【ダンガンロンパ】安価キャラでコロシアイ【安価コンマ】 (403)

・安価とコンマを使って16人のキャラを作成
・原作のネタバレあり
・舞台は希望ヶ峰学園
・要するにオリロンパ

その他細かいルールは原作準拠

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470475945

幸運以外の15個の才能を一人一つずつお願いします
場合によっては不採用も出てくるので、そのときは追加で安価を取ります
↓1からどうぞ

相撲部

探偵
マネージャー
合唱部
美食家
料理人
バレーボール選手
ダンサー

7つ採用。追加で残り8つを募集
上7つの安価出した人も再び安価出してオーケーです
今回は一人二つとします。20時くらいまでで

拳法家

自衛官
アロマセラピスト

美食家 男
ダンサー 男
???男
拳法家 男
ゲーマー 男
図書委員 男
アロマセラピスト 男
ガラス細工師 男

探偵 女
マネージャー 女
合唱部 女
料理人 女
バレーボール選手 女
絵本作家 女
マジシャン 女
幸運 女

性別はこっちで決めさせていただきました
主人公安価。最速三票入ったものを採用
そのレスの内、一番最後のレスのコンマで発言力と精神力も判定

探偵

超高校級のマネージャー 女
発言力 4
精神力 8

主人公が決まったので次は名前とキーワード指定
名前一つとキーワード三つを↓3まででお願いします
コンマ一番高いのを採用

名前は採用ですがキーワードは三つ一度に指定してほしかった
なのでキーワードを改めて安価
↓3まででコンマ一番高いのを採用

縁の下の力持ち
謙虚
全身に傷跡

名前○○ ○○
キーワード
○○
○○
○○

みたいな感じを言いたかった。わかりにくかったらすいません


超高校級のマネージャー 女
小泊 月依(こどまり つきよ)
発言力 4
精神力 8
謙虚→何かに貢献しても前に出ず、謙虚に対応する
小柄→女子としても平均より下な背丈
献身的→マネージャーとしての経験もあって物事や人に対して献身的に

次、探偵(女)の名前を↓3まででお願いします。コンマ一番高いのを採用

指摘あったキーワードの方は少し考えますね。とりあえず名前だけで

以降は名前をコンマ一番高いのを採用して、キーワードは↓3で一つずつ書き込んでもらって合計3つを採用する形式にします
あと同時じゃなくて別々で安価取っていきます

ということで探偵(女)の名前は
香山 美月(かやま みつき)で採用
キーワードを↓3までで一つずつお願いします

猫被り

オーマイが

おっと適応されなかったか

ピーターパン症候群って男性のみだったような

超高校級の探偵 女
香山 美月(かやま みつき)
猫被り→態度と本心は別にある。親しくなればなるほど本心が出てくるかも
五感が異常に発達→五感全てが人並み以上に発達。超高校級には届かない
子供っぽい→趣味嗜好が少し子供っぽい

ピーターパン症候群調べたら男性のみだったので内容見て似たようなキーワードに変更させていただきました

↓合唱部 女の名前判定
コンマ一番高いのを採用

あ、↓3までで

三國 奏 (みくに かなで)

名前 桐沢 愛 女

↓3まででキーワードを一つずつお願いします

美声

超高校級の合唱部 女
桐沢 愛(きりさわ あい)
適当→大事なところで手を抜いたりする。基本的に雑
肥満→文化部の活動ばかりしていてし他の女子と比べて少々太りぎみ。運動も苦手
美声→透き通るような声。一度耳にしたら中々忘れられない

↓3までで料理人の名前判定
コンマ一番高いのを採用

桐沢 奏 (きりさわ かなで)

料理人 大森加奈子(おおもりかなこ)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級の料理人 女
大森 加奈子(おおもり かなこ)
天然ボケ→意図せずズレたことを発言することがある
冷酷→言葉の端々に冷たい言葉が混じっている
引っ込み思案→基本的に自分から前へは出てこない

次はバレーボール選手の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 玉井向日葵 女
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

被虐趣味

世話焼き

超高校級のバレーボール選手 女
玉井 向日葵(たまい ひまわり)
知的美人→運動だけでなく頭も良い
リーダーシップ→団体の中で全員を纏めることに長けている
被虐趣味→痛みを求めているところがある

絵本作家(女)の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 二ノ宮 弥生(にのみや やよい)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級の絵本作家 女
二ノ宮 弥生(にのみや やよい)
素直クール→口数は少ないが根は素直
ボーイッシュ→見た目は少年のよう
シュールレアリスム→彼女の描く絵本は夢の中を覗き込んでるよう。その思想が言動にも現れがち

↓3まででマジシャン(女)の名前判定
コンマ一番高いのを採用

名前 マジックカルトシア(女)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

ハイテンション

超高校級のマジシャン(女)
マジックカルトシア
根暗→静かな性格。人を寄せ付けにくい
ハイテンション→マジックを行うときだけ別人のようにハイテンションになる
馴れ馴れしい→人を寄せ付けにくいけど人に寄ってきやすい

幸運(女)の名前を↓3まででお願いします
コンマ一番高いのを採用

名前 永江 美琴(ながえ みこと)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

露出趣味(軽度)

超高校級の幸運 女
永江 美琴(ながえ みこと)
疑り深い→物事を深く踏み込んでから判断する。人に対しても同様
苦労人→運に左右されがちで苦労している
露出趣味(軽度)→普段の服装から肌を晒している

美食家(男)の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 北海 雄資(ほっかい ゆうじ)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級の美食家 男
北海 雄資(ほっかい ゆうじ)
ナルシスト→自分が一番好き。態度にも現れがち
拒食症→美食家としての経験が災いし美味い食べ物以外は食べたがらない
包丁使い→万能包丁があれば何でもできるらしい

ダンサー 男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 飛田弾(とびたはずむ)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級のダンサー 男
飛田 弾(とびた はずむ)
チャラ男→軟派な態度と服装。女子と話をしたがる
誠実→誤解されがちであるが、誠実な面もある
弾(だん)と呼ばせたがる→名前が嫌いなのでだんと呼ばせたがる

???男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 猫宮 神(ねこみや じん)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級の??? 男
猫宮 神(ねこみや じん)
顔に火傷→普段は隠しているが顔に火傷がある
機械的→感情を表に出しにくい
手話・筆談→対話をするときはそれらの手段を用いる

拳法家 男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 結城 幻(ゆうき げん)
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

暗殺拳継承者

超高校級の拳法家 男
結城 幻(ゆうき げん)
暗殺拳→人体の急所を知り尽くしている。拳一つで致命傷を与えることも
弱者に興味なし→強さこそ全て
犯罪者殺し→犯罪者に対して人並み以上の憎しみを抱く

ゲーマー男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

亀山 結鶴(かめやま ゆづる)

名前 雪風 刹那 男
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級のゲーマー 男
雪風 刹那(ゆきかぜ せつな)
マイペース→自分のペースを大事にする
笑顔が苦手→人付き合いが悪いわけではないが、笑顔が苦手
女装癖→初対面では女性と思われることが多い

図書委員 男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 浮世 刹那
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

超高校級の図書委員 男
浮世 刹那(うきよ せつな)
純真無垢→疑いを知らない。まっすぐな心の持ち主
瞬間記憶能力→一度見たものは忘れない
性同一障害→自分の性に違和感を抱いている

アロマセラピスト 男の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 薫黒 ミント 男
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

加虐趣味

超高校級のアロマセラピスト 男
薫黒 ミント(かぐろ みんと)
ツンデレ→近づきにくい態度をとるが、心を許したらデレる
もうひとつの才能→別に特化した才能をもう一つ持つ
小柄→背が低いから可愛がられがち

ガラス細工師の名前判定
↓3まででコンマ一番高いのを採用

名前 能登 万斎 男
↓3まででキーワードを一つずつお願いします

ガラスのハート

超高校級のガラス細工師 男
能登 万斎(のと ばんさい)
穏やか→落ち着いた物腰
ガラスのハート→心を挫きやすい。追い詰められやすいとも言う
同性愛者→男も好き

長時間ありがとうございました
今日はここまでです

あとでキャラ一覧載せておきますね

乙です

超高校級のマネージャー 女
小泊 月依(こどまり つきよ)
発言力 4
精神力 8
謙虚→何かに貢献しても前に出ず、謙虚に対応する
小柄→女子としても平均より下な背丈
献身的→マネージャーとしての経験もあって物事や人に対して献身的に

超高校級の美食家 男
北海 雄資(ほっかい ゆうじ)
ナルシスト→自分が一番好き。態度にも現れがち
拒食症→美食家としての経験が災いし美味い食べ物以外は食べたがらない
包丁使い→万能包丁があれば何でもできるらしい

超高校級のダンサー 男
飛田 弾(とびた はずむ)
チャラ男→軟派な態度と服装。女子と話をしたがる
誠実→誤解されがちであるが、誠実な面もある
弾(だん)と呼ばせたがる→名前が嫌いなのでだんと呼ばせたがる

超高校級の??? 男
猫宮 神(ねこみや じん)
顔に火傷→普段は隠しているが顔に火傷がある
機械的→感情を表に出しにくい
手話・筆談→対話をするときはそれらの手段を用いる

超高校級の拳法家 男
結城 幻(ゆうき げん)
暗殺拳→人体の急所を知り尽くしている。拳一つで致命傷を与えることも
弱者に興味なし→強さこそ全て
犯罪者殺し→犯罪者に対して人並み以上の憎しみを抱く

超高校級のゲーマー 男
雪風 刹那(ゆきかぜ せつな)
マイペース→自分のペースを大事にする
笑顔が苦手→人付き合いが悪いわけではないが、笑顔が苦手
女装癖→初対面では女性と思われることが多い

超高校級の図書委員 男
浮世 刹那(うきよ せつな)
純真無垢→疑いを知らない。まっすぐな心の持ち主
瞬間記憶能力→一度見たものは忘れない
性同一障害→自分の性に違和感を抱いている

超高校級のアロマセラピスト 男
薫黒 ミント(かぐろ みんと)
ツンデレ→近づきにくい態度をとるが、心を許したらデレる
もうひとつの才能→別に特化した才能をもう一つ持つ
小柄→背が低いから可愛がられがち

超高校級の探偵 女
香山 美月(かやま みつき)
猫被り→態度と本心は別にある。親しくなればなるほど本心が出てくるかも
五感が異常に発達→五感全てが人並み以上に発達。超高校級には届かない
子供っぽい→趣味嗜好が少し子供っぽい

超高校級の合唱部 女
桐沢 愛(きりさわ あい)
適当→大事なところで手を抜いたりする。基本的に雑
肥満→文化部の活動ばかりしていてし他の女子と比べて少々太りぎみ。運動も苦手
美声→透き通るような声。一度耳にしたら中々忘れられない

超高校級の料理人 女
大森 加奈子(おおもり かなこ)
天然ボケ→意図せずズレたことを発言することがある
冷酷→言葉の端々に冷たい言葉が混じっている
引っ込み思案→基本的に自分から前へは出てこない

超高校級のバレーボール選手 女
玉井 向日葵(たまい ひまわり)
知的美人→運動だけでなく頭も良い
リーダーシップ→団体の中で全員を纏めることに長けている
被虐趣味→痛みを求めているところがある

超高校級の絵本作家 女
二ノ宮 弥生(にのみや やよい)
素直クール→口数は少ないが根は素直
ボーイッシュ→見た目は少年のよう
シュールレアリスム→彼女の描く絵本は夢の中を覗き込んでるよう。その思想が言動にも現れがち

超高校級のマジシャン 女
マジックカルトシア
根暗→静かな性格。人を寄せ付けにくい
ハイテンション→マジックを行うときだけ別人のようにハイテンションになる
馴れ馴れしい→人を寄せ付けにくいけど人に寄ってきやすい

超高校級の幸運 女
永江 美琴(ながえ みこと)
疑り深い→物事を深く踏み込んでから判断する。人に対しても同様
苦労人→運に左右されがちで苦労している
露出趣味(軽度)→普段の服装から肌を晒している

