【安価】妹「お兄ちゃん!! 手から唐揚げが出るようになったよ!」(107)

男「は?」

妹「見て見て!」ポコポコ

男「うわぁ……気持ち悪……」

妹「召し上がれ」

男「ん……美味い」

妹「ほんと?」

男「うん。 生姜が効いてる」

妹「私とうとう能力に目覚めちゃったみたい」

男「目覚めたのがお前だけだと思うな。 俺も能力に目覚めたんだ」

妹「え、うそどんな!?」

男「>>2だ」

耳からうどんがでる

男「耳からうどんが出るようになった。 ほら」スルスル

妹「ぎゃあ!!」

男「食う?」

妹「いらない!! 耳糞付いてるし!!」

男「洗おうか。 昼飯は唐揚げうどんにしよう」

妹「絶対イヤ!」

男「俺もお前みたいに手から出したかったなぁ」

妹「手から出てもうどんはちょっと……」

男「とりあえずこれから唐揚げ食い放題だな」

妹「いやそうでもないの」

男「なんで?」

妹「この能力を使うにはリスクがあってね」

男「どんな?」

妹「>>5

ごめん間違えた
>>7

唐揚げ1個につき、動植物が1種類絶滅する

妹「唐揚げ一個出す度に動植物が一種絶滅するみたいなの」

男「は!?」

妹「気軽に使えないね」

男「既に三種絶滅したのか……」

妹「いや、お兄ちゃんに見せる前に二回試したから五種」

男「なんで絶滅したってわかるんだ」

妹「感覚で」

男「何が絶滅したかはわかるのか?」

妹「知らない」

男「無責任だな……」

妹「どーでもいいよ」

男「一つの種が絶滅するって大変なことなんだぞ」

妹「まぁ知ってるけど」

男「人間にとっての被害も計り知れない」

妹「それも含めてどーでもいいよ」

男「厭世家だな」

妹「でも家族に被害が及ぶのも嫌だからもう使わないことにするよ」

男「そうしとけ」

妹「犬や猫が絶滅しても嫌だしね」

男「それは嫌だなぁ」

妹「そろそろお昼ご飯にしようか!」

男「おう、腹減った」

妹「何にする?」

男「うどんはどう?」スルスル

妹「やめて!!」

男「素晴らしいことに俺の能力はノーリスク」

妹「耳糞付いてくるのは立派なリスクだよ!!」

男「オムライス作って」

妹「はーい」

男「ふわとろで頼む」

妹「了解!」

妹「お兄ちゃんお兄ちゃん!!」

男「なんだよ騒々しい」

妹「料理してたら新たな能力が発現した!」

男「え、マジで?」

妹「>>13が出来るようになったの!」

超究武神覇斬

妹「超究武神覇斬」

男「セフィロス倒せるじゃん」

妹「すごいでしょ!」

男「見せてよ」

妹「二十年経たないとリミットブレイク出来ない」

男「二十年後楽しみにしてるよ」

妹「見て見て白マテリア」

男「卵じゃん」

妹「ホーリー撃てるよ!」

男「見せてよ」

妹「MPが足りない」

男「早くオムライス作ってくれ」

妹「はい」

妹「出来たよー!」

男「おー美味そう! いただきまーす!」

妹「あ、ちょっと待って」

男「?」

妹「お皿貸して。 ケチャップで何か描いてあげるよ」

男「ほほう」

妹「何がいい?」

男「うーん……じゃあハート描いて」

妹「ベタだな!」

妹「まぁいいけど。 じゃ、描きまーす」ニュルニュル

男「は!?」

妹「すごいでしょー」

男「気持ち悪!!」

妹「左手からケチャップ出るようになったの」

男「画的にちょっと……」

妹「右手からはマヨネーズ」

男「便利だなー」

妹「羨ましい?」

男「俺も便利な能力持ってるし」

妹「え、どんな?」

男「>>17

鼻から醤油が出る能力

男「見ろ」ダバダバ

妹「ぎゃあ!!」

男「ぐっ、ゲホッ!!ゲホッ!!」

妹「そりゃそうなるよ……」

男「でもこの能力寿司食べるときとか便利だと思う」

妹「鼻に寿司つけてたら出禁になるよ……」

男「げ、鼻くそ入ってる」

妹「汚いなぁ……」

男「ご馳走様でしたー」

妹「お粗末さまでした」

