茶柱「ゆ、夢野さんがスライムみたいになってしまいました!」【ダンガンロンパV3】 (45)

※アバター夢野の頭だけのイメージ



茶柱「どうしたんですかその姿! それじゃあまるで……」

 「んあー」

茶柱「うひー、かわいい……。じゃなくて、夢野さん説明してくださいよ!」

 「んあ、んあー」

茶柱「……あれ。もしかして喋れないんですか?」

 「んあー!」

茶柱「当たってる……? 本当に喋れないんですか!?」

 「んあ!」

茶柱「やっぱりかわいい……。一応コミュニケーションは取れてるようで、転子、安心しました!」

茶柱「しかし一体何がなにやら。夢野さんの身に何が起きたんですか?」

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 「んあー。んあんあ」

茶柱「ん? 夢野さんどうかしました……って」

 「んあ、んあ、んあ」ヨチヨチ

茶柱「はうううっ! 歩いてる?姿が可愛すぎて、転子もう辛抱たまらんです……!」

 「んあ、んあ、んあ……」ヨチヨチ

茶柱「どこかに行こうとしてるんですね。夢野さん、がんばれ、がんばれ!」

 「…………。んあー」グテッ

茶柱「ああっ。疲れたんですか? でもへばってる夢野さんもキュートです!」

 「んあー……」

茶柱「ここは転子にお任せあれ。転子が夢野さんの足になります!」

茶柱「そ、それでは失礼して。えへっ」

 「……んあ?」

茶柱「う、うひひ……。夢野さん夢野さん夢野さん……!」

 「んああ……!」


ひょいっ、ぎゅうううぅぅ


茶柱「はううぅぅ……。とってもやわらかでふにふにしてます~」スリスリ

 「んあー! んあー!」

茶柱「わっ、ごめんなさい。あまりの愛らしさに我を忘れてしまいました……」

茶柱「き、気を取り直してぶらついてみましょう。今度はちゃんと抱きかかえますから!」

 「……んあー」


 ◆  ◆  ◆  ◆



茶柱「とりあえず食堂にやってきました。朝ですしここなら誰かいるはずです!」

東条「おはよう。朝食の用意はできているわよ」

赤松「茶柱さん、おはよう」

茶柱「東条さん赤松さん、おはようございます!」

 「んあー」

赤松「ん? それって……何?」

茶柱「夢野さんです!」

 「んあー」

赤松「………………」

東条「………………」

 かくかくしかじか


東条「その子が夢野さんですって? にわかには信じがたいけれど……」

茶柱「間違いなく夢野さんです。夢野さんハンターの転子には分かるんです!」

赤松「狩るの!?」

 「んあー!」

赤松「かわいい……。でも私達にも原因はわからないよ、ゴメンね」

茶柱「そうですか、残念です……」

 「んあ……」

くうううぅぅぅ……


 「ん、んあ」

赤松「……今のってもしかしてお腹が鳴ったの?」

茶柱「お腹の音まで可愛いだなんて……。今のを録音して時報の代わりに全国放送するべきですっ!」

赤松「そこまで!?」

東条「とにかく。この子が夢野さんでお腹が空いているのならやるべき事は変わらない、完璧な奉仕をするまでよ」

東条「だけど見たところ歯がないようだし、まともに物を食べられるのかしら?」

 「んあー?」

赤松「それなら……。夢野さん、このパンは食べられる?」

 「んあっ」ポフッ

赤松「くわえた。なんだか餌付けしてるみたい……」

茶柱「あっ、ズルい! 赤松さん、役得にも程がありますよっ!」

赤松「ええっ。そんな事言われても」

 「ん~……」フルフル

東条「やっぱり噛みきれないようね。中の柔らかい部分を少しちぎってあげてはどうかしら」

茶柱「では今度は転子が。どうぞ夢野さん、召し上がってください!」

 「んあっ」パクッ

 「…………」ムグムグ

茶柱「ど、どうですか……?」

 「んあー♪」

茶柱「はううううっ!」バタッ

赤松「茶柱さん!?」

茶柱「て、転子はあまりの愛くるしさにキュン死しました……」

茶柱「赤松さん、転子に代わって夢野さんにおかわりをお願いします……」

赤松「わ、わかったよ。はい夢野さん」

 「んあっ」パクッ

赤松「なんか変な感じ……」

東条「栄養バランスを考えて野菜も食べてもらいたいけど、調理法を工夫する必要があるわね……」


 ◆  ◆  ◆  ◆



茶柱「赤松さん達にも原因探しを協力してもらえる事になりました」

 「んあ~♪」

茶柱「おいしかったですか? 夢野さんが満足そうで転子も嬉しいです!」

茶柱「しかしお腹はふくれましたけど、謎はさっぱり解けませんね……」

 「んあー。……んあ?」

茶柱「む、あれは……最原さん!」

最原「おはよう。どうかしたの?」

茶柱「まずはこれを見てください!」

 「んあー」

最原「……え? 何これ」

茶柱「夢野さんがこんな姿になってしまったんですが、その原因を推理してください!」

最原(彼女は何を言っているんだ?)

