新隊員「小隊長、女3曹が特訓って、大丈夫ですか……」(87)

新隊員「小隊長、ボク堕ちちゃうかも……」
新隊員「小隊長、ボク堕ちちゃうかも……」 - SSまとめ速報
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の、続きですがほぼ独立した話です

最初に言わせていただきますが、ホモの話じゃないです……たぶん

・・・男のうち・・・

男「お前さ、週末外出のたびにうちに泊まりに来てないか?」

新隊員「だって小隊長、いつでも泊りに来いって言ったでしょ」

男「そうだけど」

新隊員「やっぱり迷惑ですよね、いくら可愛くても毎週男子が泊まりに来たら……」シュン

男「自分で可愛いって言わないだろう、普通……」

新隊員「いろいろ用事も有りますよね……」シュン

男「特にあるわけじゃ……」

新隊員「いえ、ボクいつも小隊長に甘えちゃってすみません……」ウルウル

男「別に来てくれるのはかまわないから」

新隊員「じゃあ、その方向で……」

男「え?」

新隊員「来るのはかまわないって」

男「そうなんだけど……立ち直りが早すぎないか?」

新隊員「早いのがとりえ」

男「笑点の楽太郎か!」

新隊員「今は円楽になりましたけど」

男「どっちでも良い!」

新隊員「でも、ボク来なかったら寂しいでしょ?」

男「まあな……」

新隊員「カーテンの隙間からこぼれる朝日の中でまどろむボクの姿を見ると幸せに……」

男「なるか!新婚夫婦じゃない!」

新隊員「似たようなもんじゃないですか」

男「似てない!俺はホモじゃない!」

新隊員「わかってますよ、レンタルしてるDVDにその手のはありませんでしたし」

男「勝手に見るんじゃない!?っていうかそんなことはどうでもいいんだ。お前もたまには部隊の女の子と遊びにいったりするほうがさ……」

新隊員「そうは言いますけどね、うちの小隊で彼がいないのって女3曹と幼馴染士長くらいですよ」

男「女3曹か……」

新隊員「小隊長、自分で言ってたじゃないですか。年も上だし可愛くて仕事もできるから気後れしちゃうって。ボクから見たら本当に雲の上の人ですよ」

男「まあそうだろうなあ。あんな人が彼女だったら良いよな」

新隊員「ひどい、ボクというものが有りながら……」

男「だからお前とはなんの関係もない!」

新隊員「冷たいんだから。幼馴染士長のほうがいくらか話しやすいですけどね。でも、そこそこ綺麗だし、背も高いじゃないですか。ボクみたいなチビ、相手にしてもらえませんよ」

男「幼馴染とは子供のころからの付き合いだけど、背が低いぐらいで人を馬鹿にするヤツじゃないよ」

新隊員「そうかもしれないけど……でも、ボクには小隊長がいるからいいです」

男「そういう関係じゃない!」

新隊員「また照れて……」

男「違う!」

新隊員「まあまあ。もう遅いですから、お風呂入りましょう」

男「入りましょう?」

新隊員「背中流しますから」

男「なんで一緒に入る気になってるんだよ!」

新隊員「この間、ボクのこと妹と同じって言ってくれましたよね?」

男「言ったような気もする」

新隊員「妹と入ると思えば別におかしいことは……」

男「おかしい!」

新隊員「おかしければ笑ったら……」

男「パタリロか、おまえは!」

新隊員「えーと……そうだ、戦争映画とか見ると若い隊員が指揮官の背中流してるシーンが必ずあるじゃないですか。部隊の団結の強化に必要なんですよ、一緒にお風呂はいることって」

