利根「附子じゃと?」 (73)

利根「おいこら提督、おぬし吾輩に対してブスとはいい度胸じゃの」

利根「確かにお主と吾輩は付き合いも長いし、多少の軽口も水には流すが」

利根「じゃからと言って人をいきなりブスなどと暴言を吐くのは考えものじゃぞ?」

筑摩「姉さん、落ち着いて」

利根「だいたいお主は昔から…………」クドクドクドクド




提督「いいから落ち着いて、利根。私はそんなこと一言も言ってないから」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464177909

※初ssです、多少無礼はあると思いますがご容赦を

※提督は女性なので(一応)イチャラブはありません

利根「ふぇ?どういうことじゃ?」

提督「だから。私はこれから大本営の会議に出かけてくるから、その間筑摩と2人で留守番しててって言ってるの」

提督「で、今訳あって厳重管理を命じられてるものがあるんだけど」つ デカい缶

提督「これの見張りをしててほしいって言ってるんだよ」

利根「なんと!留守番じゃったか。それなら最初からそう言えばいいものを」

筑摩「提督は最初から言っているじゃないですか、姉さん…」

利根「して、その缶には何が入っておるのじゃ?」

提督「それもさっき説明したはずなんだけどなぁ…」ハァ

提督「まいいや。この中にはね」








提督「泣く子も黙る猛毒『附子』が入ってるんだよ」キラーン

利根「…………」

筑摩「…………」

提督「…………」







提督「あれ、反応なし?」

利根「…その『附子』とやらがどういうものなのかが、吾輩にはよくわからんのう」

利根「一応、暴言のブスではないことはわかったがの」

筑摩「姉さん、提督が姉さんにそんなひどいことを言うわけがないじゃないですか」

提督「附子っていうのはね」

提督「トリカブトの塊根から採れる猛毒で、生薬として使われることもあるんだ」

提督「主な毒成分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、他にメサコニチン、アコニン、ヒバコニチン、低毒性成分のアチシンの他ソンゴリンなどらしい」(brウィキペディア)

提督「昔は狩りに使われていたこともあるらしいよ」

利根「ほほう………」

筑摩「提督、お詳しいですね」

提督「ちなみにこの附子を摂取して中毒になってしまうと、神経中毒になって顔が無表情になってしまうらしい」

提督「これが不細工の意味の『ブス』の由来だね」

利根「あながち無関係だったわけでもないようじゃの」

筑摩「でも、提督。そんな危険なものがどうしてこの鎮守府にあるのですか?」

筑摩「そんなものがここにあると知られたら、まして深海棲艦の手に渡りでもしたら」

筑摩「提督も降格処分どころでは済まないと思います」

筑摩「それなら厳重管理よりも、大本営に報告して処分をお願いしたほうがよいのでは?」


提督「…………あー、それはね」

提督「明石がまた変な薬作ろうとしてて、その材料のひとつにこれがあったんだ」

提督「取り上げたのはいいんだけど、なにぶん大作戦の真っ最中だし」

提督「まだ大本営に報告できてないんだよね」

提督「だから作戦が終わり次第報告しようと思って、とりあえずは私の監視下に置いてるところなの」

筑摩「最終海域で詰まっていますしね、私達…」

利根「もう少しというところなのじゃがの。じれったいところじゃ」

提督「っと!そろそろ電車の時間ね」

提督「そういうわけで、2人ともよろしくね!できるだけ急いで帰ってくるから!!」

筑摩「はい、行ってらっしゃいませ、提督」

利根「気をつけて行くのじゃぞ~!」




ドアガチャ

バタン

利根「………………」

筑摩「………………」




利根「筑摩よ」

筑摩「はい、姉さん」

利根「今日はやけに人が少ない日じゃの」

利根「大抵は吾輩が演習に行ってお主が留守番しているか、お主が出撃して吾輩が留守番しているというのに」

利根「こうやって2人きりになるのも、久しぶりじゃのう」

筑摩「今日は大怪我した子達が入渠ドックに入り浸ってしばらく出てきませんし」

筑摩「他の子たちも近海哨戒や長時間遠征に出払っていて、しばらく帰ってきそうにありませんね」

筑摩「少なくとも今日一日は私達2人きりだと思います」




利根「………冷静に考えてみると無防備過ぎやせぬか?」

筑摩「奇遇ですね、私もそう思います」

>>7 ×brウィキペディア ○byウィキペディア

演習してくるので更新止まります

電車移動()

