っちゃったぞ!?)

文香(モバPさん、照れてらっしゃる……)


文香(ん…?結婚するなら一緒に暮らさないといけない…)

文香(私もモバPさんと一緒に東京に帰らないといけない…)

文香(お父さんに許可をもらわないといけない……)

文香「…モバPさん」

モバP「お、やっと呼んでくれた」

文香「少し親に挨拶を…一旦失礼します」

モバP「……?お、おう」

モバP「……行っちゃった。どうしたんだろ」


モバP「……まあ待ってよう」

ゴソゴソ

モバP「……?」

ゴソゴソ

モバP「…俺の部屋から音が聞こえる」

モバP「なんだ?怖いな…」

モバP「泥棒だった時のためにバットを持って……」

モバP「勢いよく……」

ガチャ!!

モバP「おい!!!!」

「ひい!!!」

モバP(机の下に誰かいる!)

モバP(とりあえず電気をつけて…)

ピッ

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

モバP「って……乃々!?」

乃々「ううう~」


モバP「どうしたんだこんな所で!」

乃々「うあうあううえええん」

モバP「ダメだ、びっくりして受け答えが出来なくなってる…」

乃々「ええええんええええん」

モバP「大丈夫、大丈夫だぞ乃々」

ギュッ

乃々「ふあ……」

モバP「怒ってないからな?落ち着いて落ち着いて」

乃々「……バット」

モバP「え?バット?あ、これ全然関係ないぞ!」バキィ!!

モバP「ほら!もうバットじゃない!木だ!」

乃々「…………」

ーーーーーーーーーー


モバP「落ち着いたか?」

乃々「はい……さっき取り乱したのは忘れてほしいんですけど……」

モバP「いや、それはいいんだけど」

モバP「そもそもどうして俺の部屋に?」

乃々「もりくぼは親戚の集まりがあった時はいつもモバPさんの後ろに隠れてました……」

モバP「ああ、そんなこともあったな」

乃々「でも最近、モバPさんは忙しくて帰ってきてくれませんでした……」

モバP「うっ」


乃々「だから親戚で集まった時はいつもモバPさんの部屋の机の下で隠れていたんです……」

モバP「なるほど、それで今日もここに入ろうとしたわけか」

乃々「はい……本当にごめんなさい……」

モバP「いやいや、全然謝ることじゃないぞ?」

乃々「勝手に机の下に私物も置いちゃいましたし……」

モバP「え?」

乃々「すぐどかします……」


モバP「ど、どれどれ?」

モバP「……うおっ、少女漫画がいっぱい」

乃々「……モバPさんの匂いに包まれて少女漫画を読むのは最高です……」

乃々「もりくぼはここをモバくぼの森と名付けました……」

モバP「そ、そうか」

モバP「……ん?何これ」

乃々「そ、それは……!!」

『のの姫は12時までに帰らないといねません』

『魔法が解けてしまうからです』

乃々「か、回収です……!」バッ

モバP「あっ」


モバP「……それ、乃々が描いたのか?」

乃々「ううう…消え去りたいんですけど……」

モバP「上手じゃないか!」

乃々(モバP王子のページを開かなかったのは不幸中の幸いなんですけど……)

モバP「にしても乃々もシンデレラに憧れてたんだなあ」

乃々「も、もうその話は……!!」

モバP「あはは」

モバP「ん?」


モバP(乃々はシンデレラになりたい)

モバP(シンデレラガールになりたい)

モバP(アイドルになるしかない?)

モバP「乃々」

乃々「は、はい?」

モバP「俺と一緒に、東京に来ないか」

乃々「え」

乃々(ええ~~!?)

乃々(突然のプロポーズなんですけど…!!)



乃々(ど、どどどどどど)

乃々(どうしよう……!!)

