ミカサ「私は友達が少ない」(45)

ミカサ「エレン…」

エレン「ミカサ…俺がお前を守ってやる。一生だ!」壁ドン

ミカサ「…あぁ…エレン…」

エレン「ミカサ…」




エレン「おい!ミカサ!起きろよ!」ユサユサ

ミカサ「…!」

アルミン「よかった!エレンを助けようとして立体機動で壁に頭をぶつけた時はどうしようかと思ったよ!」

エレン「まったく!無茶しやがって!」

ミカサ「…」(夢?…今のは夢なの?)

アルミン「エレンが無茶したんだろう。ミカサ、大丈夫?」

ミカサ「無茶…無茶苦茶にしてほしい」

エレン「はぁ?なんかいったか?」

ミカサ「はっ!いや、その…なんでもない!それより早く急ごう。他の班の人達に遅れをとってしまう。」

アルミン「よし、じゃあいこうか」

座学の授業中

ミカサ「…ふぅ」(最近エレンとの距離を感じる…)

ミカサ(昔はもっといちゃいちゃしていた…)

ミカサ(あの日、巨人が現れなければ今ごろ私とエレンは夫婦だったはず)

ミカサ(それが今では寝るときも訓練中もエレンと一緒にいられない…)

ミカサ(このままではエレンはどんどん遠ざかって、いずれ巨人に食べられて死んでしまう…)

ミカサ(その前に私がエレンを食べたい)

エレン「おい、ミカサ!またボーッとして。まだ体調が悪いのか?」

ミカサ「あ、いや…そんなことはない」

ミカサ「あの、エレン…」

エレン「なんだよ」

ミカサ「その、この授業が終わったら来て欲しい。話がある」

エレン「ん?あぁ、わかった。これで今日の授業は終わりだしな」

授業終了

エレン「で、なんだよ。」

ミカサ「…その、エレンは仲間の事をどう思ってる?」

エレン「は?仲間って…いまの訓練生のことか?」

ミカサ「そう。仲は良好?」

エレン「…ん~、まあ悪くはねえんじゃねえか?基本的に俺は仕事と訓練しかしないから、付き合いが悪いとは言われたことがあるが」

ミカサ「…そう」

エレン「まあ確かに、友達っていうより仲間って感じだな。あ、もちろんアルミンは親友だぞ!」

ミカサ(基本的には特別仲のいい友人が出来たわけではないということ…)

ミカサ「エレン、私も実は訓練生になってから未だに友達がいない。もう1年以上いっしょにいるのに」(別にエレンがいればそれでいいけど)