男「……本当にお前は……余計なイタズラするなよ」

新隊員「わかってます」

男「絶対だぞ」

新隊員「絶対ですよね」

男「ガチなヤツだぞ」

新隊員「リアルなヤツですよね、じゃあ、先に行ってます」

男「……なぜだろう、これだけ念を押したのに嫌な予感しかしない……」

もう一度いいますが、ホモの話じゃないです

・・・お風呂場・・・

新隊員「遅いじゃないですか。茹っちゃうかと思いましたよ」

男「ごめん、ごめん」

新隊員「そこ座ってください、背中流しますから」

男「うん」

新隊員「あ、その前にちょっとこっち見てください」

男「ん、なんだ……? あっ、無い!お前、チン〇どうした!?」

新隊員「本当はボク、女で……」

男「そ、そんな馬鹿な」

新隊員「今まで、男のふりをしていましたが、だんだんつらくなってきて……」

男「信じられない……」

新隊員「まあ、うそなんですけど」

男「へ?」

新隊員「そんな事ある訳無いじゃないですか。入隊のとき身体検査があるんだから、性別間違える訳無いでしょう。脚ではさんで隠してるだけですよ」

男「ああ、そうか」

新隊員「でも、こうしてたら中学生ぐらいの女の子に見えるでしょ?」

男「まあ……な」

新隊員「結構好みでしょ?」

男「う…ん…」

新隊員「ムラムラしませんか?」

男「う……いい加減にしろ!お前がやるとしゃれにならないんだから」

新隊員「ツマンナイノ……ん?しゃれにならないってことはボクに欲情してるってことですよね……浴場だけに」

男「うるさい!」

新隊員「ボクのほうはいつでもO.K.ですけど」

男「さっさとあがれ!」

新隊員「もう、しゃれが利かない人なんだから…ブツブツ…」

男「ハア、行ったか…いつか貞操を奪われるんじゃないかな……」

・・・体育の時間・・・

新隊員「今日は格闘ですね……」ニコニコ

男「うれしそうだな」

新隊員「またペアで練習しましょうね」

男「良いけどさ、変なことするなよ」

新隊員「嬉しいくせに。いつも、半……」

男「嬉しくなんかない!お前が余計なことするからだ!」

新隊員「まあ、いいです。身体に聞きますから……だけど訓練陸曹、来るの遅いですねえ。あれ女3曹が来た」

女3曹「今日の格闘は予定を変更して私が担当します」

ザワザワ

男「へえ、女3曹は格闘もできるんだ?」

新隊員「連隊の選手に選抜される人を別にすれば、格闘も銃剣道も小隊では一番上手いほうですよ」

男「本当に何でも出来るんだなあ。でもなんでこんなにザワついてるんだ?みんな表情が暗いけど……」

新隊員「それはですね、ムチャクチャ練習が厳しいんですよ」

男「女3曹、いつもはやさしいよね?」

新隊員「それがですね……」

女「新隊員、私語をしない!腕立て20回!」

新隊員「はい!1、2、3……」

女「あごを地面につける!」

新隊員「はい!4、5……19,20。ハア、終わった……ということです」

男「なるほど……」

女「それでは、技の展示をします。新隊員こっち来て」

新隊員「え?何で?展示はもっと上手い人のほうが……」

女「私と身長が同じくらいの人はあなたしかいないでしょう?」

新隊員「そうですけど……」

女「じゃあ、みんな見やすい位置に来てください。最初は小手返しから……新隊員、右手で私の胸のあたりをつかみに来て」

新隊員「いいんですか?女の子がしたほうが……」

女「気にしないでいいわ、訓練だから」

新隊員「じゃあ、いきます」エイッ

女 クイッ

新隊員「うわあっ」コテッ

女「という風に倒します」

新隊員「うう、痛い……」

女「では、動作を区切って展示します、新隊員もう一度お願い、ゆっくりね」

新隊員「もう一度ですか…ハア…では行きます」エイッ

女「相手がこんな風に胸に手を伸ばしてきたら、上からつかんで手首を返します。このときしっかりと相手の手首をグイッと上に曲げて」

新隊員「痛いっ!」

女「で、ひじを伸ばして手首を左にひねる」

