穂乃果「宝物の価値観」【ラブライブss】 (11)

海未「それが、どうしたのですか?」

穂乃果「ちょっとね、金曜日にこんなことがあって....」




ガラガラ

穂乃果「ただいまー!」

雪穂「あ、お姉ちゃんおかえり。今日は遅かったね」

穂乃果「うん、帰りにパフェ食べてきちゃった〜」

雪穂「え、ずるい!....ってか、夕ご飯前なのに大丈夫なの?」

穂乃果「大丈夫大丈夫。甘いものは別腹なのだ!....ってことりちゃんも言ってた!」

雪穂「ふぅん....あれ?お姉ちゃん今日は髪結んでないんだね」

穂乃果「あー、練習の後なんとなくリボン外したの」

雪穂「結んでないのも新鮮でいいね」

穂乃果「そう?まぁ、ほとんどほのまげだからねぇ」

雪穂「....んじゃ、私は部屋に戻るね。今日亜里沙が泊まりに来るから準備しないと」

穂乃果「仲良しですなぁ」カンシン

雪穂「お姉ちゃんも海未さんとことりさんと凄く仲良しじゃん。じゃあね」スタコラ

穂乃果「まぁ、幼なじみだからね」

カチャッ

ほのママ「....ん、あら穂乃果、お帰りなさい」テチテチ

穂乃果「あ、うん、ただいま。お店手伝おうか?」

ほのママ「んー、いいわよ。それより、今日は髪結んでないのね」

穂乃果「雪穂にも同じ事言われたよ〜....穂乃果ってほのまげないとおかしいかな?」

ほのママ「少し新鮮だけど変じゃないわよ。なに、リボン汚れたの?」

穂乃果「気分で外しただけだよ。ほら、ポケットに........あれ?」

ほのママ「どうしたの?」

穂乃果「あれぇ?おかしいな....リボンポケットに入れたはずなんだけど....」アセアセ

ほのママ「まさか落としたんじゃないの?」

穂乃果「え....どうしよう....」ゾワァ

ほのママ「落としたんじゃ仕方ないわね....諦めなさい」

穂乃果「でも....」

ほのママ「落としたのリボンでしょう?『そんな物』沢山持ってるでしょ」


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穂乃果「っ....!!!」

〜〜〜〜〜〜〜

ほのママ「穂乃果、こっちにおいで」ポンポン

小学穂乃果「なぁに?」テチテチ

ほのママ「今日海未ちゃんのおうちに遊びに行くんでしょう?これ持って行きなさい」

小学穂乃果「またおまんじゅう....」

ほのママ「またとか言わないの。海未ちゃんうちのおまんじゅう好きなんでしょう?」

小学穂乃果「うん、大好きって言ってた」

ほのママ「ふふ、嬉しいわね....それと、ちょっとここに座って?」

小学穂乃果「うん」ストン

ほのママ「....よいしょ....」

小学穂乃果「髪結んでくれるの?」

ほのママ「うん........はい、できたわ。鏡貸してあげるから見てみなさい」スッ

小学穂乃果「........わぁ〜♪リボン可愛い!」フリフリ

ほのママ「似合ってるわよ」ニコッ

小学穂乃果「えへへ....早く海未ちゃんに見せたいなぁ〜」

ほのママ「きっと可愛いって言ってくれるわ。どう?気に入った?」

小学穂乃果「うん!」

ほのママ「じゃあ....お母さんのだけど穂乃果にあげちゃう!」

小学穂乃果「いいの!?」

ほのママ「ええ、穂乃果の方が似合うもの」ニコニコ

小学穂乃果「やったぁ!えへへっ♪」フリフリ

ほのママ「喜んでくれてお母さんも嬉しいわ」

小学穂乃果「お母さん!」

ほのママ「うん?」

小学穂乃果「このリボン宝物にするねっ!」ニパッ

〜〜〜〜〜〜〜

穂乃果「そんな物って....」ウルウル

ほのママ「え??」

穂乃果「そんな物って言った!!!」ポロポロ

ほのママ「え!?何泣いてるのよ!」

穂乃果「....ぇぐっ....うっ....」ポロポロ

ほのママ「あららら....本当に急にどうしたの....?」

穂乃果「来ないでっ!」

バシッ!!

ほのママ「痛っ....」

穂乃果「おかっ....ぐすっ....お母さんの馬鹿ぁ!もうしらないんだから!」キッ

ほのママ「....!」ビクッ

穂乃果「....ぅぐっ....はぁ....ぐすっ」テチテチ

....ガチャッ....バタン!!!

