モバP「時鳥は郭公を裏切らない」 (80)

モバマスSSです。

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P「こんばんは」

店員「あ、どうも。こんばんは」

P「あ、いらっしゃいましたか。良かったです」

店員「……はい?」

P「いえですね、久々に仕事もキリがよく終わったんですが、生憎誰も捕まらなくてですね。それに帰るのも勿体ないなぁと思って…」

店員「…つまり、暇つぶしをしに?」

P「まぁ、当たらずとも遠からずといいますか…」

店員「今日は、と言うより、今日もお客さんはもう来そうにないので構いませんが…」

P「それはありがとうございます。あ、そう言えば…」

店員「…なんでしょうか?叔父は私用で出かけていますね」

P「そうですか」

店員「はい。意外に忙しいみたいです…。あくまで、意外に…ですけど」

P「今度会った時言っておきますよ」

店員「や、止めて下さいっ。あ、お茶がまだでしたね。少し待っていて下さい」

P「あ、お気遣いなく」

P(しかし、今日は二人共ダメなんて珍しいこともあるもんだなぁ…)

P(まぁ、プライベートに干渉する気は余りないから深くは聞かないけど)

店員「あ、お茶が入りました」

P「すみません。わざわざ」

店員「粗茶ですから」

P「いえいえ、いただきます」

P「そう言えば、本が好きって言われていましたが、特に好きなものとかありますか?」

店員「いえ…、私は濫読なもので」

P「そうですか。それじゃ、少し話は変わりますけれど、この間こんなことがあったんですよ」

店員「…なにか、あったのですか?」

P「まぁ、大した話じゃないんですがね」

店員「そう言われると…返って気になるのが人、ですね」

P「そうですか?それならいいですけど。実は――」

店員「…なるほど。そんな石が…」

P「お、信じてくれますか」

店員「…はい。そこまで親しくない間柄でそんな嘘を吐く必要もない…でしょうし」

P「それはありがたいですね」

店員「しかし…私もその場に居たかったものです。そうですか、殺生石ですか」

P「何か感じる所がありますか?」

店員「いえ…、ただ羨ましいなぁと」

P「正直、今考えると、その時の自分は度胸あったなぁと思います」

店員「恨まれて、その場で倒れていても不思議じゃないですしね」

P「そうですね」

店員「まぁ、一説には、あれは、毒ガスと言う説がありまして、この辺りでそのような話を聞くことがなかったので平気だったのかもしれませんけどね」

P「そうかもしれませんね。あ、その時に一つ気になることを言っていまして」

店員「…はい?」

P「その、えーと、玉藻の前がですね、忍ぶれど。と言って大切にしてあげなさいよと言ってたんですよ」

P「なんだったのかなぁって」

店員「あぁ、それって…平兼盛ですかね」

P「百人一首ですか?」

店員「はい。…忍れど 色にいでにけり わが恋は 者や思うと 人の問うまで 」

店員「と言う短歌ですね」

P「忍ぶれど…」

店員「…はい。分かり易く言うとですね…」

P「はい」

店員「その…えっと…」モジモジ

P「……ん?」

店員「誰かに恋してることを隠してるつもりでも…バレバレだよ。という意味ですね」カァァ

P「あぁ、なるほど…」

P(そう言う意味か…)

店員「心当たりでも?」

P「え、いや、さぁ、どうですかねぇ…」アハハ

店員「そうですか。あ、そろそろ私…」

P「あ、すみません。ちょっと話すつもりが長引いてしまいました」

店員「いえ…その、楽しかったです」

P「それでは失礼しました」

車内

P「しかしなぁ…」

P(帰る前に、周子の部屋でも行ってみるか)

コンコン

周子「はいはい、どちら様っと?」

P「夜に悪いな」

周子「別にそこまで遅くないから気にしないけど。どしたの?」

P「ん?いや、なんとなくな」

周子「なになに?まさか、この、シューコの顔でも見たくなったの?」

P「まぁ、そんな所かな」

周子「真顔でそう返されるとリアクション困るんだけど…」

P「悪い悪い」

周子「思って無い癖に。それで、本当にそれだけなの?」

P「それだけだな」

周子「折角だし、何か作ろうか?」

P「悪いって」

周子「まぁ、作ると言うか、残り物があるんだよね。でも、アタシはアイドルだから食べ過ぎるとなぁ…」チラッ

P「それでも、部屋に入るのはちょっと…」

周子「なによケチ」

P「だから、俺の部屋に持ってくるならいいぞ」

周子「…意外と話が分かるんだね」

P「誰かさんに影響されたのかもな」

P宅

P「散らかってるがどうぞ」

周子「散らかす程、家に帰れてるんでしょうかねぇ…」

P「ちゃんと寝には帰ってるぞ」


周子「寝て起きて、朝食べてるだけでしょうに」

P「否定は出来ないけどな」

ピリリリ

P「あ、悪い。ちょっとごめんな。はい――」

周子「仕事熱心だねぇ…」

周子(まぁ、アタシらの為に頑張って貰ってるから止めてとは言えないのがモヤモヤするよねぇ)