新隊員「アーッ」

女「相手が倒れたらひざで胸を圧迫します」

新隊員「グフッ、いっ、息が……」

女「敵がまだ反撃を試みる場合には、金的で一気に動きを止めてもかまいません」

新隊員「ウップ……死んだ……まさか本当に当てるなんて…」

女「ゴメン、ちょっと手元が狂っちゃった。では、ペアを作って各組ごと練習を開始してください。新隊員、今日は私とペアよ」

新隊員「なんでこんな目に……」

女「……練習終わったら小隊長のところに付き合って」

新隊員「はい」

・・・幹部室・・・

女「ちょっとお話が」

男「え、なに?」

女「このところの練習を見ていたんですけど、新隊員を少し甘やかしていませんか?」

男「え、いや、そういうわけでは……」

女「新隊員も小隊長が助けてくれると思って手を抜いてるでしょう」

新隊員「それはないです」キッパリ

女「え?」

新隊員「だって小隊長、女3曹のこと怖いって」

女「私が怖い?」

男「バカッ!そんな事言ってないだろう!」

新隊員「だって、女3曹は可愛くて仕事も出来るから気後れするって」

男「だから、怖いなんていってないじゃないか!」

女「あの、小隊長……どっちでも一緒です」

男「あ、そう……」

女「上司に遠慮されてると思ったら仕事しづらいです」

男「ごめん」

女「謝られるような事ではないですけど。私はそんな大した人間じゃないですから」

男「そう思えないんだよなあ。何でも出来てスーパーマンみたい」

女「私は女です」

新隊員「じゃあ、ワンダーウーマン?」

女「もう漫画のヒロインじゃないんだから……それはおいといて、新隊員」

新隊員「はい?」

女「今度練習で手を抜いたら、あの程度じゃ済まさないからね」

男「え。じゃあ、新隊員が痛がってたのはわざと……?」

女「さあ、どうでしょう……では、失礼します……」バタン

新隊員「ね、小隊長。怖いでしょ?」

男「そうだな」

・・・部隊の廊下・・・
幼馴染 ♪♪

新隊員「なんか良い事有ったんですか?ご機嫌ですね」

幼馴染「積雪地訓練が近いから、今度の週末女3曹にスキー教えてもらうの。いいでしょう?」

新隊員「ビミョーなところですね」

幼馴染「なんで?」

新隊員「だって、女3曹って戦技教えるとき人が変わるじゃないですか。ひとつ間違えば冬山強化合宿ですよ」

幼馴染「あ、ヤバイ……そうだ!男を連れてって万が一の時は盾にしよう」

新隊員「小隊長も可哀想に」

幼馴染「あんたも来るのよ、わかった?」

新隊員「ボクにも都合ってものが」

幼馴染「なんか予定あるの?彼女もいないのに」

新隊員「いないですけど、だからって…」

幼馴染「じゃあ、決まり」

新隊員「ひどい。僕の人権は……」

幼馴染「なにそれ?」

・・・スキー場・ゲレンデ・・・

幼馴染「男、あたしに感謝しなさい。あたしのおかげで女3曹とスキーに行けるんだから」

女「幼馴染、ダメでしょう。小隊長になんて口のきき方するの」

男「いや、いいんだよ。子供のころからの付き合いだから」

女「ダメですよ、あんまり甘やかしちゃ。さて、じゃあ練習しましょうか。今日1日でプルークをしっかり身につけてください」

幼馴染「プルーク?」

女「スキーをハの字にしてターンとスピードの制御をする滑り方よ」

男「それボーゲンて言うんじゃないの?」

女「ボーゲンと言うのは曲がるという意味です」

男「へー、でもあれあんまりカッコ良くないよね。ゴジラのチョロQみたいで」

女「カッコを気にするのはガールフレンドと来た時にしてください」

男「……はい」

女「じゃあ、ここのゆるい斜面で滑ってみましょう。じゃあ小隊長から」

男「こんな感じ?」スー

女「初めてにしては上手ですね。次、幼馴染やって」

幼馴染「はい……」スー

女「うーん、私物のスキーならそれでもいいんだけど……官品のスキーはクロスカントリーと同じでかかとが固定されてないでしょ。
だから、もっと板に体重を乗せないと……どうしたの、しかめっ面して?」