男「さて、せっかくの休日だしどっか遊びに行くか」

妹「お、久しぶりだねー!」

男「どこ行きたい?」

妹「うーん……>>20に行きたい」

自分で踏んでしもた
stで

妹「ショッピングに行きたい!」

男「買ってはやらないぞ」

妹「自分で買うよ! 靴が欲しい!」

男「じゃあまぁ行こうか」

妹「うん! じゃあ私の移動魔法で……」

男「え、そんなこと出来んの!?」

妹「出来ないけど」

男「じゃあ車出すか」

妹「お願いしまーす!」

男「で、どこの靴屋行く?」

妹「スポーツショップ行って」

男「そんなんでいいのか?」

妹「ナイキのスニーカーが欲しいの」

男「そういやお前スニーカー好きだったな」

妹「というわけでよろしく!」

男「はいよ」

男「くそー混んでるな」

妹「私にもっと力があれば車全部吹き飛ばせるのに」

男「お前に力が無くてよかった」

妹「退屈だなー」

男「じゃあ俺の能力をお披露目するか」

妹「おーまだあるのー?」

男「おう。 >>26が出来る」

テレポート

男「テレポートが出来る」

妹「はぁ!?」

男「すごいだろ」

妹「なんで車出したのさ! テレポートで連れてってよ!!」

男「いやこれ俺一人しかテレポート出来ないし」

妹「あ、そうなの?」

男「その上>>28という制限もあるんだ」

使う度に体が爆発するが数秒後には戻る

男「テレポートする度に俺の身体が爆発する」

妹「えぇ!?」

男「朝大きな音しなかった?」

妹「したした! 私あれで目が覚めたんだもん!」

男「それはテレポート試して爆発したときの音だよ」

妹「平気なの!?」

男「木っ端微塵だったけど数秒後に元に戻った」

妹「……」

男「魂ってあるんだな。 部屋中に四散した俺の肉片を見て絶望したよ」

妹「すごい体験をしたね……」

男「……」パチン

パッ

男「凄いだろう」

妹「歩行者用信号見たんだね」

男「なんだよノリ悪いな」

妹「げ、右折車のせいで進めない」

男「……」

妹「……」

パッ

男「……赤になっちゃった」

妹「もう一回青にしてよ」

男「無理」

男「うわー混んでんな」

妹「あ、そこ右に入って」

男「お、やるな。 空いてた」

妹「これも私の能力!」

男「そうなの?」

妹「駐車場の空きをすぐに見つけられる!」

男「地味だな……」

妹「じゃ、私は靴見てくるけどお兄ちゃんはどうする?」

男「俺も行くよ」

妹「はーい」




妹「あ、瞬足なんて置いてるんだ」

男「俺は瞬足を履くことで>>34の能力を発揮する」

自宅に一瞬で帰宅できる

男「自宅に瞬時に帰宅できる」

妹「えっ」

男「じゃ」シュン

妹「えっ」





妹「行っちゃった……」

妹「お金払ってないのに……」

男「ただいまー」

妹「あ、おかえり。 早かったね」

男「テレポートした」

妹「え、でも爆発するんじゃ」

男「だからここのトイレへテレポートした。 個室だから平気」

妹「……あんまり爆発しないでね。 なんか不安」

男「でも数秒で元に戻るぞ?」

妹「戻らなかったらどうするの。 あんまり多用しないで」

男「ふむ。 わかったよ」

妹「お兄ちゃんこれどうかな?」

男「お、かっこいいな」

妹「可愛いでしょう!」

男「うん、すげぇかっこいい」

妹「そうだよねーこれ可愛いよね!」

男「レディースのスニーカーってかっこいいの多いよな」

妹「メンズにも可愛いのいっぱいあるじゃん!」

男「……」

妹「……」

男「……可愛い靴ってなんだ?」

妹「靴に対してかっこいいはおかしいよ」

男「……」

妹「……」

妹「これにする!」

男「お、そうか」

妹「……?」

男「どうした?」

妹「お兄ちゃん……良くないものが憑いてるよ」

男「憑いてる?」

妹「うん……今朝から霊的なものが見えるようになって……」

男「え、マジで?」

