みほ「抜き打ちテスト?」 (107)


――大洗某所 午前9:00


杏「大学選抜メンバーに勝ったから、記念に宴会を開くことになったよ」

桃「全国大会優勝のときよりも、もっともっと大きい会場がとれた!」

柚子「きょうは朝からその準備です。またみんなで宴会ができるだなんて……」

桃「廃校にならなくてほんとうによかったですね! 会長!」

杏「西住ちゃんには感謝しきれないよホント」

柚子「今回は、どんなかくし芸をしましょうか」

杏「3人いるからビーファイター・カブトの真似でもやる?」

桃「ネタが古くないですかっ!?」

杏「主題歌の歌詞で『ぼくらは選ばれし者』って、とりようによってはものすごい選民思想だよね~」

柚子「何の話ですか……。あ、着きましたよ宴会場」

ガラリ

しほ「みなさん遅いですよ」

杏「!?」


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桃「つ、机が並んでる……!?」

柚子「それにこのセット……まるで教室みたいなコレって……」

杏「あのう……家元さん……?」

しほ「かくし芸大会は、ありません」

杏「!?」

しほ「早く座りなさい。あなたたちの席はあそこよ」

柚子「は、はあ……」

――数分後

そど子「学ランを着て応援団……これで優勝はもらったわ!」

ゴモヨ「うまくいけばいいけど……」

ガラリ

しほ「遅刻よ」

そど子「!?」

パゾ美「あ、あの…?」

しほ「座りなさい。あなたたちは手前ね」



――数分後

エルヴィン「歴史ネタは封印されてしまったからな……何をしよう?」

カエサル「このごろ流行っているスクールアイドルはどうだ?」

おりょう「完全にフルハウス♪」

佐衛門佐「おおっ似てる!」

ガラリ

亜美「遅いわよー!」

エルヴィン「蝶野教官!?」

おりょう「あの……なぜ」

亜美「いいからいいから! ハイ座って」

――数分後

ナカジマ「表に停めてあったクルマ、誰のだろ?」

ホシノ「やっぱ家元さんかなあ……」

ツチヤ「いいのに乗ってるよね~」

ガラリ


亜美「私のレクサスよ」

スズキ「!?」

亜美「あ、かくし芸はないから早く座ってね」

ホシノ「!!?」

――数分後

ねこにゃー「フフ、フフフ……」

ぴよたん「今回のネタはひと味ちがうよ。砲弾でお手玉」

ももがー「こんな芸当……誰もマネできないよね」

ガラリ

しほ「その必要はありません。座りなさい」

ねこにゃー「」

――数分後

紗希「…………」

紗希「 <●><●> 」クワッ!

あゆみ「紗希が顔芸を!?」


梓「リボンの武者のキャラクターごっこだよ! これで優勝まちがいなしだね!」

ガラリ

しほ「タンカスロンは戦車道連盟非公認です。認めるわけにはいきません。席について」

桂利奈「えええっ!?」

――数分後

典子「バレーボール漫画の金字塔なら『アタックNo.1』に勝るものはないな」

あけび「いえいえ『サインはV!』も捨てがたいですよキャプテン」

ガラリ

亜美「『MAJOR』の作者がかつて連載していた『健太やります!』もいいわよ!」

妙子「『ハイキュー!!』ではなく!?」

忍「渋いところを突きますね……」

亜美「あ、座ってね。席はそこよ」

――数分後

沙織「もー! 麻子、また遅刻じゃないの」

麻子「なんで朝から呼ばれてるんだ……宴会はふつう夜やるもんだろ」


優花里「きっと人手が要るから、私たちも準備に駆り出されたんだとおもいます」

華「朝から準備だなんて、きっと大規模なものなんでしょうね」

みほ「あ、みんな先に着いてるみたい」

ガラリ

しほ「みほ、遅刻です。もう少し早く行動しなさい」

みほ「!?」

優花里「西住流の家元さんっ!?」

沙織「この人が、みぽりんのお母さん……!?」

麻子「うお……ビックリしすぎて目が覚めたぞ」

華「あのう……宴会は? かくし芸大会はどうなったんですか?」

亜美「そんなものは最初からないわ!」

華「!?」

杏「……そろそろ詳しく教えてもらってもいいですか?」

しほ「よろしい。全員揃ったところで、きょうの目的を伝えます」


しほ「私はこのクラスの担任教師……」(カッ! カカッ! カッ!)

  丙 
  住
  レ
  は

しほ「西住しほです」

みほ「字が汚なっ!」

麻子「名前になってないぞ」

亜美「そして私がここの副担任を務める……」(カッ! カカッ! カッ!)

  蝿
  野
  悪
  大

亜美「蝶野亜美よ!」

優花里「だから汚なすぎてンフッ読めませんよウフフ……」

沙織「『美』の字が崩れすぎてて別の字みたいに見えるんだけど……」

柚子「クラス……? 担任の先生……? どういうことですか?」

しほ「ここは宴会場ではありません」


亜美「ここはいまから、大洗女子学園の特別教室となります!」

全員『!!???』

しほ「では出席番号1番(五十音順)の秋山優花里さん。学園艦を存続させるために、最も大切なことは何だとおもいますか?」

優花里「そっ、それはやはり……戦車道です! 戦車の戦術と腕前でしょうか」

しほ「そう、知性ですね」

優花里「」

麻子(何で聞いたんだ……)

しほ「大洗女子学園は廃校の危機を免れましたが、そもそもの廃校理由のひとつに実績がないという部分がありました」

しほ「これがたとえば優秀な進学校であれば、最初から統廃合の憂き目に遭わずに済んだといえます」

しほ「つまり、成績が良くない生徒が多いと、学園艦は生き残ることができないのです!」

杏「ええ~~っ……」

亜美「そこで、きょうはみんなに期末テストをやってもらうから!」

桃「期末テスト!?」

しほ「戦車に乗ってばかりいて、勉強をおろそかにすることは許されません」


しほ「西住流は、学業においても常に勝利を目指します」

亜美「したがって、今回の期末テストは、単にみなさんの学力を知るだけではないわ!」

しほ「みほ」

みほ「っ!」ビクッ

しほ「あなたたちはこの前の試合で、どこと戦いましたか?」

みほ「あ、あの……愛里寿ちゃんのいる大学選抜チームです……」

しほ「そのとおりです。彼女たちは強かったでしょう?」

みほ「は、はい……」

しほ「勝ちはしましたが、本来の彼女たちは全国の大学戦車道の中から選ばれた精鋭たちです。そう簡単にあそこのメンバーになることはできません」

しほ「ですが、別の選抜メンバーには、簡単になることができます」

優花里「別の選抜?」

しほ「この中でバカの烙印を押され、そこから選りすぐりを集めた『バカ選抜チーム』のメンバーです!」

全員『バカ選抜チーム!!???』

しほ「そう。大洗女子学園の戦車道履修者の中から、バカを決めます」


亜美「正確には、車長・砲手・装填手・通信手・操縦手の5名ね!」

優花里「そ、そそそ……そんなのを決めてどうするつもりなんですか……!?」ガタガタガタ

亜美「別にどうもしないわよ」

優花里「へっ?」

しほ「罰があるとか、ペナルティを課すとか、そのようなことは一切ありません」

しほ「ただ、バカを見つけるだけです」

しほ「……そうですね。みほ風に言うなら……ゴホン、ウ、ウウン!」

しほ(声真似)「『あぶりだし作戦』を開始します!」

みほ「」

亜美「『バカ』という称号は、あらゆる良いものを打ち消す効果があるのよ。想像してみて」


・五十鈴華:五十鈴流の華道に新たな境地を開いた(でもバカ)


華「あ、あああ……何を活けても無にされます……」ガタガタガタ


・園みどり子:風紀委員長(でもバカ)


そど子「いっ、一気に威厳がなくなったわ……」ガタガタガタ


・ホシノ:大洗一速い女(でもバカ)


ホシノ「レースのあと絶対陰で言われてるよ……」ガタガタガタ


亜美「これでわかった? どんなに素晴らしい成果や肩書きを持っていようと『でもこの人、バカなんだよね』のひと言で、すべてが台無しになってしまうのよ」

沙織「イヤぁ……絶対イヤようそんなの……お嫁に行けなくなっちゃう……」

しほ「しかし心配はいりません。テストで点を取ればよいのです。良い点を取れば、バカ扱いを免れることができます」

全員『…………!!』ゴクリ

亜美「みんないい面構えになったわ! それじゃあ黒板の上を見てね。学級目標を宣誓します」

みほ「学級目標?」


 1.『I just feel my wind』
 2.『I just feel my shine』
 3.『空に rise & ride』


沙織「オープニングの歌詞!?」

亜美「じゃあいくわよ。あいじゃす ふぃまい うい~ん♪」

全員『あいじゃす ふぃまい うい~ん♪』


亜美「あいじゃす ふぃまい しゃあ~いん♪」

全員『あいじゃす ふぃまい しゃあ~いん♪』

亜美「空にい~~♪ 災い~~♪」

全員『空にい~~♪ 災い~~♪』

華「……最後はただの空耳じゃないですか」

麻子「ていうか空に災いって不吉すぎるだろ……」

優花里「ギャオスかレギオンでも出現したんでしょうか……?」

しほ「それでは自習時間を設けます。みなさん各自、勉強に励んでください」

亜美「テスト範囲は国語・英語・数学・社会・理科の主要科目に加えて『戦車道』を採用。合計6科目の600点満点で採点よ!」

優花里「……お、おおっ! 戦車道のテストがあるなら、私にも希望が持てそうです!」

あや「うう……ふつうのお勉強でもしんどいのに戦車の知識も要るだなんて……」

佐衛門佐「歴史は……歴史はどのくらい出るんだ……!?」

紗希「…………」ペラッ

忍「丸山さん、それは?」


 < 『一発逆転! 記憶術!』 >


紗希「…………」ニッコリ

忍「う、うう~~ん……いまから読んでマスターできるかなあ……?」


亜美「それでは、テストに臨む大洗女子学園の生徒たちを紹介していくわね」

――あんこうチーム

西住みほ
好きな教科:国語
苦手な教科:美術

「いつ友達になってもいいように」と、クラスメイトのプロフィールを暗記していたという頭脳の持ち主。今回のテストも相当な期待ができそうだが……!?
大洗女子学園の救世主は、勉強でもその実力を見せることができるのか!?

