美城常務「優雅なる美城一族」 (74)


前回のあらすじ



「ヘーイ!」





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美城常務「華麗なる美城一族」

美城常務「華麗なる美城一族」 - SSまとめ速報
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フランス・パリ



ヘレン「フフッ、久しぶりね! P、姉さん!」



常務「な、なぜここに……」

P「ちい姉……」



友紀「誰?」

留美「さっきPさんが言っていた、ひとつ上のお姉さんじゃないかしら」

舞「わぁ!」





友紀「確かに常務に少し似てるかも!」

留美「ちょっと待って。Pさんのお姉さんという事は……」ブツブツ

舞「?」



留美「はっ!」ピコーン




留美「お義姉さん!」

ヘレン「いつの間に妹が生まれてたのかしら? 父さん達もやるわね」

常務「そんなわけあるか!」








留美「Pさんの妻の留美です。以後、お見知りおきを。お義姉さん」

常務「おいコラ」

P「ちょっと、留美さん!」



舞「プロデューサーのひとつ上って事は、わくいさんの方が年上?」

友紀「おお! 舞ちゃんは賢いね!」

舞「えへへっ♪」




P「そんな事より、なんでちい姉さんがここにいるんだよ!」

留美「そ、そんな事って……」ズーン

ヘレン「フフッ、面白い質問ね」



ヘレン「世界が私を求めているからよ!」ドーン!!



