VAVA「蒼き英雄?ハッ……気に入らんな」【艦これ×VAKA Ⅳ】 (920)







VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」【艦これ×VAKA】

VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」【艦これ×VAKA】 - SSまとめ速報
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VAVA「唯一 確かなのは……俺が提督だってことだ!」【艦これ×VAKA Ⅱ】

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VAVA「俺たちの愛機は特別チューンで手がかかってるんだぜ」【艦これ×VAKA Ⅲ】

VAVA「俺たちの愛機は特別チューンで手がかかってるんだぜ」【艦これ×VAKA Ⅲ】 - SSまとめ速報
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横須賀鎮守府



ラウンジ



翔鶴「北上さん。提督の容態は……」



北上「大丈夫。後はあたしらで何とかする。って言ったら、安心して眠っちゃったよ」



翔鶴「そうですか……良かった」ホッ…



利根「一先ず、安心じゃな」



天龍「あいつがそう簡単に死ぬもんかよ。俺は信じてたぜ」へへん!



ゴーヤ「さっきまで神棚に、提督を助けて下さい……ってお祈りしてたのはどこの誰でち?」でちひひひ…



天龍「な……てめぇ!のぞいてやがったのか!?」チャッ…!



ゴーヤ「でちぃ!?ジョーク!ミリタリージョーク!!爆雷はやめてくだち…」



長門「北上」



北上「どしたの」



長門「私の耳がおかしかったのでなければ、後はあたしらで何とかする。と、聴こえたのだが……それはあれだな?」



北上「ん~?」



長門「鎮守府の復興とか、皆の看病をがんばるとか、そういうことでいいんだな?そうだな?そうだろ?」



長門『そうであってくれ』



北上「ビッグセブンジョーク?面白いね。座布団の代わりにガムあげるよ」スッ…



長門「……あぁ、ありがとう。喜んでもらえてビッグセブン嬉しいよ」パサッ……パク…モキュモキュ…



北上「てなわけで、引き続きあたしらだけで戦艦棲姫をぶっ潰すから」




…………シーーーーーーーーーン……………




北上「今、獲物は提督との戦いで手傷を負っている。知っての通り、姫タイプの回復能力はズバ抜けて高い」



北上「だから、今!潰さなきゃ駄目なんだ。この機を逃したら、次いつ倒せるチャンスがめぐって来るのか、わからないでしょ」



北上「幸い、提督がとんでもなく貴重な資料を録画してくれたんだ。とりあえず、皆でこれを見てみよう」



翔鶴「それは?」



利根「記憶媒体のようじゃが?まさか…」



北上「そう。今まで、一切が謎だった戦艦棲姫と、提督との戦闘がこの中に記録されてるんだ」



天龍「なんだと!?動画でか!!」



北上「だろうね」



長門「これだけでも凄い功績だぞ!!やはり我々の提督は一味違うな!!!」



長門『やった!これでもし、戦艦棲姫の弱点が見つかったら、あっさり勝てるなんてことも……!』



ゴーヤ「はっ早く見るでち!!」



北上「時間もあんまりないしね。再生しますよー」カチャッ……ポチ!



ウィーーン……ジーーーーーー…パッ……



おぉーー!



パッ……!




(戦艦「…」)




北上「…」じーーーーーーーーーーーーっ!



翔鶴「これが戦艦棲姫。見ているだけでも伝わってくるこの圧倒的威圧感……!」



利根「うむ、とてもこの世のものとは思えんが、恐怖と同時に美しさまで感じてしまうのが……いっそう恐ろしいのぅ」



ゴーヤ「おっかないでち……角が二本も生えてて、ほんと鬼でち」ビクビク…



天龍「こ、この程度じゃ、この天龍様は動じないぜ」ピクッ…



長門「ひぇ…」アワワ…!



しばらくして…



北上「ここ!」



パッ……



グィイイイイイイイイイイン……!!



長門「……なんだこれは!!」



天龍「弾が……曲がってやがる」



翔鶴「これ、まるで砲弾が吸い寄せられていくみたい」



北上「!」



ゴーヤ「でも武蔵さんの弾は曲がってなかったでち」



利根「待て、弾が曲がる曲がらないは置いておいて、一つ気がかりな所がある」



北上「教えて」



利根「巻き戻してくれ……ここじゃ!ほれ!ここも!!どんな位置から撃たれても、弾は軌道を歪められ、行き着く先は!」



天龍「全部同じ位置に着弾している!?」



利根「そうじゃ。最も装甲の厚いのが、この胸部装甲の部位なんじゃろ。おまけに提督のれーざーまでひん曲げておる。これは攻略の手がかりになる」


利根「飛び道具に介入するとは、凄まじい能力じゃがの」



北上「さすが、索敵高いだけあるよ。でもさ、弾の軌道を歪められるなら、何故避けないのか?って思うね」



長門「これは、戦艦だから共感できることなんだが……」



北上「何?」



長門「もし、戦場を飛び交う砲弾が、全て戦艦に当たるなら、それは理想だと思う」



ゴーヤ「意味不明でち」



長門「考えてみてくれ。戦艦は火力と装甲こそ優れているが、攻撃方法は砲撃しかないんだ」



北上「夜戦に行くまでに、随伴艦を守れたらってことか。確かに、あたしたちには無い意識だね」



長門「戦艦は装甲の厚さ故に、致命傷をもらいにくい。中破していても、重巡程度なら一撃で沈めることもある」



翔鶴「私のような空母は、中破しただけでお荷物になってしまいますからね。被弾率が下がるのはとてもありがたいです」



天龍「でも、こいつは一人だぜ?やっぱ普通に避けりゃあいいじゃねぇか」



長門「うぅむ、そこなんだなぁ。わからない……むっ!ここで雪風が割って入ったのか」



パンッ!グィイイイイイイイイイイン……ビュゥウウウウーーーーッ!!




北上「なっ!?」



利根「敵はあきらかに動揺しておるな。雪風が放った砲弾が、損傷を与えたのじゃ。これはどういうことじゃ?」



北上「もう一度……」ピッ…!



翔鶴「不自然な軌道が、さらにめちゃくちゃになっていますね」



天龍「おい!今の……見えたか?」



北上「ごめん、よくわからなかった」



天龍「雪風の撃った砲弾が当たった場所だ。巻き戻してよく見てみろよ」



北上「確か、部分的にアップできるはず……拡大!」ピッ…!



ゴーヤ「…?首筋に穴が空いてるでち」



長門「傷の類ではないな。何かの差込口のように見える」



利根「成程、雪風の豆鉄砲に驚いていたのはこれが原因か」



北上「つまり、ここがこいつの弱点ってわけか」



翔鶴「弱点を守るために、装甲の厚い部位に攻撃を集めていたのでしょうか?」



長門「まぁ、つじつまは合うか……」



天龍「弱点がわかればこっちのもんだ!!」



北上「当たれば、だけどね」



天龍「あ……くそ!軌道を変えられちゃ意味がねぇか!!」



利根「雪風が当てられたのは偶然じゃな。軌道が曲がった瞬間に突風が吹いて、軌道を予期せぬ方へ曲げたのじゃろう。こやつの長い黒髪が勢いよく靡いておるわ」



翔鶴「艦載機なら、どうでしょう?」



北上「砲弾とレーザーが曲がってるんだから、艦載機が曲がらないなんてこたぁ無いと思うけど」



翔鶴「八方塞がり……ですね」



ゴーヤ「あ!そうでち!!首の後ろが弱点ってわかったんなら、直接魚雷なり徹甲弾なり素手でぶち込めばいいでち」



北上「素手で…?」



長門「その手があったか!!」ぽん!



天龍「そうかぁ!軌道を変えられる前に弱点に直接攻撃って訳だ!!」ジャキンッ!



利根「危険な作戦じゃが……提督の様子を見るに、我輩もそれが最適解に思える。全ての攻撃をことごとく無効化される。悔しかったじゃろうな」



翔鶴「提督のこんな姿は、もう見たくありません……」



北上「話をまとめようか」



長門「うむ」



北上「この映像で得られた情報は、戦艦棲姫の戦術。飛び道具の軌道を胸に集める特殊能力。逃げる時の速度で割り出された、おおよその船速。その他諸々……」



北上「一番の収穫は、駆逐艦クラスの砲撃でもダメージになる弱点があることが判明したこと。そして、その位置も把握できたこと」



利根「提督に感謝せねば。これらの情報の有無は後の戦果に大きく影響するであろう」


利根『らいどあーまー気に入っておったのに……おのれ!怨敵……!』



長門「そうだな……提督のためにも、勝たねばならん」



翔鶴「えぇ、これが私たちの使命」



天龍「よしっ!作戦会議は終わりだ。敵陣に殴りこみだぜ!行くぜでち公!!」



ゴーヤ「でっち!こうなったら、スコア倍にしてやるでち!!」



北上「出撃するよ!」



了解!!



工廠



フワ~~~……



「うん…?なんか甘いにおいが……あぅ」こてん…



「てやんでぃ!何寝てるん……でぃ~……くか~~~!」こてん!



「急に眠気…が………」こてん…



こてこてこてこてこてん…!!



フォン…



リコリス「フフ…」



コツコツ…



リコリス「ねぇ、VAVA」ぴとっ…



ツツー…



ナデナデ…



リコリス「VAVAのことだから、夢の中でもずぅっと戦っているんだろうなぁ。今、どの辺かしら」



VAVA「…」




リコリス「そう……あなたの戦いは、まだまだ終わらない」



リコリス「私を許して……こうするしか…私には、どうすることもできないのよ……」



リコリス「だからせめて、あなたと、あなたが大事にしているあの子達だけは全力で守るわ」



リコリス「…」



リコリス「守る……か。過去の私が今の私を見たら、別人だと思うでしょう。きっとあなたもそうよね。私たちって、やっぱり似たもの同士」



リコリス「待ってて。あと少ししたら、夢から覚ましてあげる」



リコリス「今のあなたには、こっちがリアルであり、そっちがファンタジーだから……」



チャッ…



リコリス「さぁてと、急がなきゃ。ね♪」



キュィーーーーーーーー……ガガガガガガ!!カパッ…!チュィーーーーーーーーーーン!!!バチバチッ!!!






ナウマンダー「み、未来を踏み潰すのは……俺だったのに……!ゾゥーーーーーーーーッ!!」




安心しな。お前の代わりに俺が未来も可能性もぶっ壊してやる




ペンギーゴ「暴走野朗め…たとえお前でも隊長には、勝てな……クワァアアアアアアアア!!」




大したチカラも無いくせに、プライドだけは一人前。貴様など、所詮捨て駒だ




マンドリラー「なぁ……VAVA、お前はこれからどうするんだい。壊してばかりじゃ、いつか…きっと寂しくなるぞ……うぅっ…ごぶぁ……」




余計なお世話だ。俺は俺のやりたいようにやるだけよ




アルマージ「盛者必衰……お前の往く先には何も無い。哀れだな……」




哀れなのは貴様だデクの棒。手に入れて見せるさ、俺の望むものを




オクトパルド「ははは…水中で私に勝つとは、流石ですね……フィナーレは派手に頼みますよ。芸術は、爆発なのですっ!!」




貴様の芸術など理解する気はないが、派手に散らせてやる




クワンガー「スペックは…互角だった。と…言いたい所ですが、私の負けです。これが、あなたの執念……可能性への対抗心ですか…VAVA」




貴様ほどの男が、可能性にとりつかれるとはな。失望したぜ B・クワンガー




カメリーオ「いやだ……死にたくない!助けてくれよぉ……VAVAさん!ニィ…!?ま、待って……ニギャアアアアアアア!!!」




俺を相手に騙まし討ちを狙うなど、馬鹿につける薬はないようだな。俺は、誰かと違って甘くない




イーグリード「惜しかったな。エックスなら、先に行った……新たなチカラを手に入れてな……ティル…やっと……終わった…よ」




エックス……!言ったはずだぜ、イーグリード。甘さは命取りになるとな




シグマパレス



ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」



VAVA「いるんだろう?…………出て来い」



ダッ!



シャッ!



エックス「動くな!」



ゼロ「ずいぶんと暴れまわってくれたな…VAVA」



VAVA「ふん…邪魔なものを片付けただけよ」



エックス「VAVA、お前は…シグマの仲間ではないのか…?」



VAVA「仲間…?そんなもの俺にはない…今も、昔も……」






提督!






VAVA「ぐっ…」



VAVA『俺には、仲間なんて…』




もっとがんばっちゃいますから!




VAVA「うぁああああああああ!!!」



エックス「どうした、VAVA!?」サッ…!



ゼロ「エックス!そいつに近寄るんじゃない!!」ガシッ!



エックス「ゼロ…」



ゼロ「ヤツはイレギュラーだ。いつ自我を失ってもおかしくない。今がチャンスだ!」キュィーン…!



エックス「な…待ってくれ!苦しんでいるじゃないか!!」



ゼロ「馬鹿野朗!ヤツはイレギュラーだぞ!!これ以上、破壊を許すわけにはいかない!!!」



エックス「うぅ…」



ゼロ「仕方が無いんだエックス。お前の優しさは、素晴らしいものだ。だが、優しさに唾吐く者もいるということを忘れるな。ヤツはそういう男だ!」




提督の主砲…綺麗ですね




VAVA「さみ……だれ………ふ……そう…」



VAVA『俺は何を言っているんだ?このビジョンは……!』



VAVA「うぉおおおおおお!!…………俺は、VAVAだぁ!!」ウィン!



ゼロ「ちぃっ!来るぞ、エックス!!」



エックス「あぁ、こうなったらやるしかない…!」




VAVA「いくぜぇ……エックスゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」






ドガァーーーーーーーーーン!!!



エックス「あきらめない…!」



ゼロ「まだいける!」



VAVA「クッハッハッハッハ!やっとフルアーマーになったか!!」



エックス「ホーミングトーピード!」バシュシュシュ!



VAVA「そんなもの撃ち落としてやる!」ドゥン!



ビュン…!



ゼロ「速い…!?」



VAVA「貴様は邪魔なんだよ!」ミドルキック!



ゼロ「くぉ…!ぐわああああ!!」ゲシィ…!



ズゴォーーーーーー…!!





エックス「ゼロー!!」



VAVA「余所見をしている場合か?おらぁ!」ドゥン!ドゥン!!



エックス「何…!?離れれば離れるほど……巨大化するエネルギー弾なのか!」



VAVA「当たれば真っ二つだ!避けてみろエックスゥ!!」



ガッガッガッガッガ…!!



エックス「うぉおおおお!!」



VAVA「得意の三角跳びか!そうこなくっちゃあな!!あらゆる困難を進化しながら乗り越える。それでこそ……」







VAVA「 ROCK MAN だ!!」







ガッガッガッガッガ…!!



エックス「お、俺よりも速く……!三角跳びが使えたのか…!!」



VAVA「当然だ!俺を舐めるな!!」ウィン…!



エックス「イーグリードさん!チカラを貸してくれ…!!チャージストームトルネーーーーーーーーーード!」



ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!



VAVA「こんなもの……!!」



ズズズ……ズドォーーーーーーーーーンッ!!!



VAVA「下か…!アースクラッシュだと!?うがぁああああああああああああああ!!!」



エックス「ゼロ!」



ゼロ「さっきのお返しだぜ」スタンッ!



ゴシャァ!!



VAVA「ぐ……」



エックス「ここまでだ、VAVA!」



ゼロ「終わりにしようぜ、VAVA!」



VAVA「まだ…まだだぁ!」



パリンッ!



エックス「サブタンク…!」



ゼロ「隠しもってやがったのか…」



VAVA「伝説は……俺が潰す!」





ドヒュン!!ドゴゴゴゴ!!ドカーーーーン!



ガシュン…ガシュン…ガシュン…



VAVA「エックス…」



エックス「ぐ…ぅぅ…」ビリビリ…バチ…



ゼロ「…」バチバチ…



VAVA「確かにお前は強くなった」



VAVA「だが…」



VAVA「死んでしまっては世界を変えることはできんぞ?」



VAVA「あぁ??」ゲシッ!



エックス「ぐ…ぶ…ぅ…」ゴロゴロゴロー!!



VAVA「ふっ!どうした!?エックス!」ガンッ!



VAVA「お前の真のチカラとやらを見せてみろよぉ!!」ガンッ!ガンッ!ガンッ!



エックス「…」ゴロ…



VAVA「はっ!っらぁ!!」ゲシィッ!!



VAVA「所詮、エックスはエックスだ。これで終わりだ…」ウィン…カチャリ…



ヴァヴァン!不意討チ!!気ヲ ツケテー!!!



VAVA「!」



クルッ…



VAVA「しぁっ!」回し蹴り!



ドッゴォ!



ゼロ「ぐぁあ…!」ドサッ…



VAVA『今のは……』



VAVA「チビ…」



ウィン…



エックス「ゼロ…!くっ、VAVAァアアアアアアアアアア!!」キュイーーーーン!!



VAVA「ふんっ!」チャキ…!



ズギューン!!



エックス「うわぁああああああ!?」



VAVA「マヌケが。フルチャージならまだしも、ただのチャージショットなど無駄だ」



VAVA「これで、バスターは使い物にならなくなったな」



エックス「こんな……所で……」ガクッ…



VAVA「…」




司令官、私がいるじゃない!




VAVA「あぁ……そうだな」



ウィン…カシュ…シパン……



ガシュン…ガシュン……



ゼロ「待て!」バチバチ…




VAVA「…負け惜しみか?」



ゼロ「何処へ行くつもりだ」



VAVA「最上階だ」



ゼロ「……シグマに会ってどうする」



VAVA「俺は、ただ戦うだけよ」



ゼロ「今更ハンター気取りか。お前の目的は、エックスじゃなかったのか?」



VAVA「そいつは……まだ伝説とは程遠い。俺のフライングだった」



ゼロ「お前が冗談を言うとは…電子頭脳はまだ生きているようだな」



VAVA「お喋りが過ぎた……貴様等と馴れ合うつもりはない。ゼロ、貴様を生かしたのは、そいつを運ばせるためだ」



ゼロ「……次はこうはいかないぞ。VAVA」ガシ…



エックス「…」



ヒュン…!



VAVA「行くか…」



ガシュン…ガシュン……!!


シグマパレス(最上階)



シグマ「…」



シグマ「まさか……ここにたどり着いたのが、お前だとはな」



ガシュン……ガシュン…



ブンッ!



ゴト…



シグマ「VAVAよ」



VAVA「飼い犬は鎖に繋いでおくもんだぜ……シグマ」



シグマ「ほう……エックス、ゼロを退け、D-REXとベルガーダーまで続けざまに撃破するとは……」



VAVA「地獄の番犬が、鬼に敵うわけがないだろう?」



シグマ「鬼……か。今のお前には、私と戦う資格があるようだ」



VAVA「……世界を変えるのは、貴様でもエックスでもない。この俺だ」



シグマ「傲慢だな。しかし、だからこそ……ここまで来ることができたのかも知れん。お前は身をもって示したのだ。我々の可能性を」



VAVA「貴様の進化論など、俺にはどうでもいい。所詮、擬似生命体(レプリロイド)は人間に創られた存在に過ぎん」



VAVA「それが、進化だの無限の可能性だの……人間がそこまで高尚か?機械が人間のように思考することが進化か?」



VAVA「うんざりなんだよ!!」



シグマ「言いたいことはそれだけか?」



VAVA「あぁ、スッキリしたぜ。これで心置きなくお前を潰せる」



シグマ「ふはーーーーーーーっははははははははははははははははは!」



シグマ「心置きなく?一匹狼が。嫉妬と欲望に塗れたお前に、安心できる場所などあるまい」



VAVA「生憎、帰る場所はあるんでな。この狂ったゲームは、俺が終わらせてやる」



シグマ「よかろう」



バサァ…!!



シグマ「…」



VAVA「…」



ダッ……!



シグマ「ゆくぞVAVA!」



VAVA「負けんぞシグマ!」



ガシュンガシュンガシュン……!



ダダダダダダダダ……ッ!



VAVA「はぁっ!」



ドゥン!ドゥン!!



シグマ「遅いわ!」



スパンッ!



VAVA『エネルギー弾を斬りやがった…!』



シグマ「せぇい!!」



VAVA「くっ……ハッ!」ダンッ!



シグマ「くくく……今の一太刀を避けるとは、流石は特A級だ」



VAVA『やまが当たっただけだ。まったく見えなかったぜ……』



VAVA「貴様……その武器は!」



ヴゥーーーン……




シグマ「そう…ビームサーバーだ……!」




VAVA「やはり……そいつには世話になったな!」



シグマ「次は首ごと斬り落としてくれるわ!」



VAVA「うぉおおお!!」



シグマ「へぁーはははは!」ヒュ…ヒュ…ヒュン!



VAVA『俺も、とんでもない化物共を相手にしたもんだぜ……弱音を吐きたくなる』



VAVA「帰ったら、存分に愚痴るとするか……」ガシャコン…!



シグマ「ショット、サーバーのニ重殺だ!これは避けられまい!!」




ズガガガガガガ!!ブゥウウウンッ!!!




VAVA「ぐ……はっ!」



ズバァ…!ゴトン!!



VAVA「…」バタン…



シグマ「終わったな……」




シグマ「エックスとゼロを倒したことは褒めてやろう」



シグマ「ここへたどり着くのは、エックスかゼロ。どちらか一人のはずだった。だが、お前は運命を覆した!」



シグマ「正直、私はお前に尊敬の念まで抱いている。共に世界の行く末を見ようとも考えたが、残念だ」



VAVA「ふん…」グ…!ガクッ…



VAVA『斬られたのは左腕か……よし。これでいい』



シグマ「昔からそうだったな。お前は組織に与していながら、誰にも心を許さない。チームを組ませても、次の任務にはお前一人しか残っていないなんてことも往々にしてあった」



VAVA「懐かしいな、シグマよ。あの頃のお前は……まともだったぜ」



シグマ「それは違うな……VAVA。全ては、既に始まっていたのだよ。そういえば、お前とゼロを第17精鋭部隊に配属したのは、同時期だったな。そうか、くくく…」



VAVA「ゼロだと…?ゼロがなんだというのだ!貴様は、何を言っている!!」



シグマ「死に逝く者がこれ以上知る必要は無い…………覚悟はいいな?」



ヴゥーン……シャキィ……!



VAVA「いいや、覚悟などしない。むしろ……覚悟するのは貴様の方だ!!」スッ…



カチッ…




カッ!ドカーン!!



シグマ「ごわぁあああ!?左腕を……私に斬らせる為にわざと?」



VAVA「俺の体は全身武器だ。左腕には小型爆弾が仕掛けてあったのさ!腕一本くらいくれてやる」



シグマ「小賢しいマネを……」




ドガァアアアアアアアアアアアン!!!ボガガガガガガ…………!!!!!




シグマ「こ……これは!?」



VAVA「この俺が、なんの準備も無しに乗り込んでくると思うのか!!」



シグマ「爆弾を仕掛けたのには気付いていたが……あれは全てダミーだったというのか!?」



VAVA「貴様が爆弾に気付くことまで折り込み済みよ!ナットやネジの形をした特殊爆弾には気付けなかったようだな。古典的な手に引っかかりやがって、お笑いだな!!」



シグマ「ぐ…ぬぅうううううううう!!」



VAVA「そこだぁーーーーーーーッ!!!」



ドゥンッ!




シグマ「ぐぉおおおお!流石はVAVA……!!」



ガクンッ…!



シグマ「はぁ…はぁ……!すばらしいぞVAVA!!お前ならば、世界を変えることも夢ではない……はははは!」



VAVA「ゲームオーバーだ……シグマ!城と共に、消えて無くなれ!!」ドゥン!



シグマ「わぁーーーーーーーーっはははははははは!はーーーーーーーーっははははははははははは!!」



ズパァーッ!!



VAVA「手応えが無い…!貴様ボディを!!」



シュルルルルルルルルル……!!



VAVA「させるか!」ドゥン!



パキィン…!



VAVA「なにっ!?」



シグマ「無駄だよ!このバリアーは私のボディの全エネルギーで構成されている。数秒しかもたないが……それで十分だ!!」



シュパ……ガキィン!!グォングォングォングォン……!!!



VAVA「ちっ……乗り換えってわけか」




シグマ「礼を言うぞVAVA!お前が暴れまわってくれたおかげで、誰にも邪魔されずにこの ウルフシグマ を完成させることが出来た!!」




ゴゴゴゴゴゴゴ……!!ウォーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!




シグマ「さあ、続けようVAVA! 戦いを 苦悩を 破壊を !」




シグマ「その果てに、我々はレプリロイドの真の可能性にたどりつけるだろう…」



VAVA「くどい!可能性など聞き飽きた。俺は、今を生き抜く!貴様を倒してなぁ!!」




VAVA「おらぁあああああ!!」ドゥン!ドゥン!



シグマ「そんな攻撃では、このウルフシグマに掠り傷一つ付けられんぞ?」



VAVA「ちぃッ…!」



シグマ「ふはははは!さっきまでの威勢はどうした、VAVA!!まるで形無しではないか」



VAVA「デカけりゃいいってもんじゃねぇだろう!調子に乗るな!!」ドゥン!



パキン!



VAVA『駄目だ。何処を攻撃しても全てはじき返されてしまう。かつてなく頑丈な装甲だ。弱点があるとすれば……あそこだ!』



ドドドドドドドドドドドドドォ……!!!



VAVA『シグマパレス完全崩壊まで残り5~10分と言った所……間に合うか』



VAVA「やるしかない!」タンッ…!



ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!



シグマ「腕ををつたって来ようというのか?マヌケが!!」



バリバリバリ!!



VAVA「ぐあああああああああ!?」ヨロ…



グシャン…!



シグマ「ほぉら!!このまま叩き潰してくれるわ!!!」グッ…!



VAVA「ぐぅ…!」



ギチ……ギシィ……!!ピキピキピキ……!!!



VAVA「うわぁああああああああああああああああああ……!」



シグマ「潰れろ!潰れろぉ!!」



VAVA『絶対に……死ねない。あいつらを残して、死ねるものかよ!!』



VAVA「だぁあああああああああああああ!!」グンッ!



シグマ「ぬぅ!まだそんなチカラが残っていたか。見上げた執念だ」



VAVA「くっ……がぁあ!!」バチバチッ…!



VAVA『今の衝撃で、動力炉をやられた…!?』



シグマ「これではどうだ!」キュォオオオ……!



VAVA「俺は…俺はぁ!!」ズルズル…



シグマ「逃げ場など無いわ!死ねぇえええええええええええええええええええええええええええええええい!!!」




バシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!





ピカッ!



パァアアアアアアアアアアアアアアアア…!!



ビシィイイイイイイイイイ……バチチチチチチチチッ!!



シグマ「なっ!この光は…!?えぇいい!ままよ!!もろ共消し飛ばしてやる!!!」



パァ…!!



VAVA「…ぅ」




提督!クソ提督!提督殿!しれぇ!司令はん!司令官!司令官さん!クズ司令官!貴様!隊長!ご主人様!VAVA!VAVAさん!




VAVA「この……声は!」バッ!




みんな気合入れろよ!提督を守るんだ!!



司令官さん……立って!



君なら、勝てるさ。



反撃だぁ!!ヒャッハー!!



このクソ提督!少しは根性見せなさいよ!!あんなハゲに負けたら、承知しないんだから!!!



VAVA「クハハ……相変わらずの口の悪さだ」グッ…



提督よ!ファイトだ!!このビッグセブンのチカラを貸そう!存分に使ってくれ!!



ご主人様、だいぶやられちゃってますね。これ、差し入れのヘルメットとE缶です。のんでーのんでーー!!



VAVA「すまない……もう、大丈夫だ」



無理スルナ。肩ヲ貸スゾ、VAVA。マタ 一緒ニ 港湾ノバーヘ行コウ。負ケルナ!!



私、待ッテルカラ……VAVA、諦メナイデ!



VAVA「お…きゅう……そうだ。ヲ級……また、お前に会いたい」ググ…!



VAVA「また、お前たちと……」





カッ…!バシュゥウウン!!





シグマ「…」



シグマ「消えたか……惜しい男よ」



ボンッ……ドン…グラグラ……!!



シグマ「さて、私も脱出するとするか。このウルフシグマならば、爆発などどうということはない」




ぞわ……






シグマ『殺気…!』



シグマ「馬鹿な!」クルッ…!



VAVA「…」半壊



シグマ「なっ…!?」



VAVA「よう」バチバチ…!



ヴゥーン…!



シグマ「ビームサーバー!?いつの間に…!!」



VAVA「さっき拾っておいた。俺の兵装で駄目なら、貴様のを試してやろうと思ってな」



シグマ「ふ、振り落としてや…」



VAVA「次のゲームがあったら、また会おうぜ」



ドスゥゥゥッ…!!



VAVA「ゲーム……オーバー!」





シグマ「でぃやあああああああああああああああああああああああああああああああああああおおおおおうううううううううう!!!!」







ヒュン……スタッ!



シグマ「ぐほっ……が…ぬぅうううう…」



バチバチバチバチ…!!ゴォオオオン!!!





シグマ「VAVAァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……!!!」





VAVA「早く逝ってやれ。ケイン博士も、あの世で待っているだろう」




ドンドンドンドン…!!ズゥウウウウン!!!




VAVA「ここも、もう終わりだな……シグマ、こいつは戦利品として頂いていくぜ」カシュ…



VAVA「ハッ!」ピョン!




ガッガッガッガッガッガッガッ……!!




VAVA「このまま屋上にでれば…!」





ダダダダダーーーーー!ダンッ!!




VAVA「っ!」




ズズーーーーーーン!!ゴシャアアアア!!!




VAVA「……間に合ったか」



ヒュ~~~~…



VAVA「下は海だからな。落ちても、どうにかなる」



VAVA「…」



VAVA「きたねぇな。この海は」



VAVA「もう一度、あの海に……」



VAVA「お前達のいる……あの、世界に…!」




ザプゥウウウン!!!




ゴポ……ブクブク……




リコリス「お疲れ様」



鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)



最深部(ボスマス)




ブクブク……ゴポッ……ザパァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!




ガシィッ…ギリギリギリギリ……!!



戦艦「クッ……立場ニハ 甘エテ イナカッタヨウダナ」



ル級「コレ以上 ホザクナ!戦艦 様 ノ 名ガ 穢レル!!」



戦艦「モウ 何ヲ 言ッテモ 無駄ダナ。沈メ、ル級」スッ…



ル級「ルッ…!」バッ…



ヒュヒュヒュ…ッ!!



戦艦「グッ…!」ドスドスドス!



戦艦「何ヤツ!!」



川内「トァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」トビゲリ!



戦艦「ムォ!」ドゴォ!



ル級「貴殿ハ…!」



川内「助太刀ぃいいい!!いたぁああああああああす!!!」



ル級「……援護 ヲ 感謝スル!」



川内「来るぞ!」



戦艦「マサニ混戦……ダガ、オマエ達 程度デ 我 ヲ 倒ソウナド……」



戦艦「片腹痛イワァアアアアアアアアアアアアアアア!!」


鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)



北上「おかしい……敵がいない」



利根「さっきから羅針盤を回してかなり進んでおるはずじゃが」



ゴーヤ「羅針盤が壊れたんじゃないでち?羅針盤に宿ってる妖精はみんないいかげんでち」



「んだとー」


「やんのかー」


「うっせーなー」


「えいえい!」



ゴーヤ「やめろでち!針でつつくなでち!!」



長門「何をふざけているんだ」ひょい



長門「北上、やはりおかしい。前回の戦闘のようだ」なでなで…



「なんだよーはなせよー…」



北上「提督と飛行場姫の戦闘か……確かに、そんな報告だったねぇ」



翔鶴「しかし、見方を変えれば、最深部まで無傷でいけるかもしれないということでは?」



天龍「いい意見だな、翔鶴さんよ。俺もそう思う。攻撃こそ最大の防御だ。俺達を舐めるとどうなるか、思い知らせてやろうぜ」



北上「だね。今は、その考えが正しい」



利根「全速前進じゃ!」



北上「待った…!ストップ!!」




プカ~~~~…



天龍「敵だぜ!やっと出てきやがったか!!」



利根「こちらに気付いておらんようじゃな。好機じゃ!!」



北上「だから待ってって!!」



翔鶴「どうしたの?彩雲……なんですって?白旗…?」



長門「降伏だと?」



翔鶴「えぇ……前方に白旗を掲げた船団。赤十字の旗を掲げた船もいるそうです」



ゴーヤ「病院船でち…?じゃあ、撃ったら国際問題になるでち!?」



天龍「馬鹿、相手は正規軍じゃねぇ。誰にも裁かれねぇよ」



ゴーヤ「なら撃つでち!!」



長門「待て!!そんな卑怯なマネは、このビッグセブンが許さん!!」



北上「まったく、やりづらくないのかね。見なよ。ワイヤーで数珠繋ぎになって、まるで電車ごっこだ」



利根「うむ~…ならば、仕方ないの。あんなのを撃った日には、目覚めが悪くなるわい」


鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)



最深部(ボスマス)



戦艦「丁度良イ。オマエ達ハ 艤装獣 ノ 生贄 ニ シテヤル。有難ク思ウガイイ!!」



川内「なんてやつだ……つけ入る隙をまったく見せないとは…!」



ル級「イヤ、勝テル 見込ミハアル!消耗戦 ニ 持チ込ム ノダ!!」



川内「成程、性能に大きな差があっても、継戦能力には限りがあるということか」



ル級「ソウダ!名 モ 知ラヌ 忍者ヨ、スマナイガ 私ト 連携 シテクレ」



川内「合点……」



ル級「アリガトウ!私ガ 隙ヲ 作ル。貴殿ハ ヤツ ノ 頭部 ヲ 狙ッテ 攻撃 シテクレ!!」



川内「承知!」



戦艦「マダ 続ケル カ!無駄ナ 足掻キヲ!!アッハハハハハハハ!!!」メラメラ…!




川内『今まで対峙してきたどの敵よりも強い。凄まじい邪気だ……!』



ル級「ルッ!セアァ!!」



戦艦「フンッ!砲撃戦モ 格闘戦モ ヤルダケ 無駄ダ!!」ボディブロー!



ドグシャァアン!!



ル級「グエッ……!?」ヨロヨロ…スサッ…



戦艦「フハッハハハ!コレガ 只ノ 戦艦 ト 戦艦棲姫 トノ 差ヨ!!コノ差ハ 決シテ 埋メラレヌ。隙ヲ 作ル ナド 無理ナ 話ダッタナ」



ル級「ウ……ルゥゥ…!」



川内「ならばぁーーーーーーーーッ!!夜戦流忍術!羅那流詩(らなるうた)!」カッ!



ズゥウウウン……!!



ル級「昼夜逆転 ノ 神技 ヲ 使イコナス者ガ……地上ニモ イタトハ!」



戦艦「ホォー!飛行場 程デハ 無イ ガ、中々 ノ 完成度ダァ……ダガ、所詮ハ 玩具ヨノォ!!」指パッチンッ!!



パシィーーーーンッ!!ズズズズズズ……ピカーーーー!!



川内「日が…!?」



戦艦「飛行場 ニ 出来ル 事ガ、我ニ 出来ヌ モノカ!沈メェ!!」



川内「ぐわっ……ぬぬぅ………ここで、倒れるわけには!」



ビッグセブーーーーン……



戦艦「?」ピタ…



ル級「何ダ…?」



川内「この声は……来てくれたか、皆のヒーロー……もとい、ヒロイン」ヒュンッ…



ゴォッ……!



戦艦「ナ」



長門「きりもみロケット……!」



メキッ…!



戦艦「グ……ノ……ォ……」



ビキビキビキビキ…!!



長門「キィイイイイイイイイイイック!!」



バキャアアアアンッ!!



戦艦「グホァ!?ガ……ウォオオオオオオ!?」ビューンッ!



ル級「ナ、何ガ…!?気付イタラ……ヤツ ガ 空ニ……」



長門「行ったぞ!みんな!!」




ヒュ~~~~……ガッガッガシィイ!!




戦艦「ウッ…!」ガッチリ…



北上「いらっしゃ~い…おっと、寝るにはまだ早いよ」スッ…



天龍「地獄までの特急券だ。受け取りな」スッ…



利根「とっておきの魚雷なのじゃあ!!」スッ…



戦艦「ブワァッ!?」



チュドドドーーーーーンッ!!!



バシャアアアアン!!



戦艦「オゴ…!……プァア!!」



ゴボゴボ↓↓



ゴーヤ「き、来た…!作戦通りの位置でち……!!」



カシャ……バシューーーー!!



ゴーヤ「とどめ!!酸素魚雷、当たってくだちぃーーーーーーーーーーーー!!!」



戦艦「ク……ォオオオ!?」



ビシィッ!ドゴーーーーーーーーーーーーン!!!



バシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン……!



「作戦、成功の模様!標的に情け無用の連続攻撃です!!全て命中!!!」ブゥーン…



翔鶴「……良し。奇襲作戦、大成功!ですね」




スィー…



長門「おぉ、追いついたか翔鶴」



翔鶴「怪我はありませんか?長門さん」



長門「うん、大丈夫なようだ。まったく、隊長殿の無茶振りには恐れ入ったよ」



北上「空母のカタパルトから射出された戦艦なんて、今後一切現れないだろうねぇ。いい逸話ができたじゃん」



長門「他人事だと思って。言っておくがな、深海棲艦に蹴りを入れるときは、めちゃ怖いんだぞ」



ゴーヤ「隊長ぉ!」ぱちゃぱちゃ…



北上「お、よくやったね。おかえり」



ゴーヤ「うぇぇ……怖かったでちぃ~~~!!撃つこっちが死ぬかと思ったでち!!!」



北上「たぶんあいつも死んでないからさ。どっこいだね」



ゴーヤ「へ」



長門「え」



ル級『……忍者、逃ゲタノカ。無事ダト イイガ…』



天龍「よぅ、所でこいつはどうするんだ。敵じゃねぇの?」



北上「あ、さっきの」



ゴーヤ「でちぃ…」ビクビク…



ル級「私ハ……訳アッテ ヤツ ト 敵対 シテイル。頼ム、加勢サセテクレ。決シテ 貴殿等ニハ 攻撃 シナイト 誓ウ」



北上「だーい歓迎。お姉さん、強いし」



天龍「まさか、深海と肩を並べる日が来るとはなぁ。だが、隊長の命令だってんなら仕方ねぇ。俺は天龍だ。あんたは?」



ル級「勇気アル 判断 ニ 感謝 スル。私ハ ル級。ヨロシク」



利根「どうやら、握手する暇もくれないようじゃぞ。皆の衆、警戒せい!!」



ボコボコ……



翔鶴「全機、雷撃用意……」キリキリ…



長門「まさか……我々の全力の攻撃を受けても沈まないとは…!」



北上「はなから、あんな攻撃で倒せるとは思っちゃいないよ。少しでもダメージ与えといた方が有利になるからね」



長門「ひぇ…」


ゴポッ……ススーーーーーーッ!



長門「ん……?」



ゴーヤ「逃げたでち」



天龍「ハッ!逃げるのかぁ?姫のくせにビビってやがるぜ」



ル級「イカン!!アノ方向 ハ……ツイテ来テクレ!!艤装獣 ノ 封印 ヲ 解ク ツモリダ!!!」



北上「艤装獣…?」



利根「はて?」



翔鶴「そちらの秘密兵器か何かで…?」



ル級「話ハ 後ダ。来イ!」



北上「……わかった。あんたを信じるよ」



翔鶴「北上さん、それは危険では…」



北上「責任はあたしが取る。とにかくヤツを逃がしてはおけないんでね」



利根「北上……知っているか?艤装獣とな」



北上「いや、聞いたことも無い。ただ……あの慌てようを見るに、嘘は言ってない」



利根「……そうじゃな。艦娘も人間も深海棲艦も、嘘をつくときというのは、何とも言えん違和感を醸し出すものじゃ」



北上「うん。裏を返せば、封印していたものを解かなきゃならないほど、敵ボスももう後が無いってことっしょ」



利根「うむ、違いない」



北上「行こう!!



了解!



ル級「コッチダ!海流ニ 乗ロウ!!」



封印岩礁



戦艦「殺ス…殺スゥ……!」



ズンズン…!



戦艦「見セテヤルワ……艤装獣 ト 一体化 シタ 我ノ 真ノ チカラヲ…!!」



チャプ…



戦艦「ムゥ…?」



戦艦「誰ダ!ココハ 我ガ 艤装獣 ガ 封印サレシ 聖域ダゾ!!」



スッ…



泊地「私ダ……」ノコノコ



戦艦「泊地……ヨクモ ノコノコ ト……我ニ 顔 ヲ 見セラレルモノダ」



泊地「ヤメテクレ、戦艦。私ハ 艤装獣 ノ 復活 ヲ 望ンデイナイ」



戦艦「黙レィ!随分 ト 余計 ナ 事ヲ シテクレタナ。部下 ノ 造反モ、我 ト 飛行場 ノ 排除モ、全テハ オマエ ノ 筋書キカ?」



泊地「ソレハ、起コルベクシテ 起キタノダ。私ガ 何モ セズトモ、貴女 ノ 部下 ハ イズレ 暴走 シテイタ筈」



戦艦「…」



泊地「私ハ 事態 ヲ 治メタイ ダケダ」



戦艦「武闘派 トハ 思エン 台詞ダナ」



泊地「ドンナ モノデモ……時ト 共ニ 変ワッテ ユクモノダ。過去 ノ 貴女ナラ、皮肉 ヨリモ マズ、私ノ 身ヲ 案ジテクレタ ダロウニ」



戦艦「オマエ モ、我ヲ マガイモノ ダト…?」



泊地「イヤ、貴女 ハ 戦艦棲姫ダ」



戦艦「ソウダ……艤装獣 ノ 封印 ヲ 解ケルノハ 我、只一人!」フフン!



泊地「デナケレバ、追イ詰メラレタ 状況デ コンナ 場所ヘ 来タリハシナイ」



戦艦「チッ……話 ハ 終ワリダ 泊地!コノママ 何モ シナイナラバ ヨシ、サモナクバ オマエ トテ 容赦セヌゾ!!」スッ…



泊地「封印 ハ 解カセン」



戦艦「泊地ィイ……!!」



泊地「言ッタ通リダ。貴女 ハ 追イ詰メラレテイル」



戦艦「…!」クルッ…



北上「…」


利根「…」


天龍「…」


長門「…」


ゴーヤ「…」


翔鶴「…」



ル級「…」ボォ…!



ル級「覚悟スルガイイ……!」メラメラ…(黄金のオーラ)



北上「やぁやぁ、泊地っち」



泊地「北上、ヨクゾ ココマデ 辿リ着イテクレタ」



北上「いや~、おかげ様で。ハイタ~ッチ」スッ…



泊地「ウム」ぽん…




戦艦「グヌヌゥ………!!」ワナワナ…!

>泊地「私ダ……」ノコノコ
>戦艦「泊地……ヨクモ ノコノコ ト……~~」

カワイイ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!



ゴーヤ「う、海が…」



長門「うろたえるな。これは、深海の姫がよく使う手だ。南方もやってきたからな。もう揺らすぐらいでは驚かないぞ」



翔鶴「まだ余力があると言いたいのでしょう。これはその余波みたいなものでは?」



長門「そう、余波だ」



戦艦「モウ二度ト、ソンナ茶番モ デキナクナル…」



泊地「ヤメロ!コウナレバ、私モ 黙ッテハ イナイゾ!!」



戦艦「ソノ程度 ノ 布陣デ、我ヲ 追イ詰メタ ナドト……思イ上ガリモ 甚ダシイ!」



バッ…!



天龍「しゃらくせぇ!」チャキッ…



北上「あ…バカ!止せ天龍ッ!!」



戦艦「!」



ガィンッ!!



天龍「…っとと」シュタッ…



天龍『あいつとの特訓の成果を試したくて……つい体が動いちまったぜ』



戦艦「愚カ者メ……剣 ハ 我ニ 通ジヌ」



天龍「そいつはどぉかな?」



戦艦「何…?」



天龍「その様子だと見えてなかったようだな。俺は、手前を二回斬っていたんだぜ」ドヤ…



天龍『どうだい。見えないほど早い太刀筋……会得してやったぜ!』



戦艦「ハッ…!?」ババッ…



天龍「何が、通じぬだ。嘘つきめ!髪の毛、斬れんじゃねーか」パラパラ…



シュゥ…



天龍『なんだ?ヤツの髪が、消え……』



戦艦「ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」



ガシィ…!



天龍「うぉ…!?しくった…!」



戦艦「ヨクモ ヨクモ ヨクモ ヨクモ……我ノ 美シキ 黒髪 ヲ…」



天龍「離せっ……このぉ!!」カチャ…ドンドンッ!



カキン…!



戦艦「…」カチカチ…



天龍「氷の装甲!?それは……あいつの…」



北上「今助ける!」



カチカチカチ……



天龍「うっ……あぁ…」ガクッ…



ガキィイン…



翔鶴「天龍さん!?」



長門「くそ…!」チャッ…



利根「やめい!おぬしの主砲では、天龍も一緒に吹き飛ぶぞ!」



ゴーヤ「こ、凍っちゃったぁ!?」



北上「やめろぉおおおお!!」



戦艦「砕ケテシマエ!!」



ヒュッ…!



戦艦「ウ…!」



泊地「鈍イナ」ギュッ…



天龍「…」



北上「泊地っち…!」



泊地「スグ ニ 氷 ヲ 溶カス。ル級、時間 ヲ 稼ゲ」パァ…!



ル級「ハッ!」



北上「あたしらも続くぞ!」



了解!



ドガァ!ズドドドドドドオォォ……!!



翔鶴「きゃあぁ!」中破



利根「ぐほぁ!」中破



ゴーヤ「また足を…」そろ~…



戦艦「ヌンァ!!」ピキィン!



カチカチカチカチ…!



ゴーヤ「氷で水面を固められた……出れないでち!!」どんどん!



ル級「ビッグセブン ト ヤラ!遅レルナヨ!!」



長門「そちらこそ!」



ガシッガシッィン…!!



戦艦「グロォオオオ…!」



ル級「ルォオオオオオ!!」



長門「なんのこれしき……!南方のパワーはもっと凄かったぞ!!」



戦艦「玩具 如キ ガ、姫 ノ 名 ヲ 軽々シク 口 ニ スルナ!!」



長門「なにおぅ!あ……ル級!後ろにいい感じの岩がある!!後はわかるな!?」



ル級「ルッ!?……アァ、ワカッタ!!」



クン…!



戦艦「!」



ル級「トォッ!」



長門「くらえ!岩に激突だ!!」巴投げ



ゴォ…ストンッ……!!



長門「岩に着地しただと…!」



バィン!



