【fate】八百万聖杯戦争/novels (1000)


このスレは、皆様に送っていただいたオリジナルのサーヴァントおよびマスターを使用して、
聖杯戦争や聖杯大戦を行うスレです。
基本的に、【聖杯戦争】八百万の英霊よ、集えin九州2【募集鯖鱒】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402208617/)のスレの系統で使用したサーヴァントを再び登場させる形になりますが、
初見の方にも分かるように説明は書きます。

また、上記スレと違い、文章によって進行します。

wiki
http://www59.atwiki.jp/f0cthb3qkug/
避難所兼データ公開所


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402483692


ルール

基本的なルールは上のスレと同様ですが、行動にはターンの代わりに時間を使用します。

睡眠時間と生活の時間を確保した上で、時間消費で考えます。
睡眠時間などは貴方のステータスによって決定されます。

∇準備コマンド∇ 一律で3時間消費。
・礼装作成  (魔術師の通常スキル。礼装を作成できる。成功率はマスターの魔力%)
・コミュ   (対象を指定してコミュを行う。離れた場所に居る相手とも、一度友好的に接触していれば電話で話せる便利な世界)
・情報収集 (他陣営の情報を取得できる。成功率はサーヴァントの幸運*2%)
・工房作成 (その場の陣地レベルを1上げる)

~能動コマンド~
・移動    (別の霊地を散策する。巡り合わせで戦闘が始まることがあるし、交渉ができることもある。空席ならそのままその霊地に陣取ることも出来る) 2+ターン数*0.5(繰り上げ)時間消費。
・襲撃    (敵陣を襲う。戦闘時にかかる魔力を、規定量失う)  1+ターン数*0.5(繰り上げ)時間消費。

†回復コマンド†
・魂喰い   (一般人を殺して魔力を得る。魔力を200回復できるが、50%の確率で、居場所情報を全てのマスターに知られてしまい、犠牲者も爆増する) 3時間消費。
・休息    (マスターの魔力+霊地分、魔力を回復)   6時間消費。

通常行動の場合、一日でサーヴァントの魔力分を消費し、その後、マスターの魔力+霊地の魔力分の魔力を得ます。
戦闘が挟まった場合、その分の消費も追加します。


礼装作成では、それぞれのマスターごとに決められた礼装を作ることができます。
礼装はマスター同士で交換することもできます。
これらはあらゆるタイミングで使用することができます。

規定の礼装の他に、これらの基本礼装も作ることができるようになりました。

 魔力0 当然作れるはずもなし。

 魔力1 治療結晶のみ作成可能。

 魔力2 治療結晶、魔力結晶、探索用使い魔を作成可能。

 魔力3 上記に加え、騎乗用使い魔、戦闘用使い魔、監視用使い魔を作成可能。

 魔力4 上記に加え、時の結晶、空の結晶を作成可能。

 魔力5 上記に加え、万能結晶(結晶系全ての能力を兼ねる)と万能使い魔(使い魔系全ての能力を兼ねる)を作成可能。


 治療結晶……HP+20。
 魔力結晶……MP+40。
 時の結晶……判定を一つの項目に限り一度だけ振り直し。今回から、戦闘時以外でなく戦闘時のみに変更。
 空の結晶……空間的に隔てられている場所を時間を消費せずに移動できる。
 騎乗用使い魔……騎乗宝具代わり。
 探索用使い魔……情報収集の成功率+20%。失敗すれば消耗。
 監視用使い魔……定点に設置し、その場で起こったことを観察できる。
 戦闘用使い魔……一回の戦闘に限り、いずれかのステータス一つを+20。

魔力は、最初上限いっぱいからスタート。
上記の形で消費していき、魔力が-100に割り込んだら死亡。


戦闘は以下のように進行します。
五つのステータスそれぞれを比較し、このスレおなじみの成功枠判定で勝負を決めます。
基本は成功枠5とし、ステータスに差がある場合、差10につき1つ、成功枠に修正をかけます。
ステータスに50以上差がある場合、そのステータスに関して確実に優位をとれます。

アサシン
【筋】 B(40) 【耐】 D(20) 【敏】 A(50)  【魔】 C(30)  【幸運】A+(60)

セイバー
【筋】 B(40) 【耐】 A(50) 【敏】 A+(60)  【魔】 C(30)  【幸運】E(10)

たとえばこのセイバーVSアサシンで言えば、
【筋】は差0 よって5以上でアサシンの優位

【耐】は差30 よって8以上でアサシンの優位

【敏】は差10 よって6以上でアサシンの優位

【魔】は差0  よって5以上でアサシンの優位

【幸運】は差50 よってアサシンが必ず勝利。

優位一つにつき10のダメージを与えます。
最大体力は50+耐久です。決着がつくか、どちらかが撤退するまでラウンドを続けます。

令呪二画で確定撤退。敏捷が30以上上回っている場合、一画でも確定撤退。

そうでなければ、令呪一画で50%の確率で撤退。

1ターン経過するごとに魔力を消費の半分失います。

ただし、筋力ステータスで優位を取った場合与えるダメージは10増加します。

また、集団戦の場合、2VS1ならば、1の方は2騎のサーヴァントそれぞれに対して優位劣位の判定を行いますが、
その場合の戦力の差1につきすべての成功枠に-1の補正を受けます。

複数対複数の場合、敏捷が高いものから対戦相手を選択していきます。


【陣地レベル】
魔術師やキャスターは、行動を使用することで陣地レベルを引き上げることができます。
陣地レベル一つにつき、その霊地に陣取るサーヴァントは迎撃戦において好きなステータスに+10の修正を加えることができます。
陣地を追い出されたときに、マスターはその陣地を破壊するか残しておくか選択することができます。

陣地レベルには上限があります。
小霊地:3
中霊地:6
大霊地:9
霊地の要:15

霊地効果
【霊地の要】 いるだけで、毎ターンHP+40、休息時+50。魔力は50回復。
【大霊地】   いるだけで、毎ターンHP+30、休息時+40。魔力は30回復。
【中霊地】  いるだけで、毎ターンHP+20、休息時+30。魔力は20回復。
【小霊地】  いるだけで、毎ターンHP+10、休息時+20。魔力は20回復。

【コンマの序列】
1~9の中では、9に近いほど基本的にプレイヤーにとっていい出目となります。

【特殊判定の序列】
下記の出目は特殊判定となります。上ほど奇抜なイベントが起こります。
0000
000
99
00
0


※選択可能なサーヴァント

【セイバー】
アスモデウス
ヘクトル
ディードリッヒ・フォン・ベルン
鬼一法眼
聖徳太子
独孤求敗
巴御前
シンモラ
カッシウェラウヌス

【アーチャー】
アクタイオーン
シモ・ハユハ
マックス
マックス
マック・セネット
ロビン・フッド
花栄
香香背男
カカベル

【ランサー】
イェーガン
晁蓋
林冲
ロアール・アムンセン
獨角ジ大王
国司元相
ルーク


【ライダー】
モブ
ロバート・ケイツビー
項羽
今川義元
段景住
特撮ヒーロー
木曽義仲


【キャスター】
チャーリー
アレイスター・クロウリー
エサルハドン
シャーロック・ホームズ
ヒュパティア
朱武


【バーサーカー】
アスモデウス
アンタイオス
ミダース
ミノス
ローラン
安徳天皇
林冲


【アサシン】
ハサン=サッバーハ(風水)
ヨナルデパズトリ
服部半蔵
阿頼耶識
青鬼

【エクストラクラス】
アメンホテプ四世
ガイウス・ユリウス・カエサル
ラシード・ウッディーン・スィナーン
聖徳太子


【選択可能なマスター一覧】

・ヤン・ウェンリー
・エダ
・ノゾム=アーチボルト
・アメリカ人チーム
・イザーク・ジュール
・ペリーヌ・クロスマルテン
・ラウ・ル・クルーゼ
・榊原尊
・清水苗
・狛枝凪斗
・黄龍白
・リュカ
・神崎火織
・薙月恵里菜
・夕凪小町
・加賀部史郎(カカベル)
・ざびまる
・間桐ルルーシュ
・モア・ユグドミレニア
・Toosaka-Lys01
・アディリシア・レン・メイザース
・シックス
・ジャミル~。
・ジャン・キルシュタイン
・ウェストランド・アブハジ・アブカール
・名無し
・ジン・パスカル&ソフィー
・ゾルフ・J・キンブリー
・ベリュトミン星人
・井上織姫
・外道
・三沢大地
・神原駿河
・藤村氷芽
・神崎・S・アリア
・片岡優希
・Mr、エテモンキー
ジヴァ・エルトナム・ローレライ
葛西小十郎
ジャンゴ
マッケンジー=カリス
アンリ=カミンスキー
加賀啓治
薙月恵里菜
ハンナ
ジェーン・ドゥ
加賀部史郎
夕凪小町


貴方を決めるには、七つの数値を利用します。
本スレの方で使用したそれはあまりに多すぎたので、割愛。
・魔力……魔力の含有量
・戦闘力……肉体的な強さ
・魔術……より難易度の高い魔術を使えるか
・知力……機転や知識など
・魅力……容貌やカリスマ、それらを包括的に見た人間的魅力
・幸運……境遇が恵まれているか。他スレにおける家系はここに含む。
・精神力……メンタルの強さ

魔力以外の判定は六段階で行います。
1 0(最悪)
23 1(劣る)
45 2(平均程度)
67 3(多少優れる)
89 4(卓越する)
0  5(異常)


その後に、選べる役職を選択します。

現在選択可能な一覧


伝承保菌者  戦闘力3以上、幸運4以上、魔術4以上
西欧財閥   魔力以外の全ての数値が4以上
世紀末救世主 戦闘力5以上 精神力4以上
死徒      戦闘力5以上
監督役    幸運5以上 知力3以上
ユグドミレニア 幸運2以下 魔術2以上
代行者    戦闘力4以上 精神力3以上
執行者    魔術4以上 幸運2以上
御三家……アインツベルン 魔術3以上 幸運3以上
御三家……遠坂       魔術3以上 幸運3以上
御三家……マキリ      魔術1以上 幸運3以上
錬金術師   魔術3以上 知力4以上
時計塔講師 魔術3以上 知力3以上
魔術師殺し 魔術2以上 戦闘力3以上
ニュータイプ 幸運5以上
起源覚醒者 戦闘力2以上 幸運2以下 魔術4以上
はぐれ魔術師 魔術2以上
軍人     戦闘力3以上
時計塔生徒 魔術2以上 知力2以上
一般学生  知力2以上 魔力3以下
社会人    知力3以上 魔力3以下
殺人鬼    知力2以下 戦闘力1以上 精神力4以上
ニート     いずれの場合も選択可能
寝たきり    戦闘力0の場合


それでは貴方を作成します。
貴方は、既存のキャラクターを使うことも、新たに作ることもできます。
どちらにしますか?

先に二票

了解しました。

既存キャラ操作ですね。

では、上記一覧から選んでください。

↓2


承知しました。
自然を愛し、その意志を貫く故に数多の苦難に衝突する魔術使い、リュカを操作します。

次に、貴方が呼び出すサーヴァントを選択します。

>>1任せにしたい場合は『一任』と書き込んでください。

先に二票

ごめんまだ一覧にいなかったなしで


>>18
失礼しました。一覧にいれ損ねていました。

では、一任ということで。

次に、他のマスターとしてどれを登場させるか、そして、他のサーヴァントをどうするかを選択します。

>>1任せにしたい場合は『一任』と書き込んでください。

ただし、サーヴァント指定画面で00以上の特殊判定が出た場合、エクストラクラスが介入してきます。

↓1~6で他のマスター(被った場合は再安価)

立花道雪は入れ忘れ?使用不可?

安価はアメリカ人チーム


>>27
入れ忘れですね。失礼しました。

それでは
マッケンジー・カリス
Mr、エテモンキー
神崎火織
外道
アメリカ人チーム
ジン・パスカル&ソフィー
を、他陣営マスターとして選択します。


※選択可能なサーヴァント(改訂版)

【セイバー】
アスモデウス
ヘクトル
ディードリッヒ・フォン・ベルン
鬼一法眼
聖徳太子
独孤求敗
巴御前
シンモラ
カッシウェラウヌス
立花道雪

【アーチャー】
アクタイオーン
シモ・ハユハ
マックス
マックス
マック・セネット
ロビン・フッド
花栄
香香背男
カカベル

【ランサー】
イェーガン
晁蓋
林冲
ロアール・アムンセン
獨角ジ大王
国司元相
ルーク


【ライダー】
モブ
ロバート・ケイツビー
項羽
今川義元
段景住
特撮ヒーロー
木曽義仲


【キャスター】
チャーリー
アレイスター・クロウリー
エサルハドン
シャーロック・ホームズ
朱武
メアリー・スー


【バーサーカー】
アスモデウス
アンタイオス
ミダース
ミノス
ローラン
安徳天皇
林冲


【アサシン】
ハサン=サッバーハ(風水)
ヨナルデパズトリ
服部半蔵
阿頼耶識
青鬼

【エクストラクラス】
アメンホテプ四世
ガイウス・ユリウス・カエサル
ラシード・ウッディーン・スィナーン
聖徳太子

茶々入れるようで悪いがマックスがダブっとる


それでは、サーヴァントを選びます。今回、自騎はセイバーといたしますので、セイバー以外を設定します。
順番に参ります。

↓1アーチャー

↓3そのマスター(不適切な安価の場合、適正な安価になるまで安価下)


香香背男&マッケンジ―・カリス組が決定しました。
枯れそうですが、巻き戻しとアーチャーの地力を考えると強敵になるでしょう。

↓1ランサー

↓3そのマスター(不適切な安価の場合、適正な安価になるまで安価下)

度々だし意図的に外しているのなら申し訳ないけどアサシンの少なさは仕様?
パッと見だとラシード、ナイチンゲール、加藤段蔵が無い
あとはキャスター枠でいいのか分からないけどデオンもいない

安価下

>>31
>>41
あっ……失礼しました。
抜けと誤字が多すぎますね、なにぶん数が多くて……選択肢に加えて(抜いて)おいてください。

国司元相&外道組が決定しました。
登場回数の多い二名ですね。

↓1ライダー

↓3そのマスター(不適切な安価の場合、適正な安価になるまで安価下)

鎌倉の代理AAバラライカは可能?
無理なら下

クルーゼ


>>45
可能です。失礼しました……基本的には、>>1が使えないと宣言していないサーヴァント以外は全て使用可能とお考えください。
>>48
ラウ・ル・クルーゼはマスターとして選択されていないので不適正となります。
鄭氏&アメリカ人チームが決定しました。
派手な戦いを好みそうな組み合わせですね。

↓1キャスター

↓3そのマスター(不適切な安価の場合、適正な安価になるまで安価下)


シャーロック・ホームズ&Mr、エテモンキー組が決定しました。
あまり相性は良くなさそうな気配がしますが。

そして、今、>>45が99だったことに気づきました。ライダーがエクストラクラスに変更されます。あとで選びます。

↓1バーサーカー

↓3そのマスター(不適切な安価の場合、適正な安価になるまで安価下)


神崎火織&ローラン組が決定しました。
これもなかなかの強敵ですね。

↓1アサシン

そういえば原作だと神裂だった気がするけどまあいいや
ここに出るのは初期設定の神裂さん? それともゲス崎さん?

ヨナルデパズトリ&ジン・パスカル&ソフィー組が決定しました。
搦め手が得意そうな、厄介な相手ですね。

>>63
そうでしたね。失礼しました。私のミスです。
神崎さんは、どうしましょうか?
↓1 ゲスor本物


真神裂に決定しました。

それではエクストラを選択します。
12アメンホテプ四世
34ラシード・ウッディーン・スィナーン
56ガイウス・ユリウス・カエサル
78聖徳太子(Apo)
90自由選択


ここでの99は予想していませんでした……

八人目の登場が決定しました(情報未公開)

気を取り直し、エクストラクラスを自由に選択してください。
↓1


アメリカ人チーム&聖徳太子組が決定しました。

勝てるかなあ……?

最後に、MAPを選択します。
霊地効果は具体的に設けないので、基本的には霊地の数と霊地の格のバランスだけの問題となります。
中部市(霊地数17)
東北(霊地数20)
中国(霊地数9)
北海道(霊地数9)
鎌倉 (霊地数9)
トチギー(霊地数15)

霊地をどこにするか。
↓2


中部……広いですね。少々広すぎるのでいくつかを閉鎖させていただきます。ご了承ください。


                                                    ,

                                                       /灯台
                                          ,              l゙×××
                                         / /           ,!     /
                                       /  /_,,         /    .i'"゛
                                       ! 流刑地      ,,,./     l
                                        /×××   ,,/゙゛      .{
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                                           /           /
                                             /  越後製菓    !
                      漆器工場l               /   霊脈の要  _,,,-'"
                  ,,ー×××,/             /         r'"゛
                  |     ,./              /             ,!
                 !    l゙^"             廃病院           ..l
                 ゙l.   `、        ,..-‐¨大霊地               !
                  |  .,,,/     .,,-'"゙゙.l          , ---、    .,./゙゙ーゞ
                  ! ./ . ヽ,,   /    ゙l .,,--、 ,, --′  .l   ,ノ

                 ,./   !   `^^´     l´  雪原     l,,..-'"
                ,r′  !    漁港    /   小霊地  ,r'"
               / 庭園 !    小霊地   /            /
                /  大霊地   , -'''''-----(゛            ゝ 、_
              ,イ         l.... -゛         /               |
             /  \     l  市役所   |   山間部      /
         /     .`'''''ー-./   中霊地   !   中霊地       !
        l゙  工場        |            ,ノ             ヽ
        ヽ  中霊地    l        ,/         ..-^'---- ミ__
         _.ヽ       _.. ノ       .'!、、           /           ヽ
        / `'′_,ノ ゙̄'''"           ヽ           {    火山地帯 \
  __,  -'"   ,ノ .!、        雑木林   l,       ,,|    中霊地    /
  .l.    / ゙'"    l        小霊地   l 湖      / |            ,.. ヾ
    ´""′       .l     ., 、           | 中霊地. /  l    .i- ........ く..、
              ( _,_   /   `''、,  ._、  .__、   _/゛   ゙''、.  /     │
              " .`'./       ̄゛  ̄´ .`''"゙7゛       `'''゙ ._    |
                     ゙‐'l゙    繁華街    |  茶畑    /   ,ノ    !
                   /     中霊地  /    小霊地 /   .l゙ リゾート
                  |./.l....,,....、   .,,./           ,/    .!  ×××
                   ヽノ ___ ノ   ゙l'''t           ,!     .ゝ   /
                        く.... ―‐'"  ´  ̄`''ー''''‐....ノ       ゝ‐'゛

それでは一通りの決めるべきことは決めました。

聖杯戦争の開始となります。しばしお待ちください……


【0日目】 夜18:00


 森林を抜け、山野を下る。

 宵闇を走るのには慣れている。追われるのにも慣れている。だから大丈夫。

 焦るな。焦るな。急げ。急げ。

 追っ手から逃げなければ。

 私の助けを必要としている者が居るから。

 私は立ち止まるわけにはいかない――――。


【山間部】

WWiiレ'Www;;;;;::::::き  :::::::;;;;;......  ::ろ::::  :::::::wwii;;;;;:  :::WwwwW:: イ
|lii:: i|/リリW-'`"^" ;;;;iiiiiiiiWWww;;;;;::..ゝ:::::;≦::: :::iiiii:::::::::::::::::wwiii::::::::.......  ;;ゝ
|lii:: i|  、....   `^'-WWlii:ノノリリk'`"^;:ミ::::::`Ww、iiii\`WWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y
|lii:: i| ろ::::::....  ..:::k |lii: i|;;;;:::::::;;;;;;;:;;iiWwiiiiiiWwili: l :iレWWW;;;;k'^:::::k Z
|lii:: i| ラ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;:::;;ゝ|lii: i|;;;;Wiwノノ;;:::ゝ |i: :iiレ' .|i: l川|/リリ-'`~;;;;: ::Z ミw

|lii:: i| ラ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;ゞlii: i|;;;;Wiwノノ;;:::ゝ.|i: :ii|  |i: l川| wwiiiiw::::::,,r''::::y'ww
|lii:: i| ミ;;;;,,ゝ;;;レ/;;;::::k |lii: i!WリリWii-''"`" .|i: :ii|  |i: l川|^'w|川k'w^ii/'"´WWW
|lii:: i|  `w:!iiii!wWk'ゝ |lii: i| .|i:::|     |i: :ii|  |i: l川|  |川 |l:i|    |i:|  ,,iiゞ~
|lii:: i|    |i::|     |lii: i| .|i:::|     |i: :ii|  |i: l川|  |川 |l:i|    |i:| .iヾ"
|lii:: i|    |i::|     |lii: i| .|i:::|     |i: :ii|  |i: l川|  |川 |l:i|   ~^~;;ゞ`
|lii:: i|    |i::|     |lii: i| .|i:::|     |i: :ii|  |i: l川|  |川 |l:i|"' ,,ii''"`          イ
|lii:: i|    |i::|     |lii: i| .|i:::| |レ'   |i: :ii|  |!i: l川  ∠フi ~''",,iiゞ~          ,.j'~
|lii:: i|    |i::|     |lii: i| .|i:::| ii||/ ,,wiiiiwvw|i: ll川|  |.:│|,.ヾ"           ,,::ヾ
|lii:: i|    |i::|wi゙   |lii: i| WWiii||wW'''''""'''''"wiiWWWiiiwWゞ`           ,,iiゞ

`~~~^wwW""`'''Ww,,.,vWWwjj~^~^ ''^~~                       ij从'
                                             `w
iiilwVvvwwvWWwjjwvjiiijw,,,,_,,,wiijijyywiijij,,,__,,wyyv'''"~"`w;;Yゞ          ~;;,,
                                  `jiy            ヾ
                                    "'ヾ,,

 山沿いの川縁にたどり着いた。どうやら追っ手の姿は見えない。ひとまずは息をついて良さそうだ。

 しかし、まさか軍人に追い回されるとは……うかつだった。

 きっかけは森を散策している途中に密猟者を見つけたこと。

 魔術を使ってやめさせようとしたら、まさか相手が四人がかりで逆に私を殺そうとしてくるとは……。

 ああ、権力者の息がかかった人間とは、皆あんな調子なのだろうか?



 ……いや、問題はそこじゃない。

 確かに奴らの傍若無人な振る舞いも呆れたものだけど、真に危険視するべきは奴らの手元だ。

 奴らには令呪が宿っていた。一人一人に一画ずつの令呪……ずいぶんと奇妙な配置だが、生憎私は使い魔の専門家ではない。

 自分が目指すべき大義のために魔術を使っているだけの、ただの誇り無き魔術使いに過ぎない。

 そういう令呪のあり方も存在すると、腹をくくるしかないだろう。



 そして、私が彼らの令呪に気づいたのと同様に、彼らも私の持つ令呪に気づいたはず。

 むしろ軍人である彼らの方が、単なる魔術使いでしかない私よりも動体視力や観察眼に優れているだろうし、

 バレていない可能性は皆無に等しいだろう。

 その上で追ってくると言うことは……奴らは恐らく既にサーヴァントを抱えているはず。


 だとすれば、私にできることは一つ。

 即刻サーヴァントを召喚し、その力を利用して敵襲を回避すること。

 そのためには、手早く準備が必要だ、けど……。


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 触媒はある。

 宝石のような輝きを放つ金属の破片。

 私を援助してくれる団体からの贈り物で……これがあれば、かのトロイアの大英雄を召喚できるとのことだ。

 術式は頭に入っているし、一通りの道具は持っている。

 ……しかし、魔方陣を書く物がない。

 本当は蝋を用意してあったのだが、さっきの戦闘の最中にどこかに落としてしまった。

 ……と、なると……血を使う他ないだろう。

 私は周囲を見渡し、獣の気配がないか確認した。



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 すると程なくして熊が現れた。

 これはまずい。下手に血のにおいで興奮されると困る。

 私はポケットから自らの魔術礼装である杖を取り出し、熊の鼻面に突きつけた。

 「ごめんね、熊さん。ちょっとでいいの、眠っていて」

 私が軽く呪詛を唱えると、熊の意識はすぐに落ち、水辺にばたりと倒れ込んだ。

 「ふう……」

 改めて周囲を確認する。もう獣の気配はない。

 人の気配が迫ってくるまでに早く方をつけなければ。

 そのためには手段は選んでいられない。辛い選択もしなくてはならない。

 私は熊を一瞥した。

 そして、ポケットからナイフを取り出し―――――


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 ャー-、_         ./Y'7 } }   ヽソ    |

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      ._フ:::::::::::/    ∧_{`!/         ,l
    _,-:'´:::::_;::'´     ヽ,、`!l          l
  ,.-'´:::::;.-'"        ヽ!_ノ',        ___',
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.: :f-、  \: : : : /   /./ / /: : : : : <
: : \)  l: : : ノ-‐ 〈/ / /, - 、: : : : \
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: : : : : : :/          ̄ゝ: : : :.: : : : : : : : : : : : \

 それを自分の手首に突きつけた。

 すぐに噴水のように赤い血が飛び散る。

 私は軽く手首を押さえ、それをある程度制御しつつ、地面に円を描き始めた。

 「三分の一までしか使えないから……慎重に使わないと……」

 血が失われすぎれば体力も落ちてしまう。兼ね合いをしっかりと考えないとならない。

 失血死をしているようでは、笑えないコントになってしまう。




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      ,,/″,..-'"´ィ-;;し┴ _.. -''二ニ--‐''''ニ匸 ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄コ彡ニ;;-二,゙¬-..,,、.⊂...l__..`''ー、, `''-、,
   _/゛ .,/゛    ゙_..-''゙,゙ ‐''" '''';;二`-゙‐';;二二二二二二,゙;;'''ーニ ミ;;、.''少'ー ,゙"ー ,,'''/!ゝ   ゙''-、 .`'-、
 /`゙ご!ミ゙゙゙゙゙[゙「゙゙゙゙゙!” / '“'゙゙゙゙゙゙゙!!''゙彡-‐''''“゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙'ナ.,-、゙!゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙冖ー  ,゙”'!!゙゙゙゙゙゙~“'ー、~゙!゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙~リ!_/~`'、
  / .`-.\ ./ ,/,iW",/゙_..‐'゙ゝ -''"コl二;;;;ッ=Z゙.,i`-!ヘ.゙'コ=t;;ii、ニ"ニ;;、 `''-、`'-、.〟 \ .\.''゙ン'ン'" \ `'、
./     .゙'r" _/  ”゙./ ,r'" `''''~!リイ゙‐'゙゛= / ,i′゙¨' ヽ.ヽ... r'"'''ニ> ゙‐'~"  `'、. ゙゙゙lー  ヽ. `l/    ヽ  .ヽ
./ .;;;;;;ニ゙ ./ /ヽ\. / ,i!ニ ̄巛`-`-`-`-`-√.,i liレll l l l巛;;、``-`-`-`-`-三 ̄`-、 .ヽ .,.rフ、. l .,,...ヌi-  .l  . l
! ''"ー  !  l  `'イ i′ , `゙''ァ二;;- ..″ / ,.|~r'"゛ - .`゙';;`L.ヽ ゙,゙ ‐二ィ''",,.  .! .'l/.、.!  | `,゙ !-  .!  |
.|     │ |.   .l .|ヽ、!ニl、 .l..l.  _,゙¬./ .,ヽ.li\二___,,゙..-二ノ'. `./ ''レ l./ .ノ`゙''ヽ/  l..'!广 !  | .!`'''''ッl !  l
. l  '''二., ゙l, ゙L :iij;;,.ヽ !l>\"-・゙〈>、’ . / ./ .`゙''ー二`-ア゙ン‐'',゙_.ヽ..ヽ._ ヅイ)'''..-/i″./ ,;''リr/ ./      l  /
 .!、 .゙´;→ ヽ .\ '㍉,.\ ゙'〈ヽ\-`'' !/゙.,i,゙ . 彡-'二-'',゙¬二;;-ニ,,,,.i|i、.゙く .゙ンンシ゛., ''_;i.` / / ..lニ''=‐ ./  ./

ヽ  \  .  i‐,\, ゙''.、゙‐'i ..゙ヽ、"' li.\. / '!二ン;;'!'==rrri=jjjllリ!“'''ー二′゙'l彡!'゙_..-'゙.r-`,/ ./ . ..>-ィ./  /
 \. .\ゝ-ニゝ `'-、,`'-ミ/′ `'ー-二'‐=ミ、,,_;;′'!´.`''← " ゝ l|;;,,,,.. -‐',゙,゙ -'"´.''T彡'"゙,..-'゛ ,,..、   / . ,/
   `'-、 .`'-、..ニ゙二- `''ー ,,,゙''ー ..,,_  ゙゙マ'=―`-ニニ二二ニニニ―ー;;l'フ″ ._,,.. -''゙,゙.. -'゙_ッ二-'^.l / . /
     ゙''-、, .`'-..,,. '々  ';;/゙'ニ- 二,゙;;'ー`-= ......,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,........r゙‐'゙‐''二.. -‐''゙゙_.'`-- .'l;; ‐" _..-'"
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 魔方陣は十分ほどでできあがった。

 多少雑だが、丁寧にしても呼べる英霊の質が上がるわけじゃないだろう。

 それよりも急ぐことのが大切だ。急がないと、軍人がサーヴァントを連れてやってくる。

 私は朦朧とする意識を必死に押しとどめながら、声高く詠唱を始めた。


 「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公―――――


  .ヽ   .l,    l     .l    .!  .!   .|   .,!  .|   !   .|   !  l    /     /   ./   ./
   ヽ   . l.   .l.     l    l  .!   .|   .|  .,!  .!  │  .l  /    !     /   /   ./
ヽ   l    l.   .l     |    l  .!   .!  │ :!  .!   |   .|  ,!    .l゙    /   ./   /    ..
. ヽ   l    l   .l,    .!    .l  l   .}  .|  :!  l   .|   .!  !    /    /   ./    /   /
  ヽ   l   .l    !    . !    .!  !  │  !  |  l  │  ,!  .l゙    l゙    l   ./   ./    /
   ヽ   .l   . l   .l    l.    l  !  │  .} :!  !  .l   .!  .l    /    l   /   /   /  ./
   .ヽ  ..l,   ヽ   l    !    !  .l..........!  .! : l゙  .|.-....,!   | .._.l    /    /   /   ./   /  /
    .ヽ  .l,   .l  ,., !    .l´´― l  .l‘゙゙゛ l  .厂]  .!`´ ,!   ! ''┤   .il;;―-..,/   ./   ./   /  /
ヽ    ヽ  ...l   .l,゙ -‐' l    ∟.._,.|  .!."." l  テ‐}  |.‐゙"l   l゙‐ /   /  .゛"/   ./-..,、/  ./  /   .,.
 ヽ    .゙ッ.lニ. l   .l. ii..│   |.lyi │ }ニir !  .'l!リ  .!ニニ|   l: -.!   ilvニ;;-./   .iニ=../   ,i′ /   ./
  ヽ    . l´'' l  ..l / . l   .l''"´ .! .| -‐l  lヤ} .|、' ┤  .l゙ .l   il \ .゙/   ./._..;;〃  ./ ゙' /   ./
   .Λ    ヽ ...l,  .l /..l   .l,,..,ニた l ..、. |  .∟|  |...".l   !.コ7   .i" ゙'ッ,./   .i{, ゙く./  ./ .ヽ/  ./
   .! ヽ   .ヽl゙ . l   ll .{、.l   l/゙ー ! .!.ノソ|  .| ! .|  'l   !.、.l   l゛  /   / ! ./  ./  ./   l゙
   l  .|ュ   ゙!l、 ゙゙、  .'ヒ、.゙!iリ、  l.lii、、l. |.'" l  .| イ .l'/^l  .|.'‐l   !._..;;//   / ./ /  ,i′ /   ./
    \. `!.   ゙.l'-..l、 .l,`'ー⊥  .l,,. >| .!‐.i、|  ,!..| .l.ニi|  .!勹   ,llr''彡′ ./‐゙,,./  /  ./   /
     `'-、,    ヽ ヽ  .lー- l   リ「、_:.l |  . |  | :! l.│  ,!.│  i!",゙,../   /'" /  /_..-'^_ /
        .`''ー ..,_.ゝ ..|, . l.`゙''''.l  .|'‐; "} .l.....、.! .|│ l´...!  l ,゙l   ,!´.''''/  ./ .,,,/ ._,゙ .'''´
            `"ヾ- ...゙‐'‐ λ  l _、.l !゙゙ゞ.| .| | l;;iネ  ! .l゙  / : -/ ._,....ニ.‐‐'"´

                    ` ." '"丶~!-ゞ゙´゙". ニゝ:!`゙! .--´゙! ‥‘ " ゙゛

 閃光のような輝きが魔方陣を包む。

 いろいろと懸念事項はあったが、魔術行使は滞りなく行えたようだ。

 光が静まると、周囲には続いて煙幕が広がる。

 風が吹いて、周囲の砂塵を巻き上げているのだ。

 「うわっ、風、強……」

 私もその風に煽られて、バランスを崩しそうになる、と、いうか―――――

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              〕iト.三三三三三三三三/〕iト._ -=≦
                  〕iト.三三三三三/_ -=≦
                     〕iト._ -=≦


 「あっ……」

 この、下から持って行かれるような感覚。

 知っている、これは……。

 ずっこけた。

 私はバランスを失い、頭から地面に落ちていく。


 「う、ううん……」

 気づくと、私は誰かの腕の中に抱えられていた。

 「あれ?」

 確か、サーヴァントを召喚していたはず……その途中で気を失って……。

                 /´l   _
                 ,'  |./ /
             /´',  l  /  /
             |  ', |./  /
            f´',  ',   , j ,   /
        _   {  ',  ,   ', {,'  /
      '、`丶 ,   ', ',  V   !〉
       \  ',   ', 〉 ´/   |
        丶、ヽ  '、/    ,'
          \}         /
            |       ,/
           /     /l

             {       / ,'
           i\ _,/_/

            >'´:::::::::::::`ヽ
            |:::::::::::::::::::::::::',
            |::::/\:::::::::::::::',
           〈::/   丶---イ
            i|       ',

            |  , -―- 、 ',
            レ'´        ',

 「……はっ!?」

 まさか、うかうかと気を失っている内に、例の軍人たちに捕まったか?

 一瞬そうも思ったけど、すぐにそれがあり得ないことに気づく。

 だって、私を支えるその両腕は力強いけど、それでもあまりにも優しくって。

 まるで、幼い頃に童話で読んだ、おとぎ話の王子様のような、そんな―――――。



 「目を覚ましたようですね、マスター」

 私を持ち上げる彼は、私のことをマスターと呼んだ。

 いまだ意識が整わない私の目の焦点もだんだんと合ってきて……次第に、私を抱えるその青年の要望が視界に収まった。

 ということは、つまりあなたが……。

 意識朦朧でとろんとした私の表情を見ながら、彼はさわやかに笑った。

 「セイバーのクラスとして召喚されたサーヴァント、ヘクトール。共に戦い、聖杯を手に入れましょう」



                      /i /'
                ,.. … 、.i/∠.,
             ,.._゛,.,  . γ´`  ‐ヽ、`ヽ、
           ゝ゛´ .//,',:´i /i  、 、 、ヽ、;`.、
             .//;/:i/::i /::i i i...ヽヽ...、ヽヽ,`~`
            .//:/;::i/:::i/::.i:i i:i,rヾ'ヘ ヽ.....、';;ヽ,
          ,..'ゝi:::/::ii:::::i:::;:i::ii:/i:i   ヽヽ,.......ヽヽ
            /:::i::::;i:::::::Δ::::/ ii,..- -ゝ;.....i,...i'\
            i::/i:::/i::::i心ゞ/,  弋夕ゝ〉ヘ..i`、i `

            .i/ ii:/i:i:::/  i' ,      .,'βi..i ヽ
            i'  i'ヘi:i;i'   ' 、l     /√、ヾ,
              i' ゞi、   、__...  //
                仆、   ー   イ/i'
                ,-.i, `ヽ、_ ,.' i心

                .i::::::::::::...、  ,ゝ´::::::i,
           ,. ..ゝ,~i:::::::::::/>=<ヽ:::::::ゝ:- 、_

      ,.<~ ̄   i //:::::/ >(〈'`〉).\`ヽ、\ヘヽ <、,_
     /:::::::::ヽ   /ゝ'"〈i /:::>上弋:::::::\ ヾ、∧、 `i::\
    /:::::::::;;:::::::::',  〈勹乍'〉':::::::::`.iイι广::::::::::\iイ、ゝi  .i::::::ヽ
   ./:::::::::::::;;;:::::::::',  i i iヽ'::::::::::::::::iヽi /i:::::::::::::::::::::\〈ヽi  .i::::::::i
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  .i:::::::::::::::::::::::::;;;:::::::イ≦イ';;::::::::::::::::::', :::. ',:::::::::::::::::::::::::,凵i::〉:::;;::::i
  i::::ゝ、::::::::;;;;;;:::::;;;::::i:/ /;;;:::::::::::::::::::::::',, :::. '、::::::::::::几::::;ii .i;:i::;;;::::::i

 「と、とりあえず」

 目がくらくらする。ああ、やはり血を使いすぎたかな?

