ボルト「魔界?」サラダ「いやな予感」ラハール「ハァーハッハッハッハッ」 (73)



以前に二作品ディスガイアとNARUTOのクロスを書いた者です。

今回は前々回の再構成ではなく一から書き直した物となります。

そのため前回と前々回を見て無くても問題ありません



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460308989




【前編 魔界編】






エトナ「殿下ー。どうしますか?」

ラハール「……」

エトナ「メーヴェルちゃんが魔界インフルエンザにかかって魔力が暴走」

エトナ「魔界の時空間が歪みまくって色々なセカイと繋がってますよ」

ラハール「メーヴェルはどうしてる」

エトナ「魔界病院でフロンちゃんとシシリーちゃんが看てますから、今は安定しているようです」

ラハール「……そうか」



エトナ「前回みたいに殿下の首を狙う魔王やら魔神やら破壊神やらよく分からないのが来るかもしれませんよ?」

ラハール「ふん。望むところだ。オレ様に盾突く者は返り討ちにしてやる」

エトナ「まー、せいぜい頑張って下さいね」

ラハール「おいまて。手伝わないのか?」

エトナ「え。手伝って欲しいんですか? あ、もしかして自信がないとか」

ラハール「そんなわけないだろう!! オレ様、1人でも何の問題もないっ」

エトナ「それじゃあ、頑張って下さいねー。あ、プリニー隊は貸してあげます」

エトナ(プリニーがゲヘナの海にスィーツを買いに行かせてるのに、手伝えるかっての)



ボルト「此処はどこだってばさ」

サラダ「分からないわよ」

ミツキ「マグマがあるんだから、木の葉の付近ってことはないよね」

サラダ「えっと、私たちは任務が終了して」

ボルト「木の葉丸先生に報告をして」

ミツキ「帰途へつく途中だったね」



サラダ「誰かの罠かしら」

ボルト「それから返り討ちにしてやるよ!」

サラダ「……相手はこんな異世界に時空間で移動させる者よ。私たちでどうにかできるか」

サラダがそう呟いた時、地震のように地面が大きく揺れた。

サラダ「な、なに――」

ミツキ「マグマから何か出てくるよ」


ヒノカグツチ(竜王族)「グオオオオオオオオ」

ボルト「ドラゴン!」

サラダ「――逃げるわよ。たぶん、今の私たちじゃ敵わないっ」

ボルト「あ、ああ」

ズッスン

ボルト・サラダ・ミツキ「「「――っ」」」

ボルト「でかい図体の割に、動きが速いぞ」

ミツキ「どうやら僕たちを逃がす気はないようだね……」

ボルト「なら、戦うだけだ」


【螺旋丸】



ヒノカグツチ「?」

ドンッッ

ヒノカグツチ「――」

ボルト「ッ。俺の螺旋丸がまるで効いてねぇ」

ヒノカグツチ「ゥゥゥゥゥゥゥ」

顎を大きく開けたヒノカグツチの周りにマンダラの文字が浮かぶ巨大な炎の玉が複数現れる

それを見た三人は、逃げを選択した。

ヒノカグツチは【マンダラヴァルケイノ】を、三人へ向けて放つ。

サラダ(範囲が広い――。避けきれない!!)

炎の火柱が立ちのぼる。

並の人間なら骨も残さずに消滅する熱量。

ヒノカグツチ「……」



サラダ「……え。ダメージが、ない?」

サラダ「これは――須佐能乎……パパ?」

ボルト「し、師匠?」

プリニー?「……」

サラダ「――じゃない。ペンギン?」

サラダ(でも、これは間違いなく須佐能乎。両目を万華鏡写輪眼に開眼者した者のみが使用できるって聞いてたのに)

サラダ(なんなの。あのペンギンは)



