もこっち「不良怪獣ゼットン」 (33)

わたモテとウルトラゾーン(不良怪獣ゼットン)のクロスオーバーです。
過去に実際に怪獣が出現した世界観として書いています。
なので途中に怪獣図鑑が出てきますが、「ウルトラシリーズに登場した怪獣の図鑑」
ではなく「かつで出現した怪獣をまとめた図鑑」として解釈してください。

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ネモ「黒木さん、おはよー」

もこっち「えっ!?あ、うん、お・・・おはよう・・・」

ネモ「ねー知ってる?今日、このクラスに転校生が来るんだって」

もこっち「て、転校生・・・?」

ネモ「うん!どんな人が来るのか楽しみだね!」

もこっち(転校生か・・・どんな奴だろう・・・クラスに馴染めずにボッチになってるようだったら、声かけてみてるか)

担任「はーい、みんな席につきなさい」

担任「知ってる人も多いと思うけど、このクラスに転校生がやってきます」

ザワザワ

担任「はい、静かに!それじゃあゼットン君、入ってきて」

もこっち(ゼットン?外人か・・・?)

ガラッ

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「・・・は?」

担任「円谷高校から転校してきたゼットン君です。みんな、仲良くしてあげてね」

ゼットン「・・・」ペコリ

もこっち(いやいやいや!何だアレ!?昆虫?宇宙人?少なくとも人間じゃないよな?)

もこっち(そしてなんでクラスの連中も驚かないの!?クロマティ高校のメカ沢じゃあるまいし!)

ネモ「へぇ、なかなかカッコいい人だね!」

もこっち「そ、そうだね・・・」

もこっち(いや、確かにカッコいいかも知れんけど・・・女が男に求めるカッコよさのベクトルとは違うだろ!)

担任「そうね・・・じゃあゼットン君、○○の隣に座って」

ゼットン「・・・」コク

もこっち(と、とりあえずどんな奴か観察してみるか・・・)

数日後

ワイワイ ガヤガヤ

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち(ここ数日観察してみたが、驚くほど無口だな・・・まぁ、私も1年の頃はあんなだったしな)

もこっち(・・・いや、ネモが話しかけてくれるようになっただけで、私自身は変わってないか)ジワ

もこっち(ダメだダメだ!余計なことは考えるな!)ゴシゴシ

もこっち(それより、今はアイツだ。いくら無口でも、こっちから話し掛ければさすがに何か喋るだろ)

もこっち(少しでも友達作る努力しないと、また担任から何言われるか分かんないし、ネモ以外で話せそうなのアイツしかいないからな)

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「ど、どうも・・・」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「え、えっと・・・隣、いい・・・かな?」

ゼットン「・・・」コク

もこっち「あ、ありがとう・・・」ガタ

もこっち「あの・・・わわ、私、黒木智子って・・・いうんだけど」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「ぜ、ゼットン君・・・で合ってるよね?ゼットン君って、前の学校で、ど・・・どんな風だったのかなー?・・・なんて」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「あっ・・・ご、ごめん・・・もしかして、聞かれたくない話題だった・・・?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「じゃ、じゃあさ!しゅ、趣味の話とか!ゼットン君って何か趣味ってある?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「ぁ、あの・・・」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち(会話続かねぇぇぇぇぇぇぇ!!)

もこっち(いや、続く続かない以前に、成立すらしてないし!)

もこっち(何なの!?私が相手のペースについてけないってのは散々あったけど、私より無口ってどういう事!?)

もこっち(もしかしてアレか?1年の私みたいに無口キャラを演じて人気者になろうとかそういう・・・)

もこっち(・・・いかん、嫌なこと思い出したらまた泣きたくなってきた)ジワ

ゼットン「・・・」ガサゴソ

スッ

もこっち「えっ・・・?は、ハンカチ・・・?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「あの・・・もしかして、貸してくれるとか・・・?」

ゼットン「・・・」コク

もこっち「あ・・・ありが・・・と・・・」フキフキ

もこっち(まぁ、悪い奴じゃあない・・・のか?)

