ジャムおじさん「パン工場の経営が厳しくなってきたなぁ」 (39)

ジャムおじさん「アンパンマン、
話がある」

アンパンマン「なんですか?
ジャムおじさん」

ジャムおじさん「実はこのパン工場の
経営が厳しくなってきたんだよ」

アンパンマン「エッ」

アンパンマン「じゃ…じゃあ!
このパン工場は一体どうなるんですか!?」

ジャムおじさん「それが…意外となんとかいきそうなんだよ」

アンパンマン「ならよかったじゃないですか」

ジャムおじさん「このパン工場は
これまで利益を考えずにやってきた…つまり今まで食べてもらった分を町の人から払ってもらうんだ」

アンパンマン「成る程」

アンパンマン「そもそも、ジャムおじさんは何処にパン工場を立ち上げられるようなお金があったんですか?」

ジャムおじさん「老後の楽しみとしてね…若い頃は一生懸命働いたもんさ」

アンパンマン「どんなお仕事に?」

バタコ「暴走族よ」

アンパンマン「暴走族?」

バタコ「そう、ジャムおじさんは若い頃気の弱そうな人からどんどん金を巻き上げてたの」

アンパンマン「…」

バタコ「子供を拐って身代金を要求してたりもしたわ」

ジャムおじさん「バ…バタコ!
余計な事を…」

バタコ「私、小さい頃実はジャムおじさんに誘拐されて今ここにいるの」

バタコ「そして、タダ働きさせられてるの」

アンパンマン「何て事を…」

ジャムおじさん「タダ働き…は仕方ないじゃないか!
今までだって、無駄な金をかけないように頑張ってきたじゃないか」

バタコ「そう、環境は劣悪
人件費が払えないから犬に働かせてるんだもの」

チーズ「アンッ!アンッ!」

ジャムおじさん「バタコ…それくらいにしておくれ…
とにかく…アンパンマン…頼んだぞ」

アンパンマン「嫌です」

ジャムおじさん「!?」

アンパンマン「町の皆は、ジャムおじさんのパンを喜んで食べていました…今更お金を取るなんて間違ってる」

ジャムおじさん「ほぅ…」

ジャムおじさん「では…アンパンマン…お前は何故自分の頭が球体であるのか考えた事があるかい?」

アンパンマン「そういえば…
普通のアンパンは底が平らで…」

ジャムおじさん「そう…お前の顔を焼くにはかなりの手間がかかっている」

ジャムおじさん「そしてどこからみてもこんがりきつね色」

ジャムおじさん「アンパンマンの顔のような形のパンを焼くには
特殊な釜戸が必要でな…」

ジャムおじさん「お前は知らんかもしれんが、パンの釜戸の中は無重力になっている」

ジャム「これで球体のパンができるんだ」

ジャムおじさん「この釜戸にいくらかかったか…」

アンパンマン「わかりました…すみません…」

アンパンマン「お金を回収してきます」

ジャムおじさん「それでいい」

ジャムおじさん「徴収する相手は…」

ジャムおじさん「学校を相手すると面倒くさそうだから
かば夫君に全部貰ってきておくれ」

アンパンマン「いくらぐらいですか?」

ジャムおじさん「もらえるだけ貰ってきなさい」

アンパンマン「じゃあ、いってきます!」

バタコ「それいけ!アンパンマン」

チーズ「アンッ!アンッ!」

アンパンマン「かば夫くんはどこにいるんだろう…?」

かば夫「アンパンマン!」

アンパンマン(自分から見つかりに行くとはな…)

