ツバサ「トリビアライズの種」 (54)

まんまトリビアの種のペッタン人形回です

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UTX学院 大型ビジョン



ツバサ『皆さんこんにちは』



三人『A-RISEです!』




ツバサ『突然ですが私たち、新しいこと始めちゃいます!』

英玲奈『新境地開拓、とでもいうのだろうか。少々緊張しているよ』

あんじゅ『皆に驚きと笑顔を届けられるよう、頑張るわぁ♪』

ツバサ『それでは英玲奈、よろしくね』

英玲奈『よし…』スゥ…





英玲奈『続いては、日常の疑問から新しいトリビアライズを生み出すこちらの世界へ皆さまをご案内します』キリッ




【トリビアライズの種】ジャァァァァン

~~~


ツバサ「さて始まっちゃったわね」

英玲奈「皆様より送られてきた様々な疑問がどれだけ素晴らしいトリビアライズになるかを我々が検証する番組」

あんじゅ「それが…」



三人「トリビアライズの種」(手をAの形にしながら)



英玲奈「検証後はムダ知識品評会会長優木あんじゅが評価します」


あんじゅ「なんかそういう事になっちゃったけどよろしく~♪」


あんじゅ「ところでなんでトリビアライズなの?」

英玲奈「一応私たちの番組なわけだし…まあそこは察してくれ」

ツバサ「学校企画とはいえ私たちの初冠番組よ、気合入れないとね!」

英玲奈「まさか私たちがバラエティ番組をやるとはな」

あんじゅ「今時のアイドルらしくていいんじゃない?」フフッ

ツバサ「やらしい話、制作費結構かかってるからね」(手を円の形にしながら)

英玲奈「その手はやめろ」

ツバサ「てへ♪」ウインク

英玲奈「まったく…では早速」

ツバサ「あ、ちょっとまって」



ツバサ「秋葉原がμ’s一色になって、実はちょっと興奮してます」

ツバサ「綺羅ツバサです」キリッ



あんじゅ「今のなぁに?」ニコォ…

ツバサ「ひっ、お、お約束よお約束!」ビクッ

英玲奈「…それでは早速送られてきたメールを紹介します」

英玲奈「ツバサっち、英玲奈っち、あんじゅっちこんにちわ」


ツバサ「いきなり誰かもうわかったわ」

あんじゅ「完全にスピリチュアルね」


英玲奈「この間とある神社で縁日があったとき、昔懐かしいペッタン人形が置いてあったんや」

英玲奈「うわー懐かしいやんって眺めていたら、ふと疑問に思ってん」

英玲奈「このペッタン人形、人間くらいの大きさにして高層ビルの壁にくっつけたらどうなるんかな?」

英玲奈「同じようにペタペタ引っ付きながら落ちていくんやろか…これってトリビアライズになりませんか?」

英玲奈「ほなよろしく~――だそうだ」



ツバサ「メールでも関西弁なのね」

英玲奈「いや、メールは普通に標準語だ」

あんじゅ「勝手に変えるな!ちょっと似てたけど!」

英玲奈「さて…このトリビアライズの種、つまりこういう事になります」



【等身大のペッタン人形を高層ビルから落とすと○○メートル進む】



あんじゅ「ペッタン人形ってそもそもなんだっけ?」

ツバサ「これよ」スッ

英玲奈「両手足に付いてる粘着性ゴムで壁に張り付き、徐々に落ちていく人形だ。所謂おもちゃだな」

あんじゅ「ちょっとやってみていい?」

ツバサ「じゃああの壁にどうぞ」

あんじゅ「…思いっきり私たちがプリントされてるんだけど」

ツバサ「手ごろな壁があれしかなくて…」