キーンコーンカーンコーン

もこっち「さて、帰るか・・・」

ネモ「黒木さん、また明日ねー!」

もこっち「あっ!う、うん・・・ばいばい・・・」

もこっち(それにしてもゼットン・・・変わった奴だったな・・・)

もこっち「・・・」トコトコ

もこっち(ゼットン・・・あの名前どっかで聞いたことあるような・・・)

もこっち(不良漫画のキャラ?いや、もっと有名な何か・・・)ドンッ

もこっち「あっ・・・す、すいません・・・」

不良A「おう姉ちゃん、どこ見て歩いてんだ?あぁん?」

もこっち(げぇっ!不良!しかもこの制服って赤王高校の奴らじゃん!)

もこっち(駄菓子屋の前でたむろする不良とか昭和かよ!)

不良B「お前、地球防衛高校の生徒だろ?」

もこっち「ははははは、はいっ!そそそそそっ、そうです!」ガクブル

不良A「ちょうどいいや。昨日、俺らの可愛い後輩がチボ高の奴に痛い目あわされたんだよなぁ」

不良C「コイツを人質にして呼び出すってのはどうよ?」

不良A「ヒャハハ!そいつぁいいや!人質がいりゃあ、向こうも手出しできねえしなぁ!」

不良A・B・C「「「ヒャハハハハハハハハ!」」」

もこっち「あわわわわ・・・」ガタガタ

ゼットン「・・・」トコトコ

もこっち(あれっ?ゼットン!?あいつもこの駄菓子屋来てんの?)

不良A「あぁん?ンだぁテメェは?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

不良B「お、おい・・・ヤベェよ」

不良A「はぁ?おいおい、なにビビってんだよ」

不良C「あ、あれってゼットン君じゃね?」

不良A「は?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

不良A「あぁっ!?ホ、ホントだ、ゼットン君だ!!」

不良C「おい、どうすんだよ!?」

不良A「決まってんだろ!ウルトラマンを唯一破った怪獣に俺らが敵うわけねぇ!逃げるぞ!」

不良B「ひいいぃぃぃ!」ダッ

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「あ、えっと・・・その・・・ありがとう・・・」

もこっち(ウルトラマンを破った・・・?もしかして・・・)

もこっち「ただいまー」ガチャ

母「あら、遅かったのね。ご飯もうすぐ出来るわよ」

もこっち「あ、ちょっと待ってて。すぐに終わるから!」ドタバタ

母「・・・?どうしたのかしら?」


ガチャ バタン
もこっち「確かこのあたりに・・・あった!」ガサゴソ

決定版!ウルトラ怪獣大図鑑

もこっち(小さい頃はよく弟と一緒に読んだっけな・・・)

もこっち(・・・って、感傷に浸ってる場合じゃない。ゼットン・・・ゼットンは・・・いた!)ペラペラ


【宇宙恐竜ゼットン】身長;60m 体重:3万トン
ゼットン星人の連れてきた怪獣。一兆度の火球が武器。
科学特捜隊基地を襲い、ウルトラマンを破った強敵中の強敵である。


もこっち(ゼットン・・・やっぱり・・・!)

宇宙恐竜ゼットン。ウルトラマンを破った唯一の怪獣。
しかし、なぜかこの町ではその強さを知る者は少ない・・・

翌日 
ザワザワ

もこっち(なんか妙に騒がしいな・・・みんなして窓際に集まって・・・グランドで何かやってるのか?)

もこっち「ど、どうかしたの・・・?」

ネモ「あ、黒木さん。なんか、グランドで喧嘩が始まってるらしいよ」

もこっち「喧嘩?」ヒョコ

グランド

教師「おいお前ら、赤王高校の生徒だろ!地球防衛高校に何の用だ!」

不良A「センコーはお呼びじゃねぇんだよ。ゼットン連れてこいや」

教師「ゼットンを?ウチの生徒に何する気だ!場合によっては警察を呼ぶぞ!」

不良C「んな事言ってていいのかなぁ?レッドキングさーーん!」

レッドキング「ピギャ-オ!」ズシンズシン

教師「な、なんだお前は!?」

不良B「レッドキングさん、やっちゃってください!」

レッドキング「ギャ-オ!」バキッ

教師「うごぉっ・・・」バタ

女子生徒「きゃあっ!」

男子生徒「ひぃっ!」

不良A「いや~、レッドキングさん、流石ッス!」

不良B「おうテメェら!テメェらもこうなりたくなかったら、さっさとゼットン連れてこいや!」

ザワザワ

もこっち(レッドキング・・・確かあいつもウルトラマンと戦った怪獣・・・!)