>>12
その辺の設定はあまり考えてなかったです、すみません

続き投下します

利根「して、その附子とやらじゃが」

附子の缶「」ドーン

利根「結構存在感あるのう」

利根「明石が本当にこんなものを隠し持っていたのかの」

筑摩「あの人は結構いろんなものを持っていますよ。メタクリル酸とかトリクロロ酢酸とか」

筑摩「たまに変な薬を作って提督に大目玉を喰らっていますし」

利根「逆に大目玉くらいで済むのが不思議なくらいじゃのう…」ハァ

利根「まぁ、それはそれとして」

利根「これだけ存在感あると、気にならない方がおかしいくらいじゃが」

附子の缶「」ドーン










筑摩「提督のお仕事を片付けましょうか」

利根「じゃの」

利根「…………………」カリカリカリカリカリ

筑摩「…………………」サラサラサラサラサラ





利根「………」チラッ


附子の缶「」ドーン






利根「…………」カリカリカリカリ

筑摩「………………」サラサラサラサラサラ

利根「…………」カリカリカリカリ





利根「………」チラッ




附子の缶「」ドーン

利根(しかし、猛毒とはわかっておるが気になって気になって仕方がないのう)

利根(狩りに使われるほどの猛毒を執務室に置く提督も提督じゃがの)

利根(あやつの感覚は時々吾輩にも理解できぬことがあるしのう)

利根(それにしてもあの缶、心なしか美味そうな匂いがしてくるような…)



利根(ハッ!!バ、バカな。吾輩としたことが毒を美味そうなどと思うとは)

利根(吾輩は疲れておるのじゃ。そうじゃ、そうに違いないのじゃ!)

利根(提督のやつ、こんなに大量の仕事を残しおってからの…)ハァ

書類の山「」ドンッ

筑摩「姉さん、そろそろお疲れでしょうし休憩しませんか?」

利根「お、おぉ、そうじゃの。ちょうど吾輩もそうしようと思ってたところじゃ」

筑摩「ふふ、よかったです。お茶入れてきますね」スッ

利根「おぉ!助かるぞ、筑摩よ。さすが吾輩の妹じゃ」

筑摩「褒めても何もでませんよ。うふふ♪」







附子の缶「」ドーン

筑摩「はい、お待たせしました、姉さん」コト

利根「おぉ、ありがたいぞ!」ズズー

筑摩「姉さん、肩凝っていませんか?私が揉みますね」モミモミ

利根「ん゙ああ゙~~~~~っ、ぢぐまのがだも゙み゙はざいごうじゃの~~~~」

筑摩「結構凝っていますね。この間もリコリス棲姫相手に大立ち回りしていましたし」

筑摩「頑張り屋なのも姉さんのいいところですけど、たまには休まないとダメですよ?」モミモミ

利根「ん゙~、分かっておるのじゃ。じゃが提督がいつも喜んでくれるでの」

利根「リコリスのやつに止めを刺して帰った時も、提督が今までにないほど大喜びしておってな」

利根「筑摩に負けられんというのもあるのじゃが、あの笑顔を見るとついつい頑張りすぎてしまうのじゃ」キラキラ

筑摩(ほんとは私ももっと褒めてほしいんだけどなぁ…)ハァ








附子の缶「」ドーン

今日はとりあえずここまで

続きは明日仕事から帰ってから書きます

こんばんは、昨日は思いがけず仕事が長引きました申し訳ない

続き行きます

利根「」ジーッ

附子の缶「」ドーン





利根「…ときに、筑摩よ」

筑摩「何でしょう、姉さん?」

利根「吾輩、どうにもあの缶が気になって気になって仕方がなくてのう」

利根「触るなよ?絶対触るなよ?などと念を押されれば余計に気になってしまうのじゃ」

筑摩「姉さん、仕事してくださいよ…」ハァ

利根「おぬしは気にならんのか?あれが」

筑摩「仮に気になったとしても無闇に触るわけには行きませんし。万が一のことがあったらいけませんから」

筑摩「さ、おしゃべりはこのくらいにして続きやりますよ」

利根「だが断るぞ」

筑摩「…へ?姉さん?」

利根「ひとつ!吾輩はあの缶が気になって仕事が手につかぬのじゃ」

利根「すなわち。あの缶を調査し正体を確認することが吾輩の士気につなg





筑摩「そんなに気になるのでしたら私がどこかに移動させますから」カンモチアゲー

利根「ちょおおおおおお待てぇええええい!!まだ吾輩の話は終わっておらぬぞ!!!」

利根「だいたいおぬし!!毒物を無闇に素手で扱ってはならぬ!!」

利根「附子がおぬしの手についたらどうするのじゃ!!」ガミガミ

筑摩(何で私が怒られてるんだろう…)