エレン「お、おお。そりゃお前も俺とアルミンとずっと一緒だからな。見てりゃ何となくわかるよ」

ミカサ「そこで、兵士としての自覚をつけるために、もっとコミュニケーション能力を高めた方がいいと思う」

エレン「ん?あぁ、まあそうだが…おまえの口からそんな言葉が出てくるとはな」

ミカサ「ので!私ともっと会話の練習をしよう!もちろん仲間も集めて」

エレン「まあいいけどよ。それで、誰を誘うんだ?人望のあついライナーとかマルコとか…友達の多そうなミーナとかか?」

ミカサ「いや、どうせならコミュ障なひとがいい。友達の多いひとはそれなりのカリスマを持っている。私達にはその方法は参考にならない」

エレン「コミュ障か…まぁ言いたいことはわかるけどよ、その基準はどうやって決めるんだ?まさか友達欲しいけど作れないはぐれもの集まれとか言うんじゃないだろうな?」

ミカサ「まさか、私にいい考えがある。これを見て欲しい」スッ

エレン「なんだこれ?授業中にこんなの書いてたのか、お前」

チラシ『共に・求める・ダメ・チラシ・作れない・作れる・四棟・二階・空』

エレン「…」

ミカサ「どう?」

エレン「意味がわからん」

ミカサ「全ての単語を最初の一文字ずつ抜き取って読んでみて」

エレン「と・も・だ・ち・作れない…?」

ミカサ「そう、そしてそのあとの文は活動場所を示している」

エレン「四棟…二階の空き?」

ミカサ「あそこの階に空き部屋は1つしかない」

エレン「こんなんでわかんのか…?」

ミカサ「わかるはず。コミュ障を気にしてる人間は常にこういったしょうもないところに目を尖らせているもの」

エレン「自分で言ってて恥ずかしくないか…?」

ミカサ「とりあえずこれを宿舎中に貼っていこう。教官に見つかると面倒なので、張り出しものがたくさんある掲示板の隅っこにでもまぎらわせておくといい」

エレン「…はぁ」


数十分後 四棟二階の空き部屋


ミカサ「それではこの場所を活動拠点とするため、掃除をしよう」

エレン「おいおい、本当にいいのか、こんとこかってにつかって?だいたい空き部屋っていってもだれがいつ使うかなんてわかんねぇだろうが」

ミカサ「大丈夫。それよりちょうどいい家具と飾り付けなんかも必要…」


コンコン


エレン「…!?」

ミカサ「早速きた、メンバー1号」

エレン「は!?まだ張ったばかりだぞ!?あんなんでわかるのか!?」

アニ「あのチラシ貼ったのはあんたたちかい、ちょっと…」ガチャ

ミカサ「ちがう」バタン

エレン「ちょ!いいのか!?今のアニだろう?」

ドンドンドンドンドンドン

ミカサ「さあ、さっそく活動を始めよう。エレン」

アニ「ちょっと!あけなよ!なんで無視するのさ!」ガチャ

ミカサ「ビッチは死ねッ!!」バッターン

エレン「だからなんで閉めるんだよ!」

ミカサ「あんな腐れビッチ、冷やかしに決まってる」


エレン「腐れビッチって…アニはそんなやつじゃないだろう…いつも一人で孤立ぎみで、この活動にぴったりなやつじゃねえか」

ミカサ「ちがう、あいつはエレンを抱くことしか考えていないビチクソ変態女。あんなハレンチなドエス女狐は悪影響がうつるだけ」

アニ「ひどい言われようだね。筋肉だるまのクセに」ガチャ

エレン「ま、窓から入ってきた…」

ミカサ「冷やかしならお断り」

アニ「ちがう!わ、わたしも…友達が欲しいんだよ!!」

ミカサ「!?」

エレン「ならよかった。じゃあミカサと友達になれよ!これで目的は達成…」

ミカサ&アニ「は?」ギロ

エレン「へ」

アニ「なんで私がこんな筋肉だるまと友達にならなくちゃならないのさ」

ミカサ「そう、そもそもここは鷲鼻で女狐の動物サファリパークではない。はやく臭い飯でも食べにかえればいいバカ狐」

アニ「は?なんであんたにそんなこと言われなくちゃならないんだい?」

ミカサ「この活動の代表はわたし」

アニ「あんたじゃ不服だよ。私がなってやるからあんたは消えな」

エレン「お前ら…そんなに仲が悪かったのか…」

エレン「えっと…とりあえず話を聞こうぜ。なんでアニは友達が欲しいんだ?」

ミカサ「どうせエレンに近づいていかがわしいことをしたいだけに決まってる」

アニ「ちがう。私は純粋にコミュニケーション能力を高めたいだけさ」

ミカサ「自分から孤立しにいってるだけと思ってた」

アニ「そりゃ、誰でもってわけじゃないよ。男どもは自分勝手なやつばっか。教官や先輩たちは近寄りがたいし…」

エレン「んー…」

ミカサ「…」

アニ「だからせめて、みんなが何を考えているのかくらいは知りたいなって思ったけど、私が近付くとみんな雲を散らすように逃げていくんだ…」

エレン「そりゃそんな不機嫌そうな顔してたらな…」

ミカサ「まったく」

アニ「あんたらに言われたくないよ」

アニ「とにかく、私は友達が欲しいんだよ。作れるようになりたいの。わかる?」

ミカサ「わかった、じゃあ出ていくといい」

エレン「なんでだよ!?」

ミカサ「まずアニは自分から人を避けている節がある。これはみんなの印象で間違いない」

アニ「…」

ミカサ「避けている人間が友達が欲しいからと言う理由でコミュニケーション能力を高めたいと思うのは間違い。動悸が不純すぎる。それでは永遠に友達なんかできない」

エレン「じゃあどうすりゃいいんだよ」

ミカサ「趣味を見つける。訓練以外の特技はないの?たとえば手芸とか料理とか」

アニ「別に、苦手じゃないけど、趣味ってほどでもない…」

ミカサ「服は?女の子同士で盛り上る無難な話題だとおもけど」

アニ「服は…パーカーが好き。そえだけ」

ミカサ「女子力たったの5か…ゴミめ」

エレン「ラディッツか…」

アニ「…そういうあんたはあるのかい?」

ミカサ「ある。手芸は死んだお母さん直伝の和製裁縫。料理はいつもカルラおばさんの手伝いをしていた」

エレン「まあ確かにうまかったな」

アニ「それは趣味なのかい?」

ミカサ「べつに…趣味というわけでは…」

アニ「それにあんただっていつも似たような服じゃないか」

ミカサ「…」

エレン「まあ俺も特技なんかねー。趣味は巨人を駆逐する事って感じだし」

アニ「それはもうわかってる」

ミカサ「とりあえず明日はエレンと私だけの同棲した場合の男女関係の練習をしなければならない。ので、今のところアニの居場所はない」

エレン「そんな予定だったのか!?」

アニ「なにさ!絶対きてやるからね。あんたをこの活動から追い出してやるよ」

エレン「あのなぁ…」

ミカサ「せっかくひさしぶりにアルミンがいなくて二人きりになれると思ったところでなんであなたのような人がくるの?だいたいこの活動は私がたてて…」ブツブツ

アニ「根暗女がなんかいってるね」

エレン「っていうかそんな私利私欲をあらわにしていいのか…?」

ミカサ「この阿波擦れ」

アニ「歩くワイセツ物」

ミカサ「鷲鼻のデカっ鼻」

アニ「筋肉だるま」

ミカサ「チビ女」

エレン「そんなこんなで、今日の活動初日は終わった。メンバーは3人からのスタート。本当に今後の俺達が心配だ。あー…巨人駆逐したい…」



翌週



ガチャ

エレン「あれ?」

アニ「おそかったね」

エレン「なんだ、もう来てたのか。ミカサは?」

アニ「さあね」

エレン「…」(まあ、真面目にやる気はあるんだな。活動熱心でいいことだが、そもそもその活動って具体的になにやるかミカサに聞いてなかったな…)

