ライナー「これは稼げる」(87)

ライナー「アニ!」ガチャッ

アニ「……ノックくらいしてよ」

ライナー「それどころじゃないんだよ!」

アニ「耳に響くから大声出さないで」

ライナー「あっ、すまん」

アニ「それでなんの用なの?」

ライナー「釣り餌以外にも商売を考えてみたんだよ!」

アニ「……帰って」

ライナー「聞く気なし!?そんな殺生な!お前と俺の仲だろう!?」

アニ「他人が聞いて誤解を招きそうなこと言わないでよ」

巨人釣りの続きか

――――

アニ「お茶しかないけど」

ライナー「ありがとな」

アニ「それで、今度は何を始める気なの?」

ライナー「ん?」ズズッ

ライナー「おぉ、美味いな」

アニ「そりゃどうも。じゃなくて早く話してよ」

ライナー「何だかんだで興味津々じゃないかーはははっ」

アニ(蹴りたい)

ライナー(いかん、調子に乗りすぎたか)

ライナー「俺って筋肉凄いだろ?」

アニ「は?」

ライナー「いや、皆と同じ質素な食事なのにこの肉体だろ?」

アニ「……続けて」

>>2釣りでは無いけどゆるい世界です

ライナー「だからさ、適当な草とか色々まぜた薬を飲んでるからこの肉体なんだ!ってことにして売り出したら売れるんじゃないかと」

アニ「うん、全然ダメ」

ライナー「なんだって!?」

アニ「まず第1にあんたの身体が無駄にゴツいのは体質」

ライナー(無駄じゃないやい)

アニ「次にそれはほぼ詐欺に当たるから憲兵に捕まる」

ライナー「ぐぬぬ」

アニ「最後に、立体機動が主流のこの世界で求められてるのはミカサみたいな身体」

アニ「あんたみたいな身体は人気無いよ」

ライナー「」

ライナー「嘘だ!上官の何人かにはブラウン訓練兵は良い身体をしているなって撫でられたりしたぞ!気持ち悪かったけど」

アニ(うわぁ……知りたくなかった内情……)

ライナー「それに、アルミンやエレンとかコニーだって、ライナーの筋肉凄いなぁとかスゲーとか言われた」

アニ「三人ともどちらかと言えば、小柄で筋肉質ではないから憧れたんでしょ」

ライナー「需要あるじゃないか!」

アニ「なんか色々と違う気がする……」

ライナー「……やっぱりダメかな?」

アニ「ダメだと思うよ。釣り餌店で稼げてるからいいじゃない」

ライナー「でも若いうちにしかアホなことできないじゃないか!」

アニ(自覚はあるんだね)

ライナー「俺は……俺は……鎧の巨人とか言われてるけどさ」

アニ(なんか言い出した)

ライナー「常に装備してるのが麦わら帽子とか釣り餌とかそんな……」

アニ(自分で始めたよね)

ライナー「皆がするような守りの人生なんか送りたくないんだ!!」

アニ(他に見ないよ?)

ライナー「というわけで手伝ってくれ」キリッ

アニ「やだ」

ライナー「筋肉って素晴らしいだろ?」

アニ「兵士なら皆適度に付いてるよ」

ライナー「兵士……あっ、閃いた!」

アニ「もう帰ってよ」

ライナー「まぁ聞けって!兵士じゃない内地の貴族とかを対象に、鍛え方を教える商売とかはどうだろうか」

アニ「うーん……まだ詐欺行為よりはましな気はするけど」

ライナー「だろ!?」

アニ「けど、一兵士程度が貴族に相手されないでしょ」

ライナー「そこはほら?憲兵団のアニの……」

アニ「帰れ」

ライナー「……」

アニ(あれ……落ちこんだのかな)

ライナー「困った時のアルミンだ!」

アニ「おい」

ライナー「ちょっとアルミンに相談してくる!」ガチャ バタン

アニ(……なんだったの)

