八幡「なぁ雪乃、1万貸してくれないか?」 (13)

雪乃「一昨日バイト代が入ったばかりじゃない。無理よ。」

八幡「それがパチコンで負けちまってな…一攫千金を狙ったんだがな」

雪乃「はぁ…生活費は私の給料から全て賄っているのよ?それにお小遣いがない代わりに貴方のバイト代は自由に使っていいってルールにしたわよね?」

八幡「でも今月は雪乃が残業頑張ってくれたから余裕あるだろう?」

雪乃「とにかく貸せないものは貸せないわね。」

八幡「そこを何とか頼む!」

雪乃「嫌よ!」

八幡「なぁ雪乃…」

雪乃「何かしら?」

八幡「1万円が無理なら5000円でもいいぞ?」

雪乃「そういう問題じゃないわ。どうせ貴方に貸しても1時間で失くすでしょう?」

八幡「どうしてもダメか?」

雪乃「どうしてもダメよ。」



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雪乃「貴方ね、たまには家族サービスぐらいしなさいよ。パチンコばかり行ってないで」

八幡「じゃあ肩でも揉むか?胸はないから。」

雪乃「捨ててやろうかしら…この男。」

八幡「すいません嘘です。」

雪乃「肩揉みなさいよ。」

八幡「はい。」モミモミ

雪乃「目は腐っているけれど中々いい手をしているわね。」

八幡「そうか?」
(随分肩こってるな)