武部沙織
好きな教科:家庭科
苦手な教科:数学

モテる秘訣や美容のことは知っていても、お勉強は少々苦手に見える?
ところがどっこい在学中にアマチュア無線の免許を取得しちゃった才女!
女子力も学力も、両方ナンバーワンを目指します!

秋山優花里
好きな教科:戦車道
苦手な教科:国語

今回の特別科目「戦車道」では絶対パーフェクトを目指すと豪語する彼女!
戦車への愛情はピカイチでも、ほかの教科の対策は大丈夫かオッドボール三等軍曹!?

五十鈴華
好きな教科:国語(古文)
苦手な教科:体育

多くの戦車を撃ちぬいてきた、大洗女子学園屈指のスナイパー!
その集中力を生かし、テストという大地に大輪の花丸を咲かせることはできるのか!?

冷泉麻子
好きな教科:特になし
苦手な教科:特になし

戦車の操縦マニュアルを一読しただけですべて把握したという大天才!
成績面での不安はないが、朝からのテストで眠りこけたら大変だ!


――カメさんチーム

角谷杏の好きな教科:家庭科
河嶋桃の好きな教科:物理、化学
小山柚子の好きな教科:国語

大洗女子の生徒会役員たち!
杏ちゃんと柚子ちゃんは学年トップらしいが、桃ちゃんの成績は卒業すら危ういレベルとか……?
果たして、学校代表者としてのメンツは保てるのか!?

――ウサギさんチーム

澤梓の好きな教科:国語
宇津木優季の好きな教科:地理
山郷あゆみの好きな教科:英語
大野あやの好きな教科:家庭科
阪口桂利奈の好きな教科:体育
丸山紗希の好きな教科:国語(漢文)

大洗女子学園の次世代を担う1年生!
まだまだ特訓中の彼女たちは、その実力をどこまで示すことができるのか!
ところで紗希ちゃん、テストのときはよそ見はしないでね?

――アヒルさんチーム

磯辺典子の好きな教科:体育
佐々木あけびの好きな教科:英語
近藤妙子の好きな教科:不明
河西忍の好きな教科:不明

根性ー!
根性ーー!!
ど根性ーーーっ!!!(キャプテン談)


――カバさんチーム

カエサルの好きな教科:世界史
エルヴィンの好きな教科:世界史
佐衛門佐の好きな教科:不明
おりょうの好きな教科:不明

言わずと知れた歴女さんチーム!
歴史科目ならお手のものだが、果たしてそのほかの教科にはどれくらい強いのか!?
あとみんな、名前の欄にはちゃんと本名を書くように!

――レオポンさんチーム

ナカジマの好きな教科:物理
ツチヤの好きな教科:化学
ホシノの好きな教科:不明
スズキの好きな教科:不明

いつも戦車を整備してくれた、縁の下の力持ち!
でも、クルマのことばっかりで、勉強の方はどうなってるのか?
制服を着ている方が違和感あるって、結構ヤバいんじゃないの~?

――カモさんチーム

園みどり子の好きな教科:不明
後藤モヨコの好きな教科:不明
金春希美の好きな教科:不明

おかっぱ頭の風紀委員たちは、満点を狙いますとやる気じゅうぶん!
学校を取り締まる風紀委員がおバカじゃ、務まりませんからね!
もし悪い点数を取ってしまっても、そこからグレちゃダメだぞ!?

――アリクイさんチーム

ねこにゃーの好きな教科:不明
ぴよたんの好きな教科:不明
ももがーの好きな教科:不明

ネトゲの住人からリアル戦車乗りへ華麗にジョブチェンジした女傑たち!
それぞれの成績は未知数だが、努力することに関しては大洗随一!
肉体派を極めた彼女たちは、頭脳派であることも勝ち取ることができるのか!?


亜美「以上、総勢32名!」

しほ「ちょうど、クラス1つ分の人数ですね」

亜美「あらためて確認すると、登場人物の数が多いわ~!」


亜美「さあ~て、みんなが自習しているあいだに……」

しほ「抜き打ちでかばんの中身を見せてもらいます」

エエー!? ヤダー!!

しほ「静かに! 良き女性を育てるのが戦車道、ひいては西住流の役割です。常日頃からきちんと整理整頓を心がけているかどうか確かめる必要があります」

亜美「それじゃ……ちょっと失礼」ゴソゴソ

そど子「あ、わたしのかばん」

しほ「ふむ……教科書、筆記具、いずれもシンプルなものばかりですね」

亜美「校則が書かれた手帳に、風紀委員の腕章。なるほどさすが風紀委員長らしい中身ね!」

そど子「当然! 余計なものは学校に持ち込まない。風紀を整える基本よね」

亜美「……アラ? 底のほうに何かあるわね」ゴソゴソ


 < きゅうり×3本 >


そど子「!?」

しほ「おや。これは……」

亜美「お弁当にしてはちょっとヘルシーすぎない? それとも間食かしら?」

しほ「女子高生らしからぬ、ずいぶん地味な食事ですね」


そど子「なんでですかっ! ていうかいつ入れたんですかこんなの!!」

亜美「では次……このかばんにしましょう」ゴソゴソ

沙織「あ、あたしのっ!」

しほ「ふむ……中にはファッション雑誌や、いくつかの化粧品がありますね」

亜美「このくらいなら、まあいまどきの女子高生ならふつうでしょう……ってアラ?」


 < 婚姻届 >


亜美「気が早すぎない?」

麻子「お前……」

華「沙織さん、そんなにこじらせてるだなんて……」

杏「あっはは! コレを肌身離さず持ち歩く女の子はちょっとコワいね~」

沙織「ちょっと待ってよっ! なんでガチな感じなのっ!?」

沙織「勝手に入れられてたのっ!! ほんとうだようっ!!」

しほ「最後は……このかばんですね」ゴソゴソ

みほ「あ、それってわたしの……」

亜美「特に変わったものはなさそうだけど……あら、これは何かの本?」


しほ「朝読書のための本のようですね。みほは一体どんな本を読んでいるのでしょう……」ペラッ


 < 『毒になる親 一生苦しむ子供』(講談社) >


しほ「」

みほ「ちがうよっ! そんな本知らないよっ!!」

華「親との確執は遠いようで近く、近いようで遠いものですからね」

沙織「フォローになってないよ……」

亜美「……家元?」

しほ「……だ、だいじょうぶです。西住流に後退の文字はありません……」プルプルプル

しほ「こころに負った傷もゴフッ軽い致命傷で済みましたから……」プルプルプル

優花里(いまにも死にそうじゃないですか……)

しほ「ただ、ウッ……少々気分がすぐれませんね……ちょっと失礼……」ヨロヨロ

亜美「劇場版でせっかくみほさんが家に帰ってきたのに、母子(おやこ)で顔を合わせることはなかったから、気にしているのね……」

亜美「ま、それはともかく、みんな自習に集中してね!」

みほ「ええ~っ……」


――1時間後

亜美「自習時間を終わります。机の上は筆記具だけにしてください」

 ザワザワ ウワー! ウーン…

亜美「んではベロベロさっそくテストベロベロ用紙を配っていくわね」ベロベロベロ

おりょう「指を舐めすぎぜよ!」

亜美「ハイ配っていって! まずは名前を正しく書くのよ! 名前がないと0点だからね!」

カエサル「意外と量があるな……」

亜美「時間です。始めてください」


バサッ バサバサ……

カリカリ…… カリカリ……


亜美「あ、そうそう。ひとつ言い忘れてたわ。みんなそのまま聞いて頂戴」

全員『…………?』

亜美「もしもカンニングなどの不正行為が見つかったら、大洗は即廃校になるから」

全員『!!???』



1時間目:国語(漢字の読み書き・文学史・慣用表現など)

得意な子と苦手な子がそれぞれ分かれている国語!
余裕を見せる風紀委員の3人に対し、ペンが止まりがちな自動車部のみなさん!
また、ほぼ問題なさそうなあんこうチームの中、ただひとり頭を抱える秋山殿は大丈夫!?


2時間目:英語(基礎単語・和訳・英訳など)

アヒルさんチームは英語が得意なあけびちゃんが時間内に終わらせる中、対照的にぐったりと宙を仰ぐキャプテン&ほか2名! お得意の根性も、外国語には太刀打ちできなかったか!?


3時間目:数学(図形・方程式・基礎知識など)

計算に集中する華のかたわら、苦しそうな表情を見せる沙織!
その後ろでは、もっと苦しそうな顔をしている桃ちゃん!! 顔色が悪過ぎて心配になって来た!?


4時間目:社会(歴史・語句説明・現代社会など)

ここぞとばかりにカバさんチーム余裕の解答!
対してグロッキー状態に打ちのめされた様子なのはアリクイさんチーム!
チームまとめて全滅しちゃうのか!?


5時間目:理科(人体や動植物のしくみ・元素記号・物理化学など)

広い範囲を扱う理科は、意外にも自動車部のみんなが絶好調!
ウサギさんチームではできるできないが真っ二つに分かれ、桂利奈ちゃんが泣きそうになっているぞ!?


6時間目:戦車道(戦車知識・ガールズ&パンツァーに関する知識など)

目を輝かせて解答する秋山殿と、当然のように問題をさばいていく西住殿!
ネットゲームでの戦車知識も大いに役立って、アリクイさんチームも好調のようす!
ただ苦戦しているのはウサギさんチーム。まだまだ訓練が足りないのか!?


キーン コーン カーン コーン

亜美「終了~~~~っ!! 筆記具を置いて、後ろの人から答案用紙を回収してください」

ワイワイ ガヤガヤ

ねこにゃー「つ、疲れたにゃ……」

あや「あたしぜんぜんできなかったかも……」

佐衛門佐「歴史の範囲、狭くなかったか?」

おりょう「せっかくの知識が活かせなかったぜよ」

亜美「それでは採点を行いますが、けっこう時間がかかっちゃうから、それまでこれでも見て時間をつぶしててね」


 < 『Plume*Plume』 >


みほ「?」

優花里「これはなんでありますか教官?」

亜美「椎名へきるの写真集よ」

沙織「!?」


麻子「ひ……日付が1995年……!?」

亜美「ちょうどこの頃のへっきーはOVAの『アイドル防衛隊ハミングバード』にも出演していたわ。なにかと自衛隊の役と縁がある声優さんね!」

ガチャ バタン

エルヴィン「サラリと爆弾を落としていったな……」

おりょう「ホントに見るべきかどうか判断に困るぜよ」

ねこにゃー「フフ、フフフ……けっこう貴重かも」

そど子「声優さんが写真集を出すって、風紀的にどうなのかしら?」

麻子「お、おう……私は別にいいとおもうぞ……」

みほ「なんで麻子さん、そわそわしてるんだろう?」

沙織「触れてあげないのも優しさだよみぽりん」


ガラリ

全員『!』

しほ「…………」スタスタ

亜美「…………」スタスタ

みほ(あ、お母さん復活した……)

しほ「すべての採点が終わりました」

亜美「それではこれから、5人の選抜バカを決めていきたいとおもいます」

しほ「ですがその前に、みなさんの解答には驚かされる点がいくつかありました」

亜美「採点している最中、何度も椅子からひっくり返りそうになったわ!」

しほ「それをイジります」

亜美「イジるわよ~」

ザワザワ エエー!?