モバP「あっちでは厳しくしちゃうかもしれないけどさ」

乃々(突然の関白宣言!?完全に亭主の心持ちなんですけど……)

モバP「でも乃々を見た時正直ティンと来たからさ、伸びると思うんだ」

乃々(ナニがティンと来たから伸びる!??)

乃々(もう家族計画まで考え始めてる……!)

乃々「で、でもまだ16歳じゃないですし……」

モバP「叔父さんたちは俺が説得してみせるから!」

乃々「あ、あうぅ……」

モバP「な?」

乃々「……お」

乃々「お任せします……」


モバP「よっし!!これからよろしくな!」

ジーーーー

モバP(……殺気!?)

モバP「誰っ…………あ、文香か」

文香「…………なんで」

モバP「?」

文香「なんで乃々ちゃんは顔が真っ赤なんですか?」

モバP「え」


文香「なんで二人きりでモバPさんの部屋にいるんですか?」

文香「乃々ちゃんを東京に連れてくってどういうことですか?」

文香「バットが折れてるんですけど、どんな激しい行為を」モバP「文香!」

文香「!」

モバP「文香落ち着け、落ち着け」

ギュー

文香「……は、はい」

モバP「文香は昔から暴走しちゃうからな」

文香「……はい」


モバP「抱きしめたら黙っちゃうのは変わらないな」

文香「……モバPさんに抱かれると落ち着きます……」

モバP「……乃々はアイドルになるんだ」

乃々(いきなり他の女に抱きついてからモバPさんだけのアイドルだなんてノロケるなんてレベル高すぎです)

モバP「だから東京に連れて行く」

文香「…そうですか」

文香「じゃあ乃々ちゃん、あっちでも一緒ですね」

乃々「え?」

モバP「ん?」

文香「親には言ってきたので、一回みんなの所に行きましょう…さ、どうぞ」

モバP「???」


ー居間ー

「というわけでモバPくん!うちの文香をよろしく頼むよ!」

文香「不束者ですが…よろしくお願いいたします」

モバP「え?」

「東京のことなんてこれっぽっちも知らないから色々教えてやってくれ!」

モバP「え、文香、東京来るのか?」

文香「いきなり単身赴任はいやです……モバPさんに着いていきます……」

モバP(どういうことだ…?)

モバP(…………)

モバP(……!)


モバP(小説好きな文香のことだから、わざと遠回しな表現でアイドルになりたいと伝えてきたのか)

モバP(まったく、俺の現代文の偏差値が48じゃなかったら分からない所だったよ)

モバP(でもそれなら俺の答えは1つ!!)

モバP「お任せください。文香は責任を持って育てていきます」

「ヒューヒュー!!」

「育てるってなんかえっちだー!!」

「わかるわ」

「責任!!責任!!!」

モバP(盛り上がってる…やっぱり正解だったみたいだな)


