雪歩「響ちゃんには沖縄感が足りない!」 (33)


響「……はえ?」

美希「雪歩、どうしたの?」

雪歩「響ちゃんは沖縄っぽくないよ!」ビシッ

美希「いや、だから」


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響「自分、本当に沖縄出身だし……『ぽくない』とか言われてもどうしようもないぞ」

雪歩「なんか、東京の人が無理してるみたいな感じがするんだ」

美希「そ、そんなことないの……だよね?」

響「そんなことないよ!」

雪歩「それじゃあ、響ちゃん。美希ちゃんも思い出して」


美希「え?」

雪歩「響ちゃんのお家に招かれて、この部屋に入った時のこと」

 ――

ガチャッ


響「お、雪歩と美希! いらっしゃい、あがってよ」

美希「こんにちは、響」

雪歩「お菓子買ってきたよ」

響「お、ありがと雪歩!」

美希「お邪魔しますなのー」

 ――


雪歩「ね!?」

響「い、いや……ねって言われても」

美希「沖縄感が足りないって、どういうことなの?」

雪歩「だって、響ちゃん『いらっしゃい』って! 普通に部屋に入れてくれたんだよ!」


美希「いけなかったの……?」

響「もしかして、『はいさーい』とか言わないから?」

雪歩「そうだよ! それに、響ちゃんが出してくれた冷たいさんぴん茶だって……!」

美希「おいしいよね」

雪歩「このペットボトル、思いっきり『ジャスミンティー』って書いてあるし!」


響「名前が違うだけだぞ、中身は同じだよ」

雪歩「違うんだよ響ちゃん……っ! もっとうちなーな感じで行こうよ!」

響「いや、ここ東京だもんな」

雪歩「でもっ!! せめてウミンチュのTシャツを着ることぐらいっ……!!」


美希「響、どんなTシャツ着てるの?」

響「ん、こんなんだぞ」クルッ

美希「と、『TOKYO PRIDE』……」

雪歩「東京のプライドなんか持っちゃダメだよぉ!」バンッ


響「だって好きだからしょうがないぞ、このTシャツ」

雪歩「似合ってるけど……」

美希「ちょ、ちょっとストップ! ねぇ雪歩、どうしてそんなに興奮気味なの?」

雪歩「えーと、ちょっと待って……あった。これを読んだんだ」スッ


美希「『今日から始める沖縄生活』……?」

響「表紙の写真、これ多分福岡だぞ」

美希「えっ、めちゃくちゃ怪しいの」

雪歩「これを見たけど、響ちゃんは沖縄の人の特徴に当てはまらないんだよ」

響「特徴?」パラッ


響「えーと、『常にゴーヤを持っている』」

美希「いやいやいや」

響「『ソーキそば以外の麺類を食べる人は敵』?」

美希「貴音は響の敵だったんだね……」

響「違うって! こんなのあり得ないぞ」


雪歩「響ちゃん、いまゴーヤ持ってないよね」

響「持ってるわけ無いでしょ!」

雪歩「もしかしてサーターアンダギーは持ってる?」

響「持ち運びはしないなぁ、冷蔵庫に入ってるけど」

雪歩「ソーキそばは?」

響「簡単に持てるようなモノじゃないぞ」


美希「ねえ、雪歩」

雪歩「うん?」

美希「そんなに響から沖縄感がしないなら、雪歩がプロデュースしてみると良いの」

響「ばっ」


雪歩「それ良いね!」

美希「どんな感じだと沖縄人なのか、響も知りたいでしょ?」

響「み、美希ぃ」

雪歩「それじゃあ響ちゃん、ちょっと来て。美希ちゃんはここで待っててね」


美希「りょうかいなのー」

バタン

美希「……悪いことしたなぁ。許してなの、響!」

 ――
 ――――


雪歩「おまたせ」

美希「……そのサングラスかけて、アロハシャツ着て、楽器持ってるのが響?」

雪歩「三線だよ」

美希「よく持ってたね……」


響「でーじ、なまら、はいさーい」パッ

美希「北海道混ざってるの!」

響「自分、うちなーだから海大好きさー、シーサー」

美希「サムすぎるし、目が死んでるの……」

雪歩「うふふ、どうかな?」


美希「ど、どうかなって、これは……」

響「美希」

美希「えっ?」

響「首里城!」ビシッ

美希「何が!?」


雪歩「沖縄っぽいでしょ」

美希「雪歩、沖縄を何だと思ってるの……?」

雪歩「行ったことないから分からないけど、だいたいこんな感じかな、って思って」

美希「想像なの!?」

響「かなさんどだべ」


美希「東北だよね……?」

雪歩「どう?」

美希「いや、どうって聞かれても」

響「自分、こんなんじゃなきゃいけないのかな……」


美希「そんなことないと思うけど……」

響「沖縄に帰りたくなってきたぞ……あれ、何が本物の沖縄なんだ?」

雪歩「まだまだ精進が足りないね、響ちゃん」

美希「雪歩、いつもの響を返して欲しいの!!」

おわり

沖縄行ったらハイサイおばさんって土産屋があったので。お疲れ様でした。

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