キリカ「アーユー ハッピーナウ?」 (285)

なぎさ「このSSはワルプル撃墜後のお話なので、続き物の第3話なのです」

なぎさ「R18で、今回は今までと比べても「アレ」な描写がある他、読者に「マギカシリーズ」の知識を要求する場面があるのです」

さやかff「いや、マギカシリーズの知識の百倍位SFの知識と物理の知識を求められてるけどね……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454666602

このSSは基本的に女尊男卑であるほか、差別的表現、暴力表現、性的描写、同性愛etcの教育上よろしくない表現を多分に含みます

むしろメインのテーマに『日本での同性愛(多角関係)』があるくらいの勢いです

※今回はまどかの出番がほぼ有りません

※魔女と戦う場面はないこともありませんが、ティロっと片付きます


なぎさ「ティロっと行くのです!」



~病院~


ほむら「……ん」


見知らぬ天井……ではない


ほむら「……はぁ」


魔女を駆逐した後、魔法少女の内でさやかとほむらは要救助者として病院へ運び込まれた

キリカと織莉子は「めんどくさいから」と言う理由で現場から離脱し

杏子達は「怪我してないから」と医者と教師を言いくるめ、さらに「一人暮らしのほむらが一番危ないから」と早乙女先生をほむらにけしかけ、帰ってしまった

結果、早々に逃げ道を塞がれたほむらがまどかとさやかがいつ目を覚ましても良いように、と病院待機を押し付けられた事になる


ほむら(……入院中はいつも個室だったな)


ほむらのベットに顔を伏せて寝ている早乙女先生に気を使って動き、カーテンをそっと開ける

ほむらのベットは入り口から見て一番右奥、その手前側にさやかが居て、正面に寝ている二人は名前も知らない後輩の女子

足音と気配に気をつけ、そーっとさやかのベッドのカーテンを捲り、小物入れに入ってるソウルジェムを取り出す


ほむら(……濁りが早い)


舞台装置の魔女のグリーフシードで浄化だけして元に戻し、寄り添って眠っているさやかの母親に予備の毛布をかけ、病室を後にした

支援


~病院の屋上~


杏子「遅えぞ

ほむら「置いて帰ったくせに」

杏子「う……」


スマホで連絡を入れて5分も経っていない

笑顔で先に待っていた杏子に軽く嫌味をぶつけて、それから状況の相談をする


ほむら「さやかの怪我は裂傷を縫ったくらいね、私と同じ程度に見えたから、明日の昼で退院でしょうね」

子「はあ?ほむらも裂傷なの?」

ほむら「右腕の骨が折れたときに飛び出ちゃったの、切り傷だって言い張ったけど、医者はどう思ったのやら」

杏子「まあ、マミがリボンで骨を無理矢理繋いだだけだしな」

ほむら「まどかとあゆむは……会うことも叶わなかったわ」

杏子「だろうな……怪我の具合はどうだって?」

ほむら「会えなかったんだから分かんないわよ」

杏子「は?ナースにでも聞けば良いじゃん」

ほむら「……」

杏子「この人見知り……」


語るまでも無く察してくれるのは助かるが、どうにも負けた気分になる


ほむら「ICCの中だもの……どうせ暫く出てこれないし……」

杏子「……」

ほむら「……」

杏子「まあ良いや……こっちも色々調べたんだけど、どうにもきな臭いが事が多くてな」

ほむら「やっぱり今回の魔女は……」

杏子「あぁ、魔法少女が何かの魔法でけしかけてきた、としか思えねぇ」

ほむら「そう……」


やっぱり……とまずは思って、それから犯人を見つけ次第血祭りにすることを決意した


杏子「取り敢えずマミと織莉子とあたしで街に結界を張った、魔女か魔法少女が近付けばすぐに察知出来る」

ほむら「教会の森と似たようなシステムって事?」

杏子「まあ今回はサイズがサイズだからなぁ、あっち程のステルス性はねぇよ」

ほむら「逆に良いじゃない、余計な喧嘩が減るでしょう?」

杏子「……無害な魔法少女を駆逐する頻度も増えるだろうけどな」

ほむら「汚れ仕事は構わないわ」

杏子「そういう問題か?」

ほむら「そうね、何か効率の良い戦法を考えるわ」

杏子「……」

支援


~病室~


和子「あ、ほむらちゃん」

ほむら「……ごめんなさい、まどかの事が……気になって」


早乙女先生は聞くことも、叱ることも無く、ただほむらを抱き締めた


ほむら「…………ごめんなさい」

和子「ううん、良いの……怖くない?」

ほむら「……はい」

和子「そう……強いわ」

ほむら「……」


背中を抑える掌が熱い

ほむらの胸の所がじわじわとこそばゆい

大人とこうまで密着したのはいつ以来だろう

大人の人の匂いはまどかや友達とはまた違う、それでもほむらを安心させるものだ


和子「あ、ご両親には連絡した?」

ほむら「……いいえ」

和子「……電話して、声を聞かせてあげないと……ね?」

ほむら「……」

正直に言えば、両親とは何も話したくない

先生が連絡してくれればそれで良いではないか、とそう言いたい


ほむら「……はい」


早乙女先生の純真を踏みにじれないほど、ほむらの冷酷さは薄れている……平和ボケとでも言うべきものだと、ほむらは思っているが

支援

支援


さやか「うぅむ……ん?」


知らない部屋、知らないベッド

訳も分からない状況に、やたらと痛い頭……とカーテンの向こうから聞こえてくる声


さやか「ぅあっ……いってー……えー……なんだっけ?」


随分派手にやられたようだ

……と言うか母親が傍らで眠っているこの状況に理解が及ばない


さやか「どういう事なの……」


まずは自分の最後の記憶を辿る

――落ちてくる光と影、爆発の音と突風、煌めく刃と……


さやか「――あ」


何かを掴んだ……その事を確信する瞬間を狙った一撃が下る


ほむら「だからそれまでには帰るって言ってるでしょ!!」

さやか「!!?」


ほむらの怒鳴り声でさやかの思考は中断され、得た筈の確信を噛み締めることもなく事態を動かすことにする


和子「ほ、ほ、ほむらちゃ……」

ほむら「嘘ッ!話を聞く気なんかない!!」

さやか「何ッ!?どうしたのほむら!」

ほむら「っ!?…………切る」


カーテンを開けて颯爽登場するも、ほむらが不機嫌そうにスマホを操作した後、目を合わせてくれない


和子「あ、さやかちゃん……」

さやか「……」

ほむら「……」

和子「……はぁ」

沙織「zzz」

さやか「今ので起きろよマイマザー……」


痛くなってきた空気を誤魔化す精一杯の言葉だ

支援


~工場地帯~


せつな(全く……ちょっとビニコンでトイレに行った隙に囲まれるなんて)


見滝原と言う町が、新たに特別経済区として制定、発展する前も間も、この街を支える産業は「硝子」だ

大量の硝子を生産、加工するには特大の火力と、それに見合うサイズの入れ物とエネルギーが必要になる


せつな「あろはッ!工場で火器はダメだよー!」


それらを取り揃えるこのプラントは、騒音や安全性、交通の便やら何やらの関係で夕方以降は人気が無い……はずだ


せつな「もー、スポットをそんなに充てたって何にも無いよー……」


空にはライトを焚いたヘリコプター、工場の外には何台ものトラックに装甲車と銃を持った軍人

彼等が追うのは、忍者の如く飛び回るたった一人の魔法少女


隊員「クソッ!なんと言うフリーランニングだ!」

隊員「身軽にも程がある!」

せつな(いや、数多すぎ……)


せつなは変身こそしていないが、銃に弾丸に通信機、装備の多い軍人が追うには魔法少女は身軽すぎる


せつな(全く!しつこいんですけどあの人ら!)


タラップを飛び移り、見えた階段の手すりを蹴って雨樋を掴んで身を翻し、天井に乗る

すぐさま反対側に見えた四角い建物の上を駆け抜けようとした時、目前で銃声がして、足元に火花が走る


せつな「ちょ!?発砲してきたぁッ!?」


すぐに伏せて、這いずりながら屋根の縁へより、下の様子を伺う


せつな(うげぇ……)


隊員達がズラッと銃を構えて、こちらを狙っているのだ

支援


隊員「動くな!両手を広げて前につけ!」

せつな「お兄さん凄い!」


後ろから二人来ていたのは知っている

ただ、ここまで早く来るとは思っていなかったので、これは純粋な称賛だ


隊員「ふざけているな!此方は発砲の許可が出ているんだぞ!」

せつな「……撃てば?」


ゆっくりと立ち上がり、無表情で淡々と答える


隊員「……この!」


二度目の銃声、しかし弾丸は足元を叩いて火花を散らすのみだ

ヘリコプターが追い付いて、せつなをライトで照らし出した


せつな「……」

隊員「おい!聞こえないのか!両手を広げて床につくんだ!」


隊員の心は揺らいでいる

目の前にいる彼女が、本当にテロリストの関係者なのか……と


隊員(こんな、年端も行かない少女が……)

隊員(だが、彼女はなんらかの異常者だ!)

せつな「さて」


少女の両手が一瞬光って、白銀に輝く銃のようの物が現れた


隊員「貴様!」

せつな「ちょっと待ちなよ~、君童貞じゃないでしょ?」

支援


隊員「ふざけるなっ!」


三度目の銃声、今度はせつなの左足に当てるつもりであった

だが、集中力を切らしているわけでもない魔法少女に弾丸を当てるのは至難の技だ

狙われた足を軽くあげるだけでせつなはその弾丸を避け、両手のパーツを繋ぎ合わせて変型させた


せつな「さあ!リッスン!マーイソング!」


フィストカバーとアームガードが付いた籠手の様な銃っぽいものを繋ぎ合わせると、それらは物理法則をしれっと無視して変型し、白銀のギターへと成り変わる


隊員「やめろ!やめないと撃つぞ!」

せつな「……撃てば?」

隊員「……!?」


せつながギターをかき鳴らすと、どこからともなく三味線と琴、笛の音色が聞こえてきた


隊員「何?なんだ!?何をした!なんだこれは!!」

隊員(ギターは飾りなのか……しかしこの音楽、どこかで?)

せつな「~♪」

隊員「止めろ!止めろと言ったのが聞こえないのか!」

『神代、構うな……撃て』

隊員「神帰隊長!」

『構うなと言った』

隊長「……っ!」

せつな「せつ!せつ!」

隊員「思い出したぞ!ワルモの黒魔法か!」

せつな「せつなでポンッ!」


クルリと回ってからポーズを決めて呪文を唱える

光の粒子が辺りに撒かれて、音楽を聴いた者全てが昏睡してしまった


せつな「あろは!」

支援


それはヘリコプターに乗って居た人間も例外ではなく、コントロールを失った機体は風に煽られて流され、プロペラから派手に道路へ叩き付けられた


せつな「ありゃまー」


プロペラからぶつかったことで機体の反転こそ免れたが、慣性で滑りに滑って反対側の工場の壁に激突し、テールがへし折れ、コクピットはひしゃげた


せつな「死んじゃったかにー」


まあいっか、とだけ思ったせつなは外側で待機している車の中でも一番装備がゴツそうなのに目をつけて中に入り込んだ


せつな「人の荷物を勝手に見るなんて……」


押収された自分の荷物を回収し、ついでに一番偉そうな初老で眼鏡をかけた軍人を片手でヒョイっと担ぎ、何処かへ去っていった


~~


せつな「あろはー」

「ぐ……貴様……」


指揮官と思わしき人物を連れたせつなは一先ず最寄りの工場の一室に彼を連れ込んで椅子に縛り付け、目を覚ますのをじーっと待っていた


せつな「ざーんねんでしたぁ、みんなはおねむで貴方は私の独断で拉致されたのでぇす」

「……」


おどけて見せるせつなだが、肝心の彼は一切笑わない


せつな「さあさあ、まずはお名前だよ、ワッチャネイム?」

神帰「……神帰 武司だ 」

せつな「おっけー!ゆーこーるたけちゃんね」

神帰「……ふざけているのか」

せつな「ううん、真剣に楽しんでるよ?」


せつなとしては確かに真剣だ、一応自分の命がかかっているのだから


神帰「……で、何が目的だ」

せつな「ん~、じゃあ、なんで私を捕まえるのにあんな軍隊が必要なのか知りたいな」

神帰「貴様にはテロリストの関係者である疑いがかかっている、相応の装備、準備を行うのは当然だ」


淡々と回答する神帰と、くるくる回って考えるせつな


せつな「足りなかったみたいだけどね」

神帰「そのようだな」

支援


せつな「そんな表面上の話はどうでも良いんだよね」


せつなの指輪が僅かに光る


せつな「本音の下の心の音を聞かせてよてよ……ねえねえ?」


両手を合わせて頬の横へ

ぶりっ子ポーズだが、目が一切の笑みを含んでいない


神帰「貴様が魔法少女だからだ――なに……?」

せつな「驚いてるの?」

神帰「……貴様……!」


思わず回答した……と言った様子ではない


せつな「魔法少女相手に人間が本音を隠すのは簡単じゃないよ……でしょでしょ?」

神帰「っ……!」


一瞬頭の中をグルッとかき混ぜれた様な感覚が走る


せつな「この街には魔法少女が他に居るって事だよね?何人居るの、かなかな?」

神帰(バインドスペルの類いか……!文節を繰り返す事で、その質問に強制で回答させる……!)

神帰「確認、出来るのは……目の前に……一人!」


自身の口から出る言葉に最大限の注意を払い、一文節ずつ確実に『回答』する


せつな「お、もう気付いて対策してきた」


せつなの指輪が更に怪しく輝く


神帰「……!!」


のぼせたのかと錯覚させる程頭の中が熱を持つ

ぐわんぐわんと視界が揺れ、首が座らなくなった様にグラグラ揺れる


せつな「まあ私の魔法って、脳味噌のホルモンを物理的に調節する方も得意だから」

神帰「く……そ!!」


何をされたのか、何となく察した

頭の中を本当に引っ掻き回されたのだ


せつな「うってがえしは聞かないよ~だ!」

神帰「ぐ……っ……!最、低でも……四人……!」


薄れる意識の中でせつなの質問だけがガンガンと木霊し、無意識に浮かべた言葉が口をついてしまう


せつな「ふむ、あんたの目的はなーに?」

神帰「人、間の……進化……と……!」

せつな「と?」

神帰「っ……平和で効率的な社会……!」

せつな「わお素敵!……で、魔法少女はどう関係するのかな?」

支援

神帰「魔法……少女は……オーバーテクノロジーの塊……情報をエネルギーに変換し、うっ……『剥き出しの特異点』を……持つ、知識と、技術を……!」

せつな「あー、キュウべぇが欲しいのね……で、宇宙人の科学の塊である魔法少女が欲しいと」


あまりにすっとんきょうな目的だったので、嫌がらせのつもりで脳内のホルモン、特にエンドルフィンを増量する


せつな「ん?……どこで魔法少女と魔女を知ったの?」

神帰「過去、の……魔法少女……たる……と……マギカ」

せつな「たるとって誰よ、たるとって」

神帰「たる……と……!」

せつな「ち!対策の早いことで」


彼の中ではそれで『解答』なのだ、せつながどう思うかは問題ではない


神帰「……ふっ……!」

せつな「ではでは!そのような情報を誰と共有しているのですか?」

神帰「っ!!……う!……あ……!!」

せつな「んー、じゃあ!」


回答を拒んでいる……もはや彼の意地の範疇で、質問の重要性はせつなにとっては極めて低いものだ


せつな「お肌の触れ合いで聞いちゃお!ちゃお!」

支援

神帰の衣服に手をかけ、ズボンと下着を下ろし指でペチペチと叩く


神帰「き、貴様……!!」


背中から右手を回して竿を扱き、もう片方の手は襟元かれ脇の方へ回って撫で回す


せつな「私の気が済むまでに干からびなければ良いね~」


意識の朦朧とする中、本来は快楽を感じる脳波が出てから分泌されるはずの物が先に頭の中を満たしている

そんな状態でちゃんとした快楽を与えられ、せつなの卓越した動きと相まって1分ともたずに陥落した

せつなは首筋に舌を這わせて、左手で視界を閉じる

力の抜けたモノを潰すように握りしめて刺激し、放尿までさせる

数分で充分な出力を得たモノが再び果てるまでに時間は要さない


せつな「ふふ、たけちゃん意外とお盛んだね~」


脳内に無理矢理快楽物質を発生させ、性器を弄るこれは、薬物を使って無理矢理昂らせる立派な性拷問として成立していた


神帰「はっ……は……づ…………き」


息も絶え絶えに言葉を紡ぎ、虚ろな意識に浮かぶ文字を並べる


せつな「母好き?……まさかマ・THE・CON!?」

神帰「ま……ま……っ!!」

せつな「ごめん、エイジプレイはちょっと」


……並べているのだ、彼は、真剣に


神帰「――うおおおっ!!」

せつな「うお、椅子ごと倒れこんで床にヘッドバーッド!」


身体を前後に大きく揺すってせつなを振り切り、前方に椅子ごと飛んだ


神帰「ぐっ……おおおおっ!!」


背筋で無理矢理起き上がり、全力で額を床に打ち付けようとするので、せつなも思わず髪の毛をひっつかんで止めてしまった


せつな「分かった分かった!そこまで言いたくないなら聞かないって!そんなダイナミック自殺しなくて良いって!」


気迫に圧された、とかではなく『死なせると流石に面倒』と言うのがせつなの理由だった

支援


~見滝原市街、高層ビル屋上~


せつな「お、キュウべぇあろは!」

QB「何をしているんだい、こんなところで」

せつな「何日くらいこの町で遊ぼうか考えてたの」

QB「君は自分と同年代の人間がどういう生活基準で生活しているのか、考えたことがあるかい?」

せつな「私は人間じゃないから関係ないし、明日のパンツと少しのお金があれば生きていけるよ?」

QB「ならば目立つ行為は出来るだけ避けてほしいのだが……」

せつな「あ、ねえ『たると』って魔法少女、知ってる?」

QB「イギリスやフランスの方では比較的よくあるあだ名だからねぇ、特定は難しいかな」

せつな「うーん、渡辺さんが『なべちゃん』って言われるようなノリか~」

QB「バーナード・ワイズマンがバーニィって呼ばれるようなものだ」

せつな「そっち系か、そりゃ特定は難しいね」

QB「ところで、どうしてそんなことが気になったんだい?」

せつな「噂をきいたのよん」

QB「ふーん、この町に来る魔法少女は君と明日来る『チル』しかいないはずだけど」

せつな「え、私以外にもゲストがいるの」

QB「これほど人口の多い町だからね、安定して魔女が供給されるんだ。それを狙う子は多い……まあ、チルの場合は個人的な事情のほうが大きいけどね」

せつな「よし決めた!明日はこの町の魔法少女にたかろう!」

QB「この町の魔法少女は警戒心が高いから無理だと思うけどね」

せつな「聞いてくれないならお仕置きしちゃうもん!私女の子大好き!!」

QB「今日はどうするんだい?」

せつな「頭の悪そうな野郎とヤッて、ご飯と寝床とお金を用意させる!」

QB「僕に感情はないけど、君はいろいろと最低だよ」

なぎさ「今日はここまで、なのです」

さやかff「忘れてたけど、これが前回」

ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/.../1406666856/


超常の相手に一般人が意地を見せるのはすき
ほむらちゃん親御さんとは仲良うせんとあかんよ


嘆かわしい限りだが、魔法少女って本来これくらいぶっ飛んでないと長生きできないのかもね

僕も女の子大好き!