幼馴染「どうも靴のサイズが合ってないみたいで……」

女「ショップに行って取り替えてきなさい。怪我するわよ」

幼馴染「はい。新隊員付き合ってくれる?」

新隊員「はい」

・・・レンタルショップまで50m・・・

幼馴染「うぅ……」涙目

新隊員「大丈夫ですか?」

幼馴染「大丈夫じゃない。脱いではだしで行く」

新隊員「雪の上を裸足で歩いたら、霜焼けになっちゃいますよ。ボク行って来ますから、ここで待っててください。サイズは?」

幼馴染「…コソコソ…」

新隊員「ボクより大きい」

幼馴染「うるさい!気にしてるのに……さっさと行って!」

新隊員「すみません、行ってきます」

・・・・・・
新隊員「ハアハア、借りてきました」

幼馴染「走ってきたの?」

新隊員「はい、だって痛いんでしょ?」

幼馴染「……うん」

新隊員「靴脱げますか?」

幼馴染「……なんか滑ってひっくり返りそう」

新隊員「じゃあ、ボクがやります……ヨイショ……スキー靴ってヤツは、しゃがむのも一苦労だな……脱がしますから肩につかまってください」

幼馴染「うん」

新隊員「いきますよ…スポッ…よし。新しい靴準備しますから脱いだほうの足、ボクの太ももにのせといて下さい」

幼馴染「でも汚いから……」

新隊員「水虫ですか?」

幼馴染「違うわよ!」

新隊員「じゃあ、いいでしょ。雪で靴下が濡れちゃいます」

幼馴染「……ありがとう……さっきはゴメンね、八つ当たりして」

新隊員「良いですよ、そんなこと。それに靴のサイズなんか気にするようなことじゃないですよ、幼馴染士長背が高いんですから」

幼馴染「そうは言っても、女の子だからね……」

新隊員「幼馴染士長らしくないですね」

幼馴染「失礼なヤツ……それは良いんだけどさ」

新隊員「なんですか?」

幼馴染「あの二人上手くいかないかな?」

新隊員「あの二人って、小隊長と女3曹ですか?うーん、小隊長が女3曹のこと好きなのは間違いないけど、すっかり腰がひけちゃってるからなあ。
周りがよっぽど盛り上げてあげないとどうにもならないかも。あ、ひょっとしてスキーに小隊長を誘ったのって……」

