狼は夢を見る (4)

第1章

行商人は夢を追う

「さて……今日はこの宿に泊まるか」

「ここにうまい酒はあるのかや?」

なん度も繰り返してきたやり取りを今日もまたする
ある意味日課のようなものになってきた
此奴はホロは優しく微笑みながら語りかけてくる

「わっちの居場所はここなのかもしれないな」

「何をバカなことを言っている……お前を故郷に帰す約束は果たせてないぞ」

「そうであったな……忘れてくれ」

ホロは夜の空に浮かぶ月を見ながら呟く
俺の目を見ずに
そんな悲しい顔するな……俺も悲しくなってくる
なんて臭いセリフは俺の柄ではないから言わないが確かにこいつのこんな顔を見ると胸が痛む

「後で林檎を買ってやるそれで許してくれ」

取引を持ちかけるのは行商人だからか
それともこいつを笑顔にさせたいがためか
まぁどっちも当てはまってしまうのだが

「本当か!?本当なのだな!お主様よ!」

尻尾を左右に振りながらホロは言う

「もちろんだ……それに嘘をついているなら分かるだろ?」

こうして今日もこいつとの日々を噛みしめる
いつか終わりが来ても悲しくないよう
こいつの前で涙は流さないために
心の中に刻み付ける

今更ですが狼と香辛料はアニメを見たくらいなのであまり詳しくありません
さらにはホロ、ロレンスなどの口調が定着してないのでコロコロ変わるも思いますがどうかお許しを

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