妹「うん、その財布に憑いてるね……ちょっと貸してみて」

男「ヤダ」

妹「ケチ」

男「楽しそうだな」

妹「おニューのスニーカー履いてるからね!」

男「どっか行く?」

妹「うん!」

男「じゃあ>>41に付き合わない?」

絶滅した動物展

男「絶滅した動物展」

妹「え、何それ! そんな素敵なところがこの辺にあったの!?」

男「あるらしいんだよ」

妹「行こう!!」

男「おう!」





男「着いたぞ」

妹「……私が知らないわけだよ」

男「?」

妹「寂れすぎている」

男「まぁせっかく来たんだし見てこようぜ」

妹「うん……まぁ一応……」

男「1000円も取るのか……」

妹「私の分も払ってくれてありがとー」

男「やめときゃよかった……」





妹「地味だね……」

男「日本の絶滅動物のみを展覧してるっぽいな……」

妹「しかもほとんど写真と説明文のみ……」

男「お、ニホンオオカミ」

妹「まだニホンオオカミは絶滅してないよ」

男「は?」

妹「ドラえもんで読んだ」

男「あぁ」

男「え、日本にもサイがいたのか!」

妹「しかも何種類かいたっぽいよ!!」



妹「え、何これペンギン!?」

男「いや、ペリカンの仲間らしいぞ」



男「アシカがいたのか!!」

妹「見てこの鹿!! すごく大きい!!」




男「ナウマンゾウだぁ!!」

妹「うわぁー!! こんなに大きいの!?」

男「かっこいいな!」

妹「ゾクゾクするね!」

男「……」

妹「……」

男「……楽しかったな」

妹「……うん」

男「あそこ潰れないといいなぁ……」

妹「ほんと……」




男「コーヒー飲まない?」

妹「奢ってー」

男「はいよ」

男「ブレンドコーヒーホットで」

妹「同じのください」




男「……メガロドンって知ってるか?」

妹「知らない」

男「すげーデカいサメが昔いたんだってさ。 ジンベエザメクラスの」

妹「え、すごい! なんで絶滅しちゃったの?」

男「なんでもシャチに負けたとか」

妹「シャチすごい!!」

男「あんな可愛い顔して強いんだよなぁ……」

妹「リョコウバトって知ってる?」

男「やたらたくさんいたハトだろ?」

妹「鳥類史上最もたくさんいたんだってさ」

男「それがなんで絶滅しちゃったのさ?」

妹「美味しかったんだって」

男「は?」

妹「美味しかったから乱獲されて絶滅しちゃったんだって」

男「……」

妹「人間は罪深いね」

男「お前も五種絶滅させてるけどな」

妹「……」

男「あ、いや冗談だ」

妹「…………」

男「……」

男「……仕方ないな、ケーキも頼んでいいぞ」

妹「……」

男「いらないのか?」

妹「……いる」




妹「美味しい」

男「俺にも食わせてくれ」

妹「はい」

男「いやそうじゃなくて、食わせてくれ」

妹「は?」

男「あーん」

妹「あ、アホか!!」

男「早く。 俺だって恥ずかしいんだ」

妹「じゃあやめなよ!!」

男「ヤダ」

妹「なんでさ!」

男「なんとなく」

妹「……えーい、喰らえ!!」

男「……うん、確かに美味いなこれ」

妹「は、恥ずかしい……」

男「さ、そろそろ行くかー」

妹「ご馳走様でした!」




男「もう五時か……そろそろ帰る?」

妹「あ、>>51に付き合ってくれない?」

居酒屋

男「付き合えも何もお前まだ高校生だろ……」

妹「いいじゃん行こうよ」

男「行ってもいいけど酒は飲ませないぞ」

妹「えぇー……」

男「それでも行く?」

妹「……行く。 雰囲気に酔うってこともあるし」

男「変なの。 じゃ車家に置いてくるか」

妹「え、なんで?」

男「俺は飲むから。 飲酒運転になるだろ」

妹「ずるい!!」

男「いやずるくはないだろ……」

妹「高校生がお酒も飲めない世界なんて私が壊してやる」

男「お前にたいした能力が無くてよかった」

妹「少し修行すれば私だって!」