戦艦「ムゥン……ヘァ!!」Wラリアット



長門「うわぁああああああ!?」中破



ル級「クォァア…!」小破



ユラリ……



戦艦「泊地……次ハ オマエダ!!カカッテコイ!!!」



泊地「…」



戦艦「姫 ニ ノミ 許サレタ 数々ノ 奇跡……ソレヲ、ソンナモノ ノ 為ニ 使ウトハ…!」



チャッ…

チャッ…

チャッ…



ボシューーーンッ!



北上「おらぁ!」



戦艦「マダ 一ツ 無傷ナ者 ガ イタカ………」



ギュィイイイイイイイン……!



北上『くっそぉ……吸い込みウザ過ぎ』



ボムンッ!



戦艦「効カン」



北上「なら直接!」



戦艦「軽巡 ガ 我ニ 真ッ向 カラ 挑ムトハ……血迷ッタナ」スッ…



北上「速い!?やば!おとっとと……あ゛ー!?」コテン!



ボガァーーーーーーン!ビシビシビシ……パリーンッ!



北上「うひゃああああああああぃ!?」中破



戦艦「自ラ ノ 魚雷デ 自爆……モハヤ、呆レ ヲ 通リ越シテ 笑イガ 込ミ上ゲテ来ルワ……フフ!」



泊地「…!」



戦艦「フッハッハッハッハ!見タカ?泊地。コレガ オマエ ガ 守ロウ ト シタ モノ ダ。実ニ 愚カトハ 思ワンカ?」



泊地「……愚カダナ。戦艦」



ドスッ…!



戦艦「ガッ…!?」小破



ゴーヤ「うぅ…!」ガタガタ…



戦艦『馬……鹿…ナ!潜水艦 ハ 封ジタ 筈……!?』



北上「へっへっへ……覚えときなよ。軽巡じゃない。雷巡だ」



戦艦「ハ!?ハ…サ、サッキ………ギ……ギ……」中破



ゴーヤ「天龍の仇ぃ…!でぇっちぇすとぉーーーーーーーーーーーーッ!!」グリグリィ…!




ズポッ……ドズゥ!!






戦艦「ギィイイイイエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」大破






泊地『私 ガ 手ヲ 貸ス マデモ 無カッタカ。マサカ、戦艦 ノ 唯一 ノ 弱点。艤装コネクタ ニ 気付イテ イタトハ』



泊地「戦艦…」



戦艦「ァ…………」



ゴーヤ「あわ…わわわわ……」ぶるぶる…



スィー…



ル級「…」ガシッ…



グィッ……ズポン…





戦艦「…」





ユラユラ…



バシャアアアアアアン!!



ブクブク……



ル級「ありがとう。戦友。貴殿と、その仲間達の勇気を……私は忘れない」スッ…



ゴーヤ「どどど…どういたしまして……ル級さん、普通に喋れたでち?」パシ……へなへな…



ル級「……オ礼グライ 貴殿ラ ニ 合ワセヨウ ト 思ッタンダ。間違ッテイタダロウカ」



ゴーヤ「あは……几帳面でち」がくがく…



ル級「立テルカ?肩 ヲ 貸ソウ……ユックリ デ イイ」そっ…



ゴーヤ『ひゃあ……肌がひんやりしてるでち…でも、みんなにいい自慢話ができたでち。ゴーヤ、もう落ちこぼれじゃないでち!』



ゴーヤ「ゴーヤ……やったでち!」ガッツ!



北上「とどめがゴーヤってのが、しめやかじゃないけど。勝ちは勝ちだ。くたばれ悪夢」



天龍「ん…………はっ!?何処だ!戦艦野朗!!俺の刀がない……!」ガバッ!



泊地「気ガ ツイタナ」



北上「おっと、こっちも夢から覚めたかね」



ゴーヤ「天龍……気がついたんでちね!これ、返すでち」



天龍「お、おう。なんだ、深海と肩なんか組んで……まさか!?」



利根「よっこらせ……そうじゃ。我輩たちが勝ったのじゃ」



翔鶴「天龍さんが凍らされてから、泊地さんがずっと守ってくれていたんですよ」



天龍「あんたが…?」



泊地「フッ……」




泊地「一時的トハイエ、共闘シテイル以上……オマエタチ ニ 死ナレテハ 私 ノ 沽券 ニ カカワルカラナ」



泊地『私ガ ツイテイナガラ 艦娘 ヲ 死ナセタラ、VAVA ニ 会ワセル 顔ガ ナイカラナ』



天龍「そうか…ありがとよ、お姫様……くそ~…みんな、あいつには言うなよな!」



北上「言わないよ。あの人、心配性だから」



翔鶴「そうですね♪」



北上「……にしても馬鹿天龍。あたしに無断でつっこむなっつーの。氷漬けは言わないけど、馬鹿特攻は言いつけてやる。この馬鹿」



天龍「う、うるせぇなぁ!馬鹿馬鹿言うな!」



長門「いてて……よかった。まだ生きてる……もう帰りたい」ひょこ…




プシュン……プシュン…




泊地「…!」



北上「帰ろう……提督も、もうあたしらを待ち焦がれてるだろうし」



利根「らいどあーまー…なんとかサルベージできんかのう……」しょんぼり…



長門「あーまー…?あぁ、どうだかなぁ」


プシュン…プシュン……プシュン!!



泊地「全員、私 ノ 体ニ 掴マレ!!ヤツハ……戦艦 ハ マダ 戦ウ 気ダ!!」



長門「なんだって!?姫様!お助け…!」ひしっ!



北上「ちょ…マジかい……」ガシッ…



利根「しつこいのう!」ガシッ!



天龍「氷の次は爆発かよ…!」ムギュ…!



翔鶴「みんな着艦したわね?良し。私も掴まりました!」ギュッ…



泊地「ル級!オマエ ハ ソノ 潜水艦 ト 海底 ニ 避難シロ!急ゲ!!」




プシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシューッ……!!!!




ル級「ハッ!潜ルゾ!!」



ゴーヤ「はいでち!」



ザプンッ…!



泊地「ハァッ!」ダッ!



ギューーーーーーーンッ!!



泊地「絶対 ニ 手ヲ 離スナ!!離シタラ死ヌゾ!!!」




ボコッ…ボコボコボコ!!!ボワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!





チャポ……スー……



戦艦「今コソ……復活 ノ 時」スッ…ピト…



戦艦「………」ブツブツ…



泊地「アノ 岩ダッタノカ…!!マズイ、距離 ガ 離レ過ギテイル…!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!




戦艦「永キ 眠リ カラ、今コソ 解放タン!目覚メヨ、我 ガ 最強 ノ 僕……」




戦艦「艤装獣ヨォ!!」




バシャアアアアアアア!!ズォオオオオオオオオ……




艤装獣「グモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」




ザプゥ……ザバァアア!!



北上「こ…これは反則だろー……」



利根「な………あ……ぁ」パクパク…



天龍「でけぇなんてもんじゃねぇ…あれが、艤装だってのか…!?」



翔鶴「まるで……悪魔のようですね」



長門「無理だ。ここは撤退しよう!」ぶるぶる…!



泊地「私ト シタコトガ…!」



戦艦「フヘァーーーーーーーハハハッ!!!」



戦艦「我 ノ 勝チダ!モハヤ、艤装獣 ヲ 止メル 術ハ 無イ!!」



泊地「クッ…」



戦艦「サァ、艤装獣 ヨ!我 ト 一体 ト ナリ、我 ニ 仇ナスモノ 全テ ヲ 破壊 スルノダ!!!」




艤装獣「…」





戦艦「…ドウシタ。早ク コード ヲ 伸バセ!」




艤装獣「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン……」ジワァ…




ポタリ……ポタ……ポタ………




翔鶴「泣いてる……?艤装が、涙を流している……」




艤装獣「…」ズォォォォォ……グッ…




戦艦「ナッ……艤装獣。我 ヲ……主人 ヲ 忘レタノカ?敵 ハ ヤツラダ!何故 我ニ 拳ヲ……ウワァアアアアアア!?」




戦艦「オマエ マデ 我 ヲ 裏切ルノカ……ヒッ……ヨ……ヨ…」ガクガク…!




艤装獣「…」ゴォオオオオオッ!!




戦艦「ヨセェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」





グシャアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!





ドボォオオオオオオオオオオオオオオオオン…………






艤装獣「…」



艤装獣「フォオオオオオン……」



ズシン……ズシン………ザパァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン…



泊地「再ビ……眠リニ ツク ト イウノカ………シカシ、ドウシテ 艤装獣 ガ 戦艦ヲ……?」



北上「泊地っち……今のが、艤装獣?」



泊地「ソウダ……戦艦 ノ 忠実 ナル 僕 ニシテ、戦艦 ニシカ 制御 デキナイ 深海 ノ 守護神」



北上「ふぅん…忠実ねぇ」



泊地「スマン……私 モ 状況 ヲ 理解 デキテイナイ。何 ト 言ッタラ イイノカ…」



北上「決着はついた。あたしらは帰るよ」



泊地「ア、アァ…」



北上「泊地っち。次に会うときは敵なんだね」



泊地「ソウダナ」



北上「提督とやる前にさ、あたしとやってよ」



泊地「フフッ……ヨカロウ」



北上「もしあたしが勝ったら、そのときは友達になろう。一緒に買い物したり、遊んだり、ごはん食べたりしようよ」



泊地「!」



天龍「おいおい…」



長門「変わり者だからな……気が合うのかもしれん」



翔鶴「そうでしょうか。北上さんが言っていること、とても素敵だと思います」



利根「一時はもうダメかと思ったわい……なのにまったく、大物じゃわ」



泊地『VAVA……良イ部下ダナ。私 ノ 心 ヲ 揺サブル トハ…大シタモノダ』



泊地「…ソレハ アリエナイ」



北上「そっか……」



泊地「私 ガ オマエ ニ 負ケル ハズガ ナイカラナ」



北上「!……言ったなー!よっし、つぎ会うまでに、もっともっと強くなってるかんねー!」



泊地「ムリダ ムリダ」



北上「へへっ……じゃあね」



利根「さらばじゃ」



長門「姫様、お元気で」ノシ



天龍「じゃあな」



翔鶴「お世話になりました」ペコ…



泊地「去ラバ」


横須賀鎮守府



工廠



VAVA「…」



トンカン トンカン!



リコリス「ふぃ~…」カチッ…



ビビビビビビ……!!



バシュゥ……



リコリス「…」



ピタッ…



リコリス「あら…?」



リコリス「…」むーん…



リコリス「……もう倒しちゃったの。ちょっと予定より早すぎるわねぇ…」



VAVA「…」



リコリス「まぁいいか。動力炉と左腕は完璧に直したし。ボディのへこみくらいはこの子達でなんとかなるでしょ」



リコリス「さてと…」スッ…



リコリス「皆、起きなさい。怖いものは、消えてなくなったわ」パァ…!


数分後…



横須賀鎮守府



シーーーーーーーーーーーーーーン……



ざわ……



わぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!



ドタドタドターーーーーーーーーーー!!



ガシュン……ガシュン……



VAVA「騒ぐな!」



シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…



VAVA「もうすぐ、あいつらが帰ってくる。宴会の仕切りなおしだ。おまえら、急ピッチで準備にかかれ」



ざわざわざわざわざわ!!!



VAVA「返事はどうした!」



……了解!!



VAVA「間宮はまだ帰ってきていない。だからメイン料理は俺が担当する」スッ…



カシャコン…(ショルダーキャノン 解除)



バサァ!(割烹着 装着)



VAVA「鳳翔、雷は俺と一緒に来い」キュッ…



鳳翔「は、はい…」



雷「えーっと……お料理すればいいのよね?わかったわ!!」


数時間後…



船着場



VAVA「…」バサバサ…



北上「たでーまー」



VAVA「全員、派手にやられたな」



北上「まぁね。でも……勝ちぃ!」Vサイン!



VAVA「あぁ、おかえり」



天龍「お出迎えとは嬉しいことしてくれんじゃねーか。てか、なんだよその格好」



VAVA「?……さっきまで調理場にいたんでな。何がおかしい?」



翔鶴「良くお似合いですよ。うふふ…かわいい人」ぼそ…



VAVA「?」



利根「提督よ、我輩おなかペコペコじゃ。カレーが食べたいぞ」



VAVA「あるぞ」



長門「はぁ……疲れた」



VAVA「とっとと風呂に入って来い。話はそれからだ」



はーい



VAVA「…」



VAVA「ちょっと待て!」



???



VAVA「ゴーヤはどうした!?」



北上「あ……へへへ…置いて来ちゃった♪」てへっ!



泊地要塞



作戦大成功パーティ会場



ワーワーー!!ヒューヒューーー!!!



「ホレ!祝イダ祝イダ♪オ客人、モット 飲メ ホラ!!」



ゴーヤ「いただきます!んぐっ……ぐっ…ぐ…」グビグビ~!



「ヨッ!イイゾー!英雄!!」



「カッコイイゾー!!!」



ゴーヤ「ぷへぁ!勝利の美酒は最高でち!やっぱ勝ってなんぼでち!!」



「ソレ!」バシュッ!



ブシュー!!(ビール)



ゴーヤ「ひゃあ~!お返しにそれぇ!!」



バシャーー!!(シャンパン)



「ハハハ!ヤッタナァ!!」



「泊地様 ニ 寝返ル トハ 利口ナ ヤツダ!寿司クイネェ!」



「ヘェ!オマエカァ!!アノ 戦艦棲姫 ヲ 串刺シ ニ シタ 英雄 ハ!良イ度胸 シテルジャネーカ!!アタシャ、惚レチマッタゼ!!」



ゴーヤ「でちひひひっ!あんなの朝飯前でち!!さぁ皆、まだまだこれからでち!かんぱーい!!」




カンパーーーーーーーイ!!!




ゴーヤ「泊地様バンジャーーーーーイ!」




バンザーーーーーーーーーーーーーイ!!!






「クッ……偽者 ダッタ トハイエ、戦艦様 ヲ 朝飯前ダト!」



「 ア・ン・ナ ノ ダト……ヌゥ!我慢 ナラン!」



「アノ デチ公!タダデハ オカヌゾ……」



ル級「ヤメロ」



「ル級殿…」



ル級「彼女 ハ 私ノ 友ダ。手ヲ 出ス 事ハ、私ガ 許サヌ」



「悔シクナイノデスカ!主君 ヲ 謗ラレテイル ノ デスゾ!!」



ル級「悔シイモノ カ。寧ロ、私 ノ 心 ハ 今、喜ビト 感動 ニ 打チ震エテイルノダ」



「何故デス…?」



ル級「我々 ハ、彼女達 ノ オカゲ デ 新タナ 一歩 ヲ 踏ミ出ス事ガ 出来タノダ」



「ア、アイツ ノ オカゲデ…?」



ル級「ソウダ。暫シ 休養 ヲ トッタラ、地下要塞 ヘ 戻ルゾ。以降ハ コンナ 馬鹿騒ギモ デキナクナル」



「我等 ガ 要塞ヘ…!」



ル級「オマエ達。今ハ 泊地様 ニ 感謝 シ、共 ニ 宴ヲ 楽シモウデハナイカ!」




オォーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!






ゴーヤ「きゃはははは!愉快!愉快でち~~!!おろろ~……?誰か、お酌してくだち!英雄の杯が乾いているでち!!」ぷんすか!



ヒュンッ…!



ル級「ハッ!不肖 戦艦 ル級。鉄底海峡 ノ 英雄 ニ、オ酌サセテ 頂キマス!」トクトクトク…



ゴーヤ「ル級しゃん!どこいってたでち~!ル級しゃんもほらぁ、となり座って!駆けつけ三杯でち!!おっとっと…」トクトクトク!



ル級「トットット……ハイ!ル級、三杯飲ミマス!!」グビィーッ!




イイゾーーー!!英雄 ト フラッグシップ ノ 揃イ踏ミダァ!!




ゴーヤ「あっはっはっはっは~!!」肩組み



ル級「ルルルッ♪コンナ ニ ハシャグ ノハ 久々ダ!ゴーヤ!!」肩組み



ゴーヤ「ル級しゃんはゴーヤの親友でち!ズッ友でち!!」



ワハハハハハハハーーーーーーーーッ!!



上座



泊地「何故 アイツ マデ 此処ニイルンダ…」



「ハッ……戦艦様 ノ 部下 ヲ 迎エタ際ニ、ル級殿 ト 一緒 ニ イマシタノデ、客人カト……」



泊地「ソンナワケアルカ。ヤツ ハ 艦娘 ダゾ」



「追イ出シマスカ?」



泊地「…」



ゴーヤ「るるる~♪」

ル級「ルルル~♪」



泊地「今更 デキン……明日 ニ デモ、V ノ 鎮守府 ニ 送ッテヤレ」



「ハッ…仰セノ 通リニ」



泊地「言イ忘レテイタ。オマエ、明日カラ エリート トシテ 働イテモラウゾ」



「ハ…ハイッ!アリガトウゴザイマス!!」



泊地「オマエ モ 混ザッテ来イ。真面目 ニ 振舞ウノハ 時 ト 場合ヲ 選ブノダナ。アノ ル級 ノ ヨウニ」



「ハイ!ネェネェー!!ワタシ ニモ ビール カケテーー!!」タターッ!



ゴーヤ「よぉーし!こっち来るでち!!エメラルドスプラッシュ!!!」シュパァーー!!



「キャー!冷ターイ♪」



泊地『サテ……私ハ ココラデ 出掛ケルト スルカ…』



横須賀鎮守府



執務室



リコリス「お疲れ様」



VAVA「あぁ」



リコリス「お手柄ねぇ。着任してそれほど経たない新米提督が、いつの間にか姫四体を撃破だなんて。非公式の装甲ちゃんをいれれば五体」



VAVA「そんなことはどうでもいい」



リコリス「そうかしら?こういうことって大事だと思うの。ファンは大事にしなきゃ」



VAVA「俺には、あいつらさえいればそれでいいんだ。他には何も望まない」



リコリス「大本営にはね、あなたのことが大好きな者もいれば、目の敵にしている者もいるのよ?」



VAVA「くだらん」



リコリス「私は、VAVAの素晴らしさがもっと世界に広まればいいと思っているのよ。あなたに、この世界を変えて欲しいの」



VAVA「……初めて聞く言葉だ」



リコリス「本心よ」



VAVA「お前の本心はあてにならん」



リコリス「目的の一つと言ってもいいかな」



VAVA「ほぅ……では」



リコリス「…」ビクッ…



VAVA「俺にこんなものを与えたのも目的の一つか?ライドアーマーもお前の仕業だな」



リコリス「答えたほうがいい…?」



VAVA「…」スッ…



ジュゥ…ッ!



リコリス「あつい……あついよぅ…VAVA」



VAVA「このまま首を溶断してやろうか」



リコリス「許して……」



VAVA「変身を解け」



リコリス「…」



VAVA「早くしろ」



リコリス「うん…」



フォン…



飛行場「…」



VAVA「その眼だ」



飛行場「眼…」



VAVA「俺はその眼をよく知っている」



飛行場「イレギュラー?」



VAVA「!」ギッ…



ヂヂヂヂ…



飛行場「アツッ…!?ヤメテ VAVA……シ、死ンジャウ」



VAVA「っ……とうとう尻尾を見せたな。俺をこの世界に引き込んだのはお前だ」



飛行場「ソウ……ソノ通リヨ」



VAVA「俺に世界を変えさせると言ったな。お前は俺を利用して何をしようというのだ…?」



飛行場「……贖罪」



VAVA「贖罪だと…?」



飛行場「嘘ツキデ、欲張リデ、卑怯者 ナ 私 ダケド……償イタイ 罪 ガ アルノ」



VAVA「罪滅ぼしに利用する為、俺の未来を変えたというのか……方法はわからんが、記憶に齟齬が発生している。俺はあの場所で死ぬはずだった」



飛行場「伝説 モ 英雄 モ アナタ ニハ 敵ワナイ…」



VAVA「…」



シュゥン……スッ…



飛行場「ア……アリガトウ」



VAVA「俺が誰かの思惑に従って動く事を好まないのは知っているな」



飛行場「ウン…」



VAVA「ただ、命を救ってくれたことに関しては感謝する。借りは返そう」



飛行場「ソ、ソレジャア!」



VAVA「お前は…俺の敵ではない」



飛行場「VAVA!」ギュッ…



飛行場『嬉シイ。受ケ入レテ クレタ…』



VAVA「ぐ……離せっ!」



飛行場「チョット デ イイカラ……コノママ デ イサセテ」



VAVA「…………おい。宴会、出席するんだろう?」



パァ…



リコリス「うん。隣、座っていい?」



VAVA「残念だが、先客がいる」



リコリス「ちぇ」


ラウンジ



ワイワイ……!



北上「ゴーヤは今頃どうしてるかねぇ?」左隣



天龍「さぁなぁ?ま、泊地のお姫さんなら悪いようにはしないだろうしな。捕虜交渉は大淀に任しとけばいいって!!」右隣



VAVA「心配だ…」



大和「…」



長門「どうした、大和。私の祝勝会だぞ。祝ってくれないのか?見せたかったな。この長門の渾身の必殺キックを!」



大和「いえ……ただ、申し訳が無くて…妹も守ることが出来なかった」



長門「怪我は軽いと聞く。気にすることは無いさ。戦いではよくあることだ。あんな大物の名前を聞いて恐れないほうが難しいというものだよ。ま、私は平気だったがな。わっはっは!」



大和「さすがです…」キラキラ…!



長門「なんのなんの。この程度で驚いていては、深海の姫は倒せんぞ」



大和「南方棲鬼を倒し、あの戦艦棲姫まで倒してしまうなんて……長門さん。尊敬しています」



長門「よせよせ、どちらもみんなの協力があったからこその勝利だ」



大和「かっこいい…」



長門「ははは!この長門、日本の為ならばこの命、いつでも捨てる覚悟だ!!」


てくてく…



漣「ご主人様、ちょっとお話が…」



VAVA「どうした?」



漣「みんな、今回の件については反省しているのですが……」



VAVA「俺は気にしていない。お前たちも気にするな。もとより、一人で倒すつもりだったが俺だけでは倒しきれなかった。責任は俺にある」



漣「はぇ~…」



VAVA「話はそれだけか?何か、他にもあるんじゃないのか?」



漣「はい、実はですね……」ごにょごにょ…



VAVA「何…?」



漣「というわけでして。先程のありがたいお言葉をかけていただければ、出てきてくれるんじゃないかと思って」



VAVA「人数が少なかったのはそういうことか……わかった。すぐに行こう」スクッ…


曙の部屋



曙「…」



ガシュン…ガシュン……ガシュン………



曙「!」



VAVA(曙、いるんだろう?出て来い)



曙「…」ぷいっ!



VAVA(叱りつけたりするつもりは無い。今は、帰ってきたあいつらを祝福してやれ)



曙「…」



VAVA(…)



カチャリ…



曙「あ!」



VAVA「悪いが、マスターキーを使わせてもらった」



曙「勝手に部屋に入らないでよ!このクソ提督!!」



VAVA「いくぞ」



曙「イヤ!」



VAVA「何故だ」



曙「イヤったらヤなの!!」



VAVA「仕方ねぇな」ムンズ…



曙「こらっ!ちょっと……やめて!服が伸びるでしょ!このアホ!マヌケぇ!!」じたばた!




VAVA「なら、何故嫌なのか、理由を話せ」



曙「イヤ!」



VAVA「…北上達は、一体どんな思いで出撃しただろうな」



曙「う…」



VAVA「自らを犠牲にしてでも、守りたいものがあったからじゃないのか?その中には、お前も含まれていたはずだ」



曙「でもっ……」



VAVA「口は悪いが、北上はいつもお前達の面倒を見ていただろうが。天龍も長門も、お前達の話をするときは実に嬉しそうな顔をする」



曙「…」じわっ…



VAVA「それでも嫌だと言うのならば、もういい。無理に馴れ合えとは言わん」ストン…



曙「う…ぅ……ぅ……うわぁーーーーーーーーん!!」びぇ~!



ダッ…!



VAVA「なっ……待て!曙!!」



曙「あ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!」ぼろぼろ…!



ダダダダダダダーーーーー……




VAVA「曙…」



漣「あら~……ナカシタ」ボソ…



VAVA「あと……何人いる」



漣「はい!五月雨ちゃん、満潮ちゃん、霞ちゃん、叢雲ちゃん、龍田さん、那智さん、足柄さん、扶桑さん、山城さん、加賀さんですね!」



VAVA「…」



VAVA「順番に回るぞ……次は五月雨だ」



漣「曙ちゃんはどうするんです?」



VAVA「後で話をする。今は、俺が近づくだけでも逆効果だろう……」



五月雨の部屋



五月雨「ごめんなさい……私、提督に怒られるかと思って……」



なでなで…



五月雨「…」///



VAVA「そんな理由で、俺が怒るものか」スッ…



五月雨「あ…」しゅん…



なでなでなでなで…



五月雨「えへへ…」///



VAVA「……行ってくるんだ。皆、待っているぞ」



五月雨「はい!」



タタター…



漣「ご主人様!漣も!!」



VAVA『犬じゃあるまいし……まぁ、悪くないが』



なでなで…



漣「あ~…この、固さがくせになる~~こう…ツボをぐりっと…ん~♪」



満潮の部屋



満潮「はいはい…もういいわよ。心配かけたわね」



VAVA「うむ」



満潮「おめでと。これでまた昇進でしょう?」



VAVA「階級など、俺にはどうでもいいことだ」



満潮「私も、あんたには戦場が似合ってると思うわ。これからもよろしく」



VAVA「おう」



漣「二人ともかっこいいですね」



霞の部屋



霞「戦艦棲姫に負けたらしいじゃない。はっ、ヘボ!クズ!!」



VAVA「すまん。それに関しては、返す言葉も無い」



霞「!」



漣「……今のは言い過ぎなんじゃないかな。霞ちゃん」



霞「う、うるさい!大体なんであんな化物相手にして生きてるのよ!?あんたホント人間じゃないでしょ!」



VAVA「雪風のおかげだ。それよりも、北上達に顔を見せてやれ。頼む」



霞「……わかったわ。あんたの為じゃない。北上さんの為よ」



VAVA「ありがとよ。霞」



霞「ふんっ!認めないわ…」



スタスタ…



VAVA「…」



漣「私達と一緒にいるときは普通に良い子なんですけどねー」



VAVA「あぁ、そうだよな」



漣「ご主人様は心が広いですね」



VAVA「そうでもない」



叢雲の部屋



叢雲「…」



VAVA「叢雲、どうしたというんだ」



叢雲「私、いつでも一番だったわ」



VAVA「なんの話だ?」



漣「叢雲ちゃん、駆逐艦学校時代はスーパーエリートだったんですよ」



VAVA「そうだったのか」



叢雲「自分なら、姫だって倒せると思ってた……南方棲鬼討伐に選ばれた時、すごく嬉しかったの」



叢雲「でも、駄目だった。南方棲鬼には片手であしらわれ…戦艦棲姫は……な、名前を聞いただけで…このザマよ」ガクガク…



叢雲「所詮は駆逐艦。私って、ちっぽけな存在だったのね。現に戦艦棲姫を倒した六人に会いにいけないのも……後ろめたいからじゃない」



叢雲「妬ましいの……嫉妬してるのよ!私は!!だから……素直に祝福なんて出来ない。歓声を受けるあの六人が…羨ましい」



叢雲「あんたはいいわよね。姫を倒せるくらいチカラがあって、みんなからも慕われて……ごめんなさい。私、どんどん汚くなっていく……」




VAVA「…」



叢雲「幻滅したでしょ……もう解体して欲しいくらいよ」



VAVA「お前の気持ちは、俺にはよくわかる」



叢雲「司令官…」



VAVA「今日は、もう休んでいい。無理を言って悪かったな」



ガシュン…ガシュン……



叢雲「待って!司令官にも……私みたいな時があったの?」



VAVA「聞きたいか?」



叢雲「うん…」



VAVA「ならば、休息を終えたら執務室に来い。いつでも待っているぞ」



叢雲「気が向いたら、行くわ……」



VAVA「これだけは断言しておこう」



叢雲「?」



VAVA「俺には、お前が必要だ。解体する気はない」



漣『ふふふ……でたな天然ジゴロ』



叢雲「…」///



VAVA「じゃあな。漣、次行くぞ」



漣「あいあいご主人様!」


龍田の部屋



龍田「あら~何かごようかしらぁ?」



VAVA「用も何も無いだろう。天龍が待っているぞ」



龍田「……だって、どの面下げて会えばいいか、わかんないんだもの。天龍ちゃん言ってたわ。弱虫と毛虫は嫌いだって……」



VAVA「お前らしくもない。こんなときこそ堂々と姿を見せてやればいいだろうが」



龍田「…」



VAVA「天龍はお前を嫌ってはいない。過ぎたことなどすぐに忘れて、行動に移せ」



龍田「今回は…お礼を言っといてあげるわぁ……ありがとうございます」ぺこ…



VAVA「早く行けよ。料理が冷める」



龍田「はぁ~い」



スタスタ…



VAVA「もういいぞ」



漣「はいはい」ひょこ



VAVA「そんなに龍田が怖いか?」



漣「こわい」ひしっ…



VAVA「くっつくなよ」



漣「じゃあ、おんぶしてください。歩くのチカレタ……」ぐて~



VAVA「仕方の無いやつだ……装甲の隙間に指を入れたりするなよ。はさんで怪我をする」



漣「ほいほーい♪」



那智の部屋



ギィ…



VAVA「鍵がかかっていない…?何ぃ!?」



チャキ…



那智「羽黒よ……強く生きるのだぞ」白装束



那智「我が命、誇りと共に終わらせよう……友よさらば。現世よさらば。いずれ、再び合間見えん……」



VAVA「馬鹿が!」バルッ!



カイーンッ!



那智「うわっ!?貴様……!」



VAVA「……漣、何か縛る物。持っていないか?」



漣「すみません。ビニールひもとガムテープぐらいしかないです」



VAVA「借りるぞ」



漣「うい」



シュル……




那智「うわぁああああああああ!?何をする……やめろぉ~~~!!」



VAVA「…」ギュッギュッ…



那智「わ、私をどうしようと言うんだ!?まさか……頼む!何でも言うことをきくから乱暴しないで!!」



漣「手伝いますね」いそいそ…



VAVA「口を塞げ」



漣「はいです」



ビィーーーーーッ……ぺタ!



那智「んぐむ……!?んん゛ーーーーーーーー!!」



VAVA「暴れるな。手元が狂う」



漣「おとなしくしろ!」



那智「んむーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」





廊下




ガシュンガシュン…



VAVA「しばらくそこで頭を冷やすんだな」



漣「いやぁ、見事な縛り方ですね。あれは絶対外せない」





那智「うぅ…」〔私は、ハラキリをしようとした馬鹿です。提督からの罰を受けている最中ですので、放っておいてください〕




足柄の部屋



VAVA「また切腹しようとしてないだろうな」



漣「まさか。足柄さんのことだから、ご主人様に嫌われたかも知れないと自己嫌悪に陥って、それを酒で忘れようとしてるに決まってますよ」



VAVA「えらく具体的だな……とにかくノックしてみるか」



トントン…



VAVA「足柄、俺だ。開けてくれ」



足柄(…なんのよぉ~?)



VAVA「酒を飲んでいるな。どうせなら、ラウンジで一緒に飲まないか」



足柄(私のこと無能だと思ってるんでしょ?)



VAVA「何故そうなる……思っていない」



足柄(嘘よ!)



VAVA「嘘じゃない」



足柄(じゃあ証拠を見せてよ!)



VAVA「どうすればいいんだ」



足柄(私の良い所十個以上言えたら信じる~!)



VAVA「十個でいいのか」



足柄(じゃあ三倍の三十個~!)



漣「……ウザ」



VAVA「いいだろう」



VAVA「性格が良い。髪がよく手入れされていて美しい。自分に似合う服装を心得ている。気が利く。姉妹思いである。面倒見が良い。料理が上手い。特にお前のカツカレーは最高だ。戦闘で頼りになる。主砲選びのセンスが良い…」



足柄(え……え?えぇ……??)



足柄(もういい………もういいから)カァ…///



VAVA「お前の闘争心は艦娘として素晴らしいものだ……以上」



漣「ホントに三十個言えましたね…」



VAVA「約束だ。出て来い」



ガチャ…



足柄「こんな私でいいの…?」



VAVA「そう言ってるだろ。早くいつもの自信を取り戻せ。足柄」



足柄「提督…ありがとう。なんだか、元気出てきたわ」



VAVA「先に行っててくれ」



足柄「わかった…待ってる」///



てくてく…



漣「…」ゲシッ!



VAVA「?」



漣「次はふこうさ…扶桑さんですよっ!」



VAVA「あぁ……今、何故蹴ったんだ?」



漣「蚊がいたのでつい」


扶桑の部屋



扶桑『私って……なんでこんなに駄目なのかしら」


扶桑『このまま……提督は私を忘れてしまうのでしょう』



扶桑『作戦にも編成されなくなったし…こんな欠陥戦艦、資材にしたほうが有意義よね……ふふふふふ』



VAVA(扶桑)



扶桑「!」



ガチャ…!



扶桑「提督…」



VAVA「扶桑、宴会行くぞ」



扶桑「……はい」



ガシュン…ガシュン…コツコツ…



漣「はっえ」



山城の部屋



山城「扶桑姉さまぁ…」



トントン…



山城「どなた?」



扶桑(山城、私よ…)



山城「姉さま!?」



ガチャッ!



山城「部屋から出て……行くつもりになったんですね?」



扶桑「えぇ…心配かけてごめんね」



山城「いいんです……山城は、お姉さまと一緒にいられるだけで…」



扶桑「行きましょうか…」



山城「はい!」



コツコツコツコツ…



漣「山城さんには声かけないの~?」



VAVA「あれでいいんだよ。山城の為を思うなら、あえて会わないという選択肢もある」



漣「曙ちゃんの件でちょっとビビッてません?」



VAVA「俺があの程度でブブるわけないだろうが。次でラストだ」



漣「やりました」キリッ…(サイドテール)



加賀の部屋



漣「ご主人様、張り紙がしてありますよ」



只今外出中です。今日中には戻ります。



VAVA「勝手なことを……鎮守府の何処かにはいるんだろうが」



漣「どうしますご主人様?解体す?解体す?(バラす?バラす?)」



VAVA「冗談でも、言っていい事と悪いことがあるぞ」



漣「すみません…」



VAVA「本人がいないのならば、説得のしようが無い。俺達も戻るぞ」



漣「はぁい……」しょぼん…



スサッ…



VAVA「早く乗れ。出発しちまうぞ」



漣「わぁ…………はい!さぁ、出発しんこー!!」ギュッ!



VAVA「アイサーキャプテン」スクッ…



ガシュッガシュッガシュッガシュッ……!



ラウンジ



わーわーー!!



武蔵「ここか。ちょっと迷ってしまった」



カコン…カコン……(松葉杖)



武蔵「先輩達、新入りの武蔵だ。姉の大和が世話になっているようで」ペコ…



大和「武蔵…!?寝てなきゃ体に障るわよ」



武蔵「固いこと言うな。ビールくらい飲ませろ」



大和「男の人みたいな口調やめなさい。あなた、まだその癖が直っていないのね」



武蔵「うるさいな。これでも気をつけてる方だぜ」



長門「大和よ。このような祝いの席で説教とは、いただけんなぁ」グビグビ!



大和「長門さん…すみません。妹がとんだ粗相を……」



武蔵「俺……私は、別に何も悪いことはしてないだろう」



武蔵「はい。ではお言葉に甘えて」カタ…



長門「大丈夫か?手を貸そう」



武蔵「ありがとうございます」スト…



大和「あっ……長門さん、ありがとうございます。武蔵……一杯だけだからね」



武蔵「はいよ」



長門「はっはっは!仲が良い姉妹じゃないか。武蔵、この長門が注いでやろう」



武蔵「どうも!良い先輩だな。大和」



大和「そうね、こんなに良い人滅多にいないわ」



トクトクトク…



長門「かんぱーい!」



武蔵「乾杯!」




北上「おかえり」



VAVA「おう」



天龍「あぁ~~もう!いいってさぁ!!気にしてねぇから離れろよ龍田ぁ~~~!」



龍田「ごめんね天龍ちゃん……ごめんね、ごめんね……」



北上「熱いねぇ~~二人とも!ねぇ、提督。ちょっと……」クイクイ…



VAVA「?」



スタスタ…ガシュン…ガシュン……



翔鶴「今回は、素直に譲ります」



利根「何をじゃ?」



翔鶴「いえ!何も…」



利根「……翔鶴。せっかく宴じゃ、笑って過ごそうではないか」



翔鶴「利根さん……そうですね」ニコ…



利根「なのじゃ」ニパッ!




執務室



カラン…



北上「くぅ~~……これこれ。これが飲みたかったんだ」



VAVA「値段はそこまででもないが、手に入りにくい。いい酒だ」



北上「美味しい銘柄だね。やっぱバーボンはロックだよね」



VAVA「そうだな」



北上「…」クイ…



VAVA「…」



北上「あれ、提督は飲まないの?」



VAVA「あぁ」



北上「ふーん、バーボンの気分じゃないとか?」



VAVA「そんなところだ。気にしないでくれ」



なでなで…



北上「あ……へへ。あたしの髪、さらさらでしょー?」



VAVA「滑らかだ」



北上「んふふ~いいよ、続けて続けて♪」クイ…



なでなで……




北上「約束のバーボン、美味しかったよ」



VAVA「たまになら、また飲ませてやってもいいぜ」



北上「ありがとね。そろそろ、あっちもお開きになる時間だろうから、あたしはこのまま寝るよ」



VAVA「そうか。よく休んでくれ」



北上「お休みのちゅー…♡」



VAVA「…」



北上「やっぱり、兜は脱げないんだ?」



VAVA「俺にも事情があってな」



北上「あたしは、提督がどんな顔してようが構わないんだけどね」



VAVA「…」



北上「ふふ、無茶言ってごめん。お休み、提督」ちゅ…



VAVA「……あぁ」


執務室



カキカキ…



VAVA「…」サラサラ…



VAVA「こんなものか。時間も丁度いいな」



トントン…



VAVA「誰だ?」



大淀(夜分にすみません。大淀です)



VAVA「入れ」



ガチャ…



大淀「こんばんは…」



VAVA「二日酔いはもう大丈夫か?」



大淀「はい……提督、ごめんなさい」



VAVA「なんだ、やぶからぼうに」



大淀「今回の作戦でお役に立てなかったことが申し訳なくって…」



VAVA「不可抗力だ。気にすることは無い」



大淀「ありがとうございます…」ペコ…



VAVA「所で大淀。明日のことなんだが」



大淀「なんでしょう?」



VAVA「明日は、外出してくる。俺がいない間、留守を頼んだぞ」



大淀「外出……どちらへ?」



VAVA「内地でゆっくり休養を取りたいと思ってな」



大淀「成程、そういうことでしたか。確かに、提督にはお休みが必要ですね」



VAVA「次の日には戻る。手続きはこれでいいんだろう?」ピラ…



大淀「……はい、間違いありません」



VAVA「ありがとよ、参謀。お前がいるから、安心してここを任せられる」



大淀「…」///



大淀「あ……ヘンダーソン嬢には、なんとお伝えしましょうか?」



VAVA「あいつはあと三日ほど滞在するらしいからな。これをあいつに渡しておいてくれ。食った飯の分ぐらい働いてもらおう」



大淀「わかりました」



VAVA「うむ。もう下がっていいぞ」



大淀「はい、失礼いたします。お休みなさい」


深海BAR ダーウィン



キュッキュ…



港湾「…」フキフキ…



泊地「…」そわそわ…



ガタッ…



泊地「!」ビクッ!



「マスター オ勘定」



港湾「イツモ アリガトウ。ハイ、オツリ」



「最近ボーキ ノ レート ガ 上ガッタ ヨナァ」



港湾「ソウネ」



「集積地様 モ 何 考エテン ダカ。ジャ、マタネ」



港湾「マイドー」



「泊地様、オ先 ニ 失礼シマス」



泊地「ウ、ウム。気 ヲ ツケテナ」



泊地「…」そわそわ…



港湾「ア、VAVA」



泊地「ドコ!?」ガタンッ!



港湾「ウソ~」



泊地「コイツメ!謀ッタナ!!」



港湾「ダッテ、ジュース バッカリ 頼ムンダモノ。ジュース ハ 発注 少ナイカラ スグ 無クナッチャウ」



泊地「悪カッタナ!ジャア、生ビール ト シラス、枝豆、ゴボウ揚ゲ!!」



港湾「カシコマ」



てってって~…



北方「オネーチャン、オナカヘッタ」



港湾「ハイハイ、コレ終ワッタラ 南方 ノト 一緒ニ 作ッテ アゲルカラネ。チョット 待ッテテ」



北方「ハーイ。ポ……?」



泊地「オ、オォ、ホッポ マタ来タゾー」そわそわ…



北方「…」じー…



北方「オネーチャン、ハクチ、変ナ 格好 シテル。全然 似合ッテナイ」



泊地「エェ!?」ガーン!



北方「服 ノ 色 ガ 肌ニ 合ッテナイ。泊地、青 着テルト ゾンビ ミタイ。デロデロ~!」



港湾「コラ。精一杯 オメカシ シタンダカラ、ソンナ コト 言ッチャ 失礼デショ」



北方「ダッテ、テレビ デ 言ッテタ モーン。コレ ダサコーデ。イケテナイ!」ビシィッ!



泊地「ダサコーデ…」



港湾「ダ、大丈夫ヨ。良ク似合ッテルワ。泊地」



泊地「……今ナラ マダ 間ニ合ウ。イツモノ ニ 着替エテ クル!!」ビューン!



ガタ……バタムッ!!



港湾「ア~……モウ、ホッポッタラ!」こつん!



北方「アテ!」


南西諸島海域



ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」



VAVA『バーに着いたら何を飲むか……一杯目にはとりあえずビールだな。二杯目はバーボン。三杯目はチョコレートと一緒にウイスキーでも……』



スィー…



VAVA「?」



VAVA『なんだ…?なにやら、でかい影が近づいてくる……』



『ココラモ 大分 変ワッテシマッタナ……迷ッテシマッタ。オ、イイ所ニ』



「……モシ」



VAVA「…」



「…モシ?」



VAVA「俺に何か用か?」



『ナンダ、コイツハ。無礼 ナ ヤツダ……ココハ田舎 ダカラ 仕方ナイカ』



「道 ヲ 聞キタイノダガ、泊地要塞 マデ 行キタイ」



VAVA「ここから、月の方角に向かって真っ直ぐ進めば着く」



「ソウカ。アリガトウ。名前 ヲ 聞イテ ヤロウ。泊地 ニ 伝エテヤルゾ」



VAVA『泊地?こいつまさか…』



VAVA「まずは自分から名乗るものだろう?」



「ムッ……」



「……ソウダナ。オマエ ノ 言ウ 通リ ダ」



空母「我 ガ 名ハ 空母棲鬼 。覚エテオクガイイ」




VAVA『やはり姫か……ここはひとつ、偽名でも名乗っておくか』



VAVA「スティングだ」



空母「スティング…?珍シイ 名前 ダ。最近ハ ソンナ 名前ガ 流行ッテイルノカ」



VAVA「もういいか?」



空母「アァ、手間 ヲ 取ラセタナ。ソレト オマエ」



VAVA「ん?」



空母「ソノ 言葉遣イ、直シタホウガイイゾ」



VAVA「俺は俺の好きなように喋る」



ガシュン……ガシュン………



空母「……行ッテシマッタ」



空母「好キナヨウニ喋ル……カ。面白イ、気ニ入ッタ。スティング……覚エテオクゾ」



スィー…




泊地要塞 正門



空母『アノ スティング トカ 言ウノニ 感謝セネバナ』



空母『懐カシイ。ココヲ 訪レルノハ 久シ振リダ』



空母『予定ヨリ 早ク 着イテシマッタガ、泊地 ナラバ 問題アルマイ』



スィー…



空母『ウム、ヨク 掃除 サレテイルナ。正門 ハ 要塞 ノ 顔。流石 ハ 泊地ダ』



空母「…」



シーーーーーーーーン…



空母「…オカシイナ。正門 ニ 誰カガ 近ヅイテイル ト イウノニ、誰 モ 出テコナイゾ」



トントン



空母「ココヲ 開ケテクレ。私 ハ 空母棲鬼ダ 」



空母「…」



ドンドン!



空母「誰カ 居ナイノカ!オーーーイ!」



シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…



空母「…」



空母「様子 ガ オカシイ……仕方アルマイ」ガシッ…



ギギギギギギィ……!!



空母「入ルゾ」


泊地要塞 エントランス



コツコツコツ…



空母「ヤハリ、玄関ニハ 誰モ 居ナイノカ。ン……?」



〔受付不在 ノ 場合、御用 ノ 方ハ コチラ ノ ベル ヲ 押シテ下サイ。係リ ノ 者 ガ ゴ案内致シマス〕



空母「オォ、コレハイイ。私 ノ 城 デモ 採用シヨウ」ポチ!



リンゴンリンゴーーーン!



空母「…」



空母「来ナイデハナイカ…」



〔コチラ ニ オ掛ケニ ナッテ オ待チ 下サイ〕



空母「…」スト…



空母「…?」



〔オ飲ミ物 ハ セルフサービス デ ゴザイマス。ゴ自由 ニ オ飲ミ下サイ〕



空母「…」スクッ…



シャバー…



空母「…」ストン…



空母「…」ゴクゴク…


しばらくして……



「ウェーーーイ……呼ビ鈴 ノ 音 ガ シタケド、誰カ イタズラ シタノカ~~?」



空母「…」スピ~…zzz



「!?」サァー…!



空母「…」スヤァ…zzz



「ク…ク…空母棲鬼様ァ!?」



空母「ンニャン…?」パンッ!



「ア、案内 ガ 遅レテシマイ、申シ訳ゴザイマセンッ!!!」土下座



空母「寝テシマッタ カ……最近 ユックリ 睡眠 ヲ トレテ イナカッタカラナ」ゴキゴキ…



「アノゥ…」



空母「案内 ガ 遅レタ 事ハ 許ス。質問ニ 答エヨ」



「ハハァッ…!」



空母「コノ 要塞 ニハ オマエ 以外 誰モ 居ナイノカ?」



「イエ、ソノ……」



空母「宴?」



「ス、スミマセン!!空母様 ガ イラッシャル トハ、ツユ知ラズ…!」



空母「ソウイウ 事 ダッタノカ」



「ハハーッ!」ぺコォ!