プリニー?「……」

プリニー「ちょっと何してるんッスか」

プリニー「竜王族なんて放っておくッス。早くエトナ様の元に返らないと、大目玉ッス」

プリニー「そうッス。あの絶壁ナイスバディ(笑)を怒らせると後が怖いッス」

プリニー?「――もう遅い。目を付けられた」

ヒノカグツチ「……」ギロリ

プリニー「「「ヒィィィィッス」」」

プリニー「ど、どうするッス。俺達は魔界最弱ッスよ!!」

プリニー?「……」

プリニー?「――来る」

プリニー「?」



「ハァーハッハッハッハッ!!」



【獄炎ナックル】




ズドォォォォォォォン


ボルト・ミツキ・サラダ「――ッ」

魔王の一撃によってヒノカグツチは消滅した

ラハール「これが魔王ラハール様の力だ!」

ラハール「それでプリニーよ。オレ様を狙っていると言う奴は何処にいる?」

プリニー「――……えーと、あ、あの子ッス。メガネをかけた赤い眼の子ッス」

サラダ「――え。わた、し?」

ラハールはサラダを睨む

ラハール「――おい。本当に、あんな雑魚がオレ様を倒そうとしているのか」

プリニー「うーん、そうじゃないッスか。メガネとか、後ろのうちわのマークとかそっくりッスから」

プリニー「でも、少し幼い気がするッスねー」



ラハール「ふん。とりあえず確かめ」

ズドォン

須佐能乎から放たれた八坂ノ勾玉がラハールの直撃。
だが、ダメージも全く与えられなかった

ラハール「――プリニー如きがオレ様に攻撃しただと」

ラハール「見るからにエトナの眷属か」

ラハール「オレ様に楯突くとどうなるか思い知らせてやる!」

ラハール「魔王玉!!」



辺り一面に降り注ぐ強大な魔力の塊
威力は1つ1つが尾獣をも凌ぐ。

プリニー?(あの子を護るため攻撃したが、やはり今の俺では無理か)

プリニー?(須佐能乎ですら一撃も耐えられずに、崩壊していく)

