日菜「残念だけど、わたしにはどうしたらいいか分からないわー」

由華「そうですか……日菜先輩ならもしかしたら何か知っているかと思ったんですが……」

日菜「わたしを超人かなにかと勘違いしてるわよー」

由華「あっ、す、すいませんっ……！」ｱｾｱｾ

日菜「いいえー、こちらこそ力になれなくてごめんねー」

由華「すいません……ありがとうございました！」

ｽﾀｽﾀｽﾀ


由華「困ったな……」

由華「どうしたらやえ先輩を他のヒトに渡さ……いやいや、やえ先輩と一緒に隠しキャラとして出られるのか……」

？？「巽さん！」ｻﾞｯ

由華「！」

由華「あ、あなたは……」


穏乃「お久しぶりです！県大会以来ですね！」

由華「た、高鴨、さん……」

由華(私達の連覇を阻止したにっくき相手……！)

由華「い、いったい何の用、ですか……？」

穏乃「話は聞きました」

由華「えっ……？」

穏乃「今ならまだ間に合います！隠しキャラ参戦を目指しましょう！」

由華「えっ？」

穏乃「さあ、早く！」

由華「な、なんで今出てきたばかりのあなたがそれを……」

穏乃「細かいことはいいんです！」

由華「は、はあ……」

由華(なんなんだ、いったい……)

穏乃「時間がありません。早速説明します」

由華「は、はい……」

穏乃「まず、ホームページを開いてください！」

由華「ほ、ホームページ……？」

穏乃「ゲームのホームページです！時間がないので早く、スマホで開いて！」

由華「は、はいっ……！」ｻｻｯ

穏乃「キャラクターのページを開きましたか？」

由華「ちょ、ちょっと待って……ええと……」ｱｾｱｾ

由華「……あっ」

穏乃「小走さんがいますね」

由華「うん……」

由華(やえ先輩……いつも以上に決まってる……)ﾎﾟｰｯ

穏乃「見とれている時間はありません！」

由華「！」ﾄﾞｷｯ

由華「べ、別に見とれてなんか……！」ｱｾｱｾ

穏乃「今から説明します、良く聞いてください！」

由華「えっ、う、うん……」

由華(せっかちだなあ……)

穏乃「そのページに影がいますね」

由華「え、ええ……います……」

穏乃「そのキャラを倒せば隠しキャラに成り代わることが出来ます！」

由華「た、たおす？なりかわる……？」

穏乃「そうです！でも、発売日が来たらそれは出来なくなります」

由華「はあ……」

穏乃「つまりもう30分を切ってるんです！急がなきゃダメです！」

由華「ちょ、ちょっと、急過ぎて何が何やら……」ｱｾｱｾ

穏乃「考えてる時間はありません！」

由華「ええ……」

穏乃「私が対戦相手を強制的に選ぶから、戦ってください！」

由華「え、そこは選べないの……？しかも戦うってどうやって……」

穏乃「小走さんと一緒に出られなくなってもいいんですか！？」

由華「！」ﾄﾞｷｯ

由華「そ、それは……困る、かも……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

穏乃「でしょう。じゃあ選びますよ」

ｼｭｲﾝｼｭｲﾝ


？？「ここは、どこじゃ……？」

由華「わっ……」

穏乃「召喚成功です！さあ、戦ってください！」

由華「ちょ、召喚って、いったいどうやって……？」

穏乃「いいんです！細かいことは！」ｺﾞｰｯ

由華「うーん……」

由華(ぜんぜんわけがわからない……)

由華(……ええい、こうなりゃやけだ！)

由華「私はやえ先輩と一緒に隠しキャラとして出る！そのためなら、なんだって……！」

穏乃「その意気です！」

由華「でも、一体何をすれば……」

穏乃「それは……」

穏乃「ジャンケンです！」

由華「じゃ、ジャンケン……？そんなことで……」

穏乃「それでいいんです！今決めました！」ｺﾞｰｯ

由華「はあ……」

由華(テキトーだなあ……)