男「あと三年もすればそんなことは思わなくなるよ」

妹「なんで?」

男「成人するから」

妹「あぁ……」

男「俺も中学生のときは、エロ本は13から買えるようにするべきだと思ってた」

妹「はぁ」

男「でも18になった瞬間どうでもよくなった。 そういうもんだ」

男「だから未だにエロ本は18禁なんだ」

妹「しょうもない考察」

男「はぁー早くビール飲みたい!」

妹「私も早くビール飲みたい!」

男「三年待ちな」

妹「くそー……早く歳とる能力とかあればなぁ……」

男「せっかく高校生なんだから今しか出来ないことを楽しめよ」

妹「うーん……そうだね」

妹「あ、歳とる能力はないけど>>55の能力はあるよ!」

指パッチンすると半径2kmに衝撃波が広がる
重さにして約40Gの負荷が体に加わる

妹「指パッチンをすると私の周り半径2kmに衝撃波が広がる」

男「は?」

妹「かっこいいでしょ」

男「今の流れで何故その能力をぶちまけた」

妹「いやその気になれば高校生がお酒を飲めない世界を壊せるかなーと思って」

男「お前衝撃波って何か知ってるか?」

妹「音の伝播速度より速く圧力が伝わるときに起こる現象でしょ?」

男「普通は銃弾やミサイルの周りに発生するもんだ」

妹「うん」

男「半径2kmに渡るまで衝撃はが伝播するってことは、それの比じゃない」

妹「うん」

男「お前は今後絶対に指パッチンをするなよ」

妹「わかってるよ。 でもこれじゃオシャレな洋食屋にもいけない」

男「もしお前にその能力がなかったとしてもレストランで指パッチンをしてはいけない」

妹「わかってるよ」

男「着いた」

妹「わー! ワクワクするね!」

男「俺はしょっちゅう来てるからワクワクしない。 こんちわー」

店長「おういらっしゃい! 今日は可愛い娘連れてきたんだな!」

男「良かったな、お世辞言ってもらえて」

妹「お世辞じゃないよ! ですよね、おにーさん!」

店長「もちろん! こいつの彼女かい?」

妹「彼女に見えますー?」

男「妹ですよ。 高校生なんで酒は出さないでください」

店長「妹ちゃんか! まぁゆっくりしてきな!」

妹「ありがとうございます!」

男「生中ひとつ」

妹「私も!」

男「ダメだ。 こいつにはコーラやってください」

店長「はいよ!」




男「好きなもん頼んでいいぞ」

妹「そう? じゃあ軟骨の唐揚げと玉子焼きとたこわさと……」

男「完全につまみだけど酒は飲ませないぞ」

妹「ケチ」

妹「あ、モツ煮とご飯ください」

男「あとキャベツも」





妹「げ、美味しい!!」

男「ここは飯が美味いんだ」

妹「玉子がトロトロ……どうやって作るんだろう」

男「聞いてみたら?」

妹「そうだね! ちょっと聞いてくる」

男「え、マジで?」

妹「教えてくれた!」

男「そういうの教えてくれるもんなんだ」

妹「門外不出だけど私可愛いから特別だって!」

男「スケべ親父が……」

妹「お兄ちゃん酔ってきた?」

男「ん? まぁまぁ」

妹「店長さんに言わせれば私可愛いらしいけどお兄ちゃんどう思う?」

男「周りがそういうんなら可愛いんじゃない?」

妹「そうじゃなくてお兄ちゃんはどう思う?」

男「すみませーん、芋のロックください」

妹「逃げるな!」

男「ちょっとトイレ行ってくる」

妹「もー!」





妹「すみません、不躾ですけど少しお願いが……」




男「ただいま」

妹「おかえりー」

妹「で、話を戻すけど」

男「何の話だっけ? ブウ編以降のベジータは善人か悪人かについてだっけ?」

妹「そんな話はしてない! ベジータには償わなければいけない過去が多すぎると思うけどそんな話はどうでもいい!」

男「でも殺した人以上に救ってきた人がいると思わない?」

妹「数は問題じゃない。 じゃなくてお兄ちゃんは私を可愛いと思うかどうかについて!」

男「あーまぁ可愛いんじゃない?」

妹「おざなりに言うな!」