しほ「静かに! 勉強ができないということは、恥ずべきことだと自覚してください。間違った者にはしっかり恥をかいてもらいます」

亜美「成績の結果だけで安心しちゃダメってことね!」

しほ「なお、選抜バカの基準は点数のみならず、あまりにダメな解答をした者も視野に入れます。イジられた者は覚悟しておくように」

沙織「ど、ど~しよ~っ……! ヘンな答えだったらそれだけでおバカ扱いだよ……?」

杏「ねえ、河嶋以外の残り4人って……だれだとおもう?」

桃「会長おおっ! なぜ私が入っている前提なんですかああっ!!」

杏「いやだって……ねえ?」

柚子「……」コクリ

桃「無言でうなずかないでよ柚子ちゃあん!」


主要科目①:国語
< 問.次の漢字を書きなさい。『戦車の リタイ 』 >

しほ「『履帯』ですね。これは軍事用語で、辞書には載っていないことがあります」

亜美「正式名は『無限軌道』。一般的には商標名の『キャタピラ』と呼ばれているわね」

しほ「我々にはなじみのある言葉だから、みなさん間違えないとおもっていました」

しほ「……ですが、杉山さん」

佐衛門佐(杉山清美)「うッ!」ビクッ

しほ「惜しい間違いをしていました。こちら」


< 『 戦車の 覆帯 』 >


カエサル「あ、ああ~っ! 上の部分が……」

亜美「これでは『ふくたい』ね」

しほ「ちゃんと見返さないと、思わぬところで点を落とします。注意してください」

佐衛門佐「くっ! 面目ない……」

しほ「しかしながら、そんなレベルでない間違いをやらかした生徒がいます。河嶋さん」

桃「は、はいっ!?」

しほ「河嶋さんの履帯はこちらです」


<『 戦車の 立体 』>


杏「読みがなからもうわかってないじゃん」

アハハハ ワハハハ

柚子「桃ちゃん……」

桃「そ、そんな目で見ないでっ!」

華「バカ選抜の最初のメンバーは、やっぱり河嶋先輩でしょうか」

みほ「『やっぱり』とか言わないであげようよ……かわいそうだよ……」


< 問.次の動詞の謙譲語と尊敬語をそれぞれ答えなさい >
1.見る  2.行く  3.言う

しほ「日本語の基本。正しい言葉は人と人との間を美しくします」

亜美「実生活で必ず役に立つから、正確に覚えていてほしいわね!」


< 『見る』 謙譲語:拝見する 尊敬語:ご覧になる >
< 『行く』 謙譲語:参る 尊敬語:いらっしゃる >
< 『言う』 謙譲語:申す 尊敬語:おっしゃる >


しほ「なんと風紀委員の3人とも全問正解でした。素晴らしい」

オオー パチパチパチ

そど子「言葉づかいだって風紀の一部だもの。間違えるわけにはいかないわ」

しほ「そんな中、日本語の乱れを感じずにはいられない答えに出会いました」

しほ「ももがーさん」
(※本名が不明なので、便宜上こう呼びます)

ももがー「うえっ!?」

しほ「あなたは『見る』をこう書きました。こちら」


< 『見る』 謙譲語:チラ見する 尊敬語:ガン見する >




しほ「敬意とは、視線の激しさで決まるわけではありません」

アハハ ワハハハ

ももがー「無念なり……」

ぴよたん「ねえももがー。さっき私たちが着替えてるところチラチラ見てたよね」

ももがー「!? ……いや、見てないもも」

ぴよたん「うそだよ絶対見てたよ」

ももがー「何で見る必要があるんだよう」

ねこにゃー「あっ、ももがーさ、キミさ……さっき脱ぎ終わったときにさ……フフ……なかなか出てこなかったよね」

ぴよたん「そうぴよ」(便乗)

ももがー「い、いやそんなこと……」

ぴよたん「見たけりゃ見せてやるぞな」(震え声)

そど子「アンタたち悪いインターネットに毒されすぎよ!!!」

しほ「……彼女たちが何を言っているのかはわかりませんが、次に行きます」


< 問.次の空欄には、いずれも人体の一部を表す漢字が入ります。空欄を埋めて、慣用句を完成させなさい >
1.人のあげ(  )を取る
2.寝(  )に水
3.(  )に火をともす

しほ「答えは上から足・耳・爪ですね」

しほ「慣用句の出来はよかったです。みなさんよく知っていました」

しほ「ですが、少々おかしな答えもありました。近藤さん」

妙子「えっ」

しほ「全部間違えていたのはあなただけでした。こちら」


1.人のあげ( 玉 )を取る
2.寝( 顔 )に水
3.( 尻 )に火をともす


ワハハハ アハハハ

亜美「『尻に火がついた』とは聞いたことがあるけど、自分からお尻に火をつけるのはちょっとハードすぎね!」

しほ「出川さんか江頭さん以外の芸人ではとても務まらないでしょう」

亜美「寝顔に水は、イタズラじゃ済まされないからやっちゃダメよ?」


しほ「1番は特にひどいです。うどん屋さんでのトラブルでしょうか」

亜美「というか人体の一部だと問題にあるでしょ。なぜ玉と?」

妙子「た、玉だって身体の一部じゃないですかあ!!」


シーン…


妙子「あっ……!」カアア

典子「コラ近藤!」カアア

あけび「妙子ったらもう……」カアア

忍「バカ! 妙子のバカ! 違う意味で大バカだよう!」カアア

妙子「~~~~ッッ!!!」カアア

そど子「は、ハレンチよ! 風紀が乱れちゃうじゃない!」カアア

紗希「…………どすけべ」

妙子「丸山さん!?」

しほ「……バレー部のモラルが心配ですが、気を取り直して国語の最後は文章表現です」


< 問.『張り子の虎』という言葉を使って短文を作りなさい >

しほ「これは冷泉さんの答えを模範解答としましょう」


 < 『実力もないのに威張っているだけでは、しょせん張り子の虎だ』 >


亜美「張り子とは紙を張り合わせて型をとったもの。つまり中身がないということ」

亜美「そこから転じて、見かけ倒しなこと、虚勢を張っている人をあざけった言葉という意味になるわ。大正解ね」

沙織「麻子スゴーイ! 模範解答だって!」

麻子「ちゃんと意味が通じるなら、別にどんな文章でもいいとおもうが……」

しほ「ほんとうにそうでしょうか?」

麻子「?」

亜美「コレなんだけどね……戦車道チームの仲を引き裂きかねない解答が出てきたの」

みほ「!?」

しほ「それは松本さんの解答です。こちら」

エルヴィン(松本里子)「!?」




 < 『ポルシェティーガーは画期的な機構を備えた戦車だが、実戦での使用は困難すぎたため張り子の虎であった』 >


ナカジマ「うおおいっっ!!!」ガタッ!

ホシノ「どーいうことだよおおっっ!!!」ガタッ!!

スズキ「言っていいこととダメなことがあるでしょおおおっ!!?」ガタッ!!

ツチヤ「わたしたちの戦車、そんなふうにおもってただなんてひどーい!」

エルヴィン「い、いや……歴史的な事実を説明しただけで、別にレオポンのことを言っているんじゃ……」

亜美「そうね。文自体にウソはないし、張り子の虎の使い方も間違ってないから正解よ」

しほ「そう、これはまだマシなほうです。なぜなら言葉の意味そのものを勘違いしている人がいたからです」

しほ「磯辺さん」

典子「ッ!?」ビクッ


 < 『ドイツの軍人には、「砂漠の狐」や「張り子の虎」などといった異名を持つ者が多い』 >


エルヴィン「貴様ロンメル将軍を愚弄するかあああっ!!!?」ガタッ!

