バーバラ「みんなに会いたい……」(30)

夢の世界(上の世界)───

ルビス「おや?バーバラ、どうしたのですか?」

バーバラ「あ、この声は………?ルビス様ですか?」

ルビス「ええ………。何か悲しい声が聞こえてきましたので……。」

バーバラ「だ、だってあたし………、魂の状態なんですよ?」

ルビス「そういえばあなただけ魂だけの存在でしたね……」

バーバラ「そうなんです。どうにかしてみんなと会いたいんです!」

ルビス「そうですね………。」

バーバラ「みんなともう1度会える方法ってないんですか?」

ルビス「1度ではなく、ずっと会える方法ならありますが……。」

バーバラ「本当?!レイドック王子にもまた会える?」

ルビス「会えますが、ただ………。」

バーバラ「ただ何ですか?」

ルビス「夢の世界と現実の世界が完全に切り離された今簡単に会う方法は不可能に近いです。」

バーバラ「そんなのは分かってます!」

ルビス「みなさんが亡くなれば、夢の世界へと行けることもできますが……。」

バーバラ「みんなが亡くなるの何年後だと思ってるのですか……。」

ルビス「ですよね……。あと60~70年は生きてしまいそうですね。」

バーバラ「他に方法はありませんか?」

ルビス「デスタムーアかムーアの血と私の涙を併せれば特殊な液体ができますが………。」

バーバラ「えー。あんな大魔王の血を採って来いって言うんですかあ?!」

ルビス「でも、デスタムーアもムーアもあなたたちによって葬り去られた今それも不可能ですね。」

バーバラ「そ、そんな………。」

ルビス「ちょっと待ってください。」

バーバラ「はい……。」

ルビス「バーバラ、よく聞いてください。」

バーバラ「なんでしょうか?」

ルビス「この宇宙には何億、何兆、何京、何垓という星、惑星があります。」

バーバラ「それがどうかしましたか?」

ルビス「こんなに多い星があれば『ムーア』という名前の人もいるでしょう。」

バーバラ「確かにいるかもしれませんが、あたし他の星の人のことなんてわかんないですし。」

ルビス「それは残念なことに………。更にもっと残念なお知らせが……。」

バーバラ「え?」

ルビス「100万人規模を喜ばした3人のムーアの新鮮な血を採血することです。」

バーバラ「ちょ、ちょっとそんなの無理です!」

ルビス「いいえ、あなたなら出来るでしょう。」

バーバラ「そ、そんな………。」

ルビス「助言は私がします。」

バーバラ「ど、どこに飛ばされるんですか……?」

ルビス「それは私にもわかりません。」

バーバラ「ちょ、ちょっと冗談でしょ!」

ルビス「冗談ではないです。ただ、空気のある星のみに飛ぶと思われます。」

バーバラ「ず、随分適当ですね……。」

ルビス「それでは準備はいいですか?」

バーバラ「準備はってルビスさまの能力ですか?」

ルビス「はい、私の能力です。デスタムーアが死んでから修得したものです。」

バーバラ「で、実際に使ったことは……?」

ルビス「ありません」

バーバラ「えー、じゃあどうなるのかわからないですか?」

ルビス「もちろんです。」

バーバラ「ちょっとそれは勘弁してください!」

ルビス「どうせこのまま生きてても魂のままですし、冒険したほうが楽しいですよ?」

バーバラ「確かにそうですけど……」

ルビス「それでは『ルビス特製生活お助けセット』を渡しますね。」

バーバラ「は、はあ……。」

ルビス「他の星に行く、ということはお金も生活様式も全て違うのでそのアイテムを用意しました。」

バーバラ「短時間なのに用意いいんですね。」

ルビス「ここ数ヶ月のあなたの様子を見て用意してました。」

バーバラ「ルビス様………、見てたんですか?」

ルビス「ごめんなさい、バッチリと。」

バーバラ「ち、ちなみにこのお助けセットはどれくらいの星で通用できます?」

ルビス「およそ5000~1万程度ではないですか?」

バーバラ「え?!す、少ない……。」

ルビス「生き物が住んでる星は全体の中でもわずかなので、そのうちの5000~1万ですよ?」

バーバラ「生きてる星の数の全体数がわからないから多いのか少ないのかもわかんないです。」

ルビス「そうですね。では、どこかの星に飛ばします。」

ルビス「あなたはその星に飛ばされたら仮初めの姿としていられるようになります。」

ルビス「そしてあなたが唱えられる呪文は『ルーラ』ただ1つのみ。」

バーバラ「ちょ、ちょっと!」

ルビス「ごめんなさいね。それが『仮初めの姿』の弊害なんです。」

バーバラ「わ、わかりました……。」

ルビス「ではいきます。『ア・ラー・バーバラ・ソーメン!!』」

ルビス「お?どうやら成功したようですね。」

バーバラ「私はどこに行っちゃうの?!」

ルビス「わかりません。バーバラにご加護がありますように。」

バーバラ「ちょ、ちょっと──!!」

??───

バーバラ「ここどこ……?」

バーバラ「見たこともない物がたくさん……。」

バーバラ「高い建物や塔がたくさんある!!」

バーバラ「レックたちと冒険した世界と全然違う……!」

バーバラ「人、人、人だわ!」

バーバラ「女の子たちが色んな服装をしてる……。」

バーバラ「本当、ここどこ……?」

ルビス「バーバラ、聞こえますか?」

バーバラ「人が多くてちょっとうるさいかも……、路地裏のほうに……」

ルビス「このような大都市では私の声が聞こえにくいのは仕方ないですね……。」

バーバラ「ルビスさま、すみません。どうぞ。」

ルビス「あなたが飛ばされた場所が判明しました。」

バーバラ「はい………。」