ラハール「これで終わりだ!」

いくつも浮遊する魔王玉を一カ所に集め、巨大な魔王玉を作り出した
ラハールがそれを放とうとした瞬間。

ラハール「――」ピクッ

ラハール「この魔力は。ヤツか」

ラハールは作り出していた凶大魔王玉を霧散させた。

ラハール「オレ様は用事ができた。貴様の相手は今度だ」

そう言い残すと明後日の方向に飛んでいった



ボルト「た、助かったのか?」

サラダ「みたいね。生きた心地がしなかった」

ミツキ「これもあの魔獣がいてくれたからだね」

サラダ「あ、そうだ!」

サラダはプリニーに近寄る

サラダ「助かりました。あの、うちは一族の人、ですか?」

プリニー?「……魔王城に案内しようッス」

ボルト「魔王城? まるで魔界だな」

プリニー?「そうだッス。ここは魔界だッス」

プリニー?「時空の渡し人が病にかかり魔力が暴走して、色々なところに時空間繋がっているッス」



ミツキ「へえ、興味深いね」

サラダ「……そういうところは大蛇丸って人にそっくりね」

ミツキ「そうかな」

ボルト「そんなことより俺たちは帰れるのか?」

プリニー?「魔王がどこかに向かった今が好機だッス」

プリニー?「お前達三人ぐらいなら、なんとか木の葉へと送り帰そう」



プリニー「どうしたんッスか殿下」

ラハール「少し黙っていろ。……確かこの辺りから、ヤツの気配がした」

ラハール「…………そこだ!」

魔王玉を一点へ放つ

?「危なかったぁ。なにするのよ。ラハール!」

ラハール「誰だ貴様。オレ様に貴様のような知り合いはいない」

?「え」



プリニー「あ、アイツッス。殿下を狙っている者は」

ラハール「ほう。確かにさっきの似た小娘と違い、オレ様を狙う実力はあるようだな」

ラハール「それにどういう訳かヤツの魔力も感じる」

?「私に似た小娘――? まさか今があの時!」

ラハール「ふん。逃がすと思っているのか」

?「私は急ぐのッ。これは千載一遇のチャンスなんだから!」

?「だから……邪魔しないで!!」

【雷遁・麒麟天嵐】

無数の雷で出来た麒麟が無数に出現。
それが雷の速度で天を嵐のように駆け巡り、ラハールに縦横無尽に襲いかかる



?「魔力とチャクラを合わせた私だけのオリジナル対軍忍術」

?「まあラハールの事だから、無事だと思うけど、しばらく痺れ、」

少女は地面に何度も身体をぶつけながら魔力により飛ばされた

ラハール「ふん。この程度でオレ様とどうにかするだと?」

ラハール「随分と低く見られたものだな」

?「……うそ。そんな、ノー、ダメージ」

ラハール「貴様の力を解放しろ。さっきからビリビリとしてヤツの魔力を感じる」

?「――しかた、ないか」

少女に黒い瘴気が集まると、それは人外へと変化させた

超魔王バール「――」

ラハール「やはり貴様か。どういうつもりで小娘に憑いているか知らんが、全力で行かせて貰うぞ!」

超魔王バール「――!!」



ボルト「ここが魔王城か。割と普通だってばさ」

サラダ「どこがよ。魔物とかがうじゃうじゃいるじゃない」

プリニー?「ここでしばらく待ってろッス」

ボルト「よし。探険しようぜ」

サラダ「はぁ! こんな時に何言ってるの」

ボルト「せっかくの魔王城なんだ。探険しないと勿体ないぜ」

ミツキ「僕も賛成かな。色々と見て回れそうだからね」

サラダ「ああ、もう。ミツキまで……」

ボルト達は魔王城を探険することにした



ミツキ「――やっぱり独特の本があるね。興味深いよ」

サラダ「なんかそういう所って、大蛇丸に似てると思う」

ミツキ「そうかな?」

ボルト「俺は奥へ行ってみるってばさ」

サラダ「あ、ボルト!」

ミツキ「せっかくなんだから、サラダも散策してくると良いよ。ここの悪魔達は、敵意を示さないと襲ってはこないようだからね」

サラダ「――うん」



サラダは色々なところを周り、最後に園庭へとやってきた

サラダ「大きな穴が2つ空いてる。誰も直さないのね」

サラダ「――!」

地面に魔法陣が出現。
そこから白い身体をした巨大な悪魔――超魔王バールが現れた。
ただ、身体は傷つき、ダメージが深そうだ

超魔王バール「――」

サラダ「え、な、なに!?」

超魔王バールは、サラダを見ると、また姿を消した。
まるで初めから居なかったようだ



ドックン

サラダ「ん――。な、なんか、――」

ボルト「おーい、サラダ。帰れるみたいだってばさ」

ミツキ「あのプリニーが準備してくれたようだよ」

サラダ「……」

ボルト「どうかしたか?」

サラダ「な、なんでもないよ」



プリニー?「――木の葉の里へ時空間を繋いであるッス。これで帰れるッス」

ボルト「サンキューな」

ミツキ「色々とあったけど、貴重な体験だったね」

サラダ「……」

プリニー?「どうかしたかッス」

サラダ「――え。あ、ううん。なんでもない、です」

プリニー?「……」

ボルト達は時空の歪みに入り元の世界へと戻る
ただ一人、サラダだけ柄も知れない不安に襲われながら



超魔王バール「――!!!!」

ラハール「さすが超魔王だ。だが、オレ様は貴様を超え――む」

ラハール(どういうことだ。魔王城から超魔王の魔力を一瞬感じたぞ)