カエサル「落ち着けエルヴィン!」

典子「い、いい意味で! いい意味で! ほめ言葉だとおもったんだよう!!」

おりょう「どーいうことぜよ……」

妙子「たぶん張り子の虎っていう響きが、カッコイイ二つ名か何かだとおもったんですね……」

桃「気持ちはわかるが……」

柚子「桃ちゃん?」

優花里「そんな異名の戦車乗りがいたら不名誉すぎですよ……」


主要科目②:英語
< 問.次の単語を英訳しなさい > 
1.うさぎ  2.カメ  3.カバ  4.レオポン

しほ「それぞれのチーム名から出題です。とはいえ『あんこう』などは入れず、難易度はやさしくしました」

しほ「みなさんほぼ正解ですが、残念なミスがありました。阪口さん」

桂利奈「あいっ!?」ビクッ

しほ「レオポンのつづりを間違えています」


 < ×『reopon』 ○『leopon』 >


桂利奈「あう……」

しほ「LとRは混同しやすいものですが、『強いものはLから始まる』という覚え方をすればこういう間違いはありません」

しほ「ライオン(lion)」

しほ「獅子(leo)」

しほ「黒豹(leopard)などですね」

梓「ほんとだ!」

亜美「ほかにも、女(lady)」

亜美「愛(love)」

亜美「狂気(lunatic)」

亜美「レズ(lesbian)などもそうね!」

沙織「教官!??」

麻子「例として出すにしては何かが偏り過ぎてるだろ……」


しほ「次です」

< 問.次の英語を訳しなさい。 『 piece of youth 』 >

亜美「劇場版主題歌のタイトルね!」

しほ「pieceはかけら。youthはここでは青春の意ですが、なかなか面白い訳し方をした人がいました。佐々木さん」

あけび「はいっ!?」ビクッ


 < 『青春のひとかけら』 >


しほ「単にかけらとしなかったところが素晴らしい! 先生はこういうきれいな訳をとても好みます」

オオー パチパチパチ

しほ「必ずしも、間違えたから指すわけではありませんから、自信があれば胸を張っていいですよ」

典子「おおっ! やるじゃないか佐々木!」

あけび「エヘヘ……はい」

しほ「さて、河嶋さん」

桃「は、はいっ」


しほ「あなたは青春のひとかけらを何と訳したのでしょう? こちら」


 < 『ピースをユーと!』 >


柚子「ウグゥwww」

杏「なwww何も考えてないwww」

亜美「河嶋さんの青春はノリと勢いだけで成り立っているのね!」

しほ「将来は頭カラッポな『ウエ~イwww』な大学生にでもなるつもりですか」

桃「だ……だって……」

そど子「ていうかピースサインのピースじゃないわよこの単語」

桃「何っ!? ピースっていくつも単語があるのか?」


シーン…


桃「……ん? あれ、みんなどうしたの……?」

杏「河嶋……」

柚子「桃ちゃんの脳みそには虫がわいているの?」

桃「ひどいよ柚子ちゃん!」

しほ「……高校3年生とはおもえぬ発言が出ましたが、次にいきます」


< 問.次の英語を訳しなさい。 『 I train my dog 』 >

しほ「某参考書から出題です。ここのtrainは『電車』ではありません。なのに勘違いした答えがあとを絶ちませんでした」

しほ「あなたもそうです、松本さん」

エルヴィン(松本里子)「うっ!」ビクッ


 < 『私は、私の犬を電車にします』 >


しほ「ネコバス的な何かですか?」

亜美「もしかすると、動物愛護法に反している可能性があるわね」

ワハハ アハハハ

カエサル「ンフハハ松本www」

佐衛門佐「日本語としてもヘンだろう松本。疑問におもわなかったのか?」

おりょう「松本さんしっかりしてほしいぜよ」

エルヴィン「う、うるさいぞ!」カアア

亜美「そんな中、山郷さんが正解よ!」

あゆみ「は、はいっ!」



 < 『私は犬をしつけます』 >


オオー スゴーイ

あゆみ「トレーニング(training)の言葉を調べたときに、覚えていて……」

亜美「得意科目を英語というだけあるわね! さすがだわ」

しほ「しかしながら、同じウサギさんチームの中でちょっと問題のある答えに出会いました。大野さん」

あや「えっ」ビクッ

しほ「見てもらった方が早いでしょう。こちら」


 < 『私は犬と一緒に電車へ……』 >


あゆみ「怖っ!!!」

亜美「ダメよ! つらい日々を過ごしていても、生きていれば良いことだってあるんだから!」

梓「あ、あや……!?」ガタガタガタ

桂利奈「や、やだよ……やめてよ……?」ガタガタガタ


紗希「…………」ウルウル

あや「ちがうからっ! そんなんじゃないからっ!」

優季「あっは! あやはバカだな~」

あや「うああ~っ! よりによって優季に言われたー!!」

しほ「そうですよ宇津木さん。あなたも他人のことをとやかく言えません」

優季「!?」

しほ「宇津木さんの答えはもっとひどいものでした。こちら」

優季「ちょ、ちょっ!」


 < 『トラ、犬、私の犬』 >


ザワッ!?

あや「優季! あんたよく笑えたね!!」

優季「」

そど子「ちょっとフフッ……コレ意味がわからないんだけど?」

杏「trainをぶつ切りにして、トラと犬ってことにしたんだね……」


優花里「仮面ライダーオーズの変身みたいです」

桂利奈「トラ! 犬! 私の犬!」シャキーン!

エルヴィン「3分の2が犬じゃないか」

佐衛門佐「ていうか本来はオーズの身体にくるはずのトラが顔にいってるぞ」

おりょう「汚いタイガーマスクの出来上がりぜよ」

カエサル「弱そうだ……それにもしも犬種が違ってたら、とんでもなくキモいデザインになりそう……」

アハハ ワハハハ

桃「おっ、ウサギさんチームが一歩優勢になったか?」

柚子「桃ちゃん嬉しそうにしないの」


< 問.次の言葉を英訳しなさい。『失礼します、戦車道の教室はここですか?』 >

亜美「みんな結構間違っていたわね。難しく考えすぎたかしら?」

しほ「それでも、バッチリ正解してくれた子がいました。角谷さん」

杏「おっ!」


 < Excuse me, Is here Senshado classroom? >


しほ「最初に習うような単語だけでも、じゅうぶん意味が伝わる文章が書けるということですね」

亜美「戦車道は、海外のファンからはTankeryという造語で呼ばれているわ。でも、もともと日本語だからそのままでもオッケー。難しく考えず、シンプルにまとめたのが良いわ!」

杏「んっふっふ~。ま、実力だね~」

亜美「そんな中、河嶋さんの戦車道はどこへ行くのかしら?」

桃「っ!?」


 < I am siturei, Panzer dotti? >


優花里「アイアム失礼www」


沙織「ドッチwww」

麻子「なんで戦車だけドイツ語……」

亜美「どういう状況なのかしら?」

しほ「いきなり『私は無礼者です』と宣言していますね。そのあとはもう会話になっていません」

アハハ ワハハハ

そど子「この時点で河嶋さんがイジられるの多すぎない?」

ねこにゃー「ざ、残当……フフ……」

ゴモヨ「ざんとう?」

パゾ美「残念だけど当然の結果ってこと」

杏「おお~。河嶋キてる! キてるよ~!」

柚子「もう選抜入り待ったなしだね」

桃「う、うるさい! ここから巻き返してみせるんだからな!」

みほ!まほ!しほ! に~し~ず~み~🎵(タジャドル風に)


主要科目③:数学
< 問.次の計算をしなさい。 『 17-2×2 』 >

しほ「四則計算の基本です。サービス問題として最初に出しました」

亜美「これを間違えているようじゃ、勉強はおぼつかないわよ?」

しほ「……なのに、なぜ……」

ザワザワ エエー?

しほ「河西さん」

忍「!?」


 < 『 30 』 >


紗希「…………」(憐れみのまなざし)

忍「そ、そんな目で見ないで……こころにグサッとくるから……」

典子「河西の短気な性格が裏目に出たな。あわてずによく見ないとミスをする」

あけび「ドンマイ忍! 次で取り返せばいいから」

亜美「そうね! 次に行くわよ」


< 問.足し算の答えのことを(  )といい、引き算の答えのことを(  )という。 >

亜美「抜き打ちテストでは必ず出る基本問題。河西さんはちゃんと答えられたかしら?」

忍「……!」ゴクリ


 < 足し算の答えのことを( 和 )といい、引き算の答えのことを( 差 )という。 >


亜美「正解! 挽回したわね」

忍「……ホッ」

妙子「やったね忍!!」

しほ「河西さんはよかったですが、先生はこの問題で少々心配になる解答に当たりました」

しほ「秋山さんです」

優花里「!?」

みほ「優花里さん?」

沙織「ゆかりんが?」

しほ「彼女はどう答えたでしょう? こちら」



 < 足し算の答えのことを( 債務 )といい、引き算の答えのことを( 利息 )という。 >


華「……秋山理髪店の経営に深刻な問題が?」

みほ「優花里さん……何かあったら、力になるから……」

沙織「つらくても、ヤケを起こしちゃダメだよ……?」

優花里「うわあみなさんやめてくださいよう! 単に分からなかっただけですからあ!」

杏「安心しなよ~。廃校を救った英雄のいる店ってことで、学園艦じゅうの人があそこで散髪してるくらい繁盛してるらしいから」

優花里「そうです! そうですから皆さん心配しないでください!」

エルヴィン(でもグデーリアン、戦車グッズのことでいつも金に困ってそうだからな……)


< 問.ピタゴラスの定理について説明しなさい >

亜美「説明する、ということは正しい言葉を使わなければならないということ」

亜美「模範解答を紹介するわね」


 < 『 直角三角形の直角をはさむ2辺をA、Bとし、斜辺をCとしたとき、Cの二乗はAの二乗とBの二乗の総和に等しくなる法則 』 >


亜美「園さん完璧よ! グッジョブベリーナイス!」

そど子「物事をはっきりさせるには、定義されたことをきちんと覚えておかなきゃね」

杏「さっすが風紀委員長~!」

亜美「斜辺、二乗など、必ず入れてほしい語句をすべて盛り込んであるわ。他の人たちはこれに近いけどけっこう惜しい言い方で、満点は意外と少なかったの」

しほ「頭ではわかっているんだということはみなさんの解答で伝わってきました。しかし、文字できちんと伝える技術が必要です。猫田さん」

ねこにゃー「は、はいっ」


 < 『三角形の一番長いところは、ほかの2つを足すと同じになる』 >


しほ「語句がふんわりしすぎてわかりません。そして何から何まで間違っています」


ねこにゃー「す、すみません……」

しほ「しかし、もっと感覚的な言葉に頼ろうとした人がいました。中嶋悟子さん」

ナカジマ「あうっ!」ビクッ


 < 『玉がレールの上をちゃんと転がって、計算どおりに穴に入ると見ていてスッキリした気分になる、あのときの達成感』 >


杏「ピタゴラスイッチじゃん」

亜美「もはや三角形関係ないわね!」

アハハ ワハハハ

ホシノ「あのときの達成感って何だ? 説明になってないぞ」

ナカジマ「あの、アレ見てるとなんか気分がスッ! ってならない? 玉が穴にすぽーんと入ったら、なんか頭のもやもやーっとしたとこがふわあーってなくなるっていうか……」

スズキ「ナカジマの語彙!」

ツチヤ「ボキャブラリがマジヤバイことになってますね」

亜美「部活に打ち込むのも青春だけど、ちゃんと勉強も大事にしないとダメよ?」

亜美「もっとたくさんいろんな本を読んで、簡潔で伝わりやすい、チョベリグな日本語を使うことを心がけるようにね!」

しほ「フフッ! ウフフッ……フフンそうですねンフ……」

沙織(チョベリグって言った……)

みほ(お母さん、ちょっとツボにハマってる……)


主要科目④:社会

< 問.豊臣秀吉がキリスト教を禁止したのはなぜか。簡潔に20文字以内で答えなさい >

佐衛門佐「……」モジモジ

佐衛門佐「……」ソワソワ

佐衛門佐「……」チラッ チラッ

おりょう「もんざがうずうずしてるぜよ」

しほ「意欲にあふれた生徒がいますね。よろしい。杉山さんにお願いしましょう」

佐衛門佐(杉山清美)「はいッ!」


 < 『国の統治の妨げになると考えたから』(16文字) >


佐衛門佐「当初は南蛮貿易の利益を失いたくなかったため、いくつかの禁止令を出しても徹底はされませんでした」

佐衛門佐「しかし、南蛮船サン・フェリペ号の乗組員が『宣教と軍事力によってわが国の領土はとても広がった』という旨の自慢をしたために、秀吉はキリスト教は日本を侵略する邪教なのではないかと危機感を持つようになりました」

