ーーーー自宅。

弟「…」

姉「…」

弟「…」

姉「最近のドラマは過激ね」

弟「そうなんだ」

姉「前転宙返りキスなんてどうやるのかしら？」

弟「何それみたい」

姉「あなたにはまだ早いわ」

弟「姉さんと一つしか変わりませんが」

姉「反抗期？」

弟「違います」

…ピッ　魔王「一方的っていいよね！ドン！もう一個ドン！嶺上開砲！」

姉「最近のアニメは面白いわね」

弟「そうなんだ」

姉「…」

弟「…」

姉「不満？」

弟「先程から目の前に姉さんの背中しか見えないからね」

姉「姉の背中を見て育ってほしい」

弟「親じゃないのね」

姉「そうよ」

弟「ちなみに退くって選択肢は」

姉「私に死ねと？」

弟「どう解釈してそうなったか聞くのはやめておくよ」

姉「お、重かったら移動する」

弟「重くはないよ」

姉「…」ｽｯ

弟「…」

姉「…のぞかないでね」

弟「お風呂行ってらっしゃい」

姉「…」ﾀ､ﾀ､ﾀ、ｶﾞﾁｬ、ﾊﾟﾀﾝ。

大魔王「照魔鏡」ｷｭｲｲｲﾝ、ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

弟「今のアニメってバトルものかと思ったらトンネル工事なんだ…たまげたなぁ。ってか、だれが見るんだろう？」

一時間後。

ガチャ。

姉「…」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

弟「おかえり、じゃあ入るよ」ｽｯ

姉「待ちなさい」

弟「うん」

姉「押すなよ？絶対押すなよ？って知ってるわよね」

弟「うん」

姉「私はのぞかないでねって言ったのよ」

弟「うん」

姉「どうして来ないの？」

弟「冷蔵庫にちょっと高い苺アイスあるんだけど絶対食べちゃダメだよ？絶対だよ」

姉「分かったわ」ｷﾘｯ

弟「じゃあお風呂行ってくるね」

姉「ちゃんと三十秒数えなさい」

弟「分かった」ﾀ､ﾀ､ﾀ

三十分後。

弟「ただいま」

姉「…」

弟「…」

姉「…」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

弟「隣に座れって？」

姉「そうよ、大切な話があるの」

弟「…」ﾀ､ﾀ､ﾀ、ｽｯ

姉「…」

弟「…」

姉「…アイス、食べちゃダメって言われてたのに食べちゃったわ。ごめんなさい」

弟「上のアイスはダミーで下にまだ何個か買ってきてあるよ。さっきの食べちゃダメって言うのは話の流れで言っただけだから」

姉「…美味しかった」

弟「それはよかった」


数十分後。


姉「…」

弟「…」

姉「…そろそろ寝なさい」

弟「眠いの？」

姉「弟君が寝たら私も寝るわ」

弟「眠いんだね。じゃあそろそろ寝るよ」

姉「おやすみなさい」

弟「おやすみ」ﾀ､ﾀ､ﾀ、ｶﾞﾁｬ、ﾊﾟﾀﾝ。

姉「…」ｼﾞｰ

ーーーー弟の部屋。

弟「…」

姉「…」

弟「姉さんの部屋は隣です。黙ってそこに立っているとホラーになるよ」

姉「ちゃんと寝ているか確認しに来たわ」

弟「部屋入って数分で入ってこられてもまだ寝れないよ」

姉「ホラー…だとしたら弟君は怖くて寝れないって事になるわよね？」

弟「実は怖いのは大丈夫だったりするよ」

姉「少しも？」

弟「姉さんはどちらかといえば好きな方だよね」

姉「ええ、よく借りるわ」

弟「嫌でも耐性がつくよ」

姉「そう…失敗したわ」