――――

ライナー「頼もー」

アルミン「間に合ってます」

ライナー「入ります」メキッ ガチャッ

アルミン「何してるの君!?」

ライナー「居留守するとはそれでも兵士か!」

アルミン「兵士関係無いよ」

ライナー「何も言わず協力してくれ!」

アルミン「ごめん無理」

ライナー「なんで?」

アルミン「彼女とデート」

ライナー「このッ!アルレルトがぁぁぁぁぁ!」

ライナー「ちなみに誰だよ」

アルミン「言わないよ」

ライナー「なんで?」

アルミン「君裏切ったじゃないか」

ライナー「お前まだあの日のことを……」

アルミン「ああ、僕は忘れないよ。君がしたことを……」

ライナー「謝ったじゃないか……」

アルミン「許さない」

ライナー「悪かったって……」

アルミン「エレンとミカサがそういう関係になったから、暇してるだろって誘ってくれたよね」

ライナー「……」

アルミン「フリーなら女を紹介してやるよって変なグラサンかけながら言ったよね」

ライナー「おい……思い出す気か……」

アルミン「どれだけ残酷な行為を君がしたのか思い出させる為だよ!」

ライナー「俺の業はそれほどか……」

アルミン「ああ、本当なら今話してることすらあり得ないくらいにね」

アルミン「あの日僕は全身オニューの勝負服を着て、髪の毛のセットに5分かけたんだ」

ライナー(短いじゃないか)

アルミン「気分はルンルンだったよ」

ライナー「確かにルンルンだったな」

アルミン「君を見た瞬間に気付くべきだったんだ。なんだよ口臭スプレーシュッシュッ二回もさせやがって」

ライナー(何回なら良かったんだよ)

アルミン「そして到着した店、焼き肉屋さんだったよね。超高級店の。あれが君の罪悪感の表れだったんだろうさ」

ライナー(食いたかっただけだが、黙っとこ)

アルミン「黒髪に眼力のある瞳、ほどほどに鍛えられちょっと俯きがちな女の子」

アルミン「そして同じく黒髪だけど落ち着きなくそわそわしてる座高の高い女の子」

ライナー「……」

アルミン「そして、二人は言ったよ」

「よぉ、アルミン」

「や、やぁ、アルミン」

アルミン「ああ、僕は言ったさ」

アルミン「エレンとベルトルトじゃねぇかって」

ライナー「本当ごめんなさい」

アルミン「そぉぉぉぉしてぇぇぇぇぇ」ブワッ

ライナー「もうやめろよ……お前泣いてるじゃないか……」

エレン「いやーライナーの奴がこの格好したら肉食わしてやるって言うからさ」

ベルトルト「ごめんね。ライナーから助けてくれって頼まれて……」

アルミン「そして僕達は普通に食事した」

ライナー「……」

アルミン「僕、無駄に頭良いでしょ?だからあの絶望がずっとへばりついてるんだよ」

ライナー「すまん。あの日は見栄張ってあんなこと言ったが……」

ライナー「よく思えば女の知り合いなんかほとんどいなかったの思い出してな……」

アルミン「だよね。兄貴とか言ってたのむさい男連中だったし」

ライナー「……」

アルミン「エレンはさ、無駄にクオリティ高かったんだよ。おばさんそっくりで」

アルミン「ベルトルトもさ、あんまり目立たなかったけど顔は整ってたからブスじゃなかった」

アルミン「だから余計にダメなんだよ!!

アルミン「どうせならダズとかなら、はははっーウケるーきもーいとか言えたんだよ!」

ライナー「すまん。うっかりしてたんだ……」

アルミン「というわけで君に協力する気は毛頭ない」

ライナー「もう一月も前じゃないか……」

アルミン「僕の記憶じゃ昨日のことの様に鮮明だよ」

ライナー「ところで気になってたんだが、この並んでる人形みたいなのはなんだ?」

アルミン「人形?なんのこと?」

ライナー「いや、棚にあるやつ」

アルミン「は?人形なんかないよ?というか僕の彼女を気安くジロジロ見ないでよ」

ライナー「……彼女?」

アルミン「うん」

ライナー「すまんが、俺にはそれが人間には見えないんだが」

アルミン「何言ってんの?こっちがアルちゃんでこっちがミンちゃんだよ」

アル「こんにちわー筋肉ダルマッチョ(裏声)」

ミン「なんでこんなむさいのがいるのよ!デートのはずでしょ!?(裏声)」

アルミン「ハハハ、ごめんね。今すぐ帰ってもらうから」

アルミン「というわけで帰って」

ライナー「……なぁ、帰る前に1つ聞きたいんだがその子達はどこ産まれだ?」

アルミン「自作だよ」

ライナー(自作って言っちゃったよ)