幼馴染「うん」

新隊員「だけど……」

幼馴染「なに?」

新隊員「子供のころから小隊長と一緒だったんでしょ?そのなんて言うか…良いのかなって…」

幼馴染「そんなんじゃないわ。私は男の妹みたいなものだもん」

新隊員「妹みたいなものですか……」

幼馴染「兄貴に幸せになってもらいたいじゃん、妹としてはね……」

新隊員「難しそうだけど……もし、そうなったら小隊長には今みたいに遊んでもらえなくなるんだろうなあ」

幼馴染「しょうがないじゃない。あたしも一緒よ」

新隊員「"しょうがない" ですか……幼馴染士長って優しいんですね」

幼馴染「今頃気がついたの?人を見る目が無いのね」

新隊員「……」

幼馴染「あたしも無いかもね、さっき……ううん、靴を履き替えるの手伝ってくれてありがとう。これなら痛くないわ。さ、行くよ。」

・・・スキーの帰り道・・・
女「小隊長上手くなりましたよ。プルークはもう大丈夫ですね」

新隊員「ボクは?」

女「あなたと幼馴染は、まだエッジに頼りすぎ」

幼馴染「男より下手なんて納得できない…エコヒイキダ…ブツブツ…」

新隊員「えこひいきか………ん!」

新隊員「ねえ、小隊長。実は女3曹、小隊長のことが好きとか」ヒソヒソ

男「そんな事あるわけ無いだろう」ヒソヒソ

新隊員「わかんないじゃないですか。そうじゃなきゃスキーをわざわざ教えてくれないですよ。それに小隊長だけ褒めてるし……」ヒソヒソ

女「なに二人で内緒話しているの?」

男「あ、なんでもない」

新隊員「女3曹が、小隊長のこと好きなんじゃないかって」

男「あ、馬鹿」

女「私が小隊長のことを?」

新隊員「ひょっとしたらですけど……」

女「……」

男「お、俺が言ったわけじゃないよ……」

女「もし……そうだとしたら?」ジー

男「え、いや、それは、すごく、その……」

女「……なんて都合のいい話、あると思います?」ニコッ

男「……だよね」

女「……」

新隊員「小隊長、元気ないですね」

男「そうかな」

新隊員「女3曹に振られたのがそんなショックだったんですか?」

女「新隊員、人聞きの悪い事言わないで。振ってなんかいないわよ、ねえ小隊長?」

男「う…ん」

女「告白もされてないのに振れないじゃない。それはそうとして、朝から少し元気が無いように見えたんですけど何かあったんですか」

男「今度の中隊対抗の銃剣道 (鉄砲の形をした木刀でする、突きだけの剣道と思ってください) 大会で大将って言われたんだ」

女「それはしょうがないでしょう。競技会の大将は上手下手に関係なく一番若い幹部の仕事ですもの」

男「あんまりやったことないからさ、今から全体の練習に混ざってもみんなのジャマになっちゃうし。どうしようかなあ……」

女「私が教えてあげましょうか?」

男「銃剣道も上手いんだっけ。何でも出来るんだね」

女「そんな事無いですよ。体を動かすのが好きなだけです」

男「ありがたいけど自分の練習は?」

女「WAC(女子)は、対抗戦に出ないから」

男「そうか。助かるよ、是非お願いします」

女「じゃあ、明日から課業が終わったら体育館に来てください。特訓ですね」

新隊員「ねえ小隊長、女3曹が特訓って、地獄が待ってるんじゃ……」ヒソヒソ

男「ちょっとコワイ…」ヒソヒソ

・・・次の日の体育館・・・・・

女「突き方ぐらいはわかりますか?」

男「やったことはあるけど……」

女「じゃあちょっと突いてみてください」

男「いくよ……」ヤアッ

女「ダメです。手だけで突いています。しっかり腰を入れないと」

男「腰を入れる?」

女「ボクシングとかでもいいますよね、腰の入ったパンチって。なんて説明したら良いのかしら……腰を沈めこむって言うか……」

男「こう?」

女「それはヘッピリ腰です。うーんと……チ〇チ〇を前に押し込むような感じです」

男「ち〇ち〇を?」

女「言い直さないでください!私だって好きで言ってるんじゃないんです!」

男「これでいい?」グッ

女「だいぶ良くなりました。でも、そんなチョン付きじゃ審判は旗を揚げてくれません」

男「チョン突き?」

女「チョンと突いたらすぐ下がっちゃうことです。軽くて効果がない突きという事で有効とみなされません。突いた姿勢を一呼吸維持するんです」

男「ふーん。こんな感じ?」ヤア

女「それだと止まりすぎです。そのう……突いた喜びを味わいつつ、次の攻めを準備するって言う感じで……」

男「……」

女「なんですか、その目は!」

男「だって、チンチンを押し込んで、突いた喜びを味わうって……」

女「昔、そういう風に習ったんです!!私が考えたわけじゃ有りません!!」

男「女3曹もそんな真っ赤になるんだね。何があっても冷静な人だと思ってたけど」

女「からかわないでください!私だって恥ずかしければ赤くもなります!私のことなんだと思ってるんですか」

男「でも、その説明で感覚がわかったの?付いて無いのに……」

女「小隊長……」

男「?」

女「セクハラです」

男「え?だってそっちが最初に……」

女「罰として素振り500回」

男「なんで……」

男「……499,500。ハア、きつかったーーー」

女「よく頑張りましたね。だいぶきれいな突きになってきました」

男「そうかな」

女「次は試合の組み立てですけど……下手は初一本(試合開始と同時にひたすらまっすぐ突っ込む戦法)で行けっていいますよね」

男「うん」

女「でも小隊長はそれをしたらダメです」

男「なんで?」

女「負けるから」

男「わからないじゃないか、やってみなきゃ」ムカッ

女「わかります。小隊長は性格が優しいから初一本には向いてません。優しい人は必ず出遅れます」

男「勝負の時は別だよ!」

女「無理です。そんなことをしていたら勝てません」

男「じゃあ、やってみようよ。もし俺が勝ったら……」

女「勝ったら?」

男「勝ったら……」

女「……」

男「……」

女「”付き合ってくれ”、とでも?」

男「う、うん」

女「馬鹿な事やめてください……」

男「馬鹿でもいい。俺は、女3曹のこと……」

女「こんなどさくさまぎれで告白ですか?」

男「どさくさなんかじゃない。ずっと……」

女「私は小隊長が考えてるようなちゃんとした人間じゃないんです。勝手に美化されても迷惑です。
それにもし彼女になったって、小隊長を尻に敷いて言うことなんか聞かないかもしれませんよ、私のほうが年上ですし」