あんじゅ「…まあいいわ。それっ」ポイッ



ペタッ

あんじゅ「くっついたわ、ツバサのオデコに」

ツバサ「壁よっ!」

英玲奈「ここからだぞ」



ペタ…

ペタ…


ペタ…


あんじゅ「なるほど、四箇所のどれかが外れても他の箇所がくっついてるから…」

英玲奈「すぐに落下することなく、ペタペタと壁を下りていくというわけだ」

ツバサ「実際見てみると面白いわね」

あんじゅ「もっかい投げてみていい?」キャッキャ

ツバサ「あ、私もやるー♪」キャッキャッ

英玲奈「…わ、私も」ウズウズ



カンペ【巻いてください】



英玲奈「…2人とも遊んでる場合じゃないぞ」

2人「はーい…」


英玲奈「さて、結果がどうなったのか」

英玲奈「こちらが確認のVTRです」

『「ペッタン人形」といえば、手足の粘着ゴムで貼り付き、不規則な動きで移動していく人形であるが…』



あんじゅ「この声ってにこさん?」

ツバサ「お願いしたら快く引き受けてくれたわ」

あんじゅ「なんてお願いしたの?」

ツバサ「UTXビジョンに出演してみない?って」

あんじゅ(完全に騙されたわね、にこさん)



『はたして、等身大ペッタン人形を高層ビルから落とすと、いったい何メートル進むのか?』

『ペッタン人形を愛し続けて10年、真姫ちゃ…西木野真姫に話を聞いてみた』



あんじゅ「あら、意外な趣味ね」

ツバサ「」フイッ

英玲奈「」フイッ

あんじゅ「なんで目逸らすのよ」

Qどうやって検証するのがいい?

真姫『はあ?そんなの知らないわよ。というかペッタン人形ってなに?今ピアノの練習してるんだから邪魔シナイデ!』




あんじゅ「」




Qどうやって検証するのがいい?

真姫『…ああペッタン人形ね、昔から大好きだけど流石に等身大は試した事ないわねー』クルクル



あんじゅ「おい」

ツバサ「え、絵面を優先させた結果よ」

英玲奈「裏でちゃんと専門家に聞いてるから安心しろ」

あんじゅ「雑な編集してまでやることか!」

真姫『そうね、手足のゴム部分はコンクリートにくっつきにくいから、ガラス張りのビルが望ましいわ』チラッチラッ

真姫『あとゴミが付くと正確な検証が出来ないから、窓の掃除は入念に行うべきね』チラッ ドヤァ



あんじゅ「めっちゃカンペ見てるじゃない…」

ツバサ「でもとっても凛々しいわ。撮れ高オッケーってやつよ」

英玲奈(矢澤にこの写真で釣ったかいがあったな)





『実際に調べてみた』

『今回検証の舞台となるのはビルのほぼ全体がガラス張りになっている、高さ107メートルのUTX学院』



あんじゅ「へえ、ウチでやってたんだ」

英玲奈「高さも申し分ないしな」

あんじゅ「でももっといいビルあったと思うけど…」

ツバサ「いいじゃない、勝手知ったる我が学園ってやつよ」

あんじゅ「そういうものかしら?」

英玲奈(よその許可が取れなかっただけなんだがな)



『そして通常のペッタン人形を、女子高生の平均身長と体重に等身大化したペッタン人形を製作』




等身大ペッタン人形穂乃果『ファイトダヨッ!』

あんじゅ「ぶっ!?これ穂乃果さんそっくりじゃない!」

ツバサ「制服もきちんと着こなしてるわね、お持ち帰りしたいわ」ジュルリ

あんじゅ「よだれよだれ」

英玲奈「本当はツバサの人形にしたかったんだがちょっとな…」チラッ

ツバサ「?」チンマリ

英玲奈「…まあそんなわけで身近の平均的な女子をモデルにした」

2人「あー」