P「はい、はい。それでは、また明日の朝にでも、はい。分かりました。それでは、失礼しますね」

周子「どしたの?」

P「いや、ロケのオファーが来てな」

周子「おー、凄いね」

P「あぁ、しかも結構な人数なんだよ」

周子「何人なのさ?あ、その前にレンジ借りるね」

P「お、そっちだ。そうだなぁ、六人かな」

周子「ありがと。六人かぁ、多いね」

P「そうだよなぁ。あ、ちなみに周子もいるからな」

周子「あらま。そうなんだ。別にいいけど」

P「それと、美嘉と莉嘉。卯月と夕美と岡崎さんだ」

周子「…杏平気かな?」

P「まぁ、今まで一人で暮らしてたわけだし、平気だろう」

周子「あー、考えてみれば、そうだね。あ、出来たみたい」

P「それじゃ、いただきます」

周子「どうぞどうぞ」

P「……」

周子「どうかした?」

P「ん?なんでもないよ」

P(残り物って言ってたはずなんだけどなぁ…)

P(一体周子は、どれだけの量を作るつもりだったんだ)

周子「なに?美味しくないの?」

P「いや、美味しいよ。ありがとな」

翌日

P「おはようございます」

杏「やっぱり、自分の足で歩かないって最高だね」

P「そろそろ起きろ」

杏「あでっ!もう少し丁寧に扱おうと言う気はないのか」

P「仕事してくれたら考える」

杏「飴くれたら考える」

P「…はいはい。負けました負けました。これでいいか?」

杏「うむ。苦しゅうない」

P「全く。俺達がいない間も頼むな」

杏「ん。んん?どういうこと?」

P「ロケでちょっと事務所空けるからさ」

杏「なるほどねー。それじゃ、事務所に泊まろうかなぁ。帰るの面倒だし」

P「仮眠室程度しかないぞ?」

杏「十分じゃん」

P「…まぁ、任せるが、あんまりだらしないことはしないでくれな」

杏「約束は出来ないけどね」

ちひろ「なんならウチに来ますか?」

杏「お、いいの?」

P「あんまり甘やかさないで下さいね」

ちひろ「勿論です。お仕事してくれないと連れていきませんよ。元々一人で暮らしていたんですし」

杏「うへぇ」

このシリーズは割とすぐに次が出て嬉しいわ
無理はしないでほしいけど

P「あ、ちょっと電話使いますね」

ちひろ「はい。どうぞ」

P「あ、おはようございます。私――」


P「はい。それでは、今日の午後にでもそちらに伺いますので、はい。失礼します」ガチャ

ちひろ「お仕事ですか?」

P「えぇ、ロケですね。一泊二日で」

ちひろ「遠いんですか?」

P「それもあるかもしれませんが、まぁ、六人もいますから時間の都合とかで余裕を持ったんじゃないですかね?」

ちひろ「へぇ、結構な大所帯ですね」

P「それは、俺も思います」

楓「ロケですか?」

P「あ、おはようございます」

楓「おはようございます。それより、お酒は飲めるんでしょうか?」キラキラ

P「残念ながら、今回は、楓さんのオファーじゃなかったんですよ」

楓「…残念です」ショボン

P「まぁ、そんなに気を落とさずに。なんでも、もっと若い層向けの番組みたいなんですね。

きっと、大人を対象とした番組だったら絶対オファーが来ますって」

楓「…そうですかね?」

P「えぇ、楓さんほど、温泉とお酒が似合う人はいませんからね」

楓「そう…ですか。ふふ」ペシペシ

P「ちょっと、なんですか」

楓「いえ、なんでも。レッスンに行ってきます」

P「あ、行ってらっしゃい」

ちひろ「凄いいい笑顔でしたね」

P「えぇ、そうでした」

菜々「あ、あの、いいですか?」

P「はい?あぁ、菜々さん」

菜々「おはようございますっ。今のお話なんですけど、若い層向けってことは、当然ナナは入ってるってことですよねっ?JKですし」

P「……いえ、入ってませんでしたね」

菜々「……うぅ。ナナはJKですよね?」

P「なんでわざわざ確認するんですか」

菜々「あ、そ、そうですね」

P「まぁ、他にもお仕事あるんですからそんなに気落ちしないで」

菜々「そ、そうですね。ナナは自分のお仕事を頑張ります」

P「さて、何人かずつ呼ぶか。全員に一気に説明するのは骨が折れるだろうし…」

P「おーい」

美嘉「ん?どしたの?」

莉嘉「なんか面白い話かな?」

夕美「普通にアイドルやってるねあたし…」

美嘉「あれ?でも、もう、そういう契約したんじゃないの?」

夕美「あ、うん。そうだよ。と言っても、そんなにテレビとかに出たりしないけどね」

P「お、三人共来てくれたか」

美嘉「うん。それで、なに?」

P「うん。ここにいる三人を含めた六人でロケに行くことになった」

夕美「ロケ?あたしも行くの?」

