ほむら「一週間?」長谷「フレンズ」 (27)

長谷「暁美さん!俺と、友達になってください!」

生徒A「おい、長谷の奴あの暁美に向かって堂々と・・・」

生徒B「変わってるわね・・・よりにもよって暁美さんと友達になりたいなんて」

さやか「長谷・・・あんた正気?そんな悪魔と・・・」

長谷「悪魔ってなんだよ・・・俺はただ暁美さんと友達に・・・」


ほむら「ごめんなさい。あまりそういうの興味ないから・・・」ファサ

コツコツコツ・・・


長谷「あー・・・行っちゃった・・・」


俺は長谷祐樹。三滝原中学の3年生だ。俺はいつもクラスで一人で居る暁美ほむらとどうしても友達になりたく
今日思い切り声をかけてきたんだけど・・・
簡単にあしらわれてしまった。

昼休み

長谷「あれ、暁美さんが屋上に・・・おっかけてみよう」

屋上

長谷「あれ・・・暁美さんが居ない・・・」

ほむら「居るわよ・・・あなたの後ろに(にたぁ」

長谷「うわっ!急に驚かさないでよ!びっくりするじゃんか!」

ほむら「あら、長谷君は私を追いかけてきたんじゃなかったの?」

長谷「う・・・バレテル・・・」

ほむら「少し聞きたいのだけど、どうして私と友達になりたいと思ったのかしら?」

長谷「え・・・?えっとそれは・・・いつもクラスで一人だから・・・・・・」

ほむら「私が好きでそうしてるの・・・別に苦でもなんともないわ」

長谷「それに・・・なんかさ、いつも寂しい顔してるから」

ほむら「・・・」

長谷「だから俺なんかで良かったら、友達に」

ほむら「私なんかと友達に・・・?ふふ、後悔するわよ。やめておきなさい・・・」

暁美さんは不適な微笑を浮かべ俺に詰め寄ってきた。
顔が近くて興奮してしまう。
でもなんかその・・・凍りつくように怖い。

長谷「どうして後悔するの?」

ほむら「それはね・・・私が・・・悪魔だからよ・・・」

本気で体が凍りつくようだった・・・
たしかに悪魔のような鋭い眼光・・・暗い雰囲気・・・でも

長谷「悪魔でも良いから、俺と友達になってよ!」

ほむら「!」

長谷「お昼は一緒にご飯食べたり、帰りは一緒に寄り道しながら帰ったり、買い物したり。少しずつでも良いから仲良くなりたいんだ!」

ほむら「どうなっても構わないと言うのなら・・・良いわ。なってあげるわよ。友達に・・・」

長谷「本当!やった!」

ほむら「変わった人ね・・・貴方・・・」

長谷「そうかな?どっちにしろ暁美さんと友達になれた・・・それだけで俺は嬉しいよ!」

ほむら「まどかみたいな人ね・・・貴方って(ボソ」

長谷「え?何か言った?」

ほむら「いいえ、なんでも。今日からよろしくね、長谷君・・・」

長谷「いいや、俺こそ!暁美さん!」


ほむら「まどかを因果の理から引き離してから半年・・・面白い退屈しのぎが出来たわね・・・でも長谷祐樹・・・貴方に私の心は動かせない。私の友達はまどかだけ・・・まどかがすべてなのだから」

ほむら「の筈だったのだけど・・・」


後日、昼休み、屋上にて


長谷「暁美さんてゲームとかする?」

ほむら「私、以前は病弱でね。入退院ばかりしていたのよ。本とかはたくさん読んだけれど、ゲームはあまりね」

長谷「じゃあ良かったらこれ貸すよ!」

ほむら「え・・・?」

長谷「キャラ物のパズルゲームなんだけどさ。凄い面白いんだ。もし暁美さんが上達したら、俺と勝負しようよ!」

ほむら「貴方の大事な物でしょ?借りていいのかしら・・・」

長谷「いいよ、だって友達でしょ?」

ほむら「・・・ありがとう(ニコ」

長谷「あ、暁美さんが笑った!」

ほむら「え・・・?なにか変かしら?」

長谷「いや、暁美さんの自然に笑う姿、初めてみたから」

ほむら「そう、そんな事言う人、貴方が始めてよ」

長谷「え?そうなの・・・?」

ほむら「だって皆、私を怖がって近づかないもの。まあその分他人に気を使わなくて良いのだけど」

長谷「そっか・・・でもいつか、沢山笑えるようになってほしいな」

ほむら「本当に変な人ね・・・貴方って」



ほむら「何か悪くないような気がしてきたわ」

後日、授業中

長谷「やばい・・・教科書忘れちゃったよ・・・どうしよ」

サッ

長谷「あれ・・・って暁美さんがどうして俺の隣の席に!?」

ほむら「細かい事は良いじゃない。それに教科書忘れて困ってるんでしょ・・・?」

長谷「あの、えっと・・・ありがとう・・・(って言うか距離が近すぎる////」



ヒソヒソ

生徒A「あいつ本当に暁美と仲良くしてるよ・・・」

生徒B「信じられない・・・」

さやか「長谷の奴・・・後悔するよ・・・」

杏子「ふーん、物好きも居たもんだね・・・」

まどか「長谷君、ほむらちゃんと友達になるなんて凄いなあ・・・」


長谷「だー!もうお前らうるさいよっ!」

ガタ!