――帰路――

ライナー「なんてことだ……あれが座学を拗らせたやつの末路なのか……」

ライナー「いや違う。あんな風にしてしまったのは俺だ」

ライナー「俺がアルミンの開いてはならない壁をぶち破ってしまったんだ……」

ライナー「やるしかない!俺がお前を絶対に助けてやるからなアルミン!!」

子供「ママーあの筋肉なんかブツブツ言ってるー」

母「しっ!聞いちゃいけません!あなたの胸板が逞しくなっちゃうわよ」

子供「やだー」

とりあえずここまでで夕方か夜に多分終わります。意外に釣り読んでくれてて嬉しいです。

時間取れたから書いた分まで投下してきます。

――――

ライナー「という訳でどうやったらアルミンを助けられるか考えてくれ!」

ミカサ「……アルミン」

エレン「まじかよ……しばらく見ないと思ったら」

ベルトルト(ちょっと人形見たいな)

アニ「あのさ……」

ライナー「発言は手を上げよう!」

アニ「……」スッ

ライナー「はい、アニどうぞ」

アニ「要はその、誰かが本当の女の子を紹介してあげれば良いだけの話じゃないの?」

ライナー「あっ、うん。そうなんだけど……」

アニ「けど?」

ライナー「そんなまともなのつまらないだろ!?どうせ解決策はあるんだからアホなことしなきゃ!」

アニ(つまらないって……つまらないって……)グスッ

ベルトルト「はい」スッ

ライナー「ベルトルトどうぞ!」

ベルトルト「例えばだけど……アルミンを主役にして、何かイベントやって女の子に注目してもらうとか」

ライナー「ダメだな」

ベルトルト「ダメかな……」

ライナー「カッコ可愛い守ってあげたい系男子が奮闘しても……オチが決まってるだろ?」

ベルトルト(なんの話だよ)

