結衣「硝子ばこのなかで」 (30)

京子「おーい、結衣ー!」

結衣「いま下りるよ」

たったった…

あかり「えへへ。四人で登校、楽しいね!」

ちなつ「結衣先輩、私、昨晩から結衣先輩に会いたくて会いたくて…!」

結衣「あはは…。ありがとう」

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結衣「今日はごらく部でなにをするんだ?」

あかり「いつもみたいに何も決めずゴロゴロでいいんじゃないかな?」

ちなつ「私は、結衣先輩がいればそれでいいです!」

京子「あ、今日私パス」

三人「「「え?」」」

京子「今日は生徒会が珍しく活動がないらしくて、綾乃と二人で遊ぶんだー」

結衣「珍しいな、その二人で遊ぶの」

あかり「杉浦先輩とかー。ちょっとうらやましいよぉ」

ちなつ「私は、結衣先輩がいればどうでもいいですけど…」

京子「そんな寂しいこと言わないでよちなちゅー!」

ちなつ「やめてくださいー!」

結衣「おいこら」

次の日の朝

下駄箱にて

京子「きゃああああ!」

結衣「!?どうした京子!」

あかり「京子ちゃん!?」

ちなつ「どうしたんですか!?」

京子「ね、ね、ねねねず…」がくがくぶるぶる

結衣「な、なにが…うわあ!」

あかり&ちなつ「きゃあああ!」

ねえ知ってる?歳納さんの下駄箱に、大量のねずみの死体がはいってたんですって

えー本当?