ミカサ「こんばんは諸君」ガチャ

エレン「おお、ミカサ。諸君ってなんだよ」

ミカサ「これより友達作り活動第一回目のメニューを発表する」

アニ「なにをするんだい?」

ミカサ「これを見て」バン

エレン「なんだ?すごろくじゃないか」

アニ「ゲームでもしようってのかい?」

ミカサ「そう、まず私は思った。共通の話題の中で他人と盛り上がり、そして仲良くなることが友達になるということだと」

アニ「共通の話題ねぇ」

エレン「すげえな、このすごろく。めちゃめちゃ細かいところまで作ってるじゃないか。どこで買ってきたんだよコレ」

ミカサ「アルミンにつくってもらった」

アニ「なにさせてるんだい…」

ミカサ「とにかく3日で寝ずにつくってと刃を持ちながらお願いしたら、なにも聞かずに頑張って作ってくれた」

エレン「げ…それでかよ!アルミンが最近体調が悪そうだったの!」

ミカサ「アルミンはいいこ」

アニ「ん?でもマス目になにもかかれていないね」

ミカサ「そこは空けておいてと言っておいた。その空いているマスに各自自由に行動を書く」

エレン「へえ!面白そうだな」

アニ「なんでも書いていいのかい?双六に直接関係なくても?」

ミカサ「いい。ただ、ゲームが進まないような事は書かないで欲しい。例えばスタート地点に戻るを20マスに書くとか」

エレン「いや書かねえよ。戻るマスとかスタート地点に戻るは普通1つか2つだろ」

アニ「わかったよ、他のルールは?」

ミカサ「サイコロを二個ふる。でたかずだけすすむ。合計60マスある盤上に3人の考えた命令をランダムに入れていく」

ミカサ「ので、ひとり20マス分考えてきて欲しい。来週までに」

エレン「おう、わかった」

アニ「ふん、了解」


そして一週間後

ミカサ「みんな、考えてきた?」

エレン「考えてきたけどよ、いったいどうやって升目の順番決めるんだよ」

アニ「くじ引きってのはどうだい」

ミカサ「うん、そうしようと思ってたところ。順番にサイコロをふったあと、くじ引きでその紙に書いてある事を実行する」

エレン「それなら公平だな」

ミカサ「ちなみに紙に書いてあることは絶対順守」

エレン「マジかよ…なにかいてきたんだお前ら…」

アニ「さあ、早く始めるよ」

エレン「なにげに一番乗り乗りだよな、アニ」

ミカサ「よし、それじゃ女狐、サイコロをふるといい」

アニ「確か2つだったね、よっと」

サイコロ5:2


アニ「7つ進む…。で、クジを引くんだろ?」

ミカサ「はい、アニ」

アニ「これにしよう…」ガサゴソ

アニ「…」

エレン「…ん?どうしたアニ。何が書いてあるんだ?」

アニ「却下だ。これは却下だよ」

ミカサ「それはダメ、最初に決めたはず。紙に書かれていることは絶対順守。さあ、アニ読んで」

アニ「…窓を開けて…大きな声で…あぁいっくぅー!いっちゃうー、すごい。すごいの来ちゃいますぅ。と叫ぶ」プルプル

エレン「はぁ!?なんだよそれ!?///」

ミカサ「ちがうでしょアニ。すごいの!じゃなくて、しゅごいのぉ!でしょ。ちゃんと読んで。窓を開けて、大きな声で。」

アニ「で、できるか!そんなこと!///」

ミカサ「そう、無理して続けなくていい。みんなで決めたことを守らないなんて、友達を作る以前の問題。人間性から腐ってるとしか思えない」

アニ「あんたに言われたくないよ!どうせコレかいたのあんただろ!」

ミカサ「さあ、事実無根の詮索はやめて欲しい」

エレン「お前な…」

アニ「…!////」

ミカサ「言わなければ意欲なしととらえて出ていってもらう」

アニ「わ、わかったよ!やればいいんだろ!やればッ!!」

エレン(や、やるのか…)ゴクッ

アニ「…」ドキドキ

アニ「…」テクテク…ガチャ

アニ「すぅーーー・・・」

エレン「ほ、ホントにやりやがった…」

アニ「…っくぅ////」

ミカサ「やればできるじゃない。アニ、少しは見直してあげてもいい」

アニ「…この、おぼえてな!」

アニ 残り53マス

ミカサ「さあ、次はエレン。サイコロをふってクジをひいて」

エレン「…お、おお」(めちゃくちゃ嫌なんだが…)コロコロ

エレン2:1

エレン「3マスかよ…で、クジは…」ガサゴソ

エレン「…」ペラッ

エレン「あ、俺がかいたやつだ!10マス進んで一回休み」

アニ「普通だね」

ミカサ「ボキャブラリーにかける」

エレン「いや、コレは限りなく当たりだぞ!進んだ上に一回休みだからクジ引かなくていいしな!」

エレン残り47マス

ミカサ「まあいい。じゃあ次はわたし」コロコロ

ミカサ4:4

ミカサ「8マス。ではクジを…」

ゲーム終了時までストッキングをかぶる

ミカサ「…」

アニ「ぷぷっ」

ミカサ「キツネ、あなた?」

アニ「ここに昨日買ってきたばかりの新品ストッキングがあるけど」

エレン「めっちゃ用意してる」

ミカサ「…」

エレン「…」

アニ「…」

ミカサ「…」

ミカサ「…かぶるの?」

アニ「かぶりな」

ミカサ「…」プルプル

アニ「…」クス

ミカサ「ふん」ビリ------ッ!!!!!!

アニ「!!?」

エレン「ああ!なんで破くんだよ!」

ミカサ「破いていない。破れた。被ろうとしたら破れた」

エレン「そんな風には見えなかったぞ…」

アニ「…」

ミカサ「ごめんなさい、アニ。これでは仕方がない。続きをしよう」

アニ「…しょうがないね。ゴリラにはストッキングを扱いきれないってことで」

ミカサ「…は?」

アニ「…あ?」

エレン「あぁ!もう次いこう次ッ!」

現在の順位

エレン 13マス(残り47マス)

ミカサ  8マス(残り52マス)
アニ   7マス(残り53マス)

アニ「それ」コロコロ

エレン「お!6と6じゃねえか!やったなアニ!」

アニ「ふん、さあ早くクジをよこしな」ペラ

『服を3枚ぬぐ』

ミカサ「…」

エレン「な、何て事書くんだ」

アニ「し、仕方ないね///」ヌギヌギ

ミカサ「自分のをひいたの?」

アニ「う、うるさい!ほら、ブーツと靴下と上着を脱いだよ///」

ミカサ「涼しそうでなにより」

アニ「黙りな!あんた黙りな!」アセアセ

エレン「えーっと…パーカー来ててよかったな。あと数枚は大丈夫だ」

ミカサ「エレンは一回休みだから次はわたし」

エレン「あ、ああ。そうだったな」

ミカサ「…」コロコロコロ

エレン「えーと1と4で5マスだ。ほら、クジひけよ」スッ

ミカサ「…う、うん」ガサゴソ

『現在1位の人とゲーム終了時まで手を繋ぐ』

ミカサ「…」

アニ「…」

エレン「えっと、今の一位は…アニか」

ミカサ「…ッチ」

アニ「…ッケ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

エレン(やべぇ…なんか起こりそうだ…すっげえくうきわりぃ…帰りてぇ…)

ミカサ「さあキツネ、ありがたく手を出すといい」

アニ「なんであんたとなんか…」

ミカサ「私も嫌、だからおあいこ。我慢して」

アニ「…ふん、ほら」

ミカサ「あっと、手がすべった」バキャーッ


エレン「なに右ストレート決めてんだよお前!!」

アニ「…!」

ミカサ「ごめんなさい、わざとじゃないの。ゆるしてキツネ」

アニ「…そうかい…わざとじゃないなら仕方ないね…」ムク

エレン「ア、アニ!大丈夫か!?…思いっきり頬骨に決まってたが…」

アニ「ああ、受け身はとったからね…」

ミカサ「さすがは野性動物」

アニ「じゃあ今度は私がサイコロを…!」ブンッ

バキャーーーーーーーーッ!!!!!!