常務「相変わらず、全くもって意味がわからん……」





ヘレン「それよりも、せっかくの久しぶりの再会だというのに、立ち話もアレね」

友紀「お! それじゃあ近くのお店で飲みましょう!」

ヘレン「あなたは?」

友紀「その辺も含めておいおいね!」

ヘレン「そうね。それじゃあ行くとしましょう」

友紀「そうこなくちゃ!」

P「ゆ、友紀!」






常務「…………」

舞「どうしたんですか、常務?」

常務「……私は遠慮するぞ」

友紀「ええ!?」



常務「さっきも言っただろう! 私はだな!」

ヘレン「フフフッ、何を照れているのよ、姉さん」

常務「誰が照れているんだ、誰が!」




ヘレン「留美、友紀」

留美「はい、お義姉さん!」

友紀「よしきた!」



常務「!? な、何をする! 離せ!」

友紀「まあまあ!」

常務「ちょっと待って! お願いだから!」

留美「まあまあ」



P「も、もう手懐けている……」

ヘレン「さぁ! あなた達も行くわよ!」

舞「はーい!」

P「う、うん」



常務「は~な~せ~!!」



───








パリ市内・ブラッスリー



友紀「それでは! 海外公演の大成功と!!」

ヘレン「姉弟の再会を祝して」



友紀「乾ぱ「Santé!!」



常務&P&舞「Santé!!」

友紀「!?」

留美「舞ちゃん!?」




──




ヘレン「ふぅん、それでフランスにね……」

留美「お義姉さんは世界中を旅しているらしいですね」

ヘレン「フフッ、そうね。ああっ! 思い出すわ! ラテンの熱い風に、ブラジールの夜を!!」




P「みんな飲み過ぎないでくれよ?」

友紀「わかってるって! あっ、これ美味しい!」

留美「本当ね」

P「わかってないだろう!?」

ヘレン「あなた達、中々良い舌を持っているわね。グッド・タンよ!」



常務「…………」

友紀「あれ? 常務が全然飲んでない!」

常務「そんな気分では無いのだ」

友紀「またまた~! 乾杯の時はノリノリだったのに~!」

常務「アレはだな……つい思わず……」




ヘレン「さあ、姉さんもせっかくフランスに凱旋したのだから、飲みましょう! ナポレオン・ボナパルトのように!」

常務「別に私は凱旋したわけでは無いだろう!?」

ヘレン「ギャルソン! Gevrey-Chambertin(※ナポレオンが愛したと言われるワイン)を!」

常務「やっぱり聞いてない! P君! 助けてくれ!」

P「えぇ……」




常務「私は帰るぞ! そ、そうだ! 舞君も疲れただろう?」

舞「私はそんなに疲れてないです!」

常務「超良い子! だけど、ここは私の為に空気を読んでくれ!」



常務「何か嫌な予感がするのだ……」

P「嫌な予感?」

常務「そう囁くのよ、私のゴーストが……」




ヘレン「ところで、P……」

P「?」

ヘレン「あなた、確かプロデューサーをやってるって言ったわよね」

P「まぁ、まだまだ新米だけど」

ヘレン「ふぅん、アイドルね……」

P「?」

常務「…………」ゾクッ



ヘレン「まぁ、いいわ! 今夜は食べて飲み明かすわよ!」

留美&友紀&舞「おー♪」

ヘレン「でも、舞は21時までよ」

友紀「あっ、そこは真面目なんだ」

ヘレン「さあ! 姉さんやPも存分に味わいなさい!」

常務「や、やめろ! ヘレン!」

P「だから飲み過ぎは!」



─────
───





~~~



結婚式場



クラリス『健やかなる時も、病める時も、お互いに愛し、慰め、助け、命のある限り
誠実であることを神に誓いますか?』

P&留美『誓います』

クラリス『では、誓いのキスを』



P『留美……』

留美『Pさん……』



チュ



友紀『ヒュー! ヒュー!』パチパチ

舞『わぁ!』パチパチ

ちひろ『うぅ……涙が……』パチパチ




ヘレン『ヘーイ! ワンダフルな結婚式だったわ!』

常務『P君の事を……よろしく頼むぞ……』

留美『ありがとう……義姉さんたち……』



留美『みんなー! ありがとう! 私たちは幸せになるわ!』

留美『それじゃあブーケトス行くわよー!』



留美『そーれっ! って……きゃあ!!』