超高校級のガラス細工師 男
能登 万斎(のと ばんさい)
穏やか→落ち着いた物腰
ガラスのハート→心を挫きやすい。追い詰められやすいとも言う
同性愛者→男も好き

超高校級の探偵 女
香山 美月(かやま みつき)
猫被り→態度と本心は別にある。親しくなればなるほど本心が出てくるかも
五感が異常に発達→五感全てが人並み以上に発達。超高校級には届かない
子供っぽい→趣味嗜好が少し子供っぽい

超高校級の合唱部 女
桐沢 愛(きりさわ あい)
適当→大事なところで手を抜いたりする。基本的に雑
肥満→文化部の活動ばかりしていてし他の女子と比べて少々太りぎみ。運動も苦手
美声→透き通るような声。一度耳にしたら中々忘れられない

超高校級の料理人 女
大森 加奈子(おおもり かなこ)
天然ボケ→意図せずズレたことを発言することがある
冷酷→言葉の端々に冷たい言葉が混じっている
引っ込み思案→基本的に自分から前へは出てこない

超高校級のバレーボール選手 女
玉井 向日葵(たまい ひまわり)
知的美人→運動だけでなく頭も良い
リーダーシップ→団体の中で全員を纏めることに長けている
被虐趣味→痛みを求めているところがある

超高校級の絵本作家 女
二ノ宮 弥生(にのみや やよい)
素直クール→口数は少ないが根は素直
ボーイッシュ→見た目は少年のよう
シュールレアリスム→彼女の描く絵本は夢の中を覗き込んでるよう。その思想が言動にも現れがち

超高校級のマジシャン 女
マジックカルトシア
根暗→静かな性格。人を寄せ付けにくい
ハイテンション→マジックを行うときだけ別人のようにハイテンションになる
馴れ馴れしい→人を寄せ付けにくいけど人に寄ってきやすい

超高校級の幸運 女
永江 美琴(ながえ みこと)
疑り深い→物事を深く踏み込んでから判断する。人に対しても同様
苦労人→運に左右されがちで苦労している
露出趣味(軽度)→普段の服装から肌を晒している


ガラス細工師が抜けてたから修正
あと18時頃にまた来ます



私立希望ヶ峰学園。

そこは優れた才能を持つ現役高校生をスカウトし、その才能を更に伸ばす特殊な学園だ。

才能と言ってもそれは本当に様々で、野球選手やスイマーといった一般的なものから極道や王女といった少し変わったものまであるらしい。
今年はアロマセラピストや料理人、絵本作家といった人達が入学するらしいけど……。

小泊「今日から私もここの生徒かぁ……」

私は『超高校級のマネージャー』としてスカウトされ、今日からこの学園の生徒となる。
この学園を卒業すればその後の人生の成功は約束されたも当然。そんな学園に入学することになるなんて……。

小泊「……よしっ」

何はともあれ、希望ヶ峰学園の生徒になることは誇らしいことに違いない。
せめて入学初日くらいは胸を張ってないと、私を送り出してくれた人たちに申し訳なくなる。

そう決意を新たに、私は希望ヶ峰学園の敷地に足を踏み入れ――



ぐにゃり、と視界が渦を巻く。

小泊「あれ……?」

余計なことを考える暇はなかった。
ただ、グルグルと視界が回る。
それはまるで屋台で綿菓子を作る光景のようで。

回って。
回って。
回って。

気づけば私の意識は堕ちていった……。


Prologue
希望の学園と絶望の高校生



目を覚ますと、そこは教室のようだった。

小泊「んん……?」

机に突っ伏すようにして寝ていた私は目を擦りながら辺りを見回す。そうすると、教室全体の様子が改めて見えてきた。

私以外、誰もいない教室。
死角を無くすように配置された数台の監視カメラ。
窓に打ち付けられた分厚い鉄板。

小泊「何ここ……」

普通に考えて、学園の教室にこんなものがあることが有り得ない。
いや、希望ヶ峰学園に限って言えば普通は通用しないんだろうけど……それでも、この光景は異常としか思えない。

小泊「と、とにかく先生を探さないと……」

席から立ち上がり、教室を出ようとする。
その際、机の上に置いてあった一枚のプリントが床に落ちる。

小泊「何これ……ええと、入学案内……?」

それにしては雑に置かれているのが気にかかるけど……とりあえず、中を読んでみよう。

『ここがオマエラの新たな世界となります! まずは入学式を行いますので、遅刻しないように体育館に集まるように!』

まるで子供が書いたような汚い字でそんなことが書かれていた。

小泊「新たな世界って、大袈裟な言い方……」

とりあえず、時間までに体育館に集まればいいってことね……。
プリントに書かれた時間と、今現在の時間を見比べる。プリントに書かれた見取り図を見たところそこまで遠い場所にあるとも思えないし、遅刻するようなことはなさそうだった。

小泊「……行こう」

いろいろおかしな点はあるけれど、入学式なら私以外の人も居るだろうし……行くしかないか。
教室を出て見取り図を頼りに体育館に向かう。道中、誰かに会うこともなく扉の前までたどり着くと、扉の向こう側から大勢の人の気配が。

小泊「もう皆集まってるんだ……遅刻じゃないにしても、ちょっと出遅れちゃったなぁ」

そうやって私が少し中に入るのを躊躇していると、後ろから誰かが話しかけてきた。


↓2
他の生徒の才能一つを指定



雪風「……あの。邪魔です」

その声に振り向くと、一人の女の子が立っていた。
手には携帯ゲーム機。邪魔だと言いながらも、その視線はゲーム機にのみ注がれていた。

小泊「ご、ごめん」

小泊「……もしかして、貴方も新入生?」

雪風「……雪風刹那。超高校級のゲーマーです」


超高校級のゲーマー 雪風刹那


超高校級のゲーマー……まあ、ゲームしながら歩いてるところを見るとそういった肩書きかなぁとは思ってたけど。

小泊「もしかして、雪風さんも今から入学式に?」

雪風「初日から遅刻はしたくないですし……」

小泊「遅刻を気にするならそのゲーム機を隠した方がいいんじゃ……」

雪風「…………」

無視……いや、ゲームに夢中になってるだけ?


↓2
1 何のゲームをしてるの?
2 話をするときはゲームやめた方がいいよ、うん
3 その他自由安価

※自由安価は内容次第で再安価となります

小泊「何のゲームをしてるの?」

雪風さんの横に回り込み、画面を覗きこむ。
ゲーム画面にはドット絵のキャラクターが何人も映っていて、将棋や囲碁を思わせるものだった。

雪風「自軍と敵軍に分かれてキャラを動かして敵軍を全滅させたり指定のマスを目指したり……」

雪風「まあ、将棋のようなものですよ」

小泊「へぇ……」

私の質問に答えていく雪風さんだったけど、やがてゲームをする指の動きが止まる。

小泊「ん? どうしたの?」

雪風「……98パーセントの攻撃を外して主人公が死んだ……」

雪風「やっぱり100パーセント以外は信用出来ないってこと……」

画面にはゲームオーバーの文字が表示されていた。
雪風さんは小さく息を吐くと、ゲーム機の電源を切り体育館に向かっていく。

小泊「あ、ちょ」

雪風「早く行きましょう。ここで話をしてても意味ないですし」

そう言い残して雪風さんは先に体育館に入ってしまう。
超高校級のゲーマー……悪い言い方になるけど変わり者なのかな?


【雪風の新密度が上がった】



【体育館】

体育館の中には既に多くの生徒が居た。
とは言え、私を入れても十数人。新入生の総数としては少なめだ。
いや、気になるのはそれよりも……。

小泊「先生が誰もいない……?」

中に居たのは生徒だけ。先生らしき人は誰も居なかった。

小泊「どういうことだろう……」

とにかく、誰かに話を聞かないと……。


↓2
雪風以外の生徒を一人指名

ちょっと離れます。20時頃に再開

再開しますね

小泊「ねぇ、ちょっといい?」

一番近くに居た男の子に声をかける。
背丈は男の子としては普通くらい。でも、その華奢な体つきから運動が苦手そうなことが想像できる。
そうなると、文化系の才能で入学することになった人かな。

浮世「ん? ああ、何か用事かな?」

小泊「まだ先生とかって来てない……よね?」

浮世「そうだね。先生どころか大人一人も見てないよ」

それなら遅刻は免れたわけか……良かった。

浮世「自己紹介がまだだったね。私は浮世刹那」

浮世「超高校級の図書委員として入学することになったんだ。よろしくね」


超高校級の図書委員 浮世刹那


小泊「私は小泊月依。超高校級のマネージャーだよ」

小泊「よろしくね浮世君」

さっきの雪風さんよりは随分とまともそうな人だ。
そう思って握手をする――んだけど、握手をし終えても浮世君は中々手を離そうとしてくれない。

小泊「浮世君?」

浮世「……ああ、ごめん。ちょっと見惚れてたよ」

小泊「見惚れてた、って……」

笑顔で何を言っているんだろうこの人は……。

浮世「いやいや、本当に見惚れるくらい綺麗だったから」

浮世「いや……どっちかっていうと羨ましいって感じかな?」

羨ましい……? 女の子が言うならまだしも、男の子がそう言うなんて……。
やっぱり少し変わってる人なのかもしれないなぁ。

小泊「……あ、しまった」

握手から解放された私はふとあることを思い出す。

浮世「どうかしたの?」

小泊「さっき、超高校級のゲーマーの人と会って少し話をしたんだけど、その時に私だけ自己紹介するの忘れてて……」

ゲームの方に意識が行ってすっかり忘れてた……。

浮世「超高校級のゲーマー?」

小泊「うん。えーっと、確かあっちの方に……」

私が周りを確認すると、隅の方に座ってゲーム機を触っている雪風さんを見つけた。

小泊「またゲームしてる……」

浮世「あはは……まあ、ゲームしてる最中に話しかけるのもアレだろうし、また後で改めて自己紹介すればいいんじゃないかな?」

それもそっか……。
さて、せっかくだし時間まで他の人とも話をするとしようかな。


↓2
雪風と浮世以外で一人指定

小泊「あのー、すいません」

桐沢「……何?」

次に話しかけたのは離れた場所に座っていた女の子。
私が話しかけると、その子はめんどくさそうにこっちに視線を向けてきた。

小泊「体調悪い……とか?」

桐沢「体調は万全よ。ただ……」

小泊「ただ?」

桐沢「……立ってるのが疲れるから座ってるだけ」

立ってるのが疲れるって……面倒くさがりなのかな? それとも、彼女も運動が苦手とか?