P「おう。先方さんはそう言ってたぞ」

夕美「…よく、あたしなんか見つけたね」

美嘉「あ、そんなこといいながら、ニヤけてるよ」

夕美「なっ、そ、そんなことないって!」

莉嘉「あはは。夕美ちゃん可愛いー」

夕美「もう、莉嘉ちゃんまで…」

P「と言う訳で、詳細は追って連絡するから、各自そういう予定があることだけ頭に入れておいてな」

美嘉「あ、そう言えばさ…」

P「ん?あ、そう言えばこのロケは泊まりだからな。そこも留意しておいてな」

莉嘉「はーい☆ おとまりおとまりっ♪」

P「お、残りの三人も帰ってきたな」

P「おーい」

周子「なに、昨日の話?」

卯月「昨日…何か話しましたっけ?」

泰葉「特に記憶にはないですけど…」

P「周子、混乱させること言うなって」

P「えーとだな。今度ロケに行くからそこの所を覚えていて欲しいんだ」

卯月「わっ、そうなんですか。嬉しいです」

泰葉「なんか、アイドルっぽいですね」

周子「これで、ロケ地が京都とかだったらアタシは泣くけどね。流石に見る所無いし…」

P「そこは、流石にあちらさんも考えてるだろ」

P「それじゃ、泊まりだから気を付けてな」

卯月「はーい!島村卯月頑張りますっ!」

テレビ局

P「えーと…ですから」

ディレクター「そうそう。そう言う感じで進めて行きたいと思います」

P「なるほど。大変ですね」

ディレクター「だから、一応二日に分けて撮ろうと思ったんですよ」

P「なるほど…」

ディレクター「それで、予算の関係もあるから、あなたに一部屋、アイドル達を三人一部屋で計三部屋でいいですかね?」

P「そうですね。平気だと思います」

ディレクター「それでは、施設はこっちで手配しておきますね。と言ってもホテルに予約を入れるだけなんですが」

P「一応、ホテルの名前と予約の確認が出来るものを事前に見せていただけないでしょうか?」

ディレクター「大分ギリギリになると思いますけど、それでいいのでしたら」

P「ありがとうございます」

ディレクター「いえいえ。中々しっかりしてるんだなぁと思いましたよ。こっちも不備がないように精一杯努力しますのでよろしくお願いします」

P「えぇ。こちらこそお願いします。良い物を作りましょう」

>>13
見て下さってありがとうございます。

P「えーと、とりあえず、メールで送ってから、事務所帰って確認するか」

P「『出発は、二日後で、料理やら、名産を紹介する内容だってさ』

P「これでよしと」

P「さて、まだまだ外回り頑張りますか!」

泰葉「あ、メールです」

周子「ん?誰から?」

泰葉「プロデューサーさんからです」

卯月「あ、私の所にも来てます」

周子「ってことは…やっぱり来てた。えーと何々…」

卯月「お仕事の詳細みたいですね」

泰葉「明後日って急ですね…」

周子「そう?アタシなんて、Pさんに会って数分後にはテレビ出てたよ」

卯月「あはは…それは凄いね」

夕美「お疲れー」

卯月「あ、夕実ちゃん、お疲れ様」

夕美「うん。お疲れ。いやー、泊まりで仕事とか凄いねぇ」

卯月「そうだねっ。今からワクワクするよね」

夕美「それ、さっき莉嘉も言ってたよ」

卯月「な、何歳になってもワクワクするんですよっ!」

夕美「あ、そう言えばさ、泰葉ちゃん」

泰葉「は、はい。なんですか?」

夕美「折角皆で泊まるんだから、新しい服でも買いに行こうよ」

周子「あ、いいね」

卯月「それじゃ、美嘉ちゃんと莉嘉ちゃんも呼んで」

ちひろ「皆さーん…お仕事は平気なんですかー?」ボソッ

卯月「えっ、あー、私ダメかも。これから入ってるよ」

周子「そう言えば、あたしも入ってるわ。それじゃ、四人で行ってきなよ」

夕美「うん。頑張ってね」

卯月「頑張ってきますねっ!」

周子「まぁ、それなりに」

ちょっと一人称がズレてました。
修正します。

夕美「ちょっと二人に連絡取るから待っててねー」

泰葉「あ、あの…」

夕美「ん?どうかした?」

泰葉「いえ、あそこの予定表に…」

夕美「予定表…?あ、そんなものあったんだ。知らなかったよ」

夕美(まぁ、ちゃんと所属するようになったのも最近だしね)

夕美「えーと…、あ、今日予定入ってるみたいだね。残念」

泰葉「そうですね。残念です」

夕美「ギャルコーデの泰葉ちゃんが見れなくて」

泰葉「見れなくて…って!そんな恰好しませんよっ!」

夕美「あははは。残念だなぁ、さ、それじゃ行こっか!」

泰葉「…もう」ムー

ショッピングモール

夕美「さーて、何買おっか?」

泰葉「え、そうですね…」

泰葉(服は家に一杯あるんだけどなぁ…)