おおはようございまし

始めまする

支援

~マミの部屋~


キリカ「それではさやかと、ほむらの退院を祝しまして」

ほむら「……」

さやか「あはは……」

キリカ「かんぱーい」

織莉子「いえー」

ゆま「わー」

QB「キュップイ」

杏子「……」

マミ「……」

キリカ「なんてお通夜ムードだ」


まあ、他の人はもっとお通夜だろうけど……と笑えない冗談を言ってからキリカも大人しく席についた


織莉子「さて、まずは現状の確認ね 」


織莉子が手を叩くと天井から白いスクリーンが降りてきて、写真と文字、正しく言うなら新聞、ネットの記事の選り抜きを表示した


織莉子「賢い大人の皆様は、今回の騒動を反国家勢力……それも海外のスパイによる仕業と見ているわ」


舌を出して悪戯っぽく笑い、織莉子が見出しのいくつかを指して説明する


ほむら「……どうして外国の反日勢力の仕業って事になるんですか?」

織莉子「なんでだと思う?」

ほむら「……ほむ?」


ほむらの惚けた返答にキリカが吹き出しそうになった

マミは意にも介さないのか、二つ目のティーポットに茶葉を入れてお湯を注いでいる


QB「右下の記事を読むと良いよ」

さやか「えーと……『使用された火気類は、去年群馬の米軍駐屯基地から消えたものと使用弾丸が一致』……」

ほむら「ごめんなさい」

キリカ「素直に謝るとは」


テーブルのクッキーをかじりながらキリカが感心した

支援

杏子「でもさ、それだけでどうして犯人が外人になるわけ?」

QB「君は馬鹿かい?」

杏子「うるせえ」


キリカの頬が思わず緩み、ほむらが顔を伏せて笑っている


織莉子「こっちの記事では日本でのオリンピック開催の妨害って節、こちらの誌面では某国による日米間の緊張を狙う説を解説しているわ……更にこの新聞では『米軍駐屯基地の闇』と謳って、ここぞとばかりに袋叩きよ」

キリカ「うーん、左翼ってのは本当に暇な人ばっかなんだなって」


アイコンタクトで二杯目の紅茶を要求し、マミがティーカップの半分程まで紅茶を注ぐ


杏子「いや、あたしはさっぱり分かんないけどな」

ゆま「沖縄のやつもそうだけど、日本は軍隊を持たないって言うんだから仕方無いと思うし、植民地にならなかっただけマシ、とか格抑止の恩恵があるって考え方は出来ないのかな」

杏子「!?」

QB「君はなんの為に学校に行って勉強してるんだい?」


キュウべぇの頭が杏子によって握りつぶされた


さやか(ゆまちゃん頭良いなぁ……)


ビンの中の蜂蜜をスプーンでかき出して紅茶を甘くする作業を終え、生クリームをドポドポと贅沢に注ぐ

半分程しか無かったキリカのティーカップの中身は、今やギリギリいっぱいまでになっている


織莉子「それはその場の人の気持ちを軽んじた意見よ、でもそう言う風に考える方が効率が良いから、政治って難しいの」

キリカ「政治を司る新しい聖戦士でも出てきてくれないとね」

支援


かき混ぜる際に割りと紅茶が零れたが、キリカは特に気にするでも無くそれをクイッと飲み、杏子はその紅茶の味を想像してげんなりしている


織莉子「ま、私達は特に小細工の必要も無く静観するって所ね……それで」


零れた紅茶をハンカチで拭き取りながら織莉子が要点を纏めつつ話を続ける


織莉子「まどかさんはどうだった?」


それは彼女達の同盟『七色の翼』の今後の方針を決定する一番大事な話

この町での魔法少女の同盟は前提条件として鹿目まどかの存在ありきだ

まどかの存在がほむらと織莉子の敵対関係を生み、その構造がマミの不信感を余分に作り、マミと一緒に戦うさやかの存在に杏子が苛立ち……

気が付けば見滝原は6人の魔法少女による四つ巴の抗争状態となっており、ほむらがどの時間軸でも経験しなかった脅威の修羅場となった

表沙汰にこそならないものの、本気になったマミの隙をついてのまどか抹殺は流石の織莉子にも難しく、悪戯に攻撃してくる杏子や、熾烈を極めたグリーフシード調達戦も含め、魔法少女同士の戦闘が毎晩のように起きていた

織莉子が初接触の段階でまどか、さやか、マミに魔法少女の真実をぶちまけたのもあって『色々と躊躇の無いマミ』『まどかを守るために戦う決意をしたさやか』と

末恐ろしい二人のイレギュラーを含めた死闘は、『お菓子の魔女』との戦いで杏子が重傷を負い、ゆまが魔法少女となった事で収束する

支援

……と言うのも、杏子とマミが仲直りした為にパワーバランスが完全に崩壊したのだ

観念した織莉子とキリカは、キュウべぇとまどかを通してマミ、ほむらと交渉

ワルプルギスの夜との共闘を持ちかけ、紆余曲折を経て『まどかを魔法少女にしないための同盟』として『七色の翼』を結成し、なんやかんやでもうすぐ一年経つ


織莉子「まあつまり、まどかさんに再起の望みが無いのなら私たちの同盟は事実上の解散って形になるわけだけども」

QB「それは非常に困(ほむら「まどかは必ず目覚めます……」


織莉子は無音で紅茶をすすり、ニコッと笑ってから言葉をつづけた


織莉子「ふふ、意地悪な言い方をしてごめんなさい」


音もなくティーカップを元に戻し、これまた音もなく立ち上がる……織莉子の動作は一つ一つが洗練されていて綺麗な動きだ

隣に座るキリカとの教養のギャップがすさまじい


織莉子「二人が元気なのだとわかったので、今日はお暇するわ」


キリカも立ち上がり、ドアノブに手をかけたところで織莉子のテレパシーがほむらにだけ届く


織莉子『これからの話はほむらさんの『これから』が決まってからにしましょう』

ほむら「……」


半分は嫌味だと分かりつつも何も言い返せず、ただ黙って二人の背中を見送った


キリカ「あ、言っても無駄だとは思うけど一人で出歩いたり、怪しい人に声をかけられてもついてっちゃだめだよ!」

織莉子「ええ、テロリストかもしれない」


これを冗談として受け止められる人間はこの町では魔法少女だけだ

そんなことを凄い真顔で二人が言うので杏子が吹き出し、ゆまが口を押えて笑い、さやかも声をかみ殺す

さやか「いやいやいや、握手をしたら友達になれるかもしれませんよ!」


さやかの悪乗りでついにマミが堪えきれずに笑いだす


『お互いの職業柄、握手はよしましょう』


とは織莉子達との交渉時の、織莉子の最初のセリフだからだ

今の状況を思えばこのセリフは滑稽極まる

ちなみにこの時はまどかとさやかの『握手くらいしましょう、握手くらい』のごり押しで握手は成った

支援

さやか「なんか織莉子さん、含みのある言い方だったね」

ほむら「割りといつもじゃない」


あれから程なくして二人もマミの家を出た

まだ午後の4時、日曜日のそれなりに明るい時間帯だと言うのに、外には不気味な程人が居ない


ほむら「……晩御飯どうしよ」

さやか「あんたの場合は切実な悩みだからねぇ」


個人経営の飲食店はともかく、チェーン店のスーパー等も軒並み臨時休業

……テロとはそれほどまでに恐ろしい印章なのか、とさやかは呑気に構えている


さやか「駅のモールならやってるんじゃない?あそこ警備員とかいるはずだし」

ほむら「……そこまで行かなきゃ駄目か」

さやか「うち、来る?」

ほむら「……一人になりたいかも」

さやか「だよね」


丁度別れ道、と言うことで二人はなんの気もなしに別れる


さやか「じゃあ、また明日」

ほむら「学校……お休みだけど」

さやか「学校がお休みでも、あたし達は会って良いでしょ?」

ほむら「そうね」


背中越しに手を振るほむらを見送り、さやかも自分の家へ歩こうとする……が


「あの……ちょっとお聞きしても宜しいですか?」

さやか「ん?」


見ればそれはさやかよりも小さな……下手をすればまどかよりもさらに小さな、黒髪の女の子


チル「取り敢えず道を聞きたいです……えっと、私『春原 智留』です」

さやか「え……あの、美樹さやかです?」

チル「それでですね……えっと」

~~

キリカ「……なんでマミや杏子でなく私なんだろうね」

QB「不意討ちするのかい?」

キリカ「マミと織莉子の厳正な話し合いの結果、ギリギリまで手出しはしないことになってる」

QB「へえ、そうかい」

キリカ「あれは『付いていく』訳ではないからね」

支援

~見滝原駅付近~


ほむら「ほむ、今日はお肉にしましょう……味は……家に味噌あったし、あれでいいいか」

ほむら「えっと……お米はあったけど、そう言えば洗剤が残り少なかったかな」

QB「誰に説明しているんだい?」

ほむら「忘れたら後で聞くから覚えておいて」

QB「君は僕をなんだと……」

ほむら「宇宙人に決まってるでしょ、このボケうさぎ」

QB「散々だ……」

ほむら(ん?)


地下に広がるショッピングモールへの入口の反対側に数十人の人だかりが出来ている

入口の警備員も道の反対の騒ぎに聞き耳を立てている様子だ


ほむら(何やってんだか)


別に興味は無い……しかし


『リッスン!マーイソング!』

ほむら「な!?」


テレパシーだ

少女は叫ぶと同時にテレパシーを飛ばした

聞き慣れないテレパシーが意味する事は一つ


ほむら(魔法少女……!)


道を渡り、映画館の脇で開かれている野良リサイタル

ほむらは急ぎその野次馬をかき分けて……


中沢「ん?暁美じゃん」

ほむら「……」

中沢「そんな顔されるとな……」


クラスメイトが紛れていたことに些かのショックを覚えながらほむらは構わず中心の少女を見据えた

支援

中沢「お、お前もせつな知ってんのか?」

ほむら「誰そいつ」

中沢「まあ、旅する歌い手……っつかネトアだな」

ほむら「ネトア……」

せつな「愛を込めて花束を♪」

ほむら「……」

中沢「色んな所でゲリラライブしてんだ!歌も上手いし可愛いだろ?だからそれを録画してツベとかに挙げる奴が居て、それで一部で人気なんだよ」

ほむら(……まあ確かに可愛いけど)

クリッと大きな黄色の瞳に、ちょこんとした鼻、ぷっくりと膨らむ柔らかそうな唇、しまった顎と何となくまるっこい輪郭
同姓のほむらから見ても『可愛い』と言う評価で惜しくない


ほむら(何あの髪)


綺麗な金髪を短く切り揃え、前髪の一部が小さな角のようなあほ毛になっていて、正面から見ると稲妻マークのような感じになっている……チャームポイントと言われれば返す言葉は無いが、ほむらとしては気になるのだ

服装はジャケットにジーンズと、まさに『旅する女』のそれだ

白銀のギターを操作し、ギターだけでは絶対に有り得ない音色をどこからともなく流して彼女は歌っている


せつな「じゃーん!いえい!」


パチパチと盛大な拍手が起き、彼女の前にお金を置く者や、スマホで懸命に撮影したり録画する者もいる


せつな「はい!今日はここまでです!ありがとー!」

せつな「テロリストなんてやっつけちゃお!ついでにお国の犬もね!」


一頻りの笑いが巻き起こった後、応援の言葉をかけたり、握手や記念撮影をしたりして人々はバラバラと別れていく


せつな「あ、ちょっとこれ持ってて」

中沢「え!俺?」

せつな「よろしく!さ、行こうか」


まとめた荷物を乱雑に突っ込んだショルダーバッグを中沢に押し付け、ほむらの手を取り


中沢「え?ちょ、知り合い!?」

せつな「ううん、ただね」


驚く中沢へ向けて、唇に人差し指を当てて悪戯っぽく笑い


せつな「私と契約して魔法少女になってほしいんだ!」

ほむら「……」


極めて挑発的な発言をし、連れて行った


中沢「……あ……」

中沢「暁美すげぇぇ!!」


彼は何かを勘違いしたが、フォローする人間がいなかった

なぎさ「今回はここまでなのです!」

さやかff「魔女とは戦わない(魔法少女と戦わないとは言っていない)」

>>30

なぎさ「ストレスはたまるし親に魔法少女のことはいえないしでほむほむも大変なのです」

>>31

せつな「ブットビングだ!わたし!」

>>32

貴様不死スレ民だな!

不死スレってなんだか知らないけど
かわいい女の子に悪いやつはいない!
おつ
今回は歩とかでないかんじかしら


>魔法少女と戦わないとは言っていない
しってた
暁美の性技量はいかばかりか…

きにするな!
誤差だ!

ごめんさいでした

更新いたします

なぎさ「観覧注意なのでs さやかff「当身!」ドスゥ!

なぎさ「ごふっ」バタ

さやかff「観覧注意です!(色々と)」

支援

せつなに手を引かれて人気の無いビルの間の路地裏までついてきた

徐に手を振りほどき話をする


ほむら「……で、何の用?」

せつな「あろは!私はせつな・オクト・バージニア!長かったらせつな・オクタヴィアって略してね!」


取り敢えずは自己紹介をしてきた辺り敵対心だけ……と言うわけでは無いらしい


ほむら「……暁美ほむらです」

せつな「あろは!イライラしてるね!」


今すぐにでも眉間を撃ち抜きたくなるが、ぐっと堪えた


QB「君馬鹿だろ」

ほむら「用が無いなら……」


代わりにキュウべぇの頭を撃ち抜いた


QB「何故ッ!?」

せつな「あは!あのね」

ほむら「!」


空気が変わる

せつなは両手と背筋をピッと真っ直ぐに揃えて、90度ほど直角に腰を折って


せつな「今夜の晩御飯と寝床を恵んでください!」

ほむら「……………………は?」


想定外過ぎた発言に、ほむらは意味を理解するまでに数十秒を必要とした


せつな「あ、グリーフシードあげるし、なんならお金も出すからさ!お願い!」


顔を上げたせつなは両手を合わせてお願いしてきた

ほむらはちょっと可愛いと感じ、余計にイライラしてしまう


ほむら「そのお金でホテルに行って」

せつな「いや、それじゃ旅の醍醐味ってもんがさ」

ほむら「うるさい」

せつな「うーん……よしよし!よーし!」


不気味さを醸し出すような音楽が何処からともなく聞こえて身構える


ほむら(何このBGM……)

せつな「私とバトルトルトルだよ!私が勝ったらお家に泊めて!」

ほむら「嫌、今すぐ消えて」

支援


せつな「魔法少女の対立は解決法一つしか無いし!それに私はふらっと寄っただけだよ」


ほむら「……」

せつな「って、うぉ!?」


無言でせつなの胸を狙って発砲、せつなはそれを大きく跳躍して避けた


QB「だからせつなに言ったんだけどなぁ……」


ほむらの指輪が煌めいていつもの魔法少女へ変身した

ただ、本人に自覚は無いが今日のほむらはせつなの魔法で冷静さに欠ける


せつな「オッケー!オッケー!ヤル気MAXだね!」


BGMに打楽器の音が混ざりだして、不気味さや恐怖感の中に熱くたぎる何かを感じさせるものへと変わっていく


せつな「バートルジョイナス!BGMは『ビッグブリッヂの死闘』!」


せつなの指輪がシルエットも見えなくなるほどの閃光を発した後、白を基調とし、所々に黒いパーツをあしらった軽装の甲冑に身を包んでいた


ほむら「随分余裕ね……」

せつな「ん、ふふーん!私めちゃ強だしね!」


魔法少女としての姿を見せびらかすように、両手を広げてクルリと回る

関節の付近や身体の稼働部分には干渉しないよう装甲が少なめで、甲冑と言うよりは乳白色のフレアワンピースに黒色の装甲をアクセサリ的に取り付けた、と言うような感じだ

肩やヘソの左下辺り等にワンポイントで蝙蝠の翼を模したパーツがついており、いかにもな『小悪魔系ブリッ子魔法少女』である


せつな「ほむらちゃんの自信、おっぽしょっちゃうからね!」

ほむら「……?」


東京出身のほむらには理解出来ない

支援

せつな「行っくよ!」


ギターの先端をもってベース部分でほむらに殴りかかる

一歩だけ右に動いて避け、左足で打ちすえるような鋭い蹴り

せつなが右手で受け、飛び退いてからまた踏み込んでギターを振りおろす

それもかわしたほむらは愛用のゴルフクラブを二本取り出し、せつな目掛けて振り回す


「なんだ……誰か居るのか?」

せつな「わお!」

ほむら「っ!」


汚い身なりのホームレスが物音を聞きつけ声をかける

次の瞬間にはほむらのスタングネードが炸裂して視界を封じ、二人はビルの壁をかけ上がって場所を変えた


せつな「あろは!戦いなれてるね!」

ほむら「……」

せつな「うーん……でも、ほむらちゃんあまり本気じゃ無い感じだよねぇ……」

ほむら「別に……普通に本気よ」

せつな「普通じゃダメダメ!もっと、本気でバトルしてくれないとね!」


せつなのギターが真ん中から縦に割れ、物理法則を軽く無視して変形する

幾何学模様の組み合わせで構成されていたギターは、ナックルガードのついたトンファー状の籠手になる


ほむら(……ダブルオーのGNソードⅢみたい)

せつな「さあ、私とバトルでドキドキしよう!」

ほむら「余裕綽々ね、マイスターもどき」

せつな「あ、それ一番気にしてる渾名!」

QB「せつなやめてくれ!君の歌は僕に効く!!」

ほむら(……!この歌!?)