桐沢「それで、何か用事なの?」

小泊「えっと、入学式まで時間があるみたいだし自己紹介をして回ってるんだけど……」

桐沢「そういうこと……」

私の言葉を聞いて桐沢さんは意図を察したのか、露骨にめんどくさそうにしながらも立ち上がってくれた。

桐沢「超高校級の合唱部の桐沢愛」

桐沢「……よろしく」


超高校級の合唱部 桐沢愛


小泊「私は超高校級のマネージャーの小泊月依」

小泊「よろしくね桐沢さん」

そうして桐沢さんと握手をする。
……それにしても、合唱部か。確かに綺麗な声をしてるし、言われて納得だ。

桐沢「何よ、その視線」

すると桐沢さんは怪訝そうな顔をして私を見てくる。

桐沢「……どうせ、わたしの体型を見て内心笑ってたんでしょ?」

小泊「ええっ? いや、それは違うって」

桐沢「運動が苦手なんだから仕方ないでしょ! 全員が全員、理想的な体型をしてるなんて思わないことよ!」

小泊「ちょ、違うって! 話を聞いてよ!」

その後、誤解を解くのに数分の時間を費やしてしまった……。


↓2
雪風、浮世、桐沢以外の生徒を一人指定

はぁ、疲れた……。超高校級の才能をスカウトされたってことだけあって、どの人も癖があるなぁ。

永江「あの、どうかしましたか?」

小泊「あ、ううん。何でもないよ」

小泊「って……貴方は?」

永江「突然話しかけてすいません」

永江「私は永江美琴。超高校級の幸運ということで入学することになりました」


超高校級の幸運 永江美琴


希望ヶ峰学園は毎年一人だけ、抽選でランダムに一人の高校生を入学させている。
これで入学した人は超高校級の幸運と呼ばれ、才能の有無に関わらず入学が認められるんだけど……才能があれば超高校級として正式にスカウトされてるだろうし、そのほとんどが普通の一般人ということになる。

小泊「私は小泊月依。超高校級のマネージャーだよ」

永江「ああ。貴方があの小泊さんですか」

小泊「知ってるの?」

永江「ええ。私以外の人はインターネットで話題の人ばかりですから」

そうやって微笑む永江さんからは先ほどまでの人たちとは違い、本当に一般人なんだなと感じられた。

永江「だからこそ、才能の無い普通の一般人である私が入学なんてして本当に許されるのかなんて思ってたんですけどね」

小泊「そこは学園が認めてることだし、気にしても仕方ないんじゃない?」

永江「それもそうなんですけどね。それに、こうして才能に優れた希望と呼ばれる人たちと一緒に学園生活を送れるなんて、これも私の幸運あってこそかもしれませんし」

希望、って。

永江「改めて、よろしくお願いします」

小泊「う、うん。よろしくね永江さん」

……それにしても、結構露出の高い服装をしてるなぁ。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江以外で一人生徒を指定

次は……あの子に話をしてみよう。

薫黒「近づくなっ!」

小泊「えっ?」

後ろから近づこうとしていると、私の気配に気づいたその男の子が大きな声で叫ぶ。

薫黒「自己紹介が目的ならそこで言え。不必要に近づくな」

言いながら男の子が振り向く。
……言葉だけなら怖いことこの上ないんだけど、背丈が小さいこともあって結論としては全く怖くなかった。
それどころか、小動物的な雰囲気もあって可愛いと思えるくらいだ。

小泊「私は超高校級のマネージャー、小泊月依」

小泊「よろしくね」

薫黒「……薫黒ミント。超高校級のアロマセラピストだ」


超高校級のアロマセラピスト 薫黒ミント


小泊「アロマセラピスト……確かに、言われてみれば良い匂いが……」

さっきから気になってたこの匂いは薫黒君からだったのか……。

薫黒「ま、待て! 近づくなって言ってるだろう!」

小泊「ええ? でも、薫黒君から良い匂いがするし……」

薫黒「アロマセラピストだからそれくらいはする! だから近づくな!」

私が一歩前へ歩けば、薫君が一歩後ろに下がる。
まともに話はできなかったけれど、その分薫黒君から放たれる動物的な雰囲気に癒されたから良しとしよう……かな。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江以外から生徒を一人指定

次はあの背の高い男の子にしよう。

小泊「ねぇ、ちょっといいかな?」

北海「ああ。構わないぞ」

その男の子は背の高い、スラっとした体型だった。長身イケメンという単語が似合う風貌といったところかな?

小泊「今自己紹介をして回ってるんだけど……」

北海「知っている。さっきから見てたからな」

北海「この状況で呑気に自己紹介をしているとは……呆れるしかない」

露骨にため息を吐く彼に私は思わず言い返してしまう。

小泊「呑気に、って。どういう意味?」

北海「ここまで来たなら道中で異変に気づいてるだろ? 監視カメラと窓に打ち付けられた鉄板……」

北海「何かに巻き込まれた、って可能性もゼロじゃないんだ。もうちょっと気を引き締めたらどうだ?」

小泊「それは、その……」

確かに、それは正論だった。
他の人の姿に安心しきっていたけれど、教室と道中の廊下を見れば彼の言うことも間違いじゃない。それどころか、何かの事件に巻き込まれたという可能性の方が高い……よね。

北海「……まあ、悲観的になっていても仕方ない。お前の思っている通り、この流れの全部が学園側の仕掛けたことかもしれないから、自己紹介はしておくべきだな」

北海「北海雄資。超高校級の美食家だ」


超高校級の美食家 北海雄資


小泊「超高校級の美食家……」

北海「食事に関しての才能で俺の右に出る奴は居ないだろう。美味い店とかが知りたければ俺に聞くといい」

よほど自分の才能に自信があるのか、そんなことを言いながら小さく口元を歪めて笑う北海君。
超高校級の才能を持ってるなら自分の才能に自信があるのは当然だろうけど……一歩間違えたらただのナルシストだよ……。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海以外の生徒を指定

二ノ宮「ねぇ、ちょっといい?」

小泊「え?」

次は誰と話をしてみようかと悩んでいると、後ろからある人に声をかけられた。

二ノ宮「自己紹介してるんだよね? なら僕とも自己紹介しよう」

声の主は帽子を被った男の子(だよね?)だった。
帽子が邪魔で顔立ちはあまり詳しく見れないけど、おそらく間違いないと思う。

二ノ宮「二ノ宮弥生。超高校級の絵本作家」


超高校級の絵本作家 二ノ宮弥生


二ノ宮「よろしくね」

小泊「二ノ宮君ね。私は小泊月依」

小泊「超高校級のマネージャーだよ。よろしく」

すると、私の言葉に一つ不満な点があったのか二ノ宮君が怪訝そうな顔をする。

二ノ宮「……僕、女だよ?」

小泊「ええっ!? そ、そうなの!?」

二ノ宮「うん。見た目で男の子だって思われやすいんだけど……」

二ノ宮「やっぱり小泊さんもそう思ったんだ」

小泊「ご、ごめん!」

二ノ宮「いいんだけどね。間違えられるのは慣れてるし」

そう言う二ノ宮さんの顔は確かに怒ってるようには見えなかった。
それにしても、人は見かけによらないとはよく言ったものだなぁ……。

――流石に相手の性別を間違えるなんてことはもうしないと思うけど、気を付けないと。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮以外の生徒を一人指定

……ん? あの人、さっきからキョロキョロしてるけど何をしてるんだろう?

小泊「どうかした?」

大森「え? あ、えっと……」

大森「とりあえず、みんなと話をしてみようと思ったんだけど……誰と話してみようかなって思ってたら……」

小泊「話しかけられないまま、ってわけか」

引っ込み思案な人なんだろうなぁ。でも、話をするくらいなら別に気負う必要はないのに。

小泊「それじゃあ、私と自己紹介しよっか」

小泊「超高校級のマネージャー、小泊月依だよ。よろしくね」

大森「大森加奈子。超高校級の料理人……」


超高校級の料理人 大森加奈子


小泊「料理人かぁ。いいね、そういうの」

大森「え?」

小泊「だって、料理ができるって女の子としてそれだけで誇るべきところじゃん」

小泊「私も料理できないわけじゃないけど……やっぱり超高校級って呼ばれるくらいなんだから凄い腕前なんだよね。一回食べてみたいかも」

大森「……なら、機会があったら作ってあげるよ」

小泊「え? 本当?」

大森「うん。……でも、まずは今の状況がどうにかなってからだけど」

そうやって体育館を改めて見回す大森さん。
私も一緒に視線を巡らせるけど、先生は相変わらず来ないままだった。

……本当、どういうことなんだろう?


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮、大森以外の生徒を一人指定

そして少し離れますね、すいません

マジック「あ、あのあの」

私の服の裾を引っ張る感覚が伝わってくる。
何事かと私が振り向くと、そこには一人の女の子の姿が。

小泊「ん? どうかした?」

マジック「…………」

あれ? 反応がない。どうしたんだろう……?

マジック「わたしの名前はマジック・カルトシア! 超高校級のマジシャンとして希望ヶ峰学園に入学することになった!」

マジック「よろしく頼むよ!」

小泊「うわあっ!?」

さっきまでの大人しそうな雰囲気を一変させて凛々しい態度でそう自己紹介をするマジックさん。


超高校級のマジシャン マジック・カルトシア


小泊「あ、えっと……」

小泊「超高校級のマネージャーの小泊月依です。よろしくお願いします」

その気迫に気圧され、思わず敬語で返してしまう私。
すると、マジックさんは我に返ったのかさっきのような大人しそうな態度に戻ってしまう。

マジック「ちょ、調子に乗ってすいません。マジックをする時の感じならきちんと挨拶できると思ったんですけど」

小泊「え? いやいや、気にしなくていいよ。別に無理してテンション上げて自己紹介する必要もないだろうし」

マジック「本当、ですか? ありがとうございます」

落ち込んだような顔から一変させて嬉しそうに笑顔を浮かべるマジックさん。

マジック「そ、それなら今度ショーをするときに特別席に招待してあげますね!」

小泊「べ、別にそこまでされるようなこと言ってないって!!」

大人しそうだと思ったらテンションが高くなったり。
人付き合いが苦手かと思ったら少し話をしただけでショーの特別席に招待しようとしたり。

色々と特殊な人、なのかな。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮、大森、マジック以外の生徒を一人指定

香山「ねぇ! ちょっといいかな?」

ふと、一人の女の子に呼び止められる。

香山「キミがどんな才能を持ってるか言い当ててあげるよ」

小泊「え? え?」

香山「うーん……」

戸惑う私の様子を尻目に私の全身をくまなく眺める女の子。
そうしてひとしきり私の全身を観察し終えた女の子は、自信満々に答えを言う。

香山「超高校級のマネージャー、かな?」

小泊「えっ、凄い! 正解だよ!」

小泊「どうして分かったの? やっぱり体つきか何か?」

自分も運動が苦手なわけじゃないけど、それでも普通の女の子に比べたらという程度でしかない。
なのにどうして私の肩書きを言い当てられたのか。そう思っていると女の子はにっこりと笑う。

香山「さっきから自己紹介をしてるのを聞いてたから!」

小泊「ええっ? さっきの視線関係ないじゃない!」

香山「別に今のがキミの才能を探る手段だなんて言ってないしね」

それにしても、この女の子は私から結構離れた場所に居たはずなのに……。

香山「私は香山美月。超高校級の探偵として入学することになったんだ」

香山「よろしくね!」


超高校級の探偵 香山美月


小泊「探偵……」

香山「で、一つ聞きたいんだけど。キミはやっぱり教室で眠ってたのかな?」

キミも、ってことは……。

小泊「そうだけど。もしかして香山さんも?」

香山「うん。……そっか。やっぱりキミも同じだったんだ」

香山「……となると、やっぱり妙だなぁ。もっと調べるべきかな……」

すると、そのまま香山さんはこの場から離れて違う人のところに行こうとしてしまう。

香山「それじゃあ私は別の人のところに行くね。キミも、自己紹介をするなら早く済ませた方がいいかもしれないよ」

香山「……じゃないと、先生が来ちゃうだろうし」

小泊「う、うん」

高校生探偵……漫画とかでしか聞いたことない単語だけど、現実にも実在したんだ。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮、大森、マジック、香山以外の生徒を一人指定

安価把握したので今日はここまで
明日中にプロローグが終われば御の字かと

18時頃に再開します

飛田「へーい! そこの子、ちょっといいかな?」

小泊「え? 私?」

随分と元気な声に呼び止められ、そちらを見ると――派手な服に身を包んだ、軟派そうな男の子の姿があった。
一目で苦手なタイプだと察してしまう。間違いなくチャラ男の類いだこの人……。

飛田「うんうん! ほら、自己紹介しようぜ!」

飛田「オレは飛田弾(だん)! 超高校級のダンサーってことで入学することになったんだ! よろしくぅ!」

うわ……やっぱりこういうタイプの人か……。

小泊「あー、私は小泊月依。超高校級のマネージャーでスカウトされたんだ」

小泊「って……あれ? だん、って名前だっけ? はずむ、って読むってネットで見た気がするんだけど」

それどころか雑誌やらネットの記事やら、掲示板以外のところでもはずむで統一されてたはず。だから間違いなくはずむで合ってるはずなんだけど。

飛田「ちぇっ、知ってたのか」

飛田「まあ、超高校級のダンサーともなれば知名度は抜群だし? それも無理ないっちゃ無理ないけど?」

彼はいずれ海外に行くと言われてるくらいの実力者って話だし、やっぱりああいうきちんとしたところでは本名を言ってるんだろう。
……だとしても、どうしてこの場で嘘を言ったのかは分からないけど。


超高校級のダンサー 飛田弾


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮、大森、マジック、香山、飛田以外の生徒を一人指定

玉井「ねぇ、ちょっといい?」

玉井「もしかして貴方、小泊月依さんじゃない?」

小泊「へ?」

いきなり呼び止められるどころか名前まで言い当てられ、戸惑い気味に私がそちらを振り向く。
するとそこに居たのは結構な長身と、スポーツをしてきた人特有の体つきが印象的の女の子だった。
短く切り揃えられた髪の毛はスポーツ万能そうな雰囲気と、知的そうな雰囲気の両方を絶妙な配分で醸し出していて――って!