空母「ヨイヨイ。宴 ノ 日ニ 訪問 スル トハ、私モ 無粋ナ 事 ヲ シタ。スマナカッタナ」



「滅相 モ ゴザイマセン!ヨロシケレバ、空母様 モ ゴ一緒ニ…」モミテモミテ…



空母「私 ガ イテハ、オマエ達 ガ 羽根 ヲ 伸バセマイ。ドコデモイイ、空イテイル 部屋ヲ 貸シテクレ。ソコデ、休マセテ モラオウ」



「カシコマリマシタ!スグニ ゴ用意 致シマス!」



空母「待テ、私ガ 来タコトハ、泊地 以外ニ 報セル デナイゾ」



「ハッ!仰セノ通リニ!!モウ 少々 オ待チクダサイ!!」



空母「ウム」


泊地要塞



「フワァ~~~チョット 飲ミ スギタカナ…」


「言ワンコッチャナイ。酒 強クナイ クセ ニ」



ヒュン…ッ!!



「今、何カ シタカ?」


「イヤ?」



ヒュン…ッ!!



「アレ、風ヲ 感ジタゾ?」


「ココハ 深海ダ。風ナンカ フカナイ」



ガチャ…




「ホラ、オマエ ノ 部屋 ニ ツイ…タ……」




空母「…」ク~…zzz




「」



バタン…



「ドシタ?」


「ドウヤラ、私モ 飲ミ過ギタラシイ…」


「ア、オイラ ノ 部屋 コッチダ。オマエ 一部屋 間違エタンダヨ」



深海BAR ダーウィン 入り口前



VAVA「ついたぜ」うきうき♪



VAVA『土産も持ってきた。チビ、喜ぶだろうな』



ギューーーン……ガッ!



ドンガラガッシャーーーーーーーーーン!!



VAVA「…」



(待テ、違ウンダ。チョット 転ンダダケ……)



(カエレ!)ドッゴォ!



(ウギャアアアア!!)




ピュ~~……ズサササァーー!




VAVA「…」



泊地「ハハハ……奇遇ダナ。VAVA」ボロボロ…



VAVA「取り合えず、風呂でも借りたらどうだ?」


深海BAR ダーウィン



港湾「アリガトウネ、南方。北方 ヲ 庇ッテクレテ」なでなで…



南方「痛カッタ~!」



北方「ハクチ!ユルサナイ!!」がるる!



港湾「抑エテ、ホッポ」



北方「オ店モ 壊サレタ!!絶対 ニ ユルサナーーーイ!!」がぉー!!



VAVA「…」トントントン…ギーコギーコ……



港湾「VAVA モ アリガトウ」



VAVA「いいって事よ。その場しのぎの応急処置だ」



港湾「請求書 作ラナキャ……エーット…ドア、テーブル、椅子、各種ボトル、ビールサーバー、ジュークボックス……ア……」



VAVA「どうした?」



港湾「コレ、昔 拾ッタ物 ダカラ……モウ 直セナイカモ 知レナイ」



VAVA「ここまで古い物だと、新しく生産している工場も少ないだろうな」



港湾「中 ノ レコード モ ボロボロ……」ハァ…



(アガッタゾー…)



港湾「今行ク」スタスタ…



VAVA「…」



北方「ウーッ!」ぷんすか!



ひょい



北方「ポ…」



VAVA「あれぐらいの破壊、許してやれよ。悪気は無いんだろうからな」



北方「ヴァヴァ…ゥーーー……」



VAVA「…」なでなで…



北方「…」わしゃわしゃ…



北方「……ウン。ホッポ、ハクチ許ス」スン…



南方「ナンポー モ 許スー!」



VAVA「え…えらいぞ」



北方「エライ!」


南方「エライ!」



VAVA「そうだ、土産を持ってきてやったんだ。あけてみろ」



北方「オミヤゲ!?アリガトー!!!」



ヒラヒラ~♪(VAVA製 ノースリーブワンピース)



北方「ワーー!可愛イーーー!!アリガト!!」ギューッ!



VAVA「そんなに嬉しいか?」



北方「ウレシーーーー!ヴァヴァ ノ 色、カッコヨクテ 好キー!!」



VAVA『良い感性をしている』



南方「イイナァ…」



北方「ポ…ヴァヴァ、ナンポー ノモ 作ッテ!!」



VAVA「……考えておこう」



VAVA『チビとはサイズが違うからな……資材と相談する必要がある』



スタスタ…



泊地「VAVA、待タセタ」縦セタ



VAVA「それはマスターのか」



港湾「コレシカ 持ッテナイカラ……」



泊地「ナンカ、恥ズカシイ」



VAVA「やはり、マスターの方が似合うな」



港湾「ウフ…」///



泊地「コノ 敗北感……コノ 私ガ 負ケルトハ…」ダボダボ…



港湾「ホッポ、ソレ ハ 何?」



北方「コレ!ヴァヴァ ガ クレタノ!!ホッポ、宝物 ニ スル!!」



港湾「マァ!ソウナノ。VAVA、イツモ ホッポ ヲ 可愛ガッテクレテ 本当 ニ アリガトウ」



北方「アリガトウゴザイマシュ」ペコ…



VAVA「大した事はしていない。マスター、チョコレートとウィスキーをくれ。銘柄はマスターの勧めでいい」



港湾「カシコマ」



泊地「港湾、ゴメン…悪カッタ」



港湾「モウイイワ。今日 ハ モウ店閉メルカラ、イッパイ 飲ンデ イッテネ」



泊地「スマン…デハ、私 ハ ハイボール ヲ クレ」



港湾「カシコマ……コレ、請求書ネ」ピラッ…



泊地「ウグ……無駄 ニ 高イ 椅子 ヲ 使ッテ……テーブル マデ コンナニ!?」



港湾「期日マデニ 納メテネ。ハイ、ココニ サイン ト 拇印 押シテ」



泊地「トホホ……モット 落チ着イテ 来レバ ヨカッタ」サラサラ…ペッタン!



北方「オネーチャン!ホッポ、コレ 着テクル~!」



南方「待ッテ~!」



港湾「走ッチャダメヨ」



タタター…



泊地「ホラ、書イタゾ」



港湾「ハイ、確カニ」



泊地「ハァ…………ナァ、VAVA。此度 ノ 戦イニ 介入シテシマッタコト、許シテクレ」



VAVA「急にどうした」



泊地「私 ト シテハ、VAVA ノ チカラ ニ ナリタインダ。ワカッテ欲シイ」



VAVA「……謝るべきは俺のほうだ。迷惑をかけてすまなかった。お前がいなければ、あの六人も鎮守府も全滅していたかも知れん」ス…



泊地「ナッ……ヨセ!VAVA ガ 頭 ヲ 下ゲル 姿 ナド 見タクナイ!!」



VAVA「けじめだ。俺が戦艦を倒していれば、お前のチカラを借りることも、部下を危険に晒すこともなかったんだ」



泊地「VAVA…」



VAVA「完敗だ。俺一人ではどうにもならなかった……」


港湾「二人トモ」



泊地「?」


VAVA「?」



港湾「ソウイウ 暗イ 話 ハ モウ ヤメマショウ」コトン…



VAVA「マスター…」



泊地「ソウダナ!港湾 ノ 言ウ 通リダ。嫌ナ 事 ハ 忘レテ 飲モウ!!」



VAVA「泊地…ありがとう」



泊地「乾杯!ンク…ンク……ブッ!?VAVA…今……」



グイッ……ゴトン!!



VAVA「マスター、バーボンだ」



港湾「マァ、早イ……イツモノネ♪」



泊地「ナァ~VAVA!モウ一回 言ッテクレ!!スッゴク 可愛イ カッタゾ!!頼ム!モウ一回」



VAVA「知らん」


ワイワイ!



タタター!



北方「ミテミテー!」くるりん!



泊地「可愛イナァ!」



港湾「ホント。VAVAッテ 何デモ デキルノネ」



VAVA「どれも趣味のようなものだ……本職には負ける。よく似合ってるぞ、チビ」クイ……パク…



南方「…」じー…



VAVA「……チョコレートが欲しいのか?」



南方「!」コクコク!



VAVA「やるよ」



南方「ワーイ!」むしゃむしゃ!



VAVA「…」



泊地「色々 試シタ ラシイガ、記憶 ガ 戻ル 気配ハ 無イ ヨウダ……」



VAVA「そうか」



泊地「生意気 ナ ヤツ デハ アッタガ、仕事 ハ 真面目 ニ コナシテイタ カラナ」



VAVA「例のエンブレムを握っていないが」



港湾「ペンダント ニ シテアゲタノ……服 ノ 内側 ニ シマッテイルノヨ。アレナラ 安心デキル ミタイ」



VAVA「……このまま南方が元に戻らなかったらどうなる?」



泊地「南方 ノ 統治 シテイタ 海域 ヲ 別 ノ 姫 ガ 治メル コトニナルナ。今 ハ 臨時 デ 私ガ 治メテイルンダ」



VAVA「俺は、間接的にお前を苦労させているようだ」しゅん…



泊地「確カニ 楽デハナイ。ガ、コウシテ 時々 VAVA ト 酒ヲ 飲ミ交ワスコト ガ 出来テイルンダ。私ハ、今 ノ 生活 ニ 満足シテイル」



VAVA「泊地…」



泊地「VAVA…」



ズイズイ!グリグリ…!!



北方「ウーッ!」通せんぼ!



泊地「ワッ……ホッポ」



北方「ハクチ、ヴァヴァン ニ 近ヅキ スギ。ハナレロ!」ひしっ…!



港湾「アラ、ヤキモチ 焼イテルノ?」



北方「…!」ぷいっ!ツーン!!



VAVA「…」ぽすっ…なでなで



北方「~♪」すりすり~!(VAVAの膝上)



泊地「グスン……イイ雰囲気 ダッタノニ……酷イヤ ホッポ」



VAVA「……そうだ。泊地」



泊地「ナニ?」きょとん



VAVA「空母棲姫……という姫について教えて欲しい」



泊地「空母…?アァ、ソウダ。近々 コッチニ 来ル ト 言ッテイタッケ」



VAVA「詳しい話を聞きたいんだが」



泊地「マァ、特ニ 秘密ナ 話デハナイシ、イイダロ。空母棲鬼トハ……」



VAVA「つまり……空母棲鬼 は 戦艦棲姫 に次ぐ古参の姫であり、深海 No.2の実力者」



VAVA「無駄な争いを好まないことから、俺の敵になる可能性も低い」



VAVA「そして、姿をくらませた妹分の 装甲空母鬼 の 領海を仮統治しつつ、行方を捜そうとしている。と……」



泊地「マァ、ソウイウ 訳ダ。装甲ノヤツ、VAVA ニ 破レテ 以降、何処 デ 何ヲ シテイルンダカ……アイツ ハ 若ク 未熟 ダ」



VAVA「…」



港湾「…」



泊地「大方、負ケテ 臣民 ヤ 我々 ニ 見セル 顔 ガ 無クナッタンデ、今 モ 何処カニ 隠レテイルンダロウ。傲慢 ナ 割ニ 臆病 ダシ」



VAVA「以前にもそんなことがあったのか?」



泊地「アルモ何モ……アイツ ハ 我侭 過ギテ、何度 モ 他ノ 姫 カラ 叱ラレテイル 程 ダッタカラナ。公務 ヲ バックレタ 事モ 100回以上アッタ」



泊地「他ニモ (燃料 ガ 無キャ コーラ ヲ 飲メバイイ)トカ(鋼材 ハ 臣民 カラ 徴収 スル)トカ」



泊地「オ馬鹿 ナ 事 ヲ 言ッテハ、アクドイコト バカリ シテイタンダ」



泊地「コンナコトモ アッタナァ。飛行場姫 トイウ 非常 ニ 頭 ノ キレル 姫 ガ イルンダガ…」



VAVA『リコリスか』



泊地「昔、ソイツニ 儲ケ話ガ アル ト 騙サレテ、財産 全テヲ 奪ワレタ事 ガ アルンダ。実 ニ 愚カ ト イウカ 単純 ト イウカwww」ケラケラ!



VAVA『リコリス…』



泊地「マルデ……昨日 ノ 事 ヨウダ……懐カシイナァ。ハッハッハ!笑イガ 止マラン♪」



VAVA「興味が沸いたな。その後、装甲はどうしたんだ?」



泊地「空母 ニ 泣キツイタンダ。話 ヲ 聞イタ 空母 ハ、私的 ナ 財産 ノ 半分 ヲ、利子 無シデ 装甲ニ 融資シタ」



VAVA「無利息だと…!?」



泊地「無論、ソレダケジャ トテモ 臣民 ヲ 養ッテイケナイ。ココデ、空母 ハ モウ一人 ノ 妹分 デアル 空母水鬼 ニ 声ヲ カケタ」



VAVA「水鬼…?」



泊地「姫 ノ 呼称 ノ 一ツダ。コノ 場合、略称 ハ 空水 トナル」



VAVA「ほう……それで?」



泊地「空水 ハ、優秀 ナ 部下 ヲ 何人 モ 装甲 ノ 下 ニ 派遣シ、装甲 ノ 臣民達 ニ 様々 ナ 知識 ヲ 伝エタ。コウシテ、装甲 ハ 破産 ヲ 免レタンダ」



VAVA「過保護だな」



泊地「アァ、情ケナイ ト 思ッタヨ。アマリ 親交 ノナイ 姫達 ノ 中デ、アノ 二人 ダケハ イツモ装甲 ヲ 心配シテイタ」



VAVA「同じ空母タイプだからか?」



泊地「カモシレン。当時 ノ 戦艦 モ アノ 対応 ニハ 唖然 ト シテイタモノダ……戦艦」



VAVA「……グラスが空だぞ。バーボンでも飲むか?」



泊地「アァ……港湾、バーボン ヲ ロック デ」



港湾「カシコマ」



VAVA「どこにでも馬鹿はいるものか…」



北方「オハナシ ナガイ……ツカレタ」



南方「ナンポー モ 眠タ~イ…」



港湾「ハイハイ、モウ 二階 ニ 上ガッテナサイ」



北方「ヤダ……ヴァヴァ、タマニ シカ アエナイモン」



VAVA「そんなことないぞ。これからはもっと来る頻度を増やすつもりだ。だから、もう寝ろ」



北方「ヒンド?」



VAVA「いっぱい来るってことだ」



北方「エヘ……ワカタ。モウ寝ル」



泊地「マタナ、ホッポ」



北方「ウン。イコ、ナンポー」



南方「ハァイ……オヤスミ~」



港湾「オヤスミ♪」




数時間後…



泊地「イイカァ…VAVA…艦ムヒュ ハ シカタニャーガ……ワラヒ 以外 ノ 姫 ニ…手ヲ ダシタラ…泣イチャウゾ…ゥ…」グ~zzz



泊地「クカァ~~~~……」びにょーん…



港湾「アララ、ノビチャッタ」



VAVA「飲み過ぎだな」



港湾「泊地 モ カナリノ 酒豪 ダケド、VAVA ハ ソレ 以上ヨネ。マルデ、酔ッテナイミタイ」



VAVA「これでも、かなり酔っているんだぜ」



港湾「ソウカナァ?」



VAVA「…」



港湾「…」



VAVA「クハハハハッ!」



港湾「ウフフ!」



ジャラララ…



VAVA「またこんな時間を過ごしたいものだ」



港湾「私モ。VAVA……?オ勘定 間違エテルケド」



VAVA「泊地の分もだ。こんな状態では、代金も払えまい」



港湾「オゴリ?」



VAVA「いや、ツケさ。次に飲んだ時はこいつに払ってもらおう……じゃあな。チビ共によろしく言っておいてくれ」スッ…



港湾「VAVA」



VAVA「なんだ?」ピタ…



港湾「アナタ ガ イナクナッタラ、北方 モ 私 モ 寂シイ……自分 ヲ 大事ニ シテネ」



VAVA「優しい言葉だな……俺にはもったいないくらいだ」



港湾「…」じっ…



VAVA「……また来る」



港湾「マタネ」



ガシュンガシュン……ギィ……バタム…



トトト……ファサ…



泊地「グゥ~~…」



港湾「…」ニコ



カチャカチャ……シャワワ~~…



港湾「~♪」キュッキュ…




南西諸島海域



ガシュン…ガシュン…



VAVA『…』



VAVA『こんなに満たされたことはない…』



VAVA『昔の俺では達し得なかった満足感だ』



VAVA『……シグマとの戦いに突如現れた光、あれもリコリスが俺に見せた幻影だったのだろうか』



VAVA『真相は謎だが、この ビームサーバー の存在が、あれが夢でなく現実であったことを証明している』



VAVA『数多くのハンターの中で、これほど完成度の高い光学兵器を所持していたのはシグマだけ』



VAVA『いくらリコリスでも、これを手に入れることは至難のはずだ』



VAVA『問題は、リコリスにしろビームサーバーにしろ、次元の違う世界間をどう行き来したのか……だな』



VAVA『……地上はそろそろ一日経つ頃か』



VAVA『残りの時間は、あそこで過ごそう……』



ガシュンガシュン…


深海ハウス



ピンポーン



(ハァイ、ドナタ?)



VAVA「俺だ」



(!?!?!?!?!?!?)



ダダダダー…



ガチャ!



ヲ級「VAVA!」ぴょーん!



ダキッ…



VAVA「よう」ギュ…



ヲ級「!?」



VAVA「……どうした?」



ヲ級「…」ポッ…///



VAVA「?」



ヲ級「待ッテタノ……入ッテ入ッテ!」グイグイ!



VAVA「引っ張るなよ」



リビング



VAVA「大事な相棒だ。優しく扱ってくれ」カシュン…



ヲ級「ハイ。ハンガー ニ カケテ オクネ」



VAVA「リ級達はどうした?」



ヲ級「外出中ダヨ」



VAVA「そうか」



ヲ級「ネェ、VAVA。オナカ 空イテナイ?丁度 ゴハンニ シヨウ ト 思ッテタノ」



VAVA「そうだな、肖るとするか」



ヲ級「ヲ!チョット 待ッテテネ!!ハリキッテ 作ッチャウンダカラ!!」



VAVA「俺にも、手伝えることは無いか?」



ヲ級「手伝ッテクレルノ?ジャア、一緒 ニ 作ロウ!」



VAVA「うむ」


キッチン



トントントン…



VAVA「ワカメ等は分からんでもないが、野菜が常備してあるのが不思議だ……人参、玉葱、レタスにキャベツ?トマトやピーマンまであるぞ」」



ヲ級「人間 カラ オ野菜 ノ 種 ヲ 買ッテ、育テテイル オ姫様 ガ イルノ。ソノ オ姫様 ガ タダ デ 配ッテイル 物ナノヨ」



ヲ級「野菜 ヲ 下サイ ッテ オ願イスルト、タックサン オ野菜 ヲ クレルノ!」



VAVA「初耳だな。農業を営む姫がいたとは」



ヲ級「 泊地水鬼 様 ガ、自身 ノ 孤島デ コノ オ野菜 ヲ 作ッテイルノヨ」



VAVA「泊地…?」



ヲ級「ココ ヲ 治メテル 泊地棲鬼 様 トハ、従姉妹 ミタイナ モノナンダッテ」



VAVA「似てるのか?」



ヲ級「アンマリ」



VAVA「そうか」クスッ…



ヲ級「アハッ!」



コトコト…



ヲ級「ア……オ鍋ガ」スッ…


VAVA「おい、鍋が噴いてるぞ」スッ…



ピトッ…



VAVA「む、すまんな」



ヲ級「…」///



ガチャ……ガタガタ…



ヲ級「ウ……イイ所ニ…」



タッダイマーーーー!


リビング



イタダキマーーーース!



リ級「アムッ……ン~!コノ、炒メ物 VAVA ガ 作ッタノ!?美味シイワネー!!」



VAVA「まぁな。職場の味を再現したつもりだ」



チ級「艦娘達ハ イツモ コンナ 美味シイモノ 食ベテルノカァ……強クナル 訳ダ」



VAVA『間宮流 野菜炒め……深海でも好評だ』



ヲ級「VAVA、スープ オカワリ スル?」



VAVA「うむ」



ヲ級「ハイ!」



リ級「ソウソウ、今日 チ級チャン ト VAVA ノ 兵装探索 ニ 行ッテタンダケド…」



VAVA「何か見つかったのか!?」



リ級「ソウ 慌テナイデ。コンナモノ ガ 見ツカッタノ」ズイッ…



VAVA「見せてくれ……これは…ディスタンスニードラー!!」



チ級「VAVAサン モ 驚ク コトガ アルンデスネ」



VAVA「当たり前だ。これは、俺が最も愛用していた腕部兵装だ」



リ級「ソンナニ凄イ物ナノネ!ヤッタァ!私達、オ手柄ヨ!!」



チ級「ヤリマシタネ!」



VAVA「言い値で買おう。これさえあれば、もう負けはせん……!」



リ級「アト、コンナノモ アルワ」



VAVA「ナーバスゴースト!……ワイルドホースキックか、今の環境ではバーナーは意味が無いな……」



チ級「コレハ、自分 ガ 見ツケマシタ!」



VAVA「どれ……あぁ、これか」



チ級「ダメデスカ?」



VAVA「これは、俺が新型兵装を開発しようとしていた時に、偶然出来たものなんだ。失敗作としてな」



チ級「失敗作…」



VAVA「だが、作った俺でさえも予測できない弾道を見せる。中々に面白い腕部兵装だ。よく見つけてくれたな」



ヲ級「VAVAッタラ、ココニ 来タラ 武器 ノ 話 バッカリ」



VAVA「すまん。ついな」



ヲ級「ネェ、ソロソロ……飲マナイ?」



VAVA「お、いいぜ。ビールがいい」



ヲ級「ハァイ♪キンキン ニ 冷シテ アルカラ!」


横須賀鎮守府



中庭



スタスタ……スト……



あきつ丸「…」ポチッ



(今朝も元気に行きましょう。まずは屈伸。伸びの運動!)チャ~ンチャ~ララ~♪



きゅっきゅ…



あきつ丸「いっちに、さんし」



タッタッタ…



長良「おはようございまーす」



あきつ丸「長良殿、おはようございます。今朝も精が出ますな」



長良「あきつ丸さんこそ、毎朝ラジオ体操なんて健康的ですね」



あきつ丸「習慣でありますから。大したものではありません」



長良「ご一緒していいですか?」



あきつ丸「どうぞ。まだ前半ですから、最初からやるであります」



長良「はい!」



(……そして最後に深呼吸~……はい、お疲れ様でした)



あきつ丸「ふぅ~…」



長良「ふぃ~…」



カチッ…



あきつ丸「うむ。ちょうど、起床の時間であります」スチャ…



長良「あ、ラッパ!ここのラッパって、あきつ丸さんが吹いていたんですね」



あきつ丸「元々は、担当の妖精がいたのでありますが、毎朝早く起きるのが大変。と言っていたので自分が代わったのでありますよ」



長良「そうだったんですか。優しいですね」



あきつ丸「これも、習慣の一つであります。さぁ、陸軍仕込みの演奏、とくとご覧あれ」


ゲストルーム



リコリス「…」スヤァ…(全裸)



パラパッパッパッ♪パッパッパ♪パッパッパッパ~♪



リコリス「うぅん……ぁん……」もそもそ…



パラパッパッパッ♪パッパッパ♪パッパッパッパ~♪



リコリス「もう朝ぁ……」



トントントン!



リコリス「どなた?」



大淀(おはようございます、ヘンダーソン嬢。大淀です。提督からのお手紙を預かっているのですが、少々お時間をよろしいでしょうか?)



リコリス「ちょっと待ってくださいねっと……」スス…(部屋着)



カチャリ



大淀「どうも。この手紙に書いてある業務をヘンダーソン嬢に任せたいと。提督からの伝言です」



リコリス「ありがとう。何々……まぁ、結構あるわね」



大淀「提督はヘンダーソン嬢を頼りにされているようですから」



リコリス「そうかなぁ。私よりもあなたの方が何倍も頼りにされてると思うけど」



大淀「えっ……で、では、このあとは食堂で朝食ですから、時間を間違えないようにお願いします」ニヤ…



リコリス「はーい」



厨房



装甲「ぐぬぬ……なんで私があいつに飯を盛ってやんなきゃなんないんだ…」ぶつぶつ…



間宮「装甲ちゃん!赤城さんが見えたからAシフトお願い!!」ジュウ~…



装甲「はい!只今!!」



「おうおう、お前もなかなか素早くなってきたじゃねーか。その調子でがんばりな」



装甲「はい先輩!ありがとうございます!!」



装甲『せいぜいアホ面で頬張るがいいわ……あの悪女。いや、悪魔め!』



間宮「装甲ちゃん!次、大和さんが来たわ!Yシフト急いで!!」



装甲「は、はいぃ!!」カチャカチャ!



間宮「それ、黒潮ちゃんは納豆じゃなくてふりかけよ!」



装甲「あぁ!?そうでした…!」ガサガサ…



間宮「待って!れでぃプリンには旗を立てるッ!!」



装甲「すみませぇーーーん!」スポ…



「まだまだヒヨッ子だな……」



食堂



リコリス「美味しい~」もぐもぐ…



初雪「…」



深雪「うんまいなぁ~~~この納豆!」



磯波「うん……これ、この鎮守府で作ってるんだって」



吹雪「え!私、知らなかった……」



白雪「大丈夫よ、吹雪ちゃん。私も初耳だし」



叢雲「甘いわね。まるで甘納豆よ。ここで出してる食品は、ほとんどがここで作られているのよ」ぱくぱく…



吹雪「そうだったんだぁ……じゃあ、このお米は?」



叢雲「妖精さんたちが作ったお米よ。司令官主導で、特別妖精部隊が編成されているらしいわ。流石は司令官」



リコリス「ふ~ん!色々やってるのねぇ」



深雪「でもさ、米って食えるようになるまで時間かかるんだろ?無理じゃね?」



叢雲「私たちと妖精さんは、一緒にいるようで、別の時間を生きている……という説があるわ」ぱくぱく…



白雪「疲労状態からたった数分休んだだけで、すごく元気になるのもそのせいなのかしら?」



リコリス「普通なら数ヶ月単位で掛かる建造も、とても少ない時間でこなしちゃうものね」




吹雪「すごいなぁ~妖精さん!」



てってって~♪



「わたしらの話ししてんのー?」


「ほめてほめてー!」


「納豆、食べてくれないの…?」


「頑張って大豆育てたのに~…」



初雪「うっ…は、鼻つまめば食べれるから……」



リコリス「じゃあ、こうしたら美味しく食べられるんじゃない?」きゅぽん!タラリ…



初雪「ポン酢?」



リコリス「独特の臭みも消えて、さっぱりするわよ」



初雪「ヘンダーソン嬢が言うなら……」まぜまぜ…



ぱく…



初雪「ん……おいしい!」



「わーい!」



リコリス「良かったわね。食べてもらえたわよ~!」なでなで!



きゃーきゃーー♪



リコリス「ほんっと、妖精さんて小さくて働き者で可愛いわぁ~!」わさー!

教室



ざわざわ…



暁「ヘンダーソン嬢の座学、緊張するわ……」ぷるぷる…!



電「なのです…!」



雷「大丈夫よ!いっつも勉強してるんだから、こわいことないわ」



雪風「あっ!大変です!!消しゴム忘れちゃいました!!」



黒潮「ほら、これあげるで」



雪風「お姉ちゃん、ありがとうございます!」



満潮「そろそろ時間よ。みんな静かになさい」



キーンコーンカーンコーン!



ガラ…………キリッ!



コツコツコツ……



リコリス「…」きらーん☆(メガネ)



リコリス「五月雨ちゃん。号令、お願いしていいかしら?」



五月雨「はいっ!起立!!」



ザッ…



五月雨「礼!」



ペコリ…



よろしくお願いしまーす!!



五月雨「着席!」



スサッ…



リコリス「ありがとう。五月雨ちゃん」



リコリス「改めて、自己紹介をさせて頂きます」



リコリス「陸海両軍において、特別軍事顧問として勤務しています。リコリス・ヘンダーソンです」



リコリス「まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします」ペコリ…



パチパチパチパチーッ!!!



リコリス「こほん……ではこれより、深海棲艦の(生態)と、遭遇した際の(対処法)を一緒にお勉強していきましょう」



はーーーーーい!!



リコリス「教科書はみんな貰ったわね?」



はーーーーーい!!



リコリス「これね、実は私が書いた教科書なのよ♪」



すごーーーーい!!へぇー!さすが……



リコリス「ありがと!じゃ、教科書はもうしまっちゃいましょうか!!」



えぇーーー!?



リコリス「教科書に載っていることも勿論大事だけれど、それだけでは苛烈な戦場を生き残れないわ」ギロ…!



確かに……うんうん…



リコリス「教科書は私が帰った後にじっくり読んでね。と言うことで、このモニターに注目!アシスタントさん、お願いします」



長門「はい、先生」ポチッ!



リコリス「質問があれば、いつでもしていいからね。その都度手を上げて知らせて頂戴」



はーーーい!



リコリス「さて……これが私たちの敵、深海棲艦よ。世界中の海に存在している謎の存在……」


リコリス「何故、人類を襲うのか?何処で生まれ、どう育つのか?諸説あるけど、どれも確信足りえる説が無いのが現状ね」



初春「はい」ノ



リコリス「お、いきなりきたわね。意欲があって宜しい!どうぞ、初春ちゃん」



初春「世界中にいるのに、どうして未だに正体が掴めないのか。ヘンダーソン嬢の考えを伺いたいのぅ」



リコリス「いい質問ね。それには深海棲艦の生態が関与していると、私は思うわ」



初春「と言うと?」



リコリス「深海棲艦は、基本的に陸には近づかない。だから調査をするには、こちらから深海に出向く必要があるの」



初春「…」ごくり…



リコリス「潜水艦の艦娘。それも平均Lv80オーバーのベテランチームでも、深海は生きて帰れるかどうかもわからない危険な場所……」


リコリス「人間がただの潜水艦に搭乗して、深海を調査できると思う?」



初春「自殺行為じゃ…」



若葉「はい、先生。では、大勢の潜水艦娘で調査をすればいいのでは?」



リコリス「深海棲艦は、生き物の気配を鋭敏に感じ取るわ。貴女達の最大編成が6隻なのも、容易に位置を悟らせない為なのよ」



若葉「う~む……」



リコリス「今まで、そういった試みが無かったわけではないわ」


リコリス「人類はこぞって、鹵獲しようとしたり、死体を持ち帰ろうと努力した……」


リコリス「けど、どれも満足のいく結果は残せていないわ。犠牲者は増えるばかり」



初春「もう……結構。続きをお頼み申す」



リコリス「OK。で、この個体は……」



しばらくして…



リコリス「……であるからして、私の提唱する説は、深海棲艦は姫タイプを頂点とした階級社会を構成し…つまり、こんな感じね?」(階級ピラミッド)



リコリス「おっと、そろそろ時間が…対処法は教科書を復習してもらうとして。要点だけまとめるわ」



リコリス「深海棲艦の数は半端じゃないということ。陸よりも海の方が大きいから当然ね。例外的に、姫タイプは個体数が少ないけど、それぞれが一騎当千の戦力を持っていること」



リコリス「ヒト型には知性がある説が現状有力であり、体の構造とかについては、ほとんど謎なこと。そして…」



キーンコーンカーンコーン!



リコリス「深海棲艦を倒せるのは、艦娘だけだということ」



リコリス「はい、休憩よ~20分後にまたここでね」



パチパチパチパチパチーーーーーーーーッ!!



リコリス「みんなありがとう!そんなに面白かった?」



朧「とても興味深い内容でした。対処法も今後に生かせると思います」



潮「あの…ヘンダーソン嬢」




リコリス「なぁに?潮ちゃん」



潮「授業ではなく、個人的に聞きたいことがあります……」



リコリス「いいわよ。何でも聞いて」



潮「深海棲艦には、知性……つまり、私達と同じように、考えたり、感情があるかもしれない。ということですよね?」



リコリス「私はそう信じているわ。今のところはね」



潮「ならいつか…深海棲艦と、お…お友達になれるかも……ってことですか?」



シーーーーーーーーーーーーーン……



リコリス「そうねぇ……私も、あくまで個人として答えるけど」



潮「はい…」



リコリス「きっと解り合えるわ。もしかしたら…」



潮「?」



リコリス「貴女が大人になる頃には、深海棲艦が地上に遊びにきたり。人間と艦娘が海に遊びにいく。なんて世界になってるかもよ?」



潮「そうなったら……素敵ですね。戦争は、嫌いです」



リコリス「私もよ。その気持ちを忘れないでね」



潮「はいっ!」


泊地要塞



ガヤガヤ…



オーイ、折リタタミ テーブル ドコ ニ シマウンダー?



パイプ椅子 数ガ 合ワナイゾー!



ゴーヤ「パーティも終わって、皆かたづけしてるでち。ふわぁ~…」



ル級「楽シカッタナ」



ゴーヤ「はいでち!ゴーヤも手伝います!!」



ル級「イヤ、アノ 仕事ハ 泊地様 ノ 部下 ノ 仕事。手出シハ 無用ダソウダ」



ゴーヤ「そうでちか」



ル級「サテ、私 ハ 泊地様 カラ トアル 命 ヲ 受ケタ」



ゴーヤ「命?」



ル級「客人 ヲ 無事 送リ帰ス 任務ダ。適任 ヲ 探シテイル 時ニ、私 ガ 名乗リ出タ。泊地様 ハ 快諾シテ 下サッタヨ」



ゴーヤ「ル級さん!」



ル級「準備 ガ 完了 シタラ、直グニ 出発 スルゾ」



ゴーヤ「はいでち!」



ル級「デハ 行クゾ」



ゴーヤ「へ?もう準備はいいでち?」



ル級「食事 ダ。食ベ 終ワッタラ 出発ダゾ」



ゴーヤ「準備ってごはんの事だったでちね」



泊地要塞(食堂)



ゴーヤ「わぁ~!海の幸がいっぱい!マグロでち!!それに……ヒラメに、ウニに、サザエに、伊勢海老!?」



ル級「コレ ガ ドウカシタカ?」



ゴーヤ「すぉごい!それにこの照り!大きさ!全部天然物でち!!普通に食べたら数万じゃきかないでち!!」



ル級「天然?アァ、海洋資源 ハ 我々 ガ 押エテ イル カラナァ……地上デハ コンナモノ デモ 貴重 カ」



ゴーヤ「こんなもの!?……提督が漁にいくから、お魚はけっこう食べれるけど、コレだけ高級な物は目にしたことがないでち!!」



ル級「マァ 確カニ 珍シイ 食材 ダガ、コレラ ハ 泊地様 ガ 養殖 サセタ 物 ダロウ」



ゴーヤ「コレが養殖!?そんな馬鹿な……養殖物はもっとこう…見た目が貧相というか、味も安っぽいというか……」マグロパク…



ゴーヤ「うまぁーーーい!赤身だけでも舌が落ちそうでち……これが養殖だなんて、信じられない」



ル級「人間 ノ 養殖 トハ 規模 ガ 違ウ カラナ。当然ダロウ」ぺいっ…もしゃもしゃ!



ゴーヤ「はぁあああ!?大トロをのけて、つまを!!恐れ多いでちぃ…」



ル級「トロ ハ 脂 ガ 多過ギテ 苦手 デナ……大根 ハ 食感 ガ 素晴ラシイ。コンナ ニ 貴重 ナ 物 ヲ 部下 ニ 与エテイル トハ、流石 泊地様ダ」しゃくしゃく…



ゴーヤ「そっか……海だから野菜が手に入りにくいんでち。なんか頭がおかしくなってくる……」



ル級「宴 ノ 時 ニ 気付カナカッタノカ?」



ゴーヤ「最初は緊張でそれどころじゃなかったし……後半は酒でよく覚えてないでち」



ル級「ソウカ……マァ、気 ノ 済ムマデ 食ベルトイイ。オカワリ ハ 自由ダ ソウダ」



ゴーヤ「でっち!」むしゃむしゃー!


ザワザワ…!!



ゴーヤ「なんの騒ぎでち?」



ル級「ナンダロウナ?……ア、アノ御方ハ!?」



「空母様!オ食事 ハ 我々 ガ 運ビマス カラ ドウカ 部屋 ニ オ戻リ下サイ!!」



空母「ソレデハ コノ ドリンクバー ヲ 有効活用 デキン デハナイカ」



「デハ、ドリンクバー ゴト オ部屋 ニ 運ビマス!」



空母「ソンナコト ヲ シテハ、労力 ノ 無駄ダ。必要ナイ」



「シカシ!空母様 ニ 無礼 ヲ 働イタ事ガ 泊地様 ノ 耳 ニ 入レバ!」


「我々 ノ 首 ガ 飛ンデシ マイマス!!」



空母「食事 ヲ 食堂 デ 摂ッテ 何ガ 悪イノカ。泊地 ニハ 私 ガ 言付ケ シテオク。心配スルナ」



「空母様!」



空母「私 ノ 為 ニ 働イテクレル 事ニハ 感謝スル。ダガ、無駄 ナ コトハ ヤメロ」



「ソウ仰イマシテモ……我々 ニハ 任務ガ……」



空母「…仕方アルマイ」



空母「オマエ達 ニ 命ズル。食事ガ 終ワルマデ 私 ヲ 放ッテオクノダ」



「ウッ…」


「メ、命令トアラバ……」



空母「スマン。宴 デハナイノダカラ、モウ 気 ヲ 使ウコト モ 無イ ト 思ッテナ。食事 ナド スグ ニ 終ワル」



「ハッ!オ気遣イ 痛ミ入リマス。ソレデハ、我々 ハ ココニ 控エテイマスノデ……」


「御用 ノ 際 ハ 何ナリト 御申ツケ 下サイ!」



空母「アリガトウ」



コツコツコツ…



空母『ドコカ、席 ハ 空イテ ナイカ……』



「!」


「コ…コチラヘ 来ラレタゾ…!」


「イ、急ゲ!」



ササーーッ!



「ド、ドウゾ 空母様!」


「コノ 席ガ 空イテオリマス」ススー…



空母「待テ」



「ハ……ハイッ!」



空母「無理シテ 席ヲ 譲ルナ。マダ、半分以上 モ 残ッテイル デハナイカ。最後マデ ユックリ 食セ」



「ハイ……スミマセン」



空母「深海棲艦 トシテ 当タリ前ダ。公共 ノ 場デ、姫 モ 何モ 関係無イ。順番 ハ 守ル。ソウダナ?」



「ハイ!ソノ通リデス!!」



空母「トイウ事デ、他 ヲ アタル」



コツコツコツコツ…



「ナンテ、優シイ 御方ダロウ…」


「次 ノ 覇者 ハ アノ 御方 デ 決マリダナ」


「ソウダナ。内 ノ ボス モ 素晴ラシイ 御方 ダケド、戦 好キ ナ 所ガナァ…」


「アァ、コッチトシテ ハ イツモ ハラハラダヨ。自分カラ 最前線 ニ 突ッ込ムンダモノ」


「根 ハ 良イ 御方 ナンダケド ナ」



空母「ム?」



ル級「空母様」スサッ…(跪き)



ゴーヤ「でち」スサッ…



ゴーヤ『なんか、やばそうだからマネしとくでち。でも…』チラッ…



空母「…?」



ゴーヤ『この人もきっと姫タイプなんだろうけど、全然怖くないでち。むしろ、近くで見るほど安心感が湧いてくる…』



ゴーヤ『不思議でち……泊地さんも戦艦棲姫も、体中から危険な雰囲気を醸していたのに。この人はまるで違う』



ゴーヤ『この優しくて懐かしい感じ。田舎のお母さんを思い出すでち……』



空母『何故、艦娘ガ ココニ……着テイル 装束 ハ ル級 ノ 物カ』



空母「…久シ振リダナ、ル級。戦艦 ノ 右腕 ガ 何故 ココ ニ イル?」



ル級「御存知、無イノデスカ…?」



空母「知ラナイナ。私 ハ 昨日 ココニ 着イタ バカリダ」



ル級「左様デ ゴザイマスカ」



空母「何ヤラ、込ミ入ッタ 事情 ガ アリソウダナ。オイ ソコノ 桃色」



ゴーヤ「はい…!」



空母「何時マデ 頭 ヲ 下ゲテイル。面 ヲ 上ゲヨ」



ゴーヤ「…」スクッ…



空母「ホゥ……若イナ。ダガ、良イ 面構エ ヲ シテイル。死線、ソレモ カナリ ノ 修羅場 ヲ 潜リ 抜ケテキタ 顔ダ」



ゴーヤ「あ、あちがとうございますでち」ぺコォー!



空母「アチ?…………ハッハッハ!」どっ…!



ゴーヤ「…!」ビク!



空母「怖ガラナクテモ 良イ、艦娘ヨ。私 ハ 何モ シナイ。ル級」



ル級「ハッ…」



空母「ドウヤラ、コノ 艦娘 ガ 関係シテイル ラシイナ。ソシテ、オマエ ガ ココニ 居ル ト イウ事 ハ…」



ル級「ハイ、オ察シ ノ 通リ デス」



空母「ソウカ……戦艦 ハ、トウトウ 自分 ヲ 失ッテ シマッタカ……」



ル級「私ハ、戦艦様 ガ 帰艦 スルト 信ジテオリマス」



空母「ウム。詳シク 話ヲ 聞コウ……イイカナ?隣…」



ゴーヤ「どうぞでち!」



空母「……私 ガ 旅 ヲ シテイル 間ニ、ソノ様ナ事ガ」ぱくぱく…



ル級「全テ、事実 デ ゴザイマス」



空母「装甲 ヲ 探シニ 来タノダガ……ソレ所デハ 無イナ。コノ 情報 ハ 瞬ク間ニ 広マル デ アロウ」ぐいっ……ゴクゴク



ゴーヤ『装甲…?どっかで聞いたような無いような……』



ル級「私 モ 事態 ノ 沈静化ニハ 尽力 スル ツモリデス」



空母「オマエ ハ 戦艦 ノ 帰ル 場所 ヲ 守ッテ イレバ 良イ。後ハ 姫デ アル 私 ノ 仕事ダ」



ル級「空母様…」



空母「シカシ、困ッタ……何 ノ 成果 モ 無イママ、私ハ 城 ニ 帰ラナケレバ ナラナイ…」



ル級「サミット ヲ 開クノデスカ?」



空母「コレハ 深海 全テノ 問題ダ。ソレシカアルマイ」



ル級「ル…」



空母「オマエ ノ 気持チハ 解ル。倒レタ戦艦 ハ 偽者 デ、本物 ノ 戦艦 ガ 何処カニ 居ル筈。ソウ 姫達 ニ 伝エタイ ノダナ?」



ル級「ハイ…」



空母「シカシ、ソレハデキン……艤装獣 ノ 封印 ヲ 解ケルノハ 戦艦 ノミ。艤装獣 ハ ソレホド 特別 ナ 艤装 ナノダ」



空母「戦水 ノ 艤双獣 モ、戦夏 ノ 艤爽獣 モ……元々 ハ 戦艦 ガ 艤装獣 ノ 一部 カラ 創リダシ、与エタモノ。一部デサエ、アレ程 ノ チカラ ヲ 持ツ」



空母「封印 ヲ 解イタ 戦艦 ガ 本物 デ アッタコトハ 艤装獣 ガ 証明シテイル」



ル級「…」



空母「ダガ、戦艦 以外 ノ 者 ガ、モシ 封印 ヲ 解ケタナラ……ソレハ ソレデ 大問題 ダ。コノ件 モ 議題 ニ 取リ入レヨウ」



ル級「アリガトウ ゴザイマス…!」



空母「オマエ コソ ハ 真 忠臣ダ。私 ノ 部下ニモ オマエ 程 ノ 臣下 ハ 一人 モ イマイ」



スタスタ…



泊地「空母」



空母「オォ、泊地」



泊地「待タセタナ」



泊地「……成程、モウ ソコマデ 聞イテシマッタカ」



空母「ウム、緊急事態ダ。スグ ニ 各海 ノ 姫ニ 伝令 ヲ 飛バス」



泊地「ソレガイイ。空母 ノ 呼ビカケ ナラバ、皆、応ジヨウ」



空母「御馳走様デシタ……泊地、スグ 二 デモ ココヲ 発ツゾ」フキフキ…



泊地「了解シタ」



ゴーヤ「…」じー…



泊地「オマエ、マダ イタノカ。イッソ 泊地軍 ノ 隊員 ニ ナルカ?」



ゴーヤ「え、遠慮しますでち」



泊地「フフフ、冗談ダ」



空母「ソウダ、艦娘ヨ。友 ヲ 止メテクレタ 礼ヲ……マダ シテイナカッタナ……」スッ…



ポン…



ゴーヤ「?」



空母「私 ノ 艦載機 ダ。コレヲ……」ぺシャン!グリグリ…



ゴーヤ「あっ…もったいない」



空母「コウスレバ、勲章 ノ 出来上ガリ。サァ、受ケ取レ。空 ノ メダル ダ」キラキラ…



ゴーヤ「え…えぇーーーー!?」



泊地「史上初ダナ。喜ベ、オマエ ハ 我々 ノ 歴史ニ 名 ヲ 残シタノダ」



ル級「オメデトウ、ゴーヤ。姫カラ メダル ヲ 賜ル事ハ、最高 ノ 栄誉 ダゾ」



パチパチパチパチーーーッ!!



オメデトー!サッスガ英雄ー!ヒューヒュー!!


ゴーヤ「…」



空母「ドウシタ?」



ゴーヤ「生まれて初めての勲章で、とても嬉しいけど……ごめんなさい。それは受け取れないでち」



!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?



ドヨドヨドヨドヨ…!!!



泊地「…」



ル級「…」



空母「深海棲艦 カラ 貰ウ 勲章ハ 嫌カ?」



ゴーヤ「違います」



空母「ナラバ、理由 ヲ 聞カセテクレ。勲章 ヲ 拒否 サレタノハ 私モ 初メテ ナノデナ」



ゴーヤ「あの戦いで頑張ったのは、ゴーヤだけじゃないでち。皆がチカラを合わせたから、戦艦棲姫に立ち向かうことができたんでち」



空母「…」



ゴーヤ「ゴーヤだけもらうのは皆に申し訳ないでち。だから、その勲章はル級さんにあげて欲しいでち」



空母「!」



ル級「ナッ……何ヲ 言ウンダ。ゴーヤ」



ゴーヤ「ル級さんは、悪政の中、何年も部下の皆さんを守り続けてきたすごい人でち。最後はゴーヤ達にも協力してくれたんでち」



ル級「ゴーヤ…」



ゴーヤ「私の仲間が戦艦棲姫に凍り漬けにされたとき、命がけで時間を稼いで助けてくれた……このご恩は、忘れないでち」



泊地「…」



泊地『助ケタノハ 私 ダロウガ』



空母「オマエ、名前ハ?」



ゴーヤ「潜水艦 伊58。ゴーヤと名乗ってますでち」



空母「ゴーヤ……カ。覚エタゾ。天晴レナ ヤツ。感動シタ」



ゴーヤ「いえ、ただ思ったことを言っただけで……」



空母「ソウ 思エル 事ガ 天晴レダ ト 言ウノダ。ヨカロウ、コノ メダル ハ、ル級 ニ 与エヨウ」



ル級「…」



空母「マサカ、オマエ マデ 断リハ シマイナ?」



ル級「……謹ンデ、頂戴 致シマス」スッ…



空母「大儀デアッタナ」



ゴーヤ「よかったでち」




空母「サテ…」



ポポポポン…



ゴーヤ「あれ?」



空母「ムゥン…ハッ!」



シュパパパ……カタタタタンッ!!