ルビス「『ちきゅう』という星にある『おおさか』という都市だそうです。」

バーバラ「おおさか……?」

ルビス「はい、大阪です。日本という国の中の一都市です。」

バーバラ「ふーん……。」

ルビス「どうやらこの国は東京という都市を首都としているようですね。」

バーバラ「とうきょう、ねえ……。」

ルビス「日本第3の都市らしいですね……。」

バーバラ「そうなんですか。それよりも早くムーアって人を捜しましょうよ。」

ルビス「それは貴方がすることですよ。」

バーバラ「ルビス様のばかぁっー!!」

バーバラ「全くもう………。」

黄黒男A「よう姉ちゃん、そこで1人で何ブツブツ言ってんねん?」

バーバラ「え?」

黄黒男B「バカとか誰に言うてんねん?」

バーバラ「あ、あー、ただ知り合いとの思い出でちょっとイラッとしたことがありまして…。」

黄黒男A「そないなことか、気にせんでええんちゃうか?」

黄黒男B「せやせや。よく見たら姉ちゃんカワイイ顔してんなあ。ちょっくら俺らと付き合ってくれんか?」

バーバラ「あたしの頼みを聞いてくれるんならいいけど?」

黄黒男B「よっしゃ、決まりや。」

バーバラ「ムーアって人を捜しているんだけど……?」

黄黒男A&B「ムーア……?」

ルビス「バーバラは楽しんでいるようですね。」

ルビス「さてと、ムーアの城が殲滅した今、新たな悪い魔物に憑りつかないようにしないといけませんね。」

ルビス「その前にお茶を一杯………」

ライフコッド───

ターニア「はあ………。」

ターニア「レックにいちゃん………、また会いたいなあ……。」

ランド「ターニア~」

ターニア「きゃ!!」

ランド「ターニア、またあの王子のことを考えてたの?」

ターニア「ら、ランド?!私の独り言を聞いてたの?」

ランド「ごめんけど、聞いちゃった。」

ターニア「もう!!聞き耳を立てないで!ところで仕事は……?」

ランド「やめちゃった。俺にあわないもん。」

ターニア「………。やはりレックにいちゃんのほうがいいなあ……。」

ランド「なんで?どうして?王子がターニアと簡単に会えるわけないじゃん。」

ターニア「だってレックにいちゃんは私の大切なおにいちゃんだよ?」

ランド「いや、血は繋がってないだろ?」

ターニア「それはそうなんだけど……。」

ランド「それとさ、一国の王子と村娘では身分の釣り合いがとれないよ?」

ターニア「わ、わかってるわ……。」

ランド「だったら俺と、な?いいだろ……?」

ターニア「ええ………。またぁ………?」

ランド「いいじゃんか。ターニア1人暮らしは大変だろ?」

ターニア「それはそうだけど……。村の人たちの助けもあるし、ちゃんと生活できてるから……。」

ランド「でもそろそろ結婚したほうがいいんじゃないの?」

ターニア「………。」

ランド「また来るから。それまでに返事ちょうだい。」

ターニア「………。」

ターニア「もう来なくていいのに……。」

ターニア「レックにいちゃん………、また会いたいよぉ………。」


サンマリーノ───

ハッサン「よーし、これで完成だ。」

弟子「師匠、どうでしたか?」

ハッサン「お前にはまだまだだな。」

弟子「そ、そんなあ。」

ハッサン「俺に弟子入りしてからまだ半年、技術のへったくれもねえ!」

ハッサン「5年は修行は必要だ。」

弟子「なかなか厳しいですね……。」

ハッサン「当たり前よ。俺なんぞ幼少期から技術を叩き込まれたんだぞ。」

ハッサン「この年齢で棟梁になるのはどれほどの腕があるのか察しろ。」

弟子「あ、はい。」

ハッサン父「ハッサン、もうじきらしいな。」

ハッサン「ああ。レイドック城のお抱え大工になれるなんて俺には夢みたいだ。」

ハッサン父「また俺の元を離れるのか。」

ハッサン「親父、今度は家出はない。独立だ。王から見込まれての要望だ。」

ハッサン父「レイドックの王子がハッサンと一緒に戦っただけでも俺には誇りに思う。」

ハッサン「親父に言われると照れてしまうぜ。」

ハッサン父「まあ、とりあえず頑張るんだ。自慢の我が息子よ。」

ハッサン「親父………。」

弟子「師匠、頑張ってください。」

ハッサン「お前もな、あと4年は親父の下で修行を積むんだ。」

弟子「はい!」

ハッサン父「出発はいつになるんだ?」

ハッサン「明日にでもなるだろう。」

ハッサン父「そうか……」

ハッサン「今まで世話になった。」

ハッサン母「ハッサン、頑張るのですよ!」

ハッサン「おふくろ……」

ハッサン父「今日は前祝いでパーッといくか!!」

ハッサン「いいな!」

ハッサン母「それでは準備しないといけませんね。」

ハッサン父「それは楽しみだ。」

ハッサン母「あ、そうそう。前町長さんが死体で発見されたそうよ。」

ハッサン「はあ?」

???───

チャモロ「出してくれー!!」

チャモロ「誰か助けてくれよ~!」

兵士「誰が助けにくるものか!」

チャモロ「僕は何も悪いことしてない!」

兵士「はあ?幼女を襲うとしたじゃないか!け!」

チャモロ「僕は愛しようとしたんだ!」

兵士「うるせえ!黙っとけ!!」バシ

チャモロ「痛いッ!!」

前町長……


そーいやあの町のカップルは別れさせられた後どーなったっけ……

>>25
何故かサンディがサンマリーノに戻ってくる

ベッドの前でジョセフの前でいちゃつく。

家では2人でラブラブ

>>25
ベッドの前でジョセフといちゃつく ねw

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