小泊「ああ! もしかして玉井向日葵さんですか!?」

他の生徒はネットで軽く調べた程度でしかなかった私だったけど、玉井さんに限って言えば調べるまでもなく知っていた。

玉井「そう。超高校級のバレーボール選手ってことで入学することになった新入生」

玉井「よろしくね、超高校級のマネージャーさん?」


超高校級のバレーボール選手 玉井向日葵


彼女はバレーボールの世界に現れた新星と言われていて、その技術や精神力は同年代はもちろん、年上の選手まで範囲を広げても敵う選手は居ないという話だ。
やがてはオリンピックへの出場も果たすだろうと噂されている、まさに超高校級のバレーボール選手と呼ぶに相応しい人なんだけど……。

小泊「あれ? 私のこと知ってるんですか?」

玉井「マネージャーが選手のことを把握しているように、選手だってマネージャーを把握しているってことよ」

玉井「貴方の担当した選手は例外なく好成績を残しているし、そのマネージャーとしての献身的な姿勢があって選手からの人望も厚い」

玉井「あたしの専属マネージャーにでもなってくれたら、それこそオリンピックの優勝とかも夢じゃないかもしれないわ」

小泊「そ、そんなっ」

玉井さんの言葉に私がそんな反応をしていると、玉井さん本人は小さく笑っていた。

小泊「何がおかしいんですか?」

玉井「小泊さんの反応が可愛くって、つい」

小泊「むむ……」

玉井「何はともあれ、貴方とは仲良くできそうだわ。よろしくね」

小泊「は、はいっ」

話に聞いていたスポーツ界の有名人の姿に私は緊張しながらもなんとか返事をする。
……希望ヶ峰学園、悪いところじゃないのかもしれないっ! ……多分。


↓2
雪風、浮世、桐沢、永江、薫黒、北海、二ノ宮、大森、マジック、香山、飛田、玉井以外の生徒を一人指定

次はあの人に話してみよう……って、なんだか異様な雰囲気を漂わせている人だけど、大丈夫かなぁ……?

小泊「ちょっといい? 今、自己紹介をして回ってるんだけど……」

言いながら正面に回り込む。

猫宮「……」

すると、その男の子は帽子を深く被りマスクをしていた。目元だけかろうじて見て分かるけど、それ以外の箇所は何かしらの物で隠されている。
……一言で表すのなら、それは間違いなく不審者と呼べる風貌だった。

小泊「え、ええと……」

小泊「私、小泊月依。超高校級のマネージャーとして入学することになったんだけど……」

猫宮「……」

私の言葉は聞こえるのか、男の子は小さく眉をしかめた後でポケットからメモ用紙とシャーペンを取り出し何かを書く。

小泊「???」

何をしているんだろうと私が困っていると、男の子はやがてそのメモ用紙の内容を私に見せてきた。

猫宮『猫宮陣。よろしく頼む』

……なんで喋らないの?

小泊「よ、よろしく。それで、猫宮君の才能って……?」

その質問に対して猫宮君は再びメモ用紙にシャーペンを走らせる。

猫宮『言わないといけないか?』

ええっ!? まさかの黙秘権!?

小泊「いや、言わないといけないってわけじゃないかもしれないけど……自己紹介なんだし、それくらいのことは教えてくれたって……」

猫宮『ならいいだろ?』

どうやら何が何でも言いたくないのか、短い文章だけ淡々と突きつけてくる猫宮君。

小泊「えーっと……な、ならどうしてさっきから筆談なの?」

猫宮『言わないといけないか?』

再度同じメモ用紙を突きつけてくる猫宮君を見て私は思う。
帽子とマスクで顔を隠し、超高校級の才能を隠し、喋らない理由すら隠す。

……今の時点でダントツで変人だよこの人!!


↓2
結城と能登のどちらかを指定

小泊「次はあの人にしてみよう……」

お願い……次はまともな人でありますように……。

小泊「ねぇ、ちょっといいかな?」

能登「ん? ……あー、オレか」

さっきから他の人を見ていた男の子が私の言葉に反応してこちらに向き直る。

小泊「私は超高校級のマネージャーの小泊月依」

小泊「今、自己紹介をして回ってるんだけど……」

能登「なるほど、そういうことか」

能登「オレは能登万斎。超高校級のガラス細工師ってことで入学することになった」

能登「好きな食べ物は肉料理。好きなタイプはカッコイイ奴かな」

能登「まあ、よろしく」


超高校級のガラス細工師 能登万斎


一部別に聞いてないことを言ってるけど、まあそこはスルーでいいのかな……。

能登「それにしても腹減ったなぁ……」

小泊「入学式が終わったら大森さんに料理を作ってもらったら? 超高校級の料理人って言われてるんだし」

今となっては“無事に”入学式が終われば、ということになってしまうけれど。

能登「あー、それいいかも。超高校級の美食家も居るし、肉料理でお近づきになるのも悪くないかもなぁ」

……あれ? 大森さんの料理を勧めたのに、どうしてそっちになってるんだろう?

ちょっと離れます
30分から1時間くらいで再開予定

えーっと、後一人挨拶をしていない人が居た気がするけど……どこだろう?

結城「俺を捜しているのか?」

あれ? まだ聞いたことない人の声がする……でも、どこから?

結城「こっち、こっち」

小泊「こっち?」

今の言葉は確実に後ろから聞こえた。慌てて振り向くけど――そこには誰も居なかった。
え? 今絶対後ろから聞こえたと思ったのに……。

結城「こっちでした」

すると、右のこめかみ辺りに誰かの拳が当たる感触が。

小泊「ひゃあっ!?」

結城「おおっと。ちょっと驚かしてしまったか」

驚きのあまり慌ててその場から離れると、そこには体つきの良い男の子の姿があった。

小泊「……変態?」

結城「失礼な言い方だな……」

結城「俺は超高校級の拳法家、結城幻」

結城「よろしく頼む」


超高校級の拳法家 結城幻


超高校級の拳法家……確かに、体つきとしては非常に優れているように見えるかもしれない。
活動内容としては予想もできないけど、スポーツをさせてみたら結構良い線行くかも……。

結城「そっちは?」

小泊「あ、ごめん。私は小泊月依」

小泊「超高校級のマネージャーだよ、よろしく」

結城「よし、自己紹介が終わったところで一つ尋ねたいんだが……」

結城「この学園、どう思う?」

どう、思うって……。
その質問を受けて私は一瞬困惑するけど、すぐに現実を認識する。
他の人たちの姿に安堵していたけれど、この学園はどう考えてもおかしい。早く入学式が始まってくれれば、先生も来るだろうと思っていたけれど……その入学式も全然始まらない。

結城「……おかしいよな?」

小泊「う、うん」

結城「なら、改めて気を張っておけ。何がどう転んで我が身に降り注ぐか分からない」

小泊「それってまるで……何かの事件に巻き込まれたみたいじゃない?」

まさか。……まさか、ね?



飛田「つーかよぉ! いい加減、先公の一人や二人くらいいい加減出てきてくれよ!」

いつになっても現れない先生に痺れを切らした飛田君が大きな声を出して叫ぶ。

薫黒「確かにな。新入生を待たせて教師が全然姿を現さないとは……」

雪風「……」

永江「特殊な学園とはこういったものなんでしょうか……」

玉井「それは偏見としか言えないけど……」


『ハイハーイ! 新入生のオマエラ! やっと全員集まったみたいだね!』


体育館がみんなの声に包まれると、それを一気に破るようにそんな声がどこかから聞こえてきた。
言葉だけ見たら能天気極まりない。でも、その言葉を発する声からは何だか嫌悪感にも似た感情が湧き上がる。
これは、何? どうして私は今、この声に強烈な嫌悪感を抱いているの?

マジック「ど、どこから……?」

北海「マイク越しに話しているみたいだが……」

結城「舞台からだ!」

一際大きな結城君の声に従うように、その場の全員の視線が舞台に注がれる。
そこに居たのは――私の予想を遥かに上回る存在だった。


モノクマ「ようこそ希望ヶ峰学園へ! ボクはモノクマ! この学園の学園長です!」


白と黒の二色で彩られたクマのぬいぐるみ。
決して生物に分類されないであろうソレが――舞台の上で生物のように動いていた!

マジック「ひえっ!? ぬいぐるみが、喋ってます……!?」

二ノ宮「……ラジコン?」

雪風「もしくは、もっと精巧な機械という可能性も……」

誰よりも大きく驚くマジックさんと、冷静に言葉を述べる二ノ宮さんと雪風さん。

大森「そ、そんなことより。クマのぬいぐるみが学園長だなんて……有り得ない」

小泊「そうよ! ふざけないで……ください?」

玉井「どうして疑問形?」

これが機械だとしたら、操作している人は先生だろうし……そう考えたら敬語の方が良いかな、って……。

モノクマ「ふざけてないよ! 大真面目だよ!」

モノクマ「全く……さあ、わからず屋のゆとり世代は放置しておいて、入学式を始めるよ!」

北海「こっちの疑問は無視なのか!」

北海君の言葉も届かず、モノクマというぬいぐるみの進行が始まる。

モノクマ「えーっと。まずは新入生の皆さん、入学おめでとうございます」

モノクマ「オマエラは才能溢れる希望の存在です! その才能は大事に大事に育てないといけません!」

永江「そうですね。そこには同意です」

能登「ちょっと黙ってた方がいいぞ」

モノクマ「それはボクからしたら、我が子のようで……本当に、すくすくと育ってもらいたいものです」

およよ、と言わんばかりの泣き真似をするモノクマ。当然ぬいぐるみだから泣いているわけはないんだけど。
そしてモノクマはその調子で――耳を疑いたくなることを言った。


モノクマ「だから! オマエラにはここで一生学園生活を送ってもらいます!!」


……一生、学園生活?

飛田「おいおい……何を言ってるんだこのクマさんは」

大森「はちみつでもあげたら大人しくなるかな……?」

北海「そういう問題か」

北海「それと、後でそのはちみつは俺が預かる」

飛田「どうしてだよ!?」

結城「おい。今の言葉はどういう意味だ?」

結城君が低い声で言うけれど、モノクマは気圧される様子もなく答えるだけだった。

モノクマ「何? 結城君は日本語が不自由な子なの?」

雪風「クマに日本語の良し悪しを言われる筋合いはないと思う……」

モノクマ「いやーん! 人と話をするのにゲームしてる人に言われたくはないなぁ!」

モノクマ「とまぁ、それはともかくとして。そのままの意味だよ」

モノクマ「キミらはこの学園で残りの人生を過ごすことになったんだ! 頑張ってね!」

浮世「頑張ってね、って……」

小泊「何を言ってるのさ! そんなこと、するわけないじゃない!」

学園で一生を過ごすなんて、どう考えてもおかしい。そんなこと認められるわけない!
しかしモノクマは私の反論も予想していたのか、あまり驚いた様子は見せなかった。

モノクマ「まあ、安心してよ。そうやってオマエラがごねるのは知ってたから、一応妥協案も用意してるんだ」

北海「どうしてそっちが妥協する側なんだ」

能登「それで? 妥協案って、何?」

うぷぷ、と嫌な笑みを浮かべてモノクマが告げた。


モノクマ「それは、コロシアイをすること!」


コロシアイ……?
それって、殺し合い……ってことだよね……?