佐衛門佐「そして、南蛮の宣教師らは国内のキリシタン大名を煽り、反乱をそそのかす者ではないかと危惧したため、布教の禁止と、宣教師の追放令を出したのです」


オオー パチパチパチ

優花里「さすがです佐衛門佐殿!」

麻子「歴女の面目躍如だな」

しほ「素晴らしい。ただ覚えるだけでなく、その歴史背景まで押さえていますね」

亜美「しかしながら、そんな歴史をおかまいなしに回答した人がいたわ!」

亜美「キャプテン!」

典子「えっ!?」

亜美「磯辺さんが答えた、禁教の理由はこちら!」


 < 『 宣教師から、猿やチビなどと呼ばれたから 』(19文字) >


沙織「秀吉の心せますぎ!」

優花里「器が小さいにもほどがありますよ!」

アハハ ワハハハ

ナカジマ「でもさー、じっさい権力者のご機嫌を損ねたら大変だよね」

スズキ「スポンサーから『降りる』って言われたら、計画もなにもかもおしまいだからね」


ホシノ「そうかもしれないが……」

ツチヤ「それにしたってムンフ……からかわれた男子小学生じゃないんだからフフン……」

佐衛門佐「磯辺さん! 秀吉イコール猿というのはよく知られているが、これは『猿目』という言葉からきている説があってな……」

佐衛門佐「猿目は『充血している目』という意味で、顔立ちのことじゃないんだ」

佐衛門佐「そればかりか、実際に秀吉に会ったことのある倭寇(わこう)の記録では『顔は犬に似ている』などとの証言もあって……」

典子「わかった! わかったってっ! だからもういいようっ!」

カエサル「もんざの奴、グイグイいってるな~」

エルヴィン「自分の得意分野を人前で発表できる機会なんてないから、テンションが振り切ってしまったんだな」

おりょう「痛いほど気持ちがわかるぜよ」


しほ「次は現代知識に関する問題です」

< 問.会社や法人の目的や組織、業務などの基本的な規則を書いた書面を何というか答えなさい >

しほ「答えは『定款』(ていかん)。難しい問題のためか、正答率は良くありませんでした」

しほ「一番多かった間違いはこれです。みほ」

みほ「ふええっ!?」


 < 『定礎』 >


しほ「気持ちはわかりますがバツです」

みほ「ほ、ほかに何も浮かばなくて……」

しほ「こういう間違いもありました。中嶋悟子さん」

ナカジマ「うえっ!?」


 < 『月極』 >


しほ「駐車場ではありません」

ナカジマ「うう~ん……。『げっきょく』じゃなかったんだ……」


シーン…?

ナカジマ「…………へっ? あれ?」

しほ「その読みは『つきぎめ』ですよ?」

ホシノ「ンフ……ナカジマのギアが1つ上がったな」

スズキ「バカのギアだけどね」

ナカジマ「」

アハハ ワハハハ

亜美「『款』の字が難しかったのか、これを間違って書いた人がちらほらといたわ」

亜美「そのせいでとんでもない答えを書いちゃった子がいたの。キャプテンよ」

典子「えっ! またっ!?」ビクッ

亜美「あなたは漢字を間違って覚えていました! こちら」


 < 『社隷』(しゃれい) >


妙子「キャプテンwww」

あけび「基本原則がコレってイヤすぎますwww」

忍「ド社畜ですよwww」

法子「あれ合ってるんじゃ……ん? えっ? あっ」

亜美「従業員を奴隷のように扱う企業は、ブラック間違いなしだから気をつけてね」

典子「」

ねこにゃー「で、でも磯辺氏、そういう企業でもお構いなしに働けそう……」

ゴモヨ「なんでも根性で片づけちゃうから?」

そど子「それって偏見じゃないの?」

亜美「気を取り直して次にいくわよ」


< 問.世界四大文明を答えなさい >
< 問.前述の古代文明は大河の周辺で発達することが多い理由を答えなさい>

亜美「ひとつはそれなりに簡単だけど、もうひとつはわかったかしら?」

佐衛門佐「エジプト!」
おりょう「メソポタミア!」
カエサル「インダス!」
エルヴィン「黄河!」

しほ「ここぞとばかりにカバさんチームが色めき立ってますね」

亜美「それじゃ、解説もこの4人に任せましょうか」

カエサル「農業に適した肥沃な土地があるため。これが答えだが……」

エルヴィン「そのほかの要素もいくつかある。まず水がすぐ手に入るということ」

佐衛門佐「舟を使うことで、輸送や移動が便利。交易ができるということ」

おりょう「治水、灌漑、造船など技術の発達。水や農地の管理に関する法律の発達。農作業の時期を見定めるための暦法や天文学の発達。これらが挙げられるぜよ」

オオー スゴーイ

カエサル「……フッ、フフ……フフハハハ……!」

佐衛門佐「ついにわれわれの時代が来た!」

おりょう「好きなことを話して、かつ、注目される! 歴女の夜明けぜよ!」


亜美「グッジョブ! ベリーナイスよカバさんチーム!」

しほ「彼女たちは完璧でしたが、ほかの子はいろいろな答えを出してきました」

しほ「中でも個性的だったのは丸山さんです。こちら」

紗希「……!」


 < 問.古代文明は大河の周辺で発達することが多い理由を答えなさい>

 < 『 川の神様が「あなたたちはここで暮らしなさい」と言ったから 』 >


梓「メルヘン!」

あや「ファンタジー!」

カエサル「ンフフ……いや待てよ、結構深いんじゃないか? これ」

佐衛門佐「古代にはほんとうにそういう信仰があったかも知れん……」

エルヴィン「旧約聖書の物語に似たような文章がなかったか?」

おりょう「でも『川の神様』ってところがずいぶん日本的ぜよ」

アハハ ワハハハ

紗希「……///」プイッ

あゆみ「紗希が照れてる!」

桂利奈「かわいい~っ! レアだ~っ!」


< 問.「インフォームド・コンセント」という言葉を説明しなさい >

しほ「現代社会から出題です」

亜美「横文字をそのまま使った用語は、パッと見ただけじゃ意味がわかりづらいわね~」

しほ「そんな中、冷泉さんの答えを挙げましょう」

麻子「……?」


 < 『 医療を受ける患者に対する、十分な説明に基づいた合意 』 >


亜美「完璧!」

沙織「さすが麻子!」

しほ「治療も薬も全部おまかせという態度ではなく、患者の方も、医者の説明をきちんと聞くことが大事です」

亜美「そう。ここのコンセントは合意(consent)って意味だから、電気は関係ないわよ」

しほ「わかっていますか? 大野さん」

あや「は、はい……」ビクッ


 < 問.「インフォームド・コンセント」という言葉を説明しなさい >

 < 『 そこらへんのコンセントを自由に使っていいこと 』 >


しほ「お店での充電行為は、電気を盗んでいるものとみなされ窃盗罪にあたります」


亜美「とはいえ損害は微々たるものだから、これで捕まって裁判沙汰ってことにはならないわ。けど、エチケットとマナーは守ってもらいたいわね!」

あや「」

アハハ ワハハハ

あや「うわあ~っ! みんな笑いすぎだよう~っ!」

しほ「そうですよ松本さん。あなたも正解ではなかったんですから」

エルヴィン(松本里子)「ハハハ……ん、えっ!?」

カエサル「えっ?」

亜美「もしかして、歴史以外はアレなのかしら?」

おりょう「どういうことぜよ……」

亜美「松本さんのインフォームド・コンセントはこちら!」


 < 『 リフォームして、コンセントを使いやすくする 』 >


沙織「もっと他に使いやすくするべきところがあるでしょ」

華「ずいぶんスケールの小さいリフォームだったんですね」

みほ「ルームシェアしてるから、コンセントの使い道で何かもめてるのかな……」


エルヴィン「そ、そんなことはないぞ! うちはケンカせずきちんとしてるからっ!」

優花里「というか問題文をきちんと読めてないじゃないですかエルヴィン殿……」

エルヴィン「」

佐衛門佐「エルヴィン……?」

カエサル「まさか、お前……!?」

エルヴィン「……ま、まだ決まったわけじゃないだろう! 私はそんなんじゃない!」

エルヴィン「絶対に、バカ扱いなんかされてたまるか!!」

ねこにゃー「フフ、フフフ……死亡フラグ?」

ももがー「『絶対に負けない!』から即堕ちまでの鮮やかな流れが見えるなり……」

ぴよたん「いやいやここは推理マンガでありがちな『こんなとこに居られるか! 俺は自分の部屋で寝るからな!』の流れかも……」


 『それだッ!!!』


エルヴィン「私は認めないからなあっ! 自分の人生は自分で演出する!」

おりょう「言えば言うほどドロ沼っぽいぜよ……」


主要科目⑤:理科
< 問.次の元素記号の記号名を答えなさい >
1.Ca 2.He 3.P

しほ「簡単にしたつもりでしたが……河嶋さん」

桃「えっ」ビクッ


 < 1.カルシウム 2.水素 3.プッ素 >


亜美「ひとつ地球上に存在しない物質が現れたわね!」

杏「ぷっそwww」

みほ「かわいいwww」

優花里「ンフッwww地味に2問目も間違えてますよwww」

しほ「好きな教科が物理・化学だというのにこの体たらくはなんなんでしょう?」

桃「」

杏「まあ、『好きなこと』と『得意なこと』は違うからね」

柚子「桃ちゃんは砲手になりたがってるけど、腕前はてんでダメだからね」

桃「そんなことないぞ! 私だって1輌撃破できたじゃないか!」

みほ(あれは……ちょっと違うような……)