せつな「さあ!BGMは有坂美香 で『life  goes  on』だよ!ほむらちゃんが知ってると良いな!」

ほむら「こいつッ!」

QB「きぃぃぃやぁぁああ!やめてぇぇぇッ!!」

支援

道案内が必要!と言い切る少女を、快諾まではいかないものの暇だから、と言う理由で案内した


さやか「あとはそこをまっすぐ行けば見滝原森林公園だよ」

チル「本当ですか!……で、もう少し聞きたいのですけど」


さやかの背後で濁ったグリーフシードを落としながらチルは尋ねる


さやか「え?どうぞ」

チル「加咲という姉妹をご存知ですか?」

さやか「加咲……いや、知らないかな」


チルの指輪が輝いて、魔法少女が駆け抜ける


チル 『では』

さやか「え……?」


魔女の気配が自分を捉えた、と確信するのとほぼ同時


チル「『七色の翼』は?」

さやか「ぐふっ!?」


質問を理解することもなくさやかはチルの拳に打ち貫かれて吹き飛ばされた


チル「加咲さんは私の親友とその姉です……やっぱりあなた達には十把一絡げですか」

さやか「っ……!」


腹をおもっきりどつかれ、息も絶え絶えに体を起こす


チル「私はあなた達全員を許しません!めいとさつき姉の苦しみ……万分の一でも味わって頂きます!」


魔法少女になったチルは桜の花びらを上からそのままかぶったような半纏を身に着け、帯が背中で大の字の翼のように広がっている

武器は持たず、紫の布地に金色の淵の小手と同じカラーリングの脛あてに素足という井出達で、それらの服は年齢を鑑みても小柄で、黒い髪と大和撫子そのものな凛々しいチルの顔立ちに良く似合い『超が付くお転婆姫』といった具合だ


さやか「姉妹……?あの時の子——ぐっ!」

チル「お話をする余裕はありませんよ」


まるで重力には縛られない、と言わんばかりのふわりとした動きで舞い、さやかを足蹴にする


さやか「けほっけほっ……っ……!」


袖は破け、スカートには切れ目が入ってさやかの太ももと下着をチラつかせる

支援

チル「油断せず、慢心せず、傲らず、舐めてかからず、気を抜かず、持てる力でかかって来てください」


右手を挙げて桜色の炎を灯らせて啖呵を切った


さやか「……待って、あれは」


そして同時に魔女の結界が二人を飲み込む


チル「私はあなた達を許さないと言いました!加減はしません!」


『砂漠の魔女(ティータ)』の世界が広がって形を持つ

一面に信じられないほどの高さの木々で作られた樹海

そして足元に広がる命を感じさせない熱砂の砂漠

木の葉で覆われている筈なのに直接太陽に照り付けられているような暑さ

『渇望』の性質を持ったティータの結界は、小人となって紛れた深い渇きの森


さやか「話を聞い——がっ!!?」

チル「あなた達は二人の話を聞きましたか!?全力で抗う以外にすべき事はありません!!」


投げつけられた炎が爆発し、さやかを吹き飛ばして大木に背中から叩き付ける


チル「戦う相手への敬意が無いあなた達なんかに!道を外れた者に救いも慈悲も有りませんからね!!」

さやか「……う、く……っ」

さやか(ソウルジェムが反応しない……指輪が、光らない……)


自分の体の魔力を、指輪に集めて開放する……あの感覚をうまく呼び出せない

もちろん痛みも消せないし、けがの治療も出来ない

頭部と肩から血を流してぐったりとするさやかに、多少の疑問を抱きながらゆっくりと歩み寄る


チル(抵抗をしない……どうして?)

チル「何もしないならそれでも結構です!誰も貴方を助けはしませんからね!」


右手に桜色の炎を宿して振りかぶった、その瞬間だった

支援

キリカ「確かに『誰か』は助けてくれないさ、でもね!」

チル「ちっ!」


声と共にチルの頭上から爪が迫る

気配を察したチルは身を低くしつつ跳躍して避け、さやかとキリカへ向き直る


さやか「キリ……カ……さん」

キリカ「君がどう見てようと『仲間』は助けてくれる!」

チル「ふん……誰かが来るとは思っていましたが、まずは様子見って事ですか」

キリカ「私の後輩が世話になった!君、許されないよ」


キリカも向き直り、両手をだらんと垂らして爪を出した

口元こそ笑っているが、その笑みは嗜虐的なものを感じさせる危険なものだ


チル「それはこちらの台詞です!チルのほっぺは桜色です!」

キリカ「その少しだけ未来から来た魔法少女って感じ……実にハーフボイルドだね」


一瞬の静寂を挟み、チルが仕掛ける

桜色の軌跡を残した神速の踏み込みでキリカの腹部目掛けて拳を連続で突き出す

キリカは距離を取りながら体を左右に揺らしてなんなくかわし、脛を狙って爪を振るう

が、チルがキリカの前腕を蹴り飛ばし

僅かの隙を見逃さず、しゃがみ込みからの蹴り払いで足を救い上げて体勢を崩し、桜色の炎を纏った右手でキリカの胸を突き飛ばした


さやか「キリカさんッ!」

チル「『桜花散華』!」

キリカ「痛ってぇ……」

チル「貴女の身体捌きは大したものでした……でも (キリカ「でも何?」

チル「なッ!?」


チルの目にはキリカが瞬間移動をしたかの如き早さで襲ってきたように見える

しかし、負傷したキリカが正面からチルを仕留めるには『速度低下』込みでも速さが足りない

左へ飛び退いてキリカの切り上げをかわし、足刀で反撃するも跳躍で回避され距離を取られる

支援

キリカ「『ステッピング・ファング』」

チル「こんなのっ!」


左手に青い炎を灯し、飛んでくる爪を手刀で払う

炎に焼かれた爪は脆くも崩れさり、チルは追撃が無いと見るや右腕をつかんで炎と一緒に魔力を流し込む

右手で桜色の炎が燃え上がり、そのままキリカへ掌を向け


チル「『枝下桜花』!」


チルの声と共に炎弾が高速で飛ぶ


キリカ「ち!」


着弾すると桜色の爆発を起こし、それを受けた樹木は人間が入り込めるほどに抉り取られている


チル「散らせますよ!」

キリカ「うお!連発効くの!?」


軽口を叩きながらも放たれた炎弾を木の枝から木の枝へ飛んで避けつつ、合間を縫って爪を飛ばしてくる


チル(動作が早いのはそうなんだけど……なんというのか、あの人の動きには違和感が……)


チルの目的は『七色の翼』の全滅

一人で複数を相手取る以上相応の支度はしてあるが、埒の空かない撃ち合いを続けていると増援の可能性もあるし、それが狙いとも取れる動き


チル(いきなり使いたくは無かったけど……)


粒子様の光が右手に集まり、棒状の何かを構成し


チル「行きますよ!チルチルステッキです!」

キリカ「……?っとお!?」


木々を飛び回るキリカは思わずずっこけそうになったが踏ん張り、チルの右手の『チルチルステッキ』とやらを凝視した

それはポチっと押すと台詞を喋って光るようなベリーにキッズ向けのステッキにしか見えず、やはりというか桜の花がモチーフになっている


キリカ「……えっと」

チル「高まりました!ここからのチルは凄いですよ!」

ステッキ『チルっと参上!チルっと解決!コノハナチルヒメ登場です!』

ステッキ『チェーィンジ!』

支援

キリカ「……あのさぁ」

チル「い、言わなきゃ魔法が起動してくれないんです!!それに、余裕綽々なのはここまでです!」


ステッキを両手で握り腰だめに構え


チル「謳いなさい——蒼桜絶刀!『海神之太刀』!!」


その名を叫ぶとステッキが桜の枝へと姿を代え、満開になった桜の花が散ると、そこにあるのは2メートル程の太刀


キリカ「っ!!」


刀身は海のように透き通った蒼の水晶、刃は桜色の鋼で彩られ、唾や縁はやっぱり桜の花弁をモチーフとしている


チル(海神が反応してる?魔法は私に掛けられていたってこと……つまり)

チル「徒花に散りなさい!『桜円花』!!」


鍔の桜に火が灯り、眩く光る刃を縦に振ると、刃の軌跡が綺麗な弧を維持したまま直進してキリカを襲う


キリカ『なんて嫌な名前の技を!』

チル「なッ!?……な、名前位好きにさせて頂きます!!」

キリカ『あ、これはこっちの……っどぉぅわあッ!!?』

チルチルステッキ『チェリブロッサム!』

キリカ「むっちゃ乱発してきた!?」


次々と飛んでくる斬撃を飛び回って避ける

速度低下の効いていない斬撃はかなりの速度で突っ込んで来るため、キリカは回避で手一杯になってしまう


チル(あの人の魔法は、多分私の体感速度を落とすもの……海神之太刀には魔力を分解して無効化する性質があるから、もう通じない!)


キリカは斬撃の嵐の中を器用に掻い潜り、適当な大樹を盾にチルの射界から逃れる


キリカ「『ヴァンパイア・ファング』!」


盾にした大樹が削り取られて倒れるのに合わせて飛び出し、鞭状に連なった爪を振るうが、それはチルの太刀に触れたとたんにいきなり崩れ去り、チルが飛び込んで接近する隙になってしまう


キリカ「くっそ!」

チル「血に塗れど!『八重紅桜』!」

キリカ(次元屈折現象!?)


チルの振るう刃が三つに割れ、それぞれの軌道で襲い掛かる

二つまでは無理やり身を捩って回避するも、最後の太刀がキリカの左手を薬指と中指の間から綺麗に切って裂いた


キリカ「ぐっ——あああああっ!!!」

さやか「キリカ、さん……!」

キリカ「ああ!!がっ……ううう!!?」

支援

キリカ(あ、あの太刀……)


チルの持つ桜色の炎は物理的な破壊を行う力、そして青い炎は魔法の破壊を行う力

それらを混ぜ合わせ『チルチルステッキ』を覚醒させたものが『海神乃太刀』

そして青い炎が破壊する魔法というものに『痛覚遮断』と『体表面を覆う魔力による防御力』が含まれており(チルは知らずに使っているが)

姉を政略結婚から守ることを願った『情熱』の属性を持つチルの魔法は、対魔法少女における最大の『凶器』となる


チル「取りますよ!」


真っ向から切りかかるチルの猛攻をすんでのところでかわして右手の爪で切りかかる

爪はチルの太刀に当たるとやはり崩れ去る、間髪入れずに回し蹴りをチルの脇腹に入れて距離を取り、痛覚遮断が起動してもまだ痛む左手をかばって呼吸を整える


チル「なんの!」


チルは太刀の柄で地面を叩いて器用に身を翻し、再び飛びかかる

キリカも未だ脂汗と涙が止まらない自分に鞭打って両手の爪で挟むように切り掛かる

やはり太刀に触れた爪は崩れるが、すぐさま次を作り出して構わず振るい続ける

キリカの圧倒的な手数を前に長物の太刀を素早く的確に振って捌く


キリカ「らあっ!!」

チル「っぐ……この!!」


キリカが両手の爪を同時に叩き付け、一瞬拮抗させて太刀の軌道を逸らす

その僅かな一瞬にヘッドバットを喰らわせ、鞭に変化した爪でチルの眼前を、後方へ跳びながら薙ぎ払い爪を飛ばして接近をけん制


チル「『桜円花』!」


樹木の枝に乗って攻撃をかわし、一際大きい大樹の裏へ回り込んで両手に草刈り鎌のような巨大な爪を携える

チルの『佐倉まどか』で樹が削り取られると同時に飛び出して攻勢に回った

支援


キリカ「キリキリ舞いだ!『ガスティーネイル』!」

チル「全方位!?」

キリカ『手数も殺傷力も最強の技!』


身の丈程の爪を両手で十本展開し、チルの逃げ道を塞ぐよう一斉にぶん投げた

ある程度進んだ爪はキリカの魔力で誘導され、目標目掛けて膨らむような放物線を描いて襲いかかる


チル(でも!)


見切れない程では無い

両手で構えた海神で確実に切り落とし、かわす


キリカ『避けた所で次!次、次、次、次!』

チル「くっ!」


両手に続々と爪を展開し、ブンブンとめっちゃくちゃに投げまくる


チル(受け身になったら押し切られる!)

チル「『桜円花』!」


殺意の嵐の合間を見計らっての反撃で斬撃を二つ飛ばす

キリカの気勢を削いで、攻撃の手を止めさせるためだ

無理に放った反撃だったのでチルは左腕と太股を爪に裂かれたが、反撃の起点と成りうるなら安い代償だ


チル(あの人、避けない!?)


攻撃するのに夢中だからか、キリカは回避の素振りすら見せずに両腕を振り回して爪を飛ばし続け、チルの『桜円花』は彼女の腹を横一文字に切り裂き、豊満な乳房を肩にかけて真っ二つに切り飛ばした……が


チル(嘘!……あ、あの人……い、痛くないの!?)

チル「うっ!!」


太刀を振るうため足に力を入れたとき、先程の傷が一瞬痛む

僅か一瞬の差でも手数を重ねれば大きな遅れになる

手数を売りにするキリカを相手にそれは致命傷で、今度はチルが切り裂かれる番だった

支援

顔面を切り裂きに来た爪をどうにかかわし、しかしそこに視点が向いた瞬間には背中を抉られ右の太股を切り裂かれ、畳み掛けるように右腕を貫かれ……夥しい数の爪がチルの身体を抉り、切り裂き、貫いて、削って、刻んで、引き裂いていく

しかし、魔力で制御された全ての爪は器用に急所を避けた。数百と切り刻まれ、十本以上の爪に身体を貫かれたチルに抵抗の術など無いが、気力だけはどうにか保っている


チル「く……ぁ……」

キリカ「お、どうにか生きてるって感じだね」


身体の至るところを飾る爪のせいで倒れこむ事も出来ず、ブリッジのような姿勢で半分宙吊りのチルに問い掛ける

体重を支えるのが爪のみなので、彼女の身体は自重で少しずつ沈み続けていく。凶器が続々と自身の身体を突き抜けていく恐怖と激痛に、今にも上げたい悲鳴を噛み殺す事で無理矢理気力を保っている


チル「っ……う……う……」


チルの真下の地面に出来た血だまりに、わざと足音を立てながらキリカが踏み入る


キリカ「ははは!!」


痛みのショックでほとんど意識が飛びかけているチルだが、キリカの気配には感づいたらしく、口をパクパクさせて呪いの言葉を吐いている


キリカ「ふふ、りっぱな心掛けだね!」


……吐いてはいるのだが、本当に息も絶え絶えな為誰にも聞き取れない


キリカ「さて」


空中で中途半端に静止して生死を彷徨うチルを、爪で自分がけがをしないように気を付けて鳩尾のあたりに足をのせた

キリカ「アーユー ハッピーナウ?」

チル「きゃあッ!!——あ、ああああああァァッッ!!!!!」


ぐっと足に力を入れても中途半端にしか進まず「今度こそは」と魔法でブーストをかけて一気に踏み沈めた

二度目の踏み込みのあたりでのどが避けんばかりの絶叫を挙げた直後でチルの変身はとけ、クリーム色のぼんぼりがついた可愛らしいセーターは一瞬で真っ赤に染まり、目を見開いたまま失禁して失神してしまった


キリカ「さて、無事かい?」

さやか「…………はい」

キリカ「私の怪我を直してほしいところなんだけど……難しそうだね」

さやか「…………ごめんなさい」

ティータ「ぶるうぇえええい!!」

地面を爪で割りながら巨大な迷彩模様のサソリ……『砂漠の魔女』が姿を現した

キリカ「蟻地獄!?ってか忘れてたぁ!?」

さやか「あ……」


半死半生のチルの胴体を爪で挟んで振り回しながら尻尾をキリカとさやかへ突き立てに来る。臨戦態勢のキリカは速度低下をかけた後さやかを抱えて跳んだ


キリカ「まあ申し訳ないがあの子にはここで死んでもらおう!」

さやか「そんな……」

キリカ「希望を捨てない!もしかしたら助けが間に合うかもしれない!黄色くて強くて巨乳でリボンの魔法を使う人とか来てくれるかも!」

「『ティロ・フィナーレ』!」

さやキリ((マジで来たよ……))


魔女は死んだ。爆発に巻き込まれたチルはリボンでぐるぐる巻きにされてマミのもとへすーっとひっぱられた

さやか(なにこの茶番……)

キリカ「こういうのをことわざで『願えば叶う』と言うんだ」

マミ「『愚者を旅に出しても愚者のまま帰ってくる』ってことわざもあるのよ、キリカ」

リボほむ「タイトル回収ね」

さやかff「悪魔め……」

りほむ「ええ、悪魔よ」

~???~

「ごめんなさい!ごめんなさい!お父さん許して!!」


必死にお願いした

叶わないと分かっても願うしかなかった

私が何をしたのかなんて知らない、たぶん私に理由なんてない

なにか『この人』がすごい怒るきっかけはあったはずだけど思い出せない

髪の毛をつかまれて腹をけたぐられて、殴られてどつかれて、両手で抱えられて玄関から真夜中の雪景色の駐車場に下着姿のままぶん投げられた

雪が軽く積もってるとはいえ舗装されていない地面に叩き付けられ、小石に突き立てられた素肌は切れて血を流し、体の表面を通して内臓をまとめて揺さぶられたような不快感と激痛に襲われる

その痛みが治まってきたころ、私はふと「寒い」と言った

当たり前だ、タンクトップとパンツだけの格好で真冬の、雪が積もった夜に表へ放り出されたのだから


——おう、じゃあ温めてやるよ


どばっと灯油を全身に浴びせられ、意外と暖かいなどと感心したのもつかの間

パチン……と聞こえて、それから


~~朝 ほむらの家~~


せつな「っっっぐ!う、は!!?」


目を覚まし、最初に目に入ったのが見知らぬ天井……というのはいつものこと


せつな「はぁ、はぁ……はぁ~」

せつな(慣れないことしちゃいけないなぁ)

ほむら「あ……せつなぁ?」

せつな「あろは!ちょっとトイレ~」


布団から出ると、全裸では思ったより冷えることに気づいた

エアコンに指を向け魔力を送って起動し、裸のままで二度寝に入ったほむらに布団をかけなおす

首に巻き付けられたリボンを特に意味もなく指でひっぱりながら用をすませ、勝手にほむらの服(ブラのみ自前)を身に着けて朝の支度を始めた

さやかff「いやーチルちゃん強かったねー」

リボほむ「ちょっと待て 」

さやかff「それに勝つキリカさんも流石だしマミさんも貫禄あるねー、ってかマミさんの戦闘適当過ぎでしょ」ケラケラ

リボほむ「ちょっと待て」

さやかff「今回はここまでです!お疲れ様でした!」

>>50

あゆゆはせつなとバトンタッチで出てきます

この二人は出会ったら殺しあうくらいの勢いでウマが合わないので当面顔合わせがありません

>>51

処女なので皆無ですが一人暮らしなので知識は多少ある模様

>>55

すまぬ……

乙 
ほむほむは本当モテるな(白目)
マミがまともに活躍したらだいたい問題解決しそうなくらい強い 4部の承太郎かよ

あと前スレに誘導張ったほうがいいと思う

ほむほむはそろそろハーレムを作るべき
マミが嫉妬でほむと戦争すればいいのに

現実には勝てないよ……すまぬ

せつな「ほら、起きて起きて」

ほむら「んー……んん……」

せつな「もう10時だよ、いつまで素っ裸で寝てんの」

ほむら「んん……」

せつな「シャワー浴びてらっしゃい!結構汗かいてるよ」

ほむら「うぅ……わっ」クラ

せつな「お、大丈夫?」

ほむら「足に力が入んないんだけど……っていうかその……痛い」

せつな「まあ初めてであんだけやればそうなるかもね。大人しく魔法使えば?」

ほむら「うん、そうする」

~で、数十分後~

ほむら「はあ……まだぼーっとする」

せつな「やっぱ若いと体力あるねー。あんだけ派手にいっても意識があったりするんだもん」

ほむら「いや……3回目位からはもう他人事みたくなってて全然思い出せない」

せつな「途中で落ちちゃってたけどシャワーを浴びる気力があったのは凄いと思うよ」

ほむら「誘っといて……」

せつな「乗ったのはほむらちゃん!ま、ご飯食べよ!」

ほむら「スクランブルエッグにトースト……と、なんで味噌汁なの……」

せつな「あたしが好きだから!ま、卵焼き失敗したからスクランブルになっちゃったんだけどね」

ほむら「……味噌汁にジャガイモなんて入れるもの?」

せつな「入れるよー!最低でもあたしの地元では!」

ほむら「どこの田舎の話よ……」

せつな「長野ー!」

ぼむら「超ド田舎じゃない……」

せつな「わたしほどではないけど、意外とのぶいね!」

支援


~巴家~


杏子「……なあ」

マミ「何?」

キリカ「どしたの?」

織莉子「……」

ゆま「?」

さやか「はぁ……」

ほむら「……?」

杏子「ウチに集まるのは惰性なのか」

キリカ「そうだよ」

ほむら「学校お休みだし……」

織莉子「キリカと家にいても良いんだけど……ねえ?」

キリカ「ね♀」

さやか「一人で居たら滅入るし……」

マミ「それに、集まってれば早々事件も起きないし」

杏子「起きないんじゃなくてマミが事件の種を潰してるんだ」

ゆま「主に実力で」

マミ「そんな事無いわ、皆で維持してる平和よ」

キリカ「私は単語帳を捲ってる杏子の奇行が気になるよ」

杏子「素直に勉強してんの、奇行とか言うなよ泣くぞ」

ゆま「やっぱり皆と同じ見滝原東高校行くんだって」

ほむら「……」

織莉子「……と言うことは二次募集を普通受験するのね?」

杏子「もうこの時期だと学校の成績関係無くなるからな」

さやか「ああー、2年の末まで学校サボってるから行ける高校が無いとか言ってたもんね」

さやかff「ほむらさん普通にそっちのキャラですか」

リボほむ「この展開はおかしいよ……」


キリカ「あれ私立滑った子の為の枠だから倍率高いんでなかったっけ?」

マミ「でも補欠合格の枠が多いのよ……その分筆記の点数勝負になるらしいのだけど……」

ほむら(なんで織莉子さんがチラ見してくるの)