 「追われているかも知れない、から、私もこんな調子だし、一旦、ここを離れて……どこでもいい、落ち着ける場所に連れて行って……」

                                                /三三三三三:∧
                                               /三三ミ>ミ三三三ミ〉

              __                              /三ミ/三ミ}三三三!
           _rf¨: /: :/: {: : : \::.、                       _ノ三ミ:/ミ(ノミ/三三三{
          /:/: : : {: :.{ : {: : : : : : /`:、                    /三三/三ミ彡三三三/
        /: :./.: :.i: : {: : : :∧: x=彡':/〉ヽ                   /三三λ三三三三三:/

       ノ\/:.{: :_|_|: _/: : ///: :(                     ノ三三ノ }三三三三/
         )\:二二ニ=.: : : :/: :'.//':{                 r'三>'´   `¨¨¨¨´`´
         ヽ`ー―― : : : : : : : : : :./: :/                  r-三/
        }ミニ二二二 : : : : : : :_>'.´:::::ハ            r-、r'三/
        <二二二二二>'´:ハ::::::|:::::::: }         r、´\ ヽ´

         l:|::::::|::‐十::|::::: |弋::}「::}:::::|:::::|::リ        r‐、 \   ノ
         |:l :::∧xf斥L::::」 芹圷ミ:::::!`i:{:'⌒ヽ     ,rf' ヽ `   .'
        .乂__::::ゝ弋リ    弋ソ_!::::レ'i:ハ: : :.∧  ./ / {   /
         }:::::}∧""  '   ""/:.|::::l: :}:::}: : : :∧/ / ./`ー 7
          |::::/i{个:。.  _ . イ : |::::|/:|:::|>=、:∧   〈    ./
         ::::{: }::\\ー=彡'.: :.|::::|:/|:::|ノ⌒ヽ廴`:ユ ./\_ {

         ノ::∧|:::::} \\_:/: :/:.|::::|:} !:::!    )、  `/    /
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        /::/:::: /|::::{/: :,<.:_:_:./ー|::{-:::::! ̄     ヽ-ミ =≦ _
      ./::/:::::/:::|:从: /7¨ ̄´  |::ト. i:::|    ノ   }: : ;>.,    `ヽ
       ./::/:::::/:::::|:i{:{: {八      !::|.:.. Ⅶー     /iiヽ{;;;;;〈
      /::/:::::/::::/:|:l|:∨  丶  _.:|::|  リ  _//ii/: :.∨´〉
    ./::/::/::::/ ::|:l|::::}:}    }: : : |::ト、 __ /)八: : : : /          .
    {::/://:::::/::::::|:l|::::|.:    i. : .:.乂: :`ー '7´`¨    ̄ /   _ ノ}   }
  /f⌒:/::{/ :::/ :::::::l:l{:::ノ:.|   |: : : : : : :/ ノ  \ \_ .{/ ̄    \ .;
  | :`ー{:::/::::/:::::::::::乂´: :.|    .: : : : : :/: : `二ニミ `ヽ   /壬三三≧x 》
/:`ー: .:::{::::/:::::::::::::::/: :/:.|    {: : : : :/:./三三三ヽ`ー‐/三三三三三:〉⌒:.    _ ヘ .x≦三三\
\.:.: : :.ヽⅥ:::::::::::/.:.:/: 〈`ー‐´{: : : :∨三三三三三ハ /三三三三三:/:..__} --今:、ヽ:.\三三三三≧=-..、

二:: ̄ ̄´\ :::::〈: : : /: : :}    /: : : :/三三三三三三}i{三三三三三/≦三三三三ミ}: : : : }三三三三三三三>.、
::::::::::::::::: /::`ー‐}: :∧ : ノ    !: : : /三三三三三ミ/ii|三三三三ミ/三三三三三三': : : :./ー―<三三三三三三)
二ニ彡'::::::::::ノ 〈: : : :` 〉-- イ: :.:/三三三三三/王ミi三三三三:/三三三三>'´`ー'¨¨`      `ー=ニニ二彡

:::(  ̄ ̄ ̄   _,ニ三/     .!: :/三三三ミ>¨´王王ミ|三三三iⅣ三三ミ>¨´
:::::\     `ー‐ ァ' _ /`¨{三三三ノ王>'¨´   .{三三三/三>¨´
::::::: ノ         `ー'¨      `ー--'¨´       `ー==彡'¨

 正直、異を唱えられると思っていた。

 仮にも英霊……しかもはるか神代の大英雄に『人が来るから逃げろ』と言っているのだから。

 反駁されても仕方が無いと、そう思っていた。

 しかし、セイバーはにっこりとほほえむと、さわやかに頷いた。

 「分かりました。確かに、マスターの状態は心配。一旦この場を離脱しましょう」

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【湖】


 川沿いを移動し、私とセイバーは湖の畔にたどり着いた。

 「あそこに腰掛けられるベンチがありそうです。ひとまずそちらへ」

    ,、                                             ノノ;:'ヘ;;ハバゝ, フ.:;ilゞ,ハ.:.....:.,ヘ..::::
.   ,爻_                                             ハ 彡゙;:.'ハヾゞ';'ヽヘ;;ハバゝ;>.:,ハ';'ヽ、
.  _,彡ミ、                                            ノハヽ、,ツノノ;:'ハ;;:. ノハil;:ヽゝ ノハil;:ヽゝ
.  ー爻爻ミ、_.                                         ノvノ;:,l'レゝ,ハ';'シハノシ;:,ヘ, ノノ ノ'ノ,'ハハゝ
..-=爻彡ミミ;                                         ノノゝハハ,ゝヘ,::..ヘ.:;ilゞ ハ';'ヽ..::...,ヘ、ハ.:;>
. ,ィ爻彡ミミミ、   :,,、,                                    フノ;:,'ハ';'ヽ;;ハバゝハ';' ハ';'ヽハil;:ヽハ,ハ';'ヽ、
. =爻爻彡ミミ;  :ミ爻;                                 ノノハハl;:.'ilゞノハil;:ハil;:ヽハハl; ノハil;:ヽゝフ
. 爻ミミミ爻彡  ミ爻彡;            ,__,へ__ _.            、ノハ ノハゝ;ノ,'ハハハl;:.'ilハil;: ノ'ノ,'ハハ,ゝ
. 爻爻爻};彡ミ};彡;彡ミ     ,r'´¨ ̄ ̄⌒': : : : : : : : : : : : : :  `ヽ/⌒ヽ==⌒. `ノ;:'ヘ;; ノノ;:'ヘ;;ハバゝ ハハl;:.'ilゞヾベ .:;

..;;'爻爻ミミミミミ爻ミミミミミ≧=='´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :..:;:;'r-=´へ  .: : : : : : :.ノハハ 彡゙;:.'ハヾゞ;;:. ,ハ';'ヽ、 .:;>ヘ:..::ハ::
...ミ爻彳i::;{ミミミ爻彳i::;{ミミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : / / '::... `:.\..: : : : : : :.;.:'lilベ: フ フ,ツノノ;:'ハ;;:.ノハil;:ヽゝ li>ノハハ
. ミミ爻爻ミ;:ミミミ爻爻ミ;:ミミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./ :::"/::..`._ ;'".へ' : : : : : : :、'^  シハノシ;:,';:, ノノハハl;:.'ilゞヾノvノ;:,l'
. 爻爻}爻};:彡ミミ爻爻}爻};´゙ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄,r≦ ̄从jリ 彡ハハノ;;:, フノ;:,'ハノハハレ;;:ノノハハ

. 爻}゙ :;、.x,,;-ミミ爻}゙ :;、.x..v、 __ _ _ _____ ____ _ノ    \wj 彡ヾ;:ノハハレ;:,.'ilヾ ノノハハノノ;:'ヘ;;ハハ
.ヾ;ゞヾv;ヾ;ゞヾv;ヾ;ミ゙': ;: ',;ミ..: ; ::; :;~'',;:; : ;: ;:; ;~'',;'   ',;' ..: ; ::; :;~'..... : ;: ;:; ;~'',;'' ;~..: ; ::; :;~'',;:; : ;: ;:; ;~'',;'' ;~'',;''',;'
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 「ふう……」

 セイバーから降りて、私はベンチに寝転がった。

 「う、う……頭痛い……」

 やはり自分の血を使って召喚の儀を行うというのには無理があったか……?

 「マスター。何か欲しい物はありますか? 近くに売店があるようなので、適当に見繕って買ってきましょうか?」

 ……なに、この気配り。

 「そうですね。少々服を着込みすぎではありませんか? 汗を掻いては体力が落ちます

  マスターはどうやら極度の貧血を患っているようだから」

 気づかれてる? あれ、おかしいな。しっかりとあの後傷口は傷が残らないよう塞いでおいたはずなのに。


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    ,.Wiリw,    | :|    | | |   | | |   | | |   | | |   | | |   | :|   |::::::\\
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    l三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三l
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        ̄                                               ̄


 「理由は存じませんが、ともかくこれでは体力が落ちる一方です。

  何か元気のつくものを食べないと。

  ……とはいえ、私は今当代の金子を持っていませんね。

  マスター、確認したいことがあるのですが」

 確認したいこと……金の無心だろうか。それなら残念だけど、無理だ。

「セイバー。私は流浪の人間でさ。ろくにお金を持ってないんだ。だから売店に行っても……」

 「いえ、そうではなく」

 セイバーは、ばつが悪そうにはにかんだ。

 「これを売ればいくらくらいになるでしょう?」

 そう言って、襟元についた宝石をチラ見せするセイバー。

 おい、ちょっと待て。それって取り外し可能なの!? 突き詰めれば魔力じゃないのか、それ!?

 「そ、それが本物なら、まあ、食べ物の対価としては十分すぎるかなあ……?

  で、でもちょっと待ってねセイバー。それはちょっと……」

                  、
                 ,. ´ ⌒ ̄ ̄ ヽ、
               / ./⌒  ̄  、 ヽ
              / //' /  iヽ.、  ヽヽ ヽ
              イ//ニ /iリ/!i  ヽ、 ヽヽヽメ、
              !ニニ/ヤiニiリ‐´刀ヽ..',..i...ソ

              iアニニi弋!ノ     iノ)、'}!
              ' !∧、  !       ii../
                ! '`\`-‐ ′/ ヤ
                    ` 、  ´ ./ }ヽ
   n  ,               /ム  i/: : : 〉- .、.
  .i ! /)            ,.ゝ‐! : /'./、´ : : : /、.../´ ` =‐、

  .i _! i!_,. っ         ,ゝ ´/!/ !}‐i´ゞ ヽ、: //〉/  /: : : : :、
   ih' ヤ イ ミヽ      ! i .{i〉,‐: -{-}-: : : : `: ,}ア'/   ,: : : : : : :,
   i!i、   マリ     ,': !,//: : : /〉i: : : : :: : :in!i !`: 、': : : : : : : :'、_
  . i!i .ヽ   }     ,' : ,'‐' : : ,'/ i: : : : : : : !丁: : ; ! : : : : : : : ; : !
  . i!i  .ヽ  ',     ! i //: : : ; ' ,': : :i: /!: : :H! : : : 、: : : : : : : i: : !:、
  . .i!i   .ヽ-‐シ   /: : マi: : : ;'  ! : : i; !ノ: ;i}´i: : : : :ニヤ、: : : : !: : i: :ヽ
  . .i!i   ',   ', /´: : : :{! : : i  . i: : : :`: : ´iマ'i : : : ; マ  ヽ: : i: : : /: :
 .   i!i    ',   ヽ‐、: : :i! : : i   !: : : : : : : : :! i: : : : ;'    ヽ! : /: : ;
 .   i!i     i    }  }: :i : : i   ! : : : : : : : : i .i : : ;´      〉'-‐…、
  . i!',    {、   ./   !;/!: : i   ! : : : : : ; : : :}、}_'      /
  . i! i    i \/   i' i: : i   !: : : : /: : :/!ニ厂       i⌒ヽ.
    iU     ヽ.iニヽ/ i! : :!   ! : :/: : : / /: : :i    . /     ヽ ,

 「いえ、私の着飾りなどよりもマスターの健康の方が大切。

  十分に足りるというのならそれで良し。これとタンパク源を交換してきましょう」

 いや、そういう問題じゃないから!

 セイバーには悪意がないのかも知れないけど、それって狸の葉っぱのお札渡すのと同じようなものだから!


 セイバーの、気配りができているのかできていないのかよく分からない発言に精神を使っていると、不思議と少し元気が出てきた。

 私は身体を起こし、ポケットからカロリーメイトを取り出した。


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     l:. l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨¨l
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 |     ::! !
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 「だ、大丈夫だから。セイバー」

 ポテト味だ。私は全味いける口だけど、その中でも一番好きなのがポテト味。続いてチーズ、メープル、フルーツ、チョコレート。

 「食べ物ならちゃんとここにあるし……」

 袋を裂いて、中から薄黄土色の棒を取り出す。

 セイバーはそれを怪訝な目で見つめた。

 「それが、食べ物……?」

 私は無言で頷き、カロリーメイトをかじった。

 「バランス栄養食、カロリーメイト。コスパは……正直そんなに良くないけど、手軽だし、楽だし、それに……

 ばりばりっ。ばりばりっ。



                         _
        ______  -‐ チ ヽ

        ,斗三二ニ==  ~´_ _,、 ┘ _, ~≧.、
         }Ⅰ_二 ー-‐ ¬      / ィ::::::::::ヽ
        `⌒           _オ:::::::::::::::::::
        ・        _,, ≠:⌒__::::::__::::::::
           ,ィー¬:⌒:::_;:::-≠ { マ三三lキ:::::
          ,′::::::::::::::|三三f ヽ ー ヘ~ヾ寸,:
/>         {::ο::::::::::::|三三|ー ヤ  ヽー 寸::
//////| ≧ョュ }:::::::::::::::::: |三≠!  ',   ヽ  \



 「お、美味しいし……」

 いかん。口の中がぱっさぱっさになってきた。

 普段なら大丈夫なんだけど、体力が落ちているせいか、無性に……辛い。

 パッサパサだよ、パッサパサ!

 「マスター……? 大丈夫ですか? 見ていてずいぶんと辛そうに見えるのですが」

 「だ、大丈夫だか、ら! 心配ないから! でももし気を配ってくれるなら、水汲んできてくれると嬉しいかな!」

 水分無しでカロリーメイトは苦行だ。しかもポテト味だったのが最悪だ。よりにもよって一番水分を必要とする……。

 ああ、カロリーメイトが嫌いになりそうな予感。

      ⊂ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ⊃

           ⊂ニニニニニニニニニニニニニニニ⊃

                  ⊂二ニニニ⊃

 「さて、いろいろぐだっちゃったけど、ようやく一心地ついたし、状況の整理を始めようか」

 セイバーに湖の水を汲んできてもらい(後から知ったことだが素早い手際で濾過してくれていたらしい。お前は執事か何かか)

 水分を補給し、カロリーメイトをさらに二箱開けて、その栄養がおなかに沈着するまで約一時間。ずいぶん時間がかかった気もするが、幸いその間に襲撃を受けたりはしていない。

 「貴方は、ヘクトールでいいんだよね?」

 セイバーは頷いた。

 「……ってことは、あの聖遺物は本物だったのか。環境保護団体もやるなあ」

 私が思わず漏らした言葉に、セイバーの表情が若干揺らいだ。

 「……」

 なにか気まずそうな表情。引っかかったので、追求してみた。

               xz-、_
          _.ィー '": : : : :ヽ: `x、_

         xへ: : : : ヽ: : ヘ: : ハ: _/: :(
.        /: : : : \ : : ヘ :_:_レ‐'" : : : : ハ
       / ー-、:_:_: >-:'": : : : : : : :_彡: ハ
      x':_:_;孑'" ー―彡' : : : : : : : : ;_:}
     ゞ: : : : : : :_:_:x-'": : : : : /: ;_:/:::::ヽ

     { : : : : /: : : : : : : : : :_:x-:":::x弋:::::::ハ
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      { : : : : : ;x-'"::/:∧:::ハ::::::}ノ伝ミハ::::::l

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      ノ  \:::〉、: : ∨:::∧`ー-": : ヾ:::ハ
       メ" : イ: ヽ: : ∨:::∧ :`¨¨´:ノ: :,ヾ:∧

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     `ヽ: : : : :./!: : : `ー-、:.ヾ:::::∧ーイ/:!:`ー\}
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       / // /:::,::::,..´ ::  :: ::  ;:::::::..  ::  : 弋、ヽ,
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     ´ .i:::::i:::::::::::/:::::::::::::::/::::::: :::::: i     `,:  i  i:::\ .i
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   ,../~::::::/      .〈::::::,  ::   :'  .::::/      ヽ:::::::::、〟_

 「何か言いたそうだね」

 「い、いえ、別に……」

 どうやら隠し事は苦手のようだ。ばればれだよ、セイバー。

 「何を隠しているのか知らないけど、正直に教えて」

 私が詰め寄ると、セイバーはそっと目をそらした。

 「は、ははは……」

 「笑ってごまかそうとするなぁ! 令呪使うぞ、おい、おい」

 もちろん本当に使うつもりなどない。 先ほどからのセイバーの様子を見る限り、このセイバー、マジモンの最優だ。

 真名からもそれは予見できる。ヘクトールと言えば屑揃いのギリシア神話の中で燦然と輝く聖人君子。 対照的に弟のパリスは屈指の屑だったりするが、それでも最後まで見捨てなかった。

           ,. -=ニ  ニ=-、.__
          .´ イ彡"  ,⌒` ー 、` 、
        ./;:',.;:'.,  ,イ'      ヽ弋、
       /;;;;:;;;;/;/, ,イ;;;' , i:ヽ  .  `, ヽ
      /; イ;;/;;/イ'/,イ/;;;' ./! ,!r-'!. .i.  .'; .i
     ./' /;;//;!;;;i;i/;/i;;i;i /;;!,;'/ ::';:.i:.  i.';..i
      /;;;;';';;;;;;i;;;;;/ .i;i;;i/;;;;;;/   ';:i:::  .i::.i..i
     /;;;;イ;i;;;;;;i;;/二'!i;;;;;/!/`` ニ、''、::: .:i;::i;::',
    ノ 'i::::i;;'i;;;;;;i/、旦';i;;;;' .'  .´旦, 〉';:: .::i∧!ヘ
     i::::i;i::i;;;;i.i    i;;'.       i::.i:勹!'
     !ヌ.!i::i;;;;i,     .'.::!       .}::;レ'
      '   !'ヽi;:i,    `_     ./-/i/
          'i;::、   `ー `   イ::;/
           'N\  ´`  ...:'::i:;'i!'
           ,}\>.......<::/!'_

          /´:}  i\::::::::/, i;}:`:,
         ./:::::::ヽ .'; ` ´ ;' .,.::':::::::

 そんな彼が、大事なことを包み隠すとは思えない。

 だからこの一件の真相は、きっとどうでもいいことだ。

 だからこそセイバーは話そうとしないのだろう。

 言わなくて良いことは黙っておく方が良いから。


         _ ___
.         ∠: :ヾ: :_ゝ_;_;ヽ;_ミト、
     ∠: :_:.r'";_;_;_;_;_: : : ≧x

.    /: : :.:/: : : :.:二二ニー;_;_`i
.     {: :/.:..:/: :二二ニ二: : : 八
.    }/ : : ;ムr'":::::/:::::/::::::::`ー:.、ノ
      {.:_/:::::/:::::::/}::::/{::::::::}!:!::::::::ハ
     !r 、:::!:|::::::/`メ、{ .!::::_/}A:-::::|:}
     !| |::l::L::」`== L:/==!::::::|i!

     ノ:! !({::::::| ---     --l--┘
.  (.\'::: ! {::i::::::|wx r―‐┐wx.|:ハ:、
.  /\`´   `ー'".ノ_|    | . イ::::∧ミ:.、
. ---'"     r;'":; :└―‐': :`;i::\:∧ )::)
. `ー┐ ,,.x''" ハ:::'; ;_;_;_;_;_;_;.イヽ::::\:`ー=7

  {:::/ /":`<´  Ⅵ'; : :`´: : /: : :\::::ヽ:::::::/
  i:::{./': : /:∧` Ⅵ';_;_;_;/; : : : : :ヽ::::};;≠'
  ノ: : : /: : /: :.〉、 Ⅵ';    \ : : : : }::|
 : : : : /: : /: : :ヽ∨ }:}:} .::. イ.:ヽ: : : l:」

 : : : /: : /: : :i: : :)  リリ    ヽ: :\/
 : : : : : :' : : :/: :〈   _xメ._rー 、/: :/
 : : : : : : : : :{: : : :}三三三{二ニ!/


 「しかしそんな気配りは無用だっ!」

 「!?」

 突然声を張り上げた私を、セイバーは変な目で見ている。 ……まあ、予想通りだ。そんなことはどうでもいい。

 「セイバー、隠し事は良くないよ。話しても仕方ないと思っているかも知れないけど、

 全て包み隠さず教えてこそ、信頼関係を築けるんだから!」

 「……」

 セイバーは腕を組み、しばし考え込んでいたが、そして。

 「分かりました。マスターがそう言うなら……」

 眉間に難しそうなしわを抱えて、口を開いた。 ちょろい。


     ,,―‐ .,
  . /\|_|/\
  /\/  ̄'\/ ,

  | ̄||      :|| ̄|
  |_||      :||_|
  ’/\__,/\/

  . \/| ̄|\/
     ` ー‐ ´

 「私を召喚するときに使用されたと思われる宝石は、私と何の縁もゆかりもありません」

 「え? じゃあ、どうしてセイバーは召喚されたの?」

 まさか、相性召喚? 馬鹿な。確かに私も時々病的なお人好しと呼ばれることはあるけど、

 こんな王子より執事のが似合ってんじゃないのかと思うような聖人君子と似たもの同士とは思えないよ!?

 「ま、まさかセイバーと私はフィーリング・カップ――――」

 「いえ、相性召喚ではありません」

 即否定された。ちょっと寂しい。

 「私を召喚するのに必要なのは、相性や財物とは限りません。

 この私を指名し、召喚しようと思ってくれること。それだけで、英雄ヘクトールは貴方の元に駆けつけるのです」

 ……えーと、つまり、準備とかなくても、ヘクトール来いーと念じれば来ると。

 そうすれば来ると。 それってやってること他力本願(本来の意味)じゃん!?

 なんだお前。本気でセイントか。いや、むしろ、本物のセイントよりもセイントだよ。

 もはや病的とも言える優しさに包まれたこの意識。

 確信できる。このサーヴァント大当たりだ。

        ,..-==ゝゝ-,..-ゝ、}i//⌒    \

    ,..-=ニニニニニニ〃゛,..- 、乂ゞ゛⌒`\    .\
  ,..ゞ~ ̄ .,-=ニニニ∠_=/  ,.γ--、 `、 \  ヽ ',
     ,.-=ニニニニニニ/   ,    ',  i  '、  i .i.i

    .,=イ'ニニニニニ/ ,.='  /::i    .i   i   '、 . i, i;i
    /./ニニニニニニ//ニ'./仆' .    i:.  i  i i, i i i:.i
    /ニニニニニニ/ニニ冫/ / イ:   ., i:: .i.i:  .i .i i: :i::}';i
  .、乍¨./ニニニ/ゝ¨/ /  / / i::.  /i .i:: i:i:: i::i i/i.::i::}ゞ:、.
  /~ /ゞ/ニイヽ,/〉'  /〉' _,.⊥ ./:::i i:/::i:: .i:::i/i:i:::i:/`.ヽ、ヽ
 ' /´ ./=~i=i.弋/ ヽ,〃イ弋又: /:/i::ii:::/i:::/::::i,i:::;::ii'-、,ヽ、ヽ∨

     /~  iヘi /./  /ヽ`¨"i:::/:/:::i::i/i:i::::::::/)i:::i:i--、,  Ⅹi,`、
       i .i /       .i:::::/i:::::i:ii/i:i:::::/i':::::}::i、ゝヘ,ヽゝ .\,}

         .'\      /:/.i::/ i'i〉i'i::/i仆/::::::::〉、,ヽゝ、  ⅵ
         ヽ`.、. _    ´  i/ ./:: .i/ }〉::::::::::::::::〈~ゝ》::::::∨∧
          ヘ゛`ヽ ̄ ∋   ' /:' i/::::::::::::::::::/\/;::::::::::∨ヘ
           .ヘ `ヽ ̄  ,./:::::'/:::::::::::::::::::::::/    、::::::::::iヽ::',
            ゝ、_,.. ゛ }〉、/::::::::::::::::::::::::/   _,./ \:::::i∧.i::',
                 /i゛:::::::::::::::::::::;:.゛-‐,゛¨,.../,.,ヽ、,_Ⅳii:::'、,

                ,/.i'::::::::::::::::/゛.~...........i __<, ,>- `〉}:::〉>
               ./i /:::::::::::/~.......................~__.,゛`..、_)ヽ-/〈}/'~
               /'∨:::::::/゛.............,.ゝ ゛~     ゝ、/゛ヽ} 〉)

 「ところでマスター、一つお聞きしたいことがあるのですが……」

 セイバーが私に尋ねる。

 「マスターへの口調はどのようにすればいいでしょうか?

  堅苦しいのがお嫌いなら、平易なしゃべり方に変えますが?」

 そんなオプションまでついてくるの!?



【安価】
なんと答えますか?
↓2


 「ふふふ……そのままでよいぞ! 私のことは様を付けて、リュカ様と呼ぶが良い!」

 誇らしげに胸を張り、私はそう言った。

 正直滑ることは覚悟の上だったんだけど……

   /'              、  \.. ``ヽ、
  ./:::                  \:.. \:.   `ヽ、
  ,:::::  ./ ,..-‐ァト¨¨ヽ¨¨` .ネャ、  \::..`;::.      }
  i:::: /.イ::! .ト .《´`\`、   .i ヽ`',ュ__\.`;:::..  ..,'
  !::r;/ .i:::::'、 !:N::!   >メ;..  .ト,.'、..! 弋ヽ弋:i:ー::/
  !;:'{i::i .!,!';:';:ヽ:::::::i .,ゝ~´,.ゝャ、. i.\.!、:::'、! 'ヽ::;ゞ'               __
  }'.i:i::::i.!::::'メ;';:::::';::!´::r/´(;夕 \ i、  !/;/.i ト',`ヽ,             ,:´::o::::}
  `}::!::;::'::';::ャト';::::N ´´ ´    マ '、 i !/...、!:::ヽ:...ヽ,           ,.' -、::::;/
  i/iN、:::::i;ヘでマ!          .ア i:トト;::.弋ー ¨´             ,.'  .:::メ''
  ' .i:::仆;::弋 ~. '.i           .i:: ' .\チ_ . .  .          ,.'  .::;.'
   i:/ '、:;:',,ト,  ゝ、 ´   ,. '     ./:;   \}\. . . . . .  .  . ,.'  .::;.'
   !'   マヘ!.ヽ   ...'´...     ,:'::;     /:::::::::`-..、_    _.,.'  .::;:',..    , _
           `ト   ´'    ,.:':::::'  i. ,.:':::::::::::::::::::::i:  ̄ ̄ ,.'  .::;:'       ,.ゝ=二
               ` 、   ./::::;:'  .!ツ::::::::::::::::::::::::::!   ,.'  .::;:'      /:::::::::::::
                 ` ´〉;::;:'    ,'::::::::::::::::::::::::::::::!   .,.'  .::;:'     ./:::::::::::::;;;/
                ,:';;;;ム,   i:rヽ::::::::::::::::::::::::::! ,.'  .::;:'       ,:'':::::::::::::::;;;/:::
               ,:';;;;::::;;/`:,  !:!::::':i:::::::::::::::::::::::i;:'  .::;:'        :'::::::::::::::;;;;;/::::::
               i;;`;!:::::';:::::i  i:!:::::::::、::::::::::::::::;:'  .::;:'      ,':::::::::::::;;;;;;/::::::::
                /!;:::ャ::::::;_:{   };:::::::::::`::、::::::;:'  .::;:' ';,      i:::::::::::::;;;;;/:::::::::::
                /:::::::!::::::\:',` ,::´::::::::::::::;ゝ⌒ 、 . :;:'::ートーー‐ー、i:::::::::::;;;;;/:::::::::::::
            ./::::::::::::i::::::::/:::〉、 .';::::::::::::/´!,- 、  `ヽ;:::::::!;;;::::::::::::::::::::::::::;;;;/::::::::::::::::

 「承知しました、リュカ様。それでは今後の指針について、愚生がたたき台をあげさせていただきます。

 リュカ様のご様子をご覧ずるに、恐らく他陣営の情報は掴めていないご様子。

 しからば、急ぎ事を起こす必要はございません。しばらくは偵察に徹すること。そしてそれ以上に、偵察されないよう注意することが肝要でございます」


       _/: : : : : _:_:\:_\: : :\
      /二二ニ : : : : : : : : : : :ニ二{
       .}: : : :_:≦ニ二二二二ニミ:_:.}
      |__/::::::/::::::/::::::||:::::::::: ハ:::::::ヽ

       |::::::::::::{::::::ハ:::‐ナ':::::::: |`!-:::::::}
       |::::::::::::l::::::{ |:::::」|L::::::::」 L:::::: 」
        :::::::::::_:|:::: | x==ミ、   r=ミ.ハ:::!
        } ::::::{ (|:::: | ,,,,      ,,,{:::::|
       .':::::::::ヽ.!:::::| u   r‐┐  人:::|
      /:::::::::::::ハ:::::{> ... `__ . イ:::::::::|
     ./::/:::::::,r..:.Ⅵハ\_,⊥:::ノ}::::::::::|
    /::/:::::::/.: : .:.Ⅵハ: : :/.: :.⌒ヽ::::::|

   ./::/::::;r:':.ヽ: : : :Ⅵハ: : : : : : : :.:/ヽ::|

   /::/::::/ : : : : \:_:.}:::::}: : : : :_彡': : ∧
  ./::/{:::;' .: : : : : :._:.|::::i|`¨7´: : : : : : :∧
  .!:::{ |::{.: : : : : : : :._|::::i|/: : : : : : : : : :∧


  よくすらすら出てくるなあ……感心するよぉ。

  あっさり拾われすぎてむしろ滑ってるよぉ……。


                  、
                 ,. ´ ⌒ ̄ ̄ ヽ、
               / ./⌒  ̄  、 ヽ
              / //' /  iヽ.、  ヽヽ ヽ
              イ//ニ /iリ/!i  ヽ、 ヽヽヽメ、
              !ニニ/ヤiニiリ‐´刀ヽ..',..i...ソ

              iアニニi弋!ノ     iノ)、'}!
              ' !∧、  !       ii../
                ! '`\`-‐ ′/ ヤ
                    ` 、  ´ ./ }ヽ
   n  ,               /ム  i/: : : 〉- .、.
  .i ! /)            ,.ゝ‐! : /'./、´ : : : /、.../´ ` =‐、

  .i _! i!_,. っ         ,ゝ ´/!/ !}‐i´ゞ ヽ、: //〉/  /: : : : :、
   ih' ヤ イ ミヽ      ! i .{i〉,‐: -{-}-: : : : `: ,}ア'/   ,: : : : : : :,
   i!i、   マリ     ,': !,//: : : /〉i: : : : :: : :in!i !`: 、': : : : : : : :'、_
  . i!i .ヽ   }     ,' : ,'‐' : : ,'/ i: : : : : : : !丁: : ; ! : : : : : : : ; : !
  . i!i  .ヽ  ',     ! i //: : : ; ' ,': : :i: /!: : :H! : : : 、: : : : : : : i: : !:、
  . .i!i   .ヽ-‐シ   /: : マi: : : ;'  ! : : i; !ノ: ;i}´i: : : : :ニヤ、: : : : !: : i: :ヽ
  . .i!i   ',   ', /´: : : :{! : : i  . i: : : :`: : ´iマ'i : : : ; マ  ヽ: : i: : : /: :
 .   i!i    ',   ヽ‐、: : :i! : : i   !: : : : : : : : :! i: : : : ;'    ヽ! : /: : ;
 .   i!i     i    }  }: :i : : i   ! : : : : : : : : i .i : : ;´      〉'-‐…、
  . i!',    {、   ./   !;/!: : i   ! : : : : : ; : : :}、}_'      /
  . i! i    i \/   i' i: : i   !: : : : /: : :/!ニ厂       i⌒ヽ.
    iU     ヽ.iニヽ/ i! : :!   ! : :/: : : / /: : :i    . /     ヽ ,

 どうやら知らないうちにセイバーのスイッチを入れてしまったらしく、セイバーの調子が止まらない。

 「ところで、金子を持たないとのことでしたが、今宵のねぐらはいかがなさいますか?

 もし必要であればそちらの森の適所を具合良く見繕って、せめて快適な空間であるよう調整いたしますが」

 「いや、いい! そこまでしなくていいから!」

         _ ___
.         ∠: :ヾ: :_ゝ_;_;ヽ;_ミト、
     ∠: :_:.r'";_;_;_;_;_: : : ≧x

.    /: : :.:/: : : :.:二二ニー;_;_`i
.     {: :/.:..:/: :二二ニ二: : : 八
.    }/ : : ;ムr'":::::/:::::/::::::::`ー:.、ノ
      {.:_/:::::/:::::::/}::::/{::::::::}!:!::::::::ハ
     !r 、:::!:|::::::/`メ、{ .!::::_/}A:-::::|:}
     !| |::l::L::」`== L:/==!::::::|i!

     ノ:! !({::::::| ---     --l--┘
.  (.\'::: ! {::i::::::|wx r―‐┐wx.|:ハ:、
.  /\`´   `ー'".ノ_|    | . イ::::∧ミ:.、
. ---'"     r;'":; :└―‐': :`;i::\:∧ )::)
. `ー┐ ,,.x''" ハ:::'; ;_;_;_;_;_;_;.イヽ::::\:`ー=7

  {:::/ /":`<´  Ⅵ'; : :`´: : /: : :\::::ヽ:::::::/
  i:::{./': : /:∧` Ⅵ';_;_;_;/; : : : : :ヽ::::};;≠'
  ノ: : : /: : /: :.〉、 Ⅵ';    \ : : : : }::|
 : : : : /: : /: : :ヽ∨ }:}:} .::. イ.:ヽ: : : l:」

 : : : /: : /: : :i: : :)  リリ    ヽ: :\/
 : : : : : :' : : :/: :〈   _xメ._rー 、/: :/
 : : : : : : : : :{: : : :}三三三{二ニ!/



 おかしいなあ。普段悪意にばかり接しているからか……彼とふれあっていると、調子が狂う。

 どうも勢いを削がれるというか……。

 なんだろうこの微妙な気分は?

 恋か? いや、絶対違う!



 ……とりあえず、セイバーは王子として生まれてこなかったら、幸せに一生を終えていたんだろうなあ、と、思いました。



【今日はここまで】


【確認できているセイバーの情報】
┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:セイバー           【マスター】:リュカ
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┫
  【真名】:ヘクトル               【消費】:60        【属性】:秩序・中庸
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┫
   【筋】:B(40)    【耐】:A(50)     【敏】:A+(60)     【魔】:C(30)     【幸運】:D(20)   【宝】:A+
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
  【特徴】:英霊              【残存魔力】250/250            【HP】 100/100
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
                               ,..- ー- 、,\` 、

                             ,.ゝ´./´    γ´ニ三.',
                             //.:/  ,':::/,:'::::;/´.ス:;´ `ヽ
                         /イ'......./ /::::;':'::::/;i ./::::/ ̄λ

                           ,'....../ /:::;:':::/. /::i,':/} i   }
                           ,'..,....i. ./:':':'´::;' /:::γ:::::;'...,'::::} i
                           ,'.イ,...}/:::::;':::::;' ./:::::/::::/;::::;';::::; ; i
                         ´ i{,勹':::/:::::;/::::;;;'i:://:::/;:::://.,'

                           i,乂::/´i:::::/:/又夂へ/i:::;' ./

    ,.-ーー 、                    '}N/.i' ';i::;'    /'  ' .i/}'/
   .〈※   _ `、__                }/ !i、 i;'!        ' !'´
 .i- 、`〈 ,ゝ´  弋、__\_           ,i. ;::':::ヽ     _ ス´
  、  `/.      \ ` ´   ̄` ` ニヘ-.、  / 〉 ;::::::::\   `ニχ
  、  ',     ,::;;ゞニ\       /  .ソ´/ .',  ``ヽ/´> 、 _.'ヽ 、,
   ` ー ニ= 、 .//    `ーーー‐- 、',  ,:'::; '   .',   '   ;:/    '、:::::,ニ=- 、
         `'.、   ,   ヽ ヽ `、  〈:/-ー- .、 へ     /、     ',;、::,   ,' ` -、
            ` 〈/入  {  .〉  .}\ '、、卞乍弋勹、o /´/` .、 ;;;'、' ;   ,'    \
             ヽ i,.! .}' ;   //三、__{ミミ、ヽ`> >>< .  `i 、}}` ,'      ヽ
             .`´ー<ゝー' 、 `)/ /ゞ、〉ii} i ̄ > 、    >.、ヽ 〈-}〉,'       `、
                .\:::::::; i 冂.i   ヽ'ニ=- 、   `>,'ゝ´.〉!.、ii:;', {.        `、
                  `;:::::; .〉凵.i       /十>、 ,  ,' .i,((0ii凵i::...,        ヽ、
                   ';:::; .'i ̄i´       iヽi/ i  〉_ /-/` ヽ--{入:::;-         ` 、
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

  【クラススキル】
  ◆対魔力:B
 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等をもってしても傷つけるのは難しい。
 【【魔】ステータスを使用した攻撃に対して、30点の軽減を加える】
 【これよりランクが低い魔術系スキルの悪影響を受けない】

 ◆騎乗:B
 騎乗の才能。
 大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 幻想種は乗りこなせない。
 【乗騎宝具を使用し、騎乗している場合、令呪1画の消費で撤退できる】
 【乗騎状態の時、【敏】に10の修整】

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しまった
セイバーのスキルの効果が旧式のままになっていました

明日訂正します

今回はzero形式(群像劇でキャラごとの扱いの差異が少ない)で進行します。

本スレとは違いロールを徹底するつもりなので、操作キャラであってもイベントによっては勝手に令呪などのリソースを切ることがあります

ご了承下さい


【雑木林】

ゞ;:.;;''/ /!ヾ;;ゝ;./;;:.ゞ:|iii::::|       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::ゝ:.ヾ;;'ヾ;:;;ヾ::ゞ /;;:::/     |il::
;;ヾ;;/ /! !::.:':/;;ヾ:ヽ;|ili::::|    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./;:';ヾ:.ゞ:;:ヾ:.ヾ,, | ./;;:::/     イ;::
;://// ̄ ヾ;;'';ヾ::.|ii:::::|   /''"''"゙;:;;_;::;/ヾ;;:ヾ:ヽ:ヽ;;'ゞ:〉;;ヾ';;:::::f   /::イ;;::

ヾ;;ヾ;.{ {ヾ;ヾ       }ili;:::|  /  ゝ;;ヾ;:,ヾゝ ゞ;;:ヾ,, |il:ヽ;;:::::::::::::!  /::/ |ii:::
ゞヾ;ヾ{ {;:);:)ゞ   ヾili::;;;7 ./    ゞ:;ヾ;;ヾ   ゞ:;;.ヾ|il::::ヽ;;:::::::::|/;;ゞ;ヾヾィ;:::
ゞ;'::ゞ//,,._        }lii:::::レ' (;;ヾ:.ヽ   /ヾ;:'ヽ;,.._   |li!::::::|ili:::/:::rー''ン ィ;;::::
;;';.ゞ//ゞ;;:.ゞ:ヽ     |lii/ ゞ;;',ゝ;:ヾ ∧::ヾ;;:ゝ;;);:ヾ  |lii::;;:::}/:::∠ -;;ヾ;ゝ.|;;:/i
;:.:゙;'{ {:;.ヽ,_       レ ゝ;;ヾ:.ゞ;;ゞ:ヾ  |::ii|ゝ;;:);:;ヽ,,_ }ili:レ'";;_;;;;;_::ゞ;;ヾ::ゞ |;/iili
::.';//;:;.:ヾ:.ヽ     /;,;.   ゞ;;';ヾ;ヽ   }::ii}  ヾ;:.>;;);;ヾ,._;;;;:::f::.:..|      |;|ilil:
//ゞゞ;);'':ゝ   / ノ:.:.:.:.:.:.:)  /   |::ii|    ヾ;:;):;;ヾ;;ゝ::::|.:.: |  ノ;ヾ:ヾ|;|iil::
/ゝ:.;;ゞゞ;:;ヾ;;ヾ:/  ''"'''"゙゙  ./    . |::ii|     ノ;ゝ;ヾ;);ゞ.!:.::.| ミ;;:ヾ;:':..|;|ii:::
        ヾ;/::),,.,_ ):.ヽ  /   _,,.,.,,.{::ii{,....,,_ ,,...,   |iliiヾ;)|:::.:.|,,ノ;;:.:ゞ;;ヾ||ili:::
 ,,.,,._     /:.:.:.::.:.:`:.:.:)  /   ,';;:;.:;:.:}::ii}:;:;:;;;','';::;:':., |ilili:::::::|:::.:r;;:((;;:;'::ゞ::;|ill::::
";;;;:.:;':;";:,,_  /:.:.:.:.:.:.:.::.:f´ /"''""'"'''""|::ii!'''""'"''"'''"|ilillil::::{::.((;;('':;;(';;ヾ;:::}iil::::
r;:.;;ヾ;;';:.;ヾ;ノ,,、,,.,__,.:.:.::.}  /      ノハソゝ      iliilili:::::}:.:.:.:!,,ミ;;ゞ:ヾヾ|ii:::::
;:;;l;;/;';,.-''"ゞ;;ヾ;;ゞ:;ヽ:.,'  !             wfノillili:::::::{ゞ";;ヾ;;ヾ::ゞミ}ii::::::
;;(ニ二二二二ニ)、ヽ;ヾ  !              {ililiil:::::::::::} ゞ;;ヽ::{;;《::/ii:::::::
ノli:::lli:il!::l::l!lli::}::il!{;;';ヾゝ {Wwrrfw         ノiliWfwjivfwWWfゞ:.:ヾ::{ilii::::::::
il i!li!::l!|lil!l:::li!::ヾ::li}    wWfjwy         wWvyrjfwWwwyWjrf/iili::::::::

WfjwvrwfywWwwfij )^wVwfjwyw                 Wwf/iliil::::::::::

ああ、綺麗だ。

川のせせらぎが耳元に飛び込んできて、静かに心を躍らせる。

広葉樹の葉と葉の間から斑に零れる木漏れ日はさんさんと降り注ぎ、水面をダイ
ヤモンドのように輝かせる。

渓流には小魚が泳いでいた。手を伸ばせばちろちろと動き回り、愛おしい。

――――美しい。

機械的に切り出された建造物や、人造の芸術品には決して生み出せぬ自然の美がここにある。

それはかけがえのない存在で、誰もが守らなくちゃいけない大切なもの。

そして、それだけの価値があるもの。

なのに、どうして――――僕が生きていたあの世界には、一つとして存在しなくなっちゃっているのだろう。

許さない。

僕らも享受する権利があったはずの、

ともに生きる権利があったはずの自然を奪い取った、この世界のすべての人間を。

――――僕は、絶対に許さない。

                      , ´ /´  _ -{   }-、  ',... `丶
                  / ..::/   i  ', ,′ i、  iヾ.、 丶‐- .              /|
                     / /::::/!  ,´.   ',,′   i  .i !::ヽ ヽ  `丶         /  i
             __ / /::::/ ! .i', |            }', i .! ',:::', i     >, -、 /   !
            /i i!i! | .i:::::i ! !|` ー-   _   -‐´ .! ! !::::', i', ..!`丶 //´ .\   !
          i´   !i!i!i | .!:::::! ゝ !、    γ  ヽ    ノ`!  !:::::! i ', !   \.      \  !-、
       /',\!  |i!i!i |  !::::i  `y\_  {   } _/} r、   i:::! .! .',|    \    /, - ヽ、_
      /  ∨:∨ !i!i!i |  !::::! /:::!  ゞ≡\/ゞ--´ !:::', ::ノ / ./.|      .} .//      ヽ
    /.     ∨:∨ ',i!i |  !::::i./::::::!:::::::::        r:::::::∨ ./ ./ ∧     ノ//
   -{_       ∨:∨ /´ `ー- 、─ 、::::_ _,、_,、_,、_,-':::::::::∨>i ./ / `ー--‐'/ /
/     `ヽ     /´丶、._/ ノ    // o、、─;;,,,‐-- ,::∨  !/ /      / /
        \  .r'ー 、_  / ̄ノ.    //  // .i!i!/_  i!i!i!/ ̄ フ、-,-──-∠ _/  > -─-、
.            \!    / ̄ }´ ,   //.   ` ̄!i!   ̄i!i!!- __i!i!i!/   /     `ヽ、〇   丶/丶
          !´`>-‐y- _.,'´ ̄  { !       !i!    i!i!   i!i!i!` -           〇`i 二ヾ
            乂 i   } /     ! !     !i!    i!i!   !i!i!                 !´_   ̄`丶
:::::...            ̄} ./ ∧     i i::...     i!   !i!   i!i!!                 !、 ヽ    丶
::::::::::..           /`丶、       ' !:::::::::::::......    i!   .i!i!                `ヽノ   {´ ̄
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 僕、マッケンジー=カリスは未来人で、タイムマシンを使って過去の世界に戻ってきた。

