照「白糸台麻雀ウィークリー?」 (37)

照&菫「ウェヴブヘェア」

淡「…を今度作ることになったんだけど、って急に吹き出してどうしたの?」

菫「そっちこそ急になんだ。新聞作成なんて雑務は担当の人間に任せておけばいいだろう」

照「なんで淡が?一軍の選手には関係ない話」

誠子「ネタがないって困ってるところを偶然通りかかってノリで安請け合いしちゃったんですよ」


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尭深「親切」

淡「そそ!というわけで困ってる人を見過ごせない淡ちゃんに先輩の有り難いアドバイスを!」

照「適当にいつも通り作ればいいと思う」

菫「部内対戦のハイライト、何切る問題、この辺が鉄板でいつも掲載されてるだろう」

尭深「…余ったスペースは宮永先輩の食レポ」

淡「そんなのつまんない。もっと面白いの」

菫「お前なぁ…」イラ

尭深(誠子ちゃん、フォローしてあげて)

誠子「えーと…そ、そういえば先輩方が一年のころはどんな新聞だったんですか」

照「…」

菫「やめてくれ、トラウマが蘇る」

誠子「へ?トラウマ?」

淡「なにそれ面白そう!!」

照「私達が一年のころに普通の新聞部と麻雀部掛け持ちしてたとある三年生の先輩がいてね」

菫「おい照」

照「ここまで言いかけちゃったら淡も話聞かないと気が済まないでしょ」ヒソ

菫「はぁ…確かにしつこく問い詰められるのも面倒か」ヒソ

淡「?」

照「で、その人がいた当時の新聞は本物のゴシップ記事顔負けのアングラなネタばかり掲載してた」

誠子「アングラというと高レート麻雀の?」

照「うん。勿論マンション麻雀なんか行ったことはなくて、基本的には普通の雀荘で打ちながら事情通のおじさん達から取材してく感じ」

菫「『裏麻雀で大負けした某社長が謎の変死』『某女流プロが麻雀の借金を補填するために朝帰り』『和了すると霧のように消える対局者』」

照「『リーチ一発目に必ず出現する四萬ならぬ死萬』『東京の裏で暗躍する代打ち集団』『点棒と血液を賭ける吸血麻雀』」

尭深(こわい)

淡「へ…へー!いいじゃんいいじゃん!なんかカッコいい!」

菫「…とまぁこんなのばっかだ。全部、私達が東京の雀荘をまわって足で稼いできたネタだ」

照「パシリやすい年下一年生でなおかつ雀荘で打ってもお金が飛んでいかない程度に腕が立つ打ち手、ということで白羽の矢が立った」

菫「私は照と組んでたおかげだよ。コンビ打ち同然でどうにか凌いでいた」

照「ひたすらこき使われていたあの頃に比べると今ノホホンとお菓子食べながらお茶してるのが夢みたい」シク

菫「うん…」グス

菫「その先輩は特に麻雀にまつわる怪談や都市伝説が大好物でな。ネタ自体の真偽は問われなかったし話が面白ければボツは回避できた」

誠子(しかし、こんな話を聞いたら次の展開は…)






淡「よしわかった!ジャンソーで聞き込みだね!」

誠子(ほらきた)

菫「そう簡単なものか。まず取材テクというものがあってだな…」

淡「納期が迫っておりますので!早速打ってきます!」タタッ

菫「おい、待て!」

尭深「行っちゃった…」

菫「ペンもメモ用紙も場代も持たずにどうする気だアイツ」

照「セーコ、悪いけど付き合ってあげて」

誠子「了解です」タタッ

尭深(私はパスで…)ズズー

菫「なに言ってるんだ照。お前も来るんだぞ」

照「今から外に出るのはちょっと」

菫「淡を焚き付けたようなもんだろ。私達にも責任がある」

照「エー」

雀荘

淡「着いた!空いてる席は…と」

傀「…」タバコスイー

淡「丁度ワン欠けの卓(しかもイケメン付き)発見!突入!」

誠子「声が大きいんだよお前は…」

淡「ふふーん。ジャンソーの超新星(スーパーノヴァ)とは淡ちゃんのことだよ。今日から裏麻雀を制覇するよ!」

誠子「ここは合法レートだっての。というか人聞きの悪いこと言うな」

傀「…揃われたようですね?」

*クッソ適当麻雀描写


とんいっきょく

□□□□□□□□□□□□□ ツモ□

誠子(うわ配牌テンパイだ。しかも親番)

