海未「仕方ありませんね。私が手を貸しましょう」 (57)

凛「ええ?真姫ちゃん出てくれないの?」

花陽「うん。くだらないって」

凛「え~。かよちんちゃんと挑発した?」

花陽「友達を挑発はしないかな?」

凛「真姫ちゃんチョロいから簡単なのに」

花陽「仕方ないから他の人誘おう?」

凛「うん」

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凛「誰を誘おうか?」

花陽「やっぱり希ちゃんかな?」

凛「にこちゃんでもいいし」

花陽「穂乃果ちゃんとことりちゃんは?」

凛「穂乃果ちゃんはどうだろ?」

花陽「う~ん」

海未「あのぉ…先程から何のお話をしてるのですか?」

凛「海未ちゃん、気になるの?」

海未「はい。先程から誘う誘わないとはなして翻訳いるのに一向に私の名前が出てこないので。あと、絵里も」

凛「それはね、理由があるんだよ?別に仲間外れにしようとはしてないよ?」

海未「あっ、そうだったんですか?」

凛「うん。ね?かよちん」

花陽「うん」

海未「…それで?」

凛「え?」

海未「それで、何の話なのです?」

凛「あ、えっとね。今度ね、商店街でババ抜きの大会があるの」

海未「ババ抜きの大会って」

凛「それで優勝するとねお米10キロとラーメン1ヶ月分貰えるの」

花陽「絶対に優勝だよ」

海未「凛た花陽の為にあるような大会ですね」

凛「そうなの。でね3人のチーム戦だからあと一人足りないの」

花陽「真姫ちゃんにお願いしたんだけど断られちゃって」

凛「本当は参加したかったんだよ。きっと」

海未「仕方ありませんね。私が一肌脱ぎましょう」

凛「え?」



凛「それで優勝するとねお米10キロとラーメン1ヶ月分貰えるの」

花陽「絶対に優勝だよ」

海未「凛た花陽の為にあるような大会ですね」

凛「そうなの。でね3人のチーム戦だからあと一人足りないの」

花陽「真姫ちゃんにお願いしたんだけど断られちゃって」

凛「本当は参加したかったんだよ。きっと」

海未「仕方ありませんね。私が一肌脱ぎましょう」

凛「え?」



海未「私が参加すると言ってるのです」

凛「うん。それ伝わってるよ?」

海未「なら、もっと嬉しそうにしても」

凛「いや、まさかババ抜きの大会って聞いたのに参加するって言うとは思わなかったよ」

海未「何故です?」

凛「身に覚えがあるでしょ?」

海未「…?ああ、穂乃果に何か聞いたのですか?確かに私は修学旅行で穂乃果とことりに惨敗しましたが…所詮ババ抜きなど運ですから」

凛「いや、運ではないよ?」

海未「運でしょう?相手の手札に何があるか分からないのに」

凛「ほら。もうその考えが怖いにゃ」

海未「いやいや、平気ですから」

凛「でも… 」

海未「平気だと言ってるのです。何故、信じてくれないのですか?」

凛「だって…海未ちゃん絶対に弱いもん」

海未「凛!いい加減にしなさい」

凛「え?凛怒られるの?」

海未「誰も怒ってはいません」

凛「イライラを隠せてないよ?ポーカーフェイス出来てないよ?ポーカーフェイス出来ないのによく大丈夫って言うね」

海未「ババ抜きとポーカーは別物でしょう?」

凛「うわ。もう本当に大丈夫だから」

海未「いえ、こうなったら意地でも私が出ます」

凛「本当に大丈夫だから」

海未「何故わかってくれないのですかぁ」

凛「わかってるよ?海未ちゃんはババ抜きには向かない」

海未「ああ、いつから凛はこんなにひねくれてしまったのです?希ですか?希の入知恵ですか?」