バールは光の粒子に包まれ姿を元の女性に戻る

「――間に、あわなかった。歴史を修正するのは難しいのは分かってたけどッ」

「こうなったら、プランBで私を救うしか――」

ラハール「何を言っている。それよりもバールに戻れ。そっちの方がマシだ」



「私に憑いているバールに勝っても意味ないよ。数百年先の存在だからね」

ラハール「――未来からだと? どこぞの強欲天使みたいなものか」

「強欲天使? 分からないけど、私が来たのは偶然だよ。時空間の歪みに飲まれてやってきただけだから」

ラハール「ふん。たとえそうだとしても、貴様がバールである事は変わらない」

「……ラハールは相変わらずだね」

ラハール「妙に馴れ馴れしいな。戦う気が失せる」



「私は未来から来たからね。色々とあって知り合いなんだ」

ラハール「……」

「でも、私は未来を変えたい。そのために協力してほしい」

「お願いします。協力してくれるなら、私をどうしてくれてもいいから――」

少女は頭を下げて懇願した。

ラハール「……聞くぐらいな聞いてやる」

「ありがとう。ラハール」

ラハール「貴様の、名前はなんだ。協力するからには名前ぐらいは教えろ」

「……――サラダ。超魔王サラダ。人間だった頃の名字は、もう、捨てた」




【前編 魔界編 『了』】








【後編 木の葉の里 編】




木の葉の里にある火影執務室。
そこにボルト達は呼ばれていた

ナルト「それで一ヶ月もの間、連絡も無くどこに行ってたんだ?」

ボルト「い、一ヶ月!?」

ミツキ「どうやら向こうの時空間が乱れている影響で、飛ばされた時から多少の時間の差違が生じているようだね」

ボルト「多少じゃねーてばさ」

ミツキ「七代目火影。ボク達は、時空間に歪みに嵌まり、別次元に行ってました」


ナルト「別次元?」

ミツキ「はい。魔界という所で、魔獣やら悪魔が過ごす世界です。一応、貰ってきた本をどうぞ」

ミツキは懐から魔王城にあった書物を取り出して、机へと置いた
それをナルトは眺める

ナルト(読めねぇな。見た事も無い文字だ。ただ、書かれている絵から察すると術式に関するものか)

ナルト(抜け目の無いところは、大蛇丸の息子だってばよ)

ナルト「――とりあえず良く無事だった。ただ、魔界にいったと言う事は内密にな」

ナルト「尾ひれががついて里を不安にはさせられないからな」

ボルト「分かってるってばさ」



ナルト「サラダ。サスケやサクラちゃんが心配してたから、まずは家に帰って――」

サラダ「……」

ナルトは一言も言わないサラダに目を向けた。
サラダの両目は写輪眼になっており、邪気が膨れあがっている。
平和で鈍っているとはいえ、ナルトはいち早く危険を察し、尾獣化した。

ズドォォォォォォォン

火影の執務室が吹き飛ぶ



ボルト「これは父ちゃんの九尾の尾」

ミツキ「どうやら僕たちは七代目火影に助けて貰ったようだね」

ナルト「……」

サラダの背後に無数の剣が現れ、ナルトに向けて一斉放射した。

ナルト「――ちっ」

九尾の尾で剣を弾く。

ナルト(周りの被害が心配で里だと全力では戦えねえ)



サラダは尾が弾いてたバールソードを一振り手に掴みナルトへと向かう

カキンッ

サラダ「――」

サスケ「……」

サスケが刀で剣を弾いた。

サスケ「ナルト。これはどういう事だ」

ナルト「分からねえ。ただ、サラダは何かに肉体を乗っ取られているようだ」



ナルト「ボルト、ミツキ。魔界で何かサラダに変わったことはなかったか?」

ボルト「……。特に変わったことは無かったと思う」

ミツキ「うん。普段通り――戻るときにちょっと変だった気がするけど、変わらなかったと思います」

ナルト「そっか」

ナルト(今のサラダから感じるのは、九喇嘛以上の力だ。里でどうこうするのはヤバイってばよ)

ナルト(下手を打つと昔のオレみたいな感じに――)



サラダ「――!!!」

サラダ「パ――パ。なな、――だ、い――。ぁ」

サラダ「――」

ナルト(一瞬だが、サラダの人格が前に出たな)

ナルト「サスケ。お前の瞳術でどうにか出来ないか?」

サスケ「さっきから輪廻眼を使っているが、手応えが無い」



サラダ「――」

木の葉の里の四方に巨大な剣が出現した。

サスケ「結界術。それも結界内にあるのを破壊するタイプだ――」

ナルト「なら、一本でも破壊すれば防げるはずだってばよ!!」

サラダから再び無数の剣が放射される

ナルト「うっ。こうなったら影分身で揺動して狙うしか」

突如
サラダが出現させた四方の巨大な剣が爆発。砕け散った

サラダ「――」




ラハール「ハァーハッハッハッハッ」

ボルト「あれは俺たちが魔界で会った――魔王だ」

ナルト「魔王?」



超魔王サラダ(おーい。私の声、聞こえてる?)

ラハール「聞こえている。なぜ貴様はこない」

超魔王サラダ(行けたら行きたいけど、同じ場所には同一個体はいられないんだ。もし私がそっちに行って、そっちの私が居なくなったら面倒でしょう)

ラハール「――ふん」

超魔王サラダ(とりあえずバール本体を引きずり出して。それまである程度は痛めつけて大丈夫だからさ)

超魔王サラダ(あ、それからその場所での戦闘は避けて。木の葉の里には迷惑かけたくないから)