ー事務所ー

ちひろ「で、連れてきたのはこの2人ですか……」

文香「……」

乃々「……」

ちひろ「……ちょっとモバPさん、こっち来てください」

モバP「はい?」

ちひろ「……また濃いメンバー連れて来ましたね……」

モバP「可愛いでしょう」

ちひろ「や、すごい可愛いんですけど、大丈夫ですかね?」

モバP「何がですか?」


ちひろ「例えば、今モバPさんを呼んだ段階から物凄い眼光でこちらを睨んでくる文香ちゃんとか……」

モバP「え?」クルッ

文香「!」

文香「……」ニコー

モバP「笑ってますよ?」

ちひろ「……」

ちひろ「事務所着いた瞬間教えてもいないのにモバPさんの机の下に潜り込んだ乃々ちゃんとか……」

モバP「え?」クルッ

乃々「濃い……濃い……」クンクン

モバP「…あいつはあそこが落ち着くんです」

ちひろ「……」


ちひろ「まあ、とりあえず2人とも寮住まいってことでいいですね?」

モバP「あ、2人ともうちに住まわせます」

凛「は?」

モバP「うおっ」

ちひろ「ひいっ」

凛「あ、ちょっとその前に」

凛「ほらやめて、匂い減っちゃうから」

乃々「あうぅ……引っ張り出さないでほしいんですけど……」ズルズル

凛「……よし、続けて?」

モバP「ああ、えーっと」


モバP「2人はうちに住まわせる。そういう条件で連れて来たからな」

凛「そもそもその2人の紹介がまだなんだけど」

モバP「あ、そっか」

モバP「おーい2人とも、凛に挨拶するんだ」

文香「……鷺沢文香です」

乃々「も、もりくぼです……」

凛「……うん、で、なんで2人ともプロデューサーの家に住まわせるのかとプロデューサーの住所を教えて?」


モバP「何でかって言うと、じゃあまず乃々からな」

モバP「乃々は人見知りが激しくて、こっちに連れて来て寮生活させるのはとても無理なんだ」

凛「うん」

モバP「で、俺の匂いを嗅ぐと落ち着くらしいからうちに住まわせることにした」

凛「ちょっと待って」

モバP「ん?」

凛「私もプロデューサーの匂い嗅がないと落ち着かないんだけど」

モバP「ええ?」

凛「ほら、これプロデューサーのハンカチ。これ嗅ぐと落ち着くんだ」クンクン

モバP「……」

ちひろ「あ、ドン引きしてる」

モバP「…で、文香だ」

ちひろ「見なかったフリしてる」


モバP「文香はこっちに連れてくる条件として俺と一緒に住むってのを親御さんと約束したからな」

凛「え、親にも許可取ったの?」

文香「私もあちらのご両親に挨拶を済ませました……」

文香「家族だし当然です……」

モバP「まあ、当然だな」

凛(は?え?両親に挨拶済み、家族、同棲……)

凛「……2人は付き合ってるの?」

モバP「はは、そんなわけないだろ」

文香「!??」

ちひろ(あちゃー)


文香「モ、モバPさん、どういうことですか」

モバP「え?いやあ、凛が急に変なこと聞くから」

文香「変なこと?」

モバP「俺たちが付き合ってるなんてなあ」

凛「なんだ、じゃあ2人が家族ってのはどういう意味?」

モバP「文香が俺の親戚ってだけだよ」


文香「え……」

モバP「ん、なんか勘違いしてる?」

モバP「そもそも俺、告白なんてしてないだろ?」

文香「そ、そんな……!!言ってくれたじゃないですか…!!」

凛「何て?」

文香「ま、前髪ちょっと伸びたなって……」

凛「……は?」

文香「……だから、いつもに比べて前髪伸びてるって言ってくださったんです……!」

ちひろ「えっと…」


凛「好きって言われたわけじゃないの?」

文香「……凛さん、夏目漱石がI love you.をなんて訳したかご存知ですか?」

凛「初対面だけど、あなたが今すっごい勝ち誇ってる顔してるのは分かるよ」

凛「というか、前髪のことくらいなら私も言われたことあるよ」

文香「!?」

文香「まさかモバPさん、色んな人にこの言葉を…!?」

モバP「いや、前髪の事くらい言うだろ」

文香「髪は女性の命なんですよ…!!」

ちひろ「それはそうだけども」


文香「…………」

文香「……実家に帰らせてもらいます」

モバP「ええ!?困るって!」

文香「知りません……!」

モバP「せっかく新しいクールアイドルをプロデュースできると思ったのに!」

文香「アイドル…!?そんな人前に出るような事できません……!!」

文香「アイドルとして連れて来たかったなら菜々おばさんでも友紀おばさんでも連れてくれば良かったじゃないですか…!!」

モバP「あ、叔母さんに叔母さんってつけるの禁止ってキツく言われただろ!」

文香「あっ…」


文香「菜々ちゃんでも友紀ちゃんでも良かったじゃないですか…」

モバP「いや、文香じゃなきゃダメなんだよ」

文香「えっ…」

モバP(その2人クールって感じじゃないしな)

