友「俺も幼馴染だよな?」男「そうだな」(104)

友「なのに何故、幼ちゃんはお前の彼女なんだ?」

男「え、相思相愛だからじゃない?」

友「何で俺には結婚の約束をした、可愛い幼馴染が居ないの?」

男「友、保育園の頃から、バカだったからなぁ…でもさ…」

友「バカって言うな、バカップルの片方が!」

男「バカップルって…」

友「爆発しちゃえ、リア充」

男「いや、普通に爆発はしないけど」

友「それにしてもなぁ」

男「何?」

友「お前、幼稚園の頃の記憶とか、ある?」

男「俺は結構あるよ」

友「マジで?」

男「全部はっきり覚えてる訳じゃないけどさ」

男「友の武勇伝とか、言っちゃおうか?」

友「あぁ、いや、そう言うのいいから」

男「ん?」

友「どうせ面白話になるんだろ?」

友「俺って奴は、昔から爆笑王だったからな」

男「…」

友「何故黙る?ん?」

男「いやあ、さすが爆笑王だよな」

友「くそっ!ちょっとバカにしてるだろ?」

男「ちょっとじゃないけどね」

友「この野郎!よく平然とそんな事が言えるな!」

男「落ち着けよ、友。最近叫ぶ事多いぞ?」

友「主にお前が…お前らが原因だからな?」

男「俺ら?何の事だよ」

友「…いや、やっぱいい」

男「ん?」

友「これ、言い出したら、またノロケ話になって…」

友「俺が大声だすんだ。言わん!この話しは終わり!」

男「えー。ノロケ話、聞いてくれよー」

友「うっさい!」

幼「おーい、男。おまたせー」

男「委員会のお仕事ご苦労様、幼」

幼「それじゃ、帰ろうか?」

友「幼ちゃん、俺も一緒で良い?」

幼「良いけど…大声で叫ばないでよ?」

友「…」

幼「あの『リア充、爆発しろ!』って叫ばれるのって」

幼「結構恥ずかしいんだから」

友「…う」

友「お前らがイチャイチャしてるのを見てると」

友「何か叫びたくなっちゃうんだよ!」

男「ほら、また大声」

幼「友君、ただでさえ声大きいんだからさー」

友「むぅ…」

男「俺と幼は一緒に帰るけど」

男「どうする?絶対叫ばないって言うなら一緒に帰ろうぜ?」

友「叫ばない自信ないから、いいや…」

男「んじゃ、また明日なー」

幼「また明日ね、友君」

友「…はぁ」

委員長「…あ、あの、友君!」

友「んぁ?委員長?なんでしょか?」

委員長「ち、ちょっとお手伝いを、お願いしたいんだけど…」

委員長「もう帰るところ?」

友「あー。帰るところだったけど、いいよ」

友「どうせ帰ってもやる事ないし、手伝うよ」

委員長「お、ありがとう!それじゃあお願いします」

友「何すればいいの?」

委員長「えっと…父母会用のプリントを10枚ずつ閉じるの」

委員長「右から順番に、一枚づつ取って行って」

委員長「最後に閉じるっていう作業なんだけど」

友「おっけー。こっちから一枚ずつ取って…最後にカチャンと」

友「これでいい?」

委員長「うん。お願いします」

友「お安いご用なんだけど…これ、何部作るの?」

委員長「えっと…全部で200部なの」

友「おぅ。それじゃあと199部な」

委員長「あ、そうだね」

友「じゃあ、焦らず急いで片付けますか!」

委員長「うん!」




友「…委員長ってさぁ」

委員長「な、何かな?」

友「いつもこんな雑用してるよね?」

委員長「まぁ、委員長ですから!」

友「今日は俺が手伝ってるけど、いつもは一人でやってるの?」

委員長「みんな放課後は部活とか、色々あるでしょ?」

委員長「なかなか頼み辛くって」

友「はははっ。それで、暇そうな俺に白羽の矢が突き刺さった訳ね」