凛「落ち着いて。仲間を疑わないで?凛は前のまんまだよ?」

海未「なら、前のように言ってください。海未ちゃん一緒にババ抜きやろうよ!と凛、海未ちゃんとババ抜きやりたいな~と」

凛「一回も言った事ないにゃ」

海未「凛!」

凛「大きな声を出されても…」

花陽「海未ちゃん!」

海未「え?」

凛「かよちん?」

花陽「海未ちゃん、いい加減にして!」

海未「え?花陽?」

花陽「今回はね私達真剣なの」

海未「そ、それは」

花陽「お遊びじゃないんだよ?白米がかかってるんだよ?」

海未「ですから、力になろうと…」

花陽「力になるって言うなら観客として応援して」

海未「しかし」

花陽「今回の大会はチーム戦なの。いかにお互いの数字を上手く回すかにかかってるの。すぐ顔に出る海未ちゃんが居ると物凄く不利なの」

海未「ええ?」

花陽「自分がポーカーフェイスが出来ない事にすら気付いてない海未ちゃんは応援だけしてて」

海未「…」

花陽「本当はこんな事言いたくないんだよ?でも、白米がかかってるんだからね?」

海未「…はい。申し訳ありませんでした」

凛「…ビックリにゃ」
にこ「あら、希?部室の前で何してるのよ?」

希「花陽ちゃんが怒ってて海未ちゃんが頭さげてる」

にこ「え?逆じゃなくて?」

「言葉使い」

海未「ごきげんよう」

希「お!海未ちゃん、こんにちは」

海未「希一人ですか?」

希「うん。まだ誰も来てないよ?」

海未「そうですか」

希「そうやね」



海未「ずっと思っていたんですけど希の言葉使いってどこの方言ですか?」

希「ああ、これはね…ちょっとね。…本来は標準だよ?」

海未「そうなんですか」

希「海未ちゃんは何でいつも敬語なん?」

海未「幼い頃からなので」

希「ちょっと敬語やめて見てよ」

海未「嫌ですよ。恥ずかしい」

希「いいやん。二人だけなんやし」

海未「では、希も標準語で話してください」

希「う~ん…ええよ」



希「海未ちゃん、何か喋ってよ」

海未「希の方こそ何か話してくださ…何か話してよ」

希「おお!海未ちゃんが敬語以外で話すの凄く新鮮や」

海未「…標準語で喋ってくれるって言ったのに。ズルいよ、希」

希「おお!そうだったね。でも、タメ口海未ちゃんはインパクト大だね」

海未「そうかな?何か恥ずかしいよ」

希「おお!何かドキドキするね」

海未「希は…希ちゃんはあんまり変わらないかも」

希「おお!希ちゃんって。破壊力凄いね」

穂乃果「こんにちは~」

海未「あ、穂乃果。ごきげんよう」

希「あ、穂乃果ちゃん。こんにちは」

穂乃果「う、うん…」
(二人でどんな会話してるのかなと思って少し盗み聞きしちゃったけど…海未ちゃんタメ口で話してたよね?)

海未「どうしました?」

穂乃果「い、いや?何でもないよ?」

海未「そうですか?」

穂乃果「うん」

希「海未ちゃん!」

海未「何です?」

希「もう一回」

海未「嫌です。恥ずかしいですよ」

希「ケチ~」

海未「ケチで結構です」

穂乃果「あ、あ~。穂乃果、トイレ~」

海未「え?今来たとこなのに?」

穂乃果「う、うん」

ガララ

海未「行ってしまいましたね」

穂乃果「何あれ?穂乃果にもことりちゃんにも子供の頃からずっと敬語なのに?明らかに希ちゃんにタメ口だったよね?心なしか甘えてるようにも聞こえたし。っていうか希ちゃんもお願いっ何?海未ちゃん恥ずかしいとか言ってるし。何があったの?もしかしてデキてるの?二人はデキちゃってるの?穂乃果の知らない間に禁断の恋始めちゃったの?」