モバP「文香以外考えられないんだ」

文香「私じゃなきゃ…駄目なんですか?」

モバP「ああ」

凛「……」

凛「アイドルって大変だし、やりたくないならやらない方がいいよ」


凛「レッスンもキツイしプライベートも無くなるし、本当にやりたい人以外は務まらないと思う」

モバP「凛……」

凛「だから、無理だと思うなら悪いことは言わないから地元に帰りな?」

凛「で、文香さんを住まわせる予定だった部屋に私が住むよ」

モバP「凛……」



文香(……そういえばモバPさんと同居できるのは魅力ですね)

文香(アイドル……あまり自信はないけれど)

文香(うかうか地元で過ごしていたらこの子にとられるかもしれません)

文香「……モバPさん」

モバP「はいっ」

文香「私、頑張ってみます……」

モバP「本当か!?」ちひろ「本当ですか!?じゃあこの書類にサインをお願いします!」ドサー


文香「す、すごい量ですね…。しっかり読みながら記入したいので持ち帰っていいですか?」

ちひろ「いやいや!特に変なことは書いてないから流れ作業でサラサラ~っと書いてくれれば!」

文香「そうですか…?では」

サラサラ~

ちひろ(ちっひっひ)

凛(あ、ちひろさん悪い顔してる)


モバP「よっし、書き終わったか?」

文香「はい……」

モバP「乃々は契約書は親に書いてもらうから、とりあえず今日やることはもう無いな」

文香「はい」

凛「うん」

乃々「早く落ち着きたいんですけど…」

凛「じゃ、帰ろっか?私たちの家に」

モバP「お前はいつものところで降ろすぞ」

凛「……」


ちひろ「プロデューサーさん♪帰省中にたまったお仕事片付けましょう」

モバP「え、あの今日は帰省で疲れたし帰りたいんですけど……」

ちひろ「明日までの仕事たくさんありますよ?」

モバP「え、マジですか…」

ちひろ「あ、文香ちゃんと乃々ちゃんが乗るタクシーは呼んでおいたので、モバPさん、部屋の鍵渡してあげてください」

モバP「……これ」

文香「あ、ありがとうございます…」

モバP「今日は帰れないと思うから夜ご飯は適当に済ませてくれ…」

文香「…頑張ってください」


ちひろ「凛ちゃんはいつも通り帰ってね?」

凛「……はい」

乃々(一気にお通夜みたいな雰囲気になったんですけど……)

文香「では、これからよろしくお願いします、失礼します……」

乃々「し、失礼します……」

バタン


ー部屋の前ー

文香「ここが……」

乃々「ちょっと緊張します…」

文香「……では」

ガチャ

文香「……?電気が点いてる…?」

乃々「消し忘れたんでしょうか…」

楓「あら、いらっしゃい」ヒョコ


文香「!??!?!!?」

乃々「!??!?!?!」

文香「ま、間違えました…!!」

ガチャン

文香(……!???)

文香(今のバスタオルに身を包んだ湯上がり美女は誰…!?)

乃々「へ、部屋番号は間違って無いみたいです……」

文香「ここはモバPさんの部屋…のはず……」

「どうぞー」

文香「よ、呼ばれてる…?」

乃々「とりあえずもう一回入ってみて……」


ガチャ

文香「し、失礼ですがここはモバPさんのお部屋でしょうか…?」

楓「そうですよ?」

乃々「ど、どうしてモバPさんの部屋にあなたが……」

楓「まあまあ、とりあえず上がってください。はいスリッパ」

文香「?????」

乃々「?????」

楓「どうぞどうぞ」

文香「失礼します…?」


ー居間ー

楓「もしかしてあなたたちが親戚の文香ちゃんと乃々ちゃん?」

乃々「なんで知ってるんですか……」

楓「プロデューサーさんから、親戚を2人連れて帰るって連絡があったんです」

楓「ごめんなさい、湯冷めしちゃうからちょっと着替えてくるわ」

文香「どうぞ……」

文香(……タンスから自分のパジャマを出した…)

