ツバサ「音ノ木坂学院がテニスの親善試合?」(118)



※世界観とキャラ崩壊注意


~UTX学園~

「ねぇ、聞いた?」

「無名校の音ノ木がここと親善試合でしょ?」

ツバサ「…」

「私達の学校を知らないのかしら」クスクス

英玲奈「ツバサ…いよいよだな。」

ツバサ「ええ…忘れもしないわ2年前の事。」

あんじゅ「今日の試合1年生~3年生まで9人で乗り込んで来るみたい」


「音ノ木坂学院のバスが来たわよ!」


穂乃果「お出迎えなし…か。」

海未「私達はあくまで無名校ですからね。あまり歓迎されてないでしょう」

花陽「今日の試合で私達が勝てば、歓迎するように交渉してみます」

にこ「怖気付いてんじゃないの?」ふっ

海未「油断は禁物ですよ。相手が誰であろうと全力で戦う。」

希「楽しみやね。どんな子が居るんやろ☆」

ことり「絵里ちゃんオーダーは決まってるの?」

絵里「とりあえず先制は凛で行こうと思うの」

凛「いきなり先頭バッター頼まれちゃったにゃ。これは楽しみですにゃぁ」


ツバサ「ところで、他の生徒はしっかり練習してるの?」

英玲奈「勿論だ。」

あんじゅ「私達に追いつこうと一生懸命練習してるよ」

ツバサ「この試合絶対負けられないわ。」

ツバサ(あんな事繰り返してはならないの…)ギリッ

英玲奈「…」

あんじゅ「私達も後輩に負けないようにしないとね」

ツバサ「ええ!」


~屋上~

コーチ「もっと足を動かしなさい!あなた走り込みが足りないわ!」

「はい!」

コーチ「違う!膝を使いなさい膝を!そんな事で試合には出れないわよ!」

「はい!」

ツバサ「いい感じね。」

英玲奈「気合い十分だな」

ツバサ(これなら…!!)


絵里(ふーん…こんな練習で私達を倒せる気でいるのかしら)ふふっ

希「みんな頑張ってるねぇ」

穂乃果「そろそろ声かけようっか」


絵里「ツバサァーーーッ!」

ツバサ「!!」

絵里「少しはやる様になったんでしょうね!」

ツバサ「ッ!!」ギリッ

英玲奈「随分とご機嫌なようだが、少し自惚れてないか?」

絵里「へぇ…そっちも随分と自信があるみたいじゃない。勝つ算段でも浮かんだのかしら?」

英玲奈「その傲慢な態度…どこまで保てるか楽しみだ」

絵里「その言葉そっくり返すわ」

あんじゅ「まぁまぁ。その辺で終わらせて後はテニスで決着をつけようよ。」

英玲奈「それもそうだ。まず第1試合行ってこい!」

「はい!」

ことり「凛ちゃん頑張って!」

凛「行ってくるにゃ」

(腕が細い…足も細いし…こんなの勝負決まった様なもんじゃない)プッ


第1試合
星空凛 VS UTX 3年生


凛「…」

「あなたテニスをするような体じゃないわよ。」

凛「にゃ?」

「見なさい。私の筋肉!あなた見たところスピードタイプのようだけど、そんなの通用しないわ!」

凛「…」

「1年生だから、これからなんだろうけど…その腕じゃ…」

「私のサーブは止められない!!」パァン

外野「うわぁ…先輩相変わらずエグいサーブしてるなぁ。相手の女の子も可愛そう…先輩の打球は早い上に重いからあの子じゃ絶対に返せない!」


凛(この球…凛には打ちごろにゃ)





凛「ホシゾラホームラン!!」ドンッ!


「なっ!?」ゴッ

(うそ…返球が見えなかった!!)

外野「せ、せんぱーーーーーい!!」

外野「嘘でしょ!?何てパワーなの!一撃で先輩があんなに吹っ飛ぶなんて!!」

英玲奈「早く担架を!」

ツバサ「やってくれたわね…」

凛「こんなものでいいですかにゃ絵里ちゃん」

絵里「良くやったわ凛」

審判「試合続行不可能により、勝者星空凛!!」


あんじゅ「あらら」

英玲奈「あれ程油断するなって言ったんだけどな」

「だから言ったのに…あの子じゃ勝てないってね」

「さっきの子と違って私達はあんな簡単にはいかないわよ。」

ことり「どうやら…」

海未「ようやく始まりって事ですね」

絵里「海未、ことり。頼むわよ!」


音ノ木坂学院
園田海未 南ことり
VS
UTX学園
先輩 (3年生) 後輩(1年生)


先輩「さっきのホームランはさせないわよ。」

後輩「あんなの無回転のゆれ球打ってたら簡単に抑えられますからね。」

海未「そうですか…」スッ

先輩「え?」

人の目には映らない速度でボールがUTX側のコートに入っていた

ことり「しっかりと構えとかないと海未ちゃんのマッハは返せないよ?」ふふっ

審判「15ー0!!」

先輩(今…何も見えなかった…でも、なんでボールが…)ゴクリッ

後輩「どうしたんですか?今のも見えないようじゃ先輩は引退ですかねw」

ポーン

後輩「!?」

先輩「今の見えた?」

後輩(こ、これは…)



絵里「海未のように柔らかい筋肉で繰り出すあのサーブは誰の目にも映らないわ」

英玲奈「何て奴らだ…技術の差が完全に開いてるな。」

先輩(音ノ木坂学院…これほどまで強いとは…)

先輩「仕方ないわ。このゲームは落としても、次で落とさなければ良いのよ!」

後輩「はい!」


審判「ゲーム、1ー0 園田、南ペア!」

にこ「勘弁してよ!リターンしないと試合になんないじゃない!」

先輩「くっ…」

後輩「大丈夫ですよ先輩。」

先輩「どういう事?」

後輩「今のショット覚えましたから」


後輩(私のサーブ…ここで音ノ木に負けたくはない!)ググッ

海未「!!」

トンッ

海未(これは…)

ことり「海未ちゃんのマッハ…」

後輩「あまり調子に乗らない方がいいですよ?」

ツバサ「その子は特別の子でね。時間がかかるけど相手の技や技術をそのまんまコピーできるのよ」

海未「そのまんま…ですか…」

先輩「そうよ。今更怖気づいても遅いけどね。」


海未(そのまんまコピーできる…ですか。その割には…)

後輩「マッハ!!」ドシュ

ことり「遅いよ!!」パンッ

先輩「!?」

審判「15ー15!!」

海未「私達には効きませんよ。同じ技が効くわけないじゃないですか」

後輩「先輩…アレを使います。」

先輩「…仕方ないわね。あまり気は進まないけど…このまま負けるよりは遥かにマシよ。」


ことり「海未ちゃん気をつけて…何か来るよ」

海未「ええ…どうやら雰囲気が一気に変わりましたね」


後輩「だったら、これでどうですか!?」パンッ

海未「さっきより遅いですね!一体何が…」

ことり「う、海未ちゃん!」

海未(こ、これは…)

サーブで放ったボールは着地と同時にバウンドせずネットに引き寄せられるように戻っていった

審判「30ー15」

後輩「零式サーブ見様見真似だったんですけど、決まって良かったです。」

海未「この方は…」

海未(本当に1年生なのでしょうか!?)

ことり(海未ちゃんが汗を…それ程の相手なんだね?)


そして、ゲームは終盤まで海未とことりペアを零式サーブ…そして零式ドロップを攻略する事をさせず終盤まで追い詰めた

凛「そんな…海未ちゃんが負ける!?」

穂乃果「海未ちゃん頑張って!」

ことり「ハァ…ハァ…」

ことり(限界だ…ことりも海未ちゃんも…)

先輩「全く…あなたたちには手こずらされたわ。これで…終わりよ!」ギュパァン!