 全ては聖杯戦争に参加し、僕らの世界にあるはずだった自然を取り戻すために。

 未来では、全ての自然は失われ、誰もが本物の自然を見たことがない。

 知っているのは、写本の上に綴られた偽物の自然だけ。

 どうして僕らは自然を奪われなくてはならなかったんだろう。

 どうして僕らは自然を手に入れられなかったのだろう。

 僕は必死に考えたけれど、とうとう答えは出せなかった。

 それならば――――もし、僕らの理不尽に理由がないのなら。

 取り戻すことだって、許されるはずだ。



    ヾ.  ヽ:|                  |: l|:.: : : : : :.:l|_ノ: : /: :|: : : : : : : : :|
         从     ____           l: リ: : : : : : :.リ: : :.:/.:.: :|: : : : : : : :.:|
.          |: :ヽ    ヽこニニ==-‐     |/.|: : : : : : /: :.:.:/ : : : |.: : : : : : .: ′
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          | : : : : :.:ハ              /.|: : : /´  /:.: : .:.: ′|:.: : : :.l: :|
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            |:.:/            ‘,z≦三彡令ミ=≦′ }l| }イ.| /.|
            j/                〈⌒ヽ    Ⅶ         .{メ }′|ヽ
                      /‘.,__.ハ   }!  ./         .|  \
                       〈⌒ヽ   ‘.,  ‘,    /          `   .\
                        ‘.,__ハ   ‘,  ‘,


「マスター、感傷は終わったか」

若い男の声が、耳元に飛び込んできた。

「まったく、そんなものの何が面白いのか、俺には理解しかねるぜ」

気づくと、僕の後ろには、僕のサーヴァント、アーチャーが立っていた。

整った相貌の中に、どこか荒れ狂う嵐のような感情を臭わせる、古代の英霊。

「君には理解できないだろう。なぜなら君は、自然にあふれる時代に生きていたのだから」

彼が僕の考え方に理解を示さないことについて、特にとがめ立てるつもりはない。

原則、僕の願いは無い物ねだりであって……あくまでその境遇故に飢えるほど求めているにすぎない。

もし僕がこの時代に生まれていたならば……きっと僕は、今ほど自然を美しいと思わなかっただろう。

それは理解している。だから、アーチャーの考えに異を唱えるつもりはない。

だが……僕の考えも、邪魔させない。


  ‐-==      ヽ爻爻/爻爻爻爻  !|:l: :l. :l: :l:!   价//
       == =   ノソ  从州爻  !|:l: :l. :l: :l:!   爻爻爻У--州

         ‐- =              !|:l: :l. :l: :l:!  ,/  ,/  /\_/
                          !|:l: :l. :l: :l:!‘ /  ,/  / / \爻爻爻
^ヽ/ ̄ ̄ ̄〉‐- __               ‘ !|:l: :l. :l: :l:!'〈\/  ,/ /    \
  \__/     ̄ ̄/〉─‐--ァ 、 !|:l: :l. :l: :l:!; \\,/ /`/\  / \

 〕`\   〉\⌒\__//__/ヾヽ`,!|川 l: :l!;\∧ 〉、\/^/  \/    〉
ノ_______〕/__  __/_____/゚%` o, ´゚ソノノノ ヾヾヾヾ ノ。゚\__ヾ    〕_/⌒\
´: : : : : : : : : : : : : : : : : : . .゚、 ヽ、`ノ` /: :/彡´Y`ヾヾ\\` ゚\__〉-‐´: : : : \____/
: : : : : : : : : : : : : : : -‐: : : . : : : :、 .´ ....´ .‐- _ -ー ´: : : : `: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : -‐: : : . .: : : ´゚: : : :/: : :/: : !: : : : : : :` `: : : : : :` : : : : : : : : : : : : : : :〔 ̄ ̄`ヽ
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`/''     \ /⌒)   γ^ヘ: : : : : : : : : : : : : : :/~^ゝ、 : : : :/⌒\: : : : : : : : : : : : : {⌒ヽ



「アーチャー」

僕は振り返り、アーチャーの目を見据えて言う。

「今後の行動指針は先程述べた通りだ。僕はこの地を工房とし、かりそめの拠点に変える。

 そのうちに君には、単独行動能力を活かして情報を集めてもらいたい」

すると、アーチャーは面白くなさそうな顔をした。

「まどろっこしいな。そんな回りくどいことをしなくても、順番に片付けていけばいいじゃねえか。

 俺は強い。誰がやってこようと、負ける気はしねえぜ」

胸を張ってそう言う、アーチャー。彼の言葉には迷いもないし、嘘偽りもない。

心の底から、自分が最強で、誰にも遅れを取ることがないと信じているのだろう。




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    〉;;;;;;;'二二 ゝ;;;;;;;;;/: : : : : : 〉      ';`'ヽ、,,_,/ /      }  /     /: : : : \
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あながちそれは間違いでないのかもしれない。

かのアーチャーは古代の大英霊、神性を負う星の化身であり、

今回のサーヴァントの組み合わせによっては、本当に最強の一角、あるいは絶対強者であっても不思議ではない。

だが、なまじそれがまずい。

本人は認めたがらないが、アーチャーの逃走能力は一級品であり、僕のような弱いマスターではなく、実力あるマスターのもとで召還されていたならば……

あらゆる戦闘を回避しながら、最後の一騎になるまで逃げ続け、最後に漁父の利を得るというような、そんな戦法だってとれただろう。

そして、その能力を最大限に活かそうと思ったとき、アーチャーは強くてはならないのだ。

逃がしても問題ないと思わせる程度には、弱くなければならない。

決して、ほかの何をおいても処理すべき難敵であるとは間違っても思わせてはいけない。

しかしアーチャーのステータスは高い。仮にアーチャーが何の能力も見せず、すぐにその場を立ち去ったとしても……アーチャーに一定の注意が注がれることを、避けることはできないだろう。

それにもし戦闘が伴われれば……結果は考えるまでもない。

だからこそ、アーチャーの運用には格段の神経を使う必要がある。

すぐさま動くのは、まったく賢明な策ではないだろう。


「アーチャー。確かに君は、一対一ならば、負けないのかもしれない……だけどね。

 早々に目立った行動をすれば、数陣営が一斉に君をつぶそうと押し寄せてくる危険がある。

 それでも君は負けないかもしれない。だが……僕の命までは保証できないだろう?」

「……」

アーチャーの表情が険しくなる。

「君の能力は、破壊することと飛び続けることに特化している」

 逃げることに、とは言わない。よけいに感情を逆撫でする必要はないからね。

「防御向きじゃない。マスターが何か介入してくる程度の攻撃ならば、僕の身に埋め込まれた生命維持装置がなんとかしてくれる。

 だけど、台風を凝縮させたような伝説の顕現、サーヴァントの殺意が込められた一撃の前には、抵抗の余地なく打ち破られてしまうだろう。

 もし君の戦いの途中に、君の目を盗んで僕を討たんとする陣営が現れ、その試み通りになったとき……」



      .ュ .__..,,,,,      .l゙  i".|           l|、 .`'''-..、   `'-,"ミ-、  .,,ir゙゙゙''''`-ニ;;..,、
`゙''ー  -'''゙,゙ ー''''^゙l l __   .!   ゝミ;; 、         ゙'.lッv..,,_,゙''-、 , ,  ゙'' |./ iil!'〟    .,-'./
..、  _ / ゙ィz .l′  ゝっ./   .〉____   / /           `''ミ-,,〃゙-、   : '| .ヽリ;;、   !/
 `''" .|,.ヽl.     .. |″  ./゙一''`-`--゙             `″   `'-、  ゙ヽ`!l/、  .!|,
    .l.      ゛       l                         `'-、   ゛`-!/゛
    ..゙!_,,.. -―――-- ..,,、  .l                           `'-、   `.゙、
 ._..-''"゛  .,./ ''^゙^''''ー-、 ヽ  . l                             `'-、  \
‘゛    ./          !  !  ヽ                                 \.  \
    ../ . 、        !  .!   ヽ                               `'-. ヽ .-、......、
   /    .ヽ       l  l   ヽ                                \ ヽ  ̄'l、
  /      .ヽ       .l.  !    .ヽ                                 \ヽ. "|
. /  、     .ヽ       l  !     ヽ                                 ゙' |'、'r=ー 、
/   .リ、     ヽ     │ l,     .゙┬- ..,,,_                              ` l, .、
    .lヽ    'y.ヽ     |  l.      ゙ぐ.^"''' !、,                              ` !`-
     .ヽヽ    ゙.l-ヽ    .l、 ヽ      .\  .ヽヽ.           ._,,,.. -ー'''''''゙゙゙゙゙゙''''‐、、
      ヽ.\   ヾ' !、    ゙''-、゙'ーi      ヽ   ` \     ,.. -‐'''゙__,, ――ー'''"⌒''、  \
、      ヽ \   i,ヽ`!l、    .l  |         ヽ   `〈-. / _,, ‐'゙´            `'、   l
..\      ヽ ゙'ι ゙'ミ l、 ゛     ヽ l       ヽ,   `'-r'"゛                 ゙!  .!
\..ヽ.     ゙y  \.ヽ`、      l l           \                _,,,,,,,,,...... 丿  .|
  `'、.ヽ     ゙.l、   ゙'、ヽ       .! .ゝ           \           ,,,,.. -ー''''"゙´ _...  ___,  _/
    l .ヽ    .リl|、   `"                  \      l  ,, ‐'',゙,゙/゙” _,,..-'"   `´
`'-、  ヽ ヽ    ヽ                           \    l  /  〈  厂
'- .., \ ヽ. ヽ   .ヽ                            \  ./  /   l .l
   `'-,.`'.li, ヽ    ヽ                          / /     .l .l、
     .\ ` ヽ__/ .`゙''ー、、                      /   !      .l、 `'-、
      .\.  .,..- ̄"゙゙,゙'''''ー ,ヽ                     /  ,! '、、     `'-、 `''-..,,、
        .`'-"     .ヽ,  ` l、                    /  │  \      ヽ   .ヽ
                \  .゙ぐ、、              l   ,!   .\      ヽ   ヽ
                    ヽ.  ゝ..,゙ー .,.、          l゙   .!     .\     ヽ   ヽ


、   ヽ、   ',   !                              i   ,'    /   ,r'
. ヽ   \   ト-"',                         ,'‐-イ   ,t'   ,r'
  ヾ‐-'" \  ',_  ',                        ,'  l  /`‐- /
    \、_,, '\ i`゛ ',                       ,' `''',' /`、_, r'
 、     ヽ  ヾj _,`ヽ                     / -、_,!,イ   /    ,
  `ノ''、‐-` ニ,-     ヽ                    /    -=ニ'ヽ_,-‐ヾ´
. -"-,,ノ_  ,       ノ\                     /<      、   !,, -ゝ‐
     `ノ'    ィ -‐'"  \                 /   ` ‐、    ヽr'"´
  _, -'"´ ,   /  '!     ` 、         ,   '     !  \    ``‐-、_
 ̄ _,,,-‐''´ ``''ヽ-‐"⌒`""゛ヽ,ィ ´⌒ヽ、     /"" ',_,r'"``゙"゛`‐-´⌒``‐-- =,,_``
 ´                `‐- 、_ノ    !、_ -''´´               `


「全てはご破算。君の戦いはそこで中断させられてしまうだろう」

僕は彼を御さなければならない。せっかく鬼札を引いたんだ。使いこなせなくて、何が稀代の科学者だ。そんな程度で、未来を変えられるとでも思っているのか?

「君としても、そんな幕引きは面白くないはずだ」

有効に使わなければならない。

言葉を選べ。怒りを買うな。

この聖杯戦争を勝ち抜くためには、アーチャーの心をコントロールする必要がある。

「だから、序盤は偵察に徹し、動き出すのは中盤以降に――――」

しかし、僕の思惑をすべて吹き飛ばすように。あるいは僕の浅慮なんて既にお見通しだと言わんばかりに。


    /           .\ .|/  ∧             |. `¨´/.: : : : : :./ . |
  /              .\.   .∧.    , -、      !  //: : : : : / . ノ
/                    \.   '.,   ヾ、`ー--ァ ¨´ .//:,:-一¨´
                      \  \   ` 一′, イl /´
                       \./.\   ,. < .jノ
                       \.  ` ¨.´   ヽ、
                        \       〉、
                           `ー‐----一′\


「ははははははははは!」

アーチャーは、僕の言葉を笑い飛ばした。

「そうやって、俺を制そうとするのがお前の策略か?」

「……制することが目的じゃない。勝利をつかむための戦略だ」

「策略、ねえ。そんなもの、くそったれだ」

……こ、こいつ――――!

「お前の策と言うものには、誇りを感じられない。やり方が夜盗のそれ、まったくもって俺の趣味にはあわねーな。

 いいか。一つ教えてやろう。俺がこの世で一番嫌いなのは、俺を抑圧しようとする糞野郎どもだ。

 俺に令呪を使うというのは許さない。お前が一度たりとも俺に対して命令を下したならば、

 俺は迷いなく、お前のことを殺すだろう。

 俺はお前が消えてもしばらくの間生きていける。その間に代替のマスターを選んでもいい」

 「……っ!」

 アーチャーの言うことに嘘偽りはない。言っていることも理屈が合っている。

 僕は決して強いマスターではない。持ち前の拙い魔力では、アーチャーの実力を引き出しきることはできないだろう。

 アーチャーにとって、鞍替えした方が良い結果が得られるのは間違いない。

 通常の戦争であれば、マスター側には令呪という圧倒的強権がある。それ故通常、鞍替えなんてことは起こらない。

 だが、僕の場合は少し事情が違う。

 僕はとある事情により令呪を残しておかなければならない。

 だから……令呪は使えない。

 そのことをアーチャーは知らないはずだが、さて……。


              彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,. -‐''"ソ              /

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        彡ニ;;;;;=;;;==-;;ミ:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ   /  /        /

       //::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ:::::::::::::::lノ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;彡--/  /    /  /

       <:::::::::::::ハ:::::\::::::::メ:::::::::ヽ:::::::::ト:::::ゝ:::::;;;;;;;ノ    \ ;;;;    /   /
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       `, ハ:ヽ::::::トヽ=- 彳=彳:::ヽ:::::::ヽ:::::ゝ:::::l        < _,,. -‐''"´ /

         ll ヽ::::ヽ:::::ヽ::\弋5乂::::{\:::::::/  ヽ:l       /      /
        ノ ゝヾ:::::::::lヽ ̄`   ヽ::::X//   リ     /        /
           ヽハl::::::! __  _,,.-''"´          /        /
            \ヽ _,,`/ `           /        //

         ┌-ト‐-z_/ _,,. -‐''"´         /       _  /
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        / /  ̄ . <        /  l   /  _,,. -‐''"´:::/:::::::::\::ゝ
       -  __x ̄`-Y 气             /:/::::::/:::::::::::::::::::::::Yj

        l  :::::::::::/ /:::7   ̄  /--七---x/::::/:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::l:l
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 {::l::::::::: l     l_,,./ ヽ::::::/:∥:      }:::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::ヽ

 l:l\  _,,. -‐''"´/:::/:::::/ヾXzz     l:::::::::ヽ::::::::::::ll:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;lヽ:::::::::::ヽ
 lゝ--------''''''::::::::/::::/;l ∥      l:::;;;;;;;;;:::;;;;;;;;;;;;;ll::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lヾ::::::::::::::ヽ



「とりあえず俺はそこら辺うろついてくるわ。まあ、せいぜい死なないように気をつけろ。代わりを探す手間がかかるからよ」

 そう言うと、アーチャーは霊体化し、どこかに去って行った。

 前途多難……まだ一陣営にも接触していないというのに、既に瓦解の危機だ。

 だが、負けるわけにはいかない。僕らの自然を取り戻すために。





 ――――覚悟を決めろ、カリス。

 お前の願いは星より重いが、お前の命は重要じゃない。

                        ____
                     _ ∠´    ̄ ̄ ̄`` 、、
                  <> ⌒ヽ          \
                  ∠ -‐ 个≧ ..]______     ヾ
                 <{_彡 ´⌒7 /´       ` 、    . ,. /}
                     }`¨′ ./              \  .} }//{
                   〉yv/               \_」.}/ {
               }\  く /,/{                   /^ \L  _____
              }  \_」///∧_____             /   ヽ v ´   /´
              } /^} 「 ̄ ̄     ̄¨¨ =‐- ..,,彡        ,乂___/、
         /「^"   .{ {                V/      } V  }} ヽ
         /.〃| {γ^ヽ} }                 V/.      、乂_.リ   :.
        /  乂| { V/ノ} }                   i/       `¨「{     }
.        {゛__   | { V/ }_」                     |/        V,   /
        V∧__、乂 V///∧                   |/          }∧_,/
        >//////////////\__________彡/∧         }///}
      /⌒V///////////////////////////////////\____.ノ///

       L_  `V//////////////////////////////////////////////
      ]⌒ヽ }////////////////////////////////////////////'′

      人___」 }////∧//////////////////////////////////////{
      `「⌒ヽ}////ノ⌒V////////////////////////////////////リ

【今日はここまで】


【庭園】



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ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
---||---i__i-------i__i-------i__i-------i__i------i__i------i__i------i__i------i__i------i__i------
: : : ||: : : : ____________________________: : : ||: : : : :| i

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77||'7777777i:| | |i!|::|::||!     .i::::::!:::|!:::|!             |:::::::::::i:::||:::|::::::::::::::iニニニiニニi'ZZ||iニニ!=====
三ニ=--‐‐-、ヾニニヾニニi     !ニニニiiニi......         .........iニニニニニ!!ニニニニニ!::::.......      ...::::::...... :::
..  :::  ..::.. i|、                                          .....::::::::........

 ::...:.: ...::...:::.::.i|}、
 「今なんと仰ったか?」

 豪奢華麗な庭園の座敷喫茶。

 密閉された個室の中で、白髪の老武者――――ランサーは表情をゆがめた。

 彼は中央に置かれたテーブルの前に正座で座っている。正面に座っている、彼のマスターがそうするよう言ったのだ。




  、_/ 》!|/ ト        .}      `  ̄´    / /!ヾ、トミ三彡'⌒
    ({ノ川 /| /´_,ノ l'¨ /_ -、 ヽ        , イノ .ト} ||ミ三≧ヽ
  ,/ィ彡' /∧ / r‐'  `(_)、..ノ   \_   /,イ}  ト巛ミ三≦三ミヽ
  |//ィ//,′ ∧. {〈__,x─-'-、     、`ヽ/)_ノ   lヾミ三三ミヾ}} ヾ!
  {{/| |,__|   ∧  `iヾニニ:.ミヽ___,リ /'´    .∨リ))ミ))ヾ川ト、_
  /7 ノ|   ∧   `ー--‐'´   //       .| ̄\‐、ノ((ミ三彡'⌒
 /.::::/   .|    ∧ /´ ̄ ̄ヽ   , イ          ト、  |::..\ミ三彡'⌒
./.:::::::|  |    ヽ、      / /  /            /.:::::::::\


 「だ☆か☆ら~ん♥」

 正面から甘ったるいだみ声が響く。ランサーの肌を寒気がなでつけ、全身に鳥肌が広がった。

 「わからないの、ぉ、ん?♥~聖杯を取った暁には全てのオトコを貫通シたいって、そう言ってるのよん♥」

 「……分からぬ。確かに分からぬが、儂が分からないのは貴殿の言動じゃ。

 一体、何をおかしなことを……」

 確かに聖杯に賭ける願いを聞いたのは自分だ。だが、だが、そうは言っても、まさか、そんな答えが返ってくると……誰が予想しただろうか。

 「で♥アナタの願いはなんだったかしら?」

 妙に甘ったるい声で聞いてくる。

 生前数百の骸を築いてきたランサーも、かつてこれほどの恐怖を肌に感じたことはなかった。

 自己の存在証明にすら関わってきそうな、どす黒い常闇。

 それが目の前にある。

 「うふふ……♥ アナタも突く者、私も突♂く者。突く者同士、気が合いそうねぇんっ?」

 「い、いえ……」

 普通、自分のマスターと良好な関係を築くことは大切だ。

 だが、だが……こう♂いう♂意味での良好な関係は、別に要らない。どころか、空の彼方に押し流してしまいたい。



、ヽ'ノ    、__,..-‐'  ヽ` } ''´ヘ_',彡Z//
-ソ'   ,       -'" ̄` } i /ヽ、_`ヽ三/
イ!  /  ,.  _,.rニ_`ヽ   ' -' ! ,-_、,, `''!ミl
ソ  ヽ _,.ィ二ィニ-'´ィ     ヽ'='=`' (三|
'   -‐ '"´´`"´´  _,    ` ヽ、__  ヽ三、
             ノ   ,.-'" ̄ ,.ト、 ',ミニヽ
         _,.-‐'´   ,ィ r:-'、 イ ,ヽ ノミミ三ヽ、  ________
       /   _,-'" `   ___ ヽiミミ三ニZ7/ニ、-、ミ三キニヽ,

、      ,'  -'"     ,.-_',´..--, } i三ニキ二くヱ、ヽヾ-、ヽr⌒ /´⌒`ヽ
 `,=‐'  :  ,. ,.-‐'   , -,'-' _, -―┴,)} iミミ、ヾミヽハヽ | ヽ_  `='、
r''ヽ、   ヽ 'i ( 、_,,,.∠-‐'"     f i /ミミヾヽ,`fヽ ヽ|_ヽ、_,  ̄ヽ  )
'   r-、  ヽヽヽ    ` -―_''  _ i./ミ三、iヾ、}iヽ-_ヽ__,
`ヽ-'、   ',  ヽ ヽ      r'      ヽ!、-―}トtrノニ-―、_,
 ,   ` ‐-' 、  ',  '    ,ィ       ',-ヽマ'´| i´` ̄`
  ;         `ー、ヽ '  r'  `‐     .イ、 `T`ヽヽ-'´



 「そうそう、最近ちょっとイメチェンしたんだけど、どう、かな……?」

 「い、いや、その、いめちぇん前を知らんからのう……」

 このマスターに限っては、多少距離を置くくらいがちょうど良いのかも知れない。

 そんなことを考えていると……。

 「お待たせしました~」

 無表情なウェイトレスが、室内にドリンクを運んできた。

 それを見てランサーは一層、自らに危険が迫っているのを自覚した。



      ┌─―┐   ∧
.         ̄ ̄| |「\/∧〉
.            | |l // 、
.       __,/\/|| |l//r― 、
.      \  r┴f茫┴┐ 〉
.         ー|^^// ^^^j/
        |゜//l 。 ゚  |
        |//l l 。 ゜ |

        |゜。l_l  。 ゚|
        人 。゜ 。人
         \ 。/

.           -‐} {‐-ミ
.         ((  ‘ー’   ))
          ー―― '

 「注文の品が来たようねぇん♥、さあ、一緒にいただきましょ?」




 「あ、あの、一つしか無いように見えるのですが……」



 「いやね、もう♥ そこにあるじゃない、ストローが♥」










【ランサー陣営は一旦終わり】

【なかなか自陣営まで出番が回ってこない。最後まで書き切れるか心配】


 【工場】

                  /|i三i三i三i三ii]\     /|i三i三i三i三i三i三i]\
                 /i =|        |二|   \ /|二|      |二|     .|   \
                /: |二|        |二|    /  |二|      |二|     .|  |ミ|\
             ./    |二|        |二|  /    |二|      |二|     .|  |ミ|  |i\
               /i_________|二|____|二|/___|二|___|二|_______|  |ミ|.|ii.|i  |
          /|        |二|        |二|        |二|      |二|     .| ヽ |ミ| '' |i  |
         /i =|        |二|        |二|        |二|      |二|     .|  ヽ、....|i  |
         /i |二| __ _ |二| __ _ |二| __ _ |二|      |二|  _. |  |ミ| ヽ  |,.;;:。;:、;
     / .   |ニ| |\| |iヾ||ニ| |iヾ| |iヾ||ニ| |iヾ| |iヾ||ニ|      |二| |\| |  |ミ|  |i  |。;:;ii:;;;:、;____
      |.   |ニ| |_| |_||ニ| |_| |_||ニ| |_| |_||ニ|      |二| |_| |  |ミ|.|ii.|i  | ∠∠∠∠∠∠∠i|
  __|___|二|____|二|____|二|____|二|___|二|_______|  |ミ|___.!_ , ∠∠∠∠/ |

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                                  ''"'"''.'

 山の上に建つ、数年前に廃業した化学薬品の工場。

 そこら中に蜘蛛の巣が張り、足下には割れたガラスが散らばっている。

 誰の目から見ても、とうの昔に捨てられた廃墟であって、そこに価値はないように見える。

 だが、その場所に何かを見いだした者たちがいた。


 AM11:00

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   /   / ,へ      _--                         (
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  /    へ、                      (´⌒''´`´   (,,,,,´(⌒ヽ
/   ゝ   ヽ    ヘ                (´~' (´( (⌒` (´⌒´
  *\  \    ヾ        ヘ            ̄ ̄`ー─── ─- - ---
  ヾ *    \     ヽ        ヘ
l   \ △     \     ヽ           ヘ
|   、     .,へ             ヽ              丶
    t     Υ  \     \       丶
.|    ヽ     .,ゝ、          \     ゝへ、
.|     \   l   l  \       \  l   l
 |    \   ` ´ /\\       ヽヽ /
 |            | / |\\         丶     /\ /\
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  |        \      `´         \     \   !         !



 「ううう~、暑い盛りは苦手なんだよ、私……。ね、マスター。お願いだから今からでも帰ってアイス食べよ?」

 「甘ったれたことを言わないで」

 表情がめくるめく動く幼女と、背筋がまっすぐな強面の少女。その二人が、廃工場の入り口、固く閉ざされた鉄の門の前に立っていた。

 空からは日差しが降り注ぐ。烈火、正午に迫る今の時間帯は暑い盛りへの秒読みが既に始まっていて、

 どうやら日差しに弱い様子の幼女――――アサシンは、マスターであると思われるその少女に請うような視線を向ける。

 だが少女は、りんとして涼しい顔のまま、アサシンの要求を飲み込まない。

 「この程度の暑いのくらい、我慢して」

 少女は鉄柵に手をかけると、自分の身長以上あるそれを軽々と飛び越えた。

 「中を踏査するよ。アサシン、ついてきなさい」

 アサシンは露骨に嫌そうな顔をするも、逆らっても仕方が無いので、背中の翼をばさっと広げ、マスターの後を追いかけた。

 夏は盛り。みーん、みーんと蝉が鳴く。


 AM11:10

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ニニニニニニニ二二二//二二|  |二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 l| |二二二二

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 ̄ ̄厂厂 ̄l l \\ ̄ ̄l  l ̄l  l ニニニニ 二二二二二二二二二二l|  |_____l| |    |
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 「よし、ジンの希望通りの良物件ね」

 窓ガラスを破壊して侵入した少女とアサシン。少女はポケットから試験紙やら綿棒やらを取り出して、細々と調査を行う。

 アサシンは後ろで欠伸しながら、彼女の様子を眺めていた。

 「よし、アサシン」

 一通りの作業を終えると、少女は懐からスマートフォンを取りだし、アサシンに手渡した。


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 「ジンに伝えて。望み通りの霊地を手に入れたと」

 アサシンは無言でそれを受け取る。

 「使い方は分かる?」

 「大丈夫だよ! しんぱいしないで、マスター!」

 アサシンは良い笑顔を”取り繕い”少女からスマートフォンを受け取った。

 少女にはその僅かな感情の違いが読み取れなかった。

 「それにしても、マスターってドクターパスカルのお願いだったら驚くほど素直に聞くんだよねー」

 アサシンがスマフォをフリックする。そして彼女は、できる限りの自然を装い、少女にそっと問いかけた。

 「ドクターのこと、好きなの?」



 「うん、愛してる」

 即答だった。近似の答えが返ってくることを予想していたアサシンも驚くほど、すっぱりと。

 「ドクターは子供だった貴方を拉致して、人間でありながら人間じゃないものに変えたって聞いたけど」

 「うん」

 「ひょっとしたら平穏な生活を送れたかも知れない貴方からそれを奪い取ったのはドクターなんだよ?」

 「うん」

 「それなのにどうしてドクターのことが好きなの?」

 アサシンが探るように言葉を選びつつ話しているのに、少女はやはり気づかない。

 どこか錯乱した風のある少女は、陶酔気味に胸の前で両手を重ね合わせると、目をつぶってうっとりと話し始めた。

 「確かに、あの人は私を実験材料にしたよ」

 「私に合ったかけがえのない日常を壊したよ?」

 「でも、それがなに?」

 「私があの人を好きであるのに、あの人がどういう人間であるかなんて、あの人が私に何をしてきたかなんて、どうでもいい話なの」

 「愛は理屈じゃないから。本能だから。直感だから」

 「だから私はあの人のために働くの。それが私の生きる理由であり、至高のレーゾンデートル」

 「今日もあの人のために働けた。あの人のために、あの人が望むものを手に入れてあげられた」

 「また、褒めてもらえるの。褒めてもらえるわ。うふふふふ……」



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                 \  }  }又'  '´
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 狂気、その一言である。

 アサシン自身、まっとうな存在ではなく、そのあり方は魔性の怪物に近い。

 だが、そのアサシンを以てしても、目の前に居る自分のマスターが異常であることは認識できた。

 このような平静でないマスターを得たとき、サーヴァントの多くは鞍替えを考える。

 なぜなら、理性が蒸発しているようなマスターと組みになるのは、そのまま底なしの混沌に足を踏み入れるようなものであり、

 聖杯を得るのを放棄したも同義だからだ。

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         l/,ハ    //////////j  :!/`ー〃  ./.::::::    ,>─ - 、ヽ′i!i!i!i!
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          /!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!/′  .:    ..:   イ:  \r┴┴i'" ..:::
            /i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!イ /               `ー─┴─‐┴<
          j!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i〃 ′                   __    ̄ヽ::...
           li!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!j′              ィ..::::T    ′ ̄¨¨´
           li!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!/                    〃.:::::::l    l   _____
        :li!i!i!i!i!i!i!i!i!i!〃                /.:::   人  ...::∨´.:::::::::::::::...、
          /i!i!i!i!i!i!i!i!/               /.:   /..::/`ー‐─ヘヽ::..\   \
       /i!i!i!i!i!i!i!i!/               ,. イ.::    /  .:/.:::::::::::::::::.∨\::..\
      /i!i!i!i!i!i!i!i!i′         ,. <      / ...::::/.:::::::○:::::::::::レ  l丶:..\
     /!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!l          i´i!i!i!|    /  ..::::::/.:::::::::::::::::::::::::::l/l´i!i!\:..
  ./i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!l        /i!i!i!i!i!〉一 ´   .:::::〃.:::::::::::::::::::::::::::::!_{i!i!i!i!∧:.
 イi!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!il       l!i!i!i!i!i!i!/        /7.:::::::::::::::::::::::::::::/  li!i!i!i!i!∧:


 だが、アサシンにしてみれば、それがどうした――――ということである。

 彼女にとって、マスターがきちがいだろうと何だろうと、楽しめればいいのである。聖杯戦争に参加した理由もそれ。

 ただ楽しむだけ。それ以外に目的はなく、それ以外に結果も要らない。

 そういう意味では、案外このマスターとの相性も悪くはないのかも……と、アサシンは左の脳で考えながら、右の脳では既にそれをぶちこわす悪巧みを考えていた。

 彼女の本心を知れたのはいいことだ。なぜって、人の心の最奥は、楽しむためには最高の材料になるのだから。



 アサシンは少女に請われたとおりに、電話帳からジンという名を引っ張りだし、電話をかける。

 連続的な電子音が二三度工場の中を反響した後、電話の向こうから声がやってきた。

 「吉報か?」

 テノールの男の声。アサシンはにやりと笑い、大声で言った。



          '、::::::::::::l:::、:∧:|! xx      {lア|rイ\_':.、
         )::::::::/:::人:::::ヽ、      '  xハ:::!   ̄`
   ト、    /::::/:::;':::::::>:::;:>  ` ー   ,ム:ソ
   '、::`''ー'"::::''":::::::::|:::::::;/\|> 、.;'´l  ,. イ_;:>

  -‐- `'' 、;_::___八/´ \    /| |7´ァ´ム
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  、__ノ \/:::::::::::::::::::::::∨/__ム、\! レ ;'  , '´-、ヽ
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 / / ;'::::::::::::::::::::::::::::::::;r/  ,r{    ';:∨./-‐./ /

./ //{:::::::::::::::::::::::::::::::::::{、   /八    ∨!' //、ヽ
' /   ヽ:::::ゝ、::::::::::::/::::;人 /}| |ヽ、_ /::ヽ' /  } .}



 「はい。ドクターパスカルのお望みの霊地を見つけ出しました――――――この私が!」

 ばっ、と、少女がアサシンをにらみつけた。

 アサシンは手早く携帯の電源を落とし、それを地面にたたきつけ、極め付けにかかとを振り下ろして、それを粉々に破壊した。

 「ちょっ、あんた―――――!」

 少女が眉間にしわを寄せる。

 「あー、うっかり壊しちゃいました。だ、大丈夫です。冗談ですから、冗談、冗談……私がそんなことして、何の得があると言うんです?」

 アサシンは、怯えた目を”取り繕って”少女に語りかける。

 「ちょっとした遊び心ですって! ちゃんとあとで、訂正しますから!」

 少女は腑に落ちない様子だった。だが、いつまでも叱っていてもらちが明かないと判断したのか、

 「絶対に訂正しなさいよ」

 と念を押して顔を背けると、再び試験紙を取り出して霊地の調査を再開した。




                      ____
                斗*≦: : : : : : : : : : : : : : .

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          }..: : :.从.マム Ⅵ.: :{_乂{_: : : : : :}: : :. :. :. :.,;;( ○) .i..:::::::::ノ.::::. i `、::.i:::`,r'"ニ~ミぃ:::::|
.           八: : : :∧ `¨.: :.\{ ̄乂ン`}: : :. :.从: : : ::}. 八 / ,ゞ:::::..:::::ノ'ニミ`、y':::イ i O i ,i|:::::|
.             Ⅴ.: : : :.  '         ノj: : :./: : : : :./}/´  ,' ノ..::::::::::.i' i´0 i i!::::.. ゝ`ー´..;リ:::::|
           ∨.: : 人  _    __ノ..: :/≦ヲ__o_oノ|  | : フ.:::::::::::.|,.ヽ _.ノ .::::::::::....゛ ̄"´...;::|
            ∨ : : 个s。. 。*≦ ̄7 : : '   );;;;;;;;;;;;;-', ',イノ.::::::::ノ,`::ー..:::::  ,_,、._    :::::::::|
            {´∨...: :}⌒´    / // ̄`ヽ;;;;;;;( ○) :、;;;;`;;フ:::シ!::::.. `-く- ーテ'~  ...:::::;'!
           人_.∨.: :}       /ノ . //.    Y/o∧\ ,、__;;ノ.::::::人:::::::..... 、`'´  ...::::::ノ::::;!
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           从\.∨}      /´ |          |/;;;;;;;;;;;;>-` 、::::::::::/⌒ヾ Y ̄ yー‐'、; イ
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      /   ノ    /.  }O          ∨ ∧      V
        ,,斗=≦   '            Ⅵ.  ,.       v
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.       ∧      {                   Ⅷ }      }
.     /. ∧.    人                 Ⅷ.}       }
      /. ∧  /  ∨         ______Ⅲ}      }
.        / . } /ノ    ∨.   斗*≦l三三l三三}}        }
.             /.     | ー ´|..   |   |..  }乂     ノ


 PM8:00

 夜のこと。

 人の気配がしなかった工場には 中央には、空中に浮かぶ灯りがあって。

 その下で、高笑いをあげる白衣の男が居た。


                     ,ri_nm
       r:、ー,          /ヽ' ̄´
      {:::「´'九  _ ___rィ´ /
      .{::`ミ_,-≦≧ミ≧、/_>´
      }ル、/´` ァ‐ミ::::、ヾヽ

        r! ̄   ヾヽヽ::ヾ
       _/  7~ヽ、/ ヽ:ヽ:::ヽーi
   _ < _ ノ   .〈/  .i:::ケ..、ュゝ
 __ハ__> ´     /  /> L_ト、:::::::ヾ`ヽ、
≦/        / </  l::::l \::::::ヽ\ヽ、
           ハ     l::::l   ヽ_::::ヽ \ヽ
          i      l::::}ー' ̄{:::::::「 ̄ヽ}

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 「ははははは! 実にすばらしいじゃないか! この瘴気の籠もり具合も、薬品のにおいが仄かに残る醜悪さも!」

 男の横には、アサシンと少女が控えていた。

 少女は渋い表情をしていて、時折幼女のほうをちらちらと眺めている。

 アサシンの様子をうかがうも、彼女が真実を語る様子は見えない。

 はやくしないと、私の―――――と、少女が思っていたところで。

 「よくぞこんな最適地を見つけてくれた、アサシン! 私の研究が至高に達するためには、衣・食・住!

  あらゆる方面からのサポートが不可欠!」

 肝要部に話が移る。ついに来たか、と、少女は舌を軽く噛む。

 やたらハイテンションな男を尻目に……少女はなおもアサシンに強い視線を向けていた。

 もはや睨み殺さんとするのと同義である。



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  .`マ   ̄ f≧z    \:::ー、    {   .!   /::::::/: :     __,.. -=  ̄ ア
  ヾミ    乂zツ`''- 、 : :\::::',   〉  {   ./::/: : : _,,. -=弋z_ツ´   /
    ヾミ=--   _  \ミ、 ヾ .ノ、 __ ,乂__/: : : :/´  __   ..z彡
      `  ̄ ̄ ` : : : `ミ 、: : . `ヽ /´     /´ ̄ : : : :=-  ´
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                ヽ: : : : :          .: ;
                  `: : :       ,:
                    : :



 そして、アサシンはそのことに気づくと、これ好機と不敵な笑みを浮かべた。

 怪訝がる少女。アサシンが何を企んでいるのかまでは分からなかったようだ。

 だが、アサシンは、少女が何か考える隙を与えないようにか、すぐさま行動に移る。


 「えへへへ~! ありがと、ドクター・パスカル! さあ、もっと褒めて褒めて~!」

 「!!」

 少女が止めようとしたが、もう遅い。アサシンはあざとくくねくね揺れながら、

 「……? うむ、いいぞ」

 男は少々不審に思ったが、取りざたするほどの違和感でもない。言われたとおりに、アサシンの頭をなでてやった。

 するとアサシン、くるくると回りながら……



   __   ,. r::‐=:::‐:..ノレ
.   \`7.::::;:::::;:::::;::::::::.ヾ
     ,.ムノ`'"`'"ヽj:::::::ハ
  < ノレ'>、_,_,.<レ:;:::ノ`>、

.   ,Z人  j   ),.、>‐i/ ノ _j
  ∠. -i>{::::;'亙".:::;:>< <'"´  
     `ーj::::゚::::::.ヘ r’ )   _   _
       <:;;;;;;;;;;;;;;;.>ー’    `) `)
        ';ヘ、`ー>:;)  --‐''´-‐''´

        (゚゚:ノ  `



 「えへへへへ~、ありがとう、とっても嬉しいよ~」

 口元で、喜んでいるような表情を

 少女の方を向いたその瞬間。


           ト 、.  /|
            \\|::|/|,. -‐‐- 、.,_
           ,>''"´:::::::::::::::::::::::`ヽ.

