【小説DQ5×女神転生】リュカ「悪魔召喚プログラム……?」 (558)


・小説版ドラゴンクエスト5をベースに女神転生シリーズ(真・旧約、展開しだいでペルソナも?)の要素をクロスさせてみました。

・原作崩壊前提で書いていきます。

・リハビリ的なものなので亀更新、長期放置あるかもしれません。お許しを……







※サンタローズ村の洞窟にて道具屋のドワーフ救出後


ドワーフ「ほんに世話になったのう」

リュカ「えと、それほどでもない、です。けどその……」

ドワーフ「わかっとる、パパスどのには内緒にしておくよ。おおそうじゃ、少し待っておれ……これじゃこれじゃ」

リュカ「これは?」

ドワーフ「むかしある若者の剣を直したことがあってのう、その時に礼としてもらったもので『はんどへるどこんぴゅーた』とか言うものじゃ、こいつをお前さんにやろう」

リュカ「いいの?」

ドワーフ「うむ。お前さん、魔物と仲良くしたいと言っておったじゃろ? その若者も多くの魔物を従えておってのう、こいつはその補助をしてくれるらしい。お前さんの役にたつじゃろう」

リュカ「わあ、ありがとう!」

ドワーフ「なになに、かまわんよ。ワシにゃ使い方がさぁぁぁっぱりわからんでのう、宝の持ちぐされになるよりゃよかろうて」

リュカ「ええっ? それじゃぼくもどう使えばいいのかわからないよ!」

ドワーフ「ま、適当にいじってみんさい。うまく使えりゃもうけもんじゃ」


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※リュカの部屋にて

リュカ「なんだかやっかい払いを押し付けられたような気がするなあ。でも本当ならすごいものだよね、これ」

リュカ「手袋……っていうか、篭手かな? うでにはめて、っと」

リュカ「このいっぱい文字があるところを押すのかな? えいえい」ガチャガチャ

――ポピ

リュカ「あ、黒い所が明るくなった!」

DDS-NET
SYSTEM BOOT・・・・・・OK

ナビ「アクマショウカンプログラム、キドウシマス」

リュカ「わっ! しゃ、しゃべった!?」


――ゴオオオオオオオオオ


リュカ「わああああああああっ!!」



ペチペチ ペチペチ
オキテヨー オーイ

リュカ「う、ううん……」

ムー コノネボスケメー ツネッテヤルー!

リュカ「いたたたたた!? な、なに!?」

ピクシー「あー、やっと起きた。オハヨー」

リュカ「………………えっ? えええっ!? よ、妖精!?」

ピクシー「あはは、召喚した本人が驚いてどうするのよー。あたしヨウセイ ピクシー。よろしくねーちっちゃなサマナーさん」

リュカ「あ、うん……ぼくはリュカ。よろしく、でいいのかな」

ピクシー「うんうん、素直でけっこう! やー、やさしそうなサマナーで一安心だわー」

リュカ「そうなの? あ、あとその『サマナー』って何?」

ピクシー「ん? ああそっか、まだよく知らないんだね。よし! ならこのピクシーちゃんが懇切丁寧に教えてあげ……」



サンチョ「どうなさいましたぼっちゃんー!! なんですか今の轟音はー!?」

パパス「リュカー! 無事かー!」


リュカ「あ」

ピクシー「……さきに家の人への説明が必要かな?」


リュカ「悪魔召喚プログラム?」

ピクシー「そう。その『ハンドヘルドコンピュータ』のなかに入ってる……んー、魔法、みたいなものね。んで、その使用者のことをデビルサマナー、略してサマナーって呼ぶの」

パパス「……危険なものではないのか? 『悪魔』などと物騒な名称がついているが」

ピクシー「この世界は魔力が豊富だし、使用者から吸い取ることもないからだいじょうぶ」

ピクシー「それに『アクマ』って言っても、獣とか幽霊とか場合によっては『神』なんてのもひっくるめて『アクマ』って言ってるだけだから」

ピクシー「ようするに『異種族との交渉・対話』のためのツール……んと、道具? って考えていーから」

サンチョ「そんな得体の知れないものをぼっちゃんに使わせるわけには……!」

リュカ「……ぼく、これ使ってみたい」

サンチョ「ぼっちゃん!?」

リュカ「だって、これがあればいろんな魔物とお話できるんでしょ? ぼく、やってみたいよ」

サンチョ「でもですねえ……」

パパス「……よかろう」

サンチョ「旦那さま!?」

リュカ「本当!? ありがとう、おとうさん!!」

ピクシー「よかったねえ」

リュカ「うん!」


パパス(やはり、マーサの子ということか。しかし妖精とまで仲良くなるとはな)


※翌日

ビアンカ「きゃー♪ きゃー♪ なにこの子! かっわいいー!!」

ピクシー「いやー! リュカ助けてー!!」

リュカ「ピクシー! ダメだよビアンカ、ピクシーをいじめたら!」

ビアンカ「あらなによ、いじめてなんかいないわ、あたしのお人形の服着せたりお花でアクセサリーを作ったりしてあげたいだけよ。それのどこがいじめてるって言うのよ!」

リュカ「で、でもピクシーは怖がってたよ。ねえ?」

ピクシー「」コクコクコクコク

ビアンカ「むむぅ……リュカばっかりずるい! そうだ、その腕のやつ貸しなさいよ。それがあればその子みたいな妖精を呼び出せるんでしょ?」

リュカ「ええっ!? で、でも……」

ピクシー「あたしはもともとこの中に『入っていた』から出てきたけど、本格的に『召喚』するとなると何が出てくるかわからないわ、危険よ」

リュカ「……だってさ」

ビアンカ「ずーるーいー!! もういい! それよこしなさい! あたしがサマナーになればその子も言うこと聞くでしょー!」

リュカ「だ、ダメだよ! これはぼくがもらったんだ! ピクシーだってぼくの友達でものなんかじゃないよ!」

ビアンカ「うーるーさーいー!!」

ピクシー「むう……この子にはちょっとお灸が必要ね!」

リュカ「ピクシー?」

ピクシー「出てきなさい! ケルベロス!」


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ケルベロス「ワレヲ ヨンダカ」

ビアンカ「きゃああああああああああああああああああああああっ!?」

ピクシー「ふふーん、腰を抜かしちゃったみたいね」

リュカ「やりすぎのような……」

ケルベロス「オイ ヨウハ ナイノカ」

リュカ「あ、うん……きみ、おっきいね ぼくはリュカ。よろしくね」

ケルベロス「マジュウ ケルベロス ダ コンゴトモヨロシクナ」


ビアンカ「……そんなおっかないのが出てくる道具なんか、いらない」

リュカ「ケルベロス、かっこいいよ? ねえ」

ケルベロス「テレルナ」

ピクシー「あはは、デビルサマナーになるには度胸が足りないみたいねー」


パパス「おーい そろそろ出かけるぞー」

ビアンカ母「はやくおしー 置いてくわよー」


ビアンカ「あ、おかあさん! いま行くー!」

ピクシー「リュカ、あたしたちもいきましょ」

リュカ「うん」


※アルカパへの道中

リュカ「ねえビアンカ、本当に乗らなくていいの?」

ビアンカ「い……いいの! あたしはあんたと違ってオトナなんだからそんなふうに楽はしませんっ」

リュカ「ケルベロスの背中、ふかふかで気持ちいいのに」


パパス「……驚いたな、このような大型の魔物まで『その中』に入っていたのか」

ピクシー「んーと、『デジタルデータ』? に変換するらしいわよ? リュカ、そのナイフでやってみて」

リュカ「えっと、この『でぃすぷれい』に近づけて『えんたー』を押す……わっ! 吸い込まれちゃった」

ITEM >ナイフ 1

ピクシー「そうそう。それで今度は……」

リュカ「『たっちぱねる』を触って呼び出す……っと、出てきた!」

ビアンカ母「便利なもんだねぇ。ウチの蔵代わりに使わせてもらえないかい?」

リュカ「えーっと……ごめんなさい」

ケルベロス「ニモツマミレノナカニ モドサレルノハ ゴメンダ」

ビアンカ母「あっはっは! 冗談だよ。でもまあ、ビアンカが欲しがるのも無理はないねえ?」

ビアンカ「も、もう欲しくなんかないわ」

ビアンカ(言えない……本当はケルベロスに乗ってみたいけど、おかあさんにお尻叩かれて痛くて乗れないなんて……!)


ビアンカ母「まったく。調子こいて姉貴風吹かせようするからしっぺ返しくらうんだよ」

パパス「ケルベロス、だったか。あれを平然と乗りこなすリュカの胆力にはわが子ながら驚きを禁じられん。親馬鹿と言われるかもしれんがな」

ビアンカ母「謙遜することはないさ。あの子はウチの宿六の100倍は肝座ってるよ」


※アルカパの町

リュカ「ビアンカのおとうさんの風邪、早く治るといいね」

ビアンカ「うん……ありがと。ピクシーも……『パトラ』、だったかしら? かけてくれたおかげで、ずいぶん楽になったみたい。ありがとう」

ピクシー「ま、気休め程度だけどねー。本当は『シシリディ』使えればよかったんだけど……回復呪文は病人にかけると病原体も対象になって悪化しちゃうし」

リュカ「そうなんだ。『キアリー』とかじゃダメなの?」

ビアンカ「解毒呪文じゃバイ菌は消えないわ。でも『アクマ』の魔法ってあたしたちとちがうのね」

ピクシー「『アクマ』はいろんなのがいるからねー、魔法もいろんな方向に進化したわけよ」



ビアンカ「じゃあ町をあんないしてあげ……って、あんたケルベロスに乗って町をねり歩くつもり?」

リュカ「変かなあ」

ピクシー「まあ、驚くよねー」

リュカ「でも、ケルベロスもせっかく出てきたんだから、また中に戻すのはかわいそうだよ」

ビアンカ「そりゃあそうかもしれないけど」

ケルベロス「ワレハ キニシナイ リュカニ メイワクヲカケルヒツヨウモ ナカロウ COMPニ モドッテイル」

リュカ「ごめんね」

ケルベロス「カマワン ピクシーヨ リュカヲ タノムゾ」

ピクシー「あいあい、おまかせー」


フギャー ギニャー
ヘンナコエー デケーナー

リュカ「なんか騒がしいよ?」

ビアンカ「あいつらこの町の悪ガキグループ! 猫をいじめるなんて……やめなさーい!」

リュカ「あっ! ビアンカ!?」

ピクシー「あたしたちも行きましょ」


悪ガキY「なんだビアンカか、なんの用だよ」

ビアンカ「猫ちゃんがかわいそうでしょ! はなしてやりなさいよ!」

悪ガキG「こいつ猫なんかじゃねーよ。牙も爪もでかいし変な声で鳴くんだ、きっと魔物の子だぜ」

悪ガキY「そうそう、だから俺たちがタイジしてやるのさ」

ビアンカ「魔物の子ですって? ふん、見たこともないくせに何を言ってるのよ……ちょうどいいわ、見せてあげる」

悪ガキY「なんだって?」

リュカ「ビアンカー。一人で勝手にいかないでよ」

ビアンカ「来たわね。リュカ、ケルベロス出して」

リュカ「えっ? でも町で出したら騒ぎになるって……」

ビアンカ「ちょっとだけよ、ね?」

悪ガキG「おい、さっきからなにやって……」

ピクシー「別にいーんじゃない? ビアンカが出していいって言うなら」

リュカ「そうかなあ」

悪ガキY「わああああああっ!? な、なんだそいつは!!」

リュカ「ふえ?」

ビアンカ「……ピクシーで十分騒ぎになるとは、盲点だったわ」


ベビーパンサー「グルルルル……」

リュカ「ケガしてる……だいじょうぶ?」

悪ガキG「お、おい! あぶねーぞ!」

悪ガキY「ビアンカ! なんだよこいつは!」

ビアンカ「うちに泊まってるリュカって言って……ああそれどころじゃない! リュカ、その子警戒してる! 危ないわよ!」

リュカ「平気だよ。ピクシー、この子治してあげて」

ピクシー「はいはーい。んじゃ『ディア』」

ベビーパンサー「グルル……キュウ? ……ンナ~ゴ」

リュカ「よしよし。もう大丈夫だよ……そうだ、『これ』使ってみよう」

>タイワ プログラム キドウ

>リュカ ハ ハナシカケタ ネェ


ベビーパンサー「ニンゲン イイ ニオイ アッタカイ」ペロペロ

リュカ「傷はもう痛くない?」

ベビーパンサー「ヘイキ……アレ? コトバ ワカル?」

リュカ「うん、そうだよ。ぼくはリュカ、きみの名前は?」

ベビーパンサー「ナマエ ナイ ツケテ」

リュカ「そう? うーん、どんなのがいいかなあ……」

ビアンカ「ちょ、ちょっとリュカ?」

リュカ「ん、なあに?」

ビアンカ「さっきから、その子との会話が成立してるように見えるんだけど……?」

リュカ「うん、話してるよ。『これ』を使って」

ビアンカ「そんなことまでできるんだ……で、その子はなんて言ってるの?」

リュカ「名前がないからつけて、って」

ビアンカ「そうなんだ! じゃああたしも考えてあげるわ! えーっとねえ……」

悪ガキY「おい、ちょっと待てよ!」

ビアンカ「何? いまこの子の名前考えるので忙しいんだけど」

悪ガキG「そいつは俺たちが捕まえたんだ! 勝手なことするなよな!」

ビアンカ「魔物の子だっていじめてたじゃないの! そんなやつらにあずけてなんていられないわ!」

ベビーパンサー「オマエラ キライ グルル……!」

リュカ「この子も、君たちキライだってさ」

ビアンカ「ほら見なさい!」

悪ガキG「うっ……」

悪ガキY「そ、そんなにそいつが欲しいってんならレヌール城の幽霊を退治してきてみろよ! 俺たちは自力でそいつを捕まえたんだからお前らもそんくらいしなけりゃただの横取りじゃねえか!!」

ビアンカ「むむっ……それは……」

リュカ「そうなの?」

ピクシー「ないない、どうみてもいじめてるあいつらが悪いよ」

ビアンカ「……わかったわよ! お化け退治してくればいいんでしょ!」

リュカ「ええー……」

ピクシー「まあビアンカも所詮はコドモってことよねー」


※夜のアルカパ郊外

ビアンカ「さ、お化け退治にいくわよ! ケルベロス出して!」

リュカ「ビアンカは留守番でもいいんじゃない?」

ビアンカ「リュカが頼りないから助けてあげるって言ってるの!」

ピクシー「あたしとケルベロス連れたリュカが頼りない、ねえ」

ケルベロス「ショウショウ ムリガ アルナ」

ビアンカ「外野うるさい!」

リュカ「まあ、お城に冒険とかちょっとワクワクするしね。ビアンカも仲間はずれは嫌なんでしょ?」

ビアンカ「そ、そういうわけじゃ……違わないけど違うというか……」

リュカ「?」

ピクシー「うむうむ。オトメゴコロは複雑なのだよ」

ケルベロス「ナンデモイイカラ ハヤクノレ」


※レヌール城

ケルベロス「ツイタゾ」

リュカ「ありがとうケルベロス」

ビアンカ「ケルベロスって乗り心地いいし、すっごく速いのね! 前の時ちょっとくらいお尻が痛くても乗っておけばよかったなあ……」

ピクシー「まあ帰り道もあるし」

ビアンカ「それもそうね……」

リュカ「じゃあお化けをさがそうか」

ビアンカ「そうね。本当はそんなものいないと思うけど……ちゃんと調べてないだろうってあいつらに言われるのもしゃくだし」

ピクシー「んー、そうでもないわよ? この城って磁場がちょっと歪んでるから魂とか残りやすいし、魔界との門なんかも開きやすくなってるみたいで……」

ビアンカ「あ、あははは。あたしをおどかそうったって、そうはいかな……」


――ズガァァァァァンッ!!


ビアンカ「きゃああああっ!? なに!? なにっ!?」

ケルベロス「オチツケ タダノ カミナリダ」

ビアンカ「び、びっくりした……あら? リュカは?」ガチガチ


リュカ「ビアンカーはやくおいでよー」ケロリ


ビアンカ「ちょ、ちょっと! 一人でどんどん先に行くんじゃないのー!」


リュカ「門は……閉まってるみたいだね」

ビアンカ「ほかの入り口を探す?」

リュカ「そうだね……いや、待って。ケルベロス!」

ビアンカ「?」

ケルベロス「ウム マカセロ」

>ATTACK とっしん


――ドゴォォォッッ!!


ケルベロス「……カタイナ ユガンダダケカ」

ビアンカ「な、なななななな……」

ピクシー「んじゃあたしもやりましょーか。せーの……『ジオンガ』っ!!」

ケルベロス「ウオォォォォッ!!」

>ピクシー ジオンガ

>ケルベロス とっしん

>MIXD サンダーチャージ


――ズガアァァァァンッ!!


ケルベロス「フム アイタゾ」

ピクシー「いい仕事したー」

リュカ「二人とも、ありがとう」

ビアンカ「……ま、まあいいわね。近道できたんだし」


※レヌール城内

ガチャガチャ ガチャガチャ

ビアンカ「な、なんの音?」

ケルベロス「ム コレハ」

ピクシー「……うん、『アクマ』の気配ね」

ビアンカ「そ、それじゃあ本当にお化けが……?」

リュカ「ううん……そうじゃないよ。『アクマ』……ピクシーやケルベロスみたいな、魔物よりもっと強いやつがいる、ってことだよね?」

ケルベロス「ソノトオリダ」

ビアンカ「ど、どうしようリュカ……? そんなの勝てっこない……」

リュカ「ちょっと待って。あいつらなにか話してる」

>タイワプログラム キドウ


ガイコツ「ヒーヒー、もうたまらん」

ゴースト「わしら気ままな亡霊家業」

ガイコツ「なのに今では『アイツ』の奴隷」

ゴースト「たのみの親分はコテンパン」

ガイコツ「頭を下げての下働き」

ゴースト「やっと見つけた宝の玉も」

ガイコツ「わけのわからぬ研究材料」

ゴースト「わしらの苦しみいつまで続く」

ガイコツ「死んでいるから終わらぬ苦行」

『おーいおいおいおいおい……』



リュカ「……お化けなのに強制労働なんだって」

ビアンカ「なにそれ」


ピクシー「つまりここには元々あのガイコツとかの幽霊がいたんだけど……」

ケルベロス「『アクマ』ニヨッテ シハイカ ニ オカレタワケカ」

ビアンカ「でもどうするの? 相当強いやつみたいだけど……」

リュカ「うん、だから話してみようと思うんだ。城に来る人間にどうこうするんじゃなくて、研究をしたいだけみたいだし。どこか別の場所に行ってもらうとか」

ビアンカ「……そんなことできるの?」

リュカ「『これ』ってそういうことのための道具みたいだし」

ピクシー「うーん、リュカならうまく『仲魔』にできるかもねー」

リュカ「仲間?」

ピクシー「ううん仲『魔』。あたしやケルベロスみたいなサマナーに従うアクマをそう呼ぶの」

ケルベロス「リュカニハ フシギナ ミリョクガアル ウマクイクカモ シレン」

ビアンカ「ふーん……まあ、やってみましょう」


親分ゴースト「くそー! あのシマシマめ! ワシの部下もワシもへんてこな術で操りおってからに! 洗濯なんぞやりたくないのに体が勝手に動いてしまうー!」ゴシゴシ

リュカ「あのー、すみませーん」

親分ゴースト「おお!? に、人間のガキじゃと!? ええいこんな所まで来るとは愚かなやつ、その命もらった……と言いたいが洗濯が止まらんのじゃー! トホホー」ゴシゴシ

リュカ「えーっと、ぼくたちそのアクマと話しに来たんです、どこかよそに行ってもらえないかって」

親分ゴースト「おお! あいつを追い払ってくれるのか!? だったらあやつは奥の部屋でずっと研究しっぱなしじゃ、早ようどうにかしとくれ! 腰が、腰がもう限界なんじゃー!!」ゴシゴシ

ビアンカ「追っ払うのはいいけど、あなたも出て行ってくれないと困るんだけど」

親分ゴースト「おお、おお、もちろんじゃ! こんなとこ二度と来たくないわい! じゃから早く……」

――ゴキッ

親分ゴースト「ぎにゃあああーーーっ!! こ、こここ、腰がぁーーーーーっ!! ひぃーーっ! しかも洗濯が止められん! 助けてーーーーーっ!」ゴキゴキゴシゴシ

リュカ「お、お大事にー……」


ネビロス「ぬううう……またダメか! この『ゴールドオーブ』の神聖なる力ならばと思ったが……なにが足りないのだ!」

リュカ「ごめんくださーい」

ビアンカ「そんな礼儀正しくしなくても……」

ネビロス「む? 洗濯物はたまってないし、食事も頼んでないぞ……んんっ!? 人間の子供だと!?」

リュカ「えっと、ぼくたちちょっとお話したいことが……」

ネビロス「むむむむ……!!(凝視)」

ビアンカ「? な、なに?」

ネビロス「アリスーーーーーーーーっ!!! アリスか! アリスなんだな! うおおおおおん!!」

>ダテンシ ネビロスは ビアンカを だきあげた!

ビアンカ「きゃああああああっ!? いきなりなんなのよおおおおおおっ!!」

ネビロス「アリスーーーーっ!!」

ビアンカ「はなしてーーーーーっ!!」

ネビロス「アリスーーーーーっ!!」

ビアンカ「(ブチン!)……はなせって言ってるでしょコラァッ!!!!」

――ゴスッッッ!!!!

>ビアンカは ネビロスの のうてんに きょうれつな いちげきを みまった!


ネビロス「……すまん、ワシとしたことが取り乱してしまった。ワシはネビロス、ここで研究をしとるしがない悪魔じゃ」

リュカ「えーと、お気になさらず? ぼくはリュカです、こっちはビアンカ」

ビアンカ「」ガルルルル

>ビアンカは リュカの うしろに かくれながら いかくしている

ネビロス「そっちのお嬢ちゃんにはすまんかったのう。その金髪がワシの探しとる子によう似てたもんでな」

ピクシー「堕天使ネビロスっていえばソロモン72柱の一人の大悪魔でしょー? こんなとこでなにやってんの?」

ネビロス「ふむ、簡単に言えば死者復活の研究じゃな。ただ対象が正確には『死者』ではないのが難しさに拍車をかけておるが」

ビアンカ「……それがさっき叫んでた『アリス』って子?」

ネビロス「そうじゃ。ワシと相棒……魔王ベリアルと一緒にその子を守っておったのじゃがな、力及ばず『消えて』しまった。それからはあの子を探してあらゆる世界をさまよい続ける毎日よ」

ビアンカ「なんか凄い単語が聞こえたような」

ピクシー「あー『魔王』のこと? 単なる種族とか階級のことだから気にしない気にしない」


ネビロス「それで、町の人間が怖がるから立ち退いてもらいたいんじゃったか? まあかまわんよ。騒いでおったのはあの雑魚どもだし、研究もいいかげん煮詰まっておったからのう」

リュカ「ありがとうございます! やったねビアンカ!」

ビアンカ「う、うん……ホントに話し合いで解決しちゃった……」

ケルベロス「リュカノ ジントクノ タマモノダ」

ネビロス「さて、そうなると『大家』に挨拶しておかねば」

ピクシー「『大家』って?」

ネビロス「この城の本来の持ち主に決まっておろう? この『ゴールドオーブ』も借りてたことだしのう」


ネビロス「と、いうわけでワシはここを離れることにする。世話になったのう」

エリック王「それはこちらこそ。あの下劣な輩を征せしこと、感謝は絶え間なく」

ソフィア妃「朽ち行くこの城を清めてまでもらい、なんと言ってよいか」

ネビロス「なに、あの亡霊くずれどもをこき使ったまでよ、『アクマ』らしくな。なんせワシは『死人使い』のネビロスじゃからな」


ビアンカ「えーっと……これも『本当』の幽霊というべきなのか……とにかく、いたんだ」

リュカ「とにかく、もうこのお城に迷惑な幽霊は出なくなったんだからいいんじゃない?」


リュカ「さて! それじゃあ町に戻ろう!」

ビアンカ「そうね。ふぁ~あ……夜通しだったから眠くなってきちゃった」

リュカ「そうだね……ケルベロス、帰りは任せていい?」

ケルベロス「ココロエタ オトサヌヨウ キヲツケルノデ ワレノセナカデ ネムッテオケ」

ピクシー「あたしも眠い~。リュカ、ターバン寝床に使わせて~」

リュカ「いいよ~。それじゃ、おやすみ……」

ネビロス「おーい、ちょっと待ってくれい」

リュカ「ふえ? ネビロスさん?」

ネビロス「王と王妃からおぬしに渡しておいてくれと言われてのう。この『ゴールドオーブ』がこの先おぬしにとって必要になるそうじゃ」

リュカ「そうなんですか……わかりました、あずかります」

ネビロス「うむ。それからそのCOMPを出してくれんか?」

リュカ「これですか?」

ネビロス「そうじゃ、では……『エロヒム エサイム 我は求め訴えたり』……これでよし」

リュカ「何をしたんですか?」

ネビロス「ワシとの直通ラインを繋いだ。この先、ワシの力が必要になれば呼ぶがいい。瞬時に駆けつけるぞ」

リュカ「ありがとうございます!」

ネビロス「うむ、では壮健であれ、幼きデビルサマナーよ!」


>ネビロスは トラポートを となえた!


※明けて翌日 アルカパの町

ビアンカ「……という顛末よ。文句ないわね?」

悪ガキY「……わかったよ、そいつは好きにしな」

ベビーパンサー「リュカ! リュカ!」ペロペロ

リュカ「よしよし。さびしくなかった?」

ビアンカ「あんたたち、あたしたちが城に行ってる間にその子いじめてないでしょうね?」

悪ガキG「してねーよ!」

ビアンカ「ホントかしら……ね、どうなのリュカ?」

ベビーパンサー「イジメ サレテナイ デモ ゴハン クレナイ」グルルル

リュカ「……ごはんくれなかった、ってさ」

ビアンカ「あんたたちー!!」

悪ガキY「な、なんでそこまでわかるんだよー!」

悪ガキG「ヒー! もう勘弁してくれー!」


リュカ「それじゃあ、きみの名前を考えてあげないとね」

ベビーパンサー「ナマエ タノシミ」

ビアンカ「どんなのがいいかなぁ……思いつくのは……」

ビアンカ「プックル」

ベビーパンサー「(プックル顔)」ニャー

ビアンカ「ボロンゴ」

ベビーパンサー「(ボロンゴ顔)」キリッ

ビアンカ「チロル」

ベビーパンサー「(チロル顔)」トローン

ビアンカ「ゲレゲレ」

ベビーパンサー「(ゲレゲレ顔)」オエー

リュカ「……ゲレゲレ?」

ビアンカ「あら、変?」

ピクシー「ついていけないセンスねー」


今回はここまで。

意見・感想・要望ありましたら遠慮なくどうぞ。
採用できるかどうかはわかりませんが、アイディアの刺激になるので参考にさせてもらいます。


>>1です。投下開始します。




ビアンカ「それじゃあ、この子の名前はプックルね!」

プックル「プックル! ナマエ プックル! ウレシイ!」

リュカ「プックルもうれしいってさ」

ビアンカ「喜んでもらえてよかったわ。でも、プックルの声がリュカにしかわからないなんて……ちょっとずるい」

ピクシー「あたしもニャーニャー言ってるようにしかみえないしねー、ケルベロスはどうだろう?」

リュカ「そうだね……人気もないし、確かめてみようか。おいでケルベロス」

――シュイン

ケルベロス「ヨンダカ?」

プックル「!? !? !? オ、オッキイ オオカミ! コワイ!」フシャー

ケルベロス「ム? リュカノ アタシライ ナカマカ オソレルナ オソイハシナイ」

プックル「ホント? コワクナイ?」クンクン

ケルベロス「ケルベロスダ ヨロシクナ チビスケ」ベロン

プックル「ミャウ! ケルベロス! ヤサシイ! プックル ナマエ プックル!」ペロペロ

リュカ「ケルベロスはプックルの言葉がわかるみたいだね」

ケルベロス「ウム ナカナカ ミドコロノアルヤツダ サキガ タノシミダ」

ビアンカ「いいなー……」

ピクシー「拗ねない拗ねない。ほら、プックル、ビアンカにも名前のお礼してあげなさいな」

プックル「ミャウ ビアンカ ナマエ アリガト!」ペロペロ

ビアンカ「きゃは、くすぐったい。こっちの言ってることは解るんだ。ふふ、どういたしまして、かな?」


※数日後

ビアンカ「ごめんなさいね、父さんの風邪、パパスさんにうつしちゃったみたいで……」

リュカ「だいじょうぶだよ、薬の残りもあったし、ピクシーが症状をやわらげてくれたからそんなに苦しそうじゃなかったもん」

ピクシー「おかげで『パトラ』が『ペンパトラ』にグレードアップしちゃったよ。怪我の功名ってやつかな?」

プックル「ビアンカ ト タクサン アソベタ! タノシカッタ!」

リュカ「ビアンカと遊べて楽しかったってさ。ぼくもそうだしね」

ビアンカ「ありがと。でも今日でサンタローズに帰っちゃうのよね……そうだ! このリボン、リュカとプックルにあげる。あたしのこと、忘れちゃいやよ」

リュカ「忘れないよ、ありがとね」

ビアンカ「うん……プックルにはあたしが結んであげるね」

プックル「ミャウ リボン キレイ アリガト!」

ピクシー「蝶ネクタイみたいね。と、こ、ろ、で? あたしにはナンにもないのかな、ビアンカちゃ~ん?」

ビアンカ「あ、う、えっと……」

ピクシー「あはははは、じょーだん冗談。オトメゴコロはあたしもわかってるし? それにお人形の洋服とかもらっちゃってるから十分よ」

ケルベロス「ワレハ ウマイメシヲ クワセテモラッタシナ」


パパス「リュカー! もう出発するぞー!」


リュカ「はーい! それじゃあ、またね ビアンカ!」

>リュカは ケルベロスに またがった

ビアンカ「うん! ぜったい、また会おうね、リュカ!」


※サンタローズへの帰り道

プックル「ピクシー プックルに ノッテ?」

ピクシー「ん? こうお?」

プックル「ミャウ! ケルベロスト オンナジ! オソロイ! オソロイ!」

ピクシー「なるほどぉ」

リュカ「あはは、ほんとだ」

ケルベロス「ウム ショウライハ リュカヲ ノセルクライ タクマシクナレヨ」

プックル「ガンバル!」


パパス「なかなか、楽しそうだな」

リュカ「あ、おとうさん。一緒に乗ってみる?」

パパス「……いいのか? ワシは少々重いが」

ケルベロス「カマワン ワレハ ソンナニ ヤワデハナイ」

パパス「では失礼して……ほお、これは中々凄いな」

リュカ「でしょう? ケルベロス、プックルが追いつけるくらいで走って!」

ケルベロス「ココロエタ!」

ピクシー「プックル! 負けんじゃないわよ! いっけー!」

プックル「ミャウ! マケナイ!」

パパス「おおっ!? これはなんとも痛快! わははははははは!!」


※サンタローズ村にて

リュカ「ピクシーは魔法が使えるんだよね……いいなあ」

ピクシー「あれ? リュカの家にもそういう本、置いてなかった?」

リュカ「難しい字が多くて……わかんないんだ」

ピクシー「それもそうかあ。よし! んじゃあこの世界のとはちょっと毛色がちがうけど、ひとつ魔法の手ほどきをしてあげちゃおう!」

リュカ「ホント!? ありがとうピクシー!」

ピクシー「うむ! それじゃあどんなのがいいかなぁ……回復魔法は当然として、専門じゃないけど衝撃魔法なんか護身にはいいかもね」

リュカ「よろしくおねがいします、ピクシー先生」ペコリ

ピクシー「にゃははは、苦しゅうない。おまかせあれ~」


※数日後

ピクシー「ほい。じゃあ今日はここまでね」

リュカ「ありがとーごさいました!」ペコリ

ピクシー「うんうん。やっぱりリュカは筋がいいよ、この次はいよいよ実践練習かな?」

ケルベロス「サスガハ ワレラガ アルジダ」

プックル「リュカ スゴイ! リュカ スゴイ!」

リュカ「えへへ……照れるなあ……ヘクシュッ」

ピクシー「ありゃ、汗かいちゃったからね。体を冷やさないようにしないと」

ケルベロス「ハルサキダトイウノニ ズイブンヒエルカラナ ダンヲ トロウ……カァッ!」ゴオオオ

>ケルベロスは ファイアブレスで たきびを つけた

リュカ「ズズ……ありがと、ケルベロス」


村人1「おおー、あったかそうだね。リュカちゃんや わしらもあたらせてくれ」

村人2「芋もあるよ。これで焼き芋でも作ろうかね」

リュカ「どうぞー」

ピクシー「わーい、焼き芋だー」

ケルベロス「ワレモ サカナデモトッテクルカ」

プックル「ミャウ プックルモ!」


村人1「しかし、今年の寒さはどういうことかねえ。これじゃ畑に種も蒔けないよ」モグモグ

村人2「せっかくケル君が畑を耕してくれたってのにねえ」モグモグ

ケルベロス「ウム ショウショウ ザンネンダナ」モグモグ

ピクシー「どっかに炎属性のアクマの集団でもいれば、まとめて引っ張ってくるのに」モグモグ

リュカ「それじゃ村が火事になっちゃうよ」モグモグ

プックル「ヤキザカナ オイシイ」モグモグ

村人1「どうもこの村のまわりだけこんな状態らしくてねえ。あんまり珍しいってんで、どっかの金持ちがわざわざ雪見物に来てるほどさ」

リュカ「そうなんですか……ねえピクシー、これってもしかしてアクマのせいってことかな?」

ピクシー「う~ん、可能性がないこともないけど……そんなことするようなアクマなんて……」



ジャックフロスト「ヒーホー♪ 寒くて気持ちいいホー♪」



ピクシー「あ」


ピクシー「それっぽいの発見! リュカ! とっつかまえるわよ!」

リュカ「わ、わかった! いくよプックル、ケルベロス!」

ケルベロス「ココロエタ!」

プックル「ミャウ!? モグモグ……ゴクン ワカッタ!」

村人1「元気じゃのう」

村人2「無理しなさんなー」


ジャックフロスト「ヒーホーホー♪」


リュカ「待てー!」

ピクシー「物陰に入ったわ! 逃がすもんか!」

>リュカたちは ジャックフロストを おいかけた!

――ドシン!

「きゃっ!?」

リュカ「わっ!?」

>リュカは だれかと ぶつかった!


*「いたたた……」

リュカ「ご、ごめん! だいじょうぶ!?」

*「あ、はい。わたしも余所見してたから……」

ピクシー「あちゃ~、見失った……リュカも、そっちの子もだいじょーぶ?」

リュカ「うん、ぼくは平気。きみも立てる? はい、つかまって」

*「ありがとう……えっ? 妖精……さん?」

ピクシー「そうだよー、ピクシーって呼んでね」

リュカ「ぼくの友達で魔法の先生なんだ。ぼくはリュカ、きみは?」

*「あ、はい。フローラです」


短いですが今回はこれにて。
コメントくださってる方々、ROM専のかたもお読みいただきありがとうございます。
感想にも全コメントしたい所ですが、以前もそれをしようとしてエタりを起こしたので……
すいませんが、一部のみとさせてください。

意見・要望も無視せず執筆の糧にさせてもらっています。
では コンゴトモ ヨロシク



ヒーホーくんキター♪ あ、でもリクじゃなくても、人気あるし出ますよね~。
君は罰として氷室で体育座りするんだ!

コメントあると嬉しいですよね。自分も経験あるので。
返信あろうがなかろうが書き込みします。

私もこれから執筆頑張ります。
頑張ってくださいね。


>>1です。投下開始します。




リュカ「へえ、それじゃあフローラはおかあさんと一緒に来たの?」

フローラ「はい。わたしがこの村のことを聞いて、雪をみてみたいなって言ったら、おかあさまがはりきっちゃって……」

ピクシー「お金持ちは違うわね~」

フローラ「ほ、ほんの軽い気持ちだったんですよ!? それなのにおかあさまったら……」アタフタ

リュカ「あはは、でも、やさしいおかあさんでいいじゃない」

フローラ「そうでしょうか? リュカさんのおかあさまも同じような方なんですか?」

リュカ「……ごめん、わからないんだ。ぼくのおかあさん、ぼくがまだ赤ん坊だったころに魔物にさらわれて……それから、おとうさんと一緒にずっとさがしてるんだ」

フローラ「!!!! ご、ごめんなさい! わたし、わたし、なんてひどいことを……!」ポロポロ

リュカ「ぼくは平気だよ、きっと見つかるって信じてるから。だからフローラ、泣かないで」

フローラ「ひっく、ひっく……は、はい。ごめんなさい、リュカさんが平気なのに、わたしが泣いたりしちゃダメですよね」グスン

ピクシー「……あたしも、初めて聞いた」

リュカ「そうだった? ごめんね、内緒にしてたわけじゃないんだけど」

ピクシー「ううん、リュカが六歳……もうすぐ七歳だっけ? それなのにすごくしっかりしてる理由がわかった気がする」


フローラ「もうだいじょうぶです、ありがとうございます……そういえばわたし、少し前に六歳になったんです。だからリュカさんが少しお兄さまですね」

リュカ「ぼくがお兄さん? な、なんか照れるな」

フローラ「はい! わたし、二つ上のお姉さまはいるんですけど、お兄さまはいなかったから……あの、そう思ったら迷惑、ですか?」

リュカ「ううん、そんなことないよ。ぼくもフローラみたいな妹がいたら嬉しいな」

フローラ「よかった……ふふ」

ピクシー「あら可愛いらしい。よかったじゃないリュカ?」

リュカ「もう、からかわないでよ……あれ、そういえばケルベロスとプックルは?」

ピクシー「ん? あの雪だるま……多分ジャックフロストを追いかけていったと思うけど……」




ジャックフロスト「ヒホーーーーーーー!? 食われるホーーーーーーー!?」

ケルベロス「クワン!! オトナシク ツカマレ!」

プックル「プックル オマエ マルカジリ!!」


ケルベロス「ヤレヤレ テコズラセオッテ……ツカマエテキタゾ リュカ」

>ケルベロスが ジャックフロストを くちにぶらさげて もどってきた

プックル「ミャウ マルカジリ♪ マルカジリ♪」

ジャックフロスト「ヒホホホホホホ、くく、食われるホ? ゴーモンだホ? 火あぶりはりつけゴクモンだホ?」ガタガタ

リュカ「しないしない。とにかく、聞きたいことがあるだけだから」

フローラ「まあ、雪だるまがしゃべってる……それにおっきな狼さんも」

ジャックフロスト「ヒホー! カンゲンには惑わされないホー! でもボクのウンメイ、フウゼンのトモシビだホー!」ウエーン

ピクシー「あー、ダメだこりゃ。もうこの際『おどす』スタイルでやったほうが早いわね……ちょっとアンタ、この寒さってアンタの仕業? キリキリ吐きなさい」ギロッ

ジャックフロスト「ホ? そんなことできるわけないホー、ボクは気持ちいいから遊んでただけだホー」

ピクシー「じゃ次。あんたどこから来たの? サマナーの召喚でなければどっかの魔界の門からきたはずでしょ、アンタはどっち?」

ジャックフロスト「ヒホ、妖精の村からだホー。そこにみんなと一緒に魔界から出てきたホー」

ピクシー「妖精の村?」

フローラ「ピクシーさんみたいな方がいっぱいいるのですか? 楽しそうです」

ジャックフロスト「ホ? ちょっと違うホー。そこに住んでるのはエルフやドワーフだホー、ピクシーやフェアリーより大っきいホー」

リュカ「ピクシー、わかる?」

ピクシー「うーん、コイツの言ってるのはこの世界の妖精族の村みたい。魔界出身のあたしたちとは関係ないみたいね」

ジャックフロスト「ヒホ!? 忘れてたホー! 勝手にこっちにきちゃダメってベラちゃんに言われてたホー! ベラちゃんに怒られるホー! こわいホー!」ガタガタガタ

リュカ「……なんか、この子は単に遊びにきただけみたいだね」

ピクシー「そうみたい……でもどうする? ほっといたらそこらじゅう『ブフ』で凍らせるくらいはやるアクマよ?」

リュカ「そっか……ねえきみ、ジャックフロスト、だったっけ?」

ジャックフロスト「そ、そうだホ? い、いよいよボクをゴーモンにかけるんだホ?」ブルブル

リュカ「そんなことしないよ、でも村をきみの力で凍らされると村のみんなが困るんだ。だから遊ぶならぼくたちと一緒に、迷惑にならないところであそぼう?」

フローラ「それはいい考えですわ、わたしも参加させてくださいな」

ジャックフロスト「ヒホー……ボクと、遊んでくれるホ? アクマだけど、トモダチになってくれるホ?」

リュカ「うん、いいよ。一緒に遊ぼう」

フローラ「もちろんですわ。ふふ、雪だるまさんとお友達なんて素敵!」

ジャックフロスト「ヒホーーー! トモダチだホ! ニンゲンのトモダチだホ! 嬉しいホーーー! ヨウセイ ジャックフロストだホ! コンゴトモ ヨロシクだホー! ヒーーーホーーー!」キャッキャ

リュカ「ぼくはリュカ。よろしくね、ジャックフロスト」

フローラ「フローラです。こちらこそよろしくおねがいしますね、ジャックフロストさん」



ピクシー「ふふふ、あんな喜んじゃってさ。さっきまでの怯えっぷりがウソみたい」

ケルベロス「リュカノ ミリョクトイウヤツ ダロウ アノムスメモ ナカナカ キモガスワッテイル」

プックル「マルカジリ シナイ? シナイ? ……ザンネン」


ジャックフロスト「ヒホー! 雪合戦ならボクは負けなしだホー!」ポイポイ

リュカ「わぷっ! やったなー!」

フローラ「リュカさん、援護しますわ! えいえい!」

プックル「ミャウ! フロスト マルカジリ!」ガブリ

ジャックフロスト「ヒホーーーー!? 食われるホーーーー!」

リュカ「こらプックル! 『待て』!」

プックル「ミャウ! ……クチノナカ カユイ」

リュカ「もー、しもやけになっちゃってるじゃないか。『ディア』っと」

プックル「イタクナイ! リュカ アリガト!」ペロペロ

フローラ「まあ、見たことのない魔法ですわ」

ピクシー「ピクシーちゃん直伝の魔法だよん」

ジャックフロスト「ホー……かじられるのイヤだホー」

リュカ「プックル、ジャックフロストをかじっちゃダメ。しもやけなるのイヤだろ?」

プックル「カユイノ イヤ」

リュカ「じゃあ、ジャックフロストにもちゃんとごめんなさいしないと」

プックル「ミャウ……フロスト ゴメンネ?」ペコリ

ジャックフロスト「ヒホ、もうかじらなきゃイイんだホー」

フローラ「プックルちゃんはミャウミャウ言ってるだけみたいですけど……リュカさんはプックルちゃんの言葉がわかるんですか?」

リュカ「うん、この篭手の中に入ってる『対話プログラム』のおかげでね」

フローラ「まあ、すごい篭手なんですね……わたしにも使わせてもらえないでしょうか? プックルちゃんとお話してみたいですわ」

リュカ「うーん……まあちょっとなら。はい、どうぞ」

フローラ「ありがとうございます! ではさっそく……プックルちゃん、こんにちは」

プックル「ミャウ ミャウミャウ ナ~ゴ(コンニチワ フローラ!)」

フローラ「あ、あら? やっぱり聞こえませんわ?」

リュカ「え? そんな……壊れちゃったのかな? ちょっと貸して」

フローラ「えっ!? ど、どうしましょう! リュカさんの大切なものなのに……」オロオロ

リュカ「プックル? なにかしゃべって?」

プックル「ミャウ リュカ ドウシタノ?」

リュカ「あれ? ちゃんと聞こえる……」

フローラ「よ、よかったです。わたし、取り返しのつかないことをしてしまったかと」

ピクシー「うーん。これは元々リュカにしか使えないか、リュカ専用にカスタムされちゃったかのどっちかだね」

ケルベロス「フム イマノトコロ サマナーノシカクヲ モツモノハ リュカイガイ イナイトイウコトダナ」

リュカ「つまり、ぼくにしか使えないってことか……ごめんねフローラ、プックルと話したかったんでしょ?」

フローラ「だいじょうぶです。すこし残念ですけど……直接話せなくても、プックルちゃんとお友達であることは変わりませんから」ニッコリ

プックル「ミャウ! フローラ トモダチ!」


――クゥ~

ピクシー「おんや? 誰のおなかの虫?」

フローラ「あう……わ、わたし、です」マッカッカ

リュカ「そういえばそろそろお昼の時間だね、フローラも一緒に食べようよ」

フローラ「あ、ありがとうございます。でも、ごめんなさい。おかあさまがお昼ご飯を用意しているはずですので、もう宿屋に帰らないと……」

リュカ「そっか。それじゃあ、これだけでも持っていってよ」

>リュカは COMPから サンチョのてづくりべんとうを とりだした!

フローラ「えっ!? ど、どこからそんな大きなバスケットが?」

リュカ「これもこの篭手の力の一つだよ。サンドイッチと、パンケーキでいいかな……はいこれ! サンチョのお弁当はおいしいんだ、おかあさんと一緒に食べてよ!」

>リュカは おべんとうを おすそわけした

フローラ「本当に不思議な道具なんですね……まあ、おいしそうなにおい。ありがとうございますリュカさん!」

リュカ「どういたしまして。また明日、この場所で遊ぼう?」

フローラ「ふふ、約束、ですね? はい! また明日、この場所で!」

ジャックフロスト「また一緒に遊ぶホー!」


>フローラと やくそくをした!


※リュカの家

リュカ「ただいまー!」

サンチョ「おかえりなさいませ、坊っちゃん! おや、今日は外で食べてくるんじゃなかったんですか? ピクシーといつもの魔法の練習とかで」

ピクシー「んー、ちょっと連絡事項ができちゃって」

リュカ「この子なんだ」

ジャックフロスト「ヒーホー」

サンチョ「おやまあ! 妖精にでっかい狼、猫モドキと来て、今度は雪ダルマですか! サンチョは坊っちゃんの交友関係の広さに驚くやら呆れるやら!」

リュカ「妖精の村? からの迎えの人が来るまで帰れないんだっけ?」

ジャックフロスト「そうだホー。偶然こっちへの入り口が開いた時に来たから、帰り方がわかんないんだホー」

リュカ「っていうわけなんだ。それまで面倒みてあげたいんだけど……お願い、サンチョ!」

サンチョ「まあまあまあまあ! あたしが坊っちゃんのそんな真剣なお願いを断るなんてできるはずないでしょうに! えーえー構いませんとも! 理不尽なわがままならそりゃお尻叩いてでもお止めしますけど、坊っちゃんが人助け? 雪ダルマ助け? をしようってんなら一も二もありませんよ! 雪ダルマだろうがドラゴンだろうが地獄の帝王だろうがお世話してやろうじゃありませんか!」

リュカ「やった! ありがとうサンチョ!」

ジャックフロスト「ヒホー! ありがとだホー!」

サンチョ「さあさあそうとなりゃみんなおとなしく座ってくださいな! 坊っちゃんもその不思議な篭手からあたしの弁当出して、テーブルに並べるのを手伝ってくださいまし! 一人分追加でつくんなきゃって、ちょいと雪ダルマくんや、あんたあったかいの食べたら体が溶けるなんて言うなら先に言っておいてくださいよ!」

ジャックフロスト「やけどするほど熱いものじゃなきゃだいじょうぶだホー、でもやっぱり冷たいものがいいホー」

サンチョ「ああやっぱり! そんなこったろうと思いましたよ! まったく、このクソ寒いのに氷室からシャーベット取り出すことになるなんて!」

ジャックフロスト「ヒホー! シャーベットは大好物だホー!」

リュカ「あはは、よかったねジャックフロスト」

サンチョ「はあ、そりゃ坊っちゃんは気楽でいいでしょうよ。ほれケルベロス! 氷室はクソ寒いんだからあんたの火の息と毛皮であっためてくれなきゃ、あたしゃ凍死しちまうよ!」

ケルベロス「ウム テツダオウ」

プックル「ゴハン♪ ゴハン♪」


※宿屋にて

フローラ「ただいま帰りました!」

ルドマン夫人「おかえりフローラ……おお! どうしたのその恰好は!? 泥でこんなに汚れて……どこかで転んだの? まさか、不埒者に乱暴を!? 誰か! 誰かー!」

フローラ「いいえ、違いますわおかあさま。お友達と雪合戦をして遊んだんです! とっても楽しかったですわ!」

ルドマン夫人「雪合戦!? ああそんな男の子がやるような遊びなんかをして、怪我をしたらどうするのです。おかあさまを心配させないで頂戴、今もこうして心臓が張り裂けそうよ」

フローラ「だいじょうぶです! 怪我をしてもリュカさんが治してくれます!」

ルドマン夫人「リュカ? それはこの村の子?」

フローラ「はい! わたしよりちょっとだけお兄さまで、とっても不思議で、とっても素敵なかたなんです! そうだ! 今度おかあさまも会ってみてください! きっとすごくビックリなさるわ!」

ルドマン夫人「おおフローラや、おかあさまは今ももう驚いていますとも。男の子と泥だらけになって遊んで帰ってくるなんて、あなたがその子になにか乱暴なことをされていないか、されやしないかと考えただけで、今にも気を失いそうですもの。ああ、誰か、誰か水差しを持ってきて頂戴。こんなことをロベルトに、あなたのおとうさまになんて伝えればいいの? ああっ……」

メイド「奥様! お水です! お気を確かに!」

フローラ「おかあさま、おかあさま、心配のしすぎです。明日リュカさんと会う約束をしているんです。その時に一緒に来てください、きっとおかあさまも安心なさいますわ」


今回はこれにて。

感想にもありましたがあの魅力的な小説版モンスターたちは出さなきゃ『小説版』とタイトルつけてる意味がないッ! なのでご安心を。
しかしこの調子で悪魔とモンスター出すと最終パーティはCOMPフル×2ぐらいになりそう(笑)
執筆にあたり放置してたフローラ嫁ルート(SFC)をクリア+エスターク撃破までやったもんでフローラ熱が……
二人(三人?)ゲットは、まあ? 成り行き次第で……
ロウ&カオスはあんまり考えてなかったですね、これも成り行き任せです。

メモ帳にコピー残しておくのが最善なんでしょうけど、
そうすると推敲ばかり考えてまったく先が書けなくなり、エタる、というやっかいな悪癖を抱えてますので……
今回こそソレが発生しないようにしたいです。
みなさんも祈っててください(苦笑)

それから>>46さんの言う氷室で正座ってのはヒーホー君ですか? >>1ですか?
作品できたら連絡ください、楽しみに待ってます。

では コンゴトモ ヨロシク



そういやこの世界MAGってどうなってんだろ。
見たところピクシーもケルベロスもMAGなしで召喚してるみたいだけども

なんかほのぼのしてていいなあwwww


そろそろ時々リュカの前に現れては意味ありげな言葉を残して去っていく謎の金髪の閣下をだな(ry

やっぱ5主人公は魔王の卵だなあ
フローラ好きなんで幼馴染化はめっちゃ嬉しい


>>1です。投下開始します。



※翌日 村の広場

リュカ「ちょっと早く来ちゃったかな?」

ジャックフロスト「ヒホー」
プックル「ミャーウ」


フローラ「リュカさーん! ほら、おかあさま、こっちですわ!」

ルドマン夫人「ま、まちなさいフローラ。おかあさまは、おかあさまはこんなに速く走ったことがなくて……ふうふう」


ピクシー「そうでもなかったみたいねえ」

リュカ「うん。フローラー! こっちだよー!」


フローラ「おかあさま、こちらがリュカさんとそのお友達の方々です。リュカさん、こちらがわたしのおかあさまですわ」

リュカ「はじめまして、リュカです」

ピクシー「ピクシーでーす」

ジャックフロスト「ヒホー ジャックフロストだホー」

ケルベロス「ケルベロス ダ」

プックル「ミャウ! プックル!」

リュカ「この子はプックルです」

フローラ「かわいいでしょう? だっこするととってもあったかいんですよ」

ルドマン夫人「よ、妖精に狼!? 雪ダルマがしゃべって……ベビーパンサーが人間になついて、フローラがそれを抱き上げて? ……夢、夢よ。そうでなければこんなこと、あるわけが……はうっ」パッタリ

メイド「奥様ー! お気を確かにー!」


フローラ「ふえ? おかあさま?」

リュカ「倒れちゃった。だいじょうぶかな?」

ピクシー「あのメイドさんどっから現れたの?」


ルドマン夫人「うーん、うーん」

>ルドマンふじんは めをまわしている

メイド「奥様は私が宿屋までお運びしますので、お嬢様がたはどうぞ遊んできてください」

フローラ「はい、ありがとうございます、えっとお昼ご飯は……」

リュカ「だいじょうぶ、今日も持ってきてるよ。フローラの分も作ってもらってるし」

フローラ「ありがとうございます! あの、夕ご飯までには帰りますので、それでいいですか?」

メイド「かしこまりました」

リュカ「あ、そうだ。これ、よかったらフローラのおかあさんに使ってあげてください。飲み込んだり割ったりすれば体力が回復するんで」

>リュカは ませきを わたした

メイド「まあ、ご親切にありがとうございます。奥様にもリュカさんはとてもいい子だったとご報告しておきますわ」

>メイドは ルドマンふじんをせおって かえっていった

フローラ「リュカさん、おかあさまのためにありがとうございます。でも、あのような不思議な道具をどこで?」

リュカ「魔法の練習のときに、ピクシーがぼくの魔力を固めて作ったんだ」

ピクシー「リュカの力ってこの歳でありえないくらい強いけど、魔力垂れ流し状態だからねー。それなら魔力操作の練習も兼ねてと思ってさ」

フローラ「すごいです! わたしもベホイミの魔法を練習してるんですけど、なかなかうまくできなくて……」

リュカ「あれ? ホイミのほうが簡単なんじゃ?」

フローラ「おかあさまが使ってるのを見よう見真似で練習してるものですから……恥ずかしながら、まだホイミの本も読めませんの」シュン

ピクシー「ふむふむ、なら魔力の練習をつかえるかもねー。じゃあ今日はフローラにもピクシー魔法教室の生徒になってもらいましょうか!」

ジャックフロスト「ヒホー、ボクもお手伝いするホー」

*失敗 修正します*





ルドマン夫人「うーん、うーん」

>ルドマンふじんは めをまわしている

メイド「奥様は私が宿屋までお運びしますので、お嬢様がたはどうぞ遊んできてください」

フローラ「はい、ありがとうございます、えっとお昼ご飯は……」

リュカ「だいじょうぶ、今日も持ってきてるよ。フローラの分も作ってもらってるし」

フローラ「ありがとうございます! あの、夕ご飯までには帰りますので、それでいいですか?」

メイド「かしこまりました」

リュカ「あ、そうだ。これ、よかったらフローラのおかあさんに使ってあげてください。飲み込んだり割ったりすれば体力が回復するんで」

>リュカは ませきを わたした

メイド「まあ、ご親切にありがとうございます。奥様にもリュカさんはとてもいい子だったとご報告しておきますわ」

>メイドは ルドマンふじんをせおって かえっていった

フローラ「リュカさん、おかあさまのためにありがとうございます。でも、あのような不思議な道具をどこで?」

リュカ「魔法の練習のときに、ピクシーがぼくの魔力を固めて作ったんだ」

ピクシー「リュカの力ってこの歳でありえないくらい強いけど、魔力垂れ流し状態だからねー。それなら魔力操作の練習も兼ねてと思ってさ」

フローラ「すごいです! わたしもベホイミの魔法を練習してるんですけど、なかなかうまくできなくて……」

リュカ「あれ? ホイミのほうが簡単なんじゃ?」

フローラ「おかあさまが使ってるのを見よう見真似で練習してるものですから……恥ずかしながら、まだホイミの本も読めませんの」シュン

ピクシー「ふむふむ、なら魔力の練習をすれば使えるかもねー。じゃあ今日はフローラにもピクシー魔法教室の生徒になってもらいましょうか!」

ジャックフロスト「ヒホー、ボクもお手伝いするホー」



ピクシー「詠唱を覚えてたのがよかったねー。これでもうベホイミ使えるよ」

フローラ「ピクシー先生、ありがとうございました!」

ジャックフロスト「ボクのブフもいつか使って欲しいホー」

フローラ「ええ、ジャックフロストさんもありがとうございます」

リュカ「まだ時間はいっぱいあるよ。どうしようか?」

フローラ「そうですね……でしたら、サンタローズ村を案内してくださいませんか? リュカさんのいるこの村のこと、もっとよく知りたいんです」

リュカ「うん、いいよ。それじゃあケルベロスに乗って行こう!」

ケルベロス「ウム フタリトモ、ノルガイイ」

フローラ「いいのですか? では、失礼します……わあ、すっごくふかふかです!」

ジャックフロスト「ヒホ、ボクはプックルに乗せてもらうホー」

プックル「ミャウ オチナイデネ」

リュカ「それじゃあ行こうか。お願い、ケルベロス」

ケルベロス「ココロエタ デハ ノンビリ イクトシヨウ」


※サンタローズ村 観光案内中


リュカ「ここが教会。ここのシスターはおっちょこちょいだけど、いい人だよ」

シスター「ふえええっ!? リュカくん、その説明はあんまりですよぅ!」


リュカ「ここがドワーフのグータフさんの道具屋。この篭手もグータフさんにもらったんだ」

ドワーフ「おおリュカ、『はんどへるどこんぴゅーた』は無事に使えたようじゃのう」


リュカ「ここが村長のトムスンさんの家」

村長「リュカかい。ケルベロスのおかげで荷運びがずいぶん楽になったよ、ありがとうな」


リュカ「ここがテーミスさんの酒場」

マスター「おやリュカ。今日は彼女を連れてデートかい? 若いのにやるねえ」

フローラ「か、彼女、ですか!? わたしが、リュカさんの……はうう」マッカッカ

リュカ「もう、そんなこと言ったらフローラが困っちゃうよ」

マスター「はは、すまないね(その子はまんざらでもなさそうだけどね)」




*「う~い……マスター、おかわり」ヒック

*「かっかー」

マスター「……お客さん、そりゃあ私も客商売だから売り上げが上がるのは嬉しいけどね、真っ昼間からそんなに酔いどれちゃ体に悪いよ。そのちっこいのだって心配してるじゃないか、そのパリッとしたスーツを見るかぎり、相当いい家柄の人なんだろう? あんまり不安にさせることはしないほうがいいんじゃないかねえ」

ルイ・サイファー「にゃにお~、この私をルイ・サイファーと知っての言動か~? 許さんぞ~、だが許す! なははははは! はるかさん、注げ!」

はるかさん「はるかっかー」トクトクトク

ルイ・サイファー「ごっごっごっご……プハァー! まったく、なんで最近のシリーズには私の出番が少ないんだ! 私は遥か昔から中二病患者たちのアイドルだぞ! どれだけ私の名前が乱用されてきたと思ってるんだ! そうは思わんかはるかさん!」

はるかさん「ヴぁ~い」コクコク

ルイ・サイファー「第一、なんでグラフィックが悪魔モードばかり使われるんだ! 女神転生Ⅱの角つき6枚翼天使の姿こそ至高だろう! ああ、あの頃に戻りたい……ストレンジジャーニーではなんか微妙な美少女(他称)にさせられるし……」グスン

はるかさん「かっか~」ヨシヨシ




ピクシー「……あたしはナニも見なかった。こんなとこで悪魔王が飲んだくれてる姿とか全然見なかった」

リュカ「ピクシー?」

ピクシー「いいの、そういうことにしといて」



*メタネタ・アイマスネタ好きじゃない人ゴメンナサイ*

眼鏡転生では閣下は普通に格好良かった。
あと、雄々しいご立派な御方は登場しますか。


マスター「あれ? ショウガ酒の残りはまだあったはずなんだが……空になってる」

ルイ・サイファー「んあ? 私はまだ飲んでないぞ~?」

はるかさん「かっか? かっかー」フルフル



*「……ヒック。にゃひひひ、やっとつかみゃえたのりょめ~……ウィッ」

リュカ「あれ? 樽の後ろから声が」

フローラ「どなたか、酔っ払っているみたいです」

*「ぐー、すやや、ぴふー」

リュカ「女の子が寝てる」

フローラ「まあ、風邪をひいてしまいますわ」

ジャックフロスト「ヒホ!? ベラちゃんだホー!」

リュカ「この子が?」

ジャックフロスト「そうだホー、これで帰れるホー。でも、怒られるの怖いホー」

ピクシー「んー、こんな醜態さらしてたってことを教えれば怒るに怒れないんじゃない?」

ジャックフロスト「なるほどホー」

リュカ「とりあえずこのままじゃダメだよ。マスター、この子いつからここで寝てたの?」

マスター「え? この子って……誰か樽の横にいるのかい?」

フローラ「? どういうことでしょう?」

ルイ・サイファー「んあ~? ああ、その子は子供か私らみたいな悪魔にしか見えないよ、少年。気にせず連れて行きなさい……はるかさん、おかわり」

はるかさん「かっかー」トクトクトク

リュカ「あ、ありがとうございます……? まあいいや、親切なアクマの人がいてよかった。じゃあぼくの家まで運ぼう」

フローラ「お手伝いします……ちょっと、お酒くさいですね」

ベラ「ぐーぐー」


※リュカの家

ベラ「むにゅむにゅ……ふぁ~あ、よく寝たのねよ。さて、あの雪ダルマとポワンさまお望みの戦士をさがすのにも……って、ここドコなのにめ!?」

リュカ「あ、起きたみたいだね」モグモグ

フローラ「おはようございます……きのういただいたサンドイッチといい、サンチョさんのごはんっておいしいですわ」モグモグ

ピクシー「オハヨー、アンタも食べる?」モグモグ

ジャックフロスト「今日はトマトのシャーベットだホー おいしいホー」モグモグ

ケルベロス「プックル モット オチツイテ クエ」モグモグ

プックル「(ムシャムシャムシャ)」←聞いてない

ベラ「こ、これはいったいどういう状況なのねよねよ!? 雪ダルマが人間とちっちゃい妖精とでっかい狼とヘンな猫といっしょにご飯食べて……!?」

――クゥ~

ベラ「……はう、とりあえずあたしもお腹すいたのだわさ。食べさせてくれるとうれしいにも」

リュカ「もちろん。さ、座って座って。ジャックフロストから聞いてるけど、ベラ、だよね? ぼくはリュカ」

フローラ「フローラです。よろしくおねがいします」

ピクシー「ピクシーだよん」

ケルベロス「ケルベロスダ……ソシテ コノ ムチュウデ ガッツイテイルノガ プックルダ」

プックル「(ムシャムシャムシャ)」

ベラ「よ、よろしくなのねよ」




サンチョ「……さすがに姿の見えないお客さんなんてのは予想してなかったですよ、坊っちゃん」シクシク


ベラ「モグモグ……というわけで、あたしはポワンさまの命を受けて戦士を探しに来たのだわさ!」エッヘン

ピクシー「酒場で飲んだくれてたけどね」ニシシ

ベラ「はう、それは言わないで欲しいのめ……おかげで雪ダルマを起これないによ……あのお酒がおいしいのが悪いのなも!」

ジャックフロスト「怒られなくてよかったホー」

リュカ「でも、冬が終わらないのが妖精の国に原因があった、なんて思わなかったなあ」

フローラ「雪はきれいですけど、寒いままは嫌ですものね」

ベラ「その通りにょめ! なのであたしの姿が見える二人に妖精の国に来てもらいたいのにも!」

リュカ「うん、ぼくはいいよ。フローラはどうする?」

フローラ「うーん……」

リュカ「おかあさんが心配するなら、先に帰っててもいいけど……」

フローラ「いえ……わたしも行きたいです! リュカさんのお手伝いをさせてください!」

リュカ「ありがとうフローラ! いっしょに頑張ろうね?」

フローラ「はい!」

ピクシー「ん、決まりね。それじゃあ案内してちょーだいな」

ベラ「はいさ。ちょうどいいことに、リュカの家の地下室からあたしは来たんだねも」

リュカ「ええ? そんなとこに妖精の国への入り口なんてあったかなあ?」

ピクシー「ほら、前に話した魔界との門とおんなじよ。場所によって『繋がりやすい』所があるの」

リュカ「なるほどね」


サンチョ「姿は見えねど声はする。なにやら物騒なお話ですけど…ちゃんと夕飯までに帰って来なきゃ困りますよ坊っちゃん?」

リュカ「えっと……どうなの、ベラ」

ベラ「はてもさても、そんなに早く解決するかなんてわからないにゃっぷ! やってみないとわからないのだわさ!」

サンチョ「ええ、ええ、そんなこったろうと思いましたよ! ああもう、こういうときに限って旦那さまも調べ物で忙しいし……ちょいとお待ちなさいな、大急ぎで数日分のお弁当と、それから
坊っちゃんとフローラお嬢ちゃんの着替え! いっさいかっさい坊っちゃんの篭手の中に入るでしょ! 準備しますから待っててくださいな!」

リュカ「ありがとう、サンチョ!」

フローラ「まあ! なにからなにまでありがとうございます、サンチョさん!」

サンチョ「ええ、ええ、いいんですよお礼なんて。このサンチョは坊っちゃんが無事で帰ってきてくれたらそれが何よりのご褒美なんですから。それにフローラお嬢ちゃんになにかあったら、あたしゃ親御さんに会わせる顔がありゃしませんよ! ケルベロスもピクシーもプックルも、しっかり坊っちゃんとフローラお嬢ちゃんを守んなさいよ!」

ケルベロス「ウム トウゼンダ」

ピクシー「おっまかせ~」

プックル「ミャウ プックル リュカトフローラ マモル!」


*修正*

>>69
誤:ベラ「はう、それは言わないで欲しいのめ……おかげで雪ダルマを起これないによ……あのお酒がおいしいのが悪いのなも!」

正:ベラ「はう、それは言わないで欲しいのめ……おかげで雪ダルマを怒れないによ……あのお酒がおいしいのが悪いのなも!」


※妖精の村

ベラ「ほいさのも、到着なのにめ!」

ピクシー「階段の形の入り口なんて、なかなかオシャレだったわねえ」

フローラ「はう、天井に頭をぶつけるかと思ってしまいました」サスリサスリ

リュカ「あはは、ぼくとおんなじだ」

ベラ「それじゃあ、あたしは一足先にポワンさまに報告してくるよのさ! リュカたちも早くくるのにめ!」

リュカ「あっ、ベラ!? ……行っちゃった」

フローラ「どうしましょう……その、ポワンさま? が、どちらにいるのか、わたしたちは知りませんし……」

リュカ「村の人たちに聞いてみようか、行こう、みんな」


※村の民家

リュカ「ごめんくださーい」

老人「はいよ、どちらさん……ふおおおおおおおっ!? キ、キラーパンサーの子供に……なんじゃそのバカでっかい狼のモンスターは!? わしゃかれこれ80余年生きておるが、そんなモンスター見たことないぞ!?」

スライム「うおー! でっけー! かっこいー!」

ケルベロス「ム テレルナ」

フローラ「まあ、しゃべるスライムさんなんてはじめて見ますわ」

リュカ「本当だ、ぼくが前に見た子はしゃべらなかったのに」

スライム「えへへ、オイラは妖精の国生まれだからかなあ? でも、がんばったスライムはしゃべるだけじゃなくて、いろんなことができるようになるんだよ」

リュカ「あ、知ってる! キングスライムとか、スライムナイトとかだよね」

スライム「そうさ、スライムは『可能性のモンスター』なんだよっ」エッヘン

老人「これ、それはワシの受け売りじゃろうが」

スライム「えへへへ……いいじゃん、かっこいいし」

フローラ「ふふ、素敵な呼び方だとわたしも思いますわ」

老人「ふむう……しかしお主ら、よくそのようなモンスターを手懐けたもんじゃのう、危険はなかったのか?」

リュカ「? よくわからないけどみんなはぼくの友達ですから」

プックル「ミャウ! リュカ トモダチ!」

ケルベロス「ワレハ シモベデモ カマワンガナ」

リュカ「もう、ケルベロス!」

ケルベロス「ククク ワカッテイル リュカハ『トモダチ』ダ」

ピクシー「ま、リュカは上下関係とか作るの嫌そうだもんねー」

ジャックフロスト「ヒホー。みんなトモダチ、うれしいホー」


リュカ「そうだ、ぼくたちポワンさまに会いにきたんですけど、どっちに行けばいいかわかりますか?」

老人「ほほう。それならこの先のハスの葉でできた道をまっすぐ行きなされ。その先の屋敷にポワンどのはおる」

フローラ「ありがとうございます、おじいさん」

リュカ「じゃあ行こう。お世話になりました」

スライム「バイバーイ」



老人「……ふむう」

スライム「どうしたのさ、おじさん」

老人「あの子供たちの、男の子のほうがの、なんとも不思議な気配を発しておった。恐ろしい魔物のようでもあり、暖かな陽だまりのようでもあり……さて、長生きというものはしてみるものよ」


※ポワンの屋敷

リュカ「ふわー、キラキラだぁ」

フローラ「宝石でできたお城……すごいです」

ベラ「ぷう! やっと来たねよ! おそいのにも!」

リュカ「あ、ベラ! もう、ベラが勝手に先にいくから道がわかんなくなったんじゃないか」

ベラ「そ、そうだったにょめ? ごめんなも」

*「ふう、だからもう少し落ち着きなさいと、いつも言っているでしょう」

ベラ「あう、ごめんなさいのよ、ルナ」

ルナ「まったく……リュカくんとフローラちゃんですね? ようこそ妖精の国に。私はポワンさまの付き人をしているルナといいます」

リュカ「こんにちは、リュカです」

フローラ「フローラです、こんにちは」

ルナ「ポワンさまが上でお待ちです。ベラ、案内を」

ベラ「はいさ! 2人とも、こっちなにも!」


※玉座の間

ベラ「ポワンさま! ポワンさま! お望みの戦士をお連れしたのだわさ!」

>ぎょくざに ようせいのじょおうポワン が こしかけている
>ポワンは ゆっくりと ひとみを ひらき ほほえんだ

ポワン「ずいぶん可愛いらしい、そして、頼もしい戦士を見つけてきましたね、ベラ」

ベラ「ありゃま。でもあの村であたしに気づいてくれたのはリュカたちだけ……ほえ? 頼もしい?」

ポワン「ふふ、それはまた後で……よくぞ来てくれました、人間族の戦士よ。此度の騒動、本来ならばわたしたち妖精族のみで解決するのが道理。けれど、それができない事態が起きてしまいました。恥を偲んでお願いいたします、どうかわたしたちに力を貸してはくれませんか?」

リュカ「はい、ぼくにできることなら」

フローラ「お力になります。なにをすれば?」

ポワン「春風のフルート。大地の息吹に呼びかけ、春を告げるその妖精族の秘宝を取り戻してほしいのです」

リュカ「取り戻すって、だれかに奪われたんですか?」

ポワン「はい。ザイルというドワーフの少年が『自分が盗んだ、欲しければ取りにきてみろ』と」

フローラ「そんな……ドワーフって、サンタローズのグータフさんのような、やさしい人たちだと思っていたのに」

ポワン「わたしもそう思っています……ですから、妙なのです。春風のフルートは、妖精族の騎士たちに厳重に守られていました。ドワーフが屈強な種族とはいえ、少年一人が奪えるようなものではないのです。それに異界に繋がる門から現れた、そちらの雪精霊たちについても」

ジャックフロスト「ヒホ? ボクのことホー?」

ポワン「そうです。雪精霊たちは門から次々と呼び込まれ、寒さをより酷いものにしています。彼らに罪はありませんが、このままでは春風のフルートが戻ったとしても、冬を終わらせることはできなくなるでしょう」

リュカ「そんな!」

ポワン「……一連の出来事には、それを背後で操るものがいるとわたしは考えています。ですが、わたしは人間界への被害を抑えるので精一杯。門から現れる魔物たちから村を守るため、騎士たちも動かせません。ですから、重ねてお願いします、真相を突き止め、事態の解決を、どうか……法と混沌を統べる王よ、愚かな妖精の願いを聞き届けください」

ベラ「ポ、ポワンさま!?」

>ポワンは ぎょくざをおり リュカのまえに ひざまずいた

リュカ「!? あ、あのポワンさま。だいじょうぶです、ぼく一人だと不安だけど、フローラも、ピクシーも、ジャックフロストも、ケルベロスも、プックルもいるし。ぜったい、解決してみせます! だから、その、頭を上げてください」

ポワン「あ……ご、ごめんなさい。そうね、あなたはまだ、なにも知らない少年……わたしの、不注意ですね。そして、ありがとうリュカ。あなたのその勇気と優しさに、最大の感謝を」

リュカ「はい。それじゃあ、はやくしないと春が来なくなっちゃう! いそがなきゃ!」

ポワン「お待ちなさい。あなたのその優しさはとても尊いもの、けれど時に刃を振るわねばならぬ時も必ずやってきます。そのための力を……これを、お持ちなさい」

>ひかりがリュカのてにあつまり いっぽんのナイフになった!