~~~

高坂家


穂乃果「へっくし!今そこはかとなくバカにされたような」

雪穂「知らないよ」


~~~

『まず、人形を安全にスタートさせる足場の設置』

『屋上からの撮影を行うためのクレーンカメラの設置など』

『地上107メートルでの高所作業を慎重に行う』



あんじゅ「怖いわねぁ……ん?」



凛『おーらーいおーらーい!』クイックイッ



あんじゅ「…ねえ、なんで凛さんが高所作業に加わってるの?」

ツバサ「…お願いしたら快く引き受けてくれ

あんじゅ「ラーメンか」

ツバサ「」フイッ

英玲奈「裏で専門家がちゃんと指導してるから…」

あんじゅ「またそれか!絵面なんかのために無茶な事頼むなっ!」



『にゃーんにゃーんにゃーんっと♪』ピョン カチャカチャ



あんじゅ「…あら、でも可愛いわぁ」

ツバサ「…身軽だし、動きに無駄が無いわね」

英玲奈「しかしおそろしくメットと作業着が似合うな」

『そして空撮用ヘリコプターによる風の影響を受けないよう、ヘリコプターがどこまでビルに近づけるかを事前にチェック』

『さらに手足にゴミが付き、粘着力が落ちないようにガラス清掃をしっかり行う』



ヒデコ『その作業は』

フミコ『私たちに』

ミカ『おまかせください!』




あんじゅ「どこかで見かけたような…?」

英玲奈「音ノ木坂学院の生徒だ、μ’sの裏方をやっている」

あんじゅ「ああ、どうりで…」

あんじゅ「…」

あんじゅ「えっ、ヘリ乗れるの!?」

『作業は夜通し行われ…』




凛(休憩中)『深夜のラーメンは魔物だにゃ♪』ズルズル

三人(かわいい)




『そして夜が明けた』




ヒデコ『これが最後の窓っと』キュッキュッ

フミコ『意外と早く終わったね』

ミカ『じゃあ私ヘリ飛ばしてくる』



3人(ほんとに何者なの…)




『検証開始』

『まずは等身大ペッタン人形を、落ちないよう慎重にスタート地点に降ろしていく』



あんじゅ「しかしほんと穂乃果さんそっくりね」

英玲奈「まあな、手足を除けばパッと見本人と見紛うレベルだ」

ツバサ「」ジュルリ

あんじゅ「だからよだれよだれ」



『地上では万が一の場合に備えて、学院の周りに厳戒態勢を敷いていく』

『………ハァ』



ツバサ(あ、「もしかして自分騙されてるんじゃね?」的なため息が…)

あんじゅ(ごめんなさいにこさん、今度なにか奢るわ)

『ロープで人形を支えつつ、手足の粘着ゴムをガラスにくっ付ける』



ミカ『こちら空撮ヘリ、風が弱くなるまでこのまま待機しまーす』

ヒデコ『今風速0.8メートル!』

フミコ『よし!空撮ヘリへ、準備おねがいします!』

ミカ『がってん!』バラララ…




あんじゅ「ほんとに操縦してる…」

ツバサ「PVのクオリティの高さは彼女達がいてこそなのね」

英玲奈「勝てないわけだ…」

『風が弱まり、スタンバイの合図を受けたヘリが上空へ向かう』

『はたして等身大ペッタン人形は、屋上から何メートル進む事が出来るのか』



フミコ『それでは本番お願いします!』



あんじゅ「ドキドキしてきたわ…」ドキドキ

ツバサ「私も…」ドキドキ

英玲奈「手に汗握るな…」ドキドキ



凛『テンション上がってきたにゃー♪』

凛『それでは、ペッタン穂乃果ちゃんいきまーす!』



~~~

高坂家


穂乃果「ひっくし!なんかまたバカにされたような」

雪穂「いつものことじゃん」


~~~

凛『3、2、1…ていっ』パッ




グラァ…




ペタッ!




あんじゅ「ああっ、くっついた!逆さの状態でくっついたわよ!!」ガタッ

ツバサ「ち、ちょっとパンツ丸見えじゃない!こだわりすぎよ!ありがとう!!!」ガタッ

英玲奈「滑り出しは上々だな」

ツバサ「そのまま次の一歩ね!」

あんじゅ「見て、足が離れそうよ」



ミカ『足が離れそうです、足が…』




ベリッ!



ミカ『あっ』


あんじゅ「あっ」

ツバサ「あっ」

英玲奈「あっ」





ヒュゥゥゥゥゥ…

~~~





花陽「ルンルン♪」


花陽(小泉花陽、秋葉原に到着です!)