空母「艦娘 ノ 部隊 ハ 6隻編成 ダッタカ?」



ゴーヤ「は、はい」



空母「丁度 6枚 ダ。コレナラバ、文句ナイダロウ。帰ッタラ 仲間ニ 渡スガイイ」



ゴーヤ「はいぃ!?」ジャラララ…!



泊地「ソコマデ 意地 ニ ナルトハナ」



空母「ケジメ ダ。アァマデ 言ワレテハ、姫トシテ 引キ下ガレン」



ゴーヤ「あ、ありがとうございます!」



空母「私 ハ 空母棲鬼。覚エテオイテ 損ハ 無イ 名ダ。マタ会オウ、ゴーヤ。泊地、行クゾ」



泊地「ウム」


深海ハウス



ヲ級「ヲ…///」ぴったり♡



VAVA「この触手も、当初に比べれば慣れてきたもんだ」クイ…



ヲ級「オカシイナァ、最高 ノ 愛情 表現 ナノニ……コウ、優シク シュルン ッテ」



VAVA「お前は酒に強いよな。二人はとっくに酔いつぶれたというのに」



ヲ級「ヲ!オ酒ニハ 自信アリナンダカラ!」



VAVA「頼もしいな」



リ級「クカ~…」リ~…zzz



チ級「ゥ~…」チ~…zzz



VAVA「……む」スクッ…



ヲ級「モウ、行ッチャウノ?」



VAVA「そろそろ時間だ」



ヲ級「VAVA、好キナ料理ッテ 何?」



VAVA「料理…?」



VAVA『別に何でもいいが』



VAVA「カレーだな。程よく辛いものを好む」



ヲ級「カレー カァ……ワカッタ!今度ハ カレー 作ッタゲル!!」



VAVA「それは楽しみだ」



ヲ級「…」



VAVA「どうした?」



ヲ級「VAVAァ…!」ぎゅ~…



VAVA「…」



ヲ級「二人 モ 一緒ニ 聞イテタカラ 我慢シタケド……モウ 危ナイコト シナイデ」



VAVA「今回は、俺も死ぬかと思ったよ……」



ヲ級「バカバカ…!」ポカポカ!



VAVA「…」ぎゅっ…



ヲ級「ヲ…………アリガト。玄関マデ、送ッテク」ぐすっ…



VAVA「泣く事ないだろう」ごしごし…



ヲ級「ウン…」



深海ハウス(玄関)



ヲ級「体ニハ 気ヲ ツケテネ」



VAVA「ヲ級もな」



ヲ級「次、イツ来ルノ?」



VAVA「さぁな…明言はできん。近いうちだ」



ヲ級「近イウチ ッテ 具体的 ニ 言ウト ドレクライ?」



VAVA「……一ヶ月以内って所だ」



ヲ級「ヲ。待ッテル」



VAVA「あぁ、楽しかったぜ。二人に宜しく言っといてくれ」



ヲ級「ヲ!」



VAVA「じゃあな」



ガシュン…ガシュン……



VAVA『さぁ寄り道だ。あいつらに会えると浮かれて、つい後回しにしてしまったが……帰ったら、何か驕ってやるとしよう』



泊地要塞(食堂)



ゴーヤ「御馳走様でち!」



ル級「御馳走様デシタ」



ル級「サテ、我々 モ 行コウカ」



ゴーヤ「でち」



ザワザワザワザワ!



ゴーヤ「今度はなんでち。また違うお姫様が来たのかな?」



ル級「イヤ……様子 ガ オカシイ。」



敵襲ダー!モノ共 デアエ デアエーー!



オォーーーーーーーーーーーーーーッ!



ル級「敵ダト…?私モ 加勢 シヨウ」



ゴーヤ「ル級さん…艦娘を、やっつけに行くんでち……?」



ル級「安心シテクレ。私 ノ 実力 ヲ 超エル者 ガ 現レ無イ限リ、死人ハ 出ナイ」



ゴーヤ「…」



ル級「スグ ニ 戻ル。ココデ 待ッテイルンダゾ」ダッ…!



ゴーヤ「なんか、複雑でち…」



泊地要塞



ガシュン…ガシュン…



「テヤァアア!!」



ガシッ…ひょい!



「ウヒャァアアアアア!!」ぴゅ~…ずでんっ!



「セ、戦艦タイプ ヲ 片手デ!?」



「怯ムナー!突撃ーーーーッ!!」



ドカバキドゴバゴシャッ!!




「「「バタンキュ~~~……」」」




「コ、コチラ 守衛隊!本部!応答願イマス!!敵 ハ 単騎ナリッ!!繰リ返ス!!敵 ハ 単騎!!応援 ハ 門 ニ 寄越シテクレ!!」



(了解!!ル級殿 ト ソノ 部下 ノ 皆サン モ 加勢シテクレルソウダ。勝ッタモ同然ダゼ!)



「オォ、ソレハ 頼モシイ!!シカシ、敵 ハ 強力ダ!!心シテ 掛カレ!!」



ザッ……



ル級「…」



「ル級殿…!気 ヲ ツケテ!!トンデモナイ 強サ デス!!」



「待ッテ!アレ ハ 確カ、V ト 言ッテ……」



ル級「手出シハ 無用。確カニ、恐ロシイ マデノ 強敵 ナヨウダ。腕ガ鳴ル……」ポキポキ…



ガシュン…



ル級「オマエ達 モ 手ヲ 出スナ!」



「ハッ…ル級殿 ニ オ任セ シマス」



ジリ……ガシュ……ガシュ………



ル級『全身 ニ 鎧トハ……何トモ 奇妙 ナ 艦娘ダ。要塞 ヘ タッタ一人デ 殴リコム トハ、余程 自信 ガ アルノダロウ』



ル級『……隙ガ無イ。守リニ出レバ 負ケル。ナラバ、速攻ダ。初手 デ…………決メルッ!!』メラメラ…



ル級「ルゥオオオオオオオオオオオオオオ!!」ゴォッ!



泊地要塞(食堂)



ゴーヤ『外では一体どうなっているんだろう……』



ワーーーワーーーーー!!ピタ…



シーーーーーーーーーーン…



ゴーヤ「あれ?」



ゴーヤ『急に静かになったでち』



ヨロヨロ…



ル級「ル……」ボロ…



ゴーヤ「ル級さん!?」



ル級「ニ、逃ゲロ ゴーヤ……敵 ノ 目的 ハ 不明ダ。グッ…」



ゴーヤ「何があったんでち!?ル級さん程の人が……」



ル級「全力 ヲ 出シタ ツモリダッタガ……敵ワナカッタ。ココニモ 来ル 可能性 ガ アル……早ク 逃ゲルンダ」



ゴーヤ「そんな……ル級さんを置いていけないでち!」



ガシュン…ガシュン……



ゴーヤ「この足音は…!」



ル級「敵ダ!ゴーヤ、私ガ 時間ヲ 稼グ。門マデ 走レ!!」



ガシュン……グポーン!



VAVA「泊地と話がしたいと言っただけなんだが。アポ無しはまずかったか?」カシュン…



ゴーヤ「提督!」



VAVA「元気そうで何よりだ」



ル級「提督…?ソウカ、コノ 戦士 ガ……VAVA カ」ヘナヘナ…




VAVA「……話はわかった。部下が世話になったな」



ゴーヤ「お世話様でちた」ペコリ



ル級「マサカ、迎エ マデ ツケルトハナ……忘レ物 ハ ナイカ?」



ゴーヤ「メダルもった……あ、この服」



ル級「ソレハ、何着 モ アルカラ 返サナクテイイ」



ゴーヤ「そうでちか。ル級さん、また会う日まで」スッ…



ル級「達者デナ。ゴーヤ達 ノ オカゲ デ、艦娘 モ マダ 捨テタモノデハナイ ト 思エル ヨウニ ナッタヨ」ギュッ…



元気デナー!マタ来イヨーー!待ッテルゾーーー!



ゴーヤ「さよーならーーー!!」ノシ



ガシュン…ガシュン……でちでち…



VAVA「ゴーヤ。お前、あそこで何をやらかしたんだ?」



ゴーヤ「一緒にお酒飲んで騒いでただけでち」



VAVA「それにしては、ただの客の扱いには見えなかったぞ」



ゴーヤ「なにやら、ゴーヤが戦艦棲姫にとどめを刺したことになってるみたいでち」



VAVA「しかし、実際にとどめを刺したのはヤツの艤装だったんだろう?」



ゴーヤ「そうでち。でも、泊地さんが戦艦の艤装については秘密だから、お前は何も喋るなって」



VAVA「なるほどな。それで、お前が世紀のスーパーヒロインというわけか」



ゴーヤ「戦艦棲姫を嫌ってる人がいっぱいいたでちから……そうそう、話は長くなるけど、こんな物をもらったでち」キラッ…



VAVA「なんだそれは?」



ゴーヤ「空のメダルっていうらしいでち。深海棲艦の勲章でち」



VAVA『深海棲艦の勲章…?怪しいな』



VAVA「もっとよく見てみたい」



ゴーヤ「どうぞでち!」スッ…



VAVA『…』パシッ……ジィー…カシャ…カシャ…カシャ…



VAVA『……ただの金属の塊だ。何も仕込まれていない。金属自体は泊地の髪飾りと同じ材質のようだな』



VAVA「泊地から授与されたのか?」



ゴーヤ「ううん。空母棲鬼っていうお姫様からもらったでち。あの作戦に参加した、皆の分もくれたでち」ジャララ…



VAVA「何…?空母棲鬼」



ゴーヤ「はい!戦艦棲姫とは違って、すっごく優しい人なんでち。ゴーヤにも分け隔てなく接してくれたでち」



VAVA「そうか……このメダルは、俺が見ている前で5人に渡せ」



ゴーヤ「どうしてでち?」



VAVA「勲章と言えど、敵から渡されたものだ。快く思わない者もいるかも知れないだろう。これは、俺が授与したことにする」



ゴーヤ「なるほどぉ~!でも…大丈夫でち?こんな真っ黒なデザインだけど……」



VAVA「お前らにもう一枚勲章を渡せばいいんだ。もともと授与するつもりではあったがな。もう一枚のデザインを新規で作り直せば…」



ゴーヤ「そっかぁ!ちょっと個性的な勲章を作れば、空のメダルも自然に見えるでち!!」



VAVA「そういうことよ」



翌日



執務室



VAVA「…」キュッキュ…



VAVA『せっかく手に入れたんだ。鹵獲兵器と言えど、しっかり手入れしないとな』



VAVA「動作に問題なし」チャッ…



ヴーン…



VAVA「やはりこの色がいい。緑は俺の趣味じゃない」



トントン…



VAVA「…」サッ…チャキ…



VAVA「誰だ?」



リコリス(私よ)



VAVA「入れ」


ガチャ…



リコリス「おはよう。初めての休暇は楽しめた?」



VAVA「まぁな」



リコリス「これ、報告書。依頼された仕事は全部こなしておいたわ」



VAVA「ご苦労」



リコリス「建造の所、よく見てみて。すごいでしょう?4人とも全部新規の子よ。私って運がいいのよね~」



VAVA「ほう、伊勢、大井、陸奥、瑞鶴……確かに凄いな。かなりの戦力増強になった。俺がやっても最近はダブりしかでないというのに」



リコリス「授業の方も良い出来だったわ。生徒が素直な子ばかりでこっちも助かっちゃった」



VAVA「実戦形式の訓練ばかりだったからな。たまには座学も必要だ。あいつらには良い刺激になったろう」



リコリス「じゃあ、仕事も終わったし、皆に挨拶してくる。そのあと、お昼食べたらここを出るから」



VAVA「まだ暇があるんじゃなかったのか?」



リコリス「ついさっき、大本営から連絡があってね。出張を頼みたいんだってぇ~…」しぶしぶ



VAVA「軍事顧問ってのも、忙しいもんだな」



リコリス「今度はドイツに行くことになってね。新型空母開発のアドバイスをして欲しいんですって」



VAVA「メカニックとしても働いているのか?」



リコリス「そ。私は世界の軍事における全てを熟知しているから、あらゆる現場で迅速かつ適切なアドバイスをすることができるのよ♪」


VAVA「……物覚えの悪い人間には、好都合な人物と言うわけだ」



リコリス「そゆこと。しばらく会えなくなるわね」



VAVA「うむ」



リコリス「さびしい?」



VAVA「寂しいな」



リコリス「ほんとぉ!」ぴょこん!



VAVA「嘘だよ」



リコリス「もう!乙女心を持て遊んでぇ!!」ぷんぷん!



ガチャ…!



大淀「失礼致します。おはようございます。提督。ヘンダーソン嬢」



VAVA「よう」



リコリス「あら、おはようござ…」



大淀「提督、そろそろ朝食ですよ。行きましょう」



VAVA「そうだな。今日の献立はなんだ?」



大淀「お味噌汁と、豚のしょうが焼き、トマトたっぷりサラダに、デザートがはちみつ入りヨーグルトです」



VAVA「今朝もうまそうだ」



大淀「はい!早く早く♪」ぐいぐい!



VAVA「クハハ、そう押すなよ」



ガチャ…バタン




リコリス「…」ぽつーん…



リコリス「私も挨拶の前にごはん食べよ」



リコリス『ふっふっふ……私に提督をとられまいと頑張っている姿。見ているだけで…』うずうず…



リコリス『興奮する』



リコリス『もっと嫉妬させたくなる……もっともっと奪ってしまいたくなるわぁ…』いじいじ…



リコリス「あぁ、いけないわ…リコリス。あなた優等生の淑女じゃない…そんな背徳的な……」うっとり…



暁「はぇ~……」じぃ~…(ドアの影)



リコリス「はっ…!?」



暁「あれが淑女……一人前のれでぃのひみつ。いいことを聞いたわ!みんなに自慢しなきゃ!!」ダッ!



ピュ~~~!



リコリス「まっ…暁ちゃん!待ちなサァーーイ!!」ダダァッ!



食堂



日向「…」もくもく…



日向「む」



日向「遅かったじゃないか。待ったぞ」



伊勢「おまたせ、驚いたよ。ここ、ビッグセブンに大和型までいるんだね」



日向「扶桑型もだ。競う相手は多いほうがいいだろう」



伊勢「そうだね。私達が揃った今、伊勢型のチカラ、とくと見せてあげましょうか!」



日向「うむ。戦艦娘において、最強は伊勢型だ」



伊勢「さぁ、活躍するわよ!」



北上「ぬ~ん…」ぼけ~



北上『今日からまた退屈な日々が始まるのか……戦艦棲姫はもう二度とごめんだけど、適度な刺激は欲しいよね~』



コツコツコツ……スッ…



大井「北上さぁん!」



北上「はぁ……」



大井「北上さん?」



北上『そういやゴーヤのやつ、いつの間にか生還してたけど……泊地っちのとこに居たんだっけ。後で一言謝っといてやるか』



大井「…………あ」ぽん!



大井「北上姉さん。お久しぶりです」



北上「あ~……やだやだ」ぷしゅ~



大井「…」



多摩「北上」



北上「何?多摩姉さん」



多摩「振り向いてみるにゃ」ピッ!



北上「え?……大井っち!」



大井「北上さん!!」





長門「今朝は誰とモーニングタイムを楽しむとするかな」



長門『吹雪がいいなぁ!吹雪は何に誘っても嫌な顔一つしないもん』



長門『漣とか霞とか誘うと露骨に嫌がるし……何故なんだ。こんなに皆のことを想っているのに』



吹雪「~♪」



長門「おっ!いたいた。ちょうど隣が空いてるゾ♪」



長門「お~い、吹雪。隣り合いてるなら、一緒に朝食を……」ピタ…



吹雪「それはこわいですね!?……あ、長門さん」ニコッ!



陸奥「そうなの!ロケット花火が弾薬庫に飛んでいっちゃって…………あら?まぁ!長門!!久しぶりね」



長門「陸奥!」



陸奥「来ちゃった♪」



加賀「…」スタスタ…



赤城「…」ぺこぺこ…



加賀「あら?」



赤城「先客のようですね」



加賀「そのようです」



赤城「あの席から見える水平線は、格別ですからね」



加賀「相席させてもらいましょうか」



赤城「そうしましょう」



加賀「ちょっといいかしら?」



瑞鶴「……なんです?」



加賀「新人さんですね」



赤城「えぇ。初めまして、一航戦 赤城と申します。どうぞ宜しくお願いします」



加賀「同じく、加賀よ。よろしく」



瑞鶴「一航戦?あぁ……旧一航戦ね。はいはい、赤城さんに加賀さんでしょう。知ってますよ」へらっ



瑞鶴「で、なんか用ですか?」



加賀「…」カチン



加賀『あたまにきました』



加賀「貴女ね……」



スッ…



赤城「そちらの席。空いているのなら、相席させてもらえませんか?」



瑞鶴「さーせん、ここ使ってるんで」



赤城「そうでしたか。ところで、貴女お名前は?」



瑞鶴「ん……失礼しました。翔鶴型 航空母艦 二番艦、妹の瑞鶴です。先輩方、よろしくお願いします」



赤城「はい。これから、共に頑張りましょう。では、加賀さん。今日はあのテーブルで頂きましょう」



加賀「は、はい…」



ぺこぺこ……スタスタ…



瑞鶴「…」



瑞鶴「ふん……あの赤い方は、なかなかやりそうね」



トトト…



翔鶴「瑞鶴、お待たせ」コトン…



瑞鶴「うん」



瑞鳳「瑞鶴さん、また一緒にごはんを食べられるなんて。私、嬉しいです」コトン…



瑞鶴「何~~?このこの!おべっか使っちゃって。可愛いヤツめ!」ぐりぐり



瑞鳳「あはは!やめてくださいよぅ~~!!」



翔鶴「まったくこの子ったら」ニコ…



瑞鶴「えへっ!私もよ。このメンバーが揃ったら、怖いもの無しなんだから!!」



翔鶴「ふふっ……そうね♪」



瑞鳳「はいっ!」



瑞鶴「まっ…ここの提督がどれほどの腕か知らないけど、せいぜい出世させてやりましょ。まだ中佐だって聞いたし。大したことないでしょうね」



翔鶴「…」ピクッ…



瑞鳳「むっ…」ムスー…



瑞鶴「ん?どうしたのよ。二人とも」



翔鶴「瑞鶴。今の言葉、取り消しなさい」



瑞鶴「何が?」



瑞鳳「提督のこと…大したことないって言った……」



瑞鶴「なんだ、そんなことか。だって事実でしょ?提督で中佐だなんて……」



翔鶴「もう一度言うわ。取り消しなさい」じっ…



瑞鶴「な、何よ翔鶴姉ぇ。怖い顔して……瑞鳳まで」



瑞鳳「提督は、大したことあります!瑞鶴さんが考えているような、半端な人じゃありません!」



翔鶴「瑞鶴、提督への不敬は許さないわよ」ゴゴゴ…!



瑞鶴「わかったわよ!取り消すわ!!翔鶴姉ぇ、ごめんなさい……瑞鳳も機嫌直してよ。ねぇ?」



瑞鳳『なんだってのよ~!?』

ゲシュタルト崩壊してました。
致命的ミス。
瑞鳳ならびに瑞鶴ファンの皆様、ごめんなさい。
深く、お詫び申し上げます。



翔鶴「…」ピクッ…



瑞鳳「むっ…」ムスー…



瑞鶴「ん?どうしたのよ。二人とも」



翔鶴「瑞鶴。今の言葉、取り消しなさい」



瑞鶴「何が?」



瑞鳳「提督のこと…大したことないって言った……」



瑞鶴「なんだ、そんなことか。だって事実でしょ?提督で中佐だなんて……」



翔鶴「もう一度言うわ。取り消しなさい」じっ…



瑞鶴「な、何よ翔鶴姉ぇ。怖い顔して……瑞鳳まで」



瑞鳳「提督は、大したことあります!瑞鶴さんが考えているような、半端な人じゃありません!」



翔鶴「瑞鶴、提督への不敬は許さないわよ」ゴゴゴ…!



瑞鶴「わかったわよ!取り消すわ!!ごめんなさい……瑞鳳も機嫌直してよ。ねぇ?」



瑞鶴『なんだってのよ~!?』



リコリス「はい、暁ちゃん。あ~ん♪」



暁「あ~ん♪」ぱくっ!(すーぱー うるとら ぐれーと でりしゃす わんだふる れでぃ ぷりん:月1個限定 税込 3万円)



暁「おいしーーーーーーーーーーーい!!これが大人の味なのね……」うっとり…



リコリス「よかったわぁ~!はい、もう一口どうぞ~」



暁「あむ……ん~~~~♪」



VAVA「お前ら、朝食の最中に悪いが、聞いてくれ」



???



VAVA「前回の作戦に参加した6人は、朝食後俺の部屋に来い。プレゼントがあるぜ」



おぉーーーーーー!!



VAVA「以上。最近、忙しなかったからな。各々、のんびり仕事してくれ。今日は全員17時で切り上げていいぞ」



はぁーーーーーーい!!



VAVA「ちなみに、明日は休暇とする。車を出して街まで行くから、一緒に行きたいやつは今日中に書類を提出しておけよ」



わぁーーーーーーい!!



しばらくして…



執務室



VAVA「…」ピラ…(新聞)



VAVA『大戦果、横須賀鎮守府。難攻不落の大戦艦。 戦艦棲姫 を撃沈!攻略不可能と言われた海域を見事に突破してみせた。世界各国からは賞賛の嵐……』



VAVA『段々大事になってきたな……俺の正体が人間にバレると厄介だな。これからは少し考えて出撃しなければ……煩わしい事だ』



五月雨「どうかしましたか?」



VAVA「いや、何でもない」



五月雨「新聞ですかぁ?すごい人気みたいですよ。提督!」



VAVA「ただ好き勝手やっただけだ」



大淀「この功績を称えて、更なる昇進も決定したそうです。やりましたね、提督。これからは大佐です♪」くるる~ん♪



五月雨「大佐~♪」くるり~ん♪



VAVA「お前たちが嬉しいならそれでいいが」



大淀「あっ……おほん。失礼しました……提督、東京で記念パレードを行うので、是非出席して欲しい。と海軍上層部から依頼がありました」



VAVA「断っただろうな?」



大淀「はい。丁重にお断りしました」



VAVA「よし」



トントン!



VAVA「来たか……入ってこい」



ガチャ!



北上「おっまたせ~!北上隊、只今到着~~~!」




VAVA「面倒な手続きは無しだ。上からは勲章を預かってる。俺からは特別ボーナスを出そう」



VAVA「翔鶴」



翔鶴「はいっ!」



VAVA「震電改、使いこなすことが出来たようだな。パイロットの妖精達も、お前を賞賛していたぞ」



翔鶴「ありがとうございます。しかし、まだまだ未熟ゆえこれからも精進いたします」



VAVA「翔鶴らしい答えだ。受け取れ」スッ…



翔鶴「はい」



VAVA「次、ゴーヤ」



ゴーヤ「はいでち!」



VAVA「あの日……お前を採用した俺の目に狂いは無かった。お前は、ダメなヤツなんかじゃない」



ゴーヤ「ていとくぅ…」ぽっ…///



VAVA「可能性ではない。今のお前のチカラが、勝利を勝ち取ったのだ」



ゴーヤ「えへへ……可能性なんて、信じられないでち!」



VAVA「いいぞ。これからもその調子でな」スッ…



ゴーヤ「ありがとうございますでち!」ウィンク…



VAVA『どうだ、なかなかいいアレンジだろう?』



ゴーヤ『さっすが提督!空のメダルに白毛飾りを着けて、さらに自然に見せているでち!黒と白で高級感も抜群!!』



VAVA「天龍」



天龍「おう!」



VAVA「剣捌きが上達したのはいいが、無闇に突っ込むのはいかんともしがたい」



天龍「ちぇー……なんでぇ、俺だけ説教かよ………褒めろよ」ぼそっ…



VAVA「しかし、俺が死なずに済んだのは、天龍のおかげかも知れないしな。感謝しているぞ」スッ…



天龍「は?何の話だ」



ゴーヤ「でちひひひ……」ニタニタ…



天龍「あっ!?まさか…………てめぇー!」まっかっか!



ゴーヤ「おっと、厳粛な場で刀を抜くのでち?」



天龍「ぐっぬ!覚えてろよ……!」



VAVA「ケンカするな。利根」



利根「うむ」



VAVA「戦力の乏しい中、戦艦の代わりとして立ち回ったそうだな」



利根「器用なのが重巡じゃからの。らいどあーまーがあれば、どれだけ楽だったことか」



VAVA「ライドアーマーなら、妖精たちが海から引き上げてくれた。損傷は酷いが、修理には俺も参加する。今月中には完了するだろう」



利根「そうか!なら、我輩も手伝うぞ!!機械のことはよくわからんが、荷物運びくらいならできるはずじゃ!」



VAVA「恩に着る。ライドアーマーの素晴らしさが理解できるとは、お前はいいセンスをしている」



利根「わっはっは!褒めるでない。では、栄光の勲章とぼーなすを頂こうか」



VAVA「ほら」スッ…



利根「……美しい勲章じゃ。この銀の勲章もいいが、このくろがねのような勲章がなんとも言えんのぅ」



VAVA『優れた感性だ。利根には無意識に物の価値を見抜く才能があるようだ』



VAVA「長門」



長門「は…ひゃい!」ガチガチ…



VAVA「どうした?」



長門「勲章なんてもらうの初めてだから……き、緊張してしまってな…ははは」



VAVA「南方に続き、戦艦討伐にも貢献した。お前は、まぎれもないエースだ」



長門「エース……あぁ!任せてくれ。これからも大活躍してやるぞぉ!!」



VAVA「期待している。北上」



北上「あいあ~い」



VAVA「絶望的な戦力差の中、よく隊長を勤め上げたな」



北上「まぁ、楽じゃあなかったけどさ。負けるとは思って無かったね。うん」



VAVA「これからもよろしく頼む」



北上「こちらこそ。所で、これいくら入ってるの?随分ぶ厚い封筒だね」



VAVA「300万だ。無駄遣いするんじゃないぞ」



五月雨「さっ!?」



大淀「なっ……!!」



翔鶴「まぁ……ありがたき幸せです」ぺこり…



ゴーヤ「わぉ!?」



天龍「マジで!!」ピコピコ!



長門「ぶっ!!」



利根「働きに見合った報酬じゃな。ありがたいぞ♪」



北上「おぉ、こりゃごっつぁん♪多摩姉さんに鯛でも買ってやるかね。大井っちには洋服かな~」



大淀「あの……提督、大丈夫なのですか?総額1800万円ですよ……?」



VAVA「貯まっていく一方で、設備投資以外に使い道が無かったからな。いい機会だ」



天龍「こいつ……上から一体いくら貰ってやがるんだ?ポンと出せる額じゃないだろ」



五月雨「さぁ…こればっかりは提督しか……」



リコリス「大盤振舞いねぇ。私の月収と同じだわぁ~!」



!?!?!?!?!?



大淀「ヘンダーソン嬢……いつの間に?」



五月雨「ドアは閉まってたのに……」



リコリス「ん~?普通に入っただけよ??」



天龍「お嬢!あんた、月1800万ももらってんの!?」



リコリス「まっさかぁ!」



天龍「なんだ、冗談かよ。脅かしやがる」



リコリス「ほんの300万よ。貴女達が貰ったボーナスと同額ね」



天龍「毎月…」



長門「いいなぁ……毎月ボーナスかぁ」



リコリス「その分休みとか自由な時間はないんだけどね。最高記録は99連勤よ」



利根「三ヶ月以上を休みなしじゃと……!?」



長門「やっぱやだ……」



北上「いやだねぇ。完全週休二日制じゃないと働きたくないわ~」



ゴーヤ「あっ、そういえば手紙で聞いた話なんだけど、潜水艦には休みという概念がないらしいでち。なんのことかさっぱりでち」



リコリス「まあ!本当!?艦娘愛護法に反するわ。今度、他の鎮守府を抜き打ち調査しなきゃね」



VAVA「リコリス。世間話をしに来たのか」



リコリス「ううん。皆への挨拶が済んだんで、最後はここにしようと思って」



VAVA「ならさっさと済ませるんだな」



リコリス「そうさせてもらうわ」



リコリス「大本営から連絡があってね。今度はドイツに出張することになったの。またしばしお別れね」



北上「あ、そすか。大変っすね」



利根「平和の為、がんばってくれぃ」



翔鶴「お体に気をつけて…」



天龍「今度来たら、俺が射撃教えてやるぜ!」



ゴーヤ「がんばってくだち!」



長門「寂しくなるなぁ!!……頑張って…頑張ってくれよぅ!ヘンダーソン嬢!!」ガシッ!ブンブン!!



リコリス「ど…!どうも……ちょ、いたた……!」



ガシ…



リコリス「ア…」ポッ…///



VAVA「長門、相手はただの人間だ。ちゃんと手加減しろよ」



長門「おっと!?すまない。つい、感極まってしまって……」



リコリス「……いいのよ、気にしないで。これからも元気いっぱいな長門さんでいて下さい」



長門「はっはっは!お任せを!!」



リコリス「それでは、迎えの船がもう来ているので……皆さん、ごきげんよう」れでぃぺこり…



ツカツカ…



リコリス「あら」



ゴーヤ「?」



リコリス「綺麗な……勲章ね。とてもよく似合っているわ」



ゴーヤ「ありがとうございます!」



リコリス「うん。またね♪」



バタム……ツカツカ…………



VAVA「さて……大淀。五月雨」



大淀「はい、何でしょう」



五月雨「はいっ!」



VAVA「悪いが、部屋から出て行ってくれないか。6人にしか話せない話があるんだ」



大淀「わかりました。部屋の外にいるので、終わりましたら声をかけてください」



五月雨「…」むすー……ぷくー…



VAVA「そうふくれるなよ。俺だって、出来れば隠し事はしたくない……わかってくれ」なでなで…



五月雨「はい…」



ガチャ……バタン…



北上「話って?」



VAVA「それは、ゴーヤからしてもらおう」



ゴーヤ「でち」こくり



船着場



コツコツ…



リコリス「…」



「貴女が、ヘンダーソン嬢ですね?」(ドイツ語)



リコリス「えぇ、そうです」



「お待ちしておりました。日本の海軍とはもう話をつけてあります。さぁ、お手をどうぞ」スッ…



リコリス「はっ」トッ……シュタッ



「おぉ!お見事」



リコリス「ごめんなさいね。出会って間もない殿方に、右腕を預ける習慣は持ち合わせておりませんの」



「いえ、こちらこそ失礼致しました。おい!」



「はいはーい!お呼びですか?」トコトコッ!



「はい。は一回だ!」



「はい!」



「本国に到着するまでの間、ヘンダーソン嬢の身の回りのお世話をするのだ。わかったな」



「はい!ジークハイル!!」しゅば!



「うむ。ジークハイルッ!」シュバッ!



リコリス『暑苦しい』



「ヘンダーソン嬢」



リコリス「何かしら?おチビちゃん」



「チ、チビ!?誇り高き我がゲルマン民族の知能と努力の結晶たるドイツ艦娘。ディーター・フォン・レーダーに向かって……!お客様と言えど非礼は許さな…」



「馬鹿者ッ!!」



「ひぅっ!」



「お前ごとき小娘が誇りを語るなど10年早いわ!ヘンダーソン嬢。申し訳ございません」ペコォー!



リコリス「あのぅ……取りあえず、出航してくださるかしら」



「はっ!出航だ!!」



ゴォー……!



リコリス「で、私に用があったんじゃない?」



「あ…はい。グラーフ・ツェッペリン殿から、お手紙をお預かりしています」



リコリス「グラーフから!へぇ、手紙をくれるなんて嬉しいわ」



「どうぞ」



リコリス「ありがとう」



船室



リコリス「中々洒落た部屋だこと。どれどれ……」ピラッ…



親愛なる リコリス・ヘンダーソン へ



この手紙を読んでいると言うことは、貴女は既にこちらに向かっているのだろう。



着いてから伝えても良かったのだが、早めに答えたほうが良いと思い、手紙を送った次第だ。



貴女が提案した通り、私が無事 正規空母 として完成した暁には、



ニッポーンの横須賀鎮守府に合流することを約束しよう。



しかし、はっきり言って建造の進行度は以前とほぼ変わっていない。



むしろ、新たな問題や欠陥が見つかるばかり。技術者も妖精も皆音を上げている程だ。



誰に謗られようと、どこで陰口を言われようと、私は構わない。



だが、このまま中途半端に解体されるのだけは嫌だ。



人類のために、祖国のために、友のために、家族のために、チカラが欲しい。



ヘンダーソン嬢。私は、本当に完成することができるのだろうか。不安。とても不安だ。



今の私には、貴女しかいない。貴女だけが、私の希望だ。



早く会いたい。



グラーフ・ツェッペリンより



リコリス「…」



操舵室



「困ります!勝手にあちこち触られては!!」



ガチャ!



「何をしている。急に船の速度が上がったぞ」



「あぁ、船長!私ではありません。ヘンダーソン嬢が船を勝手に!!」



リコリス「ご安心を。無事本国には着きますので」ガチャガチャ!



「おやめ下さい。何か気に食わないことがあったのでしたら、謝罪いたします」



リコリス「いいえ。あなた方には何も不満はありません」



「ならば何故?」



リコリス「あと一日早く着いていれば……なんて後悔をしないためです」



「後悔…?」




リコリス『本来なら一日あれば地球上どこへでも行けるのに。リコリス・ヘンダーソンは人間と同じ速度でしか動けない……ほんと不便だわ』



リコリス「そうです……よいしょ」ガシャッ!



「わぁ!エンジンを焼き尽くすおつもりですか!?」



リコリス「この船ならば、これくらい耐えられます。私、船には詳しいのですよ」カチッ…



「通常ならば、一ヶ月はかけるべき船旅です……何日縮めるおつもりで?」



リコリス「十日縮めます。あわよくば、半月で到着したいですね」



「半月ですって!?狂ってる!!」



「……おもしろい。それほど込み入った事情があるということですな」



リコリス「船の操作は十二分心得ております。ご協力頂けるとと嬉しいのですが」



「いいでしょう。ただし、条件があります」



リコリス「……なんです?」



「本国に着いたら、サインを書いてくれませんか?娘があなたの大ファンでして」



リコリス「ふふっ!よろこんで♪」



「ありがとうございます。おい、護艦娘たちに発艦して外から船を引っ張るように伝えろ。疲弊したら休ませる」



「な、なるほど!それならもしかしたら可能かも……はい!」



横須賀鎮守府



ゴーヤ「……というわけでち」



天龍「すっげー!お前、度胸あるなぁ!!」



長門「信じられん……トロをのけて薬味を食べるだなんて……」



ゴーヤ「それだけじゃないでち!めちゃくちゃ大きくて新鮮な伊勢海老をそのままエビフライにしてたでち!!」



利根「なんだと!?なんてもったいないことを……」



翔鶴「空母棲鬼……認めてくれたのは嬉しいですけれど、いつかは敵になるのでは?」



ゴーヤ「うーうん!争いは嫌いだって言ってたでち。あんな優しい人が、嘘つくわけないでち」



北上「どうだか。泊地っちはともかく、見たことない深海棲艦は信じられないねぇ」



ゴーヤ「見ればわかるでち!母性が服着て海ん中歩いてるようなもんでち!!」



VAVA「まぁ、話はだいたいわかったろう。別に腐るものでもない。不要ならば、海に捨てればいい」



天龍「俺は胸につけるぜ!かっこいいデザインじゃねーか」



利根「そうじゃな……せっかくもらったのじゃ。部屋に飾らせてもらうとしよう」



VAVA「このままお前らは解散していい。部屋を出たら、外で待ってる大淀と五月雨に声をかけてやってくれ」



北上「了解。お疲れ~」



VAVA「うむ」


それからしばらく…



VAVA「…」カリカリ…



大淀「提督、こちらにもサインを」



VAVA「うむ」



五月雨「提督、お茶とコーヒーどちらがいいですか?」



VAVA「コーヒー」



五月雨「はい!」



VAVA「そろそろか」



トントン!



大淀「噂をすれば」



VAVA「入れ」



能代「街まで買い物に行けると聞きまして」



子日「めずらしいお菓子、いっぱい買いたいなぁ~!」



初春「と、言うのでわらわが同伴することになった」



足柄「パン粉とカレー粉を探しにいこうと思って……えへへ」



龍驤「たまには気分転換しよ思うてな」



あきつ丸「いやぁ、内地は久々であります。これを機に、海外のぼーどげーむでも買ってくるであります」



加古「ここのまくら硬くってさぁ、安眠まくらでもないかなぁーってね」



VAVA「何……枕が硬い?すまない。寝具を見直してみよう」



古鷹「いえいえ!加古が柔らかいのが好きなだけで、鎮守府で使ってる枕には何も問題ありません!」



VAVA「そうか。ならいいんだ」



じ~…



VAVA「うん?」



装甲「…」じ~…



VAVA「何だ?」



赤城「装甲さんも、一緒に街へ行きたいそうです」スッ…



VAVA「赤城」



赤城「私は、街のラーメン屋さんでチャレンジラーメンなるものがあると聞いたので、ついでに一万円もらいにいこうかと。楽しみです」



装甲「ダメですか……?」



VAVA「……よかろう。お前もこの鎮守府の一員だ。行きたいなら、これにサインしろ」



装甲「はい!ありがとうございます!!」



VAVA「これで全員か?」



大淀「そのようです」



VAVA「明日は朝の8時から出かける。遅刻はいかんぞ?」



了解!!



音楽室



装甲「ふんふん~♪」シュッシュ…



シャララン…



装甲「うん。滑らか、つやつや、きれいきれい」



装甲「…」シュト…(ソファー)



装甲「…」わくわく…



装甲『人間の街を見るのは初めてだわ。一体どんな風になっているんだろう?』



装甲『VAVAさんと一緒に見て回りたいな。そうしたら、VAVAさんがあれはこれはと色々教えてくれて…』



装甲『最近、地上での生活が当たり前すぎて、海に触れるのさえ抵抗を覚えるようになってしまった。海ってあんなに冷たかったっけ……』



装甲『ソファーが暖かい。毛布が暖かい……艦娘の皆も、暖かい。VAVAさんは、一番暖かい』



装甲『自分以外の全てを見下していた自分が恥ずかしい。皆と一緒って、こんなに暖かくて、嬉しいんだ』



装甲『ずぅっとここに居たい。忙しくて、大変な時もあるけれど……ここが好き』



装甲「VAVAさん……」むにゃ……zzz


空母城



「姫様 ノ 御成リーーーー!」



「…」カツーン……カツーン…



空母「突然 呼ビツケテ シマッテ スマナイ」



「イイサ。ドウセ 机仕事 バカリデ 退屈 シテイタ 所 ダッタカラ」



空母「空母水鬼」



空水「空母棲鬼」



ギュ……



空水「大マカナ 事ハ 先ニ 届ケラレタ 調書 ヲ 見テ 確認シタ。確カニ コレハ 一大事」



空母「ウム。今 ハ 互イニ イガミ アッテイル 場合 デハナイ」



空水「ソウダナ。所デ、装甲ハ……?」



空母「スマヌ……ソレニツイテ ハ 後程 話ソウ」



空水「……ワカッタ」



泊地「久シブリダナ。空水」



空水「泊地棲鬼……?」



泊地「ナンダ。イキナリ」



空水「イヤ、以前 ト 雰囲気 ガ 違ウノデナ。少シ 驚イタ」



泊地「最近、服ニ 興味 ガ 沸イテナ。ソノ セイダロウ」



空水「戦 ニシカ 興味 ヲ 示サナカッタ 泊地ガ!?」



泊地「私トテ、変ワルサ」フフン♪



「姫様 ノ 御成リーーー!」



コッコッコッコッ……



「早カッタカシラ…?マダ 4人」



空母「離島、来タカ。礼ヲ言ウゾ」



離島「イエイエ、貴女 ノ 呼ビカケ デスモノ。来ナケレバ バチ ガ 当タリマスワ」ペコリ



泊地『フン、心ニモ ナイ事ヲ……』



離島「泊地?ドウシタノ。色気ヅイチャッテ。同ジ 服シカ 持ッテナカッタノニ」



空水「ソッカ。ヤッパリ 違ウ 服ダッタカ。雰囲気ガ 違ウワケダ」



泊地「私 ノ 服ナド ドウデモヨイワ」



ぺタ……ぺタ………



「姫様 ノ 御成リーーー!」



「…」ビクッ!?



ガシッ…



「ヒャア!?」



「私 ハ……誰カシラ?」



「セ…セ……潜水棲姫 様 デシュ…!!」



潜水「セイカァ~イ。ジャア アナタ。私 ガ 潜水棲姫 ト 知ッテテ 隣デ 大声 出シタノ?」



「規則デシテ!決シテ 悪意ハ……」



潜水「下民ガ。言イ訳スルナ。ドウシテクレルノ?マダ キンキン シテルワ」スッ…



「アワ…ワ……オ助ケ…!!」



空母「何 ヲ シテイル」



「空母様!」



潜水「空母……接客 ガ ナッテナカッタンデ、一ツ 指導 シテヤロウ ト 思ッタダケヨ」



ジャッ…ジャッ……



「アッハッハ!相変ワラズ。深ク 潜ルノガ 得意 ナ 癖ニ、懐 ハ 浅イノネ」



潜水「ナンダト?誰ダ!……貴様カ」



「空母棲鬼。此度 ノ サミット、招待頂キ アリガトウゴザイマス」



空母「オマエ ガ イレバ 心強イ。歓迎スルゾ、防空棲姫」



防空「オ褒メニ 預カリ、真 ニ 恐縮」



潜水「若造 ガ…調子 ニ 乗ルナ」



防空「離島サン モ 泊地サン モ 空水 モ オ元気ソウデ」



離島「マタ、チカラ ヲ ツケタヨウネ」



泊地「フム……勇マシイ 事ハ 良イコトダ」



防空「オ蔭様デ。マタ 対空 ニ 磨キガ カカリマシタ」



空水「ソレハ ヨカッタ。ヨカッタナ」キッ…



防空「フフフ……ソウ 怖イ 顔 シナイデ。隣、座ルヨ?」



空水「ウム…」



潜水「チッ……私 ハ ココデ ヨロシイナ?空母」ストッ…



空母「アァ」



「姫様 ノ 御成リーーーー!」



フヨフヨフヨフヨ~……



空母「オヤ?」



「入口デ バッタリ 会ッタノダ」



「久シブリ、空母」



「ゴ無沙汰」



空母「軽巡、駆逐、水母」



軽巡「懐カシイ 顔 ガ チラホラト



空母「好ミノ 席ニ 座ッテクレ」



軽巡「ココデイイカ……ヨイショット」すぽんっ…スト…



水母「椅子 ハ イラナイ。片付ケテクレ」



駆逐「空母、椅子ガ 低イ。モット 高イ 椅子 ハ ナイカ?」



空母「オイ、対応 ヲ 頼ム」



「ハッ!タダチニ!!」



「姫様 ノ 御成リーーー!」



ワーワーーー!!



「空母 ハ 何処ダ!?」



「アッチカ!」



「コッチカ!」



「ソッチカ!」



空母「イヤ、ココダ。忙シイ所ヲ ヨク来テクレタ。夏 ノ 姫達ヨ」



戦夏「マッタクダ。コチトラ 地中海 デ レモネード 飲ミナガラ 日焼ケ ヲ 楽シンデイタノニ!!」



港夏「突然、伝令 ガ 来テ 戦艦 ガ 倒レタ ト 言ウジャナイ!!」



重夏「エライ コト ダ!私 ノ 部下 モ 私 モ 一日 パニック ダッタゾ!!」



潜夏「アッ!オバサン モ 来テタンダ!!久シブリ!!オバサン!!!」



潜水「誰 ガ オバサン ダ!オマエ トハ 生マレタ 海ガ 近イ ダケダト 何度 言エバ 解ル!!」



離島「マッタク コノ子 達ハ……品ガ 無イト 言ウカ」



防空「イイデハ アリマセンカ。コレクライ ノ 方ガ 扱イ易イデスヨ」



「姫様 ノ 御成リーーー!」



「ゴ苦労。トットケ」チャリン



「アリガトウゴザイマス」



空母「駆逐水鬼、気 ヲ 使ワナクテモヨイ」



駆水「無駄 話 ハ 結構。早々 ニ 済マセタイ」



空母「モウ少シ 待ッテクレ。到着 シテイナイ 者 ガイル」



駆水「了解シタ」スッ…



駆逐「久シブリダナ」



駆水「駆逐……隣ハ 空イテイルカ?」



駆逐「空イテル」



駆水「ナラバ、ソコニ 座ロウ」



「姫様 ノ 御成……ドワァ!?」



ズンッ…ズンッ……



「空母ー!」



空母「オォッ戦艦水鬼」



戦水「本当ナノカ!?戦艦 ガ 倒レタト……!」



空母「ソウダ」



戦水「ナ、ナントイウコトダ……ウゥ……ウワァ~~~ン!!」オーイオイオイ!



ミギノ「オ嬢様、ハンカチ デ ゴザイマス」


ヒダリノ「サァ、御立チニナッテ…」スッ…



戦水「ウン…」グッ…



「アノゥ……会議室ヘノ 艤装 ノ 持チ込ミ ハ 禁ジラレテオリマシテ……ハイ」



空母「ヨイ。特別 ニ 許ス」



「ヨロシイノデスカ?」



空母「ナラバ、オマエ ガ 戦艦水鬼 ノ 面倒 ヲ 見ルカ?」



「アッ……ソウイウコト デシタラ…失礼致シマシタ」



ミギノ「空母棲鬼 様。アリガトウゴザイマス」


ヒダリノ「アリガトウゴザイマス」



戦水「戦夏!大変ダァ…戦艦ガ……」ボロボロ…



戦夏「戦水!会イタカッタゾ!ヨシヨシ、大丈夫ダ。マダ、私ガイル…」ナデナデナデナデ…


ニンニン…



「ソウソウタル 顔ブレダナ」逆さま



空母「来テイタノカ、重巡」



重巡「気付カレズニ 席 ニ ツコウト 遊ンデ ミタガ 流石ダ。既ニ 見抜イテイタナ 空母」スタンッ…!