穂乃果「今度は直接狙ってきた!?」

ツバサ「これで終わりね。今までのどのショットよりも鋭いわね。」

英玲奈「決まったな」


ことり「サザンクロス!!」

後輩「まだ動けますか…一体どこにそんな力が…」

先輩「すごいパワーなのは認めるわ。でも、こんな地面スレスレのホップするボールなんか避ければアウトに…」

先輩(ち、違う!このボールはまさか…!!)

後輩「ボールがクロス状に分裂した!?先輩避けてください!」

先輩(ダメ…避けられないわ。)

ガシャァァァァン

後輩「せ、先輩!!」

ことり「や、やった…」ガクン

穂乃果「だ、大逆転勝利だぁーーーーーー!!」

海未「最後の一撃良かったですよことり…後もう少しで私のスタミナも…」

ツバサ「流石ね…普通の相手ならフェンスに叩きつけられた時点で終わり…」


ツバサ「でも、あの子はそんな簡単に負けないわよ?」

先輩「いったぁ…」スリスリ

ことり「そ、そんな…」ガクッ

そして…

審判「ゲームセット!ウォンバイUTX学園!7ー1!!」


海未(マッハだけでは通用しない!)

海未「すみません!すぐに練習をします!」

ことり「あ!待って海未ちゃん!」タタッ

穂乃果「そ、そんな…海未ちゃんが負けるなんて…」

絵里(怖気づいてる…ま、無理もないか)

絵里「ふぅ…海未はもう少し頭を柔らかくしないと勝てるものも勝てないわよ…練習は真面目に取り組んでるのに」

希「まあええやん。ウチ練習嫌いやし」ふふっ


花陽「おいしいあったかいおにぎり~♪」ルルル

真姫「次の相手は私達と同じ同級生らしいわよ」

穂乃果「頑張ってね!かよちゃん、真姫ちゃん!」

花陽「任せてください!」

真姫「誰が相手でも勝つわ。私達のテニスをするだけよ!」

にこ「真姫ちゃんならきっと大丈夫よ。頼んだわよ天才マッキー」

真姫「何よそれバカにしてんの?」


あんじゅ「あっちは1年生ペアで来るみたいね…」

英玲奈「西木野真姫…か。」

ツバサ「これはちょっと厄介ね。」

あんじゅ「そうなの?」

ツバサ「ちょっと彼女の母親が有名なのよ…」

英玲奈「有名なダブルスプレイヤー…音ノ木坂の理事長と組んで世界で暴れてたって聞いた」

あんじゅ「なら、並大抵のペアじゃダメだね。そう、並大抵のペアじゃね…」ふふっ


UTX学園
2年生同士のペア
VS
西木野 真姫 小泉花陽ペア


姉「よろしくお願いします。」

真姫「あら、礼儀が正しい先輩じゃない。穂乃果に見習わせたいわ」

穂乃果「そんな…褒められたら照れるじゃん///」

妹(今のどこに褒められた部分があったのでしょうか?)


姉(音ノ木坂の人達は直接狙ってくるタイプのテニスが多い…)

妹(お姉ちゃん)

姉(大丈夫。この手のタイプは慣れてるわ!)パァン

真姫「随分と消極的なテニスね。攻めなきゃ勝てないわよ?」ポン

姉(うーん…パワーがあるようには見えない。この子はどちらかと言うと技巧派タイプね。全部誘い球のように見える)

妹「だったら…先手必勝!“飯匙倩”で攻める!」ドッ

真姫「こ、この軌道は!?」

真姫(いくら回転のかかったボールでも、こんな軌道をするのは不可能…まるで…)

真姫「ラケットをすり抜けるようにボールが動いてる!?」

審判「15ー0」



花陽「今の」


花陽「今のすごい打球ですね。」

妹「飯匙倩ですか?」

花陽「あんなに打球が蛇みたいにグネグネ曲がるのは見た事がないですよ。本当にすごいですね!」

妹「あ、ありがとうございます。」

花陽「できればもう一回見せてもらえますか?」


にこ(始まったわね…コート上の交渉人)


妹(状況を見極めて、しっかりと対処しなきゃ…)ジッ

真姫(思った以上に簡単に入り込めたわね。普通だったら全く相手にしないだろうけど、あんなすごい球打てるんだもの。また、打ちたくなるわよね?)

妹「よし!!」

姉「気をつけて!それも誘い球だよ!」ポンッ

妹(え?)

姉「すぐに返球に構えて!」

真姫「遅い!!」ドッ

審判「15ー15!」

妹「ご、ごめんなさい。」

姉「うーん…あの花陽さん」

姉(思った以上に食わせ者みたい…)


妹(打球が速く感じる…)

花陽「急がないとポイント取られちゃうよ?」ドシュ

姉(明らかに速くなってる…そして、普通に返すだけでもやっとなのに…)

花陽「はいっ」トンッ

姉「!!」

外野「また、コードボール!?」

姉「コーナーを狙って、時々コードボールを織り交ぜることで私達の体力を奪うなんて随分と余裕のない事をするじゃない!」

花陽「これぐらいで疲れてたらテニスなんてできませんよ?」

妹「だったら…」グイッ

真姫(ラケットの持ち方を変えた?それにあんなにギリギリまで引きつけて一体何を…)

妹「これはどうかな?"海賊の角笛"!!」ギュオッ

真姫(すごい!こんなホップする打球なんて見た事ないわよ。)スッ

真姫「残念だったわね。直接狙っても…」

妹「ならこのゲームは私達の勝ちですね。」

真姫「!?」

花陽(まさか…)

顔面を狙ったかのような打球は大きく上空を上がりコーナーに狙いを定めて正確に打っていた

審判「ゲーム1-0 UTX学園!」

花陽「あんなショットでコートに入れるなんて…」

花陽(これはちょっと骨が折れそうかも…)


花陽「これは…全力で行かないと足元を狩られそうですね…」

真姫「そうね…さっきから重力を無視するようなショットが多いわ。それにあの飯匙倩…動きが複雑で完全に捉えるには時間がかかる」

花陽「何とか引き出せそうだったんですけど…」


ツバサ「あの飯匙倩があるせいで動きが単調になって来たわよ音ノ木坂」

英玲奈「でも…」

あんじゅ「あんなのは大したショットじゃないよ。海賊の角笛もその内攻略されるし」

ツバサ「そうね。それに…まだ姉の方が動いてない。あの子の本来の打球見たら腰を抜かすんじゃないの?」


ツバサ「姉さん!」

姉「!!」

ツバサ(そろそろアレを決めなさい!)

姉「…」コクン

真姫「あちらさんはようやく動く見たいね」

花陽「ではこのドロップショットはどうですか?」ポンッ

妹「!!」

穂乃果「上手い!あの2人の位置じゃ絶対に返せないよ!」

ツバサ「普通ならね?」


妹「お姉ちゃんの縮地法はどこへでも一歩で行けますよ?」

姉「残念でした!」

にこ「いつの間に動いたの!?」

真姫(大丈夫…すぐに対応できるように私も…)

姉「ごめんなさい」ドガッ

希「こ、このショット…まさか」

真姫(打った瞬間からこんなにボールが動くの!?)