穏乃「さあ！早く！」

由華「え、ええ……」


？？「頭が痛いのお……」

穏乃「ちょっと来てください！」

？？「な、なんじゃなんじゃ……！？」

穏乃「さあ、向かい合って！」ｻｻｯ

由華「……」

？？「……」

由華「え、えっと……はじめまして……」

？？「あ、ああ……どうも……」

穏乃「これからお二人にはジャンケンをしてもらいます！」

由華「……」

？？「え、えっ……？」

穏乃「勝った方が、隠しキャラとして出演出来ます！」

？？「そ、それってどういう……？」

穏乃「もし巽さんが勝ったらあなたには隠しキャラを辞退してもらいます！」

？？「な、なんちゅうことを……そんなん……」

穏乃「時間がありません！始めますよ！」

？？「わ、わけわからんけど……まあええじゃろ……」

穏乃「さあ！ジャーンケーン！」

？？「……」

由華「……」ｺﾞｸﾘ

？？(なんかよくわからんけど、とりあえず)

？？(ちゃちゃのんの一手はこれ！どうかいの！)


穏乃「ポン！」

由華「！」

？？「！！」

由華「や……」

由華「やった……勝った……」

？？「そんな……」ﾌﾙﾌﾙ

穏乃「勝者！巽さん！」

由華「やったーーっ！」

？？「そんなん考慮しとらんよ……」ｼｭｳｳｳｳｳ

由華「えっ！？」

穏乃「おめでとうございます！」

由華「あ、あの、あのヒト消えちゃったんだけど……」

穏乃「細かいことは！気にしない！」ｺﾞｰｯ

由華「そ、そう、ですか……」

穏乃「とにかく！これで私の役目は終了です！おめでとうございます！」ｽﾀﾀﾀﾀﾀ

由華「えっ、ちょ、ちょっと！」


由華「……いっちゃった」ﾎﾟﾂｰﾝ

由華「なんだったんだろう……変な感じだなあ」

由華「それに、これからどうすれば……」

由華「……あっ、そういえば」

由華「ホームページどうなってるんだろう。ちょっと見てみよう」ｻｯ

由華「……あっ！」

由華「影の形が、変わってる……！」

由華「でも、これ私、なのかな……なんか分かりづらいな……」ｽﾞｰﾝ

？？「由華」

由華「！」ﾋﾞｸｯ

やえ「由華……来てくれた……」

由華「やえ先輩……！」

由華「私、来ました……」

由華「やえ先輩を、他のヒトになんか渡せない……！」

やえ「！」

やえ「由華……」

由華「私が……側にいます……！」ﾀﾞｷｯ

やえ「！」ﾄﾞｷｯ

由華「やえ先輩……もう離しません……っ！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

やえ「由華……あつい……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

由華「やえ先輩……」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

由華「やえ、せんぱ……」

由華「！」ｶﾞﾊﾞｯ


由華「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

由華「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

由華「……ゆ、ゆめ……」

由華「……」

由華「……な、なんて夢だ」ｽﾞｰﾝ



ｶﾝｯ

由華「……」ｽﾀｽﾀ

由華(……それにしても、変な夢だったな)ﾎﾟｰｯ

由華「……あっ」


やえ「……」ｽﾀｽﾀｽﾀ


由華「やえ先輩……」

由華(やえ先輩、最後の個人戦が近いんだ……)

由華(きっと、その事で頭がいっぱいだろうな……)


初瀬「小走先輩！」

やえ「ん？」


由華(あれは……岡橋さん？)


やえ「岡橋か。どしたー」

初瀬「あ、あの……これ……」ｻｯ


由華「！」


やえ「これは……」

初瀬「個人戦、頑張ってください……！」

やえ「ありがとう……」


由華(ま、待って……！)ｽﾀｽﾀ

由華(やえ先輩に贈り物なんて……)ｽﾀｽﾀ

由華(やえ先輩は……)ｽﾀｽﾀ


由華「ちょ、ちょっと……！」

初瀬「巽先輩……？」

やえ「！」ﾄﾞｷｯ



由華(やえ先輩は、私の……！)




もいっこ
ｶﾝｯ