杏子「まあ無理なら無理でそん時は普通に定時通うけどさ」

さやか「…………そう言えばほむらは高校どこ?」

ほむら「……えっと……み、未定……」

杏子「はぁっ!?」

さやか「ほむらも推薦取れないから筆記で行くって言ってなかったっけ?」

QB「何処に行くとは言ってないから騙してはいないよ!」

ゆま「余計な事言わないで死んで」

QB「ぐふぇ!!」

ほむら「あ……の…………両親が……東京に帰ってこい……って」

杏子「なんでそう言うこと黙ってたんだよ!」ドン

マミ「そうよ、重大な話よ」

織莉子「ぜんぜんしらなかったわびっくりだわー」

ゆま(予知凄いな)

さやか(魔法少女には相談しづらいんじゃないかなぁ……)

キリカ(親いない人多いし……)

ほむら「でもこっちが大変だし、やっぱり残ろうかなっ、て……」ビクビク

マミ「それは何?私達だけだと色々不安だと言いたいの?」

ほむら「そ、そういう訳じゃ……」

さやか(あーあ……)

キリカ(返しをミスったな……)

支援


杏子「つーかさ、前から思ってたけどやっぱ家族と離れて暮らすのって変だって」

ほむら「ぅ……」

マミ「いくら病気の治療が有るからって、むしろ病気の暁美さんを独り暮らしさせるってどういう事なのかしら……」

ほむら「その……ナノマシン治療なので……」

杏子「あー……だからあんだけ運動出来ても軽くスルーされんのか」

マミ「……って事は金銭的な問題?」

ゆま「……?ナノマシン治療って何するの?」

織莉子「凄く小さな機械を身体の中に入れて内側から治療したり、内臓や血液の代わりの仕事をさせるのよ」

ゆま「それってそんなに高いの?」

織莉子「最初に導入するだけで何百万もするし、ナノマシンのメンテナンスや拒絶反応のケアも必要だから病院には通わなきゃ行けないし……なのに保険が効かないから薬のお金なんかも含めて億を超えるか超えないか、らしいわよ」

杏子「あれ、地域によっては反対運動凄いらしいな」

ゆま「え、なんで?」

キリカ「ぶっちゃけサイボーグ一歩手前だからね、嫌がる人って言うか『それでお前は人間か?』ってうるさい大人が多いんだよ」

ゆま「あ、そっか。普通の人の内臓よりも働く機械を入れるからずるいって感じる人が多いんだ」

さやか(キリカさんがすごい濁したのに察した)

ほむら(この子、やはり出来る)

支援


織莉子「日本でナノマシン治療を受けられるのは見滝原か長崎くらいのものでしょうね」

ほむら「……」

QB「織莉子のお父さんが『未来を魅せる 見滝原』をスローガンに画期的な条例をいくつも作り、法を整備したからね。見滝原以外では行政から補助金が病院に出ないから機械の導入も厳しいのさ」

杏子「ん?じゃあなんで長崎ではできるわけ?」

さやか「あんた授業ちっとも聞いてないのね……」

杏子「う……」

マミ「世界で最初にナノマシンの保管と体内への着床、および体外からの信号、薬物投与による機能操作と拡張、体内で無害な物質への返還と体内洗浄といった技術を確立させたのが長崎の理大だからよ」

ほむら(このへんの近代史って時間軸によって微妙に違うのよね……どこかで魔法少女が関連してるってことなんでしょうけど)

マミ「ま、暁美さんの問題はこれでひとまず置くとして」

ゆま「いいの?」

マミ「暁美さんは舞台装置の魔女のグリーフシードを持ってるもの、魔法を無駄に使わなければずっと困らないはずよ」

ほむら「あ、いえこれはみなさんで……」ドウゾ

杏子「あんた一人で魔女狩れるのかよ」

ほむら「あ、相手を選べば……」

キリカ「向こうでも人間関係つまづくと思うから、縄張りとかで大いに揉めそうだけどね……」

ほむら「う」

織莉子「共闘できる仲間を作れればよいのだけど、ほむらさんに出来そうもないし?」

ほむら「ぐ……」

QB「友達作るの下手だよね、まどかと共通の友達しかいないんじゃないの?」

ゆま「死んでて」

QB「ごふっ」

ほむら「ぅ……」シュン

さやかff「重要な設定の説明が然り気無い会話に混ざってるスタイル」

ゆきな「良くないね!」

マミ「環境になじめなければ濁りは早くなるし、そんな時に助けてくれる友達は向こうにいないし作れないでしょ?」

ほむら「が、頑張ります……」

織莉子「正直に言うとほむらさんが持ってても全体のパワーバランスが傾くことはないし、そっちのが余計な事もなさそうでよさげなんだけど」

キリカ「魔力無限のハンデがあってパワーバランス崩せないってやばいよ君」

ほむら「…………グスン」

さやか(泣いた……)

杏子(泣かせた……)

織莉子「で、まあほかの問題なんだけど」

マミ「やっぱり市民ホールの騒動を仕組んだのは魔法少女よね……」

杏子「魔力の残り香に、魔女じゃありえないのがいくつかあるからな」

織莉子「……で、犯人も特定できないからしらみつぶしってことで見滝原全体に探知結界を張ってしまったわけだけど」

ほむら「……巴さんの魔力は大丈夫なんですか?」

マミ「霊脈のいくつかを捻じ曲げて作り直すときに多少消耗したけど、維持するには大したことないわね……流石に戦闘にまでは手が回らないから、普段の半分くらいでしか戦えないけど」

キリカ(あれで半分……?)

QB「この消費効率なら一か月は補給なしで維持できそうだね」

杏子「魔法少女か魔女が触れるとあたしとマミと織莉子が分かるってだけだしな」

さやか「魔法少女にならこの上なくばっちり見える結界なのに……」

キリカ「入ってきたんだよなぁ、一人」

ゆま「そういえばその子どうしちゃったの?」

キリカ「協会の地下で磔で放置、まだ生きてんじゃない」

マミ「せめて謝罪の意思だけでも見せてくれれば解放してあげるんだけど……」

キリカ「あそこまでいくと意固地だよ、どうにもなんない」

さやか「あの……殺しちゃうん……ですよね?」

キリカ「ははは、ほっといたらまあ、死んじゃうでしょ」

さやか「……」

支援

杏子「だからそれが嫌なら、あたしらが手を出す前にさやかが追い出せっていつも言ってるだろ。その為に訓練だってしてんだしさ」

さやか「……」

マミ「そういえば魔法が使えなくなったっていうのも深刻ね」

ゆま「そのわりには軽いよね」

マミ「グリーフシードのストック的に困ることはほぼないもの……流石に暁美さんがこっちにいるうちに解決してほしい問題ではあるけども」

キリカ「まどかが復活したらぴょこって治りそうなもんだけどね」

織莉子「つまりあれね、まどかさんから発せられている何らかの物質『マドカルシウム』とでも呼ぶべきものが不足しているのね」

マミ「あら、二人ってそこまで行ってたの?」

杏子「馬鹿野郎」

ほむら(いつぞやの世界で見てしまった二人のキスを思い出してしまった……)

キリカ「まあ私たちの境地には及ばないだろうけど」

さやか「行ってないですし目指してませんよ……」

ほむら(結局二人で勝手に添い遂げてたなぁ……)

杏子(マミがだんだんキリカに染められていく……)

QB「一応聞いておくけど雑談をするために集まったわけではないんだよね?」

織莉子「そのはずだけどどうしても横道にそれるの」

キリカ「なんでだろうね」

杏子「アンタの息の根を止めればはっきりするよ」

支援

マミ「まあこれは時間をかけて気持ちの整理をつけてもらうしかないわね」

ゆま「そこのタンスの中身全部グリーフシードだし、協会の倉庫も半分くらい埋まってるから余裕だね」

さやか「うん、あたしの部屋の引き出しも一つ占拠されててお母さんに変なコレクションと思われてるよ」

杏子(まあ返り討ちついでのカツアゲで稼いでるんだけどな)

織莉子「で、これも置いておくとして……ほむらさん、あの子はどう?」

ほむら「あ、いや別に……特に何も……」

キリカ(ほむらから漂うメスの香りを見るに、何もないわけないんだよなぁ♀)

マミ「何かあったら首のリボンですぐさま斬ネックしちゃうから大丈夫よ」

杏子「ってかあいつ今なにやってんの?」

ほむら「え、知らない……」

杏子「えぇぇ……」

キリカ「そういや調べてみたんだけど、あの子指名手配になっちゃってるよ」

マミ「……暁美さんの家に置いといて平気かしら?」

ほむら「た、多分……あの人はそういうドジを踏む人ではないと思うので……」

キリカ(『あの人』ね……ほむらの雰囲気がマドカルシウム無しでポジティブになったことも考えると……ねぇ♀)

織莉子「じゃ、あとは杏子さんの勉強をみんなで冷やかしましょうか」

杏子「なんでそうなる……」

ゆま「スマブラしよ!」xネ

キリカ「任せとけ、私のゼルダがトラウマになるまでぼこぼこにしてしんぜよう」

杏子「言っとくけど割とガチでゆま強いからな、普通に本気でやんないとトラウマになるぞ」

織莉子「あらあら、それは楽しみだわ」

さやか「じゃ、あと一人はあたしが」

マミ(ゆまが強いのは鹿目さんのお父様にオンラインで散々負けてるからなんだけど……ということは美樹さんも……)


~~


ゆま「(*´▽`*)」

キリカ「もうやだ……ゆまちゃんのマリオなんて大嫌いだ……正確にはマリオのマントが嫌いだ……」

織莉子「横Bのマントってあんなに使いまわせるものなのね……」

さやか(3分で撃墜12って何……)

ほむら(コンスコーンと倒されたわね)

さやかff(コンスコンってわかる人居るの……?)


~見滝原駅前のイオン~


せつな「ワーン、ツー、スリー、フォー♪いちにっさんし~ゴーロ~ック(^^)♪」

QB「何やってんだ君」

せつな『お買い物』

せつな「今すぐ~レジへ走りだーせ♪」


男性「ショウさん、あの子今朝ニュースでやってた指名手配の子じゃあ……」

ショウ「バッカお前冷静に考えろよ、こんなところで目立つように歌う指名手配犯がいるかよ」

男性「そ、そっすよね……んなのいるわけないっすよね!テロリストの仲間だってんだから、変装したりして行動するに決まってるっすよね!」


QB「普通変装くらいはするよ、どんだけ低俗な犯罪者でも」

せつな「私は私を偽らなーい(^^>ヨコピース」

QB「……で、なんで君とほむらは共同生活をすることになったんだい?」

女性「2858円になります……」

せつな「あれ、君見てなかったの?」

QB「君の歌を聴いてると個体が次々と精神疾患を起こすからあまり観察できないんだと言っているだろう」

女性「お返しの方が142円になります……」

女性(こいつ誰と会話してんだよ基地外かよ……)

せつな「わったっしーせつなちゃん♪あなたもせつなちゃん~♪」

支援


男性「ショウさんあの子やっぱり……」

ショウ「気のせいだ……ウチとおんなじだ、なかよしだ」

男性「ショウさん?」


せつな「笑う声までおんなじね~はっはっはっはおんなじね~♪」


男性「……あれ、俺今さっきなんかとんでもないものを目にしてたはずなんだが……」

ショウ「知ってるか?サザエさんって昔は週2だったんだぜ」

男性「へ、へぇー」

ショウ「そのあとはドリフやってて隙が無かったな……巨人の中継で休止になったりするもんだから、いつの間にか野球が嫌いになってたなぁ……」

男性「なんでこんな会話になったんでしたっけ?」

ショウ「なんでだったかなぁ……」


せつな「あろは!問題ないでしょ」

QB「大有りだよ、平然と魔法で洗脳するってどういう神経だよ」

せつな「大丈夫大丈夫、男なんて棒と金以外に価値ないから」

QB「大人の女性はどうなるんだい」

せつな「BBAは論外お姉さんは顔とおっぱい次第かな」

QB「君ってやっぱり最低だよ」

せつな「あろは!毒舌だね、感情がないのに」

QB「そう感じたのなら自分の行動を顧みるべきだ」

せつな「もー、私と君の仲でしょ!」

QB(否定したら洗脳して言わせるくせに……)

せつな「ほむらちゃんは魔法少女で良かったね、そのうち価値が無くなるところだったもん」

QB「君以外はそう思わないけどね、でも彼女の胸に成長の可能性がないのは確かだろう……両親を見る限りは」

支援

せつな「あ、ほむらちゃんの初夜の話だっけ?」

QB「それのずいぶん前から頼むよ、歌を歌い始めたあたりで個体を破棄して観測を諦めたから何も把握してないんだ」

せつな「つまり最初からじゃん」

QB「当たり前の顔でほむらの家に帰ろうとする状況が理解できないんだ」

せつな「ほむらちゃんの身体の具合が聞きたいと、そのうち名器となるほむらちゃんのあんな事やそんな事が知りたいと」

QB「それらの情報も有用だが、そこに至る過程を理解してこそだと考えている」

せつな「うーん、中々営業スキルが上がってきたね」

QB「君の指導で魔法少女の契約率が上がってるのは確かだからね」

せつな「お酒に酔ってれば一撃で契約取れるよ」

QB「僕の担当は大体が小学生から高校生なんだが……」

せつな「そこは人生経験をおだてないと」

QB「感情がない僕がいうのも難だけど君の相手は面倒くさいよ」

せつな「知ってるでしょー、んで、ビルの上に行って本格的に戦闘が始まってからね~~

QB「結局話し始めるのかい!?」

せつな「お、ツッコミいいねー、突っ込んで♀くると尚いいね!」

QB「君も知っての通り突っ込む♂モノがないんでね」

なぎさ「今回はここまでなのです!」

さやかff「キュウべぇに感情が無い……?」

せつな「私の魔法の効果だよ!」

>>83
前スレといえばあゆゆのスピンオフ……作ったんだけどパソコンにビール零してデータ飛んじゃった( ;;)

せっかく動物愛好家で銀行強盗でスリの達人の人の話作ったのに……

>>84

ほむらちゃんは離脱してしまうので……

最低と言うのが何を指すのかは分からないけど

識字率100%、GDPが世界3位(中国の半分だけど)の日本が最低ってことは色々な意味でないと思うの

自殺と癌で[ピーーー]る贅沢な国って世界を見ても日本だけよ?

こんばんは

更新しますー

さやかff「なお今回もマミさん」

~昨日 見滝原市街地 ビルの屋上~


静かなイントロが始まり、二人が睨み会う


QB「ライフゴーズオーン(ゴーズオーン」


キュウべぇの一声が木霊したあと。マイナー調の、でも希望を感じさせる音楽が流れる

詩の始まりを示す打楽器の音で二人は同時に銃を構えて撃った


せつな「涙で滲んだ この空を見上げる度」


歌いながらもほむらの銃撃をかわして、自身も両手のガンポッドで反撃する


せつな「儚い青さが 胸を締め付けてく」


せつなの武器は本来このガンポッドのみ

弾丸が50mmであるが故の破壊力とストッピングパワー、その弾丸を毎秒六発のフルオートで連射する攻撃力で、それを二丁で扱えるのだから火力の面は非の打ち所がない


ほむら「く!」


面制圧と手数……一瞬で劣勢を悟ったほむらの引き際は鮮やかで、給水タンクに姿を隠し、少し低い隣のビルの屋上へ飛び移った


せつな(ふふ!こういう戦いも大好き!)

支援

せつな「戦い 続けた日々を 後に!」


急ぎ追いかけるせつなが飛び出す場所、瞬間を狙って発砲

それは見切っていたとばかりに身体を捻り、腰の翼に隠れていたバーニアを吹かして螺旋を描く軌道でほむらに迫る


せつな「燃え上がる!命が有る限り!」

QB「燃え上ーがるー♪」

ほむら「くっ」

QB「いのーちがー♪ある限りー♪」

せつな「真実の  運命さえ  見失いそう、それでも!」

ほむら(キュウべぇうざっ)


両手のアームガードと銃を巧みに使い分けた格闘を前にさしものほむらも押され気味

殴る蹴るの通常の格闘に加えてアームガードによる圧力の押し付けと接射も交えたせつなの技は独特で、かつ自身は大きく体勢を崩さない

攻撃に対し消極的な体捌きとも取れるが『いつでも離脱できる用意』をしてから攻撃に回るのは、何が起きるか分からない対魔法少女のセオリーとして正しい


ほむら「っ!!」


ビルから電柱へ、また近くのビルへ……

途中で爆弾を落とし、飛び出す瞬間を銃撃するが、せつなの足を止めることが出来ない

見滝原の建築物の屋上を舞台にした戦いは、一方的な鬼ごっこの様相を呈していた

支援


せつな「愛に溢れてー♪」

QB「らー  あー」


結局せつなの歌がフルで終わり、それでもほむらは目的地へたどり着いた

まさに 殴り放題≪ストライクフリーダム≫ な戦いではあったがそれでもまだ諦めるわけにはいかない


ほむら「うっ!?」


バーニアで加速したせつなの蹴りをゴルフクラブで受け止めたが、勢いを削ぐことが出来ず、そのままバーニアの出力で押しきられ、近場の森林に叩き付けられた


ほむら(どうにか……協会の森には……)


途中で見滝原の結界に触れてきたので、マミか杏子が時期に来るはず

しかし、それまではほむらが一人で耐えなければならない


せつな『さあ!晩御飯のメニューを発表するんだよ!』


せつなの足元に転がった空き缶の様なものが強烈な閃光を発して目を眩ませ、ほむらもすぐさま反撃に転じて撃とうとしたが、視界を潰された瞬間には構えて引き金を引いていたせつなの攻撃を避けるのが先決だった

ほむらの自動小銃と防御力では、撃ち合いになると割りの合わない痛み分けになってしまう


ほむら「きゃあ!」


回避行動を先読みしたせつなの回し蹴り

バーニアの出力も込みの強烈な一撃でほむらは樹木をへし折るほどの勢いで吹き飛ばされた

一応他人に目撃される危険性は薄いだうが、それでも折れた樹というのは目立つだろう


せつな『もぅ~別に負けて晩御飯奢る位良いじゃん、あんま続けるとお互い割りに合わないしさぁ』

ほむら「それは、あなたの理屈でしょ……」


視界が真っ赤に染まる、全身の半分以上を血で濡らしながらほむらは立ち上がる

そして、血を流して走り回り、興奮してきたことでせつなの魔法が効いてきた


せつな『あーはん?』

ほむら「うるさい……」

せつな「あひゃ?」

支援


ほむら「貴女みたいな……戦いたがる奴がいるから……!」


せつなの魔法は……歌声は普通は人間にしか効果がなく、下手な魔女の使い魔程度の魔法耐性があれば効果が表れない

しかし、相手は今まさに悩み盛りの宇宙一弱い魔法少女

下手な大人……例えば軍人とかよりよっぽどせつなの扇動に耐性が無い


せつな「ははは!にゃーにをそんなガチってんのさ!」

ほむら「私達は戦いたくなんか無い!!もう、放っておいてよ!!」

せつな「んー?……あ、分かった!この前の市民ホールで魔女が暴れた時に友達が怪我でもしたんでしょ!」

ほむら「っ……」

せつな「……あり?どうして止まっちゃっ……!?」

ほむら「ふっ……ぅっ……」

せつな(え、泣く!?そこで泣くっ!?)