花陽(目的はもちろんスクールアイドルショップなんだけど)

花陽「せっかくだし、UTX学院も見に行こうっと♪」トコトコ


花陽「やっぱりおっきくて綺麗だなぁ…」トコトコ

花陽「でもなんだろ、今日はやけに警備員さんが多いような?まあいいか」トコトコ


アブナイゾー!!


花陽「…花陽に言ってるのかな?そんなわけ」



ヒュゥゥゥゥゥ…



花陽「ん?なんのお…




ドグチャアッ!!!

花陽の目の前に落ちたペッタン穂乃果は

原型を留めないほどの激しい衝撃に見舞われた

四方に飛び散った赤黒い「それ」は

花陽の体中を余す所なく染め上げる

足元に転がり落ちてくる頭…だった物

飛び出しかけた目玉が何かを訴えかけるように

じぃ…と花陽を見つめていた






 フ ァ イ ト ダ ヨ ッ ……






花陽「」





花陽「」バタン





花陽「」ブクブクブク…

~~~



ヒュゥゥゥゥゥ…











ドグチャアッ!!!




ヒトガオチタゾー

キャァァァァ

ウワァグロ…

オンナノコハブジカー




あんじゅ「」アゼン

ツバサ「いやあああああああほのかさああああああああ!!!!!???」ガタンッ

英玲奈「…ウップ」

あんじゅ「ウップじゃないわよっ!!なんであんなにリアルな作りにしたの!?」

英玲奈「等身大ということで少し気合を入れすぎたようだ」

あんじゅ「内臓まで作りこむやつがあるか!!完全にトラウマもんじゃない!!!」

『等身大ペッタン人形は…5メートル進ん……オエッ』



あんじゅ「にこさんにもダメージいってるじゃない!!」

英玲奈「とんだ衝撃映像だったからな」

あんじゅ「あんたのせいでもあんのよ!!」


ツバサ「ほのかさんめだまがとびでてるわみだしなみはきちんとしなきゃうふふ」ブツブツ


あんじゅ「ツバサ戻ってきてぇっ!?」

英玲奈「現実逃避しているな、これでは番組が進行出来ない」

あんじゅ「ちょっとどうすんのよっ」

英玲奈「仕方ない、穂乃果さんに電話して正気に戻ってもらおう」スッ prrr…

あんじゅ「もうなんでもありね…」

英玲奈「やむを得まい……ああもしもし穂乃果さん?今ツバサと変わる」

穂乃果『あのぅ、ツバサさん?』

ツバサ「ちょうがはみでてるわほのかさ………穂乃果さんっ!!??」

穂乃果『うおっ、ビックリした…』

ツバサ「生きてるの穂乃果さん!?脳みそ飛び散ってない!?内臓はみだしてない!?」

穂乃果『は…?まあ普通に生きてますけど…』

ツバサ「そう、そうなのね……ふふっ、そうだったわ、所詮人形じゃない私ったら…」ブツブツ

穂乃果(何言ってるのこの人…)

ツバサ「ごめんなさい穂乃果さん、私はもう平気よ。あ、今日も可愛いわね。それじゃ♪」

穂乃果『いや見えてないじゃ…ってちょっ』ブチッ

ツバサ「ごめんなさい2人とも、ツバサ完全復活よ」キリッ

英玲奈「手間をかけさせるなまったく」

あんじゅ「だからあんたの…っていうか番組的に大丈夫なの色々?」

英玲奈「生放送じゃないんだ、都合の悪いところは編集してくれるさ」チョキチョキ

ツバサ「イメージダウンなんて本末転倒だしね」

あんじゅ「いやあのペッタン穂乃果さんの末路に怒るメンバーもいるんじゃ…」

英玲奈「所詮人形じゃないか、ははは」

ツバサ「笑って許してくれるわよ、ははは」

あんじゅ「あんたは精神崩壊しかけたじゃない…」

英玲奈「さて、そろそろVTRを再開しよう」




『オエ、フゥ……等身大ペッタン人形は5メートル進んで落ちた』

『その結果を、ほの…ペッタン人形を愛し続けて16年』

『園田海未、南ことりに報告』





三人「」

Qなぜすぐに落ちた?

海未『人形の重さはどれくらいでしたか?』ニコニコ


Q○○キロです

海未『なるほど、正確には誤差プラス0.2キロですがまあいいでしょう』ニコニコ

ことり『それじゃあすぐに落ちちゃうよねぇ…』ニコニコ



ツバサ「…よ、よかった、普通に答えてくれるのね」

あんじゅ「でも笑顔がなんか怖いんですけど…」

英玲奈(悪寒が…)ゾクッ



Qではどうすればよかった?

海未『これが普通のペッタン人形です。これをばらしますね』スッ ニコニコ

ことり『わあ、さっきの穂乃果ちゃん人形みたいになっちゃったぁ』ニコニコォ…