空母「マダマダ オマエ達 ニ 遅レハ 取ラン」



重巡「……シテ、飛行場姫 ハ 何処ダ」



空母「飛行場 ハ 艦娘達 ニ 倒サレタ。当分 自由ニ 動ケマイ」



重巡「フム……」



空母「飛行場姫 ト 何カアッタノカ?」



重巡「ヤツ ノ 場合、無イ 方ガ 不自然デハナイカ?」



空母「ソレモソウダナ」



重夏「アローハ!姉サン!!ハワイユー?」



重巡「最悪ダ…」ストッ…



離島「空母、飛行場 ニ ツイテ、調書ニ 記述アリマセンガ?」



空母「スマナイ。部下 ヲ 急カシテ 作ッタモノデナ。戦艦 ニ ツイテ ノ 情報シカ 載セラレナカッタ」



潜水「イケ好カナイ 女 ダッタガ、実力ハ 確カ ダッタ」



空水「アノ 飛行場 ガ……」



水母「敗レタ……カ。艦娘 モ ヤルヨウニナッタワネ」



軽巡「イイヤ、ヤツ ノ 事……今度ハ 艦娘 ヲ 利用シテ、利益ヲ 得ヨウト シテイルノカモシレン」



重巡「アァ、私モ ソノ 線ヲ 疑ッテイル…」



駆逐「戦艦 撃沈 ハ 飛行場 ガ 描イタ 筋書キ 通リ トカ?」



駆水「……同族 ヲ 疑イタクハナイガ、ヤツ ナラバ ヤリカネン」



空母「諸君、議論 ハ メンバー ガ 揃ッテカラ ニ シヨウ」



泊地「アト、誰 ヲ 呼ンダノダ?」



空母「現役 ノ 姫 全員ニ 送ッタ。不参加 スルト 伝エテキタノハ 今 ノ 所、泊地水鬼 集積地棲姫 ダケダ」



空母「私 トシテハ 全員 ト 意見 ノ 交換。新タナ 条約 ノ 締結 ナド ヲ シタカッタガ、強制 ハ デキナイ」



泊地「返答無シ ダト シテモ ヤムナシカ」



しばらくして…



「姫様 ノ 御成リーーー!」



泊地「ン?……オォ!」クルッ…



港夏「誰ダッケ?」



潜夏「サァ?」



ザワザワザワ……!!



離島「マァ……懐カシイ。久々 ニ アノ 螺旋髪ヲ 見タワァ」



「 」



空母「来テクレタノカ……アリガトウ。運河棲姫。サァ、座ッテクレ」



運河「 」スッ…



空母「コレハ……中枢 カラ ダナ?」



運河「 」コク…



空母「ウゥム…」ペラ…



空母「ソウカ……諸君。中枢棲姫 モ コノ サミットニハ 参加 シナイ。マダ 誰カ 来ル 可能性モ アルガ、ソロソロ 始メヨウト 思ウ。如何カナ」



異議無シ



空母「始メヨウ」




空母「皆 ニ 集マッテモラッタノハ 他デモナイ。今回 ノ 最モ大キナ 議題ハ、戦艦棲姫 ガ 治メテイタ 海域 ヲ、誰ガ 引キ継グ カダ」



空母「既ニ 周知 ノ 事ト 思ウガ、アノ 海域 ハ 戦艦 ガ 管理、運営シ 育テテイタ 海」



空母「収入源 モ 豊富デ、臣民全員ガ エリートクラス ニ 匹敵スル 能力 ヲ 持ツ ナド……非常 ニ 高水準ダ」



空母「更ニ、戦艦タイプ デ 唯一 ノ フラッグシップ。戦艦ル級 ガ 所属シテイル」



空母「ココニ イル 全員 ニ、コノ海域 ヲ 引キ継グ 権利ガ アル」



ゴクリ……



空母「始メニ 言ッテオクガ、私ハ 辞退 サセテモラウ」



ドヨドヨ…!



防空「フーン?ソレハ、何故デス。アナタ ホド 古参ナラ…」



空母「古参、新参 ノ 問題デハナイ。私ニハ 既ニ 信頼デキル 部下 モ イレバ、十分 ナ 収入源 モ アル」



駆逐「必要ナイ…ト」



駆水「ナラバ、誰 ガ 引キ継グ?私 ハ 空母 ナラバ 荒波 ガ タタズニ 済ムト 思ッタノダガ」



潜水「私ダ!戦艦 ノ 部下ニハ ル級 ヲ ハジメ、戦艦タイプ ノ 部下 ガ 多イ ト 聞ク。我 ガ 艦隊ニ ソレラ ガ 加ワレバ、艦娘ナド 3日 デ 殲滅 シテミセヨウ」



防空「3日トハ……大キクデマシタネ。ヤツラ、数ダケハ 多イデスヨ。ソレニ、ソノ理屈ナラ 戦艦タイプ ト 相性 ガ イイノハ 空母タイプ デショウ?」



潜夏「ウン。確カニ。寧ロ、味方 ニ 戦艦 ガ イルト イツモヨリ 余計 ニ 殴ラレチャウモンネ」



ゴツン!



潜夏「イタァ~イ!ゲンコツ シタァ~~~!!」ぷくー…(たんこぶ)



潜水「馬鹿 ハ 黙ッテロ!」



防空「コノ場合、空母 サン ハ 辞退シテルカラ、次点 ノ 空水 ガ ヨロシイカト」



空水「イヤ、私ハ……」



潜水「フンッ!防空、誰 モ 貴様ニ 意見ナド 求メテハイナイゾ!!空母、私ニ 任セロ」バニッ!



水母「待ッテクレ。我ガ 艦隊 ニハ 戦艦タイプ モ 空母タイプ モ 万遍 無ク イルガ、如何セン 錬度ガ 心モトナイ…」



水母「地下要塞 ニモ 収入源 ニモ 興味 ハ ナイガ、ル級 ダケハ 是非、我 ガ 艦隊 ニ 欲シイナ」



戦夏「待ティ、私ダッテ ル級 ヲ 部下ニ シタイ!」



ガヤガヤ!!!



戦水「ル級ッテ誰ダ?」



ミギノ「ハイ、オ嬢様。亡キ 御母上、初代 戦艦水鬼様 ノ 盟友。戦艦棲姫 様 ノ 忠臣 デゴザイマス」



戦水「チューシン……?ヒダリノ、アマリ 難シイ 言葉 ヲ 使ワナイデ」



ヒダリノ「申シ訳ゴザイマセン」



ミギノ「オ嬢様。左ハ 御箸 ヲ 持ツホウトハ 反対ノ方 デ ゴザイマス。ソシテ、今 発言 シタノハ 私メニ ゴザイマス」



戦水「……ソウダッタワ!ゴメンネ。ミギノ、ヒダリノ」



ミギノ「滅相 モ ゴザイマセン」



ヒダリノ「我々 ガ 似テイル ノ ガ イケナイノデス」



ザワザワザワ……!!



空母「諸君。戦艦 ノ 部下 ニ 関シテハ、他所ニ 動員 サセルコトハ デキナイ」



重巡「何故ダロウカ」



空母「彼女達 ハ 主ガ 帰還スル ソノ日マデ、地下要塞 ヲ 守ラネバ ナラナイ」



防空「成程、思イ出ノ 場所カラ 離レタクナイト……ル級 本人 ノ 希望 ト言ウ ワケ」



港夏「デモソレジャア、ドウヤッテ 統治 スルノ?」



空母「基本的 ニハ ル級達 ニ 任セ、有事ノ 際ハ 管理者 ガ 地下要塞ニ 赴キ 指揮ヲ 執レバイイ」



泊地「ソレデ収入 モ 得ラレルノナラ、何トモ楽ナ 話ダ。心モトナイ 部下ダッテ、ル級 ニ 預レバイイジャナイカ」



水母「ウーム……一々 移動スルノハ 面倒ダガ、部下 ノ 教育 ノ 為ナラ……」



潜水「泊地、水母 ニ 肩入レ スルノカ!」



泊地「別ニ。タダ、私 モ パス ダ。コチトラ 海域 ヲ 三ツモ 受ケ持ッテイルンデナ。トテモ 無理ダ」



駆水「装甲 ト 南方 ノ 海 ダッタカ」



泊地「誰カ、片方 面倒 ヲ 見テクレルト 助カルンダガナァ…」



空水「……皆、聞イテクレ。提案 ガ アルンダ」



空母「ナンダ?」



空水「コノ場 ニハ 居ナイガ、トアル 姫ニ 戦艦棲姫 ノ 海域 ヲ 任セタイ」



潜水「空水!コノ場ニ 来テモ 居ナイ 者ヲ 推薦スルト言ウノカ!!」ガタッ!



軽巡「潜水、サッキカラ 五月蝿イゾ」キッ…



駆逐「オマエ ガ 立ツト 後ロノ 私ガ 見エナクナルンダ」



駆水「迷惑ダ。座ッテ頂コウ」



潜水「グッ………貴様等…チッ!」ストッ…



空母「誰 ヲ 推薦 スルツモリダ?」



空水「ソレハ……」



「姫様 ノ 御成リーーー!」



空水「ハッ!……ヤット、ワカッテクレタノカ!!」クルッ…



「ミンナ!遅レテ ゴメンナサイッ!!」



空母「オォ、水母水姫。待ッテイタゾ」



水水「イヤァ……急 ニ 艦娘 ガ 攻メテクル モンダカラ 出発 ノ 時間ガ 遅レテ…スマナイ。空母」



空母「大丈夫。マダ、話 ノ 途中ダ。コレカラ 詳シク 議論 シテイク」



水水「ハァ……ヨカッタ。間ニ合ッタ……」



水母「水水!コンナ 大事ナ 時ニ 遅レテクル トハ……」



水水「好キデ 遅レタン ジャナイ!本当ニ イッパイ 攻メテ 来タンデスモノ…」ゼェゼェ…



潜水「空水ヨ。マサカ、オマエ ガ 推薦スル 姫 トハ コイツノ 事デハ アルマイナ?」



空水「違ウ!私ガ 推薦シタイノハ……!!」



「姫様 ノ 御成リーーー!!」



空水「今度コソ!……ナッ!?」



コツ…コツ……



「残念。装甲チャン ナラ ココニハ 来ナイワ」



重巡「貴様ァ……ッ!!」ギラッ!



防空「フフ…キタンダァ……?ヘーエ……キタンダァ……」ニタァ…



飛行場「オマタセ♪」



空母「飛行……場姫」



泊地「何故……オマエ ガ ココニ!!VAVA ニ 倒サレタ ハズジャ…」



潜水「ヴァヴァ……VAVA。聞イタ 事ノ アル 名ダ」



泊地『シマッタ…!』パッ…



軽巡「我々 ガ ココデ コンナ 集マリ ヲ シナケレバ ナラナクナッタノモ、ソヤツ ガ 原因ダナ」



水母「噂程度ダガ、私モ 知ッテイル」



駆逐「コンナ 顔ダ ト 聞イタ」( T)



駆水「変ナ 顔 ダ」



重巡「…」ピクッ…



重夏「重巡姉サン?」



重巡「何デモナイ」



戦水「VAVA……ソイツ ノ セイデ 戦艦 ハ 行方不明ニ……ヨクモ……ヨクモォオ!!」ガンッ!



ズズズズズ……グラグラ!!



ミギノ「オ嬢様!イケマセン!!」


ヒダリノ「空母様 ノ 城ガ 壊レテ シマイマス!」



戦水「飛行場、オマエ ガ ツイテイナガラ!」



戦夏「……落チ着ケ 戦水」



港夏『ア……ガチモード ダ』


重夏『怖イ カラ 黙ットコウ』


潜夏『ウン』



戦水「戦夏…オマエハ 悔シク ナイノカ!育テノ 親ヲ 沈メラタンダゾ!!」



戦夏「悔シクナイ。タトエ、飛行場 ノ 策略ダッタトシテモダ」



飛行場「濡レ衣ダワ」



防空「クックック……白々シイ」



戦水「何故…!」



戦夏「強靭ナ 兵 ヲ 導キ、カ弱キ 臣民ノ 剣ト ナリ 盾 トナル……ソレガ 我々 深海 ノ 姫 ノ 定メダ」



空母「戦艦 ノ 言葉ダナ…」



戦水「……戦艦」じわっ…



戦夏「己 ノ 身 ヲ 守レナカッタ 戦艦自身 ニ 責任 ガ アル」



飛行場「私モ 助ケヨウトハ 思ッタノダケレド……流石 ノ 私モ 艤装獣 ハ ドウシヨウモナイワ」



ガタタタタタターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!




ギソウジュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!?!?!?





運河「  」クィ…コトン(お茶)



運河「」ちょいちょい……



「ハイ?ナンデショウカ」



運河「     」スッ…



「オカワリデスカ?」



運河「 」コクリ…



「カシコマリマシタ」



潜水「飛行場ッ……ドウイウ事ダ!!戦艦 ガ 艤装獣 ノ 封印 ヲ 解イタトイウノカ!?」



離島「マァ…」



防空「狂ッテマスネェ」



軽巡「私 ハ 信ジナイ」



駆逐「危険ダナ。今、艤装獣 ハ ドノヨウナ 状態ナノダ?」



水母「戦艦 ガ 不在 デハ、誰モ 制御 デキンデハナイカ」



水水「戦夏、戦水。オマエ達 ノ 艤装 デ ドウニカ デキナイノカ?」



港夏「封印出来ソウ?」



重夏「最近、火トカ 吐ケル ヨウニ ナッタシ、イケルンジャネ?」



潜夏「ドウダロウ…」



戦夏「無理ダナ……私ノ 艤爽獣 ハ 所詮 ウツシ身。オリジナル ニ ハ 及バナイ」



ミギノ「我々 デモ、母上 ニハ カナイマセン…」


ヒダリノ「非力 ナ 我々ヲ オ許シ下サイ…」



戦水「艤装獣ガ……コノママデハ…海デ 暮ラス 皆 ガ 犠牲ニ!!」



駆水「同類ダケデハナイ。平和 ニ 暮ラス 地上 ノ 生キ物 ニモ 被害ガ 及ブ。敵ナラバ マダシモ、罪 ノ 無イ者 ヲ 犠牲ニスル 訳ニハ イカン…」



空水「空母……」



空母「案ズルナ……場ガ 乱レタ ナラ 正ス マデ」



空母「諸君、静粛ニ。飛行場 ノ 話ニハ 続キガアルノダ。飛行場、誤解 ヲ 生ム 発言ハ 慎ム ヨウニ」



飛行場「ゴメンナサァイ」ペコリ



ザワザワザワザワ!!!!



空母「コノママデハ 話ガ 進マナイ。引継ギ ノ 件ハ 一時中断 ト スル。艤装獣ニ ツイテ 現場 ニ イタ 泊地 ニ 証言 シテモラオウ」



泊地「ウム」スクッ…



潜水「盟友ヨ。飛行場 ハ 信用デキン ガ、オマエ ナラバ 信ジヨウ。先程 ノ ヨウニ 落胆 サセテ クレルナ」ニコニコ



泊地『コイツ……私ハ 友人 等ト 微塵モ 思ッテナイノニ、何故カ 私ヲ 盟友、盟友 ト 呼ブンダヨナ……』



泊地『私ハ 決闘 ガ 好キ ナンデアッテ、オマエ ノ ヨウニ 他人 ヲ 痛メツケル ノガ 好キナンジャ ナインダヨ』



泊地「エー…………マズ第一ニ、飛行場 ノ 言ウ通リ 艤装獣 ノ 封印 ハ 解カレタ」



泊地「ガ、再ビ 封印 サレタノダ」



泊地「安心 スルガイイ。艤装獣 ハ 今モ 海深ク 眠ッテイル」



泊地「コレカラ 順ヲ 追ッテ 説明 シテイコウ」



飛行場「…」ニヤニヤ…




街道



ブロロロロ~~~!



装甲「壊れそうで……」ノリノリ♪



初春&子日「「こわれそ~で~……」」



あきつ丸「車内にからおけを積んであるだなんて、これは盛り上がるでありますな!」



足柄「次、私ね!」



龍驤「お、冷蔵庫もあんねや。お茶もらうでー」



赤城「私はコーラを」



VAVA「おう。好きに飲んでいいぞ」



装甲「負けない愛だって~♪」



VAVA『こいつ、不器用なくせに歌は上手いんだな』



加古「く~…」スヤァ…zzz



古鷹「提督、この車すごいですね。椅子がベッドみたいになりますし、加古もすごく気持ちよさそうです」



VAVA「快適に過ごせるよう設計してあるからな。アイマスクと耳栓をすれば仮眠も無理なくできる」



能代「提督、このボタンは?」



VAVA「マッサージ機能だ」



能代「どれどれ……わっ!結構本格的。きく~~~~~~……」ブルルルル……



VAVA「あと30分もすれば街に着く。先にショッピングモールから回るぞ」



はぁ~い!



ショッピングモール



キキッ…



VAVA「着いたぞ。俺はこのまま駐車場で待っている。終わったら戻って来い」



装甲「えぇ!?」



足柄「一緒に行かないの…?」しゅん…



VAVA「買う物も無いしな」



子日「提督がいないと、子日さびしいなぁ~…」うるうる…



VAVA「…」



龍驤「せやせや、せっかく来たんや。一緒に楽しもうや」



VAVA「しかし…」



あきつ丸「何か、問題でもあるのでありますか?」



VAVA「ある」



能代「どんな?」



VAVA「お前達はこの場の雰囲気にあった服装をしているな」



龍驤「そりゃそうや。誰が好き好んで街中で陰陽師風コスチューム着るかいな。変人だと思われるで」



古鷹「私服ですよ」



加古「どうだい、似合ってるだろ?ミニスカだぞ~♪」



VAVA『いつもミニスカートだろ…』



VAVA「あぁ、よく似合っている。だが、俺はこんな格好だ」



艦娘一同『『『こんな格好って、自覚あったのか…』』』



VAVA「俺が隣を歩いていては、お前たちに迷惑が掛かる」



赤城「では、鎧を脱げばいいのでは?」



VAVA「それはできん」きっぱり



龍驤「なんでや!」



VAVA「俺は臆病でな。いつ襲われてもいいように、鎧を身につけているんだ」



VAVA『何を言ってるんだ俺は……』



装甲「VAVAさん…?」



装甲『VAVAさんが人間ではないことには薄々感づいていたけど、もしや、艦娘には内緒にしている…?』



VAVA「…」



装甲『……下手なこと言わないように黙っていよう。でも…VAVAさんと一緒に回りたかったなぁ』



初春「安心せい。わらわは周囲の目など気にはせぬ」



VAVA「初春…」



初春「貴様には荷物持ちをやってもらおう。子日のお菓子と一緒に、わらわもちと買い物をするのでな」



VAVA「荷物持ちか……確かに、初春に重い物は持たせられん」



初春「良きかな、良きかな♪さぁ、わらわについて参れ。子日、ゆくぞ」



子日「はぁ~い!!」



ガシュン…ガシュン……てくてく…!



足柄「……あんな子供にとられた」



龍驤「なぁるほど……どっちかってーとリードされるほうが好みなんや」



あきつ丸「まぁ、いいではありませんか。我々も続きましょう」



古鷹「ほら、しっかり立って」



加古「ごめんごめん。いきなり立つと立ちくらみが……」ふらふら~



赤城「では、私はラーメン屋さんに行って来ます」



能代「あっはい」




一方その頃…



横須賀鎮守府


工廠



天龍「いよぅ!妖精さんよ、頼んどいた刀は仕上がってるかい?」



「はい。しっかり鍛えなおしといたから。あんまり手荒に扱うんじゃないよ」



天龍「さんきゅー!へへへ、これでまた斬りまくれるぜ」



「仕事仕事…」カンカン!



天龍「?……なんだい、それ」



「零式水上観測機だよ。これからはこれをメインに使うから、零式水上偵察機をバラしてるんだ」



天龍「そういやさ。あんたみたいに普通に働いてる妖精もいるけど、装備に宿ってる妖精とかもいるよな?」



「あぁ、いるよ」



天龍「あいつらって、装備が廃棄されたらどうなんの?」



「妖精界に帰るの」



天龍「妖精界……聞いたことあるな」



「この世界とは別の場所にあるのさ。そこからまた、別の仕事場を探すわけ」



天龍「ふーん……なぁ、それ、零観だっけ?俺にも一つくれよ」



「ダメダメ。天龍型には搭載できないよ」



天龍「ちぇ~」



「これから、また忙しくなるから、用がないなら行った行った」



天龍「……いただき!」パシッ!



「あ!?」



天龍「俺だって弾着観測射撃したいんだ!」



「無理だっつーの!」



ピカッ……!



天龍「うわっ!」



「ひゃ……なんだ!?」



ブルルルルルーーーン!



天龍「う……動いた!」



「まさか!天龍型に使えるわけない!!」



天龍「……なぁ、観測機ちゃんよ。俺の言うこと、聞いてくれるか?」



「…」



天龍「…」ドキドキ…!



「いいよ~」



「嘘ぉ!?天龍は搭載数0のはず……」



「ううん。1、2は0だけど、3スロ目に11機も搭載できるよぉ~?」



天龍「マジで!?俺強ぇーーー!!」



「突然変異か…?」



ドタドタドタドタ…!!



ガラッ!!



利根「てんりゅー!」



天龍「おぉ利根!聞いてくれ!!俺、観測機を搭載できるようになって…」



利根「おぬしもか、我輩も見ろ!カタパルトが好調なのじゃあ!!」



天龍「マジかよ!?あれだけ不調だったお前のカタパルトが…!?」



利根「着いて来い!翔鶴のとこにも行くのじゃ!!」



天龍「お、おう!」



ダダダー!!



「……不思議なこともあるもんだ。まぁ、使えるんならしょうがない…一個くらいやるよ」カンカン!



ショッピングモール(お菓子売り場)



ガシュン…ガシュン……



どよどよ…!?



VAVA「…」



子日「えーと、これと……これ美味しそう!」



初春「早くせい」



子日「皆にもおみやげ~♪」



VAVA「えらいな」



子日「あ~!あっちのも~!!」たたたー!



初春「こら、待たんか。走るでない。他の人に迷惑じゃ」



VAVA「仕方ないやつ」



初春「珍しい物に囲まれて、はしゃいでおるのじゃ。許してやって欲しい」



VAVA「わかっている。普段、鎮守府からは出ないしな」



足柄「懐かしい!小さいころよく食べてたな~」



古鷹「見て、加古の好きなやつがあるよ」



加古「あぁ、あのヨーグルトみたいなやつ。美味しいよね?」



あきつ丸「羨ましいでありますな。自分は厳しい家庭でしたので、駄菓子とは無縁だったのであります。それが美味なのかもわかりません」



能代「あきつ丸さん…」


足柄「なんか…ごめん」


古鷹「すみません…」


加古「む~ん…」



あきつ丸「いえいえ!空気を重くしてしまい申し訳ない」



足柄「そういえば、あきつ丸って陸軍に所属してる時は何してたの?」



あきつ丸「何にも。しいて言えば雑用であります」



龍驤「あんさんも苦労してきたんやな」



あきつ丸「確かに、楽ではなかったのであります。まるゆ殿と一緒に、しょっちゅう叱られていたのでありますからして」



龍驤「でも、今はどうなん?」



あきつ丸「えぇ、提督殿の下に就いてからというもの、毎日が楽しくて」



能代「退屈しませんよね」



あきつ丸「えぇ……こんな自分でも必要としてくれる。自分、提督殿が好きであります」ぽっ…///



能代「ひぇ~…」



龍驤「ほほぉ~?結構大胆なんやね」



足柄「…」メラメラ…!



古鷹「か…かっこいいですもんね!」



加古「養ってくれそうな所が良いよね~」



古鷹「加古ったら!え…えと……」



古鷹『なんだか、険悪な空気に……なんとかしなきゃ!』



古鷹「装甲さん!なに見てるんですか?」



装甲「綺麗……赤とか黄色とか…あ、紫色もあるんだ♪」



加古「ん~?変わった人だねぇ。飴玉なんか見て、そんなに楽しいかい?」



装甲「はい!私、こういうキャンディって食べたこと無いんです」



古鷹「え?昔から売ってるものですけど…」



ガシュン…ガシュン……



VAVA「次はブティックだとよ。行くぞ、おまえら」



了解!



VAVA「馬鹿、ここではいらん」



はぁ~い…


ブティック



シャーッ…



初春「どうじゃ?」



VAVA「和服のテイストがいいな」



シャーッ…



子日「ネコミミパーカー!」



VAVA「キュートだ」



シャーッ…



能代「なんで私まで……て、提督的には何点でしょうか?」



VAVA「…」カシャカシャカシャ…



VAVA「100点中83点」



シャーッ…



あきつ丸「こんな格好……自分に似合うのでしょうか」



VAVA「悪くない。あきつ丸には、黒がよく似合う」



シャーッ…



古鷹「無難にワンピースです」



VAVA「良い感じだな」



シャーッ…



加古「古鷹のと同じ」



VAVA「いいんじゃないか」


シャーッ…



装甲「あの人形のを借りてきました!」



VAVA「返してこい」



シャーッ…



龍驤「どや?」



VAVA「グッド」




足柄「どうかしら?」



VAVA「エクセレント」



次はこれで…その次はもっと……



VAVA「…」ぽつーん……



VAVA『服を選ぶというのは、時間が掛かるもんなんだな……』



食品コーナー



足柄「ねぇ、パン粉は細かくてサクサクの方がいい?それとも、荒めでザックリしたほうが好き?」



VAVA「足柄が得意な方を使ってくれ」



足柄「なら、荒めのを買うわね。お肉はもう間宮さんに頼んであるから、あとはカレー粉」



VAVA「楽しみだ」



足柄「ま…毎日作ってあげてもいいのよ?」



VAVA「…」



VAVA「悪くない」



足柄「え……それって…」



VAVA「カレー粉、あったぞ。どれにするんだ」



足柄「へっ!?えっと……ちょっと辛いのが好きなのよね?どれにしようかしら~!!」///



VAVA『すまない…』



玩具コーナー



あきつ丸「う~む……おぉ、提督殿。足柄殿の買い物は済んだのでありますか?」



VAVA「あぁ」



あきつ丸「今、この ちぇす とやらに興味を引かれているのであります」



VAVA「将棋と似たようなものだ」



あきつ丸「そのようでありますな。これも購入しようと思います」



VAVA「いつでも相手になってやる」



あきつ丸「おもしろい。提督殿相手の心理戦は、心躍るのでありますよ♪」



VAVA「俺もだ。お前は大局的にものを見れるからな。手強い相手だ」



あきつ丸「提督殿は……自分のことをよく見ているのでありますね」



VAVA「大事な部下だからな」



あきつ丸「…」///



VAVA「ん?なんだこれは。バトルシップドーム?」



あきつ丸「スーパーエキサィティングデース……?子供向けの玩具でありますな。ちょっと大掛かりであります」



VAVA「おもしろそうだ。駆逐艦が遊ぶかも知れん。一つ買っていこう」



あきつ丸「お土産でありますね。おや?それもお土産でありますか?」



VAVA「あ…




VAVA「あ……あぁ。これは姪に送るものだ。まだ小さいから喜ぶだろうと思ってな」ほっぽ&なんぽー用



あきつ丸「なるほど」



VAVA「少女が派手な衣装を着て悪の怪人と殴りあうアニメの人形だ。子供達の間では大人気らしい」



あきつ丸「提督殿は、家族想いなのでありますな。感心であります」



ピピピピ……!



VAVA「……加古、どうした。わかった……今行く」



あきつ丸「次は加古殿でありますか?」



VAVA「急用らしい。行ってくる」



あきつ丸「はい」


ラーメン屋



コトッ…



「うっ…!」



赤城「ごちそうさまです」ふきふき…



「や、やるなぁ姉さん。ウチの超弩級豚骨ラーメンを食っちまうなんて……驚いたよ。はい、賞金の一万だ」



赤城『おかわりが食べたくなりましたね……そうだ』ピコン!



赤城「まだです。まだ終わらせない。もうひと勝負といきましょう」



「なんだって!?」



ざわ……ざわ……



赤城「倍プッシュ……おかわりです」



「じょ、冗談じゃない!そんなこと!!ラーメン売って一万円稼ぐのがどれだけ大変か…」



赤城「なら、こうしましょう。もし私がおかわりを食べきれなかったら、あなたに2万円支払います」



「本気か……?あのサイズをおかわりだなんて…」



赤城「出すのか出さないのか、はっきりして下さい。別に構いませんよ。逃げても」ぼそっ…



「なにおぅ……よぉーし!勝負だ!!絶対、満腹にさせてやる!!」



赤城「ふふふ……そうこなくっちゃ」



寝具コーナー



「ありがとうございましたー……」じろじろ…



加古「助かったよ。あんがとね」



VAVA「二人して財布を忘れるとはな」



加古「あたしはもともと持ってきて無いもん。古鷹が無駄遣い防止だって言って、いつも持たせてくれないからさぁ」



VAVA「それで忘れていては世話がない」



古鷹「ごめんなさい……鎮守府に戻ったら、きちんと御返します」



VAVA「……いい。別に高い買い物でもないしな」



加古「驕りかい?ラッキー!!」


ゲームコーナー



龍驤「ほいっ……ほい、ほほいなほいっと!」パンッ!



バシッ!ビシィッ!!ゴトン…!



「すごーい!連装砲ちゃんも落ちたぁ!!」



龍驤「ま、こんなもんやろ」ふっ…



「お姉ちゃんすげーなぁ。この射的、難しくてみんなやらないのに」



龍驤「姉ちゃん、一応軍人やからなぁ。射的なんてお茶の子さいさいやで」



「ぐんじんさんなの!すごーい!!」



龍驤「せやろせやろ、ええ子や。よっしゃ、このぬいぐるみはお嬢ちゃんにあげるわ」



「本当!わーいありがとう!!」



龍驤「兄ちゃんにはこっちのな」



「わぁ!ゼロ戦だぁ!!かっこいー!!お姉さんありがとう」



龍驤「それあげたこと、友達に言いふらしたりしたらあかんでー?」



「「はぁーい!じゃーねー!!」」タタター…



龍驤「可愛い兄妹やなぁ」ほっこり



スッ……パシッ……バンッ!ババンッ!



ゴトトーーーッ!!



龍驤「な、なんや!?キミ……いつの間に」



VAVA「的が近すぎる」



VAVA『射撃訓練場にも賞品を設ければ士気があがるかもしれんな……今度試してみよう』


雑貨コーナー



能代「あ、このシュシュ可愛い」



「あ~もしもし」



能代「はい、なんでしょう?」



「お姉さん、さっきこれ落としましたよね?」



能代「お金…?いいえ」



「おかしいなぁ。さっき見たんだけどなぁ」



能代「人違いです」



「そんなことないですよ。キミみたいな美人、見間違うわけないっすよ~」



能代『ニコニコしてるけど……気持ち悪い人。もしかして私、ナンパされてる?』



能代「…」スッ…



「待ってくださいよ~お姉さん。落し物したでしょって!」



VAVA「…」ズイ…



「うわぁ!?」



能代「提督!」



VAVA「俺の連れに……何か用か?」ゴゴゴゴ…!



「え…!?あ…いや、そのお姉さん…お金落としたから…すっすんませんしたぁー!!」ダダッ!



能代「ありがとうございます。ああいう時、どうしたらいいのかわからなくて」



VAVA「深海棲艦と同じ対応をすればいい。俺が許す」



VAVA『どこの世界の人間も所詮あんなものか』


楽器コーナー



VAVA「…」ガシュンガシュン…



能代「…」てくてく…(怖くなったからついてきた)



VAVA「装甲がここらにいるらしいんだが」



能代「装甲さん、音楽室で寝泊りしてますもんね。やっぱり楽器が好きなのかな」



VAVA「オーケストラを聴くのが趣味だそうだ」



能代「優雅~」



♪~~~~~~



VAVA「ん…?」



装甲「…」きゅっきゅ…(バイオリン)



能代「装甲さんだ……上手」



VAVA『さては、音楽室のバイオリンも練習していたな…?これは、俺が即興で弾いたメロディ……』



装甲「…」シャララン…



VAVA「…」



能代「綺麗ですね…装甲さん」



VAVA「あぁ…」



装甲「…」



VAVA『集中している……もう少し、聴かせてもらおう』


駐車場



VAVA「赤城がまだ来ていないな」



龍驤「赤城はマイペースやからなぁ」



赤城「只今戻りました」ガサッ…



龍驤「お、噂をすれば。どや、ラーメンうまかった?」



赤城「上々ね」



龍驤「さよか」



赤城「とはいえ、まだ物足りなかったからラーメン屋さんに貰ったお金で材料を買って来ました」



龍驤「どれ?この材料やと……豚骨か。ええやん。できたらウチにも食わしてや」



赤城「いいですよ」



VAVA「赤城、食品があるのならトランクの冷蔵庫の中に入れておけよ」



赤城「わかりました」



VAVA「次は、俺の買い物に付き合ってもらおう」


レトロショップ



キキッ……ガチャ…



VAVA「店の人間とは既に話をつけてある。すぐに戻るから待っててくれ」



あきつ丸「どうぞ、ごゆっくり」



ガシュン…ガシュン……



装甲「なんだろう……ここ。れとろ?」



能代「私も詳しくは知りませんけど、昔っぽいものが売ってるお店ですね」



装甲「へぇ~…」



加古「はやっ!もう戻ってきたよ。でっかい箱だなぁ」



VAVA「荷台にくくりつけたい。赤城、手伝ってくれ」



赤城「了解しました」スッ…



龍驤「どれ、ウチも…」



VAVA「赤城以外は背が低いからいい」



龍驤「……さよかぃ!」ぷんぷん!



怪しい銃砲店



車内



能代「レトロショップの次は…銃砲店?」



初春「なんぞ、うさんくさい所じゃのう」



子日「あはっ!変なのばっかり」



龍驤「ガラクタばっか並べとるなぁ」



赤城「いえ……ここにあるのはどれも危険な武器ばかりです」



あきつ丸「もしや、提督殿の鎧もここで購入したものでは?」



古鷹「確かに……どことなく意匠が似てる気が」



足柄「えぇー?そぉ??提督のアーマーのが何倍もかっこいいと思うけど。容易にドクロつけるとかダサいわ」


店内



VAVA「邪魔するぜ」



「バブー?」



VAVA「何?」



「バブ」ぺこり



VAVA『一応……歓迎されたようだ』



VAVA「すまないが、ここに優秀なメカニックがいたはずだ。彼女に会いたい」



「バブー」



VAVA「…」



ガチャ…



「どうしたのー?お客ー??」



VAVA「あんたを待っていた」



「あら、こないだの……いらっしゃい。また来てくれたのね」



VAVA「こいつは、あんたの弟か?」



「そうよ。カワイイでしょ」



「バブー」



「ありがとう。店番は私がやるから、お兄様を手伝ってあげて」



「バブー!」



「マシンガンの調子はどう?使いこなせてるかしら?」



VAVA「それも含めた話だ……あんたに、仕事を頼みたい」スッ…



「何…?設計図ね。どれ……な!?すごいわ!これ、あなたが設計したの!?」



VAVA「そうだ。だが、残念ながら材料が足りない。あんたなら、色々と応用が利くんじゃないかと思って来た」



「そうねぇ……ここんとことか、そこらへんの車の部品で何とかなりそうだし……あぁ、あのマシンガンを腕につけたいわけね」



VAVA「どうだ」



「お金出してくれるんなら、やってみてあげてもよくてよ」



ドサッ…



「こんなに…………あのねぇ、成功するかどうかは保障しないわよ?」



VAVA「かまわない。やるか、やらないか。どっちだ」



「やるわ。交渉成立ね」



VAVA「期間は特に設けるつもりは無い。あんたが納得のいくクオリティに仕上がるまで、煮詰めていってほしい」



「久々だわ。お金に糸目をつけずに仕事するなんて。腕がなりますわ」



VAVA「期待しているぞ。俺はVAVAだ。あんたは?」



「え…?えーと……名前なんてどうでも…」



VAVA「俺の連絡先だ」



「あ、ありがと……うーん」



VAVA「名乗れない事情でもあるのか?」



ロント「そんなことないわよ。ロント。ロントよ。取引の間、よろしくね。VAVA」



VAVA「よろしくな」


帰り道



ブロロロロー…



VAVA『…あの眼鏡女』



VAVA『俺が描いた DRA-00(ライドアーマー二号機) の設計図を一瞬で理解した……見た目に違わず、一流のメカニックだ』



VAVA『明石やリ級ではまだ理解しきれないだろう』



龍驤「もう、どこにも寄らへんの?」



VAVA「後は帰るだけだ」



子日「くぅ~…」



初春「騒ぐだけ騒いでこれじゃ。手が掛かるのう…」なでなで…



VAVA『…』ミラー越し



子日「…」スヤァ…



VAVA『安心した顔を見ているだけで……こっちまで安心させられちまう』



空母城



泊地「……コレガ、今回 ノ 事件 ノ 全貌 ダ」



空母「私モ 最初ハ 耳 ヲ 疑ッタガ、 ル級 カラモ 同様ノ 証言 ヲ 得タ。残念ダガ……事実 ノ 可能性ガ 高イ」



シーーーーン……



空母「……今日 ノ 話シ 合イハ ココマデニシヨウ。後日 改メテ 会議 ヲ 執リ行ウ」



空母「諸君 ノ 為ニ、ササヤカ デハ アルガ 宴 ヲ 用意シタ。ソコデ、再会 ヲ 懐カシム モ 良シ、情報 交換 ヲ スルモ 良シ。自由 ニ シテクレ」



異議アリ



空母「誰ダ?」



ドヨドヨドヨドヨ…?



空母「潜水 カ?」



潜水「チ、違ウ…」





運河「ワタシ デス」





!?!?!?!?!?!?!?



泊地「運河ガ……!」



空水「今……!」



離島「今日ハ 驚キ ノ 連続ネェ。楽シイワ」



潜水「一度 噤ンダラ、100年 ハ 口ヲ 聞カナイ 姫ガ……!!」



水水「喋ッタ…」



防空「案外、可愛ラシイ声デスネ」



駆水「私 モ 聞イタ 事ガ無カッタ……」



駆逐「スゴイ。イツ 振リ ダロウ」



水母「何ヲ 言ウ ツモリダ…?」



港夏「アノ人 ガ 喋ルト ミンナ 驚ク ラシイ」



重夏「羨マシイナァ」



潜夏「今度、深海納涼祭 ノ オ笑イ ライブ ニ 是非デテモラオウ」



戦夏「…」ナデナデ…



戦水「グス……」わしゃわしゃ…



戦夏『私モ ボケ タイ ガ……今ハ ボケチャナラン。戦水 ガ カワイソウダ…』



軽巡「運河ヨ。話ヲ 聞コウ」



運河「戦艦 ノ 海域 ヲ 誰ガ 引キ継グ ノカ、コノ件ダケハ 今 決メル ベキデス」



空母「ドウシテ ソウ思ウ?」



運河「重要ナ 件 ダカラコソ 早急 ニ 決定シ、臣民 ヲ 安心サセルベキ デハ アリマセンカ」



飛行場「待ッテ。皆ニモ 考エ ヲ マトメル 時間ガ 必要ナハズ」



運河「必要アリマセン。貴女ヲ 放置 スル方ガ 危険ダト 私ハ 判断シマス」



飛行場「言イガカリダワ」



運河「言イガカリ。装甲 ヲ 騙シタ 時モ、ソウ言ッテ イマシタネ」



空母「……ソウダナ。運河、異議 ヲ 認メヨウ。皆ハ ドウダ?」



泊地「空母 ト 同意見ダ」



空水「同ジク…」



潜水「無論ダ。ソモソモ 貴様ナド 我々 ノ 輪ノ 中ニ 加エルコトモ 反対ダ」



駆水「コノ中ノ 誰カガ、マタ オマエ ニ 騙サレナイトモ 限ラナイ。前科ハ 重イゾ」



飛行場「…」



空母「他ニ 意見ガ 無ケレバ、コノママ 会議 ヲ 続行 スル」



運河「私ハ、離島 ヲ 推薦シマス」



離島「アラ、私?」



運河「戦闘能力、指揮能力 ニ 不安ガ無ク、戦艦 トモ 親交 ガ アッタ 貴女 ナラバ、万事 勤メ アゲル コトガ 出来ル デショウ」



空母「フム…」



運河「全テ、深海 ノ 為」



泊地『確カニ……性格 ハ 悪イガ、仕事ニ 対シテハ 真面目ダ。臣民カラモ 支持サレテイル ヨウダシ、良イ選択 カモ 知レン』



離島「推薦シテ クレルナラ、断ル 理由 ハ アリマセンガ……皆 ドウカシラ?」



潜水「グヌヌ…」



潜水『旨ミ ノ アル 話ダッタガ……コノママ多数決 ヲ トッテモ ドウセ 全員 自分ニ 票ヲ 入レル』



潜水「離島 ト 取引 デモ シタノカ。運河?」



運河「  」スン…



潜水「……何ヲ 黙ッテル!」



戦夏「モウ 話スコトハ 無イ ト 言ウコトダロウ。仕方アルマイ……」



水母「惜シイガ、話ガ マトマッタノナラ ソレデ良イ」



飛行場「……私ハ 防空 ヲ 推薦 スルワ」



ザワ……!



防空「ウフ……冗談 ガ 過ギマス」



飛行場「イイエ。貴女コソ 戦艦 ノ 海域 ヲ 統ベルニ 相応シイ」



防空「ダ、ソウデスガ。困リマシタネ……初メテデスヨ。先輩カラ コンナ ラブコール ヲ 受ケルノハ♡」



空母「……他ニ 推薦、立候補 スル者ハ イナイカ?」



シーーーーーン……



軽巡「空母。運河ニハ 悪イガ、事実上 ノ 二択ト ナッタ今、決メルノハ 明日 ニ 持チ越シタ方ガ イイ」



駆逐「ソレガイイ。今日 ハ モウ 疲レタ」



水水「私モ……休憩 シタ 後ニ ジックリト 決メタイナ」



空母「ウム……構ワンナ?運河」



運河「 」コクリ…



空母「会議ヲ 一時 中断スル。皆、御苦労ダッタ」


空母城(パーティホール)



クイッ…



泊地「……イイ ワイン ダ。空水、オマエ モ 飲メ」ズイッ…



空水「…」ぶに…



泊地「装甲……推薦 シタカッタンダロウ。何故、立タナカッタ」



空水「駄目ダ。アノ2人ガ 相手デハ、誰モ 票ヲ 入レテ クレナイ」



泊地「カタヤ、ベテラン陸姫。カタヤ、期待 ノ 大物駆逐姫……デ、何故 装甲 ナンダ?」



空水「ル級 ヲ 始メ、戦艦 ノ 部下達 ヲ 配下 ニ スレバ、責任感 ヲ 養エル ト 思ッタンダ……」



泊地「モウ、アンナヤツ 放ッテ オケ」



空水「確カニ、優秀 デハ ナイカモ 知レナイ」



泊地「優秀 ドコロ カ 性格 モ 最悪。飛行場 ト イイ勝負ダ」



空水「ソンナコト ハ 無イ!!」クワッ!



シャシャシャッ!!



「御二方……殿中デ ゴザイマス」


「ココデノ チカラ ノ 解放 ハ、空母様ヨリ 堅ク 禁ジラレテオリマス」



泊地「何デモナイ。ユケ」


「……ハッ、失礼致シマス」



シュシュシュンッ……!



空水「スマン……」



泊地「何時モ 冷静ナ オマエ ヤ 空母ダガ、装甲 ノ 事ニナルト 途端 ニ 熱クナル」



空水「皆、知ラナインダ。装甲 ハ 寂シガリ屋 ナダケデ、タダ 皆ニ 認メテ 欲シイ ダケナンダ」



泊地「横暴ニ 振舞ウ 事ガ 権力 ノ 誇示ニ ナル ト 考エテイタ キライ ガアルガナ」



空水「マットウニ 努力スレバイイノニ、近道 ヤ ズル ヲ スルコトガ 賢イ ト 思ッテイルンダ……」



泊地「馬鹿ダナ」



空水「ソウサ……デモ、優シイ 所ダッテ アル。ダカラ、放ッテオケナインダヨ」



泊地「オマエ達 二人 ガ 甘ヤカス カラ、一向 ニ 成長 シナインジャナイノカ」



空水「ウグゥ…」



軽巡「ヤハリ、ソウイウコト ダッタカ」


空水「軽巡…」



軽巡「馬鹿 ニ 着ケル 薬ハナイ。ル級達 ガ 迷惑スル ダケダ」



空水「…」



軽巡「優秀 ナ 人材 ハ、モット 有効活用 スベキダ。心セヨ。空水」



空水「アァ」



スタスタ……ピタ…



軽巡「…泊地。夜戦仮面 ニ アッタ ソウジャナイカ。ドウダッタ?」



泊地「何ガダ」



軽巡「ヤツハ、強イカ?弱イカ?」



泊地「サァナ。直接 手合ワセ シタコト ハ ナイガ、弱クハ ナイダロウ。ル級 ノ 話デハ 今回ノ 戦イデ 戦艦 ト 戦イ 逃ゲノビタ ラシイ」



軽巡「戦艦ト?ソウカ……フフ…」



スタスタ…



泊地「何ダ 一体…」



駆逐「ウマイ、ウマイ」パクパク…



駆水「…」



駆逐「駆水。ヤハリ、私ハ 防空ニ 票ヲ 入レヨウ ト 思ウ」



駆水「…ソウカ」



駆逐「ドウシタ、後輩 ノ 出世 ガ 気ニ食ワンカ?」



駆水「イヤ、同ジ 駆逐艦タイプ トシテ、喜バシイ 事デハアルンダガ……」



駆逐「飛行場、カ」



駆水「防空 ガ チカラ ヲ 持ツ 事デ、ヤツ ニ ドンナ メリット ガ アルノカ……私ニハ ワカラナイ」



駆逐「フム、私モ 気ニナル」



駆水「ドウダロウ、ココハ 離島 ニ 票 ヲ 入レナイカ」



駆逐「シカシ、防空ガ 権利 ヲ 勝チ取レバ 我々ニモ 利益ヲ 回ス ハズダ」



駆水「ソレハ ソウカモ 知レンガ……」



駆逐「駆水。何ヲ 恐レル?海 ノ 覇権ヲ 握ル 事ハ、我々 駆逐艦 ノ 悲願ダ」



駆水「勿論ダ。ダガ、飛行場 ダケハ 絶対ニ 軽視 シテハナラン。ヤツハ ドンナ姫ヨリ モ 恐ロシイ。戦艦 ヤ 中枢 ヨリモ……」



駆逐「ソノ二人 ヲ 引合イ ニ 出ストハ……ヤツ ヲ 買被リ 過ギデハナイカ。今ノ ヤツ ハ 友軍 モ 守レズ 逃ゲ帰ッテキタ 臆病者ダ」



駆水「アノ 眼 ハ、臆病者ノ 眼デハナイ。私ニハ 解ル」



駆逐「眼ネェ……」じと~…



駆水「頼ム、駆逐。我々ニモ 防空ニモ マダマダ チャンス ハ アルノダ。今回ハ、離島 ニ 票 ヲ 入レヨウ」



駆逐「……ワカッタヨ。駆水。ソノ 感ニ、乗ッカッテミヨウ」



駆水「アリガトウ!駆逐」



駆逐「ウン。握手」ぎゅっ…



駆水「アァ、ハグ モ サセテクレ」



駆逐「ウェルカム」むぎゅ…




ワイワイ!