夕美「服は家にあるから買わなくてもいいかなぁとか考えてるの?」

泰葉「え、いや、そんな…」

夕美「まぁ、それならさ、私のを選んでよ」

泰葉「じ、自信ないですけど…が、頑張りますねっ」

事務所

美嘉「お疲れ様でーす」

莉嘉「たっだいまー」

ちひろ「あ、二人共お帰りなさい」

莉嘉「あれー、皆は?」

ちひろ「帰っちゃいましたよ」

P「お疲れ様です」

美嘉「あ、お帰り」

莉嘉「あ、Pくんだー。お仕事お疲れ様っ!」

P「お、二人共お疲れ。今帰りか?送っていくよ」

莉嘉「ありがとっ!」

車内

莉嘉「あー、お腹空いたなぁ」

美嘉「あ、それじゃ、これあげる」

莉嘉「ん?パン?ありがと、お姉ちゃん」

美嘉「別にー。お腹空いてないかったし」

莉嘉「それじゃ、遠慮なく貰うねー」

P「食べてもいいけど、カスは零さないようにしてな」

莉嘉「ふぉんなことふぁかって――」モグモグ

P「口に物を入れたまま喋るなって…」



美嘉「それじゃ、ありがとねー」

莉嘉「Pくん、また明日ー」

P「おう。じゃあな」

美嘉「さーて、ママのご飯でも食べようかなー。お腹空いちゃったし」

莉嘉「うんっ♪」

事務所

P「お疲れ様です」

ちひろ「あ、お疲れ様でしたー」

P「いえ、営業で外回ってきただけなんでそこまでは…」

ちひろ「まぁまぁ、今お茶淹れてきますね」

P「すみません、ありがとうございます」

ちひろ「いえいえー」

杏「ん。お帰り」

P「帰ってなかったのか」

杏「気づいたら日が落ちてたんだよね」

P「…ちなみに今日は何をした?」

杏「んーとね。寝てた」

P「…おい」

ちひろ「なーんて言ってますけど、ちゃんとレッスン行って予定確認してましたよ」

杏「そ、そんなことないよ。ほらー、もっと杏をだらけさせろー」

P「飴あげるから大人しくしてろ」

杏「ん。しょうがないなぁもう」

ちひろ(なんだかんだで言うこと聞くんですよねぇ杏ちゃんって)

P「この時間までいるってことは…」

杏「その通り、送っていってよ」

P「まぁ、近いからいいけど」

ちひろ「そう言えば、ロケの件どうなったんですか?」

P「あ、それも含めて、ロケの間、二日間の予定をちひろさんと詰めないといけませんね」

ちひろ「が、頑張ります…」

P「とりあえずですね、これが他のアイドルの予定です」

ちひろ「はい。ありがとうございます」

P「車は俺の車を置いていくんで使って下さい」

ちひろ「はい…。ってプロデューサーさんは?」

P「人数が多いので、事務所が持っている大きい車の方で行こうかと」

ちひろ「あ、そうですか」

P「普段は、乗せる人数も多くないんで自分の車の方が楽だから、つい使っちゃうんですが、流石に、六人乗せるなら大きい方じゃないとキツイですからね」

ちひろ「そうですね」

P「あ、これ車の鍵です」

ちひろ「…いいんですか?」

P「俺はちひろさんを信頼してますから。一応保険もしっかり掛けてありますが、事故には気を付けて下さいね」

ちひろ「は、はい。しっかりと運転しますっ!」

P「えーと…一応メモ書きも残しておきますし、万が一の場合は電話してください」

ちひろ「は、はい。なんだか緊張しますね」

P「何人かプロデューサーでもマネージャーでも雇えればいいんですけどね」

ちひろ「それはそれでアイドル達から苦情が出そうですけどね…」

P「そうなんですかねぇ…」

ちひろ「えぇ、それははっきりと断言出来ます」

P「そ、そうなんですね…」

夕美「いやー、今日は助かったよ、ありがとねー」

泰葉「いや、そんな私は特に…」

夕美「楽しかった?」

泰葉「え、あ、はい。勿論」

夕美「なら良かった。それじゃあ、気を付けてね」

泰葉「はい。それじゃお疲れ様でした」

二日後

車内

P「それじゃ、行くか」

周子「車でどのくらいなの?」

P「そうだなぁ…二時間くらいか」

卯月「なんだか遠足みたいでワクワクしますね」

泰葉「遠足…お菓子持ってくるの忘れました…」

莉嘉「大丈夫だよっ。莉嘉のお菓子あげるから!」

美嘉「なんで持ってるのよ莉嘉…」

夕美「相変わらずね」

P「…なるべく静かにしてくれよ」

卯月「あれですねー、静かにしてって言われると話し辛いね」

周子「んー、そだね。それじゃ、美嘉」

美嘉「な、なに…」

周子「すべらない話をどうぞ」

美嘉「は、はぁ!?」

夕美「わー、期待してるよー!」パチパチ

美嘉「え、いや、ちょっと…えーと、うーん…Pさんパスっ!」

P「俺も入ってるのか…」

P(運転中なのに…)

