凛「凛はかよちんのこと、なんでも知ってるよ!」 (138)

※ラブライブSS

※リリホワとまきりんぱなメイン

※百合描写ありです

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~屋上~

希「―じゃあこれは?」

凛「これは…ご飯屋さん周辺に漂う香りをかいでうっとりしているかよちん!」ズバッ

希「うわ~全敗やん!さすがやな~」

ガチャ

海未「ただ今戻り…て、何をしているのですか!」

凛「あ、海未ちゃんおかえり~」

海未「私が戻るまでにストレッチを終わらせておくとの約束でしたが…?」キリリリ

希「怖い怖い!海未ちゃん目つき目つき!いや~、ちょっと話が盛り上がってなー…」

海未「言い訳はあとです!さぁ、練習を始めますよ」

―――

~練習後~

海未「本当に花陽をなんでも知ってるかクイズ?」

希「ちょっと前に凛ちゃんと話してる時にな―」


凛『凛はかよちんのこと、なんでも知ってるよ!』


希「って言ってたんよ」

海未「まぁたしかによく言ってそうですね」

希「というわけで実施したのがさっきのクイズだったんよ」

凛「希ちゃんが盗撮し―」ガシッ

希「撮影した、な?撮影したって言って?」ニコッ

凛「―撮影したかよちんの画像を見て、これはどんなかよちんかってのを当てるんだ!」

海未「なるほど、文字通りなクイズなわけですね」

海未「でもこれなら、凛の絶対有利は予想できるはずでは?」

希「うっ…ううぅ…」ポロ

海未「の、希?」

希「たった1枚のアップの写真で外的な状況と心理状況…」

希「どっちも当てるなんてさすがにウチでも予想できなかったんや…」

凛「へっへーん!かよちんのことなら凛にお任せあれにゃ!」ビシッ

希「心の内を読むのは得意でも、案外置かれてる状況を当てるのは難しいかと思いきや…」シュン

海未「どれだけ悔しかったんですか!?へこみ過ぎですよ。」

希「試すような真似をしたウチは最初から負けてたってことやね…」

凛「と、いうわけで海未ちゃんもかよちんのことならなんでも聞いてね!」

海未「は、はい、考えておきます」

希「いやーほんとに参った参った。凛ちゃんは花陽ちゃんのこと知りすぎて怖いわー」

凛「かよちんはほんと、可愛いにゃ~」ウットリ

海未「凛は花陽がいないと生きていけないと言ってましたもんね」

凛「うん!かよちんとはずっと一緒だったから、別々なんて考えられないにゃー!」

希「もう幼馴染とか親友を通り越して夫婦みたいやね」

凛「え?」

海未「ああ、確かにその表現は分かるような気がしますね」

凛「夫婦って…凛とかよちんは幼馴染だよ?」

希「あれ?てっきり「照れるにゃー///」とか言ってくれるかと思ったのに」

海未「ものの例えですよ。花陽と凛の仲はもはや幼馴染や親友という枠では収まりきらないほど」

海未「お互いがお互いを…と言いますか」

希「別に直接的な意味でもいいんよ?凛ちゃんと花陽ちゃん、最高の二人やと思うけどなー」ニヤニヤ

凛「凛とかよちんが……?」

凛「…いやいや、さすがにそれは、ねー」///

凛「たしかにかよちんは大好きだし大切だけど――」

希「想像できない?最近じゃ結構普通にこういうのもあるみたいよ?」

凛「そ、そうなんだ」///

海未「希、あんまりからかわないであげてくださいね」フフッ

凛「もう!海未ちゃんまでそんなこと言って!」プンプン

希「ていうか身近にいい例がいるやん!」

凛「え、なになに?」

希「幼馴染が一線を超えていくいい例が!」チラッ

海未「な、なんですか?」

希「分からないならこういうんのはどうかな~」

――
―――――――
―――――――――――――

チュンチュン

海未『ふぅ…少し眠いですね…いやーそれにしてもいい朝です!』

穂乃果『海未ちゃーん!おっはよーう!』モギュ

海未『おっと…ふふっ、穂乃果は今日も元気ですね』フフッ

穂乃果『あれ?……』

穂乃果『ブー』ムスッ

海未『…どうしたんですか?むくれてしまって。可愛い顔が台無しですよ?』

穂乃果『…海未ちゃん、ちょっと前までは後ろから抱きつくとほっぺ真っ赤になってたのに…』

穂乃果『穂乃果の抱きつきじゃ、もう何も感じなくなっちゃったの?』シュン

海未『そう毎日毎日抱きつかれていては、さすがの私も慣れますよ』ハァ

穂乃果『ブーブー!』

ことり『2人ともおはよ~』

海未『あ、ことり、おはようございます』

ことり『あれ?海未ちゃん、ちょっと寝不足…?』

海未「分かりますか?恥ずかしい話なのですが、新しい歌詞がなかなかまとまらなくて…」

ことり『ふ~ん…』テクテク

海未『こ、ことり?な、なんで近づいて来るんです?』ジリッ

ことり『えい!』チュッ

海未『!?』///

穂乃果『こ、ことりちゃん!?』

海未『なななななな、何をするんですか!?』///

ことり『ふふっ、おはようのキスだよ♪目、覚めた?』

海未『ことり!…まったく、あなたという人は』///

穂乃果『ずるいよことりちゃん!穂乃果もする!海未ちゃん、こっち向いて!』

海未『向きません!そ、それより早くしないと遅刻してしまいます!行きますよ!』ダダダダ

穂乃果『逃げた!待ってよー海未ちゃーん!』

ことり『海未ちゃん可愛い~!』

―――――――――――――
―――――――