モノクマ「死因や凶器は一切問いません! 誰にもバレずに誰かを殺せた生徒だけがこの学園を卒業できるのでーす!!」

唖然としたままの私達に続けてモノクマがそんなことを言う。

玉井「ふざけないで。本気で言ってるの?」

モノクマ「だーかーらー、ボクは本気だって! 本気と書いてマジと読むくらいにね!」

飛田「殺し合いって……な、何を言って……!!」

マジック「い、嫌です! 殺し合いなんて、したくないです!」

北海「…………」

結城「おい。冗談はそれまでにしておけ」

困惑と恐怖が入り混じる私達の中で唯一、結城君が一歩前に出る。

モノクマ「結城クンは本当に日本語が不自由なんだねぇ……ボク、悲しい」

結城「それ以上、おかしなことを言うようなら……壊すっ!」

床を蹴り、一瞬で間合いを詰める結城君。

香山「……ダメだよっ! そいつから離れて!!」

小泊「え……?」

不意にそんなことを叫ぶ香山さん。何がそこまで香山さんを急がせたのか……その原因はすぐに分かった。

結城「…………」

モノクマ「超高校級の拳法家。なるほどね、確かにちょっと油断したら壊されちゃいそうだ」

結城君の拳は間違いなくモノクマに命中しようとしていた。
だけど――その拳の前にモノクマの鋭利な爪が待ち構えていたんだ。

モノクマ「だーけーどー? ボクにそれくらいの拳は通用しないんだよねぇ!」

結城「……くっ!」

モノクマ「かーっ! 一人で勝手にイキって、一人で勝手に負ける!」

モノクマ「これは自殺ものの恥ずかしさですよ!!」

小泊「結城君……!!」

悔しげに戻ってくる結城君に駆け寄り、手を伸ばそうとする。


パンッ!


すると、その手はすぐに払いのけられた。

小泊「え……?」

結城「…………」

モノクマ「さあて! それじゃあ清く正しいコロシアイ学園生活をしてもらいます!」

モノクマ「オマエラ!! しっかり英気を養って明日から頑張るように!!」

モノクマ「だって、ここがオマエラの新たな世界なんだからね……」

モノクマ「アーッハッハッハ!!」

最後にそんな不穏なことを言ってモノクマは姿を消す。
取り残された私達。その場は重苦しい静寂に包まれていた。

小泊「誰かを殺せば、ここから出られるって……」

桐沢「あ、有り得ない! そんなこと……これは、夢よ……」

二ノ宮「……これはフィクションの世界の話じゃない。あくまで、ノンフィクションだよ」

飛田「そんなこと言うなよぉ……!!」

浮世「で、でも。今の言葉が本当かどうかなんて……」

北海「これらの流れもひっくるめて、全部が全部希望ヶ峰学園のドッキリとでも言うつもりか?」

大森「そ、それならまだ納得できるけど……」

永江「それは違いますよ」

決して大きな声じゃないはずだった。
それなのに、永江さんの声はやけに印象強く私の耳に残ってしまう。

薫黒「違うって……何がだ?」

能登「まさか、お前が黒幕なんじゃ……」

永江「違います違います。私が言いたいのはそうじゃなくて……」

永江「……私達が本当に気にするべきところはそこじゃないってことです」

玉井「要するに、今のモノクマの言葉が真実か嘘かはどうでもよくて……」

香山「その言葉を信用した誰かが本当に誰かを殺すかもしれないってこと」

雪風「そうやって疑心暗鬼になる状況こそが、本当に気にかけるべき点……」

小泊「そんなのって……」

気づけば、全員の視線が入り混じっていた。
互いが互いを探り合うような視線。
人の内側を覗き込もうと必死な視線。

それはこれからの学園生活を送るクラスメイトに送る視線なんかじゃなくて……。

誰かが裏切るんじゃないか。誰かが本当に殺人をするんじゃないか。

そんな、疑いの視線だった……。


【Prologue 希望の学園と絶望の高校生 The End】

生き残り人数
16人

Tо Be Continue――

ということで今日はここまで。もうすぐ未来編もやりますし早上がりです。明日の昼頃じゃないと見れないんですけど

続きは明日またやります。何か指摘とかあればお願いしますね

愛とおいちいお菓子に誓って、始めます



chapter1 セナカアワセ


永江「……とまあ、認識するべき現実が理解できたところで」

静寂によって静まったこの場を打破したのも、永江さんだった。

永江「どうです? 何はともあれ、この学園の構造が分からなければどうしようもありません」

永江「一つ、全員で協力して学園内の探索をするとしましょう」

香山「それは良い考えだね」

北海「待て。どうしてお前が場を仕切っている?」

マジック「それよりも、見取り図とかも無いんじゃ探索一つも苦労すると思いますけど……」

モノクマ「モノクマ登場だよー!」

小泊「わあっ!?」

ど、どこから現れたんだろうこのクマは……!!

桐沢「な、なによ。まだ何か用事でもあるっていうの?」

モノクマ「うん、ちょっとオマエラに渡さないといけない物があったんだ」

モノクマ「電子生徒手帳! 希望ヶ峰学園製のすぐれ物だよ!!」

そう言ってモノクマが取り出した箱の中には数個の電子生徒手帳が。

雪風「電子生徒手帳……」

雪風「……ゲーム機能とかは、無い?」

モノクマ「無いよ! 携帯じゃないんだからそんな機能あるわけないだろ!」

雪風「そっか」

小さく肩を落す雪風さん。
……この状況でもゲームがあるかどうかを確認するなんて。

モノクマ「さあ! 自分の生徒手帳をさっさと持ってけ!」

モノクマ「それで学園内の見取り図も確認できるから、探索するんだったら是非活用してよ」

モノクマ「校則も載ってるから、そっちも確認よろしくね。注意不足で死ぬなんてことになったらボクもツマラナイし」

モノクマ「じゃあね!」

薫黒「待て!」

薫黒「……行ったか、クソッ」

言うだけ言って再び消えるモノクマに薫黒君が舌打ちをする。

能登「とにかく、先に校則の確認からするか」

玉井「そうね。下手に犠牲を出すわけにもいかないし……」

小泊「じゃ、じゃあ……」

各自自分の生徒手帳を手に取り、起動させる。
電源を入れて最初に表示されたのは持ち主の名前。私の場合は当然、小泊月依。
どうやら操作性は普通の携帯と変わらないみたいだった。特に迷うことなく私達は画面を動かし、校則を確認していく。
そのまま数分後。校則を見終わった私達だったけど、不意に大森さんが口を開いた。

大森「この、誰にもバレずにって……どういうこと?」

二ノ宮「どうもこうも、そのままの意味だと思う」

北海「目撃者を出さずに誰かを殺せってことだろうな」

小泊「ほ、北海君……」

不穏な物言いの北海君に私が言葉を遮ろうとするけれど、その前に飛田君が大声を出した。

飛田「ああっ! もうこんなの我慢できるか!」

浮世「と、飛田さん……?」

飛田「一生ここで過ごせだの、外に出たければ誰か殺せだの……意味わかんねぇ!」

飛田「モノクマッ! 出てこい! それでオレらをとっとと出せ!!」

小泊「ああ、もうっ! 少し落ち着いてよ飛田君!!」

気持ちは分かるけど、ここで取り乱しても事態は進展しない。まずは冷静にならないといけないのに!

飛田「うるせぇ! こんなことになって落ち着けるか――ごへっ!?」

結城「……」

大声を出して私に詰め寄ろうとする飛田君のお腹に結城君の拳が吸い込まれる。
それほど大きな音はしなかったはずだったけど、打ちどころが悪かったのか飛田君は結城君のパンチを受けてそのままぐったりとしてしまった。

結城「少し黙っていろ」

桐沢「み、見事なまでの腹パンね」

玉井「はい、注目注目!」

混乱極まる場に玉井さんの手を叩く音が響き渡る。

玉井「飛田君の気持ちも分かるんだけど、彼みたいにただ騒いだところで事態は解決しない」

玉井「だから、まずはやっぱり学園内の探索をするべきだと思うの」

玉井「見取り図を見る限りは、校舎の一階と寄宿舎の一階が今は行けるみたいだし……八人ずつで探索するとしましょう」

マジック「そ、それで出入り口が見つかれば……」

北海「そう簡単に出入り口が見つかるか? 窓を封鎖したり監視カメラを設置したりするようなのがそんなヘマをするとは思えないが」

玉井「そこは協力するしかないわ」

永江「超高校級の探偵の香山さんも居ますし、あまり悲観的になる必要もないと思いますよ?」

香山「ははは。超高校級の幸運の永江さんも、もしかしたら運良く見つけられるかもしれないと思うけど」

結城「……俺は飛田を部屋に送ったら寄宿舎の方の探索をする」

そうしてそれぞれの探索場所を決めることになった。
私は――


↓2
1 校舎を調べる
2 寄宿舎を調べる

小泊と寄宿舎を調べることになった生徒を安価で指定
小泊・結城・飛田は確定なので残り五人を↓3までで指定。コンマ一番高いのを採用

【寄宿舎】

寄宿舎を調べることになったのは私の他に香山さん、桐沢さん、二ノ宮さん、永江さん、雪風さん、結城君、飛田君だった。
……いや、飛田君は今は除外しておいた方が良さそうかな。

永江「こっちにあるのは食堂とランドリーとトラッシュルームとそれぞれの個室……」

永江「結城さんは飛田さんを部屋に連れて行ってから、個室の方を調べるってことでいいんですよね?」

結城「ああ」

まるで荷物を運ぶかのように片手で飛田君を抱える結城君。
仮にも自分のせいでああなったのに、雑な運び方をしているのはどうなんだろう?

結城「場所的にトラッシュルームは個室が並んでいる方にあるんだよな」

結城「ならそのまま俺はそこを調べることにする」

香山「りょーかい」

そのまま飛田君を抱えて結城君が寄宿舎の奥へと進んでいく。

雪風「……なら、残りの人たちで他の場所を調べるってことで?」

香山「うーん……一応トラッシュルームとか個室の方にも少し行った方がいいかもしれないね」

桐沢「自分の寝床がどういう場所なのか、確かに気になるし……」

永江「それじゃあそういうことで。調べ終わったら玉井さんの言っていた通り食堂に集まることにしましょう」

二ノ宮「了解」

小泊「わかった」

散り散りになって寄宿舎の探索を始めることになった。私はどこに行こう?


↓2
1 食堂(永江・雪風)
2 ランドリー(香山)
3 個室(桐沢)
4 トラッシュルーム(結城・二ノ宮)