三人(ひっ)

海未『このように手足のゴム部分と他の部分の重さが3:1の割合にならないといけません』ニコニコ

ことり『誰だろうね、 ム ダ に作りこんだ人』ニコニコ



三人「」ガタガタ



海未『まあ作り直しが妥当ですね。ですが…』ニコニコ

ことり『もしまたくだらない失敗したらぁ…』ニコニコ





海未『命は無いものと思ってください』<●> <●>

ことり『おやつにするぞ』<●> <●>





三人「」シロメ

『そこで等身大ペッタン人形を、すべて発泡スチロールで作り変えることで軽量化』

『そして軽量化出来ない手足の粘着ゴム部分6キロを軸に…』

『ビニールテープを巻き重さを調整し、胴体部分2キロとすることで…』

『総重量8キロという3:1の比率を実現』

『さらに腰の曲がり部分もゴムを使用することで、実物ペッタン人形と同じにした』




あんじゅ「……はっ、気を失ってる場合じゃない!」

英玲奈「うむ、うむっ、これならさっきのような悲劇は起こりえないな、うん!」

ツバサ「ハッピーエンドね」(震え声)



『完成』



等身大ペッタン人形穂乃果改『ヤルッタラヤルッ!』




あんじゅ「だっかっらっなんで無駄に精巧なのよ!!!」

英玲奈「だ、だって絵面がーってツバサが…」

ツバサ「発泡スチロールに可能性感じてきたわ」(錯乱)

『数日後、再び検証開始』


『前回同様スタートの合図があるまでは、手足に負担が掛からないように…』

『スタート地点で支えた状態のまま、風が弱くなるのを待つ』



凛『今回のペッタン穂乃果ちゃん軽いにゃー♪』ヒョイ



あんじゅ「彼女だけが唯一の癒しね」

英玲奈「今日も作業着が良く似合う」

ツバサ「今度個人的にラーメンおご…



凛『…終わったらかよちんの前であいつらボコボコにするにゃ』ボソッ…



三人(神は死んだ)

ヒデコ『今風速0.8メートル!』

フミコ『それでは本番お願いしまーす!』



あんじゅ「今度は大丈夫よね…」ドキドキ

ツバサ「頼むわよ…」ドキドキ

英玲奈「おお神よ…」ドキドキ



凛『テンション上がってきたにゃー♪』

凛『ペッタン穂乃果ちゃん改、いっきまーす!』パッ


ミカ『今人形が凛ちゃんの手から離れました!』バラララ…



三人「」ドキドキ…



ミカ『人形の手がガラスから離れそうです、離れそうです…』



ベリッ…



グルン…



ペタッ!

あんじゅ「くっついたわ!さっきと同じ逆さの状態ね」

ツバサ「もうパンツに驚く私じゃないわ。それより…」

英玲奈「次の一歩が上手くいくか…」



ミカ『両手両足くっついてます!えー…』

ミカ『あ、足が離れそうです、離れそうです…っ』



ベリッ



グルン



ベリッベリッ



ゴロゴロ…




あんじゅ「んああ落ちちゃうぅぅ!?」

ツバサ「あああああ!?」

英玲奈「もうだめだ、おしまいだ…」(絶望)

ゴロ…ゴロ…




ペタッ!!



ミカ『ああっ、凄い!耐えてます、耐えてます!!』



あんじゅ「あああすごいわくっついてる!!落ちてないわよぉ!!!」ガタッ

ツバサ「ちょうど四つん這いのような体勢で止まったわね!!」ヒャッホウ

英玲奈「腰の曲がり具合が柔軟になっているな、ゴムにしたのは正解だったようだ」ドヤァ

ミカ『えー動きだしました、手が離れそうです…』



グググ……



ミカ『いやまだ耐えてます、耐えてます!』




あんじゅ「ちょ、ちょっとあのポーズ…///」

英玲奈「尻を高く突き出して…ちょっとエッチだな…///」

ツバサ「精巧な作りに感謝ね(穂乃果さんが可哀想よ)」

あんじゅ「逆逆」

英玲奈「お、手が離れそうだぞ」




ベリッ


グルン


ペタッ!






あんじゅ「今度はブリッジの体勢ね///」

英玲奈「実に煽情的だ、けしからんな///」

ツバサ「もっと知りたい過剰なLife」(ガン見)

ベリッ


グルン


ペタッ!


ベリッ


グルン


ペタッ!




ミカ『今20メートルから25メートルの間です』




ツバサ「良い感じじゃない(意味深)」

あんじゅ「うーん…でも事情を知らない人がこれ見ると恐怖かもしれないわね」

英玲奈「この時は私たちのライブがあった。一般の人はホールにいるはずだから大丈夫だろう」