卯月「安全運転でお願いしますねー」

P「そうだなー。すべらない話じゃなくていいなら」

周子「この際なんでもいいよ」

P「そうか。基本的に質問には答えないからその方向で。質問に答えてたら事故起こす可能性あるし」

P「いや、ちょっと前にさ、嵐の中事務所で仕事してた時の話なんだけどさ」

P「雨降ってて帰れないだろうなぁ。と思ってたら、夕美が事務所に入って来たんだよ」

夕美「あ、あたし!?」

P「確か、その日は山に登るとか言ってた気がしてて、心配してたんだよ」

夕美「ちょ、ちょっと…!」

夕美(それってもしかして…)

卯月「どうかしたの?」

夕美「い、いや…」

周子「それでどうしたの?」

P「いや、それで終わり。不思議な出来事だったなぁってだけ」

周子「そこで終わりなんだ…」

美嘉「んー、もうちょっと何かあったら面白かったね」

莉嘉「えー、夕美ちゃん、どうして事務所行ったの?」

夕美「え、あ、さぁ、なんでだっけなぁ」

卯月「そういう不思議なお話、他にないんですか?」

P「んー、そうだなぁ…」

P「そう言えば、この間狐に会ったなぁ」

卯月「キツネですか?」

周子「……ん?」

美嘉「今時事務所近くに狐なんているんだね」

莉嘉「莉嘉も見てみたいなぁー」

泰葉「動物園かどこかですか?」

P「いや、普通に外で見かけたんだよな」

泰葉「そう言えば、誰かが言ってましたね。ちょっと前に狐の鳴き声がうるさいと」

周子「あー、言ってたねぇ」

P「お、そろそろ着くぞ。降りる準備してくれ」

卯月「意外に早かったですね」

P「道も空いてたしな」

泰葉「それでこれからどうするんでしょうか…?」

P「えーと、とりあえず、楽屋かな。その後俺が確認してくるから」



P「と言うことで、今日の撮影はこれでよろしいですか?」

ディレクター「そうですね。そういう方向で」

P「それじゃ、よろしくお願いします」

ディレクター「こちらこそ。お願いしますね」

市街地

P(撮影中って俺は特に何も出来ないんだよなぁ…)

卯月「えーと、どうもっ、島村卯月ですっ!私たちは―――」

P「予定の確認も終わったしちょっと休憩でもしてるか」

美嘉「なにしてんの?」

P「あ、美嘉か。撮影は?」

美嘉「今は出番じゃないからね」

莉嘉「あれれ、Pくんお疲れ?」

P「そんなことはないけどな」

美嘉「それじゃ、あたしも隣で休憩しよっかな」

莉嘉「あ、アタシも~」

P「お、おいおい…」

美嘉「いいじゃん、いいじゃん」

莉嘉「気にしない気にしない」

P「全く…あ、そう言えば、さっきディレクターさんにお菓子貰ったんだけど食べるか?俺も食べたけど美味しかったぞ」

美嘉「んー、あ、莉嘉が先選んでいいよ」

莉嘉「ありがとっ。それじゃあねぇ…これにするっ!」

美嘉「それじゃ、あたしはこれで。ありがとねPさん」

P「撮影中に俺が出来ることなんてそんなにないしな」

泰葉「……うーん」

周子「そこまで考えなくても」

卯月「それじゃ、今日の夜練習しようよ」

P「どうかしたのか?」

夕美「なんでも、自分の食レポが気に入らなかったらしいよ」

泰葉「もっと、こう、うーん…」

P(やっぱり、こだわりがあるのかなぁ…)