希「―と、こんな感じに」

凛「ほぉ~…」///

海未「はぁ…」

海未「ってなんなんですかこれは!穂乃果もことりもこんなことしません!」

希「え~、なかなかアリやと思うんやけど」ニヤニヤ

海未「だいたい、穂乃果はことりの後にやってきます!ありえません!こんなこと!」

希「そこはほら、愛の力で」

海未「あ、愛…」///

凛「さすが希ちゃん、考えることが違うにゃ~…」///

希「そ、それは褒めてるん?」

希「まぁ、これはひとつの例で、友情はいつしかこのような形に―」

海未「だからって私たちで説明する必要はないでしょう!」ゴゴゴゴ

希「いや~分かりやすいかな~って…海未ちゃん怖い怖い!」ビクッ

凛「うーん…わかりやすかったけど…」///

希「けど?」

凛「凛がかよちんに対して想ってる気持ちは、またちょっと違うかなーって」

凛「かよちんは大切な存在だけど、好きとか付き合いたいとかそういうのじゃなくて」

凛「ただ一緒に…ずっと一緒にいるだけで、それでいいかなーって!」ニコッ

希「ふふっ、凛ちゃんらしいやん。分かっとるよ、ちょっと言ってみたかっただけやから」フフッ

海未「私にしわ寄せが来ているのですが?」

希「じゃあ、話もまとまったし今日はそろそろ帰ろか~」

海未「コホン…分かりました。では、明日もユニット練習ですから、くれぐれも遅刻やサボりは―」

凛「かよちんと真姫ちゃん教室にいるかな~」

希「あ、えりちから教室で待ってるわメールきとるやん」

海未「2人とも!まだ話は終わってませんよ!…ちょ、ちょっと待ってください!」

――

~1年教室~

ガララ


凛「終わったにゃ~…」

真姫「あ、やっと来たわね」

花陽「お疲れ様、凛ちゃん!」

凛「かよち~ん…疲れたにゃ…」モフッ

花陽「凛ちゃん!?」///

凛「このままかよちんの中で眠るにゃぁ…」

花陽「ふふっ、お疲れ様」ナデナデ

真姫「それにしても遅かったわね」

凛「うん、練習は早く終わったんだけどその後の海未ちゃんのお話が長くて長くて…」グッタリ

真姫「精神的にやつれてるわね…」

凛「そういえば、2人は練習早く終わったの?」パッ

花陽「私は20分くらい前かな?部室で話し合いだったから早く終わったんだ」

真姫「私は音楽室で歌の練習だったけど、だいたいそんなところね」

凛「あぁ~、凛も2人と一緒に練習したかったなー」

花陽「私たち一年生はみんなバラバラになっちゃったもんね…」

真姫「仕方ないでしょ?次のライブでユニットに分かれて新曲披露って決まっちゃったんだから」

花陽「凛ちゃん、決まった時ノリノリだったのにね」アハハ

凛「あの時はあの時!まさか海未ちゃんがいつも以上に力を入れるなんて…」

真姫「まぁグチグチ言ってても仕方ないわよ。とりあえず帰りましょ?」

りんぱな「はーい」

~下校中~

凛「今日も疲れたにゃー」テクテク

真姫「さっきからそればっかじゃない」

凛「だって本当に疲れたんだもーん」ハァ

真姫「まったくー…そういえば花陽、調子はどう?」

花陽「あ、う~ん…1人だとできるんだけど、やっぱりみんなと一緒になると…」

凛「なになに?何の話?」

花陽「えっと、あのね、やっぱり歌を歌うときにもうちょっと自信を持って歌いたいなって」

凛「えー、かよちん、今のままでも大丈夫なのに」

真姫「私もそう思うんだけど、やっぱり本人の気持ちってパフォーマンスに一番響くと思うのよ」

真姫「それで私に出来ることって言ったら基本的な発声のコツを教えるくらいでしょ?」

花陽「真姫ちゃんに教えてもらって、それをうちで1人でやってるんだよ」

凛「なるほどー…ってかよちん!なんで凛には相談してくれなかったの!?」

花陽「へっ!?」ビクッ

凛「かよちーん!」ユッサユサ

花陽「え、えっと…凛ちゃんに心配かけたくなくて…」モジモジ

凛「あー!かよちん、指合わせてる!かよちんがそうするときは何か隠してるときだにゃ!」ビシッ

花陽「えっ!…えーっと」ギクッ

凛「凛はかよちんのこと、何でも知ってるんだよ!」

凛「さぁ、何を隠してるのか話すにゃー!」シャー

真姫「凛より私のほうが適任だって思ったんでしょ?ね、花陽?」ドヤ

花陽「えっ、そ、そういうわけじゃ…」///

凛「もー!真姫ちゃんまで凛をバカにして!そんなこと言う真姫ちゃんは~…こうにゃ!」ブニュ

真姫「チョッ!ホッペツママナイでよ!」

凛「凛をバカにしたバツだよーっ!」ムニムニ

真姫「り、り…!モゴモゴー!」

花陽「り、凛ちゃんっ…」

凛「うわー真姫ちゃんほっぺやわらかーい!」ムニムニ

花陽「…」

凛「むにむにー!……って、かよちん?」ムニー

花陽「う、うん!?」

凛「どうしたの?ボーッとしちゃって、大丈夫?」ムニー

花陽「あ、うん、それより早く帰ろ?暗くなっちゃうよ?」

凛「うん、わかったにゃ!」ムニ

真姫「いつまでホッペつまんでるのよ!」バシッ

凛「よーし、じゃあ皆で走って帰ろうよ!」

花陽「なんで!?」

凛「いいのいいの!いっくよー!よーい…ドン!」ダダッ

花陽「凛ちゃん!?待ってよぉー」

真姫「ハァ…まったく、調子いいんだから」フフッ

凛(希ちゃんが言っていたようなことは、確かに分からなくもないけど…)

凛(凛は、かよちんがいて、真姫ちゃんがいて、μ'sの皆がいる…今のこのままの時間が―)

