御曹司「友達になってください」(44)

御曹司「おはよー」

モブ1「お、おはよ」

モブ2「あ、御曹司くんは、速いね」

御曹司「ああ。今日は早起きしてな。まあ、いつもだけど!」

シーン

モブ1「あ、あはは」

御曹司「・・・・」

放課後

御曹司(今日も退屈だった)

メイド「お車にお乗り下さい、今日はどうでした」

御曹司「早く出して」

運転手「・・・」ブロロロ

御曹司「車の中も暇だな」

メイド「音楽をおかけしましょうか。私の趣味ではありますがフジファブリックの陽炎でも…」

御曹司「君の趣味は聞き飽きた。君の好きなモノ以外なら受けつけよう」

メイド「失礼致しました」

御曹司「全く…ん、あれは??」

御曹司(また滑った…)ズーン

御曹司(生まれて此の方16年、生きてきて友達と呼べるものはいない)

クズ「あ、御曹司くん。おはよー」

御曹司「あ、ああ」

クズギャル「やめときなってー」

クスクス

御曹司「・・・」

ミスった

2と3逆

??「あーあー」

御曹司「迷子か?」

メイド「あら可愛いですね」

御曹司「君の意外な一面が伺えた」

メイド「そうではなくて、あれ」ユビサシ

御曹司「犬、か?」

犬「きゃん」

迷子?「あー」スリスリ

御曹司(あの迷子、誰かに似てる…)

御曹司「停めろ」

キキーッ

メイド「…犬は買えませんよ」

御曹司「お前には関係ないだろ」ガチャ

迷子?「あー、あ?」

御曹司「君は誰かに似てるな、クラスメートの…」

長男「三男! 探したぞ!」

御曹司「思い出した。長男くんだ」

長男「あ、御曹司…」

御曹司「ん?」

長男「ん?」

三男「あー」

長男「珍しいな。御曹司、何時も車じゃないか」

御曹司「あ、いや… その」

御曹司(言えない。友達になりたいナンバーワンの長男君に似てるから歩み寄ったなんて、言えない)

長男「ハハッ 変わったやつだな。ほら行くぞ三男」

三男「いーやー」首フリフリ

御曹司「がーん」

長男「がん? 眼? 癌?」

御曹司「いや!なんでも、なんでもないです!」

長男「そっか。んじゃまた明日」

三男「うー。 …あー!!! あー!!!」ウワァァン

長男「ほら、泣くな」

御曹司(また明日…)

御曹司「あ、あの…」

長男「どした」

犬「きゃんきゃん」

御曹司「これ…」

三男「?」

ガチャ

メイド「どうなっても知らないですよ」

御曹司「お呼ばれされた。明日およばれ!」ワクワク

男母「ただいまー」

長男「おかえりなさい。ご飯の用意はできてるよ」

男母「ありがとー長男! いや、全くできた子だね!」

長男「母ちゃん、早く手を洗う」

男母「はいはい。…おっと、忘れてた」セイザ

男母「あなた。今日もみんな無事に健康でした」

長男(御曹司、か)

男母「長男は次男と違っていい子に育ちました。天国でもどうか」

長男「あーもー! 余計なことは言わない!」

御曹司(およばれ!およばれ!)

授業中

御曹司(楽しみ)

昼休み

御曹司(早く早く早く早く)

放課後

御曹司(長男と、今日は友達に)

長男「御曹司いるかー?」

御曹司「長男君!」

長男「うわ元気いいな」

モブ1「ざわざわ」

モブ2「がやがや」

御曹司「あ、ごめ。その声」

長男「あはは。行くぜ、犬も見たいしな」

御曹司「その事なんだけど」

長男「?」

御曹司「コソコソ」

長男「ほうほう、それでいいよ」

御曹司「わ、分かった」

長男「んじゃ後でライン交換しよ」

メイド「お送りします」

御曹司「ん、どどした? 早く乗って」

長男「oh…」

長男「…なんつーか思ったよりスゲェ」

御曹司「そ、そう?」

長男「・・・」

御曹司(窓の景色見てる…)

長男「なあ」

御曹司「あの」

長男・御曹司「あっ」

長男・御曹司「先にどうぞ」

長男「・・・」

御曹司「・・・」ドキドキ

\目的地に到着しました/

メイド「着きました」

長男「あ、有り難うございます」

メイド「いえいえ」

メイド「では運転手さん、またご連絡します」

長男「メイドさんもうちに来るんすかー」

メイド「粗品をお渡ししてお暇します」

長男「いえ、入るかな、と。うちの家狭いんで」

御曹司「狭い?」

長男「うん、上がっていってよ。昔犬も買ってたから色々言えるかも。この階段登ってって」

御曹司「なんだ。結構あるじゃないか。外国車ではないが数はあるし箱型の建物の横には数字も降られている。数字がついているコレが全部長男のものか」

メイド「ぼっちゃん…」

カクカクシカジカ

御曹司「・・・メイド。先程の話、長男には言うな」

メイド(恥じている。初めて見ました)