利根「ふたつ!これは吾輩の気のせいかもしれぬがの」

利根「あの缶から心なしか、美味そうな匂いg





筑摩「やっぱりこれどこかに撤去しますね」カンモチアゲー

利根「待てぇぇぇえええええええいい!!!!!」

筑摩「だってどう考えてもおかしいじゃないですか」

筑摩「猛毒が美味しそうな匂いがするなんてあり得ませんし」

筑摩「確かにテングタケの毒もうま味成分だとは言いますけど、毒を食べて死んでしまったら元も子もないでしょう?」

利根「いや吾輩たちは艦娘じゃから毒が効かぬという可能性も…」ブツブツ

筑摩「それでもダメです」キッパリ

筑摩「姉さんに毒を食べさせるわけには行きません。それならいっそ私が」






利根「おぉ?言ったな、筑摩?」

筑摩「へ?」

利根「決めたぞ!おぬしがあの缶を調査してくるのじゃ!話はそれからなのじゃ!」

筑摩「いえ姉さん、さっきの発言5分で撤回してどうするんですか」

利根「附子を食うと言ったのはおぬしじゃ!吾輩ではないぞ!!」

筑摩「言ってません!!」



ワーワー
ギャーギャー

~10分後~




筑摩「ハァ…仕方ありませんね」

筑摩「姉さんがそこまで言うなら、私も一緒に付き合いますよ」

筑摩「ちょうど仕事も一段落したところですし」

利根「やったぞ!!」

筑摩「でも姉さん。それはそうと、どうやってあの缶を調査するのですか?」

筑摩「そこまでの猛毒なら近づいただけでも危険だと思いますし」

筑摩「まして調査などもってのほかだと思いますが」

利根「ふっふっふ…吾輩を侮るでないぞ」

利根「これを使うのじゃ!!」




テレレレッテレー
「磯風ウチワ~!!」

筑摩「姉さん、これは?」

利根「見ての通り磯風のウチワじゃ。去年の秋にサンマ料理に使っていたものを借りてきたのじゃ」

利根「ちゃんとおぬしの分もあるぞ。ほれ」つ磯風ウチワ

筑摩「ある意味附子よりも危険なもののような気がしますが…」

筑摩「というかかすかにサンマの匂いが残っていますね」

利根「あやつ、サンマをことごとく真っ黒焦げにしよったからの」ハァ

利根「このウチワで仰ぎつつじゃな…」



ササササッ

ササササッ




利根「之字運動で附子の缶に近づくのじゃ!!」
※之字運動:いわゆるジグザグ航行

利根「これなら附子の毒気に中てられることなく缶に近づけるぞ!!」




筑摩「やっぱり姉さんが一人でやってください」

利根「だらっしゃああああああ!!」

(あ、まんまなんだ)

利根「」パタパタ ササササッ

筑摩(結局一緒に付き合うことになったけど)パタパタ ササササッ

利根「」パタパタ ササササッ

筑摩(何で私もこんなことやってるんだろう…)パタパタ ササササッ

利根「」パタパタ ササササッ

筑摩(こんなところ、提督に見られたら絶対…)ハァ





利根「よし、附子の缶に接舷成功じゃ!」

附子の缶「」ドーン

利根「この缶の蓋を開けてじゃな…」

附子の缶「」パカッ

利根「中を覗いてみると…」






利根「おぉ…何か黒くて固まったものがぎっしり入っておるのう」

利根「吾輩も見るのは初めてじゃが、これが附子なのじゃなの」

筑摩「どれどれ…」


筑摩「あら、本当に真っ黒なんですね。私も初めて見ました」

>>34
本当はフタのヒモを解く→フタを開ける→中を覗くの3段階でパタパタ之字運動をやるのですが
あまりにだるいので1回に省略しています

利根「うぅむ…しかし蓋を開ける前からそうじゃったが」

利根「こうしてみるとなんとも言えぬ甘い匂いがするのう」

筑摩「確かにこれはまるで…って、いけません姉さん!!」

筑摩「仮にも猛毒を美味しそうなんて言ってはいけません!!」

筑摩「姉さんは少しお腹が空いているだけなんです!ほら、もうすぐお昼時ですし、ね?」つ時計(12時)

