【モバマスSS】お題は星の数だけ (142)

SS書こうと思います
グロ、エグイもの等はご勘弁を
まずは>>3あたりで
お題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466089547

巴をひたすら愛でる

では「巴をひたすら愛でる」でおひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調なども目をつぶっていただければ……

「なぁ、これはどういうことじゃ……」

フリルをふんだんに使ったワンピースを着た村上さんが言う

「うちにこんな格好させてどうするつもりじゃ」

どうするつもり? そんなことは決まっているじゃないですか

ささっとドアの前に立ち、鍵をかける

「お、おい!」

普段は勝気な彼女だが、おびえた表情を実に素晴らしいですね

すっと手を伸ばすと、彼女はびくりとして、体を硬直させる

何をされるのか? これからどうなるのか? 彼女の頭はそれでいっぱいでしょう

密室に二人きりというこの環境

ふむ、実に良いシチュエーションですね

ファンからしてみたら一度は体験してみたいと思うでしょう

ですが、ダメです

彼女のこんな表情をみれるの私だけの特権なのですから

ああ、そんな表情をされると止まらなくなってしまいます

伸ばした手で、柔らかそうな髪を撫でる

「あっ……」

それは驚きの声だったのかはわからない

しかし、二度三度と撫でるうちに彼女の表情は変わっていった

「髪は女の命なんじゃ、気軽に触るな」

顔を真っ赤にして、抗議する村上さん

そっぽを向きながら、上目使いとはなかなかやりますね

伸ばした手を柔らかそうな髪の上に置く

そして、そのまま優しく撫でる

「あっ……」

それは驚きの声だったのだろうか?

一度だけ、びくりとしたが

二度三度と撫でると体をこちらに預けてきた

とても撫で心地が良い

「プロデューサーぁ……」

瞳を潤ませ、こちらを見上げる村上さん

「なんで名前で呼んでくれないんじゃ……」

強気な彼女が見せる、弱気な一面

「あんたのためにこんな格好したってのに」

ワンピースの裾をぎゅうっと両手で握る

「な、なぁ……うちはこんな格好似合わないか?」

もじもじとしながら

年相応の態度でこちらに問いかけてくる

それは子供らしさもあり、なぜか色気を感じた

これが村上巴が持つ魅力の一つなのだろうか

「……」

不安と期待を織り交ぜたような視線を感じる

こんな時はどんな言葉をかければいいのだろう?

……考えるだけ無駄か

ただ一言、こう言ってあげれば良いのだ

「似合っているよ、巴」

まるで、子犬のような

花がさいたような笑顔の少女に

これからどう可愛がってやろうか

そんな幸せな悩みが生まれた




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>12のお題を頂戴します

泣いてるあーちゃんを慰め安心させる

では「泣いてるあーちゃんを慰め安心させる」でおひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調なども目をつぶっていただければ……

少女が泣いている

いつもは優し気な声が、今はひどく悲しく聞こえる

溢れる涙が頬を伝い、床を濡らしてく

私が問う

なぜ泣いているのですか?

彼女が答える、夢を見たのです

どんな夢だったのですか?

皆と離れ離れになる夢です……

それは怖い夢だったのでしょう

はい、とても怖くて涙がとまらないんです

両手で自分の体を抱き、泣き続ける彼女

その姿を見て、自分は不思議と安心感を覚えた

藍子さん、顔を上げてください

嫌です

即答ですか、ちなみに何故ですか?

泣き顔なんて見られたら、恥ずかしくて、また泣いてしまいます

それは困りましたね、しかし、私は貴女を泣き止ませたいのです

どうしてですか? 

貴女は泣き顔も可愛い、しかし、笑顔の貴方のほうが百倍魅力的です

耳元で囁くように伝える

太陽に向くひまわりのように、貴女の笑顔を取り戻せるのならば何でもします

そう伝えると、また彼女は泣き始めてしまった

これから彼女が泣き止むまで一悶着あるのだが、それはまた別のお話し




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>19のお題を頂戴します

友紀にリストラドッキリ

では「友紀にリストラドッキリ」でおひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調なども目をつぶっていただければ

プロデューサーからの呼び出し

場所はいつもの飲み屋さん

ここは完全個室があるから気兼ねなく飲めて良いね♪

「姫川さん、お待ちしていました」

おお、相変わらず大きいねプロデューサーは

体も鍛えてるみたいだし、和製大砲でいけるんじゃないかな?