長男「おし、開けた。どうぞどうぞ」ガチャ

メイド「ではお先に」

御曹司「お邪魔します…あ、あの」

男母「長男の母でございます。長男を宜しくお願いします」ドゲザ

長男「もー!! 折角仕事早く終わったんだし寝てろよ!!」

男母「だって長男が彼氏を連れてくるなんて!」

長男「彼氏じゃねえよ!! 変態じゃねえし、いやまあ三男を迎えに行ってくれたのは嬉しいけど」

御曹司「ここは暖かいな」

メイド「…はい」

男母「へー、御曹司くんの両親は出張でいないのね」

メイド「そうなのでございます。あ、この漬物美味しい」

男母「んふーっ 長男のお手製なの! 食べてって食べてって」

長男「あー三男…。涎が出てますよー」フキフキ

三男「あー」

男母「いやあ、まさか御曹司って噂に聴いていたけど、本当にメイドさんまでいるんですね」

メイド「私なぞ到底及びません」

男母「またまたー」

御曹司「・・・」ニコニコ

長男「あ、わり。ライン交換してなかったな」スッ

御曹司「え?! あ、ああ。うん」スッ

長男「フルフルするぞ」

御曹司「うん」

長男「フルフル好きなんだよ」

御曹司「僕も」

長男「お、ライン送れたか。画像は犬か。綺麗になったな」

長男「マジサンキューな」

御曹司「いや、いやいや別に。その代わり」

長男「その代わり?」

御曹司「友達になってください!」

モブ1『あ、あはは…』

御曹司「あっ」ハッ

御曹司(また滑って…長男「ふっ あはは」

御曹司「え? 何? ん?」

長男「なんだよ、もう友達だと思ってたぜ」ニカッ

御曹司「え、うん。だよね」

御曹司(長男は、よく笑うやつだ。だから友達になりたかった)

メイド「・・・・」

プルルルル

長男「はいはい、長男ですが」ガチャ

メイド「あ、長男さん。ちょっとお話が」

御曹司「?」

御曹司「ただいま」

御曹司「帰ったのはいいものの、私以外住んでいないな」

犬「きゃんきゃん」

御曹司「あークローゼットに閉まっておいたのに」

メイド「後でちゃんと世話をさせていただきます」

御曹司「ああ。頼むぞ」

御曹司(初めての友達…)

ピロリン

御曹司(わっ 初めて鳴った)

御曹司「今日は歩く事にした。迎えは必要ない」

メイド「…ですがそれは」

御曹司「良い。二度言わすな」

御曹司「今日もいい天気だ。こんなに清々しいのは久しい」

お呼ばれら数日後の学校内

御曹司(早く…来すぎたか)キョロキョロ

モブ1「・・・」

モブ2「最近さ、御曹司ウザくない?」ヒソヒソ

モブ1「思った。中学の時のようにまた調子乗るんじゃない?」

モブ1「言えてる」クスクス

御曹司(わざと言ってるんだろうなあ)

モブ2「金持ちだからって 長男「おー、おはよう 御曹司。朝強いんだな」

男子「はえーよ長男…。 あれ、この人誰」ユビサシ

長男「人差し指を向けるな。ほら前話しただろ」

長男「ほー。なら犬は元気なんだな。注射とか受けさせろよ」

御曹司「お、うん。わかった。そうする」

長男「画像見るに可愛くなってるな」

御曹司「綺麗になったからねぇ」

男子「・・・ほら、モブが呼んでるぜ」

長男「あ、悪い。じゃな、御曹司」

御曹司「うん。じゃーね」

御曹司(今日は違和感なく話せたかな…)

男子「それお前の不始末だろ!」

ワハハハ

長男「あはは」

男子「・・・」ジッ

男子「授業怠い」

長男「眠くなってくる」

モブ女「わかるー。私もー」

長男「お前いっつも寝てるだろ」

モブ女「えっ 酷い…」

あははは

御曹司(早くならないかな放課後)

御曹司(帰る約束をするんだ。あーでも邪魔になるかな)

長男「変わらねぇなぁ」

男子「うっせ」

御曹司(休み時間に聴いてみよう!)