文香「乃々ちゃん……」

乃々「?」

文香「あの人、確実に強敵です…」

乃々「えええ」


楓「お待たせしました」

文香「……」

楓「夜は食べてきました?」

文香「いえ…」

楓「そうですか、では出前を取りましょう」

楓「じゃ、乃々ちゃん、手前の出前表をちょうだい?」

乃々「こ、これですか…?」

楓「そうそう、手前の出前表ね?」

乃々「どうぞ……」


楓「……」

楓「手前」文香「あの、あなたは一体……」

楓「……あっ、いけない。自己紹介がまだだったわね」

楓「私は高垣楓と申します。プロデューサーさんのもとでアイドルをやっています」

文香「……モバPさんとの関係は?」

楓「……まあ、見ての通りです」

乃々(見ての通り!?)

楓「お隣さんです」

乃々(見てわかるんですか……?)


文香「お隣さんがどうして家主のいない部屋に上がりこんでいるんです?」

楓「プロデューサーさんに頼まれたからです」

文香「何をですか?」

乃々(おお…グイグイ聞いてるんですけど)

楓「今日大切な荷物が届くから、留守番していてくれと」

文香「……なるほど」

楓「私、大人だから留守番できるので」

乃々(あ、ドヤ顔……)


文香「……なんでモバPさんの家のモバPさんのタンスの中からあなたのパジャマが出てきたのでしょう」

乃々(確かに)

楓「たまにお泊まりするからです」

乃々(うわ~)

楓「急に泊まるときにパジャマが無いと困りません?」

文香「部屋に帰ればいいんじゃないでしょうか」

乃々(あ~キレちゃってます)

文香「それに、見渡してみればマグカップはお揃いのが2つ、歯ブラシも2本、スリッパも2組……」

楓「プロデューサーさん、私のことも考えて必要な家具は2つ買ってきてくれるんです」


文香「……?」

文香(こんなに親密なのになぜお隣さんという距離を…)

文香「……単刀直入にお伺いいたします」

文香「あなたはモバPさんをどう思っていますか?」

楓「……」

文香「高垣さん」

楓「で、出前何にしまひゅ?」

文香(……やっぱり)

文香(ここまで生活に入り込んでおいて付き合っていないのは)

文香(この質問だけで焦り出して顔を真っ赤にしてしまうのは)

文香(この人が……超奥手だからです)

文香「乃々ちゃん、勝ち目はあります」

乃々「はあ……」


文香「私、モバPさんからあなたのことを一度も聞いたことがありませんでした…」

乃々(先制攻撃です)

楓「……うぅ」

乃々(あ、泣いてしまいました)

乃々(意外と打たれ弱いんですけど…)

文香「あ、あっ、あの…」

乃々(焦ってます)

楓「もしかして私、プロデューサーさんに嫌われてるんでしょうか…そうだったら悲しいです」

乃々(しょんぼりしちゃったんですけど…)


文香「普通に考えて嫌いな人を家に上げるわけ無いと思います…」

乃々(文香さんがフォローに回ったんですけど…)

楓「そうですかね…面倒な女なんて思われてたり…私って口下手ですし…」

文香「モバPさんがそんなこと言うと思いますか…?」

楓「……いいえ」

文香「…もっと自信を持って良いと思います」


楓「…ありがとうございます」

文香「いえ…思ったことを言っただけですから…」

乃々(一瞬でバトルが終わった…)