ミカサ「…ッ!」

エレン「あきらかに投げたーッ!」

アニ「ごめんミカサ。手がすべった」

ミカサ「…このクソギツネ」

アニ「何をおこっているんだい?ああ、そうだった。手を繋ぐんだっけ?」

ミカサ「…おっと!手がすべった!」

アニ「ふん!」ブンッ

アニ「おっとこっちも脚がすべった!」ヴォン

ミカサ「おっと力が入りすぎて強めに握ってしまった」バキョ

エレン「おいおいおい!今のアニが避けてたからよかったけど、捕まえてたら腕ちぎれてたぞ!勢いで掴んだ壁が粉々じゃねえか!」

アニ「この怪物女…!」

ミカサ「ごめん、次は一撃でらくにしてあげる」

エレン「楽にするってなんのことだよ!?もう途中からここだけ格闘訓練になってるよ!人生ゲームやってたら急に格闘ゲームやってるよ!」

ミカサ「…この腐れ女キツネ!」ブンッ

アニ「この怪物ゴリラ!」ブオン


エレン「お前らいい加減にしろ!」

こうして最初の活動メニューは幕を閉じた
あー巨人駆逐したい…

活動2ヶ月目 8月 夏


エレン「あっちぃ~。試験期間中だったからしばらく活動してなかったけど…ホントに今日集まるのかな…」

エレン「ミカサが今日から再開っていってたから間違いないだろうけど…またややこしい事にならなければいいが…」

ミカサ「おつかれ、エレン」

エレン「おう、ミカサ!お前も今から行くのか?」

ミカサ「うん、エレンはとっくに行ってると思ってた」

エレン「ああ、掃除当番だったからな」

ミカサ「そうだった。私はクリスタと一緒に馬小屋の掃除をしていた」

テクテクテク…ガチャ


アニ「…」

エレン「よお、アニ」

アニ「…」

ミカサ「私を無視とはいい度胸、女狐」

エレン「いや、無視されたのは俺なんだが…」

ミカサ「ふんっ!」バーーン

エレン「うぉ!」ビクッ

アニ「…ッ!」ビクッ

ミカサ「何を読んでいるの?」

アニ「ミ、ミカサ!急に机を叩くなんて…!随分なあいさつだね!」

ミカサ「無視したのはそっち、だからあなたが悪い」バッ

アニ「…ちょ!なにするんだい!それは私の本だよ!」

ミカサ「女狐の癖に読書とは生意気」


エレン「おいおい、手荒なことするなよミカサ…で、なに読んでたんだ?」

ミカサ「…」

エレン「えーっとなになに?私の奥に注がれた白い液を…」


ミカサ「…」

エレン「…」

アニ「…な、なんだい!?」

エレン「…」

ミカサ「…」

アニ「…///」カァアア…

ミカサ「…キツネ」

エレン「…これってまさか…官能小説…?」

アニ「ちっ…ちがうよ!これは、その…趣味の話になっただろ!?共通の趣味を持ったらきっと友達ができるって…!だ、だから私も…その…読書を…////」

エレン「いや、それにしてもこの内容は…」

アニ「し、知らなかったんだよ!昨日たまたま当番で一緒だったユミルに相談したら…この本を薦められて…その、さっき読んでみたらこんな内容で…////」

ミカサ「この淫乱女!!」

アニ「あんた話聞いてたのかい!?」

ミカサ「この肉奴隷!阿波ずれ!腐れビッチ!露出狂!歩く猥褻物!公衆便所!」

ミカサ「リアルダッチワイフ!寄るな!触るな!子供ができるッ!」

アニ「な、なんで読書してただけでそこまで言われなくちゃいけないんだい!」

エレン「…」

アニ「こ、これはそんなに如何わしいものじゃないよ!純粋な恋愛物の作品で…男女の崇高なラブストーリーを画いた、芸術作品なんだから!///////」

ミカサ「知らない。そんなハレンチな物を神聖な活動場で読まないで欲求不満がうつる」

エレン「…」

アニ「な、なんだい!この芸術的な素晴らしい作品を、そんな偏見的な目でしか見られないなんて!かわいそうなやつだね」

ミカサ「なら声を出して読めばいい」

アニ「…!?」

エレン「ちょ…おい、ミカサ!それはいくらなんでも…」

ミカサ「如何わしいものじゃないならできるはず。ましてや崇高な芸術的作品と評するならなおさら。さぁ大声で読むといい」

アニ「…/////」

エレン「…あ、あのアニ?無理しなくていいんだぞ?無理矢理読まなくても…」

ミカサ「そう、無理して読まなくてもいい。所詮その書物は腐った女しか読まない汚物だったということ」

アニ「な!?…や、やってやろうじゃないか!」

エレン「アニ!?」

アニ「そこまで言われっぱなしじゃ…引くわけにはいかないよ」

ミカサ「ほぅ…じゃあこのページから読むといい。さあ早く」ペラ

アニ「ぁ、ぁなたの…/////」ボソボソ

ミカサ「聞こえない。もっと大きな声で、感情を込めて」

アニ「…///」

ミカサ「…」

アニ「…///」カァァァ

エレン「…」ゴクリ

アニ「…その、大きな…」カァァァ…プルプル

ミカサ「…」

アニ「いえるかぁぁぁッ!!」バーーン

アニ「ミカサのバカ!アホーーーッ!」タタタッタタタタ…ガチャ!!!…バタン

ミカサ「…ふん、口ほどにもない」

エレン「お前…いくらなんでもやりすぎじゃないか…?」

ミカサ「ところで、せっかくだからこの本は教官のもとに返すべきだと思うだけど」

エレン「鬼かお前は!」

ミカサ「冗談」

翌日

エレン「はぁ~、なんか体がダルいなぁ…」(妙なストレスたまってるからか?)

