僕の独り言 (10)

男「あ^今日から春休みなんじゃ~ぐだぐだできるんじゃ~」

?「いつもぐだぐだしてるだろ」

男「あ、そうだ(唐突)積みゲーしなきゃ」

一時間後

男「あ、しんだ。セーブしたっけ…してないじゃん(絶望)」

?「この一時間がパーになったわけだ。」

男「やーめた。やっぱ積みゲーだった」

?「お前の人生よりましだ。」

男「…あのさぁマジで傷つくからそういうこと言うのやめてくれない?」

?「…ほんとに嫌ならオレを消せばいいだろうが。オレはお前だ。

お前が望んでるからオレは存在させられているんだぞ。その辺のところ覚えてるか」

男「ふん、覚えてるとも。そして答えはノーだ。だってお前が消えたら僕は一人ぼっちだ」

?「あほ、今だって傍から見たら独り言を言ってるようにしか見えないんだぞ。オレがいてもいなくてもお前は孤独だ」

男「周りを気にするなんてキョロ充かなにかですか?wwwww僕が楽しけりゃそれでいーんだよwwww」

?「…あほだな。」


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男「あほであることは認めるさ。でもそれは悪いこととは思わないよ」

?「付き合ってらんねぇな糞ニート」

男「うるさいな。文句をいうなら消してしまうぞ、お前」

?「だからさっきから消せって言ってるだろうがっ」

男「キターwwwwwトゥットルーwwwwwまゆしーですwwwwww」

?「…。」

男「あwごめwwちょうどアニメ見てるからはもっちゃった」

?「…。」

男「で、何の話?」

?「」

男「…あの」

?「」

男「あの、ごめんなさい。調子乗りすぎた」

?「」

男「悪い、やっぱ僕って屑だよ。だから話してください」

?「…死ねクズ」

男「ありがとう」

?「とりあえずテレビ消せ。うるせぇ」

男「はい」ピッ

?「ふぅ…やはりオレが消えるにはお前がどうにかならないと、だめみたいだな」

男「そうだね」

?「でもお前はコンビニと家を行ったり来たりするだけで、家からでない。それだと何も変わらない」

男「はい」

?「だから精神を入れ替わって、代わりにお前を変えてやるよ、オレが」

男「えっ?」

?「遊☆戯☆王を知らないのか。闇人格が表人格を助けるだろ」

男「いやいや遊☆戯☆王は知ってるけどさ、現実ではありえないんじゃ?それに精神だけ変えても意味ないでしょ」

?「ふん、心持ちが変われば世界もかわる。

しかも長い時間存在しているうちに幸か不幸か神っぽい人にあってしまってな。

ちょっとした能力は使えそうだ」

男「え、なにそれ」

?「知りたいか」

男「ウン」

?「なら入れ替われ。見せてやる」

男「うーん。もしかしてさ、僕と入れ替わるために騙そうとしてるんじゃない?。ちゃんと後で返してくれるの?」

?「そんなガリガリの身体こっちだってお断りだ。それに自分を騙すなんて無意味なことはしない、ばれてしまうからな。さぁ決断しろ」

男(?はなんかこわいな、いつもと雰囲気違う)

男(でも?の言う通りだ。僕は?の能力を見てみたいし、何よりも自分を変えたい。

それに?は僕の意思でもあるんだ。もしそれを否定したら、僕は何者になるだろう)

男(それはきっと無だ。なにもない。

まだ僕はそんなふうになりたくない。だから)

男「分かった。入れ替わろう」

?「あほにしては良い判断だ。じゃあ取りあえず寝ろ。お前の精神を身体から引きはがす」

男「なんか怖いんだけど元に戻るんだよね」

?「ああ、終わったら木工用ボンドでくっつけてやるから安心しろ」

男「えぇ…精神って木製ではないだろう」

?「文句があるならアロンアルファでガッチガチに固めてやる」

男「金属製でもないっ」

男(?は僕が寝床に入るまで終始上機嫌だった。聞いている側としてはありがたいけれど

冴えないジョークを幾度となく飛ばしてくるのには辟易した)