海未「希、穂乃果の前で言わせようとしないで下さい」

希「恥ずかしいの?」

海未「子供の頃からずっと敬語でやって来たので穂乃果とことりの前ではより一層恥ずかしいのです」

希「じゃあ、今はええやろ?」

海未「希!調子にのらないでね?」

希「おお!」

チラ

穂乃果「…気になる」

希「いや~、皆に言いたいな~」

海未「ダメだよ?私と希の二人の秘密だよ?」

希「まあ、ウチ…私だけの海未ちゃんって事でいいかな」

海未「もう、なに言ってるの」

穂乃果「うわ~、絶対出来てるよ。二人だけの秘密だよ!だって?何それ?希ちゃんも標準語になってるし?ええ?応援した方がいいの?あえて聞いちゃった方がいいの?」

ガララ

穂乃果「海未ちゃん…希ちゃん…ちょっと」

希「どしたん?深刻そうな顔して?」

海未「何かあったのですか?」

穂乃果「深刻そうなじゃなくて深刻なの。何かあったのは二人でしょう?」

希「え?」

海未「いったい?」

穂乃果「ごめん。さっきの聞いちゃったよ」

希「え?ああ…そうなん?」

海未「ええ」カアア

穂乃果「いつからなの?」

海未「…30分前くらいですかね」

穂乃果「え?そんなに最近なの?」

海未「はい」

穂乃果「どっちから言ったのかな?」

希「ウチからやけど」

穂乃果「ずっと前から想ってたの?」

希「まあ…思ってたけど」

穂乃果「そうなんだ」

海未「えっと…穂乃果、この事は他の人には言わないでくださいね?恥ずかしいですから」

穂乃果「言えるわけないでしょ?」

海未「そ、そうですか」

穂乃果「二人ともさ、嬉しいのは分かるけど部室とかは誰が見てるかわからないからね?」

希「ウチは見られても困んないけどね?海未ちゃん、可愛いし」

海未「ちょっと、希」

穂乃果「希ちゃん!穂乃果は真剣なんだよ?真剣に話してるの。イチャイチャするのは家でして?」

希「イチャイチャって…」

穂乃果「ねえ、希ちゃん?穂乃果は海未ちゃんと姉妹みたいなものだからさ」

希「うん」

穂乃果「真剣なんだよね?」

希「いや、興味本位で」

穂乃果「海未ちゃんの事…遊びなの?」

希「え?遊びっていうか気になってたのは確かで」

穂乃果「希ちゃん」バン

希「え~」

海未「ほ、穂乃果?」

穂乃果「照れ隠しならいらないから!海未ちゃん希事をもてあそんだらいくら希ちゃんでも許さないよ?」


海未「えっと、私は大丈夫ですよ?」

穂乃果「どうなの?希ちゃん?」

希「はい!…本気です!」

穂乃果「…そう。海未ちゃんはどう思ったの?」

海未「…恥ずかしかったですけど」

穂乃果「けど?けど何?」

海未「普段の自分じゃないみたいで…楽しかったですし…可愛いと言われて…嬉しかったです」

穂乃果「…そっか。なんか最初は正直言って寂しかったけどだんだん嬉しく思えてきたよ。海未ちゃんも前から気になってたの?」

海未「はい。しようって言ったのは希からですがそもそも私が聞き始めたのがきっかけですし」

穂乃果「そうなんだ。じゃあ、海未ちゃんと希ちゃんのお互いの好きな所は?」

希「え?どうしたん、急に?さっきまで深刻そうな顔してたのに」

穂乃果「もう、いいの。二人の気持ちがわかったから」

海未「はあ。しかし…」

穂乃果「いいから言ってみて?」

希「海未ちゃんの好きな所?えっと…いつも真剣に物事に取り組む姿は格好いいなと思うし恥ずかしがり屋さんな所は可愛いなって思うかな?」カァァ

海未「の、希」カァァ

穂乃果「あー、二人とも顔が真っ赤だー」

海未「あなたは何がしたいのです!」

穂乃果「まあまあ。で、海未ちゃんは?」

海未「ええ?私も?」

希「海未ちゃん、無理せんでええよ?」

海未「いえ、希には普段から感謝しているので。」

穂乃果「海未ちゃん。穂乃果の前では恥ずかしがらなくていいからさっきの言葉使い方でいいよ?」

海未「ええ?」

穂乃果「ね?」

海未「てすが…」

穂乃果「ね?」

海未「希の好きな所は。希はいつも陰ながら私達の事を支えてくれる。希は女神みたいだって前に絵里と話していたんだ。人を包み込む優しさが希にはあります」

希「ちょっと、海未ちゃんら、さすがの射ちも恥ずかしいやん」

穂乃果「うわ~、アツアツだねぇ。最後の方は真剣になりすぎて敬語に戻ってたけど…なんだか穂乃果の方まで幸せになっちゃうよ」

希「そ、そう?」

穂乃果「うん。まあ、この先二人の前には壁がいくつもあると思うけど…こんな世の中だから理解してくれない人もいるし…でも、穂乃果は二人を応援するって決めたよ。頑張ってね?」