           /:::/::::::::::/|::::::::::::::::::::::`ヽ.
          ./:::/::::::::::/‐ヘ:::::::ト 、ー-::\`フ
         ,'<:;_/:::::::/ __, \| 、_\::::::::>
        ,.|::::∠;:::::::/-─ ::::::::: ─- 、7´|
        !:::::::rレ∨ 、__゚_, :::::::: 、__゚_, ::八

 _,,.. -‐ト 、__人::::ゝ'ヘ.   i、._______,.ィ   |:::_;:>    「ねえねえ、今どんな気持ち?」
     人::::::::::::;>:::;ハ、  ヌェェェェア  .人:|
 -‐ ''"´ >ー -ァ<;::::::::|`7 =--r=<|\/⌒ヽ.

    //.// / ,>‐::く\  |7ー-く //⌒i |
   //, ' / / /:::::::::i:::::\\!]:::::i:::∨  / /    「ひざなか私を連れ回した報いだ。かみしめろ」
 ∠ -''"  ./ /.|:::::::::::|:::::く⌒,ム⌒l:::::|、_./ /

       //   `| ̄ ハ:::::::レ'}| |ヽハ イ  /
            ./  ∧:::::::::::::}|o|{:::::| |/|
           /  / .〉:::::::::::}|o|{:::::| |_ノ
            /  / /::::::::::::::}|_,|{::::::! !
        ,.-‐'  / /:::::::::::::::、::::::::;:::::! |


 そうぼそっと呟くと、途轍もなく邪悪な、笑みを浮かべた。


 そこで少女、ようやくアサシンの企みに気づき、声がうわずる。

 「……ァアサシン!」

 しかし、思い人がいるその場でアサシンに何かするのもまずい。

 いまここで余計なことをすれば、私はあの人に嫌われてしまうかも知れない――――そう思って、少女は手を下すに下せなかった。


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                     !┌‐-ニ¬      ',  〈          /
                     ゛´   / /       ヽ、',      _/i
                       //         ヾヘ、 `‐-、  ノ  }
                       `‐´            ヽ、._>、_/


 「はっはっは! それでは私はしばらくここに籠もって、『君たちが』使うのに最高の工房に仕上げておこう!

  恐らく三日程度でできあがるだろうから、楽しみにしていたまえ!」

 男はどっかりと腰を下ろし、二人に向かって外に出るようジェスチャをする。

 少女はいらだち混じりにアサシンを手招きしながら、大げさなモーションで工場の外に出て行った。

 アサシンはにやにや笑いながら後を追う。

 恐らく今から彼女は酷い目にあわされるだろう。

 だが、それでも満足していた。

 彼女にとって、平穏と虐待は同義。そして、愉悦のみが正の感情に連なる要素である。

 0であるくらいなら、小さなマイナスと大きなプラスを獲得する。

 それが彼女の信条であった。



              ,  '''" ̄ ̄ ̄ `‐- 、 __
             / `ー‐ム            ̄ ̄
              {     `ヽ         丶
           / ̄ ー─ト_ノ          i
            i        八          |
          / ー── <´/

.           (      {  丿          /
          `ー─ー─‐ ´ 、          / ̄ ̄ ̄
              (     {  丿       /
.             `ー‐── " ' ー、     /
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                    |    !
                    {    i
                    |    |
                    八   |
                     ` -‐



【アサシン陣営終わり】


「……なんつーか、さあ」

雪山の中腹にある洞窟の中で、草臥れた服を来た少女がため息を着く。

「聖杯ってひねくれ者なのかな?」

「どういう意味かしら?」

洞窟の奥、闇の中から声が聞こえる。どこかカマっぽいだみごえだった。

少女は暗闇を見つめつつ、深く、大袈裟にため息をついた。



         ,. -' "  ̄` 、
.      /f ̄`j=f ̄`jヽ,ヽ
      ////777//777///∧
     i'/l'//!'/l_V,!∨/////ハ
    .l/ l//!∨! V, ヽ!ゝ!///!
    ! V/{ て) ヽ て)ソ///|

.       V,ゝ r―┐ .////,|    ,イ
.        V/>  ̄ イ !/l/iーゝ、__,.イノ
       ヽハ!,.-ヽ.〈 ,.V、 !/.}ヘ'"

.       /イヾ /==/. ヽ.!  !'//ヽ
 ト、_   _ノ/‐- __/==/   '__,.ィ////∧
 乂/777/二ニ/></ニ二二>マリ Vリ

、_   ̄.ノ{    ̄{ニニ{ ̄ ̄´\ .ノン  ソ
 `<7///>ー-┴‐┴- _ ノ'゙   ´



「いや…、なんでもない、なんでもないけど…一応聞くぞ?

あんたが……私のマスターか?」

少女の足元には、石灰で描かれた魔法陣があって、そこらじゅうに鶏の頭が転がっていた。

奥の闇に隠れていた声の主は、首肯すると歩を少女のところへと進め、その姿をはっきりと表す。

その整った毛並み。赤みがかった茶色の毛。

衣服は身につけていない。目元はサングラスで隠れている。

少女はもう一度舐めるようにそのものを見渡して、それから大袈裟に空を仰いだ。

「あんた、猿じゃないか!」


                / l  |
              / 工 ヽ、

             /   |   ヽ
            / /ヽ  | /ヽ 、ヽ
            | l___`┴__`、|
           _=| ///|=| ///|=_
          / lヽ //// ヽ ///| l ヽ

       ___l  l´   ̄ ▼  ̄ ̄`| /、_
     /   ' ヽl     _     /`´ ヽ└―― 、
   /       | `亡二´._ `二フ´ /        ヽ
  /         ヽヽヾ、/ \// //         ヽ
  |         /ヽヽヽ _ ///ヽ           |
  |         /    `ー ´_/  ヽ     /     |
 /   ヽヽ   /             ヽ    / /    |
     ヽ |  /              |   //   、 メ|
      人_|_              |  /、   メ ` ヽ
     /  |   |          ー┬ーフ  ヽ      |
    /   ヽ |            /  /    |      |
 ヽ/     ヽ ヽ          / /     ヽ     |
 `〈       ヽ ヽ         / /       ヽ /   |
  `|        |  |        |  |


「猿じゃないわよ!」

「何でだよ !?誰がどう見たって猿じゃないか、なんで否定する!?」

「キーッ! 信じられないほど失礼なやつね!

こともあろうか、人のことをさ、さ、さ、猿だなんて!」

「いや、猿だろ!?」

 少女が復唱したそのとき、猿は立ち上がり、少女へとずかずか歩み寄る。



      /      ´ , -―‐- 、ヽヽヽ

     /        /      ヽ   ヽヽ
    /        / _ , - 、   ヽ  |´ ̄ヽ
   /   _ -  ̄ / ////// ヽ 、ヽ .| ,- /

  / ⌒ ヽ /  |  ヽ////////  ヽ `┴'  リ
.//     /   |   |////////   /|  / ヽl、
//     /   |   |///////  /  ̄ //// ヽ

       /    |    ヽ 、//  ノ -、///// /`
      /    |         ` /  l - 、/ /`
|      |    |             ヽ:::⊃
ヾ 、   |    |               /  ヽ
 lヽヽ、 |    |  / , - ‐ 、            |
´   l -     |   /-―- 、ヽ ____     /
|   |     |  /-―‐- 、 V ´ 二- 、ヽ _ /
|   |    |  |_    , 、      ̄|/
 |       | |└――---`=_   /l
     ヽ  ヽヽ___      ̄ヽ



「……? なんだ……」

「令呪を以て――――」

 猿が、大きく息を吸う。少女は、自らの身に迫る危険を悟った。

「――――令呪を以て命ずる! 二度とアチキを――――」

「待て、マスター!」



 -‐ 、        !    ',                                      ,'    !        、 ‐-
    ヽ       ',.     !                                      !     .,'       ,r'
ヽ     \     ヽ、   !                                     !   、,r'     /     ,r'
 ヽ      ヽ      .! ゙''" .',                                    ,'. ゛''゙ !.      ,r'      ,r'
  .ヽ、__, __,.' \.    ',.   ',                                   ,'   .,'    ./ '.,__ ,__、,r'.
     ヽ.    `、   ! 、_,,. !                                       ! .,,_、 !   、´    .,r'
        ヽ、._,,. ' \  ',.    ',                                  ,'    .,'  / ' .,,_.、,r'
        \.   ゙'= _,!  ,,. ゙ヽ                              ,r'゙ .,,  !,_ ='゙   ./
  ゙丶 、     '., __,,    ̄   \                            /    ̄   ,,__ ,.'     、 , ' ゙
   ノ ゙ '',…-'" -‐'"       ,ヽ                           ,r',       ゛'‐- ゛'-…,'' ゙ !、
 ‐'"- ...,,ノ    ,.         ノ .\                            /. (,         、   !、,,... -゛'‐
      ゙゙''ヽ,. ノ      _,,;;/   \                      /   \;;,,_      (, .,,r'''゙゙
      _,,ノ      ノ  ,        \                    /        ,  !、      !、,,_
   ,.. - '"    ,    /    l!       ゙                  ゙       !l    \    ,    ゛' - ..,
-‐''"  、_,,...ノ-‐'‐-‐''ぐ_,,... -'''"゙''‐‐-‐''ヽ、 r' '゙゙'''‐\:        :/‐'''゙゙' 'r 、,r'''‐-‐‐''゙゛'''- ...,,-‐‐-‐'‐-(,...,,_、  ゛''‐-
  - ‐''"                   ヽi、     ゙i       i゙     、i,r'                   ゛''‐ -
                          ゙''‐ ,,..._ .ノ      !、. _...,, ‐''゙
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 猿の声は、少女がとっさに上げた叫び声に遮られた。


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               / ,///,.-―― 、==' { ̄ ̄`ヽV/,>、
           ,.l-ト,/」.!___ ノ,イ//,ゝ===='ィ/////、>_、
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             ヽ!//////////////,!ヽ//ハ///////////>、
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               l////ハ\ゝ\/!ヾ、'| ,.ィヾ刈V'!/////∨',    `
             l////∧V_;ツ` `  ヽ `ー '  リV///∧ヾ
            l/////∧       i:.       ' ,イ'////∧、
            l///////ゝ     '      ////∧////ヽ
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            リ///////∧    ̄ ̄...:::|////////∧ヾヾ/}
           ノ!////////∧ `    |/////////∧  ゙リ
           '゙ !/////>ーソヾ、      ト<'///////∧
            <ニニニニ〈        〉ニ><'////∧
          ,.∠/` ''<ニニヽ    ,.イニニニニニ>'/∧
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       ,': : : : : : :ヽ  :     〈ニヽ/,仁ニ}´   :   .>、//∧
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       l.: : : : : : : : : :, :    l二二二ニ!    : ヽ: : : : : : }///∧
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   //////∧ニニニニニニ二| :/. . \: |二二二二ニニニヽ'//////∧
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////////////〉: :/ : : : : : : : : |ニ二二ニ|: : : : : マ二二ニリ'////////ハ
////////////ヽ:ー'" : : : : : : : : マニニニニリ: : : : : : : : :`マニ,'///////////',
////////////ハ: : : : : : : : : : : : :{ニニニニ{: : : : : : : : : : : :`7////////////}

「……分かった。分かったマスター。済まない、済まなかった。二度とこんな真似はしないさ」

 どうどう、と、猿を抑えるような手振りをするキャスター。

「だから、令呪を無駄に使おうとするな。それはアタシたちが使える貴重なリソースだ。

 白状すると、私はそんなに強い英霊じゃない。いや、英霊かどうかもあやしいか。

 一歩間違えば、倫敦の幽霊街で恨みったらしく人生を嘆いている亡霊の一つになっていてもおかしくなかった、ちっぽけな存在だ。

 そんな私を引いたあんたは災難だったなあ、だが、残念ながら現実だ。だったらその上で、どうやって聖杯戦争を勝ち抜けるか考えようぜ。

 いいか、令呪を私への命令に使うな。

 令呪を使うほどの状況にぶつかったら、基本的に私は言うことを効いてやる。

 だから、その貴重な戦力を無駄打ちするんじゃねえ」

 少女――――キャスターは、たたみかけるような剣幕で猿に語る。猿はあっけにとられたような目で彼女を見つめた。

「あんた……馬鹿なの? 自分に対する命令権を、わざわざ温存させるだなんて?」

「その答えは、戦争の後に出してくれ。

 さてと……今度はこちらから質問だ、相棒候補」



                 〃⌒ヽ //V/vV/V//
                  |:.:.   .:.V//|/|/|///
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                T  ̄  ̄!/|'/ト.'

                |:.:.  .:.:.;|/|'/!

                 ,イ|:.:.:. .:.:.;.;|/|'/!
                  |'/!:.: . .:.:.;:;:;l'/!/!
              ,イ'/!:;:;;:;:;:;:;:;:;|'/、.!

             ///ハ:;:;:;:;:;:;:;:イ'//ノ
               〃:.: ̄\>--.'一. ´
                |:::::.::.:\:/V//i/VV
            ハ;:;:;:;:;:;:;:;:V,'V/Vv',!
              T  ̄ ` V/V/V
         \_)   !:.:.:.: . .:.:VV/i
          ヽ   ハ:;:;:: . .:.:.:.:','ハ.i
           )    ヘ:;:;:;:;:;:;:;:;:;V !
         /⌒   \:;:;:;:;:;:;/

                   ̄


 一歩、キャスターが歩を進める。猿は怪訝な顔をした。

「相棒候補? それってどういう……」

「あんたは、何ができる?」



                                               _
          ̄ ̄  `   ==  、                    ,, ==   ´  ̄
                         ` ヽ               /
                  __                         _
             ,.オ三≧ュ.、 `ヽ                / _ .-≠≡≧‐-
            ≠ |ⅳ~|圭圭iミ. 、                ´ォ≦ォ圭i圷、|i `ヽ
              i!{  i!圭仞 キ|::ヽ                /: |{ {圭圭i! キi! ./
.               マ、 ` ¨ ´ リ                    キ ゞ≠゙′,リ /
                   ㍉、__ ノ                     マ.、_弋 ′
                  ̄                      `¨¨´



 少女の探るような目。サングラスの中の瞳が、ぐにゃりと動いた。

「これから聖杯戦争を勝ち抜きに行くんだ。互いに戦力を把握しておかないとな」



-、_ノノ、(   ヽ     ヽ             , | .レQ            ,-、`,ヽヾ
ニフ´  l ̄ヽ ノ       ヽ--ニ- 、    // | / _,           ヽヽ、´
__/  / ´          `l l// ̄ ` v" r/ / / ̄ ヽ 、         ´ `´
 `ー- ´            l ( ヽ 、_/l// //     ヽ―    __
                 ヽ-、―――´//         ̄ ` - 、   r-- 、_
                   ヽニ`三/ー ---、-        _> '    ヽ
                             ノ ヽ - 、     /

                      _ - ― ´      |ヽ 、  / /      ,
                    /             |  ー' //    /
                   /          /    >----、   /



「う、ふ、ふふふ……」

 猿は気味の悪い笑みを浮かべた。その目の前で、キャスターは不敵にたたずんでいる。

「―――――――破っ!」

 瞬間。猿は右足を軸に一回転、遠心力を利用して加速、その勢いそのままに、洞窟の壁に叩き込む、全力の掌底。



         ∨           ∨     :::::|二|             /

       ..:::. ∨           }、_:      ::|i__:|            /  ::::..
     ...::::::    ヽ_           .l::∧ :     ..:|':::ノ            ./
             ∨   ト、        .∨......::: l|:¨!           /:.、
            人_     ∨     _∨..::  |            /..:
               ∨  ::::∨ , - ´   ∨.:::: |         ‐ 、  /
、              ∨   .::∨      }:..  |        /       /
 \            ./∨   :::::∨ , -‐ ´ ∨. ̄| ̄ ̄  `゛/ <.      /\
   ` 、        / ./:∨  .:::∨      ∨.从      /       \ _./    .、
      ` 、    ./   ::.∨     ヽ     i   〉.   /.     イ⌒/       ∨
       `ー 、 .:/      .\   ハ,:::<:::::::゙, ./ ̄ ̄/    /...  :/.      :_/
          `く ;;;;;;      ∨: : : : ゙,: : : : : : }: :|: : : : /: : :./...:::: : ;/ ヽ _./ヾ
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「ヒュウ」



         ,. -' "  ̄` 、
.      /f ̄`j=f ̄`jヽ,ヽ
      ////777//777///∧
     i'/l'//!'/l_V,!∨/////ハ
    .l/ l//!∨! V, ヽ!ゝ!///!
    ! V/{. 〇 ヽ 〇.ソ///|

.       V,ゝ  、   ァ ////,|    ,イ
.        V/> 、 .イ !/l/iーゝ、__,.イノ
       ヽハ!,.-ヽ.〈 ,.V、 !/.}ヘ'"

.       /イヾ /==/. ヽ.!  !'//ヽ
 ト、_   _ノ/‐- __/==/   '__,.ィ////∧
 乂/777/二ニ/></ニ二二>マリ Vリ

、_   ̄.ノ{    ̄{ニニ{ ̄ ̄´\ .ノン  ソ
 `<7///>ー-┴‐┴- _ ノ'゙   ´





 振動が周囲に伝わり、空気をびりびりと震えさせる。

 それだけではない……暗い洞窟、視界がまだ冴えない中、キャスターはしっかとその一撃を見た。

 猿が撃ったその地点からは光がこぼれている。

 つまり、猿は――――たった一撃で、洞窟の壁を破り、地上の光が見えるほどの穴を作り上げた。

 その一撃はまさに神秘の領域。自分でも、あれをまともに食らえば大きなダメージを受けるだろう。

 逆に、自分があれだけの一撃を繰り出せるか―――――否。

 目を丸くしているキャスター。猿は息をゆっくりと吐き出して、サングラスを外し、キャスターを見ながら自慢げに笑った。




   __     ||   _ |  |   ̄ ̄ ̄  ヽ-'    ヽ
    l ヽ   _l`/ l , -、-、、      ,     /
   ヽ ヽ‐/ 、ヽ l  l、 X ヽヽxヽ----/ヽ--, t<__
   /ヽ lヽ、 ヽ lヽノl X X| | Xl/ ̄ ̄ ̄V /      \
 / _ l - ' ヽ =lヽ_ノ| | X x//x/ ヽ  l  |.l        ヽ
 | lヽヽ    `ニ - ^ヽ 、//-l 、   ノ  | l         |   どやあ……
 |┏、l_l ,-   ̄   _ ノヽヽ- ' 、-∧ニ /`| l     /  .|
━┛  /`  、_/  /ヽ、ヽヽヽ、ヽ----- ' ノ     |    |_
'    /       /    ,-ヾ 、 -'/ヽ ノ ヽ    |    、)
    /       /     /     ̄ ̄ ̄    ヽ   |  .l ,|-lヽ
  /        /    /              l  | ´l   ヽ
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. /        / \  ヽ             /l        ヽ
||        /   \_ヽ___      - ' | | ヽ       ヽ


「うっ……ぷぷっ、くくっ……」

「く、はははははは!」

 キャスターはつられて、たまらず笑い出した。洞窟に彼女の声が響く。

「最高だ! なんだ、見てくれはともかく……いやあ最高だよ、あんた! アタシの相棒となる価値はある!」



               || ヽ
             _/|  ヽ
            / /    /
          / /    ヽ

         //^ヽ| /⌒ヽ  ヽ       ,- 、
         ,―‐-、- ,----、|  |      ヽ  ヽ
       _=| ///〕ニ| ////|=-、ヽ-――-、ヽ | _

      / |,ー― '-,ヽ///ノ| |  |      `l レ´  ト、
     /    |   `´   ̄ 1| |   /    , ―、|   / / ト、
     /     `- v-^ー-v--' | ' U     ヽ- 、` ヽ-( /、ノ
     |  、   `,、___,、/ ソ^┐、       l 、  ` ` イ
     ヽ  ヽ   |=、,ニ、- / / ヽ  ヽl     t   イ
     |   ヽ  |  ヽ- ' /    ヽ   ,ヽ   |   |
    /    | ヽ`-        ―-ヽ-'  人   |    |
    |    |   ヽ ヽ        /  /  ヽ |     |
    |    /    \ヽ      /  /   ヽ`   /
    |   /^^ー---、| ヽ      |  |     \_/
    |          | ヽ      |   |
     ヽ___/__/  ヽ    /  ヽ
            /    ヽ  /  /   ヽ
          /     /    ̄  //   ヽ
         /     /      /     ヽ



「ありがと。でもね、これは私の趣味じゃない」

 サングラスを投げ捨て、猿が言う。少し落ち着き、姿勢を正したキャスターだが、まだにやけづらは元に戻っていない。

「へえ……。じゃあ参考までに、あんたの趣味を教えてもらおうか」

「アチキの夢は、ミュージシャンよ。いずれ世界は、アチキのことを歌姫と呼ぶわ」

「どでかいねえ。いいや、なれるさ。あんたなら間違いなくな」

 キャスターは拳を突き出す。猿もそれに合わせて右拳をだし、軽く小突いた。



                                                         r‐‐冖冖-冖冖______
                                              ___「¨¨¨|  |   | |   |
                                     _    ‐=≦三三三三i}   |  |   | |   |
――     ‐‐    ____         ―   、      /(三三三三三三三三三=}   |  |   | |   |
                                、   /,イ三三三三三三三三三ニ_}   |  |   | |   |
                                \ i{/三三三三三三三三三三_}   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                      ‐- 、          ∨ニ/⌒¨三三三三三三三三_}   |
                           ___  i}¨ Y   }{/三三三三三三三三三三彡i}   |
            _  -‐  ⌒ヽ       _  i  ノ、  / 〉三_/}三三三三_/三ニ厂~`ー‐ |
       _                  、   /   ヽ____/i ゝ/   i}三三三_イ三三iノ       |
 ―                       \      /、__/  {   _≧=‐‐、 \少'´         |______
                         ー―≦___ノ    ¨¨  ヽ   /                           ‐‐――


                                              __
                                      。sr====ミ ///≧s。
                                       ////ゝ====イヘ ====ミ\
                                  //////{//{///{/ゝ=====イ/\

                                  //////{./,{/i {//{ ∨///////} //\
                                //////〈∧{从 {//{ ∨ ./////}/////\
                                  ////////∧{ (以 }\{ r=\.////,}.//////∧
                              ////{./////∧    i   (以 ) //マ///////∧
                                /////{.//////∧ 、       ∧/マ ////////∧
  / 〉/ 〉                          {.////,{.///////∧    ー  .イイ}マ//////////,∧
{ ヽ/ i !   __                     ∨///,{/////\./∧__ 。s≦///ノ'/////////////\
{_fヽヽ ',  { }                      r//  ̄` ー--‐ '\.∧ ////////////////////////,\
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             /       }i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}i:/ヽi:i:i} /


「それじゃ、正式に私の紹介をさせてもらうかな……私の真名はシャーロック・ホームズ。倫敦はベーカー街の路地裏に住んでいた、シャーロックホームズの偽物だ。

 あんたの名前は?」

「Mr、エテモンキー! いずれ世界一のミュージシャンとなる、最強無敵の天才よ!」

 自信満々に指をつきたて、頭上高くへと手をあげる。


          /    ヽ  |              /     ヽ
         <      /  /              /       ヽ
          >    ヽ  ' ヽ            /        |
        /      l    \          /         |
       /   _   |  ,- 、 ヽ        /         |
      /  / ヽヽ、 | / / ヽ ヽ       /         /
      |  |  __ヽ_ヽ_|_/ /__ヽ.|      /         /
      | | / /////|  .|  ////- ヽ    /         /
     ,-=ニニ|  /////|ニ |  ////|T   |   /          /
     /  | | |  /////|  ヽ---- ' ヽ  /- ‐/         /
     |   |/  ̄ ̄ ̄ ヽ::::ノ     |/   /         /  ̄ ヽ
     ヽ  (       , - 、    ノ、   /        /     ヽ
    , -―=ヽ    / _ - v= / | ヽ /         /
  /      |ヽ`ヽ´V  ̄ |   | | | / /     ヽ、   //      |
. /       | ヽ- ‐ 、    ,、| | /         ー|/       |
/        | に - 、X ヽ__ノ | | |         \/        |
|        | X`x\ \x| ,、一 / ノ          /          |
|      , -、 l X X Xヽノ '_フ/          -|        |
ヽ     |     ̄ ̄ ヽ   _ /         /          |



「……いいぜ。聖杯戦争の始まりとしちゃ、文句ないくらいに盛大だ。ところでマスター」


.         _ ‐ ´ ̄ ̄ ̄` - 、
      ////////////////,ヽ
.       ////r――‐V/,r――‐V∧
.    ////,ハ----イ/ハ----イ//∧
    i///////ハ//i'///lV///////',
     l////l///!_V/!V//!,.V/i/////l
    l/i'//l/ f万.V{. U/' f万.}リ////!

.    V!V/,ゝ Vツ`  .  Vツ/////,!
     `{//ハU     '    U////,{
        l'//∧ 、U ヽ ア  //////!
      l///∧,.ニi    lニl//////|
      ' l////从l    l从/////∧
     ,::::. ̄ lニニム  U/ニニl ̄ :::ヾム

.     l::::::  lニニム   /二ニl   ::::::l/ハ

 キャスターの笑顔から、少しずつ血の気が引いていく。笑顔は氷づけにしたようにそのままだが、目は笑っていない。

「な、何?」



                   -/ ̄ヽ

                    |ヽ   ヽ
                    ノ ヽ   ヽ
                   っ /    ヽ
                  /  Y´     |
                 /   |      |--― 、
                 | /ヽ| /⌒ヽ //、   ヽ
             / ̄/| -ヽ、 ̄ , /- ソ/  |      |
           /   | ニ| //|ニ| ///ニl | /     |
          /      y ヽ-┘_ヽ--- ' | |u'     /
            |       ヽ  `T'   -、|///  l メ`ヽ
           |       `T====ニ//´`i   |   |
        /     _  /` ヽ/´ヽ-/  |  |    |
       /     / ヽヽ |     ̄      |イ ヽ 、  ヽヘ 、
      ,-    /   ヽヽ|_        イ /    ヽ     ヽ 、
     /  ーi ´       l  ヽ ̄     l /     ヽ     , ´、二ヽ
   /     l´          \ |        | |        \  ヽ    ヽ ヽ
   |    /            | |     | ヽ           ソ ` 1  | |
  |   /             | ヽ   /   \         ヽ   `-' /



 エテモンキーも、なにとは分からないままに不安になるほどの、キャスターの変化。キャスターの口角が歪につり上がっていく。

「……さっきあんたが壁をぶん殴ったせいで……





: : \
: : : : .\

: : : : : : .\                                       _
ヽ:::::::: : : : :\          |\         /`ヽ          /  〉
从:::::: : : : : :  \   r- 、   l:: \   :: /  /  l        /   ../
. . }:::::::::!、: : :    \ マ  `ヽ. l::::. ∧从_/ レl. /   l  ,, -"⌒l  /   ..::/
. ...ヽ:::::l l::::: : : : : : . .丶、マ  `丶、  ∧     i   l/   :::::/  ..::::::/
. .. . \l il:::::::: : : : : : : ...: `ヽ────ヽ /≦l   /__  /  / ..::/
. .. .. .ノ i !:::::ノl::::::...: : : :  : :\ -=ニ二、 ,r≦三三三ニ‐ / / .../::::/从_, <
. .. . /. .l  i ノ;;;:::::::::::: :   : : :\ィ、从 /:::ヽノレ从'''' ,/  从ノヽ ‐、/  , <  /
人 ノ. . l  \ノ ヽ::::::::::: : :    : : `ヽ. し  __-=ニ二/    ヽ. .. .. .. ., <    / . .
. . /i. ...゙レ'''ニ=─── ____\\/二/. .ヽ l   /ヽ-/. .. . /      / . .
. ./ i. .. . l 从 ノヽ\   _ --─  ̄ ̄l  ノ. .. .. .} l   l. .. .. .. ./      ノ. .ノ .
. .. .i /l. .ヽ -/  /-ニ ̄   人      {. .. ./l { ´ ̄. .. .__ ノ  lヽ    /. .. .l . .
. .. .i/ !. .. .!::\  i  !、    /. . \ __ノヽ /. ./. .l. .. .. ../´    l レ   /. .从 . .
. .. .. .. .ノ! }:::: \l  ! ヽ   ヽ\. .. .. .. . ノ. .l. .. .. ./ /  lヽ   l  ヽ/ 从从 . .
. .. .. ./. .} !:::::ィ:: \ノ ゝ }ヽ l. .. . / ヽ /. .. ...゙/ /  l\. .\ ヽ lヽ. .. .i 从 . . .

. .. .. .. .. .レlヽ/ l::::::: \ lノ レ. .. .. .. .. .. .. ., イ /   lヽ. .. .. .. .ゝ ノ. . \l . . . . . .
. .. .. .. .. .. .ゝァヽ:::::::  \. .. .. .. .. .. .. . , イ /    ノ. .. .人 〉\. .从从 . . . . . .
. .. .. .. .. .. .. .. .. . 〉:::::::   \. .. .. . _, イ /     /. .. .从. .从 . . . . . . . . . . . . . .



    ……どうやら洞窟が崩落寸前だ」


          __ノ      ヽ__
   --‐  ̄_        _ ̄ ‐--
.    xz f泛圷       ⌒豺fゎ、
    〈   杙狄         弐以. 〉
      、. 弋_ツ            てツ ′
        ̄           ̄
   し          ′


 周囲全体から、石が割れるときの『ぱちぱち』という音がする。

「ここから地上へは?」

「あっ……」

 やっちまった、と、天を仰ぐエテモンキー。そんな彼を揺さぶるキャスター。


                          __ _

                            /   ヾヽ
                     ,ィ冖ヽ'  ヽ   l
                        /  、  ヘ_ノ|   ト、
                         |  ハ   ヘ.ノ   | ヽ
                    ゝ-イ/  ノ `ー   { __}、
                 r‐、     〈 し-ヘ  /`〉   ヽ
                     ノ .}:}     〉ー 、    /     }
                 / 彡ゝ、 __/   ヽ           |
                    {_    ノノ '´               |
                 `ヽ、                    |
                    ゝ、               /
                      `丶、__            /
                        ヽ、ミ、        /
                       _l`ヽ、`丶、  イ
                        〉`ー_ィニニ二彡ノ
                           /    `ヽ、ノ ./
                        /  ,ィ     /
                     /   .//      /
                      /   //      イ
                      /    //       /



「なあマスター、やっちゃったことは仕方ない、後ろを振り返っていても仕方ないから、誰もとがめないから!

  まずは前を見よう、目の前の問題を解決するのが先だ! なあマスター、ここから外までどれだけある?」

「……一キロほど」

「走るぞ!」


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│_________________,r'´ニ`ヽ  \ l::::::::::::::::::::::::::,:ィ''´______     .│
│ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,r'´ ̄ヽヽ, \  ヽ:::::::::::::,:ィ''´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    .│
│ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/´ ̄`ヽ、ヽ\ \  ,ゝ‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   .....│
│______________/ : : : : : :::::ヽ \ ヽイ/____________   ......│
│___ \、           / ,...___ : : : : : :::::ハ ヽ/_____________     .│

│─────ゞ、_从_      ,イ,ィ:: : : : :`:‐-::、:_:,r‐l/──────────────     │
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│__ ̄) {       .ダッ! {::::::::::`ヽ:、: : : : : :./__________________     .│
│ ̄-=''''^ヽ'、         ヽ::::::::::::::::::::::::. : / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    .│

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 二人はエテモンキーを先頭に、一心不乱に駆け抜ける。

 背後では、岩が砕ける音がして、土石流と雪崩がごうごうとうるさい。

 洞窟の真上にあったスキー場は、この後地盤沈下により廃業に追い込まれることになるが、それはまた別の話。

【キャスター陣営描写終了】

【この戦争、終わるのかなあ】

何か戦争よりも色んな鯖鱒組み合わせでの掛け合いをひたすら見たい
凄く面白いんだけど一回終わるまでに本スレが何回戦争するのか見当もつかないね

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         ト          _...:::=‐x...:― -ミ
         ||_∧    /::::::::::/::::::::::::::::::::\
         ||__∧   ..::::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::\
         || ̄∧  /:::::::::::::;':::::::::/ト:::::::::::::::::::::::::ヽ
         || 〃   /:::::::::::::::{:⌒:/、ヽv:::::::::ト、::::::::::::.、
       f孖孖7__〉::::::::::::::从::::/ __  ;:::::::y苅 :::i:::::j::}
      トトトトトト〉, / .::::::::::r i::::::yf禾㍉ |:::; 代リ Y:|::::ハ}
       |||||||||||Ⅸ   i:::::::::ぃ}::::':} にリ  レ  、 ,.,.,从::ル{
     」||||||||||_ \ |:::::::::::::川::| ,.,.,.        Y::{      >>184 いっそ、そうします?
      [ _   ]   .::::::::::::イi::::::|            人:ヽ
     |///////|  /:::::::: :::: |::::::ト       ィ^。 イ  、::、
     |///////| ..::::::::::/:::::个::::|_j    r イ::::::|__  }:::}
     |///// /::::::::: ィ< |::::::|\   〈、<:::://〉_ノ:::j_        正直、またソロモンスレみたいにエターする気がするんです、このままだと。
     |///,/:::::::::::/__ \、|::::::|  \  V V.//‐=  ̄ ̄ヽ _
  -‐…=≦::::::::::厂 ̄ ̄∧ v:::::八    , -っ///        と 〉
(    ⌒/:::ィ     人 ,'::::/ヾ、  Y `ー ニス   _  ノ /
   (  .:::::,厂         Ⅳ/  〟ヽj   ー‐彡   ⌒》       何しろペースが遅すぎて、冗談抜きにfate/zero以上の文章量になりかねませんからね……
       {:::/|__        ]{/二二}[、/   ー< 《 __彡' /
      Vル[        ._]V   }[/   /ニニニニニY   ∧
         [ ニニ==ー   ] }   ,/   /ニニニニニニii   /} 〉
        [__        .]  /     _ニニニニニニ八 彡' /
        [       _]/,∨    - ニニニニニイ:.   /
         [__ ==ー   .] Ⅳ     ∧ニニニニイ {   /
         [        .__] {i    /  ¨¨ ̄ ji 〉,/
         [        ] 从   イ   }  ̄二二マ
         [__   ニニ==ー ]\ 匕/   /,| 「.............ハ
         [__       _]  ヽ∨/ /....| |..................}


            ,イ ̄}
              / ノ /                ┃
          〈  イ                   ┃
            寸ニ>ーァ                ━╋━
            \/\         /Wk77┃>- ─ -
               \ \       /./////: : : : : : : : : : `ヽ
                \ \r=ミ   {////.: : : : : :.:ィ: : : : : : : : ::.
                 ヽ. |  Yヘ/寸:/ : :./::/X |: : :;イ: : : : : :

                  ∧ |    寸/:Y´/ /.__ Vl: :./ {:/: : : }
                   '|    /⌒`レ'::/ (●) ムイ匕ルイ: : :'

                      |.. / /    |::::{ ""    (●),ム: /
                   从/ /     .|:::ム ヽ    "" 人:/
                    //( イ    _|:::ハ \_¨´ イ: :/      よし! じゃあそれでいきましょう!
                      ////    /=jリ }//. |: : : : |:イ
                  ///{(    /ニニニニニ寸 |: : : : |リ|
                    ////八   /ニニニニニニニ寸: : : : :.:|
                ////,代__∠ニニニニニニニニニムj: : : : :.|       ただ、コミュできない系バーサーカーは処理不能ですね、その場合。

                  /////リ   寸ニニニニニニニニニノ: : : : :ハ                ---──
                 ム//// ___><ニニ=匕_ムイ: : :/ }      ><          \
                  寸//厂 ̄`><>≦-rr====|: : : :イ .ノ  ><                /
                `¨7 {{{{{<o/| ー‐ァ ||     |:乂小><                  /
                    匕斗イ: : :.|  )   ||     |寸  .r=ミ                /
                      /: : : : :7|.    ||    |:∧  |  \              /
                  /: : : : :/: :\___||__/: :.:ハ リ  | .ハ           ><
                    /: : : : :.(: :/ : |三三三三|,: : :八.   !(_ノ     ><
                八: : : : :/Y: : :||: : :||:夊):.:.|: ∨ 人  │   ><
               ><   \:_:_{_j: : :.:||: : :||:_:_:_:斗 彡   V |<
         ><        |二二ニニ=T /  寸       V.|
       /            |       //   >寸      |
    ./             |      .//><    \     ノ
   ./                    |     //        `¨¨´
    V                人    /
    V          ><   `¨¨¨´
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         ト          _...:::=‐x...:― -ミ
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         || ̄∧  /:::::::::::::;':::::::::/ト:::::::::::::::::::::::::ヽ
         || 〃   /:::::::::::::::{:⌒:/、ヽv:::::::::ト、::::::::::::.、     それじゃあ、 ・邂逅
       f孖孖7__〉::::::::::::::从::::/ __  ;:::::::y苅 :::i:::::j::}             ・戦闘
      トトトトトト〉, / .::::::::::r i::::::yf禾㍉ |:::; 代リ Y:|::::ハ}             ・問答
       |||||||||||Ⅸ   i:::::::::ぃ}::::':} にリ  レ  、 ,.,.,从::ル{             ・合議(アポクリファのサーヴァント同士の話し合いみたいな)
     」||||||||||_ \ |:::::::::::::川::| ,.,.,.        Y::{               ・乱闘
      [ _   ]   .::::::::::::イi::::::|            人:ヽ              ・アフター
     |///////|  /:::::::: :::: |::::::ト       ィ^。 イ  、::、
     |///////| ..::::::::::/:::::个::::|_j    r イ::::::|__  }:::}
     |///// /::::::::: ィ< |::::::|\   〈、<:::://〉_ノ:::j_             くらいに分けて、安価で選んだのを書く、ただし安価は絶対ではなく、>>1が無理と判断したら
     |///,/:::::::::::/__ \、|::::::|  \  V V.//‐=  ̄ ̄ヽ _
  -‐…=≦::::::::::厂 ̄ ̄∧ v:::::八    , -っ///        と 〉
(    ⌒/:::ィ     人 ,'::::/ヾ、  Y `ー ニス   _  ノ /          再安価する……で、いいですかね。
   (  .:::::,厂         Ⅳ/  〟ヽj   ー‐彡   ⌒》
       {:::/|__        ]{/二二}[、/   ー< 《 __彡' /
      Vル[        ._]V   }[/   /ニニニニニY   ∧
         [ ニニ==ー   ] }   ,/   /ニニニニニニii   /} 〉
        [__        .]  /     _ニニニニニニ八 彡' /           よろしければ、すぐに次の組み合わせとっちゃおうかと。なにぶん、
         [__ ==ー   .] Ⅳ     ∧ニニニニイ {   /
         [        .__] {i    /  ¨¨ ̄ ji 〉,/
         [        ] 从   イ   }  ̄二二マ             アポ組(キャラ立ちが全員弱い、アポ含め) 神崎組(バーサーカー) 七人目(決まってない)と、やりにくくって……
         [__   ニニ==ー ]\ 匕/   /,| 「.............ハ
         [__       _]  ヽ∨/ /....| |..................}



               ........-::::::―-..........,_
                ,....::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..、
          /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::f´ ヽ
            ..':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::o:丶ノ::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::O::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘,           人はいないかも知れませんね。まあ、コンマじゃないし、その辺は問題ないです。

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         ,:::::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::ト::::::::::::::::::::::::::::::::: |
       .:::::::::::::::::::::x≠ヘ―::l::::::::::::: ┼゙ --::x:::::::::::::::::::: |
        |:::::::::::::::::::':/   V::::ト;:::::::::::: |  \::::::::::::::::::::::::::|
        |l:::::::::::::::::/  -= \l \::ト::::| ァ-  \:::ト::::::::::::::ハ
      .ハ:::::::: イ:/x≡≡ミ.     `ヽ| ィ≡≡ミx:|\::::::/::l|
      j:::VV’リ"..:::::          ..:::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::!|               それじゃあ、まずは
      l::|:::::{ :::::::::::::            ::::::::::::::::::::: ハ:::: |:|
        l: |::::∧                    /:::l:::::| |
       .l:::|::::::::丶       ヽ、     _ノ ο    イ:::::::::::l: |               ・邂逅
      l::::|:::::::::::::へ、      ̄ ̄       /:::l::::::::::::l:::|               ・戦闘
.      /:::::|:::::::::::/::|::: >s。         , 。 </::::::::|:::::::::: !:::|               ・問答
    /  |:::::::::/::::|::::::::/⌒/ 三二三 |--v::/ ::::::: |:::::::::::|::::|              ・合議(アポクリファのサーヴァント同士の話し合いみたいな)