凛「だーいすきにゃあああーーーー!!!!!」ダダダダダッ


真姫「凛!?」

花陽「凛ちゃん!?ここ道だよ!?」

凛「かよちん!真姫ちゃん!早く早くー!」


―――――――

~翌日~

海未「それで昨日は叫んでいたのですか…私たちのところまで聞こえましたよ?」

凛「いやーなんかテンション上がっちゃって…」

海未「学校に苦情がこない程度にしてくださいね?」

凛「そ、それくらい分かってるにゃ!」

希「…花陽ちゃんが真姫ちゃんと秘密の特訓かーなんか意味深やね!」ワクワク

海未「なぜ希はテンション上がっているのですか?」

希「いや~昨日の話の続きやん!花陽ちゃんが真姫ちゃんの手に~なんて」チラッ

凛「真姫ちゃんは凛の手でこらしめたから大丈夫だよ!」エッヘン

希「いや~分からんよ~。幼馴染は結ばれないって法則、結構有名やん」

凛「え~、そんな―」

海未「そうなのですか!?」グワッ

希「うわっ、海未ちゃん怖い怖い、怖いから!」

海未「し、失礼しました…」///

希「それに、花陽ちゃんが話してくれたんやけど…」

希「真姫ちゃんと話すようになったきっかけって結構ドラマチックらしいやん」

凛「そ、そういえばそんなこともあったにゃあ…」ガクガク

海未「確か花陽が学生証を拾って、自宅に行って、いろいろ話をして―」

海未「μ's加入に繋がったんでしたっけ??…よく知りませんけど」

凛「うん、かよちんがアイドルに憧れてるって話すの、滅多にないことだし…」

凛「真姫ちゃんも応援してくれるって、言ってくれたみたいなんだ」

希「そしてその真姫ちゃんとの関係は、やがて恋愛感情に―みたいな!」

凛「……ないない、ないよ希ちゃん!もしそうなら、凛が気づくと思うもん!」

凛「ウソつくときの癖も知ってるし、そもそもかよちんは凛にウソなんかつかないよ!」

希「まぁたしかに隠し事をするにも向かないタイプかも知れんな~」

海未「もし万が一そうなった場合は、花陽は凛に真っ先に相談するでしょうね」

凛「でしょでしょ!やっぱり海未ちゃんもそう思うよね!」

凛「……それに…」ボソッ

希「それに?」

凛「…かよちんは可愛いし、いつかは…その…彼氏とか…出来ると思うんだ。」

凛「それはね、かよちんが決めることだし、凛はそれでも――」

凛「ちょっと胸は痛いけど…かよちんと一緒にいるよ?」

海未「凛?」

凛「でも…彼女ができるのは…」

凛「……なんか…取られたみたいで…ちょっと嫌かな…」アハッ

希「凛ちゃん………なんか―」

凛「はい、この話はおしまい!かよちんは可愛い!まじえんじぇーにゃ!」

海未「…話題を変えましょうか。他のユニットの進行状況に比べると、私たちのユニットは―」

海未「結構頑張っているペースです。このまま怠けることなく、本番までいきましょう!」

のぞりん「はーい…」

海未「ここはもう少し頑張ってください…」

希「そういえばえりちのユニットは、にこっちと真姫ちゃんが些細なことで突っかかって―」

希「『なかなか練習が進まないの』って笑顔で言っとったわ」

海未「笑顔でいいんですかそれは」

希「穂乃果ちゃんたちの所は?花陽ちゃんもいるし、2人は何か聞いとらんの?」

海未「活動自体は話し合いがメインみたいですよ、昨日穂乃果とことりから聞きました」

凛「へー、そうなんだ?」

海未「で、何を話しているのか聞いたらあからさまにはぐらかされたので―」

海未「―きっとマカロンがどうとか話しているんでしょうね。花陽に申し訳ないです」ハァ

凛「まぁそれならかよちんも全力で乗っかるにゃ」ウンウン


希「いやいや、サプライズ的なの用意しとるんじゃない?ワイワイ楽しそうやん」

海未「むぅ…そうなるとなんかのけ者にされたみたいでなんか癪ですね…」ムム

凛「あとでかよちんにも聞いてみるにゃ!」ビシッ

凛「でもみんななんだかんだ仲良くやってるみたいだね!凛たちは…」チラッ

希「たしかに楽しいけど…」チラッ

海未「って、なぜこっちを見るんですか!?さぁ、帰りますよ!」

のぞりん「はーい」

~1年教室~

ガララ

凛「お待たせ~…って、あれ?」

花陽「り、凛ちゃん!?」ガタッ

花陽「お疲れ様!は、早かったね!」

凛「そうかな?ていうかかよちん1人?まだ真姫ちゃんグループ練習終わってないの?」

花陽「ううん、なんか真姫ちゃん用事があるってさっき帰っちゃった」

凛「えー、凛なにも聞いてないよー!?」

花陽「わ、私もさっき聞いたばかりだから…」

凛「…ところでかよちん、何してたの?そこ、真姫ちゃんの席だよね?」

花陽「えっ!えっと…なんか真姫ちゃんが……」スッ

花陽「…ノ、ノート忘れちゃったみたいで、探してあげてたんだっ」

凛「ノート?真姫ちゃんが忘れものなんて珍しい~」

花陽「う、うん!机にちゃんとあったから、後で真姫ちゃんに教えてあげなくちゃ…」チラッ

凛「真姫ちゃんもうっかりさんだにゃー」

花陽「う、うん…」

凛「じゃあ、かよちん、帰ろー!」

~下校中~

テクテク

凛「学校から2人で帰るの久しぶりだにゃー!」

花陽「そうだねっ」

凛「そういえばかよちんたちのグループはどんな感じ?」

凛「もう振り付けの練習とかしてる?」

花陽「そ、それがまだあまり進んでなくて…」

凛「えぇ!?本番まであとちょっとだけど大丈夫?」


花陽「最近は話し合いが多くて―」

凛「話し合い?」

花陽「うん!?あのね、う、歌の方に力を入れようって話し合ったりしてるんだ!」チラッ

凛「へ~。あ!気になってたんだけど休憩中とか、かよちん達ってどういうお話してる?」