ライナー「きゃあああ!アルミンきゅううん!カッコ可愛いーこっち向いてー!(裏声)」

ライナー「俺がつまらん。却下」

ミカサ「……わからんな」

ライナー「どうしたミカサ」

ミカサ「なぜ貴様は今裏声を使った」

ライナー「上手いだろ?」キリッ

ミカサ「……」

エレン「は?気持ち悪いよ」

ライナー「……」ズーン

ベルトルト「やめたげてよ!思ったこと正直に言うの!ライナー意外に繊細なんだよ!?」

ライナー「……」イジイジ

アニ「トドメ刺したらダメでしょ……」

ベルトルト「……ごめん。吐き気のあまり抑えられなかったんだ」

アニ「そこを我慢してあげるのがベルトルトでしょ?」

ベルトルト「そうだ。ライナーのどんな奇行も支えてきたのが僕だった……」

アニ「巨大コロコロ駆逐社の景気が良いからって人格変わったらダメだよ」

ベルトルト「……ごめん。お金稼ぎたいって意思持っちゃたから」

アニ「わかったなら良いよ」

ライナー「……お前らなんか嫌い」

アニ「じゃあ帰るね」

ベルトルト「調査兵団と打ち合わせあるから」

ライナー「待って!ごめんなさい!」

エレン「ハハハッ、お前ら仲良いな」

ミカサ(エレンの手あたたかい)ギュッ

ライナー「……わかった!エンターテイメントかつ、アルミンに出会いのチャンスを与えてやれる案が閃いたぞ!」

アニ「どうせろくなことじゃないんでしょ?」

ライナー「ミカサに協力してもらう!」

ミカサ「私?」

ライナー「ああ、内容はこうだ……」

―翌日ウォール・マリア上―

ライナー「さて、準備が必要な訳だが菓子折り代わりになんか狩りしてくるか」

ガリッ カッ

ライナー「久しぶりの巨人化だぜ」ダダダッ

――壁外――

ライナー「牛捕まえたし帰ろう」ダダダッ

ライナー「はっ!戻ったけど、町中走ったらアニに怒られる」

ライナー「壁の上走ってこ」タタタッ

――ウォールローゼ――

ライナー「ベルトルトに聞いたら調査兵団はここに集まってるらしい」

ライナー「頼もー」ゴンゴン

オルオ「誰だよ」ガチャッ

ライナー「ライナーです」ニコッ

オルオ「……」

ライナー「団長さんいます?」

オルオ「……いるが」

エルヴィン「オルオどうし……」

ライナー「あっ、団長さんどうも」

エルヴィン「……」

ライナー「実は頼みがありまして。内容はこちらに書いてます。あと菓子折り代わりの牛置いてきますんで皆さんでどうぞ」

エルヴィン「あっ、ああ……」

ライナー「今読んでください」

エルヴィン「読みます」

エルヴィン「な、なんだ……攻めてきたわけじゃないんだな」

ライナー「はい、オッケーならサインください」

エルヴィン「オッケー」カキカキ

ライナー「ありがとうございます。あっ、いい加減削ごうとしてる人達止めてもらえません?効かないけど響くんで」

ペトラ「ハァ……ハァ……」

エルド「かてぇ……」

エルヴィン「お前達やめろ」

ペトラ「はい……」

ライナー「じゃ当日お願いします!次は駐屯兵団だ!」ダダダッ

エルヴィン「牛だ」

ペトラ「わーいお肉だー」

――駐屯兵団――

ライナー「頼もー」ゴンゴン

シーン

ライナー「留守?」

ピクシス(なぜ巨人がノックを……)

ドォォォン カキーン

ライナー「気配はするな」ドアブチッ

ライナー「居留守良くないですよータックルしますよー」

ドォォォン カキーン

ライナー「もう!砲弾響くだろ!」

ピクシス「撃ち方やめ!!話をしたいようじゃ」

ライナー「あっ、やっぱり居た!ダメですよ居留守は!」

ピクシス「すまん」

ライナー「良いですよ」

ライナー「これ読んでください。あと菓子折りです」

ピクシス「ふむ、なるほど」

ライナー「オッケーならサインください」

ピクシス「オッケーじゃ」

ライナー「ありがとう。ドアごめんなさい」

ピクシス「こっちも砲弾打ち込んですまんな」

ライナー「硬いんで大丈夫です」
ピクシス「逞しいな」

ライナー「褒めてもタックルしか出せませんよ。じゃあ、憲兵団に行くのでさようなら」ダダダッ

ピクシス「牛か」

ピクシス「兵と食べようかのぅ」

――内地――

ライナー「頼もー」ゴンゴン

マルロ「ひいいいい!巨人が出たぞぉぉ!!」

ヒッチ「きゃあああ!」

ナイル「なぜだ……人類は負けたのか……」

ライナー「読んでください。あと菓子折りです」

ナイル「あっ、はい」

ナイル「なるほど」

ライナー「オッケーならサインください」

ナイル「オッケーだからさっさと消えてくれ……」

ライナー「ひどいなー人を巨人みたいに」

ナイル「巨人だろ……」

ライナー「これはうっかり」

ライナー「ん?そこに隠れてるのはアニか」フリフリ

アニ「ちょっと!名前呼ばないでよ!あと手を振らないでよゴツい」

ライナー「なんでだ?サラッと酷いな」

ヒッチ「あれってあんたの彼氏!?」

アニ「面倒になるからでしょ……。冗談は存在だけにしてよヒッチ」

ライナー「すまん。じゃあ俺帰るな」ダダダッ

ナイル「なんだったんだ」

マルロ「牛がいますね」

ナイル「ああ、鳴いてるな」

マルロ「食べますか?」

ナイル「食べるか」

ヒッチ「わーい、牛肉だー」

アニ(菓子折りが牛って……巨人基準にも程があるよライナー)

