「はぁ~金が無いなぁ」(8)

今日も今日とて長い長い上り坂をクソ暑いってのに上ってる最中に誰に言うでもなく呟いたわけだが

「それなら良いバイトがありますよ」

独り言を聞きつけていつからいたのか爽やかなにやけ面が返してきた

「ほう、それはどんなバイトだ?」

「んふっ、それは見てのお楽しみという奴ですね。団活後私と来て下さい、もちろん報酬は良いですよ」

非常に嫌な予感がするのだが………このままでは帰りに飲み物を買うことも出来ん、背に腹は変えられんな

「……分かった、ついて行くとするよ」

さ~て話してるうちにもう学校に着いちまった

「じゃあまた放課後な」
「ええ、ではまた」

教室に入るといつも通り後ろの席のあいつは外を眺めていた

「よぉ、いつも早いな」

「ぉはよ、早く来ないと不思議が逃げちゃうかもしれないじゃない。いい?不思議ってのは待ってくれないのよ?分かったらあんたも早く来なさい!!」

はいはい、気が向いたらな――まぁそんなこと言ったらぶっ飛ばされるわけで

「まぁ善処するよ」

「ふんっ」

と言うとまた窓の外を眺める作業に戻っちまった。まぁ触らぬ紙に祟り無しって言うしな

何個立ててんだよカス

着いてくんじゃないわよ
変態変態変態

着いてくんじゃないわよ
変態変態変態

着てんじゃないわよ!服!
変態変態変態変態変態変態変態変態!

ほっといたら落ちるんだから、気にせず続き書けば?

そう言えば微笑野郎の言ってたバイトってなんだ?まさかあの灰色の世界で、オレも戦わされるんじゃあるまいな……それともまさか後ろの席の傍若無人娘の機嫌をとって、あの世界が生まれないようにするとかか?あり得るな……いやそうとしか思えんくなってきたぞ――それは無理だ、やはり安請け合いするべきじゃなかったか

「……ん」

これはやはり断るか金は惜しいが無理なものは無理だからな

「……くん」

――ゴンッ

「ぐあっ」
「ちょっとあんた当てられてるわよ」

なにっ?気づかんだぞ、イタタ……しかし何も殴ることは無かろうに、タンコブができそうだ

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