リュカ「これは?」

ポワン「月光をミスリル銀と混ぜあわせて鍛え上げた銀月のナイフ、アセイミーナイフです。戦いの際は光が刃となり長剣の形をとる秘宝です、持っていきなさい」

リュカ「ありがとうございます!」

ポワン「そしてフローラ、あなたにはこれを」

フローラ「わたしにも?」

>しょくぶつのつるがあつまり つえのかたちになった!

ポワン「安らぎをもたらす花の香りを封じ込めた杖、眠りの杖です。魔物たちを眠らせる力はリュカの道のりの助けとなるでしょう」

フローラ「ありがとうございます、ポワンさま!」

ポワン「ザイルはこの寒さが作り出した氷の館に居を構えています。どうか無事で……そして、ベラ」

ベラ「はいや」

ポワン「戦士たちに、同行を希望しますか? 辛い道のりの案内を、してさしあげてくれますか?」

ベラ「言われるまでもありませんねも。雪ダルマを見つけてくれただけでなく、こうしてやってきてくれた二人を案内しないとあっては、妖精がすたるってものですなめ! それにサンタローズはおばあちゃんの代からうちの一家の管轄、ほっとけるわけありませんもよ!」

ポワン「ありがとう、ベラ。いと高き神よ、全てを慈悲で包む宇宙の女神よ、幼き戦士たちに祝福のあらんことを……お行きなさい、戦士たち。どうか無事な帰りを」


ベラの口調、難しすぎー! でも魅力的だー! 久美沙織さんサイコー!
というわけで今回はここまでです。
リュカとフローラのもらった武器はそれぞれメガテン、DQゆかりの装備です。
アセイミーナイフはペルソナ1準拠の二回攻撃武器、眠りの杖はリメイクDQ3のラリホー無限使用となっています。

え~>>57さんのコメにもありましたが「メガテンなら閣下ださないとなあ」と思っていたわけですが……
ニコニコで「ぷちます!」を見てたせいで「閣下とはるかっか」なるネタを押さえきれなくなり、こんなの書いてしまいました。不快になられた方、ごめんなさい。

>>56さんのMAGに関しての疑問ですが>>4
>ピクシー「この世界は魔力が豊富だし、使用者から吸い取ることもないからだいじょうぶ」
と言っていたように、DQ世界は生体マグネタイトと同等の魔力が溢れており、召喚後のMAG消費は必要ない設定にしています。
ただ召喚時にハンドヘルドコンピュータなどのMAG保存装置がないと、術者の生体マグネタイトが消費され、最悪死亡もしくは灰になります。

さて今回から雪の女王編……ゲフンゲフン、妖精の村編です。
>>58さんの言うように、フローラは幼年期イベントが(ほぼ)ないので捏造してみました。これでビアンカと対等になるはず!

あと>>65さんの言う眼鏡転生ってのはペルソナ4でしょうか? 未プレイなもので……
よかった……閣下もようやく復権なされたか……あとは真レーベルでの復活を!(それが一番難しい)
ご立派様は……どうしよう、誰とくっついても嫁がドン引きするシーンしか想像できない……

では コンゴトモ ヨロシク


>>1です。
サーバー落ちだったのか丸一日ぶりに入れた。復旧してよかった……投下します。



※雪原

ベラ「はやややややや、さささ、寒いのののねのねのねの」ガタガタ

ジャックフロスト「ヒホー、ベラちゃん、だいじょうぶホー?」

ベラ「むむむ、村の中にいたから、ここここ、ここまで寒いとは予想してなかったのだわわわわわさ」ガチガチ

フローラ「わたしたちは厚着してきましたけど、それでも寒いです」

リュカ「そうだね、このままじゃみんな凍えちゃうよ」

ピクシー「あたしはリュカの服の中にいるからわりと平気だけどね」ヌクヌク

リュカ「むう、ちょっとずるいなあ……そうだ、ケルベロス! おなかの下に隠れさせてよ」

ケルベロス「ム ナルホドナ ヨカロウ」

ベラ「おおお、おじゃまするののののめ……ふはああ~、生き返るよのさ~」

フローラ「わあ、すごくあったかいです。リュカさん、どこでこんなこと知ったんですか?」

リュカ「おとうさんから前に聞いたことがあるんだ、旅の途中で雨に降られて冷えたら、馬のお腹の下で温まれって」

ピクシー「なるほどー、で、ケルベロスが馬の代理なわけね」

ベラ「とにかく助かったよのさ……うう、でもまだ寒いにも」

フローラ「ベラさん、プックルちゃんを抱っこすればもっと温まりますよ」

プックル「ミャウ ダッコ イイヨ」

ベラ「ではでは。ほう……にんともかんともモフモフな……」モフモフ

ケルベロス「シカシ コレデハ サキニススメンゾ」

ジャックフロスト「ヒホ。それならボクのトモダチにいっしょに来てもらうホー、この先の洞窟に住んでるホー」

ピクシー「ジャックフロストの友達……あ、なるほど! ランタンね!」

ジャックフロスト「そうだホー、こっちだホー」


※ドワーフの洞窟

ジャックフロスト「ここだホー、ここのドワーフの人たちといっしょに住んでるホー」

リュカ「外と全然違う、すごくあったかいや」

ピクシー「さて、それじゃあランタンを探さないとね」

フローラ「ピクシーさんはジャックフロストさんのお友達をごぞんじなのですか?」

ピクシー「直接会ったわけじゃないけど、知識だけはね。ジャックランタンって言って、こいつらと対になる灯りのオバケよ」

リュカ「ジャックフロストは見た目雪ダルマだけど、その子はどんな姿なの?」

ピクシー「う~ん、簡単に言えば、カボチャ」

リュカ・フローラ『カボチャ?』


ドワーフ「おや、お客さんとは珍しい……なんじゃオマエさんか、雪ダルマ」

ジャックフロスト「ヒホー、ランタンに会いに来たホー」

ドワーフ「ああ、それなら向こうの部屋であいかわらず騒いでおるよ」

ジャックフロスト「ありがとだホー」



ジャックランタン「ヒホー? フロストじゃないかホー!」

ジャックフロスト「ヒホ! ランタン見つけたホー!」

リュカ「あの子がジャックランタンなんだ」

フローラ「まあ、たしかにカボチャの頭ですわ」

プックル「ミャウ オイシソウ」


ジャックランタン2「ホー!? フロストが来たホー!?」
ジャックランタン3「どこだホー? ひさしぶりだホー」
ジャックランタン4「オイラも会いたいホー」


ジャックランタン×いっぱい『ヒホーヒホーヒホー』


ベラ「にょわあああああああっ!? カ、カボチャの大群にゃっぷりゃーーーーー!?」


ジャックフロスト「……と、いうわけでボクたちは春風のフルートをとりに行くんだホー、誰か手伝ってほしいホー」

「オイラが」
「オイラだホー」
「オイラも」
「オイラがやるホー」

ジャックフロスト「そんなにいらないホー、一人でいいホー」

「ヒーホー」
「ジャンケンで決めるホー」
「あみだくじがいいホー」


ドワーフ「驚いたじゃろ? 外の寒さは苦手だと言って、みーんなここに集まってきたんじゃ」

リュカ「ええ、すごい数ですね」

ベラ「うう、しばらくカボチャが食べられなくなりそうなのにも」

フローラ「だれが一緒に来てくれるんでしょうね?」

リュカ「どうだろう……あ、決まったみたい」


ジャックフロスト「決まったホー、コイツがいっしょに行くホー」

ジャックランタン「アンタがリュカだホ? オイラはヨウセイ ジャックランタン。コンゴトモヨロシクだホー」

リュカ「ありがとう、これからよろしくね」


※山道

フローラ「ジャックランタンさんのおかげでずいぶん暖かくなりましたわ」

ジャックランタン「ホー。オイラも洞窟の中ばっかりはつまんなかったホー、だからちょうどよかったホー」

リュカ「でも、だれがこんなに寒くしようなんてこと、考えたんだろう……ピクシー、どう思う?」

ピクシー「うーん、フロストを含めてアクマが大量に呼び込まれてるのには間違いなさそうだけど、それがアクマか、他の誰かなのかはわかんないわねえ」

ケルベロス「チョクセツ ザイルトヤラニ キクシカナイナ……ム! リュカ テキダ!」

>チレイ コボルト があらわれた!
>モンスター ナイトウィスプ があらわれた!
>モンスター カパーラナーガ があらわれた!
>ユウキ ガキ があらわれた!

ベラ「魔物りめ、リュカ! 見たことないのもいるにゃっぷ!」

リュカ「!! あれは、アクマ……? なら、対話プログラムで……!」

ガキ「ギシャーッ!!!」

>ガキ のこうげき!
>リュカは すばやくかわした

リュカ「くっ!」

フローラ「リュカさん!」

ピクシー「ダメ! あいつら正気を失ってる! 話すにしても一度叩きのめさなきゃ!」

リュカ「……なら、やるしかない!」

>リュカは アセイミーナイフを かまえた!


一休みします。夜にまた続きを書けると思います。



初のDARK悪魔との対話か
僕のモーショボーたんとイッポンダタラは出てきますか?

ネミッサの人です。長文で失礼します。
コメント多謝でした。

てっきり雪だるまが悪さしてるのかと思って
正座でお灸を据えようかと……。
ヒーホー君たちがいい子たちで何よりです。

作品は例の続編のほかに
【ほむら「ジョーカー様呪い、という都市伝説」】
も投稿してます。
スレの邪魔なのでアドレスは張りません、ですが
ご興味があればぜひ。

DQ詳しくないけれど、ベラちゃん口調可愛い♪

閣下押しの人、どこかでみた気がします……。


※続き投下します。
※実験的に戦闘シーンをメガテンっぽく描写してみますので、なにか意見ありましたら遠慮なくどうぞ。



>アクマたちは こうふんしている! はなしにならない!
>せんとうたいせいに はいった!
>コボルト ΩΩΩ
>ナイトウィスプ ΩΩΩΩΩΩΩ
>カパーラナーガ ΩΩΩΩ
>ガキ ΩΩΩΩΩ

ケルベロス「テキハ オオイゾ! ユダンスルナ!」

リュカ「ケルベロスはみんなを守って! プックル、いくよ!」

プックル「ガウウ!! プックル オマエラ マルカジリ!!」

ピクシー「援護はおまかせ!」

ベラ「にゃっぷ! 負けないもよ!」

フローラ「わ、わたしはどうすれば……」

ジャックフロスト「ヒホ! ランタン、フローラちゃんを守るホー!」

ジャックランタン「了解ホー!」


>コボルトの こうげき!
>リュカに ダメージ!

リュカ「いつっ!」

ピクシー「なんの! ディア!」

>ピクシーは ディアを となえた
>リュカは かいふくした

>リュカは コボルトに こうげき!
>かいしんのいちげき! 1タイ たおした
>プックルは ガキに こうげき! 
>1タイ たおした

フローラ「す、すごいです……」

ナイトウィスプ「キシェエエエエエッ!」
カパーラナーガ「シャアアアッ!」

フローラ「!? きゃああああっ!」

ケルベロス「フン! サセヌワ! カァァアアアッ!」

>ケルベロスの ファイアブレス!
>ナイトウィスプを 3タイ たおした
>カパーラナーガを 2タイ たおした

ジャックフロスト「おかえしだホー! ブフ!」

>ジャックフロストは ブフを となえた
>ガキに ダメージ!

ジャックフロスト「ヒホ? あんまりきいてないホー」

>ガキの こうげき! 
>ベラは すばやくかわした
>ガキの こうげき!
>ベラに ダメージ!

ベラ「あたた、あぶないもよ! マヌーサ!」

>ベラは マヌーサを となえた
>ガキたちは まどわされた

ジャックランタン「援護するホー! ラクカジャ!」

>ジャックランタンは ラクカジャ をとなえた
>リュカたちの まもりが かたくなった

フローラ「あ、あう……」

>フローラは ようすを みている


ケルベロス「フローラ ネムリノツエ ヲ ツカッテミロ」

フローラ「そ、そうでした! 杖よ、お願い!」

>フローラは ねむりのツエを つかった
>コボルトたちは ねむった

リュカ「いいよフローラ! コレで一気に……『ザンマ』!!」

>リュカは ザンマを となえた
>ナイトウィスプを 4タイ たおした

ベラ「リュカ、すっごいのめ! ならあたしも……ギラだも!」
ジャックランタン「やってやるホー! マハラギ!」

>MIXD! ファイヤストーム
>ガキを 4タイ たおした
>カパーラナーガたちに ダメージ!

ジャックフロスト「あとはあいつらだけだホ?」

プックル「ガウ! オマエラ マルカジリ!」

>カパーラナーガは おそれを なした!
>カパーラナーガたちは にげだした……

ピクシー「おんや? まあ、手間が省けていいか」

>リュカたちは いきのびた

コボルト1「グ、グルル……んん? はて、オレっちは今までなにを?」

ケルベロス「ム ドウヤラ ショウキニ カエッタヨウダナ」

コボルト1「ひえええええっ!? じ、地獄の番犬ケルベロス!? あわわわ、なんだか知らねえが、命ばかりはお助けを~!」

コボルト2「なんだよ、うるせえなあ……ぎゃあああああっ! ケケケ、ケルベロスだああああっ!?」

>コボルト2は ぜんそくりょくで にげだした!

コボルト1「お、おい! オレっちを置いていくな薄情もの~!! ひいい、こ、腰が抜けて……」

リュカ「そんなに怖がらなくても、だいじょうぶだよ」

コボルト1「に、人間のガキがなんでこんなとこに?」

ケルベロス「ワレラノ アルジダ ブレイハ ユルサンゾ」

コボルト1「ひえええええっ! ど、どうかお許しを~!」

リュカ「もう、ケルベロスってば冗談がすぎるよ」

ケルベロス「ジョウダンノツモリハ ナイガナ」

リュカ「もう……まあいいや。ねえきみ、コボルト、だっけ? ちょっと話をききたいんだけど、いい?」

コボルト1「へ? へえ、オレっちにわかることなら」


ピクシー「……結局アンタは、この世界の魔力にあてられて暴れまわってただけだったわけね」

コボルト「へえ、お役にたてず、すんません」

リュカ「気にしなくていいよ、もともとザイルって子に聞きに行くつもりだったんだし」

コボルト「そうなんですかい? ふむう……リュカの旦那、オレっちも連れてってくんなまし! このアクマたちを従えるその度量! いずれ名のあるサマナーになると見ました! オレっちにもその手助けをさせてもらいやせんか?」

リュカ「えっ? 仲魔になってくれるのは嬉しいけど……いいの?」

コボルト「もちろんでさあ! このチレイ コボルト。頑丈さにはちっと自信がありやす! お役にたちますぜ!」

リュカ「わかった、これからよろしくね!」

コボルト「へい旦那! コンゴトモ ヨロシクでさあ!」


ガキ「ギ……ギギギ……」

リュカ「あ、あっちのアクマも気が付いたみたい」

コボルト「ム! ありゃあガキですぜ旦那! 旦那みてえな子供はあいつらにとっちゃエサでしかありやせん! 近づいちゃ危険ですぜ!」

ガキ「ギギ サマナーメ ナゼ トドメヲササナイ? オドサレテモ マッカモ MAGモ モッテナイゾ」

リュカ「そんなことはしないよ。それに、きみがもう襲ってこないなら、殺すことはしたくない」

ガキ「アマチャンノ サマナーメガ オレタチハツネニ ウエニ クルシンデイル ソンナコトガ デキルカ」

リュカ「つねに苦しんで……? そんな……」

ピクシー「……種族特性的にしょうがないのよ、飢えが満たされたガキは存在理由が失われ、消滅してしまう……それが、アクマなの。アイツらは他の生き物を襲って生体マグネタイトを得るけど、それは存在を支えるだけで、飢えを満たしはしないのよ」

リュカ「……かわいそう、だね」

ガキ「ドウジョウハヤメロ! ニンゲンノクセニ アクマヲアワレムナ! ソレトモ オマエノコトヲ クワセテクレルト
イウノカ! キキキキキ!」

ピクシー「こいつ……!」

リュカ「いいんだ、ピクシー。ごめんね……ぼくもまだ死ぬわけにはいかないから、それはできない。けど……」

>リュカは サンチョのべんとうを とりだした

リュカ「これ、食べてもいいから。だからせめて、妖精の村の人たちや、洞窟のドワーフさんたちは襲わないで……ぼくには、それくらいしか言えないよ」

ガキ「ギ、ギギ!?」

ピクシー「リュカ……」

コボルト「旦那……優しすぎますぜ」

リュカ「そうかもね……もう、行こう」

ピクシー「ん」
コボルト「へい」



ガキ「……ヘンナ ニンゲン ダ」


ジャックランタン「交渉は終わったホー?」

リュカ「うん、お待たせ……フローラ? どうしたの?」

フローラ「あ、リュカ、さん……」

リュカ「だいじょうぶ?」

>リュカは フローラのひたいに てをのばした

フローラ「ひっ!」

>フローラは あおざめたかおをして とびのいた

リュカ「フロー、ラ?」

フローラ「あっ……! ご、ごめんなさい! ごめんなさい! わたし、そんなつもりじゃ……!」

ケルベロス「セントウノ キョウフガ オワッテカラ ヨミガエッテ キタノダロウ ソレニ……」

リュカ「それに?」

ケルベロス「……リュカガ タタカウスガタガ……『コロス』スガタが オソロシクナッタ ヨウダ」

フローラ「ち、ちがいます! そんなことありません! 本当に、だいじょうぶですから……!」

リュカ「……ううん、いいんだ。ぼくも、こんな自分のこと、怖いって思うから」

フローラ「……えっ?」

リュカ「ぼくはおとうさんといっしょに旅をしてきたから……何度か魔物と戦ったこともある。魔物だからってわかりあえないことはないって、ずっと思ってるから、やっぱり戦うのはいやだった。でも、そんなことをぼくが思ってるなんて、むこうは知らないから襲ってくる。だから、いやいやだけど戦って、泣きながら魔物たちを……殺して、たんだ」

ベラ「はやや、リュカってねば、その歳でたいしたもんなのめ! ポワンさまが頼もしいっていうのも納得なも!」

リュカ「そんなぼくにおとうさんは言ったんだ……『戦うと決めたら、迷うな。その迷いが、お前を殺す』って。『生き延びてから、泣け。死んだ命を無駄にしないために』って」

コボルト「さすが旦那の親父さん……言うことが違いまさぁ」

リュカ「だから、本当は戦いたくないけど、ぼくだって死にたくない……だから迷わない。戦って、そのあとでいっぱい泣く、いっぱい悲しむ。そうやって生きようって。わけわかんないよね、仲良くしたいのに、その相手を殺して、自分でやったことに泣いてるなんて。怖いよね、こんなの」

ピクシー「リュカ……」

リュカ「だから、さ、それをフローラが怖いって言うなら……しょうが、ない、よ」

>リュカの ひとみに なみだがうかんだ

フローラ「っ! リュカさんっ!」 

>フローラは リュカにだきついた

リュカ「フローラ?」

フローラ「……怖く、ありません! リュカさんを怖がったりなんか、しません! つよく、なります。わたしが、リュカさんを支えてあげられるくらい、つよくなります! だから……だから……っ!」

リュカ「……ありがとう、フローラ」





ピクシー「リュカ、今ならわかるよ、悪魔召喚プログラムをあんなに喜んでた理由が。ずっと、ずっと魔物たちと話したかったんだよね、仲良くしたかったんだよね……」


リュカ「……もう、だいじょうぶ?」

フローラ「ひっく、ひっく……はい、すみません、わたし、つよくなるって言ったのに、泣いちゃって……」

リュカ「ううん。ありがとう、すごく嬉しかった、本当にありがとう、フローラ」

フローラ「は、はう……お、お喜びいただき、光栄ですわ」マッカ


コボルト「ふむふむ。旦那はあの歳でなかなかの女殺しでさぁね」

ベラ「にゅ? そういえばあんた、さっきまで敵だったんじゃないよのさ?」

コボルト「へえ、リュカの旦那のお人柄に惚れて仲魔に加えていただきやした。コボルトってえケチな地霊でござんす、コンゴトモヨロシクってなもんで」

ベラ「ありゃま、リュカってばも! この調子でぞろぞろ魔物引き連れるつもりなってのめ!」

プックル「コボルト プックルノコトバ ワカル?」

コボルト「こりゃあどうも。へえ、わかりやすよおチビさん」

プックル「ミャウ ケルベロスト オンナジ! ウレシイ!」

コボルト「はいいっ!? あ、あの、ケルベロスの兄貴、このおチビさんってば、兄貴の舎弟かなんかで?」

ケルベロス「マ アイボウ トイウトコロカ」

コボルト「ひええええっ!? こ、こりゃまた失礼を! 先輩とお呼びすればよござんすか?」

プックル「ミャウ?」


※氷の館の洞窟

ピクシー「あれから襲撃も少なかったし、順調に来れたわねー」

リュカ「フローラ、だいじょうぶ?」

フローラ「はい、慣れた、とは言えませんが……とにかく、リュカさんを援護することだけを考えられるようにはなりましたわ」

コボルト「しっかし、氷の館とはよく言ったもんで。館だけでなく床も天井もカチンコチンでありまさぁ」

ジャックフロスト「……ヒホ? 仲間の気配がするホー。中にいっぱいいるホー」

ベラ「む! ということは雪ダルマの仲間が犯人だったにょめ!?」

ジャックランタン「待つんだホー、フロストたちはそんなことしないホー」

ケルベロス「ジッサイニミテ カクニンスレバ ハヤカロウ」

プックル「ミャウ! ハンニン マルカジリ!」


※氷の館 屋内

ジャックフロスト1「ヒホー! ロウドウ、つらいホー!」
ジャックフロスト2「アクマのジンケンをシュチョウするホー!」
ジャックフロスト3「カロウシ寸前だホー! ユウキュウをヨウセイするんだホー!」

ジャックフロスト×いっぱい『ヒーホーホー』

>ジャックフロストたちは きょうせいろうどう させられている ようだ
>なぞのキカイが れいきをあつめて どうくつのそとに はきだしている

*「ええいもっとしっかり働け! 雪の女王さまに逆らったら、おまえらの王様がどうなっても知らねえぞ!」

ジャックフロスト×いっぱい『ヒホー!! 王様をいじめないでホー! ちゃんと働くホー!!』

>ドワーフのしょうねんが ムチをふるっている


ジャックフロスト「ヒホー! タイヘンだホー! ボクらの王様がヒトジチにされてるんだホー!」

ベラ「ああっ! あいつがザイルなのよのさ! はて、でも雪の女王さまなんて聞いたことないにも?」

ケルベロス「ソイツガ クロマクノヨウダナ サテ ドウスル リュカ?」

リュカ「うーん、正面からいったんじゃ、ジャックフロストたちが危ないし……」

コボルト「ここは二手に分かれやせんか? 片方が注意を引いて、その間にもう片方が雪ダルマたちを逃がす、ってのは」

ピクシー「まって、フロストの王様が捕まってるんでしょ? それも助けないと」

フローラ「と、なると三組必要になりますね」

ジャックランタン「館の中もわからないホー。迷ったらタイヘンだホー」

プックル「ミャウ テキ オオイト タイヘン」




ガキ「……コマッテイル ヨウダナ」

リュカ「きみは!」

コボルト「やいやいやい! 旦那に見逃してもらったくせに、その恩義も忘れて襲いにきやがったか! 一戦まじえようってんならこのオレっちが相手になって……」

リュカ「まってコボルト。ねえ、きみ……もしかして、助けにきてくれたの?」

ガキ「……アクマデモ レイヲシタイト オモウコトモ アル アノメシハ ウマカッタ ソノレイクライハ シタイ」

リュカ「ありがとう!」

ガキ「コンゴトモヨロシク……ナドトハ イワン サア ツイテコイ コッチガ ウラグチダ」


今回はここまでで。
コボルトのイメージは漫画版『魔神転生』からですね。いや、上田信舟先生大好きなんですよ。
あれもルシファーがかっこよかった。

本来ガキを仲魔にする予定はなかったのですが>>84さんのコメからDARK悪魔の必要性も考えこの展開に。
モーショボーは>>1も大好きなので出したいんですが、ほら、『DQ5』って作品の都合上、女悪魔いっぱい出すと青年期以降がエロエロばっかになるような……(笑)
なに!? むしろそうしろ!? ごもっともで(死) まあそのへんは今後の展開次第なので、ってそればっかだな自分。

>>85さんことネミッサの人、コメ感謝であります。紹介作も見ましたよー。
ヒーホー君を黒幕と思ってしまったのですか。しかし『残 念 だ っ た な !』でしたね(笑)
ベラはゲームでは普通にしゃべってますが、小説版ではベラ含む妖精の子供はみんなあの口調です。
あれを考えた久美沙織先生はすごい。

では コンゴトモ ヨロシク

魔翌力に酔って雪だるま君たちを始めとする氷精がはしゃぎ回っているわけではなく強制労働させられていたのは予想外でした。
悪魔って自分と同格以上の相手でないと従わないのではないでしょうか。
サマナーより強い悪魔も交渉次第ではアイテムやMAG、マッカをくれますが基本的に仲魔にはならない。明らかに格上のケロベロスがリュカに従っている理由もその内出るのでしょうか。DQの魔物は例外はありますが、基本的に一度ぶちのめしどっちが上か教育してからじゃない(野性の世界ならこんな物)と従いません。プックルも悪ガキに人間の恐ろしさを教え込まれたからリュカをスムーズにボスとして認めたかもしれない。

眼鏡転生はリッチャンがヒーローポジのアイマスと女神転生のクロスです。

魔人枠でもょもと(2主人公)、ソロ(4勇者男)、ソフィア(女)、イザ、アルス(3勇者)、アレフ(1勇者)、アリス(東方の人形使い、DQ3勇者、女神転生が混じっている。ネビロス「混線している(がびーん)!?」)って出ますか。


>>1です。投下開始します。

※氷の館 隠し通路

ガキ「コノカイダンダ ツカマッテイルヤツノ ズウタイガ デカイセイデ トクベツノミチガ ヒツヨウダッタカラナ」

リュカ「でも、どうしてそのことを知ってるの?」

ガキ「コノセカイニキタ チョクゴニ ザイルトヤラニ ハコバサレタ カラダ……クソオモカッタ」

ピクシー「あ~……そりゃご愁傷さまだわ」

ガキ「ソノアトハ ジョオウノマリョクデ クルワサレテ アバレテイタ ダケダッタ」

コボルト「そいつはオレっちも同じようなもんっすね。アンタは雪の女王を見たことが?」

ガキ「イイヤ ヤツハ スガタヲミセタコトハ ナイ……イタゾ」


キングフロスト「ホー……オイラ王様なのに、いつまでロウヤ暮らしなんだホー? カナシイんだホー」


ジャックフロスト「ヒホ! 王様見つけたホー!」

フローラ「まあ……たしかにとても大きい方ですわ」


ジャックフロスト「王様ー! たすけにきたんだホー!」

キングフロスト「ヒホー! ホントかホー!? うれしいホー! おまえをダイジンにしてやるホー!」

リュカ「しーっ! 静かにしないと、見つかっちゃうよ! いまは牢屋を開けるのが先だよ」

ジャックフロスト「ごめんだホー。王様、ちょっとまっててホー」

ベラ「でもこの牢屋ってばさ、王様が体当たりすれば壊れるんじゃないかのも?」

キングフロスト「ダメなんだホー。雪の女王の魔力でできてるから、オイラの力は全部キュウシュウされるんだホー」

ジャックランタン「なら、オイラの出番だホ。溶かしてやるホー! マハラギ!」

>ジャックランタンは マハラギを となえた

キングフロスト「アチチチチチ! やるならその前に一声かけるホー!」

ジャックランタン「ごめんだホー。でも、この牢屋なかなか溶けないホー」

ケルベロス「ナラバテツダオウ カァアアアッ!!」

>ケルベロスは ファイヤブレスを はなった!

ベラ「にゅ! あたしもやるよのさ! ギラ!」

>ベラは ギラを となえた
>TRYMIXD! インフェルノ

キングフロスト「アヂャヂャヂャヂャ~~~~!! だから一声かけろと言ってるホーーーーッ!!」


ピクシー「……わざと、ね」

リュカ「うん、わざとだね」


キングフロスト「ヒドイ目にあったホ……でも、助けてくれたことは、ありがとうだホー」

フローラ「ご無事でなによりですわ」

ジャックフロスト「王様が助かってよかったホー」

ケルベロス「サテ アトハ シタノフロストタチヲ タスケネバナ」

リュカ「うん、それじゃあコボルトの言ったように、二手に分かれよう。大暴れして注意を引く組と、みんなを逃がす組で」

ジャックフロスト「ボクは王様やみんなを逃がすホー!」

ジャックランタン「なら、オイラはフロストを手伝うホ。オイラたちの洞窟の近くまでいけば、カンタンには手出しできないホー。でも、フロストたちがいっぱい行ったらビックリするから、オイラが説明しに行くホー」

ガキ「ギギ オレモ ソッチニイコウ ヤカタノナカデ マヨウワケニ イカナイダロウ オレナラ ミチヲシッテイル」

リュカ「うん、ありがとう、お願いするよ。それじゃあ、あとのみんなは暴れる組でいい?」

ケルベロス「ウム コッチノホウガ ヒトデガ ヒツヨウダロウ」

コボルト「敵の親玉もこっちに来るんでやしょう? 壁役はまかせてくだせえ!」

フローラ「ちょっと怖いですけど……リュカさんを助けてみせます!」

ベラ「春風のフルートも取り戻さなくちゃいけないのめ! 最後までお供するよのさ!」

プックル「ミャウ! プックル リュカト イッショ!」

ピクシー「ま、教え子二人の成長っぷりを見るのも先生の役目だしね~」

リュカ「よし! それじゃあ作戦開始だ!」


※氷の館 広間

ザイル「オラオラ! もっと機械に魔力をそそぎこめ! 雪の女王さまのために働くんだ!」

「ヒホー、もうカンベンだホー」
「つらいホー」
「たすけてホー」

――――ドゴォォオオオオンッ!!

ザイル「なっ、なんだこの音は!?」



ケルベロス「テカゲン ムヨウダ! コワシマクレ!」

コボルト「ヒャッハー! 氷は溶解だ! 建造物は破壊だ! 汚物は消毒だー!!」

フローラ「わ、わたしもやります! ブフ! ……あら?」

リュカ「フローラ、氷の建物にブフ撃っても直っちゃうよ……ザンマ! っと」

フローラ「あ、あうう……そうでした」

ピクシー「天然さんよね~、ま、あたしがフォローするよっと……ジオンガ!」

ベラ「にゃはははは! ストレス解消によさそうなのめ! ギラ!」


>リュカたちは すきかってに あばれまわっている!


ザイル「な、なんだあいつらは……! ええい、これ以上勝手なことさせてたまるか!」

>ザイルは ひろまをはなれ リュカたちのもとへむかい かいだんをかけあがっていった……




ジャックフロスト「……ヒホ。チャンス到来だホー」

ジャックランタン「いそいでみんなお逃がすんだホー」


*失敗。まとめて修正……*



※氷の館 広間



ザイル「オラオラ! もっと機械に魔力をそそぎこめ! 雪の女王さまのために働くんだ!」

「ヒホー、もうカンベンだホー」
「つらいホー」
「たすけてホー」

――――ドゴォォオオオオンッ!!

ザイル「なっ、なんだこの音は!?」



ケルベロス「テカゲン ムヨウダ! コワシマクレ!」

コボルト「ヒャッハー! 氷は溶解だ! 建造物は破壊だ! 汚物は消毒だー!!」

フローラ「わ、わたしもやります! ブフ! ……あら?」

リュカ「フローラ、氷の建物にブフ撃っても直っちゃうよ……ザンマ! っと」

フローラ「あ、あうう……そうでした」

ピクシー「天然さんよね~、ま、あたしがフォローするよっと……ジオンガ!」

ベラ「にゃはははは! ストレス解消によさそうなのめ! ギラ!」

プックル「ミャウ! ハシラ ドンドンケズル!!」


>リュカたちは すきかってに あばれまわっている!


ザイル「な、なんだあいつらは……! ええい、これ以上勝手なことさせてたまるか!」

>ザイルは ひろまをはなれ リュカたちのもとへむかい かいだんをかけあがっていった……




ジャックフロスト「……ヒホ。チャンス到来だホー」

ジャックランタン「いそいでみんなを逃がすんだホー」


ザイル「てめえら、何してやがる! ここが雪の女王さまの館と知ってのことなら、いや、知らなくても生きては帰さねえぜ!」

>ドワーフのザイルが あらわれた!
>ザイルは にくしみに かおをゆがめている……

ベラ「知ってて来たに決まってるよのさ! ザイル! 春風のフルートを返しやがれて!」

ザイル「てめえ、妖精か。ポワンの手先か! お断りだね! ポワンは、お前たち妖精は俺たちドワーフを馬鹿にした。俺のじいちゃんが精魂こめて修復した春風のフルートを、品物だけ受け取って金も払わず礼も言わず、薄汚れたドワーフに村にいられたくないって叩き出しやがった! そんな奴らに誰が渡すもんか!」

ベラ「ええっ!? 誤解だってのめ! ポワンさまはドワーフやホビット、魔物にだって優しいお方だっぷ! そんなことするはず、ぜったいあるわけないもよ!」

ザイル「『優しい』? 『ぜったい』? ふざけんな! じいちゃんは、俺のじいちゃんは悔しさのあまり、病気になって死んだんだぞ。最高の仕事に、最低の批判と屈辱を受けて。その悔しさが、無念さがてめえらにわかるか!! 誤解だろうとなんだろうと、じいちゃんは死んだ、その事実は変えられねえんだ。そんなじいちゃんを見取った俺の悔しさも変えられねえ! 正義の味方気取りでのこのこやってきたてめえらなんぞに、このフルートは返さねえ。誰が返してやるもんか!」

フローラ「まってください! あなたの悔しさは当然なのかもしれません、フルートを返したくないのもしょうがないのかもしれません。でも! ジャックフロストさんたちをいじめる必要はないはずです!」

リュカ「そうだよ! きみ、言ってることとやってることがむちゃくちゃじゃないか。ドワーフがいじめられて悔しいのに、ジャックフロストたちを無理やり働かせて、そんなのおかしいよ!」

ザイル「うるせえ! 雪の女王さまがそうしろって言ったんだ! あの方が俺にポワンが悪いって教えてくれた。フルートも取り返してくれた! そしてあの雪ダルマどもを使えば、妖精どもに一泡ふかせられるって言ったんだ! それのどこが間違ってるんだよ!」

ベラ「どう考えてもあんただまされてるにょめ! 正気にもどるよのさ!」

ザイル「黙れこのクソ妖精が! そのピーチクうるさい口、殴り潰してやるぜぇっ!」

>ザイルが ベラに おそいかかった!

ベラ「ひうっ……!」

リュカ「ベラ! 危ない!」

>リュカは ベラをだきかかえて とびのいた!

ザイル「ちっ! すばしっこいやつめ!」

ベラ「た、たすかったよのさリュカ。ありがとのめ」

リュカ「どうしたしまして……ザイル! きみの言ってることが正しいのなら、妖精の村で、ポワンさまの前でそう言えばいいじゃないか! それがこんなとこで引きこもって、それじゃきみが正しくても、誰もそうは思わないよ!」

ザイル「黙れよ! 俺がそんなとこにのこのこ出ていったら、フルートだけ取られてさんざんに痛めつけられるのがオチだろうが! チビのくせに、威勢づきやがって……はん、ぞろぞろと仲間引き連れて、結局てめえ、一人じゃなーんにもできないんだろう? そのでっかい狼の影に隠れて、女二人にチヤホヤされてデレデレして、それで自分がすげえって勘違いしてるんだろ? 怪我しねえうちに帰れよチビ!」

リュカ「チビチビ言うなっ! おまえだって大してでかくなんかないじゃないか! それにぼくはケルベロスの影になんか隠れてないぞ! チヤホヤされても、デレデレだってしてない!」

コボルト「(いや、チヤホヤは本当だと思うんすけど、そこんとこどうですピクシーのアネさん)」

ピクシー「(黙ってなさい。それよりあのドワーフの小僧、あたしを『女』の数に入れないってどういうことよ)」ギリギリ

コボルト「(おお、こわ……)」

*修正*


誤:リュカ「どうしたしまして……ザイル! きみの言ってることが正しいのなら、妖精の村で、ポワンさまの前でそう言えばいいじゃないか! それがこんなとこで引きこもって、それじゃきみが正しくても、誰もそうは思わないよ!」

正:リュカ「どういたしまして……ザイル! きみの言ってることが正しいのなら、妖精の村で、ポワンさまの前でそう言えばいいじゃないか! それがこんなとこで引きこもって、それじゃきみが正しくても、誰もそうは思わないよ!」


ザイル「てっめえ……ドワーフ相手にチビって言ったな? そう言ったやつがどうなるかわかってんだろうな!?」

リュカ「ふん、バカにされて悔しいのはきみもぼくも一緒じゃないか」

ザイル「口だけは達者なヤロウだな! タイマンだぜ? 一対一だ。できるのかよ、お仲間に守られてるてめえによ!」

リュカ「……ああ、やってやるさ。フルートを賭けて勝負しろ、ザイル!」

ケルベロス「リュカ! ヤツニコダワッテハ……」

リュカ「わかってる、まだ雪の女王がいる……でも、ごめん。ぼくが一対一でやりたいんだ」

ケルベロス「……ナラバイイ ゼンリョクヲ ツクセ」

フローラ「リュカさん! わたしも手助けを……!」

ピクシー「ダメだよ、フローラ。これはリュカの『男の戦い』なんだから、他の人は手出ししちゃダメなの」

リュカ「……ありがと、ピクシー」

ピクシー「勝ちなさいよ」

リュカ「うん。フローラも、その気持ちはうれしいよ。でも、ごめんね」

フローラ「……はい、わたし、リュカさんを信じてます!」

プックル「ミャウ! ガンバレ リュカ!」

コボルト「旦那、『漢』っす! 惚れ直しやした!」

リュカ「ありがとう……さあ、ザイル、勝負だ」

ザイル「けっ……かっこつけやがって! ズタボロにして、てめえの仲間に情けない姿さらさせてやんよ!」


ザイル「いくぜオラァ!」

>ザイルのこぶしが リュカにおそいかかる!

リュカ「ぐっ!」

>リュカはガードした! しかしダメージはおおきい!

ザイル「もういっちょう!」

リュカ「……ザンマ!」

ザイル「がっ!? 魔法だとぉ!?」

>リュカのザンマ! ザイルをはじきとばした!

ザイル「……調子にのるなよてめえぇぇぇっ!!」

リュカ「ぐぐっ! ぎっ!」

>ザイルのれんぞくこうげき! リュカはたえている!

ザイル「は、ははっ! どうしたどうした! やっぱ俺の相手をするにゃあ、まだ早かったみてえだな、チビ!」

リュカ「く……ぐぐ……」

>リュカは たえている
>かべぎわに おいこまれた




フローラ「ああっ! リュカさんっ!」

ピクシー「だいじょうぶ、みてなさい」


>リュカは ボロボロだ
>かべにもたれかかり たっているのも やっとにみえる

ザイル「へっ! どうやらここまでだなあっ!」

リュカ「……きみが、ね」

ザイル「なに……? っ!?」

>ザイルのわきばらに ひかりのやいばが そえられている
>ザイルがみをひいても ぴったりとおいついていく

リュカ「アセイミーナイフの光の刃は鉄だって切り裂くんだ。動いたら、きみも真っ二つだよ」

ザイル「て、てめえ……俺を誘い込んだのか? この状況に、俺が逃げられないように? なんでだ……なんで最初からその剣を使わなかった!? それがあれば、てきとうに振り回したって、俺の手足は切り落とされていたのに!」

リュカ「ぼくは、きみを殺したいわけじゃない。それにきみは、ドワーフがいじめられないようにしたいんだろう? それなら話しあわなきゃ解決しないよ。今のきみのやりかたじゃあ、ドワーフがいじめて、妖精がいじめられるようになるだけじゃないか、そんなのおかしいよ」

>リュカは ナイフをおさめた

ザイル「!? ふ、ふざけんな! なんで剣を引く? 舐めてるのかよ!」

リュカ「違う。お願いだザイル、春風のフルートを返してくれ。ぼくはドワーフの人たちと戦いたくなんかない。だって、ぼくがみんなと、仲魔たちと出会えたのは、グータフさんに、薬師のドワーフの人にこのハンドヘルドコンピュータをもらったおかげなんだから」

ザイル「グータフ……サンタローズの……? ち、ちくしょう! そういうことかよ! ポワンのやつめ、なんで、なんでおまえみたいな野郎を寄越しやがったんだ! 俺にはお前は殺せねえ! 殺せるわけがねえ! ドワーフは、仲間の受けた恩義は決して忘れねえ、どんなに離れていたって、何年過ぎたって、誰が、どんな恩義を受けたか全部知ってるんだ! ああそうだよ! グータフのことだって俺は知ってる、何があって、誰に感謝をしているのかだって! それがお前なら、俺は手を出せねえ、殺せるわけがねえんだ! ちくしょう! ちくしょう!」

リュカ「ザイル! じゃあぼくがドワーフの人たちと友達だってわかってくれたんだ!」

ザイル「うるせえっ、だからってフルートは返さねえぞ! ドワーフは恩も忘れねえが、恨みだって忘れねえんだからな!」


ピクシー「決着ね。リュカってば、不器用なんだから……ま、それがあの子の魅力か」

フローラ「よ、よかったです。ああでも、はやく傷を治さないと」

ベラ「ふみゅう……さっきからザイルの話、どうも気になりますのめ。あのう、お取り込み中失礼しますにも」

ザイル「あん? 何度言ってもフルートは返さねえからな」

ベラ「その、おじいさんが追い出されたのってば、いったい、いつのことなんですかのよ?」

ザイル「いつ? そいつはええっと、ひのふの……ああ、面倒くせえ! とにかく、俺がまだ赤ん坊のときだ!」

ベラ「ちなみにお歳は?」

ザイル「百とちょいだ! それがどうしたクソ妖精!」


フローラ「ドワーフの方って長生きなんですね……リュカさん、今治します。ベホイミっ!」

>フローラは ベホイミを となえた
>リュカのきずが かいふくした

リュカ「ありがとう、フローラ……うん、気持ちいいや」

フローラ「ふふ、ようやくお役に立てた気がします」


ベラ「百年前の……んで、ちょいと誤差が……うん、間違いないのだわさ」

ザイル「なにをブツブツ言ってやがんだよ! ついに頭イカれたか?」

ベラ「失礼な! はっきり言うにも、それ、ポワンさまの時代と違いますめ」

ザイル「へ?」

ベラ「さっきも言いましたにも、ポワンさまは開けっぴろげなくらい懐の深いお方なのめ。妖精、ドワーフ、魔物、時には人間だってかまわず妖精の国に招きますのねの。前女王のキリオさまのころから仕えていた妖精なんかは、それが気に入らないって出て行っちゃったもんもいるくらいだものそれ」

ザイル「で、でも、雪の女王さまは」

ベラ「そこですのめ。ポワンのやり方が気に入らないって出て行った妖精たち……つまりキリオさまの一派はなんて言ってたか知ってるにも?」

ザイル「……なんて、言ってたんだよ」

ベラ「『汚らわしいドワーフや人間、ましてや魔物なんかと一緒にいたくない』ですのめ」

ザイル「……っ!?」

*修正、えらい間違いを……*

誤:ベラ「そこですのめ。ポワンのやり方が気に入らないって出て行った妖精たち……つまりキリオさまの一派はなんて言ってたか知ってるにも?」

正:ベラ「そこですのめ。ポワンさまのやり方が気に入らないって出て行った妖精たち……つまりキリオさまの一派はなんて言ってたか知ってるにも?」


ベラ「はわわわわわ、ポワンさまに怒られるのめ! 作者のバカ~~~~!!」

ポワン「別に怒りませんよ……私、そんなに怖いですか?」


――――ゴゴゴゴゴゴゴ

リュカ「な、なんだ? 地震?」

ケルベロス「キヲツケロ! ナニモノカノ マリョクガ チカヅイテイル!」

コボルト「親玉がいよいよおいでなすったかい!」

>きょうだいな れいきが ふきあれる!
>れいきは モンスターのかたちを とった!

――――キエエエエエッ!!

>モンスター ブリザード があらわれた!
>モンスター ひょうがまじん があらわれた!

ザイル「ゆ、雪の女王さまだ……雪の女王さまが怒っているんだ! ちきしょう、お前らのせいだ! お前らが、俺にポワンは悪くないって信じこませようとするから!」

ベラ「まだそんなことを! ポワンさまはやってないって言ってるんだも!」

フローラ「ベラさん! ザイルさん! そこにいては危ないです! 早くこっちへ!」

ベラ「はいさのよ! ザイル、あんたもこっち来るのめ!」

ザイル「う、うるせえ! 信じられるか、妖精の言うことなんて。俺を助けてくれたのは雪の女王さまだけなんだ! お前らの言うことなんて、全部うそっぱちに決まってるんだ!」


ケルベロス「ザコニヨウハナイ! カァァァァアアッ!!」

>ケルベロスの ファイヤブレス!
>ひょうがまじんたちは ぜんめつした
>ブリザードたちは ぜんめつした

ケルベロス「タワイモナイ……ムッ!?」

>モンスター ブリザード があらわれた!
>モンスター ひょうがまじん があらわれた!

リュカ「また出てきた!? なら……ピクシー、合わせて! ザンマ!」
ピクシー「りょーかいっ! ジオンガ!」

>MIXD! サンダーインパルス!
>ひょうがまじんたちは ぜんめつした
>ブリザードたちは ぜんめつした

>モンスター ブリザード があらわれた!
>モンスター ひょうがまじん があらわれた!

ピクシー「げげっ……」

コボルト「き、きりがないっすよ!?」

プックル「ガウウ! オオスギ!」

ケルベロス「ドコカラ コレダケノ マリョクヲ……ソウカ! アノキカイダ!」

ピクシー「フロストたちから集めた魔力をこう使うってわけね! 二手に分けたのが仇になったわ……先に機械を壊していれば!」


*『ホホホホホホ! よくも私の計画を邪魔してくれたね!』


リュカ「この声……これが雪の女王!?」


>ゆきのじょおうの こえがひびく!

雪の女王『ポワンの手先ども、一人たりとも逃がしはしないよ。世界の全てを凍りつかせるために集めたこの魔力で、全員氷付けになるがいい! ホホホホホホ!』

>れいきが さらにきょうりょくになった!
>てきが さらにふえた!

ベラ「ひゃわわわわ! 寒い寒い寒いのものや!」

フローラ「て、手が……冷たい……です……」

ベラ「フローラ!? はわわわ、たいへんだなも! このままじゃフローラ、凍え死んじゃうよのさ!」

リュカ「フローラ! くっそう! じゃまするなおまえらぁ! ザンマ! ザンマ!」

ピクシー「リュカ!? やけを起こしちゃダメ! 魔力がなくなっちゃうわよ!」

ケルベロス「カァァァアアアッ! クッ! ランタンガイレバ テワケシテ タイオウデキルモノヲ!」

コボルト「ラクカジャ! ラクカジャ! ひいい、もう補助魔法かけらんないっすよ!」

プックル「ガウウウッ! アシ クッツク! ウゴケナイ!」

雪の女王『ホホホホ! 踊れ踊れ、愚かなポワンの手先どもめ! ああ、それにしても、なんて美しい子供たち。リュカに、フローラ。お前たちはことさら丁寧に氷詰めにして、永遠にあたしのそばにおいてあげるよ。汚れず、年をとらない、美しいままに! 喜ぶがいい、人間の分際で、そのような栄誉にあずかることができることをねぇ』

リュカ「じょうだんじゃっ……ないやっ! そんなの嬉しくない!」

フローラ「わたしも……いやです! 大人になれないなんて、おことわりです!」

ザイル「女王さま? なんで、なんで、そんなやつらを? 俺は、俺はどうなんです? 俺を、頼りにしてるって……そう言ってくれたのは、うそだったんですか!?」

雪の女王『おだまりザイル! あたしはこの子たちが気に入ったの、お下がり! 邪魔をしたらおまえとて容赦はしないよ!』

ザイル「くっ……ふん! ざまあねえぜ! おまえらみんな、雪の女王さまに氷付けにされちまえ!!」


※ドワーフの洞窟


ガキ「ブジニ トウチャクシタ ヨウダナ」

ジャックランタン「ここならもう安全だホー」

「ヒホー、たすかったホー」
「自由だホー」
「バンザイだホー」

ジャックフロスト「ヒホー……」

キングフロスト「どうしたホー? おまえはオイラたちの英雄だホー。もっと胸をはるホー」

ジャックフロスト「リュカたちが心配なんだホー。王様を閉じ込めるくらいだから、敵はすごく強いホー。でもボクなんかが行っても役には立てないホー、それが悔しいんだホー……」

キングフロスト「ヒホ……ジャックフロスト、オマエをダイジンに任命するホー。そしてオイラの力を分け与えるホー、その力であのニンゲンの子供たちを助けるホー。これはメイレイだから逆らったら許さないホー」

ジャックフロスト「ヒホー!? 王様、ありがとうだホー!」

キングフロスト「礼はいらないホー。さあ、オイラの力を持っていくホー」

>キングフロストから ちからがながれこむ……

ジャックフロスト「ヒホ! ヒホホホホホ……ヒーーーーーーホーーーーーーー!! みなぎるホーーーーー!!!」

キングフロスト「さあ、行くんだホー! ダイジンの役目を果たすホー!」

ジャックフロスト?「ヒホー! リュカ、いま助けに行くホー!」


※氷の館


>ふぶきが ふきあれている!

リュカ「う、うう……からだが、うご、かない……」

フローラ「寒い、です……それに、すごく、ねむくって……」

ベラ「寝ちゃダメよのさ! ああもう二人とも体が半分雪に埋もれちゃってるのめ!」

ケルベロス「カァァァアアアッ!! ……ハァ、ハァ サスガニ キツイ」

コボルト「も、もう百体は倒したんじゃねえですかい? ……ちょ、プックル先輩しっかり!」

プックル「ミャ、ウ……カラダジュウ イタイ……」

ピクシー「ディ、ディア……うう、あたしも、限界、かも……」


雪の女王『ホホホホホ。ホホホホホホホホ!』


ザイル「……か、関係ねえ。あいつらがどうなったって、俺の知ったこっちゃねえ! あいつらが、こんなとこまでやってきたあいつらが悪いんだ!」

リュカ「う……うう……ザ、ザイル!」

ザイル「!?」

リュカ「頼みが、あるんだ。フルートを、フルートを村に、返してほしい」

ザイル「い、いやだ! なんで俺がそんなことを!」

リュカ「さっきの勝負、ぼくは勝てなかったけど、負けなかっただろ? 一人じゃなにもできないやつなんかじゃないって……そのくらいは、認めてくれたよね? だから……さいごの、たのみ、だか、ら……」

ザイル「さ、最後の頼みだって? おい、ふざけんなよ。そ、そりゃお前は女王さまの力で死んじまうんだろうけどさ、な、なんで俺がその頼みを聞いてやらなきゃ……」

リュカ「きみと……ともだちに……なりた、かっ……」

ザイル「ば、ばっか野郎! そ、そんなこと……!」


フローラ「リュカ、さ……ん……」

ケルベロス「リュカ! シッカリシロ! エエイ ジャマヲスルナァッ!!」

ベラ「は、う……リュ、カ……あたしも、ヤバイ、よの……ホ、イミだけ、でも……」

コボルト「旦那! 旦那! しっかりしてくだせえ! 旦那ぁ!!」

プックル「ガウウウ……リュカ、マモ、ル……」

ピクシー「リュカ……死んじゃ、ダメ……」


ザイル「な、なんでだよ……なんでお前は、妖精とも、魔物とも、ドワーフとだって、悪魔とまで、平気でともだちになっちまうんだ? なんでみんな好きになれる? みんながお前を好きになる? ずるいぜ、ひいきだぜそんなの! 俺だって……俺だって……!!」

>ザイルのめから なみだとともに なにかがこぼれおちた……


ザイル「う、あ? 今、なにかが……!?」

>ザイルの ひょうじょうから にくしみが きえた!

ザイル「!? こりゃあやべえ! おまえら、今助けるぞ! うおおおおおおおおおおっ! 邪魔だあぁっ!!」

雪の女王『ザイル!? なにをするの、おやめ!』

>ザイルが モンスターたちをけちらした!

ザイル「おい、しっかりしろおまえら! いま雪の中から引っ張り出してやる!」

>ザイルは リュカ、フローラ、ベラのてを まとめてつかまえた

ベラ「はにょも……? にょえええええええっ!?」

>そして ちからまかせに ほうりなげた!

フローラ「きゃあああああっ!?」

リュカ「わああああっ!?」

ケルベロス「ム! ヨクヤッタ! アトハマカセロ!」

>ケルベロスが くうちゅうで さんにんをつかまえた!

リュカ「ふう、ありがとうケルベロス。ザイル! 助けてくれてありがとう!」

ベラ「あたたたた、乱暴すぎるのめ! もうちょいスマートにたすけるよのさ!」

フローラ「まあまあ、おかげで意識もはっきりしましたし……へくちんっ」

ピクシー「ふう、リュカにつかまってたあたしはふっとばされるかと思ったわよ……」

ザイル「悪りぃ、カンベンしてくれ。焦っちまったもんでな」

ベラ「はれ、ずいぶんとま、素直になったよのさ。どういう心境の変化なんだも?」

ザイル「……こいつだ。こいつがおいらの目に突き刺さってたんだ」

フローラ「氷の、棘?」

ベラ「ひー、想像しただけで痛そうなのめー!」

ザイル「そう、ものすげえ痛いんだ。だからこいつが突き刺さってると、世の中のなにもかもが憎らしくてたまらなくなる。心が氷みてえに冷たくなって……なにもかも、我慢できねえくらい頭にくるように見えるんだ」

>ザイルは こおりのトゲを にぎりつぶした

ベラ「はや、どうりでなに言っても信じてくれなかったわけなも」

ザイル「リュカのおかげさ。あんだけさんざん殴って、疑って……それなのに、リュカはおいらのことを信じてくれた。あんまりあったかい心に触れたから、棘が涙で流れ落ちるくらい溶けて小さくなっちまったんだ」

リュカ「だったら、それはザイルの心が温かかったからだよ。でなきゃ、ザイルは迷わずぼくを殺していただろうし、アセイミーナイフがあったって、かなうわけなかった。できるだけ傷つけたくないって……ザイルがそう思ってくれていたから、ぼくはこうして生きているんだ」


――――ゴゴゴゴゴゴゴゴ


雪の女王『おのれえええええっ! ザイルゥゥゥゥ! 許さんぞ裏切りものぉ! お前もろとも皆氷付けにしてくれるぅぅぅ!!』

>モンスター ブリザード があらわれた!
>モンスター ひょうがまじん があらわれた!
>モンスター ブリザードマン があらわれた!