最原「あの……最初から説明して欲しいんだけど。まずこの生物は……」

茶柱「これは夢野さんですよ! 生物呼ばわりとは何事ですか!」

最原「ゴ、ゴメン。……夢野さんがこうなったのはいつから?」

茶柱「朝に夢野さんの部屋を訪ねたんですが、返事がなくて。けど鍵がかかってないので不思議に思ったんです」

茶柱「それで中に入ると、夢野さんがこんなかわいい生き物に……」

最原(自分も生き物って言ってるじゃないか……)

最原「確かに、夢野さんの面影はあるし鳴き声も聞き覚えがあるけど……」

 「んあー」

最原(まるで意味が分からないぞ……)

最原「……でも話を聞いてると、カフカの『変身』みたいだ」

茶柱「なんですかそれ?」

最原「小説だよ。ある日突然毒虫になった男の話なんだけど」

最原「今の夢野さんの状況と似てるなって……」

茶柱「夢野さんは毒虫じゃありません! この可愛さは目に毒ではありますが、虫だなんて失礼ですよ!」

最原「えっ? ゴメン!」

 「んあ……」

最原(というかこれ、生き物としてはなんなんだ……?)

中断します
続きは夜に書きます

茶柱「まったくもう。気を取り直して、今こそ最原さんの探偵の才能を発揮してください!」

最原「えっ」

茶柱「原因の解明を! さあ、さあっ!」

最原「え、えっと……」

最原「……推理材料が少なすぎてさっぱりわからないよ」

茶柱「はあ~? これだから男死は。頼りになりませんね!」

 「んあー……」

最原「ゴメン……」

百田「おいおい、男が簡単に謝るもんじゃないぜ」

最原「えっ?」

百田「茶柱もそう言うな。終一はやる時はやる男だぞ」

百田「なんたってオレの助手だからな!」

茶柱「百田さん。……って」

 「んあー?」

百田「けど残念だな。オレも終一ならコイツの事が何か分かるかと思って来たんだが」

 「………………」

最原「……百田くん。その肩に乗ってるのって?」

百田「おお、さっきハルマキの部屋を訪ねたんだがいなくてな」

百田「代わりにコイツがいたんだ。新種の生物だと思うんだがその夢野っぽいやつと同じ種類なのか?」

 「………………」

最原「い、いや。たぶんそれって春川さ……」

 「……ころされたいの?」

最原「喋った!?」

百田「ははっ、コイツ変な鳴き声だよな!」

最原「鳴き声っていうか……」

茶柱「あ、あの。もしかしてその子、春川さんなんじゃ?」

百田「ハルマキ? そういや二本だけ伸びてる毛がハルマキの髪型に似てるな」

百田「よし決めたぜ。テメーの名前はハルマキMK2だ!」

 「…………」プクー

最原(これは……怒ってるのか?)

茶柱「最原さん、百田さん分かってませんよ!」

最原「でも彼女の性格を考えると百田くんには知られたくないだろうし……。黙っておこう」

茶柱「ううん……。そうですね」

 「……ころされたいの?」

百田「しかし物騒な鳴き声だな。教えればオウムみたいに他の言葉も喋れんのか?」

最原「どうだろう。……夢野さんはどうなの?」

 「んあ? んあー……」

最原(無理そうだな……)

百田「いっちょやってみるか! オレの名前は宇宙に轟く百田解斗だ!」

百田「ハルマキMK2、オレの名前を言ってみろ!」

 「………………」

百田「言ってみろって!」

 「………………」プイ

百田「どうしたんだよ、ほら!」

最原「も、百田くんそのくらいで……」

 「………………」ハァ

 「……ももた」

最原「えっ」

百田「おっ! やればできるじゃねーか、えらいぞ!」

 「っ!」


なでなで


 「こ……ころされたいの」カァッ

百田「あれ、赤くなっちまったぞ。具合でも悪いのか?」

 「………………」プイ

最原(基本この二つしか喋れないのか……)

茶柱「春川さんもこうなってしまったなんて。ますます謎が深まりましたね……」

最原「こんな奇妙な事態起こせる人は限られるはず……。僕も調べてみるよ」

茶柱「最原さん、ありがとうございます!」

百田「おっ、茶柱もう行くのか。今度その夢野っぽいやつとバトらせてみようぜ!」

茶柱「夢野さんにそんな野蛮な事させませんよ!」

最原(ム〇キングみたいだな……)