淡(ダブリーはやめとこ。取材するのに勝ちすぎて印象悪くしたら本末転倒だからね)


□タン


誠子「おお!空気読まずにやりたい放題するかと思いきや」

淡(あったり前じゃん。接待麻雀ってやつだね!)

4巡目

淡「かったるい。やっぱリーチしよ」

誠子「えぇ…」

オッサン(配牌最悪で親リーはキツイ)

お兄さん(様子見様子見っと)

傀「…」




14巡目

淡「ツモ。2000オール」

誠子(流石にカン裏は乗せなかったか)

とんに


□□□□□□□□□□□□□ ツモ□

お兄さん(うわ…二連続六向聴か。ツイてないな)

オジサン(昨日競馬でバカ勝ちした分のツキの揺り戻しかな?)

誠子(うん…まぁ当然だが淡の絶対安全圏を破るような能力者はいないか)

■■■■■■■■■■■■■ ツモ■

傀「…」


■タン


オジサン「ポンしとこう」


淡(一回和了って余裕できたしこの局は本当の本当に様子見だね)


■■■■■■■■■■■■■ ツモ■

傀「…」


■タン


お兄さん「チー」

誠子(オジサンは無理染め、お兄さんは三色決め打ちか)

誠子(淡は攻める気ゼロのようだ)


16巡目

淡「おーりよっと」タン

オジサン&お兄さん「「ロン」」

淡「あわ?」

オジサン「白のみ1000点」

お兄さん「ダブロンはアリだったよな?こっちも1000点」

淡「…はい」イラッ

とんさん

淡「ダブリー!」

淡「ツモ!」



とんよん

オジサン&お兄さん「「ロン」」

淡「あわっ?!」



オーラス

傀「ツモ。500、300(ゴミ)で終了(ラスト)です」

淡「もう一回!なんかモヤッとする!!」

オジサン(このお嬢ちゃん一局おきにダブリーしてねぇか!?)

お兄さん(なぜかクソ配牌続きだし、そいつをどうにかあがれる手に仕上げるのは疲れるわ…)

誠子(直撃もらってはムキになってダブリーで稼ぐ。南3での満貫放銃が痛かったか)

菫「結果、四人とも原点付近で半荘終了…と」

誠子「遅いですよ!半荘終わっちゃいましたよ!」

菫「こいつをここまで運んでくるのに手間取ってな」

照「疲れた。帰る」

菫「待て。対面の黒服を見ろ」



傀「…」タバコスイー



照「…傀」

菫「とんでもないのと打ってるな」

菫「黒服の闘牌はどうだった?」

誠子「どうもこうもユルユルの鳴かせまくりですよ」

照「それで…他家は淡から和了れた?」

誠子「ええ…その後に淡がダブリーでまた稼いでと、その繰り返しです」




淡「次やろ!次!」




照「まずい。取材に来たハズだったのに、勝負に夢中になってる」

菫「丁度半荘終わったんだ。もういいだろ。止めるなら今だ」

照「この店は点5だし仮にトバされてもヘーキヘーキ」

とんいち

淡「もういいや!リーチ!」

お兄ちゃん「またダブリー!?」

オッサン「親番なのに…」

誠子「うわ…今回はカン裏も乗せる気だろうな」







傀「ではこちらもダブリーです」

淡「あわっ!?」

照&菫「!!」

淡「この…っ」



□タン



傀「御無礼」


淡「へ?ごぶれ?」


傀「24000です」


照(やられた…会心の一撃)