大きく…それも不規則に動くボールは簡単に真姫のラケットを通り抜けポイントを奪った

妹「あなた達はもう何も考えなくて良いですよ。これからはお姉ちゃんの大飯匙倩だけで勝ちますから」

妹(通常…飯匙倩を打つには手首に大きく負担がかかり、そんなに連発して出せるものじゃない…でも)

ツバサ「あの子は学内トップクラスの身体能力の高さ。そして柔らかな筋肉であの大飯匙倩を完成させた…」


花陽(ボールを捉えられない…)スッ

ドォン

審判「ゲームUTX 1-0!」


そして宣言通り姉の縮地法と大飯匙倩で真姫と花陽ペアをゲームを5-0まで進める

そこで異変は起きた

真姫(さすが花陽ね…まさかここまで苦戦させられるとは思わなかった。けど…)

花陽「そんな技使っていて1人でいつまでも持つわけがないです。大飯匙倩…最後まで攻略できませんでしたが」

姉「ハァ…ハァ…ハァ…」

花陽「攻略しなくても全方位への縮地法。そして…」

姉「"大飯匙倩"!」ガッ

妹(ダメだ…ボールが全然動いてない!お姉ちゃんは限界だ!)

ツバサ(あの真姫と花陽って子…ここからの事を想定していて体力を温存していた)

真姫「低い弾道だけど、これなら…」


真姫は低めのボールに対してスマッシュを打つ為空中で体を大きく捻る

あんじゅ「まさか…」

英玲奈「おいおい…」

ツバサ「あの体勢でスマッシュを打つつもり!?」

真姫「"葵吹雪"」

ドカッ

妹「そんな…」

審判「15-0!」

姉「ご、ごめんね…」

妹(まずい…お姉ちゃんの縮地法が使えなくなってる…そして…)

妹「"飯匙倩"!」パァン

真姫「もう、普通の飯匙倩は見切ったわよ。思えば無理に決めようとしなくていいのよ…返すだけであなたも相当負担がかかるんじゃないの?」トンッ

妹「普通の飯匙倩じゃ全く効かなくなってる」


真姫(どんな打球でも攻略法がないわけじゃない…実際に飯匙倩もフラットよりロブとかした方向から落ちる瞬間をすくい上げるようにすれば簡単に拾えるようになる)

妹(海賊の角笛も飯匙倩も私のショットは全て通用しない…なら、私から攻める!)

妹「はっ!」ドッ

真姫「花陽!向こうから攻めてきたわよ!」

花陽「一旦体勢を整えます!」

姉「…」

妹(私はお姉ちゃんの盾になる!勝つ為には…お姉ちゃんの体力を…!!)ググッ

妹「そこっ!」パァン

真姫(打球の威力、回転数が格段に上がってる!)

花陽(これは…また新しい作戦を考えなきゃダメみたいだね。)


パァン!

パァン!

妹「くっ…」ガッ

花陽「私…パワーは凛ちゃんや絵里ちゃんみたいに無いんですけど、正確にゆっくりと打球スピードを調節する事ができます。」パァン

姉「妹ちゃん…」

妹「うっ…」

花陽「このじょじょに打球スピードが上がるって言うのは意外と辛いものです…」

妹(確かに…手が痺れてきた…)


ゲームは音ノ木坂学院が有利に進んでいく


ドンッ!

審判「ゲーム音ノ木坂学院 5-3」

妹「くっ…追いつかれた!」ダンッ

姉「…妹ちゃん。」

妹「ご、ごめんなさい…ついカッとなっちゃって…」

姉「いいの。それよりも聞いて?」

妹「?」


真姫「作戦タイムは終わり?」

花陽「ごめんなさい。このセットも私達が…」ドガァッ

妹「いいえ…」

姉「残念ですけど、ここまでですよ。」スッ

真姫「しゅ、縮地法!?そんなここまで来て…」

花陽「!!」

妹(今は…お姉ちゃんの行動や息遣い)

姉(そしてお互い喋らなくても頭の中で)

姉妹(気持ちが伝わってくる!)

凛「絵里ちゃん…まさかアレは」

絵里「同調(シンクロ)…まさかここに来てその域に到達したって言うの?」


真姫(そ、そんな!ここまで来て!)

花陽(息が全く乱れてない!?)バッ

花陽が打球に必死に食らいつくも虚しくそのボールは後ろを通り過ぎていった…

審判「ゲームセット!ゲームウォンバイUTX学園!6-3」


真姫「まさか同調するなんてね…すごいわあなた達。」スッ

姉「同調は偶然です。ですが、これからも鍛錬を怠らず頑張ります。」

真姫「次は絶対に負けないから」

姉「いいえ、次も私達が勝たせてもらいますよ?」ふふっ


穂乃果「さぁって次は穂乃果かな?」グッグッ

にこ「珍しくやる気ね。」

穂乃果「珍しくは余計だよ…ま、理由がこの間のテストの点数が悪かったからもし勝てば海未ちゃんがお説教短縮してくれるって言うから」

希「穂乃果ちゃんらしいやん」

穂乃果「さて、次の相手は…」


英玲奈「待ちくたびれたぞ」


バァン!

バウンドした鋭い打球が穂乃果を襲ってくる!

穂乃果「Oh 強烈ゥ~」パァン

英玲奈「少しはやるじゃないか!」ドォンッ

穂乃果「うひ…すごいパワー!」ポンッ

英玲奈「さすがにやるな…1球ではもはや話にならんか…ならばこれはどうだ!!」

後輩「ボールが分裂した!?」

先輩「ボールが2個に見えるわ」

穂乃果「2個なら楽勝だよ♪」タタン

後輩「返した!?」


英玲奈「なら5球にするぞ」

穂乃果「♪」

英玲奈「まだすまし顔してるようだな…やはり他の奴に任せなくて良かった。6球だ!」

英玲奈「7球…8球…」

姉「う、嘘…英玲奈さん上げすぎ…」

先輩「無茶だ…あんなの普通の人間に打てるような物じゃない!」

絵里(英玲奈は穂乃果を潰す気かしら?)


英玲奈「10球を抱いて眠れ!!」

穂乃果「おっとと…これはちょっとまずいな。」

穂乃果(よし!1,2,3,4,5!)ドガガガガ

穂乃果「6,7,8,9!」

穂乃果「あと1球!」ググッ

穂乃果(こ、これは…重い!最後のだけ本物!?でも…)グググッ


穂乃果「返せない球はないんだよ!」ズガァン

英玲奈「!!」

穂乃果の放った一撃はネットを掠め、その摩擦熱で燃えてしまった。

そして、復旧するまで少し小休止する事になる

「早く消化しろ!ネットを持ってこい!」

英玲奈(面白いぞ!高坂穂乃果!)

あんじゅ「英玲奈楽しそうだねぇ…」

ツバサ「ええ…」


妹「すごい…1球なのに10球で打ち合ってるように見える…」

ドドドドドン

にこ「っていうか…」

ドガガガガガガガガ

真姫「何で屋上で煙が上がってんのよ!?」

ドォンッ

穂乃果「ありゃ…」

英玲奈「15-0だ!早くカウントしろ審判!」

審判「ひ、15-0…」アセアセ

ドガッ

英玲奈「ちっ…」

穂乃果「15-15だよ審判さん」

審判(私、一応教員なのにこの扱い…こんな物騒な審判やめよ)そそくさ


「誰か試合止めろ!」

「む、無理です!あんな試合止められる訳ありません!」

ツバサ「まあ無理でしょうね」


英玲奈「どうした!直線上でしかテニスはできない訳じゃないんだぞ。」

穂乃果「じゃあ、英玲奈さんがロブやドロップショットすればいいんじゃないかな?ま、その時は遠慮なくポイント貰うけどね?」

英玲奈「言ってくれる…!!」ドォンッ

穂乃果(あー…やっぱりテニスって楽しいなぁ)ドキドキ


その時、穂乃果の身体が光り出した

絵里「とうとう来たわね穂乃果!」

真姫「前人未到の境地…まさかアレは…」

にこ「天衣無縫の極み!」

凛「ですにゃぁ…絵里ちゃんは特に穂乃果ちゃんを真っ先に育てたし、穂乃果ちゃんの潜在能力に何か惹きつけられたのかも」

ポンッ

英玲奈「!!」

英玲奈(反応できなかった…)