花陽「え!?ど、どういうって…?」

凛「かよちんが穂乃果ちゃんとことりちゃんと、どういうこと話してるのか想像つかないにゃ~」

花陽「そ、そうだな~ご飯の話とか、好きな…お菓子の話とかかな」チラッ

凛「にゃは!やっぱり!結局想像通りだにゃ!」

花陽「ははは…」モジモジ

凛「凛の知らないようなお話してたらどうしようかと思ってたけど期待を裏切らないにゃ~」スタスタ

花陽「…ふぅ…」

凛「マカマ~カマカロ~ン」スタスタ

花陽「あ、あのね!凛ちゃん!」

凛「うん?どうしたの?」クルッ

花陽「えっと…あの…」

凛「…?」

花陽「…ちょ、ちょっと寄り道しない?」

~公園~

凛「はい、あったかいココアだよ!」

花陽「ありがとっ!凛ちゃん、お隣にどうぞ」ニコッ

凛「はーい!よいしょっと…」gkgk

凛「ココア暖かいにゃ~…」フゥ

花陽「でもやっぱりちょっと寒いね…」

凛「もぎゅー!」モギュ

花陽「り、凛ちゃん!?」///

凛「"皆でもぎゅっとあったかい!"っていつだったか穂乃果ちゃんが言ってたにゃ」

花陽「穂乃果ちゃん何言ってるの…」

凛「どう、暖かい、かよちん?」ギュー

花陽「う、うん…」///

凛「凛もあったかいにゃ~…ここは凛の特等席にしよっと!」

花陽「でもココア冷めちゃうから、先に飲んじゃったほうがいいよ?」

凛「そ、そうだったにゃ!」ガバッ

凛「ゴクゴク……ふぅ~…」

花陽「もう冬だね。ちょっと前までこの時間明るかったのに…」

凛「そうだねー。もう薄暗い…あ、かよちん!上見て!」

花陽「上?」

凛「うん、もう星が見えるよ!ほら、あれ一番星かなー」

花陽「あ、ほんとだ…」

凛「あ!あっちにも!向こうにも見えるにゃ!」

花陽「ちょうど夜との境目、って感じだね」

凛「綺麗だにゃ~…お星様ってなんだか面白いよね」

花陽「うん?どういうこと?」

凛「最初はそれぞれ、一つ一つ別々の光だけど―」

凛「気がづいたらみんな集まって夜の空って舞台で輝いて…」

凛「なんか…凛たちみたい」ボソッ

花陽「凛ちゃん…」

凛「なーんて!希ちゃんがいたらこんなこというんだろうな~って―」

花陽「凛ちゃん」ガシッ

凛「かよちん?…どうしたの?」

花陽「あのね、私…μ’sに入って、ほんとに成長できたと思うんだ」スッ

凛「かよちん…?」

花陽「私一人じゃ見れない景色もたくさん見れたし…」

花陽「μ’sの皆とも巡り会えた…あれもこれも全部、昔から私を引っ張って…」クルッ

花陽「導いてくれた、凛ちゃんの…おかげだよ!ありがとう!」ニコッ

凛「!?」///

花陽「ふぅ…」

花陽「…でね、凛ちゃん。凛ちゃんに、どうしても伝えておきたいことがあるんだ」

凛「な、なに?」


花陽「…あのね……じ、実は…―」


真姫「あれ?あそこにいるの、凛たちじゃない?」

にこ「こんな所にいるわけ…ああ、いるわね」


りんぱな「!?」


真姫「やっぱり、凛と花陽じゃない。」テクテク

にこ「あんた達がこんな所にいるなんてねー」テクテク


凛「…」

花陽「…」


にこ「あ、あれ?なんかお取り込み中だった?」

凛「う、ううん!大丈夫だよ!ところで、真姫ちゃん、勝手に帰っちゃうなんて酷いにゃー!」

真姫「勝手にって…花陽に言っておいたけど?」ハァ

にこ「ていうかこんな公園で何してたのよ?あんた達、家もっと向こう側でしょ?」

凛「あー…ちょっと疲れたから休憩してたんだにゃ!」

凛「それより真姫ちゃん、にこちゃんとどこ行ってたの~」ニヤニヤ

真姫「何よその顔は…別になんてことないわよ」

にこ「えーっ、真姫ちゃん、さっきまであんなに楽しそうにしてたのにぃ~」ニコニーモード

凛「え~!?にこちゃんなになにー!?詳しく聞かせて~」チラチラ

真姫「そ、そんな訳ないでしょ!もう知らない!帰る!」スタスタ

にこ「え、ちょ!そんなマジギレしなくても!」

凛「あー!にこちゃんが真姫ちゃんいじめたにゃー!」

にこ「珍しくノってきたと思えば!?覚えときなさい!」

にこ「あんた達、暗くならないうちに帰りなさいよ?真姫ちゃーん!ちょっとー!」スタスタ

凛「あはははは、にこちゃんは相変わらずだにゃー、ねぇかよちん――」クルッ



花陽「……っ」グワッ



凛「かよちん!?」///


花陽「…あ、ごめんね!えーと、なんだっけ!?」アハハ

凛「え…えーと…なんでもないない!」


凛(かよちん…何、今の……)


凛「そ、そういえば!さっきかよちん、何を言おうとしていたの?」

花陽「えぇぇ!?えーと…ううん、また今度話すね!」

凛「そ、そっかー!あ、あはははは」


凛(そんな顔…)


凛「じゃあ、凛たちも帰ろうか!」

花陽「そ、そうだね!」ニコッ


凛(凛、初めて見たよ…)


――――――

~ 翌日 ~
~ 屋上 ~

凛(あんなかよちんの表情―)

凛(凛はかよちんのこと、なんでも知ってるつもりだったけど………)

凛(まだまだ知らないこと、あったのかな)

凛(そしてあの時…凛は驚いたのと一緒に……)

凛「ちょっとドキドキしたにゃ」///

海未「そうですか。ではもっと、私とドキドキしましょう」ニコッ

凛「海未ちゃん!?うわっ!」ドテッ

凛「っ、いたたたた…」スリスリ

海未「……凛、今日は練習に身が入っていませんよ?大丈夫ですか?」

希「凛ちゃんが元気ないの、珍しいね」ヒョイ

凛「ご、ごめんね!ちょっと悩みごとが…」

凛(今このドキドキの謎を話せるのは…海未ちゃんと希ちゃんしかいない…のかな…)