なんだかね、昨日、杉浦さんがねずみの死体のはいった袋をもってうろついてたらしいわよ

マジ?あの真面目な副会長がねー…



綾乃「…」

結衣「綾乃、私は綾乃じゃないって信じてるから…」

綾乃「ありがとう」



次の日から、綾乃は学校に来なくなった

京子「本当に綾乃がしたのかな?信じられないけど…」

結衣「綾乃がそんなことするわけないだろ!今日、お見舞いに行こう」

京子「うん…」



ドアの向こう

綾乃「いや、部屋にいれないで!!いやああ!!!」



綾乃母「ごめんなさいね、綾乃、ちょっと不安定で」

結衣「いえ、わかりました。私たちは綾乃を信じてるって伝えてください」

京子「…」

京子「…」ぼーっ

モブ「京子ちゃーん」

京子「…!」びくぅっ



あかり「京子ちゃん、なんだか暗くなったよね」

ちなつ「ほんとよね…、心配だわ」

京子の家


あかり「えいっ」

ぴんぽーん

京子「はい…、あ、あかりか」

あかり「えへへ」にぱー

京子「…」どんより

あかり「お出かけにいこ、京子ちゃん」

あかり「あ、ほらこの洋服可愛いよ!」

京子「…ほんとだ」



あかり「えへへ、あかり、はりきってトリプルアイスにしちゃったよぉ」ぺろぺろ

京子「…ふふっ」



あかり「おそろいでこのキーホルダー買おうよぉ!」

京子「うんっ」



京子「あかりー!おっそいぞー!」

あかり「待ってよ京子ちゃーん!」あせあせ

京子「えへへ。あかりのおかげで元気出たかも」

あかり「よかったよぉ」にこにこ

京子「あかり…可愛い」

あかり「ふぇ?///」

京子「!」

京子「いい、いまのは違うぞ!からかっただけだ!」

あかり「もー!京子ちゃん!」ぷんぷん

京子「えへへ。でさーあかり!」

あかり「うんうん」にこにこ



ちなつ「最近、あの二人仲いいですよね」

結衣「そうだな」

ちなつ「付き合っちゃうんじゃないですか?」にやにや

結衣「それはないだろ」ははっ

京子「どうしよう、あかりのこと好きになっちゃった」

京子「辛いときにあんなに優しくしてくれたら、そうなっちゃうよね…」

京子「あかり、可愛いし…」

京子「どう思う?結衣」

結衣「告白しちゃえよ」

京子「ふぇ!?」

結衣「大丈夫、きっとうまくいく」

京子「あ、あかり?突然電話してごめんね。明日の四時に、なもり林で待っててくれる?話したいことがあるから…」



あかり「京子ちゃんの話したいことってなんだろう?」

あかり「うすしおいっぱいくれたりするのかなぁ?」よだれだらー

男「おい」

あかり「?」

男2「可愛いじゃん」

男3「ひひっ」

あかり「いや、いや、いやあああ!」

男「うるせえ!」ばきっ

あかり「!」

男「黙って犯されてろよ。どうせヤリマンなんだろ?」

あかり「」ぽろぽろ

男2「女の子から聞いたぜ。四時にここに来るお団子頭は誰ともやるからって」

男3「早く俺の番にしてくれよー」

あかり「あ、あ、あああああああ」

京子「あれ?あかり、いないなー」

京子「ん?あそこでガサゴソ音がするけど…」

京子「…」とてとて

京子「ん?」ひょこっ

京子「…!」


あかり「あああああああ」

男2「あ、出る、出る」

男「おい、なに中に出してんだよ」

あかり「あ、あ、あ…」

男3「やっと俺の番かよ」


京子「」くるっ

京子「」たったった…

京子「…」ぼー

結衣「あかり、もう一ヶ月学校に来てないな」

京子「…」

結衣「家行くか?」

京子「…!い、いや、あかりの気持ちを考えてあげようよ!まだ早いって!」

結衣「そうか」

京子「あ、ちなつちゃ…」

ちなつ「!」

くるっ
たったった…

京子「どうして逃げるの…」



京子「千歳…」

千歳「…」


京子「千鶴…」

千鶴「…」


京子「あ、ひまっちゃんと櫻子ちゃん…」

櫻子&向日葵「…」

京子「…」とぼとぼ

京子「!」

京子「机の上に、花が…」

周囲の生徒たち「…」にやにや

京子「…」

京子母「京子ー。結衣ちゃんが来てくれたわよー」

京子「…うん」



結衣「体調はどうだ?京子」

京子「…おなか痛い」

結衣「二週間もか?」

京子「うん」

京子「…」うつろな眼

結衣「…」だきっ

京子「…結衣?」

結衣「京子…!京子…!」ぽろぽろ

京子「結衣!?」

結衣「なにか悩んでるなら言ってくれ!親友だろ!?」

京子「で、でもぉ…」うるうる

結衣「京子…?」

京子「…なに?」

結衣「わ、私は…京子が好きだ」

京子「ふぇ!?」

結衣「愛してるんだ、京子を幸せにしたい、京子を笑顔にしてあげたい」

結衣「だから、京子が辛そうなのは、来るしいんだ…」ぽろぽろ

京子「…う、うぅ」ぽろぽろ

京子「結衣ぃ!!」わーん!

京子「それで、私はあかりを残して、逃げちゃって…」ぽろぽろ

結衣「うんうん」なでなで

京子「だから、私は結衣に愛される資格なんか…」

結衣「…」ぎゅ

京子「!」

結衣「怖かったね。もう大丈夫だよ」なでなで

京子「…ゆいぃ」

結衣「京子は、私が守るから」

京子は、私が守る

たとえいじめられても、友達を見捨てても、泣き虫でも、私が守る

…大変だった

下水道に入ってねずみを[ピーーー]のも、

それが綾乃のせいだという噂を流すのも、

あかりを呼び出させて、ヤク中の不良たちに襲わせるのも、

四時前に京子に偶然会ったふりをして、あかりを襲わせる時間を稼いだのも、

京子があかりをいじめたという噂を流して、京子を孤立させたのも…

京子「結衣ぃ…」すりすり

結衣「京子…赤ちゃんみたいだぞ」

京子「えへへ…結衣の…赤ちゃん…」すりすり

結衣「私は、永遠に京子の傍にいるよ」

京子「うん!」

結衣「だから、京子は無理して学校に行く必要ないよ。辛かったね」

京子「結衣ぃっ」すりすりちゅっちゅ

結衣「京子…」

京子は、硝子ばこのなかの美しい蝶

私はそのなかで京子を愛し、快楽を与え、京子に依存させ、支配する

私だけの、京子




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