穂乃果「どうしたの?1球だけだよ?」


英玲奈「ほう…まさか年下に皮肉を言われるとはな…」ククッ

穂乃果「年下でもテニスでは負けないよ?」

あんじゅ「はーーい!ストーップ」

えれほの「!!」

あんじゅ「アレ見て?」

教員「…」ギロッ

あんじゅ「あのね?楽しいのは分かるけど…屋上でこんな危ないテニスはさせられないよ。審判の先生も逃げたし」

教員「場合によっては音ノ木坂学院には…」

穂乃果「それは困るよ!?」


あんじゅ「それで結構熱くなる性格だから教えなかったけど、実はこの親善試合の理由って…」ボソボソ

英玲奈「それは本当か!?」

あんじゅ「もちろん♪」

英玲奈「よし!高坂穂乃果!」

穂乃果「は、はい!」

英玲奈「この試合ノーゲームで引き分けにしよう」

穂乃果「


穂乃果「え~!?」

英玲奈「大丈夫だ。次がある!」

穂乃果「?」

あんじゅ(言ったらダメじゃん!!)ボカッ

英玲奈「いた!?」

絵里(なんか怪しいわね…英玲奈はとても辞めるような性格じゃないのに…)

希「にこっち。アップしとこか」

にこ「次はあんたと私のダブルスね」


UTX学園
優木あんじゅ 3年生ペア
VS
東條希 矢澤にこ


ツバサ(あんじゅ…頑張って)

あんじゅ「…」


あんじゅ(私はテニスの限界を感じて辞めようとしてた…ツバサも英玲奈もどんどん強くなってる…)

あんじゅ(私は…私の気持ちはどうなの?弱いから辞めていいの?上手くならないから辞めていいの?)グッ


1年前

『テニスを辞める!?』

あんじゅ『こ、声が大きいよツバサ…』

英玲奈『みんなで切磋琢磨して、ここまで来たんだ…いきなりそんな…』

あんじゅ『で、でも…本格的にテニスから離れるんじゃなくてみんなのサポートに…』

英玲奈『お前は自分で成長してないと思っているようだが、それは違う。』

あんじゅ『お世辞はいいよ…』

英玲奈『違う!自分の弱さを認める事は必ず成長に繋がる!』

ツバサ『私はあんじゅと英玲奈のおかげで強くなったんだけどね』

英玲奈『きっと現れるさ…』


いつか…お前の強さを引き出してくれる相手がな


ズガァァン

穂乃果「15-0だよ」

にこ「!!」

希(へぇ…聞いとった話と随分と違うなぁ…)

3年生「ナイスサーブ!この調子でもう一球お見舞いしよう!」

あんじゅ「ええ!」パァン

にこ「ちょーーーっとサーブが早いわね。本当の本当に少しだけど」タタッ

希「いや、今のはめっちゃええサーブやったけどね…素直に褒めた方がええよ?」

にこ「まあ、それでも私達が…」トンッ

希「!!」

あんじゅ(体が軽い!)ギュルルル

パァン

にこ「おっと…流石に速いわね。抜かれちゃったにこ」

3年生(何だ聞いてたより大丈夫じゃん)

あんじゅ(もっと!もっと速く!)タンッ


希「なら、こっちはどうかな?」パンッ

あんじゅ(逆を突かれた…けど)キュッ

穂乃果「ま、まさか…」

あんじゅ「この体勢のままスライディングすれば全然返せる!」ズザザザザザ

真姫「何てデタラメな動きをしてるの!?」

あんじゅ「はっ!!」パァン

希「…」ジーッ

あんじゅ「ふっ…」クルッ

希「面白い動きするなぁ…あんじゅちゃん」トンッ

あんじゅ「上…頼んだわよ!」

3年生「侵略すること火の如く…」


3年生「"火"!!」

先輩「あれは究極奥義"風林火陰山雷"の"火"!」

にこ「火ねぇ…」ギリッ

にこ「ほら返すわよ」スパァン

3年生(まだ体勢整えてないのにこの速さ!なら…)

3年生「動くこと雷霆の如し…」

にこ「いつの間にボールの前へ…!!」

3年生「"雷"!!」


姉「あの打球は返球不可能!絶対にガットが破れるんだから!」

希「そうなん?」ガッ

3年生「!?」

ドガッ

穂乃果「やっぱり強いなぁ希ちゃんは。」

3年生(風林火陰山雷が通じない…)ブルブル

3年生「それどころか、逆に私のガットを破った…」ハハ

3年生「思った以上に化け物揃いみたいね…」


ドガァッ

あんじゅ「つ、強すぎる…」

穂乃果「ゲーム音ノ木坂1-0!」

3年生「はぁ…逆に面白くなってきたわ。チェンジコートだし今のうちに水分を…」

ヒョイッ

希「んー…やっぱり汗かいた後のスポーツドリンクは美味いなぁ。」ゴクゴク

3年生(こ、このおっぱいは…)ワナワナ

3年生「あんたのドリンクはアッチでしょ!」

希「あ、そうなん?全然気付かんかったわ。ごめんな?」


希「さ、ウチのサーブやね。気合い入れんとダブルフォルトになったりして」クスクス

3年生(ちょっと自分が胸が大きいからって偉そうに…)ギリギリ

希「ふぅ…」ポーン

3年生(やっと構えたわね…さ、どう動くか…)

ポーン
ポーン
ポーン
ポーン
ポーン

3年生「ちょっといつまで…」

希「あ、あかん…逸れたわ!」パァン

ドチャッ

希のサーブで大きく逸れたボールは先程希に飲まれたドリンクボトルに命中してしまった。

希「いや~偶然って怖いなぁ」

3年生(あんた…逸れたって宣言してからサーブしたでしょ!)ギリギリッ


明らかな挑発に乗ってしまい調子を落とすUTX

ドガァッ

穂乃果「ゲーム音ノ木坂学院2-0」

ドンッ

穂乃果「ゲーム音ノ木坂学院3-0」


3年生「ぐっ…」

あんじゅ「落ち着いて。あんなの気にしたらダメだよ?」

3年生「分かってるんだけど…」ハァ…

希(効いてる効いてる…♪)


3年生「とにかくあのおっぱいだけには触らせないようにしないと。うるさいのはおっぱいだけにして欲しいものだけどね。」

あんじゅ「おっぱいはともかく触らせないのは正解かな。」あはは


希(聞こえてるで…)ニヤリ

希「あっちはにこっち1人を狙ってくるみたいやね!ほいじゃあウチは休憩するから後は1人で頼むわにこっち!」ヒュッ

にこ「勘弁してよ…」ガシッ

あんじゅ「ラケットを渡した!?」

3年生「まさかあんた1人で私達2人と戦うって言うんじゃないでしょうね?」

にこ「そのまさかよ。」スッ

3年生(ラケットを二本持ったままサーブのトスを!?)

にこ「じゃあ行くわよ!」パァン


あんじゅ「くっ…」パァン

にこ「ほらほら!そんな動きじゃ簡単にポイント取られるわよ!?」スパァン

3年生「こ、こんなふざけた奴に…」ガッ

にこ「…」タンッ

あんじゅ(跳んだ…これはスマッシュかな…)スッ

にこ「残念でした。」トンッ

3年生(ドロップショット!?)