ラハール「注文の多い奴だな!」





サラダは地を蹴り、ラハールに殴りかかる

サラダ「――」

ラハール「超魔王の貴様ならともかく。今の貴様の一撃は、オレ様には意味が無いぞ」

ラハールはサラダの身体を掴むと、一気に木の葉の里の郊外へと飛んだ
それを見てサスケはすぐさま後を追う

ナルト「サスケ!」

ナルト「ボルト、ミツキ。お前たちはシカマル達に事情を説明して対応するように言ってくれ」

ボルト「分かったってばさ。父ちゃん、サラダのこと、頼んだぜ」

ナルト「ああ。任せて置けってばよ」

ナルトとボルトは拳を突き合わせる。
そして一気に後を追う。



■木の葉の里 郊外



ラハールとサラダは激しく体術の応酬を繰り広げていた
が、ラハールの圧倒的な力を前にサラダは圧され気味

ラハール「未来の貴様ですから、オレ様に勝てなかったのが、今の貴様がオレ様に勝てるわけが無いだろう」

ラハール「さっさと真の姿を現せ」

サラダ「――」

超魔王サラダ(あんまり挑発はしないでよ。ムキになられたら面倒なんだからさ)

ラハール「うるさい。注文が多いぞ!」

超魔王サラダ(別個体でも私自身だから、心配するのは当然でしょう!!)



ラハール「奴を逃がさずに、本体を出すなら多少痛めつけていいと言ったのは貴様だぞ」

超魔王サラダ(言ったけど、言ったけどさ。こう、心加減をしてくれると嬉しいんだけど)

超魔王サラダ(嫁入り前の私を傷モノにしたら責任取って貰うよ?)

ラハール「こらまて。聞き捨てならない人聞きの悪いことを言うな!」

サラダ「――」

ラハール「」

超魔王サラダとの会話に気を取られている隙に、ラハールの顔に超魔王の魔力+母親から遺伝したチャクラによる怪力をミックスした一撃がみまう



サラダはラハールを殴り飛ばし、今の内に逃げようとすると、黒い炎の鏃が降り注ぎ、まるで壁のように塞ぐ

超魔王サラダ(あ~、パパの炎遁・加具土命だ。久しぶりに見たな)

ラハール「……」

超魔王サラダ(あ、そうだ。ラハール、大丈夫? 致命的なダメージ?)

ラハール「――あれぐらいの攻撃でオレ様が致命的なダメージを受けるか」

超魔王サラダ(そう。安心した。ラハールにもしもの事があったら大変だからね。……今回の事の要だし(ボソ)

ラハール「何か言ったか」

超魔王サラダ(ううん。なんでもない)



サラダ「――」

サラダに黒い魔力が集まる

ラハール「おい。そこの黒ずくめ。気を付けろ。憑いている物が現れるぞ」

サスケ「……」

ナルト「なんだってばよ。あれは」

超魔王バール「――!!」

ラハール「それなりに戦えそうだから奴の事について教えてやる」

ラハール「ヤツは超魔王バール。オレ様の宿敵だ」




サスケ「そんな情報はいい。戦いに参考になることを言え」

ラハール「――」イラッ

超魔王サラダ(どうどう。パパは、こう、空気を読めない所があるからね? ある程度、無視して良いよ)

ラハール「ふん。オレ様の次ぐらい強い魔王だ。特徴としてどんな強力な攻撃も、一撃目で解析されて二度目は通用しない」

ラハール「更に六回ぐらいは倒さないと完全には倒れはしない」

ラハール「とはいえ、人間に取り憑いてまで逃げると言う事は、完全な状態ではないだろうがな」

サスケ「弱点はないのか?」

ラハール「ない。超魔王のクラスにそんな淡い気持ちを抱くな」



サスケ「なぜ俺の娘に、そんなモノが取り憑いている」

ラハール「知るか!」

超魔王サラダ(うちは一族との波長が合ったんじゃない? 私の一族って、まあ、アレなのが多かったみたいだからさ)

ラハール「……」

超魔王バール「――」

魔力の塊が豪雨のように降り注ぎ、辺りを満遍なく破壊していく



ラハール「……シールドでこの辺りだけは防いでいる」

ラハール「このままだと向こうの人里に被害がでるのは、時間の問題だろうな」

ナルト「そんな事はさせねえってばよ」

ラハール「言うのは簡単だが、ヤツを一撃必殺できる技がなければ止めておけ」

ラハール「さっき言ったとおりヤツは、一度受けた技は次からは無効とする」

超魔王サラダ(ちょっとラハール。パパはともかく、七代目にはもっと丁寧にっ)

ラハール(うるさいぞ。さっきからグチグチと!)



