ケニー「バキューン!」(44)



《ミカサ》


「ウォール・ローゼが遂に突破され」

「人類はシーナの内側にまで追い詰められた」

「今や壁内は風前の灯」

「そしてこの王都にも、どこからともなく湧いて出た巨人たちが侵入し」

「わずかに残った駐屯兵団が最後の抵抗を試みている」

「しかし王都は既に地獄の有様」

「逃げ惑う人々、巨人に食われる者たちの悲鳴」

「5年前シガンシナ区で見た光景が繰り返されている」



《エレン》


「俺は悔しい」

「一匹残らず巨人を駆逐してやると誓ったのに」

「結局何もできないまま、人類滅亡を目の当たりにしている」

「仲間はみんな死んだ」

「なのに何もしてやれなかった俺」

「究極の役立たず」

「地獄で母さんに顔向けできない」



《ミカサ》


「いいえ」

「あなたにはまだできることがある」


「何だそれは」

「人類を滅亡させないこと」

「でも人類は俺たちのすぐ近くで滅びつつある」

「去りゆく者がいれば訪れる者がいる。私たちの子供を残そうエレン」

「!」

「さあここで。結婚しようエレン」

「今…… するのか?」

「もう時間がない。この地下室なら、巨人も私たちを邪魔することはできない。私を、愛してエレン!」

「ミカサ!」





ドォーン(砲声)





「ミカサ…… こんな真っ暗闇じゃお前の顔も見えねえ」

「私の声を頼りに。もっと近づいてきて」

「こうか?」

「いいえ。もっと」

「そこにいるのか? ミカサ」

「そうここにいるの。きて…… ああエレン、あなたの息づかいが、こんな近くに」

「俺の顔に触ってくれ…… 俺の顔の形が分かるか」

「分かる。私の、この世界にたった一人のエレンの顔が! 私の顔にも、触って……」

「これがミカサ、お前の、顔」

「そうこれが、私の耳。私の目。そして…… これが私の唇、触ってみて……分かる?」

「これが…… お前の、唇なんだな?」

「そう。受け止めてエレン」

「!……」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「さあ。……私を愛して。あなたの思いを、私の中に」