弟「明日早いんでしょ？今日は寝といたほうが良いよ」

姉「弟君がそう言うなら寝る」

弟「うん、風邪ひかないようにね」

姉「大丈夫よ。もし寒いなら一緒に寝るって選択肢は」

弟「ないから大丈夫だよ」

姉「…おやすみなさい」ｶﾞﾁｬ、ﾊﾟﾀﾝ。

弟「うん」


ーーーー廊下。

姉「本で読んだ方法じゃダメなのかしら？」ﾀ､ﾀ､ﾀ。

ーーーー朝、弟の部屋。

弟「…」ｽｰｽｰ

姉「…」ｼﾞｰ

弟「…う…ん？」

姉「…」ｼﾞｰ

弟「…おはよう」

姉「おはよう、朝ご飯出来てる」

弟「うん、えーっと、うん」

姉「…」

弟「いま何時？」

姉「五時よ」

弟「早っ！？ちょっと早すぎじゃ…」

姉「弟君がご飯ちゃんと食べるところ見ておかないと」

弟「いつもちゃんと食べてると思うんだけど」

姉「今日は早く出ないと…」

弟「一緒に食べたいってこと？」

姉「…見ておかないと」

弟「…ちょっと待ってて、顔洗ってから行くから」

姉「うん、待ってるね」

ーーーー食卓。

弟「今日は卵雑炊なんだね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

姉「卵が安かったから」

弟「うん、すごく美味しいよ」

姉「…」ｼﾞｰ

弟「どうしたの？」

姉「弟君は生徒会に興味はないのかしら？」

弟「今は風紀委員の手伝いで忙しいかな」

姉「いじめられてないかしら？」

弟「いや、それはないよ」

姉「特に弓道部の」

弟「先輩のこと？特に何もないけど…」

姉「それならいいわ」

弟「…そう？（姉さんって弓道部の先輩と仲悪かったっけな…？）」

ーーーー学校、校門前。

弟「おはよう」

クラス男子「うぃーっす」

弟「シャツ入れといてね」

クラス男子「俺との仲じゃないかー」

弟「今日厳しいから気を付けたほうがいいよ」

クラス男子「あー、あの人も居んのか…あいよ」

弟「賢明だね、ありがと」

クラス男子「また後でな」

弟「うん」

先輩「どうだ？反抗的なやつは居たか？」

弟「特にいませんでしたよ」

先輩「そうか、いつもありがとうな。君が居てくれるおかげで私も楽になった」ﾆｺｯ

弟「そうです？でも女性だけだった風紀委員に自分が居るのはまだ慣れませんけどね」

先輩「今のうちに慣れとかないとな」

弟「どうしてですか？」

先輩「人生で最も大切なのは伴侶だ」

弟「…はぁ」

先輩「ふっ…女だけだと私が女だけしか興味ないような噂があって…」ｸﾞｯ

弟「…あ、シャツ入れてねー」

クラス男子2「わりぃわりぃ」

先輩「聞いてるのか？」

弟「先輩、女性大好きなんですね…びっくりしました」

先輩「違う！私だってその…！」

周囲「！？」

先輩「…ｺﾎﾝ、後で話があるから昼は一緒に食べよう！」

弟「断ります！」

先輩「びっくりするぐらい清々しく断られたな…で、できれば理由を教えてくれるとありがたい」

弟「あー、理由ってほど大したことじゃないんですけどね。まずーー」

1、圧倒的な女子の人気からヘイト（敵意）稼ぎに困らない

2、一部の暴徒化した女子から逃げるのが面倒

3、一部の男子からヘイト（憎悪）を稼ぐ

4、暴徒化した男子から逃げるのが面倒

5、騒ぎを聞きつけた生徒会の介入が怖い

6、後々面倒

7、面倒

8、今日は弁当なので外で食べたい。

9、先輩学食ですよね？

弟「という訳です」

先輩「…うん、全然、全部わからん」ﾊﾟｧｧ

