二宮飛鳥「だるい」 佐藤心「だーるい」 (20)

飛鳥「こたつはいいね。人類の生み出した文化の極みだよ」ヌクヌク

心「ほんとにねー」ヌクヌク


梨沙「アンタ達……なに昼間っからダラけきってるのよ」

梨沙「シャキッとしなさい、シャキッと! こっちまでテンション下がるじゃない」

心「もう、うるさいなあ梨沙ママは……」

梨沙「誰がママよっ! アタシの倍以上歳取ってるくせに!」


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心「あー……そうだねえ。はぁと26歳だもんねえ」

飛鳥「約2.17倍だね」

心「おお、すごい。暗算?」

飛鳥「いや、この前暇だったから電卓で計算した。ちなみに正確に言うと割り切れない」

心「キミ、結構無駄なことやってるね」

飛鳥「人生、無駄なことの積み重ねさ」

飛鳥「だが、その無駄なことが、時として他の要素と結びつき……ふわあ」

飛鳥「……まあいいか」グダー

梨沙「いや最後まで言いなさいよ。いつものよくわかんない語りはどうしたのよ」

飛鳥「今日は口を動かす気分じゃない……朝から寒いし、体力を根こそぎ奪われた」

梨沙「口動かさなきゃごはんも食べられないわよ」

心「もうこたつから出たくなーい。ずっとこうしていたーい」

梨沙「ひ、ひどすぎる……午後もダンスレッスンがあるっていうのに」

梨沙「飛鳥はエクステがしなびてるし、ハートさんは『☆』も『♪』も使ってないし」

梨沙「ほら、見なさいあそこを!」



光「ライダー……変身! とおっ!」

仁奈「へん……しぃん!」

こずえ「でゅわー」



梨沙「あの子達はこたつに見向きもせずに走り回ってるわよ。ちょっとは見習ったらどうなのよ」

飛鳥「子どもは風の子」

心「はぁと達と違って元気があり余ってて羨ましいね」

梨沙「飛鳥はあっちの光と同い年なんだけど! なに大人ぶってるのよ」

飛鳥「ボクらの年頃は子どもから大人への過渡期だから、時と場合によってどちらにもなりえるんだ……あふぅ」

梨沙「カトキ?」

ありす「子どもから大人へ、だんだんと変わっていく途中、という意味です」ヒョコッ

ありす「ですよね、飛鳥さん」

飛鳥「そうだね……だいたいそんな感じなんじゃないかな」ダラダラ

梨沙「へえ、そういう意味なんだ。さすがありすね、歩く電子辞書だわ」

ありす「それほどでもありません」フフン

心「実際、タブレット持ち歩いてるしね」

梨沙「まったく。年上なんだからしっかりしなさいよねっ」フンス

心「………」

梨沙「? なによ」

心「てりゃっ!」ガシッ

梨沙「わ、ちょっとなによ!?」

心「キミもこたつに入って仲間になれ♪しゅがはママからの命令だぞー?」

梨沙「だ、誰がママよ! アタシのママはもーっと美人なの!」

心「なぁにぃ? アイドルシュガーハートに向かってそのセリフは聞き捨てならんなぁ☆」

梨沙「わわっ、こたつに引きずり込まれる! ていうかいつの間にかしゃべり方復活してるし!」

心「さあさあ、一緒にこたつの暖かさに沈んじゃおう♪」

梨沙「ぬわー!?」

心「うりうり~☆」

梨沙「むむむ……わかった、わかったわよ!」

梨沙「ツッコミ疲れたから、アタシもダラダラする!」

飛鳥「フッ、やはりキミも抗えなかったか。こたつの魅惑に」

梨沙「どう見ても無理やり入らされたんだけど……もういいわ」

梨沙「はぁ……あったかい」ヌクヌク

心「ありすちゃんもどう? まだ一人分空いてるぞー」

ありす「わ、私ですか……仕方ないですね。そこまで言うなら入ってあげなくもないです」イソイソ

梨沙「そこまでって、一回しか言ってないような……」

飛鳥「(最初から混ざるタイミングをうかがっていたようだね)」

ありす「……あったかい」ホカホカ

心「でしょー? なんか本当、気持ちよくなってきちゃうねえ」

梨沙「確かに、頭もぼーっとしてきちゃって……ふわぁ」

P「ただいまー。みんなに石焼き芋買ってきたぞ」

光「石焼き芋!」

仁奈「あったけーですよ!」

こずえ「ほくほく……」

P「火傷しないようにゆっくり食べるんだぞ」

3人「はーい」


P「……で、こっちのこたつ組は、と」


心「すぴー……」

梨沙「……むにゃ」

ありす「……すぅ」

飛鳥「………」


P「全員仲良くお昼寝中か」

P「……こうして見ると、やっぱりみんな顔立ち整ってるよな。アイドルなんだから当たり前だけど」

P「飛鳥なんて、寝顔は本当に、年相応にキュートだな」


飛鳥「……悪かったね。普段はかわいげがなくて」ムクリ

P「おう、起きてたのか」

飛鳥「キミの足音が聞こえると、自然と胸が高鳴り目が覚めるんだ」

P「マジか」

飛鳥「もちろん冗談さ」

P「だよな」


P「一応弁解しておくが、別に普段の飛鳥がかわいくないと言っているわけじゃないぞ」

P「起きてる時は、クールな印象が強いってだけだ」

飛鳥「そうかい。本当にそう思ってくれているならいいけど」ジトー

P「おいおい、疑うのか?」

飛鳥「別に」

P「ふむ……」

P「あ。口元、よだれついてるぞ」

飛鳥「えっ……」ササッ

P「はは、すごいスピードでぬぐったな」

飛鳥「そういうことは早く指摘してくれ」