ピクシー「うへぇ……やっぱあの機械を壊さないとこの大群は終わらないわよねえ」

ザイル「こうなったのもおいらの責任だ。こうなりゃあいつら振り切って機械を壊しに……」

リュカ「まって! そんなことしたら囲まれてたどり着けないよ!」

ケルベロス「ムウ コウナレバ ゼンインデ トッパヲカケルノガ サイゼンカ……?」


――――ヒュゥゥゥゥゥゥゥン


コボルト「はて? なんの音で?」


――――ズガァァァァアアンッッ!!


ベラ「な、なにごとなのめ!?」

フローラ「!! 見てください! 魔物たちが!」

>ブリザード はきえさった!
>ひょうがまじん はきえさった!
>ブリザードマン はきえさった!


雪の女王『なっ!? 魔力装置が壊された!? ええい一体何者だ!?』


ジャックフロスト?「ボクだホー! ヒホー! リュカ、助けに来たホー!」

リュカ「ジャックフロスト!? その恰好は!?」

フロストエース「ボクはもうただのジャックフロストじゃないホー! ゲンマ フロストエース 参上だホー!」


今回はここまでです。
雪の女王編終われなかった……次回で終わらせたいです。
小説DQ5とにらめっこしながらの執筆なもので引用したい文の取捨選択が難しいったらないったら……

最近メアリー・スー判定とか中二病キャラ判定とかを見たもので、執筆中にそのへんが気になったりします。
特に『みんなに好かれる』という点で原作からしてリュカはトップクラスなわけで……まあ、母親のマーサからしてチートキャラなわけですが。
原作は気にならないようにバランス取れてるわけですが、COMP持たせたリュカがイヤミなキャラにならないかヒヤヒヤしてます。
特に今回はそのものズバリなザイルのセリフもあるし。

悪魔合体に関しては必須要素なので出しますが、青年期からの予定です。
幼年期からからポンポン合体してたらバランスブレイカーどころじゃない(笑)
合体剣は考えてなかったので検討してみます。
>>98さんの質問ですが、真1、真2で序盤でケルベロスが仲魔になるという『お約束』として出してます。
DQの魔物はゲームだと倒してからが定番ですが、小説版ではリュカの人柄に惚れて戦闘前、戦闘途中に仲間入りする描写が多いので、本作もそれに準拠してます。
魔人枠で紹介してもらったキャラはなかなか魅力的なんですが、範囲広げすぎると自分は爆死すると思うので……ちょっと出せそうにないです。ゴメンナサイ。
眼鏡転生の説明ありがとうございます。でも行っても見れなかった(泣) 保存ツールからなもんで……

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

話の流れ的にガキの飢えが満たされている。レベルアップでクラスチェンジできる真Ⅲの要素もありますか。
明らかに氷河魔人もブリザードも幼年期に出て良い強さの魔物じゃない。レヌール城の動く石像の例も有るから雪の女王が楽に使役できるレベルに抑えられている。青年期に本来の強さの氷河魔人、ブリザードと戦い思わぬ苦戦を強いられる事があるかもしれない。
ケルベロスはⅠだとふつおの飼い犬のパスカルがベースですし、Ⅱではマダムからの貸出です。Ⅰは縁者を悪魔召喚の対価にする事で本来なら従わせる事が出来ない格上の悪魔と契約を結ぶある意味、正当な手順なので主人公が格上の悪魔を従わせた理由としては充分だと思います。
リュカの謎のカリスマにベルセルクの転生グリフィスを連想した。ゲマがリュカを殺さず奴隷に落し原作のルートにしたのは魔王となる御子の試練の一環だったかもしれない。多くの屈強な魔物を従え魔王を討つ…付き合いが浅い人間が見れば魔王の座を巡っての魔族の内輪揉めにしか見えない。ヘンリーでもリュカを信じきれるか。魔物や悪魔を従える謎のカリスマに恐怖を感じるかもしれない。


>>1です。投下開始します。


雪の女王『おのれ妖精風情が生意気な! 私の魔力で皆まとめて粉々にしてくれる!』

>むすうの こおりのつぶてが おそいかかる!

フロストエース「ヒホー! やらせないほホー! 『水の壁』!!」

>フロストエースは みずのかべをはった!
>ながれるげきりゅうが れいきと つぶてを さえぎる!

フロストエース「ボクの攻撃はおまえに効かないけど、おまえの攻撃ももう、みんなには効かないホー!」

雪の女王『おのれ、おのれ、おのれぇぇぇぇっ!! こうなれば、私直々に始末してくれるわぁぁぁっ!!』


>うずまくれいきが ひとがたにあつまっていく……
>こおりの かめんを かぶった ゆきのじょおうが すがたをあらわした!


雪の女王「覚悟おし! ポワンの手先どもに、裏切り者のザイルめ!」

*いきなり修正。テンション下がるなあ……*

誤:フロストエース「ヒホー! やらせないほホー! 『水の壁』!!」

正:フロストエース「ヒホー! やらせないホー! 『水の壁』!!」


リュカ「あれが、雪の女王」

ザイル「ああ、そうだ……雪の女王! 教えてくれ、妖精の、ベラが言ったことは本当なのか? おいらのじいちゃんを追い出したのは、キリオって女王だったのか!? そうだとしたら、なんでそんなウソをついたんだ!?」

雪の女王「うるさい、うるさいぃぃ!! 裏切り者の問いになど、答える必要はないぃぃ!! その水の壁ごと凍り付け! マヒャド! ブフラオン!」

>ゆきのじょおうの シングルMIXD! アイスコフィン!
>みずのかべが やぶられた!

フロストエース「ヒホー!? も、もういっぺん水の壁だホー!」

雪の女王「やらせないよ! 雪妖精! お前からバラバラにしてやる!」

フロストエース「ヒホー!?」

リュカ「!! ケルベロス!」

ケルベロス「マカセロ! カァァァァッ!!」
ピクシー「あたしも! ジオンガ!」

>MIXD! ライトニングフレイム!
>ゆきのじょおうを ひるませた!

雪の女王「おのれ! ならばこれでどうだ! ヒャダイン! マハブフーラ!」

>ゆきのじょおうの シングルMIXD! ブリザード!
>もうれつな ふぶきが ふきあれる!

フロストエース「間に合わないホー! ボクが壁になるホー!」

>フロストエースは リュカたちを かばった
>かんぜんには ふせぎきれない!

フロストエース「だいじょうぶかホー?」

コボルト「うひぃぃ! さっきに比べりゃマシですが!」

プックル「ガウ! チカヅケナイ!」

ピクシー「あの機械の補助がなくなっても、強すぎるわ!」

雪の女王「ホホホホホホ! 当然でしょう、あの雪妖精の王を捉えたのは誰の力だと思って? そう、私は世界を冬で包んでみせる、汚れのない、永遠に美しい世界に! この仮面の力があればそれができるのよ! ホホホホホホホ!」




ガキ「……ナラバ ソレガナケレバ イイノダナ」

ジャックランタン「いいこと聞いたホー」


>ゆきのじょおうの はいごから ガキと ジャックランタンが えんぐんにかけつけた!

雪の女王「っ!?」

ガキ「クラエ! キシャアアアッ!!」
ジャックランタン「アギラオだホー!!」

>MIXD! フレイムクロー!
>こおりのかめんに きずをつけた!

ガキ「ヒルンダゾ! イマダ!」

コボルト「やるじゃねえですかい! オレっちも行くぜえええっ! 『怒濤の連打』!!」
プックル「ガウァアアアアアッ!! オマエ マルカジリ!!」
フロストエース「やってやるホー! 『スピンキック』だホー!!」

>TRYMIXD! トライアングルアタック!
>ゆきのじょおうの たいせいが くずれた!

雪の女王「な……舐めるなぁっ! カァァァァッッ!」

>ゆきのじょおうは つめたくかがやくいきを はきだした!

ケルベロス「サセヌ! カァァァァァッ!!!」
ベラ「あたしもやるっぷ! ギラ!」

>MIXD! フャイヤストーム!
>かがやくいきを かきけした!

雪の女王「ば、バカな……あたしは勝っていたはずだ! こいつらの、どこにこんな力が!?」

フローラ「いまですリュカさん! ベホイミ!」

>フローラは ベホイミを となえた
>リュカに ちからが もどった!

リュカ「うん! ザイル、あの仮面を壊す! 力を貸して!」

ザイル「ああ、まかせろ! 来い、リュカ!」

>ザイルは ひざをおとし ふみだいのしせいを とった

リュカ「だああああああああっ!!」
ザイル「行け、リュカ! でやああああああっ!!」

>リュカが じょそうをつけ ザイルの くんだうでに あしをかける!
>ザイルは リュカを ゆきのじょおうの ずじょうになげとばした!

リュカ「ピクシー! ジオンガを!」

ピクシー「りょーかい! ジオンガァァッッ!!」


>MIXD! サンダーブレード!!


雪の女王「バカな……そんな、ことがぁぁぁあああああっっ!!」

リュカ「てやあああああああああっ!!!」


>ゆきのじょおうの かめんを まっぷたつにきりさいた!!



>ゆきのじょおうは ちからなく たおれふした
>たちこめていた れいきが うすれていく……

リュカ「や……やった、の?」

フローラ「し、死んでしまったのでしょうか?」

ピクシー「ううん、気絶してるだけみたい」

ベラ「はや! あったかくなってきたってのよ! にゅ? そういえば、春風のフルートはどこでしょうねも?」

ザイル「ああ、それならおいらが持ってるよ。ほら、持っていきな」

ベラ「はやや、ありがとなも! でも、いいよのさ?」

ザイル「ああ、リュカを見てればわかるよ。誰とだって仲良くできるリュカを使いに選んだポワンは……いや、ポワンさまは、じいちゃんを追い出したりなんてしないってことが」

リュカ「ザイル……ありがとう」

ザイル「よせよ、照れるぜ。それより、おいらは妖精や、その雪ダルマや、魔物たちにひどいことをしちまった……ちゃんと、あやまらないとな」

フローラ「だいじょうぶです。きっと許してくれますわ、だって、今のザイルさんはすごく澄んだ目をしていますもの」

ザイル「そうかな……そうだったらいいな」


ガキ「フン イキテイタカ アクウンノ ツヨイヤツダ」

リュカ「ありがとう、助けに来てくれて」

ガキ「レイナラ カボチャニ イエ コイツガ ウルサイカラ ツキアッタ マデダ」

ジャックランタン「ヒホ。でもガキだって反対しなかったし、何度もチラチラ後ろを振り返ってたホー?」

ガキ「……メシガ ウマカッタカラ シンダラ ザンネンダト オモッタ ダケダ」

ピクシー「そーいうのツンデレって言うこと、知ってる?」

ガキ「サアナ」

コボルト「素直じゃねえやつでさねぇ」


雪の女王?「う、うう……」

ベラ「あっ、雪の女王が気が付いたにょめ!」

プックル「ガウウ……マタ タタカウ?」

リュカ「まって……なんか、ずいぶんフラフラしてる。危なくはなさそうだよ」


雪の女王?「……ひっ! よ、寄るな! ポワンの手先どもめ! そうやって、あたしからなにもかも奪っていくのか! せっかく手に入れた氷の仮面も、雪妖精たちも、ザイルも!」

ベラ「ああっ! やっぱり、キリオさまだも! どうにも声に聞き覚えがあると思ったよのさ!」

ザイル「なんだって!? それじゃあ……あんたか! あんたがおいらのじいちゃんを侮辱して、村から追い出したのか!」

キリオ「ひいっ! ザイル、ザイル。お前まで私を責めるのか。目をかけてやったあたしを、拒絶するのか」

ザイル「答えろっ! どうしてウソを教えた、どうしておいらの目を狂わせた、どうしてじいちゃんを追い出した!」

キリオ「……ポ、ポワンの治世を崩すためだ。あたしは冬の妖精、春の妖精たるポワンとは相容れぬもの。妖精族にふさわしきは冬の精錬さ、雪の美しさ。断じてポワンのような、春の汚泥にまみれた混沌たる治世ではない! それは美しくない、あたしは美しい、あたしは正しい! それを成すのに必要なのは、冷徹なる精神を持つものに他ならない。だからザイル、おまえに汚れに惑わされない目を与えてやったのだ!」

ベラ「ふにゃも……まあ、そりゃ春の泥んこのなかで遊んだら汚れるには違いないですけどねも」

フローラ「春はきれいなお花が咲きますし、それで土いじりをするのは、わたしもおかあさまも大好きですわ」

リュカ「だよねえ。つくしや木の芽でつくるおかずもおいしいし」

ベラ「んに。それでお花見しながらのお酒がまた……ああ、サンタローズのショウガ酒、また飲みたくなってきたよのさ」

ザイル「おいらにウソを教えたのも、ポワンさまを憎ませるためか」

キリオ「そ、そうだ。それの何が悪い? ポワンは、あの愚昧なる妹は、憎まれて然るべき存在だ! あ、あたしは悪くない!」

ザイル「それじゃあ、じいちゃんを追い出したのはなんでだ! フルートの修復を頼んだのは、あんたたちだったはずだ! それを、どうして礼もせずに追い出した!」

キリオ「そ、それは……」

ザイル「答えろっ! 答えないなら……!」

>ザイルは こぶしをにぎりしめた

キリオ「ひいいいいっ!!」

リュカ「……ザイル、ダメだ。キリオさんは怯えてる……それは、弱いものいじめは、ドワーフのやりかたじゃないんだろう?」

ザイル「……そう、だな。その通りだ。話してくれ、どうしてじいちゃんを追い出したのか、他ならぬ、あんたから聞きたい」


>キリオは まよっている……
>やがて ふるえながら かたりはじめた

キリオ「あ、あのものは……あのドワーフは、言った。こ、このあたしに……雪の女王に、氷の女に、冬の妖精に、あ、あ……愛していると! その寂しさを、なぐさめてやりたいなどと!」

>キリオのひとみに なみだがにじんでいる

キリオ「泥まみれの、すすけた顔のドワーフが、このあたしに、汚れなき冬の妖精に、ぬくもりを与えようとしたのだ! だからあたしは拒絶した! 愛など欲しくはなかった。愛は危険じゃ、愛は穢れじゃ。あ、愛されなどしたら……あたしは溶けてしまう! 穢れなき処女雪が、汚泥にまみれて無残に変わり果ててしまうではないか! 愛は怖い、愛は恐ろしい。あたしは、あたしは変わりたくなどない! 寂しくてもいい、一人でもいい! 変わりたくない、永遠に美しいままでいたい! 愛などいらぬ、ぬくもりなどいらぬ! なのに、なぜそなたらは愛を求める、ぬくもりを求める? なぜポワンのような穢れた春を望む! 寂しさを埋めるものってなに? 知らない、知らない、そんなの知らない! そんなのいらない!」

>キリオは おさなごのように なきじゃくっている……

ベラ「はやや……なんとも、これは……」

ピクシー「驚きの、筋金入りのツンデレね……拒絶ばっかしてて、どうすれば許容すればいいのかわからなくなったんだわ」

ベラ「にゅむ。寿命が長いってのも、考えものなのだも」

ザイル「……よく、わかった」

>ザイルは ゆっくりと キリオにちかづく……

リュカ「ザイル?」

――――パチン!

>ザイルが キリオのほほを たたいた

キリオ「え……いた……い……?」

ザイル「それで、今までのことはチャラにしてやるよ……ったく、ポワンさまより年上のくせに、ガキみてえな理由で騒ぎ起こしやがって。ほれ、立ちな」

>ザイルは キリオのうでをひいて たちあがらせた

ザイル「おいらと一緒にポワンさまに謝りにいくぞ。んで、本当にポワンさまのやり方が悪いかどうか、近くで見てしっかり勉強するんだな」

キリオ「え……? あ、あたし、は……」

ザイル「わかったら返事!」

キリオ「は、はいっ!」





ピクシー「……ほほう。なるほどねえ」

コボルト「ククク、ザイルのやつ、うまくやりやしたねえ」

ベラ「にゅひひひひ。これにて一件落着、なのだも!」


※妖精の村


ポワン「リュカ、フローラ、そしてその仲魔たち……よくぞ大任を果たしてくれました。ありがとうございます。ベラも案内の役目、ご苦労でした」

ベラ「にゃむ。それほどでもないですのな!」

ポワン「さあ、さっそく春を告げる調べを奏でましょう」

>ポワンは はるかぜのフルートを ふきならした
>はなびらのかたちをした まりょくが はなふぶきとなり ゆきをとかしていく

リュカ「わああ……」

フローラ「きれい……」

ポワン「これで、サンタローズの気候も元にもどるでしょう」

リュカ「ありがとうございます。ところで、ザイルたちは……」

ポワン「ええ。私の元で仕事を手伝ってくれることになりました。キリオ姉さまとはまだ、少しぎこちないですが……それでも、いつか共に笑える日が来ると信じています。リュカ、あなたたちのように」

リュカ「えへへ……よかった」

フローラ「あの、ジャックフロストさんたちはどうなされるのですか? 冬が終わったら、住む所が……」

ポワン「心配いりませんよ。キングフロストどのの力で、この世界に留まることに支障はないようですし、夏の暑い日などは、ジャックランタンたちと居場所を交代することで過ごすそうです。ドワーフたちも、夏場が涼しくなって助かると言っていました……期せずして、私の理想である魔物たちとの共存をあなたたちに叶えてもらいましたね。重ねてお礼を言います。リュカ、フローラ、本当に、ありがとうございました」

フローラ「は、はう……きょ、きょうしゅく、ですわ」

ポワン「ふふ……私たちはあなたたちの活躍を語り継ぎましょう。幼くも優しい、二人の勇者の伝説を。この先、なにか困ったことがあれば、またこの村を訪ねていらっしゃい、必ず力になりましょう」

リュカ「はい!」

ポワン「名残はつきませんが、そろそろ帰らなければサンタローズの人々が心配してしまいますね。さようなら、リュカ、フローラ。またいつか、運命の交錯するその時にお会いしましょう、優しき、法と混沌の王よ……」

リュカ「さようなら、ポワンさま、ベラ。また会おうね!」

フローラ「さようなら、みなさん! また、いつか、きっと!」

ベラ「にゃっ! またね、リュカ! フローラ!」


>リュカたちは ひかりのかいだんを かけおりる
>ようせいのむらは しだいに とおざかっていった……


※妖精の村 玉座


ベラ「……いっちゃったのめ」

ポワン「さみしいですか? でも、きっとまた会えます」

ベラ「……はいさ! それじゃあポワンさま、あたしはルナの手伝いをしてくるにゃっぷ!」

ポワン「ふふ、仕事が溜まってるみたいですよ? がんばってね、ベラ」

ベラ「にょわわわわ~! ひーん、リュカと冒険してたほうが楽だったよのめ~!」

>ベラは ぎょくざのまを さっていった

ポワン「ふふ……さて、もう出てきても大丈夫ですよ、閣下」



ルイ・サイファー「ああ、気を使わせてすまないね。ポワン」

はるかさん「かっかー」



ポワン「では、こちらが今回の事件で使われた仮面です」

ルイ・サイファー「うむ……確かに、聖エルミン学園の事件で使われたものだ。この世界に流れついていたとはな。回収できてよかったよ」

はるかさん「ヴぁ~い」コクコク

ルイ・サイファー「彼女は……キリオは、どのような経緯でこの仮面を?」

ポワン「声が聞こえたと言っていました、『お前の望みを叶える力をやろう』と。気付くとこの仮面を手にしていたそうです……今後もこのような事態が起きるのでしょうか?」

ルイ・サイファー「間違いないな。さて、混沌の仕業か、はたまた別の存在か……やっかいなことだ」

はるかさん「かっか!」

ポワン「それでその中心には、やはりリュカが?」

ルイ・サイファー「ああ。彼を取り巻く運命は我々の世界の者も巻き込んで、急速に廻り始めている。逃れることは不可能だ……心配かね?」

ポワン「ええ、それはもう……」

ルイ・サイファー「ふふふ……そういえば、たまらず何度も口走ってしまっていたな、『法と混沌の王』と。できることなら、今すぐにでも彼の元に飛んで行って、かしずきたいのではないのかね?」

ポワン「そ、それは……! もう、閣下。あまりこのか弱い妖精をいじめないでください」

はるかさん「はるかっかー!」ケラケラ

ルイ・サイファー「はは、すまないね。さて、私はそろそろお暇するとしよう。キングフロストあたりに気付かれるかもしれんからな。ポワン、君も職務に頑張りたまえ」

ポワン「……それ、閣下が言っていいセリフではないと思いますが?」

はるかさん「かっかっかー!」コクコク

ルイ・サイファー「ははは、それはまあ勘弁してくれ。私が真面目に働くということは、すなわちハルマゲドンの準備ということだからね。私はもう少し、人間たちの、悪魔たちの、その命の営みを楽しんでいたいのさ……では行こうか、はるかさん」

はるかさん「かっか!」ピョン

ルイ・サイファー「では壮健でな。妖精女王よ」

>ルイ・サイファーは トラポートを となえた!


※リュカの家 地下室


リュカ「よっと! 帰ってきたんだね」

フローラ「階段も消えてしまいました……でも、夢なんかじゃありませんよね」

>フローラは ねむりのつえを りょうてでにぎりしめた

ピクシー「けっこう長く向こうにいたけど、どんくらい時間がたっちゃったのかな?」



サンチョ「はあ……心配だ……坊っちゃんたち、無事だろうか……って、坊っちゃん! おかえりなさいまし!」

リュカ「サンチョ! ただいま! ねえ、どのくらいぼくたち留守にしてたの?」

サンチョ「お昼すぎに出かけられて、もうすぐ翌日の朝になるというところですよ! ああ、思ったよりお早いお帰りで、サンチョは一安心でございます!」

ピクシー「時間の流れが、ちょっと違ったみたいねえ」

フローラ「でも、おかあさまにあまり心配をかけずにすみそうで、なによりですわ」


※翌日 昼


リュカ「それじゃ、フローラのおかあさんずっと気絶してて、今日やっと起きたの?」

フローラ「はい、おかげで心配をかけずにすみました……本当は、いけないことですけどね」

ピクシー「ま、子供はちょっとくらい悪ガキのほうがたくましく育つし、いい経験よ」

リュカ「ふぁ~あ……帰ってきたのが朝だから、まだちょっと眠いや」

フローラ「ふぁ……そうですね。暖かくなってきましたから、よけいに、ですね」

ガキ「フン キノヌケタ ハナシダ」

フロストエース「ヒホ。ランタンと一緒にお花見するホー」

ジャックランタン「ホー、楽しみだホー」

コボルト「よござんすねえ」

プックル「ミャウ タノシソウ!」

ケルベロス「ワレモ サケガノミタイ トコロダ」

リュカ「そういえば、妖精の国にいたみんなは、向こうにのこらなくてよかったの?」

フロストエース「ヒホ! リュカやフローラちゃんと一緒がいいホー!」

ジャックランタン「こっちのほうが、楽しそうだホー」

コボルト「オレっちは旦那についていくっす!」

ガキ「……フン アマチャンサマナーノ シニザマニ キョウミガ アルダケダ」

ピクシー「だからそれ、ツンデレって言うんだけど?」

ガキ「シラン」

リュカ「あはは、でも、みんなありがとう」


メイド「お嬢様ー! フローラお嬢様ー!」

リュカ「あ、フローラ、呼んでるみたいだよ」

フローラ「あら、なんでしょう? はーい! ここですわー!」



メイド「ここにおられましたかお嬢様。明日、この村を離れますので準備をしておくようにと、奥様から」

フローラ「え……?」

メイド「お忘れですか? この村には雪見をしにきたのであって、雪解けが始まったなら、もう帰らなくては」

フローラ「あ……そ、そう、でしたね。でも……」

リュカ「……だいじょうぶだよ、また会えるさ」

フローラ「そ、そうですよね! あの、またこの村に遊びに来たいのですけど、次はいつになるでしょうか? そうだ、今度はおとうさまやお姉さまもつれて……!」

メイド「……お嬢様、申し訳ありません。旦那さまからの申しつけで、サラボナに帰られましたら、お嬢様はすぐに修道院へ花嫁修業に行くことになっております。残念ですが、それが終わるまでは」

フローラ「え……? もう、この村に、来れない? リュカさんとも、会えない……? あの、ハナヨメシュギョウって、何年、かかるんですか……?」

メイド「……十年。早くても、八年はかかるかと」

フローラ「そ、そんな……! いやです! 修道院なんかいきたくありません! 帰りたくありません! そ、そうだ! わたし、リュカさんの家の子になります! サンチョさんに、毎日おいしいお料理をつくってもらうんです! プックルちゃんや、フロストエースさんと毎日遊ぶんです! ピクシーさんに魔法教えてもらうんです! ケルベロスさんに乗って、リュカさんといっしょに冒険するんです! それから、それから……!」

メイド「お嬢様……お気持ちはわかりますが、どうか、お聞き分けを」

フローラ「いやです! いやです! いやです! う、ううっ……うぇぇぇえええ~~~~~ん!!」

リュカ「……フローラ。泣かないで」

フローラ「ひっく、ぐすっ……リュ、リュカさん、は、わたしがいなくても、平気、なんですか? はなればなれは、いやだって、言ってくれないんですか?」

リュカ「ぼくだっていやだよ。フローラとずっと会えなくなったら、さみしい……でも、フローラには、おかあさんがいるじゃないか。よその家の子になるなんて、そんなおかあさんを悲しませることを言ったらダメだよ」

フローラ「あ……」

リュカ「だいじょうぶ。すっごく長い間会えなくなっても……ぼくたちは友達だ。きっとまた、会えるよ」

フローラ「…………は、い」

メイド「……お嬢様、奥様には私から了承の旨を伝えておきます。今日は、リュカさまと楽しんでください」

フローラ「ありがとう……ございます」

メイド「いえ。リュカさま、お嬢様をよろしくおねがいします」

リュカ「はい、ありがとうございます」


ピクシー「……ねえリュカ。あたしたち、村のみんなの手伝いをしてくるわ。だから、ゆっくり二人で話したらどうかな?」

リュカ「え? でも……」

コボルト「……旦那、そうしなせぇよ。オレっちたちがいたんじゃ 気が散るでしょうし……」

ガキ「……ニンゲントハ セワガヤケル イキモノダナ セイゼイ ワカレヲ オシムコトダ」

ジャックランタン「元気だすんだホー」

フロストエース「ヒホー、フローラちゃん、泣かないでホー……」

フローラ「みなさん……ありがとう、ございます」

ケルベロス「キニスルナ ユクゾ プックル」

プックル「ミャウ……フローラ ナカナイデ」ペロペロ

フローラ「プックルちゃん……ありがとう、帰ってくるまでには、元気になりますから……」


リュカ「……みんな、いっちゃったね」

フローラ「そう、ですね」

リュカ「なに、話そうか……? なんだか、いっぱい言いたいことがあったはずなんだけど、よくわかんなくなっちゃった

フローラ「わ、わたしもです……不思議ですね、リュカさんにあったのは一昨日のことなのに、もっとずっと前から、と、友達だったように思うんです」

リュカ「うん、ぼくもそう思う……ヘンだね、二人とも」

フローラ「ヘン、ですね……ふ、ふふふっ」

リュカ「よかった、やっと笑ったね」

フローラ「あ……わたし、笑って、ましたね。おかしいですね、さっきまで、あんなに悲しくて、苦しくて……めちゃくちゃになりそうだったのに、リュカさんと話してたら、もう、平気なんです」

リュカ「ぼくのせいかな?」

フローラ「はい、リュカさんのせいです……うふふふっ」

リュカ「……はは、あはははっ」

フローラ「リュカさん……すごく長い間、会えなくなりますけど、わたし、きっとまたこの村に来ますから……その時まで、待っててくださいますか? また、会ってもらえますか?」

リュカ「うん。待ってるよ、きっとまた会おう。約束だ」

フローラ「はい、約束です」


>こゆびをくんで ゆびきりげんまんを した


『ゆびきりげんまん うそついたら 針千本 のーます 指きった』


リュカ「みんなはちりぢりに行っちゃったし……これからどうしようか?」

フローラ「そうですね……そうだ! お互いのこれまでを話しませんか? リュカさんがどんなところを旅してきたのか、わたしのおとうさまやおかあさま、お姉さまがどんな人なのかを」

リュカ「うん! そうしよう。それじゃあどこかゆっくりできるところに……?」


>みちのむこうから たびすがたの せいねんが ちかづいてくる
>サンタローズでは みかけないかおだ
>そのみぎてには COMPを みにつけている!

リュカ「ぼくとおなじ、デビルサマナー……? っ!?」

『やさしそうなサマナーでよかった』

>リュカは ピクシーのことばを おもいだした

リュカ「(それって、ひどいサマナーもいるってこと……? ジャックフロストたちみたいに、力ずくで言うことを聞かせるサマナーのほうが多いってこと!?)」

フローラ「リュカさん……?」

青年「……こんにちは、子供たち」

フローラ「こ、こんにちは」

リュカ「……こんにちは」

>リュカは けいかいしている

青年「ぼうや、僕と同じデビルサマナーみたいだね。若いのに、すごいじゃないか」

リュカ「い、いえ。それほどでもない、です」

フローラ「リュカさんと、同じ……?」

青年「立派なCOMPだ。さぞ、激戦を潜り抜けてきたサマナーのものだったんだろうね……少し、見せてもらってもいいかい?」

リュカ「え、と……(どうしよう)」

フローラ「あ、あの……あなたは、ひとさらいの方ですか?」

青年「え?」

リュカ「フローラ?」

フローラ「だ、だって、最近子供たちをさらうひとさらいが多いって、おかあさまが言ってました! リュカさんと同じことができるなら、ひとさらいだって簡単にできます! でも、そんなことしちゃ、ダメです!」

青年「……ふ、ふふふっ。あははははっ! ちがうよ、僕は人攫いなんかじゃないさ。COMPを悪用だってしてないよ。約束する」

フローラ「本当ですか?」

青年「ああ、本当さ」

リュカ「……あの、ぼくにようがあったんじゃないんですか?(なんだろう……なんか、いやな気分だ)」

青年「あ、ああ御免よ。そうだね、ナイトを無視して姫に声をかけるもんじゃなかったな」

リュカ「?」

フローラ「ナイトと、姫……? そ、それって……はううっ」マッカ

青年「それじゃあ、少しでいいから、COMPを見せてもらえるかな? ……ダメかい?」

リュカ「(なんだろう……いやな気分になったのに、この人のこと、嫌いになれない……あ、そうか! おとうさんに似てるんだ、この人。それなら……いいかな)どう、ぞ」

青年「ありがとう……ああ、やっぱりいいCOMPだ。きっと……きっと、いろんな人の思いが詰まっているんだろう……」


青年「ありがとう、大切なものを見せてくれて」

リュカ「あ、えと、はい」

青年「……ねえぼうや? いいかい、どんなに辛く苦しいことがあっても、負けちゃダメだよ。くじけちゃ、ダメだ。がんばれよ」

>せいねんは リュカをしばしみつめて さらにつづけた

青年「それでももし、どうしようもなくなって、立ち上がれなくなったなら……仲魔たちを信じるんだ。その力じゃなく、君との絆を。どんなに離れ離れになったって、どんなに傷ついたって……きっと、君と仲魔たちは、プログラムだけじゃない、本当の契約で……魂の絆で、繋がっているはずなんだから」

リュカ「魂の、きずな……? も、もちろん! ぼくはそう簡単にくじけたりなんかしないよ! 仲魔たちだって、ずっといっしょさ! でも、どうして急にそんなことを言うの? あなたは誰? ひょっとして、おとうさんの、兄弟?」

フローラ「まあ、ではリュカさんのおじ様?」

青年「いや、違うよ……お嬢ちゃん、君もきっとこれから先、悲しいことがあるかもしれない。でも、その涙をぬぐう人物はきっと現れる。約束を、果たすために。それを、忘れないで」

フローラ「えっ……?」

青年「もう、行かなければ……ありがとう。君たちに出会えて、よかった」

>せいねんは ふたりに せをむけ あるきだした

リュカ「えっ! ま、まって! まってよ!」

>リュカは せいねんを おいかけた
>しかし そのすがたは どこにもみえなくなっていた……

リュカ「いない……いったい、誰だったんだろう」

フローラ「リュカさーん! ……あの、あの方は?」

リュカ「見失っちゃった……まあ、いいや。帰っちゃったんだよきっと」

フローラ「そうですか……」

リュカ「それより、さっき話してたフローラの話が聞きたいな。ぼくの家にいこう」

フローラ「はい! わたしもリュカさんのお話、聞きたいです!」


※翌日 ビスタの港


ルドマン夫人「フローラ、サンタローズの村は楽しかった?」

フローラ「はい、おかあさま」

ルドマン夫人「よかったわ。あのリュカと言う子には驚いたけど……悪い子じゃなかったみたいだし、フローラに友達ができたことは純粋によかったと思うわ」

フローラ「はい……(リュカさん……どうして見送りにきてくれなかったんでしょう? なにか急な用事が? それともやっぱり、わたしのことなんて……)」


「フローラー!!」


ルドマン夫人「あら? あれは……」

フローラ「!! リュカさん!?」


>リュカは ケルベロスにのって みなとにかけつけた!


リュカ「フローラ! 遅れてごめん! ちょっと準備してたら遅くなった!」

フローラ「リュカさん! よかった……すがたが見えなかったから、わたし、不安で……」

リュカ「ごめん、これを作ってたんだ」

>リュカは フローラに ピンクのリボンを さしだした

フローラ「これは……?」

リュカ「サンチョに手伝ってもらって作ったんだ。ほら、お姉さんの話をしたとき、髪が長いのはうらやましいけど、顔にかかって邪魔そうだからできないって言ってたから……髪留めのリボンを作ったんだ、もらってくれる?」

フローラ「!! はい……はい! もちろんです! わたし、宝物にします! ずっと大切にします!」

リュカ「よかった! それから……フロストエース!」

>リュカは COMPから フロストエースをよびだした

フロストエース「ヒホー!」

フローラ「まあ、フロストエースさんも見送りに来てくれたんですか?」

フロストエース「ヒホ! ボクもフローラちゃんと一緒に行くホー! ガードマンだホー!」

フローラ「ええっ? でも、フロストエースさんはリュカさんのお仲魔なのでは……」

フロストエース「リュカはトモダチいっぱいいるホー。でも、フローラちゃんは、シュウドウインに行ったら一人ぼっちだホー。あたらしくトモダチできるまでさみしいホー、だからボクがいっしょにいれば、さみしくないホー」

フローラ「フロストエースさん……! あの、おかあさま!」

ルドマン夫人「ふう……しょうがないですね。フロストエース、といいましたか? 私の娘、フローラのこと、しっかり守ってくださいね?」

フロストエース「ヒーホー! まかせるホー!」

フローラ「ありがとうございます! おかあさま!」


>ふねの しゅっこうじこくになった

フローラ「みなさん来ていただけるなんて……本当にありがとうございます」

ピクシー「あたしの二番弟子だしね? 魔法の勉強、ちゃんとしなさいよ」

ジャックランタン「フロストをよろしく頼むホー」

コボルト「お嬢さん! キレイになって帰ってくるのを旦那と一緒に待ってますぜ!」

ガキ「セイゼイ ナキムシヲ ナオスコトダナ」

ケルベロス「シバシノワカレダ タッシャデナ」

プックル「ミャウミャウミャウ!」

フローラ「リュカさん、プックルちゃんはなんと?」

リュカ「また、遊んでねってさ」

フローラ「はい、ふふ」

フロストエース「ヒホー、リュカたちも元気でホー!」


「船が出るぞーぉ!!」


フローラ「……リュカさん! また、サンタローズ村に会いに行きます! だから……さよならじゃありません! また、いつか!」

リュカ「うん! またね、フローラ!」


今回はここまでです。
雪の女王戦、出会いイベント、フローラお別れ(捏造)と三連イベントを一気に書くのはきつかった……
次回はラインハット編……さて、覚悟をきめるか。

今回の執筆中にBGMとしてアニメDQアベル伝説のED曲『夢を信じて』を聞きながら書いてみたのですが……
いや、これはDQ5にも合う。いいものだ。
ちなみに前回、戦闘シーンBGMでFC女神転生Ⅱの戦闘シーン曲を聴いてました。DQにロックもなかなかオツなもんです。

ネミッサの人、毎回コメ感謝であります。お互い主人公の立ち位置には苦労しますな(笑)
本作を書くにあたり、パッと思いついたのは『ケルベロスにまたがり、肩にピクシーを乗せる幼少リュカ』なもので、
そのイメージを大切に書きたいと思っています。

>>122さんの言うように、ベルセルクのグリフィスもリュカの未来の姿の一つとして考えられるんですよね。
そうなると真3の人修羅のイメージになりますな。『親父が死んで、僕は壊れた』……ヤバイ、ハマりすぎてる。
あとケルベロスがリュカに従う理由……資質が高くて、優しいやつだからってことじゃダメでしょうか?
基本、小説DQ5のリュカのイメージを大事にしたいんで、あんまりメガテンの殺伐世界観ばかりを押し付けたくないもので。

フローラルートやった上に資料でフローラ画像(エロ有)集めまくったもんでかなりフローラ寄りになってます(笑)
双子の名前はポピー(ポピレア)はパパスが名前の元だから使えますけど、
ティミー(ティムアル)はビアンカの父、ティムズ・ダンカンが元だから使えないんですよね。
なので男の子は公式のレックスか、フローラの父ロベルト・ルドマンから取ってつける必要があるかと。
女の子もポピーのままじゃひねりがないので変えるつもりです。
一応ゲームプレイ時に使った、上記をふまえた名前でいくつもりですが、なにか案がありましたらお願いします。
こりゃかっこいい! ってのが来たらマジで使わせてもらいたいので、よろしければお願いします!

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

フローラ好きの俺得展開でビックリ!
今まで色々な幼馴染妄想をしてきたがこの展開は考え着かなかった。>>1さん、やはり天才か……
そしてポワンさまが傅くとか、そこはかとないエロスを感じて興奮したww

雪の女王は死なずに改心、ザイルとの共闘と、幼年期らしい流れ、終り、完璧です。
魔物達は弱肉強食で強者でも運に見放されれば容赦無く死ぬ自然界の住人ですし、自然界より緩いとはいえケルベロス達は契約が掟の魔界の住人。妖精族は何となく波長が合ったからで付き添うに足る理由になりそうですが、飢えが本質のガキが優しいだけで協力出来るとは思えない。充足と飢えを与える何かをリュカが持っていないと付き添い続けるのは無理な気がします。
ケルベロスはパパスの霊がプックルと悪魔合体して過去に跳んだとか因縁が有った方が自然な感じがします。ケルベロスの対応を見ると息子の相手をする優しい親父って感じです。

リュカに惹かれたゲマが、ミルドラースを越える為の試練となるためパパスを殺し父親の仇になり、原作の試練を用意したとかどうでしょうか。自らが新たな魔王(リュカ)の生贄になる事も計画の内だったとか。

子供の名前は
フローラの双子=レックス(兄)、タバサ(妹)
ビアンカの双子=ポピー(姉)、ティミー(弟)
デボラの双子=クーパ、アニー
をイメージしています。
C,N属性の仲魔は何人嫁にしても気にしないし、結婚の席で全員貰えば良いと発言しそう。D属性は、そんな事はどうでも良いと切って捨てそう。
やたらと結婚に反対するピエール(スライムナイト♀)と悩むリュカの相談に乗るケルベロスが浮かんだ。


>>1です。投下開始します。


※リュカの家にて

リュカ「あれ? サンチョ、ジャックランタン知らない? さっきこっちに来たと思うんだけど」

サンチョ「ええ、あのカボチャなら……」

ジャックランタン「ホー、鍋、煮えたホー」

サンチョ「はいご苦労さん。いやいや、おかげで薪やら火種やらが節約できて助かるよ。ケルベロスはそのへんの火加減が苦手みたいだからねぇ」

ジャックランタン「オイラはカマドじゃないホー。でも、おいしいもの食わせてもらってるから、文句が言えないホー」

リュカ「あはは……ごめんね」

コボルト「うーい。薪割り終わったっすよー」

ガキ「ザンパンショリ オワッタゾ モウナイノカ」

リュカ「サンチョ…………」

サンチョ「はい? なんですか坊っちゃん」

ピクシー「適応しすぎじゃない?」

ケルベロス「ゾンガイ タクマシイ ヤツダ」


※数週間後


リュカ「ラインハットに?」

パパス「うむ。ラインハット王から手紙が届いてな、相談があるということで呼ばれている。リュカ、お前も来るか?」

リュカ「んと……どうしようかな……」

サンチョ「おや坊っちゃん、あたしが一人になることを心配してくださるんで? ありがとうございます。ですが、このサンチョのことは気にせず、どうか坊っちゃんの好きなようになさってくださいな」

ピクシー「ふふ、一緒に行きたそうな顔してたもんねえ」

リュカ「う。ぼくそんな顔してた?」

ピクシー「そりゃもう、ねえ?」

サンチョ「ええ、坊っちゃんは隠し事がヘタでございますよ」

リュカ「うう~っ」

パパス「ははは、決まりだな。ならば明日出立するとしよう。正直、ワシもケルベロスに乗るのは楽しみでな、お前がついてきてくれて嬉しいよ」

リュカ「そうなの? えへへ……」

サンチョ「さて、そうなれば早速お二人の支度をしなくては! 坊っちゃん、コボルトを人手に貸してくださいな。あいつは見かけによらず器用なもんで、旅支度にはうってつけなんですよ」

リュカ「うん、わかった。呼んでくるね! おーい! コボルトー!」



コボルト「へーい旦那! オレっちをお呼びでー!?」



※ラインハットへの道


リュカ「ケルベロス! もっと速く走っていいよ!」

ケルベロス「マカセロ!」

プックル「ミャウ! ケルベロス ハジメテ ノッタ! ヤッパリ スゴイ!」

ピクシー「きっもちいい~~!」

パパス「ははははは! 馬とは乗り心地が違うが、これはやはり痛快だ! わははははは!!」



関所番「んん……? ひ、ひいいいいいっ!? で、でっかい魔物が、全速力で迫ってくるうううううっ!?」

>せきしょのばんにんは おおあわてで やりをかまえた!



パパス「む、いかんな。ケルベロス、そろそろ足を止めてくれ」

ケルベロス「ココロエタ……ムウ オビエサセテ シマッタヨウダナ」

リュカ「まずかったかな……ごめんなさい、おとうさん」

パパス「いや、大丈夫だ。なんとかなるだろう」


関所番「ななな、何者だ!? ここここ、この関所は命に代えても通さんぞ!?」

パパス「落ち着いてくれ。ワシはパパス、ラインハット王、ベルギスの呼びかけに応えてやってきた。これがその手紙だ」

関所番「!! た、たしかにこの印章は王家のもの……では貴方が……! 失礼いたしました! どうぞお通りください!」

パパス「うむ。職務ご苦労」

関所番「痛み入ります!」


ピクシー「リュカのお父さんって、すごい人みたいねえ」

リュカ「うん! すっごいんだ!」


※ラインハット城下前


リュカ「それじゃケルベロス、悪いけどハンドヘルド……やっぱ長いや、COMP、だっけ? に入っててね」

ケルベロス「ウム マチデ サワギニナルワケニモ イカンカラナ ダガ キケンナトキハ スグニヨベ」

リュカ「うん、ありがとう」

>ケルベロスを COMPに もどした

パパス「何度見ても不思議だな。その中に弁当や着替え、お前の仲魔たちが入っているのだろう?」

リュカ「うん。これをくれたグータフさんには感謝しないとね……そういえば、これは譲ってもらったって言ってたけど、ぼくの前には誰が使ってたんだろう? ピクシーは知ってる?」

ピクシー「ううん。あたしはこの世界に来る時、その寄り代にそのCOMPを選んだだけだから……データ化して最初に会ったのはリュカだったし、前の持ち主は知らないの。ケルベロスなら知ってるかもね」

リュカ「そっか。じゃあ今度聞いてみようっと」

パパス「さて、そろそろ城に向かうとしよう。プックルもはぐれぬようにな」

プックル「ミャウ! プックル ソンナドジ シナイ」

リュカ「そんなことしないってさ」

パパス「ははは、すまんな。さあ、行くぞ」


※ラインハット城


ピクシー「立派なお城……なんだけど、ちょっと傷や補修の痕が多すぎない?」

パパス「うむ。ラインハット王家は何世代も前から、血族同士の争いが絶えなくてな……これらの傷跡は、その戦いの名残だ」

ピクシー「うへ。そういうの聞くと、人間ってば悪魔よりひどいって思っちゃうわ」

パパス「否定できんのが辛いところだ」

リュカ「血族って、家族や親戚ってことでしょ? それなのに殺し合いをするなんて……悲しいね」

パパス「そうだな……今回ワシが呼ばれたのも、それに関わっている。次の王を兄弟どちらにするかで悩んでいるらしい。なにしろそんな歴史をもつ王家だ、またいつ争いが起きるか解らん」

リュカ「お互い、助け合えればいいのにね」

パパス「まったくだ。リュカのような子供でもわかる論理を、理解できぬようになってしまう……大人が愚かなのか、王家が愚かなのか、はてさて……」

ピクシー「人間って、メンドクサイのね~」

パパス「まあ、その面倒くささもまた、人間の魅力というものなのかもしれんがな」

リュカ「(やっぱり、おとうさんはすごいや。オトナになるって、こういうことなのかなあ)」


※玉座の間


ベルギス王「おう、畏友パパス! よくぞ来てくれた! 遠路はるばる、すまなったのう」

パパス「ごきげんうるわしゅう、陛下。これなるが我が息子リュカにございます。リュカ、挨拶を」

リュカ「お、おはつにおめにかかります?」

ベルギス王「ははは、無理をせずともよいよ。ふむ、さすがはパパスの子。なにやらもう不敵な面魂を持っておる。して、こちらの小さなお嬢さんは?」

ピクシー「妖精のピクシーです、陛下。これなるリュカを主として、また友人として共にあらせて頂いております」

リュカ「(ピクシーすごいや! ああ、ちゃんと挨拶できなかったのぼくだけじゃないか……あとでピクシーに礼儀作法も習わなきゃ)」

ベルギス王「ほう! これはこれはご丁寧に。ではこちらの猫どのもリュカの友人かね?」

リュカ「は、はい!」

プックル「ミャウ!」

ベルギス王「うむうむ、よき子を持ったな、パパス……しかしすまぬなリュカよ。余はそちの父と少々込み入った話をせねばならぬ。待つのも退屈であろう、城の扉の開いているところは好きに探訪してよいから、しばし見物してくるがよいぞ」

リュカ「ありがとうございます。それじゃおとうさん、行ってきます」

パパス「うむ。また後でな」


※ラインハット城内


ピクシー「さて、どこを探検してみる?」

リュカ「そうだなぁ……」


*「だから俺はあったけえもんが食いたいって言ってんだろうが!」

*「こいつは冷たいままで食う料理だとさっきから言ってるだろうが!」


リュカ「この声……!」

ピクシー「ん? 知りあいの声かなんか?」


*「やるかこのチョビ髭!」

*「上等だこのつるっ禿げ!」


リュカ「やっぱり! ドゾブにグレン!」

ドゾブ「んああ? ……って、おい! パパスさんとこのリュカじゃねえか!」

グレン「本当だ! リュカ、おおきくなったねえ!」

ピクシー「ね、リュカ。どういう知り合い?」

リュカ「船旅のとき一緒だったんだ。船乗りのドゾブと料理人のグレンだよ」

グレン「おやリュカ、ずいぶん小さい友達ができたんだねえ」

ドゾブ「おいおい、まさか人形遊びみたいな女々しいことするようになっちゃいないだろうな?」

リュカ「ひどいよドゾブ! ピクシーは魔法の先生なんだ、ぼくが習った魔法は、ドゾブのでっかい体だってふっ飛ばしちゃうんだぞ!」

ドゾブ「ほう? なら一丁試してみな!」

グレン「おいおい……知らないぞ」

リュカ「言ったね? それじゃあ……ザンマ!」

>リュカは ザンマを となえた

ドゾブ「うおおおおおっ!?」

――ドガッシャアアン!

グレン「あーあー。後片付けはお前がやっとくれよ」

リュカ「ドゾブー、だいじょうぶー?」

ドゾブ「……く、くっくっく。はあっはっはっは! こりゃてえしたもんだ! すまんかったなあリュカ、よく見れば体もがっしりして、いっぱしの戦士になりやがって!」

ピクシー「そうよ、リュカはあたしの一番弟子なんだから。油断してたら、チョン! よ」

ドゾブ「こりゃあまいった。小さい嬢ちゃんよ、すまんかったな」



リュカ「それじゃあ、ドゾブはこの城の兵士になったんだ」

ドゾブ「おうよ。海の魔物が増えたもんで、商売あがったりになっちまってなあ」

グレン「この禿げ頭と一緒にここに雇われたわけさ」

ドゾブ「んだとこのチョビ髭! だいたいあの料理はなんだ! 冷てえじゃねえか!」

グレン「あれは冷たいまま食うものだと言っているだろうに」

リュカ「あったかいのがいいの?」

ドゾブ「おうよ」

リュカ「じゃ、ちょっと待って。ジャックランタン!」

>リュカは ジャックランタンを よびだした

ジャックランタン「ヒホー。呼んだホー?」

ドゾブ「うおおおおっ!? どっから出てきやがったコイツは!?」

グレン「こ、これもリュカの友達かい?」

リュカ「うん。ジャックランタン、料理をあっためてあげてくれない?」

ジャックランタン「了解ホー、弱めに……アギ、だホー」

リュカ「ありがと。っと、もういいと思うよ」

ドゾブ「お、おう……」

リュカ「どう?」

ドゾブ「……冷てえほうがうまかったかもしれねえ」

グレン「だから言ったろうに」


ピクシー「けぷ。グレンさんの料理、おいしいから食べすぎちゃった」

プックル「ミャウ オナカイッパイ ケップ」

リュカ「でも、二人とも元気そうでよかった……なんかあっちがにぎやかだね。行ってみようか」

>ごうかな そうしょくをされたへやで がくだんが えんそうしている

リュカ「なんだろ、ここ」

ピクシー「きつい匂いねえ。香水使いすぎじゃない?」

クイクイ クイクイ

リュカ「ん?」

>おとこのこが リュカの ふくのすそを ひっぱっている

*「にーちゃ、にーちゃ」

リュカ「やあ、こんにちは」

*「ちっちゃい、なに?」

ピクシー「あたしのこと? ピクシーだよ、こんにちは。君はだあれ?」

*「デール、デール」

リュカ「あ、弟のほうの王子さまだね」

デール「あげう、あそんで、にーちゃ」

>デールは おかしのおうかんを リュカにさしだしている


筆が進まない……ちょっと一休みします。


再開します


*「これ、デール! そなたの大事な王冠を、他人にやるなどもってのほか!」

>ごうしゃな よそおいの おうひが デールを だきあげた

ピクシー「げー……なんつーけばけばしい恰好。サキュバスのほうがマシな恰好してるわよ」

王妃「なんじゃと? ……しゃべる羽虫とは面妖な。これ子供、その珍しい羽虫をデールに譲るなら、デールの友として召抱えてもよいぞ」

ピクシー「は、羽虫ですってえっ!? ふざけないでよこのBBA……!」

リュカ「ピ、ピクシー、ストップ! あの、ぼくけっこうです! お邪魔しましたあああっ!!」

ピクシー「放してよリュカ! あのケバい顔にジオンガたたきこんで……!!」

リュカ「気持ちはわかるけどまずいってば!」




デール「おんもぉ」


リュカ「はーっ、はーっ……あーびっくりした」

ピクシー「むう。ピクシーちゃんは不完全燃焼なのだよ! いっそのことこの城全部にハピルマかけて全員頭パープーにしてやろうかしら」

リュカ「頼むからやめて……あれ、ここ、どこだかわかんなくなっちゃった」

プックル「ミャウ マイゴ? マイゴ?」

リュカ「そうかも……まあいいや、誰かに聞けばわかるよ」

プックル「ミャウ リュカ カシコイ! ……ミャウ?」

リュカ「どうしたの、プックル?」

プックル「ガウ! ダレカイル! デテコイ! ガウウ!!」

*「う、うわああああっ!?」

>ものかげから しょうねんが とびだした!

*「な、なんで城の中に魔物が!? こっちくるな! シッシッ!」

プックル「ガウウ! アヤシイヤツ! マルカジリ!」

リュカ「プックル! ダメだよ、戻って!」

プックル「ミャウ イイノ?」

リュカ「うん、だからこっちに戻って」

*「な、なんだ……飼い、魔物? かよ。人に馴れてんのか、驚いて損したぜ」

プックル「ガウ! オマエ サワルナ!」

*「うわあああっ! お、お前! こいつ俺に吼えてきたぞ! お前が飼い主だろ、罰を与えろ!」

リュカ「プックルは友達だよ。それにきみ、今プックルを叩こうとしただろ? なら、ぼくがプックルを怒る理由はないよ」

*「なんでそんなことわかるんだよ! こいつがなに言ってるのかだってわかりゃしないのに!」

リュカ「わかるよ」

*「へ?」

リュカ「プックル、さっきはどうしてこの子に吼えたりしたの?」

プックル「ミャウ コイツ リュカニ ナニカナゲヨウトシテタ! タブン コショウ!」

リュカ「……きみがぼくにコショウを投げようとしてたって言ってるけど?」

*「なっ……! へ、へへん! そんな証拠がどこにある?」

ピクシー「後ろ手に隠してたコショウ発見~にしし」

*「わああああっ!? な、なんだこの小さいやつは!?」


リュカ「なんだ、きみがヘンリー王子だったのか」

ヘンリー「なんだ、とはなんだ!」

ピクシー「そりゃあねえ、評判のイタズラ王子だし? にしても、さっきの腰抜かした恰好はケッサクだったわねえ、にししし」

ヘンリー「う、うるせえよ!」

リュカ「なんでまた、イタズラばっかりしてるのさ? 王様も心配するんじゃないの?」

ヘンリー「親父? ああ、ありゃあダメだ。俺のおふくろがすぐに死んじまったもんで、忘れ形見の俺に頭が上がりゃあしない。そこんとこを今の王妃、デールのおふくろにつけこまれて、そっちにも頭が上がらない。かくて親父は板ばさみ、放任された結果、傍若無人な俺様王子のできあがりってわけだ」

ピクシー「そんだけわかっててなんで好き勝手やってんのよ」

ヘンリー「わっかんねえかなあ。デールのおふくろはデールを王にしたい、そこへ俺がご立派な王子なんかやってみろ。親父は俺を次の王に決めて、嫉妬に狂ったデールのおふくろとその一派が俺を、ギーッ! ってな、おっ死ぬのがオチだ。それで終わるならいいが、へたすりゃ国を二つに割っての戦争だ。なおさら真面目なとこなんて見せられやしねえよ」

リュカ「だからイタズラ王子をやって、王様がヘンリーを選ばないように?」

ヘンリー「様くらいつけろよ……ま、いいか。そういうことだ。ったく、親父も俺なんざほっといてとっととデールを王にするって公表すりゃあよかったのに、モタモタしてるもんだからデールのおふくろがあやしいやつらを呼びはじめるんだ」

ピクシー「あんた……もしかして実はすっごい頭いい?」

ヘンリー「やっとわかったかよ。ちなみに武術だって相当だぜ? 一日に俺に送られてくる暗殺者の数知ってるか? 平均して10人前後だ。不審者ってことで衛兵に引き渡したりしてるが、それでも半数は俺自身で始末してる……お前もはやく帰ったほうがいいぞ。この城は、魔窟だ」

ピクシー「かっこつけてるけど、プックルにはビビってたわよねえ」

ヘンリー「うるせえ! ガキのころに猫に引っかかれて以来、猫科の動物は苦手なんだよ! ……って、何で俺は今日あったばかりのお前等にこんなこと話してんだよ! 誰かに聞かれたら俺が王に選ばれちまうじゃねーか!」


ヘンリー『いいか、絶対に他のやつらにしゃべるんじゃねえぞ! もしバラしたら地獄の底まで追いかけてお前らブッ殺してやるからな!』



リュカ「…………って言ってたけどねえ」


ベルギス王「よいかヘンリー、お前は今日からこのパパスについて、帝王学のなんたるかを学ぶのだ」

ヘンリー「」チーン


ピクシー「真っ白な灰になってるわね」

プックル「ミャウ サスガニ カワイソウ」

ベルギス王「これ、聞いておるのかヘンリー!」

ヘンリー「エエ キイテマスヨ コノクソオヤジ テメエガムノウダカラ オレガクロウスンジャネーカ ジゴクニオチロ」

パパス「……陛下、いや、ベルギス。お前、どう考えても選択を誤ったぞ ワシにはそうとしか見えん」


※ヘンリーの部屋

リュカ「ヘンリー、しっかり!」

ヘンリー「アア ダイジョウブダ アノクソオヤジメ カラガジュウノシボウヲ シボリトッテヤル」

ピクシー「ダメだこりゃ、完全にプリンパ状態だわ。しょうがない、ペンパトラ!」

>ピクシーは ペンパトラを となえた

ヘンリー「……はっ! ああ、くそ。ちっと混乱してたみてえだな。お前らが治したのか? ……ま、一応礼は言っておくぜ。んで、なんで俺の部屋に?」

リュカ「子供同士なら話しやすいだろうって、おとうさんが」

ヘンリー「ああ、あのパパスってのがお前の親父か……あれは俺の実情に気付いてたみたいだな。ったく、俺の親父もそんくらい頭が回ればなあ……」

リュカ「ねえ、そんなにこの城が危ないんなら、ぼくと一緒にサンタローズに行かない? きみの教育係はおとうさんになったんだし、きっとそれなら安全だよ」

ヘンリー「簡単に言うなよ、俺だって逃げ出せるもんならこんなとこ、さっさと出ていってるさ。でもな、デールは、俺の腹違いの弟は俺がいなきゃダメなんだ。お前も見たんだろう? あのおふくろはダメだ、デールを、自分を王妃でいるための道具としか見ていない。まわりの取り巻きだってそうだ、デールを『王子』としか見ていなくて、子供らしい遊びや人間として大切なことを何一つ教えようとしない。それに……あいつはまだガキなんだ。俺に『にーちゃ、にーちゃ』って甘えてくる、本当に、ただのガキんちょなんだ……おれはデールを見捨てるわけにはいかない。次の王はあいつでいいから、それにふさわしい強さを持てるまで……俺が守ってやらなきゃいけないんだ」

ピクシー「んー。それ全部王様に言っちゃえば解決するんじゃないの?」

ヘンリー「あのバカ親父のことだ、隠してもいい事と悪い事もわからないで全部バラしちまうにきまってる。そうなりゃ真っ先に狙われるのは親父の首だ。そのあとで俺と、デールを担いでのお家騒動。ラインハットは百年前の大戦争に逆戻り、しかも両方とも御輿が有能だってわかってるから、戦力拮抗しての泥沼状態。ラインハットの大地は血に染まるってわけだ……はあ、これというのも十二代目の王が妾や側室にポコポコ子供生ませやがったせいだ、血の因縁が二十六代の今まで続いてやがる。ご先祖様め、地獄に落ちろ」

リュカ「……なんだ、バカだのクソだの言ってるけど、ヘンリーも王様のこと、大事なんだね」

ヘンリー「……まあ、死んで欲しくないと思うくらいにはな。病弱だった俺が生きてこれたのは、親父が八方手を尽くしてくれたおかげだし」


リュカ「とりあえず、ぼくらだけじゃどうにもならないと思うよ。ぼくのおとうさんとかに相談してみるのがいいと思うけど」

ヘンリー「まあ、それもそうか……んじゃお前俺の子分の『あかし』を持ってきな。そうすりゃお前の親父についてってやるよ」

リュカ「ええっ!? なんでそんなことを!? それに子分なんていやだよ、ともだちじゃダメなの?」

ヘンリー「はあ……お前なんもわかってねえんだな。いいか? 王族にとって『友達』ほどやっかいなものはねえんだぞ? 自分は王の、王子の友達だって言って、どんだけの人間が好き勝手してきたか、歴史書をちょいと見ればすぐわかることなんだぜ? 俺の親父はお前の親父と友人らしいけど、それでピリピリしてるこの国の貴族はゴマンだ。おかげでちょっと前から俺を狙う暗殺者が2倍になりやがった」

リュカ「う……ぼくらのせい? ごめん……」

ヘンリー「この国の体質みたいなもんだ、気にするな。それよりもだ、子分、つまり臣下、部下って形をとらないと、お前の身が危ない。王族の友人が好き勝手してきた結果、そいつらも真っ先に命を狙われる。けど部下なら上が死ねば別のやつに引き継がれる、内心はともかくな。だからお前は俺の子分ってことにしとかないとダメなんだよ」

リュカ「ヘンリー……ありがとう、ぼくのことを考えてくれてたんだね」

ヘンリー「か、勘違いすんじゃねーぞ! お前になんかあったら俺が疑われるのが嫌なだけだ! それに! 俺はデールだって子分にしてる! デールが王になったら俺がこの国の実権をにぎるんだ! 貴族に囲まれて身動きできない王にかわってな!」

ピクシー「悪ぶってるけど、ようするに王様の代わりに国を良くするってことよねえ?」

ヘンリー「うっせえ! いいから子分のあかしをとってこい!」

リュカ「わかった、それでどこにあるの?」

ヘンリー「おっと、そいつは自分で考えな。いいか? 『お前が子分のあかしにふさわしいと思うもの』を持ってくるんだ。俺の子分ならこのくらいの仕事はこなしてもらわなくちゃ困る」

リュカ「難しいね……でもわかった。持ってくるよ」

ヘンリー「おう、あんまり待たせるんじゃねーぞ」


※城の廊下

ピクシー「んで、どうするの? なにかそれっぽいのにあてが?」

リュカ「んーと……つまりヘンリーが本当に欲しいと思うもの、だと思う」

ピクシー「難しいわねえ」

リュカ「ヘンリーはああ言ってたけど、本当はともだちが欲しいんだと思う。でも、きっと今までヘンリーが言ったようなウソのともだちしか、周りには集まってこなかったんだ」

ピクシー「ってことは、本当の友達の証、か」

リュカ「本当のともだち……」

プックル「ミャウ! リュカト プックル トモダチ! ナカマモ ミンナ トモダチ!」

リュカ「うん、そうだね。ぼくと仲魔たちみたいな……! そうか、それだ!」

ピクシー「わかったの?」

リュカ「うん! 急いで戻ろう!」


※ヘンリーの部屋

リュカ「ヘンリー! わかったよ、子分のあかし! ……ヘンリー?」

ピクシー「いない? どこ行ったのかしら」


『メラ! メラ! ちっきしょう、舐めるんじゃねえ!』


リュカ「!! ヘンリーの声だ!」

プックル「ガウ! コノシタカラ ニオイ スル!」

リュカ「ぶち破る! ザンマ!!」


――――ドガァァァァアアン!!

>ゆかいたを はかいした!
>はしごのしたでは ヘンリーが おそわれている!