希「凛ちゃん?」

凛「あのね、ちょっとお話…聞いて欲しいんだけど…」

希「もしかして、花陽ちゃんのこと?」

凛「ええええぇぇぇぇ!?なんで分かったのぉ!?」

海未「さすがに私でもわかりました、ここ最近花陽の話しかしてませんからね」ハァ

凛「ええ!?凛ってそんなに分かりやすい!?」

海未「はぁ、まぁそれはいいんです…ケンカ、ではないですよね?」

凛「う、うん!違うよ!?ただ、昨日…えっと……」

希「凛ちゃん、無理に話さなくてもええんよ?」

凛「だ、大丈夫!…あのね、昨日かよちんと一緒に帰ったんだけど―」

とりあえずここまでです。

後半は明日の夕方か夜あたりから再開したいと思います…

レスありがとうございました。
再開します。

――

希「なるほどー…儚げな表情を見せた花陽ちゃんにドキッとした凛ちゃんかー」

凛「要約しなくていいにゃ!」///

海未「それでドキドキしていた、と言っていたのですね」

凛「なんで凛はドキドキしちゃったんだろ…凛、分からないや…」///

海未「なるほど…」

希「凛ちゃんは花陽ちゃんのこと、好きなんやろ?」

凛「うん。でもそれは幼馴染として―」

海未「もしそう思ってるのが凛だけだとしたら、どうします?」

凛「えっ…それってかよちんは、凛のことなんかどうでもいいって思ってるってこと!?」

海未「違いますよ!逆です、逆」

凛「…逆?」

希「つまり、花陽ちゃんは凛ちゃんと幼馴染以上の関係になりたいと思ってるかもってことやね」

凛「そ、そうなのかな…」

海未「凛。私は…昨日、凛が言っていたこと、わかりますよ」

凛「海未ちゃん?」

海未「私にも、今まで何をするにも一緒だった2人の幼馴染がいます。」

海未「2人を守るのは私だ、なんて、そんなことを思っていたものです」

海未「…しかし、次第に2人を…友情とは別の感情で見るようになっていました」

凛「…」///

海未「戸惑いました。なんでこんな気持ちになってるのか、自分でも分かりませんでした」

海未「だから私は、思い切って2人に告白しました」

のぞりん「えぇぇ!?」

海未「そんなに驚くことですか?ていうか、希は私たちの関係を知っていたのでは!?」

希「いやー、さすがに知らんかったわーははは…」

凛「そんなことがあったのにゃ…」

海未「コホン…はい、結論から言うと、2人は私の気持ちを受け入れてくれました」ニコッ

のぞりん「はぁ…」///

海未「凛、幼馴染が結ばれない、なんて迷信です!」

海未「最初は戸惑います。ふとした瞬間、ほんとに何気ない瞬間、気づくものです」

海未「一緒にいたいという気持ちが、離れたくない、渡したくない、そんな気持ちに変わる―」

海未「でもその気持ちは、本当に大切なものなんですよ」ニコ

凛「海未ちゃん…」

希「凛ちゃん、花陽ちゃんは成長してるんよ」

凛「成長?」

希「だって最強幼馴染の凛ちゃんでも知らない一面発見、ってことは―」

希「花陽ちゃん変わってる。そして、変わりたいとも思ってる。もちろん、気持ちもね」

凛「…?」

希「ウチが勝手に思ってるだけかもだけど、聞いてくれる?」

希「花陽ちゃんは今、一歩踏み出せずに迷っているところだとしたら…?」

希「そこは花陽ちゃんのことなら何でもおまかせ、凛ちゃんの出番やん!」

希「また一つ、新しいところへ、花陽ちゃんを導いてあげるってのも、ええんちゃう?」

凛「希ちゃん…それってつまり―」

海未「決して結論を急ぐ必要はありません。これは凛が決めることですから」

凛「分かった…分かったよ!やっぱり2人は頼りになるにゃ!」

凛「じゃあ凛、今日は先に行くね!ばいばーい!」ガチャバダバタ

海未「ごきげんよう」フリ

希「また明日なー」フリフリ

  
………

海未「…良いのですか?あんなことを言ってしまって」

希「凛ちゃんが変に悩んじゃったのも元はといえばウチのせいやし…」

希「最後までウチが責任もって面倒見ないとね」ウインク

海未「それはほんとですよ?」

希「でも話を聞いている限りだと、凛ちゃん次第じゃ一歩どころか二歩も三歩も進みそうやし」

海未「そうですね。これも私たちの責任ですかね」フフッ

希「そういえばスルーしてたけど、海未ちゃんは花陽ちゃんが"儚げな表情"をした理由分かる?」

海未「独占欲からくる嫉妬ですね」ズバッ

希「サラッと怖いこと言うなー…」

海未「私もそんな邪な気持ちを抱いたことが…って、そんなことはどうでもいいのです!」///

希「今のは自滅やん!」

海未「…凛の話を聞く限りじゃ、凛が真姫とにこをからかってたら…ということみたいですし」

希「…まぁウチも同意見よ?それに凛ちゃんが気付いてくれればいいんやけど…」

海未「凛は花陽のことを一番よく知っているはずです、忘れたのですか?」フフッ

希「ふふっ、そうやね。なら、ウチらも引き上げようか」

海未「はい、そうしましょう」

海未(凛、あなたなら大丈夫です、きっと―)

――

テクテク

凛(分かったとか言って飛び出してきちゃった……)

凛(…海未ちゃんたち、あんなこと言ってたけど…こんなことでかよちんが好きだって気づく―)

凛(にゃにゃにゃ!)ブンブンブン

凛(まだ分かんないにゃ、凛には分かんないにゃ…)テクテク

   
~1年教室~

花陽「へぇ~真姫ちゃんってすごいんだねっ!」

真姫「あ、当たり前でしょー!?私にかかれば朝飯前よ!」

花陽「やっぱり真姫ちゃんってカッコイイ…ね」ボソッ

真姫「な、なによ突然」///

花陽「う、ううん!?何でも…何でもないよ!」モジモジ

真姫「もう、なんなの?……あ、そろそろ凛が戻ってくる時間ね」

花陽「え?…あ、ほんとだ、もうちょっとかな」

真姫「2人で凛を待つのもすっかりお馴染みね」

真姫「花陽とどんどん仲良くなれてる気がするから、別にいいけど」フフッ

花陽「そ、そうだね…」

真姫「でも海未には悪いけど、さすがに凛に同情するわー」

花陽「ふぅー…」スー

真姫「変なスイッチが入った時の海未には逆らえないわよね―」

花陽「…ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「うん?」

花陽「一つ、聞いてもいい?」

真姫「ど、どうしたのよ、改まって」

花陽「私と凛ちゃん…どっちが……」

真姫「え?」

花陽「えっと…えっと…」

真姫「花陽?」

花陽「えっとね、私と凛ちゃん、どっちが大切かなーって…」

真姫「…なにソレ?そんなの決まってるじゃない」

真姫「凛も花陽も、どっちもに決まってるでしょ?」

花陽「う、うん。そうだよね、真姫ちゃんならそういうと思ってたよ!」ニコッ

真姫「もう、ホントなんなのよ」///

 
ガララッ

凛「お疲れさまにゃ~」

真姫「あ、凛、遅かったじゃない、今日もまた海未の話?」

凛「う、うん、まぁそんな…て、真姫ちゃん、なんか顔赤いよ?」

真姫「な、なんでもないわよ!さ、帰りましょ!行くわよ花陽」ガタッ

花陽「う、うん!」ガタッ

凛「ねぇ!…かよちん」

花陽「ん?どうしたの、凛ちゃん」

凛「…ううん!なんでもない!じゃ、帰ろ!」


 
~下校中~

凛「うー寒い寒いっ…」

真姫「ほんとにもう冬ね、ライブももう少しだし」

花陽「ねぇ真姫ちゃん、真姫ちゃんはユニットでどんな話をしてるの?」

花陽「絵里ちゃんと…にこちゃんと」

真姫「別に、普通に歌とダンスの話し合いして…それだけよ」

凛「えー!でもにこちゃんと真姫ちゃんが言い合いばっかりで―」

凛「すごい面白いって絵里ちゃんが言ってたって希ちゃんが言ってたよー」ニヤニヤ

真姫「べ、別に!にこちゃんとはパート割りの話が食い違っただけなんだから!」

凛「でもそれが楽しかったり?」

真姫「う、うん…って、何言わせるのよ!」チョップ

凛「あいたっ!」ベシッ

花陽「…ねえ、真姫ちゃん」

真姫「ん、今度は何よ?」

花陽「にこちゃんと…お付き合いしてたり、する?」


凛「えぇ!?」

真姫「…は?」///

花陽「別に深い訳はないんだよ!ただ、えっと、穂乃果ちゃんたちとそんな話になって…」モジモジ

花陽「ど、どうなのかなーって…」チラッ

凛「どうなの!?」グィ

真姫「そ、そそそそんなわけないじゃない!私が?にこちゃんと?有り得ないわね」///

凛「とか言いながら真姫ちゃん顔が赤ニャッ!」ビシッ


真姫「う、うるさいわね!花陽もなんなのよ、さっきから」

凛「さっき?」

花陽「ううん!何でもない…ただ穂乃果ちゃんたちが気にしてただけで…」モジ

真姫「…明日2年教室に行く必要があるわね…」ゴゴゴゴ

凛「おお、なんか燃えてるにゃ…」

真姫「じゃあ私はここで。また明日ね。」

凛「ばいばーい!」フリフリ

花陽「また明日~」フリフリ

   
凛「…」

花陽「…」


凛(…なんでかよちん、こんな沈黙。今までこんなことなかったのに)