穂乃果「15-0だよ」

にこ「しょうがないけど…こっからは私が1人で相手にしてあげる」

3年生(屈辱だ…)


3年生「ちょっと…嘘でしょ…」

あんじゅ「2VS1なのに完全に押されてる!」パァン

にこ「あんた達も結構しぶといじゃない。でも大分動きが鈍って来てるわよ!」パァン

あんじゅ「しまった…」

3年生「二刀流とかそんなふざけたもので負けられないっての!動かざること山の如し…」

希「言っとくけど、にこっちはベッドの上でもネコとタチの二刀流なんやわぁ」

にこ「はぁ!?」

3年生「え?あっ」

バァン

穂乃果「30-0!」

希「今ちょっと顔が赤くなったなぁ?」クスクス


3年生「今のは試合妨害でしょ!」

希「まあ、今のは冗談やけど…それだけ持久力が2人より上回っとるって事やで?」

3年生(って事はさっきみたいに持久戦に持ち込んでたら潰れてたのは私か)

あんじゅ「落ち着こう。」

3年生「…」

あんじゅ「大丈夫…私達ならきっと…」

3年生(何をやってるんだ私…せっかく役に立てると思ってたのに…)

ガッ!

穂乃果「40-0!」

3年生「…」

希(おっ…ポイント取られても動じんかぁ。雰囲気が変わってきたな)


希(やっぱり…)

にこ「ん…」ガッ

あんじゅ(コーナー行けるか…!!)パァンッ

にこ「このぐらいなら全然追いつける!」ポンッ

3年生(出し惜しみしてる場合じゃない!)ドガァッ

にこ(パワーが上がった?いや、打球そのものは同じ…)スッ

希(いや、これは…!!)


グンッ

にこ(危なっ!軌道が変わった!?)ポンッ

あんじゅ「はっ!!」ズバァァン

穂乃果「今のすごい!40-15!」

にこ(マグレか…さっきの子が使ってた飯匙倩とかそんな類じゃない。ほぼ直角に軌道が変わってた……気がする。でもそんな事が可能なの!?)

希「…」


ギュオオッ

にこ「…」スッ

クンッ

にこ(また!?やっぱりさっきの見間違いじゃない…これじゃ返すのが精一杯!)トンッ

あんじゅ「良くやったわ!」ドカッ

穂乃果「40-30!」

希(一度打った後に無理矢理曲げてんな。今まであった事のないタイプの球やね)

にこ(同じ技がいつまでも通用すると思ったら大間違いよ)


ツバサ「すごい…あんなのいつの間に…」

英玲奈「2度目のスイングだ…」

ツバサ「え?」

英玲奈「どうやら、1度ボールを打った後にもう一度スイングする事で強引に軌道を変えてるらしい。」

にこ(ふん…いつまでもやられっぱなしにさせる訳ないでしょ。次は必ず決める!右か…それとも左か…)グッ

しかし、にこの予想とは裏腹にあのコースから急角度で上昇した

にこ「上!?」

にこ(しまった…もう届かない。何て角度なの!?)

3年生「"黒龍一重の斬"」シュゥゥ


3年生「二刀流破れたり!」

にこ「くっ…」

ドォンッ

穂乃果「あーあ…とうとうアドバンテージ取られちゃった。」

あんじゅ「よし!」

3年生「ふん。二刀流なんか捻り潰してやるわ」

にこ「もう許さないわよ」ギロッ


にこ(黒龍がなんたらって随分と調子に乗ってるようだけど…こんな屈辱)ギリッ

3年生「はっ!!」ドォン

にこ「こっからは絶対に…」

「もーらい☆」ヒョイッ

あんじゅ「!!」

3年生「あいつは…」

絵里「東條希は…全ての必殺ショットを無にして返す事ができる。」

トンッ

3年生「な!?」

あんじゅ(動けなかった…!!)

絵里「私も1度も勝てた事がないわ。」

ツバサ(ここに来てこんな隠し球を…)


ツバサ(あの人でさえ勝てなかった相手…)

英玲奈「試合を読んでるとか、相手の動きを見てるとかの類いじゃない…」

希「そんな器用な事できんよウチ」

英玲奈「何がそんな器用な事だ…」ふっ

ツバサ「何かわかったの?」

英玲奈「あいつは相手が打った瞬間からその1つのボールから全ての情報を頭の中に入って、それを手首に伝達して相手の打球を全て無にしてる…って事だ。」

あんじゅ(そんな奴が音ノ木坂に!?)

希「たった1回で見抜かれたかぁ…怖いなぁ」

英玲奈「2回目だ。」フッ

希(ああ…風林火陰山雷の雷を返した時か。迂闊に返すんやなかったなぁ…)


希「眠たいし、お昼寝したいからとっとと終わらせよかにこっち」

にこ「あんた寝てばっかりだとおっぱいオバケになるわよ」

希「じゃあにこっちは全く寝てないんやね」

にこ「殴るわよ!?」バシッ

希「もう殴ってるやん!てかラケットで殴ったらあかんよ。ラケットは人を傷つける為にあるんやないからね」

あんじゅ(ふざけた奴らね…でも本当に強い。)

3年生(私達が目指してるテニスがそこにある気がする…二刀流は別だけど)

あんじゅ「何とか1ゲームでも取らなきゃ!」

3年生「せめて一矢報いてやりたいわ。」


希(おいおい…ホンマかいな。)タラッ

にこ(向こうはまだ諦めてない…)

あんじゅ「はっ!」ドガァッ

にこ「ここに来てキレが…何なのこいつら。」スッ

希「それは飯匙倩や!」

にこ「なっ!?」スカッ

希(すごいなぁ…まさか、他の人の技が使えるんか)ポンッ

真姫「それでもしっかり無にして返してる所は、流石希だわ。普通返せないわよ」


希(伸び代ないって本人は嘆いてみたいだけど…むしろ才能の塊やん。土壇場でこんな力を…)

3年生「ここで決める!」パァン

希「1ゲームもあげるつもりはないよ。」

希(黒龍一重の斬はウチが処理する)

3年生「はぁっ!!」ブンッ ずりっ

3年生(しまった…勢い余って体勢が)

あんじゅ「危ない!」

3年生「うっ…」どてっ

希(う、嘘やろ…もう一段変化した!?)

ダンッ

穂乃果「アドバンテージはもう一回UTXだけど…」

3年生(二段階変化した!?ひょっとしてまだこの技は進化の途中だと言うの?)

あんじゅ「すっ…すごい!今のどうやったの!?」

3年生「あ、あはは…残念だけど偶然だと…」


あんじゅ「"佰八式波動球"!!」ドォォンッ

凛「あれは凛が少し前に使ってたやつにゃ。でも手首に負担かかるからホームランに切り替えたんだけど…」

にこ「ふん…何よこれ。随分と球が素直じゃない」スッ

希「にこっち!それは絶対にダメ!手首が1発で使いもんにならんようになるんよ!」

にこ「なっ!?」サッ

にこ(そんな物騒なショットも打てるのこいつ…)

希「これはちょっとキツそうやね。」ギリッ

希「んんっ…」グググッ

にこ(流石に希でもダメなの!?)