弟「特にどこが分かりませんでした？（いい笑顔だなぁ）」

先輩「後半の君は外で食べたい、私は学食って所だな、なぜか質問になってた」

弟「あーよく気づきましたね。実は姉に既に誘われてるんですよ」ﾊﾊ･･･

先輩「姉･･･生徒会長か･･･」ｷｯ

弟「はい、生徒会長です」

先輩「先約があるなら仕方がない。次の予約を教えてくれ」

弟「あ、一年間空いてません」

先輩「君はどこの人気レストランなんだ･･･」

弟「んー、一つ星ですかね」

先輩「意外とリーズナブルな値段で出してくれそうだな」

弟「行ったことないですけどね。行ってみたいとは思いますけどテーブルマナーとかあるかと思うと」

先輩「面倒なんだな」

弟「はい！」ﾊﾟｧｧ

先輩「君は仕事は頑張るけど人付き合いは適当なのか･･･」

弟「･･･どうでしょう？」

先輩「どうして私は･･･」ｼｭﾝ

弟「元気出してください」

先輩「主に君のせいだ」

弟「そろそろ生徒も少なくなってきましたね」

先輩「遅刻の生徒は居ないようだな･･･感心だ」

弟「じゃあ戻りますか」ﾀ､ﾀ､ﾀ

先輩「･･･読んだ本だとここでイベントのハズなんだが」ﾀ､ﾀ､ﾀ

ーーーー教室。

クラス女子「ねぇねぇ弟くん」

弟「うん、どうしたの？」

クラス女子「生徒会長様って、家でどんなことしてるのかな？」

弟「･･･家で？」

ーーーー家（説明）。

姉「弟君、今日は何食べたいかしら？」

弟「ハンバーグ？」

姉「網脂買ってくるわね、お肉は霜降りがいいかしら？」

弟「姉さん、そこまで本格的にしなくていいよ」

ーーーー風呂。

弟「･･･」ﾌｩ

姉（外）「･･･」ｼﾞｰ

弟「･･･」

姉（外）「･･･」ｼﾞｰ

ーーーー勉強中。

姉「弟君、分からないことがなくても聞いて」ﾆｺｯ

弟「どう反応すればいいか分からない」

姉「･･･そうね。トランプしましょ」

弟「勉強は？」

ーーーー学校。

弟「特に何もないよ[説明削除]」ﾆｺｯ

クラス女子「えー、もうちょっとなにかあっても良いのに～」

弟「何もないよ」ﾊﾟｧｧ

クラス女子「どうしてめちゃくちゃいい笑顔なの！？」

ーーーー授業中。

弟「･･･（学校では完璧、家ではなぜか違和感を･･･一緒に育ってきたのに最近はよくそう思う）」ﾁﾗｯ

ーーーー外、体育。

姉「･･･」ﾀｯﾀｯﾀ

記録係「じゅ･･･13秒」

姉「･･･ふぅ、まぁまぁかしら？」

姉友「いや、まぁまぁじゃないから、陸上部入ればいいじゃんてか入ってよ」

姉「いやよ、これ以上に遅く帰るのなんて考えられないわ」

姉友「家に共働きで親がいないからって弟の世話なんてい･･･」ｿﾞｸｯ

姉「･･･」ｺﾞ､ｺﾞ､ｺﾞ

姉友「いーーやーー必要よね！」

姉「貴女が友人で良かったわ」ﾆｺｯ、ﾀ､ﾀ､ﾀ

姉友「･･･殺されるかと思った」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

姉「･･･」ﾀ､ﾀ､ﾁﾗｯ、ﾆｺｯ

ーーーー弟の教室。

弟「･･･ッ！（見てるってわかった？）」

？「･･･（会長がこっち見てる？しかも･･･営業スマイルとかじゃなくて本当に嬉しそうに笑ってるし）」

弟「･･･」

？「･･･（弟君に向かって？むぅ？？）」

ーーーー休み時間。

弟「んー･･･（次は移動だっけなぁ）」

？「ねぇ弟くん」

弟「ん？」

？「会長がさっきこっち見てなかった？」