~~~



花陽「ランラン♪」


花陽(小泉花陽、今日はUTX学院にお邪魔してます!)

花陽(目的はもちろんA-RISEのライブ鑑賞。でもその前に…)

花陽(ちょっとだけ学院内を見学です♪)キョロキョロ

花陽(中も素敵だけど外の眺めも良いなぁ…)

花陽(ここからお家見えるかな?なんて…)


イマオクジョウデー…

ヘーソウナノー…


花陽(なんか妙にざわざわしてる…屋上?なにかやってるのかな?)

花陽(この感じ前にも体験したような…う~ん、あれ?思い出せない)

花陽(なにか…怖い思いをしたような……?)



ペタッ!!



花陽(…?窓の方からなにか)チラッ

窓に目を向けた花陽は一瞬

ああ、私は映画でも見てるのかな…と思った。

ホラー映画でよくある演出

異形の怪物が窓越しにこちらを威嚇する

怖がりの花陽ですらありふれたシーンだと

フィクションを認識する、そんな場面。

しかし窓の外にいる人型の「それ」

不気味な体勢でへばり付いているそれの顔は

花陽を現実に引き戻させた。

無二の友達に瓜二つ

しかし他人と見紛うような無表情

死人のような双眸は

なにかを語りかけるように

じぃ…と花陽に向けられていた






 ヤ ル ッ タ ラ ヤ ル ッ …





花陽「」





花陽「」バタン





花陽「」ブクブクブク…

~~~



ミカ『今40メートル…』



ベリッ


ゴロッ




あんじゅ「ああ危ない!?」





…ペタッ!




ミカ『左手左足がくっついた状態で耐えてます!』




ツバサ「ご開帳ね、ありがとうございます」ハナジダパー

あんじゅ「こ、これ怒られない!?穂乃果さんに怒られないの!?///」

英玲奈「だだだ大丈夫だいちごでもあげれば許してくれるさ」ダラダラ

あんじゅ「あ、これ完全に事後承諾だな!」

ミカ『今45メートルです…あっ』



ベリッ



ゴロ…



ペタッ



ミカ『耐えてます耐えてます!今50メートル地点!!』



英玲奈「いかんな…粘着力が弱まってきたか」

あんじゅ「でもこれ、もしかしたら最後までいけるんじゃない…?」

ツバサ「ヘタなアクション映画より興奮するわね」タラー

あんじゅ「はいはい鼻血は拭きましょうね」フキフキ

英玲奈「残りは半分か…あっ』




ペリ…ペリリ……

ミカ『剥がれそうです、剥がれ…』




ベリッ!!




あんじゅ「ああ、両手足が完全に離れた!?」

ツバサ「まだよっ、もう一度どこかにくっつけば…」

英玲奈「いや…これはもう……」




ヒュゥゥゥゥゥ…










ドシャァッ!

あんじゅ「あぁ…落ちちゃったぁ…」