リュカ「ヘンリー!」

ヘンリー「!! もう来たのかお前ら! ちょうどいい、手伝え! いつもの暗殺者だ!」


>ゲドウ 暗殺者 ΩΩΩΩΩΩ


リュカ「わかった! 来い、ケルベロス! コボルト! ガキ! ジャックランタン!」

「ココロエタ!」
「おまかせでさぁ!」
「やったるホー!」
「セワノヤケル!」

ヘンリー「おいいいいっ!? なんだそりゃあああっ!?」


今回はここまでで。
小説版そのままだと展開が遅くなるんで加速しようとしたらヘンリーがなんか覚醒した(笑)

ドゾブとグレンは出そうか迷ったんですが、幼年期と青年期をつなぐキーパーソンの意味もあるので、なんとか出してみました。
>>144さん、喜んでいただき光栄です。捏造フローライベントは既存のイベント(妖精の村)にフロ-ラを出せばビアンカと対等になると思ったのと、ビアンカがリボンをくれるので、逆にフローラにはリボンをあげようと考えたのが本作のイベントとなりました。
ちなみに妄想した内容なんかも教えてくれると執筆の刺激になるかもしれないので、よろしければ教えてください。
DQ4コマの新山たかし先生を知っていれば、ポワンさまはエロいと理解できるかと?(笑)

>>145さんの考察や案、参考にさせていただきます。なにぶんやっつけで書いてるので設定不備も出るかと……今後も指摘、意見よろしくお願いします。
しかし提案のゲマの行動、なんというヤンデレ(笑)

あと、ペルソナ2などに出てきた合体攻撃の再現として『MIXD』と表記してますがおかしくないでしょうか?
技名も適当につけてますので……おかしな点ありましたら指摘お願いします。

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

乙です。
サンチョさん慣れすぎで素敵です。
そしてアイディア使ってもらってる。ありがたやありがたや。
でも竈役はありがちかな? ほかに暗いところで灯りにも使われるのですね。
レミーラ? いらず。

そして閣下がネタじゃない、だと?
SJのスタッフインタビューだと閣下は「人間の自由意思を尊重する」ってスタンスだそうです。
だからがんじがらめにする法側と対立するそうで。
だからリュカをこれからも見守るんでしょうね。楽しみです閣下。

MIXDはかっこいいなぁ。元ネタがあるのもいいけれど
ここは作者さんの工夫とセンスが集中する絶好の場です。
ガンガンやっていいと思います。

DQ詳しくないからアイディアが出しづらいなぁ。
協力したいのに……。


>>1です。投下開始します。


リュカ「ケルベロスはヘンリーを守って! 他のみんなはそれぞれにまかせた!」

ケルベロス「マカセロ! オイ ワレカラ ハナレルナ」

ヘンリー「な、なんかよくわからねえが、とにかく味方か。だがな……心配してもらうほど俺はやわじゃないぜっ! メラッ!」

>ヘンリーは メラをとなえ あんさつしゃに なげつけた!
>いきおいのついた ひのたまが おそいかかる!

暗殺者「グエエエエッ!?」

>あんさつしゃを 1タイ たおした

ヘンリー「魔法応用編その1、肉弾魔法だ!」

ピクシー「メラ(炎+物理)ってとこ?」

ジャックランタン「すごいホー。オイラも負けないホー! アギラオ!」
ケルベロス「ナルホド ナカナカ ヤルナ デハワレモ! カァァァアアアッ!!」

>MIXD! フレイムストライク!
>あんさつしゃを 2タイ たおした

コボルト「いきますぜ旦那! タルカジャ!」

リュカ「うん! ありがとうコボルト! やあああっ!」

>リュカの こうげき!
>あんさつしゃを 1タイ たおした

プックル「グルァアアアッ! オマエラ マルカジリ!」
ガキ「チマツリダ! ギシャァーーーー!!」

>MIXD! ファング&クロウ!
>あんさつしゃを 1タイ たおした

ピクシー「これでおしまい! ジオンガ!」

>ピクシーは ジオンガを となえた
>あんさつしゃを 1タイ たおした



>リュカたちは いきのびた


リュカ「ヘンリー! だいじょうぶ!?」

ヘンリー「ああ、おかげさんでな……しっかし、なんだよそいつら。魔物大サーカスか? んで団長はお前か?」

リュカ「えっと……これは……」

ヘンリー「ああ、説明しなくてもいい。そこの猫と話してた時点で、お前がヘンテコなやつだってことはわかってるからな。にしても……お前、俺のそばから離れられない理由が増えたな」

リュカ「え?」

ヘンリー「その魔物たち、どっからでも呼び出せるんだろ? おまけに誰にも見つからないように隠すこともできる……暗殺者どもが聞いたら、ヨダレものの特殊能力だぞ? これで俺は嫌でもお前を子分にするしかなくなった、洗脳でもされたら俺ら王家は一貫の終わりだからな」

リュカ「え……それじゃ、子分のあかしは?」

ヘンリー「もういいよ。悪かったな手間取らせて」

リュカ「……せっかく見つけてきたのに」

ヘンリー「へえ? ちなみになんだったんだ?」

リュカ「うん……『名前』かなって、思ったんだ」

ヘンリー「名前?」

リュカ「うん。ヘンリーはずっとぼくのこと『お前』って呼んでるでしょ? でもぼくと仲魔たちは名前で呼び合ってる。だって、ともだちだから」

ヘンリー「はあ!? お前、俺の話聞いてたのか? 俺は子分の証明をしろと……」

リュカ「それって、ウソのともだちじゃない、本当に信じていい人ってことでしょ?」

ヘンリー「……そうきたかよ。はあ、なんてアマちゃんなんだお前は。せっかく俺がさんざ探し回ってきたお前を罵って、親父ともどもサンタローズに帰してやろうと思ってたってのに……まあ、今となっちゃそういういうわけには、いかなくなったけどな」

ピクシー「ふふふ、そういうアンタもずいぶんとお人よしなんじゃないの?」

ケルベロス「ジコギセイガ ツヨスギルガ リッパナコトダ」

ヘンリー「ほっとけ! ああもう! こうなりゃお前ら、俺の野望のためにコキ使ってやるからな! 覚悟しとけよ!」


暗殺者「う、うう……」

ピクシー「あ! あいつまだ意識があるみたい!」

ヘンリー「……ちっ。こうなりゃしゃあねえか」

>ヘンリーは サーベルをぬき あんさつしゃに ちかづいた

リュカ「ヘンリー! 危ないよ!」

ヘンリー「大丈夫だ……いいか『リュカ』。よく見ておけ……これが、王家の、ラインハットの、日常だ!」

>ヘンリーは あんさつしゃの くびをはねた

リュカ「!!」

ヘンリー「……返り血がすげえな……ちっ、死体も後始末しねえとな。メラの魔力が足りるか?」

ガキ「ギギ オレガ クッテオイテ ヤル」

ヘンリー「へえ? そりゃ助かるぜ。他のやつらも頼めるか? 息があるなら全部殺していいぞ」

ガキ「ククク ワカッタ」

リュカ「へ、ヘン、リー……きみ、なにを……」

ヘンリー「……これが俺の日常だ。もしこいつらを生かしておいたなら、俺が『強さ』を身に着けていることが漏れる……イタズラ王子の隠れ蓑を剥がされちまうんだ。そうなったら目端の利くやつは親父やデールを人質にとるだろう、そして俺はこの国を貴族の食い物にされるのを指をくわえて見ているしかなくなる……だが、こうして秘密裏に始末しておけば、親父が秘密の護衛で俺を守っていると勘違いして、親父やデールに目が行かなくなる。そうやって、俺は家族を守っている」

ピクシー「壮絶な人生送ってるわね……」

ヘンリー「そうだな。ガキの頃の俺は生まれてから半年持たないと言われていた。それが親父のおかげか、俺がよほどの悪タレだったのか、1年を生き、2年を生き……4年たってから、ようやく貴族どもは俺の始末に乗り出した。だが、その4年の猶予のおかげで、俺はこの国の現状と自分の立ち位置の危うさを知り、己を鍛えることができた。始めて人を殺したのは3年前、俺の5歳の誕生日さ。その日始めて暗殺者に襲われた俺は霧中でナイフを振り回し、泣きながら死体を片付けたよ……どうだリュカ、俺が怖くなったか? それでも俺と友達になりたいなんて言えるか?」

>リュカは うつむいている……

ヘンリー「だろうな。気にするな、お前は正常だよ。立場上俺の子分ってことにしとけばいいから、お前はもう、ここに近寄ら……」

リュカ「……なるよっ! ぼく、ヘンリーとともだちになる! けど子分はいやだ! だって……だって、子分だったら、きみが守るなって、ほっといてくれって言ったら、心配だってできないじゃないかっ! きみを守ってあげられないじゃないかっ!」

ヘンリー「なっ……こっ、このバカ野郎! 人が心配して遠ざけようとしてんのに、なんでわからねえんだお前は!」

リュカ「ヘンリーに言われたくないよ! ひとりじゃできないことだってあるって、なんで気付かないんだ!」

ヘンリー「巻き込みたくねえって言ってるだろこの強情っ張り!」

リュカ「ぼくやおとうさんを頼れって言ってるんだこの頑固者!」

ヘンリー「いいかげんに……しやがれっ!」

――――バキィッ!

リュカ「がっ! こんの……ヤロウ!」

――――バキィッ!

ヘンリー「ぎぃっ! いいパンチしやがって……もう容赦しねえ!」

リュカ「のぞむところだ! 根性たたきなおしてやる!」

ヘンリー「こっちのセリフだ!」



>リュカと ヘンリーが らんとうをはじめた!



コボルト「うおおおっ! いけ、旦那! パンチだキックだ! アッパーだ!」

ケルベロス「ムウ フタリトモ イイウゴキダ」

ガキ「フウ クッタクッタ ダガ ショウジキ マズカッタナ サンチョノ メシノホウガイイ」

ジャックランタン「ホー。二人とも子供のケンカじゃないすごい音出してるホー」

ピクシー「ま、男の子だもんねえ。こういうのは必須イベントってやつでしょ」



ヘンリー「いちちち……こ、このわからずやが。はぁ、はぁ」

リュカ「いててて……ひ、人のこと、い、いえないだろ。はぁ、はぁ」

ピクシー「はいはい二人ともお疲れ~。ディア、っと」

リュカ「ありがとピクシー」

ヘンリー「ふう……ホイミより効くなこの魔法、ありがとよ、ちっこいの」

ピクシー「むう、ピクシーだってば!」

ヘンリー「ああ、悪い悪い、ピクシーな。さて……リュカ、てめえが強情なのはよぉぉ~~~~く、わかった」

リュカ「本当!? じゃあ……!」

ヘンリー「ただし! 『友達』はダメだ!」

リュカ「ええっ!? ちょ、いいかげんに……!」

ヘンリー「『相棒』だ」

リュカ「えっ?」

ヘンリー「お前は俺をほっとけないんだろ? 俺もお前みたいに危なっかしいやつ、見たことねえ、ほっとけねえよ。だから……俺たちは『相棒』だ、リュカ」

リュカ「相棒……うん! よろしくヘンリー! ぼくの相棒!」

ヘンリー「おう、よろしくなリュカ。俺の相棒」


短いですがここまでで。
ラインハットは改変多くなりそうなんでこまめに投下したいです。
しかしラインハットがなんだか『ゼロの使い魔』のガリア王国みたいになってしまった。
ヘンリーがジョゼフみたいになったら粛清の嵐が吹き荒れそうだ……ということはヘンリー=カオスヒーローか?
と、なるとロウヒーローはマリア……ヤバイ、ロウとカオスの両トップのラブとか大好物すぎる(笑)

>>168さん、DQ以外にもメガテンやペルソナのネタでもかまいませんからガンガン書いていってください。
直接採用じゃなくてもソレを踏まえたネタを思いついたりしますので。

リュカはそもそもバギ系使えるようになるし、ここではザンマも使えてるでしょ?

ヘンリー(8歳)が真面目な所なんか見せてやれねーよは、普段からいっていれば、賢ぶったガキが帝王教育が嫌でサボる為の口実にしか聞こえないし、家庭教師を暗殺者呼ばわりしていれば、ただの悪たれにしか見えない。
デール派が送った暗殺者が返り討ちに遭い、ただの悪たれでない事が判明って所かも。
ヘンリーとリュカは青春していますね。しかし、聡明さ全開のヘンリーを見ていると、デール派が勝つには光の教団の戦力を引き入れクーデターを起し国王、ヘンリーを排除するぐらいの思い切った手段を取らないと逆転は無理っぽいです。悪たれの悪ガキ王子のポーズがバレバレだと気付かない所に子供らしさを感じます。

マリアは奴隷達が転がしていた岩を現場監督の足に落せる力の持ち主(大事にすればマリアを[ピーーー]しかなく、鞭打ちだけで内々に済ませようとしたムチ男さんはマジで良い人)。病弱だった母親(毒殺疑惑あり)を持つヘンリーからすれば自衛できる妃は打算的にも魅力的です。

デール派の内情は
鞍替えできる=いつ王妃とデールを売るかの算段中
深く入り過ぎたか反逆罪級の弱味が有り形振り構えない=ヘンリーが王位に就けば御家取り潰しは必至、デールに全てを賭ける以外の選択肢はない。勝てば後妻で基盤が弱く排除が容易な現王妃と、現王の血を強く引いて傀儡にし易いデールとリターンは高い
王宮内はヘンリー派が圧倒、デール派の中核は魔族の力を借りなければならない所まで追い詰められている感じがします。王妃は負ければ自分が死ぬだけでなく息子は廃嫡、良くて病死に見せかけた毒殺。悪ければ宮廷を騒がした罪で処刑なので必死でしょう。

カオスヒーローがヘンリー、ザ・ヒーローがリュカ、ロウヒーローはⅤ枠だとアンディしかいない…

像買った一家の浚われて洗脳されてた息子がいるじゃん

名前付だとアンディの他にピピン、デール(DODのCエンドを連想出来るような兄弟対決が期待できる)かレックス、ヨシュアもいた。
名無しだと洗脳息子もロウヒーロー枠に入る。


>>1です。もうちょっと書けそうなんでいきます。


※ラインハットの宿屋


パパス「……なるほど。それでこうして連れてきたわけか」

リュカ「うん、見つかるとまずいからお城の隠し通路を通って。ね?」

ヘンリー「ああ。なんせ百年単位で政争の舞台になった城だからな。抜け道、仕掛け、罠の類には事欠かないし、俺はソイツを全部頭に叩き込んである」

パパス「八つの子供とは思えん凄まじい能力だな……正直、殿下が王になればそれだけで安泰とも思えるが」

ヘンリー「あの地獄で生死の境を四年も彷徨えば誰でもこうなるさ。それより俺を試すのはやめろ、有能な王がいい治世をするとは限らねえのは自明の理だろう? 暴君や愚王の治世でも繁栄があったのと同じようにな。なあ……デュムパポス?」

パパス「!! ……そこまでご存知か」

ヘンリー「ふん……だから俺はリュカを巻き込みたくなかったんだ。言っとくが、リュカの『名前』は聞かねえぞ? 知りたくもねえ」

リュカ「? なんのこと?」

パパス「いや、なんでもないよ、リュカ」

ヘンリー「(で、教えてあるのか? いざってときに知らなきゃシャレにならねーぞ)」ヒソヒソ

パパス「(誰にも教えてはならぬ秘密として、すでに伝えていますれば)」ヒソヒソ

リュカ「むう、二人だけでナイショ話して……」

パパス「ああ、すまんな。さて……すでにベルギス王は殿下に帝王学を教え始めることを公表している。それ自体は王族の義務ゆえ仕方ないとも言えるが……」

ヘンリー「例外を作るために俺がどんだけ苦労して悪評をバラまいてきたか知りもしねえで……あのクソ親父め」

パパス「むう、我が友ながらなんと言うか……まあ、それはいい。問題は王族そのものより、周辺の貴族や、王妃と内通しているらしき集団だ」

リュカ「ヘンリーは正直どうなっても平気な気がするけど、デールくんや王様が心配だよね」

ヘンリー「俺もそう思うがリュカに言われるとムカつく! まあ、俺たちが最も優先すべきは民の安寧、戦争の防止だ……俺個人としては、最悪デールだけでも助かれば、俺は死んでもいいとさえ思っている。今の状況だと、数少ない俺の派閥や親父のシンパが激発して大戦争必至だがな」

リュカ「!! ダ、ダメだよそんなの! さっきの言葉、取り消す! 謝るから、そんなこと言わないでよ!」

ヘンリー「仮の話だ、本気にすんな」

パパス「とにかく、一番痛いのはデール殿下の周りが王妃派で固められているということだな。誰か有能な人間を送り込もうとしても全て王妃に拒否されてしまう……せめて、一人でもデール殿下にまともな教育ができて、殿下を守れる存在がいれば……」

ヘンリー「そうだな……護衛として有能、そこそこの見識とまともな常識があって、できれば隠密に優れ、いざというときデールを逃がせる人物……ダメだ。とりあえず思いついた限り言ってみたが、そんな都合のいいヤツ、いたとしてもすぐに見つかるわけがねえ」

ピクシー「はい! ちょっと提案!」シュタッ

ヘンリー「はい、ピクシー君」ビシッ

ピクシー「ここの城って、やっぱり、いろんな人が死んでるんだよね? 小さい女の子なんかも?」

ヘンリー「ん? ああ……政略結婚に使わされそうになったのに絶望して自殺したやつとか、痴情のもつれの巻き添え食って毒殺されたやつとか、敵対する貴族の見せしめにボロボロに犯されて殺されたやつとか」

ピクシー「さ、さらっととんでもないこと言うわね……ならあの『アクマ』が生まれてるかもしれないわね。その子ならさっきの条件、全部満たしてるはずよ」

ヘンリー「へえ? そいつに協力を頼もうってのか?」

ピクシー「そ。まあ、いるかどうかわからないし、けっこう難しい性格だと思うから、リュカに交渉してもらわないとダメだけど」

ヘンリー「俺じゃ問題アリってことかよ」

ピクシー「多分あんたじゃケンカになって話にならないわ」

リュカ「もちろん引き受けるよ! それでそのアクマって?」

ピクシー「恋を知らずに死んだ女の子の思いから生まれたアクマ……『モー・ショボー』よ」


※ラインハット城裏庭 深夜


ヘンリー「こんなとこに本当にいるのか?」

ピクシー「『頭から出血して死んでる人間』のこと聞いたら、ここで発見されたって言ったのあんたでしょ」

リュカ「しっ……誰かいるよ」


モー・ショボー「ふんふんふん~今日のゴハンはどんなニンゲンかな~♪」


ヘンリー「……マジでいやがった」

ピクシー「よし。リュカ、サマナーの本領発揮よ。レッツ交渉!」

リュカ「うん、まかせて!」


>タイワ プログラム キドウ
>リュカ ハ ハナシカケタ  ネェ

リュカ「あのっ、こんばんわ!」

モー・ショボー「あっ、ニンゲン! ……の、子供? なーんだ、それじゃ食べてもお腹いっぱいにならないよ」

リュカ「えっと、きみ、モー・ショボーだよね? お願いがあって来たんだ。話を聞いてくれる?」

モー・ショボー「あたしを知ってるの? あ、ピクシー連れてる……ふーん、サマナーなんだ。子供なのにヘンなの! いいよ、あなたおもしろそうだから話聞いてあげる!」


モー・ショボー「へーえ。そのデールって子をお世話してほしいの? キャハッ! ニンゲンなのにアクマに子守を頼むなんておっかしいの!」

ヘンリー「うるせえな! しょうがねえだろ、デールの周りにゃロクなヤツがいねえんだから!」

モー・ショボー「ぶー、おこったの? アンタきらーい。無視してどっかいっちゃおっかなー?」

ヘンリー「こ、この野郎……!」

モー・ショボー「あれー? 女の子が相手のときは女郎って言うんじゃなかったー? キャハハッ、バーカバーカ、⑨!」

ヘンリー「キシャーーーーーーッ!! オレサマ テメエ ブチコロシ!!」

ピクシー「落ち着いて! だからあんたじゃ話にならないって言ったでしょうが!」

リュカ「どうどう……ヘンリー、ここはぼくにまかせてよ」

ヘンリー「フーッ! フーッ! ……わ、わかった」


リュカ「えっと、ヘンリーがごめんね。それで、協力してくれないかな? なにかしてほしいことがあるなら、できるだけ頑張って叶えてあげるけど……」

モー・ショボー「う~ん……(ちょっとイジワルしちゃおっかな~?)それじゃあ、魔石ちょうだい!」

リュカ「魔石?」

モー・ショボー「ふふ~ん、知らないでしょ? でも教えてあ~げない! ピクシーは知ってるかもしれないけど、簡単にニンゲンが手に入れられるものじゃ……」

リュカ「いいよ、はい」

モー・ショボー「へ? あ、本当に魔石だ……こ、これ、どこで手に入れたの?」

リュカ「ぼくとピクシーで作ったんだ」

モー・ショボー「作った!?」

ピクシー「リュカは魔力が有り余ってるからね~。こう、ちょいちょいっと」

リュカ「ほかには?」

モー・ショボー「と、特にないけど……あ、でもそのデールって子が気にいらなかったらこの話はナシ! それでい~い?」

リュカ「だってさ。どう、ヘンリー?」

ヘンリー「ああ、文句ねえぜ。そいつが断るとは思えないしな」ニヤリ

モー・ショボー「な、なんかコワイな……ま、いいか。あたし キョウチョウ モー・ショボー。コンゴトモヨロシクね!」


※翌朝  ラインハット城 隠し通路

モー・ショボー「せま~い。もう、部屋教えてくれればあたしが直接空飛んで行くのに!」

ヘンリー「我慢しろ、んなことしたら取り巻きに見つかっちまうし、デールにおふくろの邪魔なしで会うにはこの道行くしかねえんだよ。まあ、面識できたら空からでも見つからずに行けるだろ」

モー・ショボー「むう、だったらリュカって子と一緒のほうがよかった! あたし、あんたキライだもん!」

ヘンリー「そりゃ同感だ。だが生憎リュカたちは俺のアリバイ作りのために宿屋に戻ってないとダメなんでな……そら、着いたぞ」

>ヘンリーは かくしとびらをあけた
>デールのへやの クロゼットにつながって いる
>クロゼットのすきまから たいくつそうなデールがみえた
>ほかにひとかげは みあたらない

ヘンリー「よし、人気はないな……デール、デール」

デール「んに……? にーちゃ?」

ヘンリー「おう、俺だ、デール」

デール「にーちゃ! にーちゃ!」

ヘンリー「よしよし、元気だったか?」

デール「あしょぼ、にーちゃ、おんもぉ」

ヘンリー「おう、誰も来ないのを確認したらな……あと、今日はお前のお世話をしてくれるお姉ちゃんを連れてきたぞ」

デール「ねーちゃ?」

ヘンリー「ああ、モー・ショボーっつって……おい、どうしたモー・ショボー? さっきから黙って」

モー・ショボー「か……」

ヘンリー「か?」

モー・ショボー「か、可愛い……! なにこれ! これがあんたの弟!? 全然似てないじゃない! クッソ生意気なあんたと違って!」

ヘンリー「ほっとけ! だがデールが可愛いという意見には賛成だ!」

デール「うゆ……ねーちゃ?」

モー・ショボー「そうでちゅよ~。よちよち、可愛いねぇ~」ナデナデ

デール「ねーちゃ! ねーちゃ!」

ヘンリー「口調変わってやがる……ま、これでデールの護衛役は確定だな。俺も一安心、か」

モー・ショボー「あんた、この子よこしなさい」キリッ

ヘンリー「ダメだ」キリッ


……と、いうところで。今回はここまでです。
デールのキャラが完全に「ぷちます!」のこあみ・こまみです(笑)
モー・ショボーのパーティ入りは難しいと思いながらもなんとか出したかったため、こんな形になりました。
あと、デールの護衛役いないとラインハット王家がお家断絶しそうだったので(笑)

>>177さんの言うようにリュカにはザン系を覚えてもらう予定なんですが……バギ系はどうしよう?
ちなみに最初からザンマなのは個人的にザンマが強力で便利というイメージがあるためです。
旧約Ⅱで親友が最初に覚える魔法でもありますし、GBのラストバイブルでも主人公だけが強化型ザンマ(ザンマオン級)を覚えるので。

>>179さんの考察が凄まじい……今回はそちらを参考にした点が大きいです。ありがとうございます。
>>180>>181さんの言う洗脳された金持ちの息子は「ジージョ」君ですね。

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

乙!ショボーたん出た。元ネタを見るとサマナーじゃないデールはいつ食われるか解らない。
ショボー「つい美味しそうだったから、食べちゃった(てへ)」
悪魔が昂る満月の日は危ないかもしれない。
食わないように誓いを立てさせれば、契約者が内容を反故にしない限り大丈夫だとは思うけど、結べるかな契約。欲しい物を貰って一時的に会いに来ただけだし、現レベルでリュカが契約を結ぶのは困難かもしれない。剣されたり、他の悪魔と混ぜられスライムにされても文句はいえない契約となると、流石に渋るだろうし交渉して吹っ掛けられる無理難題をクリアーして誠意を見せるしかないかもしれない。

自分の評価が見えていない辺り聡明とはいえまだまだ子供…。
あと、悪ガキぶった状況で誰から歴史を学んだのか気にまります。
教師の勉強を聞かない振りして、教師が帰った後にうっかり(わざと)忘れて行くか見付かる所に置いてある解説付きの教本で必死に勉強する微笑ましいヘンリーが浮かんだ。どう考えても悪ガキの振りはバレバレです。気付かないのはヘンリーだけで帝王教育がしっかり為されている。
物陰からヘンリーの勉強の進展具合を見て、それに合わせて解説付きの教本を忘れるか、見付かる所に置くのが教師の勤めになっているかも、これなんて進研ゼミ?公文?

ヘンリー王子、超優秀。
教師「ヘンリー王子、ツンデレ」
ショボー「デール(の脳みそ)食えないならヘンリーの脳みそを食う」


>>1です。投下開始します。


※ヘンリーの部屋

リュカ「ヘンリー! どうだった?」

ヘンリー「おう、来たな。バッチリだぜ、デールの安全は確保できた」

リュカ「そっか、よかった」

ピクシー「けどあんた、モー・ショボーに代価とか要求されなかった? リュカがついてってないからその辺不安だったんだけど」

ヘンリー「ああ、大丈夫だ。デールを害するようなやつらは片っ端から食いまくっていいって言っておいたし、あいつ自身もデールを気に入ったみたいだからな。ま、ふざけたことに『デール君のこと、食べちゃうかもしれないよぉ~? クスクス』なんて言ってきやがったからな……『笑顔で』交渉したら、ちゃんとそんなことしないって約束してくれたぜ」

ピクシー「……ちなみに、どんな笑顔?」

ヘンリー「こんな顔だ」←世紀末モヒカンどもが泡吹いて小便漏らして気絶するレベルのデビルスマイル

リュカ・ピクシー『ぴぎゃあああああああああああああっっ!?』

>ヘンリーの きょうふのスマイル!
>リュカたちは きょうこうじょうたいに なった!

プックル「ミャウ ミエナイ」





モー・ショボー「こ、怖かった」ショボボ

デール「う?」


ヘンリー「んで、そっちは? 俺に協力してくれそうなやつらにアテがあるって言ってたが」

リュカ「うん、ぼくの知り合いのドゾブとグレンだよ。この城で兵士と料理人をやってる。二人に話したら、他の信頼できる人にも呼びかけてみるってさ」

ヘンリー「ああ、あいつらか。確かにあいつらなら、この城との関係は浅いし、悪くねえかもな」

リュカ「知ってるの?」

ヘンリー「この城で働いてる人間を知っておくなんざ基本だよ。誰が信用できて誰がそうでないか知らなきゃ、俺は生きてこられなかったからな」

ピクシー「そういえば、厨房の人なんかにはヘンリーの評判よかったみたいねえ」

ヘンリー「本当は国民全員に俺なんざダメだって思わさせたほうがよかったんだけどな、前の料理長やら貴族やらが横暴してるのを見過ごせなくってよ……クソッ、これも俺の甘さってやつだ、笑えよリュカ」

リュカ「笑わないよ、そんなヘンリーの相棒でいれて、ぼくはうれしい」

ヘンリー「バッ……バカヤロコノヤロ! 真顔で恥ずかしいセリフ言うんじゃねえ! 禁止! 恥ずかしいセリフ禁止だ!」

ピクシー「うぷぷ、ヘンリーもかわいいとこあるわねぇ」

ヘンリー「ちっ。ま、いいや……そうなると、俺の動かせる人員が一気に増えるな。とりあえずデールや親父の心配はないとして……あとはおふくろと繋がってる集団だな。今が攻め時、か」

ピクシー「なにか手がかりが?」

ヘンリー「最近起こってる子供の誘拐事件だが、俺を襲ったのと同じ恰好のやつらが子供をさらう姿が目撃されている。そいつらは東の遺跡を根城にしているらしい……コレを期に、一気に潰す」

ピクシー「どうやってそんな情報を……あんた、部下とかそんなの、信用できないって作ってないんでしょうに」

ヘンリー「噂話を収集するだけなら城の奉公人と交流すりゃあ相当な情報が手に入る。あとは精査する俺のアタマの問題だ」

ピクシー「ホント規格外だわあんた……」

リュカ「でも、潰すって、どうやって?」

ヘンリー「誘拐の証拠を掴み、使える兵士全部送り込んで一網打尽にする。今までは俺一人しか動けなかったから無理があったが……リュカ、お前があのドゾブってやつと交流があったのは望外の幸運だぜ! 本当……俺一人じゃここまでできなかったよ。ありがとうな、相棒」

リュカ「ううん、ぼくは自分にできることをしただけさ。それに、勝負はこれからだろう? 相棒」

ヘンリー「へ、へへへっ……そうだな!」

ザンは衝撃系魔法だからリュカが風系のバギ覚えても区別できると思います
同じ風系のガルだったら被っちゃうところだったけど


※数日後


ヘンリー「どうだった? 何人ぐらい動かせる?」

リュカ「実際に遺跡まで行けそうなのは20人くらいだってさ。それから、厨房の人たちはもうみんなヘンリーの味方だよ」

ヘンリー「そりゃあ嬉しいが、貴族やどっかの派閥の人間にばれないようにって言い聞かせてあるだろうな? 例の集団を除くと、一番危ないのは俺を傀儡にしようとしたり、強攻策でデールを殺そうとしてる『ヘンリー派』のやつらなんだからな。そいつらに人質にとられたら、俺は身動きできなくなる」

リュカ「うん、大丈夫。グレンからも言ってもらってるから。貴族のやっかいさって、みんなわかってるみたいだし」

ヘンリー「喜んでいいんだが、施政者の立場からは貴族が腐ってるって証明だから素直に喜べねえな。親父さんには?」

リュカ「ドゾブと一緒に遺跡に言ってもらうことになったよ……でも、本当にこの作戦でいくの?」

ヘンリー「お前の親父にも納得させたじゃねえか」

リュカ「でもやっぱり危ないよ、わざと人攫いに捕まるなんて」

ヘンリー「お前の魔物召喚能力を見込んでの策だ。第一、俺は市井の子供に見せるために、もう髪まで染めちまったんだぞ? ここで中止したら怪しまれて二度と実行できなくなっちまう。俺は覚悟決めて来たんだ、お前もそうしろ、リュカ」

リュカ「そりゃぼくの覚悟はできてるけど」

ヘンリー「なら文句言うな。さて、人攫いが頻発してるのは夕方ごろ、場所は裏通りだ。それまでは適当に町で遊んで時間潰すぞ、ついてきな!」

リュカ「あ! まってよ!」

ピクシー「やれやれ、えっらい行動力のある王子さまだこと」

プックル「ミャウ リュカ タイヘンソウ」


※城下町 夕方


ヘンリー「くっっは~! こんだけ羽伸ばして遊んだのは久々だぜ!」

リュカ「振り回されるぼくはたまったもんじゃないけどね……まあ、いろいろおごってくれたから、嬉しかったけど」

ピクシー「時々デール君をつれて町に来てたんだっけ?」

ヘンリー「ああ。おふくろはとにかくデールを保護しようとして、軟禁状態にしてたからな。あまりにも見かねて俺が連れ出したら……すっかりなついちまったよ」

ヘンリー「んで、ヘンリーもほっとけなくなって、今に至ると」

リュカ「やっぱヘンリーって優しいよ」

ヘンリー「うっせえ! それはともかく、そろそろだぞ? ピクシー、準備いいか?」

ピクシー「アイサー。速攻でパパスさんたちを呼びに行くよ! プックルも頼むわね!」

プックル「ミャウ! デモ サラワレル リュカ シンパイ」

リュカ「だいじょうぶ、ぼくにはCOMPの中のみんながいるし……ヘンリーも、頼りにしてるから、頼むよ?」

ヘンリー「こっちのセリフさ……さて、さっそく怪しいのが後ろに付いて来てる。始めるぞ」


>リュカたちは うらみちを あるいている……
>ものかげから ひとさらいがとびだし ふたりをつかまえた!


ヘンリー「ナ、ナニヲスルキサマラー(棒)」

リュカ「タスケテー、ヒトサライダー(棒)」


>ふたりは ばしょのなかに つれこまれた!






ピクシー「……なんという棒演技。さて、パパスさんたちを呼んでこなくちゃ!」

プックル「ミャウ! イソグ!」

*修正*

誤:>ふたりは ばしょのなかに つれこまれた!

正:>ふたりは ばしゃのなかに つれこまれた!


場所の中って何だよ(死)

ヘンリーが幻燐の主人公っぽい


※古代の遺跡 奥の牢屋


人攫い1「そら、ここに入ってろ!」

>リュカたちは ろうやに ほおりこまれた

リュカ「あいたっ」

ヘンリー「いってえ! てめえ、あとで覚えてやがれ!」

人攫い2「けっ、生意気なガキだ……だがな、これから手前らは奴隷として売られていくんだ、もう両親には会えねえ、わかったか? どうだ、怖いだろう?」

ヘンリー「汚ねえ顔近づけるなよ、タコ! ペッ!」

>ヘンリーは つばを はきかけた!

人攫い2「こ、このガキゃあああああっ!!」

>ひとさらいは なぐりかかった!
>ヘンリーは とっさにみをひいた!

――ガギィィン!!

>ひとさらいは ろうやの てっさくに こぶしを ぶつけた!

人攫い2「いってえええええっ!!」

ヘンリー「バーカ」

人攫い2「こ、このクソガキ……」

人攫い1「よせよ、俺たちゃあこいつらを売って、金が手に入ればそれでいいんだ。ほっとけよ」

人攫い2「ちっ……せいぜい後で泣き喚くがいいさ!」

>ひとさらいたちは たちさった



ヘンリー「……よし、完全にどっか行ったみてえだな」

リュカ「うん、あとはピクシーの連絡を待つだけだね」

ヘンリー派はヘンリーを王に頂きライバルを排除して空いたパイを取る派、国政健全化(改革)派、ヘンリーの強権で国政を安定させ無難に過ごしたい派とか色々いそう。改革派やライバル排除派は人攫い事件をヘンリーに箔を付け、王太子確定の好機と見做すだろう。デール派が動いてくれれば、堂々と排除出来る。


「ひっく、ひっく」
「おかあさぁん、おとうさぁん」
「うぇえええ~~~ん」

ヘンリー「こいつらは……攫われてきた子供か」

子供「ぐすっ……きみたちも、ひとさらいに?」

ヘンリー「まあな」

子供「ううっ…きっともう、おうちにはかえれないんだ。うえぇぇ~~~ん!」

「びえ~~ん!」
「ままぁ~! ぱぱぁ~!」

ヘンリー「泣くなお前ら!」

『!?』

ヘンリー「心配することはねえ、もう助けは呼んである。もうちょっとすれば家に帰れるぞ」

子供「そ、そんなのしんじられないよ! どうしてそんなことがいえるのさ!」

「そーだそーだ!」
「うぇぇぇ~~~ん!」

ヘンリー「ちっ……おい、リュカ、お前ピクシーからパトラ習ってたよな? 俺にかけろ、変装を解く」

リュカ「えっ!? いいの? 最後まで秘密にしておくんじゃ……」

ヘンリー「誰ともわからぬガキのたわごとじゃこいつらは納得しねえよ。やってくれ」

リュカ「……わかった」

子供「さっきからなにをひそひそやって……!」

>リュカは パトラを となえた
>ヘンリーの かみのいろが もどった!

子供「えっ……ヘンリー、おうじ?」

「おうじさまだ」
「おうじさま?」
「ヘンリーさまだ!」

ヘンリー「そうだ、俺はヘンリーだ! この国の王子である俺様がお前らを助けに来てやったんだ! これでもまだ信じられねえってのかコラ!」

リュカ「ヘンリー……もうちょっと優しく説明しようよ……」

「ぼくたち、たすかるんだ!」
「ヘンリーさまがきてくれた!」
「ヘンリーさま!」

ヘンリー「ったく、世話の焼けるやつらだぜ」

リュカ「ふふ、でもヘンリー、嬉しそうだけど?」

ヘンリー「リュカ、わかってて言ってるだろ手前」

リュカ「気にするなよ、『相棒』?」

ヘンリー「ちっ」


※数時間後

ピクシー「はーい、おっまたせ~」

プックル「ミャウ! リュカ! リュカ!」

ヘンリー「よっしゃ! 待ってたぜ!」

リュカ「よしよし、心配かけたねプックル。ピクシー、おとうさんたちは?」

ピクシー「もう遺跡の前に陣取ってる。いつでもいけるよ!」

ヘンリー「よっしゃあ! ならもうこんな辛気くさいとこに用はねえ! リュカ! 派手にいくぜ!」

リュカ「おまかせ!」

ヘンリー「新呪文の初披露だ! イオ!」
リュカ「いっけー! ザンマ!」

>MIXD! バーストインパルス!
>ろうやのとびらを はかいした!

人攫い1「な、何事だ……なっ!? どうやって出てきやがった!」

人攫い2「てめえら! 逃げ出そうったってそうは……!」

ヘンリー「魔法応用編その2! 両手魔法! メラ!」

>ヘンリーは ふたつのメラを どうじに くりだした!
>メラは メラミのいりょくで ひとさらいに おそいかかった!

人攫い2「ぐぎゃああああっ!!」

人攫い1「なに!? くそっ、こいつら……!」

リュカ「来い! ケルベロス!」

ケルベロス「グオオオオオオッ!!」

>ケルベロスはひとさらいにおそいかかった

人攫い1「ば、化物!? ぎゃああああっ!」

>ひとさらいたちは たおれた

ヘンリー「よし……かろうじて息はあるな。こいつらは犯罪の証拠だから生かしてとっ捕まえないと……リュカ、ロープあるか?」

リュカ「うん、たしかCOMPの中に……あった」

ヘンリー「おう、しかし便利だなそれ。どっかに売ってないもんかね? そこんとこどうなんだピクシー?」

ピクシー「ん~この世界の技術じゃ、量産は無理ねえ。望みは薄いわ」

ヘンリー「そっか、まあ仕方ないな……これでよし! さてリュカ、お前は好きに暴れて注意を引いてくれ。俺はガキどもとこいつらをドゾブのとこまで連れて行く! あとでまた会おうぜ!」

リュカ「うん、ヘンリーも気をつけて!」


リュカ「よしみんな! 出番だよ!」


コボルト「ヒャッハー! また大暴れだー!」

ジャックランタン「燃やしまくるホー!」

ガキ「ギギ! ウマソウナ エモノハ ドコダ!」


リュカ「さあどいたどいた! 邪魔するやつはかたっぱしからぶっ飛ばすぞ!」

ピクシー「キャー! リュカー! かっこいー!」

プックル「ガウウ! プックル マトメテ マルカジリ!」

「ギャー」
「ヒー」
「オワー」
「ヒャー」


*「な、なんだこのガキは!? 遺跡の魔物どもも、子分たちも、こんなあっさり……!」

リュカ「お前が人攫いの親玉か! 覚悟しろ!」

>リュカは ひかりかがやく アセイミーナイフを つきつけた!

親玉「ま、まってくれ! 降参だ、降参するよ! もともと俺はこんな仕事やりたくなかったんだ! 奴隷として売ってたのも、妙な宗教のやつらに脅されて、仕方なくやってたんだ! 自首するよ、おとなしくお縄に付く! 斬首の刑だってかまわねえから、この場では殺さねえでくれ!」

リュカ「……本当に?」

親玉「ああ、誓うよ。俺にもガキがいた……ちょうど、お前さんぐらいの子がな。流行り病で死んじまって……だから、この仕事が辛くてしかたなかったんだ。だから、お前さんが来てくれてふっきれた。おとなしく、罪を償うよ」

リュカ「……わかった。じゃあ、一緒に外に行こう。そこで兵士のみんなに自首をして」

親玉「ああ、ありがとうよ。ああ、これでさっぱりしたよ……」









『ならば、この世に未練はありませんね? わたしが黄泉路へ送ってあげましょう。ほほほほほほほほほ!!!』





――――ザンッ



>おとこのくびが じめんに ころがった
>おおがまをもった わにのあたまをした まものがいる!



*「ほほほほほほ! いかがですか? 望み通り、斬首の刑にしてあげましたよ! 満足でしょう? ほほほほほほほ!」



リュカ「!? な……なんだお前は!」

ケルベロス「グルルルル……! リュカ! ユダンスルナ! コヤツ……キケンダ!」

>ケルベロスは いままで みたこともないような さっきをはなち いかくしている!

*「ほう? 番犬ふぜいが生意気な。年端も行かぬ子供の下僕などに納まってなにができると? ほほほほほ!!」

ピクシー「リュ、リュカ……あ、あたし、さっきから震えが止まらなくて……」

ジャックランタン「ホ、ホー!? おっかないホー!」

ガキ「ギ、ギギギ……! ナンダコノ ドスグロイ ショウドウハ……!」

プックル「フシャアアアッ!! クルナ! クルナ!」

コボルト「び、びびびび、ビビってんじゃねえっすよお前ら! 旦那の前で情けねえ姿見せるんじゃねえっす!」

*「ほほほほ、ほーほっほっほ! 魔物たちは正直ですねえ、彼我の実力差を解っているようで」

リュカ「だからっ……お前は誰だって聞いているんだ! なんであの人を殺した! 自首するって……本当は人攫いなんかいやだって言ってたのに!」




ゲマ「わたしの名は『ゲマ』」

リュカ「…………っ!? !? !? !?」




>ゲマが リュカのひとみを のぞきこんだ!
>いきができない!

ピクシー「リュカ!」

リュカ「……ひっ…………かはっ…………っ!!」

ゲマ「おや、どうしました? わたしの名前を知りたかったようだから教えてあげたのに。ほほほほほほ!!」

ケルベロス「キサマ……ッ!!」

ゲマ「ああ、そうそう。さっきの男はねえ、『役立たず』だから始末したんですよ。どうせ斬首になるのなら、ラインハットの皆さんに手間を掛けさせるのも心苦しいでしょう? ああ、なんてわたしは親切なのでしょう! ほほほほほほ!!」

リュカ「……っ!! 笑う、なっ……! 笑う、なあああああああっ!!」

>リュカは かなしばりから ぬけだした!

ゲマ「ほう! これはこれは驚きました! まさかわたしの呪縛から逃れるとは!」

リュカ「お前は……! お前みたいなやつは許さない……っ!!」

ゲマ「ならば、どうします?」

リュカ「……倒す! みんな! いくよ!」

ケルベロス「ココロエタ! ガァァァアアアアッ!!」

ジャックランタン「ふんばるホー!」

ガキ「ギギギ……! キサマハ ジャマダ!」

プックル「グウルルルァァァァッ!! オマエ マルカジリ!!」

ピクシー「負けてたまるもんですか!」

ゲマはワニ顔じゃないよね
ワニ顔はイブールでしょ

この戦いでゲマはデレそう。
ふと気付いたのですが、COMPもドラクエの道具袋も収納の面では大差が無いのでは。


リュカ「ザンマ!」
ピクシー「ジオンガ!」

>MIXD! サンダーインパルス!

ケルベロス「モエツキロ! カァァァァアアアッ!!」
ジャックランタン「全力だホー! アギラオ!」

>MIXD! フレイムストライク!

コボルト「いったるぜ! 『怒濤の連打!』」
プックル「ガウァアアアアッ!!」
ガキ「ギシャアアアアアッ!!」

>TRYMIXD! トライアングルアタック!


ゲマ「ふふふふ……ほほほほほ……ほーっほっほっほっほ!!」


>こうげきが ゲマのからだを きりのようにすりぬけ こうかがない!

リュカ「そ、そんな……」

ゲマ「さあさあ鬼ごっこの始まりだ! それともかくれんぼかなぁ? 鬼はわたしだよぅ。そうら……ベギラマっ!」

>ゲマは ベギラマを となえた

リュカ「うわあああああっ!!」

コボルト「がああっ!?」

ケルベロス「リュカ! コボルト!」

ピクシー「ディアを……!」

ゲマ「させないよぉぉぉ?」

>ゲマの こうげき!

ピクシー「きゃあああっ!」

プックル「ガウウウウッ!! ユルサナイ!」

ゲマ「おそいねぇ……ヒャダルコ!」

>ゲマは ヒャダルコを となえた

プックル「キャウンッ!」

ケルベロス「ナラバ コレデドウダ! ガアアアアッ!!」

>ケルベロスは こんしんのちからで かみついた!

ゲマ「ぐっ!?」

ケルベロス「グググ……ヤハリ ワレノ コウゲキハ ツウヨウスル ヨウダナ!」

ゲマ「ええい、面倒なイヌめ! これでもくらいなさい!」

>ゲマは いなずまを はなった!

ケルベロス「グアアアアッ!?」

>ケルベロスは はじきとばされた

ゲマ「ふう、やっかいな……ギッ!?」

>ゲマに ガキのつめが つきささっている

ガキ「ギギギ ユダン シタナ」

ゲマ「こ、この雑魚風情がぁっ! 燃え尽きなさい! メラミ!」

ガキ「ギアアアアッ!?」


リュカ「み、みん、な……」


ゲマ「ほほほほほ。もう終わりかなぁ? それじゃあ、そろそろお開きにしようかぁ? この……ベギラゴンでぇ」

>ゲマに、まりょくが あつまる!

ゲマ「そこのイヌっころは生き残るかもしれないけどぉ、それ以外はキレイに灰にしてやろうねぇ」

ケルベロス「グ……ググ……!!」

>ケルベロスは しびれて うごけない!

リュカ「(ダ、ダメだ! このままじゃみんなが……! 何か、何か……! そうだ!!)」

>リュカは アセイミーナイフを ゲマにむけた

リュカ「伸びろ! 光の刃!!」

ゲマ「!? グギ、ぎぃやあああああああっ!?」

>ひかりのやいばが ゲマのかために つきささった!
>ベギラゴンが かいじょされた

リュカ「ざ、ざまあみろ……みんな、今の内に……!」

ゲマ「許さん、許さん、許さなぃぃぃいいいいっ!! リュゥゥゥゥカァァァァッ! お前は、許さないぃぃぃぃっ!!」

リュカ「!? がはっ!」

>ゲマは リュカを けりとばした!

リュカ「が、はっ……」

ゲマ「ふ、ふふふふ……気が、かわったよぉぉぉ? お前は、もっと苦しめてやろうねえぇぇ?」

リュカ「(こ、このままじゃ……! 動け! 動けよぼくの体! 動けよぉぉぉ!!)」





ヘンリー「両手魔法! イオ!」

>イオラのいりょくが さくれつした!

ゲマ「があああっ!?」



パパス「『はやぶさ斬り』! でええええい!」

ゲマ「ぎっ!? ぐはぁぁぁっ!!」


リュカ「ヘ、ヘンリー……おとうさん!」

ヘンリー「間に合ってよかったぜ、相棒」

パパス「もう大丈夫だ、リュカ……ベホイミ!」

>リュカのきずが かいふくした


げ、限界だ……今回はここまでで。
見せ場なのでじっくり練ります、ご勘弁を。

今回は感想返しラッシュで。

>>205
SFCのDQ5は道具袋がなく、預かり所が実装されてました。なのでこの世界にも無限に入る袋は基本的にないことになります。小説版で無限道具袋とかあったらスミスがタルを山の村まで運ぶ必要がなくなってしまう……あ、本作もCOMPあるから必要ねえや(笑)
>>204
小説版ではいのまたむつみ先生が注文を聞き違えたのか、ゲマのはずの絵がイブールのものになっています。
まあ小説版はイブールは元エルヘブンの民なので、ワニ顔にするのは無理があったから入れ替えたのではないかと。
なので本作でもその設定をつかいます。ご了承ください。
>>197
幻燐の主人公と言うと半魔人リウイですね。自分も幻燐の姫将軍は大好きなので自然とそうなったのかもしれません。
ちなみにリュカ(DQ5)+リウイ(幻燐)+リイム(リトルマスター)の三人で『リ』で始まるモンスターマスターズなるものを考えたことがあります。
>>193
意見感謝です。ただザンマ出してるので威力の点でバギ・バギマは出し辛いんですよね。
なのでザンマ(範囲)→ザンマオン(範囲)→バギクロス(グループ)→マハザンマorマハザンダイン(全体)という形がいいかと思ってます。

>>187->>190>>199
ホントに三行でまとめるとは(笑)
考察毎回感謝です。ただ、あんまりそこばっかり凝ってしまうと「ラインハット戦記」とか「ヘンリー伝」みたいになっちゃうので、ほどほどで進めていきます。ご理解の程を。

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

>>208
あの挿絵のゲマはおそらくミスだと思う
本文ではゲームのビジュアルに近く描写もされてるし
あと、イブールは戦闘前に化け物に変身するよ

コテハンつけるのって自己顕示欲強すぎですかね?

いつも乙です。
DQ5はシナリオがわからないので新鮮で、楽しませてもらってます。

ギリメカラの話し出したのはメガテンとの属性というか耐性の違いが
気になったってだけなんですけどね。
ケルベロス、ギラ系効かないっぽいところを見ると吸収か無効かな。
地味にピクシーとか電撃無効だったりすることありますし。

コメントする時間が合わないけど、ちゃんと見てますよ。
応援してます!

*>>1です。修正発見したので*

>>195
誤:ヘンリー「んで、ヘンリーもほっとけなくなって、今に至ると」

正:ピクシー「んで、ヘンリーもほっとけなくなって、今に至ると」


ヘンリー「俺がお前で」

ピクシー「あたしがあんたで」

コメ返信です。
>>209
うあ……やっぱそうでしたか。でも一回書いちゃったし、イブールをワニ顔にしたくない理由もあるので、あとでなんとかします。

>>210
コテハンは「また感想くれたんだ」ってわかるので大歓迎ですよ。
DQは完全物理無効ってイベント戦闘以外はいないみたいです(だいたい改心の一撃でどうにかなる)
これからもよろしく。

では、しばし後に投下を。

メガテンといえば忘れちゃいけない
マ ッ ス ル ド リ ン コ の出番はありますか?

メガテンの世界だと人間と悪魔の合体は普通に行われている。
DQも魔物の異種交配は割とありふれた技術だし、光の教団の奴隷達は…ふぅ

やったー。このままで行こうっと。

メガテンお得意の天使たちはでるのかな?
マンセマットが大変胡散臭くて大好きなんですけど
難しいキャラだろうなぁ。善人だったらいい意味で裏切れますけどね。

合体はヴィクトルもいいけど、邪教の館のほうが皮肉が効いてて
私は好きです。ヴィクトルと違ってあちこちにいますし、
村正がいなくても合体剣が館の主だけでできますし。
どっちが面白いでしょうかね?


>>1です。投下開始します。



ヘンリー「さて……俺の相棒に好き勝手やってくれたみてえだなあ、化物? ただで済むと思うなよ!」

パパス「リュカは仲魔たちの回復を。こいつはワシらにまかせろ」

ゲマ「グ、ググ……ふふ、ふふふふふふふ。アナタたちが? このわたしを? おもしろい冗談ですねぇ!」

ヘンリー「負け惜しみ言ってんじゃねえ! 両手魔法、メラ!」

>メラミのいりょくが さくれつした!

パパス「その首もらいうける! 『魔神斬り』!!」

>かいしんのいちげき!

ゲマ「がふっ! ごぼぁっ! く、くくく……ふふふふふふふ……」

>ゲマはダメージをうけつつも ぶきみにわらっている……

リュカ「ピクシー、しっかり! ディア!」

ピクシー「う……ありがと、リュカ。あたしもみんなの回復にまわるね」

リュカ「うん……急いだほうがいいかもしれない。あいつ、おとうさんたちにやられっぱなしだけど……」

ピクシー「そうね。さっきからあいつ、抵抗しようともしてない……なにか、あるわ」


ヘンリー「親父さん、あわせろ! いくぜえぇぇえ! 『真空斬り』!」
パパス「応! くらえ! 『稲妻斬り』!」

>MIXD! ライトニングソニック!
>ゲマに ちめいてきな ダメージ!

ゲマ「げふぁっ! ……クククク、クククククククク」

ヘンリー「不気味なヤロウだ……だが、それもここまでだぜ」

パパス「終わりだ! ぬぅんっ!」

>パパスは けんをふりおろした!




『やめてあなた! 妻である私を殺すと言うの!?』




パパス「!? マー……サ!?」



――――ドスッ



ヘンリー「親父さん!?」

リュカ「!? お……おとうさぁーーーーんっ!!」


>ゲマの おおがまが パパスのからだを つらぬいている……

パパス「ぐ、あ……今のは、いったい……!?」

ゲマ「ク、ククククク……やはり、効果がありましたねえ。なに、ただの幻影ですよ……ただし、アナタの『もっとも大切な人物』のねぇ?」

パパス「な、に……!? がはっ!」

ゲマ「どれほどの達人だろうとも、殺気の高まりきったその瞬間に幻影を見せれば一瞬動きが止まる……それも、切りかかろうとする相手が、最愛の者ならなおさら。クククク……ほほほほほほ!」

>ゲマは パパスを むぞうさに けりとばした

ヘンリー「てめえええええっ!!」

リュカ「ヘンリー! ダメだ!」




『にーちゃ、やめちぇえ!』




ヘンリー「デ、デール!?」

ゲマ「イオラ」

>ヘンリーは イオラのちょくげきを うけた

リュカ「ヘンリィィィ!!」


ヘンリー「あ、ぎ……バカ、な。なんでテメエが、俺のことを知って……?」

ゲマ「心に闇を、苦しみを、悲しみを、怒りを持つ者であるならば、わたしの知らぬことなどないのですよ。そうだ……こういう趣向はどうでしょうか?」

>ゲマは そのすがたを うつくしいじょせいにかえた

ヘンリー「!? !? !? そ、そん……な……はは、うえ」


『その通りです……さあ、ヘンリー。おまえは母を、この私を切れるのかしら?』


ヘンリー「な……舐めるな化物ふぜいが! 偽者とわかっていて、この俺が切れぬと思うか! くらえ! 真空斬り……っ!」


『……ええ、そうよヘンリー。わたしを、切りなさい。それが、正しいの』


ヘンリー「!! はは……うえ」

ゲマ「くくく、メラゾーマ」

ヘンリー「!? がああああああああっ!!」

>ヘンリーは ぜんしんを ごうかに つつまれた!

リュカ「ヘンリィィィィィィーー!!」

ゲマ「ほほほほほほほほ! いかに強靭な精神を持ち合わせていようとも、所詮は子供! 母親の自らをも投げ出す、慈愛溢れた微笑には剣を止めざるをえなかったようですねぇ! ほほほほほほほほ!! 心配せずとも殺しはしませんよぉ? 奴隷として、存分にわたしたちの役に立ってもらいましょうねぇ。ほほほほ、ほほほほほほほほ!!」

リュカ「お、まえ……よくも、よくもヘンリーのおかあさんをバカにしたな! ヘンリーの優しい心を踏みにじったな!」

ゲマ「ふふふ、それでお前はどうすると? またその役に立たない魔物たちをつれて、惨めな姿をさらすのですか? それに……父親と、友人をそのままにしておいていいんですかねぇ? 少なくともヘンリー王子は殺すつもりはありませんがぁ、そのままでは、二人とも死んでしまいますよぅ?」

>ヘンリーは ぜんしんに おおやけどをおっている
>パパスは きゅうしょをつらぬかれ ちがとまらない

リュカ「くっ……!」

ピクシー「……リュカ、逃げよう! このままじゃ、みんな助からない!」

ゲマ「ほほほほほ! 簡単に逃がすとお思いでぇ? いでよジャミ! ゴンズ!」


>ばとうのまもの ジャミと ぎゅうとうのまもの ゴンズが あらわれた!


ジャミ「お呼びで、ゲマさま」

ゴンズ「いかなるご用命で」

ゲマ「ふふふふ、そこの生意気な子供を存分にいたぶった上……殺してあげなさい。周りの魔物どもも皆殺しでかまいません。もちろんわたしも手伝いますよぉ? ふふふふふふ、ほほほほほほほほほ!!」

ピクシー「そ、そん……な……さらに新手、なんて」

リュカ「く、くそ……ちくしょう!」


コボルト「旦那、ここはオレっちにおまかせを」

リュカ「……コボルト?」

コボルト「ケルベロスの兄貴、親父さんとヘンリーを乗せてやってくだせえ」

ケルベロス「!! アア…………リュカハ ワレガ ヒキウケル アンシン シロ」

コボルト「ありがとうごぜえやす…………旦那、フローラお嬢さんに、約束の綺麗になった姿、見てやれなくてすまねぇって、言っといてくだせえ。みんな……旦那のこと、頼んだぜ!」

ケルベロス「……ココロエタ! ユクゾ!」

リュカ「!? ダメだ、そんなのダメだコボルト! いやだ、コボルトを見捨てていくなんていやだ! 放してよケルベロス! コボルト! コボルトォォォォ!!」

>ケルベロスは リュカをくわえて むりやりにげだした!

ゲマ「ほほほほほ! お逃げなさいお逃げなさい! すぐ捕まえてみせますよぉ! では、この身の程知らずから片付けるとしましょうか」

ジャミ「ふはははははは!! 下等な魔物一匹でなにができる!?」

ゴンズ「イヌっころごときが! 肉片一つ残さずズタズタに引き裂いてくれる!」


コボルト「……タルカジャ! タルカジャ! タルカジャ! タルカジャァッ!! 燃えろオレっちの命……MAGの一欠けらも残さず燃え上がれ! バルザァァァァァークッッ!!」

>コボルトの こうげきりょくが げんかいまであがった!
>コボルトは バルザックをとなえ ぼうそうじょうたいになった!


ゲマ「な、なんと!?」

ジャミ「な、なんだこの気迫は……っ!?」

コボルト「ガァァァァァアアアアアアアッ!! 『天 驚 地 爆 断』ッッ!!」

ゴンズ「よ、よけ切れんだと!? こ、この俺様があぁぁぁっ!?」



コボルト「…………旦那、生きてくだせぇ……さよなら、ですぜ」



>だいちをゆるがす ばくおんがとどろいた……


>ケルベロスは ぜんそくりょくで いせきをかけぬけている……

リュカ「なんで……なんでだよ、コボルト……ぼくがりっぱなデビルサマナーになるまで、ずっと付いて来るって言ってたじゃないか……ウソつき……ウソつき! うわぁああああああんっ!!」

ケルベロス「リュカ! シッカリシロ! コボルトタメニモ イマハ イキノコルコトヲ カンガエロ!」

リュカ「ううっ、ぐすっ…………わ、わかった、よ」

ピクシー「リュカ、手伝って! パパスさんの傷……急所をやられたせいか、回復が遅いの! このままじゃ……!」

リュカ「!! わかった! ディア! ディア!」

ケルベロス「イソグヒツヨウガ アルナ ダガ デグチマデイケバ ヘイシタチガイル ソコマデイケバ……」


ジャミ「小僧ぉぉぉぉっ! 生意気なまねをしおって! 逃がさぬぞぉぉぉっ!!」

>ジャミが きずだらけのすがたで おいついてきた!


ケルベロス「クッ! ヒトスジナワデハ イカナカッタカ!」

リュカ「そん、な……コボルト……」

ピクシー「あいつが、命をかけたのに、こんなのって……」

ガキ「……フン! マッタク セワノヤケル サマナーダ!」

>ガキが ジャミのがんぜんに とびだした!
>ガキは ジャミにしがみついた!

リュカ「ガキ!?」

ジャミ「ぬう!?」

ガキ「ギシシシシシ! キサマハ オレノ ミチヅレダ!!」

ジャミ「は、はなせ! ぬわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」






>ガキは せいめいりょくをふりしぼり だいばくはつをおこした!


>ジャミは はんしんをふきとばされ むしのいきだ

リュカ「ガキ!!」

>リュカは ボロボロになった ガキを だきあげた

ガキ「グ、ギギ……コレデ シバラクハ メザメヌ ハズダ イマノウチニ ニゲロ」

リュカ「体が、崩れて……?」

ピクシー「……悪魔の中核を支える分のマグネタイトまで使い果たしたのよ。こうなったらケルベロスの蘇生魔法……サマリカームでも治せない。消滅しか、ないのよ」

ガキ「オ、オレハ ウエニ サイナマレ ツヅケテイタ イママデモ ズットダ……ダガ オマエトイルト ハラデハナイ ベツノトコロガ アタタカイナニカデ ツネニ ミタサレテイタ」

リュカ「ガキ……いやだ! いやだよ! 死なないで! ぼくの死ぬところを見るんだろう! それまで……それまで生きててよ! 死んじゃいやだよう!!」

ガキ「ソレガイッタイ ナンナノカ ケッキョク ワカラナッタガ…………リュカ キサマトトモニ スゴシタヒビ……ワルク ナカッタゾ……イキロ イキテ……オレノヨウナ アクマヲ スクッテヤッテ……クレ…………」








>ガキのからだは はいとなって くずれさった……



リュカ「ガキ!? ……う、ううっ、うわあああああああああっ!!」

ピクシー「……急ぎましょう、二人の犠牲を、ムダにしないためにも」


リュカ「もういやだ……コボルト、ガキ……みんな ぼくをかばって……どうしてだよぉぉぉぉっ!!」

ピクシー「リュカ……」

プックル「ミャウウ……」

ケルベロス「モウスグ デグチダ……!! イカン! マワリコマレタ!」


ゴンズ「ぐおおおおおおおおおおおっ!!」

>みずしぶきをふきあげ ボロボロのゴンズが すがたを あらわした!


ピクシー「そんな! 水路を泳いできたっての!?」

ゴンズ「がはーっ! がは-っ! 水路に逃げ込まなければ危うく死ぬところだったぞ! 小僧! よくも俺様をこのような目に! 許さん……許さんぞぉぉぉぉっ!!」

プックル「ガウウウッ!! リュカニ チカヅクナ!!」

>プックルは ゴンズにかみついた!

ゴンズ「があああっ!?」

プックル「ガウウウウウッ!! プックル リュカ マモル! マモル! オマエ コボルトノ カタキ! カタキ! ユルサナイ! グルルルルルルァァァァァァッッ!!」

ゴンズ「ぎゃあああああああっ!!」

>プックルは さらにふかく きばをつきたてた!

リュカ「プックルやめろ! 逃げて……はやく逃げるんだ! ぼくのいうことがきけないのか! 逃げて……逃げてよ! プックルゥゥゥゥゥ!!」

ゴンズ「ぐぐぐ……おのれ邪魔をするな! このクソったれベビーパンサーめ!!」

――――バギィッ!!

プックル「キャウン!!」

>プックルは すいろに おとされた!
>すいしんはふかく プックルは あがってこない……

リュカ「プックル!? プックルーーーーーーッ!!」

ゴンズ「さあ覚悟しろ! このクソ餓鬼どもめ!!」

ジャックランタン「…………リュカ、フロストに会ったら、オイラは頑張ったって伝えてホー」

>ジャックランタンは しずかに ケルベロスのせをおりた

リュカ「ジャックランタン!? いやだ……もういやだ! みんなぼくのことなんか見捨てて逃げてよ! 悪魔召喚プログラムなんかいらない! 契約とか、そんなのどうだっていいから、逃げて! 死なないでよぉ!!」

ジャックランタン「リュカ、そんなリュカがオイラたちは大好きなんだホー。だから命をかけるんだホー。……さよなら、リュカ」

リュカ「やめてぇぇぇぇーーーーーーーーっっ!!!」

ケルベロス「クッ……ッ! サラバダ! ランタン!」


>ケルベロスは うしろをふりむかず はしりさった


ゴンズ「待ちやがれ! ああ? なんだこのカボチャは……!?」

ジャックランタン「ただのカボチャと舐めたのが、オマエの死因だホー」

ゴンズ「っ!?」





ジャックランタン「マ ハ ラ ギ ダ イ ン」




>しゃくねつのせんこうが いちめんをうめつくした……



ケルベロス「デグチガ ミエタ!」

ピクシー「ほら、リュカ! 出口よ! あたしたち、助かったのよ!」

リュカ「…………コボルト……ガキ……プックル……ジャックランタン……みんな……どうして…………っ!」

>リュカは しずかになみだを ながしつづけている……

ピクシー「……リュカ」





『ほほほほほほ! みぃつけたぁぁぁぁ』




>みのけもよだつ ゲマのこえが みみもとで きこえた!
>ゲマは みずからを やみのきりにかえ ケルベロスのせから ヘンリーをうばいさった!