アニ「エレン」

エレン「おぉ!な、なんだアニか、急に驚かせるなよ。っていうか、珍しいな。お前から話しかけてくるなんて…」

アニ「ふふん、これを貸してあげようと思ってね」ジャーン

エレン「げ!?これは昨日の官能小説…」

アニ「昨日一晩かけて全部読んでみたんだけど、なかなかよくてね。あなたもぜひ見るべき…いや、壁内中の人間が読むべき本だよ」

エレン「おまえ、一晩で全部読んだのか!?すげえな…よくみたらお前、目の下に熊があるし…」(目付き悪いお前だから余計に怖い…)

アニ「当然だよ。あんたも絶対に読みな。わかったね」

エレン「あ、ああ…また気が向いたら…」

アニ「ダメだよ!絶対に読んで感想文まで書いてきな!」

エレン「えぇーーーッ!!!!?」

アニ「あ、そろそろ講義の時間だね。いくよ!」

エレン「はぁ…巨人を駆逐したい…」

活動開始から3ヶ月目

エレン「…」

ミカサ「…」

アルミン「ふ、二人ともどうしたの?最近なんだか疲れてるみたいだけど?」

ミカサ「…そんなことない」

エレン「…俺は多少あるっちゃある」

アルミン「ど、どうしたの…?珍しいな…エレンの口から疲れただなんて」

エレン「あぁ…まあ肉体的にっていうよりは精神的っていうか…」

ミカサ「エレン」チラ

エレン「…」(ああ、言わねえよ。秘密にしといたほうがいいんだよな)

アルミン(あやしい…)

ミーナ「アニ…なんか最近雰囲気変わったよね?なんかギラギラしてるっていうか…」

アニ「そ、そんなことないよ!なにいってんだい、まったく///」

ミーナ「でもなんだか近頃ずっと目を合わせてしゃべえてくれないし、下とか向いちゃって…」

アニ「べ、べつに変な所とかみてないよ!?///」

ミーナ(あやしい…)

アニ(やっぱりばれてるのかい…うまく隠してるつもりなんだけど…。それにしても気になる、リアルではどうなっているのか…)

アニ「…ミーナ」

ミーナ「?」

アニ「そ、その…男女交際した人達が…その結婚するとするだろ?」

ミーナ「う、うん」

アニ「で、子供ができて私達がいるわけじゃない?」

ミーナ「そうだね、あんまり想像できないけど、お父さんもお母さんも昔は恋したり付き合ったりしてたんだもんね」

アニ「そ、そうなんだよね…まったく想像もできないよ…///」

ミーナ「それがどうしたの?」

アニ「えっと…それでさ、そういうのっていつ訪れるんだろうね、私達にも…」

ミーナ「えー、アニてば恋煩い?らしくないと思ったらそういうことかー」

アニ「ち、ちがうよ!私はその…心理学!心理的な部分に興味があって…」(言えない…ハレンチな官能小説に興味がありますだなんて言えない…!ここは遠回しにゆっくりと…)

ミーナ「それなら、フランツとハンナを観察してみたら?あの二人ずーっとラブラブじゃん」

アニ「フランツとハンナ…か」

エレン「ふぅー、今日の自主訓練もいい汗かいたなー」ガチャ

アニ「おはよう」

エレン「お、アニ。おはよう!」(また官能小説読んでるのか…クールな顔して読書してる姿は絵になるけど…読んでるものがあれじゃあな…)

アニ「休みの日にも自主トレかい?早朝からご苦労だね」

エレン「ああ、俺は巨人を駆逐しなきゃなんないからな。いくら時間があっても足りないくらいだよ」

アニ「…」ペラ

エレン「…」

アニ「…」

エレン「なあ、アニ」

アニ「なんだい?」

エレン「その本ってなんで読んでるんだ?」

アニ「巨人バカなだけあって無知だね。これは読書。物語を読んで感情を豊かにしたり知識を得たりするためだよ」ペラ

エレン「俺は未開人か…!なんのためにこの活動中に本を読んでるかって聞いてるんだよ!」

アニ「何度も言ってるだろ?趣味をもって共通の話題作りに役立てるためさ」ペラ

エレン「それでその共通の趣味の人間には会えそうなのか?」

アニ「…!」

エレン「本を読むのに夢中で忘れてるようだけど、友人関係やコミュニケーション能力を高めるなら、まず流行りの本とかに目を向けるべきじゃないのか?」

アニ「う、うるさいね!わかってるよそんなの!」

アニ「ふぅ…まあいいけどよ…」

アニ「…」

アニ「エレン…」

エレン「?」

アニ「その…聞きたいことが…」

ミカサ「おはよう」ガチャ


アニ(…くそ)ッチ

エレン「よう。おはよう、ミカサ」

ミカサ「それでは今日の活動について…」

コンコン

ミカサ「…?」

エレン「はい、だれですか?」ガチャ

???「あの、友達が作れるっていう貼り紙をみたんですが…」

ミカサ「…!」

アニ「!?」

エレン「ク、クリスタ!?」

クリスタ「あ、エレン!ミカサ!それにアニ!」

ミカサ「意外な訪問者…いや、入部希望者」

アニ「交遊関係は良好そうなのにね」

エレン「…まぁ取り合えず座れよ」

ミカサ(確か、私のエレンスコープではエレンはクリスタに絡むのが少し苦手なはず。取り合えず話を聞いてみよう)

