ゴリラのいる毎日 (12)



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俺は都会と言っていいのかもわからない住宅地とマンションが立ち並ぶ街に住んでいたんだ
大学を出て26歳、なかなか仕事が見つからない独身の男だ



俺は仕事を探していた、その時だった

ピンポーン

インターホンが鳴りおれは玄関に行き、扉を開けた
そこには黒いスーツを着て、黒い被った大柄な男がいた
その男は身長は190㎝ぐらいあるだろうか
俺の身長をゆうに超える
その男の横に車輪がついた鉄製のでかい箱があった

謎の男「………」

謎の男は無言で一冊の『説明書』と書かれた書を渡した、そして謎の男は無言で去っていった

俺はまず箱を叩いてみた

ドッ

重たい音、他の所への震動はあまり無い
どうやら厚いようだ
危険な臭いがする
上部にダイヤルがある
普通なら警察に電話をかけるだろうが俺は怖いものみたさで説明書に書いてあるダイヤルの番号を見てダイヤルを回した

4つの番号に回して上に引いたら開いた

そして恐る恐る中を覗いてみると

そこにはゴリラが丸まっていた

それを見た瞬間俺は言葉が出なかった

俺にこのゴリラを育てろって事か?
あの男、どこからゴリラを仕入れやがった
それに食費結構かかるだろ
これは警察に電話したほうがいいな

そして俺が電話を取りに行った時だ


「おい…」

声がした、誰だと思い、俺は振り向いた

そこにはゴリラが立っていた

俺「!?」

ゴリラ「お前は誰だ、そしてここはどこだ」

いやいや、こっちのセリフだよ、喋るゴリラ?聞いた事が無い
人と手話するゴリラは聞いた事はあるが

もしかしたら俺たちの知らないうちにゴリラはそこまで進化していたのか!

俺「俺は…俺と言う者だ、ここは俺の自宅だ」

とりあえず質問に答える俺

ゴリラ「……………」

ゴリラは俺の部屋を物色し始めた
っておいおい!そこは俺のエロ本ゾーンじゃねえか!

俺はゴリラに向かって全力のタックルをした

ゴリラ「………」

ゴリラはビクともしない
まずい、あれを見られたら…
例えゴリラといえども、こいつは喋るゴリラだ

俺は何度もタックルをした

ゴリラ「………」

俺はゴリラに手を掴まれ、ぶん投げられた
壁にぶち当たり凄まじい衝撃とともに俺は気絶した

…………ここは…俺のベッドか…

なんだ、夢か…

そう思い、ほっとして起き上がると

ゴリラ「すまなかったな、やり過ぎたようだ」

夢ではなかった、俺はおもわず後ろに跳んでこけてしまった
ゴリラの手をみるとアイスもなかを持っていた
それは!俺が今夜食べようと思ってたアイスもなかじゃねーか!!

俺「ウオオオ!!俺のアイスもなか!」

ゴリラに向かって走っていったが、胸をボンっと押され、後ろに吹き飛び、テーブルに当たって食器が割れてしまった

俺「うわー!最悪だ!!」

ゴリラ「ああ、すまなかった、ちょっと外の様子を見てみようか」

ああ!好きにやれ!外に行って捕まって一生見世物として生きやがれ!


………ちょっと待てよ、あのゴリラ
あいつは非常に知能が高い、人の言葉もわかるだろう
あいつを使って金を稼げばいいんだ!

そうとなれば騒ぎになるのは困る
止めなければ!

俺「ちょっと待て!」

ゴリラ「なんだ?」

俺「外に出ては駄目だ!」

ゴリラ「何故だ?」

俺「外に出たらお前は捕まって動物園送りになるぞ!」

ゴリラ「そうか、それは嫌だな、ではここにいさせてもらう事にしよう」

ふぅ、これで一安心だ

さてここでハッと気がついたが
外に出ては駄目なのならどうやって金を稼げばいいのだろうか

こいつに話しをしてサーカス的なもので金を稼ごうと思ったんだが

これじゃただの荷物だ

仕方ない、警察に電話するか

そして電話を持った瞬間
ゴリラが俺の手を掴んだ

ゴリラ「誰にかけるんだ?」

俺「い、いや……友達だよ」

ゴリラ「友達に何を話す気だ」

俺「あ!ああ!…間違えた、か、会社さ」

ゴリラ「………そうか」

危ない危ない、ひやひやするな
さて、110っと

プルルルルル

ガチャ

ゴリラに聞こえないよう、俺は小声で話した

警察「警察です、事故ですか、事件ですか?」

俺「もしもし、警察ですか、事件です、怪しいやつが俺にゴリラを」

警察「すいません、もう少し大きな声で話してくれませんか」

俺「事件です、怪しいやつが俺にゴリラを」

警察「場所は」

俺「○○市、○○町の○○団地の3番の
208です」

警察「その男の特徴など」

俺「はい、190㎝ぐらいの大柄な男で

ゴリラ「…………」

気がつくとゴリラが見ていて俺は驚いた

俺「う、うわあああああああ!!!」

ガチャン

警察「!、何があったんですか!、もしもし!」

ツー

警察「…………」

警察「事件だ!○○町○○団地!208だ!」


ゴリラ「警察か……」

俺「こ、これには…わけがあって」

ゴリラ「何を話した」

俺「これはお前の為なんだ!お前のことを思って!」

ゴリラ「動物園送りになるのは、俺にとっては幸せではないな」

しまった!

俺「いや、…ど、動物園はいいとこだぜー、楽園だよ、楽園、何もしなくていいし、美味い飯もある」

ゴリラ「それもいいかもしれないが、俺はあいつが来るまで、何者にも捕まっては駄目らしい」

俺「?、なんでだよ」

ゴリラ「知らない、だがあいつが戻ってくるまで、捕まってはならないという……まるで本能のように頭に残っている」

俺「あいつとは誰だ?」

ゴリラ「さあ」

俺「それもわからないのか」

なんだか知らんが、ヤバイかんじがするな

こんな俺のとこにこんなゴリラが来るなんて、場所間違えたんじゃないか

俺「……教えてくれないか?」

ゴリラ「何をだ?」

俺「あんたを育てた者とか、今まで育ってきた物語を教えてくれ」

ゴリラ「…………」

ゴリラ「人に話すものでもないが」

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