ユート「どうしたんだ血相を変えて?」 遊矢「柚子が万引きして捕まったらしいんだ」 (16)

ユート「彼女が万引きを!?まさか・・・」

遊矢「いや連絡があってさ」

ユート「本当に柚子なのか?」

遊矢「だってそう・・・」

ユート「落ち着いて考えてみろ」

遊矢「・・・」

ユート「彼女がそんな事をしないのは君が一番理解してるはずじゃないのか?」

遊矢「じゃあ・・・まさか」

ユート「おそらくはセレナだ」

遊矢「セレナ・・・また何かやったのか・・・」

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遊矢「案の定、セレナだった」

セレナ「何だその目は!」

ユート「万引きをするなんて」

セレナ「万引き?万引きとは何だ?」

遊矢「店の物を勝手に持って行こうとしただろ」

セレナ「違う。ちゃんと店員とかいう奴とデュエルして勝って持って行こうとした」

遊矢「だからそれが・・・それに猫用の餌なんてどうする気?」

ユート「君は人間なんだから猫の餌を食べても仕方がないぞ」

セレナ「猫じゃない!タヌキだ!」

遊矢「タヌキ?まあ何でもいいけど、もうやるなよ」

セレナ「礼は言わんからな」

遊矢「どうする」

ユート「何をするかわからないから後を追うか」

柚子「何してるの2人揃って?」

遊矢「セレナが万引き騒動を起こした」

柚子「はあ・・・またやらかしたんだ」

ユート「奇妙な事に猫の餌を万引きしようとしてな」

柚子「猫?」

遊矢「なのにタヌキにそれをやろうとしてるんだ」

柚子「タヌキ?」

遊矢「多分、何かを拾って育ててるんじゃないかって」

ユート「それも猫でもタヌキでも無い生き物を飼い始めた可能性もある」

セレナ「おかしい・・・居なくなった・・・?」

柚子「何やってるんだろ」

遊矢「ずっとキョロキョロしてるんだよな」

セレナ「何処に行ったんだ!?いなくなってしまったぞ!」

遊矢「どうしたんだよ」

セレナ「お、お前には関係ない!」

柚子「言いなさいよ。力になるわよ」

セレナ「絶対に言わないからな」

ユート「こういう時は力を合わせた方がいい」

セレナ「くっ・・・」

遊矢「タヌキが居なくった?」

セレナ「そ、そうだ・・・」

柚子「あなたのペット?」

セレナ「私のじゃない」

ユート「なら誰の」

セレナ「い、いいから探せ!」

遊矢「わかったよ。本当にワガママだな・・・」

沢渡「はァ?タヌキ?」

柚子「見なかった?」

沢渡「居るわけないだろ。この街でタヌキなんて!ハーハッハッハ!」

セレナ「笑うな!」

ユート「いやタヌキでも無いかもしれない」

沢渡「タヌキじゃない?じゃあ何だ?」

遊矢「猫・・・に近いタヌキ」

沢渡「って事はネコタヌキ・・・どんな生き物だ」

遊矢「知るかよ。お前が言ったんだろ」

沢渡「何なら俺が買ってやろうか?猫の一匹や二匹ぐらい」

セレナ「黙れバカ!あいつじゃないとダメなんだ!」

沢渡「・・・」

遊矢「どうせ暇なんだから手伝えよ沢渡」

柚子「珍しい種?」

セレナ「わからん」

ユート「絵とか書けないか?」

沢渡「いいね!それだよそれ!て言うか最初から絵を描けよ」

セレナ「よく喋る男だな。それでも戦士か!」

沢渡「大丈夫かこいつ」

柚子「少し事情があって世間知らずなのよ」

沢渡「お嬢様ってやつか」

遊矢「事情が無くても世間知らずのお坊ちゃんは俺の目の前に居るけど」

沢渡「さっきから言いたい放題言いやがって・・・デュエルしろ遊矢!この前の決着をつけてやる!」

遊矢「そう来ると思った!沢渡!そのデュエル受けて立つ!」

柚子「こ、これって・・・何だこの子か」

ユート「遊矢、ネオ沢渡。一先ずデュエルはお預けだ」

沢渡「ふーん・・・確かにこれは猫かタヌキかわかんねえな」

柚子「ファラオよね」

遊矢「十代さんの猫のな」

ユート「君は十代の猫・・・いやタヌキの面倒を見ていたのか」

セレナ「不動遊星の次元に居ると聞いて取りに行った。それが何か文句あるか?」

ユート「いや」

セレナ「だからと言って勘違いするな。別にタヌキのためでも十代のためでも無いからな」

柚子「どうして?」

セレナ「慣れない次元に1人で居るのは・・・私は辛くないがタヌキは辛い気がした」

遊矢「だって」

沢渡「柊柚子より女の子らしいな・・・気が強いところは似てるけど」

柚子「何よ!」

遊矢「ほら逃げるぞ柚子が怒る前に」

ユート「結局何処にも居ないな」

セレナ「・・・このままじゃ合わせる顔が無い」

遊矢「あれ」

ファラオ「ニャ」

沢渡「何だよ・・・元の場所に戻ってたのか・・・」

セレナ「お前!何処に行ってたんだ!?」

ファラオ「ニャ」

柚子「何て言ってるかわかる?」

遊矢「わかるわけ・・・遊星さんから貰ったコンニャクを食べてみるか」ゴソゴソ

ユート「食べるとどうなるんだ?」

遊矢「動物とかあらゆる国の言語がわかるらしい」モグモグ

ファラオ「散歩だ」

遊矢「散歩だって」

ユート「何だ散歩か」

柚子「これからはちゃんとお金を払って買うのよ」

セレナ「金?」

沢渡「おいおい!まさか金も知らないとか言うんじゃ」

セレナ「どこで貰うのだ?まさか自分で創造を?」

柚子「アルバイトとかしたりして」

セレナ「アルバイト?」

遊矢「一つずつ覚えて行けばいいんじゃないか?とりあえず今日は万引きはダメだって事だ」

ユート「理解できたか?」

セレナ「私は子供じゃないんだぞ!」

遊矢「でもわかったんだよな?」

セレナ「わ、わかった気がする。感謝はしないからな」

柚子「わかってるわよ」

遊矢「理解してくれたら俺達はそれで満足って事さ!」

数日後

ユート「あれからセレナは猫と仲良くやって居るのだろうか」

黒咲「瑠璃!」

ユート「瑠璃のわけがない。柚子か?セレナか?」

セレナ「ま、またお前か!」

ユート「セレナの方か」

黒咲「瑠璃!何だそのタヌキは!?いや猫なのか!?」

セレナ「やれ!」

ファラオ「ニャアアアアアアアアアアア!!!」ガリガリガリ

黒咲「ぐっ・・・!何て凶暴な生き物だ・・・」

セレナ「退散するぞ!」

ファラオ「ニャ」

黒咲「ユート・・・妹の反抗期は恐ろしいな」

ユート「ああ・・・仲良くしているようだ。よかったよかった」





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