リュカ「!? ヘンリー!?」

ケルベロス「シマッタ!」

ゲマ「いままでぇ、よぉくやったねぇぇぇ。けどぉ、ヘンリー王子はわたしの手のなかさぁぁ。ほほほほほ! さぁあどうするぅ!?」


リュカ「(ヘンリーを助けなきゃ……そして、コイツの狙いはぼくだ……おとうさんは、気絶しているから狙われはしない。でも、はやく治療しないと死んじゃう……だったら!)」


>リュカは ケルベロスのせから おりた

ケルベロス「リュカ!?」

ゲマ「ほう? なんのつもりです?」

リュカ「……ケルベロス、おとうさんを連れて、逃げて。ぼくが、ヘンリーを助ける」

ピクシー「リュカ!?」

ケルベロス「ナッ!? バカヲイウナ!」

リュカ「お願いだよ、ケルベロス……おとうさんを、死なせないで。ぼくを置いて、逃げて! ピクシーも、逃げて!」

ケルベロス「コトワル! ニゲルナラ リュカモイッショダ!」

ピクシー「そうよ! そんなことできるわけない!」

ゲマ「ほほほほ! ほーっほっほっほ! なぁんて主人思いの魔物たちなんだろうねぇ? さぁあ、どうするんだいリュカァ? もたもたしてたら、二人とも死んじゃうんだよぉぉぉぉ?」



>リュカは あふれるなみだをこらえ くちびるをかみしめ……さけんだ

リュカ「…………『命令』だっ! ぼくの、デビルサマナーリュカの、最初で最後の『命令』だっ!! 行け! 行くんだ! ケルベロスゥゥゥゥゥ!!!」



ケルベロス「……ッ!!!! ココロエ、タ! ダガ……イキロ! イキテフタタビ ワレノアルジトナレ! サラバダ…………イキロ! リュカァァァァァァアアアッッ!!!」

>ケルベロスは パパスをせおい はしりさった……


※同時刻 遺跡の外


ドゾブ「おい、攫われたガキどもは全員保護したんだろうな!?」

兵士1「はい隊長! 誘拐犯どもも護送の馬車に閉じ込めました!」

ドゾブ「っしゃあ! なら先に入ったパパスさんとヘンリー王子を追うぞ! リュカもがんばってんだ、ここで俺たちが尻込みしてたら、男が廃るってもんだぁ!」

『はい隊長!!』

ドゾブ「行くぞぉ!!」



『待てい! そこまでだ!』

>うまにのった ごうしゃなよそおいの きぞくが すがたをあらわした
>はいごには きしだんが れつをなしている


ドゾブ「あぁん!? なんでぇテメエは! 俺たちは誘拐犯とその一味を捕まえにきたんだ! 邪魔されるいわれはねえぞ!」

貴族「ふん。確かにその働きは立派なり、褒めてつかわす。だが、これ以上そなたらの介入は無用だ。ここから先は私があずかる。そなたらは誘拐されたものどもを連れて、城へ戻るがいい」

ドゾブ「なっ!? 待ちやがれ! そりゃあ誘拐犯どもをおまえらが連れて、手柄を横取りするってことじゃねえか! ふざけんじゃねえ!」

貴族「やれやれ、下賎のものは野蛮な発想しか出来んから困る。我々は国王からの命を受けてやってきておるのだ。ここに任命状もある。逆らうなら、貴様らも反逆者としてひっとらえてくれるぞ?」

>きしだんが へいしたちに けんをむけた

ドゾブ「くっ!! ……だ、だが、中にはまだ俺たちの仲間がいる。そいつらを連れてからでも遅くないだろう?」

貴族「無用だ。それに、誰かいるなら、我々で保護する」

ドゾブ「ぐ、ぐぐっ……」

貴族「どうした? まさか、中に『重要人物』がいるわけではあるまい? ククク」

ドゾブ「っ!! (やられた……! ヘンリー王子の計画は完璧だった。だが、こいつは知っていた……何故だ!?)」

貴族「そうそう、そこの者には礼を言わねばな。おかげで、ヘンリー王子が無茶をする前に止められそうだよ。ふふ」

兵士2「ひっ! あ……あ……!」

ドゾブ「!! テメエ! テメエが内通してやがったのかぁ!! 許さねえ!!」

兵士2「か、勘弁してくだせぇ隊長! 仕方なかったんだ……あいつら、オヤジとオフクロを人質に……! 勘弁してくだせぇ! 勘弁してくだせぇ!!」

ドゾブ「なっ……! こ、この腐れ貴族ども……!!」

貴族「さあ、わかったらさっさと立ち去るのだな。これ以上我々の手を煩わせるでないわ」

ドゾブ「くっ……(すまねえ、リュカ、ヘンリー王子……無事でいてくれよパパスさん……!)」


※遺跡内部


ゲマ「ほほほほほほ!! 大した忠犬ぶりですねえ! しかし、そこの羽虫はいささか出来が悪いようで。くくくく」

リュカ「!? ピクシー……どうして! 逃げろって言ったのに!」

ピクシー「ごめんねリュカ……あたし、そんな命令聞けないよ。だって……あたしも、契約とか関係なしに、リュカに死んで欲しくないもん」

リュカ「わ、わからずや……っ!」

ピクシー「それでもいいよ。あたし、正直パパスさんやヘンリーがどうなってもいいの……リュカが無事なら、それでいい。だから、そんな命令、絶対聞いてあげない」

リュカ「ピ、ピクシー……なんで、そこまで……」

ゲマ「ふふふふ、麗しい主従愛ですねぇ。さて、おしゃべりはここまで。存分に……いたぶって差し上げますよぉぉぉっ!!」


>ゲマが おそいかかってきた!

ピクシー頑張れ、超頑張れ


>リュカたちは いせきをにげまわっている……

ゲマ「イオラ! ヒャダルコ! ほほほほほ、まぁたかくれんぼかい? どこにも逃げ場はないよぉぉぉぉっ!! ベギラマ!」



>リュカたちは ものかげに かくれている

リュカ「はぁっ、はぁっ……! 傷を、なおさなくちゃ……」

ピクシー「魔法は使わないほうがいいわ。魔力を温存しないと……魔石を使うわ」

>ませきで リュカのたいりょくが かいふくした

リュカ「ありがとう……ねえ、今からでもいい。ぼくを置いて逃げて」

ピクシー「嫌よ」

リュカ「どうして!? もう、嫌なのに……ぼくをかばって、ぼくのせいでみんなが死んでいくのなんか、見たくないのに! どうして逃げてくれないのさ!」

ピクシー「リュカの『せい』じゃないわ。みんなリュカの『ため』だから……リュカが大好きだから、死んで欲しくないから、だからみんな命を掛けたのよ? ケルベロスだってそう。大好きなリュカが、大ッ嫌いな『命令』をしてまでパパスさんを生かして欲しいって頼んだから、それができるのが自分だけだって理解してしまったから……だから、先に逃げてくれたの」

リュカ「でも……でも……っ! 死んだら、おしまいじゃないか。死んだら、もう一緒に笑ったり、遊んだりできないじゃないかっ! ぼく一人のために、みんなが死ぬなんて……そんなの、絶対にいやだっ!」

ピクシー「……リュカ、わかって。みんなも同じことを思っているの。それはわかるでしょう? それに……あたしたちアクマは死んで、それでおしまいじゃないの。リュカがいるから、みんな安心して命を掛けたのよ?」

リュカ「え……? それって、どういうこと?」

ピクシー「命は終わる、でも『思い』は残る。あたしたちアクマは、みんな『思い』から生まれた命。だからあたしたちの思いを受け継いでくれるリュカがいるなら、どんな形になるかはわからないけど、きっとまた会える。みんな、大好きなリュカのところに帰ってくる。約束、するわ」

リュカ「そんな、こと……っ! まさかピクシー!? ダメだよ! 行かないで!」

ピクシー「…………ごめんね……『ジオ』」

>ピクシーは ジオを となえた
>リュカは しびれて うごけない!

リュカ「が……っ! ピ、ピクシー……」

ピクシー「…………優しいリュカ。あたしも、もっとあなたと居たかった……けど、これしか、思いつかないの。だから、せめて」

――――チュッ

>ピクシーは そっと リュカと くちづけをかわした

ピクシー「大好きよ、リュカ。あたしは、アクマだけど……あなたを、愛してるわ。どうか、生きて」

>ピクシーは リュカをせに とびさった……

リュカ「ピク、シー……ピクシィィィィィッ!!」



ゲマ「ほほほ、ようやく出てきましたか。おや、リュカが見当たりませんねぇ」

ピクシー「リュカには会わせないわ。あんたは終わりよ。今、ここで」

ゲマ「ほーっほっほっほ! 羽虫ふぜいがなにを馬鹿なことを! やってみなさいな!」

ピクシー「ありがと、アンタがバカで助かったわ」

>ピクシーのてに おそろしいほどの まりょくが うずまいていく!!

ゲマ「なっ!? その小さな身体のどこにそんな魔力が!!」

ピクシー「さよなら、リュカ…………あなたが人間でも、あたしが悪魔でも、友達になってくれて嬉しかった……世界中の誰よりも、貴方を、愛してるわ」




     『   メ   ギ   ド    』






>せんこうと ばくおんが いせきを しばし ゆるがしつづけ…………ようやく おさまった


リュカ「う、うう……! ピク、シー……ピクシー!」


>リュカは しびれののこるからだを ひきずりながら ピクシーをさがした……
>やがて むざんにえぐれた いせきのひろばに たどりついた


リュカ「う、あ…………ピク、シー……」


>それが ピクシーのやったことだと いのちをかけたまほうだと リュカは りかいしてしまった


リュカ「うわああああああああっっ! ピクシー! ピクシー! どうして……どうしてだよぉぉぉぉぉぉぉっ!!」









『犬死とは、こういうことを言うのでしょうねえ、ほほほほほほほほほ、ほーっほっほっほっほ!』






リュカ「………………ゲ、マ」

ゲマ「ふふふふ……ほーっほっほっほ! そぉお、わたしはゲマ。そしてあの羽虫の命がけの魔法でもぉ、わたしは生きているぅ。ほほほほほほほほ……がふっ! まあ、多少は痛い思いをしましたがぁ」

>ゲマは たしかによわっている……それでも おそろしいけはいは なくならない

ゲマ「ふふふふふ、どうです? 悔しいですかぁ? 恐ろしいですかぁ? もうあなたを守るものは誰もいなぁい。もう誰にも頼れなぁい。あなたはただの、無力な子供。ほほほほほほほ!!」

リュカ「…………れ」

ゲマ「あなたはここで死ぬぅ。あの魔物たちも無駄死にですねぇ、こぉんな愚かで無力な主のために命をかけるなんて! 笑うしかありませんねえ! ほーっほっほっほ!!」

リュカ「…………黙れ」

ゲマ「ああ、そういえば、あの羽虫が死ぬ間際になにか言っていましたねぇ? 友達? 愛してる? 人は人、魔物は魔物。そぉんな関係が成り立つはずないでしょうに! 所詮は能無しの羽虫が発情期に入っただけのこと! 己を知らぬというのは見ていて愉快ですねぇ! ほほほほほほ、ほーっほっほっほっほっほ!!」

――――ブチ

リュカ「………………黙れって、言ってるんだぁぁぁぁぁっ!!!」

>リュカのもつ アセイミーナイフから きょだいなやみのやいばが すがたをあらわした!

ゲマ「なあっ!? なんですその剣は!? どこにそんな力を隠し持って!?」

リュカ「よくも……よくも…………よくもっ!!」

>やさしかった リュカのかおは おぞましいほどの にくしみに ゆがんでいる!!

リュカ「みんなを殺したな! ピクシーを侮辱したな! みんなの思いを…………よくも踏みにじったな!!」

>あんこくのやいばは しゅういに ぼうふうをまきちらしながら さらにきょうこに おぞましいかたちをとっていく!

ゲマ「な……こ、この力は……わたしと、魔王さまと同じ……そ、そんなはずは!?」

リュカ「お前は……お前、だけはっ……」

ゲマ「…………っ!? こ、これはっ!? わ、わたしが…………『恐怖』している!? 馬鹿な!? ありえない……ありえない! そんなことがありえるはずがない!!」






       『  こ  ろ  し  て  や  る  !!!!!!!!』








ゲマ「ぎゃああああああっ!! ひいっ、ひぃっ、ひいっ……っ!」

>ゲマは いせきのかべに たたきつけられた!
>リュカは むごんで ゲマにむかって あるいてくる……

ゲマ「く、来るなぁっ! ベギラゴンッ!」

>ゲマは ベギラゴンをとなえた
>しかし やみのやいばに すいこまれた

ゲマ「そ、そんな……なんなのですその剣は!?」

リュカ「……笑えよ、ゲマ」

ゲマ「ひいっ!?」

リュカ「嬉しそうに、楽しそうに笑ってたじゃないか……鬼ごっこだろう? かくれんぼだろう? こうやって遊ぶのが大好きなんだろう? だったら……さっきみたいに、笑ってみせろよゲマァァァァァァァッッ!!!!」

>リュカは やみのやいばを ゲマにたたきつけた!

ゲマ「ぎゃああああああああっ!!!!」

>ゲマは やみをまきちらしながら じめんをはねまわる!

ゲマ「た、助けて……わ、わたしが悪かった! もうおまえに危害は加えない! だから助け……「ザンマ」ぐべっっ!?」

>リュカは ゲマをむしして そのがんめんに ザンマをたたきこんだ!

ゲマ「ひいっ、ひいっ……な、なんで……」

リュカ「お前は、どうなんだ?」

ゲマ「え?」

リュカ「お前は、そう言った人間を、助けたのか? 違うだろう? だから……ぼくも、こうする」

>リュカは ゲマに やみのやいばを つきたてた!

ゲマ「ぐぎゃあああああああああっ!! た、頼む……助け……」







リュカ「死ね」





「シバブー!」





リュカ「っ!?」

>リュカは かなしばりに かかった!
>みうごきが とれない!

リュカ「な、なんだ!? こんなもの……こんな、もの……っ!」

ゲマ「!? い、いったい誰が……?」


『少々、調子に乗りすぎたな。ゲマ』


ゲマ「こ、この声は……イブール殿ですか。ふう、助かりましたよ」

リュカ「(イブール? なにものだ……!?)」

イブール『その者に、貴様では勝てん。俺の使い魔をそちらにやった……そいつに任せて、お前はおとなしく、ヘンリー王子とそいつの身柄を、丁重に神殿まで運んで来い』

ゲマ「何を偉そうに! 貴方は魔王さまの駒の一つにすぎぬのです! わたしが命令を聞くいわれは……」

イブール『やれ『ベリアル』』



ベリアル「承知した……『メギドラオン』」

>ベリアルは メギドラオンを となえた

――――ドゴォォォォォォォォォォォンッッッ!!!!


ゲマ「ぎゃああああああああああああああっ!!!!?」

リュカ「うわあああああああああああっ!!」


イブール『さて……ゲマ、先ほどお前はなんと言ったのだったな? 最近、耳が遠くてな……『もう一度だけ』言ってくれんか?』

ゲマ「う、うう…………お、おおせの通りに、いたします……」

イブール『そうか。ならばベリアル、戻って来い。あとはまかせるぞ、ゲマ』

ベリアル「承知した」

ゲマ「は、ははあっ……」

>ベリアルは トラポートで かえっていった

リュカ「ううっ……ゲ、ゲマ……お前は……お前、だけは…………っ!」

>リュカは もうろうとしながらも ゲマをにらみつづけている

リュカ「お前、だけは……っ! この手で……っ! 殺してやるっ…………っ!!」

ゲマ「くっ……(なんという気迫、そして憎しみ……! しかし、この力があれば、あのイブールに大きな顔をさせずに済む。そのためには、もっと、もっと憎しみの心を育てねば……!)」

リュカ「殺し、て……」

>リュカは いしきをうしなった



ゲマ「……いいでしょう、もっと憎みなさい。もっと恨みなさい。そしてわたしの糧となりなさい……その憎しみで、その恨みで! 闇の心でわたしをもっと強大な存在に押し上げなさい! ほほほほほ! ほーっほっほっほっほっほ!!」




……怒濤の幼年期最終章、ようやく終わりというところで、今回はここまでです。
勢いに任せて書いた結果忘れたイベントもあるんですが、そのへんはまた後の話に入れていきます。
今回の執筆BGMがPCゲーム『鬼哭街』より『Soul for the Sword』です。
悲しくも燃え滾る情念を表すのに最適でした。
この後は閑話をいくつか入れて補足をした後、青年期に入ります。

>>213
アイテムに関しては必要性が出てくればその都度だしていきますが……マッスルドリンコ、どうやって出そう?
よければイベント案など出していただければ、触発されてなんか思いつくかもしれません。

>>214
淫堕の姫騎士ジャンヌとか戦乙女ヴァルキリーの世界観になっちゃいますがな(笑)
いや、そういうエロいのも大好物ですけどね(死)

>>215>>227
毎度コメ感謝です。合体施設はどっちを出そうか迷ってるので、今後にご期待を。
ピクシー……がんばったよ……?

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク


あれ?これパパス生存√? 


>>1です。修正発見したので。

>>222
誤:ガキ「ソレガイッタイ ナンナノカ ケッキョク ワカラナッタガ…………

正:ガキ「ソレガイッタイ ナンナノカ ケッキョク ワカラナカッタガ…………

全文カタカナは見分けづらい

>>233
誤:イブール『さて……ゲマ、先ほどお前はなんと言ったのだったな? 

正:イブール『さて……ゲマ、先ほどお前はなんと言ったのだったかな?


コメ返しです。

>>235
はい、パパス生きてます。現在瀕死ですが。


ではまた後ほど投下します。

DQでいうカオスルートって、世界の半分をくれてやろう→殺してでも奪い取る
みたいな感じになるんだろうか


>>1です。現在執筆中ですがお知らせを。
今までナレーションの文をあえて漢字未使用でやってきましたが、使いづらくなってきたので、漢字解禁します。
ファミコンっぽさを狙ってたんですが、シリアスな文が雰囲気出ないんで……

では、もう少しお待ちください。


うう、あんな結果のためにおうえんしたわけじゃないやい……
自分が「悪魔と人間の恋は上手くいかない」って描き方が基本だから
ここでのピクシーには上手くいってほしかったなぁ。


皆が玉砕してくなか、ランタンがつかったのが
「マララギダイン」って誤読した私は
きっと心が汚れてます。


>>1です。投下開始します。


※遺跡入口


貴族「さて、では突入するぞ。中にはヘンリー王子がいるはずだ、ここでその身を確保すればヘンリー王子の名声は高まり、デール王子を殺す大義名分が……っ!?」

ケルベロス「グルルルルルォォォォォォッッ!!」

>ケルベロスが 騎士団の前に 踊りでた!

ケルベロス「ナンダキサマラハ! ドゾブタチハ ドコダ!」

貴族「おのれ化物! なるほど、先のものどもとグルだったか。これで合点がいった! 騎士たちよ! ヘンリー王子をそそのかし、殺害しようとしたデール派の従える魔物だ! 生かして帰すな!」

ケルベロス「ナッ!?」

>騎士団は ケルベロスに剣を向け 取り囲んだ

ケルベロス「グウッ! ケンリョクトウソウニ クルッタ オロカモノメ! キサマラニ ジャマヲサレテ タマルカ! グルルルルルァァァァァァ!!」

騎士「ひ、ひいいっ!?」

ケルベロス「(ドゾブタチガ アテニナラン イマ ラインハットニ ムカウノハ ムリダ……クッ サンタローズマデ イクシカ アルマイ!)」

>ケルベロスは 騎士団の包囲を突破し そのまま 駆け去った


騎士「だ、だめです! とても追いつけません!」

貴族「ぬうう……まあよい、王子さえ手中にあれば、我らの勝利は磐石なのだ! 進むぞ!」

>騎士団は 遺跡の中に 足を進めた
>遺跡の中では 闇の刃を振るうリュカが ゲマを痛めつけている!

騎士「な、なんだあのおぞましい剣を振り回す子供は……っ!?」

貴族「な、何をしている! 何者だろうと王子以外はデール派の回し者にちがいないのだ! 遠慮はいらん、殺せぇっ!」

>騎士団は 剣を構えた!




『メギドラオン』






貴族「? なに、が……」


>貴族と騎士団は 跡形も残さず 消滅した



※サンタローズ近くの草原


ケルベロス「(モウスグダ モウスグ サンタローズニ……ッ!? ナンダ アイツラハ!?)」

>サンタローズ村を前にして 武装した集団が 集まっている!


デール派貴族「よいか! ここがヘンリー王子を連れ去ったパパスなる男の根城だ! 我々は王子救出のため、この村の賊徒どもを根絶やしにする!」

ゴロツキ1「へっへっへ……村には、なにをやってもいいんですかい?」

デール派貴族「かまわん! 我々が正義であることを示すために、疑わしき痕跡は一切残すな!」

ゴロツキ2「はっはっはぁ! そうこなくっちゃなあ!」

ゴロツキ1「さすがぁ! お貴族様は話がわかるぜぇ!」

デール派貴族「(あのイブールとやらが言ったことが真実なら、もう王子は帰ってこない。王の重臣やヘンリー派を追いやるためにも、我らの暗躍を隠蔽するためにも、王の友人だというパパスゆかりのものは全て焼き尽くすのだ。さすればラインハットは我らのもの……そして事を成したなら、こやつらを始末すれば、我らの威光に傷はつかぬ……!!)」

>ゴロツキたちは サンタローズに向けて進み始めた!

ケルベロス「(ナンダト!? コレデハ サンタローズニハ モドレン! サンチョ ムラノモノタチ……ワレヲ ウランデ カマワン! ワレハ パパスヲ スクワネバ ナランノダ!)」

>ケルベロスは サンタローズに背を向け アルカパに向けて 駆け出した


※サンタローズ村


「きゃああああーーーーーっ!!」
「た、助け……ぎゃああああっ!!」
「おとうさーーん! おかあさーーん!」

>ゴロツキたちは サンタローズ村で 暴虐をはたらき続けている

「殺せ殺せ! いぶりだせ!」
「男は殺せ! 女は犯してから殺せ!」
「金も物も奪い放題だ! 遠慮はいらねえ!」

ゴロツキ2「待ちやがれ!」

ゴロツキ1「ヒヒヒ! 鬼ごっこはこれまでだぜ!」

シスター「いやあああああああっ!!」

>教会のシスターが ゴロツキたちに追い詰められている!

シスター「こ、来ないで……助けて、パパスさん……!」

ゴロツキ1「へへへ、まだガキっぽいがいい体してんじゃねえか」

ゴロツキ2「俺たちにも神のお恵みってやつを与えてくれよ……その体でなぁ!」

――――ビリィィ!

>ゴロツキたちは シスターの服を引き裂き 地面に組み伏せた

シスター「い、いやーーーーっ! やめてぇーーーーーーーっ!」




「おやおや、どうにも獣欲に取り付かれた人間は野蛮でいけない」

「かっかー」




>逆光を背にした男が 教会の入り口から近づいてくる
>その光は まるで光の翼を背負っているように見えた

ゴロツキ2「ああん? ナンだ手前は!?」

シスター「……天使、さま……?」

ルイ・サイファー「まさか私が『神の花嫁』たるシスターを助けることになるとは……いやいや、これだから世界は面白い。なあ、はるかさん?」

はるかさん「ヴぁいっ」

ゴロツキ1「スカしやがって! 手前もこの村の住人だな!」

ゴロツキ2「女を楽しむ前に、手前から血祭りだ!」

シスター「ダ、ダメ! 逃げてください!!」

ルイ・サイファー「なんと、自分より私の方を心配するとは。この状況で見上げた精神だ。それに比べ……エレガントではないよ君たち。ではお望み通りお相手をしよう……ただし」



『真っ二つだぞ?』



――――パチンッ

ゴロツキ1「へっ……?」ゴトン

ゴロツキ2「はっ……?」ゴトン

>ルイ・サイファーが指を鳴らすと 男たちの首が 一斉に撥ねられた!



ルイ・サイファー「すまないね。少々目の毒だっただろう? さ、私のジャケットで悪いが、羽織るといい」

シスター「あ、ありがとうございます! ありがとうございます!」

ルイサイファー「なに、礼なら酒場のマスターに言ってくれたまえ。私はここのショウガ酒が飲めなくなるのは惜しいと、そう思っただけなのだから」

はるかさん「かっか? かっかー!」

ルイ・サイファー「なに、おつまみのほうがおいしかった? ううむ確かにそれも……」

シスター「ああ、貴方はきっと天使さまなんだわ……」

ルイ・サイファー「むっ!? は、はは……天使、ね(まあ、間違ってはいないのだが)」←堕天使のトップ・元天使長

はるかさん「かっかっか」ケラケラ

「奪え!」
「殺せー!」
「焼き尽くせ!」

シスター「た、大変! 村のみんなが……!」

ルイ・サイファー「なに、心配はいらない。私がなんとかしよう。君はここに隠れていたまえ」

シスター「は、はいっ」

はるかさん「かっか、はるかっか!」チョイチョイ

ルイ・サイファー「む、そうか。死体を後始末しておかねばな」

――――パチンッ

>指を鳴らすと ゴロツキたちの死体は 跡形も残さず燃え尽きた

ルイ・サイファー「これでよし。さて一仕事といこうか、はるかさん」

はるかさん「ヴぁいっ!」

シスター「お、お気をつけて!」



デール派貴族「燃やせ燃やせ! 全てを破壊し、殺しつくすのだ!」

>村の破壊活動は 続いている……

ルイ・サイファー「それは困るな。この村の美味い酒場に通えなくなってしまうではないか」

はるかさん「ヴぁいっ! ヴぁいっ!」

>ルイ・サイファーたちは ゴロツキたちの前に 立ちはだかった!

ゴロツキ「あぁん!? 手前も血祭りだぁ!」

デール派貴族「殺せ!」

ルイ・サイファー「やれやれ、知性が足りんよ」

――――パチンッ

>男たちの首が 一斉に撥ねられた

ゴロツキ「ひいっ!? な、何をしやがった手前!」

ルイ・サイファー「さて出番だ。頼むよ、はるかさん」

はるかさん「はるかっかー!」パッパラー

>はるかさんは 水を取り出した!
>はるかさんは 水をかぶった!

「かっかー」
「かっか?」
「かっか!」
「ヴぁ~い」
「かっかっかー」
「はるかっか!」


『はるかっかー』



>はるかさんは 増殖した!

ゴロツキ「なっ!? 妙なもの連れまわしやがって、無視してんじゃあねえ!」

>ゴロツキは 襲い掛かった



ぞぶり





>はるかさんは ゴロツキを丸呑みにした

『ひ……ひいいいいいいっ!?』



ルイ・サイファー「そしてこれだ。飲みたまえ」

>ルイ・サイファーは マッスルドリンコを はるかさんリーダーに渡した

はるかさんリーダー「ヴぁいっ! こっ、こっ、こっ、こっ、こっ……ぷはぁ~……ウフ、アハ、アハハハハハ」

>はるかさんの周囲が 暗黒に染まる……


暗黒はるかさん「アハハハハハハハ!! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」


>珍獣 はるかさんは 外道 暗黒はるかさんに変質した!

「アハハハハハハハハハハ」
「アハハハハハハハハハハ」
「アハハハハハハハハハハ」
「アハハハハハハハハハハ」
「アハハハハハハハハハハ」
「アハハハハハハハハハハ」

ルイ・サイファー「さあ、はるかさん……存分に『喰らえ』」


『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!』


ぞぶり

ぞぶり ぞぶり

ぞぶり ぞぶり ぞぶり

ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり

ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり

ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり ぞぶり

ぞぶり


「あ、ああ……嫌だ……嫌だぁぁぁぁぁっっ!!」
「く、来るな……来るなああああああっっ!!」
「ひいいいいいいいっ!! おが……おがあぢゃぁぁぁんっ!!!」

デール派貴族「な……なんだのだ貴様らは!? いったい、何者なのだ!」

ルイ・サイファー「そんなもの、決まっているじゃあないか」




「悪魔だよ」

『アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』



ぞぶり



――――ぎぃぃぃぃやあああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!

*修正*

>>249
誤:デール派貴族「な……なんだのだ貴様らは!? 

正:デール派貴族「な……なんなのだ貴様らは!?

かっかの教育(食べられ愚民として生まれ変わる)を目にすれば教育されていない愚民はパニくるのも無理はない。



※夜 アルカパの町


>ビアンカが 二階の窓から 退屈そうに 空を眺めている

ビアンカ「はあ……パパスおじさまとリュカ、また遊びに来てくれないかな……あれ・なんか騒がしいわね」


「おい大変だ! 町の入り口に魔物が!」
「なんでも、ダンカンさん家のお嬢ちゃんを呼んでるらしい」


ビアンカ「魔物? あたしを呼んでるって……よし、行ってみよう!」

*修正*

>>252
誤:ビアンカ「はあ……パパスおじさまとリュカ、また遊びに来てくれないかな……あれ・なんか騒がしいわね」

正:ビアンカ「はあ……パパスおじさまとリュカ、また遊びに来てくれないかな……あれ? なんか騒がしいわね」

>>241
長いから最後の一文しか読んでないが
痰壺全般で>>1主役のスレでコテつけるのはみっともないぞ?


>>1です。 投下途中ですが。不穏な空気を感じたのでちょっとコメを。

>>254さん。ネミッサの人さんへ。
まず始めに私がコテハンを着けてくれたことを推奨してしまったのが原因です。
スレ主でないネミッサの人さんがつけるのは「ん? よく考えたらこれ他の人に叩かれてしまうのでは……」とコメ返しした後で思ったのですが、喜んでくれたので何も言えなかったのです……

ネミッサの人さんのコテハンの元となる発言を自分がしたこともあり、コテハンつきの書き込みが嬉しいのは事実なのですが、>>254さんのような書き込みにより両者ともに不快感を感じさせるのは自分としても不本意です。
自分としては一度許可した身である以上、「やめてくれ」と言うのも「続けてくれ」と言うのも正直心苦しいので、ネミッサの人さんの判断におまかせします。その上で他の方にも納得してもらいたく思います。

自分の不用意な発言がこのような事態になってしまい大変もうしわけありません。
これからもこのスレを応援していただけると嬉しく思います。

では引き続き執筆させてもらいます。失礼いたしました。


>町の入り口では 衛兵が震えながら ケルベロスに槍を向けている

ケルベロス「タノム! ビアンカヲ ヨンデキテクレ! ダンカンノヤドヤノ ビアンカダ! ソノリョウシンデモイイ! イソイデクレ!!」

衛兵1「お、お前のような魔物を町にいれるわけにいかないだろう!」

ケルベロス「イッコクヲ アラソウノダ! タノム!」

衛兵2「は、話がわかる魔物だって言うなら帰ってくれよぉ!!」

>話は平行線で 進展がない

ビアンカ「ケルベロス!? どうしたのよ、傷だらけじゃない!」

ケルベロス「ビアンカ! キテクレタカ!」

衛兵2「ビアンカちゃん!? 危険だから下がって!」

ビアンカ「大丈夫、この子あたしの知り合いなの!」

衛兵1「し、しかし……」

ビアンカ「ああもう! いいんだったら! なにがあったの、ケルベロス……っ!?」

>ビアンカは 衛兵を無視して ケルベロスに駆け寄ると その背に乗せた パパスに気付いた

パパス「う……うう…………リュカ…………」

ビアンカ「パパスおじさま!!」

>パパスの出血はひどく ケルベロスの白銀の毛並みを 真紅に染め上げている……

ビアンカ「は、はやく治療しなくちゃ……! どいてよ! どいてったら!」

衛兵1「し、しかし魔物を町に入れるわけには……」

ビアンカ母「なにやってんだい大の男がそろってみっともない! どいたどいた、このうらなりビョウタンども! 敵か味方かの区別もつかないのに、衛兵やってんじゃないよ!」

>ビアンカの母、マグダレーナ・ダンカンが 衛兵を押しのけてやってきた!

ビアンカ「おかあさん!」

ケルベロス「マグダレーナ! タノム! パパスヲ!」

ビアンカ母「わかってるよ……あんた! あんた! いるね!?」

ビアンカ父「はいよぉ」

ビアンカ母「教会行って神父さんと、ほかにホイミ使える人間ありったけ集めてきな! ビアンカはこっち! 急いで治療するよ! ああなんてこったい、ひどい傷でさあ……邪魔すんじゃないよ、パパスはあたしらの恩人なんだ、なにかあったらあんたらただじゃおかないよ! どいたどいた!!」

>マグダレーナはパパスをかかえ、野次馬を押しのけて宿に向かった

ビアンカ父「はいよ! それからありったけの薬草も、綺麗な包帯もいるね。忙しい忙しい……パパスどの、今までの恩を返すときが来たね。今度はあたしらの番だ、必ず助けてみせるからね」

ケルベロス「オンニキル! マグダレーナ! ティムズ!」

ビアンカ「急ぎましょ、ケルベロス! おじさま、しっかり!」

ここをご覧の方に申し上げます。
作者さんのご厚意に調子に乗り、
皆さんに不愉快な思いをさせたことお詫びいたします。

つきましては、今後名無しに戻ります。
確かに私の出すぎた行為で皆さんに不愉快な思いをさせて
申し訳ありませんでした。

>>254
ご指摘ありがとうございました。名無しに戻ります。
作者さんのご厚意に甘えておりましたことお詫びいたします。

>>256
お手間を掛けさせて申し訳ありません、
ご厚情に甘え、ご迷惑をおかけしました。

スレ汚しも合わせてお詫びいたします。
申し訳ありませんでした。


>>1です。

>>258
迅速な返答ありがとうございます。
あのコテハン使ってくれて嬉しかったので、使うの嫌になったりしないでくださいね。
これからもご愛読よろしくお願いします。

では、引き続きどうぞ。


※ダンカンの宿屋 明けて翌日


ビアンカ父「……やれやれ、なんとか峠は越えてくれたみたいだ」

>パパスの表情は安らぎ 静かな寝息をたてている

ケルベロス「カンシャスル ティムズ」

ビアンカ父「よしとくれ。それに、サマリカーム、だったかい? その魔法のおかげで、パパスどのは何度もヤバイところから抜け出せたんだ。ここまで運んできてくれたことといい、感謝するのはこっちだよ」

ビアンカ「よかった……」

ビアンカ母「それにしても、なんでこんなことになったんだい? それにリュカや、ピクシーはどこに?」

ケルベロス「…………スベテハナソウ モシカスルト マキコンデ シマッタヤモ シレンノデナ」


>ケルベロスは 遺跡での出来事と サンタローズのことを話した


ビアンカ「そん、な……リュカ……ピクシー……プックル……っ!」

ビアンカ母「……なんてこったい。それじゃあ、パパスは濡れ衣を着せられて、今やお尋ね者ってわけかい」

ケルベロス「ベルギスオウガ ミトメルハズハ ナイガ コノヨウスダト オソラク……」

ビアンカ父「暗殺されてるかも、ってことかい……なんて無慈悲な……」

ビアンカ「ケルベロス! どうして……どうしてリュカたちを連れてきてくれなかったの! なんでサンタローズのみんなを助けてくれなかったの! どうして! どうして!」

ビアンカ母「おやめ! ビアンカ! パパスを助けるために、リュカの願いをきくために、ケルベロスがどれだけ辛い思いをしたか……それがわからないわけじゃないだろう!?」

ビアンカ「でもっ……でもっ……っ!」

ケルベロス「…………スマヌ ビアンカ……ワレハ オノレノアルジヲ マモレナカッタ ムノウナ アクマダ……スマヌ……ユルシヲコウ シカクスラ ワレニハ ナイ」

ビアンカ「ケル、ベロス…………」

ビアンカ父「ほらほら二人とも、しっかりしなさいな。パパスどのは助かったんだし、リュカたちだって、きっと生きてるよ。だって、パパスどのの息子なんだから。そうだろう?」

ビアンカ「…………うん。ごめんなさい、ケルベロス」

ケルベロス「カマワナイ…………カンシャスル ティムズ」

ビアンカ母「さて、と! そうなると、パパスをかくまってるあたしらもヤバイってことだね……ちょうどいい頃合いさね。ウチの宿六がしょっちゅう身体を壊してるから、宿屋を続けるのもそろそろ限界だと思ってたんだよ。明日一番で町を出て……そうさね、サラボナ奥地にある、温泉の村にでも湯治に行こうじゃないか。ホイミで治りきらなかった傷も、そこでなら治せるだろうさ」

ビアンカ父「おまえ、また唐突な……」

ビアンカ母「おだまり。元はといえば、あんたがことあるごとにブッ倒れて、その度にあたしにおんぶにだっこなのが悪いんじゃないのさ! 少しはあたしを楽にしておくれ! それにパパスの傷を治すためでもあるんだ、文句言うんじゃないよ!」

ビアンカ父「おお、おっかない。まあ、あたしも賛成だよ」

ビアンカ「パパスおじさま……うん、あたしもそれでいいよ」

ビアンカ母「よし決まった! さあさあそうとなればとっとと準備をするんだ! もたもたしてたらケツ蹴り上げるよ!」


※アルカパの町 夜


ケルベロス「……ココニイタカ ビアンカ マグダレーナガ サガシテイタゾ」

ビアンカ「あ、ケルベロス……うん。もう、戻るわ」

ケルベロス「ココハ プックルト デアッタバショ ダナ」

ビアンカ「うん……覚えてる? あのとき、プックルったらケルベロスのこと怖がって、でも、すぐに懐いちゃって……」

ケルベロス「アア モチロンダ」

ビアンカ「ねえケルベロス……リュカ、大丈夫よね? 死んだりしないよね?」

ケルベロス「…………ムロンダ リュカニハ フタタビ ワレノアルジト ナッテモラワネバ コマル」

ビアンカ「プックルも……ピクシーも、無事よね、きっと」

ケルベロス「………………ソウ ダナ」

ビアンカ「…………リュカ」




   ウォオオオオォォォォ――――――――ッッ…………




>その夜 アルカパの町に 狼の遠吠えが 響いた


※ラインハット城の一室


ドゾブ「やれやれ、後始末やら引継ぎやらで丸一日かかるとは……クソ貴族め。まあ、ガキどもを助けられただけでもよしとするか……リュカたちは、無事なんだろうか……」

グレン「ドゾブ! 大変だ!」

ドゾブ「どうしたよ、グレン。俺はクソッタレ貴族に邪魔されてイライラして……」

グレン「それどころじゃない! パパスさんがヘンリー王子の誘拐犯に仕立て上げられた! お前たちにも容疑がかけられている!」

ドゾブ「なんだと!? クソが! どこまで腐ってやがんだこの国の貴族どもは! で、どっちの仕業だ? ヘンリー派か、デール派か?」

グレン「両方だ! お前の後を追ったヘンリー派と、サンタローズに向かったデール派、どっちも全滅したらしい。その報告を受けて、パパスさんを誘拐犯に決めたってことだ」

ドゾブ「なぁっ!? 全滅って、いったい何があったってんだ!?」

グレン「俺が知るか! それにドゾブ、リュカは? パパスさんは? ヘンリー王子は? お前と一緒に帰ってくるんじゃなかったのか?」

ドゾブ「そ、それは……すまねえ、俺は……」

>ドゾブは遺跡入り口での出来事を説明した。

グレン「…………なんてこった。それじゃあまさか、ヘンリー王子も、本当に誘拐を」

ドゾブ「こんな話が出てくるくらいだ、全部仕込み済みってことだったんだろうよ……クソッ!」

>ドゾブが机に拳を叩き付けると同時に 乱暴にドアを叩く声が聞こえた


『ドゾブはいるか! お前には誘拐幇助の疑惑がかかっている! おとなしくでてこい!』


ドゾブ「ちぃっ! やっこさんめ、こんなときばかり耳と足が速い!」

グレン「ドゾブ! どうするんだ?」

ドゾブ「俺一人ならどうとでも逃げられるが……部下にまで飛び火させるわけにゃいかねえ。おいグレン、お前は逃げろ。お前も俺と繋がってるてことで、ヤバイ立場だからな」

グレン「そんな!」

ドゾブ「いいから行け! できればこの大陸からも離れろ、そして……できれば、パパスさんやリュカ、ヘンリー王子のことを探してやってくれ。頼む、グレン」

グレン「………………わかった、死ぬなよドゾブ。お前には俺の最高傑作を食わせてやるって、約束してるんだからな」

ドゾブ「当然だ。お前の料理を食わずにゃ死ねねえよ」


『開けろ! さもなくばこの扉、ブチ破るぞ!』

ドゾブ「わーったわーった!! 今開けるよ!! ……さあ、行け!」

グレン「すまん、ドゾブ!」

>グレンは一人 ラインハット城を抜け出した……


※デールの部屋


モー・ショボー「ガルーラ! はい、おしまいっと」

暗殺者「がはっ……」

>暗殺者たちは たおれた

モー・ショボー「それじゃいただきます、っと……まったく、ヘンリーが見つからないのにデールを殺そうとするなんて……今やこの国のたった一人の王子様なのに、ニンゲンって、アタマおかしーんじゃないの? ……ふう、ごちそーさま。あんまりおいしくなかったね」

デール「ねーちゃ?」

モー・ショボー「ん、もう出てきて大丈夫だよ」

>タンスに隠れていたデールは モー・ショボーに駆け寄った

デール「ねーちゃ! ねーちゃ!」

モー・ショボー「よしよし、デールはあたしが守ってあげるから。ヘンリーとの、約束だもんね」

デール「にーちゃ!」

モー・ショボー「うん、きっと生きてるよ。だってアイツ、殺したって死にそうにないし」

デール「あうー……」

モー・ショボー「デール、強くならなきゃダメだよ……ヘンリーは、きっとこの国に帰ってくるんだから……」



※ラインハット城 玉座の間


臣下「……以上が、貴族たちからの報告でございます」

ベルギス王「ば、馬鹿な! パパスがヘンリーを誘拐だと? そんなことがありえるはずがない!」

臣下「しかし、報告内容に不備は見当たらないようですが」

ベルギス王「東の遺跡に行ったものたちからの報告はどうなった!? 捕えた誘拐犯たちからの証言は!? 余はそのために、誘拐犯を捕えよとの命を発したのじゃぞ!? それに、サンタローズへの出兵とはどういうことだ! そのようなもの、許可した覚えはない!」

臣下「ですので、情報を聞きつけたものが王子の安全のために、と。証言や報告は現在調査中でして……」

ベルギス王「急いでくれ! パパスがヘンリーを誘拐など、そんなこと、あるわけが……ぐ、がはっ!?」

臣下「へ、陛下!? 陛下!!」

ベルギス王「が、はっ…………ヘン、リー……パル、キレア……」

>ベルギス王は 先代王妃の名を最後に 事切れた


穏健派貴族「(……これでいい。短慮な王がいなくなれば、この国ももう少し貴族たちの動きにくい国になるだろう。それにしても、イブールだったか。やつからもらった毒がここまで効くとは、な)」


>物陰に隠れていた貴族は そのまま玉座の間を立ち去った

>ベルギス王 崩御
>その知らせは その日の内に 国中に ふれ回った
>皮肉なことに 今回死亡した貴族たちは 各派閥の中でも過激派・強硬派であった
>ラインハットは大きな動乱もなく 静かに水面下の戦いを続けていくことになる……


※城下町


グレン「さて、まずは港に向かわないと……(ドン)おっと、失礼」

サンチョ「旦那さま……坊っちゃん……」

グレン「ちょっとあんた大丈夫かい!? 顔色真っ青だよ!?」

サンチョ「ああ、すみません……もし、あなた、パパスとリュカという名前を、知りませんか……?」

グレン「!! あんた、パパスさんとリュカの知り合いかい!?」

サンチョ「ご、ご存知なので!? お二人は、無事でしょうか!? 今、どちらに!」

グレン「お、落ち着きなって。ちょっとややこしい状況なんでな……落ち着いて話せるところまで移動しよう」


>グレンたちは 場所を変え 互いに自分の知る限りのことを説明した


グレン「あんたがリュカの言ってたサンチョだったのか。それで、この町まで二人を探しに?」

サンチョ「はい……お帰りが遅いので、心配になって……そうしたら、旦那さまは誘拐犯にされているわ、サンタローズは焼き討ちされたって話を聞くわ……それに、坊っちゃんも行方不明ですって!? ああっ……っ」

グレン「おいおい! こんなとこで気絶するな!」

サンチョ「す、すみません。ですが、あたしゃあもう、どうすりゃいいやら……」

グレン「とりあえず、あんたもパパスさんの知り合いってことで、ここにいるのは危険だよ。俺はこの大陸を離れるつもりだ。あんたも一緒に来るといい」

サンチョ「ですが、旦那さまや坊っちゃんは、アルカパやオラクルベリーにいるかもしれませんし」

グレン「んなことしてたら殺されちまうぞ! それに二人だって、手配書が回ってるんだから、この大陸を離れようとするはずだ。早くしないと関所を閉じられて、この国から出られなくなっちまうぞ」

サンチョ「…………わかりました。旦那さまと坊っちゃんの祖国に戻り、そこでお帰りを待つことにしましょう」

グレン「ああ、それがいい。しかしリュカとパパスさんの祖国か……俺はポートセルミに行くつもりだが、その祖国ってのはどこなんだ?」

サンチョ「はい、グランバニアですよ」


※数日後 サラボナの町 ルドマン邸


ルドマン夫人「フローラ、用意はできましたか」

フローラ「はい、おかあさま。荷物はこちらに」

フロストエース「だいじょうぶだホー」

ルドマン夫人「修道院は遠いけど、時々は会いに行きますからね」

フローラ「わ、わたし、そんなに甘えん坊ではありませんっ」

ルドマン夫人「あら。ふふふ、ごめんなさいね。なんだかフローラ、急に大人になったみたい。これもリュカさんのおかげかしら?」

フローラ「え、ええっ? あ、あう……」マッカ

フロストエース「フローラちゃん、まっかだホー」

フローラ「もうっ! フロストエースさんまでわたしをからかって!」

フロストエース「ヒホー」

ルドマン夫人「うふふふふ」


*「あら、やっと用意できたの?」


フローラ「お姉さま!」

ルドマン夫人「ええ、そうよ。デボラ、あなたもフローラと一緒に花嫁修業に行ってみる?」

デボラ「やーよ、そんなの。そんなとこ行ったら好きに遊べないじゃないの」

フロストエース「ヒホ、デボラちゃんは遊びすぎだと思うホー」

デボラ「うっさい! この雪ダルマ!」

フローラ「お姉さま、おとうさまとおかあさまのこと、よろしくお願いしますね」

デボラ「ふん、まあ頼まれるぐらいはしてあげるわ。世話するかどうかは保障しないけど。にしても……はあ、これでやっとあんたの『リュカさん』狂いを聞かされなくてせいせいするわ」

フローラ「まあお姉さま、わたし、まだまだ話し足りないくらいなんですよ?」

デボラ「あれで!? 勘弁してよ……」


メイド「フローラお嬢様! 大変です!」


フローラ「サ、サンタローズの村が……!?」

フロストエース「ヒホー! タイヘンだホー!」

メイド「人づての情報です、信憑性には欠けると思いますが……お伝えしようか迷ったのですが、隠し立てすることこそ、お嬢様によろしくないと思いましたので」

フローラ「ありがとう、ござい、ます……リュカ、さん……っ!」

デボラ「ちょっとフローラ!? 顔が真っ青じゃないの!」

フローラ「……わたし、泣きません、よ? 強くなるって、また会おうって、リュカさんと、約束しましたから」


『お嬢ちゃん、君もきっとこれから先、悲しいことがあるかもしれない。でも、その涙をぬぐう人物はきっと現れる。約束を、果たすために。それを、忘れないで』
『うん。待ってるよ、きっとまた会おう。約束だ』


フローラ「(そうです……あのデビルサマナーの人も、言ってました。リュカさんは、約束してくれた。もう一度会おうって)」

デボラ「……フローラ?」

フローラ「リュカさんは、きっと無事です! 約束を守ってくれます!」



デボラ「フローラ……泣き虫だったあんたが、そんなこと言えるようになるなんてね」


今回はここまでです。
つ、疲れた……でも、これで次回から青年期編に入れる……!

>>213
マッスルドリンコ、試しに出してみましたがどんなもんでしょう?
もっとドリームドラッグストアーみたいな感じがいいのかな?

>>238
ねんがんの~→殺してでも~→な、なにをする~の流れはもはや鉄板ですな(笑) 作中でも使ってます。

>>241
悪魔と人間の恋、難しいからこそハッピーに持って行きたいですよね。
あまり先の展開を書くわけにもいきませんが、ちゃんとリュカには救いがある、とだけ言っておきます。

>>251
この世界の場合、愚民=外道スライム(女神転生のスライムの方)とかかもしれません(笑)

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク


乙でした。

リュカがこのまま荒んでいくのかな……。
DQってあまり興味なかったけど小説やゲームを
探してみます。

ピクシーの献身にうるっときました。
これでおあいこ(?)ですね。

マッスルドリンコがまさかのはるかさん強化アイテムにww
てっきりヘンリーあたりが飲んで副作用でひどい目にあう的なギャグアイテム枠を想像してたが、これはこれで衝撃だ

悪魔と人間の恋か
デールが小さい頃から守ってくれたショボーに恋をして彼女と正式な主従契約を結ぶためにサマナーを目指す的な話とかもいいなあ


>>1です。ちょっと執筆難航してます。
ですがエタりは防ぎたいのでコメ返信だけでも。

>>268
本作は小説版をベースにしているので個人的にオススメします。
ありがたいお言葉です。今後の励みになります。

>>269
ドーピングコンソメスープみたいな使いかたをしてみました(笑)
今後もスキあらばはっちゃけシーン用のアイテムとして出したいですね。

その他多数のコメントありがとうございます。
全てに返信したいところなのですが、今後の展開に関わってくる部分もあるので回答はご容赦ください。
返信がなかった方も、きちんと参考にして展開を練ってますので今後も応援いただければうれしいです。


では、もうしばらくお待ちください。

>>1は資料とにらめっこを続けている……


>>1です。投下開始します。


※セントベレス山 大神殿建設現場

「はたらけ! はたらけ! 教祖さまのために死ぬまではたらくのだ!」
「ムチで打たれたいか? それとも水牢に閉じ込められたいか? イヤならおとなしく従っていろ!」
「ここは世界最高峰のセントベレス山の頂上、どこにも逃げれるなどと思わんことだな!」

>薄暗い洞穴の中で 岩肌を掘り進む音が響く
>ムチを持った男たちが みすぼらしい服の奴隷たちを 働かせ続けている

「ひい……ひい……少していい、休ませてくれぇ……」
「あ、足が……腕が……」

>奴隷たちは 今にも死にそうなほど 弱りきっている……

「やかましい! 働かぬ奴隷など無用だ! こうしてくれる!」

>男は奴隷に向かって ムチを振り上げる



『ザンマオン』



>男は凄まじい衝撃を受け 岩壁に叩きつけられた!

「げ、は……っ」

>男は 事切れた

「だ、誰だこんなことをするやつは!」

リュカ「僕だ」

>傷だらけの姿ながらも りりしい青年へと成長したリュカが 男たちを睨みつけた


「お、おお……!」
「リュカさまだ」
「牢獄から出てこられたのだ」
「おお、ワシらの救世主よ……!」

>奴隷たちは 神々しい者を見るように リュカを見つめている

「おのれ、貴様か!」
「ただではすまさんぞ!」

>見張りの衛兵たちが集まり リュカに槍を構える!
>リュカは 物陰に隠れたヘンリーに目配せした

リュカ「(ヘンリー、傷ついた人たちを)」

ヘンリー「(お前なあ! ああもう……しゃあねえ、あとは俺にまかせて暴れて来い!)」

「不届き者め! 死ねぃ!」

リュカ「遅い。せあっ!」

>リュカの 急所突き!
>衛兵は 一撃で絶命した!

「な、なんだと……」

リュカ「バギ」

「かひゅっ」

>リュカは 指先に収束したバギで 衛兵の首を刎ねた!

ヘンリー「(相変わらず、容赦のねえ……)」

衛兵「な、なんだ!? いったい何が起こっているんだ!?」

>年若い 新米の衛兵が混乱した様子で駆けつけた

リュカ「(よし、そろそろか……頼む、ヘンリー)」

ヘンリー「(わかってるよ! まったく面倒な!)」

衛兵「おいお前! 何をやって……」

ヘンリー「手前このやろう!」

リュカ「がはっ……」

>ヘンリーは リュカのみぞおちに 強烈な一撃をめり込ませた!
>リュカはその場に崩れ落ちる

ヘンリー「俺たちは! イブールさまのおかげで! 働かせてもらってるって事を! なんでわかんねえんだクソが!」

>ヘンリーは倒れたリュカの腹に何度も蹴りを叩き込む

衛兵「お、おいそのへんで……」

ヘンリー「へへ、すいませんねぇ、身の程知らずなバカがお騒がせして。こいつの始末は俺たちがやっときますんで。ね?」

衛兵「う、うむ……たのむぞ」


※奴隷たちのねぐら


リュカ「う……ヘンリー」

ヘンリー「よ、起きたか。ったく……毎回毎回、俺に後始末まかせやがって」

リュカ「すまないな……だが、僕はここにきてから暴れすぎた。今更従順な態度では怪しまれるし……それに」

>リュカは 唇を噛み締めた
>その表情が 憎しみに染まる

リュカ「やつらに、わずかでも頭を垂れたくはない」

ヘンリー「…………ま、しかたねえか。が、あの手もそろそろ限界だぞ? 仲間連中と口裏合わせて、崩落事故やら、女取り合っての仲間割れってことにしてあるが、それでも隠しきれるもんじゃねえ。なんでも、教団の高位のヤツが監査に来るって噂を聞いた」

リュカ「『聖女』というやつか」

ヘンリー「ああ。なにぶんこのくされ教団が崇めるやつだ……ロクなもんじゃなかろうぜ」

「あ、あのリュカさま、ヘンリーさま」
「大丈夫ですかいのう?」
「オラたち、お二人が心配で……」

>奴隷たちは 心配そうに二人に話しかけてくる

ヘンリー「ああ、音だけ派手に鳴るようにしたし、鳩尾にも綺麗に入ったからな。大して怪我しちゃいねえよ」

リュカ「僕なら大丈夫です。それより、リュカさま、なんて呼ぶのはやめてください。僕はただ、あいつらに鬱憤をぶつけているだけの、つまらない人間ですから……」

「そっただこと言われてものう」
「そうです! 私が男たちに乱暴されそうな所を助けてくださいました!」
「オラの怪我もかばってくれたべぇ」
「リュカさまの魔法で怪我もほれ! 治してもらっただぁ」
「ヘンリーさまがくすねてくる食べ物で、俺たちは生きていられるんでぁ」

ヘンリー「諦めろよリュカ。俺だってさんざ断ったが、こいつら聞きやしねえ」

リュカ「ふう……まいったな」


>しばらく奴隷たちと話し ようやく二人は解放された

リュカ「気持ちは嬉しいんだけど……あまり傾倒しすぎて、彼らを巻き込むわけにいかないからね」

ヘンリー「だな……おっとそれより、だ。例の噂……裏付けが取れたぜ。マーサが、お前のおふくろさんがここに捕まってるっての……本当らしい」

リュカ「!! そう、か……そうか!」

>リュカの表情が わずかに緩んだ

ヘンリー「なんせそのためにこうして8年も粘ったんだからな……焦るなよ? ここまでこぎつけたんだ……慎重の上に慎重を期すくらいじゃないと、足元掬われる……8年前の俺のようにな」

リュカ「ヘンリー、だがそれは……」

ヘンリー「言うな。俺は決して忘れちゃいけねえ……俺の都合に、お前とお前の親父、それに仲魔たちを巻き込んでしまったことを……でなきゃ、俺は二度とお前の相棒を名乗れねえ」

リュカ「……ヘンリー」

ヘンリー「俺に、お前の相棒でいさせてくれよリュカ。そして、おふくろさんを助けて、こんなとこさっさと脱出しようぜ」

リュカ「ありがとう、ヘンリー……僕の相棒」



ヘンリー「で、その手段なんだが……前に言っていたのはできそうなのか?」

リュカ「ああ……明日の夜、満月が空の中央に輝く時、召喚の条件は揃う。そのはずだ」

ヘンリー「このために長い間掛けて、月の光が差し込む穴をナイショで掘り進んだんだからなぁ。成功してくれなきゃ困るぜ」

リュカ「……ピクシーが僕に教えてくれていた悪魔召喚の儀式……そして召喚の魔法、サバトマ……成功しないわけがない」

ヘンリー「そうだな。問題は、いったいどんな悪魔が呼び出されるのか……まったく見当がつかないってことだな」

リュカ「もしも危険な悪魔だったなら……僕にかまわず逃げてくれ。それほど強大なものが召喚されたなら、騒ぎにまぎれて逃げられるはずだ」

ヘンリー「おいリュカ! 怒るぞ!」

リュカ「ごめん。でも、こればかりは本当に、命の保障はできないんだ。けど、僕はやる……母さんを助けるために……そして」

>リュカはその目に憎悪を燃え上がらせ 告げる

リュカ「復讐を、遂げるために」


ヘンリー「…………だったら俺も巻き込めって言ってるだろうに……筋金入りの、お人よしめ」


※翌日


「リュカという男はいるか!」

ヘンリー「ど、どうしたんで? あのバカなら俺が痛めつけときましたけど……」

「衛兵や監督者の死亡にそいつが関わっているという噂がある! 真偽を確かめる! そいつだな、立て!」

ヘンリー「(リュカ!)」

リュカ「(大丈夫だ。それより、今夜の準備を頼む)」

「さっさと来い!」

>リュカは 衛兵に連行された



ヘンリー「くっそ……おいみんな! ちょっと力貸してくれ!」


※拷問室


――――ビシィッ! ビシィッ!

「ええい、いい加減にしろ! 衛兵たちを殺したのはお前なのだろう!?」

リュカ「知ら……ないな…………」

「どうなっているんだコイツは……これだけ痛めつけて、うめき声すらあげやしない……」
「ああ……そ、それに……」

>リュカは 男たちを睨みつけた!

「ひいっ! こ、この目だ……! この恐ろしい目だ!」
「お、オレたちは……なにか、とんでもなく恐ろしいものを相手にしているんじゃないのか?」
「そん、そんなはずはなかろう! ええいやめろやめろ! その目をやめろぉぉぉぉぉっ!!」

>恐怖にかられた男たちは やっきになって リュカにムチを振るい続けている

リュカ「(もう…………すぐ……だ。そうすれば…………こいつらも、皆殺しだ…………っ!)」

>ムチを振るわれる度 リュカの憎悪は強くなっていく……


※深夜


リュカ「(そろそろ……時間だ……まだか、ヘンリー……?)」

「は、はぁはぁ……い、いいかげんオレたちのほうが疲れてきた……」
「ああ……続きはまた明日にしようぜ……」


『マヌーサ! メダパニ!』


「…………? う、うわああああああああっ!? や、やっぱりこいつ、化物だぁぁぁぁぁああっ!!」
「ひいいいいっ!? 殺されるぅぅぅぅぅっ!!」


リュカ「(ヘンリーか)」

ヘンリー「見事にかかってくれたな! んじゃ、あとは悪夢でも見とけ!」

>ヘンリーは男たちを殴って気絶させた!
>そしてリュカの拘束をほどいた

ヘンリー「すまん、遅くなった! 注意を逸らすのに手間取ってな!」

リュカ「いや…………いい、タイミングだよ。ヘンリー」

ヘンリー「また派手にやられやがって……おい、立つのもやっとじゃねえか!」

リュカ「気にするな……それより、魔方陣の場所へ連れて行ってくれ。ちょうど、頃合いだ」

ヘンリー「その傷じゃ儀式途中にブッ倒れちまうぞ! 月はまた満ちる、来月にしろ!」

リュカ「ダメだ……! 星の位置、月の位置、太陽の位置、大地の力の流れ、大気の力の流れ……今夜を除いて、最高の条件になる日はないんだ! 頼む! ヘンリー!」

ヘンリー「………………っっ!! ああもう、くそくそくそっ! わかったよ……この頑固ものめ!」

>ヘンリーはリュカを抱えて 魔方陣の場所へと向かった……


※月の光が入る部屋


>地面には 炎の焼け跡で描かれた魔方陣が 月の光を受けて 淡く輝いている……

ヘンリー「よし、着いたぜ」

リュカ「ああ……この魔方陣も、ヘンリーのおかげで描けた。重ね重ね、ありがとう」

ヘンリー「いいからさっさと儀式済ましちまえ……あと、俺は逃げねえぞ。信じてるからな」

>リュカは強く頷いた

リュカ「(…………ピクシー、どこかで見てるかい? 僕がこの儀式を成功できるように……力を、貸して)」

>犬歯で指先を切り血を垂らすと 魔方陣の輝きが増した


――――エロヒム、エサイム、我は求め、訴えたり


――――我が召喚に応えよ。我が血と、肉と、霊を持て代償と成し、ここに契約を望む!


ヘンリー「おお……うまくいきそうじゃねえか……っ!? どうしたリュカ!?」

リュカ「ぐぐっ……くううううっ……!」

>リュカの生体マグネタイトが 魔方陣に吸いあげられる!
>リュカの身体が急速にやつれていき 艶を失っていく!

ヘンリー「おいリュカ! もうやめろ! その身体じゃ無理だ! 死んじまうぞ!」

リュカ「(来るな!)」

>リュカは片手でヘンリーを推しとめる

ヘンリー「リュカ……死ぬな! 死ぬんじゃねえぞ!」


――――炎を揚げるは五芒星。我が四囲に笑霊、泣霊、怒霊、眠霊は在れり! 開け、異界の門よ!


>魔方陣が眩い輝きを放ち 部屋が光に包まれる!