男「俺が言うことを聞く」

女「まったく聞き分けがないんだから……。で、この勝負を受けて、私に何のメリットがあるんですか?負けたら小隊長の彼女にならなきゃいけないっていうのに」

男「え、メリット?……それは……」

女「……そうですね……、次の長期休暇、当直にならないようにして下さい。ちょっと予定が入りそうなので」

男「わかった。受けてくれたら、当直に付けない」

女「公私混同ですね、しょうがない人。そこまでいうならやってあげます」

男「ありがとう」

女「お礼を言われるような筋合いはありません。休暇に当直やりたくないだけですから。じゃあ、いいですか、私の始めの合図でスタートです。一発勝負ですからね」

男「うん」

女「準備いいですか……ではいきます。構えて……始め!!!」

男・女「やああ!!!」バーン

男「……」

女「……」

男「勝った……」

女「きれいな一本でした」

男「けど……」

女「……」

男「攻撃してこなかった……」

女「……」

男「わざと負けたの?」

女「はい」

男「俺のこと馬鹿にしてる?」

女「いいえ」

男「じゃあ何で……?」

女「自分の彼になるかもしれない人が、勝ち目のない博打をしようとしてたらとめるでしょう?」

男「そうかもしれないけど何の関係が?」

女「これって私を賭けた博打でしょ?それに、まともにやって小隊長が勝つ訳無いし」

男「俺にまったく勝ち目が無いって言うのか!」

女「ええ。なのに、やめてくださいって言っても聞いてくれないし。そうしたら私が負けてあげるしかないでしょう?まさか私に勝てるとでも?」

男「当たり前だ!ちゃんと勝負してくれ!」

女「ダメです。一発勝負って言ったでしょ」

男「納得できるないよ、そんな事!」

女「どうして?小隊長が勝ったら、私は小隊長の彼女になるって約束で勝負はじめましたよね?」

男「うん……」

女「私が彼女になったら言うこと聞いてくれるっていいましたよね?」

男「…う…ん……」

女「私に勝ちましたよね?」

男「一応……」

女「じゃあ、素直に私の言うこと聞いてください。私、間違った事言ってますか?」

男「間違ってないけど……なんかおかしい……」

女「おかしくないわ。そうだ、ちゃんと約束覚えてくれてますか?」

男「えーと、なんだっけ……あ、休暇の当直のこと?」

女「ええ。私と小隊長が当直にならないように調整しといてくださいね」

男「え、俺も?きいてないよ!」

女「私だけって言わなかったでしょ?」

男「そうだけど……」

女「どこに遊びに行きましょうか?楽しみだな……」

男「え?じゃあ、予定があるっていうのはこのこと?」

女「それがなにか?一緒にどこかに行くのって嬉しくないですか?」

男「嬉しいけど……男としてのプライドが……こんな八百長で……」

女「もう、しつこいんだから。じゃあ、もう一回だけ付き合ってあげる。私が勝ったら……」

男「……」

女「ハワイに連れてって。まだ行ったことないんです」

男「え、ハワイ?きついなあ……でも、男の意地だ、もう一回!」

女「はいはい、最後ですからね……じゃあ、構えて……始め!!!」

男「や……」

女「やああああ!!!」スパーーン

男「え……速い……動く暇が……」

女「だから勝てるわけないって言ったでしょ」