サスケ「そこまで言うからには、ヤツを倒す算段はあるんだろうな」

ラハール「ヤツとは何回か戦っている。問題はない。ただ……」

ナルト「ただ?」

ラハール「倒すだけなら簡単だ。だが、取り憑いているのを解放しなければ、貴様達は納得しないだろう」

サスケ「当然だ」

ナルト「ああ」

ラハール(貴様のことだ。さっさと手段を言え)

超魔王サラダ(うーん、そろそろだと思う。魔界の空間の歪みは、私の魔力をほぼ全て使って一時的に安定させたから、時間差はなくなってる。はず)

ラハール「なに?」



――獄滅魔炎弾

――疾風翔天脚

――エナジーブレイク

――魔壊冥王弾

――烈火武神撃

――カルマリバレート


超魔王バールに魔王クラスの者達の攻撃が直撃する



サスケ「――何者だ」

ラハール「オレ様がいる魔界とは別魔界に住まう悪魔達だ」

ラハール(おい。なぜヤツ等が此処に来る)

超魔王サラダ(四人にはリーゼさんに事情を説明して手伝いをして貰うことにしました)

超魔王サラダ(別々に説明と説得するより、リーゼさんに言った方が手っ取り早い)

超魔王サラダ(アデルさんとロザリンドさんには普通に依頼をしたよ)

超魔王サラダ(忘れられてそうだけどアデルさんはデビルバスターだからね)



超魔王バール「――――ッ――――」

超魔王サラダ(今だ。七代目とパパ、アデルさんとロザリンドさんと協力してバールが攻撃や逃走しないようにして)

超魔王サラダ(彼らにはあの技で、私からバールを追い出して貰う必要がある)

超魔王サラダ(その技の発動までの時間を稼いで)

ラハール「おい。取り憑いている小娘を助ける技の発動まで時間がかかる」

ラハール「それまで時間稼ぎをする」

サスケ「……分かった」

ナルト「ああ!」

完成体・須佐能乎がナルトの尾獣モードを包み込み、超魔王バールへと向かっていく。


アデル「よしっ。俺も行くか。ロザリー、大丈夫か?」

ロザリンド「……うむ。やはりあの力を使うのは消耗が激しいがの」

アデル「無理はするなよ」

ロザリンド「心配するな。せめて後方の人里を護る程度の、結界は張り続けていられる」

アデル「……それじゃあ行ってくる」

ロザリンド「ああ。相手は超魔王バールじゃ。無茶はするでないぞ」

アデル「ああ」

超魔王サラダ(あのー、ラブコメをする暇があればさっさとして下さい。報酬減らしますよ)

アデル「だ、誰もラブコメなんてしてないだろ!」

超魔王サラダ(はいはい。もうお二人のご関係は、私の時代でもさんざん蜂蜜に砂糖を振りかけて食べるぐらいのヤツを見せられ聞かされているのでほどほどにお願いします)

アデル「……い、行ってくる」

ロザリンド「う、うむ」



ガンッ キンキン ガッキン

完成体・須佐能乎の刀と、バールソードが激しくぶつかり合う

ナルト「まさか尾獣玉がきかねえなんてな。まるで六道化してヤツと戦ってる感じだ」

サスケ「例え効かなくても牽制にはなる。手を緩めるな」

ナルト「わかってるてばよ」

ラハール「……」

超魔王サラダ(ラハール。妙にやる気ないけど?)

ラハール「時間稼ぎだけならあの三人がいればなんとでもなるだろう」

超魔王サラダ(まあ、そうだけどね)

超魔王サラダ(それに準備もできたみたいだしね)



ラハール「で、超魔王から貴様を助ける技はなんだ?」

超魔王サラダ(長い歴史の中で究極とされる秘技。超魔流のマスタークラス四人が揃って初めてできる)