「どうしたの? こんな時間に呼び出しなんて」

キャッツが快勝したから全然気にしないんだけどさ

「少し飲んでからで良いでしょうか?」

ん? 自分から進んで飲むなんて珍しい

「大歓迎だよ! 勝利の美酒といっちゃおう」

うん、うれしい時のお酒を一人で飲むなんてもったいない!

いろいろなお酒を覚えたけど

やっぱりビール! これがないと始まらないよね

「店員さーん、生二つお願いします!」

それに適当なおつまみを注文した

まもなくしてビールが来たわけだけれど

「うーん……」

「どうしたのですか?」

こちらの顔を覗き込んでくるプロデューサー

心配してくれてるのはわかるけど、すこし近いよ?

「別になんでもないよっ! さぁ乾杯しよう」

私には大きいグラスでも、プロデューサーが持つと小さいコップみたい

きらりちゃんより大きいってのも納得できるよねぇ

「では、何に乾杯しましょうか?」

何に乾杯? そんなの決まってるでしょ!

「キャッツの快勝に!」

「姫川さんの活躍に」

「「乾杯!」」

かちりとグラスを合わせて、ビールをあおる

「んー! 美味しい」

これからの季節、ビールが美味しくて困っちゃうね

「相変わらず良い飲みっぷりですね」

ことりと空っぽになったグラスを置いたプロデューサーが言う

わたしより良い飲みっぷりの人がいうセリフなのかな?

「よーし、わたしも負けてられないね!」

すみませーん! と店員さんを何度呼んだかわからなくなった頃だ

飲むペースが全然落ちないプロデューサーが独り言ちた

「すみません……」

ん、どうしたの?

「私の力が至らないばかりに……」

んん? 話が全然見えないよ

「どうしたのプロデューサー? 飲みすぎちゃったの?」

わたしよりお酒に強いプロデューサーが酔うわけないけど

でも、不安を感じた私は続ける

「何かあったの?」

「本当に申し訳ありません」

こちらを向いたプロデューサーは

……泣いていた

大きな体を震わせて

まるで、小さな子供のように

いつもは頼りになるプロデューサーが

今ばかりはとても儚く見えた

「プロジェクトが解散することになりました……」

プロデューサーの口から衝撃的な言葉が発せられた

確かに大変なことだけど、それが泣く理由なのかな?

ここはもっと踏み込んでみよう

「それだけじゃないんじゃないの?」

今までだって困難を乗り越えてきた

皆とプロデューサーと……

「営業不振の責任を取らされることになったんです……」

え? 誰が?

「本日をもって、私と貴女がリストラという形で」

がちゃりとグラスがテーブルに落ちる

あれ……おかしいな

前が上手く見えないや

わたし、どうしちゃったんだろう……

「泣かないでください、姫川さん」

そう言われて

わたしは自分が泣いていることに気付いた

今日はキャッツが快勝して、美味しいお酒を飲もうって決めてたのに

もう涙の味でビールの味なんてわかならいよ……

「すみません、姫川さん」

謝られたって、どうしたらいいのかわからない

「ううん、プロデューサーは頑張ってくれたよ」

うん、この言葉に嘘はない

キャッツの始球式にお呼ばれされるまで有名になれたし

「私が完投できなかっただけだから……」

346プロでの私の活動は終わっちゃったけど

FAでほかのプロダクションに入って頑張れば良いじゃんわたし!

「よーし! 今日は朝まで飲んじゃうよー!!」

覚悟を決めて店員さんを呼ぶ

「はい喜んでー!」

ドッキリと書かれたボードを持ったちひろさんが来た

良い笑顔をしたプロデューサーにはあとで千本ノックをしてやろうと決めた




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>34のお題を頂戴します

川島さんかわいい

「どう? プロデューサーくん!」

まるで少女のように

瞳を輝かせて、水着姿の女性が言う

「今年の水着は可愛い系でいこうと思うの」

「……良い笑顔です」

この人基本的にハイスペックなんですよね

あ、忘れてた
では、「川島さんかわいい」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調なども目をつぶっていただければ……

ただ、何て言うか……残念美人?