――シガンシナ区――

プシュウウウウウ

ライナー「やれやれ、巨人化も肩が凝るぜ」

ライナー「さて、あとはアルミンのやつを誘えば完璧だな」

――――

ライナー「頼もー」コンコン

アルミン(また来たよ。でも今度のは頑丈だから大丈夫)

ライナー「アルミンくーんあーそーぼー」ダンダン

アルミン(まだ言ってるよ)

ライナー「もー壊しちゃうぞッ」メギョッ ガチャッ

アルミン「待てーい!どんな握力だよ!!」

ライナー「クリスタが痛がるくらいかな、へへっ」

アルミン(クリスタが痛がる……」ムラミン

ライナー「やっぱり居留守じゃないか!」

アルミン「君だけだよ。まぁ、他の人は訪ねて来ないけど」

ライナー「……」

アルミン「……」

アルミン「冗談だよ?」

ライナー「ははっ……」

ライナー「そんなボッチミンに招待状だ!」スッ

アルミン「いりません」

ライナー「……可愛い女の子も来るんだけどな」ボソッ

アルミン「……」ピクッ

ライナー「要らないなら良いよ」
アルミン「一応貰っておくよ」

ライナー「日付とかは書いてるからな。来いよ?」

アルミン「気が向いたらね」

ライナー「ところで、今日は彼女という名の人形は?」

アルミン「束縛が激しくてね。今は調教中さ」

ライナー「そ、そうか……でも棚に前と違うのがあるが」

アルミン「ああ、家出っ子のアルレちゃんだよ。雨の中親と喧嘩して泣いてたのを助けたのさ」

ライナー(なんだよその無駄に生々しい設定)

ライナー「シ、シガンシナ区か……?」

アルミン「自作だよ」

ライナー(やっぱりかよ!!)

ライナー「じゃあ、当日な」

アルミン「帰れ帰れ」

ライナー「帰るよ!」スタスタ

――――

アルミン「行ったか」

アルミン(ふむふむ……ほうほう……はんはん)

アルミン(またアホなことを考えてるなぁ)

アルミン(でもミカサやアニが絡んでるということは……女の子が来るのは確実)

アルミン(よし、オニューの勝負服と女の子に流行ってる話題を頭に叩き込んどこ!)

アルミン(おじいちゃん、僕頑張る)