委員長「あっ、ごめんね。そう言うつもりじゃなかったんだけど」

友「いいよ。誰かに頼られるって、嬉しいしさ!」

委員長「…ありがとう、友君」



友「はー。やっと終わったなー」

委員長「ごめんね、こんな時間まで」

友「いいって、いいって。どうせ暇人だし」

友「それじゃ、これをダンボールに詰めて、職員室に持って行けばいいのかな?」

委員長「あ、そう。そうだね」

友「よっ…と。結構重いな、これ」

委員長「紙って意外と重いからね。私、こっち側持つから」

友「初めての共同作業だな。ははは」

委員長「…そ、そうだね、あはは」

友「それじゃ、足元に気をつけて、しゅっぱーつ!」



担任「お、二人ともありがとうな。助かったよ」

友「そう思ってるなら、ジュースくらい奢って下さいよー」

担任「ははは、そうだな。委員長にはいつも雑用頼んじゃってるし」

担任「友が手伝いするなんて珍しいからな」

担任「ほら、ジュース2本分」

友「現金支給っすかー。まあいいですけど」

委員長「先生、本当に頂いて良いんですか?」

担任「他の奴らには内緒な?内緒」

友「ご馳走になります!ありがとう先生!」

担任「おい、友。声でけーよ!」

友「すいません、良く言われます」

担任「それじゃ、時間も遅い。2人とも気をつけて帰れよ?」

委員長「はい。では先生。お先に失礼します」

友「せんせー、またあした。みなさん、またあしたー」

担任「何で幼稚園児みたいに言うんだ、友」

友「ちょっとした茶目っ気?」

担任「お前は本当に幼稚だなぁ」

友「はい!良く言われます!」

担任「お前、委員長を送って行ってやれよ?」

友「そのつもりでした。もう外暗いっすからね」

委員長「え?わ、悪いよそんなの」

友「遠慮すんなよ、委員長」

担任「そうだぞ、委員長」

担任「いざって時は、こんなのでも何かの役に立つはずだ!」

友「先生…こんなのって酷いっすね」

担任「とにかく、ちゃんと送ってやれよ、友」

友「はーい」

委員長「では、失礼します」




委員長「ホントに良かったの?」

友「気にしすぎだぜ、委員長」

委員長「手伝いしてもらった上に、送ってもらうなんて」

友「あ、そう言えば委員長の家ってどの辺り?」

委員長「商店街の近くだよ」

友「へえ。ウチ、商店街の中なんだ」

委員長「知ってるよ。八百屋さんでしょ?」

友「おう。何で知ってるんだ?エスパー?」

委員長「昔から、お使いでよく行ってるからね」

友「あら、これはお得意様でしたか。失礼しました」

委員長「ふふっ。友君が手伝ってるのたまに見かけるよ?」

友「小銭の為なら、何でもする。それが俺って奴なのさ!」

委員長「将来は八百屋さんになるの?」

友「それはどうかなー」

友「親父もお袋も、後継いでくれ~なんて言わないし」

友「俺も、将来の事、あんまり考えてないしな。ははは」

委員長「もう、高校3年生なんだから」

委員長「進路の事、ちゃんと考えないとね?」

友「あー、うん。前向きに善処します」

委員長「ふふ。それはあまり考えないって事?」

友「な、何故バレた!?」

委員長「友君、わかりやす過ぎ」

友「それが俺って奴なのさ!」

委員長「ふふふ」

友「へへへっ…そういや委員長とこんなに会話したの、初めてじゃね?」

委員長「そ、そうかな?そうかもね」

友「あ、ほら。そこの公園の自販機でジュース飲もうぜ?」

委員長「う、うん」



友「オレはもちろんコーラだぜ!っと」
ピッ
ガコン

友「委員長は…オレンジジュース?」

委員長「えっ?どうしてわかったの?」

友「あ、いやあ。なんとなく?」

ピロピロピー!