ルックスは間違いないはずだ

元アナウンサーというのも頷ける

気持ちが若すぎるのが問題なのかな?

10代の子と張り合おうとする心意気は素晴らしいと思います

でも、貴女には貴女の魅力があるんですよ

わかりますか?

「わかるわ」

「えっ?」

「言わなきゃいけないような気がしたの」

この人パねえ……


「それで、どうなの?」

一歩近づいてくる

「私の水着は」

また一歩

「似合ってるのかしら!」

やめてください、近すぎます

お山に目が奪われそうになるが耐える

良いプロポーションしてるなぁ、相変わらず

淡い水色のビキニにパレオ

リボンが可愛らしさを出している

確かに可愛らしいデザインの水着だけれど……

妙に色っぽい

ちち、しり、ふとももー! って何かの漫画で見たけど

共感できる気がする

それに、二人っきりの密室で水着姿ってどうなんです?

いい大人なのに、子供っぽい

こっちはドキマギさせられてばかり

この無防備さは素なのか演技なのか

私わからないわ……

「なによ、若さが足りないっていうの?」

あら、何か始まったぞ

「男なんて、どうせ若い子のほうがいいんでしょ……」

ちらり

「プロデューサーくんもそうなんでしょ」

ちらり

「何も言わないのは肯定と受け取るわよ」

ちらり

ちなみに言うと、ちらちらしているのは私ではない

「もう、何か言ったらどうなの」

ちらり

川島さんはわかっているのだ

私がどう反応をするのかを

「川島さん、      です」

何を言ったのかは想像に任せるとしよう

川島さんがとても喜ぶ言葉とだけ言っておく

「も、もう! そんなこと言われたって何も出ないわよ」

……嬉しそうにしちゃってまぁ

「でも、私の水着姿をたっぷりとみる権利をあげる」

杏も幸子も勝てないようなドヤ顔で

頬を真っ赤にして川島さんは言うのだった



おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>45のお題を頂戴します

ブルーナポレオン

「若いっていいわねぇ」

川島さんがため息と共に言った

「はぁ……」

見られているのは千枝の気のせいかな?

「千枝ちゃん」

「な、なんですか?」

あ、気のせいじゃなかったみたい

失礼、また忘れました
では、「ブルーナポレオン」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

「なんで逃げるのよ」

じりじりとこちらに近づいてくる

「体が勝手に?」

追いかけっこじゃないけど

追われると逃げちゃうのは仕方ないと思いませんか

「大丈夫、痛くないから」

手をワキワキさせながら、さらに近づいてくる

千枝、学校の先生に教わったんです

怪しい人に近づいちゃ駄目だよって

だから……

「川島さん! お疲れ様でした」

千枝は逃げます

「あっ、待ちなさい千枝ちゃん」

川島さんの右手がこっちに迫ってくる

ダンスの要領でくるっと方向を変える

「くっ、千枝ちゃんやるじゃないの」

大きく体制を崩した川島さんを横目に、ドアまで全力で走る

あと一メートルという所で

「千枝ちゃん、逃げちゃ駄目っスよ?」

えっ? 比奈さん?

なんでここにいるの

比奈さんに正面から抱きしめられる

「捕まえたっス」

痛くないけど、びくりとも動かない

やっぱり年上のお姉さんには力じゃ勝てません

「よくやったわ比奈ちゃん」

うふふ……と怪しく笑う川島さんが

千枝のすぐ後ろにいた

「いやぁ……離してください」

千枝、どんなことされちゃうんですか?

もしかして痛いことですか

そうなら、千枝、泣いちゃいますからね……

「大丈夫っスよー」

「そうそう、痛くないからねー」

痛いとき、皆そう言うんです

千枝知ってるんですからね!

「はーい、眼鏡もどうぞー」

春菜さんまで……

本当に千枝どうなっちゃうんですか?

あ、この眼鏡すごくぴったりです

「さて、準備はできたわ」

川島さんが持っているのは、リコーダー?

「さすが川島さんっスね」

千枝わかりません

「さぁ千枝ちゃん、奏でてごらんなさい」

あの、スマホを構えているのは何でですか?