【トラッシュルーム】

二ノ宮「あれ? 小泊さんもここに来たんだ」

結城「……お前か」

私が足を運んだのはトラッシュルームだった。そこには二ノ宮さんの他に、既に部屋に飛田君を運んだ結城君の姿も。

小泊「うん。これといって理由はないんだけど、何となく」

二ノ宮「そっか。僕も同じような理由だけど」

結城「…………」

小泊「それで、ここってトラッシュルーム……で間違いないんだよね?」

二ノ宮「そうだよ。奥にある焼却炉でゴミを燃やすみたい」

小泊「……にしては、鉄格子みたいなのがあって中に入れないみたいだけど」

トラッシュルームの入口から一番奥にある焼却炉はそこまで距離はなかった。
ただ、その道を塞ぐように鉄格子が降りているせいでそれ以上先には進めないみたいだけど。

モノクマ「それにはボクからお答えしましょう!」

小泊「きゃあっ!? って、どこから出てきてるの!!」

モノクマが天井から首だけを出して姿を現した。
……流石に神出鬼没すぎるというか。少し怖い。

モノクマ「えーっと、この鉄格子を上げるにはトラッシュルームの鍵が必要なんだ」

モノクマ「これは掃除当番になった人に渡す予定だから、もしこの中の誰かがなったらごみ捨てよろしくね」

二ノ宮「それは、男女別々で掃除当番を決めるの? それとも、男女一緒?」

モノクマ「へ? ボクは男女一緒で良いかなって思ってたけど……」

モノクマ「ああ! 確かに、男女で別にしないと女の子の捨てたゴミを盗むような変態が出てくるかもしれないしね!」

それを聞いて私の背筋が少し冷たくなる。
……そんな変態は居ないと思いたいけど。どうだろう……。

モノクマ「それじゃあ、午前と午後に分かれてそれぞれがゴミを捨てるってことにしよう! 掃除当番は……後でボクが勝手に決めるってことでいいや」

モノクマ「じゃあねー」

そのまま天井に吸い込まれるようにしてモノクマが姿を消す。

結城「何だあのクマは……意味が分からない……」

小泊「ぬいぐるみが動いてるってだけで意味分からないから、そこは気にする必要はないんじゃないかな」

何はともあれ、この鉄格子の先を調べるには掃除当番になるしかないってことか……。


↓2
1 ところで、飛田君の様子はどうなの?
2 二ノ宮さんは今の話、どう思う?
3 その他自由安価

少し離れます。1時間前後したら再開予定

愛とおいちいお菓子に誓って、更新再開です

小泊「二ノ宮さん、さっきの話どう思う?」

二ノ宮「やっぱり男の子に自分が捨てたゴミを見られるのは嫌だし、多少面倒でも男女それぞれ掃除当番を決めるのは良かったって思う」

二ノ宮「まあ、そんなことをする人が居るとは思ってないけど。……飛田君を除いて」

小泊「あはは……やっぱり」

結城「お前たちの中で飛田の評価がどれだけ低いかはよく分かったぞ」

私達の話を聞いていた結城君が小さく息を吐いてそんなことを言う。

結城「確かに、あれだけの軽い風貌をしてる男なら女子のゴミを漁るということもしかねん」

二ノ宮「男の子の立場でもそう思うんだ?」

小泊「結城君って飛田君みたいな人苦手そうだもんね」

結城「好きではないな。ああいうただ騒いだりするだけの奴は確かに苦手だ」

結城「だが、それよりも許せないのは……あのモノクマを操っている人間だ。俺達をこんな場所に監禁して何をするつもりなのか……」

二ノ宮「やっぱり犯罪者殺しの二つ名を持つ立場としては、僕らの誰よりも許せないだろうしね」

小泊「は、犯罪者殺し……?」

その物騒な単語に私が思わず身構えると、結城君がすかさずフォローをする。

結城「誤解を招くような言い方はよせ。それは俺のことを知った奴らが勝手に言っているだけだ」

結城「小泊も。実際に犯罪者を殺したりはしないから安心しろ」

小泊「そ、そっか。そうだよね、うん」

それにしても犯罪者殺しなんて言われるくらいだなんて、この人は今まで何をしてきたんだろう……?


【二ノ宮と結城の親密度が上がりました】

【食堂】

玉井「さて、全員集まったみたいだし報告会をしようか」

探索を終えた私達は食堂に集まっていた。今は玉井さんが場を仕切って報告会を始めるところだ。

玉井「まず校舎の方を調べたあたし達からだけど……今入れる場所は何箇所かの教室と購買部、視聴覚室に玄関だけだった」

大森「教室は監視カメラと窓を除けば普通の教室だった」

北海「とは言っても、出入り口の手がかりは何も無かったが」

浮世「視聴覚室も極普通だったね。DVDの再生器みたいなのと、正面に大きなモニターがあっただけ」

雪風「……据え置きのゲーム機があれば、頑張ればプレイできそうだね」

浮世「う、うん。そうだね」

薫黒「ふんっ。お前達の成果の無さには失望したぞ」

不意に薫黒君がそんなことを言った。

小泊「ってことは、薫黒君は手がかりを見つけたってこと?」

薫黒「よく聞いてくれた。脱出の手がかりは購買部にあったぞ」

薫黒「そうだな、マジック?」

マジック「ええっ? あ、あの。えっと……」

薫黒「あそこにはガチャガチャの機械があったんだが……」

桐沢「自分から振っといてシカトするのね……」

薫黒「その中にはたくさんのカプセルが入っていた」

二ノ宮「そりゃそうだろうね。ガチャガチャだし」

薫黒「いちいち話の邪魔をするな!」

ダンッ! と机を叩いて薫黒君が注意をする。

小泊「えーっと、つまりそのガチャガチャの中身に脱出の手がかりがあった……ってこと?」

薫黒「まだ確認してないが、期待はしてもいいと思うぞ」

能登「確認してないのか?」

マジック「そもそも、お金も持ってないですし……」

確かにガチャガチャならお金が必要だ。だけど今はお金なんて持ってないし……。

北海「少し期待した俺がバカだったな」

薫黒「なにぃ……?」

香山「はいストップストップ! 喧嘩をしてる場合じゃないよ!」

少し険悪になった二人の仲裁に香山さんが入る。

玉井「……まあ、今の話は覚えておいて損はないかもね」

マジック「そ、そうですよ! それに、もしかしたら玄関の扉を開けるスイッチみたいなのが出てくるかも……!」

それはどうだろう……そんな都合の良いものが入ってるだろうか……?

能登「ああ、そうだ。玄関はやっぱり封鎖されてたぜ」

能登「しかも教室の窓とかと違って、かなり頑丈な鉄が使われてた」

香山「出入り口を封鎖するのは当然だろうしね。そう考えると玄関は期待薄かな……」

玉井「で、最後は体育館。モノクマが最初に出てきた場所だし、もしかしたらモノクマが出てくる際に使った通路みたいなのが見つかるかなって思ってたけど……」

小泊「見つからなかった、ってことですね?」

そう考えると益々モノクマが神出鬼没すぎることになるけど……。

玉井「二階に続く階段はあったけど、今は鉄格子が下りていて通れないようになってたから……今は一階までしか行けないと思った方が良さそうだね」

玉井「校舎班からの報告はこれで全部だよ。次は寄宿舎の方を……」

飛田「おーい! お前らどこに行ったのかと思えばこんなところに居たのかよっ!」

玉井さんが寄宿舎を調べた人たちに話を移そうとしたところで、気絶から目覚めた飛田君が食堂に入ってきた。

薫黒「……目が覚めてしまったのか」

飛田「どうして“覚めてしまったのか”なんて言い方なんだ!? 普通は“覚めたんだな”とかそういう言い方になるんじゃないのか!?」

飛田「つーか、おいお前! 無言で腹パンなんかしやがって、びっくりしたじゃねぇか!」

小泊「びっくり程度で済むんだ……」

雪風「無言の腹パン……」

結城「あのまま騒がれても迷惑だったからな」

飛田「なんだとぉ……!?」

玉井「ほら、そのへんで。今は報告会をしてるんだから、飛田君も大人しくしてて」

女の子の玉井さんに言われれば返す言葉もないのか、飛田君は意外とあっさり引き下がってくれた。

飛田「わかったよ……つーか、報告会って?」

能登「それについては俺が説明するぞ」

席から立ち上がり、改めて飛田君の隣に座りなおす能登君。

飛田「お、おう。……それよりも、近くね?」

能登「気のせいだろ」

関係ない私から見ても気のせいじゃないと思う距離だけど……まあ、割り込んで話に加わるのもアレだし、やめておこう。

玉井「話を戻すわね。次は寄宿舎の方を調べた人の報告をお願いするわ」

その言葉にまず口を開いたのは香山さんと雪風さんだった。

香山「ランドリーは別に特別報告するようなところはなかったよ。洗濯機が数台と、雑誌が数冊あったってくらい」

香山「……だよね、雪風さん?」

雪風「はい……」

大森「食堂は奥に厨房もあって、そこにはたくさんの食材があったから……そっちの心配はしなくていいみたい」

大森「食材も随時追加されていくってモノクマが言ってたから……」

浮世「モノクマが!?」

桐沢「っていうか、会ったの……?」

大森「うん……それだけ言って帰っていったけど」

香山「……なるほど……」

報告が続く中、香山さんがしきりに納得したように頷いているのが見えた。
探偵として話を聞き逃さないようにしてるんだろうか……。

桐沢「……部屋の方は最低限の物はあったけど、やっぱり監視カメラとかもあったわ」

桐沢「あれでわたしの姿を見て笑ってるんだわ、黒幕は……」

結城「補足しておくと、一応部屋にはシャワーもあったぞ」

結城「まあ、部屋の方は後で各自確認しておくといいだろうな」

玉井「それじゃあ、最後にトラッシュルームを調べた人達の報告ね」

促され、私達はトラッシュルームで分かったことを全部説明する。

飛田「げーっ、掃除当番なんて決められるのかよ」

能登「まあ、男女別に決めるのはオレも賛成だ」

小泊「……これで、全部だよね」

一通り全員の話が終わり、報告会が終わりに近づく。

玉井「……脱出の手がかりはゼロ。これはちょっと危ないかもしれないわね……」

桐沢「つ、つまり完全に閉じ込められたってこと……?」

※生徒の捜索箇所で間違いがあったまま進めてました。このまま進めます、すいません

玉井「待って。一度の探索で諦めるのはダメよ」

玉井「それに、このまま諦めたらモノクマの思うツボだから……」

玉井「頑張って、協力していきましょう?」

玉井さんが全員に呼びかける。
それは根拠のない言葉であるはずなのに、とても力強く感じられた。

永江「素晴らしいです! さすが玉井さん! 玉井さんの言う通りですよ!」

すると、今まで黙っていた永江さんが不意にそうやって喜んだ。

小泊「な、永江さん? いきなりどうしたの?」

永江「ああ、すいません。報告の邪魔になると思って今まで黙ってましたけど……」

永江「今の玉井さんの言葉に感動して、つい」

北海「単純な頭の持ち主みたいだな」

永江「それはすいません。幸運で来ただけの一般人なので、そこは許していただければと」

北海君の嫌味にも動じず、永江さんが微笑んでそう返す。
意外とメンタルの強い人なんだろうか……?

マジック「で、でも。確かに玉井さんの言う通りです……」

結城「群れるのは好きじゃないが……まあ、仕方ないだろうな」

小泊「私も賛成。今は協力するべきだよ」

実際、永江さんが感動したというのも理解はできる。
この状況であれだけきちんとしたことが言えるのは純粋に凄いと思えるし、私には真似できないかもしれない。

玉井「ありがとう」

大森「な、なら! 朝食は一緒に食べるってのはどう!?」

珍しく大声を出して大森さんが提案する。

大森「えっと……協力するには、みんなが信頼していかないといけないし」

大森「それなら、朝食を一緒に食べるべきかなって思ったんだけど……」

能登「超高校級の料理人の作る朝食か……」

北海「それに賛成だ」

薫黒「随分と早い賛成だな……」

能登「ならオレも賛成」

飛田「オレもオレも! こんな場所だけど、せめて飯くらいは美味いの食べたいし!」

玉井「それじゃあ、悪いけどお願いできるかな?」

大森「わ、わかった」

賛成する人たちの顔を見て緊張したような、嬉しいような。そんな笑顔を浮かべて大森さんが了承する。

小泊「それじゃあ、今日はもう解散ってことでいいのかな? 時間も時間だし……」

食堂にある壁時計を見ると、既に時間は夜遅かった。
これだけの閉鎖空間に閉じ込められると、時間の感覚も狂うんだなぁ……。

玉井「そうだね。明日の集合時間だけ決めて解散にしようか」





【寄宿舎】

それぞれ重い足取りで廊下を歩いていく。
それは、探索をして手がかりが何一つ出てこなかったことにより気が重くなった……そういうことだろう。

小泊「はぁ……」

当然、私自身の気も重かった。
当たり前だ。いきなりこんなことに巻き込まれて……実際に今の自分の状況を認識して。それでも明るく振る舞えるわけがない。

――本当、どうしてこうなったんだろう。どうして私がこんなことに巻き込まれたんだろう。

そうやって部屋に向かう私に、後ろから話しかけてくる人が居た。


※少し離れます

雪風「……あの」

それは雪風さんだった。今はゲームも持っていない、普通の状態だ。

小泊「雪風さん? どうしたの?」

雪風「元気がない顔をしてたから……」

小泊「え? そ、そんなことは」

ない、とは言い切れない。というより、今この場で強がったところで意味がないことくらい理解しているつもりだった。
監禁され、コロシアイを命じられ、それが嫌ならここで暮らせと言われ。
これでいつもと同じ様子で振る舞える人が居たら、それは普通じゃない。