友「あ、当たった!イェーイ!」

委員長「えっ?あ、は、早く押さなきゃ!」
ヨロッ

友「おっと」
ドサッ


友「委員長、大丈夫?」

委員長「あ、あわわ。友君、ごめんなさいっ」

委員長「わ、私をかばって…」

友「オレの事はいいから、委員長は大丈夫?」

委員長「私は大丈夫」

友「なら良かった。よっと」
スッ

委員長「え?」

友「お手をどうぞ?お嬢様?」

委員長「ど、どうもありがと…」

友「あぁ、当たりの権利消えちゃったなー」

委員長「ごめんね…」

友「え?何で委員長が謝るの?」

委員長「わ、私のせいで、せっかくの当たりが…」

友「別にいいじゃん。先生からもらった駄賃があるしさ」

友「それっ」
ピッ
ガコン

委員長「あ」

友「ほい、委員長の分」

委員長「…ありがと、友君。優しいんだね」

友「そんな事言われた事ないから、照れちゃうぜ?」

委員長「ふふっ」

委員長「…ね、友君、そこのベンチでちょっとお話していかない?」

友「ん?いいよ、オッケー」

友「よいしょっとー」

委員長「…」

友「それにしてもかなり遅くなっちゃったなー」

友「ご両親が心配してるんじゃね?」

委員長「大丈夫、家には電話してあるから」

友「い、いつの間に?」

委員長「先生から用事を頼まれた時にね」

友「なるほど」

委員長「一人だと、もっと遅くなってたと思うから」

友「まさかこの俺が人の役に立つ日が来るなんてなぁ」

友「明日、きっと雨降るぜ?」

委員長「ふふっ。本当に照れ屋なんだから」

友「いやいやいやー。照れてないっすよ。ホント」

委員長「ふふ。友君が優しいって事、クラスのみんなが知ってるよ」

友「えー?オレってそんなキャラかなぁ?」

委員長「優しいよ。今日だって私を手伝ってくれたじゃない」

友「今日のは、まぁ…たまたまだよ、たまたま」

友「だいたいさぁ」

友「イチャついてる男と幼ちゃんを見て、大声で叫んで」

友「クラスのみんなから『友、うるさい!』って言われる」

友「それが俺って奴なのさ!」

委員長「ふふ。照れ屋さんって事は、私だけが知ってる事実?」

友「クラスの皆には内緒な?へへっ!」

委員長「ふふふっ」

友「そう言えば委員長ってさ」

委員長「何かな?」

友「なんでメガネなの?コンタクトとかにしないの?」

委員長「一応コンタクトも持ってるんだけどね」

委員長「メガネの方が慣れてるから」

友「そうなのかー」

委員長「どうして?」

友「いやぁ。俺の推理によると…」

友「委員長はメガネよりコンタクトの方が似合うと思うんだぜ!」

委員長「…そう?」

友「髪もさー」

委員長「え?髪?」

友「何か、ずっとお下げ髪じゃん?」

委員長「う、うん。そうだね」

友「普通に下ろしてみたら?」

委員長「えっ?」

友「コンタクトにして、髪を下ろしたら、随分印象変わると思うぜ?」

委員長「…」

友「あ、気にしてたんならごめんな?」

委員長「あ、気にしてないよ、大丈夫」

友「さーて、そろそろ帰りますか」

委員長「そ、そうだね。帰ろうか」



委員長「あ、私の家、ここだから」

友「えー。すっげぇ近いじゃん。ウチと」

委員長「そうだね。私は知ってたけどね」

友「おぉう。意外だったぜ!」

委員長「今日は本当にありがとうね、友君」

友「気にすんなよ、委員長」

友「気まぐれで手伝っただけだし、駄賃も貰ったし」

友「何より、委員長と結構話せたしな!」

委員長「そ、そうだね。私も友君とおしゃべり出来て、楽しかったよ!」

友「いつでも何でも手伝うから。気軽に声掛けてなー」

委員長「ありがとう、それじゃまた明日ね」

友「おう。お休み、委員長」



委員長「…はぁ」




友「おはよーっす」

男「おはよう、友」

幼「おはよう、友君」

友「相変わらずのイチャイチャぶりだのぅ」

男「いいじゃないかよー」

?「おはようございます」

友「ん?おはようございます?」

友(誰だ、この美人)