「良い表情を見せてくださいっスね」

ノートとペンで何か書くんですか?

「次はこれかな……」

千枝、眼鏡に目覚めちゃいそうです

「「さぁ、千枝ちゃん」」

ああ、千枝、リコーダーを演奏しちゃうんですね……

「はいはい、そこまでだよ」

あ、沙理奈さん!

「もう、三人とも何やってるの」

良かった、沙理奈さんは千枝の味方みたい

「千枝ちゃんはピアニカでしょ?」

えっ?

聞き間違えちゃったかな

「さぁ、千枝ちゃん」

椅子に座らされた先には千枝が使っているピアニカ

「「「お姉さんに見せてもらえるかな?」」」

うん、きっとこれは夢だと思います

ほっぺたつねっても痛いのは気のせいです……


おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は<<58のお題を頂戴します

寝るので、起きたら書こうかと思います

おはようございます
では「>>46-55の悪夢から醒めた千枝ちゃん」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調なども目をつぶっていただければ……

ゆさゆさと体を揺さぶられて

「ち、千枝そんなことできません!」

目を開けたらお母さんがいた

「おはよう千枝、うなされてたけど大丈夫?」

……んー夢を見ていたような気がするんだけど思い出せない

いつも近くにいる人たちの夢だったような気がするんだけど

「朝ごはんできてるから食べちゃいましょ」

返事の代わりにお腹がくぅっと鳴った

ほかほかのご飯に卵焼き、お味噌汁に焼き魚

最後にお漬物

千枝のお家は和食が多いです

お父さんが言うには、お米食べないと力でないだろ? です

千枝もアイドル始めてから体に気を付けるようになったので、きちんとご飯を食べます

「いただきます」

まずはお味噌汁

ぷかぷかと浮かぶお豆腐となめこ

にゅるにゅるしたなめことお豆腐の食感

はぁ……お出汁とお味噌の香りがとっても良いです

さて、次は良い焼き色がついたお魚

身に箸を入れると、ふわっと香ばしい香りがします

数回噛んでから、ご飯をほおばる

飲みこんじゃうのがもったいないくらい美味しい

そして、綺麗な色をした卵焼き

お母さんがつくる卵焼きは甘くて、千枝大好きです

箸で一口分にするときの、ぷるっとした感じ

何層にもなっていてとても綺麗

きっと今の千枝はにこにこしてると思います

いただきます

口の中に入れると甘さと卵の風味

ずっと噛んでいたいです、それくらい美味しい

千枝、大きくなったらお母さんの卵焼きお腹いっぱい食べたいです

ん、今日はきゅうりの糠漬けと白菜の浅漬けかな

お母さんが糠を見せてくれたことがあったけど、変なにおいがしました……

でも、漬けたお野菜はとっても美味しい

「ふふっ、美味しい?」

お母さんが笑顔で聞いてくる

こんなときは笑顔で、こう言うんです

「うん! 美味しいよお母さん♪」

朝ごはんを食べたら何をしようかな

そんなことを考えながら、ゆっくりと朝ごはんを食べました





おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>67のお題を頂戴します

リアルふれふれまゆ

では「リアルふれふれまゆ」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
おれのまゆはこんなんじゃねぇ! などはご勘弁を……

雨が続いて撮影が滞っている

梅雨だから、と言われればそれまでではあるが……

おかげで事務が捗って仕方ない、ははは……

にしても、ちひろさんどこに行ったんだよ

こんな書類一人じゃさばききれない

気分転換に一服でもするか

喫煙スペースに向かおうとしたとき

大きな白い布をもったまゆを見つけた

呼び止めようとしたが、思いとどまる

まゆの手に握られた太い縄を見たからだ

あいつ、何をするつもりだ?

興味がわいた俺は後をつけてみることにした

まわりからはあーだこうだ言われているが

まゆは基本的に温厚な性格をしている

危ないことはしないとは思うが……

おっと今はまゆを追うことが先だ

この先には普段使わない会議室があるはずだ

その会議室の前で足をとめるまゆ

周りを何度か見渡してから中に入っていった

できるだけ足音を立てないようにして扉まで近づく

少しだけ扉が開いている

ここから中を覗けそうだ

……少しだけ怖くなってきた

隙間までもう少しという所で中から声が聞こえてきた

「ふひ……つるし上げるのも大変」

これは輝子か

「もりくぼはひ弱なんですけど……」

こっちは乃々か

三人で何をやってるんだ

意を決して覗き込んでみる

薄暗くてよく見えない

……輝子と乃々は確認できた

しかし、まゆはどこにいるんだ?