潜夏「ネェ、戦夏。リーダー ガ ソンナンジャ、ワタシ達シラケチャウナ」



戦夏「…」ギロ…!



潜夏「ヒェ…!」ぞぞ~…



潜夏『在リシ 日 ノ 戦艦棲姫 ヲ 彷彿 サセル 眼光……流石リーダー』



港夏「ヤメナッテ……マダ ガチモード ダヨ。逆ラワナイ 方ガ イイワ」



潜夏「ウン…」



戦水「…」



重夏「戦水、元気 ダシテ。下級種 ト 違ッテ、私ラハ 首ガ モゲテモ 体ガ バラバラ ニ ナッテモ 取リアエズ 死ナナインダカラサ」



戦水「余計 イヤダ~~!ウワァ~~~~ン!!」びぇ~~!



ミギノ「アァ!?オ嬢様!」フキフキ…



ヒダリノ「鼻水ガ…」フキフキ…



戦夏「…ッ!」バシンッ!



重巡「イテェ!ゴメン……戦艦 ハ 生キテルンダヨ ッテ言イタクテ」



戦夏「来イ……!」グイッ…



重夏「ウャア!?勘弁シテー!!」




ズルズル…




港夏「ホラ、戦水、コノ スープ フカヒレ タップリ デ 美味シイワヨ」そっ…



潜夏「珍シイゾ。ライ麦パン マデ アル。サ、一緒ニ 食ベヨウ」



戦水「食ベル…」グスッ…


ドン…



戦夏「…」



重夏「怖イヨ……戦夏。イツモト 違ウ……」



戦夏「馬鹿者……戦水 ハ 深海ノ姫 ガ 絶命 スル 瞬間ヲ、見タ事ガ アルンダゾ…!」



重夏「ウソ……」ボソ…




戦夏「母親デアル 先代 戦水棲鬼 ガ、目 ノ 前デ 死ヌ 瞬間 ヲナ」




重夏「ソンナ……ソンナコト、今マデ 教エテ 貰ッテナイ…」



戦夏「レレレ ノ 乱 ト 言エバ ワカルカ?」



重夏「ハッ……!!」



戦夏「幸イ、戦水 ハ 当時 ノ 記憶 ヲ 忘レテイル。姫ノ持ツ 精神 ノ 防衛機能 ガ 働イタノダ」



重夏「ウ、ウン…」



戦夏「ダガ、何カノ 拍子ニ 封ジタ 記憶ガ 蘇ル 事ガ アル。ソレガ 今デハ、困ルノダ……」



重夏「…」コクリ…



戦夏「セメテ、戦水 ガ 姫トシテ 一人前 ニ ナルマデハ……死 ヲ 連想サセル 言葉ハ 控エロ。ワカッテクレルナ」



重夏「ワカッタヨ……ゴメンナサイ」



戦夏「私ハ、オマエ達 ガ 仲良ク、楽シク、平和ニ 暮ラセレバ ソレデ イイト 思ッテイタ。ダガ…」



戦夏「オマエ達モ 姫トシテ 成長スル 時ガ 来タヨウダ。明日 ノ 投票。ドチラニ 入レルノカ、自分デ 判断スルンダ」



重夏「エェ!?」



戦夏「後デ 二人 ニモ 伝エテオク。サァ、戻ロウ」



チン……



離島「カンパイ♪」



防空「カンパイ♪」



離島「マサカ、コンナ 事ニ ナルナンテ」クィ…



防空「エェ、予想外デスヨ」



離島「ナニヤラ 周リガ 騒ガシイケレド……臨時収入ナンカ アテ ニ スルヨウジャ、姫トシテ オシマイヨネェ?」



防空「エェ、私達ハ 宴ヲ 楽シミマショウ」



離島「ソ、田舎 ト 違ッテ 激戦区ハ 休ンデ ラレナインダカラ」



防空「オオッピラニ 休メル 上ニ 美味シイ オ酒マデ 頂ケル ナンテ 最高デスネ」



離島「役得 役得。貴女ハ ヨク ワカッテイルワネ。世渡リ 上手ダワ」



防空「真 ニ 恐縮」



コツコツ…



空母「…」



泊地「オ疲レサン」



空母「アリガトウ」



空水「ア、空母」



空母「待タセタナ 空水。装甲ニ ツイテナンダガ……」



空水「居場所ガ ワカッタノカ?」



空母「イヤ……残念ダガ、成果ハナイ」



空水「装甲……今、何処デ 何ヲ シテイルンダ…」



泊地『元ハト 言エバ、VAVA ニ 盗ミヲ 働イタ 装甲 ガ 悪インダガナ』

横須賀鎮守府



食堂



VAVA『しばらく夕食は足柄に頼むか。間宮のも十分旨いが……旨過ぎるぞ。足柄カツカレー』サティスファクション…



VAVA「バーボン」



装甲「はい!ロックですねー!!」カタンッ!



VAVA「早いな」



装甲「どうぞ」トクトク…



VAVA「うむ」



五月雨「私はオレンジジュースで…」



装甲「五月雨ちゃん、夕飯の後はいつも頼んでるもんね?」コト…



五月雨「覚えててくれたんですか、ありがとうございます!」



装甲「どういたしまして!」



VAVA「しばらくはこうしてゆっくりしたいもんだ。あいつらとの買い物は楽しかった」



大淀「不測の事態にも遭いましたし…」



VAVA「向こう一ヶ月は大規模作戦に参加しないようにしてくれ。鎮守府の改装と設備の強化に時間と人手を使いたいからな」



大淀「わかりました。その様に手配します」



VAVA「助かる。あんな化物どもと何度も戦っていたら、流石に身が持たん」



VAVA『戦艦に至ってはシグマやゼロでさえ手を焼くだろうな……あの青二才なら瞬殺だったろう』



黒潮「と言っても、司令はんならどんな敵でも倒してしまいそうな気ぃするわ」



VAVA「初めて黒星をつけられたがな」




足柄「…」つんつん……



VAVA「何だ?足柄」



足柄「カレーどうだった…?」



VAVA「最高だったぜ」



足柄「ほんとぉ!?」



VAVA「他に言える事が思いつかん。世辞は苦手だ」



足柄「また食べたかったら、いつでも言ってね♪」



VAVA「では、明日も頼みたい。出来るか?」



足柄「明日ですって!もちろんいいわよ!!」キラキラ…!



VAVA「今から夕食が楽しみになったなぁ」



間宮「…」(調理場)



間宮『そんな……この私が、重巡に負けたというの…?』



間宮「ふふ……カレーライスか。ちょっと本気だしちゃおうかな」メラメラ…



深雪「なぁ、司令官。設備の強化ってなにするんだい?」



VAVA「そうだな。まず、お前たちの宿舎。妖精たちのマンションの増築、工廠、食堂、防衛兵器の改良……」



朧「いっぱいあるんだね」



VAVA「まぁな。最近手がけている食料や衣類の生産工場も、よりコンパクトにかつ、妖精の負担が大きくならぬよう自動化を進めねばならない」



蒼龍「へぇ……かなり大掛かりな計画ですねぇ」



VAVA「一部は既に成功している。問題は、新しい訓練施設の開発だ……」



阿武隈「訓練施設?あれだけ謎機械があるのにまだやるんですか!?」



VAVA「もっと新しいのがやりたいと要望が多くてな…」



阿武隈「どうせ北上さんや天龍でしょー…」



神通「何を言います。訓練設備は多いほど良いでしょう」



阿武隈「ひぇ…」



VAVA「しかし、アイディアがな。新しい案はあるんだが、どれも決め手に欠ける」



利根「提督よ!らいどあーまーはどうなっておる。我輩いつでも手伝うぞ!」



VAVA「明日から本格的に修理に移る。妖精たちにも伝えてあるから、工廠で手伝ってやってくれ」



利根「うむ!」



VAVA「…利根?」



利根「なんじゃ?」



VAVA「随分元気だな。何かいいことでもあったのか?雰囲気が変わった」



利根「ほう、流石じゃの。気付くのが早いわ」



VAVA「?」



利根「食後、体育館に来るがよい。待っておるぞ」



VAVA「あ?……あぁ、わかった」



VAVA『なんだか知らんが、付き合ってやるか』

体育館



ガラガラ……ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」



VAVA「誰も居ないのか?」



ダッ…!



利根「てやぁ!」正拳突き!



VAVA「!…………ハッ!」ピョン!



利根「おぉ!?」



VAVA「利根……」ズサ~…ストッ……



利根「流石なのじゃ、見た目に反して身のこなしが軽いのう」



VAVA「冗談はよせ。反射的に攻撃するところだったぞ」



利根「ほう、反射的に」



VAVA「そうだ」



利根「どうじゃ、食後の運動といかぬか?」



VAVA「三対一でか?」



天龍「なんだよ、バレてたのか」ヒョコ…



翔鶴「すみません」



利根「我輩たちはお主に見てもらいたいものがあるのじゃ。それには手合わせするのが一番手っ取り早い」



VAVA「なるほどな……いいだろう。せいぜい驚かせてくれるんだろうな」



天龍「あぁ、すっげぇ驚くと思うぜ」



翔鶴「私は気が引けるので見学しています」



VAVA「そうか、利根。天龍。いつでもいいぞ」



廊下



ズンズン…!



文月「いけ~ながもん号!」キャッキャ♪



長門「はっはっは!ながもんがんばっちゃうぞ~!!」肩車



文月「あれ?長門さん、ストップストップぅ」



長門「どうした?」ピタ…



文月「体育館に電気がついてますよぉ」



長門「本当だ。たぶん川内だろう。川内はな、みんなからねぼすけと馬鹿にされているが、本当はすごいんだぞ」



文月「そうなんだ!」



長門「よし、見に行って見よう」



文月「はぁい!ながもん号しゅっぱぁつ!」



長門「よーそろー!」

体育館


ガララー…



長門「おーい、川内。邪魔するぞ。夜偵とか投げるんじゃないぞ~…わっ!?」



文月「ふみゃ!?」



VAVA「ぐっ……」



翔鶴「勝負あり。提督の勝ちです」



天龍「ちっくしょー!負けた!!」ボロボロ…



利根「ぬぅ、天龍に足を引っ張られなければ勝てたものを……!!」ズタズタ…



天龍「お前だって俺の邪魔をしたろうが!」



VAVA「落ち着けよ。二人ともやるようになった。俺に片膝をつかせるとはな」スクッ…



天龍「片膝だけか…こちとら大の字だぜ……もう動けねぇよ」ぐて~…



利根「ちと疲れたぞ……流石、我等が将だな」



VAVA「寝る前に風呂に入れよ……長門。いつからそこに居た」



長門「川内が訓練してると思って来てみたんだが、まさか提督たちだったとは」



VAVA「そう言えば、お前も持っているんだったな」



長門「何をだ?」



VAVA「…いや、この話はまた後日話そう。少し疲れた」



文月「大丈夫…?」



VAVA「油断しちまってな。なぁに、使ったのは演習弾だ、誰も怪我はしていない。文月も早く寝るんだぞ」



文月「はぁい!」



ガシュン…ガシュン……



VAVA『俺としたことが……やりすぎてしまった。あのメダル、ただの勲章というわけではないようだな。細かく調べる必要がありそうだ』



長門「……お前たち、立てないのなら手を貸そうか」



天龍「頼む。風呂までつれてってくれ」



利根「救援求むのじゃ」



長門「しょうがないな。文月、降ろすぞー?」



文月「いいよー」スト…



翔鶴「天龍さんは私が運びましょう」ひょい!



天龍「おわっ…おい!もっと優しくしろ!!」



翔鶴「すみません」



長門「軽い方を選んだな」



翔鶴「まぁまぁ、長門さんはビッグセブンですし、余裕でしょう」



長門「今となっては、馬力はビッグじゃないんだがなぁ……」ぐいっ!



利根「うむ、ありがたいぞ」



長門「もう少し痩せろ」



利根「何を言うか!筑摩よりは痩せておるわ!!」



長門「比較対象が未着任じゃないか」


音楽室



ガシュン…ガシュン……



コンコン…



装甲「はぁい…どなたですー?」ねむねむ…



(俺だ)



装甲「VAVAさん!……なんか、体中すすがついてますけど」ダダッ……ガチャ!



VAVA「気にするな。お前に話がある」



装甲「と、取りあえず、座ってください。お茶でも出しましょうか、湯沸しポットを買ったので」



VAVA「コーヒーをもらおう」



VAVA「…」ズズ…ゴクゴク……



装甲「…」ふきふき…



VAVA「悪い」



装甲「いえ……はい、綺麗になりましたよ」



VAVA「話なんだが…」



装甲『何の話だろう。まさか……!』



VAVA「空母棲鬼が、お前の事を探しているらしい」



装甲「」



VAVA「泊地から聞いた話だ。間違いないだろう」



装甲「エェーーーーーー!?」



VAVA「ここが音楽室でよかったな」



装甲「おせっかい焼きめ……なんで、あいつはいつも私に付き纏うんだ」



VAVA「だが、その空母に助けられたことがあるんだろう」



装甲「!?」



VAVA「お前の過去だが、大体のことは泊地が教えてくれた。中々酷い話だったぞ」



装甲「違うんです!昔の私はなんかこう……魔が差したというか、地上のことわざでいうと、罪を憎んで猫を恨まずっていうか…」



VAVA「…」



装甲「やっと…やっと自分が間違ってたことに気付いたんです!みんなと一緒ってすごく楽しいし、働くことがどんなに大変かもここで知りました」



装甲「それに……VAVAさんのこと……大好きだから、離れたくない!!お願いです!捨てないで!!」ひしっ…!



ピシッ……ビキビキィ!!



VAVA「うぐっ!くぉ………っ……この、馬鹿がぁ!」ウィン!



パゴッ!(ショルダーキャノン最大俯角)



装甲「痛い!」パッ…



VAVA「俺を圧死させるつもりか…………見ろ、ボディにヒビが入ったぞ」



装甲「ごめんなさぁい…」しゅん…



VAVA「お前の過去だがな……酷いと言ったのはあくまで客観的な話だ」



装甲「どういうことですか?」



VAVA「俺に言わせれば、かわいい過去だってことだ」



装甲「VAVAさん…VAVAさんには、どんな過去があるんですか?」



VAVA「俺の過去などどうでもいい。問題はお前だ。空母は非常に優秀な姫だと聞く。いずれ、お前がここにいることもつきとめるぞ」



装甲「うっ!」



VAVA「お前がここにいても俺は一向にかまわない。だが、それによってあいつらが危険に晒されることを、黙って見過ごすことはできん」



装甲「はい…」



VAVA「すぐに答ろとは言わん。お前なりの最適解を考えるんだ。まとまったら俺に伝えろ。実現可能か、判断する」



装甲「わかりました」



VAVA「それにな、お前が食った砂糖の分までは、きっちり働いてもらうぞ」



装甲「あはは……砂糖。そういえば、砂糖が原因で私ここにいるんでした」ニコッ…



VAVA「……急に来て悪かったな。ほら」



装甲「水筒?」



VAVA「寝酒のバーボンだ。一口二口飲めば、ぐっすりと眠れる。やるよ。サービスだ」



装甲「ありがとうございます」



VAVA「じゃあな」



装甲「おやすみなさい……VAVAさん」



バタム……



VAVA「バーボンでぐっすり、羨ましいな……見回りでもするか」



ガシュン…ガシュン……


翌日



ラウンジ



足柄『今日のカレーも喜んでくれると良いな~』



足柄『昨日とは趣向を変えて、野菜を多めにしたベジタブルカレー!健康にも気を使える所をアピールよ』



ザッ…



間宮「足柄さん」



足柄「ん?間宮さんじゃない。何か用かしら?」



間宮「提督から、夕食の調理を依頼されたそうですね」じっ…



足柄「その眼、敵意を感じるわ。何、ひがんでんの?間宮さんが私に?」



間宮「その通りです。給糧艦として、重巡に負けるわけにはいかないのですよ」



足柄「……いいわ。勝負よ」



間宮「望むところです」



「待ちなさい!」



足柄「貴女達……!?」



雷「その勝負、私たちも混ぜもらうわ!司令官はまだまだ渡さないんだから!!」



扶桑「今回は、私も黙ってはいませんよ……」



間宮「いいでしょう。勝負は敵が多いほど盛り上がります」



ガヤガヤ……!



吹雪「いいの…?皆さん盛り上がってるみたいだよ」



五月雨「吹雪ちゃん。いいよ……みんな料理上手だし、私じゃ勝てるわけないもん」



吹雪「でも、五月雨ちゃん。司令官の事、好きなんでしょう?」



五月雨「…!」///



吹雪「司令官に喜んでもらおう。勝ち負けなんて関係ないよ。一生懸命やればいいんだから」



五月雨「吹雪ちゃん……」



吹雪「私も手伝うから!ね、行こうよ!!」



五月雨「……うん!」



タタッ…!



五月雨「わ、私も、勝負します!!」



足柄「……やはり来たわね。五月雨」



五月雨「提督に、私が作ったカレーを食べて欲しいんです!!」



足柄「…」



間宮「…」



雷「…」



扶桑「…」



五月雨「…」



赤城「合意と見てよろしいですね?」



雷「…赤城さん!?」



赤城「この勝負、一航戦が取り仕切ります」



赤城「カレーとは、とにかく煮込みが大切な料理。勝負は今夜ではなく、明日の夕飯に執り行います。それでは、解散!!」


その頃…



空母城



空母「デハ、コレヨリ 挙手 ニ ヨッテ 皆ノ 決ヲ マトメル」



ウム……



空母「防空 ガ 相応シイト 思ウ 者 ハ 手ヲ アゲヨ」



スッ……スッ…



防空「ヘェ~意外 ナ 方々 カラ 票ガ」



空母「離島 ガ 相応シイト 思ウ 者ハ?」



スッ……スッ…



離島「ン…?コレハ……割レテナイ?ピッタリ半分ニ」



防空「ソノヨウデスネ。9・9 ニ 分カレマシタ」



離島「仕方ナイ。空母、コノ場合ハ……」



空母「話シ合イ デ 解決 デキナイ 以上、実力 デ 決着 ヲ ツケル シカナイ……ナ」



離島「ソウナッチャウノヨネェ……防空、表へ出ナサイ。久々ニ、相手ヲ シテアゲルワ」



防空「ドウゾ、御手柔ラカニ……」




駆逐「見ニ行ク?」



駆水「無論ダ。離島 ト 防空カ……此方マデ 血ガ タギッテキソウダ…」



駆逐「抑エテ 抑エテ」



港夏「防空 ニ 50万」



潜夏「ノッタ、離島 ニ 50万」



軽巡「天敵 同士 ノ 戦イ ト 言ウ訳カ」



水母「艦載機 モ 魚雷 モ 意味ヲ ナサナイ 対決ナノダナ」



重巡「……興味深ク ハ アル」



泊地「決闘 ト アッテハ、立チ会ワヌ 訳ニハ イカンナ」


タタッ……!



「ク、空母様…!」



空母「ドウシタ?」



「ハッ、ソレガ……」ボソッ…



空母「何? 深海遺跡 ニ……侵入者?」



「既ニ、深海遺跡 周辺海域 ニ 反応 ハ 無イ ヨウデス。恐ラク、遺跡内ニ 侵入 シタカト……」



空母「愚カナ、アノ遺跡 ガ 何ナノ カモ 知ラズニ」



「如何致シマショウ」



空母「ウム……ダガ、敵ノ 支配スル海域ニ 単独 デ 潜入 カ。少シ 気ニ ナル」



空母「エリート空母 ヲ 旗艦 トシタ 機動部隊 ヲ 編成シ、遺跡周辺 ト 内部ヲ 調査サセロ」



「了解 シマシタ」



空母「待テ、遺跡内部デハ 身ノ危険 ヲ 感ジタラ、スグニ引キ返セ ト 隊員達ニ 警告 シテオケ。戻レナク ナル カモシレン」



「戻レナク…ナルノデスカ?」



空母「アノ 遺跡ハ、深海棲艦 発祥 ノ 地。何ガ 起キテモ 不思議デハナイ」



飛行場「空母…深海遺跡 デ 何カアッタノ?」



空母「イヤ、大シタ 事デハナイ。今ハ 離島 ト 防空 ノ 戦イヲ 見届ケヨウ」



飛行場「……私、急用 ヲ 思イ出シタカラ 帰ルワ」



空母「飛行場、アマリ 遺跡 ニ 関リ過ギルナ。我々 ノ 科学力 ヲ モッテ シテモ、未ダニ 謎 ガ 多イノダゾ」



飛行場「…」コツコツ…



空母「…」


なぞの海域



深海遺跡



ゴポ……ゴボボ…



「感じる……このとてつもなく強いチカラ…………コンゴウ?」



スィ~~~……



「こっちから…」



ストン…



「この中に居るの……?コンゴウ…」



「私は、あなたを止める……」



「きゅーそくせんこー」


深海遺跡内部



「迷っちゃった。ここ……広い」



テクテク…



「?」



ピト…



「転送装置……かな。起動、できるかな」カッ…



ウィーン…!



ダッダッダッダッダ……!



「イタゾー!侵入者ダ!!」



「ばいばい」ノシ



ヒュン!



「アッ!?キ、消エタァ……」


深海遺跡 深部



ヒュン…



「…」



「変なところにでた」



「スー……」スヤァ…zzz



「?」



『変な人がいる』



「ひどい怪我。大丈夫?」



「グゥ……」



『黒い服を着た、背の高い女の人。角生えてる。傷だらけ……』



『穏やかに寝てるし、命に別状は無さそう。コンゴウがやったのかな……コンゴウを止めなきゃ』



「後で、助けてあげるからね」



テクテク…


「待ちなさい」



「?」テクテク…



「貴女に言っているのですよ」



「カミキリムシ?」



「いいえ。モデルはクワガタムシです」



「何か用?」



「この先は危険です。チカラのない者を通すわけにはいきません」



「でも、この先にとてつもないエネルギーを感じる」



「ほう?貴女も、彼女と同じく特別なチカラを持った女性なのですか?」



「…」



イオナ「潜水艦イ401、イオナ」



「なるほど、それが貴女の名前ですか。どう見ても潜水艦には見えませんが、この世界ではこれが正しい潜水艦の姿なのでしょう」



「かく言う私も、この世界では実体の無い幽霊のようなものですし……貴方の方がよっぽどリアリティがある」



クワンガー「自己紹介が遅れました。私の名は、ブーメル・クワンガー。貴女のスペックを見せてもらいましょう」



イオナ「急速せんこー」



ズドドドド……ガキィンッ!



クワンガー「ぐはっ!?こ、このチカラは……!」



イオナ「これ以上続けるなら、もう手加減しない」



クワンガー「ふふふ……手心を加えていたのですか。驚きました。貴女ならば、可能性がありそうです」



イオナ「行っていいの?」



クワンガー「行きなさい。貴女には、その資格がある」



イオナ「ありがとう。クワガター」



クワンガー「クワンガーです。この先も十分気をつけて進みなさい」



テクテク…



クワンガー「あの色……ふっ、そういえば、彼も青でしたね。なんとも懐かしい」


テクテク……ピタ…



イオナ「…」



イオナ『この世界は、変な動物がたくさんいる……』



イオナ「?」



「やぁ、兄貴から話は聞いてるよ。君、強いんだってな」



イオナ「カブトムシ!」



ビートブード「正解だ。俺の名はグラビティ・ビートブード。君が一番最初に戦った、カミキリムシの弟さ♪よろしくな」



イオナ「よろしく」



ビートブード「この先に行きたいんだろ?なら、俺を倒して行くことだ」



イオナ「そうする」



ビートブード「だが、これだけは言っておく。君の探している人は、ここには居ないよ。この先には、絶望しかない」



イオナ「いいの。自分の目で確かめたいから」



ビートブード「強情だな。俺は、君の身を案じて言っているんだ。自分の体は大事にしたほうがいいぞ」



イオナ「いくよ」



ビートブード「……わかった。一応、俺で8人目。最後の門番ってことになる。来い!手加減はしないぜ!!」



イオナ「おぉー」


シュゥウウウウ……



ビートブード「やるなぁ……俺の負けだ。流石、手加減して兄貴に勝っただけの事はある」



イオナ「あの黒いの、すごい威力」



ビートブード「俺のバグホールを素手で受け止めたのは、君が初めてだよ。今までそれに触って、無事で済んだやつは1人もいなかった」



イオナ「素手じゃない。クラインフィールド」



ビートブード「仕組みは解らんが、すごいバリアだ。君なら、希望はあるのかもしれない」



イオナ「きぼー?」



ビートブード「行けよ。もう、君の邪魔をする者は居ない」



イオナ「ありがとう。ビートブート」



ビートブード「惜しいな。最後は ド だ」



イオナ「ごめんね」



ビートブード「いいさ、初対面なんだから。次は間違えないでくれよ。ここに来れば、いつでも会えるから。君の幸運を祈ってるよ」



イオナ「ばいばい」



ビートブード「…」



ビートブード「悔しいなぁ。隊長でさえ、避けるしかなかったんだけど……あの色がまた癪に障るぜ」


深海遺跡 深部



「グゥ……ン…」パチ…



クワンガー「おはようございます」



「アァ……オハヨウ、クワンガー」



クワンガー「体は?」



「大丈夫。モウ回復シタ。マタ スグ ニ 出ル」



クワンガー「相変わらず優れた再生能力ですね……所で、今日は珍しく客人が訪れましたよ」



「何……?通シタノ!?」



クワンガー「えぇ、通すに値する戦闘能力を持っていましたから。あれほどのハイスペックは、めったにあるものではない」



「一体ドンナ……?」



クワンガー「潜水艦 イ401 イオナ と名乗っていました。蒼い少女です。まるで霧のようにつかみどころの無い。不思議な子でした」



「蒼イ 少女…?マサカ……!舞イ戻ッタノカ」



クワンガー「ふむ……あの少女。やはり特別な存在のようですね」



「イオナ……モシカシタラ、ヤツ ヲ 倒セルカモシレン。私モ、応援 ニ 行カネバ!」



クワンガー「どうぞ、お気をつけて……」


深海遺跡 最深部



テクテク…



イオナ「あ…」



イオナ「またあの転送装置」



ピト……ピカ!



イオナ「よかった。動きそう」



イオナ「…」



ウィーーン……シュンッ!


零空間



イオナ「…ここは?」



イオナ「…」ピクッ…



イオナ「高エネルギー反応、上昇中……コンゴウ!!」



ダッ……!



ワラワラ……!ズン…ズン……!!



イオナ「!」



イオナ「変な機械がいっぱい……」



イオナ「邪魔しないで」



バシュゥウウウウウウ!!



ドガァーーーーン!!!


テクテク……



イオナ「…」ピタッ…



ピカァー……





「…」





イオナ「高エネルギー反応、最大……コンゴウじゃない」



イオナ「あなたはだれ?」





「我 は 救世主 也」





イオナ「めしあ…?」





「フッハッハッハッハ!」





WARNING WARNING WARNING




バッ……!



イオナ「はぁ…はぁ……!」



ズガァッ!!



イオナ「あぅっ!?」



「滅びよ」



イオナ「クラインフィールド!最大…!!」



「ハァーッ!」



ピキピキ……パリィン!



イオナ「!?」ダダダーーッ!



「逃げるなよ」



イオナ「クラインフィールド消失……あと一回斬られたら、まじやぱい。でも、負けない…」チャッ…



ドシューーッ!!グォオオン……



「?」



イオナ「侵食魚雷。直撃を確認。当たったら最後」



「ククククク…………ハッハッハ!」



イオナ「もう終わり……ごめんね」



「消え去れ」パァ…!



ゴォオオオ……テレレレレ!



イオナ「重力子が……打ち消されてゆく…こんな現象、知らない」



「…」スッ…クルリ……



イオナ「何のつもり…?」



「止まれ」



カッ……キュピン!



イオナ「…」



コツコツコツ……



「…」ブゥン…



フォン…



イオナ「はっ…!?どこ……??」



「フフフ……!」ニタァ…



イオナ「うし……ろっ!」バッ…!



「フッヒッハ!フンッハッセイッ!フンットゥ!デヤァ!オリァーーーッ!!」



ズババババババババババーーーーーッ!



イオナ「きゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」



空母城 前



離島「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」



メラメラ…



離島「イヤァ!私 ノ 一張羅 ガ!!」



防空「服、燃エマスヨッテ 言ッタ ジャナイデスカ」



離島「ダカラッテ、何ノ 前触レモ 無ク 新型兵器 先輩ニ 使ウ!?普通!!」



防空「良イ機会ダ ト 思ッテ……離島サン 自体 ハ ホボ無傷。失敗デスネ コレハ。開発部ニ 文句 言ワナイト」



離島「貴様ァ~~~!」



防空「駆逐艦 デモ 陸上基地 ニ 対抗 出来ル 兵器ヲ ト 思ッタノデスガ……」



離島「フザケルナ!」ポカッ!



防空「アイタッ!顔 ハ 反則デショ!!」ポカッ!



離島「コノ……!生意気ィ!!」



防空「先輩 風 吹カスナァ…!」



ポカポカポカポカ!!


泊地「ウーン……ヤハリ、天敵同士 デハ 泥仕合 ニ ナッテシマウノカ」



空水「互イニ 艤装 ニ ヨル 攻撃 ガ 無力化 サレテイル カラナ。不毛ダ……」



潜水「ナント見苦シイ……モノ共 ガ 見テイルンダゾ!!」



駆逐「アーア…」



駆水「モウ少シ 高度 ナ 心理戦 ヲ 期待 シテイタンダガ……」



軽巡「……美シクナイ。先ニ 戻ルゾ」



重巡「闘志 ハ 評価スル」



水母「アホ ラシイ……」



水水「ナンカ、楽シソウ」



戦水「変ナノ…」



戦夏「スゴイ戦イダ」



重夏「髪ヒッパッテル。ウワ、痛ソー……」



港湾「防空、ソコダ!アッパーカット!!」



潜夏「離島サン!ガンバレー!!パチキ!角デ パチキダ!!」



運河「    」



空母「…フフッ」ニコ…



空母『ヨカッタ。コノ分デハ、戦艦 ノ 海域 ガ 原因デ 仲違イ スルコトハ 無サ ソウダ』

申し訳ありません。港湾の箇所は港夏の台詞です。


泊地「ウーン……ヤハリ、天敵同士 デハ 泥仕合 ニ ナッテシマウノカ」



空水「互イニ 艤装 ニ ヨル 攻撃 ガ 無力化 サレテイル カラナ。不毛ダ……」



潜水「ナント見苦シイ……モノ共 ガ 見テイルンダゾ!!」



駆逐「アーア…」



駆水「モウ少シ 高度 ナ 心理戦 ヲ 期待 シテイタンダガ……」



軽巡「……美シクナイ。先ニ 戻ルゾ」



重巡「闘志 ハ 評価スル」



水母「アホ ラシイ……」



水水「ナンカ、楽シソウ」



戦水「変ナノ…」



戦夏「スゴイ戦イダ」



重夏「髪ヒッパッテル。ウワ、痛ソー……」



港夏「防空、ソコダ!アッパーカット!!」



潜夏「離島サン!ガンバレー!!パチキ!角デ パチキダ!!」



運河「    」



空母「…フフッ」ニコ…



空母『ヨカッタ。コノ分デハ、戦艦 ノ 海域 ガ 原因デ


泊地「ウーン……ヤハリ、天敵同士 デハ 泥仕合 ニ ナッテシマウノカ」



空水「互イニ 艤装 ニ ヨル 攻撃 ガ 無力化 サレテイル カラナ。不毛ダ……」



潜水「ナント見苦シイ……モノ共 ガ 見テイルンダゾ!!」



駆逐「アーア…」



駆水「モウ少シ 高度 ナ 心理戦 ヲ 期待 シテイタンダガ……」



軽巡「……美シクナイ。先ニ 戻ルゾ」



重巡「闘志 ハ 評価スル」



水母「アホ ラシイ……」



水水「ナンカ、楽シソウ」



戦水「変ナノ…」



戦夏「スゴイ戦イダ」



重夏「髪ヒッパッテル。ウワ、痛ソー……」



港夏「防空、ソコダ!アッパーカット!!」



潜夏「離島サン!ガンバレー!!パチキ!角デ パチキダ!!」



運河「    」



空母「…フフッ」ニコ…



空母『ヨカッタ。コノ分デハ、戦艦 ノ 海域 ガ 原因デ 仲違イ スルコトハ 無サ ソウダ』



空母『深海遺跡……何事モ 無ケレバ イイガ』


零空間



「フンッ!ヘァ!!」



ドカッ!バキ!!



イオナ「かっ…は……!」ドサァ!



コツコツコツ…!



「フフフ……!」グイ!(髪掴み)



イオナ「いぁ…」



「フッヒャッハッハッハッハッハッハ!!」



ゴォ……!



ガシィッ!!



「ヌグッ……!?」



「久々 ニ 違ウ 相手 ト 死合イ ガ 出来テ、楽シカッタカ……?ハァッ!!」ギリリ…!



パァーーー…!



「ファッ!?ハァ……グッァアアアアアアアアアア!!!」



「セヤァ!」回し蹴り!



「ごぁあっ!?」↑



ゴシャアアアアン!!(天井刺さり)



「……イオナ、大丈夫?イオナ!!」スサッ!



イオナ「あなた…は……?」



「覚エテイナイノ?私ヨ……」



戦艦「戦艦棲姫!」



イオナ「せんかん…せーき?」



戦艦「貴女ハ……イオナ デハ ナイノ?」



イオナ「会ったこと……あった?」



戦艦「……ソノ 傷、放ッテオケバ 貴女 トテ 命ハ無イ。少シ 記憶 ヲ 失ウカモシレナイケレド……」スッ…



パァーーー…!



イオナ「あ…」スゥー…



戦艦「アリガトウ。貴女ガ 来テクレナケレバ、私ノ 心 ハ 挫ケテイタカモ 知レナイ」



イオナ「…ぅ」ぐわんぐわん……



戦艦「少シズツ デイイ。運命 ガ 変ワッテ ユケバ……」



イオナ「…」



ソ……マデ……私……………耐エ……………



イオナ「せんかん……」ガクッ…


空母城 前



離島「キエェエエエエイ!」



防空「オリヤァアアアア!」



ドゴッ……バシャア!!



離島「…」



防空「…」



シーーーーン……



泊地「ドウシタ、立テ!チャンスダゾ!!」



空水「互イニ、全身全霊 ノ 一撃 ヲ ブツケアッタ ヨウダ」



泊地「殴リ合イ デモ 互角カ……コノ場合、勝敗 ハ ドウナル?引キ分ケ ニハ デキンゾ」



空母「待ツシカナイ。ン………アレハ!」



フヨフヨフヨ…



空母「海月!」



海月「空母…ミンナ」



空母「連絡 ガ ナカッタ カラ 心配シタゾ」



海月「ゴメンナサイ……旅 ノ 途中 デ、昼寝 ヲ シテイタラ、イツノ間ニカ 艦娘 ノ 領海 ニ 流サレテタ ミタイデ」



泊地「オマエ ラシイヨ」



海月「……オマエ、誰ダ?」



泊地「忘レタカ!泊地ダ。泊地」



海月「泊地?私 ノ 記憶 ノ 中 ノ 泊地 ハ、モット 無骨 ナ 姿ダ。ナンダ、ソノ 紫 ノ リボン ハ?アノ髪飾リハ ヤメタノカ?」



泊地「ウルサイナ!私ガ ドンナ 格好 ヲ シテイヨウガ、オマエ ニ 関係 ナイダロ!!」



海月「ソレモソウカ……ソレデ、コレハ ドウイウ 状況ナノ?」



空母「今、教エヨウ」



海月「……掟 ニ 従イ 決闘 ヲ シテイルト。飛行場 ハ、相変ワラズ 面倒 ナ 事 ヲ スル」



空母「ウム」



海月「2人トモ……起キナイネ」



空母「…」



海月「空母、私 ニモ 票ヲ 入レル 権利 ハ アルンダロウカ」



空母「勿論ダ。オマエ モ 姫 ノ 1人。選ブ 権利ハ アル……ガ」



海月「決闘 ニ 水ヲ サシタクハ ナイ。シカシ……コウモ 埒ガ アカナイノデハ、止ムヲ 得ナイ」



海月「離島 ニ 票 ヲ 入レヨウ。以前 彼女ニハ 助ケラレタ 事ガ アッタカラ」



空母「ヨカロウ。2人ニハ 悪イガ、コレデ 決着ダ。異議 ノ アル者 ハ イルカ?」



空母「……ヨシ。コレニテ 戦艦 ノ 海域 ノ 件ハ 終了ダ。皆、城ニ 戻ロウ。衛兵、2人 ヲ 回収 シテ、ドック ニ 搬送シナサイ」



「ハッ!カカレ!!クレグレモ 丁重 ニ 扱ウノダ!!」



オーーー!


翌日



横須賀鎮守府



屋外訓練場



シュッ!



叢雲「てやぁ!」



VAVA「遅い。もっと速く槍を引き戻せ」



叢雲「はい!」



VAVA「そのまま俺を突いてみろ。殺す気でこい」



叢雲「殺す気で……」



VAVA「思い出せ。 南方棲鬼 に手玉に取られて、屈辱だったんだろう?」



叢雲「南方…棲鬼……!」ギラ…!!



叢雲「ぃやあ!!」ビュン!



ガシッ…!



叢雲「あっ!?」



VAVA「ダメだ。こんなスピードでは敵に避けられる。もっと速くだ!!もう一度!!!」ブンッ!



叢雲「あうっ……はい!」よろっ…


しばらくして…



叢雲「はぁはぁ……!」ばた~…



ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」スッ…



叢雲「ありがと…」キュ…



グイッ…バサ…(バスタオル)



叢雲「え?」



VAVA「よく耐えた」フキフキ…



叢雲「そりゃ……強くなりたいから」わしゃわしゃ…



VAVA「次はもっと辛いぞ」



叢雲「へっちゃらよ」


その後…



大浴場入り口前



ガララ…ホカホカ……



叢雲「ふぅ…」ホワッ…(風呂上がり)



VAVA「…」ぬりぬり…



叢雲「待っててくれたわけ?」



VAVA「ん……?俺はただ風呂上りのワックスを塗ってるだけだ」フキフキ…



叢雲「ふーん、そろそろお昼でしょ。ついでにお昼食べに行きましょう」



VAVA「…」キュッキュ…



叢雲「行かないの?」



VAVA「行こう」



タタタッ♪……ガシュンガシュン… 


食堂



VAVA「なんだ?」



只今、閉鎖中。特に、提督は入らないでください。



VAVA「朝は開いていたんだが……俺が何をしたというんだ」



叢雲「ほんとよ!司令官に対して……!!待ってて、文句言ってきてやるわ」



赤城「…」ズイッ…



叢雲「ひゃっ…」びくっ!



赤城「申し訳ございません。只今、クッキングファイトの準備中故、夕飯時まで食堂を封鎖しています」



VAVA「クッキングファイト……?」



赤城「そう。互いの誇りを賭けた穢れ無き戦い。艦娘同士の決闘は固く禁じられていますが、クッキングファイトに限り公的に認められています」



VAVA「そうだったのか……叢雲、知ってるか?」



叢雲「い、一応学校で習った……でも、あんなルールあってないようなものだと思ってたわ」



赤城「クッキングファイト国際条約第一条、一度合意されたファイトは必ず行わなければらない。誰であろうともう止められません」



VAVA「食堂が閉まっている理由はわかった。それで、誰と誰の決闘なんだ?」



赤城「それは、夕飯になってからのお楽しみです。ご安心ください。皆さんの昼食はお弁当にして各部屋に届けてありますから。では、失礼致します」



ペコペコ……



VAVA「……未だに、赤城という人物像を掴めないでいる」



叢雲「あの人の思考を読めるのは、一部の空母だけと聞くわ」



VAVA「俺もまだ提督としては未熟と言うことか」


夕方…



天龍の部屋



天龍「くおぉ……このコーナリングが!」クイ…



VAVA「体が傾いてるぞ」



天龍「癖なんだよ。あ、おい!そのアイテム俺んだぞ!!」



VAVA「わざと取ったんだ。これも戦術だろ」



天龍「くそ、直線で勝負!最高速度は俺のマシンの方が上だ!!」



VAVA「甘いぜ」



天龍「かぁっ!緑甲羅初めて当てられた……」



VAVA「俺の勝ちだな」



天龍「まずい…………あ…へっへっへ、まだ勝負はついてないようだぜ」



VAVA「?」



天龍「くらえ!青甲羅だ!!」



VAVA「なに!?くっ……!!」



天龍「ざまぁないぜwww」



VAVA「天龍ぅ!」カチカチカチ…!



天龍「わははははは!抜いたぞ!残り一周だ」



VAVA「負けるか!うぉおおおおおおおお!!」


ゴール!



VAVA「クハハハハ!勝ったぞ」



天龍「ちくしょう……まさかCPUに邪魔されるとは…もうレースゲーはいいや。おい、次何する?」



VAVA「いや、もうやめとこう。そろそろ時間だ」



天龍「あぁ、もうそんな時間か。にしても聞いたぜ。料理対決だってな」



VAVA「一体誰がどんな料理を出してくるのか、楽しみではある」



天龍「カレーが好きなんだろ?だったらカレーだろ」



VAVA「うむ」



天龍「……足柄のカレーをベタ褒めしたらしいじゃんか」



VAVA「本当に旨かったからな」



天龍「あんまりそういうことしないほうがいいぜ。気にするやつも居るかもしれないだろ」



VAVA「…」



天龍「お前結構好かれてるからな」



VAVA「そうか?」



天龍「そうだよ」



VAVA「天龍は気が利くな」



天龍「あったりまえだろ!俺は世界水準かるーく超えてるからな」



VAVA「性格も世界水準以上か、流石だな。行くか」



天龍「おう!いい見せ物だぜ」


厨房



ワイワイ!



雷「……うん、完璧だわ!雷特製トマトカレー!!」



山城「姉さま、お米が炊けました」



扶桑「山城。こっちも出来たわ。味見してみて」



山城「はい……おいしい!これなら、あのボンクr……提督も認めて下さるに違いありません」



扶桑「ありがとう。私は、海鮮カレーで勝負……!」



足柄「カレーは完成。後は、カツを揚げるタイミングが重要ね」



間宮「完成」



五月雨「ん……か、からーい!?」



吹雪「五月雨ちゃん!はい、牛乳!!」



五月雨「はひはほう……ぷはっ!辛いけど、おいしい……かも」



吹雪「どれ……うん、ピリっとしてて、とってもおいしいよ!お肉も柔らかい」



五月雨「本当?ありがとう!吹雪ちゃん!!」



吹雪「どういたしまして!あとは、司令官が来るまで弱火でかき混ぜてよう」



五月雨「うん!」


廊下



ガシュンガシュン……スタスタ…



VAVA「……つまり、カレーはただ辛いだけでは駄目だ。辛さが選んだ具材にマッチしているかどうかがだな……」ぶつぶつ…



天龍「そんなにカレーが好きなら、今度俺が作ってやるよ」



VAVA「作れるのか?」



天龍「馬鹿にすんな。こう見えても駆逐達に料理教えたりしてるんだぜ」



VAVA「ほう?そいつは初耳だ」



天龍「普通の料理だけじゃねぇ。サバイバル料理も教えてやってるんだ。いつか役に立つかもしれないしな」



VAVA「サバイバルか……確かに、極限状態での食事は、栄養だけでなく精神も回復させる。味は大事だ」



天龍「そういうこった」



ズオォーーーン!!ズズズズ……!



天龍「なんだ!」



VAVA「鎮守府の周りに設置した機雷が爆発した音だ」



天龍「機雷!?」



VAVA「安心しろ。お前達には反応しない機雷だ」



ビーーー!ビーーー!!



「緊急警報!緊急警報!鎮守府周辺に設置されていた機雷が爆発しました」


「総員、第一戦闘配置!繰り返す。総員、第一戦闘配置!!」


「警備妖精は警戒を強化せよ!!増援部隊、直ちに出動!!」



VAVA「俺が開発したレーダーを掻い潜るとは……行くぞ、天龍」



天龍「おう!」


横須賀鎮守府



バシャァ……よじよじ…



イオナ「いたい」



びちゃびちゃ……ぶるるるる!!



イオナ「うー…」



ぐぎゅるるる~~~…



イオナ「おなかへった……」



ダッダッダッダッダ!



イオナ「!」サッ…



長良「出撃だよ!みんな急いで!!……着水!」ダンッ……バシャン!



ピョーン!



黒潮「ほな!」バシャン!


雪風「はい!」バシャン!


潮「はわっ…!」バシャン!


漣「ゆれるっ!」バシャン!



阿武隈「お姉ちゃん!みんな揃いました!!」バシャン!



長良「よし!周囲を警戒しつつ、現場に急行!!」



了解!!



イオナ「…」ひょこ



イオナ「くんくん……ん!」



ふら~…テクテク……


横須賀鎮守府



「異常なし」キョロキョロ…



「こっちも」(戦闘妖精さん 重武装仕様=突撃銃、散弾銃、拳銃、手榴弾、小刀。どれもミニサイズだけど、威力は本物並み。つよいぞ!)



「本部。こちら、チームわたあめ。異常なし。どーぞ」



(了解。そのまま警備を続行せよ。通信終了)



トンッ…



「むっ!?」



「何の音だ……?」



「見て来い、28号」



「へい…」



トコトコ……チラ…キョロキョロ…



「隊長、誰も居ないっしゅ!」



「気のせいか……」


横須賀鎮守府



食堂前



ガタガタ……パコ…



シュタッ…



イオナ「…」くんくん…



イオナ「?」コソコソ…



(まさか、こんなときに敵襲だなんて……間宮さん)


(仕方ないわ。こうなってしまったものは仕方がないし……さ、装甲ちゃん。おにぎり配りにいくわよ)


(はい!)



ガララッ!タッタッタッタッタ……



イオナ「…」そ~…



ガラララ……ピシ…


数分後…



厨房



ムシャムシャ……パクパク……ペローリ…



イオナ「けぷっ♪」



イオナ「……はっ!」



でろろーん…



イオナ「ちょっと補給させてもらおうと思っただけなのに……」



イオナ「おいしいから、全部食べちゃった」



イオナ「…」チラ…



イオナ「見た目も味もだいたい覚えた。代わりを作っておこ」



ジュ~~~……シャカシャカ!グツグツ……!!