周子「それで、夜練習しようかって話になってさ」

P「夜更かしはするなよ?」

泰葉「そこは問題ないですよ」

P「まぁ、ならいいけど…」

部屋A

美嘉「三人でこの部屋って広いねー」

莉嘉「お泊り会みたいだね」

夕美「まぁ、この分け方が妥当かな」

夕美「あ、そうそう美嘉」

美嘉「んー?なに」

夕美「プロデューサーさんは端っこの部屋だって」

美嘉「…どうして夕美が知ってるの?」

夕美「美嘉が知りたいかなぁって思って」

莉嘉「なになに?Pくんの部屋に遊びに行くの?アタシも行くー」

美嘉「あー、それはちょっとしてからね」

夕美「美嘉は行くつもりなの?」

美嘉「一応。……悪い?」

夕美「別にー。可愛いなぁって思っただけよ」

美嘉「自分だってゴテチアの花あげた癖に」

夕美「うん?」

美嘉「『あなたをお慕いしています』って、あれPさんにあげたんじゃないの?」

夕美「べ、別にそういうわけじゃないし」

莉嘉「あ、あのお花綺麗だよねー。夕美ちゃんが来るようになってから事務所にお花が増えた気がするよー」

夕美「まぁ、番組で貰ったりするしね」

莉嘉「それで、夕美ちゃんがあげた花って何か意味でもあるの?」

夕美「ないよー。あははー…」

美嘉「実はね…」

夕美「ちょ、ちょっと美嘉ってば」

美嘉「へへ、冗談だって」

夕美「……もう」

部屋B

泰葉「こ、この味は…!」

周子「…泰葉ちゃんは何になりたいの?」

卯月「それじゃ、芸人さんみたいだよ」アハハ

泰葉「…モデルと違って自分を言葉や仕草でも表現するのは中々難しいですね」

周子「立ち姿だけで表現する方が凄いと思うけど」

卯月「私もそっちの方が凄いと思いますよっ!」

泰葉「そ、そうなんですかね」

周子「簡単に、思ったことを言えばいいんじゃない?」

卯月「そうそう。私なんて、美味しいですねーっ!ばっかりだった気がするよ」

周子「それはそれでどうかと思うけど…」

泰葉「それじゃ、最後に…」パクッ

泰葉「…あ、これ、美味しいです」ニコッ

卯月「きゃー」ギュー

泰葉「ど、どうしましたか?」

周子「なんて言うか、可愛いかったよ」ポリポリ

周子(ちょっとドキッとしたし…)

卯月「うん。それで十分だよー」

泰葉「あ、その…ありがとうございます」ペコリ

部屋C

P「さてと…、ちひろさんは大丈夫かなっと」ピポパ

ちひろ『あ、プロデューサーさんですか、お疲れ様です』

P「お疲れ様です。大丈夫でしたか?」

ちひろ「えぇ、バッチリですよ。杏ちゃんはウチに来て貰いました」

P「わざわざすみません」

ちひろ『いえいえ。杏ちゃんも意外と動いてましたしね』

P「俺がいない時は頑張るんですね」

ちひろ『まぁ、構って貰いたいんじゃないですか?』

P「そうなんですかね…?」

ちひろ『そちらはどうなんですか?』

P「こっちは平気ですよ。俺は何もしてませんけど」

ちひろ『またまたー。それじゃ、お疲れ様でした』

部屋A

夕美「ただいまー」

美嘉「あ、夕美どこ行ってたの?」

夕美「うん?ちょっとお土産屋に」

美嘉「お土産もう買ったの?」

夕美「いや、皆で食べようかなって。ほら、美嘉の好きなのも買ってきたし」

美嘉「あ、本当だ。莉嘉。こっち来て食べようよ」

莉嘉「うん。行く行くー」

美嘉「莉嘉は何食べたい?」

莉嘉「それじゃ、これ食べる。ありがとね夕美ちゃん」

夕美「どういたしまして」

美嘉「夕美はどれ食べるの?」

夕美「どれでもいいよ。全部好きだし」

美嘉「それじゃ、アタシはこれ貰うね。ありがと」

夕美「どういたしまして。というか、大人だねぇ美嘉は」

美嘉「ん?なんの話?」

夕美「いや、莉嘉に先に選ばさせてあげるなんて偉いなーって思ってさ」

美嘉「そう?結構当たり前のことをしたつもりなんだけど」

夕美「お姉ちゃんだねー」

美嘉「ま、まぁね」ポリポリ

スレタイを明烏と空目した
落語じゃなかったか

部屋C

P「さてと…明日もあるし、することないから…」

ピリリリ

P「はい。……って楓さんですか」

楓『こんばんは』

P「こんばんは。って何か押しましたか?何かアイコンが出てるんですけど…」

楓『押してみてください』

P「はい…ってテレビ電話ですかこれ?」

楓『えぇ、そうですよ。ちょっと試しに使ってみました』

P「なるほど。こんな機能があるんですね」

楓『なんとなくテレビを見てたら思い出したんですよ』

P「そうですか」

P(随分とラフな格好だなぁ…。家かな)

楓『それでですね、今日はこれで付き合って貰おうと思いまして』

P「まさか、このまま飲むつもりですか?」

楓『えぇ、その通りです。たまにはこういうのも乙かと思いまして』

P「俺、酒ないんですけど…」

楓『むぅ…それなら、お話に付き合ってくださいな』

P「そういうことなら」

楓『それじゃ…乾杯』

P「か、乾杯」

楓『ふふ、気を利かせてビールを買ってこなくても』

P「こういうのは雰囲気が大事じゃないですか」

楓『そうかもしれませんね』

>>52
落語もネタにすると面白いですよね。

楓『今日、久々にPさんがいない中で仕事をしました』

P「そう言えば、俺が事務所にいないって言うのは久々ですね」

楓『正直…退屈でした』

P「そうですか」

楓『だって…、Pさんの椅子で回ってても誰も構ってくれないし、お酒飲む相手もいないですし』

楓『全部Pさんが悪いです』プー

P「いや、そんなこと言われても」

楓『ふふ…。冗談ですよ。でも、寂しかったのは本当です。それじゃ、おやすみなさい』

P「まだ、全然飲んでないですけどいいんですか?」

楓『ええ。やっぱり、直接話さないと味気ないですから。それじゃ、失礼します』

P「はい。おやすみなさい」

翌日

P「朝か…」

P(まだ、五時過ぎか。どうも癖で早く目が覚めるなぁ…)