希「まだ…まだぁ!!」パァン

3年生「今度は任せて!」

あんじゅ「任せたよ!」

3年生「"黒龍二重の斬"!!」ドォンッ


3年生「ふんっ!」ブンッ

3年生「はあっ!!」ブンッ

にこ「まずいわ…いくら希でも2回も変化したら…」

希「さ…来るかな?」グッ

3年生「2度曲がりなさい!!」

1度目の変化が終わり、眼前まで見極める希だが先程の変化は偶然でこのショットでは2度も変化が起こる事はなかった

希「おっと!」ポンッ

3年生「そんな…」ガクッ

穂乃果(いいなぁ…穂乃果も止められなかったらこんな試合できたんだろうな。やっぱり希ちゃんはすごいよ…)

あんじゅ「気にすることはないわ。あんな目の前まで呑気に見極めようとするのはあの化け物くらいなもんよ。普通なら返せない…」

3年生「あんじゅ…」


ドォンッ

しかし、2人の終盤の健闘も虚しく勝ったのは音ノ木坂学院だった

穂乃果「ゲームセット!音ノ木の勝ちだよ!」

あんじゅ「終わったら一気に疲労が…」ポタッポタッ

にこ「ちょっとあんた…」

あんじゅ「?」

にこ(…泣いてんじゃない)

にこ「いや、何でもないわ…」


「ナイスファイト」

あんじゅ「!!」

あんじゅ(手も足も出なかったのに…)

3年生「…」ポンッ

あんじゅ「ありがとう…」


凛「さ、お待たせしましたにゃ絵里ちゃん。」

英玲奈「いよいよ最期の試合だ。行ってこいツバサ!」

絵里「待ちくたびれたわ。」

穂乃果「よっと」ヒョイッ

にこ「目の前で試合見ないの?」

穂乃果「流石に危ないからねぇ」

花陽(少し離れた方がいいかもしれません。)

絵里「殺るわよツバサ」

ツバサ「…」


試合開始直後すぐに試合は動いた

音ノ木坂にとって誰もが絢瀬絵里の圧勝だと思っただろう。

圧倒的に優位に立っているとそう思っていた…

しかし、凄まじい轟音が音ノ木坂の全員を驚愕させた

絵里「くっ…」

ドォォンッ

ボールが直撃した絵里は後ろの壁に叩きつけられ壁が破壊された

少女は自信に満ち溢れ静かに言い放つ

ツバサ「確信した…私は強くなりすぎた。」


穂乃果「…」

花陽「絵里ちゃんが…まさか」

「はぁぁ…」

ツバサ「!!」

絵里「大海原を小舟で漕ぎだす気かしら?」

あんじゅ(まるで効いてない…!?)

絵里「沈没の恐怖に震えながら航海するといいわ。」

ツバサ「あなたに何と言われても少しも臆さないわ。私は強くなりすぎた…この確信は絶対に揺るがない」


2年前…音ノ木、UTXの合同練習で確かに私は天狗になってたかもしれない


ツバサ『こんなもの?この合宿に骨のある選手は居ないの?』キョロキョロ

『待って…』

ツバサ『?』

絵里『私とやらない?』

ツバサ(身なりがだらしないわね…誰なのこいつ。)

ツバサ『いいけど、靴をちゃんと履きなさい。それに寝起きのようだけど、キチンと体操しないと…』

絵里『ああ…もう煩いわね。あなたは姑か何かなの?そんな事を心配してるなら大丈夫よ。UTXのエリートと殺れるって聞いてるから身も心も軽いわ』

ツバサ(完全に舐めてるわね…こういう奴は分からせないといけないわ)

ツバサ『分かったわ。けど、本気でやるから後悔してもしらないわよ?』


あんじゅ『ツバサ!危ない!』

ドガァッ

英玲奈『アゴに直撃だ!脳が揺れたぞ。脳震盪を起こしてるんじゃないのか!?』

あんじゅ『もう無理だよ!意識がとんでる!お願いだからリタイアして!』

絵里『大丈夫よ。今から起こしてあげるから!』スッ

ドゴッ

腹部に直撃し、鈍い音が辺りに響き渡る

ツバサ『ガハッ…ゴホッ…』ハァ…ハァ…

絵里『激痛で意識が戻ったのね。良かったわ』

ツバサ『グッ…』

絵里『さぁ、楽しくテニスをやるわよエリートさん!』ズギャァン

当時の彼女に終始弄ばれた

ドゴッ

英玲奈『またアゴに直接…!!』

あんじゅ『ノックアウト状態…もうフラフラじゃない!?』


アゴを打たれ意識を失い、そしてそんな私を激痛で起こす彼女…

英玲奈『いつまで繰り返すんだ!?これじゃただのリンチじゃないか!?』

絵里『随分と温暖育ちだったのね…だったら勝ち負けの本当の意味を私が教えてあげる!』


そして彼女達は私の前に現れた

あんじゅ『これ以上は無理だよ…リタイアさせて欲しい』

絵里『嫌』

あんじゅ『でも彼女は有望なの』

絵里『私のやり方を変える気はないわ』

英玲奈『とにかくこの勝負は私が預かる。勝手な真似は許さん!』

英玲奈の気迫に押されてか知らないけど、彼女が私に襲いかかる事はなかった。

それから私は英玲奈とあんじゅの2人で勝つ為に3人で特訓をし続けた

私に足りない物も見つかり、弱かった自分と決別する為に付き合ってくれた2人の為…


固く誓った!!


ドォンッ

妹「なっーーー!?」

姉「嘘…でしょ…!?」

大きな爆発と共に穴が空いたガット…そしてラケットが落ちる音が聞こえる



絵里「まさかあなた…」

ツバサ「私は日本代表のトッププロになる」


ツバサ「…」スッ

絵里「なっ…サーブが見えなかった…」

穂乃果「絵里ちゃんからサービスエースを…」

ツバサ「次行くわよ」パァン

絵里「今度はちゃんと見えるわよ。」スッ

しかし、絵里が見たのは幻覚だった。見えてるボールと実際に存在するボールは光の屈折により視覚から大幅に距離をずらされた打球だった…

絵里(距離感を狂わせる打球まで…!!)

絵里(こんな事が…)

パァン

絵里(バウンド…今度こそ!!)

絵里「危なっ…」スッ

今度はバウンドした打球が絵里に襲いかかるものだった…当然避けなければ絵里の顔面に直撃するものだ

絵里「あなた…『阿修羅の神道』に踏み込んだのね…」


穂乃果「た、タイブレークに突入した…」

凛「絵里ちゃん相手にタイブレークまで!?」

希「何したんあの子!?」

「ふーん…やるわね。あの子」

穂乃果「えっ…あっ!」

真姫「な、何で…」

ほのまき「何でお母さん(ママ)が!?」

ほのママ「みんなが元気にテニスをしてるって報せを受けて遊びに来たの♪」

真姫ママ「思い出すわね…あの青春時代の命の取り合いを…」うんうん

理事長「娘はもっと鍛えないとダメみたいね。」フフッ


絵里(中々やるじゃない…)

タンッ

絵里「緩急つけて使うのが上手い…打球のキレ…そして…」

穂乃果「6-5…絵里ちゃんが負けてる」

真姫ママ「あの子達…」

理事長「感じてる?」

ほのママ「ええ…高校生でこの空気を感じるのは中々ないんじゃない?」

あんじゅ「あと、1ポイント…いけるよ英玲奈!」

英玲奈「ああ…」

後輩「頑張れーーー!!」

ツバサ「!!」

先輩「あと1ポイントだ!勝てるわ!」

ツバサ(みんな…)


絵里(いい気迫ね…だけど一切負ける気しないわ。)

絵里「さぁ…仕掛けてきなさいツバサ!」ズギャァン

絵里「!!」

その時仕掛けに動いたツバサの手から大きな光が

凛「あれは!!」

理事長「あの子もアレを打てるの?最近の若い子ってすごいわねぇ」

3年生「ツバサ自ら光る打球を…」

英玲奈「行け!臥薪嘗胆の日々をそのボールに叩き込め!!!」

ツバサ「私が…歴史を変える!」カッ


絵里「光る球(デストラクション)を使えた事は褒めてあげるわ…」ガッ

ツバサ「!!」

絵里「でも、私が返せるって事を考えなかったのかしら…」ギリギリッ

ほのママ「まずいわ…観客席を破壊する気かしらあの子」

理事長「ラケットを持って衝撃を和らげるわよ。」

真姫ママ「女の子って何てヤンチャなのかしら?ウチの娘もだけど。」


絵里「滅びるのはあなた達よ!!」ドォンッ

ツバサ(ぼ、ボールが巨大に見える…こんなの返せるわけが…)

英玲奈「に、逃げろツバサーーー!!」


ボールはツバサを直撃する事はなく、体から逸れてコートの外へ

そして、光る球による衝撃波も…

ほのママ「ふぅ…危ないって。」

理事長「後で弁償とか言われても困るわ」

真姫ママ「大丈夫、あなた達?」

後輩「は、はい…何とか。」

理事長「ま、ヒビが入ったぐらいで済んで良かったわ。ここら辺を全部吹っ飛ばすレベルの球なんて随分と見なかったもの」

先輩「私達助かった…?」


しかし、あの打球は人にぶつけなければ当然アウトの為このファーストセットはツバサが取った

絵里「アウトか…」ゆら…

ツバサ(な、何アレ…彼女の後ろに見える…海賊?)