せつな「そ、そんな辛いなら大人しくご飯だけ食べさせてくれたらそれで良いのに……」

ほむら「うるさい……うるさいうるさい!うるさいっ!!」

せつな「わお!逆鱗に触れたね!」

ほむら「あんたは一体……なんなのよっ!!」

せつな「何々!過去の事は過去の事だよ!これから頑張れば万事おっけー!q(^-^q)」

ほむら「……これから?……私に……私に、これからなんか……無いッ!!」

せつな(わーお)

QB「地雷原でブレイクダンスを踊る君の度胸は大したもんだぜチェケラ!」

支援


ほむらが拳銃の引き金を引くのに合わせてバーニアで回り込みながら飛び込み、無い胸を押しつぶすように蹴り込んで叩きつけ、地面を引きずる


ほむら「っ……う……」

せつな「あー……分かった、分かった……悩み多き年頃だしね……愚痴くらいは聞いてあげるからさ」


突如、せつなの頭上から槍が飛んできた


QB「あべしっ!?」


ギリギリで反応してかわすとせつなの影から杏子が音もなく現れ、槍で背中を切り払う

咄嗟にアームガードで防御したが力任せに吹き飛ばされて倒れたのも束の間、身体を転がして立ち上がり構えた

分割された槍がせつなを刺殺しようと踊り狂う

両手のガードで適度にあしらいながら間隙で銃撃するが、杏子もそれをかわしながら攻撃の手は緩めない


せつな「わおっ!」


槍の猛攻が終わると間髪入れずに杏子の分身が飛びかかる

せつなも観念したのか唯一の逃げ場である中空へ跳び、そして


ほむら「杏……子……」

杏子「歌……?っておいほむら!!」

ほむらが力尽きて倒れたのを見て、眼前に敵に改めて殺意を灯す

支援

杏子の出足が一瞬遅れた隙に樹木の枝を掴んで身を翻し、宙返りで枝に乗りながら銃撃して飛び込んだ


せつな「いつもの視線に  君がいて呼吸が出来る♪」

杏子「ちっ」

せつな「僕にとっては それだけでもう充分なはずなのに」


至近距離での格闘戦は長物を振り回す杏子が不利


せつな「ちっぽけな僕は 繰り返す過ちばかり」


両手のガンポッドを踊るように振り回して杏子を滅多打ちにし、一方的に攻め立てて密着以上の距離を取らせない


せつな「どれほど強さを手にしたら 何も傷つけずに済むの?」


対する杏子も槍の柄を使って器用に凌ぎ、刃で軽い反撃は仕掛けるもののいずれもせつなから距離を取れるほどの隙は作れず防戦一方


せつな「迷わずに この愛を 信じ生きてゆく」

せつな「塞がらぬ 傷口も ぎゅっと抱きしめて♪」


経験値から来る技量もそうだが、単純な機動力でもアドバンテージがせつなにある


せつな「二人は 歩き続ける 後には もう戻れないから」


下手に下がれば狙い撃ちにされる上にこう近くては分身を援護に動かしずらいし、せつなのは見抜かれている


せつな「今でもこの胸の奥」


音楽で攻防のタイミングを意図的に操作されてることもあって杏子が徐々に傷を負っていくこととなる


せつな「消せない罪は痛むけど ダーリン♪」

杏子「ぐっ!」


軽快な音楽に合わせて踊るせつなに、杏子は翻弄され続ける

さやかff「マミさんェ……」

槍の柄に向けて銃口を押してつけて発砲、仰け反った瞬間に鎖骨を強打して鳩尾にガンポッドをめり込ませて腰のバーニアで加速し、内臓を押し潰すようにして樹に叩き付けた


杏子「ごふっ……」

せつな「さ、私の二連勝だよ!」


吐血しながら倒れる杏子を尻目にそんな事を宣うも、肝心のほむらも気絶していて返事が無い

やれやれと両手を上げてほむらの方へゆっくり歩きだし……しかし背後から襲う刃を振り向きながら叩き落とし、杏子の眉間に照準を合わせ


杏子「な……!?」

せつな「君は後!」

『パロットラ・マギア・エドゥー・インフィニータ!!』

せつな「ちょ!?」


頭上から信じられない数の弾丸が一斉に降り注ぎ、それらはせつなの身体の各所を撃ち抜いた

痛覚を遮断して飛び、第一波は凌いだがもう遅い

頭上に居たマミの蹴りで打ち落とされ、空中で何かに叩きつけられ剥き出しの皮膚が一斉に裂ける

それが先ほどの銃撃に紛れて張り巡らされたワイヤーだと理解した頃にはせつなは指ひとつ動かせなくなっていた


せつな「痛たたた!?ギブギブ!!」

マミ「……なんか、緊張感に欠けるわね」

キリカ「こんだけ瞬殺しといて緊張感なんてあるわけ無いね」

杏子(マミの銃撃が一番恐かった……)

支援

マミ「で、何をしてくれてた訳?」

せつな「ほむらちゃんと晩御飯をかけてタイマンを……いだだだだ!!?ちょ、真面目に答えたって!答えたよぉッ!?」

マミ「……どう思う?」

キリカ「……いや、ほむらに聞こうよ」

マミ「晩御飯をかけてただけって割には随分とおいたが過ぎるようだけど!!」

せつな「痛っ、痛い!!ちょ、死ぬ!もげる!!腰のところで体がもげる!!」

マミ「……ずいぶん余裕ね……だったら――」

せつな「ほ、ほらむちゃん起きて!!私を助けてぇぇっ!!?」

マミ「本物の暴力を教えてあげるわ」

せつな「いやあああッッッ!!!???」

杏子(あーあ……あたし咬ませ犬じゃねえか……)

キリカ「……とりあえずほむらを起こしてくるよ……」

杏子「つーか、あんたらさやかを助けに行ったんじゃなかったのかよ……」

キリカ「一応言っとくけどもう助けてきたよ」

杏子「…………マミ強すぎないか?」

キリカ「私やさやかから見れば杏子も滅茶苦茶強いけどね……マミがイカれてるだけだ」

杏子「あーあ、嫌味をあんがとよ」

支援

~~

せつな「……というわけで負けてしまったのでした!」

QB「自分で言っておいてなんだが、やはりほむらは弱すぎるね」

せつな「ね、隠し玉があんのかと思ってて損しちゃった」

QB「じゃあその首輪はもしかして」

せつな「イグザクトリィ!ギリギリロックだよ!」

QB「完全に捕虜の扱いじゃないか」

せつな「いやー、しかしあんなに強い魔法少女っているんだねー!危うく絶望するところだったよ」

QB「なんで絶望してくれなかったんだ」

せつな「もうそんな年じゃないんだよな~、これが」

さやかff「お疲れ様でした!今回はここまでです」

さやかff「……マミさんが段々とギャグ要員に思えてきたよ」

乙!魔法少女戦もMSっぽくなってきた

期待

ほっしゅっしゅ

毎度待たせてすまぬ……

なぎさ「更新するのです!」

せつな「ごめんなさい申し訳ございませんエロ同人みたいにあんな事しても良いからお命だけはー!」ドゲザー

マミ「……」

せつな「なんならしゃぶったり舐めたり揉んだり撫でたりマッサージしたりするから」

マミ「…………何を?」

せつな「おっぱい、さもなきゃクリ」

マミ「暁美さん、後をよろしく」

ほむら「え」

キリカ(謝って出すもの出したら許すとは言ったけど素直に応じるなんて……)

杏子(想定外過ぎてマミが匙投げちまった……そしてあたしはこんな奴に……)

せつな「しかし立派なおっぱいですね御三方は」

杏子「お、おう」

キリカ(ほむらが残念過ぎるだけで成長期だし多少はね?)

ほむら「………………」サワ

マミ「……一応もう一度聞くけど、貴女は敵性の存在では無いと言うわけね?」

せつな「そりゃもう可愛い女の子の味方ですはい」

キリカ「つまりは織莉子の味方か」

杏子「黙ってろ」

せつな「さ、そんな訳でご飯食べに行こ!」

ほむら「…………どんだけ太い神経してんのよ」

せつな「5センチ位かにゃ」

杏子「もうなんか流れが馬鹿らしいからツッコまねぇけどさ、マジで何しにきたわけ?」

せつな「偶然寄っただけだよ!いやーしかし四人しか居ない魔法少女が四人とも襲いかかってくるとは!」

キリカ「ん……?」

マミ『しっ!』

マミ「誰よ、私達の噂を流してる奴は……」

せつな「ほら、なんか違う子とバトってたから来ないよなあーって思ってたんだけどさ!」

マミ「あの子は瞬殺よ、瞬殺」

せつな「ですよねー」

杏子「で、誰だよ?んな無責任な噂流した奴!見つけ出してとっちめてやる」

せつな「えーっとね……確か神帰って言ったかな?」

マミ「そう、その人は見つけ次第血祭りね……」

キリカ「その人はどこに居るのさ」

せつな「分かんない!なんか捕まりそうだったから逆に捕まえてお話聞いただけだし!そしたらこの町の魔法少女は4人いるって!」

マミ「見た目の特徴は?」

せつな「んーっとね……髪は白髪混じったグレーで、前髪も含めてこーやって全部後ろで結ってたよ!顔は、えーっと……瞳は灰色だったんじゃないかな!髭は生えてなかったよ」

キリカ「そんなの  マミ『しっ!』

キリカ「……えっと、髪の色が判ってりゃ瞳の色も分かるよ、人間の染色体の色で、遺伝子の色なんだから」

ほむら「そ、そうだった……っけ?」

マミ(……まさか)

マミ「まあ良いわ、監視は付けるけど取り合えず好きにして」

せつな「なんなら脱ぐので調べてくれても良いのよ?ココ♀とか」

マミ「……」

せつな「ああ、そんな……銃で犯そうと言うのね……o(^  ^)カモーン」

マミ「……頭痛くなってきたわ」

ほむら「…………」

杏子(ほむらがドン引きしてんぞ……)

キリカ(何を想像してしまってるんだ)

ほむら(……あんな隙間に入るの?)


~見滝原市街~


せつな「うーん、ここにしよっか!」

ほむら「……すき焼き」


指差した先にある看板は切り出した古い木の板に、ものものしく行書で『高級居酒屋  すき焼き  折り鶴』と書かれている


せつな「あ、もしかして牛肉駄目?ミッション系って顔してるし?」

ほむら「ミッション系ではあるけど、神様は真に受けてないから構わないわ」

せつな「あろは!決まりだね!」

ほむら「…………」


如何にも『高いお店』感のある絵が彫ってあるガラス戸を開け、シックで大人気溢れる木造の店内へ入る


「はい、いらっしゃいませ」

せつな「ふったり~(^ ^)v」

「奥のお座敷へどうぞ」


いかにも『老舗の女将』と言った風貌の女性に案内されて奥へと進む

日本庭園でもモチーフにしたのか、店内には小川が流れて、1枚石の橋が渡る

奥には小さな滝と池まであり、ししおどしがたまに鳴る以外は水の流れる音しかしない

安らぎを与えてくれる静かな雰囲気も、行きすぎて厳かになっているように感じられる


ほむら(…………こことんでも高いお店じゃ)


襖で仕切られた畳の部屋に案内され、ほむら達の脱いだ靴を大事そうに抱えて女性が下がる


せつな「何正面座ろうとしてんの!隣来いって隣!」

ほむら「……」


せつなが座った席の正面に座ろうと腰を下ろそうとして、思わす止まる


せつな「カムカムカモンかも!」

ほむら「……」


せつながバンバン叩いてた座布団に手を掛け、拳1つ分程ずらして座った


せつな「取り合えず生ビール!ほむらちゃんはコーラ?」

ほむら(私そんなにコーラ好きに見えるの……?)

女性「すみません、未成年者にお酒は」

せつな「パメルク ラルク!ラリロリポップン!」

女性「はい、かしこまりました」

ほむら「……」

せつな「いやん!ジト目で見ないで!」

せつながドカドカと注文した物が一通り揃い、鍋に入れた白菜もいい具合に染まった


せつな「ほれほれ」

ほむら(……なんでコイツこんな元気なの)


取り合えず皿に乗った薄くてステーキの如く大きな牛肉を箸でまとめて四枚つかんで鍋に投げ込む

ボウルから卵を2つ取り出して机を叩き、指だけを器用に動かして中身を2つのとんすいに落とした


せつな「ん~……やっぱ椎茸は至高の食材だね~」


肉なり野菜なりを勝手に溶いた玉子の中に投げ入れ、1つをほむらに押し付けた

実は生玉子が苦手なので、表情で訴えてはみたものの反応はない

せつなは二杯目の分の肉を流し込んで、ビールを煽りながら椎茸を食べている


せつな「んまー!エノキとエリンギ超うまー!!やっぱりきのここそすき焼き界のシャアって奴だよねぇ!」

ほむら「…………」

せつな「食べないのー?」

ほむら「生玉子苦手」

せつな「そんな!!人生を6割は損してるよ!?」

ほむら(っていうかすき焼き食べるのが初めてよ……)

せつな「玉子が苦手ならねぇ……」

新たに玉子を割って開け、さっきよりも圧倒的に素早くかき混ぜて、七味唐辛子と鍋の汁を少し入れる

出来上がったそれは泡がごぼごぼと浮かび上がり、その泡だけをれんげで掬って自分の皿に混ぜてからほむらに押し付ける


ほむら「結局玉子じゃない……」

せつな「良いから食べ~るべるべるべるべっと~」

ほむら「……」


適当に入れ込まれた肉を食べる……なるほど、溶いた生玉子に有りがちなブヨブヨと後を引く物はなく、黄身のしつこい臭いは七味唐辛子によって打ち消されている


せつな「うっうっウマウマーっていって良いのよ?」

ほむら「……」

せつな「さあさあ!折角鍋をつつき合うのだから、胸の内をどぅーんと話してごらん?」ドン!

ほむら「……貴女はどうして魔法少女になったの?」

せつな「嫌な事がありすぎたのでぜーんぶぶち壊したのさー」ケラケラ

ほむら「…………」

せつな「あー分かった分かった、真面目に話すよ」 コホン

ほむら「…………」

せつな「えっとねー、要するに親から虐待されてて、んで両親をこう……普通に殺して、色々してる内に魔法少女になったの」

ほむら「…………そう」

せつな「ツッコミ無しは辛いなあ」

ほむら「そうね……そっか、殺しちゃうのか」

せつな「はいほら訳分かんない方向に感化されない」

ほむら「ええ、冗談よ」

せつな「親嫌いなのー?」

ほむら「……嫌い、ね」

せつな「あら」

ほむら「虐待された訳じゃ無いから」

せつな「親不孝者ッ!!」

ほむら「……」

せつな「何その「お前が言うか」って目!生意気だゾ!」

ほむら「……」

せつな「コラ、そっぽ向いてコーラ飲むな!」

ほむら「黙れアル中」

せつな「中毒じゃない!ただの嗜酒者だモン!」

なぎさ「今回はここまでなのです!お疲れ様でした!」

>>136>>137>>138

いつもすまぬの……


リボほむ「あ、こいつその内消えるから」

せつな「酷い!オリキャラは使い捨てに定評があるけど、そんなのあんまりだ!」 

せつな「あ、そうそう中学生なんでしょ?将来の夢とか決まってんの?」

ほむら「いえ、考えたこと……ないし」

せつな「えーなにそれー」

ほむら「高校には行くのだけど……親のコネで、そこそこいいところ」

せつな「ほぇーあたし高校行く気さらさらマサラタウンだったから、すごいって思うよ」

ほむら(こいつ何歳なの)

せつな「でもせっかく高校行くんだから、大学はこっちいこーとか無いの?」

ほむら「全然、興味無いわ」

せつな「あらまー、今どき流行りのさとり世代ってやつ?」

ほむら「そういうのでは無いわ、一緒に居たい人がいるけど、いつ目を覚ますのか分らないって言うし……」

せつな「あらら、あたしったら結構軽やかに地雷踏んでたのね……ま、いつもなんだけどー(゚∀゚ノ)ノ キャー」

ほむら「でしょうね」

せつな「わお☆」

ほむら「あなたとしてはからかい半分だったのでしょうけど、この前の魔女との戦いで守り切れなくて、ケガさせてしまったのよ」

せつな「おお、メガトン級じゃん」

ほむら「まあ逆に、ここまでのおバカさんに、あそこまでの知恵があるとは思わないから殺さないのだけど」

せつな「うーん……その時の魔女が人為的なものに感じられるから、魔法少女を警戒してるんだよね?」

ほむら「……ええ」

せつな「んー……敵が居るとして、何が目的なんだろねー」

ほむら「さあね……ただ、私達はかなり怨みを買ってる所があるから……その線かも」

せつな「ふーん……そんな風には見えなかったけどね」

ほむら「……なんで?」

せつな「殺す気マンマンなら、ホールに爆弾でも置いてどっかーんで良いじゃない?」

ほむら「っていうか知ってたの……あ、そういえばニュースで見たような……」

せつな「あろは!あたし有名人?」

ほむら「でも爆弾はちょっと極端じゃ……」

ほむら(いえ、それも一つの考え方……確かにあそこでダメ押しの一手があれば確実に何人かは葬れたはず……それをしなかったのは顔を見られたくないのか、それともあれは陽動で裏でなんらかの策を講じていたのか……あるいは……)