もこっち(つーか他校に殴り込みとか、どんだけ時代錯誤なんだよ!?)

ゼットン「・・・」ピポポポ

スッ ガララ

ネモ「あっ、ゼットン君どこ行くの?」

もこっち(あいつ、もしかして・・・)

ゼットン「・・・」トコトコ

もこっち「ま、待って・・・!」

ゼットン「・・・」ピタッ

もこっち「あ・・・あいつらの所・・・行くの?」

ゼットン「・・・」コク

もこっち「で、でも・・・あのレッドキングとかいうの・・・す、すごく強いんだよ?ウルトラマンを追いつめたくらいだし・・・」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「・・・そっか。ゼットン君は・・・それ以上だっけ」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「昨日、ゼットン君の事・・・調べたんだけど・・・あのウルトラマンを唯一倒した宇宙恐竜なんだよね?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「あ・・・あれから自分なりに考えたんだ。どうして昨日、前の学校の事聞いたとき黙ってたのかな・・・って」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「なんとなく分かった気がする・・・強すぎるから、周りから疎まれて、次第に孤立していく・・・」

もこっち「それが嫌だったから、強さを隠して、ここに転校してきた・・・ち、ちがう?」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「・・・わ、私さ!正直ケンカの強さとか、そういうの・・・あ、あんまり分かんないけど・・・でも、ボッチが嫌なのは痛いほど分かるよ・・・」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「だ、から・・・その・・・私、いくらゼットン君が強くても、疎んだりしない。根本さんだってそう。他の連中も・・・たぶん分かってくれると思う」

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「もも、もし分からないようだったらさ、わ・・・私がガツンと一言いってやるからさ!」

もこっち「・・・だから、周囲の目なんか気にしないで、あのトウモロコシ野郎をブッ飛ばしてきてよ!」グッ

ゼットン「・・・」コク

ザッ

ゼットン「・・・」ピポポポ

不良A「おう、よくきたなぁゼットン。度胸だけはほめてやるよ」

不良B「けどな、いくらテメェでもレッドキングさんに勝てるわけねぇよ!」

レッドキング「ピギャーオ!」

不良C「レッドキングさん!あんな奴、血祭りにしてやってください!」

レッドキング「ピギャーオ!」ズンズン

もこっち(ゼットン・・・)

レッドキング「ピギャーオ!」ボゴッ

ゼットン「・・・」フラッ

もこっち「ゼットン!」

不良C「分かったかゼットン!レッドキングさんの実力がよぉ!」

不良B「チビでブスな彼女をそれ以上心配させたくなかったら、素直に土下座するんだなぁ!」

ゼットン「・・・!」グッ

もこっち「ゼットン・・・」

レッドキング「ピギャーオ!」ブンッ

ゼットン「・・・」パシッ

レッドキング「ギャ?」

ゼットン「・・・」ゲシ バキッ

レッドキング「ギャオ!?」

不良C「お、おぉ?」

不良A「レッドキングさん!?」

ゼットン「・・・」バシュ

ドガーン

レッドキング「ピギャーオ・・・」ズシーン ピクピク


不良A「うおっ!?熱ちちっ!!」

不良B「れ、レッドキングさんがやられた・・・!」

不良C「ひいぃ!逃げろー!」ドタバタ

ゼットン「・・・」ピポポポ

もこっち「ゼットン・・・よかった、無事で・・・」ジワ

ゼットン「・・・」スッ

もこっち「へっ!?な、な、泣いてないし!は・・・ハンカチとかいらないから!」ゴシゴシ

もこっち「・・・そ、それよりさ・・・帰って駄菓子屋行かない?きの、昨日のお礼もしたいし・・・うまい棒10本までならおごるよ?」

ゼットン「・・・」コク

もこっち「そ・・・そう?じゃ、じゃあ行こっか!」

宇宙恐竜ゼットン。ウルトラマンを破った唯一の怪獣。
しかし、なぜかこの町ではその強さを知る者は少ない・・・

もこっち「まぁ、私は知ってるけどね?」ニヤ

おしまい

というわけで、短いですがこれで終わりです。
最初は夢オチにしようかとも思いましたが、それじゃ目覚めた後のもこっちがかわいそうなので、こうした形になりました。
では、またどこかで。

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