ん? 二人の前につらされている大きなもの

あれはまゆが持っていた布だろうか

よくよく見るとまゆのリボンも見える

あ……

扉に密着しすぎたのだろう

ぎぃと重い音をたてて開く

「輝子、乃々、まゆはどこだ?」

おそるおそる尋ねる

「親友、のぞき見は関心しないぞ」

「プロデューサさんは変態なんですけど」

そんな答えは求めていない

「まゆはどこだ?」

二人はきょとんとした顔をした後

無邪気に笑い出した

「おいおい、親友。まゆさんならここにいるぞ」

「ずっとここにいるんですけど」

くるりと大きな布がこちらを向く

「うふっ……」

そこにはてるてる坊主みたいなまゆがさかさまにつるされていた



こうですかわかりません>< おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>79のお題を頂戴します

無防備妄想ひなこ

では「無防備妄想ひなこ」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
ご意見、感想などは妄想でお願いいたします

「ただいま戻りました」

「おかえりなさい、プロデューサーさん」

ちひろさんが笑顔で出迎えてくれる

「外は暑かったでしょう? 冷たいものでも用意しますね」

「ありがとうございます」

仕事での良きパートナーだ

さて、事務所に誰かいるのだろうか

くるりと見渡すとアイドルが一人

「日菜子、お疲れさま」

「お疲れ様です~」

おっとりとした性格と優しい目つきの女の子

少しと言うかだいぶ妄想がちなのが玉に瑕だが……

「いやー今日も暑いな」

スラックスとジャケットはきつい

「むふ、そうですね~」

ちらりとこちらを見る日菜子

「汗がしたたるプロデューサーさん……むふふ♪」

あ、これだめなやつだ

「むふふ♪」

こうなっちゃうと長いんだよなぁ……

「プロデューサーさんの胸板……たくましい♪」

妄想の中で俺は何をされているのだろう

「あ、待ってください……それはまだおあずけです♪」

どうしよう、止めたほうがいいかな

しかし……

「もう、せっかちさんですね~♪」

内腿をぎゅっと閉じ、身じろぎをする

短いスカートがふわりと揺れて

綺麗な太ももとふくらはぎが見える

「どうしたんですか~、日菜子の足を見て~♪」

びくりとした

「いや、そういうわけじゃないぞ!」

慌てて弁解するが

「むふふ~♪」

嘘だろ、妄想の中で返事したのかこいつ

くねくねとした日菜子はまだ妄想の中らしい

「え、日菜子のお山が見たい、ですか~」

こっちを挑発するような目つきに変わる

「男の人に見せたことないんですよ~♪」

日菜子が自分のシャツに手をかける

ごくり、と自分が唾を飲むのがわかった

「えっちですね~♪」

一つボタンが外される

「むふふ♪」

もう一つのボタンに手がかかった時だった

「おまたせしましたプロデューサーさん」

ちひろさん!?