男「おはよー」

幼「おはよう委員長さん」

男「委員長さん、お下げ髪、やめたんだ?」

幼「コンタクトにして、髪下ろしたんだねー」

?「え、ええ。ちょっとね、気分転換にね」

友「んん?委員長?」

委員長「…友君、気付かなかった?」

友「えぇー。そんな…漫画かよ!」

男「声がデカイぞ、友。皆が見てるだろ」

友「で、でもお前」

男「え?マジで気付いて無かったの?」

友「お前は気付いたのかよ?」

男「当たり前だろ」

友「うぉう、当たり前か…」

友「あ、委員長、ごめんっ!」

委員長「えっ?何で謝るの?」

友「全然気付かんかった!別人に見えたよ!」

友「すげーな、委員長!」

委員長「あ、謝る事じゃないよ。ありがとう」

男「…はぁ」

幼「ん?どうしたの、男」

男「いや、俺の親友はつくづくアホなんだなぁと思って」

幼「アホって言うほどじゃないでしょ?」

男「いやいや、アホだよ。何も覚えてないんだから」

幼「まぁ、それはそうだけど」

友「聞こえてるぞ、二人とも!」

友「俺が何を覚えてないって言うんだ?あん?」

男「…気にするなよ、鳥頭」

幼「そうそう。気にしなくていいよ、友君」

幼「…委員長、私達は味方だからね?」

委員長「え、あ、ありがとう、二人とも」

友「むぅ。なんという疎外感」




友「お前らさぁ…」

男「何?」

幼「何よ?」

友「もう、生徒指導に呼ばれて、怒られてこい!」

男「普通に嫌だよ」

友「もう不純異性交遊だよ。学校で手繋ぐとか、犯罪だろ!」

友「逮捕されろ、リア充!」

幼「また、声大きくなってるよ、友君」

友「まぁいいや。それじゃ俺、購買でパン買ってくるわ…」

友「どうせお前らは手作り弁当をアーンとかするんだろ?」

男「アーンはどうだかわからんけど、手作り弁当ではあるな」

友「…くそう」

委員長「あ、あの、友君」

友「ん?委員長、どしたの?また何か手伝う?」

委員長「違うよ。…お昼ご飯、購買でパン買うんだよね?」

友「うん。ウチ、仕入れとかで朝忙しいからさー」

友「弁当作ってくれないんだよ」

友「だから毎日パン食だよ」

友「日本人なのにな!」

男「友、声デカイってば」

友「うっさい!」

委員長「あのね、友君。もし良ければなんだけどね」

友「うん?」

委員長「お弁当、作って来たんだけど、食べてくれる?」

友「マジで!?」

委員長「友君が毎日パン食べてるの見てたし」

委員長「昨日のお礼がしたくって、ね?」

友「…い」

委員長「…い?」

友「ぃぃぃいやったーーーーーーーーー!」

クラス一同「友!うるさい!」

友「はっ!?取り乱してしまったか?」

男「大丈夫だよ、いつも通りのお前だ」

幼「委員長さん、友君に何かされたの?」

友「…君たちは実に失礼だな?」

委員長「昨日、男君と幼さんが帰った後」

委員長「仕事の手伝いをしてもらったの」

委員長「そのお礼にと思って」

友「いやあ…男。俺はお前に言いたい事があるぞ?」

男「何だ?」

友「良い事って、してみるもんだなぁ!」

男「そうだな」

友「委員長、ほんとにありがとう!」

委員長「う、うん。喜んで貰えて、良かったよ」

友「食べていい?食べていい?」

幼「じゃあ、委員長さんも一緒に食べようよ」

男「おー!そうしようよ、委員長さん」

友「あぁ…お昼ご飯に、パンとサラダ以外の物を食べるのは久しぶりだぜ…」

委員長「サラダ?」

男「あぁ、委員長さんも知ってると思うけど」

男「こいつんち、八百屋だからさ」