亜美「それほど難しくしたつもりはなかったんだけど……とんでもない答えが割とあったわ。理科のテストには魔物が棲んでいるのかもね」

亜美「あなたもダメでした松本さん!」

エルヴィン(松本里子)「えううっ!」


 < 1.カルシウム 2.ヘロイン 3.銅 >


優花里「エルヴィン殿www」

おりょう「そりゃないぜよwww」

亜美「サラッと書いてるけど、ヘロインは麻薬の王様といわれるほどの中毒性よ」

しほ「ルームシェアの陰でアヤしい植物を育ててませんか?」

そど子「もしそうなら校則違反ってレベルじゃないわよ!」

エルヴィン「」

アハハ ワハハハ

亜美「元素記号Heはヘリウム。無味、無臭、無毒の気体だからまったく正反対ね」

しほ「それなのに、答えに有害物質を書いた生徒がもうひとりいました。宇津木さんです」

優季「ええっ!?」


 < 1.カルシウム 2.ヒ素 3.ピクルス >


杏「フフwwwンフフwww逆になんでみんなカルシウムだけ正解www」

梓「そwwwそれよりもブフォオ信じられない単語があるんですけどヒュヒッwww」

そど子「ピwwwオエッwwwピクルシュwww」バシバシ

麻子「そど子が壊れた……ンフフ気持ちはわかるが……」


< 問.ドライアイスの化学式を書きなさい >

亜美「ドライアイスの正体を知っているかどうかが分かれ目ね」

しほ「では、化学が好きな科目だというツチヤさん」

ツチヤ「は、はいっ! これは、二酸化炭素をマイナス78度まで凍らせたものです」

ツチヤ「しかし固体の状態でも二酸化炭素であることに変わりはないから、CO2です」

亜美「すばらしい! 説明もバッチリ!」

オオー パチパチパチ

ナカジマ「やるじゃんツチヤ!」

ホシノ「スパッと言ったな。かっこよかったぞ」

ツチヤ「えへへ……」

しほ「単に元素の化学式を書かせるのではない、すこしひねった問題でしたね」

亜美「そのせいか、ドライアイス特有の化学式があるのか勘違いしていた人がいたわ。秋山さん」

優花里「うえっ!?」

しほ「秋山さんのドライアイスの化学式はこちら」



 < 『 OICE 』 >


亜美「オイーッス!」

しほ「いかりや長介でしょうか?」

アハハ ワハハハ

みほ「ウフフンwwwオイスwww」

沙織「でもゆかりんがオイッスって挨拶しても、違和感ないような……」

麻子「刊行された初期のアンソロジーでは、秋山さんの口調がヘンだったときがあったからな」

華「イメージだけで描かれたのか『~~ッス!』という謎の語尾がありましたね」

優花里「懐かしい話ですが……」

エルヴィン「ちょっとグデーリアン、その口調でしゃべってみてくれないか?」

優花里「はあ。では……」

優花里『私、大洗女子学園普通Ⅱ科2年C組、秋山優花里ッス~! よろしくッス!』

優花里『これが西住流ッスか……』

優花里『ヒヤッホォォォウ! 最高ッスウウウウ!!』

優花里『ココア淹れてきたッス~』

沙織(うっ、さっき言ったのナシ……違和感がすごい……)

華(微妙になれなれしいような……)

みほ(やっぱりいまの優花里さんが一番ですね……)


< 問.次の空欄を、方角で答えなさい。「太陽は(  )から昇り、(  )に沈む」 >

亜美「理科の知識というより、常識の範囲内での問題。でもこうやってあらためて出されると、結構みんな戸惑ったんじゃない?」

しほ「言うまでもありませんが、東から昇り、西へと沈みます」

しほ「この際ですから、絶対に忘れない語呂合わせを紹介しておきましょう」

しほ「『太陽は、にしずむ流』。これで二度と迷うことはなくなります」

優花里「これはわかりやすいですね!」

華「西住と、西に沈むをかけているんですねフフ……素敵です」

亜美「一般常識として、みんな全員バッチリ答えられたかしら? ……答えはノーよ!」

しほ「河嶋さん」

桃「うええ……」


 < 太陽は( 朝 )から昇り、( 夜 )に沈む >


しほ「方角だといっているでしょう!」

亜美「通信簿に人の言うことを最後まで聞くようにと書かれたことはない?」

アハハ ワハハハ

沙織がみほを苗字呼びしてたのもあったな


桃「で、でも合っているでしょう!?」

しほ「現実世界の上ではそうですが、テストではバツです」

桃「」

あけび「……だ、大丈夫ですよ河嶋センパイ!」

妙子「そうです! たとえちょっぴりバカでも、私たちついていきますから!」

忍「根性でなんとかなりますから!」

桃「お、お前たち……」ウルウル

みほ(同情されてる……)


特別科目:戦車道

亜美「さあラストもうひとふんばりよ! とその前に……」

みほ「?」

亜美「なんとこの科目……100点を出した人がいます!」

オオー! スゴーイ!

カエサル「わかった!」

エルヴィン「ああ。きっとそうだ」

おりょう「間違いないぜよ」

亜美「みんな察しがついているようね。そう、秋山優花里さんです!」

優花里「いやったあああ! 満点だぜええぇ!!」ガタッ!!

みほ「優花里さんすごーい!」

亜美「というわけで、秋山さんには解説をお願いしてもらうわ」

優花里「お任せください!」


< 問.戦車の燃料として一般的に使用されているものは何か >

優花里「まずは基本ですね。ポルシェティーガーなどの例外を除けば、戦車はディーゼルエンジンなんです」

優花里「したがって、ガソリンではなく軽油を使用します」

亜美「いうまでもなく、自動車部のみんなは全員が正解よ!」

ナカジマ「当然!」

ホシノ「そうでなくっちゃね!」

オオー パチパチパチ

桃「なるほど、軽油を経由してエンジンが動くわけだな」

柚子「桃ちゃん」

桃「なんだ?」ドヤア

柚子「ちょっとこの国から出て行ってくれない?」

桃「」

杏「フフッ当たりが強すぎるでしょウフフ……」

亜美「次よ!」

広報殿wwwwwwwwwwwwww

まあ大洗女子って見るからに進学校とかじゃなさそうだし…


< 問.次の各学園艦の本拠地となる都道府県名を答えなさい >
1.大洗女子学園
2.聖グロリアーナ女学院
3.サンダース大学付属高校
4.アンツィオ高校
5.プラウダ高校

亜美「実質、4問ともいえるサービス問題よ」

しほ「まさか大洗の生徒が、大洗の県名を間違うはずはありませんよね?」

しほ「そうですね? 河嶋さん」

桃「は、はいっ……!」

柚子「まさか桃ちゃん……ッ!?」


 < 『1.茨城県』 >


亜美「正解です」

柚子「何で!?」

桃「私だってこれくらいわかるぞ!」

そど子「ンフハッ! ……小山さんいまのはさすがにひどくない?」

杏「フフッちょっとは河嶋を信じてやりなよムフフ……」


亜美「でも、他ではちゃんと(?)香ばしい解答をしてくれたわ」


 < 『4.励木県』 >
 

みほ「おっ、惜しい……」

桃「栃木県ってことはわかってたんだ! これだって見ればなんとなくわかるでしょう先生!?」

しほ「ダメです」

桃「お願いします、部分点とか、せめて1点だけでも……」

しほ「ダメです」

桃「」

ゴモヨ「河嶋さん必死ですね」

そど子「何科目も連続でイジられて、いよいよバカの現実が差し迫ってきたからね」

パゾ美「悪あがきってやつ?」


< 問.自衛隊の戦車の定員は原則として4人乗りだが、現在の10式(ヒトマルしき)戦車は3人乗りである理由を答えなさい >

亜美「4人というのは、車長・装填手・砲手・操縦手のこと。このうちどれかが減ったということね。では秋山さん」

優花里「はいっ!『自動装填装置の導入』です!」

優花里「したがって、現在の戦車では車長・砲手・操縦手の3人で運営されています!」

カエサル「この分野では、グデーリアンの右に出る者はいないな」

亜美「そうね。でも、同じチームでも大きく差が出たわ。武部さん」

沙織「あたしっ!?」


 < 『少しでも戦死者を減らすため』 >


優花里「うわああアウトですうううううっ!!! 政治的にデリケートすぎてアウトですよおおおおおっっ!!!」

華「沙織さんは心の優しい人なんですね」

麻子「そんなフォローいらないだろ……」

エルヴィン「自衛隊が戦死ってどういう状況、どういう時代に……!?」

亜美「……これについてはノーコメント。切り替えていくわよ」


< 問.ハインツ・グデーリアンが導入した「訓令戦術」の概要を、30文字程度で答えなさい>

亜美「これは、秋山さんの答えをそのまま挙げるわ」


 < 『 任務の遂行のため、各指揮官にある程度の自由な行動を認める戦術 』(30文字) >


亜美「要するに、作戦成功のためなら自分の考えで動いてよいということね」

優花里「結果として、これがすばやい電撃戦の成功へとつながったわけです!」

亜美「ところが訓令の意味を勘違いした人がいます。河嶋さん」

桃「えっ」


 < 『 これは訓練だと油断させておいて、敵をだまし討ちする戦術 』(27文字) >


沙織「卑怯!」

優花里「卑怯ですう! 戦車道はそんなんじゃないですよお!」

麻子「どーいう状況なんだ……? 書いてあることの意味がわからん」

華「試合に参加していない……と見せかけての乱入でしょうか?」

みほ「タンカスロンじゃないんだから……」

しほ「……ほう。この私が戦車道連盟の役員と知ってて、非公認の競技のことを書いたと?」

桃「ひッ」ビクッ

しほ「それ以前に、こんな卑劣な真似は戦法とは呼べません。減点します」バッテン

桃「」

杏「ただでさえ低いであろう河嶋の点数がさらに……」

亜美「これで河嶋さんの戦車道の点が修正されたわ。それじゃ、この点数が最終結果ってことでメンバーの選考に入るわね」

桃「ちょおおおっっ!! ウソでしょおおおっっ!??」


しほ「さて、イジりが終わったところでメンバー発表です」

ザワザワ ガヤガヤ

桃「……どうしよう、胃が痛くなってきちゃったよう……」

亜美「その前に、成績優秀者のトップ3を発表するわ!」

亜美「第1位、角谷杏さん!」

杏「えっ!? マジ? やったね~」

亜美「第2位、冷泉麻子さん!」

沙織「麻子が負けた……!?」

亜美「僅差ではあったけど、戦車道での点差が決め手ね」

麻子「……自習時間はずっと寝てたからな。授業にない戦車の問題は分からなかった」

亜美「そして第3位はなんと、小山柚子さんと五十鈴華さんが同点入賞です」

オオー スゴーイ

沙織「華、やったねー!」

優花里「あんこうチームから2人も出るなんて、名誉です!」

みほ「おめでとうございます!」


華「ウフフ……なぜでしょう。お花のコンクールで優勝したときよりうれしいかもしれません……」

沙織(たぶんそれは、バカを免れた安心感からだとおもう……)

しほ「……お待たせしました。それでは選抜バカのメンバーを発表します」

ザワ…!? 