ミカサ「クリスタ、よくこの活動内容と場所がわかった。誉めてあげる」

ミカサ「でも、なんで貴方のような女の子がコミュ障のこの活動に入ろうと思ったのか、その動機を聞かせて」

アニ「いつも男どもの視線を釘付けにしてるし、あんあたみたいな人のために堂々と身体はれる子がコミュニケーション能力を高める理由がわかんないね…」

エレン「なにかあったのか?」

クリスタ「実は…私も人の役に立ちたくて頑張ってるんだけど、どうしても友達とまではいけないの…」

クリスタ「理由は…わかるでしょ?」

エレン「ああ…」

ミカサ「ユミル…」

アニ「あのそばかす、いつも一緒にいるからね」

クリスタ「そうなの…ユミルが私によくしてくれたり、心配してくれてるのはわかってる。でもそのせいで友達ができないんじゃないかって、最近になって気づいたの…」

ミカサ「確かに、ユミルの警戒網はやりすぎてる感がすごい」

アニ「あんたが言うかね」

エレン「具体的には何があったんだ?」

クリスタ「うーん、なんだか休みの日にみんな誘って街に出ようとしたときも、頑なに拒否するし…」

クリスタ「ライナーは私を見る目がやらしいとか」

アニ「あってるよ」

ミカサ「それは誰の目にもあきらか」

クリスタ「サシャに話しかけると急にユミルがサシャの事をいじめるし…」

クリスタ「なによりユミルってあんな性格だから、周りにただでさえ人が寄り付かなくて困ってたの…」

エレン「気の毒だな…」シミジミ

アニ「自分と重ねてるね…あんた」

ミカサ「わかった。どうやら入部資格は満たしてる模様。クリスタ、あなたを今日から正式なメンバーとして認める」

クリスタ「よかった、ありがとう」キラキラ

ミカサ「…!」ドキッ

アニ「…!」グサッ

エレン「?」

ミカサ「…///」(やっぱり少し可愛いかも…)

アニ「…///」(ユミルの気持ちが少しだけ理解出来てしまいそうだったよ…)

エレン「…でもよ、それってユミルから知られることなくここにきたって事だよな?」

クリスタ「う、うん…」

エレン「よくこれたな…」

クリスタ「ユミルにはバレてないと思う…なにせさっき教官に怒られて部屋に呼び出されてたから…」

アニ「なにやらかしたんだい…」

クリスタ「サシャが食糧庫で盗んだ物をユミルがカツアゲしてたんだって…」

ミカサ「…」

エレン「悪女ってやつか…」

アニ「あいつら、もう帰ってこられないんじゃない…?」

クリスタ「…たぶん、大丈夫だと思う。ユミルってこういう時に抜け出すの上手だから…」

エレン「まるでダメ夫の亭主関白だ…」

ミカサ「ユミルの頼りになるところでもある」

アニ「…つまり、ユミルをあんたから引き剥がすことから始めないといけないね」

ミカサ「そう、この活動は他人に知られてはいけないのが決まり」

エレン「そうだな…ってできるのかよ!ユミルが戻ってきたら絶対に参加できないぞ、クリスタ…」

クリスタ「…できるだけ参加するようにする!だから、この活動の仲間にしてほしいの!」

ミカサ「仕方がない。一度入部を認めたものを見捨てるわけにはいかない。こっちもクリスタがより多く参加できるように協力しよう」

アニ「…やれやれ」

ミカサ「これも人助け。こうやって仲間との信頼を深めあってこそ友達が増えていくというもの…のはず」

エレン「そこは自信持てよ…」

エレン「でもよ、ユミルは友達がクリスタだけなんだろ?」

クリスタ「…う、うん」

ミカサ「それがどうかしたの?」

エレン「と言うことは、友達が少ないって条件はクリアできてるんだから、別に誘ってもいいんじゃねえか?」

ミカサ「それにはもうひとつ条件がある。」

エレン「…あ、そっか。あのチラシの意味を回読しなきゃいけないのか…」

ミカサ「そもそも、ユミルは友達を増やそうとなんて思っていないはず。クリスタがいれば十分という思考が伝わる。それにクリスタが入ったからここに入りたいというのも、この活動の輪を乱す。それがユミルならなおさら」

アニ「でも、いつかはバレるよ。クリスタにあんだけくっついてるんだ。もしかしたらもうすでに嗅ぎ付けてるかも…」

クリスタ「…やっぱり、迷惑かな…?」

ミカサ「…そ、そんなことはない。私達が頑張ればいいだけ。それにクリスタはもう部員。何も心配しなくてもいい///」

クリスタ「…ありがとう///頑張るね♪」グス

アニ「…///」ドキッ

エレン「…ま、まあせっかく久しぶりに部員が増えたんだ。活動日時とか、これからの内容とかを話し合おうぜ」

クリスタ「うん、それでみんなはいつもどんな活動をしているの?」

ミカサ「…それは、雑談したり」

アニ「主にあんたが一方的にね」

エレン「筋トレしたり、宿題したり」

アニ「あんたが一人でやってるだけだけどね」

ミカサ「官能小説をひたすら読み続けてる阿波ずれに胸を悪くしたり」

アニ「は?」

ミカサ「あ?」

エレン「…とまあよくこいつらが言い合いになって喧嘩してるのを俺が呆れて傍観してるって感じかな」

クリスタ「つまり、なにもしてないんだね」

一同「グサッ」

クリスタ「ご、ごめんなさい!そうだよね、その内容をこれから私を含めて話し合うんだもんね!」アタフタ

ミカサ「でも、取り合えずユミルは充分に警戒してほしい。あと、来週の休みの朝は荷物運び以外は自由行動だったはず。その日は外出しよう」

エレン「外出ってなんだよ。珍しいな」

ミカサ「その日はちょうど模様しものがある」

クリスタ「あ、夏のお祭りだね♪」

アニ「下町かい?それなら動機の連中と鉢合わせになるかもしれないよ」

ミカサ「大丈夫、実はそんなこともあろうかとこのチケットを手にいれておいた」

エレン「なんだよこれ?…特別優待券?」

クリスタ「これ、お祭りの中でも特別な人しか入場できないお祭りの優待券じゃない!」

アニ「どうしてあんたがそれを?」

ミカサ「先輩の憲兵団の上司がくれた。ぜひうちに入ってくれと勧誘されて」

クリスタ「さ、さすがだね!ミカサのエリートさは上司にまで伝わってるんだよ!」

エレン「いいのかよ、そんなの俺たちまで使っちゃってよ…」

ミカサ「一応4人用らしい。」

アニ「ま、貰えるもんは使わせてもらえば?」

クリスタ「やった!なんとしてもユミルを巻いてくるから!楽しみにしてるね♪」

アニ「…まぁ、人混みは私は苦手だけど、こういうのも慣れとかないとね。小説にもこういうイベントで仲良くなるシチュエーションはよく見るし」

ミカサ「それでは当日の朝8時集合」

エレン「了解」(なんだか嫌な予感しかしないな…)