男「休日の昼ご飯、サラダしか出てこないんだ」

委員長「ふふっ。そうなんだ?」

友「そうなんだよー」

友「もうドレッシングの味とか、嫌いになりつつあるよ…」

友「はっ!こんな話ししてる場合じゃない!」

友「食べよう!ご飯を!パンじゃない、ライスを!炭水化物を!」

男「友、パンも炭水化物だからな?」

友「…いただきまーす!」

男「俺たちも食べよう」

幼「そうだね。はい、男。これ」

男「いつもありがとな、幼」

幼「それじゃ、頂きます」

男「頂きます」

委員長「頂きます」

友「…クックック」

男「どうした?壊れたか?」

友「ある意味、壊れたかもしれない」

幼「わぁ…委員長さん、料理上手なんだねぇ」

男「ホントだ。凄く美味しそう」

友「一口たりとも、あげませんけど何か?」

男「別に取らないよ。俺には幼の手作り弁当があるし」

友「おお…美味しい…委員長!美味しいよ、コレ!」

委員長「と、友君、声が大きいよ」

友「あぁ、悪い。でもホント美味しい」

委員長「お口に合って、良かったよ」

友「こんなに美味しいお弁当が食べられるなら」

友「毎日手伝いでも良いなぁ」

委員長「…」

男「手伝いねぇ」

幼「面倒臭がりの友君にしては、珍しいわね」

委員長「あの、友君」

友「あぁ、委員長、凄く素敵なランチタイムをありがとう!」

友「踊りたくなっちゃうくらい、気分が良いね!」

委員長「あの…良ければ、毎日作ってこようか?」

友「え?いやいや、さすがにそれは悪いよ。手間だろ?」

委員長「一つ作るのも二つ作るのも、大して変わらないよ」

友「えぇー。昨日のあんな手伝いの事だけで」

友「毎日お弁当作ってもらおうなんて」

友「それはさすがに厚かましいだろ?」

委員長「そ、そんなんじゃなくて、ね」

委員長「友君に、食べてもらいたいなぁって」

友「え?え?」

委員長「あ、嫌なら、別に…」

友「いやいやいや!全っ然、嫌じゃないけどさ!」

男「…委員長さん、こいつアホだからさー」

幼「絶対覚えてないわよ、あの事」

友「あの事?」

委員長「うん。わかってるんだけどね」

委員長「最近まで、私もそうだったから…」

委員長「でも、もうこのままじゃ嫌だと思ったから…」

委員長「昨日、思い切って勇気出してみたの」

幼「そっかー。頑張ってね、委員長さん!」

友「えっ?何何?どういう事?」

友「気になる真相は…cmの後で!」

友「って、いやいやいや!そんなん言ってる場合か!」

幼「友君、また声がデカいよ?」

友「何で俺だけ蚊帳の外?」

委員長「いいの、友君。今はご飯食べよ?」

友「納得いかないんだけど…」

男「今のお前には理解できないさ」

友「む?どう言う意味だ?」

男「それよりさっさと食べようぜ、友」

友「…うん」

委員長「友君、今日の放課後、時間ある?」

友「あ、あぁ。毎日暇人!」

友「それが俺って奴だしな!」

委員長「じゃ、今日も一緒に帰らない?」

友「あぁ、い、いいぜ?」

委員長「そ、その時、色々話すね」

友「あぁ、うん。わかった…」



友(午後の授業が頭に入ってこねぇ…)

友(男と幼ちゃんは何か知ってるみたいだったけど…)

友(あの事?覚えてない?)

友(んぁーーーーー。意味わからん!)

トントン

友「ん?」

男「これ、幼から」

友「手紙?」

男「お前に回してくれって」

友「サンキュ」

友(何の手紙だろ)

ガサガサ

友(…)

友(…)

友(!)

友「マジで!?」

クラス一同 ビクッ!