『サバトマ!!』






ヘンリー「リュカ! リュカ! おいしっかりしろ!」

>リュカは気絶している……かろうじて 息はあるようだ

*「むう? その青年、リュカなのか?」

ヘンリー「あ、あんたがリュカに召喚された悪魔か? いや、それよりリュカを知ってるのか?」

ネビロス「そうじゃ、ワシはネビロス。リュカとはまだ子供の頃に一度会ったのう、しかし、瀕死の様子ではないか。急ぎ治療せねばのう」

ヘンリー「話がわかる悪魔でありがてえ! 手伝ってくれ!」

ネビロス「やれやれ、召喚直後から忙しいことよ」


※数時間後


リュカ「…………う、うう…………ここ、は? 儀式は、成功したのか……?」

ヘンリー「ああ、見事に大成功さ……にしても、お前といると心臓に嫌でも毛が生えるぜ。胆を冷やす回数が両手両足の指でも足りやしねえ」

ネビロス「ふぉっふぉっ。子供のころもそうじゃったが、変わっておらんのう、リュカ」

リュカ「ネビ、ロス……! そうか、あなたが来てくれたのか!」

ネビロス「ふふ、あの時言うたではないか、おぬしの力になると……話はヘンリーから聞いたわい。いやはや、大変な人生を送ってきたようじゃのう」

リュカ「はい……」

ネビロス「しかしまあ、COMPの助けもなしに、よくワシを呼べたものじゃ。いかにあの時にラインを繋げたとはいえ、相当な魔力を使わねばならんかったはず……無茶をしおる」

リュカ「そう、だった……僕は、貴方とのラインを、レヌール城で繋げてもらっていた……あの時、貴方の言葉を思い出していたならば、あなたに助けを呼ぶことができたならば、みんなは死なずに済んだかもしれないのに……っ!」

ネビロス「自分を責めるのはやめることじゃ、それに……ベリアルが、我が朋友が敵方についていたのじゃろう? ならば、ワシがその場にいたとて、状況は変わらんかったじゃろう。戦いとなれば、あやつのほうが数段上なのでな」

ヘンリー「…………だ、そうだぜ? あんまり一人で気負ってくれるなよ。リュカ。それを言ったら俺は……だろ?」

リュカ「うん……ありがとう、ヘンリー」

ネビロス「良きかな良きかな。さて、いかなる理由か……あやつに問い詰める必要ができたのう」



ヘンリー「で、だ。ネビロスのおっさんが仲魔になったからにはそろそろ動くぜ? 確かトラポートだったか? それがあれば脱出手段は問題ねえしな」

ネビロス「うむ。リュカの御母堂を助けるのじゃったか」

リュカ「はい、それと……この教団の教祖たちの、抹殺も」

ネビロス「………………えらく暗い顔をするようになったものじゃて。まあ、仕方ないのやもしれぬが」

リュカ「人は、変わりますよ…………早速動こう、ヘンリー、君はみんなを安全なところに集めて……」

ネビロス「ああ、待て待て焦るでない。リュカ、そなた教団にCOMPを奪われたままなのじゃろう? まずはそれをを取り返さなければ。なんせ相手はベリアル……またそれ以外にもつわものがいると見てよい。明らかに戦力不足じゃ」

リュカ「でも、僕の仲魔たちは……」

ネビロス「ま、そのへんはワシに任せい、策はある。さてと、失せ物探しは専門ではないのじゃが、どぉれ……む、リュカのキルリアン波長と同じ反応がある、これじゃな。魂の波長があるのなら死人使いのワシの領域よ……ほれ、フィッシュじゃ!」

>ネビロスは影をたどって リュカのCOMPを呼び寄せた!

ヘンリー「おお、やるなおっさん!」

ネビロス「おっさんは止さんか! しかし、これは相当の衝撃を受けたようじゃのう……データに損傷はないが、発動させるための機能がほぼ壊れておる」

リュカ「やはり、使えないんですか?」

ネビロス「ふむぅ……む? これは……デビルソースがCOMP内に残されておるな。これだけならなんとか……よし、出てきたぞ。これでアテが使えそうじゃ」

>ネビロスは COMPから色とりどりの鉱石を 四つ取り出した

リュカ「これは……?」

ネビロス「デビルソース。悪魔を構成する要素が結晶の形をとったものじゃ。本来は力を増した悪魔が自ら形作るものじゃが……これはちと特殊じゃのう。力ではなく『思い』が凝縮されて形作られておる」

リュカ「『思い』……? それ、じゃあ…………まさか…………っ!」

ネビロス「ピクシー、ジャックランタン、コボルト、ガキ……お前さん、この悪魔たちに覚えは?」

リュカ「!! みん、な……っ!!」


>リュカは ネビロスに渡されたデビルソースを 力の限り抱きしめた


ヘンリー「…………覚えも何も、それはリュカの仲魔たちさ」

ネビロス「なるほど……リュカ、そなたはよほど慕われておったと見える…………つらい、思いをしたんじゃな……」


ネビロス「ふむ……しかしそうなると『コンバック』を使うのは、リュカにとって辛い選択になるやもしれぬな……」

リュカ「コンバック……? なんですか、それは?」

ネビロス「アリスを蘇らせる方法を探していた過程で発見……いや、再現に成功した、最古の悪魔合体の秘術じゃよ」

ヘンリー「悪魔合体!? なんだよそりゃあ!」

ネビロス「悪魔とは『思い』から生まれる者だと言うことは、その反応を見る限り知っておるな? だが、それゆえに自己の存在概念を超えて成長するには、多大な年月と徒労が伴う。そして悪魔を利用するサマナーのような人間たちにとって、それでは都合が悪い、悠長に成長を待ってはいられない。そこで考え出されたのが悪魔を霊的に分解・融合し、増幅された魔力から新たな悪魔として存在を定義・定着させる『悪魔合体』という方法なのじゃ」

リュカ「そんな……! そんなの、悪魔たちのことを、まるで考えていないじゃないか!!」

ネビロス「…………とも、断定できんよ。弱い悪魔は弱肉強食の法の下に殺されるか、搾取されるだけ。それならいっそ……と、考えるものも少なくない。無論、そう考えない悪魔にとっては、非道外道以外の何者でもないがな」

リュカ「…………でも、でも……そんなのって」

ネビロス「…………そしてワシもまた、その外道の一人じゃ。アリスを蘇らせるために……リュカ、そなたに罵倒されてもしかたない実験をいくつもやってきた……その成果の一つが、これじゃよ」

>ネビロスは 二つのひとがたをした物体を召喚した
>鋳物と肉体の中間のような 不思議な質感を持っている

ネビロス「ワシの作り上げた特別製の造魔素体……これとデビルソースを組み合わせれば、デビルソースのみでも、新たな悪魔として蘇らせることができる」

リュカ「悪魔を、蘇らせ……っ!? そ、それじゃあ!!」

ヘンリー「おい、やったなリュカ!」

ネビロス「だが! デビルソースは所詮悪魔の欠片にすぎん……完全な復活は不可能じゃ。それに在庫はこの2体しかない……一体につき、2つのデビルソースが必要なのじゃ。そして生まれるのは『新たな』悪魔……そなたの仲魔たちと、同じ悪魔が生まれることは、ない」

リュカ「っ!! じゃ、じゃあピクシーたちはどちらかが犠牲に!? ……そ、それに、合体したらそれぞれの人格はどうなってしまうんです!?」

ネビロス「記憶がどうなるかはわからん。なにせこのようなデビルソースは見たことがない。力の継承はされる、しかし記憶や人格は…………通常の悪魔合体でもそれらが継承されるのは稀じゃ。期待はせんほうがいい」

リュカ「そん、な…………」

ヘンリー「……どうする? リュカ」

ネビロス「使用を強制はせんよ」

ヘンリー「…………残酷だぜ。リュカにこんな選択をさせる神を、俺は未来永劫呪い続けてやる。地獄に落ちろ」

>リュカは うつむいている……
>しばらくして 震える声で 告げた






リュカ「…………使わせて、ください」




>魔方陣の中央に ネビロスの造魔素体が配置されている

ネビロス「まずはコボルトとガキのソースを使うのじゃな?」

リュカ「はい(コボルト……ガキ……お願いだ、戻ってきてくれ……!)」

ネビロス「コンバックの呪文は先程教えた通りじゃ。この呪文は主となるものが自ら使わねば意味がない……そなたには残酷なことだろうが……」

ヘンリー「リュカ……」

リュカ「大丈夫……やれるさ。僕が、やらなきゃダメなんだ」

『どんな形になるかはわからないけど、きっとまた会える。みんな、大好きなリュカのところに帰ってくる』

リュカ「(みんなは、デビルソースの姿で帰ってきてくれた……なら、今度は僕がみんなに力をあげなきゃならないんだ! 僕が……デビルサマナー『リュケイロム』であるために!!)」



『コンバック!!』



>リュカはコンバックを唱えた!
>魔方陣が激しく輝き 造魔素体が形を変えていく……
>やがて 鎧を着けた 大柄な武将然とした男がそこに立っていた




増長天「我が名は 鬼神 増長天。これより貴殿の守護をいたそう」




ヘンリー「おお! すっげーのが出てきたじゃねえか?」

ネビロス「ふむ。仏法において南方を守護する鬼神じゃな」

ヘンリー「ブッポウ?」

ネビロス「ワシらが基盤とする世界の、とある宗教のことよ……そう嫌な顔をするな。基本的には人間の守護を役目とする連中じゃ、心配いらぬよ」


リュカ「……コボルト? ……ガキ? ねえ、僕だよ。リュカだよ? 僕を、覚えてる?」

>リュカは縋るような表情で 増長天に問いかける

増長天「む……私にその悪魔たちの力が受け継がれているのはわかりますが、彼らの記憶はありませんな」

リュカ「…………そう、ですか」

増長天「すまない、我が主よ」

リュカ「いえ……もともと、望みは薄かったんです。それより、リュカと呼んでください。主なんて、ガラじゃありませんから」

増長天「承知した。ではリュカどのと」

リュカ「はい…………よろしく、お願いします」

増長天「リュカどの…………は、全霊を掛けて」

ヘンリー「リュカ、大丈夫か?」

リュカ「大丈夫、さ……さあ、次の合体もやってしまおう。戦力は、あったほうがいい……」


ヘンリー「…………バカ野郎が」


ネビロス「ピクシーとジャックランタンのソースを使用するぞ……本当に、よいのじゃな?」

リュカ「はい……お願いします」

増長天「……リュカどの」

ヘンリー「リュカ……」

>リュカの瞳は暗くよどみ 完全に感情が抜け落ちたように見える……

リュカ「(……これは、僕の罪だ……あの時、守れかなった、救えなかった、弱かった、気付かなかった僕の罪だ……だから、せめて…………力を、強さを身につけなければいけないんだ……っ!!)」


『コンバック!!』


リュカ「(……ピクシー、ジャックランタン……もう、逢えないんだね)」

>魔方陣の光が収まり……そこには 翼と尾を持つ リュカと同年代の少女が立っていた






リリム「…………こんにちは。夜魔 リリムよ」




リリム「それとも、おはよう? こんばんわ? ごめんね……時間、わからなかったから」

リュカ「いや、大丈夫だよ……リリム、だったね? これからよろしく…………っ!?」


>リリムは やさしく リュカを抱きしめた
>閉じられた瞳には うっすら涙が浮かんでいる

リュカ「リリ、ム? いったい、どうし……」


リリム「…………リュカ、大きく、なったね? すごく、魔力が強くなってるの感じるよ。強く、なったね?」


リュカ「…………ピク、シー?」


>リリムは リュカを抱きしめたまま 頷いた


リュカ「そん……な……本当に、本当に、ピクシー? からかってないよね!? 僕の知ってる……サンタローズで出会った、ずっと一緒に冒険した、ピクシーなんだよね!?」

リリム「リュカにザンマを、ディアを、パトラを教えたのは誰? フローラにベホイミを覚えさせたのは? プックルの背に乗ってケルベロスと追いかけっこしたのは? ヘンリーが隠してたコショウのビンは、誰がみつけたの?」

リュカ「あ……! あああ…………っ! ピク、シー…………っ!!」


リリム「『ただいま』……! リュカ……!!」


>リュカとリリムは お互いを強く抱きしめた


リュカ「ピクシー! ピクシー! ピクシー! う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

リリム「リュカ、リュカ、リュカ……っ!! きっと、ずっと、辛かったよね、がんばったね、リュカ……!!」






ヘンリー「ち、ちくしょう……泣いてやがる……この8年、一度も涙を見せなかったアイツが、リュカが、大声出して泣いてやがる…………よかったなぁ、よかったなぁ、リュカ……」

増長天「リュカどの……! よろしゅう、御座いましたなぁ……!」

ネビロス「奇跡じゃ……はは、はははは! これはいい! きっと、アリスも同じように蘇るぞ! すばらしい! リュカ! おぬしはなんという類稀な人間なのだ! ははははははは!!」



今回はここまでです。
次はほとんどオリジナルな大神殿脱出、頑張ります。
増長天のイメージはコミック版『魔神転生』から『南 一輝 一等陸佐』です。
メンバーのオヤジさん役として描写していけたらいいな、と考えてます。

悪魔との会話に関してですが。
会話に関してリュカがCOMPから受ける恩恵は
・プックルなど人語を解せないものとも話せる。
・いきなり敵認定されない(弱くてもCOMPつけてるので交渉相手に足ると思われる)
・『起動』を強調するときは交渉モードで、リュカの持つモンスターを引き寄せる魅力を若干底上げする
という感じで考えてます。
XXは○○語しゃべるから云々を考えてると>>1はパンクするっす(笑)
メガテンの詳細な設定が好きな方には申し訳ありませんが、これで勘弁してください(泣)

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

乙です。
多分COMPがなくとも、リュカには魔と仲を保って欲しい、という祈りなのだと思います。
言語とかはその裏付けというか、説得力というか……言い訳を探していたのかもしれません。
ストーリーをなるべく壊さず仲魔になる方法として。

>>301
言葉が足りませんでした。
『契約のみの関係で成り立ってるからこそ、【極稀な】契約外の信頼や愛情をより尊く感じるのかもしれない。』
信じちゃいけないものを深く信じちゃうからこそ、リュカのリュカたる所以かなと。

あと、よかったね。ピクシー。

言語は言語体系が全く違う地球の悪魔が召喚されるので何が現れても言語は通じませんから、DQ世界ベースなら深く考える必要はないです。
リリムはキリスト教に扱き下ろされる前は安産の神だったので、付き合いが長く思い入れが仲魔の中で一番強かったピクシーが残ったのは納得。リリムのリュカへ夜這いイベントは有りですか。
大神殿はミルドの為というよりリュカを育てる為の呪詛の祭壇のような気がしてきた。赤紳士の知識からもっと効率的な労働管理は出来ると思う。このリュカなら一目で魔物が化けた偽者かそうでないかの見分けが付きそうです。
黒紳士(ネビロス)じゃないけど赤紳士(ベリアル)は何をしているのだろう。教団はどうやって赤紳士を雇ったのか。


いい話だったよう
ピエール、イブール、マーサの過去は原作小説どおりでいいのかな


>>303
まあリュカの性格から考えるにデビルサマナーとして仲魔と主従関係に徹しろというほうが無理だとは思うけどね
でもメガテン視点からだとその極稀とはいえ契約外の信頼や愛情が多大にあるというのに多少の違和感を感じるところでわある
例外だったのは人修羅かな。
自らも悪魔になって対等な立場になったからこそピクシーと例を見ないほどの絆を築いていた

乙です
こんな話反則じゃないすか
マジで涙流したじゃないかよw

>>305
>>308さんが言ってくださったのがほとんどかな。
私が描くと、その辺の理屈があるから
人と魔の恋は悲恋に終わるんですよ、必ずね。
だからこそ、>>1さんや、DQ世界がもつ優しさには期待してます。


>>1です。投下開始します。



ヘンリー「もう、大丈夫なのか? なんだったら、俺たちが進めておくから、もう少しゆっくりしてても……」

リュカ「いや……もう、大丈夫。ありがとう」

リリム「状況が状況だもの……いつまでも、感傷にひたってちゃ、リュカのお母さん助けられないじゃない」

ヘンリー「……へっ! やせ我慢なら縛り付けてでも置いてくとこだが、二人揃ってスッキリした顔しやがって!」

増長天「うむ、頼もしいかぎり」

ネビロス「よかろう。さて……あとはCOMPじゃな。悪魔召喚プログラム、及び対話プログラムが正常稼動していれば、サマナー相手として降伏するものが多くなる。必然的に戦力の増強と、敵勢力の減少・無力化が見込める。ワシが心当たりを当たって修復を依頼してみよう。幸いデータは無事じゃから、半日もあれば修復できるじゃろ」

ヘンリー「よし! と、なれば決行は……日も跨いだし、今日の夕方だな!」

増長天「では、それまで英気を養わねばなりますまい。しかしお二人は奴隷の身……これでは休息もまともに取れぬのでは?」

リリム「あ、それならあたしにまかせて。見張りに来る連中、片っ端からあたしの特技で眠らせちゃうから」

ヘンリー「そりゃいいや、俺たちの寝つきもよくなるぜ」

リュカ「よろしく頼むね、ピク……じゃなかった、リリム」

リリム「ふふ、はやく慣れてね、リュカ♪」


ネビロス「おお、そういえばデータからこんなものもサルベージできたぞ」

>ネビロスは バスケットに入った弁当を取り出した
>かなりの量があり まだほんのり暖かい

リュカ「!! これ……サンチョの作ってくれた弁当だ……!」

リリム「そっか! 妖精の村に行く時、数日かかるかもしれないから、多めに作ってくれたのがまだ入ってたんだ!」

増長天「おおっ、これはまた美味そうな」

ヘンリー「うおおおおおおおおおっ!? ひ、ひさびさのまともなメシ! は、8年ぶりか!? 食うぞ! 俺はたらふく食うぞ!」

ネビロス「ではそれで腹を満たしておくことじゃな。ワシはCOMPの修復を頼んでこよう、また後での」

>ネビロスは トラポートで移動した

ヘンリー「がつがつがつがつがつがつがつ! りゅふぁ! ふぉまふぇもふぁっふぁほふえ!(リュカ! お前もさっさと食え!)」

リュカ「何言ってるかわかんないよヘンリー」

増長天「うむむ、これは美味い!」

リリム「ほらほらリュカ、あたしたちも食べましょ」

リュカ「そうだね、いただきます…………うん、おい、しい…………いつも食べてた、味だ。サンチョの、ごはんだ…………!」

リリム「そうだね……! やっぱり、おいしいね……!」

>リュカとリリムは サンチョの弁当を一口一口 噛み締めた……



ヘンリー「はぐはぐはぐはぐはぐ。ふみぇえふみぇえふみぇえ(うめえうめえうめえ)」

増長天「ヘンリーどの、喉につかえますぞ」


ヘンリー「ふはぁ~~~……食った食った。あー、ちょうどいいことに眠くなってきたぜ……」

増長天「では自分は表の見張りを勤めましょう。お二人はお休みを」

>増長天は 部屋の外へと出て行った

リリム「あたしも起きて見張りしておくから、安心してね」

リュカ「ありがとう……そういえば、さっき言ってた眠らせる特技を使うんだよね。どういうの?」

リリム「『子守唄』って特技なんだけどね、ラリホーとかドルミナーと同じ効果があるの」

ヘンリー「へえ、じゃあさっそく頼むわ」

リュカ「それじゃ横にならないと……」

リリム「あ、待って。リュカはこっち」

>女の子座りのリリムは 腿のあたりをたたいて示した

リュカ「こっち、って……それ、リリムの足でしょ?」

リリム「足じゃなくて膝まくら。せっかく人間サイズまで大きくなったんだし、ね?」

リュカ「ね、って……」

ヘンリー「いひひひ。いいじゃねえかよ、よく眠れるだろうぜ。んじゃ俺はさっさと寝るわ…………すかー」

>ヘンリーはそっぽを向いて眠りについた!

リリム「……子守唄歌ってないのに寝ちゃったんだけど」

リュカ「ヘンリーは寝つきがいいから……でも、本当に?」

リリム「ん、前からやってみたかったの。リュカの寝顔も見たいし。ふふふ」

リュカ「そんなの、いいもんじゃないのに……じゃあ、失礼して…………」

リリム「はい、どうぞ。それじゃ、ゆっくり休んで。よく眠れるように、頑張って歌うから」

リュカ「ありがとう…………おやすみ、リリム」

リリム「おやすみ、リュカ…………いい夢、見れるといいね…………」

>リュカは目を閉じると 安らかな眠りに落ちていった……


――――眠れ 眠れ 母の胸に


――――眠れ 眠れ 母の手に


リュカ「すぅ…………すぅ…………」


――――こころよき 歌声に


――――むすばずや 楽し夢





増長天「ふぅむ、なんとも安らぐ歌声。リリムどのは歌がうまいですなぁ…………と、いかんいかん。自分まで眠気に襲われては意味がない。パトラパトラ」


※大神殿 特別室


イブール「…………さて、いい加減考え直してくれたかね、マーサ?」

マーサ「何度言おうとも、あたしはあなたの考えに賛同することはありません。教団の人々を解放しなさい。あるべき場所に、心のふるさとへと帰してあげなさい、『イーブ』」

イブール「その名で俺を呼ぶなっ!」

>イブールは拳をテーブルに叩き付けた
>マーサは悲しげにイブールを見つめている

イブール「俺はイブールだ。神から与えられた名を捨て、俺は神の呪縛から解放されたのだ! 俺は神を超える。魔王を超える。これが、そのための『力』だ!」

>イブールの腕には 鈍く輝くCOMPがあった。

イブール「マーサ、お前もわかっているんだろう? 人は神の奴隷、悪魔の下僕としてしか存在を許されていない現状に。誰かが定めた運命の操り人形でしかないことに。俺はそれを変える……人間が、人間だけが! この世界の支配者たるべきなんだ!」

マーサ「…………違うわイーブ。人も、神も、悪魔も、魔物たちも、全てがあって、全てがそろってこその世界なのよ。支配者とか、奴隷とか、そういうことではないのよ」

イブール「ならば俺たちは誰かの書いた筋書き通りに生きるしかないと言うのかっ!」

マーサ「そうではないわ、そうではないの……」

イブール「もう、いい……いま少しの時を措けば、お前の考えも変わるだろう。だが忘れるな、お前の息子、リュカは…………俺の手の内の中だ。ククククク」

マーサ「!! イーブ……! まちなさい! リュカは、リュカはどこにいるの!? ここに来ているの!?」

イブール「さあな」

>イブールは そのまま部屋を立ち去った
>厳重な鍵の音がして マーサがなにをやっても もう開かない

マーサ「ああ…………リュカ、リュカ…………ここに来ているの? それとも遠いどこか……?」



――――眠れ 眠れ 母の胸に



――――眠れ 眠れ 母の手に



>どこからともなく 優しい歌声が聞こえてきた


マーサ「あら? これは、子守唄……なんて、優しい調べ……そうだわ」

>マーサは 声を合わせて歌い始めた

マーサ「(…………リュカ、あなたに、この歌声が届きますように)」



――――あたたかき その袖に



――――つつまれて 眠れよや









リュカ「お……かあ……さん…………」

ヘンリー「はは……うえ…………」


※さらに数時間後


――――うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!


>表からの声に二人は飛び起きた!

リュカ「っ!? 何が起きた!?」

ヘンリー「悲鳴みたいだったぞ!」

リリム「増長天! なにかわかる!?」


>扉を開けて増長天が飛び込んできた!


増長天「大変だ! 教団の幹部が『天使』を引き連れて奴隷たちの粛清を始めた!」

ヘンリー「なんだと!?」

リュカ「急ごう! みんなが危ない!」


※作業現場


「ひぎゃあああああっ! し、死にたく……がはっ!」
「た、助けて……かふっ!」
「て、天使さまがなんでオラたちを!? ぎゃああああっ!!」

>翼を生やした天使たちが 奴隷たちに刃を振るっている

*「所詮は穢れた民だということ……主の救いの機会を無碍にする者など、無用です。せめて、死して償いなさい」

>教団の法衣に身を包んだ少女が 天使たちを指揮している!

プリンシパリティ「神に背く輩、悉く死に絶えるべし!」

パワー「光の裁き、在れ」

「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃ!!」


『メラミ!』
『ザンマオン!』

>MIXD! フレイムインパルス!

パワー「ぐわっ!?」

プリンシパリティ「パワー! なにやつ!」


リュカ「僕だ」
ヘンリー「俺だ」


「リュカさま!」
「ヘンリーさま!」

リュカ「リリムはみんなの治療を! 増長天はみんなを攻撃から守って!」

増長天「承知! この者たちに、これ以上手出しはさせん!」

リリム「まかせて! みんな、大丈夫よ、メディラマ!」

「お、おお……!」
「傷が癒えていく……ありがたやありがたや」

パワー「ぐぐぐ……おのれ悪魔の下僕どもめが!」

プリンシパリティ「神の威光にかけて、我等がその命、刈り取ってくれる!」

*「あなたたちですね、つねに反抗的だというのは……このわたしが、裁きを下します」

ヘンリー「はっ! 手前が『聖女』ってやつかよ! 大した『救い』だな! さんざんこき使って、使い物にならなくなったり、反抗したら殺すってのがおまえらの神の救いかよ!」

*「わたしたちはあなた方に罪を償う機会を与えているのですよ? あなた方のような選ばれざる民は、償いを甘んじて受けるべきなのです」

ヘンリー「ふざけんなこの選民思想主義者が!」

パワー「マリアどの、お下がりを」

プリンシパリティ「この者らは我等が始末するゆえ、聖女たる貴女が手を汚す必要はありません」

マリア「頼みました。では、公平なる裁きを」

ヘンリー「なめんなよ……いくぜ! 相棒!」

リュカ「まかせろ! 相棒!」


ちょっと詰り気味なので今回はここまで。
申し訳ない。

>>303
>>305
>>307
過分な感想ありがとうございます。心の琴線に触れることができたなら幸いです。

>>309
ご期待に応えられるよう頑張ります。

>>304
書き始めるとそのキャラをメインにしたくなってきますので……というか、エロってここに一緒に書いてもいいのかな?
R-18つけてないんだが(笑)

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

>>1です。我慢できずに携帯から根性投下します。


ヘンリー「っしゃあ! 『爆裂拳』!」
リュカ「『ドラムロールパンチ』!」

>MIXD! ミリオンズフィスト!

プリンシパリティ「ぐおおおおっ!? な、なんの!」

パワー「喰らえ! 『天の旋風』!」

>舞い降りた旋風が リュカたちを吹き飛ばす!

ヘンリー「どわっ!?」

リュカ「くうっ!? ヘンリー!」

プリンシパリティ「スキあり! 『散雷撃』!」

ヘンリー「!! させるかよ、メラミ!」

>メラミの炎が 雷撃を誘引する!

プリンシパリティ「何っ!?」

ヘンリー「静電遮蔽ってやつだ! 勉強不足だぜ、天使サマよぉ!」

パワー「ならばいま一度! 『天の旋風』!」

増長天「通さぬ! マカカジャ!」
リュカ「いけっ、バギマ!」
リリム「加勢するよ! ブフーラ!」

>MIXD! フリーズサイクロン!
>天の旋風を打ち消した! さらにパワーの身体が凍りつく!

パワー「ぬ、がああああっ!?」


リリム「おまたせ! さあ、一気に行こう!」

増長天「リュカどの! 自分も加勢を!」

リュカ「わかった! 合わせるよ!」

リリム「マハブフーラ!」
増長天「マハジオンガ!」
リュカ「ザンマオン!」

>TRYMIXD! 超電導インパルス!
>衝撃と電撃が 防御を貫いて突き抜ける!

プリンシパリティ「があああああっ!?」
パワー「うおおおおおっ!?」

マリア「パワー! プリンシパリティ!」

>天使たちは重症だ……

パワー「ぐ、ぐぐぐ……っ!」

プリンシパリティ「お、おのれ……!」

ヘンリー「さあ、覚悟を決めな!」


マリア「……退きなさい! 『ペルソナ アズラエル』!」

>マリアの背後に 天使の姿が浮かび上がる!

マリア「バイコウハ!」

>炸裂する閃光が ヘンリーを吹き飛ばした!

ヘンリー「があああっ!?」

リュカ「ヘンリー!」


パワー「おお……かたじけない」

プリンシパリティ「無様を晒しました」

マリア「よいのです。わたしもまた、神の使徒なのですから」


ヘンリー「くっ……なんだ今の魔法は。それにあの天使の亡霊みてえなのは?」
リリム「ペルソナ能力……この世界で持ってる人間がいるなんて」

マリア「おや、ご存知でしたか。そう、これがわたしが神より授かりし力……『ペルソナ』です」

リリム「精神を異次元の存在と同化させて、もう一人の自分として力を振るわせる方法よ。ものすごい危険な方法だけど……」

リュカ「危険?」

リリム「うん、感情や人格をそのまま悪魔と融合させてしまうから、自我が弱いと乗っ取られて悪魔召喚の触媒になっちゃうの」

ヘンリー「ゾッとしねえ……俺なら願い下げだな」


マリア「先程から勝手なことを……この力は神聖なるもの。悪魔などと、その様な邪悪なものであるわけがないでしょう!」

リリム「悪魔って言っても、神も天使も全部ひっくるめての呼び方なんだけどなあ」

ヘンリー「はっ、どうせ耳障りのいいことしか聞かされてねえんだろ。哀れなもんだぜ」

マリア「なっ!? なんと不遜な……! いいでしょう、ならばわたしが直に天罰を下します。マーサさまの救いに応えるためにも!」

リュカ「!! あなたはマーサを知っているのか!?」

マリア「穢れた身でその名を呼ぶのではありません!」

ヘンリー「……ちょいと用事ができちまったな。なら、さっさとおとなしくなってもらうぜぇっ!」

ペルソナ出てきた

感じ的には1,2よりのペルソナかな
乗っ取られるとか言われるとアートマも思い出す

おお! 乙ですよ
1や2のペルソナは暴走して悪魔化することあったし、そちら寄りですね
ん? ってことは長鼻のやつもどこかにいるのか!
それとも暗躍大好きニャル様かな

乙です。
マリアの強さはメガテン寄りでしたか。
現場で問題を起こすリュカをしばく、奴隷労働、労働の合間の僅かな時間の鍛錬しかやっていないヘンリーが天使と戦えるぐらい強い事に違和感を感じました。独学で強くなるにしろ魔王補正があるリュカとヘンリーは違います。誰がヘンリーの師匠をやっていたのか、それに戦闘技法の鍛錬が許される環境にないです。

ヘンリーは子供の頃から数えきれない程の暗殺者を
誰にも気付かれずに一人で葬ってきた天才少年ですから

>>1です。まずはコメ返信を。

>>339
>>340
ヘンリーは元々下地は出来てたので、
奴隷生活で体が完成して強くなった……ということにしといてください(死)
リュカはそんなヘンリーが鍛えた、ということで。
ザンマオンなんかはサバトマと同じでピクシーがすでに教えていました。
成長して使いこなせるようになった設定にしてます。

>>335
>>336
>>338
ペルソナ、出しちゃいました。
ニャル様はどうしよう……?

設定や展開を書いてくれている方、
毎回参考になり、アイデアのきっかけにもなってありがたいです。
ただ、展開をいい意味で裏切れているかちょっと不安です。
予想と違う展開や設定になってもがっかりしないでくださいね(笑)

では、次から投下します。


マリア「いいでしょう。あなたがたがいかに無力か、思い知らせて差し上げます! 御二人は下がって!」

パワー・プリンシパリティ『はっ!』

ヘンリー「なめんなよ! 両手魔法メラミ!」
リュカ「連続ザンマ!」

>ペルソナ アズラエルが魔力をかき消す!
>マリアには魔法が効かない!

ヘンリー「!? 魔法が効いてねえ!」

増長天「むっ! ならば肉弾戦で!」

パワー「させぬわ! 『二段突き』!」
プリンシパリティ「『散雷撃』!」

>MIXD! ライトニングスラスト!

増長天「ぐううううっ! な、なんのこれしき!」

>増長天は食いしばった!

マリア「ほう。ですがこれで……終わりです! 『闇の審判』!」

>アズラエルが漆黒の閃光を放つ!


『うわああああああっ!』


>リュカたちは まとめて吹き飛ばされた!


リュカ「く、うあ……みんな、無事か!?」

リリム「な、なんとか。メディラマメディラマ」

ヘンリー「くうっ……なんて威力だ。お、おい増長天! お前直撃受けたんじゃ!?」

増長天「ま、まだなんとか生きておりますぞ……フフフ」

>増長天はボロボロになりつつも 屹然と立ちあがる

リュカ「リリムと増長天がみんなを避難させていたからいいものを……見境なしか! あいつは!」

マリア「……しぶといですね。ですが、いま一度……!」

ヘンリー「くそっ! そうは……!」


衛兵「マリア! もう止すんだ!」


>マリアの前に一人の衛兵が飛び出した

マリア「…ヨシュア兄さん? なぜ邪魔をするの! わたしは救われない民に救いを与えようと!」

ヨシュア「前々からおかしいと思っていたんだ……こんなこと、救いでも何でもない! ただの虐殺だ!」

マリア「……そこをどいて。さもないと、兄さんでも容赦しないわ」

>マリアは無表情で 魔力を集めた手をヨシュアに向けた

ヨシュア「マリア……」

ヘンリー「て、手前……っ! そこまで人間捨てたかぁ!!」

>ヘンリーは拳を握りしめ マリアに向かって駆け出した!

マリア「無駄な足掻きを……っ!?」

リュカ「スカラ!」
リリム「タルカジャ!」
増長天「スクカジャ!」

>TRYMIXD! ハイコートアシスト!
>補助魔法の相乗効果で ヘンリーが爆発的に強化される!

パワー「い、いかん!」
プリンシパリティ「マリアどのに近づかせは……!」

ヘンリー「邪魔だあっ!! 『真空波』!」

>天使たちは 真空波で壁面に叩きつけられた!

マリア「ひっ……!」

ヘンリー「歯ぁ食いしばれっ! 『正拳突きぃっ!!』」

>ヘンリーは マリアの頬を 思い切り殴り付けた!


>天使たちが気がつくと いつでも攻撃できる位置で リュカたちが身構えていた

リュカ「よし、動くな」
増長天「抵抗は無意味と知れ」
リリム「逆らったらドカンだよ」

パワー「……無念」
プリンシパリティ「口惜しや……」

>マリアは頬を大きく腫らして 気絶している……

ヘンリー「はあ、はあ、はあ……ちっ、女の顔殴っちまった。後味悪りぃ……すまねえな、あんたの妹なのに」

ヨシュア「いや、そうでもしなければマリアは止まらなかっただろう……これで、よかったのだと思う」

ヘンリー「そう、か……がふっ!」

リュカ「ヘンリー!」

ヘンリー「大丈夫、だ。さっきの強化魔法の反動だな。乱発注意ってこった」

>ヨシュアは倒れたマリアを背負うと リュカたちに呼び掛けた

ヨシュア「君たち、マーサさまを探しているのだろう? 案内しよう」

ヘンリー「いいのか?」

ヨシュア「ああ、私たちは元々孤児でな。マーサさまに出会って、救われた気がして……それで教団に入信したんだ。その頃はマリアも、とても優しい子で……だから、マリアもマーサさまにもう一度会えば……だから君たちと一緒に、会ってみようと思う」

増長天「その口振りだと、教団のものと言えど、簡単には会えないようだが?」

ヨシュア「……最初は頻繁に姿を見せていたんだ。でも今じゃ特別な時意外さっぱりで、居場所も特別室に幽閉状態さ」

ヘンリー「怪しい、なんてもんじゃねーな」

リュカ「お母さん……!」

リリム「大丈夫、きっと無事だよ」

リュカ「うん……ありがとう、リリム」

ヨシュア「えっ!? 君はマーサさまの息子さんなのかい!? それが本当なら、マリアの件も教団がなにかを……?」

ヘンリー「ま、そんなこったろうよ。とにかく、リュカのお袋さんに会えば何かわかるさ」


パワー「ま、待ってくれ!」

プリンシパリティ「我らも同行させてくれぬか!」

リリム「何よ、まだやる気? それとも、後ろからバッサリいこう、なんて思ってんじゃないでしょうね?」

パワー「そんな事はしない! むしろ、今すぐにも斬刑に処してほしいくらいだ!」

プリンシパリティ「マーサどのの御子に刃を向けるなど、知らぬ事では済まされませぬ! この上はマーサどのの御前にて断罪を受ける覚悟」

リュカ「あなた方も、母に?」

パワー「いかにも。我らも又、マーサどのに救世主(メシア)の資質を感じ、遣えさせて戴いた身なれば」

プリンシパリティ「その代行者たるマリアどのの命にて、此度の所業と相成りました。ですが、それがマーサどのの意志でないならば……」

パワー「それを確かめねばなりませぬ! マーサの御子よ、恥を忍んでお願い致す!」

リュカ「……解りました。一緒に行きましょう」

パワー・プリンシパリティ『おお! ありがたい!』


ヘンリー「……おいリュカ。お前のお袋さんどれだけカリスマなんだよ」

リュカ「さ、さあ?」

リリム「まあ、リュカのお母さんだし。ねえ?」

ヘンリー「あー」

増長天「うむ、納得ですな」

リュカ「釈然としない……」


ヨシュア「じゃあ行こう。こっちだ」


※特別室前


ヨシュア「ここだ。だが常に厳重に施錠されていて、マーサさまが出てくることは滅多に……」

>ヨシュアの言葉を遮って リュカは扉を力任せに叩き始めた!


リュカ「お母さん! お母さん!! 僕の声が聞こえますか!? リュカです! あなたの……あなたの息子です!! お母さん! お母さぁん!!」


>重厚な扉の向こうから 優しい声が問いかけてくる……


マーサ「リュカ……? リュカ、なの? そこに、いるの?」


リュカ「!! は、い……はいっ! います。ここに、います! お母さん! お母さん!!」

増長天「うむ! ならばいま扉を破ります故、リュカどの、御母堂、しばしお下がりを!」

リュカ「増長天……お願いだ、僕の、母を……お母さんを、助けて!」

増長天「お任せあれ! ぬ、ぬぬぬぬぅぅ……おおおおおおっっ!!!!」


>増長天は 渾身の力で扉を抉じ開けた!!



>部屋の中には まっすぐな長い黒髪が印象的な女性が 涙を浮かべて微笑んでいる
>その優しい佇まいは リュカの持つものとよく似ていた

マーサ「リュ、カ……リュカ、なの、ね?」

リュカ「お、かあ……さん」

マーサ「ああ……リュカ、わたしのリュカ。こんなに大きく、立派になって……」

リュカ「おかあ……さん。お母さん! お母さん!」

>マーサは 優しく 強く リュカを抱きしめた

リュカ「逢いたかった……ずっと、ずっと、逢いたかった!」

マーサ「わたしもよ、リュカ……15年前のあの日からずっと、この手にあなたを抱きしめる日を、何度夢見たことでしょう……! 夢なら覚めないで、この温もりを奪わないで。わたしの坊や。可愛いリュカ。あなたを置き去りにした、わたしを許して……!」

リュカ「そんなの、そんなの……もう、どうだって……! う、ああ、うわあああああぁぁぁっ!!」




リリム「リュカ、よかったね。本当に、よかったね……!」

ヘンリー「く、くそ。リュカの野郎、何回俺を泣かせる気だよ。なんでお前が喜んでると、俺も泣くほど嬉しくなっちまうんだバッカヤロー……」

増長天「じ、自分こういう光景には弱いのだ……! ううっ、リュカどの、誠に、ようございました……!」

ヨシュア「マーサさま……あんなに幸せそうな顔、初めてだ」

パワー「こ、これぞ正に聖母子の再現なれば。この罪深き身を許したまえ……!」

プリンシパリティ「然り。この身煉獄の炎に焼かれようとも、この光景を守ることが我らが使命なり……!」


今回はここまでです。

それでは、
コンゴトモ ヨロシク

リュカは憎悪を高めることでパワーアップ(魔王補正)で良いにしろ、ヘンリーは影に隠れて場を読み美味しい所だけ掻っ攫う(リュカのピンチにマリアを奇襲して倒す)方がらしい気がします。
奴隷時代で現場監督の性格を把握して機嫌を取り便宜を図る。奴隷仲間の根回しとか場を読み派閥を築く、相手の虚を突くなど心理戦を磨いたなら納得できたけど、どうも正面戦力で強くなっているのは釈然としない…

これで真1のときみたいに実は悪魔に喰われてました的な展開じゃなければ……いやそれはそれで……
何はともあれ乙

お疲れです―。こっちも頑張ってますよぅ

アマノサクガミ、わりとトラウマです
しかし、これが増長天でよかったですねー
毘沙門天の仏像って「天邪鬼≒アマノサクガミ」を
踏みつけているですよね……

……>>353さんの心配が杞憂でありますように
もしそうなったら、遠慮はいりません
やんごとなきお方の力でビルドアップした
増長天オンステージ
(龍の眼光→マカカジャ→電撃魔法×3)
をやっておしまいなさい、ゆるします

>>1です。まずは返信を。

>>350
ご推察の通りヘンリーはいいとこどりするタイプなのですが、
今回に限って激昂する理由があったのでああなりました。
続きでうまく伝えれればいいのですが……

>>353
>>354
真1のイベントはきつかったですよね。
まあ、このマーサさんは本物なんでご安心を。

では、次から投下します。

>しばしの間リュカの嗚咽は続いていたが それもようやくおさまった……

リュカ「ぐすっ……ごめんなさい、みっともないですよね、こんなの」

マーサ「いいのよ、わたしだって……ふふ、親子そろって泣き虫になっちゃったわね」

リュカ「……はは、あははっ」

マーサ「ふふ、くすくす」


ヘンリー「あー、あのまったりした空気、リュカのお袋さんだっての納得だわ」

リリム「だねえ」

>リュカとマーサは楽しげに笑いあっている


ネビロス「おお、どうやら、無事に御母堂と逢えたようじゃな」

>ネビロスがトラポートで現れた

ネビロス「御母堂にはお初にお目にかかるのう。ワシはネビロス、故あってリュカの仲魔をしておる」

マーサ「まあ、それはそれは……リュカがお世話になったようで」

リュカ「ネビロス! COMPが修復出来たんだね!」

ネビロス「うむ、待たせたのう。さ、付けてみるがいい」

>リュカはCOMPを装着した
>感覚が鋭敏になったように感じる……
>機能にデビルアナライザが追加された!

ネビロス「修復した奴が張り切ってな、お主の成長にあわせて機能が拡張されるようになっておる」

マーサ「リュカ、あなたもそれを?」

リュカ「はい、このCOMPがあったから……みんなと出会うことができたんです」

マーサ「そうなの……あなたにとって、それは絆の証なのね」

リュカ「そして……これで準備は整った。やっと、やっと、奴等を……!」

マーサ「!?」


>リュカの表情は 暗い愉悦に醜く歪んでいる……!

マーサ「リュカ! いけません!」

>マーサはリュカの頬を叩いた

リュカ「お、母さん……? なにを?」

マーサ「リュカ、あなたの今の顔を鏡で見てごらんなさい。憎しみに満ちた瞳で……『嘲って』いましたよ」

リュカ「僕が、嘲って?」

マーサ「……怒りを、憎しみを抱くことは仕方ないでしょう。ですが、それに飲まれては、捕らわれてはいけません。そのようにして力を振るう者は、いつか自分が何のために怒っていたのかも、解らなくなってしまうのですよ?」

ヘンリー「……それは俺も感じていたぜ。この8年、リュカは教団の奴等を殺すことを楽しんでいるようだった……仮面被ったみたいに無表情で、教団の人間と見ると、どんだけ引き止めても情け容赦なく殺しにいく。たまに見せるのはさっきの嘲笑だった」

リュカ「……それのどこがいけないんだ。奴等のせいで僕もヘンリーも奴隷にされ、ピクシーは……リリムは、運良く帰ってこれたけど、コボルトも、ガキも、ジャックランタンも、もう帰ってこない! プックルも生死は知れず、ケルベロスに任せたお父さんだって、どうなったかわからないんだ!」

マーサ「リュカ……」

>マーサは悲しげにリュカを見つめている

リュカ「この苦しみの万分の一でも、奴等に返さなければ気がすまない……!」

リリム「……ダメだよ、リュカ」

リュカ「リリム……?」

>リリムはリュカを引き止めるように 背中から抱きしめた

リリム「優しさを忘れないで、みんなが好きだったリュカのままでいて。あたしたちの為に、リュカの大切な心を捨てないで。お願い……お願いだよぅ」

>リリムの声は涙で震えている……

リュカ「……でも、僕は……あの時の光景が、あの時の怒りが、何度も夢に見るくらい忘れられない……! 何より、あの日君を助けられなかった自分が許せないんだ!
 教えてくれ、僕は、君に何が出来る? 命をかけて僕を助けてくれた君に、みんなの為に、どうすれば僕は報いることが……!」

リリム「リュカぁ……いいの、もう十分だから……もう、苦しまないで」

リュカ「リリム……」

マーサ「……先程の歪んだ顔が嘘のよう。リュカ、今のあなたはその子の為を思っていることがよくわかりますよ」

ヘンリー「ああ……リリムに再会してからさ、あいつがまともに笑ったり泣いたり出来るようになったのは」

マーサ「そうでしたか……リリムさん、あなたがリュカの心を救ってくれたのね」

リリム「ふぇ!? あ、あたしは別になにも」

リュカ「……お母さん、でも、僕は」

マーサ「リュカ、怒りも憎しみも、それ自体は人として当然の感情です。重要なのはそれを理由に、己の欲を満たそうとしないこと。わたしもおばあさまから教わりました……力ある者の責任と、それを全うすることの難しさも」

増長天「……リュカどの、我ら四天王は天帝・帝釈天に遣える存在ですが、阿修羅王なる神と敵対しておりました。彼は帝釈天に拐われた娘を取り戻すべく戦いに赴き、正義もまた彼にありました。しかし、怒りのあまり本来の目的すら忘れ、殺戮を繰り返す悪鬼と成り果ててしまったのです。リュカどのにはそうなって欲しくありませぬ」

リュカ「お母さん……増長天……」

リリム「リュカなら大丈夫だよ。ね?」

リュカ「……僕は」

マリア「う……あ? わたし、いったい……」

>気絶していたマリアが目を覚ました

ヨシュア「マリア! 気がついたのか」

マリア「兄、さん……? は、放して! 下ろして!」

>マリアは強引にヨシュアの背から下りた

マリア「マーサさま!? なぜそのような者たちと! 穢らわしい……マーサさまから離れなさい!」

リュカ「お母さん、彼女は……」

マーサ「ええ、わかっているわ……マリアさん、でしたね。もう今までのようなことをする必要はないのですよ」

マリア「え……で、ですが教祖さまは、それがマーサさまのためになると。そ、それにいずれ来る終末に、全ての民を救うことなど不可能です! それなら……!」

マーサ「イーブが……やはり」

パワー「マリアどの、もうよいのです」

プリンシパリティ「我らこそが道を誤っていたのです」

マリア「あなた方まで何を……!」

ヨシュア「マリア……もういいんだ。マーサさまもああ言ってくれたんだ、以前の優しいお前に戻っていいんだよ」

マリア「だ、黙りなさい! わたしを惑わす人間など、もはや兄でもなんでも……!」


ヘンリー「……いい加減にしやがれ!」

>ヘンリーはマリアの胸ぐらを掴みあげた!

ヘンリー「手前ら兄妹なんだろうが……! 俺にも弟がいる、だから手前みてえな兄妹をないがしろにする奴は許せねえ……!」

マリア「ひっ……!」

ヘンリー「俺が怖えか? だがな、それが今まで手前がやってきたことだ! それが力で思想を押し付けるってことだ!」

マリア「わ、わたしは……」



イブール「ククク……役者はそろったようだな」

>イブールが転移して現れた!

マーサ「イーブ……!」

マリア「教祖さま……!」

リュカ「その声……貴様がイブール!」

イブール「こうして顔をあわせるのは初めてになるな、リュカよ……ククク」

マリア「教祖さま、わたしは……!」

イブール「五月蝿い。『ジオラオン』」

>電撃がマリアの全身を焼く!

マリア「きゃああああっ!?」

ヨシュア「マリア!」

イブール「俺はリュカと話している。邪魔をするな、道化人形」

マリア「ど、道化、人形……?」

リュカ「どういう事だ!」

イブール「なに、簡単な事だ。その娘は神の救いを、救世の奇跡を求めていた。だから与えてやったのさ……ペルソナという力と、殺戮による浄化という、分かりやすい救済をな!
 俺が、マーサが望んだと言えば、それが正しいかどうかなどその娘は考えもしなかった! これを道化と言わずなんと呼ぶ!?」

マリア「そ……そん……な……なら、わたし、は」

リリム「待ちなさいよ! 告死天使であるアズラエルを憑けたのはあんたでしょう! ならマリアがあんなことしたのだって……!」

イブール「そうだ。だがその娘は喜んでそれを受け入れていたではないか! そんなことまで俺の責任にされてはたまらんな。ククククク」

パワー「おのれ外道が!」

プリンシパリティ「よくも我らを謀ったな!」

イブール「何故怒る? 元々貴様ら天使の常套手段ではないか。
俺は知っているぞ、十字軍の名のもとに行われた虐殺を。
千年王国の名目で数多の屍の上に築かれたカテドラルを!
 この神殿も同様のことを行っているだけだ!」

パワー「ぐ……!」

プリンシパリティ「それ、は……!」

イブール「……ククク、神の意志に逆らう天使は処分せねばなあ? 来い『べリアル』、『メタトロン』」

>魔王 べリアルと 大天使 メタトロンが呼び出された!

パワー「なっ!? メタトロン様!」

プリンシパリティ「なぜ魔王となったべリアルと共に!?」

リュカ「!! あれは! あの時遺跡に現れた!」

ネビロス「べリアル! なぜそんな輩に従っておる!?」

メタトロン「ぐ……ぬうう……!」

べリアル「ネ、ネビロス……逃げろ……!」

イブール「貴様らはもう用済みだ……やれ」

マーサ「やめなさいイーブ! これ以上、彼女たちを傷つけ、弄ぶことは許しません!」

イブール「ほう……? それは心外だな。これは天使たちの神との『契約』に基づいたことだ。神殿の建設も、『聖女』たるその娘の死による信仰の強化もな。なあメタトロン?
 そして俺が契約を履行する限り、貴様は俺に逆らえん。神を利用していることがわかっていてもな!」

メタトロン「く……」

イブール「べリアルも同じだ。もっとも、このCOMPがなければ危うかったが……ラインハットではずいぶん苦労させられたよ、契約に従い、ヘンリー王子を神殺しの尖兵にするために、8年がかりで両親まで殺したのだからな」

ヘンリー「なん、だと……!? 親父も、母上も、全て、貴様が!」

イブール「結果として貴様は俺の望み通りに成長した……感謝しているよ。おかげでべリアルを使役し続けられる。ははははっ!」

ヘンリー「貴っ様ああああっ!!」

ネビロス「おのれ! そういうカラクリか!」

マーサ「イーブ……なぜ、そこまでして……」

イブール「その名で呼ぶなと言っている! マーサ、お前があの男とエルヘブンを出てから、俺は世界を巡った……そして知った!
 この世界の神は役目を放棄し、魔王は強大な力をもてあましている。異界の神や悪魔は俺を利用しようと接触してきた……だから逆に利用してやっているのさ!
 俺を手駒とすべくもたらしたこのCOMPを使ってな! 全ては人間の世を手にするためだ! だがお前たちも本望だろう? 悪魔たちには混沌たる世界、天使たちにはこのカテドラルたる神殿を与えてやるのだから!」

リュカ「……イブール! 貴様は……貴様のような奴がいるからっ!!」

>リュカはアセイミーナイフを取り出した!
>しかし ナイフの刀身は黒ずみ 光の刃は現れない……

リュカ「!? アセイミーナイフが発動しない……!?」

イブール「くははははっ! 8年前に使ったお前の力を忘れたのか。『望まれし者』たるマーサの子であるお前が暗黒の力など使えば、妖精のナイフに込められた光の力など消え失せてしまうわ!
 そして暗黒の力ではこの世界の魔王、ミルドラースの力を受けた俺は殺せん!」

リュカ「そ、そん……な」

イブール「8年かけて増大した恨みが仇となったな、ククク……ならばさらなる絶望を見せてやる。来い、シヴァ。アマテラス。そして……ニャルラトホテップ!」

>魔神シヴァ 女神アマテラス 邪神ニャラルトホテップが呼び出された!
>圧倒的な力の差に デビルアナライザの警告音が止まらない!

イブール「安心しろ、マーサの子たるお前には、まだまだ生きて貰わねばならん、新たな世界を築くためにも……だが、俺に素直に従って貰うように『しつけ』はさせてもらうがな……」

リュカ「く……くそおおおおっ!!」

  


べリアル「……マシバブーラ!!」

>べリアルはイブールとその仲魔に向けて マシバブーラを放った!

イブール「なっ!? 何をする! 契約を破る気か!」

べリアル「ネビロス、アリスを探せ! 我らの真の契約者たるアリスがいれば我も解放される! 今は……今は逃げろ!」

イブール「おのれ……悪魔風情が! プログラム『ソロモンの呪縛』発動! 契約を破る者に罰を!」

>べリアルの全身に激痛が走る!

べリアル「ぐがああああっ! い、行けネビロスっ!」

ネビロス「べリアル、なんという無茶を……必ず助けに戻るぞ!」

イブール「させるか! プログラム『バベルの真言』! 奴らを逃がすな!」

>悪魔たちが強制的に動かされる!

ネビロス「いかん……! あ奴らの総攻撃など受けては……!」

メタトロン「天罰」
シヴァ「メギドラオン」
アマテラス「マハラギダイン」
ニャラルトホテップ「オメガクラスタ」


>TETRAMIXD
>エンド オブ ジ エンド

パワー「……我らが役目を果たす時が来たようですな。マリアどの、貴女の罪は我らが天へと返しましょう」

プリンシパリティ「これからは、ただの人の子として自由に生きなされ。皆様、マリアどのをお頼み申す」


『おさらばで、御座います』


>天使たちは自らを結界に変え リュカたちを守った!
>その身体が次第に薄れていく……

マリア「待って! わたし、わたしは……!」

>天使たちは純粋なエネルギーとなり その声はもう届かない……

イブール「おのれ神の傀儡人形どもが……! ならば俺の手で!」

ヨシュア「!! マリア、行け! そして生きろ!」

>ヨシュアがイブールの前に飛び出した!

イブール「邪魔をするなぁ! ジオダインッ!」

ヨシュア「があああああっ!! マ、リア……! 逃、げ…………」

>ヨシュアの身体は 灰となって焼き付くされた……

マリア「い、いやああああああああっ!! にいさあぁぁぁんっ!!」

ヘンリー「くそっ……! まだかネビロス! 悔しいが今の俺たちじゃ勝てねえ!」

ネビロス「いま少しじゃ!」

べリアル「急げえぇぇっ!」

イブール「逃がすかぁ! ベギラゴン!」

マーサ「いけない!」

>マーサはベギラゴンを魔力で押し留めた

マーサ「リュカ……わたしを置いてお逃げなさい。こうしてあなたに逢えた今、わたしはもう十分……これからは、あなたの人生を生きなさい。イーブ、あなたにリュカを思い通りにはさせません」

イブール「マーサ……! なぜだ! なぜ俺の正しさが解らん!」

リュカ「お母さん!? そんなのダメだ! ネビロス、トラポートを止めてくれ! お母さん! お母さん!」

リリム「リュカ! ダメ!」

>結界を出ようとするリュカを リリムが必死に引き止める!

リュカ「放してくれリリム! やっと……やっと逢えた僕のお母さんなんだ!」

増長天「……リュカどの、お許しを!」

リュカ「がはっ……!」

>増長天はリュカを気絶させた

増長天「ネビロスどの、今だ!」

ネビロス「べリアル……必ず、必ず戻って来るぞ! 待っておれよ…………トラポート!」


>ネビロスはトラポートをとなえた!

今回はここまでです。
ようやく冒険が始まります。

では
コンゴトモ ヨロシク

ヘンリー強化はイブールがやっていましたか。
今回、使役されていた邪神達はイブールの強さに合わされレベルを引き下げられた感じです。
このマリアは頭から爪先まで処理された奴隷達の嘆き、無念に浸っています。5年か10年ぐらい修行して穢れを落さないと神の塔の門を開けられる感じがしません。
トラポートで行くのは金剛神界(別の世界)か元の世界か。

ここのフローラはビアンカ、デボラ、フロストでパーティーを組み、男達を出し抜いて婿入り試験を台無しにしそう。

月に吠える乙

名だたる神々が来ましたなぁ
しかし、リュカと違いかなり無理やりな使役をされてる様子
しっぺ返しが見ものです(笑)

脇見の壺でも使ってアセイミナイフ+ベリアルで火龍剣でも作るのかと
思ったのですが、強引に離反。しかもその理由が「アリス」かぁ
先が読みたくてしかたないです

そしてニャル様、あなたは暗躍しないでくださいね。割と本気で

真尋さんを呼んでくるんだ

>>1です。
まず返信から。

>>367
まあこのマリアは神の塔に入れそうにないですよね。
婿探しイベントは見せ場なのでさすがに潰しませんよ(笑)
変なのが来たらフロストが氷付けにしそうですが。

>>369
先が楽しみと言って頂き感謝の極み。
期待に応えられるようアイデアひねり出します。

>>370
一応べリアルがフォーク持ってますが(笑)
ニャル様もいろんな作品に出て、弱点増えすぎのような。
以下一例
・フォーク(ニャル子さん)
・クトゥグア(原作)
・ロリコン探偵(デモンベイン)

では次から投下です。

※海辺の修道院


フローラ「それでは、お世話になりました」

>ピンクのリボンをつけたフローラは 海風にその長い髪をなびかせている

院長「道中気を付けて」

フロストエース「ボクがいるから大丈夫だホー」

*「わんっ」

>大きな犬が主張するようにひと鳴きした

フロストエース「ヒホ、リリアンもいたホー」

リリアン「うぉんっ」

フローラ「リュカさんがいたら、あなたともお話しできたかも知れないのにね……」

院長「傷付いて弱っていた、小さかったその子もずいぶん大きく元気になって……フローラ、あなたの優しさと聡明さは、帰ってしまうのが惜しいくらいですよ」

フローラ「ありがとうございます。でも、家族も心配していると思うので」

メイド「お嬢様、そろそろ」

フローラ「はい、それでは……」

院長「あなたも、ルドマン氏への報告、よろしくお願いしますね」

修道女「お任せください」


フローラ(リュカさん……結局、サンタローズに行くことは叶いませんでしたが、きっと無事ですよね……)


>フローラたちは 修道院を後にした……

※修道院の一室


リュカ「う……ここは……?」

リリム「リュカ! 気がついたんだね……きゃあっ!?」

>リュカは目覚めると 眼前のリリムを押し倒した!

リュカ「リリム……なんで! なんで僕を引き止めた! なんで……お母さんを、見捨てたんだ……っ!」

リリム「リュカ……ごめんね……ごめんね……でも、あたしは……」

リュカ「…………わかってる、僕だってわかってるんだ。ああするしか、僕らは助からなかった。
お母さんが僕らを庇ってくれたから、こうして無事で……リリムが僕を止めてくれたから、お母さんの思いを無下にせずに済んだんだ……!
 でも……でもっ……!」

リリム「リュカ……怒って、る?」

リュカ「……そんなことはないさ。そう見えるなら……自分の不甲斐なさに、だよ」

リリム「リュカ……リュカは頑張ってる。すっごく、頑張ってるから……だから自分を責めないで」

リュカ「リリム……ごめん。僕は、弱音を吐いてばっかりだ……リリムが、相手だからかな……」

リリム「リュカは、気張りすぎだよ。だから、そうやって愚痴ってくれたほうが、あたしは嬉しいな」

ヘンリー「よう、リュカは起きたのか……おおっと、お楽しみの最中かよ。失礼、ごゆっくり……いひひひ」

>ヘンリーはそそくさと立ち去った

リリム「ふ、ふえぇっ!?」

リュカ「ヘ、ヘンリー!?」

>ヘンリーの指摘で二人は自分たちの体勢に気づき あわてて飛び退いた

リュカ「ご、ごめん! 気が高ぶってつい……本当にごめん!」

リリム「う、ううん。大丈夫だよ。それに、ちょっと恥ずかしいけど、リュカなら、嫌なんかじゃ……」

リュカ「え……あ、あの……それって……」

リリム「にゃ、にゃああああっ!? な、なんでもないの! そ、それより、ここがどこかだよね!?
 オラクルベリー近くの修道院だって言ってたよ! 本当はオラクルベリーに転移するはずだったけど、急いでたから座標が狂っちゃったって、ネビロスが!」

リュカ「そ、そうなんだ……ん? 修道院、って……もしかして、フローラがここに?」

リリム「うん、あたしも気になったから聞いてみたの。そうしたら、ちょっと前にサラボナに帰ったって……フロストエースも一緒だったみたいだよ。
入れ違いになっちゃったね……」

リュカ「そうか……でも、元気そうなら、それでいいよ。それで、みんなもここに?」

リリム「うん、みんな無事だよ」

リュカ「わかった。それじゃあ、みんなのところに行こう」

リリム「うん……」



リリム(……さっきリュカがフローラのこと聞いた時、胸がチクッてした……どうしよう、あたし、リュカのこと…………
ううん、やっぱりダメだよ。あたし、悪魔なのに……人間じゃ、ないのに……でも……リュカぁ……あたし、どうすればいいの……!)

>リリムは 胸の奥にしこりを感じながら リュカのあとを追った……

増長天「おおヘンリーどの。リュカどのはいかがでしたかな?」

ヘンリー「おう、元気そうだったぜ。しかもあいつ、リリムを押し倒して……いひひひ」

増長天「わっはっはっは! それはそれは! 若い者はいいですなあ!」

ヘンリー「はは、オヤジくせえぞ増長天。んで、ネビロスは?」

増長天「トラポートの悪影響がないかCOMPの確認を……」

『何をしているのです!』
『は、放して下さい! 死なせて!』

増長天「!? 何事だ!」

ヘンリー「あのマリアってのがいる部屋からだ!」

>ヘンリーたちが駆けつけると マリアがナイフで自害しようとしている!
>修道女はそれを必死に引き止めていた!

ヘンリー「!! なにやってやがる!」

修道女「おやめなさい! せっかく助かった命を散らすなど!」

マリア「止めないで! お願いです、死なせて下さい!
 わ、わたしのような罪深い人間、生きていてはいけないんです!」

増長天「なりませんぞ! とにかく、落ち着きなされ。これは自分が預かりましょう」

>増長天がマリアを抑え ナイフを奪った

マリア「か、返して!」

ヘンリー「ふざけんな! 手前、今までさんざ好き勝手やって来て、その責任取らずにこの世からトンズラする気か!
 世の中嘗めるのもいい加減にしやがれ!」

>ヘンリーはマリアの胸ぐらを掴みあげる!