英玲奈(何て事だ…私はひたすら持てる力をツバサに注いで阿修羅の神道へと押し上げてきた…しかし、結果的にこの試合でアイツをも強くしてしまったのか!)

英玲奈「くっ!!」ダンッ

英玲奈「すまない…私があいつの海賊を呼び覚ましてしまった!!」

ツバサ「私は…約束を果たす。それだけよ…」フラフラ

英玲奈「ツバサ…」

絵里「体感させてあげるわ…異次元のテニスを!!」ガッ

ツバサ「来る…構えなきゃ…」


ツバサ「そんな…私はテニスをしていたんじゃ…」

ツバサは目の前の出来事を受け入れられなかった。

絢瀬絵里が放った打球から海賊が飛び出したと思えば、コートではなく帆船の上にラケットもなく立っているのだ…

ツバサ(これは幻覚じゃ…)

海賊「…」ザシュ

ツバサ「なっ!?」

目の前の佇んでいた海賊に持っていたサーベルでいきなり斬りつけられた…

ツバサ(逃げなきゃ…)

そんなツバサを尻目に容赦なしに次々と襲いかかり…

そして…

後ろから心臓を一突きだった…

ツバサ「がっ…」ドシャッ

海賊の猛攻になすすべなくやられ、ツバサが地に伏せる

穂乃果「げ、ゲーム絵里ちゃん…6-0」



3年組に映るあの時の光景…意識を飛ばして激痛で起こす…

あんじゅ「もう止めて!!」

英玲奈「ダメだ…気絶と悶絶…この繰り返しは…」グッ

絵里「命をかけてこの程度なの!?あなたの覚悟は…」

絵里「こんなもんだったの!?」ドガァン

ツバサ「はっ…!?」

ツバサ(そうだ…私は何をやっているの!?この試合に命を掛けてるって言って…結局は口先だけじゃない!)

ツバサ「英玲奈…あんじゅ…今あなた達から教わった事を…全て出すわ!」グワッ

絵里「なっ!?」

ツバサ(全ての打球は1度スイングする事で、その起動上のボールは全て止まる!)バチバチ

英玲奈「空間を削り取って…」

あんじゅ「打球を止めた!?」


ほのママ「中々面白い事するわね。」

理事長「ツバサさんは1度スイングする事で真空ポ
ケットを生み出して全ての球を止められのね。」

真姫ママ「原理が全然分からないわ…」

妹(トップになるとここまで分析力が…)

姉(さっぱり話が伝わらないけど)


ツバサ「悪いけど…このブラックホールが全ての打球を止める」

絵里「なるほどね…確かにあなたは強くなりすぎた。」

ツバサ「…」

絵里「危険な人…排除させてもらうわ」スッ

絵里「El toreo de espa?ol!!」トウギュウ

英玲奈「すごい打球だ…アレでブラックホールを破る気だ!」

絵里「!!」

しかし、絵里の凄まじい打球もブラックホールに捕まってしまう

ツバサ「言ったはず…全てを止めると!!」バチバチ

バァン

絵里「くっ…」


絵里「真正面がダメ…なら、」

穂乃果「アレは!」

絵里「ザ フェニックス オブ エジプト」ピィィィィィィィ

先輩「あんな強烈なロブショット…見た事がないわ!?」

姉「上からブラックホールを破る気ね」

ほのママ「面白い子ねぇ…技まで面白いじゃない。打ち返すのに苦労しそうだわ」

理事長「冗談でしょ?あなたなら初見でも返せるんじゃないの?」

ほのママ「実際にコートに立たないと分からないわよ…あ、落ちて来るわよ。上から破る気ね」

ヒョロロロロロロロ

絵里「まさか、これも…」

姉「見て!上にもブラックホールが!」

絵里「!!」ギリッ

バァン

絵里「くっ…」


真姫「すごい…お互い一歩も引かない」

花陽「まさに命の削り合い…」ゴクリ


絵里「やるじゃない。まさかここまで世界の技をブラックホールで止めるとは…1つのボールで止められるなら…」スッ

ツバサ「!!」

絵里「Pirates of the World(パイレーツ オブ ザ ワールド)」

絵里が放った打球は地面に着弾した後、無数に分裂し全ての打球が相手に襲いかかる

妹「10球とかのレベルじゃない…」

姉「普通なら返せない…どうすればこの打球を…」

ツバサ(確かに普通なら返せないかもしれない…けど…)ブォォン

ツバサ「今の私には関係ない!!」

あんじゅ「見て!無数の打球を全方位に包み込んだブラックホールが打球を捉えた!」

絵里(ま、まさか…!!)


ドクンッ

ツバサ「!?」グラッ


ツバサ(な、何これ…)ゴフッ

絵里「限界ね…」

ツバサ「な、何…!?」

絵里「あなた…まさか、そんな人間離れした技が無条件で使えると思ったの?」

ツバサ「ハッ…ハッ…」ビチャッ

英玲奈「試合は中止だ!早く医療班を…」

ツバサ「ま、まだ……終わってない…」

あんじゅ「む、無理だよ…そんな体で…」

理事長「みんなの言う通りよ。悪い事は言わないから…」

ツバサ「あと…1ポイント…1ポイントなの…お願いだから…」フラ

後輩「ま、まさかツバサさんは…あんな身体でまだやる気なの?」


穂乃果「じゃ、じゃあ5-3ツバサさんリードの0-40から試合を…」

絵里「そうこなくっちゃね…」スッ

バァン

英玲奈「つ、ツバサァァァァ!!」

穂乃果の説明を遮り、絵里の打球が凄まじい衝撃波とともにツバサの身体に命中したかのように見えた

穂乃果「い、いや見て!」

意識を途切らせながらもボールはラケットで絵里のコートへ返していた

絵里(まさか…彼女は本当に命がけで…)