担任「何がマジなんだ?友?」

友「あ、す、すんませんっ!」

担任「お前が最近急に大声で叫ぶって噂、本当だったんだな」

担任「放課後、ちょっと職員室に来い!」

友「…は、はい」


担任「ったく。お前は幼稚園児か?」

友「すんません、かなりびっくりする事が起きたんで」

担任「何があった?」

友「すみません、それはプライバシーの侵害なんで…」

担任「…」

友「あー、あのっすね。昔の事を思い出したんですよ、急に」

担任「ほう?」

友「それが、俺の人生を左右するような事だったんで」

友「つい叫んじゃったんすよ」

担任「詳しい内容については…?」

友「それは先生にも言えません!」

担任「そうか…言えないか」

友「絶対言いません!」

担任「はぁ…仕方ねぇな」

担任「今日の所は勘弁してやる」

友「ありがとうございます!」

担任「元気がいいのは良い事だけどな」

担任「授業中の奇声はもう勘弁な?」

友「はい!なるべく気をつけます!」


友「ちょっと時間取られちまったな」

友「委員長、もう帰っちゃったかな?」

ガラガラ

委員長「あ、友君」

友「あぁ、委員長、待たせて悪かった!」

委員長「ふふっ。怒られた?」

友「そうでもなかったぜ」

友「注意って感じだった!」

委員長「良かったね?」

友「おう。まぁ、奇声上げた俺が悪いしな!」

友「待たせてごめんな、委員長」

委員長「ううん。全然大丈夫だよ」

友「それじゃ、帰ろうかー!」

委員長「うんっ」



委員長「それで?」

友「ん?」

委員長「何で授業中、叫んじゃったの?」

友「あぁー。幼ちゃんからさー」

委員長「幼さん?」

友「衝撃的な内容の手紙が届いたんだよ」

友「叫ばずには居られないくらい!」

委員長「何て書いてあったの?」

友「んー」

委員長「…んー?」

友「あ、き、今日もそこの公園でジュース飲もうぜ」

友「今日は俺が奢るからさ!」



友「はい、オレンジジュース」

委員長「ありがとう、友君。ごちそうになります」

委員長「…ね、友君、そこのベンチでちょっとお話していかない?」

友「お、おう…」

委員長「…」

友「…あ、あのさ」

委員長「うん…」

友「俺達、幼馴染だったんだな」

友「幼ちゃんからの手紙に書いてあったんだ」

委員長「そうだね。保育園から高校まで、同じ学校だよ?」

委員長「それに、保育園と、幼稚園の時はすごく仲良しだったよ」

友「ごめんな、委員長」

友「全部忘れちゃってて…」

委員長「いいの」

委員長「友君は昔から…忘れん坊だもんね?」

友「耳が痛いぜ…」

友「そ、それでな?委員長…」

委員長「ちょっと待って、友君」

友「え?」

委員長「私から先に言わせて?」

友「う、うん」

委員長「幼稚園の時、男君と幼さんが約束してた事は知ってるよね?」

友「あぁ、大きくなったら結婚するって奴な」

委員長「…私と友君も、したんだよ?同じ約束」

友「なっ!マジで?」
ガタッ

委員長「マジなんです」

友「あぁ、あの、俺ほら、バカだから…」

友「幼ちゃんの手紙にはそこまで書いてなかったし…」

友「…」

委員長「あのね」

委員長「友君とは、小1から高3まで」

委員長「同じクラスになった事が無かったから」

委員長「話す機会も全然無くて」

委員長「実は、私も、ほとんど忘れてたの。約束の事」

友「…そ、そうなんだ」

委員長「でも、男君と幼さんがね」

委員長「お付き合いを始めたでしょう?」

友「あぁ、バカップルだな、あいつらは」

委員長「幼さんがね」

友「うん?」

委員長「付き合い始めた次の日、私にね」

委員長「『あの時の約束、覚えてる?』って」

友「…」

委員長「あの2人が約束した事と同じ事を」

委員長「私達も、同じ日にしてたんだって」

委員長「それで私もはっきり思い出したんだ」

委員長「あの日、4人でやった約束の事」

友「おぉう、そうだったか…」

委員長「でも…でもね、友君」

委員長「わ、私はね?」

友「え?委員長、泣いてるの?」

委員長「さ、最後まで聞いて?」

友「…」

委員長「高3で、同じクラスになった一人の男子に」

委員長「実は恋をしちゃってたんだ」

友「!」

委員長「私はその人の事をね」

委員長「小さい頃から…」

委員長「廊下ですれ違う度」

委員長「道ですれ違う度」

委員長「店先で手伝いをしているのを見かける度」

委員長「何故か目で追っていたの」

委員長「自分でも良く解らなかったんだけどね」

友「…」