「……少し待ってくれ」

「あわてなくても平気。さあ、……こっ、ここに」

「よし。いくぞ、ミカサ」

「きて。うっ……」



「大丈夫か?」

「……平気。さあ、動いて。ゆっくり。そうゆっくり、ゆっくり……」

「これで…… いいか?」

「いい、それで。……ふっ、ふぅっ、ふぅぅぅっ…… はぁっ、はぁぁぁぁ……」

「ミカサ! お前の中、……気持ち、いいぞ……」


「うれしい…… そう、そう、もっと深く、深い、ところまで」

「これでいいのか?」

「はぁッ! つっ…… い、いい、そ、それで」

「ミカサ!」

「エレン!」

「熱いぞ…… お前ん中」

「言わないで…… エレンも…… すごく熱い! あっ、あっ、あぁっ、あぁぁ……」

「愛してるぞミカサ!」

「ああ、おぉ……、エレンもっと言って!」


「愛してるぞ!」

「私も、エレンをぉっ…… あい、し、てるぅぅぅ」

「俺もだミカサ、はぅっ!」

「ああそんなに急いではっ…… だめぇっ」

「すまねえ……」

「いいの…… うん、そう、それでいいの、私に合わせて、そう、そう、そうっ……」

「これで、……いいんだな?」

「いいのそれで! いっ…… こっ、こんなに…… ひ、気がとおく、なって」






「おい……?」

「……ご、ごめんなさい、あんまり幸せすぎて、もう死んでもいいくらいに」

「死ぬなんて言うな。俺のを全部、お前の中に注ぎ込むまでは!」

「注ぎ込んで…… 私の中に、あなたを全部!」

「俺を愛してるよなミカサ!」

「何を言うの。私が愛するのはエレンあなただけ! さあ休まないで。私を愛して。愛さなければ、子孫は、できな、いっ、いっ、いぃぃぃ……」

「だよな!」

「そう、そう、もっと、もっと激しく! ひっ、ひぃぃぃぃぃ……」

「これがっ、これが、いいんだよな!」

「そうそれが、いぃ、いぃ、いいのぉぉ……」

「ミカサ! まだ、まだだぞ!」

「うん大丈夫、大丈夫だからあっ! エレンが…… い、あんまり、よすぎて」












バキューン












何。今の。



その、唐突な幻聴は幸福の絶頂にある私の脳を不意打ちしたばかりか、いまいましい頭痛までもたらした。


外ではわずかに残った駐屯兵団が戦っている。

しかしあれは砲声でも銃声でもない。

私の体の奥底から沸き上がってくる、呪いのような「声」。


いつもの頭痛には必ず、この幻聴の前触れがあった。


そうだ。これは私にかけられた呪い。
私が最期を迎えるまでつきまとうだろう。



しかし断じて邪魔はさせない。
ここで体をぶつけ合う、それが私たちの戦い。


呪いの声に引きずり落とされぬよう、私は力強く動くエレンの背中に爪を立ててしがみ付く。沸騰する私の体。


離れていくエレンを逃してなるものかと、私は腰をひねる。
そして再び力強さを増すエレン。


熱っついエレンが、エレンが硬く、大きくなって私の中で跳ねる、ああもうじき、もうじきくる、エレンが!


「ミカサアアアアアアアア!」

「エレェェェェェェェンン!」



……とうとうエレンの魂が、私の中に注がれた。

ずっしりと私にのしかかるエレンの重み。荒い息づかい。
汗まみれのエレンの胸板に、押し潰される私の固い乳首。


「泣いてんのか?」

「うん。幸せすぎて」

「ミカサ。かわいいよ」

「恥ずかしい……」

「さあ。俺たちの時間を大切にしよう……」


「ああ、もう、こんなに…… うぁ…… い、ぃ、ぃぃぃぃぃぃぃ」

「気持ち、いいか?」

「いい、きもちいい、そう、そう、そうやって、あ、い、ぃぃぃ」













バキューン












「あ、そんなに激しくして、また気持ちが、とんで、とんでぇぇ!」

「だめかミカサ!」

「だめじゃないぃぃぃぃっ! 全っ然駄目じゃないからもっと激しく、激しく! エレンを感じさせて!」

「大好きだよ…… 愛してるよ!」

「私も、エレンを愛してる、死んじゃうくらいに!」

「これなら、どうだ!」

「! おぉぉぉぉ、何エレンこれ、すご、すごいぃぃぃぃぃ!!」

「受け止めてくれミカサ!」

「あ、だめ、そんなにしたら私、どっかいっちゃう、ひ、やめてエレン」

「いくぞ!」

「だめ、だめだったら、あ、あ、また、ひ、ひ、いいっ、いいぃぃぃぃぃ」



エレンのそれはまた火を噴き、私の意識は壁のはるか彼方まで飛ばされてしまった。


しかし、あの幻聴も一緒についてくる。


ついてきたければついてくるがいい。


お前に邪魔はさせない。絶対。
エレンの汗の匂いが、私を野獣の雌に変えていた。



私たちは互いが上になり下になり、表になり裏になり、5回愛し合った。

すべてを私の中に出しきって、エレンは私に背を向ける。


この日を境に、5という数字は私にとって特別な意味を持つことになった。



私は信じている。
最期を迎えた時、自分の血で5と壁に記し、安らかな顔でこの世界を去っていけると。


「お前は逃げろ。安全な場所で俺の子を産め」

「私も一緒に戦う」

「馬鹿言うんじゃねえ。お前は絶対殺させない。俺が血路を開くからお前はその隙に」

「……分かった」

「生まれてきた子が男だったら、アルレルトって名を付けろ。アルレルト・イェーガー。女だったらカルラだ。母さんもアルミンもきっと喜んでくれるだろう。だからミカサ」

「何……?」

「絶対死ぬなよ」

「うん約束する! エレンも……死なないで!」

「俺は死なねえよ! お前の中で生き続ける!」


エレンは巨人化し、押し寄せる巨人の大群に飛び込んでいった。



……私は後ろを振り返らず馬に鞭を入れ、王都を脱出した。


追いすがる奇行種。

だが私はエレンと約束した。ので、今は戦っている時ではない。
私の中に残されたエレンの魂を育み、実を結ばせる。それが私の役目なのだから。


そしていつの日か、私たちの実は芽吹き枝を張り、大樹となって巨人を駆逐する、一匹残らず!