P「よし、今日も頑張るか!」

P(とりあえず、新聞でも読みに行くか)

P「へぇ…、セリーグ混戦になってるんだな」

P(球場でTポーズしたいなぁ…)

美嘉「あれ?Pさん?」

P「ん?どうした美嘉。随分と早いな」

美嘉「なんだか目醒めちゃって…あ、スッピンで歩いてたらマズイかな?」

P「別にいいんじゃないか」

美嘉「なら、いいんだけど。ねぇ、ちょっと喋らない?」

P「いいけど…あ、でも、ここにいると何か言われるかもしれないから、どうせなら俺の部屋でいいか?」

美嘉「べ、別にいいけど」

部屋C

美嘉「やっぱり、アタシ達の部屋よりは小さいんだね」

P「そりゃ、一人だし、プロデューサーだからな。削れる所は削らなきゃ」

美嘉「まぁ、そうだよね」

P「それで、なにか話したいことでもあるのか?」

美嘉「いや、別にないよ。ただ、話したかっただけ」

P「そうなのか」

美嘉「うん。あ、そう言えば、最近莉嘉がさ――」

P「そんなことがあったのか」

美嘉「もう、心配だよ本当に」アハハ

P「いい姉だな」

美嘉「昨日、夕美にも言われたけど、こんなことするのって当たり前じゃない?」

P「そうか。お、そろそろ朝食の時間かな」

美嘉「そうだね。話に付き合ってくれてありがと」

ガチャ

莉嘉「あ、Pくんおは――ってなんでお姉ちゃんが?」

夕美「美嘉…あんたまさか…」

美嘉「ち、違うって!なにもしてないってば!」カァァ

市街地

美嘉「全く大変な目にあった…」ブツブツ

夕美「まぁ、あれは誤解するって」

美嘉「確かにそうだけど…」

卯月「二人共頑張りましょうねっ!」

夕美「そうだねー」

莉嘉「でも、いいなぁ、お姉ちゃんは、Pくんとお話ししてて。ズルいよー」

美嘉「そんなこと言われても…」



P(今日も天気がいいなぁ)

P(皆頑張ってくれよ!)



P「皆お疲れさま」

周子「おつかれ」

卯月「でも、楽しかったですよっ!」

P「そうかそうか。もう、帰るだけだから、思う存分羽を休めてくれ」

部屋B

周子「しっかしさ」

卯月「うん?なに?」

周子「今日の泰葉ちゃん正直エロかったよね」

泰葉「なっ、なにを言い出すんですかいきなり…」

夕美「うん。それは思った」

泰葉「え…」

周子「だって、頬を少しだけ染めて、微笑むんだよエロいよねぇ」

泰葉「や、止めて下さいよ」カァァ

卯月「でも、美味しそうだなぁって思えたから良かったと思うよー」

泰葉「そ、そうですかね?」

卯月「うんっ!間違いないよ」

泰葉「なら、良かったです。あはは…」

部屋C

美嘉「お邪魔しまーす☆」

莉嘉「Pくん遊びに来たよー」

P「お、どうした?」

莉嘉「最近、お話してないなぁって思って。そりゃっ」

P「お、おい莉嘉…」

莉嘉「へへーん♪」

美嘉「それで、アタシも付き添いかな」

P「なるほど。仲良いな二人共」

莉嘉「お姉ちゃんはね、優しいんだよ~」

P「そうなのか」

莉嘉「うんっ、自分も、お腹が減ってるのに莉嘉にパンくれたり、アタシの話は聞いてくれるし、色々してくれて、ちゃんと莉嘉のことを見てる自慢のお姉ちゃんなのだよPくんっ☆」

P「…幸せ者だな」

莉嘉「そうだねー。ってお姉ちゃん?」

美嘉「え……?」ポロポロ

莉嘉「どうかしたの?」

美嘉「いや…、別に、あー、サイアク。マスカラ落ちちゃうわ。ごめん。ちょっと部屋に戻るね」

莉嘉「アタシ何か変なことしちゃったかなPくん?」

P「いや、いい姉妹だなぁ。莉嘉達は」ナデナデ

莉嘉「だよねー☆ もっと撫でて撫でてーPくん」スリスリ

部屋A

美嘉「やば…どうしようこれ」

美嘉(絶対あとで、夕美とか、周子に弄られる…)