また夜に書きます。

終わってないから進行遅いけど投下して行きます

――当日――

ライナー「客の入りはなかなかだな」

アニ「そりゃ3兵団の合同となればねぇ」

ベルトルト「……けど、本当にやるのかライナー」

ライナー「これは俺の罪滅ぼしなんだよ」

アニ「不器用なやり方しか出来ないんだね」

ベルトルト「ライナーらしいけど……」

ライナー「あぁ、遺言は部屋の机にダンベル置いて固定してある」

アニ「全く、ライナーだね」

ベルトルト「本当にライナーだよ」

――会場前――

アルミン「ここだよね」

エレン「おう!来たんだなアルミン!」

アルミン「エレン、ミカサも一緒か」

ミカサ「うん。ライナーから案内するように頼まれた」

――個室――

アルミン「ここ?」

エレン「そうだ。そこにモニターあるから付けて座っとけってさ」

ミカサ「じゃあ私も準備があるから」

アルミン「そうなんだ。わかった」

ピシャッ

アルミン(さてモニターって言ってたよね)ピッ

――会場――

マルコ「さぁ始まりました!3兵団代表vsライナー・ブラウンとの真剣勝負です」

マルコ「実況は最近右側が無性に痛いマルロ・ボットと女神クリスタ・レンズでお送りします」

クリスタ「よろしくお願いします。釣り大会とは違ってジャンじゃないんだね」

マルコ「ジャンは実家でお母さんからミカサに当てたポエムを発見されて行方不明です」

クリスタ「そうなんだ……」

――――

アルミン「えっ、なにこれ」

マルコ「では選手の紹介です。今回3兵団となっておりましたが」

マルコ「憲兵団にはこの会場の提供や警備を担当してもらい、駐屯兵団の方々には壁内への広報活動で協力して頂きました」

クリスタ「大人数だもんね」

マルコ「はい、では入場してもらいましょう!」

マルコ「調査兵団代表ーミカサ・アッカーマン!」

ミカサ「エレンー」フリフリ

クリスタ「エレンに手を振ってる可愛いーミカサ頑張れー」

マルコ「ちなみにリヴァイ兵長は都合が付きませんでした」

マルコ「対するは104期訓練兵の我らが兄貴!ライナー・ブラウン!」

ライナー「……」スタスタ

クリスタ「真剣な表情してるね」

ライナー「マイクを貸してくれ」

審判「どうぞ」

ライナー「アルミン!観てるか!?」

アルミン「観てるけど、なんだこれ」

ライナー「俺なりの償いの姿をお前に見せる。モニターで見ててくれ!」

アルミン「なにがだよ」

マルコ「では事の顛末をアルミン以外は本物を使った映像でご覧ください」

アルミン「は?」

ダズ「僕アルミン・アルレルト!オニューの服で女の子をゲットだぜ!」

アルミン「おい」

ダズ「エレンとベルトルトじゃねぇか!」

アルミン「おい」

――――

ダズ「はぁ?これ僕の彼女だよ」

アルミン「おーい」

ダズ「家出っ子のアルレちゃんだよ」

アルミン「お、い……」

ダズ「自作だよ」

アルミン「……おい」

マルコ「これはライナーが悪い!許されませんね」

クリスタ「アルミン。負けちゃダメだよ……?」

アルミン「えっとブレードは」

マルコ「ちなみに壁内全土で流れております」

クリスタ「うっわ」

アルミン「よし、おじいちゃん今そっちに逝きます」

コンコン

アルミン「天国逝きは満員です」

ガラッ

「あの……この部屋に行くように言われたんですけど」

アルミン「どなた」

「一応同期なんですけど」

アルミン「えっと……」

アルミン(おいアルレルト!可愛い子は記憶してるはずだろ!)

「なんでブレードを?」

アルミン「天国が僕を呼んでたからです」

「とりあえず入っても……?」

アルミン「あっ、どうぞ」

「失礼します」

ライナー「あっ!映像終わったから言っとくが女の子を紹介するのは嘘じゃないぞ!」

ライナー「数名を個室に行くように言ってるから好きな子と仲良くなりな」

ライナー「だけど、エロいことはダメだぜ?」キリッ

アルミン(女の子にも聞かれてますけど)

ライナー「あと、映像はお前のリクエスト通りダズにしといた!今回はうっかりは無しだぜ」ドヤッ

アルミン(意味がちげぇぇぇし壁内に恥ばらまいてんだろぉぉぉが!!)

アルミン「……」

「……」

アルミン「あの、僕はアルミン・アルレルトです」

「あっ、はい。座学が凄い方ですよね」

アルミン「凄いのかはわからないけど、ははは……」

アルミン「えっと名前は?」

「……」

アルミン(なぜ頑に名乗らない)

コンコン

アルミン「はい」

ガラッ

アニ「入るね」

アルミン「あれ、アニどうしたの?」

アニ「渡すものがあるからこっちに来て」

アルミン「なに?」スタスタ

アニ「これ」スッ

アルミン「ボタン?」

アニ「相手の子と合わないとか、ちょっと無理って時に押せば担当者が女の子迎えに来るから」

アルミン「そうなんだ。もしかしてアニも数人の内に入ってたり?」

アニ「いや、私は警備だから」

アルミン「なるほど」

アニ「じゃあ、その……えっと……あんたは根性あるから色々頑張れると思うよ」

アルミン「……」

アニ「じゃあね」

アルミン「はい」

アルミン(おじいちゃん、巨人に食われたくなりました)

「なんでしたか?」

アルミン「ちょっと忘れ物を届けて貰ったんだ」

「なるほど」

アルミン「あの同期だよね?」

「はい、多分」

アルミン「名前は?」

「……」

アルミン(名乗ってよ)

アルミン「えっと隊ではどんなのを担当してるの?」

「ガスの補給班です」

アルミン「なるほど、趣味とかは?」

「机の下で体育座りかな」

アルミン「……」

アルミン(この子名前無い子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!)