妹「ねぇねぇ、例えば私がお兄ちゃんの妹じゃなくて、街ですれ違ったとしてさ」

男「あ、キャベツが無くなった。 おかわりくださーい!」

妹「聞け! でさ、そのシチュエーションでお兄ちゃんは私のこと見る?」

男「うーん……まぁチラ見くらいはするんじゃない?」

妹「それはなんで?」

男「胸がそこそこあるから」

妹「セクハラ兄貴死ね!」

男「痛っ! お前が言わせたんだろ!」

妹「うー……」

妹「ガン見しないのはなんで?」

男「なんでって……ガン見とかほとんどしないし……」

妹「たまにはするんだ? じゃあ私をガン見するに至らないのは何が足りないからなの?」

男「……ちょっと待て、お前顔赤くないか?」

妹「トマト食べたからだよ」

男「……もしかして酒飲んだ?」

妹「……よそのおじさんに焼酎分けてもらってコーラに突っ込んだ」

男「……はぁ」

妹「まぁ飲んじゃったものは仕方ない!」

男「開き直んな!」

妹「今日はとことんまで語ろう!」

男「お前絡み酒なんだな……」

妹「ぶっちゃけ>>67についてお兄ちゃんはどう思ってるの!」

幼馴染

男「幼馴染?」

妹「そう! どう思ってるの!」

男「いや……勉強して良い大学行って偉いなーと思ってるよ」

妹「それだけ? あんなに長いこと一緒にいてそれだけ?」

男「いや……まぁ細かいこと挙げればキリがないけど」

妹「全部挙げて!」

男「えーと、あいつに貸した漫画まだ返してもらってないなーとか昔あいつのが脚速かったけど今は負けないだろうなーとか」

男「こんな暑いのにエアコンつけてないらしくて、我慢強いなーとか最近バイク買ったの羨ましいなーとか。 他にも」

妹「あぁもういいや」

男「なんだよそれ」

妹「幼馴染ちゃん可哀想」ボソッ

男「え?」

妹「あ、私お茶漬け食べたいなー」

男「好きにしろよ」





妹「お兄ちゃんってさ、人を好きになったこととかあるの?」

男「>>70

アクラムベールアクラムベール

妹「……お兄ちゃんもしかして酔ってる?」

男「まぁそこそこ」

妹「これ何本?」

男「腕が一本」

妹「そうじゃなくて指は何本?」

男「五本」

妹「えっ」

男「でもそのうち二本は立ってて三本は折ってる」

妹「正気じゃん」

妹「からかわないでよ」

男「からかってないよ。 今俺は呪文を唱えたんだ」

妹「え、どんな?」

男「>>73

大嘘憑き

男『イッツオールフィクション!!」

妹「呪文……?」

男「お前が俺の妹だという事実をなかったことにした!」

妹「え、嘘!?」

男「」

男『イッツオールフィクション!!』

妹「呪文……?」

男『お前が俺の妹だという事実をなかったことにした!』

妹「え、嘘!?」

男「嘘に決まってんじゃん」

妹「……なんだ」

あ、途中送信したっぽいな
>>74はナシで

妹「……私が妹じゃなかったらお兄ちゃんどう思う?」

男「えーと……なんで俺は妹でもない女子高生と一緒に居酒屋にいるんだと思う」

妹「ドキドキする?」

男「俺の倫理観を疑う」

妹「この意気地なしめ!」

男「お前が何を言っているのかわからない」

妹「私も今なんの話をしているのかわからない」

男「だいぶ酔っ払ったな」

妹「そうだね」

男「お開きだな」

妹「うん」

男「結構飲んだなー」

妹「お兄ちゃん……私吐きそうかも」

男「げ、大丈夫か?」

妹「な、なんとか……」

男「……しゃーねーな。 ほら、担いでやるよ」

妹「ありがとう……」



男「くそーしんどい……」

妹「ふらふらだぁ」

男「誰のせいだ……。 くそ、重い」

妹「重くない!」

妹「あのね、お兄ちゃん」

男「ん?」

妹「ずっとお兄ちゃんに言いたかったことがあるの」

男「……なんだ?」

妹「酔いでもしない限り言えなかった。 あのね、私ね……」

男「……」

妹「>>80

本当はもう死んでるの