雪風「玉井さんも言ってましたけど、まだ脱出の可能性がゼロとは言えないです」

雪風「だから、もっと元気出してください」

小泊「元気を出して、って言われても……」

私を気遣っての言葉であることは分かっている。
元気を出さないといけないことも分かっている。
……私は。


↓2
1 ありがとね
2 そんな簡単に言わないでよ……
3 自由安価

小泊「……ありがとね。雪風さんの言う通りだよ」

小泊「うんっ! こんな時だからこそ、元気にならないと!」

雪風「はい。頑張りましょう」

ゲームばかりしていて、少し変わった人だなと思っていたけれど。意外と芯のある女の子なんだなと思った。
人は見た目で判断してはならないとよく言ったものだ。

雪風「ちょっと不謹慎な言い方になりますけど、可能性がゼロじゃないんだったら諦めるのは早いと思うんです」

雪風「99パーセントの確率で脱出できないとしても、1パーセントの確率で脱出できるのなら……そっちに賭けるべき」

雪風「お互い、頑張りましょうね」

小泊「うん!」

改めて握手を交わす私と雪風さん。

……あ、そういえば。

小泊「私ってまだ雪風さんに自己紹介してなかったよね?」

雪風「……確かに、体育館の前で会ったときはこっちしか名乗ってなかったですね」

小泊「というわけで、改めて自己紹介!」

不安もある。
恐怖もある。

そんな感情を振り払って……。

事態の解決に対する期待と。
仲間に対する信頼が自分の中に強く根付くように。


小泊「超高校級のマネージャー、小泊月依! よろしく!」


私は自分の名前を口にするのだった。


【雪風との親密度が大きく上がりました】

キリがいいので本日ここまで。途中でミスがありましたが、改めてすいませんでした
指摘や意見があればお願いします

明日は自由行動となります
それでは長い間ありがとうございました

今日の18時頃から再開します



翌日の目覚めは一言で表すなら、最悪――の手前くらいだった。
これも昨日の夜に雪風さんと話をしたからだろうか。彼女と話をしたことで、少し心が楽になった気がする。

小泊「ちょっとマイペースなところもあるけど、意外といい人なのかもね……」

ふぅ、と息を吐いて今の時間を確認する。朝食の時間には間に合いそうだ。

小泊「朝食ってことは、大森さんが作ってくれるんだよね……」

超高校級の料理人が作る朝食……。
期待するなと言う方が無茶だよね……。


【食堂】

玉井「あ、ようやく来たね」

食堂にやって来た私を出迎えてくれたのは玉井さんだった。

小泊「おはようございます」

玉井「おはよう。ほら、食事の準備はもうできてるよ」

小泊「って、本当ですね」

小泊「凄い量……大森さん、大変だったでしょうに」

人数分あるのはもちろんだけど、それに加えて一人分の量も決して少なくはないみたいだった。
これだけの量を朝から準備するのは大変だろうに……。

玉井「でも、結構楽しそうにしてたけどね」

玉井「ほら、あそこに大森さんが」

玉井さんが指差す方向には料理を運んでいる最中の大森さんが。

大森「……」

大森「お、おはよう」グッ

気恥ずかしそうにしながら親指を立てて挨拶をしてくれる大森さん。

小泊「おはよう」

……普通に挨拶すればいいのに。


↓2
一緒に朝食を食べる生徒を一人指定

小泊「桐沢さん、おはよう」

小泊「一緒にご飯食べてもいいかな?」

私はそう言って桐沢さんの方に足を運ぶ。
すると桐沢さんは私の存在に気づいたのか――眠そうな目を細めて(そう信じたい)私の顔を見る。

桐沢「べ、別にいいけど」

小泊「ありがとう」

桐沢さんの隣に座り、改めて朝食が載ったトレイを置く。

小泊「いただきます」

桐沢「……へぇ、きちんといただきますを言うタイプなのね」

小泊「うーん……マネージャーやってたら、何となくそうなっちゃって」

マネージャーとして部員と接していると、そういう面でも煩くなっちゃっているのは否定できない。

小泊「って、桐沢さんは言わないタイプなの?」

桐沢「私はマネージャーじゃなくて、一部員でしかなかったし」

桐沢「まあ、今は言わないと大森加奈子にグチグチ言われるから……せめて見てるところでは言うようにしないと」

小泊「はは……料理人としては見過ごせないんだろうね」


↓2
1 部員としての桐沢さんはどうだったの?
2 あんまり適当なことはしない方がいいんじゃない?
3 自由安価

小泊「部員としての桐沢さんはどうだったの?」

桐沢「な、なによいきなり」

小泊「いいじゃない。少し気になっただけ」

桐沢「気になっただけ、って……」

桐沢「まあ、一応合唱部の中では一番上手いって言われてたし……そう思われて当然と思うだけの自信もあったわ」

桐沢「でも……周りの人間は上手いとかって褒める反面、あまり快く思ってなかったでしょうね」

小泊「どういうこと?」

同じ部活の人間が超高校級と呼ばれるだけの才能があるんだとしたら、それは快く思って当然だと思うけど……。

桐沢「才能ってのは羨望の眼差しで見られることもあるし、嫉妬の眼差しで見られることもあるってこと」

桐沢「その才能がどういうものかにもよるでしょうけど……」

その言葉から、桐沢さんの部活内での立場が想像できた。
才能はもちろんあった。でも、それに加えて努力もしてきた。
なのに……他の部員からの嫉妬があって、多少なりとも苦しんできたんだろうか。


↓2
1 あんまり気にすることもないと思うけどな
2 でも、私は桐沢さんの声が好きだよ
3 自由安価

小泊「でも、私は桐沢さんの声が好きだよ」

桐沢「ご、ふっ……!?」

あ、むせてる。

小泊「大丈夫!?」

桐沢「だ、大丈夫かどうかなのはアンタの方よ……」

桐沢「いきなり声が好きだとか、どういう意味!?」

小泊「ど、どういう意味って……」

小泊「だって、桐沢さんって普段の声からして既に綺麗な声じゃない? だから、むしろ嫌いになる要素がないっていうか」

小泊「あ、この言い方だと私が声だけで人の好き嫌いを決めてるみたいな感じに聞こえるね」

小泊「えーっと、なんて言おうか……」

桐沢「…………」

そこで私は目を見開いて驚いている桐沢さんに気づく。

小泊「……桐沢さん?」

桐沢「う、うるさい! 早く食べちゃうわよ!」

小泊「ええっ!? ちょ、ご飯はゆっくり食べないと……!!」

桐沢「ごほっ! ごほっ!」

小泊「ほらまたむせてる!!」

お、女の子なんだから食事中にむせるのはあんまり良くないと思うんだけどなぁ……。


【桐沢との親密度が大きく上がりました】



玉井「ちょっといいかな。これからの方針で少し話したいことがあるんだけど」

私が桐沢さんの背中を擦っていると、不意に玉井さんが全員に言った。

雪風「……方針?」

浮世「確かに、何をするにしても共通で認識しておくのは大事だろうね」

北海「大森、お前の腕前は素晴らしいな」

大森「あ、ありがとう」

飛田「おい! そこなにやってんだ!」

玉井「……ええと。とりあえず決まりとしては朝食を一緒に食べるってことが決まってるわけだけど」

玉井「そこからの時間について、各自でも脱出の手がかりを探して欲しいんだ」

玉井「もちろん、ずっと探せとは言わない。あくまで自由行動として思っておいてくれればいいと思う」

小泊「確かに、一日中ずっと探すなんて無理というか……疲れますもんね」

マジック「片手間程度で良いのなら、体力のない私でもやりやすいかもしれません……」

薫黒「ふん、リーダーを気取りやがって」

永江「ですが、玉井さんの言葉は間違ってませんよ。反論する余地はないかと」

香山「異議なーし」

玉井さんの言葉に反論する人はいなかった。
朝食は全員で集まって、それからの自由行動は片手間程度で良いから脱出の手がかりを探す。
何日も何日も、ずっと探していたら疲労で倒れる人が出てくるかもしれないし……この提案は確かに最善のものであると思えた。





【自由行動 1回目】

話をする生徒を一人指定してください

そして少し離脱します、すいません

※安価先抜けてたけどいつも通り↓2です

グダグダになったけど再開しまぁす



【寄宿舎】

浮世「あ」

小泊「ん? ああ、浮世君」

部屋から出た私と鉢合わせしたのは浮世君だった。

小泊「奇遇だね。どこ行くの?」

浮世「ええ、ちょっと気分転換に」

浮世「このまま部屋でじっとしてても仕方ないっていうか……」

浮世君の気持ちも分かる。部屋で誰とも関わらず閉じこもっていても、事態は進展しない。
それならせめて誰かと話をして気を紛らわすのも一つの正解だろう。

小泊「それなら、少し話でもしない?」

小泊「私も浮世君と同じで、気分転換しようと思ってたところだし」

浮世「……そうだね。そう言ってくれるとありがたいかな」

浮世「でも、話すって言っても何を話そうか?」

ああ、そういえばそっか……。


↓2
1 図書委員って何をするの?
2 この中で気になってる人は居る?
3 自由安価

小泊「この中で気になってる人は居る?」

特に深い意味はなく、ただ何となく言っただけだった。

浮世「き、気になってる人!? それは……どういう意味で!?」

なのにどうして浮世君は尋常じゃないくらいに驚いているんだろう……?

小泊「この人となら仲良くなれそうだな、とか。この人と詳しく話をしてみたいな、とか」

小泊「そういう意味だよ」

浮世「あ、ああ。そういうことか」

浮世「そうだね……マジックさんとか、大森さんと話をしてみたいかな」

浮世「二人共、女性としての魅力に優れていそうだし」

浮世「あ! 勘違いしないでくれよ! 別にこの言葉に好意の有無は関係ないからね!」

小泊「そこまで強く否定しなくてもいいって」

女性としての魅力に優れていそうなのは私も同意だけど……どうしてそれを男の子の浮世君が知りたがってるんだろう?
恋とかそういうのじゃないってことなら……ちょっと気になるところではあるけど。


↓2
1 玉井さんとかは興味ない感じなの?
2 女性としての魅力は知ったところであんまり意味ないんじゃないかな
3 自由安価

小泊「玉井さんとかは興味ない感じなの?」

浮世「うーん……ああいうリーダー気質の強い人は少し苦手だね」

浮世「どっちかというと私はマジックさんみたいに小動物のような雰囲気があったり、大森さんみたいに料理ができる人に憧れたりするんだ」

へぇ、憧れ……。
え、憧れ?

小泊「料理ができる人に憧れるっていうのは分かるけど、小動物の雰囲気に憧れるってどういうこと……?」

普通、男の子は強い人になりたいみたいな感情があると思うんだけど。
小さな子が見るヒーローもののアニメとかも、そういう感情があるから流行ってるんだろうし。当然浮世君だって例外じゃないと思うんだけどなぁ。

浮世「え、それは、えっと……」

小泊「浮世君?」

すると、浮世君は私が思っている以上に慌てている様子だった。そこまで変なことを言ったつもりはないけど、どうしたんだろう?

浮世「そ、そう! 強さに溢れすぎてもやり方次第では暴力とかに繋がっちゃうだろう?」

浮世「だから、私はそういうことにならないように強さとかよりは穏やかさみたいなのに憧れるんだ!」

小泊「ああ、そういうことだったんだ」

確かに言っていることは分かる。強すぎる力は使いどころを誤れば暴力になるってどこかで聞いたこともあるし、浮世君はそういうのに否定的な人なんだろう。
……そうなると、結城君とはあまり合わなさそうだな。


【浮世との親密度が上がりました】





【自由行動 2回目】

↓2
話をしたい生徒を一人指定してください



【食堂】

北海「……なんだ、誰かと思えばお前か」

食堂に訪れた私を北海君が開口一番にそう出迎えた。

小泊「あれ、北海君何を食べてるの?」

北海「見て分からないのか。飯を食べてるんだ」

小泊「……それは分かってる」

まさかそう返されるなんて……。
やっぱり、ちょっと性格は良くないんだろうか。

北海「……大森に頼んで個人的に料理を作ってもらったんだ」

北海「さすが、超高校級の料理人と言われるだけのことはある。俺が今まで食べてきた中で随一の美味さだ」

小泊「すっかりベタ褒めだね」

でも、確かに大森さんの料理はどう取り繕っても美味かった。朝食でアレなんだから、お昼や夜のご飯はもっと凄いものが出てきそうだ。
そして仮にも超高校級の美食家と言われる北海君にここまで言わせるのも、きっと凄いことなんだろうと思う。

北海「監禁され、まともな食事も期待できないなと思っていたが……」

北海「この料理に出会えたことは感謝してもいいかもしれないな」

聞き方によっては不謹慎に思えることをなんとなしに言ってのける北海君。


↓2
1 あんまり不謹慎なことを言うのは良くないよ
2 その料理、ちょっと貰ってもいい?
3 自由安価

小泊「ねぇ、その料理ちょっと貰ってもいい?」

見てるだけで美味しそうな料理だったので、思わずそんなことを言ってしまう。
うん、本当に美味しそうだ。少しくらいなら北海君もくれるよね……?