男「……」

女「パスポートの申請ってどこでするのかしら、付き合ってくださいね♪」

男「うん……」

女「せっかくハワイに行くんだから、新しい水着買おうかな♪。小隊長も一緒に選んでくれますか?」

男「いいけど……もしもだよ、何かの間違いで俺が勝ってたら?」

女「何かの間違いで?無いと思いますけど…そうですね…小隊長に彼女が出来るわけですよね」

男「…うん」

女「小隊長優しいから、彼女が”ハワイ行きたい”って言ってるのを聞いたら、きっと連れて行ってあげると思うんです」

男「一緒じゃないか!」

女「あら、不思議」

男「不思議じゃない!女3曹の手のひらの上で転がされただけじゃないか」

女「それを承知で転がされるのも、男の甲斐性ですよ。さて、じゃあ練習再開しますか。今までみたいに甘やかしませんからね」

男「え?なんで?」

女「私の彼に無様な試合させるわけ行かないでしょ。じゃあ、始めるわよ!」

男「え?あっ!痛いっ!!防具のないところ突かないで!!それ反則って言ってたじゃん。ギャー!助けてーーーー!」

思ったより長くなっちゃった

だから最初に違うと。前にホモじゃないって怒られたので……

・・・ハワイ・・・

女「もう朝か……あ、ダイヤモンドヘッドに虹がかかってる」

男「ハワイはRainbow Stateっていうぐらい虹がよく出るらしいよ。夜見るとすごく縁起が良いんだって」

女「昨日の夜はすぐ寝ちゃいましたね。なんか損した気分」

男「損?虹が見れなくて?」

女「フフッ……朝なのに結構日が強い」

男「カーテン閉めようか」

女「すみません……まだ眠いなぁ……カーテンの隙間からこぼれる朝日の中でまどろむ私の姿を見ると幸せって感じません?」

男「……」

女「なに変な顔してるんですか?私、こんな事言うの似合わない?」

男「いや、おんなじ事言ったヤツがいるんだ」

女「……それって一緒に朝を迎えた人がいるってことですよ」キッ

男「そんなんじゃないよ」

女「誰ですか?怒らないから言って」ジー

男「新隊員だよ」

女「そんな関係だったんですか?そう言えば……」ジトッ

男「何も無いってば!」

女「ふーん」

男「信じてよ」

女「まあ、今回だけは信じましょう。そろそろ起きなきゃ。あ、化粧水取ってくれますか」

男「どこ?」

女「男さんのかばんの底の方」

男「え、いつの間に入れたの?」

女「男さんの荷物つめたの私でしょ。化粧水のビン持ってくるの重たいんですもの」

男「油断もすきも無いな…ゴソゴソ…これかな?知らない箱だけど」

女「こんな軽くないです…あれ、なんか書いてある……餞別、妹二人より…だって。兄弟は、お姉さんしかいないって言ってましたよね、誰?」キッ

男「妹二人…?あぁ、たぶん幼馴染と新隊員じゃないかな」

女「…中身は何かしら…えーと sagami ori……」

男「なんだった……?あっ」

女「小隊長、部下にどういう教育されているんですか?」

男「どういう教育って言われても……ん、手紙が付いてるな、なになに……
女3曹へ、いつも御自分で教育してるように、エッチするかも知れないって時は女性もコンドームもって行かなきゃだめですよ。
荷物をつめるお手伝いしたときになさそうだったので男のかばんに入れておきます……だって」