しばらくして…



イオナ「できた。上出来」



(結局何も見つからなかったみたいですね)


(新型の機雷が誤作動したかも知れないんですって。何にせよ、大事にならなくて良かった)


(ほんとほんと)



イオナ「!」びくっ…



イオナ「隠れなきゃ…」ササッ…



ガララ…



装甲「間宮さんが負けるわけありませんよ!」



間宮「無論。負ける気はないけれど、どのカレーも素晴らしい出来だったわ」



「警戒解除、警戒解除。脅威は確認されず。増援部隊は帰還せよ。総員、お疲れ様でした」



装甲「ほっ……怖かったぁ。これで、料理対決が続けられますね」



間宮「そうね。そろそろ皆も戻ってくるでしょう」



ワーワーー!!



赤城「皆さん、先ほどはご苦労さまでした。実況は私、赤城。解説は、加賀さんがお送りします」



加賀「宜しくお願いします」ペコリ



赤城「さっそくですが、今回のルール説明をさせていただきます」



加賀「いたって単純。提督から多くの得点を得た者の勝ちとなります。最高得点は100点。最低は0点です」



VAVA「うむ」



赤城「今回のメニューはカレー!カレーです!!提督、カレーは好物だそうですね」



VAVA「そうだな。楽しみだ」



加賀「通常ならば、今から調理開始……という流れなのですが、カレーは準備に時間が掛かるので、事前に準備して頂きました」



赤城「あとは、ごはんと一緒にカレーを盛り付けるだけです」



足柄「ちょっと待って、私のカレーはカツカレーよ。カツを揚げる時間が欲しいわ」



加賀「認めます」



赤城「一番美味しい状態で食べなければ意味がありませんからね」



VAVA「早く始めろ」



赤城「では、レッツ!クッキングファイッ!!」ヒュッ!



カーン!



VAVA「羅針盤を回せばいいんだな」スッ…



クルクル~~……チチチ…



「羅針盤が指し示すは~……扶桑さんのカレー!」ピタ!



赤城「了解。扶桑さん。あなたが一番手です」



扶桑「はい」



扶桑『やったわ。こと料理対決において、食べる順番はかなり重要。早いほど有利…』



扶桑『提督、私の想い……このカレーに込めました。どうか、私を選んで下さい』



扶桑「お待たせしました。さぁ、どうぞ」



VAVA「海鮮カレーだな。さっそく食わせてもらおう」スッ…



カチャリ……パク…



VAVA「…」もぐもぐ…



陸奥「あら、可愛い食べ方するのね」



長門「そうだろう。特に、焼き鳥とか団子とか渡すともっと可愛いんだぞ」



陸奥「へぇ?」



長門「最初はそのまんま口に運ぶんだが、最後の方は兜がつっかえて横から食べられないから四苦八苦するんだ」



陸奥「兜脱げばいいのに」



長門「10秒ほど串と格闘して、最後は箸で串から抜いて一つずつ食べるんだ。うん。実に合理的な食べ方だ」



陸奥「いつもそんなことをしてるの?」



長門「いつもじゃない。たまにな。その光景を駆逐艦たちと一緒に見るのが、また幸せなのだ」



陸奥「ふーん」



陸奥『あの人は、そんな自分を見ているあなた達を逆に観察しているのかもね』



VAVA「…」ごくん…



赤城「採点をお願いします」



VAVA「50点」



扶桑「ご……!?」



山城「50点ですって!?何かの間違いだわ!!」



加賀「審査員がルールです。下がりなさい」



山城「納得いかない…!」ぐぬぬ…!



扶桑「そんなぁ……あんなに……頑張ったのに」うるっ…



VAVA「扶桑……」



山城「な…涙……貴様ぁああああああああああ!!よくも皆の前で姉さまを辱めたわね!!!」ガチャコンッ!



長門「わわ!?まずい!取り押さえろ!!」



陸奥「山城さん!落ち着いて……外の空気でも吸いに行きましょう」



山城「離せぇ!この……上官だからって何でもしていいと思ったら大間違いなのよ!!」ズルズル…



VAVA「…」



赤城「提督……」



VAVA「次だ」


もぐもぐ…



VAVA「…」カタン…



雷「どう?おいしいでしょ!それに、トマトもたっぷり入ってるから体にいいのよ」



VAVA「50点」



雷「ごーん……」ふら…



サッ…



VAVA「おい、天龍」ぎゅっ…



天龍「しょうがねぇなぁ」



VAVA「頼んだ」



天龍「あいよ、部屋に寝かしとく」ひょい



雷「あう……夢、こんなの夢よぉ…」



VAVA『おかしい……』



VAVA「次」


カタン…



VAVA「次だ。早くしろ」



足柄「待ってよ……納得いかない。素材は変えてないし、作り方も…!!」



VAVA「点数は変わらない」



足柄「冗談よね?それ、皆への配慮のつもりなの?お願い。真面目に答えて」



VAVA「同じ事を二度言うのは好まない……50点だ」



足柄「カツカレー、最高だって……言ってくれたじゃない」



VAVA「あぁ、あの時はな。今は、カツだけが最高だった」



足柄「?」



VAVA「今にわかる。しかし、まずは全部食べてみないことにはな」



VAVA「次」



VAVA「50点」



間宮「また50点……提督、気遣いは無用です。私達は誰がより美味しいカレーを作れるか、勝負をしているんです」



VAVA「勝負か。間宮、このカレー味見はしたな?」



間宮「勿論です!私の全てをそのカレーに注いで……」



VAVA「香りも覚えているよな。このカレー、香りはどうだ?」



間宮「香り?……この匂いは!?」



VAVA「勝利を確信するのは、勝利してからにするんだ。でないと、足元をつかまれ……もとい、足元をすくわれる」



間宮「はい……でも一体誰が…」



VAVA「次」


五月雨「……50点ですか。あはは、0点じゃなくって、よかったです」



VAVA「…」なでなで…



五月雨「…」ひしっ…!



吹雪『司令官は……一体どういうつもりなんだろう。何故、みんな50点……?』



赤城「提督。これでは、決着がつきません」



VAVA「いいや、これでいい。一応筋は通したぞ。後は好きにやらせてもらう」



赤城「どちらへ?」



VAVA「厨房だ」



赤城「誰も居ないはずですが」



VAVA「いや、いる。脱出はできていないはずだ」



ドヨドヨ……??



天龍「おう、戻ったぜ」



VAVA「雷の様子はどうだ?」



天龍「ちょっとショックだったみたいだなー。まぁ、一人前のレディに任してきたから大丈夫だろ」



VAVA「そうか……天龍、悪い予感が当たりそうだ。厨房に誰かが潜んでいる可能性がある」



天龍「ほう、真剣勝負に水を刺すたぁ、ふてぇやつだな」



VAVA「まったくだ。こればかりは、説教では済まさんぞ」


厨房



VAVA「…」キョロキョロ…



VAVA「隠れているのはわかっているんだ。観念して出て来い」



VAVA「どんな意図があったかは知らんが、自分から出てくれば…………うん?」



ちょこーん(ダンボール)



VAVA「…」



ガシッ…グッ……



イオナ「あ…」体育座り



VAVA「な……」



イオナ「…」じー…



VAVA『なんだこいつは……妙な雰囲気だ。艦娘とも深海棲艦とも違う。少なくとも人間ではない』



イオナ「…」



VAVA「おい」



イオナ「!」びくっ



カッ……!


食堂



赤城「神聖な戦いを汚す者、がよもやこの鎮守府にいたとは……なんと嘆かわしい」



加賀「誠に遺憾ですね」



天龍「そろそろ戻ってくんだろ。もし駆逐の誰かだったら、オレがけつたたきしてやるぜ」



ドカァアアアアアアン!!!



天龍「きゃ……なんだぁ!?」



ギューーーーン!!ドシャァ!!!



VAVA「ぐわあぁっ!!」



五月雨「提督!?」



足柄「どうしたの!」



間宮「あぁーっ!厨房から火が……」



扶桑「提督…!しっかり……!!」



天龍「お、おいっ!何がどうなってんだよ!?」



VAVA「油断した…」よろっ…



ダダッ!!



天龍「誰だ、あいつ……」



イオナ「!!」ダダダダーーーッ!



VAVA「くっ……ヤツは敵だ。追撃しろ!」



了解!!

廊下



ビーッ!ビーッ!



侵入者発見!直ちに拘束せよ!!



イオナ「はっはっ……!」タッタッタ!



イオナ『こわい…』



コツコツコツ…



北上「侵入者はっけーん。あたしも運がいいねぇ。カモがネギ背負ってきたよ」



イオナ「?」キキィッ!



北上「見た目艦娘っぽいからやりづらいな……ま、恨まないでよね」カチャ…



イオナ「!」



北上「あらよっと」ガゥンッ!ガゥンッ!



イオナ「クラインフィールド」パッ…



パシィイイン!



北上「?……なにそれ、すごいね」



イオナ「どいて」ヒュッ…!



北上「おまけに速い」


シュッ!



大井「離れなさいな!」



イオナ「くっ!」



北上「ありがと、大井っち」



大井「北上さんには指一本触れさせないわ」



北上「さてさて、いっちょコンビネーションってやつを見せてやるか。いい?大井っち」



大井「はい!北上さん!!」



北上「あたしらに会ったのが運の尽きだったな~」




い……おい……お……お……おおい…おおい…



大井「ん……私、どうして…」ぱち…



VAVA「大井」



大井「あれ……提督?いだっ…!!」大破



VAVA「気がついたか、動くなよ。左腕がよくない曲がり方をしていたからな」



大井「い、いま、どんなんなってます……?怖くて見れません」



VAVA「安心しろ、腕の向きはお前が気を失ってる間に直しておいた。応急処置も済んでいる。あとは入渠すればすぐに治るだろう」



大井「……北上さんは!?」



北上「いるよ~…やられすぎて立てないけどね。あのチビ。今度あったら絶対殺す」大破



大井「よかった……北上さんが無事で」



VAVA「まさか、北上が一蹴されるとはな……」



北上「いやぁ、面目ない。ごめん」



大井「いえ、私が不甲斐ないせいで…」



VAVA「二人とも、もう喋るな。後は、俺が始末をつける」



ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!



VAVA『よくも、やりやがったな……あの小娘、許さんぞ』

一方その頃…



空母城



空母「フム……デハ、コノ 条約ニ 異議ハ 無イナ?」



異議無シ



空母「ヨシ。コレデ、我等 ノ 守リモ ヨリ 磐石 トナッタ」



イヤー疲レタナー……モウ少シ コノ 城 デ 公務サボッテタイ……マッタクダ…



ザワザワ…



空母「…」



空母『皆、疲レテ イルノダナ……』



空母「サテ、皆、コノ数日間 ゴ苦労ダッタ。今日モ 宴ダ。存分ニ 楽シンデ イッテ欲シイ」



ガチャッ!!



「空母様ーーーーッ!!」ダダダー!



空母「ドウシタ。ソンナ ニ 慌テテ」



「ハッ!ソレガ、オカシナ ヤツラ ガ……!」ハァハァ!



空母「…」スッ…(肩に手を添える)



「空母様…」ポ……///



空母「落チ着イタカ?大丈夫。ユックリト 話シナサイ」



「ハイ…… (霧ノ艦隊) ヲ 名乗ル 謎 ノ 集団ガ、空母 様 並ビニ、ココニ 在ラセラレル 姫 全員 ニ 謁見 ヲ 求メテ イマス」



空母「霧?…………霧ダト!?」



「ハ、ハイ!確カニ ソウ名乗ッテイマシタ」



海月「黒紫ノ戦士 ノ 出現、蒼キ英雄 ノ 帰還……コノ 世界 モ 騒ガシク ナッタモノダ」



重巡「黒紫 ノ 戦士…」



海月「VAVA トイウ 謎 ノ 戦士ダ。危険ナノデ、部下ニ 調ベサセテオイタ。知ラナカッタノカ?」



重巡「イヤ……知ッテイル」



軽巡「マダ…… イオナ ト 決マッタ 訳デハナイ」



水母「ソウダ。ソレニ 集団? イオナ ハ 一人ダッタハズ」



潜水「イズレニシロ、通ス 必要 ハ 無イ。城主 ノ 空母 ダケナラ マダシモ、我等 深海ノ姫 全員 ニ 謁見ナド…」



バニッ!!



潜水「恐レヲ知ラヌ 愚カ者 共ダッ!腹ガ立ツ!!ソンナ ヤツラ 一人残ラズ 斬首 シテシマエ!!!」



空母「落チ着ケ 潜水。ソウ逆立テテハ、美シイ 髪ガ 乱レテシマウ」



潜水「ウ……ソウダナ。スマヌ、空母」しゅん…



潜夏「クシ、使ウ?」スッ…



潜水「ウム…」パシッ…シュッシュ……



空母「サテ、急ナ 申シ出ダガ、ドウシタモノカ……」


空母城



大廊下



コツコツコツコツコツコツ……とっとっと~♪




「コラ!止マレ!!ココカラ先ハ 許可サレタ 者 シカ……ウワァ~!!」ズルズル!


「止マレ!クッソォ!!ナンテ 馬鹿力ダ!!」ズサァ…




「鬱陶しい、雑魚に用はない。陽動など無駄だ。姫とやらはこっちにいるんだな?」



「あっははは!みんなよわーい!!」



「…」



「余り、手荒くするな。これから同盟を組もうと、言うのだからな……」




ピピピ……



「私だ」



(イ401を捕捉したわ)



「うむ。よくやった」



(そっちは?)



「順調だ。これから対面する。お前も戻れ」



(冗談。ここでヤツを沈めれば、邪魔者は居なくなるわ)



「深追いするな。イ401は後ほど十分な戦力で圧殺すればよい。戻れ)



ブツンッ……



「……まぁいい。行くぞ」


空母城



会議室



ガチャ……



コツコツ…



空母「ヨウコソ。私 ノ 城ヘ」



「貴女が、空母棲鬼か」



空母「イカニモ」



コンゴウ「はじめまして。私は 霧の艦隊 旗艦 大戦艦 コンゴウ と申します」



プーックスクス!



港夏「フヘヘッ!アレデ 大 戦艦ダッテ」



潜夏「リーダー ヤ 戦水 ト 比ベリャ 小 戦艦モ イイトコダ」



重夏「駆逐艦カナ??」



戦夏「静カニ。空母 ノ 邪魔 シチャイケナイ」



戦夏『アノ 黒イ 戦艦、只者デハ無イ……艤爽獣 ノ 準備 ヲ シテオコウ』ボゥ…



「コンゴウ、何故我々が下手にでなければならんのだ」



コンゴウ「キリシマ、お前は黙っていろ。相手は姫を名乗る者。礼儀を軽んじてはいかん」



キリシマ「……こういうことはコンゴウに任せる」



コンゴウ「この者達は、私の部下です。右から、マヤ、ハルナ、キリシマ と申します」



マヤ「はじめまして、お姫様。重巡 マヤ です。よろしくおねがいします」ツツ…ペコリ(お嬢様お辞儀)



ハルナ「大戦艦 ハルナ……以後、お見知りおきを」ペコ…



キリシマ「何故、こんなやつらに……」ぼそっ…



潜水「聞コエテイルゾ 小娘。身ノ程ヲ 弁エロ!」



キリシマ「なんだと?」ギロッ…!



コンゴウ「やめろといっている」



キリシマ「わかってるよ。ちっ……!」



潜水「ハッ!雑魚ガ。生意気 ニ 睨ミツケテ キオッテ。捻リ 潰サレタイカ?」



駆水「ヨセ、潜水。大目 ニ 見テヤルベキダ」



駆逐「オトナゲ ナイ」



潜水「フン……空母、何ナラ 私ガ 全員 沈メテモ イインダゾ?」



空母「争イハ 好マナイ。コンゴウ。通常ナラ、面会ニハ 手続キガ 必要 ナノダガ」



コンゴウ「緊急の用事故、このような手段を用いる他にありませんでした。 霧の艦隊 を代表し、お詫び申し上げます」ペコリ…



キリシマ「…」



コンゴウ「何をしている。あちらの姫君に今の非礼を詫びるのだ。キリシマ」



キリシマ「……失礼した」ペコ…



潜水「フン、上司ニ 助ケラレタナ」



キリシマ『茶番だ…!』



空母「……乱入 ニ ツイテハ 特別ニ 目ヲ 瞑ロウ」



コンゴウ「感謝します」



空母「目的 ハ 何ダ」



コンゴウ「我々 霧の艦隊 と同盟を結んで頂きたく、参上した次第です」



空母「同盟?」



コンゴウ「はい……」


鎮守府近海



「なるほど。つまり、あなた達が集団で行動する時は6隻が限界ってわけ?」



「…」コクコク…



「6隻揃ってないと探知できないなんて、レーダーの意味ないじゃない。ナンセンスだわ」



「???」



「とにかく、あなた達は私に協力していればいいのよ。強者に従う。それがあなた達のルールなんでしょ?」



「…」コクリ…



「ナガラ級二隻に、正規空母二隻、戦艦一隻、そしてこの私……」



タカオ「重巡 タカオ!」



タカオ「コンゴウめ、何が圧殺よ。戦力が整う前に逃げられたら元も子も無いじゃない」



タカオ「現地で戦力を集める……さすが私ね。これで十分すぎる戦力だわ。あなた達見た目はちょっと不気味だけど、戦力としては中々だしね」



タカオ「いい?標的はこいつよ!!」パッ!



タカオ「私とあなた達でこいつの逃げ場をなくして、ナガラ級がとどめを刺す」



タカオ「これで イ401 も一巻の終わり。こいつを仕留めれば、私が霧の艦隊の旗艦よ」



タカオ「その時は、あなた達を私直属の部下にしてあげる。さぁ、行くわよ!」



タカオ「私に続きなさい!!」


鎮守府正面海域



イオナ「やばば…」ダダダーッ!



ゴォー……ッ!!



VAVA「待ちやがれ!」ドゥン!ドゥン!!



シューーー!



VAVA「すばしっこいやつだ。大和、武蔵、遠慮はいらん。撃ちまくれ!」



大和「了解!全砲門、開け!!」ガォンッ!



武蔵「素晴らしい命令だ。節約なんてやってられないぜ。てえーぃっ!」ドドンッ!!



イオナ「!」ザプンッ!



VAVA「……なるほど。潜水艦か。やれ、夕張」



夕張「お任せっ!燻りだしてあげる!!」バシュシュッ!!



VAVA「前に出る。利根、後に続け!」



グォーーーン!!



利根「まだ本調子ではないが、直ってうれしいぞ!らいどあーまー!!」


イオナ「ぇ…!?」チャポ…



利根「たまらずでてきおったわ!見よ!この圧倒的な馬力を!!くらぇい!!!」



ガシィッ!



利根「なんじゃと!?」



ギリリ…



イオナ「んん……!」グイィ…



利根「おわぁあああ!なんて奴じゃ!?そんな体で……離すのじゃあ!!」



イオナ「わかった」ブンッ!



利根「うへぇえええええええええええ!?」ピュ~~~……バシャアン!



イオナ「追うの、やめて。あれ、食べたのはあやま……」



VAVA「やめろだと!?お前から仕掛けてきたんだろうが!!」バルルルルルッ!!



イオナ「わっ……!?くっ!!」



VAVA「潜水艦が格闘など…」




タカオ「超重力砲 エンゲージ。さぁ……消えろ、裏切り者!!」ビビ…




ゴォオオオオオオオオオオオオオン!!




VAVA「!?」



イオナ「クラインフィールド……!」



バジジジィーーーーーーーーー……!



VAVA「光学兵器か……!?」



イオナ「………もうもたない。逃げて」



VAVA「何故、俺を庇う」



イオナ「あれは……私の敵。あなた達は敵じゃない。悪いのは、私だから……ごめんなさい」



VAVA「…」



イオナ「あぅっ!」パリィンッ!!



ドカーーーーーーーーーーンッ!!



タカオ「…」プシュ~~……



ファサッ…



タカオ「ざっとこんなものよ」



ナガラ級「…」シュ~…


ナガラ級「…」シュ~…



タカオ「ご苦労だったわね。戦闘態勢解除。冷却でもしてなさい」



「……」ボソッ…



タカオ「自分達の出る幕が無かったって?……いいじゃない。別に。約束は守るわよ」



タカオ「さぁてと、どんな風に報告してやろうかしら?助かっちゃったわ。勝手に隙を作ってるんだもの」



「!?」シュバー!



タカオ「?……ちょっと!どうしたのよ。何で逃げるの!」クルリ…



VAVA「…」



タカオ「ん?あぁ、イ401と一緒にいた……礼を言うわ。あなた達のおかげで宿敵を消すことができたのよ」ふふん♪



ダッ……



シャキィ………ドズンッ!ズボッ……ズバァーッ!!



VAVA「はっ!」チャキンッ…



ナガラ級「…………!?」轟沈


ナガラ級「…………!?」轟沈



ゴボボボボボボ……



タカオ「今回は特別に見逃してあげ…………えっ?」



VAVA「ざっとこんなものだ」



タカオ「は………………?」



タカオ『今、何が?なんで二隻とも沈んで……』



VAVA「お前も気に食わん色をしてやがるな」キッ…



タカオ「ひっ!」



タカオ『ナガラ級のクラインフィールドを突破したというの?それも二体同時に……!?』



VAVA「お前がリーダーだろう。部下がやられたぞ。どうする?」



タカオ「わ、わた……私達に手を出したらもうおしまいよ!!」ダッ…



こてん!バシャア!!



タカオ「あたっ……この世界に危害を加えるつもりはなかったけど、馬鹿なことをしたわね!」



VAVA「馬鹿だと?」ズンズン…



タカオ「ひぇ……!う、うわ……うわぁあああああああん」ピェーー!



VAVA「チッ……見た目ほどタフじゃないってことか」ウィン…カシュン



VAVA『 この世界 か……興味深い話だ』

空母城


VIPゲストルーム(霧ノ艦隊 御一行サマ)



コンゴウ「この馬鹿者めが!」



タカオ「くっ…」



コンゴウ「だから深追いするなと言ったのだ。我々はまだこの世界の事情を完全に把握してはいないんだぞ」



タカオ「面目ない」



コンゴウ「……お前がいない間に、深海棲艦と同盟を組むことに成功した。次の指示を待て」



タカオ「わかったわ」



キリシマ「一部気に食わないのもいるが、あの空母棲鬼とかいうのは話のわかるやつだ。私達が友好関係を持つに相応しい相手だろう」



コンゴウ「そうだ。この関係を大事にしていかねばならん。全員勝手な行動は慎むように」



マヤ「わーーい!ベッドふっかふかー!!」ぽよんぽよん!



コンゴウ「こらこら、駄目だぞーマヤ。もっとお行儀よくなさい。情報によると一人前のレディはベッドで跳ねたりしないんだぞ」



マヤ「はーい!」



コンゴウ「いい子だいい子だ。それでこそ私のマヤだ」なでなでなで…



トントン…



コンゴウ「?……ハルナ」



ハルナ「了解」スッ…



ガチャ…



ハルナ「何か、御用でしょうか」



戦水「…」



ハルナ「貴女は…」



戦水「オマエ 達 ニ 話シ ガ アル」


トポポポポ…



ハルナ「どうぞ…」カタッ…



戦水「クルシュウナイ」



コンゴウ「わざわざ御足労をいただかなくとも、御用とあらば我らいつでも御前に駆けつけましたものを」



戦水「ソノ 気持チハ 嬉シイ。ダガ、事ヲ 公ニ シタクナイノダ」



コンゴウ「と、言いますと?」



戦水「話セバ 長クナル」



コンゴウ「お聞かせ下さい。戦艦水鬼様」



戦水「ウン」



シクシク…



戦水「…………豹変シタ ダノ 偽者ダノ 変ナ 噂 ハ アッタガ、私 ニ トッテハ カケガエノ無イ 存在ニ 変ワリハ 無カッタ」ズズー…



戦水「ソシテ……ツイニ 顔ヲ 合ワセルコトモ 無イママ、育テノ 親 デアル 戦艦棲姫 ヲ 沈メラレテ シマッタノダ。生キテイルノカモ ワカラナイ」ダバー…



ハルナ「不憫な…」ほろり…



キリシマ「こ…これが悲しみというものか……なんと…なんと……」うるっ…



タカオ「その人のこと、本当に好きだったのね…」グスッ…



マヤ「泣かないで」



コンゴウ「なるほど……なるほど」



戦水「私ハ、人間ガ……艦娘 ガ 許セン。コノ手デ、戦艦 ノ 仇討チ ガ シタイ。ダガ……」



戦水「未熟ナ 私ノ 意見ナンテ 誰モ 聞イテ クレナイ。自ラノ軍ヲ 動カソウニモ、キット空母 カ 戦夏 ニ 止メラレテシマウ」



戦水「ダカラ、同盟軍 トシテ アル程度 自由ニ 動クコトガ 出来ル オマエ達ニ」



コンゴウ「仇を討てとおっしゃるのですね」



戦水「ソウ。モシ、引キ受ケテクレタラ オマエ達 ノ 望ミ ヲ 叶エテ ヤロウ。私ニ 出来ル 範囲デ、ダケド……」



コンゴウ「……仇討ちに成功した暁には、深海遺跡の調査許可をいただきたいのですが、よろしいでしょうか」



戦水「深海遺跡ノ?」



コンゴウ「はい。姫君の許可さえあれば、誰でも立ち入りが可能だと聞きました」



戦水「ソウダケド……ソンナノ デイイノカ?沢山資源 ガ 欲シイ トカ……金塊トカ。ウラン鉱脈 ダッテ アゲテモイイゾ」



コンゴウ「では、お言葉に甘えてもうひとつ。戦水様の保有する戦力の一部をお貸し願いたい」



戦水「イイゾ。ヨウハ、名目サエアレバ イインダ」



コンゴウ「ありがとうございます。して、標的はどのような?」



キリシマ「何人でも構わん。国ごと潰すことも我々には可能だ」



マヤ「わぉ!カーニバルだね!!」



戦水「コイツダ」ピラ…



( T)




コンゴウ「これは……?」



戦水「私 ノ 部下 ニ 大急ギデ 用意 サセタンダ。コイツ コソ 事ノ 発端。悪 ノ 親玉ダ」



キリシマ「何者だ?少なくとも、艦娘のようには見えんが……」



マヤ「ロボットだー!」



ハルナ「それはありえない……人類にそんなものを造る技術は無いはず」



キリシマ「鎧を纏った艦娘。あるいは、深海棲艦ではないだろうな」



戦水「素性 ニ ツイテハ 一切不明。戦闘力 ハ 深海 ノ 姫 ト 同程度カ、ソレ以上 ト 推測サレテイル ラシイ」



タカオ「まさか、ちょっとその写真私にも見せて…………あぁっ!!」



タカオ「こいつよ!ナガラ級二隻を沈めたのは!!」



コンゴウ「ふむ…」



戦水「フザケタ 外見 ニ 惑ワサレナイ ヨウニナ。コイツ ハ、既ニ 姫ヲ 4人 モ 倒シテイル」



キリシマ「4人も!?」



ズシン…ズシン……!!



戦水「ムッ!」



オ嬢様~~!!



イズコ~~!!



戦水「モォ!イイ所デ……コノ話ハ 私達ダケノ 秘密ダ。絶対ダゾ、イイナ?」



コンゴウ「心得ております」



戦水「良イ返事ダ。オマエ ハ 出世スルゾ。マタ話ソウ」タタッ…



ガチャ…バタン!





コンゴウ「…」



キリシマ「どういうことだ、コンゴウ。事前調査では我々に対抗しうる戦力を持つのは、深海棲艦だけだったはずだろう」



ハルナ「こういうこともある」



マヤ「どーするのー?」



タカオ「こいつは危険だわ。すぐに始末すべきよ。イ401がいない今、こいつが最大の敵だわ」



コンゴウ「まぁ待て。タカオよ、お前はイ401を破壊したと報告してきたが、機能停止をその眼で確認したんだろうな」



タカオ「それは……しかしあの爆発では!」



コンゴウ「甘い。幾度となく我々の邪魔をしてきた奴の事。そう簡単に倒れるとは思えん」



タカオ「…」



コンゴウ「よし、ひとまずイ401も、この写真の標的も保留。情報を集めるのだ。全てはそれからだ」



ハルナ「そろそろ、パーティの時間」



コンゴウ「こんなこともあろうかと、礼装を用意してきて正解だったな。全員、行くぞ」


空母城(パーティホール)



ワイワイ♪



空母「皆、貴女達 ヲ 歓迎シテイル。今宵ハ、存分ニ 楽シンデクレ」



コンゴウ「ありがとうございます」



ハルナ「…」じー…



空母「?……ドウカシタカ」



ハルナ『スキャン、未完了』



ハルナ「いえ……素敵なお召し物で」



空母「…アリガトウ。サァ、皆。新タナ 友人達 ト 共ニ 楽シモウデハナイカ。カンパイ」



カンパーイ!!



キリシマ『どうだ?』



ハルナ『……後で見せる。楽しみにしてるといい』



キリシマ『楽しめるほどのスペックならばいいがな』



ハルナ『甘く見ていると後悔することになる』



キリシマ『ふっ……冗談はよせ。対抗しうるとは言え、どうせ我々には及ばんのだ』



ハルナ『慢心するな。その悪癖は直した方がいい』



キリシマ『大きなお世話だ。私はこれからもクズ共を叩き潰してやるぞ。圧倒的なチカラでな』



ハルナ『…好きにすれば』


チン……♪



離島「カンパイ」



防空「カンパイ」



離島「ゴメンネ、防空。マダ痛ム?」



防空「イエ、モウ大丈夫デス。私コソ ゴメンナサイ。大事ナ 先輩ニ アンナ 酷イ 事ヲ…」



離島「過ギタコトヨ。気ニシナイデ」



防空「アリガトウゴザイマス。優シイ 先輩 ニ 感謝 デス」



離島「ウフフ、オダテルノガ 上手イワヨネ」



防空「イヤァ、ソンナ……恐縮デス」



離島『コイツ、イツカ 叩キ潰ス。絶対 ブッ潰ス』ニコニコ…



防空『精々 笑ッテロ。今ニ 引キ摺リ 下ロシテヤル』ニコニコ…


空母「カワイイナァ。コレデ、重巡トハ 信ジラレナイ」



コンゴウ「彼女は我が艦隊のナンバー2でしてね。言わば、私の右腕です」



空母「コンナニ 小サイ ノニ 偉イ!マヤチャンハ、今 イクツ ナノカナ?」



マヤ「ひみつー!」



空母「アハハッ!ソウカ。秘密カー」ニコニコ



マヤ「お姫様はいくつー?」



空母「エ…」ピタ…



ザワッ……



コンゴウ『姫の面々が皆、目をそらしはじめた……この話題は』



マヤ「はたちー?」



空母「ア………私ハ…」




コンゴウ『  い  か  ん  』




コンゴウ「こら、マヤ。マナー違反だぞぅ。めっ!申し訳ございません。うちの子が失礼しました」



空母「…」



タカオ『あんなに必死なコンゴウは、はじめて見たわ…』



キリシマ『だから私は同盟なんて反対だったんだ』



ハルナ『コンゴウに任せるしかない…』



空水「ハ……ハハハ。空母、子供 ノ 純粋 ナ 好奇心ダヨ」オドオド…



空母「…………XX万飛ンデ XX千 XX百 二十 二歳」ボソッ…



マヤ「わぁー!長生き!!すっごーーい!!」



空母「スゴイ……?ソウ…アリガト!スゴイデショー!!」



マヤ「すごーーーい♪」



コンゴウ「マ、マヤ……」



空母「コンゴウ、ソウ蒼ク ナラナイデクレ。カワイイモノダ。コレガ 無邪気サヨナ」ニコー!



空母『ソリャ……ミンナ ミタイニ 若クナイシ…戦艦 イナキャ 一番 年トッテルノハ 私ダケド……私ダッテ トリタクテ トッテルワケジャナイシ…』


空母『XX百歳 越エタ頃カラ 運動 モ スキンケア モ トリートメントモ 毎日 欠カサズ シテキタシ……食事ニモ 気 ヲ 使ッテ……』


空母『ソモソモ 私 ヨリ 上 ダッテ イッパイ イルシ…戦艦トカ…古鬼様 達 トカ……戦艦 以外ハ 引退シテルケド………』



運河「  」ほろり…(涙)



パーティは無事終了



VIPゲストルーム(霧ノ艦隊 御一行サマ)



キリシマ「同盟も悪くないな!楽しいパーティだったぞ」



タカオ「ずいぶんと仲良くなっちゃって…」



キリシマ「あぁ、戦艦夏姫。やつはおもしろい。戦艦同士だからか、やはり気が合うんだ。その妹分たちもかわいいやつらでな」



ハルナ「……マヤ。いつになく軽率だった」



マヤ「えー!」



コンゴウ「流石に私も肝を冷やした。どうしたというんだ。マヤ」



マヤ「だって、みんなの役に立とうと思って。空母棲鬼の弱点、見つけたよ。年齢聞かれると動揺するんだよ!」



ハルナ「!」



タカオ「流石ね。と言ってあげるわ」



キリシマ「なるほど、あれは牽制だったというわけか」



コンゴウ「そうか……マヤ。よくやった。それでこそ私のマヤだ」なでなで…



マヤ「えっへん!」


横須賀鎮守府


工廠


提督専用兵装保管庫(艦娘、妖精、立ち入り禁止)



バチバチバチ……!



VAVA「……徹夜しても無理か」



イオナ「だいぶ楽になった」



VAVA「そうかよ」



イオナ「ありがとう」



VAVA「お前には聞きたいことがあるんだ。死なれては困る」



ジャラ…



イオナ「このびりびり痺れる鎖も外してくれると嬉しい」



VAVA『深海の姫を拘束する為に作った物が、もう役に立つとはな』



VAVA「駄目だ」



イオナ「ぶー」


VAVA「あと何が必要だ?」



イオナ「艦娘の燃料と鋼材くれれば、ナノマテリアルで完全に修復できる」



VAVA「ナノマテリアル……?」



VAVA『ワームのようなものか?あらゆる物質に変異するような……』



VAVA「よし。俺の質問に答えたら、それらを融通してやろう」



イオナ「信じられないこと言うよ。たぶん」



VAVA「いいから答えろ。嘘はすぐわかるからな。レプリロイドを知っているか?」



イオナ「なにそれ」



VAVA「知らんのか」



イオナ「うん」



VAVA『では、俺とは別の世界から来たんだな』



VAVA「よし、次の質問だ……」



VAVA「…」



イオナ「全部事実。嘘言ってないよ」



VAVA「だろうな、顔を見ればわかる。理解した」



イオナ「約束」



VAVA「いいや、まだだ」



イオナ「話が違う」



VAVA「急かすな。お前にも約束してもらおう」



イオナ「…」



VAVA「今後一切、俺の部下に危害を加えないことを、約束しろ」



イオナ「わかった。約束する」



VAVA「いいだろう。五分待ってな」




コト…



VAVA「待たせたな。そのなりだ、これくらいでいいだろ」



イオナ「もっと」



VAVA「わかった」



ゴト…



イオナ「まだ足りない」



VAVA「何……あぁ、待ってろ」



ゴドンッ…



イオナ「まだまだ」



VAVA「まだ食うってのか…」



ゴッソリッ…



VAVA「ぬぅ……」



VAVA『港湾の所で使う為に貯めた、プライベートな資材が……』




イオナ「もうひとくち」



ゴゾォーッ!



イオナ「もうふたつ」



ドザァーーッ!!



イオナ「もうみっつ」



ゴドジャァーーーッ!!!



イオナ「おかわり」



VAVA「ふざけるな!!」



イオナ「まじめだもん」



ズモモモモ……ピカーンッ!



イオナ「なおったー」



VAVA「人がオリョールでこつこつ貯めた資材を溶かしやがって……あそこまで一人で貯めるのは苦労したんだぞ」



イオナ「感謝してる」



VAVA「くそ…しばらくバーはお預けだ。ツケなんてみっともねぇしなぁ……」



イオナ「ねぇ」



VAVA「何だ」イライラ…



イオナ「ナガラ級を倒して、タカオを撃退してくれた」



VAVA「成り行きでな。そのタカオとやらが言うには、俺はもうおしまいらしいが」



イオナ「私の提督に、なってくれる……?」



VAVA「お前にはお前の司令官がいるんじゃないのか。元の世界に」



イオナ「いない。まだ、一度もできたことない」



VAVA「……それなのに人類に手を貸してるのか」



イオナ「なってくれる?」



VAVA「引き受けよう。こきつかってやるからな」



VAVA『こいつの操るテクノロジーにも興味があるしな』



イオナ「わぁ……提督、てーとく!」



VAVA「……調子が狂うな」



イオナ「また、カレーたべたいな」



VAVA「それに関してはまだ許してないぞ。あいつらに謝れよ」


イオナ「謝る」



VAVA「うむ、素直な所は評価に値する」



イオナ「鎖外して」



VAVA「……信じるぞ」チャッ…



イオナ「信じて」



ピッ…カコンッ!



イオナ「ありがとう」



VAVA「こいつの効き目はどうだった?」



イオナ「びりびりして、チカラがでなかった。私にもよくわからない技術。すごい」



VAVA「そうだろう。そうなるように作ったからな。ん……?」



イオナ「ん?」



VAVA「おまえ、少しでかくなってないか」



イオナ「元に戻っただけ。今まで本調子じゃなかった」



VAVA『本調子じゃないだと…?』



VAVA「体の大きさを変えられるのか?」



イオナ「変わっちゃうの。ナノマテリアルが少なくなると、それだけ縮む。激減すると、コアだけになって動けなくなる」



VAVA「あぁ……あのタカオとかいう重巡の攻撃は、それだけ凄まじかったってわけか」



イオナ「危なかった。提督の行動が迅速だったおかげで助かった」



VAVA「俺に不意討ちなどいい度胸だ」


ラウンジ



イオナ「ごめんなさい」土下座



北上「許すわけないでしょ」ジャキッ…



大井「死になさいな」ガギィン…



VAVA「やめろ」



北上「提督の命令なら……やめるよ」



大井「北上さんがそう言うなら」



赤城「神聖なファイトを汚した罪は重いですよ」



そーだ!そーーだ!!



イオナ「ごめんなさい」べたー…



VAVA「カレーを食えなかったのは俺も残念だが、事態はそれ所ではなくなった」



わーわーー!!



VAVA「…」ギロッ……グポーン…



ザワッ……シーーーーーン…



VAVA「すまない……聴いてくれ」


VAVA「……以上」



シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン……ヒソヒソ…



阿武隈「えぇ……」



妙高「お……お熱はありませんか?私、提督が心配で…」ぺタ…



足柄「カレーも台無しにされて……私よりもあんな潜水艦のほうがいいの!?わぁーんグレてやるぅーー!!」びぇ~~!!



妙高「足柄も落ち着いて」



VAVA「妙高、俺は至って冷静だ。足柄、お前の方がいいに決まってるだろう。泣くな」フキフキ…



足柄「うん……!」



霞「SFじゃあるまいし。そんなの雪風でも騙されないわよ」



雪風「雪風、いつもしれぇを信じてます!」



VAVA「雪風…」



黒潮「雪風、今のは馬鹿にされたんやで。怒ってもええんよ」



雪風「かまいません!雪風、おバカですもん!!イオナさん、雪風とお友達になりましょう!」



イオナ「ともだち、うん」



長門「えらいぞ雪風。なぁみんな、今まで提督のやってきたことで、大きな間違いなどあっただろうか?」



長門「いや、無い。私は提督に賛成する。彼女の話が本当なら、我々は深海棲艦を倒す前に霧の艦隊に全滅させられてしまうかも知れんぞ」



大和「そうですよ。私も現場にいましたが、あの光線を浴びたらひとたまりもありません。ここはイオナさんの協力を得て、対策をするべきです」



ゴーヤ「ってことは、イオナはここに配属されるでち?」



VAVA「お前たちが反対しなければな。俺は…………お前らの気持ちを無下にしたくない…」ボソッ…



ポッ///……テレ……くそ……かわいい…………母性にくるでほんま……



ゴーヤ「きっとみんな認めるでち。ということは、イオナはゴーヤの後輩でちね」



イオナ「後輩」



ゴーヤ「おい、イオ公。肩もむでち」



イオナ「はい」



VAVA「悪ふざけもほどほどにしておけよ」


それから、VAVAと艦娘達による議論は夜まで続いた。そして……



イオナ「みなさん、よろしくおねがいします」ペコォー…



パチパチパチパチ!!



大淀「ようこそ横須賀鎮守府へ。後ほど、書類にサインをお願いしますね」



イオナ「りょーかい」



ぐぎゅるるるるるる……



イオナ「おなかへった」



どwwwわはははははははは!!



イオナ「?」



VAVA「そうだな。気付けばもうこんな時間か。お前ら、食堂行くぞ」



了解!!


それから数日……イオナの一日。



中庭



あきつ丸「おぉ、イオナ殿。感心でありますな。では、ご一緒に」パッパラパー!



イオナ「むずい」プップクプー!




厨房



間宮「今日もお手伝いに来てくれたのね。ありがとう、イオナちゃん」



「いい包丁捌きだ。装甲よりうまいんじゃないかね」



装甲「そんなぁ…」



イオナ「ねこのて」




オリョール海域



ゴーヤ「イオナはゴーヤがおいてきたでち。ハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうもない」



イムヤ「燃費がちょっと……ね」



ハチ「うちのオリョクルは自由参加なだけに、意欲のある人をおいていくのは気が引けますね」



イク「残念なのね~!」


3-4ボスマス



「ナ、ナンダ アイツハ!?」



「爆雷 ヲ クラッテ ピンピン シテルゾ!?」



「潜水艦 ノ オバケ ダ!!」



「逃ゲロ~~~!!」



ぴゅ~~~!!



イオナ「任務完了」



漣「もう全部イオナ一人でいいんじゃないかな」



潮「すごい……です」



伊勢「やった!高難度海域を制圧したわ!!すごいじゃないイオナ!」



赤城「上々ね」



加賀「良い戦果です。提督もお喜びになるでしょう」



イオナ「ありがとう」



横須賀鎮守府



ピー…



伊勢(こちら、旗艦伊勢。作戦成功しました。これより、帰投します)



大淀「お疲れ様です。気をつけて帰ってきてくださいね」



プツン…



大淀「提督、作戦成功しました。さすがです」



VAVA「うむ……俺は特に何もしてないがな」プイッ…



VAVA『役目をとられたような気分だ』


ピー!ピーー!



大淀「……!緊急の暗号通信です」



VAVA「どこからだ」



大淀「友軍からのようです。所属は……大本営ですって!?」



VAVA「大本営……?命令を発する最高機関じゃなかったか」



大淀「はい、艦娘が所属できるはずはないのですが……」



VAVA「怪しいな。で、なんて言って来たんだ?」



大淀「至急、救援請う。我、未確認の敵と交戦中。強敵なり。これだけです」



VAVA「切実な一文だな」



大淀「場所は、伊勢艦隊のすぐ近くのようです。イオナさんのおかげで、艦隊には余力があります」



VAVA「仕方ねぇ。恩を売る気はないが、無視しても面倒そうだ。伊勢たちに救援へ行く様伝えろ」



大淀「了解。こちら大淀、伊勢さん、たったいま緊急の暗号通信が……」



ガシュンガシュン……ガチャ…



大淀「って、提督!どちらへ?」



VAVA「支援艦隊だ」



大淀「お一人で艦隊ですか…」



VAVA「いつものことだろ。行ってくる」



大淀「お気をつけて」



北方海域



「試運転だと聞いて参加したのに、おい!零はまだ動けないのか!!」



「もう再生は済んだと思うんだけど……この子、全然起きないのよ!」



「ファーーーック!まぁたへそ曲げやがったデース!これだからメリケン製は!!」



「あと少し持ちこたえれば友軍が到着する。皆がんばるんだ。光線の避け方はもうわかったな?」



「しかし隊長!我々は存在自体が極秘のはずでは……きゃあ!?」スカッ…!



「四の五の言ってられないだろう。我らがこうも追い込まれるとは予想外だ……閣下にあわせる顔が無い」



零「レ……レ…………」くぅ~…zzz



ドォン!ドォン!!




ビシィッ!!ドカーーーン!!!



ナガラ級「!?」中破



キリシマ「くそぉ……!」ドンドン!



ハルナ「弱音?」



キリシマ「馬鹿にするな!パワーセーブのせいだ!!」



ハルナ「霧が二人いて手こずるとは、艦娘というものもなかなかやる。特に一隻、いい動きをするのがいた。今は見えないが」



キリシマ「褒めてる場合か!コンゴウ!!聞こえるか!!」



コンゴウ(あぁ)



キリシマ「私のパワーセーブを解け!そうすればあんなやつら……」



コンゴウ(駄目だ。その程度、今の状態で十分だろう)



キリシマ「複数のナガラ級が損傷している。戦力も30%低下したんだぞ!」



マヤ(強過ぎるところ見せちゃったら、深海棲艦たちに危険視されちゃうかもしれないでしょー!ほどほどにカーニバルだよっ!!)



キリシマ「うるさあい!!!」



コンゴウ(マヤの言うとおりだ。ハルナ、キリシマ、現状の戦力で敵を倒すのだ。私も空母棲鬼から依頼を受けたのでな。通信、切るぞ)



ハルナ「了解。戦闘続行する」



キリシマ「本気の私なら……超重力砲の一撃でもって、すべて消滅させられるのに…!!」




スン……



キリシマ「うん?この反応は!イ401……ヤツだ!!まずい、この状態では不利だぞ!」



ハルナ「コンゴウと通信ができない」



キリシマ「こんな時に!」



ハルナ「…………キリシマ、撤退しよう」



キリシマ「不本意だが、仕方あるまい。全艦撤退せよ!」



ハルナ「前を、ヤツが来る」



キリシマ「威嚇だ。まずはナガラ級を逃がす。あいつらも数が限られているからな」



ハルナ「同意」



ドンドンッ!!




「隊長!援軍です!!」



「おぉ、待ちわびた」



「私達が ただの艦娘 から援護を受けるなんて……お前が動けばこんなことにはならなかったんだ」こつん!



零「レ……」スピー…zzz



「やめなさいよ。援軍も来たし、寝かしといてあげましょう」



「かまわないデース。この困ったミニマムデビルをコントロールするのが私達の役目なんですからネ」



「隊長。いまさらですが、所属を偽装するというのは……」



「不要だ。そういう手回しはモグラどもの仕事。現場の我々は現場の事だけ考えていればいい」



「でも、あのお堅い老人たちがなんて言うか……」



「気にすることは無い。副隊長、そんなにしつこいと殿方にモテないぞ?第一、援護に来てくれた友軍に嘘をつくなど、私が許さない」




シュパーーー!