マリア「わ、わたしはまだ、浅ましくも、神の救いを求めようとしています……
ここがいにしえの女神を奉り、それが慈愛の神と聞いて、救われたいと、赦しを得たいと考えてしまったのです!」

>マリアは涙を流しながら 懺悔するようにヘンリーに訴える……

マリア「許されません。多くの人々を苦しめ……こ、殺してしまったわたしが、そのようなこと、考えることすら許されるわけがありません!
 天使さまたちを見捨て、兄さんまで、わたしの、せいで…………これ以上、罪を重ねることに、耐えられないんです……お願いします、死なせて……死なせて下さい……」

ヘンリー「お前……」

増長天「……本来は心優しい娘だったがゆえに、己の誤った所業に耐えられなくなったのですな……哀れな」

修道女「おお……神よ、彼女を救いたまえ……」

ヘンリー「……いいやダメだ。許さねえ、絶対に許さねえぞ! お前は許されねえ。救われることも苦しみから逃げることもな!
 お前は残された人生を、ずっと苦しみぬいてから死ぬんだ! 怯えろ、竦め、泣き叫べ! この俺がお前をずっと責めぬいてやる!
 絶望しろ、そして噛み締めろ! お前の、罪の重さをな!!」

>ヘンリーはマリアをベッドに投げ捨て 部屋を立ち去った

マリア「わたしは……許されない……苦しみ続けないと……いけない……」

修道女「マリアさん! マリアさん!? しっかり! あの人、なんということを……!」

増長天「……修道女どの、ちとこちらへ」

修道女「え? なにを……?」

増長天「あれもヘンリーどのなりの気遣いですよ。今のマリアどのに優しい言葉は逆効果……ならばあえて責めたてた方が有効と考えたのでしょう。
実際、マリアどのはああしておとなしくなっております」

修道女「な、なるほど」

増長天「不器用ですが、優しい方ですなぁ、ヘンリーどのは」

リュカ「ヘンリー! ……どうしたんだ? 難しい顔をして」

ヘンリー「ん、ちょっとな……そっちは?」

リュカ「ああ、みんなを集めて、そろそろ出立しようかと。それと修道院の方々にお礼を」

ヘンリー「律儀なやつだぜ」

リュカ「はは。ところで、彼女……マリアは? あんな事の後だし、ショックも大きいんじゃ……」

ヘンリー「ああ……まあ、それはなんとかなった……と言うか、した」

リュカ「そ、そう?」

ネビロス「リュカ、起きたかの」

リュカ「ネビロス!」

ネビロス「すまんのう、いかに慌てていたとは言え、ワープミスとは……」

リュカ「いえ、助かったことに違いはありませんし……僕こそ、本来なら他の奴隷の人たちも助けなければいけなかったのに」

ネビロス「あまり一人で抱えこむでない。そなたは精一杯やったのだ、それでよい」

リュカ「はい……」

ネビロス「うむ。それでじゃ、COMPを確認したが異常はなかったのでまずは返しておこう。ほれ」

リュカ「ありがとうございます」

ネビロス「しかしな……中のデータを確認したところ、ゴールドオーブが壊れ、力が失われておる。ワシが研究していた時に比べると、抜け殻同然じゃ」

リュカ「それは……僕のせい、でしょうか。アセイミーナイフと同様に、僕が、暗黒の力で」

ネビロス「さて……影響がなかったとは言えんがな。なんにしても、大きな力が一つ失われたことに違いはない」

リュカ「くっ……! 僕らは、もっと強くならなければいけないのに」

ネビロス「そう焦るでない。当初の予定通りオラクルベリーに向かい、そこのツテを頼るとしよう」

  

※数時間後


リュカ「では、お世話になりました」

院長「旅の無事を祈っていますよ。それから、あなたはフローラさんの知り合いだそうで……
会うことがあればよろしくお伝え下さい」

リュカ「はい」

修道女「……マリアさん、本当に、彼らと旅を?」

マリア「はい……それがわたしに出来る、ただ一つの償いだと思いますから」

ヘンリー「はっ、ちっとはマシになったか。コキ使ってやるから覚悟しやがれ」


リリム「やっぱヘンリー、ツンデレだ……」

増長天「いやいや、若い者はいいですなあ」

ネビロス「ほっほっほ。青いのう」

ヘンリー「そこのオッサンズ、黙れや」

増長天・ネビロス『オッサンズ!?』

リュカ「あはは……それじゃあ行こうか」

リリム「れっつごー!」


>リュカたちは修道院をあとにした

短いですがここまでです。

それでは。
コンゴトモ ヨロシク

乙。
ロウヒーローがヘンリー、カオスヒーローがリュカ、ニュートラルヒーローはマリアっぽい感じがしました。
ヘンリーが法管理での弱者救済。リュカは力による仲魔、自分の救済。マリアは教団での経験から法管理、弱肉強食どちらにも価値を見出せないような気がします。

リリムの恋心で
ネビロス「リュカが誰かと結婚したとして何か問題が有るのか?」
ゲレゲレ(プックル)「がうがう(強いオスがメスを侍らしてどこが悪いのか)」
リリム「私、リュカのこと、独占したいのかな」
ヘンリー「リュカの地位だと相続問題で子供の代で絶対揉めるからダメだ。ラインハットの泥沼も自分の子供に少しでも多くの財産を残そうとする親心が原因だ。リュカと一緒になるのなら財産、地位を放棄させ人里を離れどこかに隠遁しろ」
フローラ「相続問題は確かに紛糾します。隠遁するとしたら妖精の里辺りでしょうか」
デボラ「妖精の里は退屈そうだから、アタシは人間界に残るわ」
ビアンカ(ダメだ。こいつ等とは住んでいる世界が違い過ぎる。誰も一夫多妻の倫理で否定しない…)


これは乙じゃなくて龍王ナーガのポーズなんだからねっっ!(お約束)

可愛いなぁリリム もう、顔がにやけて元に戻りませぬ
どんな結果でもリリムが満足する未来を願ってやみません

奴隷の境遇から抜け出した二人の活躍楽しみデス!


ヘンリーそのうちダイ大や幻燐よろしく魔剣使いになりそうな雰囲気

大変楽しく拝見してます。
ずっと気になっているのですが、今まで出てきている仲魔たちは、ほぼ全てがニュートラル~カオスサイドモンスターです。
それはやはり、リュカがカオス系の素養を持っているのか、単なる偶然なのか・・・
非常に興味深いところです。
個人的にですが、今のリュカはDARK-LAW(手段を選ばず自らの秩序を遂行しようとする)に見えたりしています・・・

>>1です。返信から。

>>380
マリアは現在茫然自失状態なので天秤が傾けられない心境にありますね。
どうなるかは……お待ち下さい。
ヘンリーのセリフがまさにどストライク(笑)
ビアンカの茅の外っぷりもナイスです。

>>381
かなり自己流にアレンジしたリリムですが、気に入って頂き感謝です。
ただリリム推しが過ぎて、引かれたりしないかちと心配です。
DQ5である以上、他の『嫁』推しの方もいますので。

>>382
ダイ大で魔剣と言うとヒュンケルですが、
幻燐だと……カーリアンですか? それともリウイ?

>>383
ロウ属性の悪魔は味方で出し辛いと言うのが本音です。
リュカは情愛の為に法を無視しかねないので、特に天使系が無理っぽい。
神に逆らってでもリュカの味方をしそうな奴がいれば……

では次から投下します。
 

※道中にて


リリム「そういえば、服、COMPの中に入ってたの?」

リュカ「うん、さすがに子供の頃のは小さいから、お父さんの予備を」

ヘンリー「で、俺は使わないやつを適当に組み合わせて」

リリム「へー、その割にちゃんとして見えるよ。ワイルドって感じ?」

ヘンリー「ま、センスの問題さ……ついでにこいつも、尼僧服のままじゃ味気ねぇからコーディネートしてやったが、ちっとも反応しやがらねえ」

マリア「あ、あの……わたし、こんな格好初めてで……よくわからなくて……」

リリム「うんうん、可愛いし似合ってるよー。自信持ってー」

増長天「ふむ、ヘンリーどのは存外、世話焼きのようですな」

リュカ「そうだね。僕も奴隷の頃、何度世話になったか……」

ネビロス「本人は否定しそうじゃがのう」

リリム「うむ、やはりツンデレ……」

マリア「あの、『つんでれ』って、なんですか?」

ヘンリー「うるせえぞ手前ら!」

リュカ「ところで……増長天やネビロスはいいとしても、リリムの格好は……」

リリム「え? え? なにか変? 羽と尻尾ならちゃんと隠すよ?」

リュカ「変じゃないんだけど、その……」

ヘンリー「ショートパンツに、乳半分だけ隠した素肌ジャケット。そして素足……うむ、エロいな」

ネビロス「エロいのう」

増長天「ちと扇情的ですな」

リリム「ふえええっ!?」

ヘンリー「ま、リリムが平気なら俺たちが言うことはないんだが……リュカは気にするんじゃねーの?」

リュカ「ま、まあ……リリムが知らない人にジロジロ見られるのは嫌、かな」

リリム「!! リ、リュカ! 余ってるマント貸して! あとサンダルか何か履くもの!」

リュカ「う、うん。ええっと……」


ヘンリー「ククク。二人とも単純でおもしれえ」

増長天「あれは純情と言うのですぞ」

マリア「?」

ネビロス「ちなみにマリア嬢の場合は『天然』じゃ」

※オラクルベリーの街


リュカ「ここにネビロスの知り合いが?」

ネビロス「うむ、ここのカジノに居を構えておる。今ならもう一人の知り合いも来ているはずじゃ」

ヘンリー「カジノか……せっかくだ、ちっと遊んで行こうぜ」

リリム「お金どうするの? COMPにもあんまり入ってなかったよ」

ヘンリー「へへへ……見な」

>ヘンリーは懐から高価そうなアクセサリーをいくつも取り出した!

リュカ「ええっ!? そんなのどこに隠して!?」

ヘンリー「この俺が奴隷になったくらいで秘密のへそくりを奪われると思うか? さらに教団の連中から巻き上げたのもあるぜ。ゲッゲッゲ」

リリム「oh……なんという邪悪な笑い」

リュカ「ごめん、ヘンリーのほうがよっぽど悪魔に見えてきた……」

ヘンリー「ほっとけ。リュカ、用がすむまで俺たちは遊んでくるからな。さ、行くぜ」

マリア「あ、あの……?」


>ヘンリーはマリアを強引に引っ張って カジノに入っていった


リリム「……さりげなく気を使ってるんだよねえ」

リュカ「ヘンリーはそういう奴だから」

増長天「では、我々も参りましょう」

 

※カジノ


リュカ「じゃあ、ネビロスに案内してもらって……」


ルイ・サイファー「ぬああああっ! また外れた! ええい今度は、3―4だ!」

「あのイケメン、またスライムレースで外してやがる」
「大穴ばっか狙ってるもんなぁ……」

はるかさん「かっかー」ジャラジャラ

「おい、あの謎生物。またナインセブン出してるぞ」
「さっき5ドラムスロットでもファイブセブン出してなかったか?」
「あの目押しの速さ見ろよ、プロだぜあれは」

はるかさん「かっかっかー」

「ええっ、また打ち止め!? す、すぐ補充を……」

ルイ・サイファー「は、はは……またスッカラカン……はるかさん、すまないが、また貸してくれないか……?」

はるかさん「ヴぁいっ」

ルイ・サイファー「よし、今度は格闘場だ! 14倍のメタルスライムに賭けるぞ!」

「……ありゃあまたオケラだな」
「あいつのスッカラカンにコイン50枚」
「賭けにならねーよ」



リリム「……だからなんで悪魔王がカジノでヒモ状態なのよ」

リュカ「うーん……気さくな王様でいいんじゃないかなぁ?」

ルイ・サイファー「……ハハハ」スッカラカーン

はるかさん「ヴぁ~い」ヤレヤレ

リリム「閣下……なにやってんですか」

ルイ・サイファー「……コイン恵んでくれ」

はるかさん「かっかー」ケラケラ

ネビロス「……はて? こんな生物、魔界にいたかのう?」

はるかさん「かっか!」ゾブリ

>はるかさんはネビロスにかぶりついた!

ネビロス「ぬわ――――っ!?」

ルイ・サイファー「ああ、こらこら。ネビロスは私の同胞だから食べちゃダメだ」

はるかさん「ヴぁいっ」ペッ

ネビロス「う……宇宙が見えたぞい……」

リリム「はあ……ホント自由人な王様なんだから」

ルイ・サイファー「はっはっは。おおそうだ、ネビロスが来たということはヴィクトルに用があるのだろう?
 向こうの階段の下だ」

リュカ「あ、ありがとうございます……? 前もこんなやりとりしたような……」

増長天「と、ともかく行くとしましょう」

※カジノ地下 業魔殿


>船長の姿をした 大柄な男が一行を出迎えた

*「ホテル業魔殿にヨーソロー! ……と、なんだ、ネビロスではないか」

ネビロス「元気そうじゃのヴィクトル」

ヴィクトル「まあな。すると……君がリュカか、話は聞いている。COMPの使い心地はどうだね? 我ながら自信作と思うのだが」

リュカ「あなたが修復を……ありがとうございました。大事に使わせてもらいます」

ヴィクトル「うむ。それで、ネビロスがわざわざ訪ねて来るからには、また何かあったのだろう?」

ネビロス「然りじゃ。実はの……」

>ネビロスはこれまでの経緯を説明した……

ヴィクトル「……高位悪魔を使役し、さらに本人も魔王の加護を受けた者を倒す、か。また難題だな」

リュカ「はい、今は少しでも力が欲しいんです……!」

ヴィクトル「私が示せる可能性は新たな悪魔合体の技術程度だ。だが、それは君の本意ではなかろう?
 悪魔をも友とし、契約を越えて心を通わせる君には」

リュカ「それは……」

ヴィクトル「まあ疲れているだろうし、今夜はゆっくり泊まっていくがいい。明日、私のツテを紹介しよう」

ネビロス「おお、やはりあやつも来ておるようじゃな。リュカ、今は休め。気を張っていては身体が持たんぞ」

リュカ「はい……では、お言葉に甘えさせてもらいます」

増長天「では、自分はヘンリーどのたちを呼んできましょう」

リリム「ほらリュカ、早く部屋に行こう!」

ヘンリー「へえ、いいホテルじゃねえか。ネビロスの人脈に感謝だな」

リリム「それじゃ、あたしとマリアはこっちの部屋ね」

マリア「よ、よろしくお願いします」

リリム「まあまあリラックスして。ヘンリーもあたしたちが魅力的だからって、女の子の部屋に入って来ないでよ~? クスクス」

ヘンリー「バーカ。リュカに夜這いしたいのはお前だろうが」

リリム「にゃ、にゃああああっ!?」

ヘンリー「俺はカジノの酒場で飲んでくるから遠慮なく襲っていいぜ。いひひひ」

リリム「す、するかバカァァァッ!」

マリア「はうっ!? リリムさん、引っ張らないで……!」

>リリムたちはあわてて部屋に引っ込んでしまった!

ヘンリー「ははは、顔真っ赤にして説得力ねえっての……?」

リュカ「……ヘンリー、あまりリリムをからかわないでもらえるカナ……?」

>リュカは笑いながら 恐ろしい殺気を放っている……!

ヘンリー「…………ス、スイマセンデシタ」

息抜き回という感じで、以上です。

デビサマは未プレイなのでヴィクトルのキャラが崩れてないか心配……
不備がありましたら指摘お願いします。 

ではまた。
コンゴトモ ヨロシク

乙!
リリムの夜這いは無しですか、リュカとってリリムは幼い時に世話になったお姉さんなので性的な目で見るのは当分先になりそうです。
閣下はダメ人間を楽しんでいる。堕落と退廃も良いよねな魔王様らしいといえばらしいです。
DQ世界だと唯一神がいないので、キリスト関係の魔王達は貶められる前の本来の姿に戻っているのか貶められてからの魔王モードなのか気になります。それでもベリアルはアリスが知っている魔王状態を崩す気がしません。

不滅の乙!

そっかー、リリムってば初心なのねー、かわうい

ヴィクトルは(私も間違えたけど)一人称は『我が輩』なのです
ブレの範囲で済むでしょうけどね
もしあれなら脳内で銀河万丈さんのボイスで喋らせると
雰囲気でますよ~「そうか行くのか。ボンボヤージュ」とかね

しかし閣下、久しぶりの物質界を満喫なさってるようで何よりです

ああ、いろいろ話題にしたいけどながくなるので割愛!
頑張ってくださいまし

すみません、訂正!
ヴィクトルの一人称は「私」とも言ってました
どちらでも良さそうですよ

>>1です。返信から。
>>393
堕天組はまあ、自分が使いやすい方を出して、あとは成り行きで(笑)
エロシーンは準備中です。出し所が難しいのですお待ちを。

>>394
>>395
ご指摘感謝です。ヴィクトルが自分を強調する時は『我が輩』を使うようにします。
リリムは元ピクシーである点が強いのでかなり乙女かもしれません(笑)

では次から投下します。

※明けて翌日


ヴィクトル「よく眠れたかね?」

リュカ「はい。やはり疲れていたみたいで、ベッドに入るなり、朝までぐっすりと」

ヴィクトル「ならばよかった。さて、私とネビロスのツテを紹介するということだったな。彼もまた研究の題材を見つけたらしく、この街に留まっている」

ネビロス「『邪教の館』という施設の主じゃ。生体研究はヴィクトルに長があるが、悪魔合体とその応用は奴の方が詳しい」

ヴィクトル「また彼が滞在している場所も君にとって有益と考えられる。話を聞いてみるといいだろう」

リュカ「ありがとうございます」

ネビロス「ワシらは互いの研究成果について話し合っているのでな、用が済んだら戻ってくるといい」
 

※モンスターじいさんの住まい


リュカ「ここかな? 『モンスターじいさん』の住まいは」

リリム「ヘンな名前ねえ、それに街中に洞窟ってどうなのよ……そういえば、ヘンリーは?」

リュカ「昨日カジノで稼いだから色々買い物してくるって。増長天とマリアも荷物持ちに連れてかれた」

リリム「どれだけハメ外してんだか……ま、いいや。ここでの用事を済ましちゃおうよ
(二人きり……なんだかこれって、デートみたい? えへへ……)」

リュカ「そうだね。ごめんくださーい」

モンスターじいさん「おや、お客さんかね?」

リュカ「すいません、こちらに邪教の館の方がいると聞いて……」

邪教爺「ワシに客人かね?」

>サングラスを掛けた サイケデリックな老人が奥から現れた

リュカ「貴方が……ネビロスとヴィクトルさんの紹介で来ました」

モンスターじいさん「ふむ、ではワシは茶菓子でも用意してくるかの」

    

邪教爺「なるほど、あの二人から話を……それであやつらの研究は完成したのかね?」

リリム「うーん、どうだろ? ある意味あたしがその研究成果?」

邪教爺「ほう! むむむ……なるほど、新型造魔素体による、魂魄結晶(デビルソース)からの悪魔生成……しかもそなた、合体前の記憶があるな?」

リリム「解るの?」

邪教爺「年季も長いからの。するとあやつらの研究もあと一歩というところか、ワシも負けられんな」

リュカ「実はそのことでお話が」

>リュカはこれまでの経緯を説明した。

邪教爺「ふむ……ワシの研究というのは『剣合体』という技術の進化形についてでな。
COMPと武具を同調させることで、契約した悪魔の力を付加・使用を可能にするというものじゃ。
とある世界では『ハーモナイザー』と言う名である程度実用化されておる」

リリム「ある程度って、何か不備が?」

邪教爺「悪魔の力の完全な再現ができぬことと、同調可能な数。それと使用者への付加じゃな。
なにせ使用者と悪魔を直接同調させるのだ、下手をすれば生体マグネタイトを吸い付くされて、灰か塩の柱じゃ」

リリム「こわっ!」

リュカ「……危険は承知の上です。その力を使わせて貰えませんか?」

邪教爺「ふむ……実用データが取れるならワシも願ったり叶ったりじゃ」

リリム「う~……今のリュカの仲魔はあたしと増長天とネビロスだから、MAG吸い付くす心配はないけど……」

邪教爺「さすがにセーフティはつけるわい。その問題を解決するための研究なのじゃからな。おーい、ちと奥を借りるぞ」

モンスターじいさん「なんじゃ、慌ただしいのう……」

>奥の広間に案内された
>水槽のようなものがいくつも並んでいる

邪教爺「さて、仮に『同調剣』と呼ぶが、これを精製するにはそなたが愛用していた武器が最適なのだが……」

リュカ「……これでも大丈夫でしょうか」

邪教爺「力を失ったアセイミーナイフか……よかろう、ではこの特別製の『練気の剣』と合体させるぞ」

>水槽にアセイミーナイフと練気の剣が入れられた
>装置が動きだし二つの剣が分解される……
>色あせた『ルナブレイド』が精製された

    

リリム「……これで完成? あまり強化されたように見えないねえ」

邪教爺「本来の力は失われたままゆえ、剣自体が貧弱なのは仕方がない。それの送り主に再度封入してもらうとよい」

リュカ「ポワンさまに……」

リリム「じゃあ、サンタローズに戻らないとね」

邪教爺「剣合体プログラムもCOMPに入れておいたからな、必要に応じて使うといい。
たまにでいいから経過報告に来てくれ」

リュカ「はい、ありがとうございました」

*「あれ? 君もしかしてリュカ君?」

リュカ「え? はい」

イナッツ「やっぱり! フローラから聞いてるよ。魔物と会話できる不思議な男の子がいるって!
 あたしはイナッツ、フローラと修道院でいっしょだったの」

リュカ「そうでしたか、じゃあフロストエースのことも?」

イナッツ「うん、いつもフロスト君といっしょでね、あたしもいっしょに遊んでたんだ。
あたしも魔物と友達になりたくて、フロスト君みたいなのがいたらなーって、いっつも思ってたわ」

リリム「修道院の人が、なんでバニーガールの格好を?」

イナッツ「あはは……魔物見たさに修道院飛び出してカジノで働いてたんだけど、それに夢中で注文間違えるわ、機械壊すわ、あげくスライムレースや闘技場の予想して売上落とすわで……
服も着替えもこれしかなくなったから、これで働いてるの」

モンスターじいさん「おかげで、なにやら如何わしい場所と勘違いされて困っとるわい。
まあ、なにくれとこの老体と魔物たちの世話をやいてくれるのはありがたいがの」

イナッツ「お金たまったらちゃんとした服買いますよ~」

モンスターじいさん「やれやれ……さて、リュカと言ったかね? 少々ワシの話も聞いていってくれんか?」

リュカ「? はい……」

モンスターじいさん「そなたは不思議な目をしておる、魔物使いとしてこれ以上ないほどの才覚を感じるほどにな。
じゃが……悲しいかな、少々曇っておるのう」

リュカ「…………そうかも、しれません」

モンスターじいさん「自覚はあるか、まあ深くは聞かんよ。じゃが言わせてくれ、魔物使いに必要なのは『愛』じゃ。
悪を許し、あるがままを受けとめる優しさじゃよ。それを忘れんようにな」

リュカ「はい……」

モンスターじいさん「すまんな。同じ魔物使いの先達としてその才能、潰すには惜しくてのう」

イナッツ「詳しいことは知らないけど、フローラを悲しませるようなことはしないでね。
フローラ、君のことを話す時、すごく楽しそうだったんだから」

リリム「……大丈夫! リュカならそんなことないよ! さ、行こう! ありがとーございましたー」

リュカ「あ、うん……失礼します」


>リリムはリュカの手を引いて 表通りまで連れ出した

リュカ「リリム、リリム! どうしたのさ!」

リリム「……ゴメンね。でも、リュカが辛そうだったから。
リュカが優しいこと、あたしはちゃんと知ってるから……辛いことに負けたりしないって、信じてるから。
だから……気負ったりしないで欲しいの、それだけ、伝えたくて」

リュカ「リリム……ありがとう」

リリム(……ウソだ、あたし、リュカにフローラのことで苦しんで欲しくなかったから、連れ出したんだ……
ゴメン、リュカ。ゴメン、フローラ……やだ、こんなあたし、やだよぅ……)

リュカ「……せっかく街中に来たんだし、少し街を見て回ろうか」

リリム「え? う、うん。あっ……」

>リュカはリリムの手を引いて歩き出した

リリム(リュカの手……あったかいなあ……)

リリム「えへへ、屋台のごはんも美味しいね」

リュカ「そうだね……ん? あれは……」

「いらっしゃい! 安くしとくよ!」

>露店商が色んな花の形をしたアクセサリーを売っている

リュカ「へえ、アクセサリーか」

リリム「わあ、凝ってる……」

「若いの、お嬢さんに一つどうだい?」

リュカ「これは……これ一つお願いします」

「毎度ありー」

リュカ「リリム、来て」

リリム「ほえ? あっ……」

>リュカは百合の形の髪飾りをリリムにつけた

リュカ「ちっぽけだけど、僕からのお礼だよ……いつもありがとう、リリム」

リリム「リュカ……ありがとう! ずっと大切にするね!」

※カジノ前


>カジノ入口に別行動組が集まっている

ヘンリー「よう、戻ってきたか。長旅になるだろうからな、馬車を買っておいたぜ」

リュカ「そつがないと言うか……」

ヘンリー「馬が相当の暴れ馬なんだが、まあリュカならなんとかするだろうと、タダでもらった」

リリム「……この真っ黒で馬鹿でっかいのが馬? 馬型の悪魔や魔物じゃなくて?」

増長天「引いて来るのに苦労しましたが、残念ながら普通の馬です」

黒馬「ブルルル……!」←『松風』とか『黒王号』とかいう名前がぴったりな馬鹿でかい馬

リュカ「よしよし、大丈夫だよ」

>リュカは馬の瞳をじっと見つめている……
>しばらくして、馬はリュカに首をすり寄せて来た

リュカ「はは、くすぐったいよ。これからよろしくね」

ヘンリー「うーん、さすがだぜ……しかし、なんだか雰囲気が柔らかくなったみてえだが、なんかあったのか?」

リリム「さ、さあ?」

>リリムは顔を赤くしてそっぽを向いている

ヘンリー「…………ま、いいか(あんまからかうと、またおっかねえし、な)」

リリム「ちなみに昨日、ヘンリーはカジノでなにやってたの?」

マリア「あ……あああ……」ガタガタ

リリム「マリア?」



『コールッ……! 倍プッシュだ……!』



マリア「ヘンリーさん止めてください止めてくださいもっとちゃんと」



『ク、ククク……狂気の沙汰ほど面白い……!』

ざわ……ざわ……



マリア「ごめんなさいすいませんだめ死にます」



『絞り取るっ……骨の髄までっ……!』

ぐにゃあああぁぁぁ~~~~



マリア「ああーオーナーさんが首を首を」



『さあ! コールかドロップか! はっきり答えてもらおうかっ!』

┣”┣”┣”┣”┣”┣”



マリア「にげてー! にーげーてーっ!」

リリム「ちょ、マリア!? ヘンリー、あんた昨日なにやったの!」

ヘンリー「軽く巻き上げただけなんだがなあ」

ネビロス「おぬし……いったいどこの玄人(バイニン)じゃ」

ヘンリー「で、これが昨日の戦利品だ」

リュカ「メタルキングの剣に、グリンガムの鞭……? ど、どれだけ巻き上げたんだヘンリー……?」

リリム「キラーピアスに……ちょっと、エルフの飲み薬をケース単位ってどういうこと!?」

リュカ「……これ全部COMPに詰め込めって?」

増長天「店員が真っ白になっておりましたぞ……」

ルイ・サイファー「心配無用! その分私が散財している! ……ぐっすん」

リリム「どっから現れたのよこのダメ悪魔王!」

はるかさん「かっかー」

ルイ・サイファー「え? そろそろ帰ろう? いやでももう少し……」

はるかさん「がっが!」ゾブリ

ルイ・サイファー「ぬわ――――っ!?」

>はるかさんはルイ・サイファーを丸のみした!

はるかさん「むゃいっ」モグモグ

リュカ「え? このまま連れて帰るって? が、頑張って……」

リリム「リュカ、いつからその子がなに言ってるかわかるようになったの?」

リュカ「な、なんとなく?」

ルイ・サイファー「もがが――!」

はるかさん「ふぁっふぁー」モグモグ

>はるかさんは口をモゴモゴしながら去っていった……
 

ヴィクトル「出立するようだな、目的地は決まったのかね?」

リュカ「はい、まずはサンタローズに……それからラインハットに向かおうかと。
ヘンリーもそれでいい?」

ヘンリー「……リュカ、その事なんだがな」

>ヘンリーはサンタローズについて集めた情報を話した

リュカ「サンタローズが、襲撃……!?」

ヘンリー「ああ……お前の親父さんが、濡れ衣を着せられて……!
 見つからなかったから疑いは晴れたらしいが、村は……!」

リリム「そんな……! 村のみんなが……!」

ヘンリー「リュカ、すまん……! 俺が愚かなせいで、浅はかなせいで、お前の故郷を……!」

リュカ「……頭を上げてくれ。全てはイブールの策謀……奴自身がそう言っていたじゃないか。
それに、村がそんなことになったなら、なおさら行かなくては……みんなの安否や、復興を助けないと」

ヘンリー「リュカ……本当に、すまない……」


ヴィクトル「ふむ、旅立つならば一つ頼みたいことがあるのだが、いいかね?」

リュカ「あ、はい。僕に出来ることなら」

ヴィクトル「アシスタントが行方不明でね、見つけたら知らせて欲しい。メアリというんだが……この写真の娘だ」

リュカ「あれ……これ、フローラの家のメイドさんじゃ」

リリム「ホントだ」

ヴィクトル「知っているのか! では連れ帰って来てくれると助かる。
何せ我が輩は掃除が苦手……ゴホン、頼んだぞ」

リリム「……普通にお手伝いさん雇えば?」

ネビロス「こやつ、研究室の掃除を任せっきりにして、何がどこにあるか解らなくなったそうじゃ」

ヴィクトル「うぉっほん! ともかく、よい旅路をな ボンボヤージュ!」




メイド「……っくしゅん!」

フローラ「あらマリー、風邪?」

メイド「いえ、誰かの噂話かと……私の過去の知り合いかもしれません」

フローラ「マリーは昔のことは覚えてないのよね……その名前も持ち物にあった『Mary』からだし……」

フロストエース「ヒホ、マリーさんは8年前から全然変わってないホー。すごいメイドさんだホー」

メイド「何者とも知れない私を拾って下さった、奥様とお嬢様には感謝しております。今後とも、よろしくお願いいたします」

  

今回はここまでです。
サンタローズまで書けなかった……

ではまた。
コンゴトモ ヨロシク

神殿現場のチンチロリンじゃないのだから、店側の調整で馬鹿勝ちになる可能性は低いと思うが…馬鹿勝ちになるように閣下が調整を掛けるから大丈夫か。店員の魂が抜け掛かっていたのは店側の調整(サマ)が何故か不発に終ったからかも。
ヘンリーはアカギより涯に近い感じがします。
人間と悪魔の寿命差をどうするのか。ショボーに寿命差を諭され、ネビロス、ベリアル、増長天に抜け道を教えられるリリムが浮かんだ。

からさでやおよろず乙!
漢字だと、神去八百万撃ちと書くそうです。かっこいいね! 大天使ヤマオカ

リリムリリムと毎回騒ぐのもアレなので別のところを……と思ったらあのおっさん、メアリに逃げられたのか
サイケな主もでてきて文字通りカオスな展開に。村正よりはDQっぽいくてナイスな選択です
七星不知火村正とかもかっこいいけど、DQ的には剣のほうが似合いますね

リリムを見ていて、ちょっとネタが浮かびました
頑張って書いてみます~

>>1です。では返信から。

>>411
カジノではヘンリーもサマ使いまくってました。
リリムに関しては色々考えているのでご期待ください。

>>412
なんとかヴィクトルと邪教爺の両方出してみました。
応援コメントつきSSもありがとうございました!
ご期待に応えられるよう気合い入れて執筆します。

では投下開始します。

※サンタローズへの道中


リリム「馬車があると楽だねえ」

ヘンリー「どうせならトラポートが使えりゃもっと楽だったのにな」

ネビロス「そこまで便利な魔法じゃないわい。ルーラやトランパといった失伝した転移魔法なら可能じゃろうが……」

リュカ「まあ天気もいいし、のんびり行こうよ」

リリム「そだね~」

増長天「ははは、こういうのも良いもの……むっ、殺気が!」

>魔物の群が行く手を遮った!

増長天「野生の獣ですな。興奮しているようです」

リュカ「基本、追い払うくらいで。それでも襲ってくるなら……仕方がない」

ヘンリー「……安心したぜ、だいぶ『戻って』るみたいでよ。ま、俺は手加減できるかわからねえがな!」

リリム「よーし、あたしのジオンガで軽く驚かせて……」

マリア「い、いやああぁぁぁぁっ!!」

リリム「マリア!?」

>マリアはうずくまって震え始めた……

ヘンリー「ちいっ! 戦闘で殺しのトラウマ思い出したか! 危ねえから下げろ!」

リュカ「リリム、マリアを守って! 急いでケリをつける!」

>リュカたちは手加減して戦っている……
>魔物の群を追い払った

リュカ「ふう、なんとかしのげたか」

リリム「もう大丈夫?」

マリア「す、すいません……身体が、震えて」

リュカ「仕方がないよ、無理はしないほうがいい」

ヘンリー「……邪魔しねえように馬車ん中隠れてるんだな」

マリア「はい……」
 

*「う、うーん……」

リリム「あれ? 一匹倒れてる」

スライム「いててて……あいつら、おいらを踏みつけて逃げやがって……あ、お前ら! 人間が何のようだよ、あっち行けよ!」

ヘンリー「へー、人の言葉がわかるのかコイツ」

リリム「喋るスライムって、妖精の村以来かも」

スライム「バカにすんな! 言葉くらい話せらい! ふん、どうせお前らも遊び半分でおいらたちを痛め付けに来たんだろ!
 スライムだからってバカにしやがって……ちくしょー! 煮るなり焼くなり好きにしろ!」

ヘンリー「煮ても焼いても食えそうにねえじゃねえか」

スライム「なんだとー!」

リュカ「止せよヘンリー。君、僕らは無駄に争いたくはないんだ、不安にさせてゴメンね。
怪我も治さないと……『ディア』」

スライム「あ……」

>リュカはスライムを撫でながらディアで傷を癒した

スライム(なんだろう……この人間から目が離せない)

リュカ「街道から離れれば危ないこともなくなると思うよ。じゃあ、元気でね」

スライム(あ……行っちゃう。この人間と、もう会えなくなる? イ、イヤだ!)

>立ち去ろうとするリュカに スライムは慌てて声をかけた

スライム「ま……待ってくれ! お、おいらも連れてってくれよ!」

リュカ「それは、構わないけど……いいのかい?」

スライム「あんたといっしょに行きたいんだ! お願いだよぅ!」

リュカ「わかった、これからよろしくね。僕はリュカだよ」

スライム「こ、こっちこそ! おいらはスライムのスラリン! 今後とも、よろしく!」

リリム「ぷにぷにだー、かわいいー」

スラリン「よ、よせよう。くすぐったい」

リリム「ほら、マリアも抱っこしてみなよ」

マリア「は、はい……あ、冷たくて柔らかい……」

スラリン「むー、おいらはぬいぐるみじゃないぞ!」

リリム「まーまー。ほら、お菓子だよー。あーん」

スラリン「そんなもんで誤魔化され……もぐもぐ、うまいね。もっとないの?」

マリア「……ふふっ」

リュカ「……少し気がほぐれたみたいだね、よかった」

ヘンリー「そうだな」

ネビロス「アニマルセラピーならぬ、スライムセラピーというところじゃな」

増長天「おお、村も見えてきましたぞ。マリアどのにはしばし休んで戴くのがよろしいでしょうな」

ヘンリー「……リュカ、先に様子を見てきてくれねえか?
 お前とリリムなら以前との違いもわかるだろうし、マリアももうちょい馬車にいるほうが落ち着くだろう。
それに魔物や悪魔……あと俺も、村には入り辛いし、な……」

リュカ「……わかった、村を調べたら呼びにくるよ。それと、あまり気にしないほうがいい。僕が言えることじゃないけど」

ヘンリー「ありがとよ」

リリム「じゃあ、あたしたちで見てくるね」

※サンタローズの村


>ところどころに崩れた建物が見えるが 村から活気は失われていないように見える

リュカ「? 確かに少し荒れてるけど、それほど被害はなさそうな……」

リリム「あ、畑に誰かいるよ。話を聞いて、みよ……っ!?」



ルイ・サイファー「魔王は鍬を振る~」ザックザック

はるかさん「かっかっか~、かっかっか~♪」パラパラ

ルイ・サイファー「はるかさん種を蒔く~」ザックザック

はるかさん「かっかっか~、かっかっか~♪」パラパラ

>ルイ・サイファーたちは替え歌を歌いながら畑を耕している



リリム「の、農作業してる悪魔王……すごいシュールな光景だわ」

ルイ・サイファー「○作~♪ よさぁ…………ん? やあ、君たちもこっちだったのかい」

はるかさん「かっかー」

リュカ「ど、どうも。あの、もしかして貴方が村の復興を?」

ルイ・サイファー「ああ、まだまだ復興途中だがね。はるかさんもはりきって応援を連れて来ている、ほら」


トカー チー マキョー ダゾッ
シジョッ アフゥ アラー モッ
メッ ピー ウッウー クッ ポエー

>珍獣 ぷちどる たちがせっせと働いている


はるかさん「かっか!」ドヤァ

リュカ「な、謎の生物が村を復興してる……」

リリム「……何匹か遊んだりサボったりしてるけどね」

ルイ・サイファー「さて、畑仕事も一段落したことだし、酒場で一杯……」

シスター「ルイさーん! お疲れ様です! お弁当作ってきました!」

ルイ・サイファー「あ、ああ君か……ありがとう」

シスター「あれ……もしかしてリュカくん!? リュカくんだよね! お帰りなさい!」

リュカ「はい……帰ってきました。ご無沙汰しています、シスター」

シスター「立派になったねえ。あれ、そっちの女の子も、なんだか見覚えが……」

リリム「リュカといっしょだったピクシーだよ」

シスター「わあ、ピクシーちゃん!? おっきくなったねえ」

ルイ・サイファー「積もる話もあるだろうし、私は失礼しよう。シスター、お弁当ありがとう」

はるかさん「ヴぁ~い」

シスター「あ、はい……」

>ルイ・サイファーたちは立ち去った

リュカ「ラインハットの兵に襲われたと聞いたんですが……」

シスター「うん、本当だよ。沢山の怖い人たちが来て、畑や、家も焼かれて壊されて……でも、ルイさんが助けに来てくれたお陰で助かったの。それでも、何人かは間に合わなくて……」

>村の小高い丘にやってきた いくつかの墓標が立てられている……
>優しかった老夫婦や 村の衛兵 村長の名前がそこにあった

シスター「……みんなで立てたの。わたしも、死んじゃった人たちが安らかなように、一生懸命お祈りしてるの」

リュカ「そう、ですか……」

リリム「……リュカ、あたしたちもお祈りしよう? あたしは悪魔だから意味あるかわからないけど……」

シスター「そんなことないよ! みんな、ピクシーちゃんのこと好きだったから、きっと喜んでもらえるよ!」

リュカ「そうだね、僕もそう思う……祈ろう、せめて安らかであるように」

リリム「……うん」

>リュカたちは 犠牲になった村人の冥福を祈った……

シスター「わたしは教会のお仕事が残ってるからもういかないと。じゃあ、またね!」

>シスターは足早に去っていった

リリム「……リュカ?」

リュカ「ケルベロスは村に来なかった……僕が、お父さんを助けてって、頼まなければ」

リリム「そんなことない! リュカは悪くなんかない……絶対、そんなことないから……!」

リュカ「……リリム、僕は」

リリム「ほら! ヘンリーたちを呼んでこようよ! 酒場も無事みたいだし、みんなで休憩しよ!」

リュカ「……そう、だね。そうしようか」

※村の酒場


>全員で酒場を訪れた

スラリン「おいらが村に入っても誰も騒がねえなんて、変な村」

ネビロス「まあ、リュカのいた村だしのう」

ヘンリー「悪くねえ酒場だな」

増長天「む? あちらにいるのは……」


ルイ・サイファー「マスター! おかわりー!」

はるかさん「かっかー」

マスター「はいはい、体壊さなきゃいくらでも飲んでくれ。ルイさんは村の恩人なんだから遠慮はいらないよ」

ルイ・サイファー「ははは! 私は人間じゃなくて悪魔王だぞ? それでもかな?」

マスター「リュカ坊が悪魔引き連れて遊ぶのを見馴れてるんだ。今更だね」

ルイ・サイファー「その意気やよし! というわけで、つまみもおかわり!」

はるかさん「かっか!」


マリア「あの、たしかあの方って……」

リリム「……村の恩人に違いないんだけど、あれ見てるとそうは思えないなー」

リュカ「でも、感謝してるよ。僕らの故郷を守ってくれて」

マスター「……ん? おいおい、噂をすればそのリュカ坊じゃないか!? お帰り!」

リュカ「テーミスさんも無事で何よりです」

マスター「いやいや、運が良かっただけさ」

シスター「テーミスさーん、ワインを貰いに来たんですけど……あっ、ルイさん!」

ルイ・サイファー「ん……き、君か。お弁当、美味しかったよ」

シスター「よかったです! ルイさんがよければ、また作って来ますね。えへへ……」

ルイ・サイファー「その、だな。前も言ったが、私は堕天使で悪魔王で……」

シスター「そ、それでもわたしは、ルイさんが好きって、何度も言ってます! 迷惑、ですか……?」

ルイ・サイファー「そんなことはないのだが……うーむ」

はるかさん「かっか」ポンポン

ルイ・サイファー「なぬ!? リリスには言っておくから構わずもらっとけだと!? そういうことではなくてだな!」

アザゼル「閣下が人間の女の子に興味を持ったと聞いて」←女の子に惚れて堕天した

ゴモリー「閣下が恋愛指南を受けたいと聞いて」←恋愛成就の悪魔

アスモデウス「閣下が第二夫人を貰うと聞いて」←色欲の悪魔(純愛主義)

ベルゼブブ「ルッシーが神の花嫁寝取りにかかると聞いて」←神嫌いの同僚

サタナキア「閣下がさらに仕事サボる気と聞いて……」←副官(苦労人)

ルイ・サイファー「帰れよお前ら! ……あとサタナキアはすまん」

サタナキア「否定して下さいよ! 今日も残業だよド畜生!」

はるかさん「かっかっか~」ケラケラ

シスター「わ、わたしがルイさんの……はうう」

>シスターは満更でもなさそうだ



リリム(……あたしも、あんな風にリュカに伝えられるのかな……伝えられたら、いいな)

マスター「さて、それじゃあ特製のショウガ酒でもみんなにふるまって……
ああ、また酒樽が空に! ルイさんから聞いてるぞ、出てこい! 妖精の娘っ子!」

ベラ「やばっ、バレてたにょめ」

マスター「声がするのは……そこかっ!」ビシュッ

ベラ「はにゅわっ!」スコーン

>マスターの投げたお盆がベラのおでこに当たった

ベラ「はひふへ……ジャ、ジャストミートなのよさ……」

リュカ「ベラ!」

ベラ「ありゃも、リュカじゃないよのさ! 久しぶりなのめ!」

リュカ「ベラ、君も元気そう、で……? おかしいな、ベラが半透明に見える」

ベラ「はや……それはリュカがもう子供じゃないってことよのさ。ホントは全く見えなくなるにも、リュカは悪魔や魔物と話せたりして、特別だから見えてるのめ」

リュカ「そう、なんだ……」

ヘンリー「リュカ、誰と話してるんだ?」

リュカ「え? そうか、ヘンリーには見えないのか」

リリム「子供の頃でも見えない気がするなあ」

ヘンリー「……よくわからねえがバカにされてる気がする」

リリム「ふふ、ベラ、あたしのこと誰かわかる?」

ベラ「にゅ? 見覚えはないよのさ……って、もしかしてピクシーなも!?
 はりゃま、でっかくなったもにめ!」

リリム「えへへ……今はリリムだよ。久しぶり」

ベラ「はやや、ポワンさまも会いたがってたねも! みんな来るのにめ!」

今回はここまでです。
次回は妖精の村になります。

閣下にアタック中のシスター。
ゲーム中で子供っぽくてかわいいのと、
二次創作でよくスポットが当たってるキャラなので出してみました。

スラリンも登場。うまく描写出来ていたでしょうか?

ではまた。
コンゴトモ ヨロシク

クチナワの乙!

牧歌的閣下
そして名だたる魔王が雁首揃えてなにしてはるんすか
こんな魔王の守護あるならこの村は安泰ですな
あと西次官ことアザゼルは、「アザゼルさん」と呼ばれるとすっかり丸くなる不思議な方

あとウチの子が、エラソーなこと言ってたけどあれです
リリム頑張れ!

>>424
乙です、毎回楽しく拝読しております
リリムかわいいよリリム
マリアトラウマ克服マジ頑張れ
スラリンは一家に一匹欲しい
そして閣下にはるかさんは何やってんだwww

乙!
閣下たちの寿命を考えると、リュカが育つまで人間の真似事をしてみたよ。戯れでな…って所ですか。魔王は基本的に法は持たずに力のみの支配で、君臨すれど統治せず臨時の軍役以外と契約以外は好きにさせる、好きにする放任主義者じゃ有りませんでしたっけ。

作業現場でのチンチロリン、接待賭博程度の経験しかないヘンリーでは、カイジの板崎さんにしかならない気がします。サマが解っているのに何故か阻止できないカジノ。現地の魔王の手前、直接的な支援が出来ないのでワンクッション挟んだ閣下でしょうか。ヘンリーの強さは基盤を持って発揮される類だと思う。

遅くなって申し訳ない。>>1です

>>425
アザゼルさんは丸く……って、体型じゃないですか(笑)
ちなみに某NW世界だとほとんどの魔王は美少女に。

>>426
感想ありがとうございます。
かっかコンビはギャグや狂言回しなどでちょこちょこ出したいです。
楽しんでもらえれば幸いです。

>>427
魔王は好き勝手やるのが基本ですが、
サタナキアは閣下にやる気出して欲しいので裏方やってるということで。
でも報われないという(笑)

ヘンリーの剛運は解釈次第ということで。
便利キャラなんで深く考えてないんです……ごめんなさい。

では投下します。

※妖精の村

ヘンリー「地下から天井ぶち抜いて階段登るとは思わなかったぜ……なんかいきなりガキが現れてるし」

ベラ「失礼なやつにょめ! あたしはあんたよりよっぽど年上なのよさ!」

スラリン「あっ、おいらと同じスライムがいる」

増長天「ふむ、のどかな村ですな。サンタローズによく似ている」

マリア「魔物と妖精がいっしょに……こんな場所があったんですね」

ネビロス「おや、ジャックランタンとジャックフロストが花見をしとるわい」

「ヒホ? ニンゲンが来てるホー」
「悪魔もいっしょだホー。きっとサマナーだホー」
「あれ? あのニンゲン、見覚えがあるホー」
「ヒホー! リュカだホー!」
「ホントだホー! ひさしぶりだホー!」
「こっちは誰だホー?」
「もしかしてピクシーだホー?」

ヒホー ヒホー ヒホー

>ジャックブラザーズが集まってきた

リュカ「わ、わわ……そんなに押さないで」

リリム「やー! 冷たい! 熱い! もっと離れてー!」

ヘンリー「さすがの人気者だな、リュカは」

スラリン「すげー、雪だるまとカボチャに埋もれてる」


リュカ「は、はは……ああいうのも熱烈な歓迎って言うのかな」

リリム「懐かしいのはあたしたちもおんなじだけどね、ちょっと……」

>リュカとリリムの毛先はちょっと焦げている 手も霜焼け気味に赤い

ベラ「ささ、今回はばっちり案内するのだわさ!」

リリム「ぷぷ、前は一人で先に行っちゃって、ルナって子に怒られてたもんねぇ?」

ベラ「うにに、同じ失敗はしないのねよ」

ヘンリー「ほー? そんなんで俺たちより年上ねえ?」

ベラ「うるさいなも! むきー! なんなのよさこいつは!」

リリム「あー、ベラみたいなタイプにヘンリーは天敵かも」

ネビロス「おもちゃを見つけた子供の顔じゃな」

ヘンリー「そんなことないぜ? けけけ」

リリム「うっわ~、悪い顔してる……」

ベラ「……リュカ、友達は選んだほうがいいよのさ」

リュカ「はは、まあヘンリーも悪いやつじゃないし……多分、おそらく、もしかすれば……」

ヘンリー「お前もいい性格してんなオイ!?」

※ポワンの屋敷

マリア「すごい……なんて綺麗なお屋敷」

増長天「ふむ、これだけきらびやかでありながら嫌味が無い。妖精族の感性は素晴らしいですな」

ベラ「こっちだわさ……あ、ザイルとキリオさまのめ!」


ザイル「よう! リュカじゃないか!」

リュカ「ザイル! 元気そうだね」

ザイル「おうよ。しっかし人間はでっかくなるのが早えなあ、もうチビなんて呼べねえぜ」

ヘンリー「このドワーフも知り合いなのか?」

リュカ「うん、昔色々あって友達になったんだ」

ザイル「ザイルだ、よろしくな!」

キリオ「あ、あの……こんにちは」

>ザイルの影に隠れて 妖精の少女がペコリと頭を下げた

リュカ「えっと……もしかしてキリオさん?」

リリム「なんかちっちゃくなってない?」

ザイル「妖精は精神が外見に影響するからな。こいつ、ポワン様の姉のくせして中身はまるでガキなんだぜ。おかげで2年もすればこの姿で定着しちまった」

キリオ「うう……ザイルがいじめる」

ベラ「ほらほら、泣かないのめキリオさま……女王時代を知ってるだけに、変な気分なも」

※玉座の間

ポワン「久しいですねリュカ、よく訪ねてくれました。お仲間の方々には初めまして、妖精族の女王を務させて頂いている、ポワンです」

リュカ「ご無沙汰しています、ポワン様」

ヘンリー「ヒュウ……これだからリュカの人脈は侮れねえぜ」

ベラ「ちょいとあんた! 失礼にも程があるよのさ!」

ポワン「ふふ、彼はわたしを見極めようとしているのですよ」

ヘンリー「ちっ、お見通しかよ。悪かったな、どうにも俺は偉ぶってるやつには裏があるように思えてならないんでな」

ポワン「いいえ、それもリュカを心配するがゆえだということがわかりますから」

ヘンリー「そ、そうかよ……調子狂うな、どうにも」

ベラ「ふふん、やっぱりポワンさまは格が違うってなのもこれ!」

ポワン「よい仲間に廻り合いましたねリュカ。それで、此度はどのような用件でこちらに?」

リュカ「はい……実は、ポワン様に頼みが。この剣のことです」

ポワン「これは……アセイミーナイフですか? 形が変わって……力も失われています。いったい何があったのです?」

>リュカは剣に関しての経緯を説明した

ポワン「……事情はわかりました。その剣にわずかながら光を取り戻すことは可能です、ですが失われた力を完全に甦らせることは出来ません。そして……リュカ、貴方はアセイミーナイフの力の源がなんだったのか、それを知らねばなりません」

リュカ「力の源……それは、どういうことなんですか?」

ポワン「月は闇にあって光輝くもの……だからこそ、月の光を込めたアセイミーナイフは貴方の心の光も闇も具現し、力に変えます。
貴方が振るったという暗黒の刃もそうして貴方の闇から生み出され……その感情の強さ故に、貴方の心が闇に閉ざされたことに呼応して、
剣も自らの光をかき消してしまったのでしょう」

リュカ「僕が剣の光を……そんなことが」

ポワン「剣の力は呼び水に過ぎません。必要なのは貴方の心の輝きです。
貴方の怒りと悲しみが闇の刃を生み出したように、貴方の勇気と優しさが光の刃を形作るのです。
覚えていませんか? 貴方が光の刃を振るう時、その心には勇気が、優しさが光輝いていたはずですよ」

>リュカは雪の女王との戦いや ゲマに一矢報いた時のことを思い返す
>いずれの時も リュカは『守る』ために心を奮い立たせていた……

リュカ「……では、僕にはもう、剣の光を呼び覚ますことは」

ポワン「いいえ、そんなことはありません。闇を感じ、知り、受け入れること……それが本当の光を得ることに繋がるのです。確かに、貴方の心は光を拒絶するほどに閉ざされたのかもしれません……ですが、貴方は再び輝きを取り戻しつつありますよ。
気づいていますか? その証に……」

リュカ「えっ?」

>ポワンはやわらかな微笑みをスラリンに向けている

スラリン「?」

ポワン「月の光は全てを優しく包み込みます、闇から生まれた光……慈愛の心が力を生むのです。
リュカ、貴方は月。太陽の強い光に耐えられない、闇に生きる者たちに安らぎを与えることができる、類い稀な人……それを心に留めておいて下さい。
貴方の望む力は、それを忘れない限り、必ず得られるはずなのだから」

リュカ「優しさが、力を……?」

リリム「……そうだね、リュカならそんな力が似合ってるよ」

ヘンリー「だな、殺伐とした力より、そのほうがよっぽどいい」

ポワン「ふふ……さあ、失われた光を甦らせましょう。今一度、剣に月の輝きを……」

>ポワンがルナブレイドに手をかざすと やわらかな光が刀身に吸い込まれていく……

>色あせた剣が鮮やかな色合いに染まり リュカが柄を握りしめると 刀身がぼんやりと光を放ち始める

>ルナブレイドが僅かに輝きを取り戻した

ポワン「リュカ、貴方の心が輝きを持ち続けるなら、剣は以前にも増して光輝くでしょう。貴方なら必ず出来るはずです」

リュカ「はい……ありがとうございます」

ベラ「でも、こんなに長い間村を離れてるなんて、なにがあったよのさ? それに、プックルやケルベロス……ほかのみんなはどこ行ったにも?」

ヘンリー「おい! 手前リュカの気も知らねえで……!」

リュカ「いいんだヘンリー。僕も、そのことについて考え直さないといけないと思うから……この剣を使えるようになるためにも」

>リュカは自分のこれまでのことを 一つ一つ噛みしめるように語った……

>古代遺跡での出来事……ゲマとの戦い……仲魔たちの犠牲……

>奴隷としての8年……毎夜夢に観る仲魔たちの最期……日ごと募る憎しみ……神殿の者を殺した時に感じる暗い愉悦……

>ネビロスとの契約を失念していた過去の自分への嫌悪……救うことかなわなかった母……


>リュカは己の『闇』を吐き出すように 暗い思い・記憶に重点を置いて話し続けた……

リュカ「……はは、改めて口にすると、僕が情けないって言っているだけみたいで……ベラ?」

ベラ「……ふ、ふぇぇええん! あんまりなも! リュカ、かわいそうにめ! うわぁぁぁ~んっ!」

>ベラはリュカに抱きつき泣きじゃくっている

リュカ「……ありがとうベラ。僕はもう、大丈夫だから」

ベラ「ひっく、ひっく……本当に? 無理したらダメなのよさ!」

リュカ「してないよ。それにヘンリーだって同じ境遇だったんだ、僕だけ弱音を言うわけには……」

ヘンリー「関係ねえ! お前の苦しみはお前のもんだ! 俺と比べてどうこう言うようなものじゃねえ!」

ポワン「……リュカ、貴方はずっと耐えていたのですね……復讐だけを支えに、本来の優しさを心の奥に閉じ込めて。悲しみに、寂しさに押し潰されないように」

ヘンリー「リュカ、俺にとっての地獄は故郷たるラインハットだ。寝てる間すら安心できないあの城に比べりゃ、奴隷生活ぐらいへでもねえ。まあ……メシは不味かったけどよ……
とにかく! 平然としてる俺が異常なだけで、お前が苦しかったのは当たり前なんだから遠慮せず凹め!」

リュカ「……ぷっ。どんな励ましかただよ、それ」

ベラ「ぐすっ……ヘンなこと言うから、涙止まっちゃったにも。でもリュカ、本当にもう平気なのめ?」

リュカ「うん……正直、今でも暗い感情は消えない。このドロドロした思いを、ポワン様が言うような力に出来るのか……自分でも疑わしく思ってる。
でも……ベラは、僕のために泣いてくれたから」

ベラ「にゅ?」

リュカ「僕を心配してくれる人がいる。
僕の過去に泣いてくれる人がいる。
僕を助けようとしてくれる人がいる……
僕に、一人じゃないって、みんながそう感じさせてくれるから、僕は戦える。剣の光も呼び起こせるって、信じられるんだ。
だから……ありがとう、ベラ」

ベラ「ふ、ふにぃ……照れるよのさ」

ヘンリー「おいおい、魔物や悪魔だけじゃなくて妖精のガキまで口説き落とすつもりか? ケケケ」

ベラ「ちょ、ちょわーっ!? なんてこと言うなもにめ! リュカにドキドキなんてしてないってっぷな!」

ヘンリー「自爆してんじゃねーか」

ベラ「にょきゃーっ!」

リュカ(そうだ……いつだって、僕は一人じゃない。誰かの為の思いは消えない。
僕はずっと……多くの人の思いに、仲魔たちの命に守られていた。そのことを思い出させてくれたのは……)

ベラ「……リュカ? 黙っちゃってどうしたねよ?」

リュカ「いや、何でもないよ」

ポワン「道しるべを見出だしたようですね。
リュカ、貴方の心が癒えることを願っていますよ」

※リュカの家の地下室

リュカ「送ってくれてありがとう、ベラ。ポワン様にもよろしく伝えておいて」

ベラ「はいさ。リュカはこれからどうするねよ?」

リュカ「そうだね……ケルベロスはアルカパに向かったと思うから、一泊したら明日アルカパに行こうと思ってる」

ベラ「それなら、行く前に洞窟を調べたらいいのめ! リュカのお父さんが洞窟に何か大事なものを隠したって、村の人が言ってたのを聞いたよのさ!」

リュカ「本当かい!? 早速行ってみるよ」

ベラ「明日は見送りにも来るのだわさ! またねなのも!」

>ベラが光の階段を登ってしばらくすると 階段はかき消えて元の地下室に戻った

ヘンリー「はあ、お前は住んでた家からしてビックリ箱みてえだな……さて、これからその洞窟に行くのか?」

リュカ「そうしたいけど……もう日も暮れてきたし、今日は休もう。幸い、僕の家も村の人たちが保持してくれてたし、みんなが泊まれるはずだよ」

マリア「よろしいのですか? わたしたち、けっこう大人数ですけど……」

リュカ「うん。前にサンチョが、仲魔のみんなのためにって、ベッドを、増設して、くれ……あ、れ……?」

>リュカの目から静かに涙が流れている……

リュカ「おかしいな、なんで、こんな……」

リリム「……リュカ、もう休もうよ。ね? ……みんなゴメン、ちょっと……あたしとリュカだけにしてほしいの」

ネビロス「うむ……故郷に戻って、心のタガが緩んだのじゃろうて。ワシらはワシらで適当に休む故、ゆっくりすることじゃな」

スラリン「よくわかんないけど、元気出してくれよな、リュカ」

ヘンリー「んじゃベッドとか借りるからな。さ、メシの用意でもしようぜ。マリア、手伝え」

マリア「は、はい」

増長天「…………リュカどの、ではしばし失礼します」

   

※村の広場

ネビロス「……どうした? でかい図体に似合わず気落ちしているようじゃが?」

増長天「……ネビロスどのですか。
自分は……リュカどのの仲魔たちから生まれた悪魔です。しかし、自分はその記憶を受け継いでいない……
そのことがわずかでもリュカどのの心の負担になっているのかと……自分を見るたびに辛い記憶を甦らせているのではないかと……
そんな我が身が口惜しいのです」

ネビロス「ふむ……記憶に関してはリリムの結果は奇跡的なものじゃからのう。ワシの研究もその点が要だったのじゃが、再現は未だ成らずよ」

増長天「仕方のないことと解っているのですが……ままならぬものです」

ネビロス「それはワシとて同じよ。ワシがもう少しリュカとの契約に気を払っていれば? あるいは今少しワシの研究が進んでいれば? そう思わずにはおれん……」

増長天「戦働き以外に何か出来ればよいのですが……心の問題はリリムどのにお任せするしかないでしょうな」

ネビロス「うむ……あの娘もリュカとの関係に悩んでおるが、リュカなら悪いようにはするまいて……ワシらは己の最善を尽くすよりなかろう。
我らの主、優しきサマナーのためにな……」

  

※薪割り場

ヘンリー「よし、薪はこれだけあればメシと風呂に足りるだろ」

マリア「あの、食材もらってきました」

スラリン「村のみんなが色々くれたんだぜ!」

ヘンリー「よっしゃ、ならメシに取りかかるか」

マリア「……本当、なんでも出来ちゃうんですね」

ヘンリー「城を出て生きてくことも考えたからな。料理、サバイバル、魔法……役に立ちそうなものは片っ端から覚えた。
今にして思えばそれもイブールのクソったれの陰謀だったんだろうがな……いつか後悔させてやるさ、俺に力を与えたことをよ」

マリア「……強いんですね、ヘンリーさんは……わたしは、ダメなんです。小さい頃からずっと兄さんに守ってもらってきて、教団でも天使さまがたにお世話になって……
力があれば一人前になれると思って、教祖に簡単に騙されて……あんな、酷い、ことを……!」

ヘンリー「止せよ」

マリア「でも! 今だってヘンリーさんにすがろうとして! わたしは! わたし、は……」

ヘンリー「お前は今、苦しいんだろ? 気持ちが楽になりたくて、そんな自分が許せなくて辛いんだろ?」

マリア「は、い……辛い、です」

ヘンリー「ならそれがお前の罰だ。楽になっていいんだよ、お前自身がそれを許せないなら、ずっと罰は終わらねえんだから」

マリア「……でも、きっとわたしは、楽になったら忘れてしまいます。自分が罪深い人間であることを……わたし、それが怖いんです」

ヘンリー「……なら、俺が覚えていてやるよ。ずっとな」

マリア「えっ……」

ヘンリー「あー、まあ、なんだ……前に言った、俺がお前を苦しめ続けてやるってやつな。
あれ、よく考えたらお前を一生俺が面倒みるってことだろ? それならいっそのこと……と思ってな」

マリア「え……えええっ!? そ、そそそそ、それって、プ、プロポー……!」

ヘンリー「ま、お前にも選ぶ権利はあるからな、無理強いはしねえさ。思いつきみてえなもんだし、そんな道もある程度で考えて……」

マリア「あうあう……」

>マリアは混乱している!

ヘンリー「……って、ダメだこりゃ。メダパニった上にプリンパしてやがる」

スラリン「……なー、二人とも、おいらのこと忘れてない?」

ヘンリー「空気読んで黙っとくのが賢いスライムってもんだぜ?」

スラリン「でまかせだろ」
ヘンリー「でまかせだ」

マリア「はわはわ……」

※リュカの自宅 寝室 

リリム「リュカ……大丈夫?」

リュカ「うん……なんとか、治まったみたいだ。どうして、あんな……?」

リリム「……ヘンリーたちがご飯作ってくれてるから、少し休んでおこうよ。
今日は色々あったから、疲れてるんだよ」

リュカ「そうだね……少し眠るよ……ねえ、リリム」

リリム「なあに?」

リュカ「いつも、ありがとう……君がいてくれて、良かった……」

リュカ(何度も、何度も、リリムの……ピクシーの最期を夢に観た。
だから力が欲しかった、大切な人を失わない力が。そして今、君はここにいる。僕が苦しい時、支えてくれている……
守りたい……今度、こそ……僕、が…………)

>リュカはリリムの手を握ったまま 安心した顔で眠りについた……

リリム(あたし……リュカにお礼言われる立場なんかじゃないよ……あたしのせいで、あたしがあの時、死んじゃったせいで……あたしが『愛してる』って言ったせいで、リュカはずっと、ずっと苦しんで……! ごめんなさい……リュカ……)

>握られた手に リリムの涙が零れ落ちていった……

リリム「愛してるなんて……もう、言えないよ……」


※村外れ

ルイ・サイファー「ふう。なんとか彼女には引き下がってもらったが……はるかさん、あまり焚き付けないで欲しいね」

はるかさん「かっかー」ケラケラ


*「なに情けないこと言ってんだか、あんたはもうちょい悪魔王らしく傍若無人にしな」


ルイ・サイファー「むお!? い、いつこっちに来たんだね?」

*「ついさっきさ。その子から連絡もらってね」

はるかさん「ヴぁいっ」ドャァ

ルイ・サイファー「いや、ドヤ顔されてもね!? それで……この世界になんの用なんだい『ゆりこ』?」

ゆりこ「なあに、あんたが甲斐性出して女囲おうとしてるらしいから、夜魔の女王として応援に来たのと……」

ルイ・サイファー「……もう否定するのも面倒だ。それから?」

ゆりこ「『娘』が恋煩いって聞いてね、ちょいとお節介焼きに来たのさ」

今回はここまでです。

二人の応援に肝っ玉母ちゃん投入してみました(笑)
例のシーンも頑張って完成させねば……

ではまた。
コンゴトモ ヨロシク

ラスタ乙ディ
待ってました~

さぁママさんの登場で娘はどうでますやら
そしてリュカは優しい心を取り戻せますやら
母娘の働きに期待します

色々書きたいけど朝は時間ないのでこれで
頑張ってくださいね

リリム、ショタ萌えの淫魔とは思えない純情ぶり、ピクシーの性格が強いです。ピエールの兜の下ぐらい次回が気になります。

ママさん登場でもママは悪魔なので
閣下「好意を持つ相手が唯一神と関わりがない竜の修道女でも堕とすのは悪くはないが、今はリュカがどうなるか見ていたいのでね」
ゆりこ「彼、可愛いからね。ヤる時はご一緒していいかしら」
かっか「ヴァい(やっぱり、悪魔は悪魔か)」
になるかも。

リリスは気に入れば、娘の思い人だろうと平気で寝取りそうな気がします。
リリス自体、ふつおに魔王を越えた強さがあり手を出せる相手になかった事も要因の一つだけど、惹かれていたふつおを振り向かせる事が出来ずカオスルートでも手を出せずに退散した苦い思い出がある。

このリリスはゆりこの他に日高舞という名前を持っていても違和感がないかも。
リリス要素が強ければリュカに筆下ろしと性教育(ヘンリー見学)を施し、リリムの思いを遂げ易くする。別名:日高舞だったら筆下ろし、性教育(リリム、ヘンリー見学)ルートに…あれ?