海未「はあ」

希「う、うん」

穂乃果「じゃあ、穂乃果は先に屋上に行ってるけど二人ともここは部室だから節度は守ってね?」

海未「な、何を言ってるのです?」

穂乃果「またまた~。にこちゃんに見つかったら面倒だからね?あっ、今日から練習は二人でペア組んでいいからね?お幸せに~」



希「…ねえ?」

海未「…はい?」

希「穂乃果ちゃん…絶対に変な勘違いしてるよね?」

海未「そうですよね?」

希「壁がどうとか?…お幸せにとか…」

海未「…穂乃果ァァァァァァ」ダッ

「話がつまらない」

凜「暇だにゃ~」

真姫「…」

凜「ほんっと凄い暇だにゃ~」

真姫「…」

凜「なんか暇つぶしないかな?…暇つぶしとひつまぶしってなんか似てるね、真姫ちゃん」

真姫「…」

凜「も~なんで二人で部室にいるのに一人で本読んでんの?」

真姫「…特に話すことないからよ」

凜「真姫ちゃんは用がないと会話しないの?」

真姫「少なくともひつまぶしの話しはしないわ」

凜「え~真姫ちゃんつまんない。話がつまんない絵里ちゃんよりつまんない」

真姫「なによそれ」

凜「え?思ったことない?絵里ちゃんの話ってつまらないなって」

真姫「思ってても口には出さないわよ」

凜「やっぱりあるんだね」

真姫「…」

凜「こないだもさ、おもちゃのチョコレートを間違えた話が全然面白くない上に3回目だよ。しかも、希ちゃんから聞いた方が面白いし」

真姫「関西弁だからじゃない?」

凜「それは関係ないよ。も~凜はね穂乃果ちゃんみたいに何でもない事で笑えるほどめでたくないんだよ」

真姫「…」

凜「とにかく、凜の中ではね絵里ちゃんの話しはつまらないの。海未ちゃんとツートップ」

真姫「凜は絵里の話がつまらない事を説明するのに穂乃果と海未も傷つけるのね」

凜「そんなつもりはないけど」

絵里「あの~」

真姫「なによ絵里?」

凜「え?絵里ちゃん?」

絵里「そんなにつまらないかしら?」

真姫「私に聞かないで。凜に聞いてよ」

絵里「どうなの?」

凜「…。何の話し?」

絵里「私の話があまり面白くないって奴よ」

真姫「あまりじゃなくて凄くよ」

凜「凜はそんな事は言ってないよ」

絵里「いや、この際凄くかあまりかはどうでもよくて」

凜「絵里ちゃんは何の話をしてるの?」

絵里「だから私の話がつまらないって話よ」

凜「え?絵里ちゃんの話ってつまらないの?」

絵里「凜が言ったんじゃない」

凜「凜、言ってないよ」

絵里「え?しらばっくれるの?」

凜「というかいつから居たの?」

絵里「最初からいたわよ。むしろ今日一番乗りよ?」

絵里「真姫は気づいてたものね?なのに、フォローもなしよね」

真姫「してたじゃない」

絵里「いいえ、あなたは否定も肯定もしなかった。むしろ肯定寄りだったわ」

凜「絵里ちゃんどうしたの?怒らないでよ、凜怖いよ」

絵里「…凄いわねあなた。何事も無かったかのように」

凜「…絵里ちゃん、楽しくいこうよ。あ、あのおもちゃのチョコレートの話をしてよ。間違えて食べちゃったやつ」

絵里「いやよ、つまらないんでしょ?というかあなた本当に凄いわね。よく、その話しを振れたわね?」

凜「え~。してよ。それで丸く収まるなら我慢するから」

絵里「我慢?今我慢って言ったわよね」

凜「しまったにゃ。心の声が」