    /  ::|:::::::/::::::|::/  ハ         7 ∨:::::::::: |::::::::: |:::::l               ・乱闘
    / :::::::: |:::::/>iI〔.     ハ       /   ¨¨7<|::::::::::|:::::ハ              ・アフター
_   / :::::::::x|:::/ |:i:i:i:|∨    ハ.    /    / !i:|::::::: ;':::::: ハ
... /:::::/  |::| |:i:i:i:|. ∨ r-ペ⌒ヽ.  /    /  |:i:|:::::::/ <l::ハ
. /::::/   |::| |:i:i:i:|   / っ,. ;. っ`ハ      /   .|:i:|::: /    ヽハ
. /::::/     .l::! /i:\| _r' ,: .: ,: .:っら   /    |:i:|::/  l/  Vハ
/::::/     |:l〈:i:i:i:i:iζ∩ ,: .: ,: o οi  /     .|:i:|/ //   Vハ         のどれをやるか決めてください。
::::/       |l \:iY_________! /    .|:i:|         Vハ
:/       |     {              }./     |:i:|          }::∧

↓2


                      . . : : : : : : : : : :ヽ
                    /: : : : : : : : : : : : : : \
                   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
                  /:: : ::i: : : : : : : : : : : ::l: : : : : ヽ

                  ,: : : : |: : : : : イ: : : : : ::|l: : : : :: :`、
                  l: : : : |: : : : / '、: : : : |ヽ: : : : : : }
                  |: : ,-、レ、 |/==、 ヾ、 i,,-ヽ : : : ノ                      選択:問答
                  |:: l  l| ヾl弋シ    延ノハ:: く
                  !:: |  | : : |          /:::l : |
                 /: : ヽ | : : |     `   ,'.: :l!:: |
                 ,: : : : : :|::: ::ト   ー    ノ:: : l: : |            聖杯問答ですね。くれぐれもハユハ混ぜて微妙な空気にしたりしないように(フラグ)
        _ -─‐--<`\: : : : : : l| : :|  ` ーz ...´:l:: : : |: : |,. -‐ 、 ____
     ,r' ´      `ヾ、_  }: : : : : l| : : ト__  | |:: : :人: :|   ,r ",. -' ´ ``丶、
    ,! ` 、       \   \  ト 、 ´_rュ、 `く;; }、::|: : :リ  /,.        `丶
    |::.    ,         、   ヽ、t   `i::「   ∨ Vl}::l: : :リ'            ,. -'´|
    |:::.                i, l,  |:|  / /             ,.  '..:::::::::::|    人数何人にしましょう?
    ,l::、                   l  l   ||  /  l           ,.    ..::::::::::::::::|
    /_ `                  l   l  | /   |              .:::::::::::::::::::/
  ∠__` 丶 、            /`'=、ゝ._,.ィ.;=''"|             ...:::::::::::::::::::イ
  /        `丶、       ノ_,.. -‐';:::::::;'- 、 l            _____,!       (3~5)
/     `ヽ、ヾフ ∠::;丶、   ,. '"    !::::::!   `\      _,.r':::::>、    :::::|
────‐---` 、/   {/`ー'       l^Y^l     ` ----イ  ̄ ̄  `丶、 ::::l、
::::::::::::::::::::::::::::;r'´     |:::.         /    l        :::| ヾ`>     .:::::| ̄ ´
:::::::::::::::::::::::::ノ       l::::        / /lヽ l         .:::/ヽ、     .::::::::\

↓2


             l|     ト、
             l |     ヽヽ.
             l |、 -‐lヽ-ヽヽ.
            ,イ 」_  | ヽ._ヽヽ
           / └-...二|  ヽ/.゙l     選択:五人
          l    ,. -ー\,,/. 、  l
          |   /____';_..ン、 |
        /、./´<二> , 、<二ン ト!     五人ですね。くれぐれも意思疎通できないやつらをふんだんに混ぜないように。
       / /|  ,----─'  `ー--、.| \
     <-‐''" !/     `    l!:: /    アンタイオス、ローラン、ヒュドラ、ミノス、ミダースとか、もはや何も始まりませんからね。

      ,: : : : : :|::: ::ト   ー    ノ:: : l
      ,: : : : : : l| : : |  ` ーz ...´:l:: : : |    それでは↓1~5のサーヴァントが参加。人数多いので、今回はマスターは無し。
    _  }: : : : : : l| : : ト、  { ,へ::::l|:: : :人
   //  ̄ ̄ ̄ ̄ト 、 ヽ 丶_ノ|  V:}、::|: : :
  //        t  \ \{ |  Vl}::l: : :リ

選択肢


【セイバー】                       
アスモデウス                      【キャスター】
ヘクトル                         チャーリー
ディードリッヒ・フォン・ベルン             アレイスター・クロウリー
鬼一法眼                        エサルハドン
聖徳太子                        シャーロック・ホームズ
独孤求敗                        朱武
巴御前                          メアリー・スー
シンモラ                         ハサン=サーバッハ(初代)
カッシウェラウヌス
立花道雪
                              【バーサーカー】
【アーチャー】                      アスモデウス
アクタイオーン                     アンタイオス
シモ・ハユハ                       ミダース
マックス                         ミノス
マックス                         ローラン
マック・セネット                     安徳天皇
ロビン・フッド                      林冲
花栄
香香背男
カカベル                         【アサシン】
ラーマ                          ハサン=サッバーハ(風水)
                              ハサン=サッバーハ(偽)
【ランサー】                       ヨナルデパズトリ
イェーガン                        服部半蔵
晁蓋                           阿頼耶識
林冲                           青鬼
ロアール・アムンセン                 加藤段蔵
獨角ジ大王                       フローレンス・ナイチンゲール
国司元相
ルーク                          【エクストラクラス】
豊臣秀吉                        アメンホテプ四世
                              ガイウス・ユリウス・カエサル
                              ラシード・ウッディーン・スィナーン
【ライダー】                        聖徳太子
モブ
ロバート・ケイツビー
項羽
今川義元
段景住
特撮ヒーロー
木曽義仲
加藤清正



                        ___
                      ,  ´: : : : : : : :`ヽ、
                    /: : : : : : : : : : : : : ::\
                   / : : : / : : : : : : : : : :l : : :ヽ、

                   /: : : : l: : : : : ノ'、: : : :l::ヽ : : :',
                   ,::: :: : :! : : :メ   \N/ ヽ: : ノ
                   l::「ヽi :ヽ/ ∩    ∩  :i: |
                   |: ヽィi: :|  U     U   |: |    すまん。初っ端からヒーローは無理や。
                   |: : : ::| :|  , ,      , ,  :l:ノ
                   :l: : : :| :l_     _,   .イ
                   i: : : | :|.、=‐-t--r-ァ:イ/

                    "i: : :l :l:, '`iヽヽ//、::iЕ)
                    ',: :ヽi/  ,'个-`_8:/|~|
                     ',: :./  ,':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:: 、ヽ
 \                     /::.;,::.;,::.;,::.;,::;|        というわけでヒーロー外して再安価
   \____________/..::...:..:...::...:..:.::..:|
    |                           |
    |                           |       ↓1
    |                           |
    \                          |
     \____________     _ノ
     / ./               / ./ ヽ \
     \/                .\/   ヽ/


        ___
      ,  ´: : : : : : : :`ヽ、      ・ラシード
    /: : : : : : : : : : : : : ::\
   / : : : / : : : : : : : : : :l : : :ヽ、   ・カエサル

   /: : : : l: : : : : ノ'、: : : :l::ヽ : : :',
   ,::: :: : :! : : :メ   \N/ ヽ: : ノ
   l::「ヽi :ヽ/ TT    TT i く     ・立花道雪
   |: ヽィi: :|  U     U :|: |
   |: : : :| :|   , ,      , , :l: |    ・モブ
   :l: : : :| :l、     _,   ィ~i::|
   i: : : | :|`‐=‐-t--r-ァ:イ:::i::|

    "i: : :l :l::/., '`iヽヽ//、: :i : リ                          いまいち見えてこないなあ。まあいっか。無理そうならまた明日連絡します。それでは今日はここまで。
    ',: :ヽi/  ,'个-`_8:、`、::リ     ・香香背男(男)
      /  ,'::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: 、ヽ


        _____
      ,  ´: : : : : : : : : : : :`ヽ、
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : ::\
   / : : : : : / : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ、

   /: : : : : : l: : : : : ノ'、: : : :l::ヽ : : :',     ヒーローはバサカ太子と同じようなもので(説得力ねえなあ……)人格がないんです。
   ,::: :: : : : :! : : : : :メ   \N/ ヽ: : ノ
   l::「ヽi :ヽ/   ∩     ∩  :i: |
   |: ヽィi: :|    U      U |: |
   |: : : ::| :|  , ,          , , :l:ノ     だから問答にも参加できないんです。
   :l: : : :| :l_     )───(   .イ
   i: : : | :|.、=‐-t------r-ァ:イ/

    "i: : :l :l:, '`iヽ ヽ / / 、 ::iЕ)
    ',: :ヽi/  ,' 个-_8:/  | ~|
     ',: :./  ,'::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;: 、ヽ


            +

         +    ___     +
           ,  ´: : : : : : : :`ヽ、    +
.        /: : : : : : : : : : : : : ::\
.       / : : : / : : : : : : : : : :l : : :ヽ、   +       novelsの方は書けました!
    +  /: : : : l: : : : : ノ'、: : : :l::ヽ : : :',  +   +
      ,::: :: : :! : : :メ   \N´ ̄ヽ: : ノ
.       l::「ヽi :ヽ/ ィ==    ==、:i: |
      + |: ヽィi : :| ////     ///|: |   +       聖杯問答じゃなくってただの和気藹々としたお食事会になっちゃったけど、
      |: : : :| : |  ┌------  .|: | +
.      l: : : :| : l、  ヽ、_____ノ  .ィ|: |
      i: : : | : |.、=‐.| ̄ ̄ ̄ ̄|. .|:.|  +  +     まあ一応書けました!

     + "i: : :l :l: ,/"(ヨ 修復. E). リ +

        ',: :ヽi /  ,'|  バケツ.|
         ',: :. /  ,'::ヽ___,/ヽ



                +

            +    ___     +
             ,  ´: : : : : : : :`ヽ、    +
           /: : : : : : : : : : : : : ::\

          / : : : / : : : : : : : : : :l : : :ヽ、   +      だが、投下はしなァァァァァァイ!

       +  /: : : : l: : : : : ノ'、: : : :l::ヽ : : :',  +   +
          ,::: :: : :! : : :メ   \N´ ̄ヽ: : ノ
     |! /  .l::「ヽi :ヽ/ ィ==    ==、:i: |           なぜだか分かるか?
    / ミr`! |: ヽィi : :| ////     ///|: |   +
    ト、ソ .! |: : : :| : |  ┌------  .|: | +        推敲? 校正? AA調整? 違うね! そんなことはしない!

    /ll\ ` `テヽ : l、  ヽ、_____ノ  .ィ|: |
   ./' l|/l. >' / /\|.、=‐-t--r-ァイ/ .|:.|  +  +

   '  l|l l/ ./ /    `iヽヽ//、::iЕ)  リ +
      | ヽ./ /   /  ,'个-`_8:/|~|             貯金にするんだよォォ~! 書き貯めておいて、書く気力が起きなかったときに代原とするためになァァ!
      | //  ./  ,'::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: 、ヽ

本編の方はいつも通り八時再開です。


                   ¦
              \、__ト.、
             ,、r===>:.`ヽ`ヽト、
           /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ):.:.:i:.レー-
 .   __,.、<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヽ:.:.:ノ:.:.:⌒ヽ、

       >〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ヘVイ:.:ヘ:.:`ヽ:.:.\
     /イ:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヾイ.:.:.:.:.:ヾ:.ヽ:\ゝ
    / 〃:.〃:.:.:.: /:.:./:.:/:.i!:.:|:.!  ∨:.:.:.:}:.:.:ヘj
     /:.:./.:.:/:./:.:イj:.リ:.八:.リ   j:i:.:.:.:.:ト:.ヾヽ
      !/:.:イ:./≧x、lハj _,,リ≦二イ:j.:.:i:.:ハヽ\_
     ノレ´ム:イ∧ぐセオ}    弋ダノイ:.:.:リ }}ソヾ  
         |:.∧ハ`((  j     (( /イ:.:./ソ:/   『いや貼れよ』的な突っ込みを期待していたんですが、総スカンですか……
         レ' リ八 ||  <、   ノノ ./イ/ハ:.:/
          ト、: ((   ,---、 (( ./イ   |`ヾヽ
         /リ;;;;\  ⌒ ´ )) ′   !;;;;ソ;}}
        ////;;;;;;;ヘ..___../  /   .レク:ノ.:|   こんなにも俺と地球人の間に意識の差があるとは思わなかった……
     _..,,,,,///´;;;;;;;;;;;;;ノ!       /  /::/ ..:j>,、_
 _.,、<://:::{:{:{;;;;;;;;;/´ j {    / /::/   /ト.,、<⌒>,、_
 :::::::::://>{ii{;;;;;;/          / {;;;;;{  / / {::::::::::...,、:<⌒>:.、_
 :::::::::{{ 〃∧ヽソー-- 、   __人__{;;;;{   イ {::::/´::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
 ::::::::::::} ____,,ゞ:::::>、,,_____,,,、r==」k;;j_ ノ   ノ/:::::::::::::::::::::::::>"⌒ヽ:j
 ∨::::://O / /:::::::l:.:.:{:::}{:::}:::::::/:.:/⌒/ー-、 ノノ:::::::γ⌒ー"´     }}
  j::〆K  / /:::::::::l:.:.:.:`7´::::::/:.:/  / O ∨イ::::::::::ノ             ;j


【貼ります】


「……」



    /\___/ヽ

   /''''''   '''''':::::::\
.   |(○),   、(○)、.:|
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
.   |   `‐=ニ=‐ ' .:::::::|
   \  `ニニ´  .:::::/
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、

:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||



空気が凍り付いている。

洋館の大広間には大理石のテーブルが置かれていて、俺は入り口近くの席に座っている。

椅子は五つ。テーブルの上には豪奢なごちそう(俺が今まで食べたことのないほどの!)が並んでいて、



                                           ___
                                  _,,,,,,,,,_     {n_}
                      ,,,x-─''''''''''''''''ー-─く,,,,:..:.:::..;~゙''',二区い}つ
                     ,z'~:; 彡;:. : .::.;'':::.. ,,:.:;''..:.,~ミt、:::;;t~   {こ} __
                   ,,,イ~ .;:`メ:;;...,'',:::..:::,:..;::::..;:. __,,,,,;;;;,二ュ,,,,,,,,,,__{n_}_
                 ン~;: ,,:' ,,,:::,':,;'::゙;;';;:...:::.'';::.,;:: ,r'~ `". ;:... .::::;;,;::,:'.:,,,;;;}い,}二)
   __,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__      A彡ノ,''. :: ' ;,:.::, :::,Zx,,:::';;`,:;  ,::,;..゙:: ';: ..;;::..,;:: ::;r''~,,__ 込}
  i<___>!    ∧,、{米ミ,,:.: ;:;.`::.;,'':...::'';''::,,ノヤ; 炎';;,.:. ::::,:.. :.;;:...;;;;/Y,,, i巛),
;;;;;;;;k,,;;;;;;;;;;;;;;;;;,,-'|__ノYて){ミ;爻i;;;.::;`:.:;;:.;;r‐'''~ ,,;ジ::,: ::,;; "::,,::';;;;;;;ッぎテ~..';;;ア(')}心ュ,,___________

..:. .|: ;::.. ; :::l:::.:|  メヾW个`=ベ-ェ、,,;.:{;,,. ;=~~'''ュ,,,;,_:::.:,':...::,;===''~.:::;;;ソViYY)K)Ei゙ヾ,、 .. :.. :::...:  :  ..:....
. .: .|: L::. j ::|;;:::|.  .いYソヽ/A(Yい)V台、>-、,,,,. ,:::,:..,;;~ヱ;;;,,,:::::.、、=X〆()のr、iミ}Tノル/゙j   .. :    ::..
 :. . {・;;;;.::,,;;..;;.....}   i`ヾ、、i^rひMべTノ のl'*=z=爻m≡'∧ひ,六俎ミどヾ)メ2ノハ)=ィ",ノ  _,,,-‐'''"tュ~r-ミニ'‐-、,,,

..:. ::.人,;;__;;;ソ;;;..:_ `-、`ヾ、ッニ士t),;豆ZY)亘ミメX)rYt川广}ハir、tわ&YO,,=-'~,,-''~  i'  (,_ 々(コ/´ ::;}J  ,; .゙i
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先ほど目の前のスモークチキンに手を付けたのだが、これがまた美味しい。

脂の抜け具合、締まった肉、味付けのソース、付け合わせの野菜、全てがまるで西欧ウィーンのオーケストラのように流麗なリズムを奏で、俺の口の中で踊り出す。

しかし、そんな至高の芸術から感動を奪い去るほどに……目の前の空気はぴりぴりと、俺には耐えられないほどに辛かった。

この場には五人の人間がいる。ただ、俺以外の全てが外へと発する気迫は、並の人間のそれではない。


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    ____,......r-i'",r'ヽ | |:| |     _,,--'"   ~ヽ、:::::  !.


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    ./.: : : : : :::::::/l: :::l Ⅵ: l∨: : : :∧、\:ハ

    .ム:::: : : :l、::::/=l!:::::i-_ヾ;|=ヽ::::: : :∧ヽ Vl
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     ',:::::::::::::{ ,,=ヽ  ' _.i:`ーl 》 `t.、::∧ー、|
     Vヽ::::::;,ヾ. !:`リ―、_`二´   l::l)ヽヘ/ー
        \::i ,ニく __     ヽ  .レ /〃\
         l'  `   __.ィ-,--,,, /r-<:|ヽ.
         ヽ  ` ̄  ` ̄ ̄ 〃 !:::::::::l  \
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              |: ; : : :.{乂ヒリ.  ヾ{ .ヒリ少.|:.: : : : :l:|
              |ノ| : : l:|           |: :| : :l:从
              |ハ: 从     !:.       |: :l : ル′
             ゚;小            .从:}:/
              ∨ト、.   ー_¬  , イ:.:/ ′
             r―‐--┴――-、_,.イ.__レ'___
           /  > . - ―一 ´ ̄    ∧
          __/      > . __       / .〉
      ___f´  > .        `ヽ.      ∧
     f´         `> .- ――…―.--/ ノ\


明らかに異質の雰囲気、しかし不自然でもなんでもなく―――――寧ろ摂理。

なぜならば、彼らは、歴史に名を連ねる英雄の魂、即ち英霊の具現化である。

威風堂々とした覇気や、うなされるほどの熱気、あてられてこちらがおかしくなりそうな狂気。



       :/\___/ヽ :
     :/''''''   '''''':::::::\:

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ただ『いるだけ』にして、彼らは『持っている』のだ――――自分とは違う。





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            , ‐''''´       `'ヽ"'ヽ
          /         ̄`'ー、ヽ , \
       /  __-、ヽ       ! i ノ,._ ';

      r'  '" r'/''`'rrー- ..,,__,,.=,く'´ー;  {
      r' _,...  /   '       !l  ! .!
      ヽ'.r''ーr'i ..,,,_    、  .,'/  | ./
      ', !l ; !l !.  -r‐i゙;i''ー.) ヽ. /r;i‐;'' i-'
       ',ヾー.|{     ̄     l´  ̄ /
       ', `"!'           !    ,'
        !,! !、       ー '   /
        '_'、.l`ヽ     ――  /
       ,'、;-' ,_ \    "   ,.'
       ,'  `"''ー"=‐'_- _ ..,__,.ノ- 、
,.. -、----、'- 、      `"'ー`;'ir,j,''r'--.、

-―ヽ__ヽ `'ー .,_      !l!l ,',' !___ヽニニニニニ ー_-=,―''''フ

ニ"-l l         `'ー 、   l !l l !.,'    ヽヽ..二''_-、ヽヽ-'´
'ニ7,'/              `'ー !ヾ.!l/        \ヾー_'_. ', ', !



「ちっ。これは口に合わない。吐き出し部屋(ヴォミトリウム)はないのか?」

髪をかきあげて額をむき出しにした壮年の男が悪態をつく。

彼は布きれのような衣服をまとっていて、やもすればスラムの貧者にさえ見えなくもないはずなのに……

まったくそんな雰囲気を感じさせなかった。

寧ろ醸し出すのは王者の貫禄、否、それすら超える帝王の貫禄。この場にいる誰よりも強靱な気迫。流石は英霊、というところだろうか。


                          xァァ'7¨ ̄ ̄ミ・ .
                        斗{{ {     _   \
                         /{{  ` ミ \ __i〃 ̄     ヽ
                     / ≫" ̄ ̄〃゙刈⌒ー-=ミ ハ

                     ,'〃|′    リ   |l       | `!
                      {/ | 性欲をもてあます  ト、|
                     レ7! x¬=-〟 ヽ  , -=¬x ト、 !
                          |ノ ! x:ぞテ㍉~ r' x:ぞテ㍉||
                       r㍉|        |         k㍉
                       |fぅリ          j         ぶ!|
                       ヽぶ        ^ {_〉       !ノノ
                       `rヘ        ___       /1
                      | ヘ   ‐´―‐`‐    / リ
                      レ'| l丶     ̄    , ' |/
                         k‐|  \       /  |‐ォ
                         l \_ ` ー--‐'  _/|
                         |     ̄l゙Y゙「 ̄//////!
                       ノ      ||| //////八
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   从 //∧/   \_______    \     |||      /    _______///////  !!/∧
  〃/////ハ      \_________    \     |||     /    _____//////∧  ||//∧
  ||////〃  !        \______     \__||l__/     ____/  ////||//  ||///∧
  ||////ll   !                   ̄\    |    / ̄           ////!!//  ||////||


「そもそも、このような食事の席に女の一つも用意しないとは、どういうことだね?」

ナプキンで手を拭きながら、男は、自分の右隣の席に座っていた和服の青年に問う。一見温厚そうに見える青年だったが、そのまなざしには刺すような力強さがあり、

触れればはじけ飛んでしまいそうな危うさがあった。まるで雷のように。

男の演技がかった口調に、青年はわざとらしくため息をついた。

「知らんがな。儂が用意した場じゃない、あのへんてこりんな髪の男が、儂等をここに連れてきたんじゃろうが」

青年の目の前に並ぶ料理にはまったく手が付けられていない。


「もっとも、これが口に合わんのは儂も同感じゃ。このようなごてごてした奢侈な料理は肌に合わん」

「ハッ!? これが奢侈?」



                 _  -─ >-- 、                 / / //
                    /__ < ミzxミミヾx>            / / / /
              /  {////'> 、ミミxz、ヾミ> 、      ./ / / /
             ノ   }/////////\\ヾミミzxξゝ-、 / / / /
              \ ////////////`ヽ、ヾゞミミxzミ/ / / /
               ` <///////////// \ ヾミ/ / / /

                   <////////////\ヾ{ソ´ }ヾ/{ミミ\
                     <///////////:\ミzxミミヾxミミ /}

    _   -‐ ´¨ ‐-- 、        <//////////\ミミxzヾゞミ:{/
-‐ ¨巛 X三 巛三ニ ≡ニニニz       ` <///////// \ミヾxミミ:/
彡巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛三三二ニ\    \/////////:\/ミ/

三ゞ彡三ミヾ巛巛巛三ミ三三三二三彡 }     \///////// }:::ノ
X彡ミ巛卅卅ヾ巛巛二三二三三三ミミミ }゜゜。・。゜。。` ‐- /////
三二三7三彡ミミzヾ巛巛巛彡ノ 彡彡ノノ {゜…゜。・。゜゜。・   ̄
フ/イィ{彡三二ミ彡巛巛ミミノ巛ミ彡彡彡{ ゜・。゜。・。゜゜゜。
{発卅 {彡三三巛巛ミ彡三二ニニ==ー ´ ゜。゜゜・゜。。゜。・
ヾ彡巛{三二ニ==ー─ ´         。。゜。゜゜゜。。・。



うんざりした目で目の前のステーキをつまみ上げる青年を見て、男は呵呵と大笑した。

「勘違いするなよ、私は貧相だから嘆いたのだ! なんだ、この肉は? 遠くローマの料理人は、これだけの肉を斯様に無駄遣いすることはなかった!

 今目の前に並べられているのは料理ではなく、宝物がごとき食材を無為に使った貧者の傲慢だ!

 嗚呼、この場にかの名料理人クラスコスがいないのをとみに惜しむ! かれならばこの珠玉の食材を用いて、どれほどの美味を生み出せただろうか!」



         ___
     .ィ´:::::::::::::::::::::≧.、
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.〃:::::::/-‐‐'ヽ;l'‐-`ヾl∨::|:::|\
/l::::/l.l '=    =   l∨l.l:l、 \
. ∨ゝl-―'〈 `ー―- lli_>l::l. ヽ /

    l U l`ー'´ヽ   /::::::ト|\/
.     \ `´`ー' ..イ/,}:::N
    /7,lヽ__ . イ:://,l/ヾ
  .≠、7/,}    r=、/l○}_

/´ll;;_.》,'/    _ll;;;;ヾ|7=l´ ̄`ヽ

  /=l l´;;l-  .--l l=ニニニ=|      \
  l:ニ| |;;;;l  `.   | |=,- 、:ニ| .l       i
  |:ニl l;;;;l  |  l l=ゝ-':ニ:|/ヽ    |



「あー、はいはい、そうじゃなーその通りじゃなー」

やたらと熱気の籠もった口調で語る男をしらけた目で眺めながら、青年はけだるそうに欠伸した。

それがまた、男には気にくわなかったらしく、おもむろに立ち上がると大げさに手を振り空を仰いだ。

やめてくれ、風に煽られてワインがこぼれる。



              /\
      /ヽ-―.: ̄ -:!、
    /::::.:::.   ノ  (○
.    l:::::..    ( ○)   ,)
.    l:::::::::.    ,,、ノく ,_、)
    ト ::::::..         r‐=ィ
.  /.:ゝ         `ニ´
      : l′ ―     -ノ


「悲嘆! 理解されないことはこうも哀しきことだろうか?

 良いだろう、ならば一週間後、またこの場に来るがいい。我が軍門に名を連ねる究極の料理人たちが、

 こんなドブをすくったような料理とは比べものにならないほどの美味を用意するだろう!」



     ∧-─-、
   / ─    \

  /   (●)   ゙i
< |   (、_,.)''ー 、   |
  ゙i(●) ) /`) ) /

    \   ヽ `ニ´ノ/\
    `''ーr -一''´   ゙i
       | 、.     |  |



 ……これ、俺が生前食べていたものより遙かに美味しいんだがなあ、と、思ったが怖くて口に出せず。



            ,, - '' "  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ' ̄ ̄ ` ヽ 、
           /                   `ヽ、
           /                       `ー- 、
        /        ー---- 、- 、-、  \    ノl  }
         /            ,,rー` `ー┌-、_ ヽ   / _|_/ノ
      /              イ         `ー+イヽヾ
       /          / イ              |l l
     ,イ           / /              ノ .l
     l     ー―― イ  l             /   |
     .l             /    ー―‐- 、  \.  /  |l
      ヽ   イス- 、`. /          , ーr::::〉ー-- >/,∠_7
      Y" イ. \ Y イl         ` ┴┴"    lー" |
       ノ   | ゝー.┤ |i                  i. /
      l |.   \ LL | l l|                  `/
      ! | l  / l\ヽ{ l |               r―イ
    r―‐| |   |  | |\|_トノ            , ―- 、 .l
  / / Y l l l | | |  T `、            / ̄ ヽ l /
  ..| 、 | /;;;ーr、人レ|   l  \           〈__ / l
  | \`ヽ、;\      l.   `ヽ 、        ̄__,  /
ーイ    `ヽ、`ー 、      l     `ヽ、        /ー――--- 、
  |      `ー-、 `ー- 、 l         `ー―----,イ      _, \
_|、          ヽ  ヽ |           /\!  | ヾ、    "__  \
_ \         li   Yー- 、      ./;;;;;;;;;Y |  ヾ    _    l
  \__.\         il   |l;;;;;;;;;`ー,,、_ /;;;;;;;;;;;;;`i i  | |   、  ̄ `'  |
    `ー\       li   l!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;L/ ̄ ̄\   \    |_
_____  `ヽ 、    !    i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:/    \\      イ \
       ̄\   `ー--、 !   i|;;;;;;;;;;;;;;;;;______ノ   ヽ\\.\    /   ヽ



「いいか、必ず来たまえ。さすれば万物の頂点、ないし皇帝の起源たるこの私、ユリウス・ガイウス・カエサルが必ずや――――」


その瞬間だった。男が『皇帝』という言葉を発した瞬間、彼の頬にボウルごとシーザーサラダがぶちまけられた。



                          xァァ'7¨ ̄ ̄ミ・ .       _,                          , ‐- 、rっ
                        斗{{ {     _   \     ノ,イ                         / _j|!/ `ヽ
                         /{{  ` ミ \ __i〃 ̄     ヽ  ,イナ,k' ,-、                    (く厶入三zィ7ハ
             /7へ,、    / ≫" ̄ ̄〃゙刈⌒ー-=ミ ,-‐',ネ-ケ,f'={                     У::::::::::::::::{{{{  〉
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     えr'"                /               ,-一'" ぶ!|                , ≪::::::::::::::: : : :   : : :::::::::;/
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                       ノ      ||| //////八       _ , -一'::l::_::ー ;;;;;;;;_, ;;;; '
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\  ||/∧  / _/                    |||     j: : : : : :人 :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::/:: :: :ノ./:::l
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   从 //∧/   \_______    \     |||      i: : : :_/:: :: :,:!_:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /::::::::::l
  〃/////ハ      \_________    \     |||     / ',: : く:: ヽ、/l:: `-+, :: :: :: :: :: :: :: ::/::::::::::/
  ||////〃  !        \______     \__||l__/    i: :/、:: ヽ.レ-‐/`㍉、:: :: :: :: :: ::::::::::/∧
  ||////ll   !                   ̄\    |    / ̄`ヘ,:'ミ 、:! l ̄: :: :: :: `ミ,_ :: :: :: ::::::://||
                                       ヽ-ゝ 二ニ=一:: ::ヾi,_:: :::_/

                                          ̄ヽ、::_::_::_;;,,;; >ジ

「はぶっ!?」

サラダボウルを頭に被り、ドレッシングを身体からでろでろ流しながら、訳も分からずカエサルがうめく。



皇帝起源を名乗る彼にサラダボウルを投げつけたのは、私の隣で骨付き肉をかじっていた優男――――しかし、その眼光は槍より鋭く、

貫いて射殺そうとせんばかりだ。

「……よお、黙って聞いていたら、面白いこと言ってんじゃねえか」



.   /: : {: : : : : : ハ: : : : : |: { ヽ:{ `x===ミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.: : : : : : : : : :.:‘,
  /:/: :.|: : : : :.∧:‘,: : : : :ト:.ヽ ヾイ 代う ‘;: : : : : : : : : : : : : : : :/.:.: : :.:ヽ : : : : : : ‘,
. /イ{ : : |: : : :./‐-:.:‘,:.: : :.| \. ‘, ∨シノ|:|: :.‘,: : : : : : : : :.|.:/: : : : : : : :\: : : : :.‘,

.  |: : :.|: : :.:′ ‘;.:{ヽ: : l.      ゝー‐ ´ |:|ヽ:.:.i: : : : : : : : :|:ハ: : : : : : : : : \:.: :.:.‘,
.  |:.: :l:|: :.∧. ィ==ミ /\{           |:| }: :}:.: : : : : : :.:|'⌒|: : }: : : : : : : : :\ : ‘,
  l|:.: 从: :.:.‘,∧弋シ            jノ |: :|: : : : : : : :.|ヾ. |: : |.: : : : : : : : : :|.\‘

.. 八: : :|‘.,:.:.:‘, ヽく            ´   .|: :|.:.: : : : : :.:.|ィ}}.| : l| : : : : : : : : : |  ヽ
    ヽ: | ‘.,: :.}   ヽ              |: :|: : : : : : :.:.|//: :.リ:.: : : : : : : : :.|
    ヾ.  ヽ:|                  |: l|:.: : : : : :.:l|_ノ: : /: :|: : : : : : : : :|
         从     ____           l: リ: : : : : : :.リ: : :.:/.:.: :|: : : : : : : :.:|
.          |: :ヽ    ヽこニニ==-‐     |/.|: : : : : : /: :.:.:/ : : : |.: : : : : : .: ′
.         | : : :\                 ′|: : : : : /.: :/.: : :.: :,|: : : : : : :.i
           | : : : : :\                  |: : : : /:/ /: : : : :/.|: : : : : :.:.|
          | : : : : :.:ハ              /.|: : : /´  /:.: : .:.: ′|:.: : : :.l: :|
         |: : : : :./:.:∧          イ  | : : ′ .{: /|:.:./   |: : : : ハ|
.           |: :.:.:.:/ }/. ` ー‐―…≦      .}/  .}i . |/ .l /i{  |: : :./
.          |: : :/          ‘,.     }l|__,.イl}z=≠}'i圭三f| : /
            |:.:/            ‘,z≦三彡令ミ=≦′ }l| }イ.| /.|
            j/                〈⌒ヽ    Ⅶ         .{メ }′|ヽ
                      /‘.,__.ハ   }!  ./         .|  \
                       〈⌒ヽ   ‘.,  ‘,    /          `   .\


 優男は立ち上がり、カエサルの近くに寄っていく。

「てめえごとき人間風情が俺を差し置いてあろうことか『頂点』を名乗ろうとはな。

 いいぜ、その喧嘩は買ってやる」

 おとなしそうな外見からは想像もできないほどの、その野獣のような迫力。

俺は飛び上がって逃げようと思ったが、すくみ上がった足はがたがた震えてちっとも言うことを聞かない。



   う  わ  あ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  あ  ぁ  ぁ  あ  あ  あ  あ  ぁ  ぁ

    /\___/ヽ       _/ t_      /\___/ヽ     _/ \_       /\___/ヽ
  /    ::::::::::::::::\   /    ::::::\  /::::::::      \  /::::::    \   /    :::::::::::::::\
  |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|  /::::     ,‐‐ t  |::::::::::::         | /‐‐、     ::::ヽ  | ,,-‐‐    ‐‐-、 .::::|
  |  、_(o)_,:  _(o)_, ::::| i::::::::    :::,< o)( .|::::::::::::        | )(o >,:::    ::::::::i  |  、_(o)_,:  _(o)_ ,:::|
  |    ::<      .::| |:::::::::::      :::::> |::::::::::::        | <:::::       ::::::::::| |    ::<    :::.:::|
  \  /( [三] )ヽ ::/  i:::::::::::::   /( [こj \:::::::::      /  に] )ヽ   :::::::::::::j  \  /( [三] )ヽ :::/



           ,. '´            ``ヽ、
         /´  ̄二二ニ ヽ          \
           /    /    `ヽ、          \
.          /   /         ヽ         ヽ
       ,′ /       _     \    .:.:.:.:.:.:::::l  ←サラダボウル
       | ./       ./ /        ヽ   .: .: .:.:.:.:l
       | /      _∠_/          `、  . : :.: .:l
       | l   /.:.:.:.:. ``ヽ           `、_ _. .:.:j
       LL__ _/_/」 ̄リハ ヽ\       /  /´ ̄`ヽ
        ``フハ!`゙゙7  `ミ;;;:;;;ッ、 \.   /  /  .:.:.:.;′
         / 〃1 / .:.:   ̄``//   /  /  .:.:.:.:./
          / l /.:l ー       //   /  / . :.:.:.:./
       /l  l.l.:.:.', _.,, _   ,. '´    l  / - ─ /
        /_」. リ.:.:.:.L ニ . '´    ,. -‐レ'´ .: .:.::,.イ
     ,.イ.:.:.:l  l.:.:.:.:.:./    ,. '´  ,. イ-=='´ハ{、



「貴様、反逆者か?」

 そしてカエサルは……顔をぶんと振り回してサラダボウルを地面に打ち付け、石のような瞳で優男をにらんだ。


「私の目を見ろ、蛮族」



              ,....-‐‐…‐‐-=‐┐                                           ___

             ,. :':´: : : : : : : : : : : : : ',l`: 、                                    .. - ´ ̄    `  .
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.'.,                                 . イ              ` .、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : l: : : \.:'.,                    .            ,ィ´   ィ彡⌒              .、
           /: ,: : : : : : : : : : : : : : : :.:,斗-‐|.:',:ヾ:ゝ                            い(_ ノ´ 廴             ;
..         .///: : : : : : : : : : : : : : :./:/.,仆|:.:}ト、:}                             ハ!    ヾ、、                 !
          ´ /: , : : : : : : : : : : : : :./..´<_lノ.jノ、_.リ                   .            l     ヾミニx气          l
           ///: : : : : : : :_: : : : :{        /                               !{_,ノ⌒    ミイ  ∨          }
        ´ /:/.: : : : : : :i ',: : :.:.',         }                               ゞfjフ     !{く_,} 〉ヾ        ,'
         /´{: {.:.: : : : :.i、 ',:.:.,、:.',      ' ´|                              /        从Y /∨      /
           |: ト、: : : : :i `ヾゝヾ.、     |                             /         リハイ ノノ       {
           |^l. ',: : ト、i.     ¨ .…‐- ‐ ′                             `ヾ_           从ハ     乂
              {`>ヽ,/.       ,.' ´                                    ヽ `    , ′     乂 ヘ   ヽヽ
        ┌‐┴‐‐- .`> , .   /                                      l      /  /       У乂八 リ
        〈         `> , `>- .._,ィ´ヽ、                               ヽ   イ    ,/   __,,、rfチ三≧x,乂
        ∨             `> .,   `7ヽ ゝ、                                 」,ム≠≡≦三三三三三ノリ:ヘ
..          ,└‐‐‐‐- ... _____   > .,_/(_ノ`. `i                       r==ュ、___...ィ::::|| |三三三三三三三才´:::::::ハ
        /      / :::::::::::::: 、\‐- ...._>(_ノ` . ト、                       >::イ才´:::::::::: || |三三三三三三才:::::::::::::::::
       ./      .//:::::::::::::::::::::::\\.   \(, イ .ハ.∨                     /://___:::::::::ミv」Lj三三三三ニ才::::::::::::::::::::::/
      /    ./:::/ ::::::::::::::::::::::::::::::\\.   \   ハ.∨               .      /∠二フ:::://ト才斤彡////才´: : :::::::::::::::::::::!|::
..      | .   /::::::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::/\.   \ ./∨                  ∧く:::::::::::::////////////才´::::く\::::::::::::::::::::::!|:
      .|  /:::::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,':,' .|:{ \.   \:::::|              .    /::::ハ:::::::::::|////////才´:::::::::::: : :\\::::::::::::::::!|:
..     .|  /::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:,' . !:ト-‐\.   \!              .     ∨ハハ::::: : |/////才´::::::::::::::::::::::::::: : \\: :::::::!|:::
     | /{ :::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::,':::i  l∧:::::::::::\.   \             .    l!:::: ハ:::::: |才"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\\__!|::
     / / .|:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::,' :::| .|::∧::::::::::::: \.   \               |::::::::ハ/:::::::::::::::::::::::::;:ィニニニ二二二二ゝ ̄:::
    ./ / ,'::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::,' :::::| .l::: ∧::::::::::::::::::\.   \               |::: : /::::::::::::::::_:::、::<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



対峙する両者。カエサルの瞳の周辺が、ちらちらと煌めいたように見えた。優男は、そのまなざしを鼻で笑う。

    それ
「あ? 眼は洗脳か何かか? 悪いが、男色の気はないんでね。

 俺には効かねえよ」

「否、これは我が寛大さの象徴だ。それを撥ね除けるとは……どうやら筋金入りの反逆者らしいな」


「てめえは一つ勘違いをしている。俺が反逆者なのではなくお前が反逆者なんだ、天に向かってつばを吐く身の程知らずが」

「天? そんなものはない。人の世界の頂にあるのはただ人だけだ」


                  _,, ‐''"::::::::::::::::::::::::::::ヽ ヘ
                  フ :::::::::::::::::::=-:::::::::::::::::ヽ ヘ
               _,,. -彡:::::::=-彡:::::--:::::::::::::::::::::::::::}
     \          ゝ/:::::::/:::/::::::::::::::/:::::/:::::::::::ミ

        ---       /イ:::::/:/:彡::::::::/::::://::::::::::::::ト
            \   / j-=ニ彡イ:::://:::yヘ/:::/:::::::/:l::::::ヘ
  -=-      / `=-  l::/::l::::::/l:::j::::iソ赱ソ:/:::::オ::::i:::トリ

     \   l     \ /:/k:::i:::j マ::ト::i  イ:/:ィ苡:::::::::l:リ
        --       // i:::li::::i ヽ从ヘ     `/:::::::/リ
          ノヽ       .l/ ヽヽ 、  - ァ  イ:::::/ ノ
          \           \ヘ   /:::イ/
          /   _  --==    ヘ `' ヘ ハヽ}
          \ /:::/:::::::::::::::::::::::::\   \    ` -===--
            ノ::::j::::::::::::::::::::::::::::ヘ::\     /       ヽ
            ヽ::l:::::::::::::::::::::::::::::::ハ::::\   (  _,,.  --=ニ ヘ
            リ/::::::::::::::::::::::::::::::::人::::::`--.イ=-z::フ    ヽ \
           /::::::::::::::::::::::::::::::::k::/:::::::::::::ヽ \::::/ヽ    i   ヽ
           ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:::::::::::::::::・:::/ y:/ ヽ十  ノ    }
           ノ::::::::::::::::::::::::::::::::i/:::::::::::::::::::::::/ l/:丶   /    /
           ゝ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::ゝ l::::ヽ\イ   /
          /::イ=  ̄ 7==-ヽヽ:::::::::::::::::::::::::ゝ:::::::ヽ\  /
   l \    </:::i三三三===- --=二:::::::::::・::::l:::::::::::::::7 /

   l三ニ\ ニヘ三三三三三三三三三三三二==- :::::::::::/il
  /三三三三ニl三三三三三三三三三三三三三三三==-ゝ
/三三三三三ニl三三三三三三三三三三三三三三三三三三==k__
三三三三三三ニ` 三三三三三二===--   -==二三三三三三/Ⅶ
三三三三三三三三三三ニ=- ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l:::::::::\三三三ムVil
三三三三三三三ニ=-' l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l::::::::::::::ヽマ=マlマlム リ

三三三三三ニ= '   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/\ ヽ::::::::::::ヘマ マlⅦⅦ
三三三三ニ='  V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;;\::::::::::::::\ⅦⅦ
三三三三/   ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;;;ヽ::::::::::::::::::ヽ



「違うね。星がある。てめえら西欧人も、空を仰げば散らばっている、あの星々を崇めたことがあるはずだ

ないっつーんなら、今のうちに崇めておけ」

気づけば、優男の手元はじわじわと何かに包まれていっていた。

星空を再現する煌めきのような……少なくとも、この地上のものではない何者かに。

俺の直感が告げている。

このままここにいるとやばい。
                                    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
俺の危機管理能力は、自慢じゃないが自信がある。なにせ、どんな人間も体験できないほど多くの死を体験してきたから。

そこから導き出される結論は一つ。


       /\___/ヽ
     / ,,,,,,,ノiヽ,,,,,,:::i|li:\
     |(○),   、(○)、 :|
     | ⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒ u.::|
     |u {,`ト===イ ,}  ::::::|

     \   ヾニノ   .::::/"''=-
   /::ノ"''フ:ノ|゙ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ノ,,ノ_ノ゙>i、
.  i/ヘ" ムノ:::::| i::::! |-''"::::/    ゙ヾノヽ
  /(:::::::゙ソ"_;;;;;;ノ: :V: :ヽ ''"ヽi、  をノ
 (::::ヽ,ノ"!,,_::;/: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、

  ^゙''" /::::;シ: : : : i , -ii !、\::;;ノ::::)
    (::::ヽへ、: : : i    i/  ゙''ヽ,/


「逃げるんだよオオオオオ!!!」

俺は、足の震えを必死に押さえつけて、素早く席を立ち―――――


 しかし、俺のささやかな抵抗は、むなしく―――――

__________________________________________________
─_| ̄|_    //ヽ\────────────────────────────────────────

 ̄|      '|/ / ノ  "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_|__|'' ̄!  !    /            丶 |_________________________________
 ̄ ̄,‐´ .ノ''   /  ,ィ             \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__ヽ-''"   7_//         _/^ 、 `、                 _____________________
┌───┐  /          / 、_(o)_,;j ヽ|           .      <______________________
|┌─,  .|  /.           -   =-{_(o)            / ∠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
└┘ ノ ノ   |/        ,r' / ̄''''‐-..,>           ./ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
__//   {         i' i    _   `ヽ          ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
────── ̄フ       i' l  r' ,..二''ァ ,ノ───────────────────────────────
──n      / 彡       l  /''"´ 〈/ /────────────────────────────────
──ll     _ > .  彡    ;: |  !    i {────────────────────────────────
__l|       \ l 彡l     ;. l |     | !________________________________
 ̄ ̄|l      トー-.   !.    ; |. | ,. -、,...、| :l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__ll     |彡     l    ; l i   i  | l________________________________
──ll     iヾ 彡     l   ;: l |  { j {────────────────────────────────
──|l     { 彡|.      ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }────────────────────────────────
. n. n. n  l 彡   ::.   \ ヽ、__     ノ________________________________
 ̄|!  |!  |!   l彡|    ::.     `ー-`ニ''ブ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_o  o  o   l      :.         |_________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




            :,:           :(::)
            /⌒''⌒) :,,゜      '         ,,,,,,,
           (:::::::::::::::!'                 (::::::)
           ヽ::::::::';'''                 ''``   。
           τ'::/ .;:
            )/
         。            '  、       ;: 。

                               `'''`~''・    ' `
     f''`⌒(     ,,,,               !:(',,,,、              ::,,,,,、...