門は既に破壊されていた。
巨人に食われていくわずかな人々を尻目に、私は瓦礫を乗り越え、一路壁外を目指す。


行く先は、アルミンが言い残したある場所。


ウォール・マリア西方のはるか彼方に、その場所はあるという。


巨人の近寄れない、断崖絶壁に囲まれた台地。もしかしたら人類の生き残りがいるかもしれない。



駆け通しのまま意識が朦朧となると、私はエレンから託された名前を頭の中で復唱する。

ア・ル・レ・ル・ト。

エレンが私を愛した回数と同じ5文字を唱え、私は歯を食いしばり力を取り戻す。



そうやって、無我夢中のうちに過ぎた八昼夜。
それは霧の中に姿を現した。高さ数百メートルはあろう、天然の要害。


馬はそこで血を吐いて息絶えた。後ろから迫る10m級と7m級。後は自分の足しかない。


断崖の麓にたどり着くことができた! 私は自分を奮い立たせ、立体機動で崖を上る。



そして。


……これが頂上。


霧の中に広がる一面の草原。土は肥えているようだ。


人間がいてもおかしくない。誰かいませんか?



誰かいないの?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



雨が降ってきた。

いくら私でも、今は疲労の極にある。雨に打たれながら寝入ってしまうわけにはいかない。
体を休められる場所が必要だった。


夜の帳が降りる前、私は林に分け入り、朽ちた木のうろを見つけてその中に入った。
何とか雨露を逃れることができる。


眠った。
丸一週間の不眠の後の、ほとんど死のような眠り。


巨人のいない土地。いや…… まだいないという確証はないが、他の行き場所を考える余力などとうに使い果たしていた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


失禁するほど惰眠をむさぼった翌朝、崖に沿って左回りする方向へ出発した。
何よりも水を探さなければならない。


霧が深い。


昨夜、わずかな雨水を口に入れただけ。渇きのせいで頭はもうろうとしてきている。

この地形では泉がどこかに湧き出しているとは考えにくい。雨水が小川にでもなっていれば助かるのだが。


崖っぷちから、台地のはるか遠方を望む。川が滝になって崖下に注いでいるような光景は見当たらない。

ひと休みしてから、次第に重くなる足に鞭を入れ再び歩き始めた。崖から離れた平地にも注意を払いながら。


1時間ほど歩いた時だった。

霧の中におぼろげに浮かび上がる、妙に懐かしい形。

近づくにつれ、懐かしい形は次第に輪郭を鮮明にした。やがて私の前に現れたのは、崩れかけた木造の家屋。


人間が!?



私は渇きと疲労も忘れて走り寄った。軋む扉を開き、人の姿を探す。「どなたか」と声をかけてみた。返事はない。

そもそも誰かが住んでいる気配がない。


少なくとも数年前までは人間が住んでいたはずだ。こんな安全な場所を捨ててどこかへ移動してしまったのか? それとも?……


中は後回しにし、家の周囲をめぐり歩く。
ありがたいことに、裏手に井戸が! 釣瓶の綱を引いてみればずっしりとした手ごたえ。

私は心ゆくまで水を飲んだ。


台所には種籾もあった。ひとまずここに腰を落ち着けることにしよう。
私は野戦糧食の最後のひとかけらを口に入れ、水で飲み下した。



冬が来るまでの間、私は森で獣を仕留め、薪の確保に努めた。やがて冬。
最低限の食糧と燃料で野生動物のように越冬した。


エレンが元気でここにやってくる夢──その先何十回も見ることになる夢──の後で涙するたびに、私は自分に言い聞かせる。

寂しいことなんかない。私の中に、エレンはいるのだから。


雪が解け、私は水が温み始めた頃合いに土を耕し種籾を撒く。

冬に入る前から感じていた胎動が次第に強くなっていった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



穀物の穂が色づき始めた頃、私はエレンの子を産んだ。男の子だった。約束通りアルレルトと名付けた。


何も疑うことを知らない、その安らかな寝顔。私はアルレルトに語りかける。
お前がいつか、父さんとアルミンおじさんの代わりに海を見るのよ。



だが私には、その前にしなければならないことが残っている。



歳月は流れ、アルレルトは7歳になった。私は水鏡に映った自分の顔を見る。

重なる労苦のせいで髪の半ばは白くなり、目尻や額には深い皺が寄って、とても23歳には見えない。誰が見ても40歳以上と思うだろう。


「アルレルト座りなさい。お前に話しておくことがある」

「何? お母さん」

「お父さんの名前を言ってごらん」

「エレン…… イェーガー」

「そう。お前はエレン・イェーガーの子。人類反撃の使命は、父さんからお前に託されている。そのためにしなければならないことを言うから、よくお聞き」



アルレルトはただならぬ私の表情に、すっかり怯えた様子だった。

無理もない。過酷な環境に生きているとはいえまだ7歳なのだ。でも、残酷な世界は子供だろうと赤子だろうと容赦はしない。


「生き残った人類は私たちだけ。だから私たちだけで、人類を増やさなければならない。お前がもう少し大きくなったら、母さんとお前で子供をつくる。これをよっく覚えておきなさい」


壁内が健在だった頃なら、これは許されない罪悪。しかしエレンの意思をここで、途切れさせてしまうわけにはいかない。

どんな細い糸でも、未来に繋げ、人類反撃の端緒とする。これがイェーガー家の宿命!