女「……」

男「俺の教育じゃなくて、女3曹の教育じゃないか。でもこんな事まで指導してるんだね」

女「考え無しに関係をもって、つらい思いする娘を何度も見ましたから……」

男「女3曹も持ってたの?」

女「そんなこと聞きますか?他の男とセックスしたのかって聞くのと同じですよ。デリカシーがないんだから」

男「ごめん」

女「まあ、そういう無邪気なところが小隊長のいいところですけど。私は何年も彼氏がいませんでしたから持ち歩いたことはありません。まったくもう……
こんな事他の子に聞いたらセクハラで訴えられちゃいますよ。あれ、もう一枚メモが……ボクならこんなもの必要ないのに。ボクは二股でもガマンします……って」

男「あ、あの馬鹿なにを……」

女「やっぱり新隊員とそんな関係だったんですか」ジト

男「ち、違うよ。そんなことしてないって」

女「慌てるあたりがよけい怪しいです」

男「本当だよ!」

女「それに妹ってなんですか?男の人って浮気がばれるとすぐ妹って言い訳するんでしょ」

男「幼馴染は幼稚園のころから面倒見てたし、新隊員は見た目が女の子みたいって言うだけだよ」

女「そんな下手な言い訳を信じろと?自分の彼氏がよりにもよって男の子を好きだなんて……」ジト

男「嘘じゃないってば!」

女「じゃあ、私が信じられるようにしてください」

男「えーと、どうすれば……」

女「そんなこと私に言わせるんですか。昨日だって何もしないで寝ちゃうし…ブツブツ…」

男「あ、それは……ドキドキしちゃってどう切り出していいかわからなくって。で、ついビール飲んだらふわっと……」

女「ひょっとして初めてですか?」

男「いや、そんなことはないけど。でもこんな緊張したことは……」

女「私だって……男さん、こっちに来て……」

男「ウン」

女「まだ私のこと怖い?」ハグ

男「少しだけね……」

女「私のダメなところもちゃんと見て」

男「あるのかな?」

女「いっぱいよ……あなたとくっついていないといられないし、ヤキモチ焼きだし。幼馴染や新隊員があなたとじゃれ付いてるのを見てどれだけ腹が立ったことか」

男「え、いつから?」

女「そうね……あなたが私を好きになったときから」

男「最初からって言ってくれないの?」

女「私だって意地があるのよ」

男「……でも、スキー行った時だってつれない素振りしてたじゃん?」

女「だって、私に気があるような顔してるのに何も言ってくれないし。そのくせ私の目の前であの二人とはしゃいでいるんだもの。気分良いわけないじゃない」

男「ひょっとして銃剣道の練習でボコボコにされたのってヤキモチ?」

女「今頃気がついたの?鈍感な彼氏に怒りをぶつけてたのよ」

男「新隊員が、しょっちゅうしごかれてたのも?」

女「それは違うわ。ふざけて訓練したら怪我しちゃうからけじめをつけただけ。ちょっとは感情が入っていたけど……
だけどハワイって良いなあ、あなたを独り占めできるから。何で5泊しか出来ないのかしら」

男「そんな休み取れないよ」

女「そうね。そういえばね、さっきの餞別12個入りなの」

男「ふーん」

女「昨日は使わなかったでしょ。だから、1日あたり3つ……」

男「別に使い切らなくたっていいんだよ!」

女「け、計算上の話よ……でも……」


                                 お わ り

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