――心羅大合掌



超魔流究極奥義である「心羅万掌」を四人同時に放つ合体技だ。



超魔王バール「――………」

サラダ「ぁ」

完全に乗り移ってなかった事と、心羅万掌の邪気を祓う事も付与して、超魔王バールからサラダは引きはがされた

落下するサラダをサスケが受け止める

超魔王バール「……――」

受けたダメージと取り憑いた人間を引きはがされた事で劣勢を悟ったバールは、空間を歪めて己を別次元へと転送した。



サスケ「サラダ、しっかりしろ!」

サラダ「……ぅ……」

サクラ「大丈夫!?」

ナルト「――サクラちゃん」

サラダ「……」

サクラ「これ。ナルトから九尾を抜き取られたときと同じ――」

サスケ「なに!」



超魔王サラダ(ラハール。お願い。私を助けて)

ラハール「どういうことだ」

超魔王サラダ(超魔王に取り憑かれた私は、この世界で言う人柱力と同じ)

超魔王サラダ(超魔王バールから解放された時点で衰弱死する)

超魔王サラダ(でも、代わりにバールに匹敵する者が私に入れば助かる)

ラハール「……オレ様の魔力を貴様に分け与えろというのか」

超魔王サラダ(魔力と言うよりはラハールを半分欲しい。魔力だけだと意味ないからね)



ラハール「……オレ様が素直に言う事を聞くと思っているのか」

超魔王サラダ(ラハールがしてくれなくても、私は、助かるよ)

ラハール「なに?」

超魔王サラダ(ママが自分の命を犠牲にして私を助けてくれる。でも、ラハールには分かるよね。そうされた時の気持ちは)

ラハール「……」

超魔王サラダ(母親が命を引き替えにして子供を助ける。ラハール。貴方は、それを見て見ぬ振りができる?)

ラハール「貴様……。初めからこのつもりか」

超魔王サラダ(うん。取り憑くことを阻止したかったけど、それが出来なかった場合のプランは、こうするって決めてた)



超魔王サラダ(トラウマを掘り起こす真似をしてごめんなさい。でも、これしか手が無かったの)

超魔王サラダ(お願い、ラハール。私と、ママを、救って下さい)

ラハール「――これは借しだからな。こっちの貴様では無いぞ。お前自身に、だ」

超魔王サラダ(ありがとう)



ラハール「おい。邪魔だ。すこし退いていろ」

サクラ「……サラダをどうするつもり?」

ラハール「不本意極まりないが、今回だけ、コイツを助けてやる」

サスケ「できるのか?」

ラハール「ああ。それにしても、魔王たるオレ様が、人間の小娘の命を救うことに手を貸すことになるとはな!」

超魔王サラダ(魔法の術式は――…………)


サラダ「――ママ、パパ、それに七代目?」

サクラ「サラダ!」

ラハールの半身を移したことで目覚めたサラダをサクラは抱きしめる

ラハール(そう言えばアデルやキリア達の気配がないが、……どうせアイツが転送したんだろう)

ナルト「助かったてばよ」

ラハール「……ふん」

超魔王サラダ(それじゃあ私はこれで帰るね。違う時間軸に長時間居続けるのも、何が起こるか分からないからね)

ラハール(……)

超魔王サラダ(心配しなくても、今回の借りは絶対に返すよ。ラハールは私の恩人になったんだからね)

超魔王サラダ(だから、また、ね)



ラハール「……おい。食べ物を食わせろ」

ナルト「は?」

ラハール「そいつを助けるのに魔力をかなり消費して腹が減った。だから、旨いものを沢山食べさせろ」

ナルト「分かったてばよ。――とりあえず、里に戻るか」

サスケ「……そうだな」

ナルト「サラダも体力消耗してるだろう。サスケに背負って貰え」

サラダ「は、はい」




【後編 木の葉の里 編】 【了】






後日談 予告






シシリー「お兄ちゃんが人間界で、女の子とイチャイチャしてる!?」

エトナ「へぇ、殿下もする事はするのねー」

エトナ「しかも組んず解れつ(※修行の曲解)するなんてねー。あのエロガキ。」

シシリー「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

エトナ「ん。シシリー、ちゃん?」

シシリー「エトナさん。手を貸して。人間の色香に迷うお兄ちゃんを制裁するために!」

エトナ「う、うん」

エトナ(このあたしを従わせた!? これクリチェフスコイ様と同じカリスマ力――)




【後日談 魔界大乱闘】


へ続く……?