委員長「高3になって、同じクラスになってね」

委員長「その人の事を観る機会が凄く増えてね」

委員長「いつの間にか好きになっちゃってたの」

委員長「その人はね」

委員長「いつでも明るくて」

委員長「クラスのムードメーカーで」

委員長「おどけてみせるけど、本当はとっても優しくて」

委員長「真面目で、ちょっぴり照れ屋さん」

友「…」

委員長「そ、そんな、あなたに…私は恋をしたんです、友君」

友「あ、あの、委員長…」

委員長「だから、昨日、思い切って声をかけたんです」

委員長「手伝って欲しいって言うのは、口実で」

委員長「あなたと居たかったんです」

委員長「帰り道、一緒に歩いて、公園でお話しして」

委員長「確信したんです」

委員長「昔の約束は関係なく、今のあなたの事が好きなんです」

委員長「友君」

友「あ、あのさ、委員長」

委員長「…はい」

友「気持ちはとってもとーっても嬉しいんだけどさ…」

委員長「…やっぱり、私なんかじゃ、駄目ですか?」

友「ち、違うよ!逆!逆!」

友「泣かないでよ、委員長!」

委員長「…逆?」

友「俺みたいな、いい加減な奴が、委員長につり合うとは思えねえよ!」

委員長「…」

友「俺、鳥頭だし、声デカいのしか、取り柄ないし」

友「顔もブサイクだからさ」

委員長「…」

友「真面目で、頭が良くて」

友「みんなの為に、面倒な雑用を、嫌な顔一つしないで、こなして」

友「…それに、こんなに美人な委員長にはさ…」

友「お、俺なんかより、お似合いの人が、どこかにさ」

友「…どこかに、居る、よ、きっと…」

委員長「…本当に、照れ屋さんだね、友君」

委員長「それに、ウソをつくのが、とっても下手だね?」

友「…」

委員長「友君。正直に答えてね?」

委員長「私の事、嫌い?」

友「…嫌いじゃない」

友「っていうか、好きだよ!」

友「高3に上がった時、委員長の事、一目見て」

友「こんな人が彼女になってくれたらいいなって思ったさ!」

友「でも、接点とかないし」

友「俺、ヘタレだから、自分からは話しかけられないし!」

友「幼ちゃんの手紙見て、実は幼馴染で」

友「しかも、け、結婚の約束とかしてたって知って」

友「正直、超ドキドキしてるさ!」

友「でも、俺だぜ?」

友「無理に決まってるじゃんk

ギュッ

友「なっ、何してんの、委員長!」

委員長「…つり合わない、とか、自分じゃ無理とか」

委員長「そう言う事じゃないの、友君」

委員長「私の事が好きなら、抱きしめて欲しい」

委員長「駄目なら、突き放して欲しい」

友「い、委員長…」

委員長「お願い、友君…」

友「お、俺は…俺は…」




友「なぁ、男」

男「何?」

友「俺達、幼馴染だよな?」

男「そうだな」

友「委員長も、俺達の幼馴染だったんだな?」

男「言っておくが、俺は覚えてたからな?」

友「マジで?」

男「幼稚園の頃の記憶は割と残ってるって言ったろ?」

友「約束の事もかよ?」

男「あんな大事な事、忘れる訳がない」

男「それに、俺は幼から毎年誕生日に言われてたからな」

友「18になったら結婚…か?」

男「友と委員長さんも、同じ約束してたからな?」

友「…なぁ、男」

男「何?」

友「俺に大声で『リア充、爆発しろ!』って言ってくれ…」

男「何それ、嫌だよ」

友「た、頼むよ!」

幼「お待たせ、2人とも…って何の話ししてるの?」

委員長「お昼食べましょう、友君」

友「おぉ…委員長。大声で言って欲しい事があるんだ…」

委員長「えっ?何を?」

友「リア充、爆発しろ!って…」

委員長「イヤです」

友「えー?いいじゃん、頼むよ!」

委員長「いくら恋人の頼み事でも、そんな事は言えません!」

友「…こ、恋人…恋人」

委員長「違いますか?だって、昨日…」

友「あぁっ!こ、この俺が…」

友「まさかリア充の仲間入りする日が来るなんて…」

男「いいじゃないか、リア充」

幼「2人ともハッピーで、良い事じゃない?」

友「…」

委員長「リア充、嫌なの?友君」

友「い、嫌じゃない!」

委員長「ちょ、友君、声大きいよ」

友「リア充!爆発するな!」

クラス一同「友!うるさい!」



おわり

これで終わりです
読んでくれた人が居たら嬉しいです

次スレは
幼馴染「今度引っ越す事に…」男「…」
ってタイトルでスレ立てたいと思います

見かけたら読んでくれると嬉しいです

では。

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