男「天使が空から堕ちてきた」(8)



天使「………………」スースー

男「取り敢えず息はあるみたいだな」ピト

男「それにしても…」

バサッ

天使「…………」スースー

男「ほんとに白い翼何だな」スッ

ガチッ

男「ん…?翼に鎖が絡まってるな」

男「これのせいで落ちてきたのか?」

男「このままじゃまずいし、取り敢えず家まで運ぶか」グイッ

フワッ

男「軽いな…羽みたいだ」

天使「……………」スースー

男「やっぱり人間とは違うのか」スタスタ


──
───

───
──


天使「んっ……」パチ

天使「ここは……?」ムク

男「おっ、起きたか…意外に早かったな」

天使「貴方は…?」

男「倒れてたから俺の家まで運んだぞ、ほら水」スッ

天使「……これは聖なる水ですか?」

男「ただの、水道水だ」

天使「すいどうすい…?」

男「とにかく、飲め」

天使「……いただきます」ゴク

天使「…………」

男「どうだ?」

天使「美味しくないですね」

男「それで、お前は何者なんだ」ギシ

天使「私は、天使です」

男「………やっぱりか」

天使「貴方は…地上の方なのですね」

男「あぁ、見ての通り翼もなければ光輪もない」

男「俺は、男っていう名前だ」

天使「男、さん…ですか」

天使「まずは助けて下さりありがとうございます」ペコリ

男「助けたわけじゃないんだが…」

天使「そうだとしても助かりました」

男「お前は、どこから来て何故ここにいるんだ?」

天使「…私は、ここより遥か上空の天界、聖都に住むものです」

天使「わけあって、翼を鎖で封印され地上に落ちてまいりました」

男「わけ…?」

天使「………………」

男「まぁ、いい」

男「お前、これからどうするつもりなんだ?」

天使「………わかりません」

男「だろうな…なら、わかるまでここにいるといい」

天使「いいんですか?」

男「別に構わない」

天使「どうして、そこまで…」

男「………………」スッ

天使「これは、本ですか?」

男「天使には優しくしろってさ」ニッ

『堕ちた天使の育て方』

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