絵里「言ったわね?心の声が漏れたって言ったわね?」

凜「知らないにゃ」

絵里「え?まだ粘るの?無理があるわよ?」

凜「知らないにゃ」

絵里「もう、驚きを通り越して感心するわ」

凜「知らないにゃ」

絵里「もう、怖いわ」

凜「なんなの絵里ちゃん?」

絵里「え?怒られるの?私が?」

凜「自分の話がつまらないのを棚にあげてさ。しかも、隠れて話を聞いててさ」

絵里「隠れてないわよ。むしろなんで私に気がつかないのよ?扉を開けた瞬間に気がつくでしょ?」

凜「だいたい、真姫ちゃんもなんで言ってくれないの?」

真姫「止めたじゃない」

凜「止めてないよ。無視してただけだよ。普通さ、もっと慌てるよね?」

絵里「そうよ。絵里が可哀想だな~って思わないの?」

真姫「いや、もう聞かれてたし。止めたところで聞かれているんだったら意味がないじゃない?」

凜「それでも、にこちゃんならこれでもかってくらい動揺してくれるよ」

真姫「なによ。なんで私が責められるのよ」

絵里「あなたは人を気遣うって事が出来てないのよ。だって、そうでしょ?これ以上絵里が聞いたら心を痛めるなとか思わないわけ?人の心が分からないの?」

真姫「うう、…そんな事言わなくたっていいじゃい」

凜「あー、絵里ちゃんが真姫ちゃん泣かした」

絵里「…真姫…あの…冗談よ?」

真姫「もう知らない。今日もう帰る」

絵里「…」

凜「絵里ちゃんの話がつまらいせいで真姫ちゃん泣いて帰っちゃったにゃ」

絵里「真姫ィィィ」

「伊達眼鏡」

ガチャ

穂乃果「あら?海未ちゃんだけ?」

海未「あ、穂乃果!」

穂乃果「ことりちゃんは一緒に来なかったの?」

海未「ことりは遅れてきます。寝坊したあなたとは違いますよ?休日だから予定があるんです」

穂乃果「ふ~ん。他の皆もまだ来てないんだね?」

海未「そうですね。穂乃果が2番なんて珍しい事もあるものですね」

穂乃果「失礼だよ!」

海未「事実を言ったまでです」

穂乃果「…ねえ、海未ちゃん?」

海未「何でしょう?」

穂乃果「何で眼鏡してるの?海未ちゃんって視力良いよね?」

海未「変ですか?」

穂乃果「いや…変じゃないけど…伊達?」

海未「ええ」


穂乃果「お洒落?」

海未「え?ええ、まあ。結構前からしてましたけどね」

穂乃果「見たことないけど」

海未「あれ?穂乃果の前では掛けたことなかったのですかね?」

穂乃果「…そう」

海未「…似合ってません?」

穂乃果「いや、似合ってるよ?似合ってるけど…あれだよ?穂乃果はよくわからないからね?伊達眼鏡とか良くわからないからね?」

海未「そうなんですか?」

穂乃果「う、うん。決して変なんて思ってない」

海未「そうですか。…穂乃果もかけてみてはどうです?」

穂乃果「え?伊達眼鏡?」

海未「はい。伊達眼鏡」

穂乃果「いや、それは」

海未「お洒落の幅か広がると思うんです」

穂乃果「へ、へぇ」

海未「一部で私の事をファションセンスがないと言う人がいるんでね、本気を出してみようと」

穂乃果「そうなんだ。凛ちゃん辺りかな?」

海未「名前は差し控えますけど」

穂乃果「そう」

海未「まあ、穂乃果が分かってくれて良かったです」

穂乃果「う~ん。そうかぁ。私分かってるのかぁ」

海未「とにかく、穂乃果も伊達眼鏡かけてみては?」