御曹司(別に悪いことでは、ないよね)

男子「今日どこで食べる? 食堂?」

長男「人少ないとこ」

御曹司「あ、あの!」

ざわっ

長男「何?」

御曹司「あ、え、放課後空いてる?」

モブ女「男子、あいつウザくない?」コソコソ

男子「・・・あぁ」コソコソ

長男「いやー、ご飯は美味しいなあ!」

男子「五月蝿いよお前」フフ

取り巻き「あはは」

御曹司「あは、あはは。ねぇ長ー 男子「それよりもさ」

取り巻き「がやがや」

御曹司「輪に入れない」ウッ

長男『もう友達かと思ってたぜ』ニカッ

御曹司「・・・ねぇ! 長男!!」

長男「お。なんだよ御曹司」

男子「ちっ」

御曹司「一緒に帰ろう。そうだ、犬も見せてあげるよ」

長男「お、それいいね。見てみたい。家の方向は…」

御曹司「なんと同じ。バスに乗ろうバスに乗りたい!」

長男(三男に似てるな)

放課後

男子「長男… ちょっとトイレ行こうぜ」

御曹司「あ、なら俺も」

男子「あ、いいです」

御曹司(敬語?!)

御曹司「・・・」ポツーン

長男「意地悪は良くないぞ」

男子「ハァ? 何言ってるのお前」

取り巻き「そうだよ、どうしたの」

男子「あんなやつ、友達じゃねえよ」

お手洗い

長男「なぁ、俺そういうの苦手なんだよ」

男子「ハァ お前はいつもキラキラしてんな」

長男「輝き? 俺は普通に接してるだけだよ」

男子「お前は街灯で虫は寄ってくる。お前が間違えれば皆路頭に迷うんだよ」

長男「お前、中二病だったのか…」

男子「と、とにかくだな!! その、ええと」

取り巻き「気にくわない?」

男子「そう、気にくわないんだ!」

長男「そうか。わかった」

男子「長男…」

長男「俺は陰口良くないと思うぞ。心配すんな、分け隔てなく接するさ」

クズ「いいの?」

男子「あんな奴に今までの場を乱されて溜まるかよ」ハッ

御曹司「バス初めて乗る…」

長男「えっ そうなの。あ、そっか車か」

御曹司「うん。車で味気ない、父親が五月蝿いんだ」

長男「心配してんだろー」

御曹司「そーだけど、なんかない? そんなの」

長男「あるなぁ。まとわりつくのとか」

御曹司「わかる」ビシッ

長男「何それ あはは」

犬を見て帰ったあと

長男「三男、ちゃんと『さよなら』と言わなきゃ」

三男「さよーなら」

幼稚園の先生「はい。さよなら、来年には小学生ですね」

長男「そうですね。ランドセル選ぶのとか大変で」

幼稚園の先生「ですよねー! 私の子もそうだったりします」

長男「お子さんがおられるんですか」

幼稚園の先生「そうなんです。来年には同じ高校に入ると思いますよ」

長男「へーほー」

ピピピ

長男「あ、それでは。また明日宜しくお願いします」

パカッ

長男「男子から??」

男子『あのさ、御曹司のことなんだけど』

長男「スーパーの特売が呼んでいる!! またかける」

男子「え、うん。ごめん」

オバタリアン「わー!! あー!!!」

長男「え?!?! なに!!」

男子「またかける!!」

一時おいて…。

長男「で、何」

男子「御曹司のことなんだけど」

長男「またなら切るぞ」

男子「違う、違う。お前はこの土地来て久しいから御曹司の横暴を知らないんだよ、今から話すから考えも変わるかもしれない」

長男「・・・」

男子「アイツが何でハブられてるか」

長男(きな臭く成りそうだな)

男子「御曹司は何事にも率先して団結を取り、何でもやれるやつだった」

男子「でもな、他人のことを考えなかったんだよ」

男子「言うならブラック企業だな。そんな奴がいたら誰だってはぶる、そうだろ?」

長男(無責任だなぁ)

男子「だからお前が傷ついて欲しくないんだよ」

長男(多分、それっぽいことはあったんだろうが)

長男「んー、言いたいことは分かった」

長男(これは嘘だろうな、青春に酔っ払ってる)

男子「な、なら」

長男(ああ、ダメだ。性格の悪いところが出て来る)

長男「今のは無かった事にしちゃる」

プツン

男子「・・・・」ツーツー

男子「…確かに、引っ張ってたし… リーダーみたいだったし…嘘じゃないし」

男子(ああ、何だこれ。嫉妬みたいだーーー嫉妬?!)