ツバサ「…残念ね、でも正直ここまで行くとは思わなかったわ」

英玲奈「私も胸が熱くなったよ、今はただペッタン穂乃果さんの健闘を讃えよう」パチパチ




『人形は屋上から55メートル進んで落ちた』




ペッタン穂乃果(損壊)『ヤ ルッタラ ヤ ルッ!』

首と足はへし折れ、腰は不自然な方向に捻じ曲がっている





英玲奈「うぉ…これはこれで…」

ツバサ「ヘタに血が流れるよりクルわね…」

あんじゅ「見た目精巧だから余計に…ってこれ大丈夫なの!?」

英玲奈「なぁにあの2人には結果だけ伝えて後は適当に編集すればいいさ」チョキチョキ

ツバサ「55メートルも進んだのよ、むしろ皆驚きと笑顔に溢れてるはず!」

あんじゅ「そういやそんなコンセプトだったわね…」

英玲奈「と、いうわけで…」




『こうしてこの世界にまた一つ、新たなトリビアライズが生まれた』




【等身大ペッタン人形を高層ビルから落とすと、55メートル進む】ジャカラカー




三人「サカナカー」


あんじゅ「なんだかんだで大興奮だったわ」

ツバサ「一大スペクタクルだったわね」

英玲奈「そんな我々を興奮させてくれたペッタン人形、スタジオに持ってきております」



等身大ペッタン人形穂乃果(完治)「ヤルッタラヤルッ!」

あんじゅ(流石に修復してくれたか…)

ツバサ「実物の方が何倍も可愛いわね」スリスリ サワサワ

英玲奈「ならそのやらしい手つきを止めろ」

ツバサ「持ち帰っていい?興味があるの」キリッ

あんじゅ「いっそ清々しいわね…」

英玲奈「先約があるのでダメだ」

ツバサ「それってやっぱりあの2人?…なら仕方ないわ」ガクブル

あんじゅ(だからオファー受けたのね…)クルクル

英玲奈「これよりあんじゅには、トリビアライズの種から生まれた新しいトリビアライズが、どれほど素晴らしいものだったか評価して頂きます」

ツバサ「それではあんじゅにお聞きします。このトリビアライズの種…」

ツバサ「何分咲きでしょう?」




あんじゅ「」レバーガチャンッ



ヘーミーカーウィーゴー



ドンドンドンドン…





【満開】




ツバサ「ご覧下さい、満開です!」

あんじゅ「初回ということを差し引いても素晴らしい内容だったわ」

英玲奈「関わってくれた全ての人に感謝だな」

ツバサ「こんな壮大な企画、学校じゃウチでしか出来ないわよね」

あんじゅ「これからも続けていけるといいのだけれど」

英玲奈「それは評判次第だろうが…私も楽しかったよ、またやりたいな」


ツバサ「皆、ここまで見てくれてありがとう!」

ツバサ「これからも私たちは新しいことに果敢に挑戦していきます」

ツバサ「応援よろしくね♪それでは…」


三人「A-RISEでした!」フリフリ