P「ごめんごめん、本当に今気づいたんだ」

P「なんだか、今日の飛鳥はいつもよりぽややんとしてるな」

飛鳥「ぽややん……?」

P「いい感じに気が抜けてるっていうか……家の中だとそんな感じだったりするのか?」

飛鳥「……どうだろうね。自分のことは、自分ではよく見えない部分もある」

飛鳥「ただ……」

P「ただ?」

飛鳥「ひとつ言えることがあるとすれば……この空間に、それだけボクという存在が馴染んだということじゃないかな」

飛鳥「警戒心が、薄れているんだろうね」

P「なるほど。みんなと触れ合って、そうなったってことか」

飛鳥「みんな、か。まあ、そういうことになるだろうね」フフッ



ありす「すぅ……私、もうおとなですから……」

梨沙「むにゃ……飛鳥の背なんて、すぐに追い抜いてやるんだから……」

心「すぴー……飛鳥ちゃんのおっぱいも、すぐに大きくなるから……多分…きっと…おそらく……あれ、大きくなるよね?」


飛鳥「……最後の寝言は、ちょっとイラッときた」

P「心さん、寝てますよね……?」

別の日


ちひろ「プロデューサーさん。そろそろ掃除機買い替えません? だいぶガタがきてて……」



P「というちひろさんの提案により、掃除機を買いに家電屋にやって来たんだけど……」


梨沙「あっ、新作のゲーム! 飛鳥、こっち来て見てみなさいよ」

飛鳥「うん? 面白そうなモノでもあるのかい」

梨沙「それをこれから探すんでしょうが。はい、アンタはそっちの棚ね。アタシはこっち見るから」



P「ついて来たメンバーが早速関係ない場所に夢中だな」

心「まあまあ、掃除機選ぶだけならはぁとで十分♪」

P「お、自信満々ですね。期待していいですか?」

心「任しとけ☆家庭的な一面を見せてやるんだからな♪」

心「佐藤家の鉄砲玉と呼ばれたはぁとの値切りテクニック、とくとご覧あれ☆」

P「ずいぶん男らしい家庭的一面ですね……値切りうんぬん以前に、まずはうちの需要にあった掃除機を見つけてほしいんですけど」

心「ところで、事務所の掃除機買うのってプロデューサーの仕事なの?」

P「ウチは人手が少ないので、多少は」

梨沙「プロデューサー! うちのテレビもここにあるやつみたいにでっかいのにしない?」

P「却下。部屋にテレビがあるだけありがたいと思いなさい」

梨沙「けちー」

P「というか、掃除機を探してくれ。掃除機を」

梨沙「わかってるわよ。それじゃこのルンバで」

P「普通の掃除機だ。手動でやらないと手が届かない場所とかあるからな」

梨沙「注文多いわね……」

飛鳥「タダで手に入れられる物ではないからね。Pだって慎重に選びたくなるさ」

飛鳥「さぁ、ボクらも探そう」

梨沙「うーん、しょうがないか」

飛鳥「資金から考えると、手が出せる値段はこのあたりか……ふむ」

梨沙「ねえ飛鳥。アンタってさ、イヤホンとか結構こだわるタイプよね?」

飛鳥「そうだね。そこそこには、好みもあるかな」

梨沙「だったらさ、後でいろいろ教えてくれない? ちょうど新しいの買おうと思ってたのよ」

飛鳥「ボクの解説でかまわないのなら」

梨沙「なんにもないよりはマシでしょ?」

飛鳥「キミの歯に衣着せぬ言葉は嫌いじゃない……いいだろう。付き合うよ」

梨沙「決まりね。ありがと♪」

飛鳥「どういたしまして」



P「………」

心「プロデューサー♪この辺のやつとか……どしたの?」

P「いや……こうして眺めてると、あの子達が姉妹みたいに見えて」

心「姉妹かぁ。うん、確かに」

心「……ということは、はぁととプロデューサーはあの子達の両親ってところかな♪」

P「あの年齢の子どもを持ってるにしては若すぎませんか?」

心「むー、プロデューサーはデリカシーってものがわかってない! そんなんじゃモテないぞ☆」プンプン

P「いつもは若くないと言ったら怒るのに、今日は逆なんですか」

心「それが女の子の心の機微ってヤツよ☆」

P「機微ね……俺にはまだまだわからないみたいです」

心「………」


心「ほんとに?」

P「え?」

心「実はわかってて誤魔化してない?」

P「………」

心「じーーー」

P「………」

P「飛鳥、梨沙! なんかよさそうなの見つかったかー!」

心「あー、露骨な話題逸らしはずるいぞ! 逃げんな♪」

P「さあ、なんのことだか」

心「おいコラ☆」



梨沙「………」

梨沙「なに騒いでるの? あの二人」

飛鳥「……大人には大人の事情があるのさ」

梨沙「普段は子どもっぽいのに?」

飛鳥「それでも、大人は大人なんだよ。難しいけれど、ね」

梨沙「アタシにはよくわかんない」

飛鳥「実はボクもそうだ」

梨沙「……なにそれ。ふふっ」


おしまい

終わりです。お付き合いいただきありがとうございます
付かず離れず、気楽な友人関係っていいと思います

以下過去作宣伝
前作:二宮飛鳥「師走の」 佐藤心「日々☆」 的場梨沙「いろいろ」
昨日書いたやつ:棟方愛海「今日もみんなのお山に登ろーっと♪」

デレステの飛鳥のイベントが終わるまで毎日投稿続けようと思っていたのですが、そろそろネタ切れみたいです
非力な私を許してくれ


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