北海「断る」

断られた!

小泊「ええっ? 少しくらいいいでしょ!」

北海「くどいぞ。これだけの美味な料理をどうしてお前にくれてやらんといけない?」

北海「どうしても食べたければ大森を捜して自分で頼め」

取り付く島もないとはまさにこのことを言うのだろう。それくらい北海君の態度は素っ気無かった。

小泊「でも、こんなこと頼むなんて悪いっていうか」

北海「いや、大森は料理をすること自体は嫌じゃないみたいだったぞ。頼めばあっさり引き受けてくれると思うが」

北海「というか、そう思うくらいの頼みをした俺の前でそんなことを言うなんて……遠まわしにバカにしてるのか?」

小泊「いやいや! そんなことないって!」

でも、それなら頼んでみるのもいいかな……。


↓2
1 北海君からも話しておいてくれない?
2 じゃあ自分で頼んでみるよ
3 自由安価

小泊「じゃあ自分で頼んでみるよ」

北海「ああ、そうしろ。自分でする分には俺も文句は言わない」

北海「用事はそれだけだな? ならさっさと帰ってくれ。食事の邪魔だ」

最後にそう言って北海君は食事に戻ってしまう。
……これはもう話をしようとしても無駄っぽいかな。でも、大森さんについての話は忘れないようにしないと……。

それと、本当に大森さんの料理が好きなんだな……北海君。


【北海との親密度が上がりました】





【自由行動 3回目】

↓2
話をしたい生徒を一人指定してください

すいません少し離れてしまってました
まだ更新してても大丈夫でしょうかね



【購買部】

そういえば薫黒君が言っていたガチャガチャってどういうものなんだろう。そう思って私は購買部に足を運んでみることにした。

二ノ宮「小泊さん……」

小泊「二ノ宮さんだ」

そこには二ノ宮さんが先に来ていた。彼女はガチャガチャの機械をじっと見つめているようだった。
……それにしても、本当に男の子みたいな感じだな。実際に言うと失礼だし、言わないけど。

小泊「二ノ宮さんもガチャガチャを調べに来たの?」

二ノ宮「そんなところ」

小泊「ふーん……」

適当にガチャガチャのノブを回そうとするけど、やっぱり手応えは感じられない。

小泊「やっぱりお金が無いとできないみたいだね」

二ノ宮「いや、それは違うみたいなんだ」

二ノ宮「これをやるにはお金の代わりにモノクマメダルっていうのが必要なんだって」

小泊「なにそれ。モノクマメダル?」

小泊「……っていうか、それ誰が言ってたの? もしかして……モノクマ?」

二ノ宮「うん」

二ノ宮「どこで貰えるのって聞いたら、まだそんな予定はないしって言って帰っちゃったけど」

……ってことはこのガチャガチャはやれないってことね。

小泊「まあ、いいんだけど。どうせやる予定もないし」

言いながら私は改めて購買部の中を見渡す。
……意外と結構色々あるんだなぁ、ここ。


↓2
1 でも、薫黒君が残念がるかもしれないね
2 こういう場所って目移りとかしない?
3 自由安価

小泊「こういう場所って目移りとかしない?」

小泊「ここでは買い物とかできないけど、もしここが本当のお店だったら……ちょっと長い時間くらいなら過ごせそう」

基本的にそういうときは早く済ませるタイプだとは思うけど、それでも品揃えの豊富な店とかに行くと知らない間に時間が経っているなんてこともある。

二ノ宮「ううん、僕はあまりこういうところでも買い物には悩まないタイプだから」

小泊「そうなんだ?」

二ノ宮「だって、別に悩んだところで時間の無駄だし。そこまで真剣に悩んだところでどうなるってわけでもないじゃん」

二ノ宮「食べ物だってあらかじめ食べたいものを決めてればすぐに終わるし」

二ノ宮「服とか下着だって別にこだわらないから、僕」

そいういう姿勢も本当に男の子みたいだな、と思ってしまう。
とはいえ実際は女の子なんだから、それもそれでどうかとは思うけど。

小泊「食べ物はともかく、服とか下着はある程度は気を使った方がいいんじゃないかな?」

二ノ宮「えぇ……?」

小泊「ほら、二ノ宮さん女の子なんだから」

二ノ宮「うぅーん……」

まあ、二ノ宮さんがそういうタイプの人間なら無理強いをすることもないんだけど。


↓2
1 絵本とかを見るときは時間を忘れたりしないの?
2 オシャレをするのは悪いことじゃないよ
3 自由安価

小泊「だったら、ここから脱出できたら一緒に買い物に行かない?」

小泊「もちろん無理にとは言わないけど」

二ノ宮「買い物……」

二ノ宮「……じゃあ、アレ買いたいかな。絵本」

え、絵本ッ!?

二ノ宮「僕が描いてる絵本以外のもちゃんと見ないといけないから。敵情視察ってやつだね」

小泊「あ、ああ。そういうことね」

二ノ宮「なんだと思ったの?」

……実は子供が居るのかとか、そういうのを思っちゃっただなんて言えない。

小泊「と、とにかくっ! それなら了解ってことでいいのよね?」

二ノ宮「う、うん。……誤魔化してる……?」

小泊「そんなことないよ、うん」

二ノ宮「そっか。……でも、少し楽しみかも」

二ノ宮「そうだ。せっかくだし絵本の感想とかも聞かせてよ。直に感想を聞くなんてこともあまりないし」

小泊「うん、大歓迎だよ」

超高校級の絵本作家が描く絵本。それはよほど素晴らしいものなんだろう。

私の心は知らない間に高鳴りを感じていた。


【二ノ宮との親密度が大きく上がりました】
【一日目が終了です】

【親密度一覧】

・超高校級の美食家 北海雄資 親密度3
・超高校級のダンサー 飛田弾 親密度0
・超高校級の??? 猫宮神 親密度0
・超高校級の拳法家 結城幻 親密度3
・超高校級のゲーマー 雪風刹那 親密度8
・超高校級の図書委員 浮世刹那 親密度3
・超高校級のアロマセラピスト 薫黒ミント 親密度0
・超高校級のガラス細工師 能登万斎 親密度0

・超高校級の探偵 香山美月 親密度0
・超高校級の合唱部 桐沢愛 親密度5
・超高校級の料理人 大森加奈子 親密度0
・超高校級のバレーボール選手 玉井向日葵 親密度0
・超高校級の絵本作家 二ノ宮弥生 親密度8
・超高校級のマジシャン マジック・カルトシア 親密度0
・超高校級の幸運 永江美琴 親密度0

今回はここまで。途中で無断離脱して申し訳ない
何か指摘や意見があればお願いします。それ以外でもお気軽に書き込みどうぞ

続きは同じ時間くらいに

だいぶ遅くなってしまった
今から更新しても厳しそうかな



【二日目】

次の日。集合時間に間に合うように目が覚めた私は食堂へと足を運んだ。

玉井「おはよう小泊さん」

小泊「おはようございます」

昨日と同じように玉井さんが出迎えてくれる。どうやら今日も私が最後だったようだ。

小泊「……みんな、結構きちんと来てくれてるんですね。薫黒君とか北海君は来なさそうと思ってたんですけど」

玉井「まあ、状況が状況だから。二人も場を乱してメリットがあるとは思ってないんでしょ」

玉井「北海君はどっちかというと大森さんの朝食目当てだろうけどね」

ああ、昨日の一件を鑑みればそっちの方が可能性が高そうだ……。

桐沢「……お、おはよう」

すると、入口近くに座っていた桐沢さんが小さな声で挨拶をしてくれた。

小泊「おはよう桐沢さん」

桐沢「……おはよう!」

小泊「聞こえてたから、そんなに大きな声を出さなくて大丈夫だって!」

桐沢「あ、ああ……悪かったわね」

そうやって桐沢さんは食事に戻ってしまう。
……まあ、気にしても仕方ないのかな。


↓2
話をしたい生徒を一人指定

薫黒「……なんだ。どうして何も言わず隣に座ろうとする?」

私が隣に座るのとほぼ同時に薫黒君が怪訝そうな顔をして言ってくる。

小泊「別にいいじゃない。私が一緒だって困りはしないでしょ?」

薫黒「困りはしないが、せめて一言何か言ってから座れ」

薫黒「それが人としてのマナーだろう」

む……言ってることは正論だ。

小泊「じゃあ、隣失礼するね」

薫黒「……既に失礼してる状態で何を言うんだ」

薫黒「勝手にしてくれ」

はぁ、と息を吐いて薫黒君は食事に戻る。
快く了承を得た……とは言えないけど、これで良しとしようかな。

薫黒「…………」

薫黒「…………」

って、何かを話そうともしない!?


↓2
1 もうちょっと心を開いてくれてもいいんじゃない?
2 今の状況ってどう思ってる?
3 自由安価

小泊「薫黒君の才能って、アロマセラピストだったよね」

小泊「それって、香りで人の心を癒したりとかってことで間違いないの?」

薫黒「ああ、そうだ」

てっきり無視されるか適当にあしらわれると思っていたけれど、意外にも薫黒君は話に乗ってきてくれた。

薫黒「専門的な言葉を言ったところで素人に理解できるとは思えないから詳しい説明は省くが、そう考えてもらって間違いない」

小泊「ふーん……でも、香りで心を癒すってどういうことなの?」

薫黒「お前は温泉に入ったり花や植物が咲き誇る庭園に行ったら多かれ少なかれ『ああ、良い匂いがするな』と思うだろ?」

薫黒「要するにその延長線上にあると思ってくれればいい」

薫黒「人は何か嫌なことがあったりして落ち込むと、精神が参ってしまう。そういう時に効果的なのの一つが匂いなんだ」

薫黒「五感をフルに使って心を癒す、ということだな」

薫黒「見晴らしの良いところに行って心を癒す。好きな音楽を聴いて心を癒す。美味しい食べ物を食べて心を癒す。ふわふわの感触があるものを触って心を癒す。香りを楽しんで心を癒す……」

薫黒「そう考えれば、納得はできるな?」

た、確かに納得はできるけど……まさかそこまで饒舌になるなんて……。


↓2
1 好きなことになると饒舌になっちゃうタイプなんだね
2 それじゃあここから出れたら試してみようかな……
3 自由安価

小泊「じゃあ、薫黒君の一番好きな匂いって何? よかったら教えてくれない?」

薫黒「一番好きな匂い……そうだな、言うなら柑橘系か」

小泊「柑橘系……レモンとかオレンジとかそういうの?」

薫黒「ああ。フローラルやハーブも捨てがたいが、俺は柑橘系が好きだ」

薫黒「まあ、俺の一存で使うアロマの種類を決めることはないから……実際には相手の好みに合わせるんだが」

そこで私は朝食の横に添えられていたカップのゼリーを手に取る。

小泊「それじゃあもしかしてゼリーとか好きだったり?」

薫黒「…………」

ああっ! 薫黒君の顔がすっかり元に戻っちゃった!

薫黒「まあ、嫌いじゃない」

小泊「あれ、そうなんだ」

てっきり『そんな子供っぽい食べ物好きなわけないだろ!』って怒られると思ったんだけど……。

小泊「何となく薫黒君のことがわかった気がするよ」

薫黒「やめろ、お前の物差しで俺のことを知ったつもりでいるんじゃない」

そうやって私を睨む薫黒君だけど……やっぱり、怖いとかいうよりも微笑ましいみたいな感情が強く残るのだった。


【薫黒との親密度が上がりました】





【自由行動 1回目】

↓2
話をしたい生徒を一人指定

今回ここまで。始まりが遅かったから終わりも早くなってしまった……すいません
まだ最初だから人も少なそうですね。何か考えないと

短かったですがお疲れ様でした

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