美嘉「ま、いっか…えへへ」

車内

P「さて、帰るぞ」

卯月「皆乗ってます!」

P「よし、それじゃ、帰るか。眠くなったら寝てていいからな」



卯月「……すぅ」

夕美「…私も寝よっと」

美嘉「ねぇ、Pさん」

P「ん?どうした?」

美嘉「アタシさ、莉嘉の姉でよかったよ」

P「…そうだな」

莉嘉「……えへへ」スゥ

美嘉「たまに喧嘩しちゃう時もあるけど、やっぱり大切な妹だなぁって思った」

P「だなぁ。なんかしみじみしたよ」

美嘉「だね。これからも二人で頑張っていくから。よろしくねっ☆」

事務所

P「ただいま帰りました」

ちひろ「お帰りなさい。お疲れ様でした」

P「いえ、全然平気でしたよ。もう、周子以外送り届けましたし」

杏「お、飴くれー」

P「意外に仕事してたらしいじゃないか杏」

杏「そ、そんなことないぞ。こうやってダラダラと…」

頼子「あ…待ってました」

P「ん?どうした?」

頼子「これ、私のスケジュールなんですけど…」

P「うんうん」

頼子「この日がオフなので、一緒に…行きませんか?」

P「美術館か。いいぞ。午前中なら」

頼子「はい。構いません…むしろそちらの方が人が少なくて気持ちいいです」

P「分かった。じゃ、それで行こう。もう帰るのか?」

頼子「はい。あ、送って貰わなくて平気です。それじゃ、失礼しますね」

P「あ、うん。お疲れ」

コンコン

P「はい?」

?「あの…私、近くの古書店の者なのですが…Pさんはいらっしゃいます…でしょうか?」チラッ

P「あ、どうも」

店員「あ、ちょっといいですか?」

P「は、はい」バタンッ

周子「なに今の?」

杏「さぁ?」

P「なんですか?」

店員「いえ、あの、叔父が本を渡してきてくれと。それでは、失礼します」

P「あっ…行っちゃった」

P(本なんて頼んだっけか?)

周子「お帰り、誰今の人?」

P「俺が良く行く本屋の店員さん。なんでも本が届いたから持ってきてくれたんだって」

周子「今時珍しい本屋だね」

P「まぁ、個人経営だしな」

杏「なんの本?」

P「遠野物語だな。多分」

杏「ふーん。それより、早く帰ろうよー」

P「そうだな。周子帰るぞ」

周子「そうだね。ちひろさんは?」

ちひろ「私ももう帰るんで、ちょっと待ってくれませんか」

車内

周子「明日は休みだー。久々にゆっくりするね」

P「あぁ、満喫してくれ」

周子「Pさんは?」

P「仕事」

杏「頑張るねぇ…」

P「お前もだぞ」

杏「うげ」

P「と言っても明日は午後に撮影があるだけだからそこまで早起きしなくていいぞ」

杏「杏にそんなこと言うと、起きたら夜。みたいなのがあるかもよ?」

P「なら、朝から起きてろよ」

杏「うへぇ、なんだかなぁ…」

翌日

P「あ、どうも昨日は…」

店員「あ、おはようございます」

P「店長さんは何をしてるんですか?」

店員「あ、叔父は、朝は本を綺麗にしてるそうです」

P「なるほど」

店員「それに…この時間、普通、お店はやってませんから…」

P「そうなんですか?」

店員「は、はい…」

P「あ、それじゃ、長居しちゃ悪いですね」

店員「いえ…そういう…意味で言ったわけでは」

P「…?」

店員「あっ…そ、それより、本はお読みになられましたか?」

P「ちょっとだけ」

店員「そうですか。私も少しばかり目を通したのですが、郭公と時鳥は悲しいお話でした」

P「どんな話ですか?」

店員「姉妹の悲哀のお話です」

P「そうなんですね。時間があれば、読んでみますね。それじゃ、今日は時間がないのでこれで」

店員「あっ、あの…」

P「はい?」

店員「いえ…、その、またのお越しを…お待ちしております」ペコリ

P「えぇ、それではさようなら」

終わりです。

こんな時間までありがとうございます。

今回のネタは、『遠野物語』です。

遠野物語 53です。
以下原文
郭公(かっこう)と時鳥(ほととぎす)とは昔ありし姉妹(あねいもと)なり。

郭公は姉なるがある時芋(いも)を掘りて焼き、そのまわりの堅(かた)きところを自ら食い、

中の軟(やわら)かなるところを妹に与えたりしを、妹は姉の食う分(ぶん)は一層旨(うま)かるべしと想いて、

庖丁(ほうちょう)にてその姉を殺せしに、たちまちに鳥となり、ガンコ、ガンコと啼きて飛び去りぬ。ガンコは方言にて堅いところということなり。

妹さてはよきところをのみおのれにくれしなりけりと思い、悔恨に堪えず、やがてまたこれも鳥になりて庖丁かけたと啼きたりという。

遠野にては時鳥のことを庖丁かけと呼ぶ。盛岡(もりおか)辺にては時鳥はどちゃへ飛んでたと啼くという。

おつ

今回は城ヶ崎姉妹がメインだったのか?

要は姉の気持ちを妹が理解しておらず、姉を殺してからその真意に気づき嘆くという話です。

ただ、このままだとただの悲しい話ですので、今回は、時鳥が郭公の気持ちに気づき裏切らなかったという話です。

>>76
メインにしたつもりです。ちょっと弱かったかもしれませんが。

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