凛「ま、真姫ちゃんも強情だにゃー。絶対にこちゃんのこと気にしてるよねーあははは」

凛(もう話すネタがないにゃあ!)アセアセ

花陽「そ、そうだね!……」

凛「あはは……」

凛(うぅ…海未ちゃんたちとあんなこと話した後だから緊張するよ…)

花陽「…凛ちゃん?」

凛「ううん!」///

花陽「えっと…大丈夫…?」

凛「う、うん!何でもないよ!全然平気!…うん…」フリフリ

凛(ただかよちんに話しかけられただけなのに!なんで凛はこんなに熱くなってっ…)///

凛「…」

花陽「…」

凛(認めるしかないにゃ…凛は…かよちんのことが…)

凛(幼馴染としてじゃない…これは…もっと違う…)

花陽「…ふぅ……」

凛(今しかない…今言わなきゃ!…)グイッ


りんぱな「あ、あのね!」


凛「…え?」

花陽「…あれ?」

凛「えーと…かよちんから…」///

花陽「えぇ!いや、凛ちゃんからどうぞ!」

凛「ええぇ!う、うん…えっとね、かよちん、えっと…」

凛(あ、アレ!?言葉が…浮かばない…浮かばないにゃ!)

花陽「…?」

凛(…ムリムリムリ!言えない!言えないよぉ!)///

凛「…きょ、今日、凛、すっごく大事な用事があるから、先に帰るね!じゃあね!」ダダダ

花陽「凛ちゃん!?」

凛(言えるわけないよ!かよちん、ゴメン!今日はもう1人になりたいにゃ!ゴメン…)

ダダダダダ



花陽「凛ちゃん…また…言えなかった……」

花陽「…もう…限界だよ…」

花陽「凛ちゃん…ゴメンね…」グスッ


 
―――

真姫『で、花陽に何も言えず、逃げて帰ってきたってこと?』

凛「ちょっと言葉が悪くないかにゃ!?」

真姫『でもそうなんでしょ?散々人のこと言っておいて』ハァ

凛「だって真姫ちゃん、絶対にこちゃんが―」

真姫『切るわよ』

凛「待って!真姫ちゃん切らないでよ!」アタフタ

真姫『まぁそれはいいとして、凛、本当に花陽が好きなの?』

凛「ほ、本当…かも知れない…」

真姫『かも知れないって…』

真姫『それに、幼馴染とか、友だちとか、そういうのじゃなくて?』

凛「…うん!そう、絶対!絶対そうなんだにゃ!」

真姫『突然のその自信はどこからくるのよ…』

凛「だって…かよちんが他の人と一緒にいるの考えるだけで―」

真姫『わかったわ、もういいから』

凛「ええ!?もうちょっと聞いてほしいにゃ!あのね!かよちんは昔から…」

真姫『分かったわよ!凛が花陽をどれだけ大事かわかったから!』

真姫『ならそれを花陽にぶつければいいだけじゃない』

凛「…それはそうなんだけど……」

真姫『…関係が変わるのが、怖い、とか?』

凛「それもあるし…かよちんがどう思ってるのかわからないし…」

凛「海未ちゃんも希ちゃんも大丈夫ー、って前提で話してくれるけど…」

真姫『大丈夫よ、絶対に。』

凛「皆のその自信の方がどこからきてるか気になるにゃ」

真姫『そんなの、見てればなんとなく分かるわよ』ハァ

凛「そうなのかな…」

真姫『そうそう。実際、凛はそのとおり、花陽のことが大好きじゃない』ドヤッ

凛「うるさいにゃ!」///

真姫『…花陽も、多分凛を待ってるんじゃない?』

真姫『こういう時は凛が背中を押す番でしょ?』ドヤッ

凛「真姫ちゃん…」

凛「なんかクサイにゃ」

真姫『ど、どういう意味よ!せっかく人が相談に乗ってあげてるのにぃ!』///

凛「あははは!ごめんごめん!」

凛「…ありがとうね、真姫ちゃん。なんか元気出たにゃ!」

真姫『…どういたしまして。応援…してるから』

凛「凛も応援してるからね!」

真姫『な、なんのことよ!』///

凛「えー、誰のことだろうねー凛分からないニコー」ニヤニヤ

真姫『もう!切るから!明日遅刻するんじゃないわよ!』///

凛「うん、本当にありがとうね、真姫ちゃん。また明日―」

  
――――――

~ 翌朝 ~

凛「かよちん!おはよう!」

花陽「おはよう、凛ちゃん。今日も元気だね!」ニコ

凛(色々あったけど…今日もかよちんと一緒に学校に行ける…)

凛(なんか真姫ちゃんに相談したら、変なモヤモヤも吹き飛んだにゃ!)