~~~



ドシーン‼︎



留美「い、痛い……」



留美「…………」



留美「はっ!? 夢だったのね……」






留美「というか、頭痛い……」ガンガン






友紀「うぅ……朝から騒がしいなぁ……」ガンガン

常務「なんなのだ……」ガンガン

留美「全員二日酔いみたいね……」ガンガン



ガチャ



ヘレン「グッモーニンッ エヴリワンッ!!」



友紀「うぅ……声が大きい……」キーン

留美「な、なんで酔ってないのかしら……」キーン

常務「相変わらずの化け物か……」キーン




ヘレン「だらしないのね! あなたたち!」

常務「お前が異常なだけだ!」

ヘレン「仕方がないわね。これを飲みなさい」

留美「こ、これは……!」

ヘレン「フフッ、そう!」



ヘレン「世界の味噌汁よ!!」バーン




友紀「うぅ……身体に染み渡る……」ズズッ

留美「そういえば舞ちゃんは?」ズズッ

ヘレン「確かPとmarché(朝市)に行くって言ってたわ」

常務「くっ……私も行きたかった……」

留美「わ、私も……」




ガチャ



舞「ただいまー♪」

友紀「おっ! おかえりー!」

留美「おかえりなさい。楽しかったかしら?」

舞「はい! 色々交流出来たりして楽しかったです!」

常務「ふふっ、良かったな」

舞「あっ! あとそれから……」

留美「?」



舞「二日酔いが辛いと思って、みなさんにフルーツ買ってきました!」



友紀「て、天使だ……!」ジーン

常務「天使がここにいる……!」ジーン

留美「舞ちゃん……私たちの娘にならない?」ジーン

ヘレン「まさしく、世界レベルね!」






ホテル・ロビー



P「クロワッサンうめぇ」フゴフゴ



ワイワイ ガヤガヤ



P「お?」

留美「Pさん、お待たせ」

P「思ったよりも、みんな元気そうですね」

友紀「お味噌汁と!」

常務「天使のフルーツのおかげだな!」

舞「えへへっ♪」

P「……味噌汁?」




P「さて、空港に向かいますか!」

友紀「え!? 観光は!?」

P「そんな時間はありません!」

留美「そ、そんな!」

P「酔っ払ってるのが悪い! それに俺と舞はさっき観光してきたもんな?」

舞「はーい!」

常務「だから私は行かないと言ったのに……!」




P「ちい姉はどうするんだ?」

ヘレン「そうね。もうしばらく滞在する予定よ」

P「ふむ」

ヘレン「私を求める声がある限り、ベストを尽くすのが私よ!」

常務「いや、まるで意味がわからんぞ……」




シャルル・ド・ゴール空港



P「ちい姉、それじゃあまた!」

留美「次は私たちの結婚式で!」

P「おい」

友紀「またー!」

舞「お見送り、ありがとうございました!」

ヘレン「フフッ、あなた達も精進なさい! この私のように!」



常務「私は出来れば、もう会いたくないがな……」

ヘレン「相変わらず照れ隠しが下手ね、姉さん」

常務「本音だ!」




飛行機内



P「舞、シートベルトをちゃんと付けるんだぞ」

舞「はーい!」



常務「くっ……また同じ席順か……」

留美「今度こそはPさんの隣に行くはずだったのに……」

友紀「ワインばっかりだったから、そろそろビールが恋しい!」




P「さて、そろそろ離陸だな」

舞「Merci la France! A bientot!(ありがとうフランス! また会いましょう!)」

P「舞は礼儀正しいなぁ」



P「それに比べて、向こうの席は嫌な予感がする……杞憂だといいけど……」



─────
───





成○空港



P「またどんちゃん騒ぎして! あなた達には学習能力は無いのか!」ガミガミ

常務&留美&友紀「面目無い……」

P「まぁ、長旅の疲れもあるだろうし、今日はこれ位にしときますが」

常務&留美&友紀「ほっ……」

P「なので、続きは今度事務所で!」

常務「ま、待ってくれ! 私にも立場というものが!」

P「その立場を弁えず、機内で騒いだのは誰だ!」

常務「ぐっ……」

留美(正論過ぎるわね……)

友紀(これには常務も苦笑い)