桃「お願いします……どうかお願いしますうぅ……」プルプルプル

杏「……あきらめなって」(王者の余裕)

柚子「桃ちゃん大丈夫だよ。バカに決まったからって、みんな変わらず接してくれるから」ニッコリ

みほ(それは慰めているようで慰めになってないのでは……)

しほ「大洗女子学園、選抜バカの1人目は…………」
















しほ「阪口桂利奈さんです」


杏「ええっ!?」

柚子「ウソッ!??」

桃「えっ? えっ? わたしじゃ、ない……?」

桂利奈「あ゛、あ゛い゛い゛……?」ガタガタガタ

ザワ…!? 

沙織「ど、どういうことなの……?」

亜美「……悪い知らせよ。阪口さんは、英語で0点を取ってしまったの」

全員『!?』

亜美「名前を書くときは注意しなさいとあれほど言ったのに……」

亜美「あれほど、あれほど言ったのに……」

ザワ…ザワ…? ガヤガヤ…!?

亜美「それでも間違えたのよ! 阪口桂利奈さん!」

桂利奈「あ゛い゛っ!?」ビクッ

亜美「阪口さんの答案、氏名の欄をよ~~く見てみましょう」




 < 氏名:KARINA SAKAGUCHT >


みほ「どこもおかしくな……ん?」


 < 氏名:KARINA SAKAGUCHT ← >


亜美「誰よ」

桂利奈「」

そど子「Iの大文字を書こうとして、下の線をつけ損なったのね……」

梓「ど、どう読むの?」

エルヴィン「限りなくドイツ語に近い」

カエサル「あえて発音するならカリナ・サカグヒトさんだな」

あや「グヒトwww」

梓「グwwwグヒトwww」

紗希「……ヒッ! ……ヒヒッ!!」プルプルプル

あゆみ「紗希が爆笑してる!」

優季「レアだ~っ」

桂利奈「うわあーっ! 紗希までーっ!」カアア

しほ「残念ながら……バカが見つかってしまいました」


亜美「そーいうわけで、阪口さんを選抜チームの操縦手に任命します!」

桂利奈「うわあ゛あ゛あ゛~~~~っっ!!!!」


バカ選抜チーム

 車長:
 砲手:
 装填手:
 通信手:
 操縦手:カリナ = サカグヒト ←NEW!


桂利奈「あ゛い゛、あ゛い゛い゛い゛……」ガタガタガタ

優季「やればできる子じゃなかったんだね、桂利奈ちゃん……」

紗希「…………」ションボリ

あゆみ「おいたわしや、無念でならぬって紗希も言ってる」

あや「なんで武士みたいなしゃべり方なの!?」

しほ「それでは次のメンバーを発表します」

しほ「といってもみなさんの予想どおりでしょう。そう、河嶋桃さんです」

桃「うわああああっっ!! なんでだあああああっっ!!!」

柚子「騒がしいよ桃ちゃん」

亜美「阪口さんは0点を取ったため選抜されましたが、純粋な点数の合計ではあなたが最下位だったわ!」

桃「」

亜美「どれもこれも低水準だったけど、決め手となったのは理科の答案ね!」


< 問.人間の母乳が市販の粉ミルクよりも優れている点と、欠点を1つずつ挙げなさい >

しほ「いろいろと考えられますが、その中で模範解答を出した人がいました。小山さん」

柚子「はい」


 母乳の利点:子の発育に必要な免疫を含む栄養がある
 母乳の欠点:母親の体調や、環境の影響を受けやすい


しほ「満点です。さすが成績トップ3の実力といったところでしょうか」

亜美「聞けば6人きょうだいの長女ですってね。それならこの問題は簡単すぎたかしら?」

柚子「い、いえそんな……」

しほ「ちなみに、私はみほもまほも母乳で育てました」

みほ「!?」

沙織「その情報いる!?」

優花里「またひとつ、西住殿についての知識が増えましたね!」

華「優花里さんのそういうブレないところ、私は好きですよ」

麻子「本当にそれでいいのか……?」

しほ「……さて、この問題について河嶋さんは非常にブッ飛んだ解答を書きました」

亜美「採点しているとき、のけぞったわ」


桃「もうやめて……」

しほ「自業自得です! こちら!」


 母乳の利点:入っている容器が良い
 母乳の欠点:なかなか市場では手に入らない


しほ「どーいう意味ですかっ!!」

柚子「フヒャア桃ちゃんwww」

杏「バカすぎwwwwww」

亜美「市場てあなたwwwまwwwまさか買うつもり?www」

しほ「容器て! テストの解答で下ネタをぶち込んだのはあなただけです!!」

ウワハハ ヒドーイ!!

亜美「この解答はまさにバカの主砲クラスだったわ!」

しほ「したがって、河嶋桃さんは選抜チームの砲手を担当してもらいます」

桃「」

杏「いやー、無事に決まって良かったって感じだね」

桃「会長おおおおっっ!!???」



バカ選抜チーム

 車長:
 砲手:河嶋“母乳”桃  ←NEW!
 装填手:
 通信手:
 操縦手:カリナ = サカグヒト


柚子「桃ちゃんが砲手っていうだけで……」

麻子「とたんに不安になったな」

そど子「勝てる試合も勝てなさそうね」

しほ「……ほう。それほど腕前がぽんこつなら、逆にどんなものか見てみたいものです」

亜美「鍛えがいがありそうね!」

桃「ひッ!」ゾクッ

しほ「まあそれはさておき、次の選抜メンバーを紹介します」

亜美「心当たりのある人は覚悟を決めてね!」

エルヴィン「戦車道なら……戦車道の点でカバーできれば……」プルプル

ナカジマ「あう、うう……」プルプル

忍「うう、うう……私だったらイヤだなあ……」プルプル


紗希「…………」ポンポン

忍「……?」

紗希「…………」スッ


 < のどあめ >


忍「丸山さん、気持ちは嬉しいけどちょっと意味が……」

梓「紗希は、自信あるの?」

紗希「…………」コクリ

あゆみ「やるこたァやったンでさァ。あとは煮るなり焼くなり好きにしやがれだってさ」

優季「江戸っ子!?」

あや「ねえホントにそう言ってるの!?」

しほ「では発表します。バカ選抜チーム、続いては…………」


















しほ「磯辺典子さんです」

典子「えっ」

亜美「磯辺さんは最後から2番目のブービー。本来答えられたであろう簡単な問題をミスしているところが大きいわね」

しほ「たとえばこれです」

< 問.アメリカの首都はどこか >

亜美「単純なようで、見落とした点がなかったかしら?」

しほ「ワシントンだけでは丸は与えられません。『ワシントンD.C』が正解です」

亜美「じゃあ、磯辺さんはどうだったでしょう? こちら!」


 < 『 DJワシントン 』 >


あけび「誰www」


妙子「誰ですかキャプテンwwwこのゴキゲンなラッパーはwww」

忍「フヒーwwwフヒフーwww妙子やめてwwwwww」

亜美「これは……ケアレスミスといっていいのかしら?」

しほ「いいえ。おそらく天然でしょう」

しほ「こんなふうに磯辺さんの間違い方は豪快で、とても思い切った方向性に向かっていました。もうひとつこちら」

< 2016年にオリンピックも開催され、経済的に大きな発展を遂げたブラジルだが、かつては一次産業に依存しており、1970年の輸出額で最も大きかったものは(  )であった。>

< 問.ブラジルの主要な輸出品は何か? 空欄部分を答えなさい >

しほ「時事に関連しての出題です。これの答えは何ですか、みほ」

みほ「え、ええっと……こ、コーヒー豆、です、か……?」

亜美「正解よ! 答案にもそう書いてあるわ!」

しほ「自信があれば胸を張ってよいと言ったでしょう? しっかりしなさい」

みほ「は、はい……」

しほ「一次産業といえば農業のこと。ブラジルの農業といえばコーヒー。知識がなくても、なんとなくイメージがわくとおもいます」


しほ「ですが……磯辺さんはブラジルに別のイメージを持ち込んだようですね」

亜美「これよ!」


 < 問.ブラジルの主要な輸出品は何か? >

 < 『ジーコ』 >


妙子「キャプテンwww」

あけび「人www人ですよwwwwwww」

忍「確かにサッカーは主要っぽいですけどwwwwww」

しほ「ンフ……外貨を稼ぐという意味では、そのとおりかもしれません」

亜美「たまにはペレのほうも思い出してあげてねフフッwww」

典子「」

しほ「サッカーも戦車道も、『たまを入れる』という点は共通しています」

しほ「したがって、磯辺さんを装填手として任命します」

典子「ぐっ……! ぐぎぎ……!」プルプルプル



バカ選抜チーム

 車長:
 砲手:河嶋“母乳”桃  
 装填手:磯辺ジーコ  ←NEW!
 通信手:
 操縦手:カリナ = サカグヒト


杏「選抜メンバーのみんなには申し訳ないけど、こうやって少しずつ空欄が埋まっていくようすはワクワクするね」

エルヴィン「確かこの感じ……どこかで見た気が」

佐衛門佐「『トリコ』のフルコースのメニューが決まった瞬間じゃないか?」


 『それだあっ!!』


妙子「バカのフルコースってことですか?」

あけび「そういうこと言わないの!」

優花里「車長の欄が気になりますね……」

杏「河嶋はもういるし、成績の低い者から順番に……ってわけじゃないのが怖いよね」

亜美「それでは、選抜チーム、次のメンバーは…………」

















亜美「松本里子さんです」

エルヴィン(松本里子)「えっ」

カエサル「ああ……」

佐衛門佐「やはり……イヤな予感はしてたんだが……」

おりょう「ウチからバカが出るとは無念ぜよ……」

エルヴィン(松本里子)「…………えっ?」

しほ「平均点から考えると、だいたい50点前後でした。下から数えた方が早いです」

亜美「肝心の社会科で、点を稼げなかったのが痛かったわね」

カエサル「仕方あるまい……。エルヴィンの得意分野は欧州史、とくに第二次世界大戦の近現代」

佐衛門佐「学校の授業では扱いづらいのか、歴史の分野でも現代社会の分野でもさほど触れられない微妙なところだ」


おりょう「本来の実力が出せる問題がなかったぜよ」

エルヴィン(松本里子)「ほ、ほんとうに私なのか……!?」プルプル

亜美「ええ」

エルヴィン(松本里子)「バレー部と比べてみても、それより下なのか……?」プルプル

あけび「ちょっとそれどういう意味よおっ!」ガタッ!