凛「凛はいつも元気だよ!」ニコニコ

花陽「良かった…いつもの凛ちゃんだ…」ボソッ

凛「かよちん?」

花陽「ううん、何でもない。じゃあ行こうか」

~~~
テクテク

花陽「ふわ~…」ゴシゴシ

凛「かよちん、寝不足?」

花陽「うぇえ!?分かっちゃう?」

凛「凛はかよちんのこと何でも知ってるもんね!」

花陽「何でも…」

凛「夜中にまでなにか考え事してたの?」

花陽「う、うん!そんなところかな…」チラッ

凛「もう、ライブも近いんだし、体調悪くしちゃダメだにゃ」

花陽「うん…今日で終わりにしたいかな…」

凛「うんうん!本当に気を付けないと!」

花陽「うん、ありがと、凛ちゃん」

凛「そういえば昨日、かよちんは何言おうとしてたの?」

花陽「ふぇ!?」

凛「昨日はかよちんの話しも聞かずに帰っちゃったけど…なんだったの?」

花陽「…」ゴクッ

凛「…?」

花陽「ううん、何でもない!大したことじゃないよ…」チラッ

凛「ほんとにー?…でもそうだよね!あ、真姫ちゃんだにゃ!おーい!」ダダダダ

花陽「あっ…」

凛「真姫ちゃんおはよー!」ダキッ

真姫「ヴェェ凛!?」


花陽「…今が…最後のチャンスだった…のかな」


凛「かよちーん!早く来るにゃ!」


花陽「…ホントにゴメンね…」

花陽「待ってよー!凛ちゃーん!」

 
 
 
 
 

――――――

~ 屋上 ~

凛「今日の帰り道、かよちんと2人っきりになった時に言うにゃ!それしかないにゃ!」

凛「…と、そんな感じで1日を過ごしたにゃ…」グッテリ

海未「ふふっ、凛、なにか吹っ切れたようですね」

凛「休み時間も授業の時も、まともにかよちんの顔を見れなかったにゃ」///

海未「授業中は見なくていいんですよ?」

希「やっぱり凛ちゃんは、元気が一番やね」

凛「海未ちゃんと希ちゃんのおかげだよ!さすが先輩!頼りになるにゃ!」

希「ほんまやね~ある意味凛ちゃんの本当の先輩やもんね、海未ちゃんは」ニヤニヤ

海未「元はといえば希が変なことを言ったからでしょう!」///

凛「ううん、希ちゃんが言ってくれなきゃ、凛はこの気持ちに気づけなかっただろうし―」

凛「海未ちゃんがいたから、凛はこの気持ちを受け入れることができたにゃ…」

凛「だから、ありがとうございましたにゃー」ズサー

海未「ふふっ、それはまだ早いですよ。凛」

希「本当の勝負はこれから、やと思うけど?」フフッ

凛「いやいや!本当に本当に、ありがとうー」

海未「しょうがないですねぇ…今日の練習はこれまでです」

凛「ええ!?いつものありがたいお言葉は!?」

海未「今日は何もありません。全部忘れてしまいました」テヘッ

海未「その代わり、明日からはまたみっちりやってもらいますからね」

希「うぅぅ…海未ちゃんが女神様に見えるぅ…」グスグス

海未「希はまだまだ、ここに残ってもらいますよ?」ニコニコ

希「ええ!?」

凛「あははは!やっぱり2人は面白いにゃー」

海未「さて、じゃあまた明日、ごきげんよう」フリフリ

希「頑張ってなー」フリフリ

凛「うん!じゃあ、帰るにゃ!行ってくるにゃあ!」

バタン

 
海未「…では、私たちも帰りますか」

希「ホッ…良かった~うちだけありがたいお言葉があるかと…」

海未「…しかし、本当に良かったんでしょうか?もし―」

希「海未ちゃんは深く考えすぎなんよ。」

希「今までのあの2人を見てたらそんな心配、いらんと思うけどな?」

海未「…そうですね。希に言われると本当にそうじゃないかって思えます」フフッ

希「それはうちの言葉に、スピリチュアルパワーが宿ってるってことでええんかな?」ドヤッ

海未「さぁ、帰りましょうか」

希「海未ちゃーん!」

――――――

ダダダダダ

凛(…かよちんと真姫ちゃんの3人で帰る!)

凛(…途中で2人っきりになる!)

凛(…言える!)

凛「言える…今日なら言えるにゃ!………」ダダダダッ

ピタッ

凛「………」

凛「落ち着こう…落ち着くにゃ…」スーハースーハー

凛「…今日は早く終わったから、いきなり行っちゃうとビックリしちゃうよね」スタスタ

 
~1年教室前~


凛(着いちゃった…着いちゃった…ふぅ)

凛(もうちょっと回り道してから来ようと思ったけど…)

凛「ふぅ…ふぅ…」

凛「って、まだ緊張するには早いかにゃ」アハハ

凛「もう、かよちんと真姫ちゃん終わって―――」スッ



「凛ちゃんのこと考えられなくなるくらい…」


凛「るか―」


花陽「真姫ちゃんのことが大好きになってた――――」


凛「―――――えっ」

ガタン

 
――――――

~玄関~

海未「お待たせしました」

穂乃果「あれ、海未ちゃん!?」

ことり「きょ、今日は早かったんだね」

海未「はい、今日は凛に免じて、少し早く切り上げました。さぁ、帰りましょう」

テクテク

ことり「…なんで凛ちゃん?」

海未「大したことじゃありませんよ。まぁ、願掛けみたいなものですね」フフッ


穂乃果「へぇ~!私たちも、花陽ちゃんの告白がうまくいきますように~って早く―」

ことり「穂乃果ちゃん!!」

穂乃果「…ん?って、あああぁぁ!しまったー!」アタフタ

海未「…花陽の?」

ことり「うん!凛ちゃんから聞いてない!?花陽ちゃん、今日真姫ちゃんに告白するって…」

海未「……はい?」

ことり「だからぁ!今日、花陽ちゃんが真姫ちゃんに告白するって―」

穂乃果「花陽ちゃん、このことは凛ちゃんに最初に伝えるって言ってたけど…」

海未「な、な、な…」ガクガク

穂乃果「う、海未ちゃん?…」

海未「なんでそれを言ってくれなかったのですか!?」グワッ

ことり「花陽ちゃん、凛ちゃんには自分から伝えたいって相談してくれて…」

穂乃果「じゃあ凛ちゃんに言うまで、私たちはこのこと誰にも言わないようにしてたんだ」


ことり「海未ちゃん、ゴメンね…」

海未「いや…私はいいんです…」

穂乃果「今日、花陽ちゃんが真姫ちゃんに告白するって言ったからてっきり凛ちゃんに言っ―」ガシッ

海未「凛は知りません!絶対に知りません!」

穂乃果「ええっ!?」

ことり「海未ちゃん?……うそ…まさかっ…」ハッ

海未「凛!行ってはいけません!!凛っ――」

 
――――――

~数分前~

~1年教室~

ガラララ

真姫「お疲れ様、花陽」

花陽「あっ、真姫ちゃん、お疲れ様」ニコッ

真姫「まったくー、今日も凛が最後ね。早く帰れるように海未に文句言おうかしら」

花陽「…ほ、ほんとだね」アハハ

真姫「…花陽?」

花陽「……」グッ

真姫「ど、どうしたのよ?」

花陽「真姫ちゃん…こんな…自分で作った時間じゃない……」

花陽「でも、今しか言えないから……言いたいこと…言っていい?」


花陽「私、真姫ちゃんのことが…好き…」

真姫「…え?」

花陽「本気だよ」

真姫「ほ、本気って―」

花陽「知ってるよ、真姫ちゃんは私のこと友達だって思ってくれてる…」