ほのママ「穂乃果....」プルプル

ほのパパ「....」トントン

ほのママ「....あなた....」

ほのパパ「....」ギュッ

ほのママ「どうしよう....穂乃果があんなに怒ったの初めてよ....」

ほのパパ「ウンウン」

ほのママ「....いつも笑顔で可愛いあの子が....あんなに........嫌われちゃったかしら....うぅっ」ポロポロ

ほのパパ「ヨシヨシ」

‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥

穂乃果「ぐすっ....」クシクシ

穂乃果「あのリボンは『そんな物』の一言で表せるものじゃないのに....」ギュッ

クマぬいぐるみ「そんなに大切なの?(穂の声)」

穂乃果「うん、小さい時にお母さんがくれた大事な宝物....少なくとも穂乃果にとってはね」

クマぬいぐるみ「そっか....大切な宝物なんだね....」

穂乃果「小学生の頃貰って以来、ほとんどあのリボンだもん」

クマぬいぐるみ「思い出が詰まってるんだねぇ」

穂乃果「そりゃもう沢山」

クマぬいぐるみ「でも、君はお母さんに言いすぎたなぁって思ってるの?」

穂乃果「....そう....穂乃果泣き虫だし、普段怒らないから困らせちゃったかも....」

クマぬいぐるみ「優しいね」

穂乃果「弱虫なんだよ....」

コンコン

穂乃果「っ!?だ、誰っ?」

ガチャッ

ほのママ「....お母さんだけど....」オソルオソル

穂乃果「ぐむぅ....」モギュゥゥ

クマぬいぐるみ「クルシイ!タスケテ!」

ほのママ「まだ....怒ってる?....怒ってるわよね....」

穂乃果「....勝手に入ってこないでよ....」ギュゥゥ

クマぬいぐるみ「シンジャウゥゥゥ!!」

ほのママ「....そろそろ夕ご飯なんだけど....今日はあなたの好きなハンバーグよ?」

穂乃果「....」ピクッ

ほのママ「あの....別にもので釣るってわけじゃないんだけど、今度何か買ってあげようか?」

穂乃果「....本当に?」

ほのママ「うん、なんでもいいわよ。最近テストの点数も上がってきたでしょう?」

穂乃果「ほんの少しだよ....絵里ちゃんとかに教わって」

ほのママ「でも、結局テストに挑むのは自分ひとり。頑張ってる証拠よ」

穂乃果「っ....うん....」キュン

ほのママ「だから、なんでもいいから言っちゃいなさい」

穂乃果「な、なら....新しいお洋服が欲しいんだけど....」

ほのママ「服?服なんかでいいの?....ゲームとかぬいぐるみとかあるでしょうに....」

穂乃果「だって....///」キュ

ほのママ「なぁに遠慮してるのよ。いいわ、服は別で買ってあげるから、今一番欲しいもの言ってみなさい?別に誕生日の前借りとかじゃないんだから」

穂乃果「....音楽プレーヤーが欲しい....かも」

ほのママ「そ....わかったわ。日曜日あたりに買いに行きましょうか」ニコッ

穂乃果「う、うん....」ギュ

クマぬいぐるみ「」クタァ

ほのママ「....やっぱり....怒ってる?」

穂乃果「う....怒っては....ないけど....」

ほのママ「いいのよ、気にしなくて。今回はお母さんが完全に悪い!ごめんなさい、穂乃果....昔お母さんがあげて、宝物にしてたものね。それを『そんな物』呼ばわりされて気に食わなかったんでしょう?」

穂乃果「えっ....お母さん覚えててくれたの....?」

ほのママ「当たり前よ、むしろ大切にしていてくれて嬉しいわ。....さてと、ひとまずご飯にしちゃいましょう」クルッ

穂乃果「........待って」

ほのママ「ん?」

穂乃果「さっきは....叩いちゃって....馬鹿なんて言って....ごめんなさい!///」ペコッ

ほのママ「穂乃果....!」ウルッ

穂乃果「穂乃果も悪いから....その....」

ほのママ「....いいわ....穂乃果、こっちにおいで」ポンポン

穂乃果「え?」

ほのママ「いいからいいから」ニコッ

穂乃果「う、うん....」テチテチ

モギュッ♡

穂乃果「あっ....」ドキッ

ほのママ「大人になったわね....」ギュ

穂乃果「お母さん....」

ほのママ「優しくて笑顔の可愛い女の子に育って....すごく嬉しいわ」ナデナデ

穂乃果「んぅ........温かい」

ほのママ「本当に....ごめんなさいね。お母さんの軽率な発言であなたが傷ついてしまった....」

穂乃果「いいよ、もう....穂乃果も、ごめんなさい....お母さんが覚えててくれただけでも嬉しいよ」

ほのママ「....当たり前よ....少し照れくさいけどね、母親って生き物は子供が可愛くて仕方がないの。そんな大切な宝物だから、あなたと過ごす時を忘れることなんて絶対にないのよ」

