こま「玉兎、お団子本当に大丈夫ニャ？」

玉兎「こまと義鷹と食べようと思ってたら味野に取られただけだからもういいわよ……ここのおいしいって担当が言っててさ。こま、朝から七号室の掃除してたでしょ。疲れたかなと思って」

味野「なんや兎にもええとこあるなー。お、小猫の茶はうまいなぁ！　最高や！　ご褒美にアメちゃんやったるわ。ついでに兎にもな」

こま「ありがとニャー」

玉兎「あ、ありがと……ちょっとビー玉なんか食べさせないでよ！」

味野「ひっかからんかったか」

こま「危ないからやめてニャ！」

味野「おーおー悪かったわ、二度とせんわ、ごめんな小猫」

玉兎「……はぁ」

義鷹「庭にいたけど味野のじーさん湧いてたのか」

玉兎「あ、おかえり。仕事どうだった？」

義鷹「ンー、ぱっと倒して終わりだったな。お、団子じゃん」

玉兎「返り血洗ってから食べなさいよ、取っておくから」

義鷹「おう」

味野「お、なんやワシの分か」
ひょいぱく

玉兎「あ、ちょっと」

義鷹「あれ、俺の団子は？」

こま「味野さんいい人だけどお菓子つまんじゃうのは良くないニャ」

味野「すまんのう、死んでからもハラ減って仕方ないんや」

こま「そ、それは困るニャ。そしたらこまが味野さんの好きなものがんばって作るニャ」

味野「肉球で料理したら危ないさかい、来世で作ったってや」

こま「ニャー……。味野さん、何が好き？」

味野「中華やなー、チャーハンとか。エビがごろごろしててぱらっとしたのが好きや」

こま「がんばるニャ！」

こま（肉球かわいいって言ってもらえるのも嬉しいけど、お料理したいニャー）

味野「小猫が火傷したらいかんから、兎のねーちゃんに作ってもらおうや」

こま「ニャー、今度ぜったい味野さんにチャーハン作るニャ！」

味野「おうおう、楽しみにしとるわ」
頭ぽんぽん

玉兎「義鷹、夕飯なにがいい？」

義鷹「肉」

玉兎「あ、私チャーハン食べたいな。海鮮のやつ。ちょっと材料買ってくる」

義鷹「え、肉は？」

玉兎「こま、買い物？　一緒に行く？」

こま「ご一緒するニャ。玉兎は今日の夕ご飯はどうするニャ」

玉兎「エビ入れてチャーハンかな。あと義鷹がお団子食べそびれたし、胡麻団子でも作るわ。こまもチャーハン食べる？」

こま「いただきますニャ、あ、もしよかったら、その」

玉兎「はいはい、味野の分もね」

こま「ありがとニャ」

玉兎「どういたしまして」

玉兎（味野はほんっとこまにだけ甘いもんね。そりゃ懐かれるわ）

お仙「探偵さん、お腹すいたよー」

義鷹「うお、いたのか」

お仙「こまニャンが私の部屋掃除してたけど、新しい人入るのかな？」

義鷹「聞いてねーけど、そうかもな。人間じゃねえならいいけどどうだかな」

お仙「今度は私見て逃げない人がいいなー」

義鷹「………」

メフィスト「おや、お買い物ですかナ。こまさんに玉兎さん」

玉兎「学校終わったの、おつかれ」

こま「お疲れさまニャー」

玉兎「ちょうどいいから荷物もってよ」

メフィスト「Ｏｈ……ミーでよろしければ。あとは寄るとこはありますかな？」

玉兎「お米まだあったっけ？」

こま「そういえばちょっと減ってきてるニャ。良いですかニャ？」

メフィスト「チョイスに悪意を感じますが、持ちましょう……おいしい夕ご飯期待しております」

味野「おー小猫、出かけとったんか！　寂しかったわ」

こま「ただいまニャ！　味野さん、今日は玉兎が夕飯にチャーハン作ってくれるニャ」

玉兎「メフィストも食べる？　チャーハン」

メフィスト「ご相伴にあずかりマース！　荷物持ちをした甲斐があったというものデスネ！」

玉兎「はいはい、じゃあできたら呼ぶから、みんな適当に休んでな」

味野「あーうまかったな、味わからんけど」

こま「え、そうなのニャ」

味野「一応死んでもうたしな、しゃーないわな」

こま「そっか、じゃあ味野さんにチャーハンは本当に来世になってからになっちゃうニャ」

味野「小猫のつくるものは全部うまいに決まっとるわ、気落ちすんなや。アメちゃんやるさかい元気出しや」

こま「ありがとニャ、味野さん大好きニャ」

義鷹「メフィーのおっさんよ、ここ、誰か新しいやつがくるのか？」

メフィスト「ああ、そういえばそんなことを聞いたような気もしますね」

義鷹「ふーん、人間？」

メフィスト「おそらくは」

義鷹「３日」

メフィスト「不毛な賭ですな。１ヶ月」

義鷹「俺が勝ったら煙草おごれ」

メフィスト「では私が勝ったら倉庫の整理を手伝ってください」

義鷹「俺の分が悪すぎね？」

メフィスト「半年を過ぎたら相殺しましょう」

義鷹「入居者なしでもな」

メフィスト「それは大穴ですなぁ」