また酉つけてくれないかなあ…

>>1
酉つけないの?

>>1です……やっと書けたどー!(喜)
まずは返信から。

>>443
>>444
>>445
リリスはやはり真1のイメージが強いようですね。
色々アレンジしたいので本編をお待ち下さい。
あと日高舞はDSアイマスの日高愛の母でよかったですかね?
じゃあ愛ちゃんもリリム族ってことに……涼くん逃げてー

>>446
>>449
ご希望のようなのでトリップ付けてみました。

>>応援コメの皆さん
お待たせしました!

では投下します。

※リュカの部屋の前


――パタン


リリム(どうしよう……あたしはリュカの前では元気でいなくちゃいけないのに……
ピクシーの頃と同じように笑ってなきゃ、またリュカが苦しんじゃうのに…………泣いたら、ダメなのに……)

マリア「リリムさん……?」

リリム「!! (ゴシゴシ)マ、マリア……どしたの?」

マリア「その、ご飯の準備が出来たので……リュカさんは?」

リリム「疲れて寝ちゃってるの。もう少しそのままにしてあげて」

マリア「はい。あの……リリムさんは大丈夫なんですか?」

リリム「え? な、なんで?」

マリア「その……目が赤くなってますし、元気がないようでしたので……」

リリム「あ、あはは……顔に出てたんだ、ダメだなあ……こんなんじゃリュカに心配かけちゃうのに。あ、これはみんなに内緒にしててね? 特にリュカには」

マリア「……はい……あの、リリムさん。少しお話してもよろしいですか?」

リリム「? いいけど……」

マリア「実はその……わたし、先ほどヘンリーさんに求婚されてしまいまして」

リリム「え!? そ、そうなんだ……」

マリア「すごく驚きましたけど……それ以上に、安心した自分に気がついたんです。
ヘンリーさんは色々と気を使ってくれていますが、やはりまだわたしを嫌悪しているのでは、愚かで浅ましい女だと思っているのでは……
そういう考えがどうしても離れなかったんです。でも……あ、あんな風に言ってもらえるなんて……すごく、嬉しかったんです」

リリム「うんうん、良かったじゃない。んで、恋バナを聞いた身としてはマリアはどうしたいのか気になるなあ」

マリア「は、はい。わたしが贅沢を言える身ではないと思いますが……出来る限り、ヘンリーさんの気持ちにお応えしたいと…………
あの、それでですね? 今までのわたしを省みたうえで今のリリムさんを見ていたら……罪の意識に悩んでいたわたしと同じに思えてしまったんですが……」

リリム「え……?」

マリア「わたしは……ヘンリーさんに惹かれていたからこそ、以前のわたしの行為に強く罪悪感を抱いたんだと思うんです。
だから、もしかしたらリリムさんも、リュカさんのことを……?」

リリム「…………うん、あたしはリュカが好き。愛してる、誰よりも大好き、リュカのためなら、なんだって出来る!
 …………でもね、ダメなの。あたしは悪魔で、リュカは人間……結ばれたら、ダメなの。あたしはどうなってもいいけど、リュカが種族の違いで苦しんだりするの、見たくないから……」

マリア「そんな!」

リリム「心配してくれてありがとう……でも、解ってたことだから………………ゴメン、ちょっと一人になりたいから、散歩してくるね。
あたしとリュカのご飯は後でもらうから、残しといてね」

>リリムは足早にその場を立ち去った

マリア「リリムさん……」

 

※夜の広場


リリム(…………耐えきれなくて、外まで来ちゃった……しっかりしなくちゃ、リュカの役に立てないのに)


『あらあら、酷い顔して……可愛い顔が台無しじゃないの』


リリム「だ、誰!?」

>リリムの前に現れたのは
この世界に存在しないレディーススーツを着た女性だった

ゆりこ「初めまして、ね。あたしは『ゆりこ』……本当の名は言わなくても解るわね? あたしと同じ【夜魔】のあんたなら」

リリム「夜魔の女王……リリス、様」

ゆりこ「ふふ、正解」

リリム「どうして、ここに……?」

ゆりこ「おや、『娘』のところに顔を出しに来るのが不思議かい?
 まあ……あんたは悪魔合体のエネルギーが『リリム』の形を取っただけで、実際あたしが産んだわけじゃないが、それでも無関係じゃないさ。
あんたがピクシーだった頃からね」

リリム「えっ……?」

ゆりこ「ピクシーは大半が花の化身として生まれる。あんたの元になった花を覚えてるかい?」

リリム「えっと……確か、百合……」

ゆりこ「そう、それも魔界に咲く百合の花。あたしのシンボルであり、あたしの加護と魔力たっぷりな。
その花から生まれたあんたはあたしの娘と言って問題ないのさ」

リリム「じゃあ、その……お母さんと呼べばいいですか?」

ゆりこ「そのへんは好きにしていいさ。それより……あんた、今の自分の状態がわかってるのかい? 相当ヤバイとこまできてるよ。
初めは少しからかってやるつもりだったけど……真面目にお説教する必要があるみたいだね」

リリム「え? ヤバイ、って……」

リリス「ピクシーだったあんたとジャックランタンとの合体……同種族の合体は精霊になるのが悪魔合体の常識だ。
例えネビロス特製の造魔を媒介にしたとしてもね。でも現れたのは夜魔のあんた……その理由が解るかい?」

リリム「……あたしが、力を望んだから? リュカを助けられるように」


ゆりこ「残念だけど違うね。


あんたはあの子と結ばれたいと願った。
妖精として傍に居るより、『女』として愛したいと、愛されたいと思った。
その強い思いがリリムの姿を選ばせたのさ…………


皮肉なもんだね、愛する人と結ばれたいがために生まれ変わったのに、
なまじ情緒が成長したのが原因で先に踏み出せなくなるなんてさ」

リリム「う、そ……そんなの嘘よ……」

ゆりこ「なにを驚いてるんだい、欲しいものはなにをしても手に入れる、欲望のあるがままに……
『悪魔』なら当たり前の考え方じゃないか。戸惑ってるあんたが悪魔として不自然なんだよ」

リリム「そんな…………だって、そんなのリュカは望んでないよ……」

ゆりこ「わかってるんだろう? ピクシーの頃と違って、


夜魔のあんたは『愛情』『愛欲』を糧にしなくちゃ存在が保てないんだ。


あんたの仲間だったガキが『飢え』を存在理由にしてたようにね。
しかも今のあんたはその本質を押さえつけてるせいでCOMPのMAG供給も追い付いていないんだ。




このままじゃ……『消えちまう』よ?」





リリム「そんなことない! あたしは……あたしは……そんなことのためにリュカのところに戻ってきたんじゃない……!」

ゆりこ「やれやれ…………ぐずぐずしてたらあたしがあの子貰っちゃうよ? 久々の若い男の子の味もみてみたいしねぇ……」

リリム「!! ダメッ! リュカに手出ししないで!」

ゆりこ「ほぉら、本音が出た。いい加減自分に正直になりなさいな」

リリム「あ……! 違う……違う違う違う! あたしはそんなんじゃない! 帰って! 帰ってよ!」

>リリムはうずくまって必死に首を振って否定している……

ゆりこ「解った解った…………警告はしたよ、せいぜい頑張りな。



『また』あの子を悲しませないように気をつけることだね」





>ゆりこはその場を立ち去った



リリム「…………そんなの、わかってる……けど、無理だよ、そんなの……」



※村外れ


ルイ・サイファー「少し厳しすぎないかい?」

ゆりこ「いいのさ。あの子はピクシーの頃から自己犠牲が強すぎるからね、少々追い詰めないと本当に消滅を選びかねないよ」

はるかさん「かっかー……」

ゆりこ「あんたも心配かい? まあ、いざとなれば無理矢理にでも二人に『させる』までさ。
あたしのマリンカリンはハンパな効果じゃないからね」

ルイ・サイファー「おいおい、二人が廃人になるような事態は勘弁してくれよ?
 ……にしても、随分と入れ込んでるじゃないか」

ゆりこ「……あの子には幸せになって欲しいのさ。


好きだって思い一つで、ピクシーの限界を超えたメギドを放ち、
転生までして結ばれたいと願った。


応援してあげたくなるじゃないか」

ルイ・サイファー「なるほど。まあ私もリュカ君には期待しているしな……彼なら悪魔と人間の間に、新しい関係を築けるかもしれないからね」

はるかさん「かっか?」

ルイ・サイファー「ああ、はるかさんには説明が要るかな……私はね、人間の可能性を信じて何度も彼らに試練を与えてきた。
だがその結果はいつも三通りに固定されている。


一つ、法を尊守し神に従って思考を止める道。

一つ、混沌のままに悪魔たちと力に溺れる道。

一つ、神も悪魔も否定し人間こそ第一と傲慢に振る舞う道。


……服従か拒絶か、それだけしかなかった。
神とも、悪魔とも共に歩もうとしたものは誰一人いない……
その道のりに両者の力を借りたのにも関わらず、だ」

はるかさん「……ヴぁい」

ルイ・サイファー「だからこそ、かな。リュカ君の在りようが、理解し、共にあろうとする姿が、私には眩しく見えるのさ……」



ゆりこ「……さて、それじゃ景気づけに一発やっとくかね(ジュルリ)」

ルイ・サイファー「(ギクリ)い、いや。私は遠慮して……」

ゆりこ「まあまあまあ、ちゃんとサービスするから」

>ゆりこはルイ・サイファーの肩をガッチリ捕まえている

ルイ・サイファー「結構だ! お前のサービスはしばらく足腰立たなくなるから! ……って、いつの間にかシバブーかかってる!?」

はるかさん「かっかー」バイバイ

ルイ・サイファー「はるかさん!? 見送りしてないでなんとかして………………



アッー!!」



>ルイ・サイファーがログアウトしました








ベルゼバブ「あいつの夜の相手するのは命懸けなんだよな……あ、バアル時代のトラウマが……(ガタガタ)」←元々はリリスと同じカナン地方の神・バアル

バエル「解る。あと妹のアナトも怖い。モトの生首とか見たくねえっての……(ゲッソリ)」←ベルゼバブと出典が同じで元の姿はバアル

ベルフェゴール「解る。嫁のアスタルテは天然だったけどイシュタルに統合されちまったから結局怖い。当時の唯一の癒しが……(ガックリ)」←同上

※ベルゼバブとベルゼブブが混在してますがスルーして下さい。
と言うか前にどっちで書いたか忘れるんだよぅ……(泣)

※翌日

ヘンリー「リュカ、もう大丈夫なのか?」

リュカ「うん。心配かけてゴメン」

ヘンリー「いいさ。んじゃベラが言ってた洞窟を調べに行こうぜ」

リュカ「そうだね……
? リリム、調子が悪いのかい? さっきから黙ったままだけど……」

リリム「え? そ、そんなことないよ! リリムちゃんは今日も元気印です、イェイ!」

リュカ「そ、そう? まあ無理はしないようにね」

リリム「大丈夫! ほらほら、洞窟調べたらアルカパに向かうんだから急いで急いで!」

リュカ「ちょ!? 引っ張らなくていいってば!」


ヘンリー「……おいマリア、昨日なんかあったのか? リリムのやつ明らかに空元気だぞ」

マリア「……わたしからは、なんとも……リリムさん自身の問題としか……」

ヘンリー「……ま、想像はつくがな。マリアは適当にフォローしといてくれ、俺は機を見てリュカに発破かけるとするわ」

マリア「はい……あの、ヘンリーさん」

ヘンリー「ん?」

マリア「わたしのこと、真剣に考えてくださってありがとうございます。
その……すぐに返事はできませんけど……わたしも、過去に囚われてばかりいないで、色々考えてみますね」

ヘンリー「……そっか。まあ、いいんじゃねえか?」

マリア「……はい! まずは、リリムさんを元気付けてあげないと!」

ヘンリー「おい。だからってそんなに慌てたら……」


『はわわっ!? あうっ!』
『マリア!? 大丈夫?』


ヘンリー「転ぶぞ……って、言わんこっちゃねえ。
いつからドジっ子属性身に付けやがったんだあいつは」


ネビロス「いやいや、みな若いのう」

増長天「活気があって結構ですなあ」

スラリン「オッサン臭えなあ、二人とも」

オッサンs『はっはっは』



※サンタローズの洞窟


ヘンリー「水路を超えたら地下室か。よっぽど秘密にしたいもんを隠したのかね、お前のオヤジは」

リュカ「どうかな……ん? 誰かいる?」

>地下室の奥には宝箱があり それを守るように『腐った死体』が座り込んでいる

ネビロス「……むう。自然魔力で動きだした動死体とは、つくづくこの世界は興味深いのう」

増長天「敵意はないようですな」

腐った死体「? お、お前ら、なんだ?」

ヘンリー「お前こそなにやってんだ。こんなとこで」

腐った死体「お、俺は、み、見張ってる」

リュカ「見張ってる? その宝箱のことかな?」

腐った死体「そ、そ、そうだ。箱の中に、す、すごくキレイな剣、入ってる。
俺が、み、み、見つけた。だから、ま、ま、守ってる」

スラリン「……全部自分で喋ってるよ。黙ってりゃわかんねえのに」

腐った死体「おお! そ、それもそうだ。お、お、お前頭いいな」

スラリン「腐ってるお前に言われてもなあ」

マリア「なんだか、のんきな死体さんですね」

リリム「まあ慌ただしいゾンビってのも見たことないけど」


リュカ「ねえ君、その宝箱の中を見せてもらってもいいかな?」

腐った死体「と、取っていくんじゃないだろうな?」

リュカ「そんなことはしない、約束する」

>リュカは腐った死体の目を真剣な表情で見つめた……

腐った死体「……わ、わかった。いいぞ」

リュカ「ありがとう」

>リュカが宝箱を開けると 鞘に収められた剣と 封をされた手紙が入っていた

ヘンリー「へえ、確かにすげえ剣だな。そっちの手紙は?」

>リュカは手紙を手にしたまま微動だにしない……

ヘンリー「おい、リュカ?」

リュカ「あ、ああ……これは……お父さんの、手紙、だ。お父さんの、字だ……!」

リリム「本当!? なにが書いてあるの?」

リュカ「うん……今、読んでみるよ……」

  


>パパスの遺した手紙は 自分が目的を遂げられず力尽きた時を想定したものらしい
>リュカが争いを望まない優しさを持っていることを理解しており 『平穏を求めるなら先を読まずに焼け』 と最初の紙には書かれている

リリム「……リュカ、先を読むの?」

リュカ「…………うん、僕はもう引き返せない……引き返したく、ないから」

>二枚目の紙を読み進めると パパスの旅の理由がマーサを探すこと以外に『伝説の勇者』も探していたことがわかる
>パパスはマーサが連れ去られた時をきっかけに魔王の存在を知り その野望を防ぐべく勇者と勇者のみに扱える武具を集めていたらしい

ヘンリー「魔王、か。イブールが言っていたミルドラースってやつだな」

マリア「まだ、続きがあるみたいです」



>三枚目にはパパスがマーサより伝えられたこと……魔王の侵略に乗じて侵入を謀る異界の神や悪魔の勢力について書かれていた
>彼らは各々の目的でこの世界を狙っており それに対抗できるのはあらゆる存在と交流できる者……『望まれしもの』たるマーサと その息子であるリュカだけであることも
>魔王がマーサを連れ去ったのも 異界の勢力に対抗するためだろうという予測がそこに書かれていた


ネビロス「『望まれしもの』か……やはりリュカは特別な運命を背負っておったか」

増長天「敵対するばかりでは勝てない……見込みがあれば味方に引き入れる。その為に御母堂は拐われたわけですか……」

ヘンリー「その結果がイブールと奴の仲魔ってことか……クソッ!」

マリア「……わたしも、魔王の野望の一つだったのですね。異界の神の力を人間に与えて手駒にするための」



『父には果たし得なかったことがら、成し遂げられなかったことがらを、おまえがもし引き継いでくれるならば、儂の生涯も、無駄ではなかったことになるはずだ』


>パパスの手紙は その言葉で締め括られていた……


リュカ「……父、さん」



ヘンリー「……で、どうするんだ? 俺もお前もイブールをブチのめすって方針は変わらねえが……その後ろのミルドラースや、異界の神や悪魔についてはよくわからねえし、その勇者ってやつも探す必要あるのか?」

マリア「え? でも魔王が動いているなら勇者の力が必要なのでは」

ヘンリー「勇者がいればなんとかなる。勇者なら魔王を倒せる、その筈だ、そうでなければならない…………勇者本人だろうと周りの人間だろうと、俺はそんな考え方をするやつらは願い下げだ」

マリア「……確かに、そんなふうに誰かに頼りきりじゃ駄目ですね」

リュカ「………………勇者は探す。でもそれは彼の力を借りたいからじゃない、父さんが探し続けた人がどんな人間なのか……僕はそれが知りたい」

ヘンリー「…………なるほど、そいつは俺も賛成だ。伝説の勇者サマの面ってやつは見てやりてえ」

スラリン「どうせボロクソにこき下ろすんだろ? おいらわかってるもん」

ヘンリー「さあな? ケケケケ…………っと、そうだ。その剣が手紙に書いてあった勇者の武具なんだろ? 持ってくのか?」

リュカ「いや……これはここで手紙と剣を守ってくれた彼のものだよ。それに最初に約束したじゃないか、持っていかないって」

ヘンリー「そりゃそうだけどよ……」

リリム「リュカはあんたと違って小悪党みたいなことしないの」

ヘンリー「誰が小悪党だコラァ!」

マリア「まあまあ……」

リュカ「剣は返すよ……ねえ、君」

腐った死体「う?」

リュカ「ずっと、ここで守ってきてくれたんだよね……ありがとう、本当にありがとう……」

>リュカは腐った死体の手を握りしめ 万感の思いをこめて感謝の言葉を告げた


腐った死体「……あり、がとう……? 俺、に、言って……?」



スラリン「おいおいリュカ、そんなきつく握ったらそいつの手が崩れちまうよ。そいつ腐ってんだから」

リュカ「あ……そうか、ゴメン。つい」

腐った死体「…………いい。俺は、平気」

リュカ「よかった。それじゃ、もう行こう。ベラも見送りに来てるだろうし、アルカパには……父さんとケルベロスがいるかもしれない。

ありがとう、元気でね」

>リュカは腐った死体に手を振って立ち去ろうとした

腐った死体「ま、ま、ま、待って!」

リュカ「? どうしたんだい?」

腐った死体「やる」

リュカ「えっ?」

腐った死体「この剣、やる。だから、お、俺も連れてって欲しい。一緒に行きたい。だ、だから、仲間にして、くれ、ないか?」

>腐った死体は剣を差し出したまま 不安げにリュカを見つめている


リュカ「……いいよ、君がそう望むなら。よろしくね」

>リュカは迷いなく腐った死体の『手』を握った

腐った死体「あ…………ありが、とう。俺、がんばる! 腐ってるけど、役に立つ!」

ネビロス「おや、ワシと相性の良さそうなのが仲魔になったのう」

増長天「そう言えば、ネビロスどのは死人使いでしたな」

スラリン「大丈夫かぁ? だいぶ足りなそうだぜ? いろいろと……そうだ、お前はなんて名前なんだ?」

腐った死体「な、名前? し、し、知らない。覚えて、ない」

スラリン「おいおいおい! それじゃなんて呼べばいいのかわかんねえよ! ずっと『腐った死体』って呼べってのかよ!」

リュカ「確かにそれじゃ困るな……よし、せっかくだし、スラリンが彼に名前を付けてくれないか?」

スラリン「お、おいらが!?」

リュカ「うん。彼の名前について最初に気づいたのもスラリンだしね」

スラリン「し、仕方ねえなぁ。それじゃ、このスラリン様がお前に名前を付けてやる! お前の名前は…………『スミス』! スミスだ! 忘れるんじゃねえぞ!」

スミス「……スミス……俺は、スミス……スラリンが付けた、名前。俺は、スミス……スミス!」

スラリン「そうだ! 覚えたか? 腐った頭が忘れないようにしろよ!」

スミス「う、うん。俺、お、お、覚えた。スミススミススミス! でへ、でへでへでへ」

スラリン「だーっ! 嬉しいのはわかったから目玉落とすな脳汁撒き散らすな内臓噴くなーっ!!」

ネビロス「珍しいほど愉快な死体じゃな」

ヘンリー「ネビロスが言うなら相当だな……」


※サンタローズ村入口


ベラ「ふええ、またリュカってばよ、旅立つ前にえらい魔物を仲間にしたものよのさ」

スミス「お、俺スミス。リュカの仲間。よ、よ、よろしく」

ベラ「にゅむ、よろしくなも」

リュカ「見送りありがとうベラ。ポワンさまや村のみんなにもありがとうって伝えておいて」

ベラ「はいさ。リュカ……いつでも戻って来て欲しいよのさ、リュカの家はみんなできれいにしておくなも」


リュカ「ありがとう。じゃあ……『行ってきます』!」


ベラ「『行ってらっしゃい』!」


本日はここまで。
味方とわかっていても腐った死体の手を握れますか?
俺は多分無理です。リュカ、パネエ……

リリムはここまで深刻な事態にするつもりはなかったんですが……
ガキの設定から考えてこんなことに。
もともと仲魔予定じゃなかったのに、退場後も影響があるトンデモキャラになってしまった。

復帰希望してくれた皆さん、ありがとうございます。
頑張って続き書きますよー

ではこれにて。
コンゴトモ ヨロシク

戦の魔乙! 待ってましたですよ! あー、もう。いじらしいなぁリリム
そして悪魔の本質を存在理由で絡めるとはお見事です
ハリティーの「子を守る」とかがそれにあたるんでしょうかね

そしてルイの発言……。くそ、創作意欲が掻き立てられるなぁ。上手いなぁ
DQ5主人公だからこそたどり着ける境地が、眩しいなぁ

お待ちしておりました。>>1乙さまでございます。

ピクシー…もといリリムの恋路を応援したい。
はるかっかが頼もしすぎて後光が見える。
ルイさん まぁ、その…頑張れ(明後日の方向を見ながら)
おっさんsが可愛い。話に混ざりt…いあ、混ぜさせてくださいお願いします。

…ん?あれ?もしかして……私。
侵略されてる側のDQキャラを応援する気持ちが、比較的少ない!?
何故?勇者サマ(息子)出番の危機かもしれないのに危機感が無い不思議

おまけ【>>1の考えるメガテン的神話事情】


四文字「人間作ったけど女の作り方わからん」

女禍「えーマジー? キモーイ」

ガイア「マジ童貞? ありえなーい」



アダム「神様! 嫁欲しいっス!」

四文字「んー、じゃあ近くのやつに頼んでみる」

リリス「あたしをご指名? かわいい男の子だしいいよー」

アダム「嫁最高っス! 気持ちいいっス!」

リリス「んじゃ今度はあたしが上ね。サービスするよー」

アダム「え。俺が下とか動けないから嫌っス」

リリス「サービスしようと思ったのに! 女心がわかんない男なんて嫌い!」

バアル「だからって俺を絞りとりにくるなー!」

アナト「お兄ちゃん、あたしもー」

アスタルテ「あたしも相手して欲しいですー」

バアル「ひー! 枯れる! 死ぬー!」



アダム「嫁が出てったっス! 寂しいっス!」

四文字「あー、見よう見真似で女作ってみるか。肋骨一本取って……」

イブ「あいー、いぶですー」

アダム「かわいいっス! 気持ちいいっス!」

イブ「あいー、気持ちいいですー」



ルシファー「か、枯れる……なんで私のとこにリリス連れてきた……」

バアル「すまんルッシー、お前のこと話したら連れていけと……」

リリス「……ちょっと落ち着いた。ごめんね二人とも」

バアル「あー、まあ付き合いも長いし」

ルシファー「部下の天使もこっそり世話になってるしなあ」

リリス「……あれ、あのアホ神、女の子作ったんだ……でもバカそう」

バアル「あー、あれ男もそうだけど『知恵』与え忘れてやがる」

ルシファー「……我が神ながらなんと言うか」

バアル「もともとお前派遣だろ? ソフィア太母のとこからの」

ルシファー「人間の進化が見られないと査定に響くんだよ……しょうがないから知恵のリンゴ食わせてくる」

バアル・リリス『いってらー』



ルシファー「おーい、そこの君」

イブ「あいー?」

ルシファー「このリンゴをあげよう。頭がよくなるよ」

イブ「あいー、ありがとー。もぐもぐ…………ふえっ!? なんであたし裸!?」

ルシファー「ああゴメン。はい服」

イブ「あ、ありがとうございます」

ルシファー「アダム君にも食べさせてあげてね」

イブ「はーい」



アダム「イブ、今日も気持ちいいことするっス! あれ、なんで体を隠してるっスか?」

イブ「裸じゃ恥ずかしいよー」

アダム「『恥ずかしい』ってなんっスか?」

イブ「リンゴ食べればわかるよー」

アダム「うまそうっス!」

四文字「待てい! ルシファーめ、ワシに黙って勝手なことを……知恵のリンゴならもっといいものを作れる! アダムはこれを食え!」

アダム「食べるっス! …………不味い! なんてもん食わせやがるこのクソ神!」

四文字「な、なんじゃと!?」

アダム「イブ! てめえがリンゴもらったのってどうせイケメンだろ! 誰にでも股開きやがってこのビッチが!」

イブ「ひ、ひどいよー! なんでそんなこと言うのー! うえーん!」



バアル「……あのアホ神。よりによって『悪知恵のリンゴ』食わせやがった」

リリス「これじゃあの地方の人間、男尊女卑の疑い深い人間になっちゃうよー……ルシファー?」

ルシファー「……堕天します。止めないで」

バアル「ルッシー!? しっかりしろ!」



失楽園読んだらアダムのイブへの罵倒が酷かったので思いついてしまった。

うっしゃ!
ちょっくらリリスさんにルシファー枯らして貰える様にいっちょ頼んでくる!

よっしゃ期待
あと結構前のDLCで真4で新しい四文字の化身がでてきたね

やっと追いついた
初めてのドラクエが5でメガテンファンな俺にうってつけのスレだ
オリジナル展開多過ぎて続けられるのか心配になってしまうが本当に楽しみだ

それにしてもフローラのメイドが出て来た時メアリを思い出したけど至って普通な思いやりのあるメイドだったからまさかなと思っていたらやられたな
ソウルハッカーズ後なのだろうか

>>486
差支えなければ教えて貰えないかな?
一体どんなスレを投下している人なの?
興味がわいたから教えて貰えると嬉しいな。

>>489
あぁ、スレの最初らへんでも名乗っていた人でしたか
気付かずに申しわけ無い。

>……でも一体どこに興味を持つ要素があったのかな
私の勝手な解釈で ドラクエ、若しくはメガテン系のSSの>>1さんなのかと…
両方共、数が少ないし(探し方が悪いだけなのかもしれないけど)
かつ、完結間近と>>486で言っていらっしゃったので
「これは是が非でも見に行きたい!」と先走ってしまいました。

これ以上はスレ違いになりますので
ggって、ネミッサの人の作品読まさせていただきます。
お騒がせして申し訳ありませんでした。

>>1です、執筆中のものが悪戦苦闘しているので、短いですがキリのいいとこまで投下します。
まずは返信をば。

>>475、他ネミッサの人さん
いつも応援感謝しております。
自分のスレが他の方のスレの刺激になっていることがこちらにも製作意欲を湧かせてもらっています。
こちらもネミッサの人さんの作品からいくつも刺激をもらっており、感謝です。
お互い頑張っていきましょう!

>>476
なかなか更新出来ず申し訳ない。
等作品の閣下はまさにトリックスターです。
好き勝手やる代わりに振り回されもする……
展開に困った時に上手く回してくれて助かってます。

>>484
ルイ・サイファー「……私がさんざ搾られたのは君のせいか」
ベルゼバブ「484……成仏しろよ」

>>485
四文字の新しい化身とな?
シャダイ、ツァバト、エロヒム……あとなにがあるだろ?
真4未プレイなのでよければ情報下さい。
ネタバレは気にしないほうなので。

>>487
閲覧感謝です。
メアリはメイドさん出したんでせっかくだから……とメアリにしちゃいました。
あと某エロ同人でフローラのメイドがマリーって名前だったので(笑)

先の展開は一応一通り考えてはいるんで……
エタらないよう悪魔たちに蹴りとばされながら頑張ります。
と言うかエタったら将門公と閣下に祟られそうで怖い!
他のメガテンSS書きの方もお気をつけて。

>>488>>490
上でも書いてますがネミッサの人さんのSSはオススメですよ。
まどマギ×サマナーはこのSSを書くきっかけとも言えるのでぜひ最初から読むことを推奨します。

では投下します。

※アルカパへの道中


ヘンリー「しかし勇者専用の剣か、どんな仕掛けなんだか」

リュカ「『天空の剣』という名前らしいね。勇者にしか鞘から抜けないとか……父さんも試したらしいけど、無理だったみたいだ」

ヘンリー「お前は試したのか?」

リュカ「一応ね、でも無理だった。まあ勇者なんて柄じゃないし……むしろ、ホッとさたよ。僕に使えて勇者だって証明されたら、今までの苦難はなんだったんだって思うだろうし」

ヘンリー「ま、それもそうか(ガチャガチャ)……ふうん、確かに抜けねえな……だが俺は諦めねえ! 増長天! そっち引っ張れ! ネビロスとスラリンも手伝え!」

増長天「しょ、承知。ぬおおおおおっ!!」

ネビロス「えらいことになったわい。そりゃ、オーエス!」

ヘンリー「オーエス! お前ら根性出せーっ!」

スラリン「フガフガ」←口で引っ張っている

リュカ「こ、壊れないかな……」

リリム「伝説の武器ってくらいだし、大丈夫とは思うけど……」

スミス「お、俺も中身、見たい」

マリア「オーエスってなんでしょう……?」

※数十分後


ヘンリー「だ……ダメか、全然抜けやしねえ。ラインハットの古文書に『昔の勇者は緑色の髪だった』と書いてたから行けると思ったんだが」

リュカ「そんな無茶な」

ヘンリー「抜けねえ剣をぶら下げてても邪魔だ。リュカ、COMPに入れといてくれ」

リュカ「うん……いや、待って。スミス、君が持っていた方がいいんじゃないか? ずっと大事に守ってきたんだし」

スミス「い、い、いらない。もう、ひ、必要、ない。だから、リ、リュカが、隠しておいた方が、いい。き、き、貴重品は、しまっておかないと」

リュカ「そうかい? ならCOMPに入れておくよ」

>リュカはCOMPに天空の剣を収納した

スラリン「スッゲエ道具だよなあ。おいらたちもその中に入れるのかな?」

リュカ「ん……そう言えば『悪魔』以外にやったことはなかったな」

ネビロス「ものは試し。入れてみるかの?」

リュカ「ん。スラリン、ちょっと失礼」

スラリン「え? ちょっと、待っ……」

>スラリンをCOMPに入れた

>DEVEL
>モンスター スライム 1タイ

リュカ「大丈夫らしい。出てきていいよ」

>スラリンを呼び出した

スラリン「……プハッ、びっくりした! もー! 一言言ってくれよ!」

リュカ「ゴメンゴメン」

スミス「ど、ど、どんな感じだった?」

スラリン「んー、なんかフワフワした感じ? 特に不快じゃなかったけど、ずっとあの中ってのは勘弁かなー」

リリム「あー、データ化したときのあの感覚ね。あたしたち悪魔は召喚とか転送とかで慣れてるけど」

マリア「人間でも大丈夫なのでしょうか」

ネビロス「不可能ではない。が、リュカのCOMPでは対応しておらんようだ」

ヘンリー「なんだ、宿代浮かせたり潜入したりするのに役立つと思ったのに……」

リュカ「ヘンリー……考え方が物騒だよ」

増長天「ははは、ヘンリーどのらしいではありませんか」

ヘンリー「……誉められてんだかバカにされてんのか」

リリム「あたしは呆れてます」

ヘンリー「ほっとけ」

ネビロス(データの痕跡はあるようじゃが……意図的にプログラムが消されたか? また謎が増えたのう。そもそも、どのようにCOMPがリュカのもとに流れて来たのやら)


――キーィ! キーィ!
――ピキーッ

マリア「? なんの声でしょう」

リュカ「ん? あれは……ドラキーがクックルーに襲われてるのか?」

ヘンリー「……つーか、遊ばれてる感じだぜ」


ドラキー「にぎゃー! おりゃーを食べてもおいしくにゃーぎゃー!」


増長天「……名古屋出身のドラキーですかな?」

マリア「ナゴヤってどこですか?」

リリム「うう、同じコウモリ型の翼の持ち主としては他人事に思えない……ねえリュカ、助けてあげようよ」

リュカ「そうだね。ほらお前たち、弱いものいじめしちゃダメだ。行った行った」

――ピキーッ? ピィピィ!

>リュカはクックルーたちを追い払った

ドラキー「……にゃっ? おりゃー助かったのきゃ?」

リュカ「大丈夫かい?」

ドラキー「はりゃー……人間に助けられるにゃーて、珍しーこともあるもんだみゃー……ありがとーだぎゃ」

ネビロス「……やはり名古屋弁じゃな」

ヘンリー「だからナゴヤってどこだよ」


ドラキー「おみゃーさんたち、強そうだにゃー。オレも一緒に連れてってくれないかみゃー? そしたら、あんなのに襲われなくて済みそーだにゃー」

リリム「……どうする?」

リュカ「うーん、僕らはもっと強い奴を相手にするために旅してるから、一概に安全とは言えないんだけど」

ドラキー「んじゃー、邪魔しないように隅っこにいるみゃー。なんだかおみゃーさんを見てると、離れたくなくなってくるんだにゃー。頼むから、連れてってにゃー」

スラリン「リュカ、実はおいらも同じこと思ったんだ。だからそいつも仲間にしてやってくれないかな……?」

スミス「ス、ス、スミスも! 俺も、リュカに、仲間にしてほしいと思った!」

ヘンリー「人気者は辛れぇなリュカ。で、どうすんだ?」

リュカ「……それじゃあ、一緒に来るかい?」

ドラキー「もちろんだぎゃー! うれきーにゃー! キーキー!」

※しばし後


スラリン「ドラキーだから『ドラきち』でいいだろー?」

リリム「えー? キーキー言ってるから『キーちゃん』の方がかわいいよー」

リュカ「……あれは?」

ヘンリー「ドラキーが名前がないからって名付け親争いらしいぜ」

リュカ「当のドラキーは?」

ヘンリー「疲れたのと夜行性の習性で眠ってる。マリアがぬいぐるみ代わりにしてるけどな」

ドラキー「すぴゃー、すぴゃー」

マリア「ふかふかです」

>マリアはドラキーをモフモフしている

スラリン「んじゃ本人に聞いてみようぜ。おーい起きろ」

ドラキー「みゃー? 眠いのになんだにゃー?」

リリム「キミの名前、『ドラきち』と『キーちゃん』のどっちがいいかなって」

ドラキー「うにゃー……オレもオスだからちゃん付けで呼ばれるのは勘弁にゃー。『ドラきち』でいいみゃー」

リリム「そっか……ちょっと残念だけど、改めてよろしくね、ドラきち」

ドラきち「にゃー」

スラリン「…………なんだろう、素直に喜べねえ」


スミス「ま、町が、見えてきたぞ」

ヘンリー「よし、んじゃ俺とリュカと……マリアとリリムで見てこよう」

スミス「お、俺は?」

スラリン「スミスはおいらたちと留守番! 腐った死体が町に入ったら大騒ぎになるだろうが」

スミス「で、でも、サンタローズは、そ、そ、そんなに騒いでなかったぞ?」

スラリン「ありゃあの村が特別なの! おいらも聞いてビックリしたよ! なんだよ悪魔王やら堕天使やら魔王が平然と農作業したり酒場でくだ巻いてる村って!?」



ルイ・サイファー「へくしっ」

はるかさん「かっかー?」

ベルゼバブ「ん? 風邪かルッシー」

ゆりこ「あー……もしかしてあたしに付き合わせて身体壊しちゃった? ゴメン……」

ルイ・サイファー「いや、大丈夫。誰かの噂らしい……へくしっ!」

はるかさん「ヴぁいっ」←くしゃみ止めの薬

ルイ・サイファー「ああ、ありがとう」

ゆりこ「有能よね、その子」

ベルゼバブ「俺もぷちどる一体捕まえてみようかな」

短いですがここまでで。
この後がなかなか完成しない……頑張ります。

では、
コンゴトモ ヨロシク

>>1さんリハビリ的なこと書いてらっしゃるけど
ほかに作品書いてらしたら教えてください。読破してやりますから

ご無沙汰しておりました。
ようやく納得できるとこまで書けたので投下します。
まずは返信を。

>>502
大体エタってるんですよね(涙)
現存しているのはARCADIAにある「氷炎将軍とチートオリ主な少女」くらいです。
この板では『まどか「ちっちゃなほむらちゃん」ほむら「ほむほむっ」』てのも書いてましたが……
続きが納得できなくなって、放置してるうちに消滅……
ARCADIAのも続きが全然書けなくなって……一応現存しているので続きを書く気はあります。
なんとかリハビリしたいとこです。
現行では「ヤンデレな妹に愛されてるんだがヘタレで心配すぎて眠れない」ってのを一レス完結の短編で書いてます。

その他応援・保守ありがとうございます。
展開予測はネタバレになるのでコメできませんが、楽しめる作品になるように頑張ります。

では投下をば。

※アルカパの町


リュカ「……久しぶりだな。全然変わってないや」

リリム「そうだね……ねえ、宿屋に行ってみようよ。ケルベロスがここに来たなら、絶対ビアンカのところに行ってるはずだよ」

リュカ「うん……そうしよう(ビアンカ、か。久しぶりだけど元気だろうか? それに、父さんは……ケルベロスは、ここにいるのだろうか?)」

リリム「……リュカ? 大丈夫?」

リュカ「う、うん。ちょっと考え事をね(……いけないな、僕はリリムに心配ばかりかけている。彼女を守れるくらい強くなるって決めたじゃないか……空元気でも毅然としてないと)」

リリム「そっか……あんまり気負わないでね(……あたしにはこうやって心配することしかできない……もっとリュカを元気にしてあげられたらいいのに)」



ヘンリー「…………なあマリア、あいつら二人ともはたから見て解るくらい複雑な感情丸出しで、しかもおそらくおんなじ事考えて悩んでる件について感想を」

マリア「えっ、と……やはりお二人の問題ですし、お互いに話し合うのが一番かと……」

ヘンリー「だよなあ……ったく、世話のやける」


リュカ「(チラッチラッ)……えっと、何か?」

リリム「(チラッチラッ)……え? な、なんでもないよ?」


ヘンリー「…………んがあああああっ!! も・ど・か・し・い~~っ!! 増長天が言うところの『チューガクセイ』かてめえらはっ! もっとガバッと行けやガバッと!」

注:年齢的にはホントに中学生です

マリア「お、落ち着いて……(が、ガバッと……わたしもいつかはヘンリーさんにガバッとされちゃうんですか!?)」

ヘンリー「こうなりゃ二人の晩飯に『ファイトいっぱつ』と『どくがのこな』でもぶちこんでやるか? ゲッゲッゲ……」

マリア「ひーん! ヘンリーさんの考えが危険すぎますー!」

※宿屋

リュカ「……引き払った?」

店主「ええ、なんでも一家で西大陸の山奥にある温泉の村に引っ越すとか……でかい狼の魔物と怪我した戦士を連れて。それで私がこの宿を引き継いだんです」

リュカ「ケルベロスと父さんだ! そ、それでその戦士の様子は!? 生きてたんですよね!?」

店主「は、はい。ただ、かなりの重症で、意識は戻らないままでしたが……」

リュカ「……そう、ですか。ありがとうございます」
店主「いえいえ。それで皆さん、今夜はこちらにお泊まりで?」

リュカ「はい。それで、出来れば馬車を停める所も」
店主「かしこまりました」

ヘンリー「……親父さん、生きてるみてえだな。良かったじゃねえか」

リュカ「うん、ありがとう」

リリム「西大陸って言ってたから、次の目的地はそこだね」

マリア「宿も取れたことですし、馬車の皆さんも呼んで一休みしましょう」

リュカ「部屋割りはどうする?」

ヘンリー「俺とリュカ、リリムとマリア、ネビロスと増長天で三室。んでスラリン・ドラきち・スミスを各部屋に……問題はスミスか」

スラリン「腐ってるからなあ、見つかったら大騒ぎだろ」

スミス「お、俺、馬車で、ね、寝るからいい」

増長天「ふむ、ならば我々も馬車で寝泊まりすれば宿賃も浮きますな……二部屋あればよいでしょう」

リュカ「でも……」

ネビロス「なに、ワシらは悪魔とモンスター、気にするほどではないわい。そうじゃの……うむ、リュカよ。ワシはレヌール城に置いてある忘れ物を取ってくるので先に休んでいてよいぞ」

リュカ「……わかった、気をつけて」


ヘンリー「……リュカ、後で話がある。酒場に付き合ってくれるか?」

リュカ「? うん、いいけど」

ヘンリー「悪いな。それじゃ俺はちょいと町を回ってくるぜ」

※街中

ヘンリー「さて……まだ時間はあるが……ん?」

「おい、聞いたかあの噂」
「ああ、ラインハットのだろ? 八年前みたいに人浚いが増えてるらしい……アルパカまでは飛び火してなくて幸いと言うべきか」

ヘンリー(なんだと? さてはまたあの教団が)

「そのせいかちょっとでも怪しい素振りがあると憲兵に捕まえられちまうとか……最近のラインハットはどうかしてるぜ」
「それに、その憲兵団をデール王が仕切っていて、問答無用で連れて行くって聞くぜ」
「王って言ってもまだ子どもだろう? 貴族の誰かがやらせてるんじゃないか?」
「なんにしても気の重い話だな……」


ヘンリー(……ちっと考える必要があるか……リュカを連れて行くのも問題がありそうだな。デールのことも気になるが……モーショボーがいるから、なにかあれば逃がしてるはず。偽者がやってると考えるのが妥当か)

ヘンリー「……っち。やることが増えちまったな」

※レヌール城

ネビロス「ふむ、失敗作と思っていたこいつが役に立つ日が来るとは……世の中因果なものよ。保管していてくれて感謝するぞ」

エリック王「なに、扱いも解らぬ故に慎重を期したまで」

ソフィア妃「助けになれたのなら幸いです。それに、貴方の施してくれた盗賊・魔物退けの結界のお蔭で、私たちはとても静かに過ごせていますから」

ネビロス「それは土地代代わりじゃから気にせずともよいが……まだ転生の環に入れんのか? 妙じゃな」

エリック王「我らにはまだ成すべき事柄があるのだろう。おそらくは……いまは青年となっているであろう、かの少年の未来のために」

ネビロス「リュカ、か。確かに、ワシも流れの導くままに共におるようになった……本能的に感じておるのかも知れんな、リュカが運命の渦の中心に居ることを」

ソフィア妃「彼の力になってあげて下さい。私もそれを望みます」

ネビロス「うむ、任せるがよい。では、夫妻も壮健でな」


>ネビロスはトラポートでレヌール城を立ち去った




傷ついた青年「はぁ……はぁ……」

女性「大丈夫……? 向こうに建物が見えるわ、そこまで頑張って」



ネビロス(む? 城に近づく気配を感じたが……まあ、邪悪なものではなし、心配あるまい)

※宿屋

リリム「さてと、部屋に荷物は運んだけど……仲魔の中であたしだけ部屋もらうなんて、なんか申し訳ないか気が……」

マリア「まあ、悪魔と言ってもリリムさんは女性ですから」

リリム「いっそリュカのCOMPの中でもいいのに……そういえば、リュカはどこだろ?」

マリア「へ、ヘンリーさんが用事があるとかで酒場に行こうって呼んでましたからそちらかと。あの、それで……よろしければリリムさんに相談に乗って欲しいことがあるんですけど」

リリム「あたしに? でも、相談ならみんな呼んだほうが……あ! もしかして女同士の話ってこと?」

マリア「は、はい。まあ」

リリム「いいよ! んふふ、マリアからそういう話振ってくるなんて、ちょっと楽しみかも」

マリア(ヘンリーさんから頼まれたんだから、私が頑張ってリリムさんを応援しないと! うう……でもどうすれば……)

※酒場

リュカ「お待たせ」

ヘンリー「悪いな、付き合わせて…………まあ、まずは一杯呑め」

リュカ「ああ。でも、突然どうしたんだ?」


ヘンリー「……単刀直入に聞くぜ。お前、リリムのことはどう思ってる?」

リュカ「……大切な仲間……いや、家族、かな」

ヘンリー「誤魔化すな。『男女の仲』としてどうだって聞いてんだ」

リュカ「………………それ、は」

ヘンリー「何とも思ってない訳はねえよな? エロい目で見られないようにあいつの格好を気にしたり、髪飾りをやったり…………それで特別な思いがないってんなら、お前は相当なジゴロだ…………ってオイ!? ボトルらっぱ飲みする気か!?」

>リュカは酒のボトルを一息に飲み干した

リュカ「んぐっ、んぐっ…………ぷはっ………………いいかヘンリー、今の僕は酔っている。だから今から言うのは酔っぱらいの戯言だ」

ヘンリー「お、おう」


リュカ「…………僕はリリムのことが好きだ。ああ、確かに彼女を愛してるさ。奴隷だった8年間、彼女の死を悔やんで悔やんで悔やみ続けて…………思いもよらず再会できたんだ! 二度と離れたく無いに決まってるじゃないか!」

>リュカはさらにボトルを飲み干す

リュカ「リリムの気持ちだって気づいて……いや、知ってるさ。僕の為に命までかけてくれた彼女なんだ、ずっと一緒にいれば分かるに決まってる。僕の気持ちを伝えたら、リリムは受け入れてくれるだろう…………その先に、辛い別れがあるとしても」

ヘンリー「リュカ、お前……」

リュカ「どれだけ長生きしたって、僕の命は先に尽きてしまう。その先、リリムにずっと喪失の辛さを与えてしまう…………彼女にこれ以上辛い思いなんてさせたくないのに! リリムもそれを分かってるから苦しんでるっていうのに!」

>感情のままにリュカはテーブルに拳を叩きつける

リュカ「なあヘンリー、僕はどうすればいい? どうすれば彼女を幸せに出来る? いっそコンバックで僕も悪魔になってしまえば……とも考えたよ。そんなことをすれば、リリムはもっと悲しむのに、ね」

ヘンリー「……難しく考え過ぎなんだよお前は。あいつはお前の好意を喜んでくれるのがわかってんだろ? なら本人にそう言ってやれよ……先の事は先になって考えりゃいいんだよ」

リュカ「…………ずいぶん無責任なこと言ってくれるじゃないか」

ヘンリー「かもな……けど、これだけは言えるぜ? 『止めておけばよかった』より『やっておけばよかった』って後悔するほうが……辛いぞ。俺は自分の直感に躊躇わねえことにしてる。もちろんそれで失敗することもあるさ…………それでも、俺は方針を変える気はないし、選択そのものに後悔はない」

>ヘンリーもまた ボトルを飲み干す

リュカ「ヘンリー、それは……君の実体験からかい?」

ヘンリー「さて……どうだったかな。忘れちまったよ」

リュカ「…………凄いな、ヘンリーは」

ヘンリー「よせやい。それよりせっかくだ、男二人、とことん飲みあかそうぜ!」

リュカ「……ああ、そうしようか」

※別のテーブル席

リリム「リュカたち、何処だろ? 二人で飲んでくるって言ってたからここにいるはずだけど……」

マリア「ま、まあいいじゃないですか。あちらは男同士、こちらも女同士で色々話しましょう」

リリム「……そだね、せっかくマリアが誘ってくれたんだし。よーし! それじゃ飲むぞー!」

マリア「はい、飲みます!(ヘンリーさんがリュカさんを元気づけようとしてるんだから、わたしもリリムさんを!)」

>マリアは景気つけにワインを一息に飲み干した……

※数十分後

マリア「……ひっく」

リリム「だ、大丈夫? かなり顔が赤くなってるけど……」

マリア「リリムひゃん!」
リリム「は、はい!?」

マリア「わりゃひは決めまひた! ヘンリーひゃんにガバッとしてもりゃふのれふ!」

リリム「酔ってる! 完璧に酔ってるから!」

マリア「酔ってましぇん! ……ひっく。おかわりれふ!」

リリム「ダメだこりゃ」

マリア「聞いてるのれふかリリムひゃん!」

リリム「はいはい聞いてる聞いてる」


「よう、姉ちゃんたち。楽しそうだな」
「俺らにもお酌してくれねーか?」

マリア「ふあ? なんれふか、あにゃたたひは……ひっく」

リリム「あーもー! こっちは酔っぱらいの世話で大変なんだからあっち行ってよ!」

マリア「ふにゃ……くぅ」

リリム「ちょ、マリアってば、こんな所で寝ちゃダメだって!」

「へへへ、俺たちが面倒みてやるよ」
「ほら、こっち来なって!」

リリム「やっ! 放してっ……!?(力が、入らない? なんで? こんなやつら簡単に振り払えるはずなのに……!)」


『リリムから手を放せ』

「ああ? なんだテメエ……がひっ!?」

>酔っぱらいは顔面を殴りつけられて吹っ飛んだ

リリム「……リュカ!」

リュカ「リリム、下がって」

「テメエ! よくも……がっ!?」

ヘンリー「おっと、俺もいるぜ」

リュカ「……僕は酔っている……加減はきかないぞ」

ヘンリー「ケケ、運が悪かったなあんたら……今のこいつは機嫌が悪い。もちろん、俺もな!」

>酔っぱらいたちを叩きのめした

「ひ、ひいひい……お、覚えてやがれ!」
「痛えよ~!」

ヘンリー「はん、俺たちの相手になるぐらい強くなってから捨て台詞は吐きやがれっての」

リュカ「リリム、大丈夫かい?」

リリム「う、うん。ただ、マリアはちょっと……」

マリア「みょ~……すぅすぅ」

ヘンリー「気持ちよさそうに眠りやがって。デコに肉って書いてやろうか」

リリム「あはは……ほどほどにね…………あ、れ……? なんだか、フラフラ、して…………」


>リリムはその場に倒れた


リュカ「リリムッ!?」

ヘンリー「まずい、か? 顔色が真っ青だ」

リュカ「ネビロスを呼んできてくれ! 僕は部屋に運ぶ!」

ヘンリー「おう!」

リュカ「リリム……しっかり……!」

>リュカはリリムを抱き上げ 宿へ急いだ……

※客室

ネビロス「やれやれ、戻ってくるなり慌ただしいことじゃな」

リュカ「ネビロス、リリムはどうなったんだ? 大丈夫なのか?」

ネビロス「ふむ……マグネタイトが著しく欠乏しておる。普通はこんなに激しく消耗はしないのじゃが……」

>リリムは苦しげにベッドに横たわっている

ネビロス「心理的なものが原因かもしれぬな。ワシら悪魔は精神のあり方が目立って表に出るからのう」

リュカ「心理的……やはり、僕のせいなのか……? リリム……」

>リュカはリリムの手を握る
>ほんの少し 表情がやわらいだように見えた

ヘンリー「マリアは別の部屋に寝かせてきたぜ。俺たちは先に休んでるが……リュカはどうする?」

リュカ「……もう少し、リリムのそばにいるよ」

ネビロス「あまり深刻に考えてリュカにも倒れられては困るぞ」

リュカ「うん……ありがとう」

ヘンリー「……なあ、リュカ。お前さっき、酔っぱらいどもがリリムを掴んだ時、迷いなく殴りに行ったよな? その意味……理解してるか?」

リュカ「……ああ。僕は……リリムが他の男に触れられるのが嫌だった、彼女を独占したいと思った……笑ってくれヘンリー、彼女の為とか、不幸にしたくないとか言っておいて、僕は結局彼女が欲しくてたまらないんだ。その為なら暴力もいとわない……それが、僕の醜い本性なんだ」

ヘンリー「笑わねえよ、誰かを愛するってのは綺麗事じゃねえんだ。俺の親父を見てみろ、ゴタゴタになるとわかっていてもペシュマレンドラ……デールのお袋を第二王妃に迎えた。王としては考えられない暴挙だが……愛しちまったんだから仕方ねえよ。今なら、今の俺ならそれがよくわかる」

リュカ「……ヘンリー、それは……マリアさんかい?」

ヘンリー「まあ、な。つまり、そういうこった……お前のやったことなんざ、当たり前のことなんだ。気にする程じゃねえよ」

リュカ「……ありがとう」

ヘンリー「ま、今はリリムについていてやれよ。俺たちももう寝るからよ、じゃな」

リュカ「ああ、お休み」

※宿の廊下

ヘンリー「……おいネビロス、お前何か知ってるだろ」

ネビロス「……リリム嬢ちゃんが倒れた原因かの? あれだけのマグネタイト消耗じゃ……『自己存在の否定』に違いあるまいよ。解決方法も簡単じゃ、リリム嬢ちゃんの願いを叶えてやればよい」

ヘンリー「何? ならどうしてリュカに言わねえ」

ネビロス「夜魔の存在を支えるのは『愛欲』じゃ。無論その対象は…………言うまでもなかろう?」

ヘンリー「あ……あー、そういうことかよ。ったく人騒がせな」

ネビロス「じゃが、ただの恋煩いでも命に関わるのが我々悪魔という存在じゃ。それだけリュカが思われている証明でもあるがの……まあ、しばし待て。解決策は準備中じゃ」

ヘンリー「お? もしかしてさっき出かけてたのがそうか?」

ネビロス「うむ」

ヘンリー「なら安心か……よし、この際だ。しばらくこの町で二人には休んでもらおうぜ、ラインハットには俺たちが先に行って偵察して来よう」

ネビロス「ほほう、休みを兼ねて二人に仲を深めてもらう心算じゃな」

ヘンリー「それもあるが……どうもラインハットがキナ臭いんでな。今のリュカが行くと、人間の腐った面を見てあの神殿にいた頃に戻りかねない。そうなったら……多分、全てが終わる。そういう予感が消えねえ」

ネビロス「……確かにのう。では、その方針で皆と相談するか」

……と、こんな展開になりました。
実は作中時間で神殿脱出から一週間も経っていないことがネックとなって……
つじつま合わせに時間がかかってしまいました。

次回は早めに更新出来ればいいのですが……頑張ります。

では……
コンゴトモ ヨロシク

おー、続き来た!
とうとう深刻な状況になり始めましたなあ
時間がかかったのはお気にせず気楽にお願いします

>>533
暖かいコメント感謝です。

少しですが追加します。
どうぞ。

※客室


リリム「…………ん……リュカ……?」

リュカ「リリム! 良かった……気がついたんだね」

リリム「あたし、どうして……?」

リュカ「酒場で倒れたんだ。無理しないで寝ていた方がいい」

リリム「そう、なんだ……ゴメンね、心配、かけちゃって」

リュカ「そんなの……お互い様だよ。サンタローズでは僕がリリムに心配させちゃったし……いや、オラクルベリーや修道院でも、か」

リリム「……ふふ、そう言えばそうだったね」

リュカ「参ったな……思った以上に僕は情けないや。まあ……だからリリムは気にしないでいいんだよ」

リリム「ん…………ねえ、リュカ」

リュカ「なんだい?」

リリム「手……握ってもらってても、いい? その方が、元気になれる気がするの」

リュカ「うん、そんなことならいくらでも」

>リュカはリリムの手をしっかりと握りしめた

リリム「もう少し、眠るね。おやすみ、リュカ」

リュカ「ああ。おやすみ、リリム」


リリム(あたし、やっぱり消えちゃうのかな…………なら、せめて最期は……リュカの、そば、で……)

※翌日 宿屋の広間

ヘンリー「ようリュカ、起きたか。リリムは?」

リュカ「おはよう。リリムはまだ寝てる……でも、どうしたんだ? みんな集まって」

ヘンリー「昨日相談したんだがな……とりあえず、リュカとリリムはこの町で休んでろ。俺たちでラインハットを偵察してくるからよ」

リュカ「えっ? でも!」

ヘンリー「いいから聞け。リリムだけじゃなくて、お前も休みが必要なんだよ。あの神殿からこっち、気を張りつめっぱなしだろうが。故郷のサンタローズもすぐに出て来ちまったし……お前は気づいてないが、相当精神がまいってる。昨日の暴れっぷりがその証拠だ」

リュカ「それは……」

ヘンリー「それに、お前が離れたらリリムが不安になる。心配なんだろ? だったら傍にいてやれよ」

増長天「リュカどのはちと背負い過ぎです。たまには我々にドンと任せてくれてよろしいのですぞ」

ネビロス「そうじゃ。なあに、ワシらなら大抵のことはなんとかなる。心配は無用じゃよ」

スラリン「おいらたちは残るぜ。あんま戦えないってのもあるけど……ヘンリー曰く、癒し担当班だってさ。なんか納得いかないけどなー」

ドラきち「にゃー、おりゃーは荒事は苦手だから助かるみゃー。それに、リュカとリリムが心配だから一緒にいたいぎゃー」

リュカ「……ありがとう、スラリン、ドラきち」

スラリン「て、照れるなあ。ほらスミスも残るって言ってたろ?」

スミス「……俺、ヘンリーたちと、行く」

スラリン「へ? どうしたんだよ」

スミス「リ、リュカは、みんなと一緒に行けないこと、辛いと、お、思ってる。だ、だから、お、俺が代わりにラ、ライ……」

ヘンリー「ラインハット、な」

スミス「そ、そう! ラインハットに行く! お、俺、腐ってるけど、力、強い。ヘンリーたち、手伝う!」

リュカ「スミス……」

ヘンリー「へへっ、言うじゃねえかスミス。わかった、お前もこっちの組だ」

スミス「が、頑張る!」

ヘンリー「……ってことだ、お前たちはしばらくゆっくりしてな」

リュカ「…………わかった。けど、ヘンリーも無茶はしないでくれ」

ヘンリー「あいよ」




リュカ「ん? ところで、マリアは……?」

ヘンリー「あっち」


マリア「あうう……頭痛いです……」


リュカ「二日酔いか」

ヘンリー「二日酔いだ」


今回はここまで。
次回からリュカチームとヘンリーチームで別行動となります。
どっちから書くかな……

では、
コンゴトモ ヨロシク

おまけ

【ルシベルリリの堕トーク】

ベルゼバブ「なあルッシー、お前日本の神話にも顔出してるってマジか?」

ルシファー「ああ、星の神霊「アマツミカボシ」が私……金星の光がモデルと言われているよ」

リリス「へー、そっちでは善神なの?」

ルシファー「いや、太陽以外に輝くものは太陽の光を妨げるとして悪神扱いだよ」

リリス「あれま」

ベルゼバブ「でも日本に居場所があるといいよな。悪神でも祟り避けになるからって祭ってもらえるからさー」

ルシファー「たしかにね。だからこそ『女神転生』なんてゲームが出来たのかもしれないね」

ベルゼバブ「俺は巨大ハエとオッサンのグラフィックしかないから、デジモンのベルゼブモンみたいなスマートなの希望。あとはバスタードのイケメンみたいなの」

リリス「リリムばっかりバリエーション増えてるから新パターン希望」

ルシファー「ははは……」


真4未プレイなのでそちらはわからない……スマンです。
ペルソナ5ではどうなるかな?

おまけ2

>>1の考えるメガテン的神話世界・インド近辺】

アフラマズダ「デーヴァ神族が勢力を伸ばしてきた。争い好かんし和平結ぼう」

アールマティ「誰かが婚姻を結べば繋がりが強くなりますね」

アフラマズダ「よし、娘をデーヴァの王インドラに嫁がせよう。シャーチー、いいかね?」

シャーチー「はーい、おとーさま」


インドラ「シャーチーたんかわいいハアハアもう我慢できねえ!」

シャーチー「きゃー!」


アフラマズダ「デーヴァの王があんな変態とは思わんかった! でも婚約者だし謝罪すれば許したる」

インドラ「もう俺のもんだしプゲラw」

アフラマズダ「(プチン)戦争じゃゴラァ! アンリマンユこっち来い! 合体じゃ」

アンリマンユ「マジで!? 悪神の俺と合体とかどんだけキレてんだよ!」

アフラマズダ「いいから来い! フュージョン!」

アンリマンユ「アッー!」

アスラ王『インドラムッコロス!』

インドラ「ヤwwwベwwwエwww天界壊れる」

ブッダ「あー、その辺にしときなさい」

アスラ王・インドラ「「ブッダが言うなら」」


帝釈天(インドラ)「二人とも仏教に入れられたけど、天界で暴れたからアイツ修羅道送りザマアw、しかも阿修羅ってば帝釈天の俺より下っぱw」

大日如来(ヴィローチャナ)「よう」

帝釈天「……へ? 誰?」

大日如来「阿修羅と大日如来を兼任してる元アフラマズダだよ……さて、最高神の私と一軍神のお前……どうなるか解るよな?」

帝釈天「ギ……ギニャァァァ――――――z_______ッ!!」



四天王「「すんませんすんませんうちの上司がホントすんません」」

アールマティ「あはは……も、もうそれくらいで……」

.              n     }| n、}|         |下|
          lTヽ l |    ノレ{_} ハ        l トイ\
          |j泚 l |   ,イHTl7ヲ}      / ノ {/⌒ヽ
    rr=ミー-、 又仏|」ニニユ. レニ二´ ̄了ー-、/芥レ'ff癶ノ}ノ\
    ゞ=ィ二不ミ、分-‐=='Tl /7ー-ァ仔rー勹水ブ^ゞ=r'   \
     〉`Y´ Y「{ |     l |//   〃//{ 屮}ノ」 {{   トミニヽ、 \
.    / 八__,ノ{」」L二ニ=子`ーァ==ゞ=ゞkレiii」/|介ー<ノ>、 \/ト、

    /  {/辷彡个ーく二了 rく__/Y   /|i l |l | | V乏yヘ | l | `ー┐
    \/ 泚泚ソ   V }〉 |  }  }`ー'´ト之jノl | |  Vハ个ー|_],!    |
    抃「| 化」リ   `Y {{{{ー'ー'´ //l川 `T^l」__j\/}` '  U    |
    | i l l f干ミイ     廴jjjjェェェ仁彡' {_L! {       l|∧  /T^l   |
    | i l |j l /ト、   f⌒Y二. k=ミー===ァ子r、   l |ト'  ' l l   |
    | i l |  l l レ' ,ィテテゞ=''jj'^}}圷ー'圦_,,ノト、{尨ハ、 \レ'{      l !    |
    | i |ノ  l  l仍仍   送r仏イ |     ∧ VハVハ  〉 !    l l   |
    | i |〕_,二,,,ノ{レ刈ト、  VハVハ〈     j〉rへ、尨ブ `7´ !\レヘ、   !
    | iノ ー|   ,ハ Vjj/ }\ VハVハ} _, -‐'´|l仍W     { {_人 |  \_」
    |_j  | [l } /    下孑'´ `ヘVトl尢リ仍W       `くヒ彡′
       ーー'′ }ー'l\ } {     Vハ  仍ソ
            ヽ ', ∨f'弋      Vハ  ∨
            rヘ   V辷ノ       Vハ ∧ 「 ̄\
            | ∧ ', Vニヽ       Vハ ∧ }    |
            |_j圻抃Y  l      ∧T^「从  /
             ノノ l ! l   |     |l比l l l | 〈
               {_{ l ! |   |       ||匕l l l | |
             Ll 礼l /ニ|       リi N | l | |
             _,」 リ l |ル′    └! V l l | |-‐¬=、
              / ト!イl l 灰       | } l l ト、!     `ヽ
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