先生「長谷君!?どうした!!!!????」

長谷「あ、いや・・・その・・・なんでもないです、すみません」

ほむら「ふふ・・・」

少しトイレと飲み物とってきます。見てる人いたらしばらくお待ちを・・・

後日、放課後


長谷「暁美さんはカラオケとかはじめて?」

ほむら「ええ、歌を歌う事なんてまったくないから・・・」

長谷「そっか。何か歌える曲ある?あるなら一緒に歌おうよ」

ほむら「そうね・・・あ、これ・・・これなら私も歌えるわ」

長谷「うんうん。って暁美さんマラカス持っちゃって結構乗り気なんだ」

ほむら「え・・・えっと・・・こう言うの振って盛り上がるのかなって・・・」

長谷「あはは、それは別に大丈夫だとおもうけど・・・」


ほむら「まだだめよ・・・まだだめよ・・・ ふぅ」


長谷「暁美さん歌上手だね」

ほむら「そうかしら・・・?人前で歌を歌うのは初めてなのだけど・・・」

そしてまた後日、クレープ屋

長谷「おいしい?暁美さん」

ほむら「ええ、とても」

長谷「やっぱり友達と一緒に食べるのって凄く楽しいし美味しく感じるよね」

ほむら「そうね、貴方のような人ともっと早く知り合えてたら私はきっと・・・」

長谷「ん?どうかした?暁美さん」

ほむら「ううん、なんでもないわ・・・それよりここのクレープなかなか美味しい、気に入ったわ」

長谷「そっか・・・それはよかった」

そしてしばらくたち・・・クラスメイトの異変が起こった

そう、俺と暁美さんが友達になったことがきっかけで皆が暁美さんだけでなく俺まで避けるようになったのだ。
陰口で悪魔のお友達なんてあだ名までつけられていた


昼休み屋上にて

ほむら「・・・長谷君。そろそろなんだけど・・・」

長谷「俺、やめないよ?暁美さんと友達・・・」

ほむら「え・・・まだ何も言ってないのだけど・・・」

長谷「クラスメイトが俺まで避けてるから、友達止めようって言いたかったんでしょ?」

ほむら「言ったでしょ?私なんかと関わったら不幸になるって」

長谷「少なくとも俺は不幸じゃないよ・・・!暁美さんと毎日過ごせてすっごく楽しい!クラスメイトが何か言いたければ勝手に言わせておけば良いんだよ!」

ほむら「貴方・・・!   わかったわよ、そこまで言うなら・・・もしクラスメイトに何かされたら守ってあげるわ」

長谷「いや、自分でなるべくなんとかしてみるよ。もし本当に困る事があったら頼るからさ」

ほむら「そう、わかったわ本当に物好きなんだから貴方は・・・」



休み時間にて


さやか「長谷・・・あんた、友達は選んだほうが良いわよ。よりにもよってなんで暁美ほむらなのさ。友達なら私やまどか達だって居るじゃないのさ」

長谷「よりにもって、暁美さんをすべて知ってるわけじゃないのに、勝手に嫌って避けるほうが可笑しいと思うよ」

さやか「っ・・・そう。あんたそういうときって石頭だから何言っても聞かないだろうから一応言っとく、もしあの女が原因でこれ以上嫌な目に会うならあんたと引き離すから」

長谷「あーもう本当に大丈夫だってば!余計なお世話だよっ!」

さやか「わからずやめっ!」

まどか「でも・・・長谷君が少しうらやましいな」


ほむら「・・・」



そして放課後




ほむら「長谷君。この後少しお話しない?」

長谷「え?別に良いよ?時間たくさんあるし」

ほむら「ありがとう」

見滝原の花畑の丘

ほむら「ねえ長谷君。あなたは、この世界が尊いと思う?欲望よりも秩序を大切にしてる?」

長谷「それって…どういう意味だろう・・・ちょっと難しいな・・・ごめんね暁美さん、俺さ、頭悪くて」

ほむら「そんな難しく考えなくて良いのよ。単純に貴方の思いを聞きたいだけ」

長谷「そうだなぁ・・・たしかにさ、秩序とかルールってバランスを保つために大切なことだとは思うよ。だけど…そのルールが逆に人を苦しめてる事だってあるかもしれない」

ほむら「…」

長谷「だからさ、なるべく周りに迷惑をかけないようにするなら、欲望のためにこっそり秩序を破っても良いんじゃないかな・・・なんて・・・」

ほむら「ふふ・・・あはは、面白いことを言うのね貴方って」

長谷「だってさ、万人受けする秩序なんてない訳だし・・・現に俺たち、校則破って平気で寄り道したりしてるしね。でもこれで周りに迷惑がかかるわけでもないしさ・・・楽しいし良いんだよ!」