ザワッ。

弟「･･･いきなりどうしたの？その･･･女さん」

女「んーさっきさ、会長がこっち見て笑顔だったから気になって」

ザワザワ。

弟「気のせいじゃない？」

女「そうかなぁ、そう言われると気のせいだったり？」

クラス男子「なぁ弟、少し話あるんだが･･･」

弟「･･･」

クラス女子「生徒会長様の話･･･だよね」ｺﾞｺﾞｺﾞ

女「んー、気のせいならいっか」ﾀ､ﾀ､ﾀ､

弟「･･･ふぅ」ﾀﾞｯ

クラス男子「逃げたぞ！追え！！」

クラス女子「弟くん！やっぱり何かあるでしょ！！話せぇええええ！」

ーーーー図書室。

弟「･･･授業、始まっちゃったな」ﾊｧﾊｧ

？「だれ？」

弟「うん！？」

？「･･･」ﾋﾞｸｯ

弟「ああ、女友さん」

女友「ど、どうしてここにいるの？この時間、授業中なのに」

弟「あーあはは･･･（女さんが爆弾落としてくれたって言うのもなんだかなぁ･･･女さんと仲いいし）」

女友「もしかして、逃げてきたの？」

弟「え？･･･よく分かったね？？」

女友「逃げ回ってるの見てるから･･･」

弟「あ、はは･･･そうなんだよね」

弟「でも、女友さんもここにいるのはどうして？」

女友「･･･うん、ちょっと。いろいろありまして」

弟「そうなんだ、お互い大変そうだね」

女友「ふふ、そうかもね」

弟「だけど困ったな･･･授業サボったことバレたらと思うと」

女友「生徒会長･･･お姉さんなんだよね」

弟「そうそう、僕が授業サボったとか聞いたら怒るだろうな」

女友「･･･どうかな、案外怒らないかも」

弟「そう思う？」

女友「うん、生徒会長すごく優しいから」ﾆｺｯ

弟「･･･（なんだろう･･･なんか違和感を感じる笑顔だ。影があるって言えばいいのかな）」

女友「どうしたの？」

弟「ううん、暇つぶしになんか本でも読もうかな。今は戻りたくもないしさ」

女友「そうなんだ、じゃあどんな本をご所望ですか？」

弟「あはは、図書委員みたい」

女友「あのね、弟くん。私は図書委員長だよ？」

弟「え？そうだっけ？？」

女友「まぁ、一人なんだけどね」ｴﾍﾍ

弟「どうして？」

女友「それも、いろいろありまして」

弟「そうなんだ･･･難しいね」

女友「女の子は難しいよー、怖いしね」

弟「怖い？まぁとりあえず小説以外でお願いします」

女友「じゃあ漫画でいいかな」

弟「そんなのあるんだ」

女友「なんてね、私の持ち込み」

弟「あはは、じゃあ見せてもらおうかな」

女友「うん、いいよ」

ーーーー資料室。

弟「図書室の隣の部屋って思ったよりも広いんだね」ｷｮﾛｷｮﾛ

女友「うん、だからいろいろ管理も大変」

弟「一人でやってるんだよね？」

女友「うん･･･そうだよ」ｶﾞｻｺﾞｿ

弟「最初から一人なの？」

女友「･･･」

弟「ごめん、聞きすぎちゃったかな」

女友「ううん、その内にわかると思うから今は話したくないかな」

弟「そっか（ポットが置いてある。電気ついてるみたいだからお茶でも飲むのかな）」ﾁﾗｯ

女友「あった、これだよ」ｽｯ

弟「ん、ああ、ありがとう（少女漫画かと思ったら違った。この漫画なら知ってる）」

女友「お茶でも飲む？」

弟「うん、頂いていいかな？追いかけられて喉渇いてたからさ」

女友「ちょっと待ってね」ﾀ､ﾀ､ﾀ

弟「うん（テーブルもあるし、席は五人分か）座らせてもらうね」

女友「どうぞー」ｶﾁｬｶﾁｬ