せつな「もしもーし」

ほむら「…………」ブツブツ

せつな「むー」

ほむら「わっ!ふひゃあ!?」

せつな「あたしといるんだからあたしとお話ししようよー!」

ほむら「あなたと話すことなんて別に……」

せつな「まだ将来の夢を聞いてないゾ」

ほむら「そんなものない、はい終わり」

せつな「そんな回答ダメー!」

ほむら「……今考えてみたけど、やっぱり思いつかないわ。はっきり言うならどうでもいいってところね」

せつな「じゃあさ、どうして自分がそんなに無気力なのか考えようよ、なんか枯れちゃってる感あるしさ」

ほむら「どうしてって……だって……だって……」


実は理由は分かってる。だから「まどかが」とは続かない

そうして逃げるといつかそれが「まどかのせいで」になってしまうことを、花爛 ゆきなのなれの果て『造花の
魔女』が感じさせてくれた

せつな「何々?どうせ今日会ったばかりなんだから気にせず言ってごらんよ」

ほむら「……」


燻っている思いを口にすると、それは確信になってしまう気がする


ほむら「私、生まれつきで心臓が弱かったの……物心ついたときには『大人にはなれない』って自分で知ってたくらいに、救いがないくらい」

せつな「あらま」

ほむら「それで……それで……」

せつな「勇気の鈴がリンリンリン♪」

ほむら「……」

せつな「v」

ほむら「……私の病気は、大人なら薬を飲むだけで良いそうだけど、子供の場合は成長期の負荷に耐え切れずに死んでしまうそうよ……特に女子の場合は」

せつな「へー」

ほむら「初めは『大人には』って言われてたのが『高校卒業は』『高校入学は』『中学を卒業するのは』『年を越すのは』って、どんどん自分の年齢と近くなっていくの、逆に現実味が無くなってどんどんどうでもよくなっていったわ」


「数字は悪くなってくのにね」と笑いながらオチもつける

あららーと、せつなも笑う


ほむら「ナノマシン治療の希望者は世界中にいて、抽選で何万分の一って確率でしか受けられなくて……でもそれでしか助けられないからって、お父さんとお母さんが一生懸命お金を貯めてくれてたのは分かってる……」

せつな「あれってうん憶万円とかするんでしょ?」

ほむら「ええ、だからとっても幸せなことなの……今後の人生における幸運は期待出来ないくらいにね」

せつな「うーん、でもあれだね。助かったこと自体にストレスを感じているから、自分の意見がうまく通せないんだよ」

ほむら「……ストレス?」

せつな「そうそう、思春期にある『何のために生まれて、何をして喜ぶ』ってあれ」

ほむら「……よくわかんない」

せつな「人間って変なのでね、部活とか習い事とか恋人とかの、今まで自分を縛っていたストレスが消えると、今度はもっとめんどくさいストレスを勝手に抱えるように出来てるんだよ」

ほむら「そんな不条理な」

せつな「ほんとほんと!そのうち宇宙に空気がないのは自分の努力が足りないからだって思うようになるよ」

ほむら「……」

せつな「ま、それは冗談だけどね」

ほむら「……」

せつな「いやん!そんな目で見つめちゃ……!」

ほむら「……」

~帰り道~


しばらく沈黙が続いたのち、会計をせつなが済ませて帰路についた

金額が4から始まる五桁の数字だったような気がしたが、それはすべてせつながお酒を飲んだせいだと、そう言い聞かせた


せつな「うっふふふ!何かジュース買っていく?」

ほむら「テンションがウザいわ」

せつな「酷いな~、ほむらちゃんは私のこと、どう思ってるの?」

ほむら「ありていに言って、ただの酔っ払いよ……一人でそんな馬鹿騒ぎして」


ほむらの周りをくるりくるいと回りながらせつなのご機嫌な歌が始まった


せつな「寒い~夜だから♪明日を待ちわびて~♪」

ほむら「もう、そんな風に歩き回るとあぶないったら」

せつな「んふふ~」


ほむらの苦言を聞いてかどうか、ほむらに抱き着いてほほを擦り付けて歩く

密着してきて果てしなくウザいのだが、これはこれで歩き回らないのでよしとして、ほむらは進むことにする


せつな「私ね~キュウべぇに『私を縛るものなんか要らない』ってお願いしたの」

ほむら「……そう」

せつな「どんなものでも、捨てちゃうのって実はとっても簡単なんだよ」


「なんせ魔法少女だしね!!」と続く言葉に、「それでも」と返したかったが……否定する言葉がうまく紡げない気がしたので黙りこくる


せつな「でもねー……捨てちゃったものはもう帰ってこないんだー。それを嫌だと思うなら、辛くても頑張らなきゃだめだよー」

ほむら「……」

せつな「うんん?」

ほむら「あ……いや、こんなに人が近いの、久しぶりだなって」

せつな「あったかいでしょー」スリスリ

ほむら「まあ……そうね」

~現在 ほむらの家~


せつな「んで、そのあと滅茶苦茶セックスした」ジュー

QB「そうかい」

せつな「んー、やっぱ山芋だね」サクッ モキュモキュ

QB「何を作ってるんだい?」

せつな「山芋にスライスチーズと海苔を巻いて、片栗粉をつけてあげるんだよ」

QB「へー」

せつな「んー……ビール買って来ておいて良かったー!」

QB「これは君たちで言うところの孤独のグルメ(彼女付き)だね」

せつな「折角だから、あたしがご飯を作ってあげるんだよ~」

QB「そうなった経緯は良く分らないが……」

せつな「だっておうちに帰って、ただいまって言ったらご飯が出来てるなんて当たり前じゃない」

QB「そうだろうね」

せつな「ナツナツナツココーナッツ♪アーイアイアイアイ アイランド~♪」

QB「ところでせつな」

せつな「なっあに~?」

QB「ほむらから洗剤頼まれてたよね?」

せつな「かはぁっ!!」ブハァッ

QB「血を吐いた!?」

~~

ガチャ


ほむら(中沢の家って、あんなところに——)

せつな「うわあああん!!洗剤忘れだぁあああああ!!!」


スパカーン☆


QB「額をゴルフクラブで打ち抜くなんて……普通の人間なら死んでるよ」


せつな「痛い……すごい頭痛い……」

ほむら「急に飛びついてこないで」

せつな「夜、あんなに愛し合ったのに……」

ほむら「あれとこれとは別……ったく、はい荷物」ポイ

せつな「わー、ありがとー!」バサ

ほむら(中沢ウザかった……)

せつな「さあさあ、ご飯出来てるよ!」

ほむら「え……そう」

せつな「はいストーップ!帰ってきたらいうことあるでしょうが!」

ほむら「何を……?」

せつな「帰ってきたらただいまでしょ!」

ほむら「え……えぇ……」ゲンナリ

せつな「むー」ジー

ほむら「た、ただ……いま」

せつな「ふふっ!おかえり!」

QB「帰ってきただけなのに随分興奮しているね、顔が真っ赤だよほむら」

ほむら「……うるさい」

QB「やれやれ、もう夜の情事に頭が(ほむら「死ね」 がはっ!?」

せつな「と言うわけであたしは明日、行くことにするよ」

QB「どういう訳なんだい」

ほむら「……そう」

せつな「寂しい?寂しい?」

ほむら「まあそこそこ」

せつな「なんか無言より傷つくかも」

QB「どうして会話が成立するんだ(困惑)」

ほむら「まあ、他人といるのは久しぶりだったから、楽しくはあったけど」

QB「楽しい(夜)」

ほむら「死ね」

QB「グプッ」


~杏子の教会 入口付近~


深夜、明かりはあれども人の居ない街を抜け、闇の中にひっそりと佇む協会

一度は朽ちたそれは、魔法少女たちが手ずから修復していき、今では森の霊脈の中継地点を兼ねた魔法少女への迎撃拠点として活用されている


せつな「あ~あ……一人で来い、とかつまんないこと言ってくれちゃってさ~」


ほむらに気取られるな、というのが頭につく

明日は早朝に出るから、と理由をつけてほむらを速やかに眠らせて、単身でマミの呼びかけに応えたせつなは、協会の前に立つ人影に聞こえよがしに不満をぶちまけた


マミ「ごめんなさいね。けど暁美さんから明日、あなたが発つと聞いたから」

せつな「なーにが聞きたいのー?」


この間は寝落ちですごめんなさい……

更新します

支援


~教会地下~


本来は倉庫に過ぎない地下室で、両手両足を開かされた状態で四肢を釘に貫かれ、壁に磔にされた少女がいる

眼前の机に自身のソウルジェムを飾られて完全に抵抗力を奪われ、磔刑による負荷でいつ絶命してもおかしくはない


チル「……っ……ぁ」


キリカたちによるひとしきりの尋問を終えた後、チルには今後の選択肢を二つ与えられた

一つは『七色の翼』に屈服し、とりあえずの釈放を得る道

もう一つは最後まで抗うこと……すなわち、残酷な死を以って尊厳を守る道

織莉子とキリカの魔法で加工された釘は、チルの手首の神経を正確に捉えて離さず、自重の負荷と僅かな刺激で神経にこの上ない激痛を与える

磔にされて最初の一日、チルはあまりの痛みに気絶すらできないことを嘆いた

二日目、上半身の重みを支えることに肩の筋肉が耐えられなくなると、その負担は容赦なく腕と肩の関節を蝕む

もう完治は見込めないほどの酷い脱臼を、ショック死すらあり得るほどの痛みとともに味わい、支える関節も失った今は、ただただ、自分の体重ですこしずつ引きちぎられる痛みを味わうのみだ

支援


イエス・キリストのような磔刑ならばこの段階で胸と腹の筋肉にも負荷をかけ、多くの場合は呼吸困難で衰弱死を迎える

だが膝を釘で縫い付けられ、中途半端に負担を減らされたチルに待っていたのは、胸筋に肺を締め上げられ

極度に疲労した横隔膜で辛うじて呼吸をし、四肢を廻る激痛に耐えるだけの、見せしめの処刑とでも言うべき辛すぎる現実だった


チル「……っ……」

マミ「レガーレ」


リボンが釘を分解し、崩れ落ちるチルの身体を優しく抱きとめる


チル「……ぇ……?」


マミの手から発せられた光が壊された体を徐々に直し、痛みの消えた体に違和感すら覚えたチルは、尽きたはずの気力を絞って目の焦点を合わせる

マミ「あなたは、ここで死んではいけないわ」

チル「……っ……?」

マミ「ここから逃がすわ……怪我もある程度治す………だから、急いで逃げなさい」

チル「な……んで……」

QB「そうだよマミ!どうしてここで急にそんな展開になるんだ!」

マミ「間違った方法で得た結果に、価値なんてないからよ(大嘘)」

支援

深夜、数日前からは考えられないほど静かになった見滝原の街を舞台に、マミが演出した狡猾な茶番が始まっていた


キリカ『そーら、必死に逃げろ!』

チル「くっ!」


機関銃の如く爪を連射し、市営団地の屋上を走る魔法少女を派手に追い詰める


織莉子『オムニス・シュテルン』


淡く輝く水晶玉が至近距離で爆発し、破片や爆炎で背中の皮膚を切り裂く


チル「この…………っぅ!?」

織莉子「さあ、これまでよ」

チル「あ……貴方達は、仲間まで手にかけようとして……!そうまでして!」

キリカ「ああ、黄色の人?私たちにとっても残念なことだよ……でも君が余計なことをしてしまうからだよ、あの人をどうこう思うのなら君は大人しく死ぬべきだった」

チル「この……人でなし!」

キリカ「偽善者に何言われてもねぇ!」

チル「そんな……きゃぁッ!!」


マミの魔法で体の怪我こそほぼ完治しているものの、丸1日と半分の間かなりキツい拘束を受けていた身だ

まともな睡眠も無かったし、体力の消耗とあわせてかなり精神を磨耗している

それが一番露骨に出るのは反射神経と集中力、何より気の持ちようだった

支援

キリカ「『スリリング・スリング』!」


振り下ろされた爪を避けるも、三本爪のアームへと形を変えたもう一つの爪が、射出されチルの両腕と胸を掴んだ


チル「っ……う……!」


織莉子の足払いで両足が地面から離れて倒れ込み、引きずるように振り回さてコンクリートの壁に背中から叩きつけられ、クローにつながれたワイヤーを引き寄せ、その勢いのまま上空に投げ飛ばされた


チル「ぁ……」


七階建ての団地の屋上から、両手も動かせない状態で投げ捨てられたチルに抵抗のすべは無く

吸い込まれるようにして、内地の公園に叩き付けられた


キリカ『ま、ここまで逃げた事は称賛に値するかな』


市営団地の中心にある公園キリカに投げ飛ばされ、口やら耳やらから噴き出すように血を流し、ぐったりと動かないチルのもとへ舞い降りてキリカが言う

元々まともに体力なんか無かった筈なので、ここまで逃げただけでも本当に奇跡であり、チルの精神力と反骨心が成した奇積だった


キリカ(ま……こんだけ派手に動いたんだから、目撃者はいるよね)

キリカ「まあなんだ、お疲れさま」


チルの首もとに爪をあてがい、頸動脈を狙って一気に引き裂く……つもりでいた

チルが自身の身体が傷つく事も厭わずに拘束していた爪を爆破し、体勢を崩したキリカの胸ぐらをつかみ、右手で有らん限りの魔力を込めた手刀を突きだした

右腕ごと燃やさんとする桜火を纏った一撃は心臓を貫いて風穴を空ける

支援

チル(せめて……最期に、一花……!!)


右腕の炎を凝縮させ、粒子間の加速から生まれるスパークがキリカの体内を焼く

自身の身体すら爆弾に使った必滅技『血吸い桜 』


マミ(やっぱり駄目ね)


それも隠れていたマミが通り抜けに放ったただの一閃で頸動脈を断ち斬られ、力の抜けた身体が崩れ落ちるばかりとなる


チル「ぇ…………?」

チル(さつき姉、敵……討てませんでした……めい、独りにしてしまって……ご……メ――


死んでしまうその瞬間……いや、死ぬと思った直前で自らの過ちを感じ取り、チルの魂が濁りきって魔女が産まれる


QB「『日傘の魔女』その性質は『自己満足』」

マミ「傘は要らない、荷物になるだけだから」


『日傘の魔女  サクラ』の結界は常夜の空に美しい満月、吹き抜けるような草原、そして舞い散る桜吹雪と三日月の写る綺麗な泉、その近くで寄り添い、静かに月を見上げる雌雄の狐は使い魔だ


QB「そうかい?」

マミ「どうせ、いつかは止む雨だもの……元気よく、濡れていきましょう」

支援

マミ「ティロ・フィナーレ!」


水面には桜吹雪が映らない、その事に違和感を覚えたマミは写り込んだ三日月を攻撃し、結果として魔女は姿すら晒すことなく消滅した


QB「で、この無意味な行いはなんだったんだい?」

マミ「無意味じゃないわ、魔女になったでしょう?」


悔しそうなしかめっ面を浮かべるキリカの身体を直し、周囲の状況を確認する


QB「あのまま放っておいてもなったと思うんだけどね」


公園の砂地は抉れ、団地の屋上のフェンスは無残に引き裂かれ、挙句には血飛沫で周囲が彩られている

チルの遺体は魔女の空間に飲まれてしまったが、行方不明の少女が出たとなれば疑惑を持たせるには十分であろう


織莉子「……良いでしょう、行きましょう」


飛び散った血痕に魔力を流し込んで組成を弄り、個人の特定を困難にしてしまう

ここまでの逃走においてチルの流した血は放置するし、彼女は変身すると裸足なので足跡も残っている

そう言った証拠からたどり着ける人間は行方不明で見つけようの無い人間であるのだから、未詳事件としての条件は満たしている

これらを魔法の仕業と断定する人間がいたならば、その人物はマミ達が『お話し』をするに値する人間であることを意味する

今回はここまでです、お疲れさまでした

なぎさ「せ、せめて死に花位……」

さやかff「マミさんだからね、仕方ないね」

果たしてこの地獄に終わりはあるのか

保守がてら乙
うーむ こういうのの報いが変な形でこなけりゃいいが

チルちゃんめっちゃ良いキャラしてるし能力も面白いのに相変わらず容赦ないオリキャラの扱いには笑う

更新はよ

もう危ないぞ

~翌朝~


ほむら「ん……せつなぁ……」

ほむら「……」


ほむら「……せつな?」キョロキョロ

ほむら「……」

ほむら(無言で出ていくなんて……ん?封筒?)

封筒「お邪魔しました~(*´▽`*)」

ほむら(しかもお金入ってるし……)

ほむら「はあ……」

ほむら「……やることが無いわね」

ほむら「あ……いや、あったわ」


~さやかの家~


さやか「はー……両親はこんな世の中でもお仕事、学校は休校……DOD3でもやろうかな……マルチバッドエンドで鬱になるんだ」


ピンポーン


さやか「……ん?インターホン?誰が来たの?」

杏子「おいすー」

ゆま「おはよーございます」

さやか「杏子……と、ゆまちゃん?何しに来たの?」

杏子「今日ちょっと用事で家空けるからさ、ゆまの事見てて欲しいんだよ」

さやか「はあ……?用事……って、なによ」

杏子「な、なんだっていいじゃんか!」

ゆま「そんな風に言って何も教えてくれないんだよ!?さやかお姉ちゃん、もっと問い詰めて!」

さやか「いや……まあゆまちゃんを預かることはやぶさかでは無いけどさ、流石に事情ってもんをね」 

杏子「だ、だからなんだって良いじゃんかよ!」

さやか「あんたがそう言う時って大体なんかあんの!ワルプルの時の事、あたしはまーだ根に持ってるからね」

ゆま「さやかお姉ちゃんゴーゴー!」

杏子「う、うるせえな!とにかくゆまの面倒見てくれっての!」

さやか「…………」

杏子「っ…………あ、危ない事はしないから」

さやか「…………」

ゆま「むー」

杏子「本当だって!……あんま、見られたくない事だけど」

さやか「……あたしにも?」

杏子「……今のさやかには」

さやか「じゃあ、仕方ないか……行っておいで」

ゆま「え」

杏子「ごめん」

さやか「あたしも、ごめん……」

杏子「いや……あの、うん……」

ゆま(……辛い…………え、待って!この空気で二人っきり!?)

QB「やあほむら!何をしているんだい?」

ほむら「爆弾作ってるの、話しかけないで、殺されたい?」カチャカチャ

QB「あ、はい」

ほむら「……」サラー

QB「……」

ほむら「……」ゴリゴリ

QB「あの……」

ほむら「死ね」ゴリゴリ

QB「……」

ほむら「……」トントン

QB「あのほむら」

ほむら「ちっ」

QB「ギュブェ!!」グシャ


iPhone「誰かを~♪悲し」


ほむら「はい暁美で (えりか『ほむほむビッグニュース!!』

ほむら「あ……えりか」

えりか『さっきあゆ起きたよ!』

ほむら「!……本当?」ガタン コロコロ

えりか『あったりき!』

ほむら「い、今から行くわ!したくするからちょっ、あ(チュドーン

~病院 エントランス~


えりか「ば、爆発音!?ちょっと!?」

電話「ツー、ツー」

えりか「え、えぇ……(困惑)」

ゆうか「あいつ来るって?」

えりか「ほむほむ死んじゃったかも……」

ゆうか「……はい?」


~見滝原総合病院 506号室~


ほむら「お待たせ!」

えりか「あ、ほむほむ生きて……髪の毛どったの?先っぽチリチリだよ」

ゆうか(いや、眉毛焦げてる方が気になる……)

ほむら「ちょっと爆弾作ってて」

ゆうか「……はい?」

姫名「ほむらさん!来ていただいたのにごめんなさい……もう、この子寝ちゃってて……」

ほむら「あ……いえ……」

姫名「でも、顔を見に来てくれたって聞いたらこの子喜ぶわ……ありがとう」

えりか「起きて第一声からして『タケノコのお刺身が食べたい』だからね、本当に大物だわ」

ほむら「……そう、そういう話を聞く方が安心するわ」

ゆうか(ん……?)

えりか(ほむほむ、なんかキャラ変わった?)