一旦。これで終わりです

魔界大乱闘は、いつものディスガイアの後日談らしく色々とはっちゃっけた感じにしようかとは思ってます。


とりあえず人間界(木の葉の里)からは、ボルト、サラダは確定。
サスケ、ナルト、ミツキは……状況次第となります。



■木の葉の里 修練場

ボルト「螺旋丸!」

ラハール「ふん。途中で消えるのは厄介だが、距離は一直線。避けるのは容易いぞ」

サラダ「しゃーんなろーが!!」

ラハール「その程度の魔力とチャクラでは、オレ様にダメージは与えられんぞ」

ミツキ「……」チャキ

ラハール「魔王玉」


前回から数日が経ち、ラハールは未だに人間界にいた。

サラダに半身を与えたことによって、レベルと魔力が半分まで下がり、それの回復に努めているためだ

その間、暇なので、ボルト、サラダ、ミツキに修行を付けていた


ラハール「魔王たるオレ様に勝つには1000年早いな」

ボルト「今の内に言ってろ。絶対に超えてやる」

ミツキ「でも、確かに今のボク達じゃ敵わないね。――ラハールの半身がいるサラダなら別だろうけど」

サラダ「……中々私の中にいるラハールは力を貸してくれないのよ」

ボルト「なんでだ」

サラダ「ラハールだからじゃない?」

サラダ・ミツキ「「ああ。なるほど」」

ラハール「待て。なぜ納得する!」


ブゥゥゥゥゥン

ラハール「時空間に穴が――プリニーか」

プリニー「で、殿下! 大変ッス。一大事ッス!!」

プリニー「魔界で謀反が起きたッス!?」

ラハール「謀反だと。エトナか」

プリニー「違うッス」

ラハール「では、オヤジの新派の連中か」

プリニー「それも違うッス」

ラハール「では、誰だ」

プリニー「――シシリー様ッス」

ラハール「何っ。シシリーだと!」


ラハール「バカな。なぜシシリーが謀反を――。エトナにでも、唆されたか」

プリニー「いえ、シシリー様が先頭に立って謀反を仕切ってるッス」

プリニー「エトナ様はシシリー様の副官として活躍してるッスよ」

ラハール「ええい、なぜシシリーが謀反を」

プリニー「魔界で、殿下が人間の女子とイチャイチャラブラブしてるって噂が流れたのが原因ッス」

プリニー「それを訊いたシシリー様は怒っての謀反ッス」

ラハール「おい! オレ様は誰ともイチャイチャら……ゴホンッ……なんかしてないっ」

プリニー「そうなんッスか。もう結婚秒読みって記事も出回ってるッス」(新聞取りだし)


サラダ「え。これって私のこと――?」

ボルト「お、みたいだな。プロフィールの完成度高いな」

プリニー「相手の秘密を探って暴露することが得意な魔界探偵が調べた情報ッスからね。正確な情報ッスよ」

ミツキ「へぇ」

ラハール「ちぃ。魔界へ帰る。……サラダ、お前にも来て貰うぞ。どうやら貴様のことで誤解されているようだからな」

サラダ「え、あ、うん」

ミツキ「一応、行く前に七代目火影に言って置いた方がいいと思うよ。いきなり居なくなったんだと心配するだろうしね」



■木の葉の里 火影執務室

サラダ「失礼します。――ってパパ。居たんだ」

サスケ「……ああ」

ナルト「それで、ラハールまで一緒って事は何かあったのか」

カクカクシカジカ

ナルト「――サラダとラハールが付き合った事で、ラハールの妹が魔界で謀反を起こした? どういうことだってばよ」

サラダ「い、いえ、私はラハールと付き合ってる訳じゃないですっ」

サスケ「……」ギロ

ラハール(なぜオレ様が、観察されなければならないっ。ええい、面倒くさいっ!)


ラハール「おい。そういう訳だからサラダを借りるぞ。妙に頑固のところがあるからな。オレ様だけ言っても説得に応じるとは思えん」

ナルト「分かった。――それとサスケ。付いて行ってあげろ」

サスケ「分かった」

ナルト「それからボルト達は、人間界に残って任務に当たって貰う」

ボルト「分かったてばさ」

ボルト「――サラダ。気を付けろよな」

サラダ「ボルトも、私が居ないからってヘマしないでよ。ミツキもボルトが焦ってミスらないようにサポートしてあげてね」

ミツキ「了解」

ラハール「引き継ぎは済んだな。では、行くぞ」

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