 ◆  ◆  ◆  ◆



茶柱「四階にやってきました。いつ来ても不気味な雰囲気です……」

 「んあ~……」

茶柱「でも安心してください、夢野さんは転子が守ります!」

アンジー「やっはー!」

茶柱「ひぃっ! ……ってアンジーさん。おどかさないでくださいよ!」

アンジー「え~なんでなんでー? 挨拶しただけだよー?」

 「んあー」

アンジー「およ、ナニコレー? アンジーにイケニエのおみやげ?」

茶柱「違いますっ! これは夢野さんです!」

アンジー「……これが秘密子? にゃはははー! 随分神ってる姿になったねー!」

茶柱「神がかった愛おしさって事ですね、それには同意です!」

茶柱「実は朝にはこの姿に変わってて。今、元に戻す方法を調べてるんです」

アンジー「えー、戻しちゃうのー? この姿、イケニエにピッタリなのにー」

茶柱「いりませんよそんなフィット感!」

アンジー「しょーがないなー。じゃあアンジーが戻してあげるよー」

茶柱「えっ、戻す方法知ってるんですか?」

アンジー「主は言いました……。元に戻るには試練が必要だと」


ひょいっ


 「んあっ?」

茶柱「あっ、ちょっと。夢野さんをつまみあげないでください! 試練ってなんなんですか?」

アンジー「ほうほう、神ってるやわらかさ。にゃはははー、試練始めるよー!」


ふにふにふに……


 「んあ、んああ……」

アンジー「ほらほらー!」


ふにふにふに……


 「んああああ……」

アンジー「もっちもち~!」

茶柱「試練とか関係なく楽しんでるだけじゃないですか! 私にもやらせてください!」

真宮寺「……あのさァ。廊下で何を言い争っているんだい」

茶柱「ひゃうっ! って真宮寺さん」

茶柱「ただでさえここの雰囲気とマッチしてるんですからやめてください! 投げ飛ばしますよ!」

真宮寺「随分な言いようだネ。僕はこの階のデザイン好きなんだけど……」

アンジー「ほらほらー!」

 「んああ……」

真宮寺「……なんだい? 夜長さんの持ってるそれは」

茶柱「夢野さんに決まってるでしょう! 実は……」







真宮寺「……なるほど、それで僕に話を聞きに来たんだ」

茶柱「人間が変身してしまう儀式とか風習とか知りませんか? できれば戻し方も!」

真宮寺「……確かに人が姿を変える民話というのは古今東西で伝承されている、例えば狼男が有名だネ」

真宮寺「でもその夢野さんのようなモノに変身させる儀式というのは聞いた事がないヨ」

茶柱「うーん、そうですか……」

真宮寺「それに日本だと、輪廻転生による生まれ変わりはあるけど人間が生きたまま変身する話は殆どないんだ」

茶柱「つまりどういう事ですか?」

真宮寺「だから、もしその夢野さんっぽいモノが何らかの儀式による結果だとすれば……」

真宮寺「民俗学的な見地から言えば、『夢野さんはもうこの世にいない。』……そう言えるのかな」

茶柱「えっ!?」

 「んあー!」

アンジー「なるなるー! じゃあ秘密子が天国に行けるように祈っとこうかー」

茶柱「な、何を言ってるんですか! アンジーさんまで!」

真宮寺「あくまで仮定に仮定を重ねた一つの説だから、あまり深刻に受け止めないで欲しいんだけど」

茶柱「そ、そんな事言っても……!」

真宮寺「……そんなに心配なら、確かめる方法があるヨ」

茶柱「確かめる、って……?」

真宮寺「かごのこっていう死者と対話する儀式があるんだ。もし成功すれば夢野さんから直接真相が聞ける」

真宮寺「仮に失敗したら夢野さんは生きているって事だから、生死を確かめられるんじゃないかな?」

茶柱「う……」

真宮寺「じゃあ準備に取り掛かろうか。僕の部屋に資料があるから……」

茶柱「や、やりませんよそんなの! ここにいる夢野さんは夢野さんですから!」

茶柱「夢野さんもう行きましょう!」

 「んあ!?」

アンジー「あらま。転子行っちゃったー」

真宮寺「……やってくれなかったか。まァいいサ、必要な人数も揃ってなかったし」

アンジー「うんうん、それがいいよー。是清がそれやったら絶対失敗するって、神さまも言ってるよ~?」

アンジー「だから……神さまの言うこと聞かないと、六親等親族まで罰が当たるよ?」

真宮寺「クックック……そうかもネ。今はおとなしく観察を続けさせてもらうヨ」

中断します。
また今日か明日の夜に書きます

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