~~~



UTX学院 大型ビジョン前



『A-RISEでした!』




ツバサ「」

英玲奈「」

あんじゅ「」



あんじゅ「………どういうこと」

英玲奈「………なにがだ」

ツバサ「………」

あんじゅ「なんでノーカットで全部放送されてるのよっ!!!」

あんじゅ「都合の悪い部分は編集するんじゃなかったのっ!!??」

あんじゅ「イメージダウンどころじゃないわよ!!色々まずいじゃない!!!」

英玲奈「…上が決めたことだ」

ツバサ「…最近μ’sの影に隠れがちだからインパクトが欲しかったんだって」

あんじゅ「ただバラエティ番組やってるだけで十分だったでしょ!?」

英玲奈「私に言うな!こっちだって面食らってるんだっ!!」

ツバサ「あぁまさかほんとに全部放送なんて…」

ツバサ「こんなのあの子らに見られたら…」









「ほう、大変愉快な番組ですね」

三人「ひっ」






海未「辞世の句はよろしいですか」<●> <●>


ことり「やんやん♪」(首かっ切りポーズ)


穂乃果「穂乃果初めてだよ…本気で人をぶん殴りたいと思ったの」グルングルン


凛「かよちんの目の前でボコボコにするにゃー」スパナブンブン


花陽「ダレカタスケテ…ダレカタスケテ…」(トラウマ)


にこ「よくも騙してくれたわね!妹達に嬉々として話しちゃったじゃないの!!」


真姫「ちょっとこんなありふれた写真100枚は持ってるわよ!割に合わないわ!」


絵里「何で私が満開のボード持ちなのよ!地味すぎるわ!!」


希「こら~っこら~っ」(面白そうだからついてきただけ)






三人「」






三人「撤退でしょっ!!!」ダダダッ

トリビアライズの種は三人の不安と裏腹に

「新しい一面が見れた」と多方面から熱狂的な支持を受けた。

が、何故か初回で打ち切られたという





おしまい

おまけ




UTX学院 屋上



ツバサ(手足にゴム)「いやあああああむりむりむりむりぁあああああああ!!!???」

英玲奈(手足にゴム)「これはほんとにしにますおねがいですやめてくださいおねがいします…」

あんじゅ(手足にゴム)「」ブクブクブク…




穂乃果「ファイトだよっ!」(無表情)

海未「大丈夫大丈夫」ニコニコ

ことり「苦しんで死ぬよりマシでしょ?」ニコニコ

ツバサ(手足にゴム)「どっちみち死ぬのぉあああああやだやだやだあああああ!!??」

真姫「下にマット敷いたから平気よ…あ、落としたトマトがぐちゃぐちゃになったわね」

花陽「コレデ…クルシミカラ…カイホウサレル…」

凛「テンション上がるにゃー♪」カチャカチャ

英玲奈(手足にゴム)「ああかみよわたしをおすくいくださいかみよたすけてたすけて…」

絵里「どんな結果でも満開を掲げてあげるわ!」チカァ

にこ「A-RISEの体当たり企画ね、これは一生ものだわ」REC

希「次はどんな疑問を送ろうかなぁ」

あんじゅ(手足にゴム)「」ブクブクブク…

穂乃果「それじゃみんな…」



9人「ペッタンアライズいきまーす!」パッ





三人「ああああああああぁぁぁぁぁ…!!!」









A-RISEのプロデビューは三ヶ月延期となった

おわり

興味がある方は検索して見てください

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