アルミン「……」ポチッ

憲兵「チェンジでーす」

「あっ……そうなんだ」

アルミン「ごめんね」

「大丈夫です、やっぱりお人形には勝てませんよね」

アルミン「……」スッ

憲兵「おい!あついからブレードを奪え!」

アルミン「やめろーもうやめろー!死なせてくれぇ」

憲兵「バカ野郎!生きてりゃ良い子にも出会えるさ!」

アルミン「うわあああああああああ」

――――

アルミン「取り乱してすみません」

憲兵「刃物は没収だ」

アルミン「はい」

マルコ「さぁ、どこかで悲劇が起こった気がしますが進行していきます」

マルコ「選手は脱いでください」

クリスタ「えっ!?」

ミカサ「……」ヌギヌギ

ライナー「……」ヌギヌギ

クリスタ「なんだスポーツウェ……ライナー!?」

マルコ「ライナーはブーメランパンツですね。肉体が映えます」

クリスタ「目のやり場が///」

マルコ「実況は目を逸らしてはいけません!!」

クリスタ「そうだよね……うん!」

ミカサ「……」ムキッ

エレン「やっぱりミカサはスゲーな」

ミカサ(エレンが見てる///)

「スゲー逞しい」

「美しい」

「おぉ……ミカサが輝いてんな」

「フゥーッ!6パックー」

マルコ「やはり素晴らしい肉体ですね。観客からも絶賛のコメントです。どっかで聴いた声が混ざった気がしましたが」

クリスタ「さすがミカサだね!良いなぁカッコイイ」

――――

アルミン「エレンより逞しいのはどうかと思うけどね」

マルコ「続きましてライナー!」

ライナー「ふんがっ!」ムキッ

「うぉぉぉぉぉ!あにきぃぃぃ」

「胸板のウォールローゼ!」

「巨大樹ーデカイよ」

「キレてる!」

「鎧の筋肉ー」

ライナー(宣伝のチャンスだな)

ライナー「あーっ、この肉体は俺特製栄養ドリンクが効果抜群でな」

ムキッムキッ

ライナー「こんな肉体になりたい人は購入すると良いかもな」

アニ(うわぁ本当に宣伝しちゃったよ。タダでは転ばないねぇ)

アルミン「ミカサーライナー削いでー」

マルコ「では勝負に移ります!第1種目のテーマは“友情”です」

クリスタ「テーマは素晴らしいけど、何をするの?」

マルコ「友情を代表する物といえば握手ですよね」

クリスタ「うん。そうかな」

マルコ「固い絆にはやはり握力が必要!というわけでライナーには握力だけで鉄棒にぶら下がってもらい」

クリスタ「もらい?」

マルコ「ミカサのサンドバッグになってもらいます」

クリスタ「おかしいよね」

アルミン「よし!!」

ライナー「よろしくな」ブラーン

ミカサ「手加減する?」

ライナー「いや、それじゃあアルミンが許してくれないだろ」

ミカサ「なら殺す気で……」

ライナー「待って80%にして」

マルコ「八百長はダメですよ!」

ミカサ「……らしい」

ライナー「……」

アルミン「ハリー!ハリー!」

ライナー「来いよ!!」

ミカサ「じゃあ20%」ブンッ ドンッ

ライナー「おふっ」

ミカサ「次は30%」ブンッ ドスンッ

ライナー「……まだまだ!」

――――

ミカサ「100%」シュッ

ドゴォォォン

ライナー「……」ブラブラ

ベルトルト「ライナーもう手を放すんだ!」

アニ「やばいよ、あれ」

アルミン「まっこと愉快である」

アルミン「ねーっ、ミンちゃん」

ミン「だねー(裏声)」

ガラッ

ハンジ「呼ばれたから来てあげたよー!」

アルミン「チェンジで」ポチッ

憲兵「チェンジでーす」

ハンジ「あーれーハンジを即チェンジー!?」

アルミン(性別不明でしょ)