───





後日 事務所



P「おはようございます!」

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん!」

P「ただいま戻りました!」

ちひろ「女ひとり待たせるなんて、酷い男ですね!」

P「いきなり辛辣ですね……ではこれをお納めください」

ちひろ「お土産! 待ってました♪」




ガチャ

留美&友紀&舞「おはようございます!」



ちひろ「おはようございます!」

友紀「わーい! ちひろさんだ!」ギュー

舞「ちひろさーん!」ギュー

ちひろ「わわっ、く、苦しいですよ!」



留美「Pさん、楽しいハネムーンだったわね」

P「日本でも相変わらずですね」





P「さて、これで全員揃ったな!」

全員「はい!」

P「海外公演は大成功で、その様子は日本でも流れたみたいだから、これからは更に忙しくなるぞ!」

留美「ふふっ、腕がなるわね」

P「みんな、気合いを入れていこう!」

全員「はい!!」




ガチャ

常務「やあ、首尾はどうかね?」

全員「おはようございます!」

常務「うむ」

P「この部署も、これからはどんどん伸びていきますよ!」

常務「そうか。期待しているぞ」

P「はい!」




P「さて、資料やらなんやら色々作らないとなぁ」

友紀「わくわくさん! 今日は何を作るの?」

留美「今日はね、ユッキー。Pさんとの愛の結晶を……」

常務「何を言っとるか貴様は!!」

留美「あっ、痛い」スパコーン

ちひろ「本当にブレないですね、留美さん」




舞「今日はどうしたんですか?」

常務「なに、陣中見舞だよ」

友紀「暇なんですか?」

常務「そんなわけないだろ! いい加減にしろ!」

留美「どうせPさんに会いに来たんでしょう、義姉さん」

常務「ぐっ……。というか誰が義姉さんだ!」




常務「というかだな、私がNYから日本に戻って来てから業績はうなぎ登りで、今度精進するのだぞ?」

留美「にわかに信じ難いわね」

常務「おい!」

舞「わぁ! おめでとうございますー!」

常務「ありがとう舞くん……本当に君は天使だな……」

友紀「よーし! それじゃあ祝勝会だねっ!」

常務「うむ」

P「“うむ”じゃねえ!」





ちひろ「そういえば、こんな噂を聞いたんですが」

P「噂?」

ちひろ「はい。なんでもうちの部署に新しいアイドルが配属されるとか」

P「は? 聞いてませんよ!」

常務「私も聞いてないぞ!」

ちひろ「まあ、あくまで噂なので……」








「ヘーイ!」











全員「!!!???」



「フフッ、懐かしい顔触れね!」



常務「ちょっと待て! なぜお前がここにいる!」



常務「ヘレン!!」

P「ち、ちい姉!!」

ちひろ「ちい姉?」



ヘレン「ジャポネの風は、随分と生暖かいわね!」



舞「梅雨ですからね」




友紀「懐かしいって、つい先日別れてばかりだよね」

ヘレン「細かいことはいいのよ。そういう思考は、いざという時の判断を鈍くするわ」

常務「というか、なぜここにいるのだ!?」



ちひろ「あの~、ちい姉というのは?」

P「姉です」

常務「妹だ……」

留美「義姉よ」



ちひろ「ええぇぇぇ!?」




ヘレン「フフッ、私も世界のトップを目指していたのだけれど、私ひとりではどうしても難しいことがるのよ」



ヘレン「そう! だからここで鍛練をして、世界のトップアイドルを目指すことにしたわ!」



P「はあ!?」



ヘレン「そして、私にはその素質や魅力がある。だけど少し足りない部分は、P……あなたが支えなさい」






常務「待て待て! そんなことは私が認めないぞ!」

ヘレン「ふっ、私が一度決めたことを曲げないのは、姉さんも分かっているでしょう?」

常務「ぐっ……」

ヘレン「だから、P。よろしくね」

P「な、なんでこんなことに……」




ヘレン「あなた達もよろしくね」

舞「よろしくお願いしまーす!」

友紀「よろしく! でも負けませんよ!」

留美「義姉さん……私たちは仲間であると同時にライバルでもあるわ。義姉さんといえども遠慮はしないわよ?」

ヘレン「フフッ、上等ね。ついてこれるかしら、この世界レベルに!!」



ちひろ「あれ、もう馴染んでる……」

常務「やはり……あの時感じた嫌な予感はこれか……ああっ、私の理想のお姫さま像が! 私のシンデレラが!!」



─────
───





ちひろ「なんだかんだで、あっという間にヘレンさんもトップアイドルの仲間入りですね、専務」

専務「どうしてこうなった」

ちひろ「というか、この部署に入り浸り過ぎでは?」

専務「心配で、おちおち仕事も出来ないのだ!」




ライブ会場



P「よし、では気合いを入れて頑張れよ!」

全員「はい!」

P「あと、ちい──ヘレンさん! あのパフォーマンスはまだ完成してないんだから、まだしないでくださいよ!」

ヘレン「了解! 行くわよ!」

P「ああっ! 全然聞いてねえ!」




───



友紀「というわけで、なんだかんだのライブの成功を祝って……」キョロキョロ



友紀「乾杯!!!!」



全然「乾杯!!」



友紀「ほっ」

ちひろ「?」




専務「ささやかだが、楽しんでくれ」

友紀「ぷはーっ! 物足りない!」

ちひろ「さすがに事務所内でお酒は飲めないですからね」

留美「舞ちゃん、ジュースあるわよ」

舞「ありがとうございます! わくいさん!」

ヘレン「今日は私のスーパーボディとパフォーマンスを披露出来て気持ちが良かったわ」

P「というか、俺の言うことを聞いてくださいよ!」




コン コン コン

ちひろ「あら、誰かしら?」



ガチャ

会長「いや、打ち上げ中のところ、失礼するよ」

ちひろ「か、かかか、会長!?」




専務「げっ」

会長「君もいたのか」



留美「?」

ちひろ「最近、専務は会長の座を狙っているみたいで、折り合いが悪いみたいですよ」ヒソヒソ

留美「なるほど」





専務「何の用です?」

会長「今日は君にではないよ。……P君」

P「わ、私ですか?」

会長「仕事半分、プライベート半分だから楽に聞いてくれ」

P「は、はぁ……」




会長「実はだね、君に見合いの話を持ってきたんだよ」

P「はぁ!?」



留美「んだとコラ」

専務「この野郎」

友紀「お、抑えて! 女の人が使っちゃいけない言葉遣いになってるよ!」

ちひろ「ふ、ふたりを抑えるのよ!」

舞「は、はい!」





P「ちょっと待ってくれよ! 見合いだなんてそんな!」

留美「そうだそうだ!」

専務「引っ込め!」

会長「うーん、中々の良家のお嬢さんなんだがなあ。ま、とりあえず写真を置いておくから見ておいてくれ」

P「は、はぁ……」

会長「それじゃあ失礼するよ。あと今日のライブは素晴らしかったよ。ではね」

ちひろ「お、おつかれさまでしたー!」




ヘレン「あら、久しぶりね、父さん」

会長「げっ」



友紀「聞いた? いま会長の言葉」ヒソヒソ

ちひろ「はい。ハッキリと」



会長「ご、こほん! それではな!」



ヘレン「フフッ、相変わらずね」






P「はぁ……父さんも余計なことをしてくれるなぁ……」

常務「さぁ、P君。その写真を渡して貰おうか」

P「べ、別にいいけど……」

留美「さぁ」

P「こ、怖いんですけど……」



常務「な!?」

留美「こ、これは!!」



P「?」





終わり







片桐早苗「ガールズトーク!」

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若林智香「夜のプロデューサーさん」

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こちらもよろしくお願いします。




>>44

訂正

×常務「というかだな、私がNYから日本に戻って来てから業績はうなぎ登りで、今度精進するのだぞ?」

○常務「というかだな、私がNYから日本に戻って来てから業績はうなぎ登りで、今度昇進するのだぞ?」



>>65

訂正

×常務

○専務



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