楓「……ふふっ、変ね、年下の子に慰められるなんて」

文香「…高垣さんはおいくつなんですか?」

楓「私?私は今年で25歳よ」

文香「!!!」

ーモバPの実家ー


留美『あなた今年でいくつになるの?」

文香『19歳です…』

留美『若いわね…』

美優『この歳になると段々焦り始めますよね』

瑞樹『わかるわ』

友紀『何がー?』

菜々『親とか友人からのプレッシャーにですね…』

留美『ほんと、職場内にいい人がいたら頑張れるんだけど、なにぶん女性の多い職場だから…』

菜々『まあ、20代も後半に差し掛かると嫌でも焦り出すんですよ、文香ちゃんも気を付けて下さいね』

文香『はあ……』


ーーーーーーーーーー

文香(そういえば実家でこんなことを言われました…)

文香(高垣さんは焦る年頃…近くにはモバPさん…)

文香(……やはり2人に距離を取らせなければ)

文香「……アイドルがプロデューサーの家に入り浸るのは良くないと思います」

楓「…え?」

文香「……高垣さんがモバPさんの部屋から出てくるのを週刊誌にでも撮られたら困りますよね?」

乃々(隣に住んでる時点で言い訳はできないと思うんですけど……)

楓「……」

楓「…それならそれで」文香「は?」

乃々(あ、まずい)


文香「駄目です、モバPさんの今後の仕事に影響が出てしまいます」

楓「…それはそうですね」

乃々(さっきから折れるの早いです)

文香「モバPさんのお世話は私たちがするので大丈夫です」

楓「……出前たのみません?」

乃々(逸らした)

文香「今はそんなこと…」グ~

文香「……」

乃々(黙ってしまいました)

楓「ふふ、ピザでも頼みましょ?」

文香「……はい」



ーーーーーーーーーー

乃々(文香さんと高垣さんは時々不穏な空気にはなりますが、高垣さんのふわふわしたオーラですぐに和んでしまいます)

乃々(あと文香さんは言い争いに慣れていないのか、よく途中で涙目になってしまいます)

乃々(そんな感じで、私とモバPさんと文香さんの3人と高垣さんの共同生活が始まりました)

ーーーーーーーーーー


モバP「…じゃ、行ってくるから」

楓「ちゃんとお留守番していて下さいね」

楓「あ、ネクタイ…」

モバP「え?ああ」

楓「はい、バッチリです」

モバP「ありがとうございます」

モバP「じゃ、行って来まーす」

楓「行ってきます」

バタン

文香「……」

乃々「……」

文香「乃々ちゃん…」

乃々「き、兄妹みたいですね…」

文香「……」

乃々(じゅ、充実してます……)


ー事務所ー

ちひろ「プロデューサーさん、ちょっといいですか?」

モバP「何でしょう」

ちひろ「アイドル、もう少し増やしたいなと」

モバP「またですか?」

モバP「あ」

モバP「うちの親戚にキュートにぴったりの人材がいるんですよ」

ちひろ「うーん…その子、今何歳ですか?」

モバP「……何歳くらいが欲しいんですか?」

ちひろ「卯月ちゃんと同年代のアイドルを揃えたいので、高校生とかだと嬉しいですねー」

モバP(…………)

モバP「あ、じゃあ丁度いいですね、その人17歳ですから」

ちひろ「じゃあ声をかけておいて下さい」

モバP「了解です」


ー廊下ー

モバP「もしもし?突然だけど俺の事務所入らない?」

モバP「いや、事務員とかじゃなくてアイドルとして」

モバP「……」

モバP「こんなチャンス無いと思うけどな~」

モバP「おばさんだってまだアイドルになりたいんじゃないの?」

モバP「……あ!ごめんごめん!菜々ちゃん!」

モバP「…え?来る?ほんと?」

モバP「良かった!じゃあ明日の12時に東京駅で待ってるから」

モバP「あと、菜々ちゃんは17歳ってことで通ってるから!じゃあね!」ブチッ

菜々「え?」

終わり

今回長くなってしまいました
最後まで読んでくれてありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月19日 (日) 12:56:59   ID: NObKhJ1M

めんどくさくなって投げたろ

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