ほむら『キュウべえ、出てきて』

QB「一体何用だ(ムンズ ぐへぇ!?」

ほむら「今、幽霊捕まえたのだけど」

えりか「はあ?」

ゆうか「病院でそのギャグは洒落にならなくない?」

ほむら「……そうよね」

ほむら(杏子の記憶操作の産物か、あるいはあの時、あゆむが網膜に打ち込んだ刻印の効果か……この子達にはキュウべえが見えないんだわ……)

姫名「そう言えば今朝、まどかさんもICUから出てきましたよ……挨拶だけでもしてあげたらどうでしょう」

ほむら「え……まどか?」

えりか「……ごめん、連絡しようかちょっと迷ってた」

ゆうか「……もう病院の方がお手上げで、どうしようもないんだって」

ほむら「…………」


カーテンの向こうでまどかが眠っていた

ベッドの周りに何台も仰々しい機械を並べ、それら全てと繋がっていて、もはや機械のおまけと言ったぐらいにまどかが小さく見える


ほむら(……)


そっと頬に触れると、穏やかな寝顔からは想像もつかないほどの高熱を発していて、それは冷める傾向も原因を突き止める光明も齎さない


ほむら(巴さんが調べても分らなかった、織莉子さんの魔法でも視えなかった……)


なんらかの魔法的要因なのは間違いない。でも、魔法少女にすら分らないそれが人間に分かる筈もない


ほむら「……」



集中治療室から出された理由は明白で、どのように治療すればいいか病院が判断しかね、保護者へ医療負担を軽くすることを提案し、それを受け入れた

……そうやって弾き出された子供たちの末路を、ほむらはとてもよく知っている

えりか「ほむほむ……」

ほむら「……」


快復の可能性が有るとすればナノマシン医療……もちろん今から応募したところで何万人待たされるか分らないし、金銭的な負担を軽視することは出来ない

それでも外から栄養を摂取し、無理やりと表現できる矛盾した何かで体力を大幅に回復出来る

ナノマシン医療を受けた植物人間は、脳死を起こしていなければ必ず蘇生していた

そんな奇跡紛いの代物を求める人間は世界に何万人と居て、その期待に応えることの出来る病院は世界に四つ——そのうちの一つはここ、『見滝原総合病院』かつてほむらにナノマシン医療を施して、その運命を変えた場所だった


~市営団地 公園~


マミ『杏子、見つけたわ……右側のスーツの男性』

杏子『張り込み初めて数分だよ、早すぎだろ』

キリカ『いや、マミだし』


昨晩の事件を捜査する警察やら軍人やらを見張り初めて数分、距離にして600メートルはあるビルの屋上からマミが黒幕のしっぽを掴んだ。目視で

……とは言っても確定には早すぎるので杏子もその人物をじぃっと見張る

物陰に隠れては頻繁に連絡をし、一人だけ通常の指揮系統から外れているのか誰にも咎められることもない

むしろそれくらいしか怪しい要素が無い


杏子『どうしてアイツが黒だと思う訳?』

マミ『スマホの連絡先が「神帰」だったわ』

キリカ『なんでそう言う重要な情報を後出しするかね』


キリカが重ねて嫌味を言うよりも早く目標の人物がマミの狙撃で昏倒した

放たれた弾丸が空中で人の目には見えないほどの細かい糸に分離、首を締め上げて指の関節を固め……対人兵器としてこれより怖いものは人間には作れないだろうな、とキリカが呆れて笑いながら空高く跳び上がり、救急車に乗せられた彼を『保護』すべく杏子と共に後を追った

>>184>>185>>186>>187

すまない……いろいろあって若干萎えてたのだ……

待たせてすまないな……

行くぞ!はああぁぁっ!!

~見滝原総合病院 506号室 午後4時~


クリスマスを十日後に控えた今の時期でも、まだ明るい時間帯に彼女は再び目覚めた


あゆむ「んん……」


頭が痛い。最初の感想はそれで、次に感じたのは途方もないほど強烈な飢餓感だった


あゆむ「んぅ……はぁ~……いぃっ!?」


大きく息を吐いて寝返りを打とうとした時、体中の筋肉を引き裂かれるような激痛が走る


あゆむ「うぅ……っ」


体中が痺れていて動けない……どうやら無理やり動こうとした代償として激痛が走ったようで、その酷さたるや患部を手で覆うことも出来ず、もがくことすら叶わない


えりか「あ、起きた」

あゆむ「……あぁ?」


覗き込んできた同級生へは、取り合えずそんな言葉をぶつける

えりか「ってな感じで、あんたも何も覚えてない口?」


ここまでに起きたことをあらかた説明してもらった

ようするに世間の見解はこうだ


『見滝原中学校の関係者は、海外の反日組織の恫喝に屈して全員が口を噤んでいる』

『だが関係者は音楽祭での出来事をほぼ全部覚えていない』


あゆむ「……思い出して殺しに行く」


考えを整理してからまず思ったことがそれだ


ゆうか「またすぐそういうこと言う」


とても大事なことはあゆむがそのなかでもトップクラスに重症だったこと、まどかはそれ以上に生命の危機であること
えりか「あーたねぇ、助かっただけでもめっけもんなんだよ?」
ベッドを少しだけ起こしてもらって、その僅かな移動だけでも挫けそうになるほどの激痛に見舞われたのだが、とにかく目線だけは合わせて会話したかったのだ
えりか「んー全員が全員何も分からないって、相当怖いよね……」
ゆうか「うぅ……何かろくでもない事されてそう……」
二人は自分の身体を抱いて目を見合わせているが、全然怖がっているようには見えない

あゆむ「あークソだ……マジで身体動かねぇ……」


いろんなところを動かしてみて確信したのは、どうやら自分は本当に数日間昏睡していたらしいということだけだ

体中の筋肉が強張ってろくに力が入らないのだ。長時間の正座で足が痺れるなんて話があるが、あの感覚がほぼ全身をまんべんなく駆け抜けている


えりか「あんた生きてたのが奇跡らしいじゃん」

あゆむ「らしいな」


本当に適当に相槌を打つものの、それで会話が通じてることになるのか、勝手に話がはずんでいく

いや、知る訳ねえだろとだけ心の中で思う


ゆうか「体重7キロ位減ってたらしいよ」

あゆむ「…………良く生きてたな」


半ば他人事だが、本当に感心した。その話が本当ならこの生命力はギネスを狙えるレベルだろう


えりか「他人事だね」

あゆむ「いや、覚えてないし」

ゆうか「どれくらいヤバイのか分からんのだけど」

あゆむ「仮に出血で体重が減ったとして、2キロで十二分に死ねる」


血が2リットル抜けたら死ぬって常識過ぎると思う


えりか「良く生きてたね」

あゆむ「体格的には腕が一本飛んだとかの次元だろ」


かなりおざなりな計算だがそんなものだろう


ゆうか「どんだけ肉抉れてんのよ」

あゆむ「……動けねえから分かんねぇ」


服も脱げないし、そもそも首すらまともに回せない


えりか「触った感じそんなでも無いけどなぁ」

あゆむ「痛ッ!」


どうしてあからまさかにギプスで厳重に保護されている左腕に触って……あまつさえ持ち上げて確かめたのか、不思議でしょうがない


えりか「うあ、ごめん!」


投げ捨てられたら何重もの痛みが走る


あゆむ「死ねタコ!」


ここからどれだけクソミソに言ってやろうかと追う場面で、ドアの開く音とやたらテンションの高い足音が邪魔だてをした


「はいはーい!皆さんこんにちは!」

ゆうか「こ、こんにちは……」

えりか「こんちはっしゅ……」

あゆむ「…………」

底抜けに明るい声色で元気に挨拶するこの女性は……どうやら誰も知らない


みちか「わたくしは脳外科医学の研究部門……即ち、脳科学の権威(オーソリティ)神近 みちかよん!みんなはちかみち先生って呼ぶわ!」


赤が強めの茶髪を短く切り揃えたおかっぱ頭に、適当なトレーナーとジーンズに白衣を着て、なぜかネクタイをしただけの女性に権威なんて大したものは誰も感じない

あゆむがもう少しお洒落に気を遣うならば、髪形位はショートボブという言い方もあるが、そんなものは誤差で威厳が無いことには変わりない


えりか「……誰?」

ゆうか「何コイツ……」

あゆむ「うぜぇ……」

みちか「あ・な・た・が!葉月あゆみちゃんね!?」

あゆむ「…………」


余計な詮索は聞きつけないとばかりに強い語調で語り始める

イラっと来たのは隠さないが、それを気にする性格ではないだろう


みちか「ねえねえ!貴女、高レベルのアソシエイターって本当!?」

ゆうか「……!!」

えりか「あそしえいたー……?」


二人の反応は対照的、あゆむはあくまで無言を貫く

みちか「説明しましょう!……要するに、人とは違った形で物を感じ取れる人の事よ!」


まだ?といった表情のえりかの様子を見て彼女は続ける


みちか「例えば、音で字が読める……とか」

ゆうか「!」

えりか「ん?あっ、あゆのアレか!」


えりかにとっては日常の一コマ、知らない人には驚きの一場面、そして彼女にとっては垂涎ものの特殊能力


みちか「そうそう!それよ!」

ゆうか「んのバカッ……!」

えりか「ふぇ?」

あゆむ「…………」


極めてピンポイントな質問の仕方だったが、これでとぼけて逃げることは出来なくなった


みちか「例えば盲目の人に色聴の共感覚を与えてあげられたなら、そしてそれをあゆみちゃん並みに制御出来たら、盲目は大きな障害で無くなるわ!そんな研究をするために、あゆみちゃんの協力が欲しいのよん!」

あゆむ「ざけんな、お前の存在が生理的に無理」

えりか「ちょ」


興奮交じりに語る彼女の意見をバッサリと切る


あゆむ「ってか胡散臭いんだよお前」


というか切らなければ絶対に面倒くさい

そういう確信があゆむにはある

みちか「そんな事言わないの!ちゃ~んと良いもの用意しといたんだから!」

あゆむ「あぁ?」

ゆうか「何用意されたって、嫌なものは嫌です!」

えりか「あんたまで、どったの……」


あゆむはともかくとして、ゆうかまでもが露骨に嫌がるので、流石のえりかも認識の誤差を痛感しだした


みちか「ん~、鹿目ちゃんを助けてあげられそうなものだったのになぁ……」

えりか「それまじき!?」

あゆむ「……」


あゆむの表情が一気に訝しくなった

原因不明の昏睡状態のまどかを助ける方法なんて無いと、病院が宣言したばかりなのだ


ゆうか「適当な事言わないで!」

みちか「じゃあ、かなちゃんが何故目を覚まさないのか……から説明しましょう!」

ゆうか「ちょっと、話進めないで!」

あゆむ「黙れ……続けて、どうぞ」


もし、原因が分かるのなら聞く価値はある

聞いた後でみちか以外の医者に対処させればいい

みちか「まず今、かなちゃんの命を削っているものは三つ。異様な高熱、高血圧……そして、それを抑制するための過剰な投薬」


靴音を立てながら指を立てて説明する

さながら説明先生と言わんばかりだ


みちか「根本的な昏睡の原因は不明、間違い無いのは……このままだと数日で、弱りきり……死んでしまうって事、ね」


文節で分かりやすく区切ってあざけるように現実を突きつけてきた


あゆむ「…………で、解決法は?」


二人の息を飲む声は全く無視して話を進める


みちか「話が早くて助かるわぁ!」


おどけてはいるが完全に計算通りといったリアクションだ


みちか「簡単な事よ、ナノマシン医療で」

ゆうか「それ何年後の話よ!!」


間髪許さず鋭い指摘

それを待つための延命治療で、その負担を減らすための現状だから、この指摘は当然だ


みちか「んもー!せっかちねぇ……言ったでしょ、私は権威……多少の非合法も、科学の為なら押し通せる立場」

あゆむ「…………」


あぁ……と、心の中でだけ得心した


ゆうか「!!」

えりか「で、でも……」


二人とも何となく思い当たったらしいが、ちかみち先生の企みは多分もっと深い

みちか「多少とついても非合法は非合法……応じるにしろ応じないにしろ、口封じは必要……分かる?」

ゆうか「……っの、クソババァ!」


にやにやと笑う彼女にゆうかがとびかかり、ネクタイを掴んで顔を引きずり下ろした


みちか「あらぁ!多少の非合法って言う物には『命』の行方について、融通が効くって意味なのだけど?」

えりか「ま、まって……!それって……」


まさに愉悦と言わんばかりの表情でちかみち先生が唇に手を当てる

えりかの泣きそうな声が、選択肢を潰されていることを感じさせた


あゆむ「…………」

みちか「さっ!どうしましょっか!」


ゆうかの手を振り払い、ネクタイを直しながらまどかの方へと笑顔をむけた


えりか「こんなのずるいよ!」

みちか「あらそう?」

ゆうか「……!」

みちか「あゆみちゃんは、どう思う?」

あゆむ「……本当に席を一つ持ってこれるんだろうな」

みちか「残・当♪……ついでに、貴女とお友達の健康と安全も保障するわぁ!」

あゆむ「……分かったよ」

ゆうか「ちょっと!」

あゆむ「喋んなボケ」

ゆうか「っ……」


ふふ~ん♪と笑いながら右手の小指をあゆむにむけて伸ばす

あゆむも右手を伸ばし、手首をつかんで逆方向へ一瞬で捻り上げ、引きずり込んで頬を鷲掴みにし凄んだ


みちか「いぃっつ!?」

あゆむ「お前デタラメこいてねえだろうな」

みちか「ノープロブレム!葉月さんとこを敵に回すほど愚かではないわ!ついでに言っておくけど、まことって子の悪事も大体知ってるわよ」


二人には聞こえないほどの小さな声で、彼女はまるで誘惑するかのように呟いた


あゆむ「……!」

みちか「貴女に関しては、あくまで合法の範囲内でやるから……大丈夫よ、当時のデータは持ってるし」


『悪事』については実はあゆむもあまり覚えていない

確かなのは、違法な薬物を投与されて中毒症状を起こしていた事と、モルモット兼奴隷のような形でまともな扱いは受けてなかったらしいこと、家にいた大人の親せきのほとんどが、気が付いた上で隠蔽していたらしいこと……その結末が——


みちか「お父さん、怒ると怖いって専らの評判だもの」


どうやら葉月家辻斬りの黒幕は身近にいるらしい事も、ちゃんと分かっているようだ


あゆむ「……」

みちか「じゃ、明日の検査が終わったら来るからね♪」


軽く手を振って悠々と歩いていく背中を、三人で無言のまま見送った

~見滝原から多少離れた町 商店街~

せつな「勇気の鈴が~リンリンリン(^^♪」

QB「せつな」

せつな「不思議な冒険るんるんる~ん♫」

QB「せーつーな~!」

せつな「分かってまーす!」

QB「君最低だね」


魔法少女につけられているのにアーケード街へ進入したせつなへのとても当然な返答だった


せつな「魔っ法少女!出っておいで!」


お構いなしと言わんばかりに魔法少女へと大きな声で呼びかける

人通りが少ないとはいえ皆無というわけではなく、数十人程度が一斉に振り返って、また何事もなく歩き出す


海香「……」

せつな「君一人……な訳ないよね?」


指輪をかざしながら現れた黒髪の理知的な少女を一瞥し、きょろきょろとわざとらしくあたりを見回す


海香「御崎 海香です……故あって、我々に協力を頂きたいのですが」

せつな「……断ったら殺すって空気だよね?」

海香「いえ、見滝原の内情を少々伺いたいと思いまして」

せつな「ははは!ここなら本気でやれそうだし、あたしはバトルがしたいな!」

QB「ユーリの協力があっても無理だ、せつなからは逃げた方が良い」

海香「……お話がしたいだけなのですが」

せつな「あたしを縛るものはイヤーなのー!」


指輪が煌めき、人目もはばからずにせつなが変身した


せつな「さあ、あたしとバトルトルトルだよ!欲しいものは勝ち取ってね!」

海香「……いえ、お話が出来ないのなら」


海香の話など聞いてはいない、踏み込みと共に体を翻して蹴りを繰り出す

その蹴りをはじき返しながらもう一人の白い魔法少女が姿を見せた


カオル「……躊躇が無い!?」

せつな「あっひゃひゃひゃ!オッケーオッケーかかってきなジャリガールズ!」

海香「カオル!」

カオル「こいつ逝ってる!」


一風変わった喧嘩は、それなりの観客に囲まれながら始まろうとしていた

見てくれている方々、亀更新ですまぬ……

絵は描けるんだが、なんかいいうpり方募集します

こんにちは、更新しますです

ルナ「あー君おいっすー!」

あゆむ「誰お前……知らないから、帰れよ3号」

えりか(何こいつ……)

ゆうか(知ってるじゃん)


ちかみち先生と入れ替わりで入ってきた少女もまた、極めて明るく元気な声で挨拶をする


ルナ「樋廻 ルナ!あー君の従妹だよ、よろしくなー!」


絵の具で作るなら少し赤を混ぜたような濃い黄色の瞳と、同じ色のゆったりとした髪の毛、一部をツーサイドアップにしたロングヘアがなんともあざとい


えりか「あ、うん」

ゆうか(あゆの従妹か……)


まどかと同じ位の身長も合って妙に幼い印象を受ける……が、少なくともゆうかにはわざとらしい元気に見えたし、現実にある程度の見切りがついている「女
性」に思える


ゆうか(あゆから負けん気を削ぐとこんな感じかもね、意外と)

ルナ「入ろうとしたら検査とお薬が終わってからってゆーからさ、いやでも本当に元気そうだなー良かった良かった」

あゆむ「何用だ不良娘」

ルナ「仮にも死にていからの復活だってーから来てやったんだろー」

支援

そう言って傍らのパイプ椅子を展開して座り込む


あゆむ「そうかいよ」

えりか「あー、はい!」


無愛想に対応するあゆむと、ニヤケて問答するルナにえりかが切り込んだ


ルナ「んー?」


キョトンとした気持ちに、ちょっとの笑顔を足したような表情でルナがえりかに向き直る


えりか「えっと……小学生に見えるんだけど、あんたいくつよ」

ルナ「15」


あー慣れてまーすと言わんばかりの軽い返事

……実際あの顔立ちでは慣れているだろう


えりか「ぐっ……!」

ルナ「どー言うアレだこらー!」


えりかのリアクションで同類と認めたのか、途端に声のトーンが軽くなった


あゆむ「ちっこい奴程なんとやら」

えりか「い、言ってまったね!」

ルナ「あー君だって中学入るくらいまで身長変わんなかったろーが!!」

あゆむ「すいませんね、成長期が来たもんで」


言いながら両手で胸の(あまり無い)脂肪を寄せ、見せびらかす

支援

えりか「ぐっ……!」

ルナ「クソッたれぇ……!」


大して無いが(本人曰くもうちょっとでB。えりかの鑑定ではB、でも形が悪いとか)こういう時に強調するくらいにはあるし、その日が来たらちゃんと張る

その時の不機嫌ぶりったら無い


ルナ「んー、まあそれは置いといて!お茶飲みに行こーぅ!」

えりか「わーい!」

ゆうか「やったー」

あゆむ「……」

ルナ「あー君は重いから自力で歩いてね?」

あゆむ「起きたばかりの人間にかける言葉じゃねえよ……」


と言いつつも、病室のドアの死角に車イスが隠してあり、減ったらしいとは言え50kgはあるはずのあゆむを軽々とまではいかないものの無難な所作でベッドから移す

こういう所が従妹だな、とゆうかは一人納得し、えりかはルナの馬力に目を白黒させている


ゆうか「いや、だってあゆの従妹だよ?」

えりか「うーむ、あゆの従妹だもんねぇ」


体格が近いだけにルナのバカ力が未だ信じられないのか、少し難しい顔をしてから病室を出た

支援

~とある町のアーケード街~


せつな「んー、手応えないねぇ」


顎に手を当て、わざとらしくとぼけて見せるせつな


海香「ふ、ふざけない……で!」

カオル「この、クズやろう……!」


十以上の人々が二人の少女をねじ伏せて抑え込む異様な光景がそこにはあって、せつなは二人の魔法少女の目の前で視線もくれることなく会話に応じている、次の波乱を予感しているからこそだ


せつな「人質の二十三十でうだうだ言わないでよ!こちとら四対一だよ!?」

男性「そうだそうだ!最低なのはお前らだこのガキめ!」


伏兵が居るとはいえ、魔法でその場に居た一般人を片っ端から洗脳されて差し向けられれば戦闘どころでは無い

海香を一般人で差し押さえ、カオルを脅し、背後から十人程雪崩れ込ませればそれでおしまいだった

アーケード街の中では待機しているユウリの狙撃も期待出来ず、かといって子供も含む人間の集団を吹き飛ばす度量は無い

支援

少女「おねーちゃん!指輪取ったよ!」

せつな「おーよしよし!いい子だねー(*^O^*)」

少女「えへへ!」


二人の指輪を回収した少女がせつなに頭を撫でられ笑っている。魔法で洗脳したという前提がなければとても微笑ましい光景だったであろう


カオル「くっ……!」

海香(完全に見誤った!後の選択肢は……!)