妹「本当はもう死んでるの」

男「……」

妹「思い出した?」

男「……思い出すも何も、忘れたことなんてない」

妹「……じゃあさ、もういい加減前向こうよ。 こんな夢見てないで」

男「……今日はおかしいな。 お前がそんなこと言うなんて」

妹「おかしい? なんで?」

男「今夢を見てるのは知ってる。 現実じゃ耳からうどんを出す能力なんてない」

男「唯一の能力といえば、自在に夢を見られるくらいだ」

妹「……」

男「だからお前が夢なのも知ってる。 俺はそれでいいんだ」

妹「……あのさ」

男「なのに何故お前は俺の意に沿わないことを言う」

妹「……だって私は」

男「俺は夢でもいいんだ! もうお前に会えないのはわかってるんだ!!」

妹「……」

男「じゃあせめて! 夢の中で空想のお前と遊ぶくらいいいじゃないか!!」

男「なのに何故お前はそんなことを言う!」

妹「……ねぇ」

男「……まぁいいや、今日はもう起きるよ。 明日また」

妹「聞いて!!」

男「……」

妹「お兄ちゃんは、間違ってる。 いろいろと」

男「……うるさい」

妹「いつまでこんな夢にすがってるの? 私はもう死んだの!」

男「うるさい!!」

妹「生きてれば誰もが死別を乗り越えるの! お兄ちゃんだけがこんな風に腐るなんて許せない!!」

男「黙れぇ!! 夢のくせに俺に説教するなっ!!」

妹「私は夢じゃないっ!! いい加減気づけぇ!!」

男「!!」

妹「人のことを夢だ空想だ馬鹿にして!」

妹「お兄ちゃん程度に生み出せるほど私は浅い人間じゃない!!」

妹「毎晩毎晩一緒に遊んでたのになんで気づいてくれないの!」

妹「お兄ちゃんも楽しかったでしょ!? 空想と遊んでこんなに楽しいわけがない!!」

男「……どうやって証明する」

妹「え?」

男「どうやってお前が空想じゃないと証明する? お前が本物だとどうやって証明するんだ」

妹「……お兄ちゃんは私が偽物であってほしいの?」

男「……」

妹「……今こうして、お兄ちゃんの意思に反した言動をしてるのは証明にならない?」

妹「そもそも、私はお兄ちゃんの顔色を伺って行動したことなんてない。 ずっとそうだったでしょ?」

男「……」

男「……あぁそうだ、お前は俺の思い通りになったことなんてない。 生前もな」

男「そういうお前をよく知ってるから、目の前にいるお前も俺の空想で何も矛盾しない」

妹「……あぁもういいよ。 今のお兄ちゃんに何話したって無駄だ」

男「……」

妹「起きたら私の窓際の本棚の裏を見て」

男「あ?」

妹「そこに私の日記がある」

妹「お兄ちゃんが想像もしなかったことがそこにたくさん書いてある。 起きてから存分に確認すればいい」

妹「お兄ちゃんが信じないならそれでもいい。 どうせ目覚めて本棚を確認すればわかることだから」

男「……」

妹「でも私は今日を最後に、もう現れないことにするよ」

男「!」

妹「明日からもうお兄ちゃんの夢には現れない」

男「ど、どうして!!」

妹「私は空想なんでしょ? 何慌ててるの?」

男「う……」

妹「……お兄ちゃんももう分かってるはず。 私は本物だよ」

男「……」

男「……どうして消えちゃうんだ」

妹「……昼間のお兄ちゃんが見てられないから」

男「……」

妹「私に会いたいが為に寝続けて、睡眠薬に手を出して、薬の量も増えてきて、お兄ちゃんはもうボロボロだ」

男「……」

妹「……ごめんなさい。 私が夢に現れなければこんなことにならなかった」

男「……そんなこと」

妹「ごめんなさいっ……! ごめんなさいっ!!」

妹「お兄ちゃんに偉そうなこと言っといて、一番前を向いていないのは私だったの!!」

男「……」

妹「死んだなんて認めたくなくて!!」

妹「お兄ちゃんと離れたくなかった!!」

妹「お兄ちゃんとやりたいことがまだまだたくさんあった!!」