穂乃果「穂乃果は似合わないと思うからさ」

ガララ

にこ「おはよう」

穂乃果「あ、にこちゃん」

海未「にこ!おはようございます」

にこ「あら?二人?」

穂乃果「うん」

海未「今日は皆遅いんですよ」

にこ「そう…海未、どうしたのよ?」

海未「あ!これですか?」

にこ「視力悪くなったの?それにしてももっと可愛らしい眼鏡を買えば良いのに」

海未「え?」

にこ「視力いくつなのよ?」

海未「えっと…2.0ですが」

にこ「2.0?物凄く良いじゃない?何で眼鏡なんか…もしかして伊達?」



にこ「何で急に伊達眼鏡をかけてるのよ?」

海未「いや、前からちょくちょくかけて…」

にこ「一回も見たことないわよ?穂乃果もないでしょ?」

穂乃果「うん…まあ」

にこ「冒険してみたんでしょ?」

海未「…その」

にこ「恥ずかしがる事ないわよ。誰だって失敗はするから」

穂乃果「まあ、にこちゃんのあの謎の三角帽子に比べればね」

にこ「それはほっときなさいよ」

海未「あの…変なのですか?」

にこ「だって…どうせ伊達ならもっと可愛いのを掛ければ良いじゃない?そんな地味なのじゃなくて」

海未「…はあ」

にこ「ね!穂乃果もそう思ったんでしょ?」

穂乃果「…それは」

海未「穂乃果…変だと思ってたのですね?」

穂乃果「変というかね?」

海未「何故、言ってくれなかったのですか」

穂乃果「ええ?」

海未「変だと思ったなら言ってくれれば良いじゃないですか」

穂乃果「だってぇ」

海未「私が皆の前で恥をかく所だったんですよ?」

にこ「もうかいてるじゃない」

海未「まだ、セーフです。凛や真姫、絵里がいないだけマシです」

穂乃果「何でその3人何だ?」

海未「どうせ穂乃果も心の中では笑っていたのでしょう?伊達眼鏡似合わないな~とかもしかしてお洒落のつもりなのかな~とか」

穂乃果「穂乃果、そんなに性格悪くないよ」

海未「知ってます。知ってますよ?穂乃果の性格が悪くないのは?でも、そうでも言わないと私は恥ずかしくて顔から火が出そうで」

ガララ

凛「おっはようございまーす」

花陽「おはようございます」

穂乃果「あ!」

にこ「凛、花陽」

海未「凛?」

凛「海未ちゃん、眼鏡にしたんだね?でも、あんまり似合ってないにゃ」

海未「うぁぁぁぁ」

「スマホの使い方」

海未「…」ピッピッピッ

穂乃果「…あれ?海未ちゃんスマホにしたの?」

海未「はい。お家のお手伝いを普段よりも頑張ったので買って貰えました」

穂乃果「欲しいものがあるからお家のお手伝いって…子供じゃないんだから…。って言うか海未ちゃん普段から結構お手伝いしてるよね?どんだけやったの?」

海未「毎朝4時に起きて道場の掃除をしてから朝食を作ってそれから」

穂乃果「え?それで学校に来て授業受けて部活して帰ってお稽古して宿題するの?何?超人なの?」

海未「大丈夫です。21時には寝てますから?」

穂乃果「え?どういうタイムスケジュール?21時に就寝って無理でしょ?」

海未「大丈夫です。熱いハートがあるので」

穂乃果「ほぇ~、海未ちゃんは凄いね。完璧超人だね」

海未「人を化物みたいに言わないで下さい」

穂乃果「いや、褒めてるんだよ?」



海未「あれ?」

穂乃果「どうしたの?」