雪乃「ねぇ八幡」

八幡「何だ?」

雪乃「少ししたら久しぶりに公園で散歩でもどうかしら?お弁当を持って行って。」

八幡「それ散歩じゃなくてピクニックな」

雪乃「相変わらず細かい事にうるさいわね。」

八幡「じゃあ俺も弁当作るの手伝うよ。」

雪乃「あら貴方が気を遣うなんて珍しいわね。」

八幡「そりゃこんな肩凝ってる奥さんをもっと疲れさせるわけにはいかないからな。」

八幡「よし出来たな!それにしても久しぶりだな休日に公園に行くなんて。」

雪乃「たまにはそういうのもいいと思うのだけれど」

八幡「だな。」

雪乃「じゃあ行きましょう。」ギュッ

八幡「え?ここから手を繋ぐのか?」

雪乃「黙りなさい。たまには私の言うことも聞きなさい。」

八幡「へいへい。」

雪乃「フフッ」

八幡「どうしたんだ?いきなり笑い出したりして」

雪乃「人間が幸せと感じた時に微笑むのは不思議かしら?」

八幡「凄い照れるんですけど…」

雪乃「貴方にもそういった感情があったのね。」

八幡「昔の雪乃だったら今みたいなセリフは絶対有り得ないよな。」

雪乃「そうかしら?」

八幡「お前、俺が笑っただけでキモイとか気持ち悪いとかよく言ってたろ?」

雪乃「事実を述べただけよ?今と同じく」

八幡「言い返せない」

八幡「うっわ、この公園カップルばっかじゃねぇかマジでリア充爆発しろ」

雪乃「八幡、貴方の言葉を借りて言えば私たちはそのカップルの上位互換の夫婦なのよ?リア充が爆発するなら私たちはどうなってしまうのかしら?」

八幡「相変わらず鋭い突っ込みですね。ゆきのんは」

雪乃「貴方にその呼び方をされると背中が崩れ落ちそうになるわ。」

八幡「背中が崩れ落ちそうになるって凄い表現だな。とにかく俺にゆきのんって言われるのが嫌だって事は死にたい程に伝わってくる。」

雪乃「さぁそろそろお昼にしましょうか」

八幡「だな、朝飯食ってないから腹減った。」

雪乃「あら?それはどっかの誰かさんが夜中こっそりと起きていかがわしい動画を見て夜更かしをしたせいで朝起きれなかったからじゃないかしら?」

八幡「な、何のことかなー(棒)」

雪乃「まぁそれについては深くは追求しないわ。男性として当然だもの」

八幡「やっぱり、雪乃は理解のある良い奥さんだなぁ…」

雪乃「随分都合がいいわね。どっかのラノベ作家さんに私のことをケチな嫁と愚痴っていた様だけれど?」

八幡「何のことかさっぱり分からねぇよ。」

雪乃「証言は取れているのよ。何なら今ここで再生して欲しいかしら?」

八幡「すいませんでした…酒に酔った勢いでつい言ってしまいました。」

雪乃「じゃあ今ここで訂正しなさい。雪乃は優しくて可愛くて思いやりしかない嫁と」

八幡「は?」

雪乃「…言いなさい」

八幡「雪乃は優しくて可愛くて思いやりしかない嫁だよな。」

八幡(こいつ学生時代付き合ってる時より感覚が若い気がする。昔のこいつなら絶対こんな事言わせないで暴言を吐いた挙句、土下座だろうな。)

雪乃「そろそろ昼食にしましょう。」

八幡「そうだな。」

雪乃「…あげるわ。」

八幡「何だって?」

雪乃「私がご飯を食べさせてあげるわ。」

八幡「いやいやいや そういうのいいだろう。新婚夫婦じゃあるまいし。」

雪乃「そういうスキンシップを取らない夫婦は離婚するのよ?照れる必要ないじゃない。」

八幡「照れてるわけじゃないが流石にここじゃ恥ずかしい。」

雪乃「あら?どっかのラノベ作家さんと行ったメイド喫茶ではあんなにアーンって食べていたのに私のアーンは嫌だと言うのかしら?」

八幡(材木座の野郎、チクリやがったな。)

雪乃「まぁ私は優しくて可愛くて思いやりしかない嫁だから、メイド喫茶ぐらいは目を瞑るわ。だから私の言うとおりにしなさい。」

八幡「分かったよ。」パクッ

雪乃「最初から素直にそうすればいいのよ。」

結衣「あれ!ヒッキーとゆきのんじゃん!こんな所で何してるの?」

八幡「雪乃に無理やり連れ出され・・・」

雪乃「デートをしている所よ。」

結衣「そうなんだ!相変わらず仲いいんだね!」

雪乃「えぇその通りよ。私たちはいつでも仲が良いわよね?貴方」

八幡「もちろんです。」

結衣「ゆきのんがそんな事言うなんて、昔なら想像も出来ないよねぇ。」

雪乃「結衣さんはここで何をしているのかしら?」

結衣「子供とお散歩に来たの ほら挨拶して」

子「こんにちは!」

八幡(ミニガハマって感じの女の子だな。)

雪乃「随分大きくなったわね。」

結衣「そうかもねーゆきのんたちがこの子を見たのはまだ1歳ぐらいの時だもんね。」

八幡「そうだな… どれ雪乃、そろそろ行こうぜ。」

雪乃「結衣さん、また今度ゆっくりお茶でもしましょう。」

結衣「うん!こっちから連絡するね!またね!」

雪乃「…別にあんな所で気を遣わなくてもいいのよ?貴方が気を遣う必要はないじゃない?」

八幡「お前、何の話してるの?」

雪乃「子供の事よ。」

八幡「由比ヶ浜には悪いが俺ってあんまり子供好きじゃないんだよなぁ。ほらボッチって子供に話しかけられても困っちゃうだろう?」

雪乃「嘘よ?貴方は子供が好きなはずよ。川崎さんの妹さんとだって、鶴見さんとだって仲良くしていたじゃない。」

八幡「その俺がロリコンみたいな言い方やめてくれる?」

雪乃「ごめんなさい…」

八幡「お前が悪い訳でもないし、謝るのも無しにしろって言ったろ?」

雪乃「でも…」

八幡「帰り猫でも見てくか?飼いたいんだろ?だからわざわざペット可能なマンションに越したんだろう?」

雪乃「そうね…誰かさんと二人だけの生活も悪くはないけれど、癒しも必要だものね。」

八幡「ひとつ質問していいか?」

雪乃「何かしら?」

八幡「俺と猫だったらどっちが好きなんだ?」

雪乃「猫」

八幡「即答かよ!八幡傷ついた!」

雪乃「嘘よ、貴方の方が好きよ 少しだけど」

八幡「最後の一言いらなくないですか?」

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