     ,!,,,、(     /::τ             ノ:::::::::::::::::)          。  !::::::::::`! 、
 :.、          !:::(     ノ::`!   o   (::::::::::::::::::τ            (:::,,;,;,、; 。
       ゜     (/      ⌒・ .   ・、;::::::::::::;;.;`` ''
     ,,、..   //   ノ'          //'''`'`'` `       ..,,.. _,,,.、 ・         ,, ...:・..
  π /;::::::::(,.,.(;;;::::(   ,,.,  ・っ                    ;,;;( ):::::;.    c::── '`'''::::::::::;''
   ):::::::::::::::::::::::::::/  '''''`   `        '`                     ⌒ ` !.:::τ'' ``

 τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ               :'`'``:!
   (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'    、,:'::::::`:::,,,,        !:::::ノ         ・
 :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"



  最後に覚えているのは、目の前からやってきた一本の短刀。


  そこで、俺の意識は途切れ、後のことは分からない。



【中編に続く】


                       _,....-‐:::'':::'':::::::‐-....,
                    ,...::':´:::::::,. -‐ 、::::::::::::::::::`'.,

                  /;:厶〃/   \',::::::::::::::::::::::::',
                   //矗皺i    ,z盃≧:::::::::::::::::::::',
                 , ' ,./⊂皂芦     ,集璽曹ヽ::::::::::::::::::i
              / 〆/' ´' ′    `'芒梺ソ |:::::::::::::::::::|

              ,′〈_,ノ   , '¨~'´゛¨ヽ,-、  ゙i ', |::::::::::::::::::::|     昨日フリーズしたときに書いた中編・後編のデータが吹っ飛んでしまいました……
                    / 人   {,ニニ^_ミo ^i  `゚ |:::::::::::::::::::::|
                   \{}       ゚̄   i`i|::::::::::::::::::::::|
                    }:::i::≧:..‐-  __ ゚ -゙'|:::::::::::::::::::::::|
                      l::::l::::::::::::::::}   l::::::::::| ::::::::::::::::::::::!     失望のあまり書く意欲が湧かないので仕切り直させていただきます。ごめんなさい。
                  l::::l/ ',  ̄|7_ / 7ー┤::::::::::::::::::::::|
                  ,'::::/  ',  |     /  /|::::::::::::::::::::::::|
                    /::::/   ',_゙-- ―― ' |::::::::::::::::::::::::|
                /::::/,,.. ‐''´            |::::::::::::::::::::::::|

・マスターとサーヴァントの邂逅シーン  (登場キャラ二名)

・二組の陣営の戦闘シーン (登場キャラ 四名+α)

・英霊お食事会 (登場キャラ4~6名)

・聖杯問答 (登場キャラ三名)

・フィーリングカップル製作会 (登場キャラ14名)

・アフター (陣営選択)

・甘えるな、続行しろ (エター可能性大)

先に二票 本当にごめんなさい。

                     ,...:::::´::::::::::::::::::::`:::::::.....、
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
              ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト::::::::::::::::::::::::::::::ハ
                 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト:::|‘,::::::::::::::::::::::::::ハ
            /::::::::::::::::::::::::ト、::::::::::Lリ--ミ:::::::::::::::::::::::::::l

               ,:::::::::::::::::::::::_トL \/´j__ ヾ\::::::::::::::::::::|
.              i:::::::|::::::::::イV       ´ァ==ミx∨:::::::::::::::|
                |:::从::::::::/ ,x≡=         }i::::::::::::::::|
                ヽ:::人:::::| イ           ''    |:::::::::::::::|
                 ヽ::::::::::ハ ,,      ´ _     |::|::::::|::::|
               ∨::::::::ハ.     r "    }   ハ:|::::::|::::|
              l::::::::::::ハ     ヽ _ ノ   イ:::/::::::|::::|ヽ        オッスオッス! それではフィーリングカップルを選びます
                   l:::::::::::::::::ヽ 、       /|::::/:::::::ハ:::| l|
                  l:::::::::::ハ:::::::::::≧=‐‐"   |::/:::::::::::ハ:| l|
               ⅥI::/:::ハ::::/ ∥      /l::::/ヽ:::::::V/        他スレ呼んでいてレスポンスが遅くなってしまいました、ごめんなさい。
                 /::/リl:::ハ:::| 《i、    /i:i/l::/   ヽ:::ヽ
                   /::/__/l:::::l ヾiト   /i:i:/ ヽl   ト;;:::ヽ__
〕Iix( \         / l::::l,__ /:i:|:::/.  ヾi:yiI:i:/      /:i:i/り   ‘,
ヽ_`ヾ=ミy'"i_    /rx、¨¨ヾ,:i:i:i|V   ヾi:i/        ./:i:i:i| ./:i:ヽ  ‘,
  _) __,〕 !≧ / |:i:i:i:iヽ 〈:i:i:i:トヽ   /        //:i:i:i:i:|/:i:i:i:i:i:ヽ  ‘r‐x
土≠斗‐'''フ ヽ./  |:i:i:i:i:l!:i\:i:i|トl>≠イx、     / 〈:i:i:i:i:/ へ:i:i:i:i:≠-┴┴―-- .、
  ヽヽノ     .ノ    ∨:i:i:iトミ:i:iV/」///////≧x、    ヽ:i/ >" __ry-、-'"⌒::,     )
   \     ∧    ∨:i:i:ヽ/i:ィ、////////////≧x、 {:i:i:ヽ( ry' :    ヾ    ~^,>′
    |     .|/、__  ``ー/:i:iノ///////////////////><:iハ> 。,___,,..斗 ''" /
    |    .|        /¨¨トヽ///////////////// /i:i:ト:i:ヽ              /
    |     l__   〈:i:i:i:i:i∧:i:ヽ////////////////:i:i:i| ヽ:i:ヽ、__   _,..イ
    |    | ーー   ∨:i:/ ∨i:iヽ///////////// ヽi:i:ヽ ヽ:i:〉 ヽ---―<ヽ\

まずはマスターから

↓1~7

                           _....:::::: ̄ ̄ ̄::::::::...

                         ..:::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                        ...:::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::u:::::::
                     /::::::::::::::::::::u::::::::::ト、:::/:::::::::::::i:
                     .::::::::::i:::::::::::::::::::::::://::::::::::::::::::::|:
                     i:::、:::::l!::::::::::::::::ー/´;,;ヽ:ヽ:::::i::::::::|:
                    !:i:::`:ー一:::::i:::/;,.'´ ヽヽ:ヽ::|:::::::|:      なかなかシビアに来ましたね。

                    l:l:::::::lr‐、ヽ、Ⅳ;,,;乂_ノ  ヾ、!:::::::l:
                    ヾ::::::ll  };,;,;,,;,lj       }::/::
                     ヽ::|ゝ '            ’ |:::
                        |`i            u  .!:::
                        |::{ u             i:::::    他はともかく狛枝だけはちょっとガチできついんで変えて良いですかね?
                        |人     r‐‐ 丶        !:::::
                        |:::::::`.__ ヽ-‐ ´  . イ , 'i::::::
                        |::::::::::iニi:::`:. ̄ ̄ ヽ  /:i:|::::::    あと、夕凪小町ってベリュトミンの方でいいんですか? 本体にデータなんかありませんよ?
                        |::::::::::|ニl:::://   f:i! /:i:i:il:::::::
                      /:!::::::::::! / /.'   l:i:i!/:i:i:/ !:::::::
                    /ニ!:::::::::i′ f:i:{   l:i:i:!:i:i:/ .i::::::: 
                     /ニニi::::::::::!_ {:i:i:i   l:i:/:i:/  .V::::
                      /ニニi::::::::::i',、ヽ:i:i:!   .レ:i:i/     ,ヽ:
          _        /ニニニ!::::::::::!ー‐,>, ‐-==ニ二  _!_    それではお次はサーヴァント 再安価組はあとで聞きます
        ,イ  `ヽ     /ニニ/::::::::::i`ー////////////
       / l  ,斗`ヽ。  /ニニ/  i::::::::::l .////////////  ,/
        ∧ ゝ-' ーt 、ハヽ、ニニ丶、 ヽ:::::::!ヽi///////// ,ゝ-_'_!

まず↓1~4  クラス被りがあれば早いほうを優先 複数クラス持ちはクラスも指定でお願いします

ヨナルデパズトリ

              .... -‐━━━‐-
           /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:...、
            ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
         /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:..  /      >>269 見えてるのにかぶせなくても……
        :i:i:i:i:|:i:i:i:i:i:/:i:,、:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iト、:i:i:i:i:i∨ /

        |:i:i:i:i|:i:i:i:i:/i:i\.:i:i:i:i:i:i:i/i:i://,i:i:i:i∨
        |:i:i:i:i|:i:i:i/:i:/_‘,:i:i:i:i:i/'}i/ ,_‘,:i:i:i:}       アサシン被ったのでナイティンゲールを優先。無我太子は稼働中のため秀吉で。
        |:i:i:i:i|i:i/:i:ィf竓芋ミ:i:i/ j'.ィf笊㍉,:i:∧

        |:i:i -∨i:i{^ヒ  h ∨   ヒ h }!:iトヽ   _
      __Ⅳ   }:i圦.夊r夕      夊rタ .ノ{i:|    ´ )    セイバー:
       .|  |:i:、  }:i:i:{             ):|  ―  )   アーチャー:
       .|  |:i:i:≧}:i:i:{>。 _ r‐ __,. ⌒丶i圦   、__,)    ランサー:豊臣秀吉
       .|  |:i:i:i:i:i}:i:i:{r冖㍉.]         寸,       ライダー:鄭氏
       .|  |:i:i:i:i:i}:i:i:{^マム_]_}          ‘,{ /ゝ   キャスター:
       .|  |:i:i:i:i:i}:i:i:{  マ「:.:.',             r‐㍉く    バーサーカー:
.       ∧ . 从:i:i:i:}:i:i:{  }j:.:.r _ユ、       {二}∧    アサシン:フローレンス・ナイチンゲール
     / ∧/:i:i:i:i:i:i}:i:i:{  `〉:‘{ ¨入       t__ァ:.{:∧
     / j{:i:i:i:i:〈 }:i:i:{  〈斗ヘ  _ノ        ノ:i{:.{∨〉
       Ⅵ^,:i:〉∧\__> ´  ノk、     ./{:.j{:リ
.       ‘{ ∨⌒ j\(  .。< |  ≧=-=彳  {:/
          ㍉__/‘ー< 「 ̄ ̄ ̄(   .r┘

残り四名
↓1~4


セイバー:鬼一法眼
アーチャー:シモ・ハユハ
ランサー:豊臣秀吉
ライダー:鄭氏
キャスター:メアリー・スー
バーサーカー:ローラン
アサシン:フローレンス・ナイチンゲール



          ノヽ
            {  }‘,           ___
.          乂 ノ 、        j´///////`Ⅷ        rv' }
            八   〉     j{/////////Ⅷ         リ ,ノ
           丶' 丶     .j{///////// Ⅷ         ′
            ‘  \、   j{i'/////////,Ⅷ    / /
             ‘,  }〕ト j{i//////////,Ⅷ r匕⌒ヽ /
               /〉 ノ  }}ト ///////___Ⅷ⌒ヽ,  〉
                 人¨´  ノj}  ヽ≦、 7´_:.ヽ ┐  マ,/
                  ハ __ ノ'   }} Ⅵ' }  Ⅵ}jI斗 /^           おーけー、狛枝も使い方が見えたので大丈夫、だが夕凪小町、てめーは駄目だ。
                 \  ,j} xリニ=- __∨,ソ<

                  |: ヽノ 八ニニニニニニヽ'^′

                  |i{: ‘   }iニニニニニニ}
                    八{乂',  ノニニニニニニノ
                       }-^¨¨¨¨¨¨¨´八
                     r―ト _〈_〈___jI斗'         というわけでマスター一人だけ再安価
                     {{/⌒¨¨¨¨ア7マ 、i:‘,
                     /i:i:i:i:i:i:i/j{/i:i:Ⅵ\‘,
                       /i:i:i:i:i:i:i:iゞ._/i:i:i:i:iⅥノi:‘,
                   /i/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{{i:i:}i:i{i:i}}:i:i:i:i:‘,
                     /i/i:i:i:i:i/:i:/i:i:i:i:ij}:i:{i:i:i:i:i:i:i:i:i‘,
                 〈i/i:i:i:i:i/:i:/i:i:i:i:i:i:j}:i:{i:i:i:i:i:i:i:i:i:マ
                 乂i:i:i/:i:/i:i:i:i:i:i:i:j}i:i{i:i:i:i:iI斗匕

↓1


                                                 fLf LfLf!
                                                }===!
゙゙゙゙゙゙゙   ⌒⌒⌒ ー-   _                               }王Ir_r‐{r‐ur‐ur‐ur ur┐
                  `ヽ -‐‐‐ 、 _  __                     }I王|_________|
                              )                     「I王}            {
                            ノ′                 |I王.}  [I]   [I]  [I] .|_r‐‐ur‐ ┐
                           (  _               _  f!I王.!_______i|―――‐.{
                                `ヽ _         |└‐ 「I王|           |       .|
≧=  _                               )-‐''⌒L___ノ|  ̄.!I[]I |  「 |   「 |  「 | !   「 |  .!
ニニニニニ=‐  _              ,, ''´      ̄ ̄   `ヽ      」 f].f|I王I|  i__|   i__|  i__| !   i__| 人!
ニニニニニニニニニ=‐  _        ,, ''´              ノ      {___}― |―――――――.| ̄ ̄ 杉.炎、 
―――――=ニニニニ=‐ _― 、 _,j               ,,''^   / ̄ 「\  .!   !  r┐  r┐ r┐| r┐.杉:炎ミ 
           ̄ ̄ ̄「    ̄               {    /  /   .\ i|  .|  i__|   i__|  i__| .! .i__|  Y炎炎
               |,,,,,,,    ノ 「}ニアヘ         ̄ つ- .{   { r''゙゙^^^ミ=.! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ T}炎炎、
            r ┐|    ̄  「} T 0^} __        r≧==f゙゙    ミx.}     ,,,,,,,,,r==‐{_____  .|炎炎炎

            |ニ! !       |i| 」_/YY´     ̄ 凹 ̄ 厶彡Y彡≧xr―― こYZZr''゙´         ゙Y」炎炎炎
            |ニ! ! {}     r」」!__j_j__        V  ∨≠=‐r‐‐''<**     ゙゙''*x         ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙
            |__」 |     厶シ^^V__,,、 >          `゙゙ア''弋__,,x*'´   >、__/  ゙''*x           
               |     \   「 /     rr┐     /Y⌒゙゙≪z=---彡'/_}_X ̄}r .}       r、   
               |         \ .i/     r「 _」_    ./''´ ̄   `ヽ ̄/ ̄ ̄ / ̄「 ̄}_     /  \ 
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     「lヾ l\    (___) E!       (___) E!        (___) E!         (___) E!
     l l、「l \\
     l l、l l ||.\\ E!
     l l、l l || |\\(___)       E! (___)      E! (___)      E! (___)
     l l、l l || |   l\\         | ̄ ̄ ̄ ̄|      | ̄ ̄ ̄ ̄|      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      l\l l. ̄ ゙̄\l」 \l二二二二|        |二二二|        |二二二|        |二二二二二二
     |\l三三三三l  l」 ||  | |\|        |   |\|        |   |\.|        |

「それでは、次の聖杯戦争に参加するマスター及びサーヴァントの皆さんはおはいりくださーい☆」

                 f'´   f'´  f'´   f'´
                 込   鼎  丱   仍
                 |\ ∧  ∧   /|
               ,.<二Λ ト、| | | |// /二>、
             /////////Λ.|/| .iM| .|// ////.ヽ
          //////////,'Λ|/| |//| |/,ィ.//////∧
          ,'////////∠三二ニ二三ミ、////////∧
            {////////仁二二二二三ヨュ.///////∧
          {///////γニミ、γ三ミ、γニミミ////////}
          V//////{{;;ili;;}}{{;;illllli;;}}{{;;illi;;}}///};⌒}:r‐,
       _ r‐ V/////{{;;ili;;}}{{;;illlli;;;}}{{;;illi;;}};/// /7 ム=、
      〈 v`{__ノ ヽ///.ゞ=ィヘゞ二彡ヘゞ=彳|r<トイ (_/ノ ム
    r―廴}     __}_///ハr==ニ二ミV//八 __入  ( イノ ノ
    > ._)    ( __,.. ヽ/圷iil}.{lll}.{ll}.{iiメノ///乂      ‘ァ'
    〈 Y、   /    ハ>‐‐ミ }}}_,. ≦ ̄ ̄ 〉{ \下 ==イハ
    ヽノ \ _ , ィチ 〉.........:={:..:}-:............. 〈八  了不´ |

        { `廴_ /  {............:.:.廴「`:.............. } /  // }:{   {、
       ノ /:ハ:i   {:.:.:.:.:.::イ| |ヽミ::........:.:.{ム:、 j::{ |、 ノ}'\
        ,イ{ {:/  }:}   ノ</::/八.{ ∧:{>ミ:.:.〉 ト __ノ 八:∨ム  ノ

「よーこそ! 司会はワタクシ、三陣営聖杯大戦が流れたことで完全に用なしになった白のセイバーがお届けしまーす」



 ――――などと、酷く陰気な言葉から始まったのは、スターセル(後日登場)主催のフィーリングカップル製作会場。

 いずれ行われる聖杯戦争に参加するサーヴァントとマスターについて最適のペアーを見つけ出すために、

 14名の魂だけが、この空中庭園に集められたのだ。

入り口から、テーブル向かって奥に並ぶのは、史実または伝説に名を轟かせたそうそうたる顔ぶれ。
         、_ 、丶x'ヾーk jヘixソzヘ<,、,,

        zミヾ `            'ソ彡ノ;z
      、ヾ`゙ヽ `  ,    ,          ≧_,
      ミz、   , / / /,    _ _      ミz、
     チ  、ミ、ヘ\'´ー- 彡z,           ゞ、

    `7  ヾ>゙``ヾ、!     `'ー彡,ソ  ,;    ヾ゙、
     `フ i        ,     ≧彡      〈`゙
      ,ソチ!       ノ/`゙   '゙ミz≦     、ミ゙
          j      /_,r-_'    ヾ'   _ _  `゙ミ
        ヾミz、ヾz彡f=tチノ     |ミ/´ヘヽ `゙ミ

         ',_ンi rz,;;` ̄´       iミj ;'-' ゙、} 、ミ
          ', j  ′     _,、    'ミ' ヽ'´j ノ ヾ,
          ソ       /i     ,ヾo o,q ヾ≧
          `ー- ' __, イヾ /     /`.j| |:!i:!  ∨
            ',` ー--― '゙    /  ゞゝゞ'   ',
                ヘ        /          i
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  /~ヽ:.:/  穴アヽ、   r-'´ヽ  /l
  | ヽ |:.冫 弋Yアノ   /Y並/ .| |
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   ヘ |:ヽ        /   ./
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     ヽ:.冫 、__-‐'"´゙    /‐‐‐‐- 、
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  /::/:::::::|;;ヽ       /::::::::::\::::::::

         /:/  -  ̄  ハ ` ‐ 、ヽ  !,
         Y .// / /  |:i    \、 i
         /ー-、/、_ :/ ', i i,.ヘ ',  ヽ:i|

       r―´   ´  /   i /:  ト 、  i:ヘ
      ノ          ヘ | ,.ィ  i  `ー 、 i
     i ,.イ        / ハi,|//|  i    `
      /   i ハ  i /  i|`ー- |
      'i i  ハ ト! ィ:ハ i ハ   ノイ /  i
      ハ/|  |iL__V`'くハハ     |イハ  :i
      / V\ト卞乏`ミヾ`  ー-=≠―| ./
    /  | :ト、ゞ、:.:.:´彡  i えzゥ‐ラ/:/  /
   /   :/| /iト-=;,;_i'    `    ‘/イi イ /
- ´  / :/ | i :ヘヾ、;,/       /イ//イ |ハ
   /  /,.イ :/ :||;ヘ=:{ _`´_   /イ|i  |  i
  / .:ノ´./:/  |:|:i,:\{ `ー- `  ,.イ: `| i |   i
                 ,. -==-、__

               .ィ´: : : : : : : : : : >.、
             ,イ':, : /: : : : : : : : : : : : :.ヽ

               ∥:/. /;: : : / .: ,. : : : : : 、:.∧
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           /:i.:,'.:/-{.: :./_/_/-'!_j__j-}:.}:}

          /.: |.'.:.{ ∥ ;' ー==、 `  ー、 /.;';′
         /.: :,.イ:i: : ヽi : ; .::::::.     ‐=v':.:{:{
  }≧===≦: : :/ ,': |.:. :.:.|: :|   ,、__′:::/. ト、:.\
    ̄ ̄/>"  /.: :!:,:へ|: :| \ `ー'´ .イ: :从 \:_:>
     //    /.: : :}:.\ Vム、 `ーi≦シヘ : : :.\
   /.: /   ,.イ>‐-ャ''f´{∨ム`ァ彡r-`、-rヾ:r‐ミ:≧=ァ

    ̄   //,   Ⅵ マV>'" イ``・、\ }` ヾ'´
       /.:./ `ー-、 ',|  }'´ /´.ス二`ヽ V / }:≧=-.、
     <.:./{     ヽj! ,' ´∠=-ぇ―`ー レ' , ヾミ:、\:>
          人_>-―、/} .i   r'"´   ̄} ̄ {__ノ⌒{、ヾ:>
      ././[,=---、}/ /  /     ヽ=彡v―-マ:.、
 .    , '´.:                     . /.     \
    <,____/:    :/       ://.    /.:       .ヽ
        /.    ./.:.    :/.: ;ィ:イ.:  /.      ヾ、  ',
        /     :/.    :;ィ.::// j.    ハ.:l::   l: :.:'.,\.:',
.     /    /   /   ::∠フ7=ム__j. . ::/___>L、  ::ト、.:. l  ヽl
    /    /.  :l.  :/ ‐三≧_ミー|. .:::/‐=ニ≦ヾ .|.ヽ:.:l

.     ̄ ̄ ̄/:.  _|.: ./:::::::::-ゞ-' -'::::|  ∧´ゞ-''ハ:ハ ',:|  ',:|
        /  :/r| ;イ::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.: /.:.:.:、.:.:.:.:.:.:ト∧:l  .v
        ,:  ::ヘ !|.:/rl|::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V  / .:.:.:.::::l.リ. リ
       i ::_;、-ト|厂`;;;;::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: '.:.:.:.:.:.:.: :.l
       レ'´  |:::::`ーヘ::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:,、‐-‐、.:.:.:.: /
            レ' |:::::ト|,\::::::.:.:.:.:.:.:.:ー‐.:.:.:.:.:/
             |,、┴===キ、.::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:/   , -‐ri
           r='´ 三三三 |:::`'.:.:、.:.:.:.:/L、-‐'´   ||


   ……+α。



          ____   ,..jI斗r     ‐==ミ________
          /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}/            \i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/
       /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/                 \i:i:i:i:i:i:i:i:i{
       \i:i:i:i:i:i:i:i:i:!/        /            Ⅵ:i:i:i:i:i:{
          }i:i:i:i:i:i:i:i:}                     Ⅵ:i:i:i:i:i\
       /:i:i:i:i:i:i:i:i:}     ′                   {i:i:i:i:i:i:i:i:{
        }i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}    /     /          }  {i:i:i:i:i:i/
        \i:i:i:i:i:i:i:i:/         / }  /}/}/  /  {i:i:i/\
        /  \_/     i{   /  }  /  厶イⅥ}   {/   \
     /     ,      i{ / ̄`ヽi} ./  -===ミ} }  {       }
     ./        ‘,     {/ ん芳ハ }/   ん芳ハⅥ   }       }
    {           ,    i{ 比Vリ刈     比Vリ刈 }}  }       }      なんてこったこの扱い!
    {        /⌒,  i{ 乂_ツ      乂_ツ .}}  }      {
    }        {   ,  i{                  爪  }         \
    /         \__‘,  {  し    /\     , i}  {         }
   ./      /\_Ⅵ, {       {__}  / }  }         {
  /       {        ,‘,__       _ ィ}   }   从       \
  \     }      __ ,‘,二二ア爪{__{ハ  i} /  \       }
    \    }    /ニニ\}ニニY⌒Y{ニニニニ\Ⅵi{′    }        /
    /   /   /ニニニニニニ{冖冖冖冖}ニニニニニ\{      }        \
    .{  /     {ニニニ/^/ ̄ ̄\冖冖/ ̄ ̄\=\     \      }
     \\   r‐「⌒`i{_人     /ニ大{       }ニニ}      }      /

そして、扉側に腰掛けるのは、それをいずれ使役することになるマスターたち。


マスターの最後の一人が席に着いたところで会議は始まる。


                 ,、_   ,、_  ,、_    ,、_
                 f'´   f'´  f'´   f'´
                 込   鼎  丱   仍
                 |\ ∧  ∧   /|_
               ,.<三二Λ ト、| | | |// ////>、
            /////////Λ.|/| .iM| .|// ////////.ヽ
         ///////////,'Λ|/| |//| |/,ィ.//////////∧

         ,'////////////∠三二ニ二三ミ、/////////∧
           {////////////仁二二二二三ヨュ./////////∧
           {///////////γニミ、γ三ミ、γニミミ//////////}
         V//////////{{;;ili;;}}{{;;illllli;;}}{{;;illi;;}}//////////}
            ∨/////////{{;;ili;;}}{{;;illlli;;;}}{{;;illi;;}};//////////     ∬ ∬ ∬ ∬ ∬
           ∨////////.ゞ=ィヘゞ二彡ヘゞ=彳/////////    (ニニニニニニニニニニニニニニニニ)
           \////////ハr==ニ二ミV///////// '      ',;;;;;;;;;;;;;;======;;;;;;;;;;;;;;;,'
            `<//////圷iil}.{lll}.{ll}.{iiメノ////////       ',;;;;;;,r´兵 |ど `lヽ;;;;;;;,'

                `<//rー `'=ニ二ニ='´=ー┐/>´.         ',;;;lト| 衛 |ん ̄l ',;;;;,'
             ___,.≧{;;;;;;;;;;≧{;;;}≦;;;;;;;;;;;;}≦、..__         ゝニニニニニニノ

           /      ゞ:;;;;;;;;:ィ;;|ト、ヾ:;;;;;;;;ノ       ̄`ヽ、  〔二二二二二二二二二〕
          /        `ー'´ .|;;|.iΛゞ`''´         `、      {´   ,. ‐''´
            i、              |;;|ハ ヾ;\       /     \   / ./´
            | ヽ、         |;;|llllヽ \;;\  /       \ ./  ,′
            |  \        /|;;|llllllΛ  VΛ              /   ,'

「それでは、うふふ、お邪魔虫のおばばはこの辺で消えますわね。

 それでは、よりよいパートナーを見つけられるよう、楽しくご歓談を」

 そんなことを言いながら、白のセイバーは外に出て行った。

 そしてこれより、パートナーを見つけるための語り合いが幕を開ける。


「さて、では僕のスタンスを述べておこう」


       /:.:.:.l .:.:.:.:.:.:.:.ヽ :.:.: .:l|:.: .:. :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}

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        ヾヽ/      ///    } |:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ソ
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            |/|ノ r      /    }ノ__l|_|:.:./‐‐リニソ
            l '  ヘ    <   _-ニニ─‐|/ ̄ ̄: : {
                `´  ,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l

      _--‐-、_       <∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
     /  ___、_ ノ、      ∨((: : : : / : : : : : : : : : : : : : \
   /  / /))─ー'       ∨乢-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
  {  ヘ /  / ̄`l  _-ー一ニ ̄ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\

   l   l/  / ヽ | ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \


 沈黙を破ったのは、中性的な面立ちの青年だった。

「僕は、妹をとある邪悪の手から解放するために聖杯戦争に参加した。

 そのために、僕は手段を選ぶつもりはない。

 外道戦法、諜報、策略、その他何でもお構いなしだ。

 それを許容できないようなまっすぐな心根の奴は求めていない」

 一寸の迷いもない、強い口調。それは、彼の覚悟を表している。



      ,、_ _ゝー―--z=-jk、,,__,
   _ノ  ̄`  ,;;      ''   ヾz

   > 、、゙ _ 、   __  z_    彡 `;゙
  Zヘz_/ ヾソ ̄´  `゙ミ、         ヽ
  フ ソ      /`゙ー !         >
  ミ,ノ! ,l!   ,ノ彡'´!  `゙<彡  z-   \
    ヽ-,ゞ=彡'´  ノ     Y´ ,==、   <,
     !ノ  `゙'´ ̄ _ノ´`!   !ミソ'´゙; i   ≧_
     \ z, _,..-'''" ,、  i!  {ミノ/`´j.}   ゝ´
     |!` ̄ ,、  !、 i \j!  jミソノソ,x゙   ノ
       il ∧ i \j ヾ_,..-'i   i=゚j!k 丶V'ヾ
      ギ ゙'   /     !   j | ii ikヘ'′
       ',    /     !  ,' ヽ'-'ヾ'、
       ',.  /      ハ  /     ヽ
       ',._ノ ,ヘ ,ヘ ∧// /       ',

     __\.j゙ ` ヾ  /. ,イ        \_
___,.-'"´     ヾ    ノ /、  _       > ヽ-、_
          ゞ==彡'´>、 ̄r-、ト、   Y´      ̄

       ヽ       ヾz、ヾ ゝ-'.\   i
        \       `゙ \    \  |

「がはははは!」

部屋に笑い声が響く。

「おもしれえ! 俺たちの前で大口たたけるってなあ、それだけでなかなかにすげえことだぜ!

 知りたいね、何から来る自身なんだ、そいつぁ?」


            _ - ‐───---、__

          /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、
        /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  .:.:.:.:..\
       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:\:\
     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:. :. :.:.:\:.`ニニ=ー

     /.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.: .:.:.:.:ヽ:.:ヽ ヽ :.:.:.: ..:. :.:.\:.`ー-、_
    /:.:.:./ .:..:.:. /:.:.:.:/:.:.:|、\ :.:.:.:.ヽ :ヽ ヽ :.: .:.:. :.:.:.:.\ ̄
    /.:.:./ .:.:.: /:.:.:.:/ .:.:.:| \:.\. :.:.l :.:| :.|: .:.:.:.:ヽ:.ヽヽ:.:\
   /:.:.:.|l .:.:.:. /:.:.:.:/ .:.:./|  \:.\:l :.:|: .|r 、:.:.:.:l|:.:|:.|`ヽ、`ー、_
   ノ/|:.:.||: .:. /:.:.:.:/ :.:./|:.|  ∠弌ヽl .:.|:.:| ノ.:l:.:.|:.:.|:.|    ̄
 /'´ |:.:.|l:. :.:.{:.:.:./ :.:./ .|:.|_//_j },ノ|:.:.|:.:|/|:.:.|:.:.|:.:.|.i|
    l:.:l ヽ:.:.|:.:./ :.:./、 |.l´彡>=´ |:.:l:./l }.:.|:.:.l:.:.l|リ

    |:,'  ヽ:|、{:.:.:.{,孑ゝヽ、     /イ/// イ/ヽヽ:.`ー-、_
    {l   ヽ{ヽ ヽ¨´|      ´ //  /  ヽヽ ̄
    ヽ、   ヽ.{:.:.|ヽヽi!  _ ,__  ∠    //',
          |{ヽ{  |:.`> 、   /===Fイ´: : :ヘ
           `  }ノ ソ ン ` ‐´Ⅵ: : : : : : :||: : _∧ : :ヽ

          _ - ‐´──== ̄冫||: : : : : : ||: ((升〉〉 :\

         /: : : : : : : : : : : : : : :托: ||: : : : : : ||: : 〈卅〉: : : :`丶 、_
         |: : : : : : : : : : : : : : :廾: : ||: : : : : : :||: : : 化: : : : : : : : : : : :  ̄ ‐─-、_
         |: : : : : |: : : : : : : : : : : : // : : : : : : ||: : : Y: : : --─=: : : : : : : : : : : : : `l
         ', : : : : |: : : : : : : : : : : :ヽヽ : : : : : //: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
         \ : : | : : : : r-───' /: : : : : :ヽヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/

          | : : :| : : : : |「` ̄ ̄ ̄ : : : : : : : | l_____: : : |:: : : : : : : : : : /
          |: : : | : : : : || γ^i: : : : : : : : : : : `────‐‐、ヽ: :|:: : : : : : : : : /
          l: : : :| : : : : ||: :ヽ_ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : γ`ヽ:| |: :|: : : : : : : : :/
          |: : : :| : : : : :|| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',__ノ | | : | : : : : : : : ,'
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 青年――――間桐ルルーシュは、けだるそうに首を振る。

「自信ではない。覚悟だ。

 聖杯にかける望みはかけがえないもの。それを得るためには、そのほか全てを捨てても――――まだ足りない。

 たとえ外道に落ちてでも、俺は勝利をつかみ取る。

 そのために、誇りや正義なんていうものにとらわれている奴がいたら、困るんだよ」



 彼のその言葉を聞いて―――――

      好意的な感情を抱いたのが四名も。


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: : : : : : : : : /⌒\: : : : : : : : : : : /^ヽ: :|

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: : : : : : : : ーァ     `''‐-、__/  、 レ
: :r-、: : : : : : /          / /     (面白え。まだまだ青いし、能力もそこそこ、ってところだが……その覚悟は気に入った。

. { ヘヽ: : : : /  ̄>‐-、,_  イ;ゥヽ/
 | d ヽ : : イ   / (;;ソ)   { ~ ノ|‐- 、_    強靱な意志は、時として思いも寄らない爆発力を生むからな)
 ヽて ヽ: : {   ヽ      (     |   ヽ
. /:;\>ヘ: :ヘ            \   |
/:;:;:;:;:ヽ ヽ: :ヘ  r       /  |
:;:;:;:;:;:;:;ヘ ヽ: :ト、 \__      、 /

:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽミ |i|!l    `  ‐- _ノ/   /
:;:;:;:;:;:;:;:;:;>-、l!i|     _  /   / ランサー:豊臣秀吉
:;:;:;:;:;:;:;<    ヽ、,        |  i /
:;:;:;:;:;:/;ヽ___ノ:;:;:\        } |/ /
:;:;:;:;:/:;:;:;|  j |ヽ:;:;:;:;|` 、 _,, ィ´  |/



                  r┬「 ̄ `>、
                <圦 -─-くー=辷ュ
              __,イ/ /小 寸\`ヽ`ヽ.
             / // 圦ー辷≦-=  寸 '.