海未「昨日からずっと設定をやってるんですけどなかなか上手くいかなくて」

穂乃果「昨日から?」

海未「こういう機器は使い慣れてなくて」

穂乃果「機械音痴だもんね?」

海未「いや、機械音痴ではないですよ?慣れてないだけです」

穂乃果「うん、まあ…みんな最初は慣れてないからね。それでも、設定出来たけどね?」

海未「私は特別慣れていないのです」

穂乃果「だから機械音痴なんじゃない?」

海未「では、穂乃果が直してください」

穂乃果「直すって…壊れた訳ではないんだから」

ピッピッビッ

穂乃果「はい!」

海未「え?もうですか?さすがは穂乃果です」

穂乃果「うん…まあね」

海未「穂乃果にこんな特技があったとは」

穂乃果「いやぁ…それほどでもあるかな?」





海未「ああ!」

穂乃果「どうしたの?」

海未「いえ…画面が…画面が真っ暗に」

穂乃果「え?」

海未「見てください、穂乃果。スマホの画面が勝手に真っ暗に…壊れてしまいました」

穂乃果「え~…いや、これは自動で勝手に画面が消灯する様になってるだけだよ?」

海未「え?そうなんですか?」

穂乃果「…1日使ってたんでしょ?」

海未「…はい」

穂乃果「なのに?なのに今さら?」

海未「…すいません」

穂乃果「いや…怒ってないよ?穂乃果は怒ってないよ?ほら、人には向き不向きがあるからさ?でも、初歩にも程があるよ?」

海未「しかし、何故こんな昨日が必要なんですかね?ビックリしますよね?」

穂乃果「省エネだってば。海未ちゃん日頃省エネには心掛けようってエアコンも使わない癖に」

海未「成る程!省エネですか。感心ですね」

穂乃果「…うん」



海未「あああ!」

穂乃果「今度は何?」

海未「インターネットを見ていたらウイルスに侵されたと…」

穂乃果「何のサイトを見たの?何でそんな事になるの?穂乃果は一回もないよ?」

海未「いえ、登山のサイトを見ていたのですがなんか間違えて押してしまったみたいで…」

穂乃果「どうしてそうなるのかなぁ」

海未「どうしましょう?どうしましょう?こういう時は携帯ショップですか?病院ですか?どっちですか?大学病院のがいいんですか?」

穂乃果「落ち着いて、海未ちゃん。コンピューターウイルスだからね?人間の病院に持っていってもダメだからね?」

海未「獣医ですか?」

穂乃果「違うよ。ねえ?パニックにも程があるよ?」

海未「しかし…ほら、重度のウイルスと…あれ?画面が変わりましたよ?なんか…インストールしてくださいと…」

穂乃果「いや…無闇にするのはやめよう?怖いからさ」

海未「しかし…」

穂乃果「穂乃果のスマホがあるからね?今調べるから」

海未「お願いします」

穂乃果「ほら。なんかイタズラだって。インストールしたらダメだってさ。ね?無闇に変なサイトに行ったらダメだって書いてあるから。わかった?」

海未「はい!…どういうサイトに気を付ければ」

穂乃果「…と、とにかく変なのはダメなの!」

海未「はあ」

海未「ああああ!」

穂乃果「今度は何?」

海未「スマホが…スマホが熱く」

穂乃果「何で?何でそうなるの?どれ?あっつ」

海未「どうしましょう?何故、こんなに熱く?穂乃果、直してください。お願いします」

穂乃果「いや、穂乃果にも分からないよ?」