4日後

ユミル「おい、エレン」

エレン「あ?なんだよユミル、めずらしいな」

ユミル「クリスタの事で聞きたいことがあるんだけどよ」

エレン「クリスタがどうかしたのか?」

ユミル「クリスタのやつ、なんだか最近やけにミカサになついててよ。それにアニとも楽しそうに喋ってるし…」

エレン「それがなにか変か?」

ユミル「おかしいだろ?アニだぜ?ミカサには時々話しかけてるの見てたけどよ。それになに話してたか教えてくれねえし」

エレン「そりゃ、お前にいう必要がない事だったりじゃねえか?ミカサとアニのプライベートな内容なら他人に言いふらす話じゃねえし。クリスタにだってプライベートがあるんだし、あんまり深入りしすぎるのもよくあいんじゃねえか?」

ユミル「んー…」

エレン「それに、アニと仲良くしてるんだって、クリスタのコミュニケーション能力がずば抜けてるからかもしれねえだろ?クリスタにはみんな気を許しちまうんだよ、きっと」

ユミル「だといいけどよ」

エレン「あ、お前!ミカサやアニとの話の内容をクリスタに聞いて、あいつらの弱味を握ろうとか考えるなよ!」

ユミル「誰がそんなことするかよ!芋女ならともかくあの二人にそんな事しねえよ」

エレン「どうだかな…おーい、アルミーン待ってくれよー!」タタタタ

ユミル(あやしい…)