伊勢「横須賀鎮守府 所属。戦艦 伊勢。あなた方が、救援要請をした艦隊ですね?」



ながと「さよう。私は、大本営 直属。第零艦隊 旗艦。戦艦 ながと。同志よ、よく来てくれた」



伊勢「大本営…」



伊勢『こんな小さな子が旗艦……同じ名前っぽいけど、長門さんとは全然似てないなぁ。むしろ長門さん好みってかんじ?』



「懐かしの伊勢型か、ビッグゼロと肩を並べて戦えるんだ。光栄に思えよ」



伊勢「びっぐぜろ?」



ながと「いせ、今から発言を禁ずる」



いせ「…」ムスー…



ながと「部下が失礼した。申し訳ない。早速だが、援護を頼む」



伊勢「了解。みんな、攻撃開始!イオナ、潜行して!!」



イオナ「りょーかい。きゅーそくせんこー」



ザプンッ!!





そー……



タカオ「何が次の指示を待て。よ」



タカオ「この私が後方でくすぶってるだけだと思ったら大間違いよ」



スィー…



タカオ「おっと」サッ…



バシュン!ズドドドド……!!



タカオ『ハルナとバカだわ。イ401の反応もあり……いける。もう此間のようにはいかないわよ』



コォッ……



タカオ「コンゴウ、私にパワーセーブをかけなかったことを後悔するがいいわ。手柄は全て私のものよ!」



タカオ「超重力砲!エンゲー……!!」



ズドンッ!



タカオ「きゃあ!?な、なに?」パシュウン…



VAVA「こんなことじゃないかと思って……離れていてよかったぜ」



タカオ「また……今度はあんな不意打ちさせないわ。覚悟!」




タカオ「くのっ……はぁっ!!」バシュン!バシュン!



VAVA「芸達者だな。実弾とビームを使い分けられるのか?」スカカッ…



VAVA『楽しい…故郷での戦いを思い出す……』



タカオ「随分と光学兵器に慣れているようね。でも、いつまで避けられるかしら」



VAVA「慣れるも何も、主兵装なんでな。だが、俺はビームよりレーザー派だ」



タカオ「馬鹿にして、一体何なのよあなたは!雑魚ばかりだと思ったら、まさかこんなイレギュラーがいようとはね!!」バシューッ!!



VAVA「イレギュラー?確かにイレギュラー認定されたことはあるが……」スカッ…



タカオ「演算は完璧……また避けた!?あぁもうイラつく!!動くなこのテツクズ!!」



VAVA「お前のへなへなビームなんざ、かすりもしないだろうぜ」ウィン…



タカオ「うっ…!」



VAVA「…」キュィ……!



タカオ「クラインフィールド!」バッ…!



VAVA「おらよ!」(ナーバスゴースト)



ビギューーンッ!バヂヂヂヂ……



タカオ「ぐぐぐ……あっ!?」ピシピシ…



タカオ『規模は超重力砲に遠く及ばない……けど、なんて貫通性能をしてるの。こんなものが直撃したら、一瞬で強制波動装甲が臨界する…!』ぞわ~…



VAVA「厄介なバリアだな」



VAVA『もう一度使うか……ビームサーバー。いや、ガードブレイク機能をアテにし過ぎるのは駄目だな。腕が鈍る』



VAVA「いつまで守ってる?撃って来いよ。もっと撃ち合いをしようぜ」



タカオ「いいわ!望み通りにしてあげる。はぁっ!!」



VAVA「クッハッハッハッハ!!」



ズドドドンッ……バーーンッ!!



ハルナ『近辺に強大なエネルギー反応が二つ。タカオめ』



キリシマ「ナガラ級の撤退もあと少し……ここらで指揮艦でも落として混乱させてやる」ガチャ…



ハルナ「援護する」



キリシマ「頼んだ」



ジー…



キリシマ「どうやら、二つの艦隊が合流したらしいな。いたぞ……」



ピピピピピ……



キリシマ「圧縮したビームで、その綺麗な顔を蒸発させてやる。沈めっ!」バジュッ!



キュィィィン!!




ながと「第零艦隊、攻撃の手を緩めるな。むっ…」



ピカッ…



ながと『殺気を感じる……狙いはここか』シュバー!



バシュンッ!



ながと「良い狙いだ……全艦に通達、回避に専念せよ。敵は精密狙撃に作戦を変更したようだ」



バシッ!バシッ!!



ながと「おそらく、狙いは私だ。射線に入ってはならんぞ。私の事は心配要らない」



フラー…



潮「あ、あれ、みんなどこ……?」あわわわ!



ながと「き、君!後退したまえ!危険だ!!」



潮「えっ…えぇ!?」



ながと「危ない!」バッ……ドン!!



潮「きゃ…!」バシャア!



ピカァッ……



ながと「!」



シュンッ……



零「…」スッ…



バチィイイイイイイイ!!シュ~~~~~……



潮「あぁ…」へなへな…



ながと「君、怪我はないかね」



潮「は、はい…」



ながと「よかった、戦いはもうすぐ終る。少しの間、私の後ろにいなさい」



潮「わかりました」ササッ…



零「レ」ビリビリ…



ながと「……零、ありがとう。助かったよ」



零「レ……レレ」



ながと「手がしびれているのか?そうか、さっきの傷はもうすっかりいいみたいだね」



零「レレレ……レ」



ながと「あぁ、また手を貸して欲しい」



零「レーレッ」ヒュンッ…




キリシマ「やったぞ!命中だ」



ハルナ「…!」



ハルナ「キリシマ!下だ!!」



ゴポッ……バシャア!!



イオナ「…」



キリシマ「い……イ401!」



イオナ「…」シュッ…カッ!



ドッゴォオオオオン!!



キリシマ「ぐぁああああ!?ハルナぁ!助けろぉおおおおおお!!」



ハルナ「ちっ……!」バシュッ!バシュッ!



イオナ「クラインフィールド展開」



ハルナ「駄目だ、手に負えない…」



コンゴウ(キリシマ、ハルナ、聞こえるか。状況はこちらも把握している。今、パワーセーブを解くぞ)


マヤ(がんばれーーー!!)



キリシマ「おぉ!コンゴウ!!待っていたぞ!!」パキンッ…



ハルナ「クラインフィールド出力上昇、超重力砲発射可能……形勢逆転だな」パキンッ…



イオナ「やっと、ごぶごぶ」



キリシマ「のぼせ上がるな!ゆくぞ、裏切り者め!!」



プスプス……



キリシマ「ごほっ……うぅ」バチバチ…



イオナ「キリシマ、大丈夫?」



キリシマ「う、うるさい!気に食わないんだよ!!お前のその余裕ぶった態度がな!!」



イオナ「キリシマは攻めが単調。ハルナ、手ごわい」



ハルナ「当然。私の行動は7割がランダムだ」



キリシマ「……もう構うもんか!何もかも消滅させてやる!!」



イオナ「!」



キリシマ「この世界がどうなろうと知ったことか!お前がいけないんだ。私を本気にさせたお前がいけないんだぞ!!」ゴゴゴゴ…!



ハルナ「なっ……待て、キリシマ!フルパワーはまずい!!」



キリシマ「うるせぇ!どいつもこいつも私をこけにしやがって!!超重力砲、エンゲージ!!出力100%!!!」



イオナ「怒りで演算が早くなってる……キリシマ、すごい」



キリシマ「今さら褒めたって遅いわ!!しぃいいいいねえええええええええええええええええええ!!!」カッ…!



イオナ「やばい」



イオナ『発射される前に、止めなきゃ…!』


ぁぁぁぁぁぁぁあああああ……



イオナ「?……あっ」びくっ



キリシマ「なんだ?」



イオナ「キリシマ、うしろうしろ」



キリシマ「バカめ!そんな手に引っ掛かるキリシマではないわ!!」



きゃあああああああ!!



キリシマ「!……この声はタカおぶわぁああ!?」ドシャアン!



タカオ「きゃ!!このっ……よくもやったわね!」



キリシマ「どっちがだ!なんでお前がここに……」



タカオ「戦いの邪魔よキリシマ!」どかっ!



キリシマ「な、何?」よろ…



ブォー!シュタッ……



VAVA「ナイスフライトだ」プシュー…



タカオ「ええ、最高の気分だったわ。あなたもどう?」



VAVA「おもしろそうだが、そんなにいいんじゃお前に悪い。もう一回飛べよ」



タカオ「ふふ……お断りよっ!」



VAVA「……クハハッ!その調子だ。お前の中の鬼を、もぉーーーっと俺に見せてみろ!!」



タカオ「鬼…」ドキドキ…



タカオ『何かしら……この胸の高鳴り。こんなの初めて』



タカオ「いくわよ!!」



VAVA「来な!ぶっ潰してやる!!」



ハルナ「深海棲艦、感謝する。殿は我々が務めよう。退却されたし」



「了解、戦線カラ 離脱スル」


「コンナ混戦モウ ゴメンダゼ!」



零「レ」



ハルナ「お前は……いい度胸だ。再び向かってくるとは」



零「レレレ」ヒュンッ…



ハルナ「!」



ガブゥッ!



ハルナ「野蛮な…!」



零「…」ギリリリ…!



ハルナ「あぅ……う、腕などくれてやる!」ブンッ!



バキ………ギギギギ…バヅンッ!!




零「レレ……レ!?レッレ……」もごもご……ぺっぺ!



イオナ「キリシマ、ハルナがやばい」



キリシマ「ちっ……あぁ!?ハルナ、腕が!!」ダッ…



ハルナ「油断……した」



キリシマ「動くなよ。今、連れ帰ってやる」ガシッ…



ハルナ「助かる」



キリシマ「イ401!勝負は預けたぞ。忘れるな!お前を破壊するのはこのキリシマだぞ!!」



シュバァーーー……!!



イオナ「負け惜しみ」



零「レ……」もごもご…おえ~



イオナ「友軍、ありがとう」



零「レ?」クルッ…



イオナ「あなたのおかげで、助かった」



零「…………………!?」ビクゥッ!



イオナ「?」



零「イ」



イオナ「イ?」






零「イィオナァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア゛ッ!!!」





イオナ「!?」



いせ「あっ!?あいつまた…………隊長!!ねぇ、隊長!!」警告!警告!



ながと「いせ、発言は禁じたはずだ」



いせ「んなこと言ってる場合じゃないでしょう!零の感情値が9999999……測定不能!おわぁ!?」ボムンッ!



ながと「見ればわかる。第零艦隊、敵を処理しつつ、零を止めろ。感情は怒りと恐れ、なだめても無駄だろう。チカラづくで止めるのだ」



(無茶言ってくれますネ!並みの艦娘なら今ごろ海の藻屑デース!!)


(感情値、また振り切ってますね。隊長、例の装置…………また使うんですか?)



ながと「使いたくはないが、いざと言う時は使う。副隊長、私の手が必要なら行こうか」



(いいえ!隊長はそこで見ていてください!!)



ながと「了解した。無茶はするな」



潮「…」ビクビク…



ながと「恐くないよ。いつものことでね。じきに収まる」



潮「あんな艦娘、見た事無いです…」



ながと「そうだろうね。とてつもなく強いんだが、すごく打たれ弱い子なんだ」



潮「よくわかりません…」



ながと「心が、だよ」


パパンッ!



漣「ご主人様、来てくれたんですね!援護します!!」



VAVA「手を出すな!あいつは俺の獲物だ……」ギラリ…



漣「ひぃ……」ぞく…



タカオ「雑魚は退け!!」バシュン!



VAVA「はっ…………漣に触るな!」ドゥン!



タカオ「くっ!」バシィッ!



VAVA「大丈夫か、漣?」



漣「ご主人様、こわいよ…」ビクビク…



VAVA「すまなかった。許してくれ……悪い癖がでたんだ」



漣「も、もうこれっきりにしてくださいね。ほんと…こわかったんだから」



タカオ「余所見しないでよ!さぁ、次はこれを…!!」コォッ…



シュバァーッ!!



キリシマ「タカオ、撤退だ!ハルナがやられた!」



タカオ「ハルナが?」



VAVA「…」



タカオ「…」



タカオ「私は、タカオ」



VAVA「VAVAだ」



タカオ「知ってるわ。ターゲットだから。またね」シュバッ!



サァーーーーーーーー……




漣「すごい敵でしたね……某国の新兵器かな」



VAVA「なんにせよ、俺たちの勝ちだ」



漣「……えい!」ぴょん!



ひしっ…



VAVA「ん?」



漣「さっきの罰として、漣をおぶって帰るのです」



VAVA「わかった、従おうキャプテン。乗りづらいだろう?ショルダーキャノンを外す。いったん降りろ」



漣「わーい!」ストッ…



ピュ~~~!!



イオナ「てーとく、助けて」あたふた!



漣「あっ、イオナ神。どしたの?」



VAVA「何を言ってる。敵ならば撤退したぞ」



イオナ「味方が襲ってきた。めちゃこわい、助けて」



VAVA「味方だと?」



漣「ご主人様、なんかやばそうですよ!?目がマジです!死なない程度に撃っちゃいましょう!!」



零「イオナァアアアアアアアアアア!!」ゴォッ!



VAVA『確かに、目が正気のそれではないな』



VAVA「アイサーキャプテン」ウィン…



ドゥンッ!



零「レッ!」ヒュン…!



VAVA『レーザーを避けやがった……!だが、ディスタンスニードラーは外さないぜ』スッ…



パァンッ!



零「レ…!レレレーッ!!」ビスッ…



VAVA「タフなやつだ…そのまま体当たりでもするつもりか」チャキッ…



VAVA『近づいて来い。真っ二つにしてやる……』ジリ…



バスンッ!ギャリリリリリリ!!バスンッ!バスンッ!!



零「レレ!?」グルグル!



「ヘーイ!トラボゥメーカー!!おいたは駄目デースよ!」ギュッ…



「お願い!言うこと聞いて!!あなたを傷つけたくないのよ!!」グイ!



零「イ………オ…ナァ…!!」ギチチ…!



「零!副隊長の名において命じる!作戦終了だ!直ちに沈黙せよ!!と、止まれぇー!!」



零「レー!」グワンッ!



ギリギリギリ……バギィン!





いせ「ついにワイヤーまで引き千切るようになったか!?おい、あんたがイオナってんだろ?こいつに何した!!」



イオナ「何もしてない」



VAVA「事情は知らんが、敵になるというのなら破壊するまでよ」ウィン…!



ながと「待たれよ。全員、零から離れるんだ。いせ、とりもち」



いせ「あいよっ!」ポンッ!



零「レ…!レッ……レレ!?」ベチョ!グニャア!!



「まさか……隊長!待って!!」



ながと「御免」ぱっ…(目隠し)



潮「え…何がはじまるんですか?」



ながと「見ないほうがいい。零、恨むなよ……」カチッ…



零「レ……!?レーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」カッ…!



パァンッ!パパパパァンッ!キュピーン……チュドォン!!



イオナ「さざなみ、見ちゃだめ。じゅうはっきん」パッ…(ブラインド)



漣「わかってるって!潮ちゃん見てて察した!!グロ注意グロ注意!!!」ズボッ…(イオナの服の中)



VAVA『明らかに内部からの爆発だ。味方に、自爆装置だと……あいつはそれほどまでに危険ということか?』



零「レ……イオ……ナ」大破



ヨロ…バシャアン!




ながと「あかし、零を回収してくれ」



あかし「了解……痛かったよね…ごめんね。私達が、もっとしっかりしてれば……」ギュッ…



「ぺっ!バカバカシィートッ!化物に気を使うことなんてないデス」



あかし「こんごう!」



こんごう「そんなことより、そこのナイスガーイ!!」スィー…



VAVA「うん…?」



漣「ご主人様のことですよ、たぶん」ごにょ…



イオナ「へんな人。関らない方がいい」



こんごう「マイネームイッズ バトルスィップ こんごう!ナイスツミーチュー!!見てましたヨ。あなたやりますネ!」ぽんぽん!



VAVA「あ?あぁ…」




「こら!やめないか、こんごう。初対面の相手に馴れ馴れしいぞ!申し訳ありません。うちのがご迷惑を……」



おおよど「あっ!私、第零艦隊の二番艦。副隊長やってます。軽巡 おおよど です。提督の噂はかねがね……以後、お見知りおきを」ぺこり…



こんごう「自分だってちゃっかり自己紹介してるデース!ミーが先に目をつけたネー!!」



おおよど「うるさいわね!副隊長に逆らう気!?」



こんごう「オウ!でましたよ!パワハラデース!!」



いせ「おいおい、勝手に盛り上がるなって。私は戦艦いせ…」



ながと「全員、静かにしよう」



シーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…



ながと「あなたが、噂の提督ですね。申し訳ない。我が艦隊は殿方と縁が無いのです。無礼をお許し頂きたい」



VAVA「…」



ながと「さて、参りましょうか。横須賀鎮守府へ」



漣「なぬ!?」ふがふが!



イオナ「こそばゆい」



潮「あっあの……私」



VAVA「……潮、こっちにこい」



潮「は、はい!」パァ…!


横須賀鎮守府



ラウンジ



ながと「みなさん、急に押しかけてしまって大変申し訳ありません。仲間が深く傷ついてしまい、修理が済むまでの間お世話になります」



ながと「我ら五人、掃除でも炊事でもなんでもお手伝いいたしますので、どうぞこきつかってやってください」ぺこり…



いせ「隊長!?そんなの聞いてないですよ…」ボソ…



こんごう「そうデース。私達はいつだってビップ待遇を求めマース……!」ボソ…



ながと「命令を聞かないならそれでもいい。ただ、聞かないというのなら正月もお盆も休みはやらんからな」



いせ「得意料理はにくじゃがです…」ぺこり



こんごう「美味しい緑茶はいかがデースか?最高級の宇治茶ネー!」トポポ…



あかし「ご迷惑お掛けします」ぺこり…



おおよど「宜しくお願いします」ぺこり…



パチパチパチパチ……




執務室



大淀「提督、はいロックです」カラン…



VAVA「あぁ……大淀、どういうことか説明しろ」ゴクゴク…



大淀「はい。第零艦隊からの緊急暗号通信の後に、改めて大本営から通信がありました」



VAVA「やつらの面倒を見ろと?」ゴク…コトン…



大淀「そうなります。一応、消費した分の資材や高速修復剤は補償してくれると…」キュポ…トクトク…



VAVA「当たり前だ。やつらの修理にどれだけの資材を費やしたことか。イオナや大和の消費量が可愛く見えてくる程だぞ」



大淀「私もあんな艦娘を見るのは初めてです。詳細は不明ですが、修理や補給に必要な資材の量が尋常ではありません」



VAVA「ながと は入渠ドックを占有するのは悪いからと言っていたが、高速修復剤を1人100個も使いやがった」ゴクゴク…



大淀「高速修復剤は通常の100倍ですか……」あぜん…



VAVA「五月雨たちが頑張って集めたものをだ。まだ余裕はあるが、こんなところで500個も消費するとは予想外過ぎるぞ」コトン…



大淀「まぁまぁ、補償されますから……ニ、三ヶ月後に……間が悪いともっと先かも」トクトク…



VAVA「修理中の零とかいう艦娘も怪しい。すぐに直せばいいものを、あいつだけは時間をかけて修理するそうだ」



大淀「あの艦娘が一番異彩を放っていましたね。自爆……したんですよね?」



VAVA「させられたんだ。暴走を止めるためにな。已む無くながとが発動させたようだ」ゴクゴク…



大淀「私もオペレートしていましたが、艦娘の体内に自爆装置だなんて…そんな非人道的な話ありえるわけはないのですけれど……」



VAVA「くそ、面白くない。もっとおかわりだ」コトン…



大淀「はい。このバーボンも計上しちゃいますから。もう一本いかがです?」トクトク…



VAVA「今日は気前がいいと思ったら……お前のそういう所、好きだぜ」



大淀「私も、なんだかんだ言って頑張ってくれる提督が好きですよ」



VAVA「…」グィ…ゴクゴク…



艦娘宿舎(空き部屋)



いせ「ふーん、狭い部屋だけど掃除はちゃんとできてんだ。空き部屋って聞いてぞっとしたが、なかなかいいじゃん」スッ…カチャ…



いせ「わっ!冷蔵庫にビールとワインが!?まだ冷えてないが、今晩は晩酌できるぞー!!」ゴソゴソ…



いせ「つまみまで入ってる!枝豆にチーズに小料理がいっぱい……いいねぇ!気が利くじゃん!!」



ガチャ!



こんごう「いせ!見ましたカ!?」



いせ「ノックぐらいしろ。あぁ、見たよ。今夜は楽しもうぜ!!」



こんごう「イェスッ!レッツパーリーナーイッ!!」



あかし「あんまり羽根を伸ばし過ぎないようにね。隊長がこれを知ったらなんて思うか」



いせ「大丈夫だよ。あの人は風呂からあがって、牛乳飲んで、歯を磨いたらすぐ寝るからな。冷蔵庫を開けることもないだろ」



こんごう「堅物無しでパーリィデース!!」



あかし「隊長のお風呂好きも相変わらず。入渠で十分なのに」



いせ「副隊長は強引に酒のまして抱き込んじゃえばいいしな」



こんごう「あかし、さっきのことは謝るから、今夜は一緒に飲むデース」



あかし「ありがとう。でも、私はいいわ。零を見てくる」



こんごう「はぁー……そうデスか。いってらっしゃい。ディナーは七時デースよ」



あかし「はいはい」



大浴場



シャバー…カポーン……



長門「今日も一日おつかれさ~んっと♪」



ながと「~♪」シャンプー中



長門「お?新入りの駆逐艦かな。どれ、いっちょ裸の付き合いといくか」



ながと『週替わりで入浴剤を入れ替えているなんて、羨ましいな。来週は薔薇の風呂か、残念だ…………おや?』



わしゃわしゃ…



長門「初めましてだな。戦艦 長門だ。遠慮することはない。私が洗ってやろう」



ながと「おぉ、これはご親切にどうも。では、お願いする」



長門『この声は……まさか、これが噂の 島風 というやつか!しかし…黒髪だったかな?』



長門「流すぞー」



ながと「かたじけない」



ザパー!きゅぽん!



ながと「はー!気持ちよかった。では、今度は私が洗いましょう」



長門「いいの!じゃあ、お願いしよっかな!!」ストン…



わしわし…



長門「名前はなんていうのかな?」



ながと「私はながと。戦艦 ながと だ。あなたと同じくね」



長門「へ…?」



ながと「流します」



ザパー…



チャプン…



ながと「失礼するよ」



五月雨「あ、どうぞどうぞ」



ながと「あぁ~……檸檬の風呂とは珍しい。いい気持ちだ……」はふぅ…



長門「同じ戦艦には見えんな……どうみても駆逐艦か、一部の潜水艦のようだ」



ながと「よく言われるよ。小さいからね。そう見えるのも無理は無い」



子日「はいはーい!ながとさんしつもーん!」



ながと「なんだい?」



子日「だいれー艦隊ってなぁに?」



五月雨「大本営直属の艦隊だって、あんまり詮索しないほうが……」



ながと「別に大したことはないよ。直属なんて聞こえはいいが、ろくなものじゃない」



子日「へぇ~!ろくなもんじゃないんだ!!じゃあどんなもんなの?」



ながと「そうだなぁ……まぁ、とにかく無理難題を毎日押し付けられるね。それなりに大変な仕事さ」



子日「大変なんだ~!」



五月雨「えぇ…」



長門「ほんっっっとここに着任してよかったよ……私ほど優秀なら、きっと大本営にスカウトされていただろうからな」



ながと「はははっ!そうかも知れません。あなたの武勇伝は私の耳にも入っている。我らも見習わねば」



長門「んはははははははは!それほどでもあるのが自分でも恐いくらいさ!はっはっはっはっは!!」



ながと「なるほど……その前向きな姿勢が姫に勝つために必要なのか。勉強になります」



ゴーヤ「ぷは~…今日も任務で疲れたでち。ほんとにこきつかっていいんでち?」



ながと「えぇ、使ってやってください」



ゴーヤ「隊長さん、肩もむでち」



ながと「はい、よろこんで」もみもみ…



ゴーヤ「良い気持ちでち…偉い人に肩を揉んでもらうのは最高でち」



ブゥーン…ポイッ!(スポンジ)



ゴーヤ「ふやぁ!なんでち!?」ベチャ!



天龍「お前最近調子に乗ってるだろ。性格悪いぞ、そういうの。おっ、瑞雲おつかれ」



ゴーヤ「でちぃ……先にあがるでち」バシャ…



「てんりゅー、任務完了だよっ!」



天龍「いやぁ~さすが日向師匠の瑞雲だな。お下がりでもこれなら最高だぜ」



ながと「なっ!君は、天龍型だろう!?」



天龍「あん?そーだけど。あんた、大本営の……わりぃな。オレ、かたっくるしい人苦手なんだわ」



ながと「私のことなんかどうでもいい!君だ!!君は瑞雲が使えるのか!!」ザパァ!



天龍「え……まぁ、使えるよ。他にも艦戦とかも飛ばせんだぜ。すげーだろ?」へへん♪



天龍『この勲章のおかげだけどな』(空のメダル=髪留めに改造済み)



ながと「素晴らしい!軽巡のメンバーはまだ少ないんだ。こんなところにも我らの仲間がいようとは!!」



ながと「しかも艦戦が使える?おおよど以上の逸材だ!いや、実に素晴らしい!!!」ふんすふんす!




龍田「うふふ、それ以上近づかないでくださいね~」ズイッ…



ながと「おっと、申し訳ない。つい興奮してしまって……」



天龍「なんなんだ一体?」



ながと「話は長くなる。ここだとのぼせてしまうから、夕食の時にゆっくり語ろう!」



龍田「あら~ごめんなさいねぇ。天龍ちゃんは私と相席なので~」



ながと「なら、私もぜひ同じテーブルに……」



龍田「生憎ですけど、近くに空いてる席がなくてぇ~…ごめんあさぁせ♪」



ながと「むむ……ならば、仕方ない。君、手紙を書くから後で読んで欲しい」



龍田「ん…」イラ…



天龍「そこまでするか……ま、手紙くらいならいいよ。読むよ。なぁ、そろそろ上がろうぜ。腹減ったからなー」



龍田「はぁい…♪私もあがるー」



長門「私達も上がろうか」



五月雨「はい」

空母城



空母サマ謁見ノ間



空母「コンゴウ、オマエ ノ 実力ノ程、見セテ貰ッタ。部下達 モ 絶賛シテイタヨ」



コンゴウ「ありがとうございます」



空母「初戦デ 艦隊 一ツ 潰ストハ、良イ戦果ダ」



コンゴウ「いえ、確かに戦艦も正規空母もいましたが、まるで幼い。手応えの無い相手でした」



空母「言ウデハナイカ。ダガ……沈メロ トハ 言ッテ無イゾ。物事ニハ 弾ミ トイウモノハ アルガ、6隻全テヲ 沈メルノハ 如何ナモノカ」



コンゴウ「敵に情けは無用……と、思いまして。出過ぎたまねをお許し下さい」



空母「イヤ、次カラ 気 ヲ ツケテ クレレバイイ。所デ、コンゴウ」



コンゴウ「はっ」



空母「我々 ハ 同盟関係。対等ナ 立場ニアル。堅苦シイ 言葉遣イ ハ シナクテイイゾ?」



コンゴウ「いいえ、この態度はあなたに対する敬意と感謝の表れです」



空母「皆ニ 利益 ノ アル事ダ。オマエ ノ 働キブリ ヲ 見テ、文句ノ 言エル者ハ 居マイ」



コンゴウ「ありがたきお言葉。此度の同盟も、あなたの温情に寄る所が多かった事と存じております」



空母「無駄 ナ 争イ ガ 嫌イナ ダケダ。歩ミ寄ッテ 手ヲ取ロウ ト 言ウ者達 ヲ 邪険ニハセン」



コンゴウ「素晴らしいお考えです。我らも、この関係が続いていく事を切に願います」



空母「勿論ダ。今日ハ モウ 休メ。何カ 困ッタコトガ アレバ 教エテクレ。姫ノ 中ニハ オマエ達 ヲ 嫌ッテイル 者 モ 居ルカラナ」



コンゴウ「はい。それでは、失礼します」



空母「ウム。御苦労デアッタ」



コツコツコツ……



空母「ン……」ムギュ…(ほおづえ)



空母『6隻全テ 沈メタ……カ。敵トハ 言エ、気ノ毒 ナ 事ヲ シタ。艦娘達ニモ 家族ヤ友 ガ イルダロウニ……今日ハ、祈リヲ 奉ゲヨウ』


VIPゲストルーム(霧ノ艦隊 御一行サマ)



キリシマ「すまん、マヤ。またお前のナノマテリアルを分けて欲しい」



マヤ「うん、いいよ。ハルナも大丈夫?」



ハルナ「わたしはいい。これ以上ナノマテリアルを分け与えたら、もっと縮んでしまうぞ」



マヤ「いいよ。マヤはお留守番だから、はい。マヤのを使って元気出して!」



パァー…!



ハルナ「腕が……戻った。ありがとう、マヤ」



マヤ「どーいたしまして!」



コンゴウ「今帰ったぞ……マヤ、その姿は!?」



マヤ「お帰り!コンゴウ。そろそろこのお洋服もぶかぶかになっちゃった。新しいデータ読み込まなくちゃ」



コンゴウ「キリシマ、ハルナ、お前達またしくじったな?」



ハルナ「任務失敗。処分は覚悟している」



キリシマ「いや……あれは艦娘の性能が予想を遥かに超えていたんだ!コンゴウ、お前が居ても無理だったろう!!」



コンゴウ「途中でパワーセーブを解いたはずだな?言い訳するなキリシマ」



キリシマ「だが、あんなものデータに無かった!!もう少し早くパワーセーブが解けていれば……」



コンゴウ「お前は仮想敵しか相手にできないのか?」



キリシマ「かっ!うぅ…」



コンゴウ「艦娘ごときに後れを取るとは、お前を連れてきたのは間違いだったか」



キリシマ「なんだとっ……!」



マヤ「もういいよ、コンゴウ。かわいそうだよ」



コンゴウ「……マヤに免じて今回は大目に見るが、次任務を失敗したらわかっているだろうな?」



キリシマ「あぁ、わかってるよ」



コンゴウ「ハルナ、お前もだ。お前ほどの大戦艦が任務に失敗するとは、驚いたぞ」



ハルナ「すまない」



タカオ「…」ペラ…(ソファーに座って読書)



コンゴウ「そしてタカオ。お前は私が任務に言っている間、どこで何をしていたんだ?」



タカオ「別に、大人しくしていたわよ。しいて言えば、この本を借りに行ってたぐらいかしら」



コンゴウ「本当だろうな。マヤ、タカオはここにいたか?」



マヤ「ごめんなさい。私、ピアノを弾きにいってたからわかんない。通信もピアノ弾きながらやってたの」



コンゴウ「ここにピアノが…?そうか。お前たちは?」



キリシマ「……私達は戦闘中だったんだぞ。知るものか」



ハルナ「…」

コンゴウ「それもそうだな」



タカオ「私よりも、今後の活動についての心配をしたほうがいいんじゃない?」



コンゴウ「この私に指図しようと言うのか。言われるまでもない」



タカオ「ふん……もう自室で休むわ。用があったら呼んで」スクッ…



キリシマ「私もそうさせてもらおう」



ハルナ「休養をとる」



コンゴウ「うむ」



マヤ「おやすみ。ねぇコンゴウ。この体って面白いよね。時間が経つと勝手に眠くなるんだから」



コンゴウ「本来我々に睡眠は不要だ。だが、霧娘(きりむす)化の影響で、感覚が人間に近づいているから眠くなるんだ。同時に痛みや疲労も感じる」



マヤ「もう元の姿には戻れないの?」



コンゴウ「心配はいらない。機能はだいたいそのままだし、帰還すれば自動的に元に戻れる」



マヤ「そっかぁ!安心してカーニバルできるねっ!」



ガチャ…



タカオ『2人ともどういうつもり?何故、真実を報告しない』



キリシマ『お前をかばったわけじゃない。コンゴウの発言が不快だったからだ』



ハルナ『タカオ、勝手な行動は慎むべき』



タカオ『はいはい。一応、感謝しといてあげるわ』



コツコツ…



タカオ「…」ペラ…



タカオ『へぇ、これが鬼なのね……こんなのがあいつの中に?』


タカオ『私の中にもいるのかしら……』



タカオ「鬼…」


夕飯時…



食堂



VAVA「…」カチャカチャ…



ながと「…」カチャリ…ぱく



あかし「おいしいですね」



ながと「あぁ、好みの味だ」



あかし「後で、あの子にももっていってあげたいです」



ながと「許可する」



いせ『食事は旨いけど、空気重いな。だまっとこう』



おおよど「あ……提督さん。杯が乾いて…」



VAVA「装甲、水」



装甲「はーい、かしこまりました」トクトク…



おおよど『機嫌が悪いのかな……せっかく会えたのに。仲良くしたいんだけどな~……』



こんごう「ヘーイ提督ゥ!つかぬことを聞くけどサー!!彼女とかはいるんですか~?」



ピタッ……ガタタッ!…ゴホンッ!!オホンッ!!!



VAVA「彼女?誰の事だ」



こんごう「HAHAHA!隠さなくてもいいデース。もちろんステディの事デスよ」



VAVA「恋人か」



こんごう「イェス!いますかー?」



VAVA「いない」



こんごう「ホワーィッ!?これだけ優秀なナイスガイなのにステディが居ないとは、驚きデス」



VAVA「関係ないだろ。俺はただ、戦うだけだ」



こんごう「そのストイックさ、ベリィベリィエクセレンッ!!よかったらさー!今度の休みにでも私とデートしよーヨ!ネー!!」ベタベタ…ムギュ~



VAVA「…」イライラ…



五月雨「あ、あのっ!そういうのはよくないです!不健全です!!」



明石「うわー……押し強いなぁ。でも、たぶん提督ってああいう類の女性は嫌いよね」


夕張「えぇ、まるでわかってないですよ。あれじゃあ提督もうんざりでしょう。そもそも第一声で肩の単装砲について言及しないのが間違い」



扶桑「…」ぶつぶつ……ガチャリ…


山城「ね、姉様!?お気を確かに!!あれは友軍です!!!」



霞「あんな男のどこがいいんだか。センスを疑うわ。ちょっと力が強くて、知略に長けてるだけじゃない。ふつーでしょ」


満潮「ちょっと!非常識よ!!司令官から離れなさい!」


曙「きもっ!なによあのクソ戦艦。頭どうかしてんじゃないの」



川内「ふたりともどう思う?私は好きだよ。提督。夜に強いから」ぼそぼそ…


神通「はい、私も好きですよ。頼めばいつでも戦ってくれますし。結婚したら毎日でも戦ってくれそうですね」ぼそっ…


那珂「那珂ちゃんも好きだよ。だって、那珂ちゃんの歌をいつも最後まで聞いてくれるし、拍手までしてくれるもん」



青葉「にひひっ!これはスクープですよ!!大本営直属の戦艦と司令官の熱愛疑惑!見出しがこれならかなり売れそうですね……」



黒潮「みてみぃ雪風。あーいう大人になっちゃあかんよ?あんなふうに色気で男を惑わす女はみんな嘘つきなんや」


雪風「はい!おねーちゃん!!」



漣「なんだ、あんなちんけなおっぱい。こっちのはぴちぴちの駆逐艦だもんね!産地直送潮牛乳!!」わしわし!もみっ!


潮「ひぇっ!やめて~漣ちゃぁあん!!」



翔鶴「瑞鶴、弓の訓練をするわよ。構えなさい」キリキリ…


瑞鶴「翔鶴姉ぇ!?ちょっ……やめて!あんなのほっとこうよ!!」



天龍「皆慌てんなって。あんな小物にひっかかウチのボスじゃないぜ。ガキじゃあるめぇし、乳くらいなんでもねーだろ。ま、俺の方がでけぇけどな~♪」


龍田「まぁ、少なくともいやらしい印象はないわねぇ」



北上「おいこら。昨日今日会ったばかりのイギリスかぶれが、うちのボスに馴れ馴れしくしてんじゃないよ」


大井「北上さん!ここは二人の仲を認めてあげましょう!お似合いではありませんか!!」


多摩「聞こえてないにゃ、大井」



赤城「加賀さん、お醬油とってもらえます?」


加賀「はい、どうぞ」


龍驤「おうおう!その醜い脂肪の塊を押し付けるのやめーや!見てるだけで虫唾が走るわ!!この色ボケ売春戦艦が!!!爆撃したろかぁ!?おおん!!」


鳳翔「まぁまぁ、ただの悪ふざけですよ。落ち着いて」



妙高「大本営と聞いて驚いたけれど、たるんでいるわね」


足柄「今すぐ引き剥がして、バラバラに解体してやりましょうよ!ねぇ!!」


那智「いや…まぁ、うん」てれてれ…///


羽黒「那智姉さん……?」



鳥海「3、2、1……私の計算では、そろそろあの人は司令官さんに振りほどかれるはず」



こんごう「ネー!ネーー!!」グイグイ!



VAVA「断る」ブンッ…



こんごう「アウチッ!えぇー…冷たいデース!!」




VAVA「俺は自分の願望のままに動ける奴が好きだ。だがな、お前だけは好かん」



こんごう「ホワッツ!何故デスか!?」



VAVA「お前の顔を見ていると腹が立つんだ」



こんごう「か、顔なんてどうしようもないデース!」



VAVA「いいや、容姿ではない。表情だ。お前の顔は媚びと同時に、俺を見下している顔だった」



こんごう「…!」



VAVA「俺は、他人に見下されることが大嫌いなんだよ。わかったなら座ってろ。休日は一人で過ごすんだな」



こんごう「な…」



ながと「はっはっは!軽い誘いには乗らない。流石は提督殿です。こんごう、見事に玉砕したな」



いせ「かっこわりーの。あんだけ押し付けといて男一人落とせないとはね」


あかし「いい男性ほど、体よりも性格を見てるものよ。こんごう」


おおよど「墓穴を掘ったな」



こんごう「あうぅ……」



ながと「なんなら、次の休日は私と一緒に山登りに行こうか。日帰りでチョモランマを制するのだ」



こんごう「遠慮するデース!!」



その後…



執務室



大淀「それでは、今日の業務は全て終了です。お疲れ様でした」



VAVA「あぁ、ご苦労だった」



大淀「おやすみなさい……もし、お酒を飲まれるようでしたら、飲む前に本数を記録しておいて下さいね」



VAVA「わかった。また明日な」



大淀「はい。また明日」



ガチャ……パタム…



VAVA『また、面倒なことが起きるような気がする……しばらくは大人しくしていようと思っていたのにな』



VAVA「…」うーん…



VAVA『まぁいい。なるようになれだ。俺は悩みなどしない』



VAVA「いくか」スッ…



VAVA『マスターの顔を見に……』



深海BAR ダーウィン



港湾「…」キュッキュ…



北方「ブーン♪」艦載機ごっこ



南方「ブブブーン♪」



ガシュン…



港湾「!」ピク…



北方「ヴァヴァン!」



南方「?」



北方「オネーチャン!今、ガシュンッテ 聴コエタ!!ヴァヴァン、来タ!!」



港湾「ソウネ」



港湾『今日ハ、チョット元気 無イノカナ。足音ガ 少シ 弱イカモ』



港湾『ヨーシ、トッテオキ ノ 手料理 デ 元気 ニ シチャウンダカラ』



港湾「ホッポ、冷蔵庫 カラ 納豆 出シテ。カキ混ゼテ オイテ」



北方「ハイ!」



港湾「ナンポー ハ カウンター ヲ 拭イテ モラエル?」



南方「ハァイ!!」



ギィ……



VAVA「よう」ゴテゴテ…



港湾「イラッシャイマセ……ドウシタノ、ソレ?」



VAVA「すまんな、今日は酒を飲みにきたんじゃないんだ。お前たちの為にプレゼントをもってきたんだ」ドスン…



港湾「エ!?ソンナ唐突ニ……悪イワ」



北方「オミヤゲ!」グイグイ!



VAVA「まてまて、今やるから。待てって」



南方「チョーダイチョーダイ♪」グイッ!



VAVA「うっ……港湾、こいつを止めろ。肩ごと外れそうだ」



港湾「ナンポー、メッ!」



南方「ゴメンナサイ」しゅん…



VAVA「相変わらずのバカぢからだ。こっちの身が持たん」



北方「ナンポー、ツヨイ!」



南方「ツヨイ!!」



VAVA「ほーらチビ。新しいおもちゃだ。地上では、こんなのが流行ってるらしいぞ」



北方「ワーイ!!ヴァヴァン大好キ♡♡♡」ダキッ!チュ♡



VAVA「お前にはこれだ。前回ねだられたからな」スッ…



北方「オ洋服!南方、ヨカッタネ!」



南方「クレルノ!アリガトーー!!」ぴょんこぴょんこ!



ズシンズシン…!!



港湾「南方、跳ビ ハネ チャ駄目ヨ」



南方「ハイ!」ピタ…



VAVA「まったく見事なものだ。マスターの教育法を俺も学びたいもんだ」



港湾「誰ダッテ……心カラ 仲良ク シタイト 思エバ、キット仲良クナレルワ」



VAVA「……そうかな。一理あるが、どうしても相容れない存在だっているさ」


港湾「ウーン…」



VAVA「マスターはちぃと優し過ぎるぜ。そんなマスターに、俺からプレゼントだ」グイッ…



港湾「?」



シュル…



港湾「アッ……ジュークボックス」



VAVA「レコードも何とかかき集めてきた。曲も収録されている音源も同じだが、一部発売時期が異なるものや、復刻版が含まれているから、パッケージの違うものがある」



港湾「…」



VAVA「お、こいつは確か……マスターが俺に初めて聴かせてくれた曲だな。今度来た時にでも、また流してくれよ。ちゃんと家具コインもってくるからな」



港湾「アリガトウ……嬉シイワ」うるっ…



VAVA「!……どうした?まだ何か、足りないものがあったか?一応、残骸を元に集めたんだが……」あたふた!



港湾「違ウ、違ウノ。コンナニ 優シク サレタノ、スッゴク 久シブリ ダッタカラ……ナンダカ、涙ガ 出テキチャッテ」



VAVA「マスター…」



港湾「VAVA…」キュッ…



イオナ「てーとく…」きゅっ…



VAVA「…………………なにぃっ!?」



港湾「キャア!」


北方「ダレ!?」


南方「ダレー?」



イオナ「深夜に鎮守府を探検してたら、こっそり外出する提督を見つけて、気になったからついて来た」



VAVA「俺としたことが……そんなバカな」



イオナ「おちこまないで」なでなで…



VAVA「最初から居たのか?」



イオナ「いた。提督は、深海のスパイなの?だったら私もスパイになる」



VAVA「違うぞ。こいつらは俺たちの敵じゃない。ただ、深海でバーを経営しているだけだ。俺は客としてここに居るんだ。今日は…違うが」



VAVA『お前のせいでな』



イオナ「良い深海棲艦もいるんだ」



VAVA「深海棲艦も一枚岩ではない。多数の派閥や、組織に分かれていて、それぞれ主張も異なっているようだな」



イオナ「人間と似てる」



VAVA「知性を持つが故の弊害だろう」



港湾「貴女……ネェ、イオナ?イオナ ナノ?」おそるおそる…



イオナ「イオナです」



港湾「ヤッパリ!久シブリネ。少シ、感ジガ 変ワッテタカラ。前ハ モットサッパリ シタ 格好ダッタワネ」



VAVA「お前たち、知り合いだったのか!」



イオナ「むーん…………ううん。記憶に無い。あなたとは初対面」



港湾「エェ!?ソンナ……港湾ヨ。忘レチャッタ?」



イオナ「深海棲艦に知り合いはいない」



港湾「ドウイウ コトナノカシラ……タッタ数十年前 ノ 事ナノニ」



イオナ「あなた、良い人そうだから教える。私は、この世界とは別次元の世界からきたの」



港湾「霧ノ艦隊 ガ 居ル 世界ヨネ?貴女ガ 教エテクレタンダケド……アラ?貴女ッテ、ソンナ喋リ方ダッタカシラ。モット ユーモラス トイウカ、 フランク トイウカ……」



イオナ「ありえない。私は、この世界に来たのは今回が初めて」



VAVA「待てよ、段々話がややこしくなってきたぞ。まずはマスターの話を聞こう」



港湾「ジャア、長イ 話ニ ナルカモ 知レナイケド」



VAVA「かまわん」



港湾「ワカッタワ」カチャカチャ…



VAVA「ん?酒は頼んでないぞ」



港湾「イイノ。コレハ 私 ノ オゴリ。オ客サン モ コナイシ、今日ハ モウ 閉メチャウ」パタン(準備中)



コト…



港湾「ドウゾ」



VAVA「そうか、ならば遠慮なくいただこう」



イオナ「メロンソーダ、好き」



港湾「ゴメンネ、ホッポ。オ姉チャン達 大事ナ 話 ヲ スルカラ、二階デ 遊ンデテネ」



北方「ワカタ。ヴァヴァン、帰ッチャヤダヨ」



VAVA「あぁ、わかってるよ」なでなで…



港湾「良イ子ネ、ホッポ。今度、好キナ モノ 買ッテアゲル」



北方「ワーイ!イコ、ナンポー!」



南方「ウン!」



てってってって~♪ズシンッズシンッズシンッ……!




VAVA「さぁ、どんな話を聞かせてくれるんだ?」



港湾「争イ ノ 話ヨ……深海棲艦史 初ノ 反逆ニシテ、最大ノ 動乱」



VAVA「いい入り方だな。興味が沸いてくるぞ」



港湾「レレレ ノ 乱……」



イオナ「レレレ?」



VAVA「…」



VAVA『変な名の動乱だな』



港湾「ソシテ……颯爽 ト 現レ ソレヲ 治メテイッタ 蒼キ英雄 ノ オ話」



VAVA「蒼き英雄?ハッ……気に入らんな」



イオナ「かっこいい…」わくわく!


続きはこちらからどうぞでち。


VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?」【艦これ×VAKAⅤ】

VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?【艦これ×VAKAⅤ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495345185/)


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月19日 (月) 19:34:45   ID: KeU67eNT

相変わらず素晴らしい内容で続きが気になります!
後、ここのVAVAにとって鎮守府のみんなや深海の仲間達がどれだけ大切な存在になってきているのかが伝わってきて思わず泣きそうになりました…

2 :  SS好きの774さん   2016年09月19日 (月) 20:35:42   ID: BZ6EJBPh

もうね、ほんと最高。艦これクロスではかなりの傑作だと思います。更新もっと早ければさらに良い。

3 :  SS好きの774さん   2016年09月28日 (水) 01:11:48   ID: WZcTwG5V

VAVA以外のロクマソキャラはあまり出ないので、VAVAが好きな人にオススメ。
VAVAは艦これと絡みまくりますが、それ以外のロクマソキャラは一切本筋とは関係ない。

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