             爪/ー彡ヽハ      `¨寸爪
           /,'    |`V_} 〉 } \ ヽ   Y小
             イ/ ./   |´ .jム斗-ミ辷 Y  } |l ',      (若いな。まだ、世界の温度を理解し切れていない。
          {ル / イ抓....、  rェェァルイ レハイ圦 .',
          圦{小{ミォェテミj     ノイ |リ    ',    世界はあれが思うほど冷たくもないが、暖かくもない。そのあたりを、私がしっかり教授してやらねばな)
            | |ハ辷=Y         イ .|    ハ
            | | 込三} ヽ     . | l|    小

                リ |  \} `こ¨´   , .| l|   / ,小
              ' .| |   \   /  リ l|        \
             /  リ l   ィ|、`¨´ ㌦/ lト、          Y
            ./  /  .レ==ァミ{  / /  ,l|ニト、        |
           ム=/  リニ/¨ヾ} / /   ,リニ|==寸    弋
        ,イ二二/  イフ \   / /  ,/==}ニニニ寸     \  ライダー:鄭氏
   ー=彡圦ニニイ   . |{.     ´ ̄/   .{===!ニニニニニ寸    λ
   ({ jニニニニム   . |ミュ    イ    |===|ニニニニニニニ寸  圦
    リムニニ/ハ小、 从ミ圦 y .圦  ハ从 二|ニニニニニニニニニ寸  乂
    /イニ/ニ〈ニ`ニニY   / /ニ ヽ{小{` ーニニニニニニニニニニニ} 从}込
     |YニニニニV===ノヾ冫 /ニニニニニニ=<ニニニニニニニニニニニ7/イ
     |.|ニニニニニ寸ニ込//ニニニニ=<=====r≦ニニニニニニニニイ 小、
     代ニニニニニニ寸/ニニニ=<ニニニニニニ=|=ニニニニニニニニ/ /V




                  _. ィ.メ,---ァ__,

                    , / .{.{i.-{/ _._ ィ゙ー.、,
                } ,.1i ヽ. ' ヾ´`ヾ}、_.ト,
                i' ,' /‐‐-、     .{ i ゝ
                  ;' / .ニtiヲヽ.ーェ==-t .ゝ
              Yヽ.|     |:. `′'´/ {
                .i { i.| 、._ ' _ ,、 .'_{
               ヽー、  ` ー---‐ './ }      (くくく! 手段を選ばない姿勢は気に入った!
                   | ヽ     .イi|i|´
                    |   .`.ー-- ´|...|i|i|       俺とて夜盗と何も変わらない剣術泥棒、外道非道は覚悟の上だ。こいつはマークしておこう)
                     |         | ´
              , .、_.ノ  ヽ      .|
       _  -‐ ''´  ` ー- .._\   {.
    /    ヽ         `ー.┐  >-‐、
   /       .ヾ     ` 、 .{  {  } 「 ´` ー- 、   セイバー:鬼一法眼
    i         ヘ      .へ o\/=/       ` 、
   '.     _.. -- 、 .} _        .\ | .{       /
    '.  / / .、    .>´ >‐ 、_            .〃  __ '.
    .ヾ {./    :..   ヽ./ ./ >-、         .i {./.::::::`メ、
    ',ヾ{\    \   ー./ / ,ィ-────------ .、::::::::::::::ヽ} __
     '.  .ヽ`    ヾ   `¨.ー.´{-、‐:ヽ            ヽ:::::::::::::ヾ::::::::ア
     ヽ  .\    ` ー /' ./彡=/        . -‐''  ̄´ ⌒ヽ::::::}<´




       ,-―‐‐ュ /: : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : : : : `、

       /: ,ィ⌒ y: : : : : : : : : : : : : : r'" ̄`¬ェィ'⌒i: ` 、
      ,.': : 〈  /: : : : : : : : : : : : : : :乂    /}ト_、」: : : ',
     /: : : } /: : ,:: : : : : : : : : ∧: : : ':ゝ-一' } 〉 i: : : :'

     .:: : : : √i: : : i: : : : : /: : :/ ':、: :,: : : 辷__] 廴{: : : : : i
     i: : : : 厶′: :i: : : : /}: : :/   ゙,: : i: : : : i!: : ;: : : : : : : }
     {: : : : ゝ{: : : {: : ナゝ、!: / ''゙´¨ ヽi!: : : : |: : :}: : : : : : 丿  (ダークヒーロー系主人公ね! 悪くないわ!)
     \: : : :{: : : {/r符 },.'  イ示カゞ!: : : : !: /: : : : : /

       ヾ}: :.!: :圦  じ     ヒソ |: : : /: ィ: : : . '゚: ゝ、
       / : :',: ハ     ,       i: : :/"´ゝ、: : : : : : :゚.
.     ∠: ヾ、: ゚:: |  、  、 ,   ,イ: : :/    乂: : : : : :〉
.    _l__|_,、___  `  _  ,。≦/: : /    /: : :,.'"~´
    VハVハVハVハV     _r孑一/:./、    ゝ/
.   r‐'´\--─--/′辷/ ̄j{ i/ \,'/ /¨f^j‐-..
.   ト、ヽ |_l`ニニ´ /Гj{  j{ f⌒r'ヽ./  Гj{   ヽ   キャスター:メアリー・スー
  ∧ ー'ー'  |/   i Гj{  j{  { ノ  j{  Гj{    i
.   ヽ  } /′   ,Гj{  j{. /ミヾ  j{  Гj{/    i
   {~^"~^"7   i廴j{ー-=# /  iー≠=一'≦{     !
   ♭==i   /二二ニ= /  /ニ二二二=yi{     :
    {,_.,,._,._.{  /二二二ニ〈  / 二二二二二i!    .
    i   |  {二二二二 ≧='二二二二二ニ|    i
    i   |  ヾ二二二二二ゞ二二二二二 i!    i
    |   |  マ二二二二二三二二二二ニ!l     i


一方、どん引きしているのが一人。

.      . ゙.: /.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.: \:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\\
     /.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:厶:.:.:ノ^ |「\:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.
    .:..:.: .:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:|.:.: \/^|| ̄ |l_,. |「  八.,_ ト:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:|
   ,:.:.:.: |.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:/|!  |!   |!  |l     |「 |:.:./.:.:.:.:.:|:.:|
    |.:.:.:. |.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|.:.:.厶  斗---ミ |!     _|! .|/.:ヽ:.:.:.:.: |:.:|
    |.:.:.:. |.:.:.:.:.:|.:.:..:.:.:|: / l「`  ゝ _.,ノ     7⌒V:.:.:.:.|\:.:.:|:.:|
    |.:.:.: i|.:.:.:.:.:|i:.:.:.:.:.|∧ |!   |l         个=彡:.:.:.:.|   ̄(うわああああ……駄目だ……この人、関わっちゃ駄目な奴だ……)
    |.:.:.:il|.:.:.:.:.i|li:.:.:.:.:|:.:.|.     |!  u     ' |!:.|:.:.:.:.:|
    |.:.:.ill|.:.:.:.:il|lli:.:.:.:.|:.:.|:.   u      _       八:.:.:.|
    |.:.:jlll|.:.:.:.ill|lli:.:.:. |:.:.|:.i\    (  _,,. ノ   .:|.:.:.:.:. |  アサシン:フローレンス・ナイチンゲール
    |.:.jllll|.:.:.:jll|lli:.:.:.:|:.:.|.:|  `  .   u    /.:i|.:.:.i.:. |
    |.:jlllll|.:.:.jlll|ll|.:.:.:.|:.:.|/      ,.≧=- -<.:.:.:.il|.:.:il.:. |
.  厶≧===ミメll|.:.:.:.|.:/`   、  {.:.:.:.:.:il|.:.:.il|.:.:.:ill|.:.ill::. |
  /:/      リ.:.:.:.:/    \ノミ:.:.:.il|.:.:ill|.:.:.illl|.:illl::. |
. /:/       /.:.:.:./\     |「\)トミメ厶===ミ〔.:. |





激怒しているのが一人。


     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::';:::::::::';::::::::::::::::::';:::::::::::::::::::::::::::
    /::::::::::, 7::::::::::::::::::::/:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::';:::::::::';::::::::::::::::::';:::::::::::::::::::::::::
    / /  /:::::::;':::::::::::;'::::::::::::::/:::/ヽ:::::::::::::::::::::';:::::::::';:::::::::::::::::';:::::::::::::::::::::::
       ;'::::::::;'::::::::::;':::::::::::://::/ : : :ヽ:::::::::::::::::::';、::::::';:::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::
       ;'::::::::;':::::::::::イ:::::::::/7::/,ニニ`ヽ ヽ:::::::::::::::';ヽ:::::;ヽ::::::::::::|ヽ::::::::::::::::::(■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!)
      ;'::::::::;':::::::::/ !::::::::/ レ' i: : : :i  '; : :ヽ::::::::::';: :';:::'; ヽ:::::::::|: :|ヽ::::::::::::

      ;':::::::イ:::::::/‐7::::::/ ヽ  ヽ__ノ / : : : :ヽ::::::::'; ';:::i: :ヽ::::::|: :|: :ヽ:::::::::
      i::::/ |:::::/l ニl::::イ: : : : :` ー―': : : : : : | ヽ::::::'; ヽi: : :ヽ::|: :!  ヽ:::::
      レ'  |::/ ヾ|:/ ';               |  ヽ:::';     ';:| /  / ヽ
            ヽ、 ';              {|   ヽ       ;'  ィヘ:::
            |::::::ー';          i!          }‐‐'::| `
            |:::/´i::::ヽ       ___       /:iヽ::|
            レ'  |:::::1:lヽ    ´      `   /i::::::i ヽi

               レ' i:i  ヽ     ` ̄ ̄    /  l::lヽ
                  ゙i   ` 、       /   i′  バーサーカー:ローラン
                  i      ` 、 __ , '      |




そして、彼は。


       ∧  ∧
       ヽ!| ヽ!|
      /´ ̄ ̄ ̄\

.     /           ヽ
     |   ⌒  ⌒    !
     |   (●) (●)  |
      |          ',
      |              ヽ    (わりとどうでもいい)
.     |              }
.      |  ヽ         ノ
    /⌒ヽ゛''‐――一 ゙´ヽ

    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |   アーチャー:シモ=ハユハ
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |


 そして、好意的な印象を持った英霊たちは、同時に自分の他にも同じ印象を抱いた者がいるのを察知する。

 彼らは、互いに意識を突き合わせ……誰が下手な動きを見せないかと見張り始めた。

    / r ''´         ヾミ   、 ヽ
  ´ 7 :i      } ´     }ミ   ミ ゞ
  ∠  .}i     / ´ ,ィ‐- `ヾ ミ  {
   イ , {/,、_  } 、__ィ≦-tァ-   .|ミ / _ミ:ト
    .フ∧ ,=tァ}  ゞ- ̄ ´    i .iイ V
    .7.∧ ` ´ i         ミ i  .i
       {ハ    '、 、      .}ミ'  ./
      ヽ ',    _ - 、    .y{}{-}} ',
           `二 ´   / |i.| i} V‐、
          .ヽ       ./    _ -''´ ヽ
            ‐t ‐‐''´  _ -‐ ´    ,へ
            i    /;ヘ        /   `     ,. -─- 、
        _ -‐ ´}    }i }ヘ     .//        /: : : : : : : : :\
      /     i   〃  ヾ  ./         /: : : : : : : : : : : : : :ヽ
                               |: : : : : : : : : : : : : : : :|
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                               |: : : :/^ ‐- ,_// |/ ̄''''─- __
                              ヽィ、: 7   _,, ,r'fリ|)\       `ヽ
                               ,!d.l:| てヒッ ヽ  i  ヽ       |

                             /|ヘ、,l:|     冫  ト   ヽ      |
                            / .|  |:;ヘミ     _/^i;|    >      「`l
         /:/  -  ̄  ハ ` ‐ 、ヽ  !,/   |  |:;:r‐、  /_ | |;:|  /    |     \
         Y .// / /  |:i    \、 i   |  .|:;`i ヽ   / ./);匕       |/     \
         /ー-、/、_ :/ ', i i,.ヘ ',  ヽ:i|    |   |:;:;|   `‐'´  //);:;|  ̄|    ト、        \
       r―´   ´  /   i /:  ト 、  i:ヘ     ̄7|;:;{       |;:;:;|   |   |  \      \
      ノ          ヘ | ,.ィ  i  `ー 、 i    / |;:;\     /;:;:;:|   |  |     \      \
     i ,.イ        / ハi,|//|  i    `   | く  |;:;r‐|  ィ''´ |;:;:;:;:;:|   |  |      \      \
      /   i ハ  i /  i|`ー- |  \    \ | ヽ ト|_ `'''┤  |;:;:;:;:;|   |  |       \      \
      'i i  ハ ト! ィ:ハ i ハ   ノイ /  i    ∨   ヽ|  `''‐‐->  |;:;:;:;:;|  /  |        〈       }
      ハ/|  |iL__V`'くハハ     |イハ  :i     |    リ     /  ヘ;:;:;:;:;| ./   |         /      /
      / V\ト卞乏`ミヾ`  ー-=≠―| ./i      |  /     /   |;:;:;:;:| /   |        /       /
    /  | :ト、ゞ、:.:.:´彡  i えzゥ‐ラ/:/  /
   /   :/| /iト-=;,;_i'    `    ‘/イi イ /
- ´  / :/ | i :ヘヾ、;,/       /イ//イ |ハ
   /  /,.イ :/ :||;ヘ=:{ _`´_   /イ|i  |  i
  / .:ノ´./:/  |:|:i,:\{ `ー- `  ,.イ: `| i |   i
/_ -/ //  /:|:i:',: \ ` ,. イi;:/:.  | l ト、
ニ -/  :/´  :/ \:i,.  ` ´  i:;ハ:  | :l | ヽ
.:/   /´  /   `!      /  ヽ |  i:l ヘ



       / ̄ ̄\「i:i:i:i:i:i:i:7“”””””””“''  、「i:i:i:i:i:i:7

      /  /⌒ _}i:i:i:i:i:i:i/  /        \i:i:i:i:i/
     /  /   }i:i:i:i:i:i:i:/  /             Ⅵ:/ ̄ \
    /    {   /i:i:i:i:i:i:/  ′ /}_/  /   Ⅵ      }
  /       / \i:i:i:i:i/   」_/=ミ厶イ /∨ / .}i:\
  _}     /   /i:i:i:i/_|   |/ んハ }/-=ミⅥ }i:i:(    }
  _}      /  くi:i:i:i:i:〃 {  { .弋_り    fハ 》! |i:i:/   /          /}/}1
  _}    {   /\i:i:i:{  {   {_         弋り | |‐'   /   _ ィ7 ̄}__/ //
  _}    {  {  ⌒ \{   {   ̄    フ  /} }  / _ -=ニニ/ / //
  _}_       \    八  { .{     ,    /il} } /_ -=ニニニニ{  {_ノイ{
     } ̄  /   }     /\ {_  ー‐ _  ィ|i:i/ 八ニニニニニニニニニ}  }::::::}{
     /  /   イ_ -=ニニニニ\屶ア爪ニ≧=i}/}/ニニニニニニニニニニ} {:::::}{
    i{    / }{ニニニニニニニ}”“''''“”}ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ} {:::::}{       はいはーい! 私、立候補しまーす!
    \_   /{ニニニニニニ/^r―┬{ニニニニニ/{ ̄ ̄廴¬‐=ニニニ=} {___}{
       廴_/ニニニニニニ/{//7ハ{ 从ニニニ./ ア / ̄     ̄ ̄\__ /
         /ニニニニニニ/}{\///}{ニ厂 ̄  {_(_
        /ニニニニニ/ ̄ニ.//\ ̄_7/_/       ̄
    __{ニニニニニニ/ニニ.//\/}U{{/}/

  /二二ニニニニ=/二ニ//ニニ{从j{〉′
 /ニニニニニニニニ「ニニ=//≪⌒}{^>{\
./二二ニニニニニ{ニニ/ 八≫≪⌒{^Y^
二二ニニニニニニニ{_ / ̄二二\{ {\
二二ニニニニニニニ{ニニニニニニニニニニ\{二\


   ―――――そう、只一人の馬鹿を除いては。


        __,,, 匕二`ヽ、              __,,, --‐- 、

       /::::::::::::::::::::::弋 `ヽ   _, --、 --─ ''''" ̄      ヽ
      ィ:::::::::::::::::::::::::::入\ `--| ヽ          ___,,y   |
      |:::::::::::ィ‐‐--‐' /`}|   ,.-|_|   _,, --─ ''" ̄/    /
      '、::::::::::| _,ノ"  何ミ-‐'    ``´      /   /
      \::::::!、´イ可 ヽ  ヽ     , -‐ 、   ./    ./
        <^、ヘ     冫  i__,,. -‐'    i^ヽ"     /   (おっと、先に動かれたか。まあ仕方が無い。他をあたるとするかねえ) 
         \ゞヽ    __, |ヽ           /
          ~`ミ> ∠-'´  } ヽ     |   /
          ,.ィ'´ト`ヽ、  ´ ノ   \    |  /
          / | | `ヽ、ニ厂 |ヽ    >   |/
   __,,,. -‐'´  |  ト、.  / ^' ト、| ヽ / _   |
  /       |   | ヽ,/\ |   ヾ ̄ |   |
  |  ヽ    |   ヽ   i^i    |  |   |
  (   ヽ     ``フ |   .| ヽ.   |   |   |



         _,..-==≡==- .._
      ,.:z≦圭圭圭圭圭圭圭圭℡、
     ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミ:.
   ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミ|

  ,任圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|
ミz,任圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ミ|
j≧}圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧j

  k   .、Y rー、ヾ ≦゙      ヾ゙ーk〉;:j
  ヾミ   i }-ニ} ゙三'´       :.゙ゞ'.:::i
   ,ゞ ミ、ヽ (  z         ゙:::'´ ::.',     (馬鹿の動きは読めないから困る! ったく、まだ一人しか素性が明らかになってないのに動く奴があるか!)
    彡ー-ヘ_ソ     ,rー- 、_  ー _,r'゙
  /     ∧    '、_`ー、,_`゙ミ>-'
/i        `゙:.、   `=ー゙,'´

| ヽ         /   ::.`>.、    /
ヽ.  \    j       〃゙ー'´
  \  \ l i     _ノ,   `:.、
   \  ヽi |   / ノ      ̄ヽ_
     \  \  /   /       ´  ̄ヽ





                        , ------- 、
                  -‐ ' ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
           /:.:.:.:./:.:./:.:.:.:.:./:.:./ ',:.:|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:\

          /:.:.:.:.://:.:./:.:.:.:.:.:/:.:./_-‐l:.|:.:.:.:|:.:.:.l:.:.:.:.:.:ヘ
        ///:.:/:.:/:.:./:.:.:.:./_∠-‐‐ヽヽ:|:..|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.ヘ
       イ'´ /:.:/:.:/:.:./|:.:.イ-/厶zr≠升/:./:.:.:/:.:./:.:.|:.:.l|

.          /:.ノ:.:/:.:./ソ|:/ /ノノ トz'イ´/:./:.:./:.:./ト:.:.l:.:.:l
         /:./:.ノl:.:.:l イ孑7    ´ ̄  /:./:.:./:.:./ }|:.:ヽ:.{
        /‐´/ {:.:|:.∧ゞソノ       /´//:.////:.:ヽヽ',

            ヽヽ:.∧ ヽ        //シ´ r ' ´:|:.ヘ ヽ\
             \\ヽ  r≠-ー   /  / }:.:.|:.:.|:.トヘ
              ハヽ:.\  ̄      /  /ノ|:.|.lヽ`、ヘ
               )ノ|:.:.\    ,イ  /´|:..|:.|:.l `ー`‐

               ´   }∠}/ヽ-イ yr=.==≠|!`ーヽ   今の条件をのんでくれるのかい? それは嬉しいが……君は何ができる?
                / r/ヽ=レ<||: : : : : : :|ゝ
               /-‐´ イ≦=彡`: :{{,-、:〈〉.,-|
            , イ   ^ ‐---- 、: : :||^)).{}((:|

     __,-─´       ^ヽ‐--r >: : ||: :<〈〉>: `、
    r': : : :/            \:/ /: : : }}: : :))((: : : :\
    |,---´--、_/ー────‐ 、 ∨ : : : ||: : :〈〉: : : : : : \

    |l_____l : : : : : : : : : //\\_ {{: : : : : : : : : : : : :`丶、__
rニニニ二二ニニニニ} : : : : : : {{: : : : `ー─'{{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄=‐、
} : : : : : : : : : : : : : : : / _____ノノ: : : : : : : : : //: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
|: : : : : : : : : : : : : : :/: /r──‐‐´: : : : : : : : キニニニニニーヽ : : /: : : : : : : : : : : /
|: : : : : : : : : : : : : /: ://γヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄//: :/: : : : : : : : : : : /
|: : : : : : : : : : : ::/: : | |: : し': : : : : : : : : : : : : : : : : : : :γ´`l //: :/: : : : : : : : : : : /
|:: : : : : : : : : : :/: : : | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ゝ- '//: :/: : : : : : : : : : : /
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|: : : : : : : :∨{: : : : | l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //: :/: : : : : : : : : : /


       }ュ、

       |ニム                     ,ィニニア
       |ニム       ___    ,ィコ|    .,ィニニニア
     ム  マニニ}  ,....ィ'"::::::::::::::::::::`:::..|ニニ!  .,イニニニア
     マムイア'"/_::_::_::_::_:_:_:::::::::::::::::::マニム、.,イニニア
     `'マ:::/´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘‘:.‐:::::_、マニム|ア⌒:.ヽ、

        /::/: : : ; ': .; ': : : : : : : : : ヽ: :.:.ヽ:`マア::.:.:‐-:、:.ヽ
       .i:/.:/:.:./.:.:,:'.:.:.:.:.;ィ:.,:ィ:.:.|:.:.:.:.!:.:.:.:.‘:,::::l{:::.:.:.:.:.:.:ヽ:‘,
      |;'::;'::::;'::::;:':::::::/::/:::ハ:::';:::::::i!:.:.:.:.i:.';'´:マ::::.:;.:.:.:.:.i:.:.}
       |!::i!::::!¨iトx、/::;.ィ´:/::::マ::';::::::|::::!::::i:::!::/:ト、;ノ:.:i:.:.|i::;'     ふふふふふ……聞いて驚きなさい。
     .|!::|::::|:::::i,ィュ、´,ノ;ノ:::::;斗七:´l::::!::::i:::i/:;'://:.:.ノ.:.ll:;'!

     .|:::|::::l:::::f´ら:心:::::::::::::;ィ≠≧、::|::::!:::|:/〃:.:ィ彡ノ;'ノ
     リ::l|::::|::::| .夊z/.:.:.:.:.:::::::5;r.;;:斥:i::::!:::lレ'イ:.:.:.\:;ソ

     .(:!:|:!::::::::|!  `¨ , .:.:.:.:.::圦zソ}:::;':::;!::::} .!:::.:.:.ミ、`:.、      私は、貴方を貴方が望むようなヒーローに仕立て上げることができる。
     .{::!|::マ::::圦           `¨i!::/::/!::/  .ゝ、ミ:.:ヽ:.‘:,
      ゝミ、マ::::ト、>、  ー ‐'    リ/::/ i::;′  .,ィ`>、:ミソ
         ゝマ::i:::} `>ュ._. .ィ'".//:∧ l/   .,'::i:.:./:彡'´
       ,ィ彡マ;ノ .r 、∧!lニ| rf7/:/ニム-、   !:.:.V:(        かつて貴方が夢見たような、ヒーロー映画の主人公にだってなれるのよ?
      ,イ:,:'/.マr'"7f,7∧f_,rV/7/ /ヲ7=ュ、八::.:ヽ:ヽ
      V;/  .,'ヽ7,マf`¨介'¨勹iレ'/_ヲ/_ヲ  .ヽ.ヽ:.ヽ:::)
      ヾ  /.,ィ f7/,フ/ .}.V.7ん/_ヲ |7    .|  ミノ/
          /.:,' E7f.レ' ! | .}.l.i ./_(´ !    .!  ソ
         ./ :l 弌!|!..」 Lノ.|.〉|7´  |    !



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     l:.:.:{ |:.:.:.|/:.:/‐ ´ /:./:.:.:.:.: .:.:.イ: .:./:./|:. |:. |: .:.:..|:.|:.:{       ―――――それは、聖杯を勝ち取るのに十分な力か?
     }:.:.:| |:.:.:.|:/ム\\/:./:.:.:.: .:./,/ :./イ彡|:./ ./:.:.|:.:.|リ`‐`-

     /:.:/ヽ|:.:.:|\ゝz.イヽ,'、/:.:.:.:./彡/∠イ孑フ/:.:/:.:./:.:/|
    /:.,イ:.:.,:|ヽ:.ヽ ` ̄´///:.:./(\/ゝ匕ンイ:.::./:/ヘ./|:l
   /´/:./ }:.:.lヽ、\  /' //  { `./\  ̄/-/^i:/_〉 〉_|l
    /´  //|/\`丶/    !  \ \ /:{ |: / /` :l ̄ ̄/ ヽ
      //{ `: { {\    __ 冫  `ヽ ヽ : l /  /: : : : : : :/: : : : \
.     /: : : | : : ヽヽ \ ´¨ _ ̄`  ∠: ヽ `∨  { : : : : : :/: : : : : : : l
   /: : : : : :,-、ヶ :\rヽ`r‐ー─‐<´-----ヤ    〉 : : : : ,' : : : : : : ∨

  / : : : : : : : :r‐、),-、 | |: :r`──-── 、__    〉 / : : : : : |: : : : : : ∨
/ : : : : : : : : : く卅>⌒: | |: : `>─┬ 、      / / : : : : : : |: : : : : ∨
: : : : : : : : : : : : :孖ゝ: : : | | : : : : : : : |l: :i      / /: : : : : : : :l: : : : ∨


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          y--‐--;ァ゙:::〉_ ..,,___匕::ヽf'"´゚¨   \
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       /  /:::::, '     ,'        ' . \≦;     '.
       /  圦:::/    /      ;   ':、 }{::ヾ      ,
       |  /:::::/  /   '       ハ    , !:::::::゛、     i
      |  }::::::i  ,′        | '.   ∨!::::::::::Ⅹ:   i
      ,′ 厶::_{i  :       ,ィ  /  i    Ⅵ::::::::::_ク    i
     |     | i   /   /,' /,..__ Иハ  刈ハ"~     }
     |     i!     /!ナz./ i /'イ斧ア!ハ  ! }  .:´  ;i
     /   ;  :!  孑伐テヾ  !′ 込ソ  }  }刈廴    丿
    /      i{ f´i  弋ソ         |  |乂 `≧<
   ,r'"¨′  -‐ハ ゝi     ,         ,ィ   !ミ、     丶、
  ,r'"""¨二ニ=ノ i  ト           / }   メ`丶ー‐-ュミ孑′
  ヾ  ≦   /  | |  、  `- '   イ  ,′ /、  ミミ':、-‐′
  乂 彡 孑≠}   | i!  ,y≧ __   ´ ト, /  / . ヾ.   ヽ、            さあ? それは貴方次第。
   冫 /  _丿   ! | _  ゞニ辷==斧=r'{ ! /    弋_ミヾ、乂
   ヾ/ ,r'"゙¨イ,r'"三=ヾ!圦ー斥三三三三ニ斗!/笊三三ニ‐、 ヾ彡
    ゞ〈/弋{三三三ニ}=斗 ゙^~^~^~^~^"´  }=}ニ三三\j/
        ノ三三三三=斗           匕圦 三三三ヽ            でも逆に言えば、全ての結末は私に依るところ無く、貴方自身で決められる
       /三三三三{三斗      _    ヾ圦ニ三三三〉

       〈三三三三ニ}三刈冖冖冖≦=≧冖冖ゞ厶三三三/
       冫三三三=j三刈辷辷辷=厶ハく辷辷斥\ミ三三\
       |=三三三三i三ミ}\_三三三三三三三三=仆.三三ミ|
       |三三三三=|三ノミ、\三三三三三三三=ナ}三}=三|
       |三三三三=!ラ三三ヾ ト、三三三三=≠ィ//=/:三三|             もちろん、どんなやり方を使っても構わないわ
       |三三三三ニ{三三三_i lト、`¨‐-ミ孑‐"´ィ' /=/ニ,-‐‐-、




          ,.:.:.:´.: ̄.:.:.:> 、
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   ,.:.:./.:.:.:.:|/.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:爪
  /イ./.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.:.::/.:.:.:.:.:.トー-、.:爪
 '/,.:l.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:人.`ー 、VL',\   ,_,

 '  ,イ.:.:.:.:.:.:.:|//フ>く//V.:.:.:.:/ゝ、`ーム ゝ┴  ̄    \-、-、
   | |.:.ム.:.:.:.:|〃隹不 フ /.://≠―チ> 、_     ァγ ´/イ: :\
   ’ , l.:ll.:.:八ゝヒ角ムメ./.:彡´ テri一 ,.:.:.:.:.:.:.:lヽ ー " /| イ/: : : : : : \
   ' ,.:.ヽヽ: ヽ     '  l 〔角7 "/.:.:.:.:.:r ' ̄'__./  | 'V: : : : : : : : : :\        くく……よし、乗った!
     l.:.:ゝヽ.:`        /   ` //.:/.:.:/" ̄      Y: : : : : : : : : : : : :.\
     从.:.:.:.:l>\ ____   ,.:.:/.:/V         乂: : : : : : : : : : : : : : \
   , ´//リ.:.! \   ̄ ̄ "  イ.:.:.|/レ'           ` <: : : : : : : : : : : : :ヽ
    //j.:.不  \    ィ ´.:.:.:.:|乂"                ` <: : : : : : : : : :.\
      / ⊂ニテニ> <ニ乂|乂                     ` マ: : : : : : : : :
       イ: : : :| |: : : : | |: :从       _____              ヽ: : : : : : : :
         |リ厄 | |: : : : | |う||__/ヽー ´      ヽ - 、       __ _V: : : : : : :
      人ク: : | |: : : : | |: )ル: ノ: : : : : : : : : /: : /: : : : ヽ―――≦: : : : :/: : : : : : : :

     /: 丁: : :! !: : : : | |: : :/: : : : : : : : : /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : :<: : : : : : : : : : :
  __/: : : : : : : :| |: : : : | |:/: : : : : : : : : : : !:/: : : : : : : : : : : : : : : <: : : : : : : : : : : : : : :
<: : >: : : : : : : :| |: : : : 片V: : : : : : : : : : :/: : : <: : : : : : : : <: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

【開始早々に、ルルーシュ&メアリー・スー陣営完成】



       ∧  ∧
       |1/ |1/
     / ̄ ̄ ̄`ヽ、
    /        ヽ
   /  ⌒  ⌒    |
   | (●) (●)   |
   /          |
  /           |     (帰ろうかな)
 {            |

  ヽ、       ノ  |
  / `⊂ ヽ∩‐''"   .|
  |  |  '、_ \ /  )!
  |  |__\  “  / |
  \ ___\_/   |








【中編に続く!】

【文章でって言いながらどんどんAAの割合が増えてた、修正】


あっという間に1ペアができあがってしまった。

サーヴァントの中には、幾人か出遅れたのを悔やんでいた者もいたが、マスターたちからしてみればそれほどの問題でも無い。

なにせ、消えていったのは常道では最弱のクラス、キャスター。

しかも彼女からは何の迫力も感じられない。

あの青年は外れクジを自ら引いていった……そんな風に思いながら、後方に控えて情勢を眺めていた。



「さて! 誰も話さないなら次は俺から話そう!」

次に口を開いたのは、先ほど青年の言葉を大笑いで受け止めた、背の高い剣士。

滔々とした口調で、大声で快活に。

「俺の願いは! 受肉し、この世のあらゆる剣術を修得すること!

 ただしそれは聖杯によってじゃねえ! 俺自身の手によってなされること!

 つまり、俺は一人でも多くの剣豪、武術家と相対する必要がある!

 即ちだ! 俺のマスターであるべき人物は、温存だのなんだのチンケなことにとらわれず、俺と一緒に戦場を駆け回る覚悟のある奴!

 どうだ――――この中に―――――そんな奴はいねえか?」


 快声が響き渡り、しばしの沈黙が……否、拍手の音が鳴り響く。

「素晴らしい宣言だ。感動したぞ」


 そう言い、マスター側に立っていた男の一人が立ち上がる。


「俺はイザーク・ジュール。上司からの命令で聖杯戦争に参加することになったのだが……

 元は生粋の尖兵。数百の兵士が銃弾を放ち、自らの血飛沫をばらまくような、そんな世界に生きてきた。

 七人七騎の聖杯戦争など、欠伸が出るほど温い、そう考えていたが……どうやら、面白い人物を引き当てたようだ」

「はっ、ってことはよ、つまり?」

「組む――――と言いたいところなのだが、生憎まだ、他の面々は何も喋っていない。

 どうだ、先ほどの早漏共のことはひとまず忘れて、一通りスタンスを明らかにしようじゃないか」

イザークの言葉に納得したように、そこらかしこで頷く姿が見受けられる。

えてして、少し遅れた形で自己紹介が執り行われた。

「俺は、此度の聖杯戦争ではランサーのクラスをもって現界することになるだろう。

 望むマスター像は、決してへこたれない強靱な意志を持った才ある者、だ」



「私はノゾム=アーチボルト。正直あんまりやる気がないんで、手早く終わらせましょう」



「アタシはライダーだ。そうさねえ……ともかく派手にいきたいね。

 頭を使うのもわるかないが、やっぱり火薬と命は派手に散らしてなんぼだろうさ」



「アタシはジェーン・ドゥっていう。待ちゲーが得意だから……そこのセイバーとは合わないんだろうな。

 どんな手だって使えるし、騎士道に則ってやってもいい。そこら辺は臨機応変に、そちらの意向に合わせるさ」



「あ、アサシンです! えっと……私は、治療するのとか得意です!

 だから、マスターが怪我したりしても、傷が残らないように直してあげられます!」



「ざびまるだニャ! 目的は猫の王国を作ること!

 強いサーヴァントなら中身は問わねえっ!」



「アーチャーだ」



「狛枝凪斗。僕は、どんな絶望にも負けない強い希望の姿が見たい。何度痛めつけられても、そのたびに蘇り、強くなっていくような……」



「……ほう?」

マスター、サーヴァントが順繰りに自己紹介し、最後に口を開いた白髪の少年の言葉を聞いて、猿顔の男、ランサーが食いつく。

「面白いな、あんたとは趣味が合いそうだ」

「ふふ、そうだね。だけど、貴方と僕は同じところを向いているだけで、共に戦うような口じゃない。

 だって、互いが互いを必要としていないから」

「いやあ……? そりゃあ、どうだろうな」

 にやにやと、小気味良い笑みを浮かべるランサー。

 思わずその中に優しさや善性を感じてしまうような、人なつっこい表情。

 しかし、狛枝凪斗は見逃さない。

 その男の内側にある、とんでもなくどす黒くて、危険な思想を。

 だが、だからこそ―――――その男の言う言葉に、真実を感じ取った。

「確かに、間違ったことは言っていない」

 彼は小さく頷くと、

「君さえ良ければ、僕と組もう、ランサー」

 ゆっくりと、右の手のひらを差し出した。

 ランサーはそれを握りしめ、笑う。

「ししっ、どうも。よろしくな」

【狛枝凪斗&豊臣秀吉陣営完成】


「なーんだか、早々にくっついたらまずい奴らがくっついたように見えたのは、アタシだけかねぇ……」

 ライダーは、ランサーと狛枝の握手を見ながら、遠い目で呟き、前に向き直った。

「さてと、一通りの自己紹介は済んだな。アタシの見立てでは……イザーク。あんたとアタシも、悪くない相性なんじゃないか?」

 ライダーはそう言ったが、実質、消去法なのは間違いなかった。

 残るマスター五人の内、一人は戦いを放棄するような発言。一人は迎撃スタイルを宣言、そして一人は人間ですらない。

 派手に戦うことを望むライダーにとっては、イザーク以外の選択肢はないというわけだ。

 もちろん、その前からイザークに目を付けていたセイバーは、面白くなさそうな顔をする。

「横やり刺してくんじゃねえよ、出遅れておきながら」

「うるさいねえ。お互い、選択肢がないのは承知の上だろう?

 どっちが選ばれても恨みっこ無しさ……さあ、軍人。あんたはどっちを選ぶ?」

 あるいみ修羅場とも言えるこの状況。しかし、その間に立たされているイザークはあくまで不敵で……その上、ラブコメ要素は微塵もない。



 そんなことをしているうちに、奇妙な生物、ざびまるは、仁王立ちしたまま動かないバーサーカーに近づいていった。

「バーサーカー、バーサーカー」

 バーサーカーは、自分の腰ほどの背丈しかないざびまるに視線を合わせる。

「オリの目はごまかせないニャ! お前は強い! 相当の大英霊とお見受けしたニャ!」

 この奇妙な小動物……ざびまるは、獣と語る能力を持っている。

 それはバーサーカーの狂化された意識にも語りかけることができ……狂っているはずのバーサーカーに対しての意思表示に成功した。

 バーサーカーは答える。王国を建てるなどという横暴な望みに、我が剣を貸すつもりはないと。

 ざびまるは、やれやれと手を振った。

「オリはさっき、猫の王国を作ると言ったけど……本当は、別に、元々居た猫の王国に帰るだけでもいいんだニャ。

 もしバーサーカーが、猫の王国を作るのを認めないなら、後者のほうでかまわニャい。

 どうか、オリに力を貸してくれニャいか?」

 バーサーカーは無言のまま、腰に差された剣を抜く。

「ニャッ!?」

 焦るざびまる。まさか今から、斬られるのでは!?

 しかしバーサーカーは、手に取ったその剣の柄を突きつけ、それをざびまるに差し出した。

「これを……?」

 ざびまるは怪訝に思いながら、その宝剣を手に取る。

 すると、神々しい風が体内を吹き抜けるような感触に包まれて――――ざびまるは、その圧倒的な聖なる力を理解し、同時に剣の名を……英霊の名を知る。

 シャルルマーニュ十二勇士最高の騎士にして、西洋最大の英雄、ローラン。そして剣の名は、絶世の名剣、デュランダル。

 バーサーカーはしゃがみこみ、ざびまるに向かって頭を垂れる。

 ざびまるは全てを理解し、バーサーカーの肩の上に、そっと聖剣を横たえた。


【ざびまる&ローラン陣営成立】

「……あの」

「は、はいっ!?」

突然に話しかけられて、アサシン――――フローレンス・ナイチンゲールは飛び上がる。

話しかけたのは、先ほどやる気の無い発言をした……眼鏡をかけた、英国人男性、ノゾム=アーチボルト。

「あ、さっきの……爆弾発言した人」

「ははは……やっぱりそう受け止められていますか。

 まあ言ったとおり、私は聖杯自体にそこまで必死になっていないので、死なない程度に戦おうと思っているんです。

 だから誰を掴んでもそれほど問題は無いのですが……暴君だけは勘弁。

 さて、そういう観点で見ると……セイバーと私が組むと不協和音の嵐の予感がするんです」

「ああ、確かに……」

 まるでかみ合っていないというレベルじゃないなあ、と、アサシンは心の中で頷いた。

「それで、どうして私に?」

「貴方が一番まともそうに見えたからですよ。命を大切にしないライダーに、話が通じないバーサーカー、アーチャーは……何も喋っていないので

 真意は分かりませんが……ともかく、貴方が言っていることは平和的で、理解の範疇にある。

 戦闘馬鹿共より、よほど友好的な関係を掴めそうだと思って」

「は、はあ……」

「もっとも……私のような勝つ気のないマスターはお呼びじゃないでしょうがね」

「い、いえ、そんなことないですよ!」

 やれやれと肩をすくめるノゾムに、アサシンはフォローを入れる。

「わ、分かりました! じゃあこうしましょう!