筑摩「今日は私がお昼を作ってあげますし、食事を終わらせてからまた調査しましょう。ね、姉さん?」








利根「えぇいっ!吾輩を止めてくれるな、筑摩!!」ヒョイパク

筑摩「ダメえええええええええ!!姉さんっ!!」

利根「…………む?」モグモグ

筑摩「ね、姉さん!!大丈夫ですか!?」

筑摩「まだ口にいれた段階ですし、こうなったら私が吸い出しt






利根「羊羹じゃ」

筑摩「へ?」

利根「間宮の羊羹じゃ、これ」モグモグ

筑摩「…ね、姉さん、意識は大丈夫ですか?」

筑摩「毒を口に入れてしまって幻覚を見ているのでは…」オソルオソル

利根「阿呆。どこの世界にこんな毒があるか」つ附子? ヒョイ

利根「吾輩も食べるのは何年かぶりじゃから間宮のかはわからんがの。羊羹なのは確かじゃぞ」

筑摩「」オソルオソル



パク



筑摩「…………本当だ。羊羹ですね」

利根「じゃろ?」ドヤ

利根「提督のやつ、間宮羊羹を毒などと偽って吾輩たちに隠しておくとは実にけしからんな」モグモグ

利根「最初に『管理を命じられた』と言いながら後で『明石から取り上げて管理してる』などと言ったところからして怪しいとは思っていたがの」モグモグ

利根「少しは吾輩たちを労って分けてくれてもよかろうに」モグモグ

筑摩「そんなことしたら赤城さんに平らげられるじゃないですか」モグモグ

筑摩「今回の作戦では赤城さんも加賀さんも大活躍していますし、あのお二人なら間宮羊羹1000本でも足りないと思いますよ」モグモグ

利根「おぬしも食べておいて言えたことではないがの…」モグモグ

~10分後~

羊羹の缶「」カラッポ



利根「ふぅー、食ったぞ食ったぞ」キラキラ

筑摩「お昼前に甘いものはダメですよ、姉さん」キラキラ

筑摩「ほら、間宮羊羹全部なくなっちゃったじゃないですか」








利根「え」

今日はひとまずここまで
オチは少しひねってあるつもりなのですが捻りが足りないようなので
少し練りなおしてみます

おはようございます
昨日は荒らしてしまったようで申し訳ないです、反省しています
とりあえず完結させようと思いますので最後までお付き合い願います

利根「お、おい、筑摩、いま何と…」

筑摩「だから。羊羹全部食べちゃいましたって言ってるんですよ」つ缶

羊羹の缶「」カラッポ





利根「ひえーーーーーーっ!!えらいことじゃ!!」

筑摩「何いきなり比叡さんを憑依させてるんですか姉さん」

利根「だだだだだだって提督は!!これを見張れとは言っておったが、食えとは言っていなかったぞ!!」

利根「ましてこれを毒などと偽るほど食ってほしくなかったということじゃ!!」

利根「それを吾輩たちで食ったなどと言ったら謹慎処分じゃすまぬぞ!!」

筑摩「今更気がついたんですか、姉さん」ハァ





利根「そうじゃ!吾輩にいい案があるぞ!!」ビシッ

~作戦その1~




提督「たっだいま~…って、利根、筑摩!何で泣いて…」

利根「うぅ…ひっぐ…」ポロポロ

筑摩「申し訳ありません提督…私達というものがありながら…」ポロポロ




利根「提督が司令長官から贈られた掛け軸を、吾輩が破いてしまったのじゃ…」ポロポロ

筑摩「なんでそうなるんですか」ペシッ

利根「あうふっ!!」

筑摩「あれですか?そのためだけに提督の大切な掛け軸をわざと破って」

筑摩「掛け軸を破った詫びに死のうと思って毒を食べたけど死ねませんでしたというオチですか?」

筑摩「そのためだけにものを壊すのは感心しませんし」

筑摩「第一、解体届けを出す方がずっと誠意が伝わるのではないですか?」

利根「うぅう…じゃからといっていきなりはたかなくてもよいではないか…」





利根「なら、これはどうかの?」

~作戦その2~




提督「ただいま~…って利根、筑摩!何頭を抱えてるの!?」

利根「うぅ~む…うまく行かぬものじゃのう…」

筑摩「提督、大変申し訳ありません」

筑摩「姉さん、大規模作戦を少しでも楽にしようと思って」






筑摩「残りの資源全部大型建造に突っ込んだみたいです」

提督「」

筑摩「ますます意味がわかりません」ペシッ

利根「あ痛っ!!」

筑摩「確かにさっきよりはいくらか筋が通っているかもしれませんが」

筑摩「作戦を終えてアイオワさんを迎えるのを提督も楽しみにしているのに、本末転倒じゃないですか」