「そして生まれた子の中に女がいたら、その子とお前でまた子供をつくる。その頃には母さんは年を取って役に立たないだろうから、お前たちで頑張る。いいね」


「そんなこと……しなきゃいけないの?」

「忘れてはいけない! お前は、最後まで巨人と戦い抜いたエレン・イェーガーの息子。お前とその子供たちがいつか巨人に反撃し、一匹残らず巨人を駆逐する! それが父さんの遺志。絶対に忘れてはならない」

「……」

「分かった? 分かったら返事を」

「はい……」


『おさな子には辛すぎる』──そんな曖昧な言葉が通用した、穏やかな時代は去った。
エレンが兵士だったようにこの子も兵士にならねばならない。

いずれ私が戦い方を教えよう。



しかし、それから間もない嵐の夜。



たたき付けるような雨と雷鳴の中を、何かが近づいてくる。

野生動物の直感で私は寝床を離れ、アルレルトを床下に隠した。自分は梁の上に飛び上がり、息を潜めて待ち構える。


外の足音は戸口の前でいったん止まった。

そして朽ちかけた扉を騒々しく蹴破り、逆巻く風雨とともにそいつは乱入してきた。



「イヤッホォー! 憲兵様登場! 人類が滅びても対人制圧部隊は永遠に不滅です! なーんちって、バンバン!」

「おーい、いねえのかミカサ? いるんだろ姿見せろよ。リヴァイ亡き後歯ごたえのありそうなのはおめえぐらいしかいなくなっちまったんだからよ、俺の相手をして! お願い!」

「だめなのぉーぅん? 確かガキもいるんだよな? おめえより先にガキが死んでもいいの? いいわきゃねえよな!」


刃を今まで大事にとっておいてよかった。

間抜け野郎の後頭部が見えたところで、梁に潜んでいた私はブレードを振りかざし襲いかかる。だが…… やはりそんな簡単な相手ではなかった。



「ガシーン! とばかりに受け止めましたぁ。いいよ銃は使わねえ。俺もブレードで相手してやらあ」

「……一人か」

「逢い引きは1対1でするもんだろねえちゃん…… と言いてえとこだが、老けたなぁおめえ。いろいろ苦労あったんだろうな」

「ほざけ!」


私の方から仕掛けた。

しかし、どれほど鋭く斬り込んだつもりでも、ことごとくかわされてしまう。ケニーの反撃を受け止めるのがやっとだった。


強い…… この歳でこの身のこなし。化け物か。



「衰えたなミカサ。ガキの世話と野良仕事にかまけて鍛錬を怠ってたんだろう? じゃあ行くぜ!」


初手の斬撃をやり過ごした次の瞬間、脇腹を狙った刃をかわしきれなかった。深く抉られ血が噴出する。

だめだ、これまでと諦めが脳裏をよぎった。

ケニーの姿が見えない…… うろたえる間もなく、背中から胸へと貫き通された。


「俺の勝ち! さあてガキはどこかな?」

「もうそろそろ死に時ですよ隊長」

「何ィ?」


……銃声?


「うッ…… てめえ、何しやがる……」


薄れゆく意識の中、崩れ落ちるケニーの姿が見える。その後ろに女が一人。



「あなた、もうやることないんでしょ? いつまで生きてるつもりですか」

「バカたれ…… 俺には夢が……」

「ふん…… やっと死んだ。坊やそこに隠れてるんだろ? 出ておいで」

「お母さんお母さん! 死んじゃったの!? ……お母さんを殺したな!」

「いいえ。お母さんは悪者を倒して、お父さんのところへ行ったの。おいで。おばさんと一緒に行こう」



アルレルト強くなるのよ。お前は、エレン・イェーガーの、息子……



・・・・・・・・・



ミカサ「……という夢を見たのです」

リヴァイ「それで?」

ミカサ「これ以上は、特に」

リヴァイ「……そんな話を俺に聞かせてどうしようってんだ」


ミカサ「エレンがいない今、話せるのは兵長ぐらいしか…… というより、人類の記憶が改竄されているとしたら、こんな夢にも何か情報が隠れている可能性があると思ったので」