海香「え!?な、何!?なんで!!」


押さえ込んでいた男性が海香の上着のチャックを下ろし、シャツのボタンを外しだした


男「そりゃおまえ、悪い女の子を取り押さえたらヤル事は一つだべ」

せつな「処ー女だっといっいね~♪処ー女だっといっいな~ρ(ーoー)♪」


演歌のような渋い声でせつなが歌う。もう何が起こるのかを疑うべくも無い


カオル「おい!!おいお前……ぐっ!!」

「『プロドット・セコンダーリオ』」

せつな「およ?」


何処から現れたのか十数人の魔法少女が四方から一斉に飛び掛かる

支援

せつな「へっ!」


死角から迫る一体を背面撃ちで殺し、最も多くを視界に納められる正面へ躍りかかかった


ニコ「……!」


すれ違い様で一人を蹴り倒し、一人を射殺

振り向きと同時バーニアを吹かして加速しつつ一人を殴り飛ばして看板に叩きつけ、最初の死体の足首を掴んで数人を凪ぎ払う


ニコ「バーサーカー……ね!」

せつな「狂ってないよー」


両手を挙げてへらへら笑う、対するニコも仲間を庇うようにせつなと対峙し、手につかんだものを二人に渡した


ニコ「そのようで……でも」

カオル「サンキューニコ!」

海香「助かったわ……!」


再び変身した二人は力づくで人々を押しのけて立ち上がり、それぞれ武器を構える

そんな魔法少女に威圧され、周囲の人間はあとずさりを始めた


せつな「むむっ、手癖がお悪いようで」


得意げに手のひらを閉じたり開いたりするニコと、それを見て口元がさらに鋭く歪むせつな

その笑顔はもはや悪魔か何かだ

支援

せつな「ってゆーか割り込むなー!」

ニコ「海香!カオル!」


せつなが両手のガンポッドから突如発砲、銃声に反応して体が跳び、イニシアチブはせつなが持ったままで戦闘が再開する


織莉子「『グローリー・コメット』!」

ニコ「ッ!?」

カオル「ニコ!」


水晶玉で一瞬分断、ニコだけ蹴り上げを喰らわせて先ほどの爆撃で破壊した天井からたたき出し、織莉子はそれを追った


織莉子『そっちの二人はあげるわ、お好きに』

ニコ「シット……!」


間断いれずに仕掛けてきた格闘戦でもろに3発蹴られたニコは、商店街の連なった屋上を無様に跳ね回る


せつな「そう言う話じゃないんだけど!」

海香「ニコ!!」

カオル「美国を!」

せつな「男もロクに知らないジャリが」


ガンポッドを連結、一瞬の煌めきと共に物理法則を無視してギターに変形し、ロック調の激しい曲が流れだす


せつな『私の歌を聞けぇ!!』

支援

海香「歌!?カオル待っ……なっ!?」

カオル「え……?海香の気配が……消えた?」


海香だけではない、さっきまで囲んでいた数十もの人間たちもだった

感じられない、せつな以外の全ての人間を

せつな『さあて試練だ!誰があたしを手にいれるかな?』

カオル「こう言う魔法!?」

~~

ニコ「ぐっ!!」


どうにか立て直して織莉子から距離を取り、ニコ自身は不利と分かり切っていても魔法での射撃戦に移ろうとしていた


織莉子「貴女は、ここで……!」


町中を跳びまわりながら、飛来する水晶玉をバールから放つ光線で撃ち落とす


せつな『私の歌を聞けぇ!!』

ニコ「怨みは買っただろうけど、憎しまれる謂れは……何ッ!?」


突如として織莉子の姿が見えなくなる


織莉子『それが彼女の歌』

ニコ「参ったね……ぐあっ!!」

せつな『優しいその指が 終わりに触れる時』

織莉子『さあ……あの子と同じ絶望を教えてあげる』

ニコ「くっ……そ!」

せつな『今だけ 君だけ 信じてもいいんだろ?』

支援

織莉子の気配を完全に感知できなくなり、ともかく闇雲に走り回るしかなくなった


ニコ「ぐっ……!」

せつな『誰もが崩れてく 願いを求めすぎて』


足元を爆撃する水晶はどうにかかわし、しかし背面や脇腹を狙う攻撃は受けてから一瞬で距離を取る位しか対策出来ず、そんな攻撃が間断無く続いてニコから体力を奪い続ける


せつな『自分が堕ちて行く 場所を探している』

ニコ(でも……直撃を取れないのは、向こうも似たようなもの……かな!)


直撃を取れないのは織莉子にもニコが見えていないから

回避先を予知、そこに攻撃を送り込むだけ……そう思ったニコが壁を背にすること思いついて建物から道路へと飛び降りた瞬間に、勝敗が決した


「キャアァアアッ!!?」


左半身に何かがぶつかったと思った瞬間、ニコは時間の止まった世界で空を飛んでいた

瞳だけを動かして自分がいたはずの場所を見ると、フロントガラスが派手にひしゃげた大型のトラックが目に入り、その運転手と目が合ったと思ったら急に世界が加速し、何を理解する前に100m以上を一瞬で吹っ飛んでいった


ニコ「ぁ……」

織莉子「まずはチェックメイト……ね」

支援

半身が潰れてもげ、もう人間の形を保てていないニコを見下ろすように織莉子が現れた

彼女は紐のようなものを引っ張り、跳んでどこかへ行ってしまった

それを見た多くの人間が喚きたて、どよめいているのが見える


ニコ「ぅ……っ」


消えゆきそうな意識を懸命に繋ぎ止め、せめてこの場にいる人間だけでも非難させる方法はないか探る

肉体が再起不能レベルのダメージを受けたのなら、織莉子を倒す方法は魔女しかないからだ


ニコ(ダメ……みたい……ね)

織莉子『さようなら、聖 カンナ』


その言葉を聞いたニコの意識は急激にクリアになっていく


ニコ「な……ん……で?」


同時に何かが『接続』して、ニコの怪我を直しだした

次にパリン。とガラスが砕けたような音がして『接続』が消滅する

実際にはかなり遠くでなった小さな音だが、それがどうしてかニコには聞こえてくる

取り返しのつかない傷だと確信させる、胸の痛みと共に


QB「聖 カンナは死んだ。たった今、織莉子がソウルジェムを砕いてしまったよ……もう少しで魔女になったのになぁ」


キュウべえが言うまでも無く、理屈も理論も理解も超えてニコには分かった


ニコ『そうだね、だから——

お疲れ様です、今回はここまでです

毎度間が空いてすまぬ……

さやかff「カンナとニコ……一体どういう関係なんだ……!」

なぎさ「かずみを見るのです」

遅れてすまんです

再開します

~見滝原総合病院 5階テラス~ 


病院の各階の端っこにあるテラス

その部屋だけは壁の一面が大きな窓ガラスとなっており、明かりもないのにとても明るい部屋となる

小洒落た円卓と、白くてきれいな丸椅子が4セット、フードコートを仕切る大きな壁とそこについたドでかいTV

テーブルはそれぞれに4人まで座れるように並べられていて、お見舞いに来た客人も、入院している患者も、少しだけ病院から離れた気持ちになるような工夫がなされている

唯一残念なところは、壁で仕切られて直接は見えないフードコートに並んでいるのが自販機のみという所


ルナ「あつっ!ん~」


つまり、今ルナが食べている焼きそばパン(220円)以上の食べ物は販売されていないこと


ゆうか「あんた、本当に怪我大丈夫?」

あゆむ「ん?まあ、取りあえずは」


ベッドで寝ているときは気にならなかったが、あゆむの身体は包帯だらけなで点滴も二本、動くのはどう考えてもまずいような気がしてきた


ルナ「さっすがあー君!」

あゆむ「へいへい、化け物って言われてたのは伊達ではありませんよ」


そういえば医者なんかも回復力がバケモノ染みてるとか言ってたような気がする


えりか「でもさ……」

あゆむ「ま、普通に考えれば痛み止めとか打ってるだろ、気にしても無駄だわ」

ゆうか「それ気にしなきゃダメな奴じゃん……」

『現在、避難勧告の出ている地域は以下の通りです。桐生市全域、みどり市全域、風見野市北地区等、計7つの市で』


ちょっとした座談会が思わず中止になるTVからの声、電車なら五分程度の町で何かあったらしい


ルナ「ん?風見野市で避難勧告?」

えりか「なんかあったの?」

あゆむ「ん……え、何」


背後のTVを見たいのだろうけど、振り向くことも、首だけ向けることすら出来ないあゆむを見たルナが椅子を持ち上げてあゆむを向きなおらせる

小学生が中学生を椅子ごと持ち上げるような、かなり異様な光景だったが、あゆむの従妹なので仕方ない


『まるで空爆でもあったかのような、凄惨な光景が広がっています……このような状況を今日の日本で見ることになると、一体誰に予測できたと言うのでしょう?』


空爆……というよりは隕石がいくつか降ってきたという方が適切に思える

駄菓子屋のキャンディ菓子のようにカラフルな市外が広がっていたその場所には、灰色の無残なざるのようなものが広がっていた

その光景が現実離れしすぎていて、ジオラマとかCGとか……とにかく作り物のようなものにしか思えない


ルナ「えー……何事?」

ゆうか「何々……原因不明の爆発が相次いで、えーっと……テロの可能性もあるだあ?」


テロにしたってそんなすさまじい爆弾をドカスカやるものだろうか


えりか「日本って今テロリスト・ムーブメント?」

あゆむ「舐められてるんだろ、一回やらかされたからな」


いや、舐めるとか以前に爆弾を持ち込まないでほしいと思う

あゆむ「つーかお前んちこの辺じゃねーの?」


さりげにとんでもない爆弾発言が出た気がする

……別にルナと親しいわけではないが、顔見知りである以上心配する権利位はあるだろう


えりか「え、それやばくない?」

ルナ「あー、大丈夫でしょ」

あゆむ「だろうな」


なんでそういう会話になるのか、ゆうかにはさっぱり分からない

『大丈夫』というか『どうでも良い』と言っているように聞こえるので尚の事意味わからない


ゆうか「なんでそう思うの……」

あゆむ「勘」


でもこれがあゆむの考え方で『心配しても仕方ないから心配しない』のである。同時に『気にするな』とも言ってくれている


ルナ「大丈夫だよ、こんなあからまさかな危険があったらちゃんと回避してるって」


こっちの言い回しにも似たようなニュアンスを感じる


えりか「回避出来なかったからこうなっちゃったんじゃ……」


そしてえりかは空気を読まない


ゆうか「なんでそう不安を煽るかね、あんた……」


言って直るならとっくの昔に改善されてるけど

~数時間前 風見野駅付近の市街~


ニコに『接続』していたワイヤーを力づくで引っ張り上げ、聖カンナを戦場へと引きずり出す


カンナ「なんだ!?なんで私を!!」


理由は単純明快。織莉子の予知によれば『七色の翼』を壊滅まで追い込む事件の切実は彼女だからだ


カンナ「っざけんな!!こんな……ところでぇ!『コネクト』!」


無数の触手が織莉子へと接続され、思考も、魔法も、何もかもを一方的に読み込む『接続』の魔法

対魔法少女を考えればこれほどに恐ろしい魔法はない

キュウべえが無敵とまで称した『読心』を超える読み込み能力と、魔法の限定的な習得……それらを感知されずにできるのだから強力なことこの上ない


カンナ(さあ!お前の思考も、魔法も!)


カンナの持つ素質から生み出される強大な魔力は接続先の、大半の魔法の使用を可能とする

一対一ならばカンナが絶対に勝つ、その解釈に間違いはない

美国織莉子と鹿目まどか……たった二人の例外を除けば、だ


織莉子「知ってた」

カンナ「え……?」


カンナが接続してきたと『予知』出来たタイミングで織莉子の『予知』を使う


織莉子「私の魔法を教えてあげる」

カンナ(……!?まさか!)

気が付いたところでもう遅い。『接続』のための触手を掴まれ、織莉子の『予知』に無理やり接続させられる


織莉子「知りなさい、貴女の願いの先にあるもの」


カンナの未来を調べ、その情報を片っ端から押し付ける。魔法少女の未来には、多かれ少なかれ絶望が待っているもの

普段は杏子との連携でそのイメージを押し付けるのだが、今回は違う

向こうが勝手にくみ取ってくれるのだ、ここぞとばかりに毒を混ぜない手は無い


カンナ「っ!!?」


——カンナ、もうあの事で自分を責めなくなったのね——


カンナ「それは設定だ!!作られただけの私が知ったことか!!」


——ニコに出会っちゃうまで。カンナには家族もいたよね、友達もいたよね……カンナは皆が大好きだったよね……——


カンナ(違う…違う!!)


——本物だよ、カンナが皆を好きだった気持ちも、皆がカンナを好きだったことも——


カンナ(なんだよ……なんで)


——笑顔も涙も捨てて、家族も友達も本当の名前も全部……あなたに託したんだよ——


ニコ(涙なんて……出るんだ……!)

織莉子「狐は皆、自分の皮を剥ぎ、人間に与えなければならない」

カンナ「え……?」

織莉子「貴女に送る言葉よ」


「それ」が織莉子の夢の中だったのだと気が付いた頃、何もかもが手遅れだった


織莉子「『オラクル・レイ』!」


光の刃が全身を幾度も貫いて、その内の一つがカンナの魂を捉えると同時に、その存

織莉子の世界を幾度も不安に陥れてきた悪夢はこれで終わり

ここからは織莉子が生きるだけで勝ちだ


織莉子『せつなさん、次に来るモノが本命……せっかく生かしておいたのだから、役に立つことを期待するわ』

せつな『何、続くの?』


魔法少女二人を半殺にし終わったせつながくるりと振り向く


ニコ『ねえ……どうして私たちの邪魔するの?』

織莉子『理由は二つ、まずは私の予知によれば、あなた達の存在が邪魔になるから』

ニコ『その予知って、絶対に当たる?』

織莉子『覆ったわ、幾度となく』

ニコ『なのにカンナを殺したの?』

織莉子『勘違いしているようだから言っておくわ』

せつな(喧嘩に巻き込まれちゃった感かー。ま、暇つぶしにはなりそうだけど)

織莉子『お前たちは私の友人、鹿目まどかに立ち直れないほどの深い傷を与えた……その落とし前、どうつけてくれる?』


杏子とマミの捜査は伊達ではない

残された魔力の香りからユウリが見滝原に居たことは確定している、他にも紗々がちょくちょく見滝原を出入りしていた事、その魔法で志筑仁美を利用していたこと

何より、紗々がほむらのループの中で何をしでかしていたのかをほむらから聞いていた

それでも手を出さなかったのは、他でもないまどかの善意に免じてのもの

故にもう、手加減と和解の猶予は存在しない

ニコ『それは……私の祈りの、すべてが否定されなければならないのかい?』

織莉子『あの子はね、全面対決の末の死しか許されていなかった私達に『生きていい』と言ってくれた。それがいずれ、自らを討つかもしれない力と知って、それでも』

ニコ「……それで?」

織莉子「お前達の全てが凌辱されたくらいで、許されるわけがないでしょう?」

ニコ「……っ」

織莉子「謝ったくらいでは許されない……その罪と罰は、お前たちの家族、友人すらもを侮蔑して、蹂躙して、凌辱して、尚足りない」

せつな「あ、あたし女の子専門で凌辱のお手伝いしまーす!」

ニコ「そうか……じゃあ、黙ってやられてはいられないね」


そう言うと同時に空から四つの黒い魔女が降り立った

それは全てを砕く漆黒の魔法

生命を持たない魔法少女だからたどり着いた、いのちの形


ニコ『モード・ブラッディウス……行けよ!かずみ・マギア!!』

せつな「うわあ……(´Д`)」

織莉子「死ぬ気でやれば死なずに済む、私たちはね」

ニコ『それで許されるわけがないよねぇ!?』


もはや魔神とでも呼ぶべき禍々しさをはなつ魔女、明らかに人間と魔法少女の判別が出来ないそれを戦場に放ってきた。その事実が分かりやすく示すことは一つ


織莉子(こうなってしまった……なるべく死人を減らす努力はするけど)


結果としては、その魔神を認識した人間に生存は許されなかったが

~見滝原  中央部  姫名川~


織莉子「うぅ……はぁっ!」


日が沈んでしばらくたったころ、工業地帯の手前の岸に一人の魔法少女が流れ着いた


織莉子「あぁ……最悪……」


白い綺麗なドレスのほとんどを血と泥で汚し、足は片方が見当たらず、腹部も明らかに欠損している


織莉子「スマホ……まあ駄目ね」


スカートのポケットに入れておいたのだが、なにしろ命からがらで逃げてきたので余裕は無かった


織莉子「はぁ……」


満身創痍のこの身体では魔法少女が見つけてくれるのを待つしかない

失意を溜息で吐き出し、後どれくらい保つだろうか……と、少し不穏なことも考える


キリカ「織莉子ぉぉっ!!」


悩みは杞憂に終わった


マミ「!」

織莉子「ああキリカ!」

キリカ「織莉子ーっ!!」

織莉子「キリカ!」

キリカ「織莉子ぉぉっ!!」


マミの堪忍袋が最速で限界を迎えようとしている

取り敢えず今回はここまでです。お疲れ様でした

なぎさ「風見野市半壊の巻なのでした」

>織莉子「お前達の全てが凌辱されたくらいで、許されるわけがないでしょう?」

>ニコ「……っ」

>織莉子「謝ったくらいでは許されない……その罪と罰は、お前たちの家族、友人すらもを侮蔑して、蹂躙して、凌辱して、尚足りない」

織莉子が言ってると思うと笑ける

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