ユミル「…と、いうことでだ」

ミーナ「なによ?」

ユミル「お前話聞いてなかったのか?クリスタの動向を探るんだよ!」

ミーナ「なんで私が…そんなに気になるんならユミルが行けばいいじゃない」

ユミル「それができりゃ苦労しねえよ」

ミーナ「…でもそう言えば」

ユミル「なんだよ?」

ミーナ「アニもなんだか最近へんなの」

ユミル「アニが?」

ミーナ「うん、なんか恋煩い?かなぁって…」

ユミル「恋煩い!?そ、そりゃいつ頃からだ!」

ミーナ「私がなんとなく気付いたのは…数週間前?」

ユミル「おいおい、こりゃ読めてきちゃったよ…読めました。はい、読めちゃったよぉー」ボーゼン

ミーナ「??」

ユミル「あのな、おそらく私の中では…アニとクリスタは付き合ってる」

ミーナ「えー!百合?それは…」

ユミル「ないって言い切れるか?」オドオド

ミーナ「…まさか…アニ…」

ユミル「ああ、こんなことならあいつに官能小説なんか薦めるんじゃなかった…」ガクッ

ミーナ「アニ…ひょっとして…それで」

ユミル「くそっ!くっそーーーーっ!」ダダダダダ…

ミーナ「あ、ユミル!」

ミーナ「…キャラまで変わっちゃって…かわいそう…よっぽどショックだったんだ…」


ユミル「ミカサーーーーッ!!」

ミカサ「どうかしたの?ユミル」

ユミル「アニがどこにいったか知らないか!?」

ミカサ「さっきクリスタと一緒にいたのを見た」

ユミル「…!」ガビーーーン

ミカサ「…?」

ユミル「どどどっどどどこでだだだだ!?」

ミカサ「落ち着いてユミル。『ど』で噛むのはわかるけど『だ』でどもるのは訳がわからない。そのあとの言葉はない」

ユミル「お、お前に言語力についてとやかく言われたくねえよ!」

ミカサ「馬小屋に向かっていた」

ユミル「馬小屋!?馬小屋に二人っきり…」

ミカサ「うん、掃除をアニが手伝ってあげるのだろう」

ユミル「…掃除を…手伝う…?」プルプル

ユミル「おヴォーーーーい!芋女ぁーッ!」ダダダダダ

ミカサ「…泣きながらサシャの方に急いで向かっていくユミル…なんだかシュール」クスッ

サシャ「ど、どうしたんですか!ユミル!?」

ユミル「あぅ…ひっぐ…クリスタがぁ…アニが…馬小屋がぁ…」

サシャ「え?クリスタがなんですか?アニと馬小屋がどうしました!?」

ユミル「アニとクリスタが馬小屋で…掃除をしてるっていうのは…どういうことだ…」ヒッグ

サシャ「馬小屋?二人でですか?」

ユミル「…」

サシャ「ひょっとして!」

ユミル「…!」ビクッ

サシャ「みんなに内緒で馬小屋の掃除と見せかけて二人でいかがわしいことを…!」

ユミル「うわぁぁぁあああああっ!!」ダダダダダ

サシャ「…まったく、二人で美味しいものを食べにいったりとかなんて…ってあれ?ユミルー、どこですかぁー?」キョロキョロ


ダダダダダ…

コニー「ん?なんだあれ?」

ユミル「バカ野郎ーーーーッ!」ダダダダダ

コニー「な、ユミル!なんだよ急にバカ野郎て!そんな泣きながらけなされるようなことしたか!?」

ユミル「…お前は…バカだから…いぃ…」グスッ

コニー「はぁ!?なんだよそれ!意味わかんねえよ!」

ユミル「ホントに…意味がわからねぇ…くそッ!くそッ!…くそッ!」

コニー「どうしたんだよ!早く何があったか言えよ!不細工な顔が余計に不細工じゃねえか」

ユミル「…」

ユミル「…もう…いい…どうでも…」

コニー「…はぁ?」

ユミル「私がバカだったんだよ…しかたねぇ」

コニー「おう、お前はバカだよ。俺よりな」

ユミル「それはねえけど…じゃあな…」トボトボ


その後数日、ユミルは行方不明になっていた所を憲兵団に見つかり保護された。そして、しばらくの間クリスタと絡むこともなかったという

寮の前 待ち合わせ場所にて


ミカサ「エレン、おそい」

エレン「わりぃ、わりぃ…ってまだ十分前じゃねえか。みんなもう揃ってんのか」

アニ「あたしはミカサより5分はやくきたよ」

クリスタ「わたしはアニの10分後!」

ミカサ「私はエレンの20分前」

エレン「どうしてお前ら、そんなクイズみたいな言い方なんだ…?」

エレン「と、とりあえず、もういくか!」

ミカサ「うん、いく。早く行かないと」

アニ「ふん、まあ私は祭なんてどうでもいいんだけどね。あんたらがいきたいって言うから来てあげたけど」

クリスタ「あれ?アニもてっきり行きたがってたかと…」

ミカサ「そう、じゃあ無理せずにかえるといい


アニ「な!?…ちょっ!」

ミカサ「なに?いきたいの」

アニ「…」

エレン「…」(ここまで来ていきたくないわけないだろ…)

アニ「…そ、それは…」

ミカサ「…なに?聞こえない」

クリスタ「いっちゃいなよ…正直に」ボソ

アニ「…い、いきたい」

ミカサ「ん?」

アニ「私もいっしょにいきたい!」

ミカサ「もっとハッキリと!誠意を込めて!」

アニ「私も一緒にいきたい!お願いしますッ!」

ミカサ「イヤだ」

アニ「はあ!?」

ミカサ「あなたの気持ちはわかった。でも私はあなたと行きたくない」

アニ「な…!」

ミカサ「どうしても行きたいなら頭をさげるといい」

アニ「お…お願いします。連れていってください…」プルプル

ミカサ「よく言えました」

アニ「じゃあ…!」

ミカサ「でも断る」

アニ「どうすりゃいいんだよ!このバカ!」

アニ「ぜ、絶対に私もいくからね!…っていうかなんで祭に行くのにあんたの許可がいるんだい!」

ミカサ「このチケットは私が貰ったもの。いく人を決めるのも私の自由」

エレン「おい、もういこうぜ…」

クリスタ「そ、そうだね…」

エレン「はぁ…せっかくの祭だってのに…」トボトボ


下町 祭広場

クリスタ「わぁー!すごーい!」キラキラ

ミカサ「人がいっぱい」

アニ「屋台やってるね。あれは焼鳥?いい臭いがする」

エレン「あ、おいミカサ。お前が好きな焼きリンゴが売ってるぞ」

アニ「や、焼きリンゴは私も好きだよ…き、奇遇だね///」

ミカサ「…どうも」

クリスタ「あ!あっちには大きな飴が!」

エレン「あ、はぐれんなよ!はしゃぎ過ぎてどっかにいっちゃわないようになー!」

ミカサ「エレン、今日はなんだかお兄さんみたい」

エレン「は?」

アニ「たしかに、なんか保護者って感じだね」

エレン「そうか?訓練の時は頭に血が上ってるからな。今はお前らの方がテンション上がってるし、俺がおさえ役になるのは当然だろ」

アニ「いや、特にクリスタとなんか兄妹ってかんじ。まあ、この中では私が一番歳上だけどね」

ミカサ「というか、この中で一番年下はエレン」

アニ「へぇ、そうなんだね」

エレン「ああ、まああんまり気にしたことねえけど」

エレン「ほら、そんなことよりお前らはいいのか?クリスタが行っちゃうぞ」

ミカサ「うん」

アニ「…」トボトボ


一時間後


クリスタ「もうお腹いっぱい…///」

エレン「よく食べたな、クリスタ。御菓子とか好きなんだな」

クリスタ「うん、女の子は甘いものが好きなんだよ♪」

エレン「そうなのか?そう言えば訓練兵になってから甘いもの食べる機会なかったよな」

クリスタ「そうだね。エレンは甘いもの好き?」

エレン「俺はまあ嫌いじゃないって感じだな。でも一番好きなのは母さんが作ってくれたシチューだ」

クリスタ「お母さんか、亡くなってからも母親の味が好きだなんて、きっとお母さんも天国で喜んでるよ♪」

エレン「だといいな…って、ミカサとアニは?」

クリスタ「離れてから時間がたったね。どこにいったんだろう?」

ミカサ「あれは私の勝ち!」

アニ「なにいってるんだい!どう見ても私の勝利だろ!」

ミカサ「あれだけミスった癖によく言う!」

アニ「最後に勝てばいいんだよ!」

ミカサ「最後に勝ったのはわたし!」

エレン「うわ…すっごい景品の山…」

クリスタ「もってかえるの大変だね…」ハハハ

アニ「探したよ!エレン!」

ミカサ「景品が邪魔で勝負の続きができない!手伝ってエレン!」

エレン「あのなぁ…」

アニ「…ふぅ」

エレン「ん?なんだアニ、疲れたのか?」

アニ「べ、べつにそんなことないよ!…ただ何て言うか…その」

エレン「…?なんだよ、つまらないか?」

ミカサ「どれだけ勝負しても私に勝てるわけがない。それはつまらいないに決まってる」

アニ「勝ったのは私だっていってるだろ!」

クリスタ「そ、そうだ!一通り遊んだわけだし、そろそろ」

ミカサ「帰ろう」

エレン「そうだな」

クリスタ・アニ「えぇーーーッ!?」

エレン「なんだよ、まだなにかあんのか?」

ミカサ「もう遊んだし食べたし、もうここに用はないと思う。帰ろう」

アニ「も、もうちょっと色々と…!」

クリスタ「そ、そうだよ!ほらっ!あそこでもうすぐパレードがあるみたいだし!」

ミカサ「パレード…」

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