忍「聞き捨てなりませんよ!」ガタッ!

妙子「バカはキャプテン1人で十分なんです!」ガタッ!

典子「えっ」

あけび「妙子! 言い方! 空気!!」


< 問.次の英語を訳しなさい。 『 No pain, No gain 』 >

しほ「外国のことわざです。日本語にも似たような意味の言葉があるので、その意訳でもかまいません」

亜美「直訳すれば、苦労がなければ利益がないという意味ね。日本語のことわざでいえば『苦は楽の種』」

しほ「あるいは『労なくして得るものなし』ですね。なにかの犠牲なしに、勝利することはできないということです」

亜美「さあ、松本さんはどう答えたのかしら? こちら」


 < 『パイナップルはいらない。害になるから』 >


優花里「どういうことですかwwww」

カエサル「ノーパインwww」

佐衛門佐「gainに至ってはただのローマ字読みじゃないかwww」

おりょう「ていうかなんなんぜよこの文の状況www」

華「酢豚に入っているパイナップルのことでしょうか?」

沙織「だとしてもどんだけ嫌いなのよ。害て……」

あゆみ「エルヴィン先輩、金髪なのに英語ダメだったんですね」


優季「おんなじ金髪でも、佐々木先輩は英語が得意なのに……」

あけび「?」

エルヴィン(松本里子)「そ、それは偏見だろ!」

亜美「ほかにもパンチのきいた答えがあったわ。戦車道の問題からこれよ」

< 問.戦車道の試合中、けがをした人に応急手当てを行うときは、周囲の(   )を確認し、危険な場合は移動させる。 >

しほ「特殊なカーボンといえども、万能ではありません。こういうことだって起こり得ます」

亜美「でも、近くで戦車が動いていたら大変なことになるわ。しっかり『安全』を確認して、処置にあたるように」

しほ「しかし、松本さんは別のことを気にしていたようです。こちら」


 < 問.戦車道の試合中、けがをした人に応急手当てを行うときは、周囲の( やじうま )を確認し、危険な場合は移動させる。 >


佐衛門佐「フフ…ンフフwwwある意味そうかもしれんがwww」

優花里「写真を撮られてネットにアップされるのを防ぐためでしょうかwww」

カエサル「コレ文脈しだいでは野次馬を移動させてるようにも読めないか?」

おりょう「けが人ほったらかしぜよ」


エルヴィン(松本里子)「」

亜美「野次馬だけじゃなくいろんな人にも呼びかけて、しっかり安全を確保してほしいわね!」

しほ「というわけで、松本さんをバカ選抜メンバーの通信手として任命します」

エルヴィン(松本里子)「ああ、あああ……」ガタガタガタ


バカ選抜チーム

車長:

砲手:河嶋“母乳”桃  
装填手:磯辺ジーコ  
通信手:ただの松本  ←NEW!

操縦手:カリナ = サカグヒト


優季「エルヴィン先輩って、見た目に反してバカだったんですか?」

あゆみ「ええーっ? デキる参謀みたいな雰囲気なのに!? 格好だけってこと?」

あや「先輩のことカッコイイとおもってたのに……ちょっとげんめつ~」

エルヴィン「」

カエサル「こ、コレがバカの『打ち消し力』……!」

おりょう「エルヴィン……クールなイメージだったのに、ただの面白コスプレイヤーみたいな扱いに変わったぜよ……」


エルヴィン「くっ、うう……! いまの私にロンメル将軍を名乗る資格はない……」ヌギヌギ

松本「ただの松本だ……」スッ

カエサル「エルヴィンが自ら帽子を!?」

佐衛門佐「文字通り、脱帽したということか」

おりょう「コートも脱いで……完全に心を折られているぜよ……」

しほ「……さて」

亜美「みなさんお待ちかね、選抜バカの最後のメンバーを発表するわよ~」

ザワザワ ガヤガヤ

しほ「大洗女子学園、バカ選抜チームの車長は……」





















しほ「西住みほさんです」


みほ「……えっ?」

杏「えっ?」

『ええーーーーっっ!!???』

みほ「」

優花里「ああっ! 西住殿の目が!」

沙織「そんな! みぽりんの成績、そんなに悪かったんですか!?」

亜美「いえ、みほさんの平均点はだいたい80点といったところかしら。この中で10位以内に入っているわ」

華「じゃあ、どうして……」

しほ「先生は言いました。あまりにヘンな答えを書いても、選抜チームに入れることがあると」

しほ「したがって、実の娘をバカ扱いは心苦しいですが、泣いて馬謖を斬ることにしました」

みほ「あ、ああああ……うああ……」ガタガタガタ

亜美「そんな西住さんのバカの決め手となった解答はこちらです」


< 問.ガールズ&パンツァー劇場版におけるチーム名は、大洗女子学園と聖グロリアーナを主流とする1.(    )中隊、黒森峰女学園とプラウダ高校で編成される2.(    )中隊、サンダース大付属と知波単学園の混成である3.(   )中隊と、カール自走臼砲攻略のために独立した4.(   )小隊がある >


バレー部はキャプテン以外1年生だよー


亜美「戦車道からの出題。みんな当事者なんだから、当然答えられるわよね!」

しほ「みほ。答えてみなさい」

みほ「は、はい……たんぽぽ中隊、ひまわり中隊、あさがお中隊、どんぐり小隊です」

しほ「正解です」

みほ「えっ、ど、どういうことなの……?」

しほ「みほ……あなた、あのボコとかいう熊のことを考えていたでしょう?」

みほ「?」

しほ「それがにじみ出たのでしょうね。みほは正しく書いたつもりでも、字を間違っていました」

みほ「ええっ!?」

しほ「これです」



< 『 1.( たんぽこ )中隊 2.( ひまわり )中隊 ( あさがお )中隊 ( どんぐり )小隊 』 >



優花里「たんぽこwwwwww」

華「ぽこwwwwww」

麻子「ウグゥwww」

沙織「みぽりんwww下ネタじゃないのコレwww」

亜美「ンフ……声に出して読める、ギリギリすれすれのところをいってるわwww」

しほ「この問題は全員正解だったのに、みほだけが間違えていました」

しほ「よりによって大隊長が間違うなど言語道断。ということで、あなたをバカ選抜チームの車長に任命します」

亜美「せっかくだし、チーム名もコレでいこうかしら♪」

みほ「イヤアアアアアッッ!!!」



バカ選抜チーム改め、「たんぽこさんチーム」

車長:西住ぽこ
砲手:河嶋“母乳”桃
装填手:磯辺ジーコ
通信手:ただの松本
操縦手:カリナ = サカグヒト


しほ(声真似)「それでは、たんぽこさんチームは壇上に上がってください」

みほ「お母さん……わたしの真似はちょっとやめてもらってもいいかな……」ヨロヨロ

桂利奈「あう、あうう……」トボトボ

典子「くっ、キャプテン失格だ……!」トボトボ

松本「…………」トボトボ

桃「お前たちしっかりしろ! 情けないぞ!」スタスタ

亜美「さあ、みんなこれを受け取って頂戴」スッ

みほ「?」

松本「なんでしょうか」

亜美「戦車が出てくる映画のDVDね。まあちょっとした景品のようなものかしら」

桂利奈「わあっ! ほんとうっ!?」

桃「いったいどんな映画……ん?」

< 『馬鹿が戦車でやってくる』(1964年 松竹映画) >

たんぽこさんチーム『』

しほ「ちなみに読みは『バカがタンクでやってくる』です」

亜美「主演はハナ肇(はじめ)。名作よ」


亜美「じゃ、たんぽこさんチームが無事に結成されたところで、搭乗する戦車に登場してもらいましょう!」

たんぽこさんチーム『!!???』

ズズ… ズズズ……

ゴゴゴゴ…………

優花里「ああっ! 黒板のセットが2つに裂けて……!」

キュラキュラ…… キュラキュラ……

亜美「バカでも乗れるくらい操縦が簡単で、バカでも扱えるマニュアル付き!」

しほ「そんなバカでも大丈夫な戦車、M4シャーマンに乗って記念撮影です」

たんぽこさんチーム『』

亜美「あ、みんな頭は出した状態で乗ってね。EDテーマのときみたいに」

しほ「それではみほ、車長として戦車前進の号令をかけなさい」

みほ「は、はい……パンツァー・フォー!」

しほ「違います」

みほ「!?」

しほ「バカ選抜チームらしくこう命じなさい。パンツァー・アホー!」

みほ「」

しほ「さあ早く」

みほ「ぱ……パンツァー・アホー」

しほ「もっと大きな声で!」

みほ「パンツァー・アホー!!!」(やけくそ)


~♪エ~ンタ~ エ~ンタ~ ミッショ~ン 早くここにおいで♪

~♪一生懸命 追いかけ~たいよ だから一緒 カモ~ン♪

~♪パーパラー チャッチャッチャー♪

~♪テッテーレデデーン テッケテーテー♪

~♪テッテーレデデーン テッケテーテー……


おしまい


以上です
ガールズ&パンツァー最終章の発表で、楽しみが増えました

過去作↓

みほ「プロ戦車道1日訓練?」
みほ「未公開シーン?」

みほ「笑ってはいけない西住流?」
みほ「笑ってはいけない西住流の未公開シーン?」

みほ「○んしゃ道?」
みほ「ガンシャ・ウォー!」

みほ「逆ドッキリ?」

みほ「愛里寿ちゃんスイッチ?」

>91
あ、ホントだ先輩って書いちゃってる……

乙乙 面白かった


次は他校チームも交えてやって欲しい

どうせお前だろうと思ったらやっぱりお前だった

やはりお前だったか乙

めちゃイケのあのイメージがすっと入ったな


他校やっちゃったらどっかの隊長とどっかの学校の副隊長とどっかの学校全員がダントツで占めちゃうに決まってるだろ(震

>>101
よし、調理実習入れよう

独語読みならサカグヒトじゃなくてザカグヒトじゃね?

カバさんチームって全員学業特待生だったような

>>105
どっかのSSの設定を真に受けただけかもしれん、忘れてくれ

面白かった

だが一つ間違いがあるぞ
ドイツ戦車はほぼ全てガソリンだしアメリカ戦車にもガソリン使用車は数多くある

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