そういや飲み物を用意してくれていたんだっけ

「私特製のアイスコーヒーです♪」

グラスの中で氷がカランと踊る

「おお、美味しそうですね……」

ちひろさんは今来たばかりだし

このことは見られてはいないだろう

「むふふ♪」

このとき俺は気付いた

しっかりと俺の目を見てにこりと笑う日菜子に

「続きはまた今度ですね~♪」

ぼそり、と俺に囁く日菜子

「お、お前……」

「むふ、むふふ~♪」




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>90のお題を頂戴します

席を外すので、再開は夕方あたりから……

ほたると肝試し

では「ほたると肝試し」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

夏と言えば

海、花火、おまつり等イベントが多い季節

その中に肝試しというものがある

簡単に言うと、恐怖に耐えるゲーム、男女でやると盛り上がるゲーム

自分も学生時代にはよくやったものだ

今回アイドルたちとの交流の一環として行われると聞き、プロデューサーの自分も集合がかかった

ペア探しはシンプルにくじ引き

数字が同じ者同士でペアをつくる

自分の番号は……4番

もう片方の相手は誰になるのだろう

こちらのくじ引きが終わり、片方のくじ引きも始まった

しかしまぁ、女所帯である

アイドル事務所なので仕方ないのだが……

おっと、ベアができつつあるようだ

自分の番号と同じ者は……

「あの……プロデューサーさん」

おずおずとした声が聞こえる

くるりと振り返ると、白菊ほたるが立っていた

「こんばんは、白菊さん」

「こんばんは」

ゆっくりとお辞儀をする

「もしかして、私の相手は白菊さんですか?」

「は、はいっ……そうみたいです」

びくりとした後にうつむいてしまった

「すみません、私が同じ番号で……」

彼女はどうにもネガティブに考えるくせがある

「プロデューサーさんに何かあるといけないので……」

くじを返してきますね、と言い切る前に大きな声でかき消した

「では行きましょうか、白菊さん」

「えっ……」

困ったような顔をしている

「私の不幸体質のせいで迷惑をかけてしまうかも……」

……こういう時は多少強引のほうが良いだろう

そう思い

「すみません、白菊さん」

一言あやまり

「え、プロデューサーさん?」

彼女の手を掴むと、肝試しに出発するとした

「わ、わ……ちょっと待ってください」

慌てたような声を出す白菊さんの手を引く

「私も学生時代によくやったものです」

「私、こういうの初めてで……」

こういうのは同年代とやると盛り上がるんだが

年上のプロデューサーが相手で悪いことをしたなぁ……

「プロデューサーさん、もう少しゆっくりでお願いします……」

少し息が乱れているようだ

「すみません、つい」

自分と彼女とでは歩幅がだいぶ違う

歩くのを彼女のペースに合わせる

ここまで来ればもう大丈夫だろうと思い、手を放す

「あっ……」

悲しそうな声が聞こえたのは気のせいだろう

「すみません……怖いので手は離さないでください」

弱しく弱しくお願いをする白菊さん

その様子はまるで子犬の様で

年上でもあり、男でもある自分は、彼女を守ってやらなければいけないと思った

「わかりました」

手を差し出すと、おそるおそる手を重ねてくる

自分よりかなり小さな手

痛くしないように優しく握る

「改めて行きましょうか、白菊さん」

「は、はいっ」

儚げで、可憐な彼女を笑顔

少し胸が高まったのは秘密にしておこう



おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>103のお題を頂戴します

夕暮れの事務所で未央と

では「夕暮れの事務所で未央と」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

夕方にもなるとこの暑さもいくらか和らぐ

外回りから事務所に戻ると

ちひろさんが目の前で人差し指を立てて

「しーっですよ、プロデューサーさん」

ウィンクもいただきました

「おっと、誰か寝ているのですか?」

こくりと頷くちひろさん

ソファーを見ると見慣れた外はねのショートカット

ははぁ、未央か……

「私は部長とのお話があるので、未央ちゃんが起きたら送ってあげてくださいね」

これはつまり、送ったら自分も帰っていいということだ

いつもすみません、ちひろさん

「では、私はこれで」

お連れ様でしたとちひろさん

「あ、いたずらしちゃ駄目ですからね」

いたずらっぽく笑いながら言われた

「冗談はやめてくださいよ」

「ふふ、すみません」

では、失礼しますとちひろさんは部屋を出て行った

さーて、眠り姫が起きるまで自分は何をしようかな

……プレゼン用の資料をまとめるか

つけっぱなしのパソコンに座る

メールチェックをしてから、資料のまとめにはいる

あ、ここの数字間違えてたな

ここも見直しが必要っと……

1時間ほど経っただろうか、未央はまだ起きる気配が無い

仕事も落ち着くと手持無沙汰になった

さて、どうしようか

未央の様子でも見るか?