リヴァイ「ただ誰かに話したくて仕方なかった。それだけじゃねえのか?」

ミカサ「違います」

リヴァイ「そうか? エレンの種を宿したお前を除き人類滅亡。お前はエレンの子を産んで、ケニーに討ち取られた後ガキは女に連れられどこかへ。……どういう変態だてめぇ」

ミカサ「あなたに言われたくありません」

リヴァイ「エレンにならいくらでも言われたいか?」

ミカサ「その質問に答える必要が?」

リヴァイ「別に。それにしても、エレンとヒストリア奪還に全力を挙げてる最中だってのに縁起でもねえ。他の連中の耳には入れるな」

ミカサ「……分かりました」

リヴァイ「一応報告として受け取っておく」

ミカサ「ありがとうございます。それから、あの」

リヴァイ「何だ?」



ミカサ「バキューン」



・・・・・・・・・



ジャン「おい! やっぱりどこにもいねえぞ!」

コニー「何だって!? どこ行っちまったんだよこんな時に!」

サシャ「アルミンも買い出しに行ったまま戻ってこないし…… 残ってるの私たちだけですか?」

ジャン「落ち着けよサシャ…… 何かの用事で出掛けてるだけかもしれねえだろ? 外を捜してみるわ」

コニー「おい! まさかお前……」

ジャン「心配か?…… ハハ、捜すったって遠くまで行きゃしねえよ。その辺を回ってみるだけだ」バタン




コニー「俺たちに何も言わずに、二人そろって何しに行ったんだ……」

サシャ「逢い引きじゃないですか?」

コニー「それはあり得ねえと思うぜ」

サシャ「そんなことよりコニー、ストヘス区でお肉とってきたんですよ。ジャンのいないうちに食べませんか?」

コニー「お前…… 盗んできたのか!?」

サシャ「そんな人聞きの悪い! 食料の現地調達ってやつですよ」


コニー「現地調達? ものは言いよう、つーか、そういうもんじゃねえのは俺でも分かるぞ」

サシャ「じゃあ、どうしますこれ?」

コニー「……今さら返しにも行けねえな」

サシャ「でしょ? 見つからないうちに食べちゃいましょうよ」

コニー「俺を共犯に引き込む気かよ。……仕方ねえ、よし食うか」

サシャ「やったぁ! コニー大好き」

コニー「うまいこと言いやがって! ……何だ?」



サシャ「バキューン」



・・・・・・・・・




やっぱりあの二人できてたのか? まさかそんな。


……いや、よく考えてみろ。そうに違いない。それが現実ってもんだ。


最近妙に二人一組で行動することが多くなってると思ったら、そういうわけだったのか。

で、手に手を取って駆け落ち? それは、いくら何でもあり得ねえよな……


とはいえ、死に急ぎ野郎もいい面の皮だぜ。

ミカサもミカサだ。中年男にコロリと参っちまいやがって。



よかった。早まって告白なんぞしたらとんだ赤恥かくところだった。

はぁ…… どうしてこうも…… 夢か幻ばかり見ようとしてんだ俺は。


ん? あんなところにいやがった。まったく、手間取らせやがって!


ジャン「捜したんですよ兵長! ミカサお前何やって…… ?」



リヴァイ「バキューン」
ミカサ「バキューン」



エルヴィン「バキューン」
ハンジ「バキューン」
エレン「バキューン」
ヒストリア「バキューン」
アルミン「バキューン」
ピクシス「バキューン」
ザックレー「バキューン」
ナイル「バキューン」
アンカ「バキューン」
子鹿「バキューン」
リコ「バキューン」
マルロ「バキューン」
ヒッチ「バキューン」



ミケ(霊体)「バキューン」
ナナバ(霊体)「バキューン」
ゲルガー(霊体)「バキューン」
イアン(霊体)「バキューン」
ペトラ(霊体)「バキューン」
オルオ(霊体)「バキューン」
エルド(霊体)「バキューン」
グンタ(霊体)「バキューン」
ハンネス(霊体)「バキューン」
ソニー(霊体)「バキューン」
ビーン(霊体)「バキューン」
ニック(霊体)「バキューン」


カルラ(霊体)「バキューン」




ケニー「バキューン!」






えっなにこれこわい

何事

おつ

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