絵里「なら、手加減をするのも失礼ね…」

あんじゅ「ああっ…!!ダメだ…絵里さんは光る球(デストラクション)で完全にトドメを刺す気だ…」

絵里「無駄な時間もここまでよ!せめて…安らかに眠りなさい!!」カッ

ついにツバサを屠る光る球(デストラクション)が放たれた





あんじゅ「やめてぇぇぇぇ!!」


絵里「どう言う事ですか?」

理事長「ダメじゃない。これから一緒に戦う相手をここまで痛ぶったら♪」ガッ

英玲奈「光る球を止めた…!?」

絵里「どう言う事ですか?私は何も聞いてませんが…」

理事長「あれ?希さんに伝えておいたんだけど…」

絵里「希…?」

希「こっちの方が面白いやん☆」

絵里「まぁいいわ…その子とやって身体がまだ冷めないのよ…あなたが…」

理事長「自惚れないで。」

絵里「!!」ゾクッ

理事長「私のテニスは闇(ダークサイド)…あなたの光る球(デストラクション)で何とかできると思ってるの?」


理事長「さて、それじゃあ本題に行くわね。」

ほのママ「あなた達のテニスはモニターで見させてもらったわ。」

真姫ママ「正直言うわ。これから戦って行くにはかなり厳しい…」

UTX組「…」

理事長「プロテニスにいる諸星きらりは知ってるわね!?」

穂乃果「誰?」

妹「し、知らないんですか!?身長180越えの伝説のプロですよ!」

穂乃果「ひゃ、180越え!?」

姉「そう。そして、リーチが長く守備範囲も広くて進撃のきらりって異名を持ってるわ。」

真姫ママ「そうね…でも、今年その諸星きらり率いるプロチームが負けたのよ」

穂乃果「プロが…負けた?」

理事長「そのチームは…特に『緑の悪魔』『鬼畜和菓子』を中心にメキメキと力を上げてるの。」


凛「これは面白そうですにゃぁ…」

理事長「この鬼畜和菓子ちゃんは…対戦相手を全て病院送りにしてるわ。」

一同「!!」

ツバサ「なるほど…だからあなたはあえて…」

絵里「ええそうよ」

希「絵里ち嘘ついたらあかんよ。」

穂乃果「でも、何でお母さん達が…」

ほのママ「ま、あなた達の成長をさせる為…って言ったら嘘になるけどね。本当は…」

理事長「私から言うわ。あんじゅさん…あなたはまだ伸びる…後は私とテニスをするだけよ。」

あんじゅ「わ、私ですか?」

理事長「ええ…あなたはまだ力が眠ってるだけ。その力は私が叩き起こす!」

あんじゅ「!!」


それから各自本番に向けて練習する


ツバサ「私ともう一度戦って欲しいの。私の求めてるテニスがあなたの中に…」

絵里「仕方ないわね…」フッ

ツバサ「言っておくけど、私は練習でも手を抜かないわ」

絵里「奇遇ね…私も同じよ。」

ほのママ「若い内は命を投げ捨てるつもりでテニスをしなさい!若い内にね!」

ツバエリ「…」


英玲奈「どうした!もう体力が無くなったのか!?」

後輩「い、いえ…」

英玲奈「4人居るからと言って気を抜くな!しっかり集中しろ!」

先輩「うひ~…まさか4人がかりでも英玲奈さんには勝てないのか。」

姉「半分バケモンじゃないの!」

英玲奈「しっかり腕を振れ!その程度でポイント奪えると思うな!」

英玲奈「妹!脇が甘いぞ!姉はもっと走れ!終盤体力が無くなるのはお前の悪い所だ!」

ほのママ「うわ~…まだあんな体育会系の子が居るのね。ちょっと不憫だわ」


「あんたには絶対負けない!」タッタッタッ

凛「ケガ大丈夫かにゃ?」

「うるさい!あんたスピードタイプだと思ってたのに…あんなパワーがあるなんて思わなかっただけよ!」

凛「凛はパワータイプじゃなくて、スピードタイプだよ」

「嘘でしょ…どこにそんなパワーがあるのよ…」

凛「やっていけないよ…」

「えっ…」

凛「分かってるでしょ?スピードだけじゃ勝てないんだよ。」

「…」

「私も…」

凛「…」

「私もあなたみたいに…」

凛「名前も無いんじゃ、一生かかっても無理にゃ」

「はぁ!?何なのよそれ!よーーーく聞きなさい!一度しか言わないから!私の名前は…」


ほのママ「さて…海未ちゃん達は。」


海未「穂乃果…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「本当に良いんだね?」

希「まさかウチと穂乃果ちゃんのペアで挑んで来るとは思わんかったわ。」

海未「本気で来て下さい……!!」

ことり「そうしないと…また一緒に歩けないから…!!」

穂乃果「分かったよ…穂乃果!また海未ちゃんとことりちゃんと一緒に優勝したい!」

希(だったらウチも手伝ってあげんとね♪)


真姫「"白龍"」

花陽「!!」

ギュパァン!!

強烈なロブショットからバウンドする方向が横方向に素早くバウンドする

花陽「これは…」

真姫ママ「さすが私の娘ね。まさか、それを完成させるなんて…」

花陽(私もウカウカしてられない…後から穂乃果ちゃんのお母さんから聞いた話だけど、プロを倒したあのチームに"コート上の処刑"が居るらしいです…)

花陽(もっと力をつけないと…)グッ


そして…南理事長に直接指導を受けているあんじゅは…


理事長「♪」ズルズル

あんじゅ「」

「そんな…あんじゅさんが…」

あんじゅは闇のテニスによって既に意識を失っていた。しかし、例え意識を失おうともラケットは決して離す事はしなかった…

そして迎えた5-0では自力でチェンジコートはできず南理事長に足を引きずられ無理矢理チェンジコートとなった

理事長「チェンジコートよ。」

あんじゅ「」ドサッ

「ピクリとも動かない…もしかして…」

「そんな…いくら何でもやり過ぎじゃ…」


理事長「だって?周りの人はやめて欲しいみたいよ。」

あんじゅ「じょ…冗談でしょ…」ググッ

「な、何でまだ動けるの!?おかしいわよ。そんな手傷を負って…」

「こんなのテニスじゃない!!」

理事長「心配してるわよ?」ふふっ

あんじゅ「な…何を勝手に……こっからが本番でしょ」ハァ…ハァ…

理事長「そうよね。そろそろコレを返してくれないとゲームセットになっちゃうわよ?ま、ゲームセットになっても何セットでもやるけどね」スッ

「またあの打球…」

「音もなく球も見えないのに一体どうやって…」

あんじゅ「ハァ…ハァ…」グッ


あんじゅ「…」ガッ!!

理事長「!!」

「影を捉えた!!」

消える球なんて存在しない。見えないだけで、実際にボールは存在するのだ…あんじゅは無意識に地面に映る影でようやく捉えられた。

しかし、捉えたと言っても簡単に打ち返せる物ではなくいつラケットが弾き飛ばされてもおかしくはなかった…

あんじゅ「くっ…」ググッ

試合のダメージで既に出血が酷く、身体のあちこちから血が吹き出ていた

あんじゅ(私ももっと強く……)グググッ

そして…

「まさか…」

あんじゅ「はぁぁぁぁぁぁ!!」ドゴォ

理事長「!!」

理事長はその打球を返す事はなかった。


理事長の横を逸れたボールは壁と衝突し、大きな爆発を起こす。

ドォォォォン

あんじゅ「ハァ…ハァ…」

理事長「完成したわね…それがあなたの中に眠っている力…第八の意識"無没識"」

あんじゅ「これが…」

理事長「もう私に教えられる事はないわ…」

あんじゅ「ありがとうございます!!」

理事長(私も年かしら…身体が震えてる…)ブルブル

理事長(思っていたよりも数倍強いのが来たわね…)フッ


理事長「はぁ…隣座ってもいい?」

真姫ママ「お疲れ様。どうだった?」

理事長「どうもこうもないわよ…もう眠れる獅子を起こしてしまった感じね。」

ほのママ「最後のアレ…見てるだけでも震えたわ」

真姫ママ「私達が若ければあの子達とも戦えたのかしら?」

ほのママ「流石にもう嫌だわ。当時は何でもかんでも食らいてたけど、今思うと良く死ななかったなって…」


理事長「冷静に考えると…テニスで壁を破壊するっておかしい事だと思うの」



終わりです


すみません。完全に見切り発車でした。
まさか見て頂けるとは思ってなかったのでダラダラ書いてたのですが…

原作に関しては「何で壁を破壊するボールを直撃したのに平等院や徳川は生きてるの?」とか、「明らかに出血多量で死んでてもおかしくない阿久津がテニスできたの?」などの質問は一切受け付けません

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