?「どうだ、眠れそうか」

男「ううんまだ、寝付けないんだ。まだお昼だし」

?「仕方ないな、あの優しいママンの子守歌を歌ってやろうか。精神の中なら死者の声だって再現できるからな」

男「思い出すからいい。それより黙ってて」

?「おう」

僕はくそったれと心中で毒づいてから、目を閉じた。

瞼の裏は影が蠢く混沌のせかい。どんなものも存在するが、その形を長くは保てない。

僕はそこにふかく、ふかく潜り込んで混ざり合った

次の日の朝

男「ん…」

男「ぁあ入れ替われたみたいだな」

?「そうだね」

男「気分はどうだ」

?「足が地に着いていないし、僕の周りには文字通り何もない。気が狂いそうだよ」

男「ははは、頑張って気を持てよ。油断するとそのまま周りと同化して、消えちまうからな」。

?「はぁ!?」

男「お前なら大丈夫だ。だって消えたくないよな」

?「そりゃそうだけど…ところでそっちはどう?」

男「そうだな、運動不足で身体はだるい。寝すぎで頭は痛い。もうさっさと死にたい気分だ」

?「こんのっ言わせておけば」

男「だが、お前を変えたいって気持ちはまだある」

?「…うん」

男「さあ、とっとと能力使って、変わるとしよう」

?「えっそんな簡単に変われるものなの」

男「オレの能力は特に人格矯正にぴったりなんだ。お前も見たいといっていたな。今こそ、見せてヤロウ」サッ

?「国語辞典なんて、手にとってどうするの」

男「オレの能力、それはずばり『四文字熟語』を体現するチカラだ!」

新品同然の真っ新なページがひとりでにバラララっと勢いよくめくれ始めた。

そして、あるページでピタリと止まる。

男「今のオレに示された四文字、それは『邂逅相遇』だっ!」

?「お…。おー」

男「ふっいい熟語を引いたな。では早速外へ出るとしよう」

?「待って!全部説明してからにして!」

男「え、いや、言った通りの能力なんだが質問があるのか」

?「はいっ先生。まず、なんでそんな能力になったんですか?」

男「これ前にも言わなかったか?もう一回いうぞ。ある日、お前のくだらない一人ごっこにうんざりしていた時になんか神っぽい人が現れて

『この者を救うなら、代わりに力をやろう』って言われたんだ。

そこで思い浮かなかったから神っぽい人が選んでくれたのだ」

?「今聞いてもわけわかんないや」

男「なら自分の中で折り合いをつけるんだな。とりあえず外に出るぞ」

?「待ってぇ!まだまだ質問あるんだけど!」

男「ちっ、なんだ。もしくだらない質問だったら、自殺するからな」

?「えげつない脅しやめてよ。能力についての質問だけど、自分で熟語は選べないの?」

男「そうだ。言い換えるとガチャを引くようなもんだな。違う点として引ける回数は無制限だが、一度に何回も熟語を引くことはお勧めしない」

?「なんでよ」

男「意味がごちゃ混ぜになるからだ。寿司にウスターソースをかけて食べたいと思うか?」

?「うっ、確かに。想像しただけで吐きそうだ」

男「一回の熟語の効果が薄れるまでの時間はまちまちだが、十分に注意する必要があるな」

?「ほーい。あ、あと最後の質問があるんだ。これだけは聞かないと話が進まないんだ」

男「早く言え」

?「恥ずかしながら僕は四文字熟語には疎い。だから『かいこそうぐう』ってどういう意味なのかなって

…まさか蚕と遭遇する能力なわけないよね」

男「お前、蚕と遭遇するために熟語を造ろうと思うか。

たとえ作ったとして何百年もそれが伝えられるわけがないだろう」

?「そりゃそうか。僕だったら美女遭遇ってするもんね」

男「ふっ、そんな四文字熟語が出るように願っておこう。話を戻すぞ。

邂逅相遇とは偶然の出会い。思いがけない巡り合わせを指す。

邂逅とほとんど同義だ。遭遇ではなく相遇だから注意が必要だ」

?「ふーん」

男「気を取り直して、出発だ」

?「どこに向かうんだい」

男「いきなり騒がしいところは抵抗があるだろう。だから図書館はどうだ」

?「昔は入り浸っていた場所だ。場所も覚えてるし賛成するよ。でもズボンを履いてから出発しようね」

男「…今のうちにブリーフ一丁で寝るお前の癖を直すからな」

?「ご自由にどうぞ」

今日はここまで

男「こんなふうに早起きして、外に出たのはいつぶりだろうな」スタスタ

?「夜しか外出しないようにしてたからね…知り合いに会うの嫌だし」

男「ニートが外面を気にするなんて矛盾していると思わないか」

?「ちっがう!外面を気にするからニートになったの」

男「ならその過敏な神経を捨てちまえ。図太いほうがずっと楽な生活を送れるぞ」

?「僕だって気にしないようにはしたさ。でもだめなんだよ。

集団に交ざると周りの奴らが僕を笑っているように感じちゃう。

きっと僕の事なんて歯牙にもかけていないだろうに、僕の話題が出ていないか気になる

そうなると嫌な汗がじんわりと掌に浮かんで、頭の中が真っ白になるんだ。それでまともに喋れなくなる」

男「錯乱状態か」

?「かもしれない。一対一だとまだ大丈夫なんだけどね」

男「少しずつ直すしかないな、さて到着したぞ」

?「ああ懐かしいな。そうそうこんな図書館だった」

目の前には赤茶色の建物が、周りのビルにとり囲まれるようにして縮こまっていた。

それはのっぺりと縦横には広い割に高さが二階までしかないことが原因かもしれない。

また、外壁がところどころ欠けていて、灰色のコンクリートが剥き出しになっているためより貧相に見える。

だが、僕はこの図書館を好んで利用した。

それは、ここが図書数が多いだとか、館内が静かで落ち着くだとか理由は数えきれない。

だがその中でも一番の理由は、ここにいれば母親に会わずにすむからだった。

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