かば夫「アンパンマン!顔を頂戴」

アンパンマン「そういうわけには
いかないんだ」

かば夫「えっ?」

かば夫「どうして?」

アンパンマン「君はいままでに沢山のパン工場のパンを食べてきたと思う」

かば夫「うん…」

アンパンマン「その分のお金をいまから払って貰おうと思って」

かば夫「…?」

かば夫「お金なんていままで要求してなかったじゃないか!」

アンパンマン「利益を考えずに
パン工場がやって行けると思ったの?君は実に馬鹿だなぁ…」

かば夫「他にもパンを食べたひとがいるじゃないか!
まずその人にすれば…」

アンパンマン「ああん?」

アンパンマン「お前のような
人に罪をなすりつけるような奴は大嫌いなんだよ」

かば夫「僕だって!アンパンマンなんてもう嫌いだ!」

アンパンマン「嫌いで結構
金だけは回収するからね」

かば夫「嫌だ!やめろ!」

かば夫「お金は払えない…
許してよアンパンマン」

アンパンマン「うーん」

アンパンマン「そうだ!
僕が普段感じてる事を体験させてあげよう」

かば夫「へっ!?」

アンパンマン「僕が顔を引きちぎる時の痛みは…これくらい」バキッ

かば夫「いだぁぁぁ」

かば夫「僕の右腕がぁぁぁ」

アンパンマン「そう…誰かに食べられていくたび、僕の体は削られていくのさ」

かば夫「うがぁぁあ…!
アンパンマン…許して…!!」

アンパンマン「水に濡れた時の痛み」

かば夫「あっ…待ってやめてよ…
それ…塩酸…」

アンパンマン「それっ!」バシャ

かば夫「いやぁぁぁぁぁ!やけるぅぅぅぅ!」

アンパンマン「あー皮膚が焼けただれてるよ」

かば夫「アン…パン…マン…
辞めてよ…」

アンパンマン「今度はかびるんるんに襲われた時の痛みね」

かば夫「ひいぃぃぃ!」

アンパンマン「傷口に塩を練り込むのさ…」

かば夫「ぃだぃ!染みる!
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

アンパンマン「あーあ…」

かば夫「」

アンパンマン「かば夫君の首を切り取って…学校の校門に飾ろう
いいオブジェだなぁ…」

アンパンマン「あ…お金をもらわなきゃ…」

アンパンマン「かば夫家から盗み出せば…いいね」

かば夫家

アンパンマン「ごめん下さい!」

かば夫父「ハイ」

アンパンマン「ふんっ!」ザクッ

かば夫父の生首が宙を舞う

かば夫父「」

かば夫母「あなた…どうしたの?」

かば夫母「いやぁぁぁ!」

アンパンマン「騒がないでよ
君も同んなじ目にあうよ」

アンパンマン「死にたくないならババア…ヤラセろよ」

かば夫母「…」



アンパンマン「あー気持ちよかったなぁ…」

アンパンマン「お金…お金…」

アンパンマン「3000万円…」

アンパンマン「本当に家にあるのはこれだけ?」

かば夫母「はい…」

アンパンマン「この額の裏にあったりして…」

かば夫母「…」ビクッ

アンパンマン「あれ…こんなに…」

アンパンマン「今嘘ついたね」

アンパンマン「2度と嘘を付けないように口を裂いてあげるよ」

かば夫母「いやっ…助けて!
だれか!」

かば夫母「ふごっ…」

かば夫母「あ…あ…」ミチミチ…

かば夫母「ぎゃぁぁ」ブチッ

かば夫母「あっ…がっ…」

かば夫母「」

アンパンマン「お金は集まったし
パン工場に戻ろう」

…………………
…………………
………………

アンパンマン「戻りました」

ジャムおじさん「おかえり」

バタコ「おかえりなさい」

アンパンマン「成果です」

ジャムおじさん「おやっ…」

バタコ「こんなに…」

ジャムおじさん「良くやったね
アンパンマン」

アンパンマン「ありがとうございます」

ジャムおじさん「もっとお金が欲しいから今度はバイキンマンなんかどうかな」

アンパンマン「いいですね」

アンパンマン「まだ時間もあるんでバイキンマンの所へ」

ジャムおじさん「そうかい
アンパンマンは働き者だね」

バタコ「それいけ!アンパンマン!」

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