男子「クソ!!」ドン

\うるせえぞクソ弟!!/

男子「嫉妬…じゃねえし」

男子「御曹司め」ムカムカ

御曹司「おはよ」

シーン

クズ「おはよ」

クスクス

御曹司「あはは。あれ、長男は?」

男子「き、気安く話しかけんな」

御曹司「え、ごめん」

クズ「何それ」

あはは…

男子「何笑ってんだよお前ら! コイツだぞ!」

御曹司「コイツって?」

男子「お前だよ!」

アハハハハ

男子「笑うな!」

クズ「前みたいに痛々しくないし、いいかなー」

御曹司「うっ 黒歴史を弄るな…」

クズ「憑き物落ちた。的な」

男子(そんなのじゃ、俺馬鹿みたいじゃないか)

男子(誰のために見栄張って…)

男子『嫉妬みたいじゃないか』

男子「・・・」カァァァ

御曹司「ん、男子どうし『バキッ』」

男子「…ハァ …ハァ」グッ

クズ「な、何殴ってるの。私しーらない」

モブ1「何してんの男子…」

「男子何をするの」「うわ、そこまですることじゃないだろ」「謝れよちゃんと」「最低、謝りなよ」

男子「お前ら…」ギリッ

御曹司「いてて…」ポンポン

長男「おーっす。さっき通りで女担任に会って....」

長男(察した)

女担任「ホームルームを始めるぞお前ら...何してる?」

女担任(御曹司は叩かれて倒れてる。その反対にいるのは男子。なるほど)

女担任「御曹司とクソ弟。後で職員室来い」ビキビキ

長男(弟だったんだ....)

ホームルーム終了後

男子「かったる」

長男「当たり前だボケ」バシッ

男子「いてぇ」

長男「御曹司痛まないか?」

御曹司「平気平気」

長男「・・・御曹司。優しいだけじゃ相手の為にならないって言っておくよ」

御曹司「告げ口は格好悪くない?」

長男「はぁ....。いいよそれで、二人とも言ってらっしゃい」

女担任「言い訳の前にまず謝れ」

「「すみませんでした」」

女担任「氏ねクソ弟」ドゴッ

男子「イってぇ! 教育委員会!!教育委員会!!」

女担任「姉として怒ってる」

男子「女はこれだから」

女担任「ベットの下....」

男子「どうかそれだけは」

御曹司「・・・あの」

女担任「fuckin'スケベ....ん、何だ御曹司」

御曹司「俺が悪いんです」

御曹司「俺が悪いんです」

男子「は?」

御曹司「俺が喧嘩を売ったんです! 点数下げるなら俺にしてください!」

男子「は、お前何行って」

女担任「そーか!そーか! 御曹司はこれから気をつけるんだぞー!」

男子「うわ、五月蝿、イィ?!」ズイッ

女担任「今お前は御曹司の心意気に救われた。受け入れないとモテないぞ」コソコソ

男子「・・・」

お呼ばれされた日に遡る。

長男「....メイドさん? どうしたんですか」

メイド「折り入ってお話があるので、後でかけ直します。なので眠らないでくださいね」

長男「はぁ....分かりました」プツン

プルルルル

長男「はいはいメイドさん、何です?」

メイド「この度は御曹司様のお付き合いを手伝い有り難うございます。これで彼も自信がついたことでしょう」

長男「いえいえ、そんな。犬を預かってもらうだけでも助かりますよ」

メイド「恩を感じるのなら一つ提案があるのです。受け入れてくれますか?」

長男「条件によります」

メイド「では、御曹司様を遠くから眺めてあげて欲しいです」

長男「....?」

メイド「彼の行動力は昔、今とは比べならないものでした。しかしある事件をきっかけに塞ぎ込むようになってしまったんです」

長男「とある事件?」

メイド「それは彼の本人の口から」

長男「そうします」

メイド「それで彼には旅をさせてあげたいのです。自分に自信を持って動ける力を持って欲しいんです」

長男「....可愛い子には旅をさせろ?」

メイド「そういうことになりますね。裏で嘲るなんてものでもいいです。学園で後ろから支えてあげてください」

長男(裏で嘲る....)

長男「わかりました。その代わり」

メイド「その代わり?」

長男「裏で嘲るって言葉撤回してください」ブツッ

女担任「これからは、こんなことで響かない内申を貰うんだぞ弟ー」

男子「クソっクソクソ。なんで俺をかばったんだよ」

御曹司「庇うつもりなんてないよ。一つお願いがある」

男子「金以外な」

御曹司「友達になってください」ニカッ

長男「これで良かったですかメイドさん」

完結致しました。

度々粗が目立つ文ではありましたが、読んでもらえたら幸いです。

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