海未「ええ?穂乃果はスマホのスペシャリストではなかったのですか?」

穂乃果「違うよ?普通の女子高生くらいの知識しかないよ?」

海未「そんな?では、私は女子高生に劣ると?」

穂乃果「海未ちゃんも女子高生だから!遅れてるだけだから!」

海未「どうしましょう?」

穂乃果「さっきからそればっかり」

海未「だって、穂乃果がスペシャリストとか言うから安心してたのに」

穂乃果「言ってないし海未ちゃんは終始パニックだったじゃん」

ガララ

絵里「大きな声を出して何やってるのよ?廊下まで丸聞こえよ?」

穂乃果「あ、絵里ちゃん」

海未「ああ、機械に強そうな人が来ました」

絵里「何があったの?」

穂乃果「あのね…」



絵里「成る程」

海未「直せますか?」

絵里「取り敢えず裏蓋を開けてみましょう?」

海未「はい」

穂乃果「え?大丈夫?」

絵里「貸して?」

海未「どうぞ」

絵里「あれ?蓋固いわね?精密ドライバーあるかしら?」

海未「精密?」

絵里「小さいやつよ」

海未「あ、たしか…」ゴソゴソ

絵里「一通り揃えてあるのね、この部室は。さすがにこね」

海未「どうですか?」

絵里「裏蓋が粘着テープがついていて取りづらいか精密ドライバーで剥がしてるのよ」

穂乃果「外しちゃいけないから粘着テープついてるんじゃないの?」

海未「穂乃果、絵里に任せましょう?絵里はスペシャリストなのですから」

絵里「え?…そうね!やってみるわ!」

穂乃果「え?本当に大丈夫?一瞬の間が怖いんだけど?」

パカッ

絵里「ほら、開いたわ!ガラケーの時は簡単に開いたのにね」

穂乃果「あれは自分で電池を替えられたからね」

絵里「どこが熱いのからし?…なんかここの部品が膨らんでない?」

海未「言われてみれば」

絵里「ビス一本だしすぐ元に戻せるから外してみましょう?」

海未「そうですね」

穂乃果「やめた方がいいよ」

一時間後

絵里「えっと…わからないわね」

海未「そんなぁ」

穂乃果「ねえ?これ元に戻せるの?」

絵里「大丈夫よ…あれ?この部品ってどこについてたかしら?」

穂乃果「ほら~言ったじゃん」

海未「え、絵里?」

絵里「ご、ごめんなさい」

海未「そ、そんなぁ…毎日…毎日お家のお手伝いを頑張って…なのに…私の努力は一体…」

絵里「本当にごめんなさい」

穂乃果「と、取り敢えずケータイショップに持っていこ?」

海未「…はい」

ガララ

にこ「あんた達声大きいわよ?」

穂乃果「にこちゃん」

にこ「…海未はなんで泣いてるのよ?」



にこ「成る程ね…バカじゃないの?普通分解しないわよ?アプリとか開きっぱなしにしてるからそうなるんじゃない。冷やせば良いだけなのに…」

海未「…そうだったんですか?」

穂乃果「だから言ったのに」

絵里「ごめんなさい…本当にごめんなさい」

海未「…絵里のせいではありませんから。身をわきまえずにスマホなど買った私が愚かだったのです」
プルルル

にこ「あ、希?あのね…」

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「希が直してくれるって」

海未「にこ…希…さすが三年生です!」

絵里「ハラショー」

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