穂乃果「穂乃果が....宝物?」

ほのママ「そう....もちろん雪穂も。だからね、危ないことをすれば叱るし、間違った事をすれば指摘する。でも、少し考え直したわ。....あなたは、言われなくてもやれば出来る子....今は、自分のやりたいことを精一杯頑張りなさい。ラブライブ、近いんでしょう?」

穂乃果「うん、毎日毎日練習頑張ってるよ!」

ほのママ「うんうん....洗濯物が言う通りだ。....頑張ってね、お母さん応援してるから!」ナデナデ

穂乃果「えへへ....絶対優勝してみせるよ///」

ほのママ「楽しみにしてる!」

穂乃果「....お母さん楽しそう♪」

ほのママ「たまには娘に甘えてもいいんじゃない?嫌なの?」

穂乃果「ううん、とっても嬉しいよ」ギュ

ほのママ「....本当に可愛いわね....」

穂乃果「さっきからそればっかり」

ほのママ「嘘はついてないもの。自慢の娘よ....」

穂乃果「そ、それなら自慢のお母さんだもん!」

ほのママ「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」

穂乃果「大好きだもん」

ほのママ「え?」

穂乃果「大好きって言ったの」

ほのママ「だからなぁに?」

穂乃果「ふふっ、お母さんの意地悪」クスクス

ほのママ「だってあなたに大好きって言われるのがすごく嬉しいから」

穂乃果「....ねぇお母さん」

ほのママ「うん?」

穂乃果「もうしばらく、こうしててもいい?」モギュ

ほのママ「ええ、いいわよ」ナデナデ

穂乃果「お母さん....大好き....♪」




穂乃果「みたいな感じで....ほら、これ昨日買ってもらったの」スッ

海未「....いい、話ですね」

穂乃果「さっき落し物入れを見た時にリボンが入ってた時はその場で泣きだしそうだったよ」

海未「よかったですね。親切な方が届けてくれたんですよ」

穂乃果「うん....でね、今の話で穂乃果にとっては宝物でも、他人から見たらただの布。人によって価値観がすごく違うのがわかったよね」

海未「はい」

穂乃果「穂乃果はお母さんと喧嘩して、仲直りできるけど....例えば希ちゃんは、御両親と毎日会うことすらできないから、多分こんな穂乃果を羨ましいと思ってるかもしれない」

海未「そうかもしれませんね」

穂乃果「でも、やっぱり言葉に出さなければ何もわからない。自分はこれが好きだ、この作品が好きだ、この人が好きだ、って思ってても....それとは逆の人もいるわけ」

穂乃果「だからね、宝物と思えるものは、他人に理解されなくても....自分の中で大好きだって言えればそれでいいのかなって。....みんなちがってみんないいってよくいうよね?」

穂乃果「それで....海未ちゃん、穂乃果は欲張りだからたっくさん宝物があるの」

海未「沢山ですか....例えば?」

穂乃果「小さいものから大きいものまであってね....それは集めてるシールだったり、手でさわれないものだったり。で、大きいものっていうのは、家族だったり、お友達だったり」

海未「それは私もです。家族友達は一番の宝物です」

穂乃果「そうだよね、でも、いずれ必ず離れ離れになっちゃう時が来るの。お母さんたちは穂乃果よりも歳をとってる。お友達とも、数10年後こうして隣で笑い合っていられるとは限らない」

海未「ですね....」

穂乃果「すれ違ってもわからないくらい大人になるんだ、穂乃果たちは。だから約束!」

海未「約束ですか?」

穂乃果「海未ちゃん、ずっと一緒で....仲良くしてね?」

海未「....当たり前です。この会話も宝物にして、将来思い出話をするんですから」クスクス

穂乃果「....うんっ!」ニコニコ

海未「この約束は穂乃果が言い出したのですから、破ったら....覚悟しておいてくださいね?」

穂乃果「守れない約束なんてしないよ。....んじゃ、穂乃果はそろそろ帰るね」

海未「はい、もう暗くなりますからね」

穂乃果「....それじゃぁまた明日!ばいばい〜」フリフリ

海未「ええ、寝坊はしないでくださいね」フリフリ

穂乃果(こんな一瞬も、穂乃果にとっては宝物♪)


おしまい。

眠れなくて勢いで書いたものなので、変なのになっちゃいました....すみません

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