なんとはなしに逆のソファーの座る

目の前のテーブルには何かの台本と細かく書き込まれたノート

心の中で断り、ノートを見せてもらう

ほほう、これは……

女の子らしい可愛い文字がびっしりと書き込まれている

さすがはニュージェネのリーダーということか

ステージでの掛け合い、アドリブ、はてはトークまで

いやはや、少し前にアイドル止めるって言ったやつとは思えないね

プロジェクトも軌道に乗った今

アイドル達が自分の手の届かない場所まで行きつつある

それがとても嬉しくもあり、反面、悲しくある

「頑張ってるよ、お前たちは」

未央の頭にぽんと手を置く

「スカウトしてからいろいろあったけど、やっぱり間違いなかった」

やさしく撫でる

さらりとした感触が心地よい

「いつかはお前たちも巣立っていくのかな」

女優路線、タレント路線、未央なら選び放題だ

いつかはアイドル部門から離れていくのだろう

その時は必ずやってくる

その時は笑って祝ってやらなければならない

だから、そのときが来るまで

そのときがいつきても良いように

自分がきっちりと導いてあげないと

「自分も頑張るからな、未央」

さらりと

「頑張り屋なお前に負けないようにさ」

あれ?

未央の顔がどんどん赤くなっていく

「もうっ!」

かっと目を開いた未央は吠えた

「恥ずかしいこと言わないでよプロデューサー!」

えっと、すみません?

「こんな状況はおきられないじゃん……」

起きてるじゃないですか……

「とりあえず、おはよう未央」

「おはようございます! って違うでしょ」

あいさつは大事ですよ

「そんなにぷりぷりするなよ」

可愛い顔が台無しだぜ? とは言えなかった

「こんな風にしたのは誰のせいなの?」

ぷくっと頬を膨らませ講義してくる

すかさず、突いてみた

「ぷー」

間抜けな音が出た

「プロデューサーのばかっ」

ああ、未央をからかうの本当に面白いな

「もう知らないんだからねっ!」

そっぽを向く未央

ころころと表情を変える未央を見るのは楽しい

表現力豊かなんだなぁ

「わたしは怒ってるんだからねっ」

ちらりとこちらを見る

「申し訳ございませんでした」

悪かったから、ジト目でこっちを見るなよ

「反省してる?」

それはもう、はい

「今度買い物付き合ってくれる?」

時間が合えばぜひ

「ご飯奢ってくれる?」

財布様と相談してみます

「ははー、未央様の言うとおりに……」

……なーんて

「「あははっ」」

「あー面白かった!」

やっと笑顔に戻ってくれた

「で、も! 寝ている未央ちゃんの頭を撫でるのはどうかと思いますなぁ」

にやにやと笑いながら未央が言う

「いや、すまない」

これは素直に謝ろう

「ま、仕方ないよね、未央ちゃん魅力的だから」

いたずらっぽく笑う

「ああ、未央が可愛いから仕方なかったんだ」

あ、やべ……

「……」

くるりと明後日のほうを向いてしまった

「そいういうこと軽く言っちゃだめだよ」

「すまん」

俺の口は滑りやすいみたいだ

「ま、いいや! 許してあげる」

振り向いた未央は素晴らしい笑顔で

夕日のせいか頬が真っ赤だったけれど

「さて、未央ちゃんと一緒の帰らせてあげよう」

ドヤ顔で腕を組んでくる未央に

今日は振り回されてやろうかと観念するのだった




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>119のお題を頂戴します

次のお題でラストとさせていただきます
とっておきのお題をお待ちしております

姉ヶ崎更衣室着替え中にP突入

では「姉ヶ崎更衣室着替え中にP突入 」で最後とさせていただきます
短いかもしれませんがご容赦を
妹ヶ崎さんはお姉ちゃんに文句を言わないでください

はぁ、まいっちゃうな……

突然の雨に降られて服がびしょびしょ

おまけに、水たまりにはまるなんて

ほたるちゃん構いすぎて不幸体質が移っちゃったのかな?

もう仕事が終わった後だからいいんだけどね

事務所に行けばジャージがあるし

早く着替えたいなぁ……

事務所に着くと同時に更衣室に向かう

うう……気持ち悪くて動きづらいし

こんな姿見られたくないし、早く行こう

フレデリカや周子に見つかったらめんどいことになりそう

そもそも、私っていじられキャラだったけ?

Lippsで皆と活動できるのはすごい楽しい

随分と個性派だけど、皆とても良い子だし

でも、私がいじられキャラってどうなの!?