淡「…っ!?マグレでしょ?次!!」


誠子(淡…もう次のリーチは…)




大星淡 0点




淡(あっ…)


傀「ハコですね」ニヤリ




淡「~~~~~~~~~~っ!」

淡「………」


誠子(あ、黙った)





菫「帰ろう、照。もう見てられん」


照「…淡の好きなお菓子を買いに行かないとね」



――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


菫「で、どうなった」

誠子「全員流局の繰り返しですよ」

誠子「絶対安全圏で他家は和了れず、黒服の男は打って変わって役牌を絞って他家に鳴かせずで」

誠子「淡は逆転狙いの無理染め、中々聴牌にすらこぎつけられず、出来たとしても見え見えの染め手だから振り込んでもらえず」

誠子「そのまま黒服が一位で終了(ラスト)でした」

菫「淡は原点のままダブリーすらさせてもらえない屈辱を半荘一回分味わったということか」

誠子「まさに御無礼ですね」

菫「…私は止めたからな、照」

照「ダブリーを封じられた状態での手作りは淡にとってとてもいい経験になったハズ」

菫「確かにそういう状況は貴重かもしれんが、しかし…」

照「淡の絶対安全圏を打ち破り、ダブリーすらも封じる、そんな打ち手が全国に居ないとも限らない」

菫「…笑えない話だな」

――――――――――――――――――――――――――――――

ネリー「エルティ! オリ! サミ!」

穏乃「日本アルプス!日本アルプス!」

咲「カン!カン!もう一回カン!カン!からのツモ!18000、6000!」

――――――――――――――――――――――――――――――

誠子「はは、そんなヤツいませんよ」

照「どうかな?」



尭深「それで、新聞は作れそう?」

菫「まさかあの状況で聞き込みも何も」

誠子「いえ、ネタなら都市伝説を1つ聞いてきましたよ」

淡「あっアレだね!」

菫「おっ復活したのか」

淡「当たり前だよ!ジャンそ―の超新星はまだ生まれたばかりだからね!!」

淡「あの傀とかいうヤツもいつか倒すんだから!!」

菫「で、都市伝説って?言っておくがその手の話はあらかた制覇してるからな」

淡「うぇーんテルー。無視されたー!」

照「よしよし

誠子「なんでもたった一晩だけべらぼうに強い雀士が裏麻雀の世界に現れたそうなんです」

菫「ほう?」

誠子「高校生くらいの若い女の子で、ぶつぶつとひとりごとを呟きながら麻雀を打つんです」

淡「『お姉ちゃんアイタイヨ』『お姉ちゃんナンデ話シテクレナイノ?』『セッカク東京マデキタノニ』…って」

照「…………え?」

誠子「虚ろな目のままずっとオネエチャン…オネエチャン…と繰り返しつぶやいていたそうです」

菫「それは…初耳だな。一度も聞いたことがない」

照「…………ま、まっまっ麻雀スタイルとかは」

誠子「嶺上開花を何度も和了ったそうです」

淡「嶺上開花の役名とオニの角みたいに尖った髪型から、ついたアダ名は咲鬼[サキ]!!」

誠子「夜が明けるまでにマンション麻雀を手当たり次第回って10人以上の雀士を殺したそうですよ」

誠子「一説には『姉に会いに上京してきたところ、不幸にも事故に遭って亡くなってしまった高校生の怨霊』が正体なんじゃないかって」

淡「嘘かマコトか信じるかどうかはあなた次第です!!」

菫「へぇ~知らなかったよ」

菫「少し離れるともう新しい都市伝説が生まれてるんだなぁ。な?照」

照「………」

尭深「宮永先輩?」

照「………」クラッ

淡「テルー?」

照「………」シーン

菫「い、いかん。息してないぞ!!」

誠子「ひゃっ百十九番」

淡「テルゥウウウウウウウウウウウウウ!!!!」


おわり

>>28
>菫「淡は原点のままダブリーすらさせてもらえない屈辱を半荘一回分味わったということか」

ミス、原点じゃなくてハコですね

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