花陽「でも、言っておかないと、自分が…自分じゃないみたいで…」グッ

真姫「…そ、それは…」

真姫「………凛は…知ってる…の?」


花陽「っ…」グワッ

真姫「花陽!?」ビクッ

花陽「言いたかった…言いたかったよ?…凛ちゃんには」

花陽「…真姫ちゃんに言う前に、凛ちゃんに言わないとって、決めてたっ…」グスッ

真姫「………」

花陽「でも言えなかった…やっぱり凛ちゃんに引っ張ってもらわないと何もできないんだって…」

花陽「凛ちゃんに言うまでは、絶対に言わないって決めてたのにっ…」グワッ

 
 
花陽「そんなの考えられなくなるくらい、真姫ちゃんへの気持ちは溢れてきて――――」


花陽「凛ちゃんのこと考えられなくなるくらい…真姫ちゃんのことが大好きになってた――――」


ガタン

真姫「花陽…」

花陽「すごい自分勝手だって…分かってる…でもっ!」グッ

花陽「…でもそれくらい、真姫ちゃん……私は真姫ちゃんが…好きです」

真姫「………」

花陽「…」

真姫「…花陽……」

真姫「私は―――――」

 
 
 

――――――

テクテクテク

にこ「真姫ちゃん、まだ教室にいるかなー」

にこ「借りてたクラシックのCD返しそこねちゃってヒャッ!」ドン

ドテン

にこ「いったーっ!」ドテッ

凛「…いっ」バタッ

にこ「ちょっと!廊下を走るなんて危な―」

にこ「って、凛じゃない。もう、そんな廊下を全速力で…」

凛「…っ」ボロボロ

にこ「えっ!?どうしたのよ!?どこかぶつけ―」

凛「にこちゃん…ごめんっ」ダダダダッ

にこ「ちょっと!?凛!?……なんだったの」

海未「にこ!」

にこ「うわぁ!?今度はなに!?」ビクッ

海未「凛は!?凛をみませんでしたか!?」

にこ「凛ならあっちの階段の方に……何があったのよ?」

海未「絶対に、誰にも言わないでください!ありがとうございます!」ダダダッ

にこ「…なによ、ユニット内でケンカでもしたの?」ポカーン

にこ「ま、にこには関係ないことか――――」
 

――――――

「…でもそれくらい、真姫ちゃん―――」

「私は真姫ちゃんが…好きです―――」


「真姫ちゃんが好きです―――」


ダダダダダダッ

凛「……………っ……」グスッ

ガチャ


バタン

凛「はぁ…はぁ…」

凛「屋上に……戻ってきちゃった……」


凛「」ポロッ

凛「…なんでっ…涙……止まらないっ……よぉ…」ポロポロ

バタン

海未「凛!!!」

凛「海未ちゃん…」

海未「凛!本当にすみません!私たちが馬鹿でした!…こんな……」グスッ

凛「…なんで…なんで海未ちゃんまで泣いちゃうの…?」

凛「悪いのは凛なのにっ……なのぃ……」ポロポロ

海未「凛っ!」ダキッ

凛「うぅぅぅ…うわあああああああああん!」ボロボロ

凛「うみちゃんのばかぁ!のぞみちゃんのばかぁ!うわああああああああん」ボロボロ

海未「凛っ…本当に、本当にっ―――」ギュー

凛「まきちゃんのばかぁぁぁ!!うわあああああああん―――――――」ボロボロ

 
 
 
 

 
――――――

テクテク

希「ふふふふ~ん♪」ニコニコ

絵里「なにー希、えらく上機嫌じゃない」

希「なんでもないや~ん、若いってええなあ、って思っとっただけよー」

絵里「…また海未と凛の話?最近仲良いわねー」ブスッ

希「ふふっ、えりち、分かりやすくふてくされとるやん」ニヤニヤ

絵里「べ、別にふてくされてなんか…ないわよ」///

希「えりちのこういう顔を見れるなんて、ウチって幸せもんやねー」ニコニコ

絵里「なによ、またバカにして―知らないっ」テクテク

希「ああ、えりち、冗談よ、冗談。そんな本気で怒らんでもー」

絵里「…ねぇ希…キス、しましょ?」

希「…ええっ!?ここで!?人はいないけど、ここ普通の道やし―」キョロキョロ

絵里「いいじゃないの。私は希とキスがしたい。そして私をバカにした罰……ね?」グイッ

希「なんやえりち…元賢くて可愛い生徒会長の顔しとらんよ」///

絵里「今は世間体なんて気にしないわ。希だけ、希だけ考えたいの…」チュッ

希「ぅっ…ハァ……えりち、こんなとこ見られたら…」///

絵里「あなたのせいよ、希。恋は人を狂わせるって、知らない?」

希「…そんなの、知ってるわけ無いやん」プイッ

絵里「なら教えてあげるわ…どれだけ恋が人をおかしくさせるか」グイッ

希「うん…教えて、えりち―――――」

 
 
 
 

 
――――――
――――――
――――――


(かよちんは変わってる。今まで、引っ張ってもらったなんて言ってたけど…)

(本当に強いのはかよちんの方…逃げ出した凛じゃなくて、気持ちをぶつけたかよちんの―)

(凛とかよちんは近すぎて…大切なものが、見えなくなってたんだ…)

 
~1年教室~

ガララ

凛「おはよ~」

真姫「おはよう…凛、1人…なの?」

凛「うん、かよちんは後から来るってメールがあったにゃ」

凛「真姫ちゃんも先に行ってるって言うから今日は1人で寂しく登校だにゃ」ニャァ

真姫「…ねぇ凛」

凛「なあに、真姫ちゃん」

真姫「…なんでもないわ。」

ガラララ

花陽「…あ、2人とも、おはよう」ニコ

凛「あ、かよちん!おはよー!」

真姫「おはよう…遅かったじゃない」


凛(かよちんは変わってる…凛の知らない、本当に知らないところまで)


花陽「う、うん、ちょっと宿題忘れてて」チラッ


凛(嘘をつくのが、上手くなってる)

凛「かよちんが宿題忘れるなんて珍しいにゃー」


凛(凛は知らない、何も、知らない…)


真姫「凛は人のこと言えないでしょー」

花陽「そ、そんなことないよー」


凛(何も知らなくていいんだ)

凛「もう!真姫ちゃん!朝からほっぺつねってあげるにゃー!」

真姫「ちょ、凛!触らナイデ!」

花陽「あははは…」


凛(やっぱり凛は、このままでいい。このままの2人が大…好き)

チラッ

凛「…かよちん、ちょっと髪切った?」

真姫「!?」

花陽「えぇ!?…わ、分かる?ホントにちょっとだけだったんだけど…」サワサワ

凛「うん!わかるよ!だって…」


凛(それでも凛は、かよちんが―――)


凛「凛はかよちんのこと、なんでも知ってるから―――」



おわり

終わりです。

次はワイワイしたものが書きたくなりました。
レスくれた人、本当にありがとうございました!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月21日 (土) 21:09:24   ID: 5KZJwwMI

いい作品だったよ!おつ!
でも、これ最終的にカップリングはどうなったの?にこまきがあって花陽の恋は実らなかったのか、にこまきなのは勘違いで、まきぱなになったのか?どっち?

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