ミカサ「さすがに少し悪い気がしてきたのだけれど」

マルコ「これはライナー選手吐血しながらも必死にぶら下がっています」

クリスタ「……見てられないよ」

ライナー「マイクを……」

審判「どうぞ」

ライナー「聞いてくれ……アルミン」

ライナー「俺は心から悪いと思ってる……」

ライナー「それだけは信じっ……」パッ バタッ

マルコ「これはいけない!アクシデントです!早く救助を!!」

クリスタ「ライナー!!」

審判「担架!早く担架だ!!」

アルミン「ライナー!!」ダッ

マルコ「担架はそのまま救護室へと運ばれて行きます!ライナー選手は大丈夫なのでしょうか!」

クリスタ「そんな!大丈夫……だよね」

――――
――


アルミン「アニ!ライナーは無事なの!?」

アニ「今は会えないよ。ダメージがでかすぎて巨人化も出来ないんだ」

ベルトルト「……内蔵が破裂してたんだ。普通だったら助からないって」

アルミン「そんな……どうしてそんな無茶をしたんだよ……」

アルミン「僕はなんて奴だ!アホだけどライナーは仲間だったのに……」グスッ

アニ「あのミカサに本気で殴られることが、どれだけ自殺行為かわかるでしょ?」

アルミン「ああ、あれは兵器だ」

アニ「それだけアルミンにちゃんと許して欲しかったんだよ?」

アルミン「うん……」

アニ「なら喋れるようになったら仲直りできるね?」

アルミン「うん!ルトちゃんもあげるよ!」

アニ(それは要らないだろうけど)

――数日後――

ライナー「よっ!」

アルミン「ライナー!治ったんだね!」

ライナー「あぁ、心配かけてすまん」

アルミン「僕の方こそごめんね。これあげるよ」

ライナー「これは……」

アルミン「ルトちゃんだよ!アニをモデルにしたんだ」

ライナー「……」

ライナー「……アルミンこれは」

「あの!君があの素晴らしい人形を作った人だよね!?」

アルミン「えっと、はい」

「素晴らしいよ!金は惜しまないから僕の理想の女の子作ってよ!」

アルミン「えっ!?」

ライナー「はっ!」

ライナー「これは稼げる」

ライナー「おい!また注文来てるぞ!」

アルミン「えぇー……この前1/1クリスタ造ったじゃないか」

ライナー「だよな。このチャン・ギルシュタインの1/1ミカサモデルはキャンセルするか」

アルミン「そうしてよ」

ライナー「わかった。そうそう、昼飯買って来といた」

アルミン「ありがとうライナー」

ライナー「良いってことよ。アルレル堂が儲かってるから共同経営者の俺もうはうはだからな」

アルミン「最初は何を言い出すかと思ったけどね」

ライナー「はははっ」

ライナー「そういえば」モグモグ

アルミン「なに?」モグモグ

ライナー「あの日の女の子には良い子いなかったのか?」モグモグ

アルミン「だって後で聞いたら残りはヒッチとかサシャとかユミルだったんでしょ?」モグモグ

ライナー「まぁな」ゴクッ

アルミン「ヒッチは論外、サシャはごはん目的で参加してたし、ユミルは僕をからかう為だけに参加したって言ってたしね」

ライナー「そうか」

アルミン「それにさ」

ライナー「なんだ?」

アルミン「この道で有名になればリアルさを追求する為に女の子の裸見れるし触れるし!」

ライナー(ねーよ)

アルミン「一人のおっぱいより沢山おっぱい!一人のお尻より沢山ヒップ!!」

ライナー「……」

アルミン「というわけで、ミカサ以外に実際に計測させてくれる女の子探してよ」

ライナー「善処する」

ライナー(中身ほとんど変わらなかったがアルミンは友達だぜ!)

――――

ジャン(ミカサモデルいつ来るかな)ワクワク

キャンセルされました。

おわり

書き込めて無かった。オチやりたかっただけのssです。

読んでくれた方ありがとうございました。

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