ほむら「長谷祐樹・・・その考えが本当なら・・・貴方とはずっと、味方どうしかもね」

長谷「ずっと出来れば、暁美さんの味方で居たいよ俺は・・・」

ほむら「ありがとう…。ねえ長谷君。こんなお話、信じられるかしら」

ほむらが長谷にしたお話。
それはほむらが魔法少女になった生い立ち
そして大切な友達のために悪魔になったお話だった

ほむら「信じられるわけないとは思うけど。どうおもう?」

長谷「なんていうか凄い話だね・・・でも、もし本当にそういう世界があったとしたら、悔しいかな」

ほむら「悔しい?どうして?」

長谷「だって、その場に居れるなら俺も居たかった!少しでも暁美さんの励みになりたかったからさ」

ほむら「!」

長谷「きっと悪魔になったとしても、暁美さんの友達でいて、少しでも悩みや辛さを理解してあげたいから」

ほむら「本当に貴方は・・・単純なんだから」ファサ

長谷「暁美さんのそのイヤリング・・・凄くきれいだね」

ほむら「そう?ありがとう、結構気に入ってるのよ。触ってみる?」

長谷「え!触るって///」

ほむら「友達になった貴方だから特別」

長谷「あ・・・う、うん」

サワサワ

暁美さんの髪の毛から良い匂いが・・・!でも本当に触ってみてみると綺麗なアクセサリだ
なんかこう・・・深い泉みたいなそんな色だ・・・


あれ・・・意識が・・・体が動かない・・・

悪魔ほむら「ありがとう。いい退屈しのぎだったわ。長谷君。私にはまだすることがあるの。それがいつ片付くかも解らない。場合によっては負けて消滅するかもしれない。」

長谷「暁美さん!?どうしたの!?それにその黒いドレスのような格好は!?」

悪魔ほむら「貴方はこれから普通の人生を歩むと良い、貴方の幸せは私が保証するわ。もしね、すべてが片付いたら改めて友達になってあげるわ・・・まどかといっしょにね・・・」

最後に微笑んだ暁美さんはなぜか涙を流していた。

そしてそれ以降の思い出が妙にあやふやのまま、俺は学校を卒業し高校生になった。



それでも、最後に笑った暁美さんの笑顔は忘れられなかった

そして時は流れ

桐生「ふーん、だいぶ変わった夢を見たんだな」

長谷「すごいリアルだったよ。だけど夢から覚めた後、結局現実では暁美さんと友達になれることなく終わったんだよな」

桐生「夢って言うのは自分の都合の良いように出来てるからなまあ良いんじゃねーの?」

長谷「それもそうだな・・・それに今日こそ、藤宮さんに声をかけて友達になってやる・・・!」

校内屋上


長谷「藤宮さん・・・俺と友達になってください!」

藤宮「ごめんなさい・・・私・・・忘れちゃうの」

長谷「え・・・?」

藤宮「一週間すぎると・・・友達との記憶がリセットされちゃうの・・・」

長谷「そんな・・・」

藤宮「だから・・・長谷君とは友達にはなれないの・・・ごめんなさい!」

長谷「それでも俺、藤宮さんと友達になりたいんだ!」

藤宮「・・・!」

………

……





放課後、帰り道のクレープ屋にて

長谷「藤宮さん、一週間で本当に忘れちゃうんだな・・・記憶・・・はぁ・・・」

???「悩んでるようね、相談に乗るわよ・・・長谷君」

長谷「!?あれ・・・君はたしか・・・!」

ほむら「久しぶり、また会えたわね」

長谷「あれ・・・あの時の事って夢じゃ・・・」

ほむら「何言ってるのよ同じ高校でクラスが違うだけじゃないの」

長谷「え・・・?え・・・?」

ほむら「さっきまでまどか達と遊んでたのよ。さっき別れて来たら偶然貴方を見つけて。何か悩んでるみたいだから」

長谷「暁美さん・・・実は」

ほむら「ふふ、ほむらで良いわ、こうして久々に会えて嬉しいし、今度はまどかと三人であそびましょう・・・」

長谷「う・・・うん」

悪魔ほむら「一応すべてが片付いたらこんなに時間が経ってしまったのね。でも・・・約束は守ってもらうから・・・長谷祐樹・・・(にたぁ」

悪魔ほむら「だから、あの子には一週間で友達との記憶を忘れてもらう・・・可哀想だけど・・・ふふ」



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