カリスマギャルとか言われてるのに……

はぁ、かっこわるい

いけないいけない、ため息ついちゃうと幸せ逃げちゃうって言うしね

よし! 気持ち切り替えよっと

更衣室のドアを勢いよくあける

ん? lineで更衣室がどうとか来てたけどなんだったっけ?

まぁいいか、更衣室つかうのアイドルくらいだし

とりあえず今はこのびちょびちょの服を脱ぐのは先でしょ

ううう……濡れたシャツが肌にくっついて脱ぎにくい

シャツを抜くのに苦戦して、スカートに手をかけた時だった

更衣室のドアが静かに開く

この時間だと誰だろう、ニュージェネかな? それともクローネかな?

私のロッカーの前だと誰が入ってきたか見ることができない

できないんだけど……

ロッカーより大きなアイドルっていたっけ?

きらりちゃんはもしかしたらだけど、髪型違うよね?

じゃあ誰……?

新人さん?

その可能性もなくはないけど……

あーもう、わかんな……い

「あっ……」

ハスキーな声、そして見慣れた顔

あ、プロデューサーだったんだ

なーんだ、不審者かと思っちゃったよー

「……」

「い、いやぁぁぁぁぁ!!!

「なんであんたがここにいるの!?」

シャツで前を隠す

ああああ、頭の中ぐちゃぐちゃでどうすればいいかわかんない

「す、すみません……」

プロデューサーは私が叫んだ時に後ろを向いていた

「それと、叫ぶのはやめてください……」

もとはと言えばあんたが原因でしょ!

「見たでしょ……」

誰にも見せたことないのに

「すみません……」

いつもの首に手をやる仕草

きっと困った顔をしているのだろう

乙女の柔肌見たんだから、どうしてやろうかな

「私じゃなくて、ほかの人だったらどうしてたの?」

面識がないアイドルだったら警察呼ばれちゃうよ?

「面目ないです、城ヶ崎さん」

「美嘉!」

この前そう呼ぶように言ったでしょ!

まったく……

「すみません、美嘉さん」

あっちを向いたままお辞儀をしている

大きな体がゆっくりと動く

何かシュールで少し笑っちゃった

「そもそも、なんであんたがここにいるの?」

そうだ、ここは女子更衣室

男の人が入ってくるなんてありえない

というか、入れないようになっている

「美嘉さん、この前の連絡は覚えていますか?」

lineのことかな

「携帯電話を見ていただいてもよろしいですか」

説明になっていないような気もするけど

あんたがそこまで言うなら

スマホのロックを解いて、lineを確認する

事務所のグループlineかな

タップして連絡とやらを見てみる

「え……?」

更衣室の改修に伴う、一時的な場所変更?

ちょっと、どういこと?

「ねぇ、説明してくれる?」

……丁寧に説明してもらった

昨日からアイドルたちはここを使っていない

プロデューサーは最終確認をしにこちらに来た

そして、私と鉢合わせた……と

悪いの私じゃん……

連絡をきちんと見ないでこのありさまなんて……

ほんとかっこわるい

じわりと視界がにじむ

「う……」

あー! もう泣いてやるからね

「ううう……」

あとはプロデューサーになんとかしてもらおう

「美嘉さん」

「こっちみないでよぉ……ばかぁ」

慌てるプロデューサー

「す、すみません……」

さっきから謝ってばかりだね

大きな体なのにペコペコしちゃってさ

笑っちゃうからやめてよね……

「絶対こっち向いちゃ駄目だからね」

「はい?」

何かを言いかけていたけど、知らない

プロデューサーの背中に体重を預ける

「美嘉さん?」

立ってるの疲れちゃったの!

それ以外に意味なんてないだからね

「もう少しだけ」

じゃなきゃ、また泣くからね

「……わかりました」

今日はついてなかったなぁ……

帰りに美味しいものでもごちそうしてもらって

莉嘉に自慢して憂さ晴らししちゃおうっと




おしまい

以上で【モバマスSS】お題は星の数だけをお開きとさせていただきます
改めて読んでくれたかたに感謝を
そして、たくさんのお題ありがとうございました
やっぱり即興は難しいですね、勉強させていただきました
また読んでいただく機会があればお願いします

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