妹「旅をしたかった! 私が運転する車にお兄ちゃんを乗せたかった! 働いて、お兄ちゃんに悩みを相談したかった!!」

妹「お兄ちゃんがボロボロになっていくのを間近で見て、それでも夢に現れるのをやめられなかった!!」

男「……泣くなよ」

妹「お兄ちゃんも泣いてんじゃん!」

男「……あぁ」

妹「……でも、今日お兄ちゃんと一緒に居酒屋でお酒を飲む夢が叶った」

男「……」

妹「……お酒っていいものだね。 ようやく私もケジメをつけられた」

男「……一人で勝手にケジメつけるなよ」

妹「妹が先に進もうとしてるのに兄が二の足踏んでいいわけないでしょ」

男「……いいじゃん、このままで」

妹「駄目に決まってんじゃん。 このままだとお兄ちゃん死ぬよ」

男「いいよ、もう。 お前がいないなら生きてたって仕方ない」

妹「このまま死んだら永久にお兄ちゃんを許さない」

妹「あの世に来たって絶対に一言も話してやらない」

男「……なんでお前はそんなに俺を生かしたいんだ。 お前だって俺と一緒にいられたら嬉しいだろ?」

妹「人生投げるような糞兄貴ならいらない。 お母さんとお父さんはどうするの?」

男「……」

妹「二人がどんだけ心配してるかくらいわかるでしょ? 私のせいなんだけども」

男「……」

妹「幼馴染ちゃんもだ。 お兄ちゃんが自ら死を選ぶなんて真似をしたら、皆の人生が真っ暗になる」

妹「だからそれは許されないの。 私が許さない」

男「……割り切れない」

妹「でも生きて」

男「……」

妹「私もあの世から見てるからさ。 私と話したくなったら空に向かって話しかければ私に届く」

妹「私の声はお兄ちゃんに届かなくても、お兄ちゃんの声は私に届く」

男「……あの世に行ったこともないくせになんでそんなことがわかるんだ」

妹「……無粋だなぁ。 普通そこは突っ込まないでしょ」

妹「……まぁ実際それはわかんないけど、あの世があることはわかる」

妹「たかだか60年くらいでしょ? そしたらまた会えるんだ」

男「……」

妹「ね? いい子だから」

男「……わかったよ」

妹「偉い!」

男「……上手くやれるかわからないけど、頑張ってみるわ」

妹「うん!」

男「お前も頑張れよ」

妹「……うん!」

妹「じゃ、私行くね」

男「おう」

妹「あ、もうぶっちゃけちゃうけどね、幼馴染ちゃんお兄ちゃんのこと好きなんだよ」

男「は!?」

妹「冥土の土産!」

男「逆だろ……」



妹「元気でね」

男「達者でな」

妹「大好きだよ、お兄ちゃん!」

男「あぁ。 俺もだ」

妹「またねー!!」

男「またな」

━━
━━━
━━━━

妹「久しぶり」

男「おう。 60年ぶりだな」

妹「元気にしてた?」

男「癌で死んだけど、まぁ元気にやってた方じゃないかな」

妹「それはよかった!」

男「お前は?」

妹「まぁ元気にやってたよ。 あの世結構快適」

男「そうか」

男「結局あの世からこの世は覗けたのか?」

妹「無理だった」

男「そうか」

妹「だからどういう人生だったか聞かせて!」

男「おう。 お前と別れたあの後幼馴染とな……」

妹「待って!」

男「?」

妹「お兄ちゃんの話はゆっくり聞きたいし、私にも積もりに積もった話がある」

男「? あぁ」

妹「こういう話をするときはやっぱり居酒屋でしょう!」

男「え、あの世にもあんの?」

妹「へへー良い店いっぱい知ってるよ!」

男「へぇー……」

妹「飲みながら話そう!」

男「おう。 じゃあ案内してくれ」

妹「うん! 今日は朝まで飲み明かそう!」

男「よっしゃあ!」




妹「あ、お兄ちゃんの奢りね!」

男「……しゃーねーな」



fin

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 03:24:11   ID: yKGesAbg

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