筑摩「それでなくても今回の作戦で秋月さんや照月さんもお迎えしようと楽しみにしていらっしゃるのに」

筑摩「だいたい、そこからどうやって毒に繋げるんですか」

利根「むぅ~…じゃから、大型建造したが陸奥しかできなかったというオチでじゃな…」

筑摩「逆に大和さんができたら説明がつかないじゃないですか」

利根「あ」

筑摩「もう、姉さん。下手に隠し通さないで、ここは素直に提督に打ち明けましょう?」

筑摩「私たちに嘘をついたことは提督にも非がありますし、提督も納得してくださいますよ」





利根「そうじゃ!!これならどうじゃ!?」

筑摩「また碌でもないことを考えついたんですか姉さん」ハァ

利根「いいから耳を貸すのじゃ!」ヒソヒソ

筑摩「ふむふむ…なるほど。確かにそれはいい考えですね」

利根「じゃろう?吾輩が碌なことしか考えないと思ったら大間違いなのじゃ」ドヤ

筑摩(9割方碌なことを考えていないと思っていましたが…」

利根「何か言ったかの?」

筑摩「い、いえ!何も!!」

筑摩「でも、姉さん。それには下準備がいるのでは?」

利根「心配するでない!この間ザラにもらったものを使うのじゃ」

利根「もっとも正確にはポーラが隠し持って来たものをザラが取り上げたようじゃがの」

筑摩「あのお二人、お酒さえ絡まなければ良い姉妹なんですけどね…」ヤレヤレ

利根「とにかく!そうと決まれば早速作戦開始じゃ!!」

利根「提督が帰ってくるまで時間がないぞ!!」ダッ

筑摩「あっ、姉さん!…もう言ってしまったわね」

筑摩「とりあえず私はこの缶を片付けましょうか」

羊羹の缶「」ヒョイ

~4時間後~





提督「ふぃー、ただいまー!」

提督「ごめんねー、司令長官に捕まってお説教に付き合わされちゃってさぁ」

利根「おかえりなのじゃ!」

筑摩「おかえりなさいませ、提督。ご無事に帰ってきて何よりです」

提督「よいしょっと…あ、2人とも私の仕事を片付けておいてくれたのね」

提督「これと、これと…あ、これもやってくれたんだ。ありがとう!」

筑摩「いいえ。当然のことをしたまでですから、感謝されるほどではございませんよ」

利根「しかしかなりの量が溜まっておったぞ。ついさっき筑摩と一緒に片付け終わったところじゃ」

利根「普段からあまり仕事してないのではないかの、提督?」ビシ

提督「あはは…そんなことないよ。ただ仕事が普段の倍くらい舞い込んできただけで」

筑摩「提督はもう少し私達を頼ってもいいと思いますよ」ニコニコ

×4時間 ○1時間

時間がないと言っているのに4時間もかかるとはどういうことだ…ガバガバ設定で申し訳ないorz

提督(さて、例のアレは…)

提督(………………)キョロキョロ

提督(………………あれ?)

提督「そういえば出掛けに見張りを頼んだ例のアレはどうしたの?」

利根「あぁ、あれか?あれはじゃな…」





利根「廃棄物処理業者を呼んで引き取ってもらったぞ」ドヤ

提督「え………………え?え???」

利根「ほら、言っておったじゃろう?明石から附子を取り上げたはいいが大本営に報告ができておらぬと」

利根「事情はどうあれ、執務室に毒物が長時間放置してあるのは問題じゃろう?」

利根「ここは人の出入りも激しいし、何かの弾みに食べ物などに混入しては大問題になるからの」

筑摩「そこでひとまず、業者さんをお呼びして引き取っていただいたんですよ」

筑摩「念の為に執務室もきれいに洗浄していただきましたし、もう毒物の心配はございませんよ」

提督「え、え、…ちょっと待って」パラパラ

提督「ほんとだ…入出場許可書が置いてある」

筑摩(こんな事もあろうかと、業者さんに明石さんの劇物を全部引き取っていただいたんですよ)ヒソヒソ

利根(おぬし意外と悪巧みが上手いのじゃの)ヒソヒソ

提督「」チーン

利根「そういうわけでじゃな。吾輩たちはそろそろ帰投するぞ」

筑摩「提督もお疲れでしょう、ゆっくりお休みくださいね」

筑摩「それでは、失礼いたします」




ドアガチャ

パタン

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月29日 (月) 13:14:00   ID: 8TKRgfHx

古文でこんな話があった気がする。
坊主の飴を盗み食べしたのに理由をつけた話。

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