 私たちは極力戦闘を避け、倒れている人たちを助けて回るんです! 敵も味方も関係なく!」

「なるほど……赤十字の精神ですね。

 確かに、それならば私が死ぬ可能性も低い。だがアサシン、貴方はそれでもいいんですか?」

「はい! 私も、本心のところをいうと、聖杯に拘る理由はないんです……私の願いは、一人でも多くの人を『私が』治療すること……

 元々、私の力じゃ聖杯戦争を勝ち抜くのは難しいですし……

 むしろ、戦いを避けて、できる限りの人を治療していく方針の方が! わたしのやりたいことができる気がします!」

 きらきらと目を輝かせながら語るアサシン。ノゾムはそれを見ながら苦笑した。

「あ、はぁ、どうも……貴方、本当にアサシンなんですか?」

【アサシン&ノゾム=アーチボルト陣営成立】

「―――――ライダーだな」

長考の末にイザークがたたき出した結論は、セイバーにとって無慈悲な鉄槌だった。

「ライダーの攻撃は砲撃だというじゃないか。

 現代の戦争になれている俺にとって、其方の方が幾分か、やりやすい」

 宣告を受けて口をあんぐり開けているセイバーを見ながら、ライダーはにやりと笑った。

「ま、そういうことだ。大丈夫か? もう殆ど残っていないぞ?」

「~~~~~~~~!!!!」



残った面子は二組。片側が決まれば、もう片方も自動的に決定となる。

最後の相性がどうであるかは関係なく。


ジェーン・ドゥが目を付けたのは、その場に静かにたたずんでいたアーチャー。

自己紹介の時に一言だけ発してから、それ以来何も言っていない。

手に持っているのは銃だろうか? 近代の英霊ならば、彼女が得意とする籠城戦法にも大きく貢献してくれるだろう。

単独行動も、こちらが陣地を固めている間に外部の情報を集めるのに役立つ。

「なあ、アーチャー」

もちろん、ここまで何も話さなかったということは、何か思うことがあるのだろう。

そのあたりは、今から説得しなければ――――

「ペアの申し出か。いいぞ、好きに使ってくれ」





「……えっ?」


【ジェーン・ドゥ&シモ=ハユハ陣営成立】





「全ての陣営が完成し、これにて会はお開きとなりまーす」


 という、白セイバーのねばっこい声が部屋に響く。

 とは言っても、もうその場にはセイバー一人しか残っていなかった。

「なあ、おい。どうしてマスターの人数が合わないんだ?」

「……あー、すみませーん。どうも運営の方で招待状を送り忘れちゃったみたいなんですよー」

 セイバーのこめかみがぴくぴく動く。

「おい、じゃあ俺のマスターはどうなるんだよ。招待状を送り忘れていたとかいう、そのクッソ影の薄い奴と無理矢理組まされるのか!?」

「いやですか?」

「なんで俺が割をくわなきゃいけないかって聞いてんだよ! わざわざこの場まで出向いてんだぞ!」

「……分かりました。そんなに言うなら監督役の言峰とかいう男のサーヴァ」

「オーケー。その影の薄い奴で手を打とう」

「了解しましたー。では、これにて一件落着ですね!」


【セイバー&   陣営成立】

【完っ!】

                 _  _            一応若干駆け足でしたが終わらせました。前中後編とは何だったのか。

   ≦≧     _ ,, .-‐‥:..、/=-.、//フ≧;- ,,_
    ` ̄''ッ、  ,.イ:::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::ヽ'//////>,、       戦力的にはバーサーカー、ランサー、セイバー、アーチャー、ライダー、アサシンの順くらい。(キャスターは未知数)
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::マ///////ム
.        ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::: マ////,-、/,}     多分実力に劣るのにイノシシ武者するイザーク陣営が速攻で落ちて、あとはバーサーカーとランサーと、
        i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ';:::::::::: W//,} .ム'リ
        l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; i__.W//} {/〈_,    覚醒したキャスター、そして待ちのアーチャーが乱闘し……
       l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::::::::: |//,ハ.` ̄
       ヤ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト::、::::::l`マ/,ハ
         ヤ」L三三三三三三三」L;; |::::::` 、! l//,ハ     それぞれがお互いをつぶし合って、最後に病院の手伝いしていたアサシンと忘れられていたセイバーが戦ってセイバーが優勝します。
        {Τ;;;;;;;:::-===-:::;;;;;;;;Τ::/:::::::::::/  !'//,ハ
        ゝ─-- v v v --─‐ ''"--..、/   !///∧
        ,ィ 二二二ミ、:::::::::::γ:::::::::::::::i    l////ノ
       キ ‐===‐'"_}¨´ ̄:|_;;::;;_::::::::}ヽ   マ///ゝ-<}    ……で、このスレの扱いなんですが、もうなんていうかテーマに縛られずに、いろいろと実験的試みをするスレに
.        ミ:      E} } ̄ ̄\::::::ヽ::::〉 ヽ  ヾ/>、`¨¨
.          キ      _//¨'':::‐---¨¨´j´ヽ .ヽ  ヾ/
        ゝ __. ¨ノ`ー::ゝ---─'"!  ヽ  ヽ
        |  〉--/ニ´`ニ=>-::─〈  」_  」_         しようかなと。
          | ,'::::::::|ヽ@::::::@:::::|:::::::::::::::', .〈::::〉〈::::〉
         」_ .¨!`¨:!::::Y---Y´::}ー─゙ー'! .V  V
.       〈::::〉└┬ ̄|   }二ゝ┬ ー┘              そんなわけで、もう一度聖杯戦争にチャレンジします。
        V.    ';:::: |    }:::::: /
.               ̄   .└一



        r‐ ─ -ー=-、
       / 〕}_       \
      ,: レ-=- -―-    )

     /i::::::::::::::::` 、/   リ
    /::::::{::::::::::::::::::::::| |::\  /
   / |::::::|::::::::::::::::/ .|:::::::ヘ          ただし、今回は前のように全陣営を濃厚にやるのではなく、自鯖自鱒の交流に力を注ぎ、
   {:::::":'' -‐''''  ./|.|:::::::::::}
   i::::::\    ./:::::::::::::::::::リ 
   ヘ:::::::: \ /:::::::::::::::::::::::v‐         さらに、描写と戦闘も簡易のものにします。具体的には、アースセルやうっかりさん、外典さんのような感じですかね。
    ヽ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::/:::::::ノ
    「´ゝ、:::::::ヽ::::::::::::/ <`
   ヽ::::ノ ` ー -`- "  -―\ - ._,.ノ
    ゙ /  |/人 \ / -― Y       駄目ならエタらせますが、チャレンジしてみていいですか?

    . {   lヽヽ/ / /::::::::::::,!

     \   {:::::::ヘ:::::::::::::::::::/-‐、 
       r‐、 \_:::ヽ_::::〃  ヽ._」     駄目なら次いきます。
       \ノ   ̄

先に二票

                ノ ‐'ー
               /リ . -  ..}
           _.. --Zニ〕/   ./
.           /:::::::::::i:;:;:;:;:;`ヽ /
           /:::::::::::::i;:;:;:;:;:;:;:;:;:, ヘ
..        /::;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l  ミヽ- .ノ
         /::::.''''‐‐‐-‐''''"\;:;:|- ._ __ノ
.        !:::: ;:''''‐‐‐:-‐''''\冫ハ          ありがたや。それでは貴方を決めます。 ちなみにアバターですが、これからは二週間交代で型月を使い回していこうと思っています。
        l:::::i::;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;::;:;/
.        (\: ;:;:;:;:;:;;:;:;;:;/ ̄):;:;ヽ
.        \``ー---‐''|;;;;;;;|:;:;:;:;,
        マ{┴ノ :》《i:;:;:;i┴;;lゝ:;:;;|         1、作る(簡易方式で、来歴や願いは>>1任せ)
.           l;;;;;;;i::::::::i\;{;;;;;;;!:;/:;ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝ-'  ̄ ̄ ゝ- ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    2、既存



先に二票

   _,,,.....--‐.....--‐ー‐‐-

-‐''"~         . . -‐- 〉
         . : ´ : :: : : :: : : : ヽ
 __,,.-‐''"~/ : :: : : :: : :: : :: : : : :ヽ

''"    /:::: :: : : :: : : : ::: : :: : : :: ::',

      /:::::::: :: : :: : : : :: : :: : : :: :
      |//:::::::::::: :: : :: : : :: : : :: : : :}         このスレだと既存希望多いですね。
      ∨//, :::  ̄"''''''''''ー‐-- ‐'!
      ∨///:::: ̄"''''''''ー‐--‐' !
  ____,....-‐∨///, :: : : : :: : :: : : : /
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【選択可能なマスター一覧】

・ヤン・ウェンリー
・エダ
・ノゾム=アーチボルト
・アメリカ人チーム
・イザーク・ジュール
・ペリーヌ・クロスマルテン
・ラウ・ル・クルーゼ
・榊原尊
・清水苗
・狛枝凪斗
・黄龍白
・リュカ
・神崎火織
・薙月恵里菜
・夕凪小町
・加賀部史郎(カカベル)
・ざびまる
・間桐ルルーシュ
・モア・ユグドミレニア
・Toosaka-Lys01
・アディリシア・レン・メイザース
・シックス
・ジャミル~。
・ジャン・キルシュタイン
・ウェストランド・アブハジ・アブカール
・名無し
・ジン・パスカル&ソフィー
・ゾルフ・J・キンブリー
・ベリュトミン星人
・井上織姫
・外道
・三沢大地
・神原駿河
・藤村氷芽
・神崎・S・アリア
・片岡優希
・Mr、エテモンキー
ジヴァ・エルトナム・ローレライ
葛西小十郎
ジャンゴ
マッケンジー=カリス
アンリ=カミンスキー
加賀啓治
薙月恵里菜
ハンナ
ジェーン・ドゥ
加賀部史郎
夕凪小町
本郷武蔵
ハーディ
大井遊里
庵順平
如月桃
別都杏

↓2

       ハ!_

        /;;;;;}ニiノ):.、
.       /;;;;/≧/.:.:.:.ヽ
      /;;;;/=イ:.:.zy__j
    , イ;;イ=、トv、:.:.7
.   / ノイ   _\='’        失礼。何も考えずマスター選択全体に使用する方を貼っちゃいました。
  / ,'!ノ 、 /   }
  ,′!;;{  ー\.  L
 ,′ !;;j   ヘ__>´-―.、

 !  ソ  ‐''´i `マ‐'::::::::}    主人公経験者と、>>1が掘り下げられないのは省きますね。
 !、       _ノ /.:::::::::/
 \ ー< /ノ!_:::::::j、

   `てて ̄`´ /  ̄ \、
     ヽ\ f_´     て”    再安価です、御免なさい。
 -=三三≧≡´      ば

                ん    ↓2
【選択可能なマスター一覧】

・榊原尊
・清水苗
・狛枝凪斗
・黄龍白
・リュカ
・神崎火織
・薙月恵里菜
・Toosaka-Lys01
・アディリシア・レン・メイザース
・シックス
・ジャミル~。
・ジャン・キルシュタイン
・ウェストランド・アブハジ・アブカール
・名無し
・ジン・パスカル
・ソフィー
・ゾルフ・J・キンブリー
・ベリュトミン星人
・井上織姫
・外道
・三沢大地
・神原駿河
・藤村氷芽
・神崎・S・アリア
・Mr、エテモンキー
ジヴァ・エルトナム・ローレライ
葛西小十郎
ジャンゴ
アンリ=カミンスキー
加賀啓治
ハンナ
ジェーン・ドゥ
夕凪小町
本郷武蔵
ハーディ
大井遊里
庵順平
如月桃

順平

                 _  _

   ≦≧     _ ,, .-‐‥:..、/=-.、//フ≧;- ,,_
    ` ̄''ッ、  ,.イ:::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::ヽ'//////>,、
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::マ///////ム
.        ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::: マ////,-、/,}
        i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ';:::::::::: W//,} .ム'リ
        l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; i__.W//} {/〈_,    了解。今回の戦闘は、二桁コンマを反転させた数字の大小+ステータスみたいな感じで
       l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::::::::: |//,ハ.` ̄
       ヤ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト::、::::::l`マ/,ハ
         ヤ」L三三三三三三三」L;; |::::::` 、! l//,ハ
        {Τ;;;;;;;:::-===-:::;;;;;;;;Τ::/:::::::::::/  !'//,ハ       再現とか考えずにゆるーくやります。
        ゝ─-- v v v --─‐ ''"--..、/   !///∧
        ,ィ 二二二ミ、:::::::::::γ:::::::::::::::i    l////ノ     《基本ルール》
       キ ‐===‐'"_}¨´ ̄:|_;;::;;_::::::::}ヽ   マ///ゝ-<}    ・戦闘は三ラウンド。二桁反転コンマで、50を中心として、99に近ければ近いだけポイント追加。遠ければポイント減少。
.        ミ:      E} } ̄ ̄\::::::ヽ::::〉 ヽ  ヾ/>、`¨¨    ・それが終わった後、ステータスを比較し、上回っているもの一つにつき10ポイント追加。同数ならなにもない。
.          キ      _//¨'':::‐---¨¨´j´ヽ .ヽ  ヾ/      ・宝具やスキルはトリッキーに作用。効果は後のお楽しみ。
        ゝ __. ¨ノ`ー::ゝ---─'"!  ヽ  ヽ          ・全ての判定終了後、基本を50%として、手に入れたポイント分勝率に追加(または削減)。
        |  〉--/ニ´`ニ=>-::─〈  」_  」_         ・ラストも反転コンマで勝敗決定。
          | ,'::::::::|ヽ@::::::@:::::|:::::::::::::::', .〈::::〉〈::::〉        ・割とステータスは飾りなのである意味原作準拠。
         」_ .¨!`¨:!::::Y---Y´::}ー─゙ー'! .V  V         ・それ以外はゆるーくいきます。
.       〈::::〉└┬ ̄|   }二ゝ┬ ー┘
        V.    ';:::: |    }:::::: /
.               ̄   .└一                  ではもうしばらくお待ちを。

【今回の主人公・新ルール用に調整後】
【新ルールに分からないところはあります?】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
  【名前】:庵順平                   【属性】:中立・善         【残令呪数】:3
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━┫
  【特徴】:一般人                   【魔力】:20            【魔術属性】:?
┣━━━━┳━━━━┳━━━━┳━━━━┻┳━━━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┫
 【戦】:2   【魔】:1   【知】:2   【魅】:2    【運】:3   【心】:3     【家】:1    【計】:14
┣━━━━┻━━━━┻━━━━┻━━━━━┻━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┫
        ____,,ー-------、_
    __ /:::::::::::::::`ヽ、::::::::::::::::::`\、
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;`ー、:::::::::::\::`ー、

  /:::::::::::::::::::::::::::;;/""  ___\::::::::::::::\::::::\
  !::::::::::::::::::::::::::/     / ̄  \、:::::::ィ:::::::::`、
  `、:::::::::::::::::./,,,ー-、   ⌒イ`ー、ヽ' ミ::::::::ヽ、
   ヽ:::::::::::::::.!  ,,__、ヾ    ヽ ヾツ   ミ rーミ
    \:::::::! / 〈;;ゝ   ヽ ` ´    ミソ  ヾ
      ̄ヽミ 丶_ ソ            ミ/  /
        ミ、    !         ヾ ソ
        ! ヾ    ヽ __      !ミ
        \ム    /_,-ー;;;ヽ    イヽ
          ヽ   ヘ ::::::::::::::::::\   _/__!
           !    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!  /ヽ  ヽ
            \   ー―ー―'    !::::|   \
             \ -ー     /|:::::|    !
            __ .ヾミミ;,,-......   .| .`、   ト、
           八  ``゙゙ 、.......   .|  .\  /::`\、_、
           /::::\    \....    |    :\/:::::::I::::/::::\,___
         /:::::::::__>、   ヾ .__/   / ̄::::::::::::::.|/:::::::::::::::::::::::::::
        /::::/ ̄   〉   !ソ /   /::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::/
      /-''´     /    ! /  /\___,,,-'´__:::::::ツ:::::::::::::
               ヽ   ! / /::::/::::::: ̄::::::::::::://:::::!:::::::::::::::::
              /、  !//:::::::::!:::::::(/::::::)//ゝ::::: /::::::::::::::::::::

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
【常在効果】
◆ 愛の戦士
故郷のあの子を救うため。男、伊織順平は今日も往く。
「俺、この戦いに勝ったら告白するんだ…」。
【愛の力でパワーアップ。勝率が0%を下回った場合、-分がとれる。(たとえば-20%なら20%になる)。
 ただしこの効果が発動したとき、次の一日は動けない】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
【起動スキル】
◆ アサルトダイブ
なりふり構わない突貫攻撃。サーヴァントに傷を負わせる威力は無いが、相手のマスターの邪魔をするのには十分。
【勝率が50%以下の時に発動可能。勝率を50%に戻せるが、20%の確率で彼自身が死ぬ。】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
【礼装】
◆ 偽・鬼丸国綱
「太平記」に登場し、北条時頼を侵す病魔を祓ったとされる名剣。
…ではなく先祖の魔術師が制作した「病魔、不浄を祓う」効果を再現しようとした模造品。
その効果は完璧に再現されているが、彼の魔力ではその真価を発揮できない。
家の蔵に保管してあったものを勝手に持ち出した。
【彼にはこれを使用することはできない。魔力十分なマスターに渡すと……?】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

テレッテは普通に好き(あとらす)


「……」

寂れた村の、大きなボロ屋敷のある和室に、白い肌の少女が眠っていた。

彼女はずっと前から目を覚まさない。

理由は分からない。不治の病なのか、ただ眠っているだけなのか。

死んでいるのか、眠っているのか。それすらも定かではないのだ。




外では雪がしんしんと降り続ける。

少女の枕元に座っていた少年は、正座していた足をほどいて立ち上がり、少女に誓う。

待っていろ。俺が必ず、君を助けてみせるから―――――。







聖杯戦争、開始。


【順平が会場に到着したのはいつ?】
123 -2日目
456 -1日目
789 0日目

魔翌力計算とか陣地とかの面倒そうな処理はするの?
爆速聖杯戦争みたいにそこら辺は適当?

>>338けっこう適当。


「やっべえっ……」

予定よりバスが遅れて、元々着くはずだった日取りより、二日も遅れてしまった。

この手に令呪が現れて、聖杯戦争に参加する切符を手に入れてからはや一週間。

まだ顔も知らぬ監督役から伝えられた、『この期日までに必ずいらしてください』の、指し示す日まさに当日だ。



雪はこの町でも降っている。

八尾町……今回の聖杯戦争の舞台であるこの町は人口三万人近くの小さな町だ。

北側は山地で特に寂れている。南側は県庁所在地に面しており、まだ多少は賑やかで、人通りも多い。

順平はその南側の一番の中心部である駅前に立っていた。



宿は取ってある。今すぐそこに向かうのもいいし、監督役のところに行くのも良い。

あるいは、寂れた森でも見つけ出して、手っ取り早くサーヴァントを召喚してしまうのもいい。



どうしよう?


↓2

ksk


 そうだな。まずは監督役のところに向かわなくっちゃならねえ。

 えーと、確か監督役がいるのは町役場の近くの教会だったはずだから……北か。


順平は軽い足取りで駅前から飛び出し、新雪を蹴飛ばしながら北へと歩いて行った。



奇襲判定
二桁判定反転、00~05で奇襲発生。

判定:問題なし

特に何事も起こることなく、順平は教会にたどり着いた。

この教会、みてくれは普通だがただの教会ではない。

詳しくは知らないが、なんだか物騒な剣を持って暴れる連中が居る武闘派の基督教? らしい。

又聞きなので間違ってるかも知れないけど。

聖堂教会と呼ばれるその教会、しんと静まりかえっている。

人は居るのだろうか?

若干心配になりながらも、順平はドアをコンコンと叩いた。


123 不在
456 「はいりなさぁい」
789 ???

判定:不在


いくらノックすれど反応は無し。

どうやら監督役は不在らしい。無駄足を食らった。ホテルまでは逆方向だというのに。

というか、なぜ聖杯戦争中なのに教会を空けているのか。

 「あー、どうすっかなー」

予定がぽっかり空いてしまった。サーヴァントを召喚するべきだろうか? それとも、先にホテルに向かう?


↓2

 「っし! それじゃあ召喚すっかぁ!」

もたもたと動き回っていたら、初日からマークされかねない。ましてや今は、戦争に関わりの深い教会のまえにぬけぬけとやってきているのだ。

幸い、教会の裏には人目に付かなさそうな陰がある。あそこで召喚をすれば、神秘の秘匿? とかいう面倒くさいのもなんとかなるだろう。




順平は触媒を……

1234567 持っていない
89 持っている

【やりにくくなったので三人称一元から一人称に変えます】




 「さてと……」

一通りの魔方陣を書いて、俺は辺りを見渡した。幸い気づかれている様子はない。

今から召喚を行うに当たって、俺は一つ問題を抱えていた。

史上、または伝説に残るような英霊を呼び出すには、触媒とかいうのが必要らしいが、当然俺は持っていない。

話によると、触媒無しで召喚を行うと、触媒を使ったときよりサーヴァントの質が落ちてしまうらしい。

「……」

「……ま、なんとかなるっしょ!」

考えていても仕方が無い。どうせ今から触媒など調達できないんだ。

それとも路傍の石でも拾って触媒にしてみるか?

……それこそろくなのが呼ばれる気がしない。


面倒は苦手だ。手早く終わらせよう。

「礎に銀と鉄――――――



召喚によって現れたサーヴァントは……

↓2

太子(剣)

触媒無いみたいだしクラスだけかな?

>>364書くの忘れてましたね。その方向でいきます。というわけで安価↓↓でセイバー。


―――――!!」


 全ての文言を唱えると、魔方陣を中心として雷光が走る。水銀で描かれた文字が雨粒のようにはじけて宙を舞う。

 衝撃に吹き飛ばされそうになるが、何とか耐える。ここで転んでだらしのない姿でサーヴァントと対面するのは勘弁だ。

 爆塵と暴風が巻き起こり、空に煙の塔を建てる。

 くそっ、これじゃあ山奥でやるくらいじゃないと目についてしまうじゃないか!

 などと、心の中で文句を言っているうちに……聖杯戦争における俺のパートナーは、もう目の前にやってきていた。


Aアスモデウス
Bヘクトル
Cディードリッヒ・フォン・ベルン
D鬼一法眼
E聖徳太子
F独孤求敗
G巴御前
Hシンモラ
Iカッシウェラウヌス
J立花道雪
K九州セイバー

トリップ判定
↓1(1~11)


舞い降りた、それは―――――女性だった。

鋭い目つきと、人並み外れた美貌。そして、背中には大剣を番えていて。

一目で彼女が、何のクラスとして呼び出されたかが分かる。

剣の英霊『セイバー』。最優のクラスで、外れなし。監督役からはそう聞いている。

少しの歓喜と少しの驚きで若干浮ついた気分になっていた俺の心を平常に連れ戻したのは、サーヴァントの彼女の声だった。


「問おう」


彼女は、その澄んだ声で、俺に―――――


「お前が、私のマスターか」


 定型文のような文句を、投げかけた。



#ABHIJKCDEFG


セイバー:シンモラ

【シンモラさんそんなに重くはないよ(宝具以外)】
┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:セイバー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┫
  【真名】:シンモラ                             【属性】:中立・中庸
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┫
  【筋】:A(50)     【耐】:A(50)    【敏】:D(20)     【魔】:C(30)     【幸運】:D(20)     【宝】:EX
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
  【特徴】:神霊
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
         , -‐- 、     、_-―――- 、 ヽヽ
       /::::::::::::::::ヽ、 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽl/ヽ
      /::::::::::::::::::::::::y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::l::::::::::ヽ
     /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::l:::lヽヽ:::::ヽ
    /:::::::::::::::::::::/l爪l:::::::::::l::::::/::::::::::l::l::::l:::::::l:ll:::ヽ:ヽ:ヽ:::ヽ
   /:::::::::::::::::/ /:::lヽtミ「Y:/::::::l::::::l::::l::l::::::l::::::l:l l:::l:::ヽ:::ヽヽヽ、
 . /:::::::::::::::::/ /;;//l:::ヽ:::::/:::/::l::::::l:::l::l:::::/ l::::l:l´l::::l::::l:::::::l ヽlヽ
  /:::::::::::::::::::| l::::// l::::::::::/:::::l:::::l:::::l::l::l l:/ l::/lイjl::::lヽヽヽ::l `
. /::::::::::::::::::::::| l_/ /l l::ヘ:::::l:::::/l:::::l:::l<ll 近lハ/l/ 、:/::lヘlヽヘl_

/::::::::::::::::::::::::l  /l l/ lヽl::/ld::::l∨ l      /::l::::l)`l ``` 、
::::::::::::::::::::::::::l/::::::l l  l ll/>ヽl::::l:::l u     /l:::l l l.l ヽ    l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l  l/ /  l::::ハ:lヽ _  '"/ l:::l l/〈  _  l    少々魔力不足じゃないか?

::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l l  /\_ヽ::lヘ:┐┐ ̄    l/  ヽ_/::::::\_l
:::::::::::::::::::::::::::::::::/. ヽl /   /\ヽ ヽ只;ヽ―-┐     l:::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::/   /;;ヽ、_/;;;;;;;;;;;ヽ / ヽヽヽヽ-/;l    l:/\:::::::::l
:::::::::::::::::::::::::::/   l;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ‐ヽ~`l::l;;;;;ヽ、  l/:::::ヽヽ:::::::l
::::::::::::::::::::::::/    l;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ::::ヽヽl::l:::`‐- 、l::::::::::::ヽヽ:/

::::::::::::::::::::::/     ヽ;;;;;;;、;;____/::::::ヽ::::::ヽ::::::::::/::::::::::::::::::〉 l
:::::::::::::::::::/       ヽ/::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`゙゛ヽ/:::::::::::::::::/-┘
:::::::::::::::::/        l_:::::::::::::ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::l´::::::::::::::::::::/_

:::::::::::::::/          ヽ::::::::::::::l::::::ヽ::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::/::::ヽ
:::::::::::::/           ヽ::::::::::::ヽ::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::/::::::::\
:::::::::::/            ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::/l::::::::::::::::〉
:::::::::/              ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ- ´l〈:::::::::::::::l
:::::::/               ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::ヽヽ::::::l

:::::/                 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::O:::::::::Ol:::ヽ::::ヽl
:::/                   lヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ:::::::〉
::/                  <ヽ::::`゙::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::ヽヽ/

                    >::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::l ヽ-l´l
                   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::ヽ ヽヽヽ
                  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::ヽ:::::::::::::>ヽ-´
                 /-――-、_:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::ヽ:::/
                 ヽ/:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::l
                  /:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::_/::::::::::::::::::::::::::::::l
                 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  【クラススキル】
  ◆対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
 【魔術系スキルを70%の確率で無効化】

  ◆騎乗:C
 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 野獣ランクの獣は乗りこなせない。
 【騎乗礼装の概念がないので今回は意味があまりない】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  【保有スキル】
 ◆不具の人:EX
相手に障害を負わせる戦闘術。
セイバーの斬撃は当たらずとも敵の腱を傷付け、敏捷を減少させると共に撤退を困難にさせる。
 【敵陣営の撤退判定時、90%の確率でそれを封じる】
 【ステータス比較時、敏捷を無条件で『勝っている』扱いにする】

◆怪力:A
人ならざる巨人故の異能。
一時的に筋力が2ランク上昇する。
 【【筋】を20上昇させることが出来る。これを使用した場合、次の日の戦闘にはこの能力は使用できない】

◆無至解の謎:B 
彼女が問いかけ、再び解かれることの無かったなぞなぞ。本来ならば宝具として認識されるべき伝承を持った事象だが、
彼女自身がそれを宝具とすることを望まなかった=必ず誰かに破られるべきものだと考えたため、宝具ではなく
スキルの形で彼女の身に宿った。彼女のパラメータ上のスキル全てには、常時彼女が張った謎かけの網がかかっており、
それをくぐり抜けて彼女の真名に迫ることは出来ない。
【このスキルを含めた彼女のスキル全て、そして特徴、属性を、他のプレイヤーは見る事が出来ない】
【このスキルは、宝具の真名解放と共に解除される他、任意で解除することもできる】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫


「問おう。お前が、私のマスターか」

彼女は俺にそう聞いた。

意識が僅かに曖昧だった俺は、彼女の声で現実に呼び戻される。


「……あ、ああ! もちろんだ! これからよろしく頼むぜ、セイバー!」


「私が何も言っていないのに、セイバーと分かったのか?」

そりゃあ、そんなに大きな剣をぶらさげていればなあ。


だが、セイバーはもう少し……好意的にそれを解釈したらしく、仏頂面をにやりとほころばせた。


「面白い。じゃあついでに一つ、簡単ななぞなぞを出してやろう」

……?

よく分からない展開に戸惑う俺を置いてけぼりにして、セイバーは一人でしゃべり出した。

「お前という人間を試すちょっとしたなぞなぞだ……なぁに気負うな、最初は簡単なやつを見繕うさ」

「虫歯を何とかしてくれる動物と言えば?」



「……は?」


「歯」


「いや、いやいやいや……」


「ほら、どうした。この程度も分からないのか」

セイバーは腕を組んで、その腕を上下に動かして催促する。

一緒に巨乳が揺れていたことには触れないでおこう。


さて……

なんと答える?

↓2


まさか天下の英霊が、とは思うが……

「もしかして、鹿?」

セイバーはにっこり笑うと、無言で小さく頷いた。

「その通り。歯科だから、鹿だ」

「だじゃれかよ!?」

「まさかこんなことを言い出すとは思わなかった、という顔だな」

「いや、そりゃあそうだろ!? フツー英霊様が開口一番歯科と鹿をかけた謎のなぞなぞ出してくるなんて思わねえよ!

 今のは何の意図があったんだ!?」

「なんでもない。単なる遊びと、職業病だ」

「職業病!?」

何言ってんだこいつ。日常的になぞなぞを出す仕事にも就いていたのか? どんな仕事だよ!?

あっけにとられている俺を置いてけぼりにして、セイバーは俺の近くに寄ってきた。

「さあ、これから私はしばらくの間、お前の手足だ。

 巧みに私を使い、そして聖杯を手に入れるがいい。私はそれを、全力で支援し――――私の願いも、同時に叶える」

そしてセイバーは、軽快な手さばきでパチンと指を鳴らし――――

「それじゃ。何か問題があるか、それとも相談でもあればまた出てこよう」

 ―――――霊体化し、どこかに消えた。


そういえばあのセイバー、ステータスはそこそこだったが、宝具:EXって書いてあったな。

EX級宝具を持つなぞなぞマスター、ううむ……

順平判定
12345678 看破不能
9 看破


「……わっかんねえ」

考えても答えは出ない。

俺は匙を投げ、その場に腰を下ろした。

まあ、セイバーの真名に関しては本人に聞いてもいいし、後から自然に分かってくるかも知れない。

さて、これからどうしよう。

直接コンビニに行っても良いし、図書館に行ってセイバーの手がかりを探してもいい。あるいはここでもうしばらくセイバーと話をするという手もあるだろう。

ホームセンターに行って役に立ちそうなものを調達するという手もある。まだ一日目、どんな立ち回りだって許されているはずだ。

さて、どうしよう

↓2

「っし、教会ん中見てくるか!」

もしかしたら、昼寝でもしていて気づかなかったのかも知れないし。

俺はそう思い立ち、再び教会をノックする。

やはり反応はない。

面倒だな……確認を取るのがだんだん煩わしくなってきた。

ええい、もう蹴破ってやれ。始まる前に一度は会いに行くと約定を取り付けていたはずなのに、この場にいない相手が悪い。

俺は数歩後方に下がり、それから勢いを付けてドアに―――――


123 この扉はオリハルコン性デス。
456 ガッシャーン!
789 「どなたですかー?」

「どなたですか?」

―――――跳び蹴りをかまそうとしたところで扉が開く。思わず俺は正面に向かってずっこけた。


直ぐに起き上がり、服に付いた汚れを払う。

目の前に立っているのは、恐らく監督役だろう。

顔も声も知らないし、知っているのは手紙の筆跡だけなので、断定はできないが。


監督役は誰?

↓2 上の全マスターから選択


                      /  〈  ==≠|  /= |
                  /    ∨ =≡:| /=≠
                    /      ∨ニニ ニニニ/}
                  / >ー=ミ、 ∨:ニ  ニ/ /
                    //Y⌒ヽ \ ∨] [/   /
                    「:::{人 _ノノ   \/    {
                    /∧ ミ=‐≦r\\__/Y'⌒Y
                :::::::::八 {  「]r}_/人__ノj
                ..:::::::::/〔 \\|〔//::::::::::ーr'
              {::::::::/{  \ 〕 { {/{_/):::::}
             / ⌒〕八  \\Ⅵ  /):::::ノ
                ;      \___} }⌒{く<:::::〈
         __ =¬{__/   __ノ}  ノ} [\ \::::::::;
       /⌒  ヾ}(   __ノ  (_ } [N \ \ {
      /       }≧ー=ミ乂 ___ノ{ jし\_)___)、
      {   :    /      \   )::::::::::::::::::::::::::\
        .::   /       )⌒ユ__::::/⌒ヽく⌒ヽ

      {___ノ  .:::{ .::::≧‐===ミ:::::\ }〈    )):::::::}

\     (二ヽ __ノ}V//      ヽ:::} j:::〉ー=<:::::}:::::ノ
  \    /ー=ミ、__ノ/:/        } / //   ヽ:::::::::}
   \ [⌒\ ヽ__{:::{          }/ {{     } }:::::::〉
     }⌒\ }}__  {八          /  八    ノノ:::::/

「ああ、順平君ですか。今日この町に来たんですか? 遅かったですね」

俺は思わず目を疑った。目の前にいたそれは、おおよそ人とは言いがたい、異形の化け物。

「立ち話も何ですし、礼拝堂にお入りください。お茶くらいならお出ししますし……聖杯戦争の概要について、詳しい説明もいたしましょう」



目の前にいるそれは、淡々とした口調で話を続ける。


なんだ。

なんなんだこれは。俺がおかしいのかぁ!?

礼拝堂に入るかどうか

↓2


礼拝堂の中は静かだった。人の気配も、サーヴァントの気配もしない。

「それじゃあお茶持ってきますね! あとお菓子も!」

宇宙人然とした監督役はそう言いながら奥の部屋に走って行った。

「……考えすぎだったかなあ」

ずいぶんと奇妙な気分だが、これが聖杯戦争の日常なのだろうか?



123罠 だ っ た
456セイバー「マスター! 危ないっ!」
789そういえば美味しいお菓子をもらっていたんですよー


俺が一息つこうと、礼拝堂にずらりと並ぶ椅子の一つに腰を下ろしたとき。

急激な魔力の喪失。

サーヴァントの現界、セイバーの姿が具体性をもって俺の前に現れた。

「気をつけろマスター! 何かが迫って――――――」


123「ビーム!」
456「パーン!」
789「パンパカパーン!」

瞬間、奥の扉がぱかっと開き――――

「かかったな! 罠だよヒャッハー!」

――――そんな声がしたかと思うと―――――稲妻のような光線が、俺めがけて飛び出してきた。

「チッ!」

セイバーが、俺と光線の間に割って入り、大剣を背中から抜き取った。


123 ビームには勝てなかったよ……
456 ビームだけで終わりではないぞ!
789 神霊にそんなものが効くか


本来、光線とは物理的な干渉ではない。当然、剣振などの直接的な手法では防げないはず。

だが、目の前のセイバーは、光の速度で迫ってくるその一撃を――――

「す―――――らあっ――――――せっ!」

身の丈ほどの大剣を構えて一閃。

黄金色の光線、銀色の刃。

交差する二つの輝きは、まるで太陽と月のようで。

そして、セイバーは。

粒子の一群を、いなしたのでも弾いたのでもなく、”切り伏せた”。



「おお! セイバーすげえっ!」

純粋な気持ちが口を突いて出る。しかしセイバーの表情は険しい。


「気を抜くなマスター!

 まだ、迫っているぞ!」

言葉通り、俺の背後からは―――――






まずは迫っているサーヴァントのクラス判定

12 ランサー
34 アーチャー
56 キャスター
789 アサシン


暗殺者、その正体は?



Aハサン=サッバーハ(風水)
Bハサン=サッバーハ(偽)
Cハサン=サーバッハ(初代)
Dヨナルデパズトリ
E服部半蔵
F青鬼
G加藤段蔵
Hフローレンス・ナイチンゲール

トリップ
↓1 (1~7)

#GHACDEFB

服部半蔵  (暗殺となると一番ヤバい奴)


 忍者装束が、ちらりと見えた。


 その影は俺の喉元へと刃を突き立て―――――

(忍術(真)-2)
123 致命傷
456 負傷
789 回避

「がはっ―――――!」

俺の心臓を貫く一本の刃。

どくどくと血があふれ出す。

身体の中心部から、生気がどんどんと失われていく。


嘘だろ。


待ってくれ。



俺はまだ、何も救っていないのに。

誰も、助けられていないのに。


始まったばかりで……もう終わってしまうのか!?



1~8 終わる
9 終わらない


俺は必死にもがいた。

刃を抜こうと動き回り、血を止めようと、


「残念だけど……無駄だよ。私の剣には魔法忍術で血止め殺しの呪いがかかってるから」

アサシンの、冷たい声が背筋を伝う。

俺の意識はだんだんと薄れていって―――――そして、消えた。


DEAD END

コンティニューしますか?

先に二票



どこからか指定して今日は終わり。


1、>>434
2、>>430
3、>>425


判定三回まで何度でも巻き戻れるシステムで。


難易度は原作並を仮定。


先に二票

>>425から。


それでは今日はここまで。お疲れ様でした。

【のんびり始めます】

本来、光線とは物理的な干渉ではない。当然、剣振などの直接的な手法では防げないはず。

だが、目の前のセイバーは、光の速度で迫ってくるその一撃を――――

「す―――――らあっ――――――せっ!」

身の丈ほどの大剣を構えて一閃。

黄金色の光線、銀色の刃。

交差する二つの輝きは、まるで太陽と月のようで。

そして、セイバーは。

粒子の一群を、いなしたのでも弾いたのでもなく、”切り伏せた”。



「おお! セイバーすげえっ!」

純粋な気持ちが口を突いて出る。しかしセイバーの表情は険しい。


「気を抜くなマスター!

 まだ、迫っているぞ!」

言葉通り、俺の背後からは―――――






迫っているサーヴァントのクラス判定

12 ランサー
34 アーチャー
56 キャスター
789 アサシン


暗殺者、その正体は?



Aハサン=サッバーハ(風水)
Bハサン=サッバーハ(偽)
Cハサン=サーバッハ(初代)
Dヨナルデパズトリ
E服部半蔵
F青鬼
G加藤段蔵
Hフローレンス・ナイチンゲール

トリップ
↓1 (1~8)

#ABDCEFGH

「殺す……殺すコロスコロスコロスコロス―――――――殺す!」

殺意にあふれた声が聞こえる。

背後から迫る脅威に、そのときの俺はまだ気づけていなかった。



アサシンの姿は?

123   変身している
456789 そのまま

  ◆『妄想人相』(ザバーニーヤ) 種別:対人宝具:A 最大捕捉:1 消費魔力:20
  変装技術と自己暗示能力の昇華によって発現した、容姿から性格まで完全に他者の存在を模倣する宝具。
  他のサーヴァントを模倣した場合、スキルはそのままだが能力値までなら完全に同一となる。
  変身対象を認識してさえいればどんな存在であれ模倣できるが、対象が持つ知識や経験までは模倣できない。
  完璧に模倣しても本人には偽物と気付かれるため、対象と遭遇してしまうと元のアサシンに戻ってしまう。


 アサシンの宝具(主人公未取得マトリックスです)


変身しているクラスを↓1でトリップ判定(1~5)

#弓槍騎魔狂

ライダー

【ライダー】
あモブ
い項羽
う今川義元
え段景住
お特撮ヒーロー
か木曽義仲
き加藤清正

↓1 (1~7)トリップ判定

【どうしても判定が多くなりますね】

#いうおかきえあ

ライダー:項羽


 背後に立っていたのは、今までに気づかなかったのが不思議なほどの異丈夫。

 たくましい髭を、胸の辺りまで伸ばしている。

 彼は両手に大なたを構えていて―――――にやりと笑うと、俺にそれを振り下ろした。


123 致命傷
456 負傷
789 回避

前回は入れ忘れたセイバーのスキル:不具の人 発動判定

↓2が5以上で発動、アサシンの奇襲を阻害

判定:瀕死
判定:発動により上の効果を無効化


大鉈はまっすぐに振り下ろされ、俺の脳天をかち割ろうとし――――――突然にその軌道がそれた。


「ぐっ!?」

目の前に居る偉丈夫も、何が起こったのか理解していないようで、目を丸くしながら膝から崩れ落ちる。


気づけば、大男の膝から下には、熊の爪でひっかいたような大きな傷跡があり。


「……まったく、暗殺者風情が我がマスターを殺そうとするとはな」


声に気づいて振り返ると。


「最優を舐めるなよ、アサシン」


腰の小太刀を脇に構えた、セイバーの姿がそこにあった。




「あああああっ! なにやってるんですか、アサシン!」


向こうからは、さっきの化け物の素っ頓狂な叫び声。


どうやら、彼とあれは契約関係にあるらしく―――――つまり、敵ってことだ。


「さて、マスターよ。ここからどうする?

 切り伏せるも良し、交渉のテーブルに移るも良し。面倒ごとを避けるも良し、だ」


そんなの、決まってるだろう?



1、闘争
2、逃走
3、交渉提示
4、その他

↓2

「決まってるだろ? 奴らは敵だ。

 だったらここで、ぶっつぶす!」

まさか監督役が聖杯戦争に参加して居るだなんて思いもしなかったが、きっと良くあることなのだろう。


俺たちが戦闘の準備を固めだしたのを見て、化け物は焦り出す。

「あ、アサシン! こうなったらこの場で倒しちゃって!」


「はいはい……」

化け物の指示に、アサシンは『この偉丈夫が口から出したとは思えないほど』まどろんだ口調で話す。

「さあ、マスターの指示だからね。殺し、殺し、殺し……殺させてもらうよ―――――最優!」

┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ≪クラス≫: アサシン
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┫
  【真名】:?                                【属性】: 混沌・悪
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓
   【筋】:B(40)    【耐】:B(40)      【敏】:A(50)    【魔】:D(20)     【幸運】:E(10)    【宝】: B+
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
  【特徴】: 反英霊(王)
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
                       ,、,_
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                   /;;:''::`;;ヾiilr''"::::::ヾ|i
                r';':::r-;;;;‐;;ヾ/""::‐;;i::ヽ、
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           _,ノニ"´::;::;:|::::|::;/""~`''''´7/::::il|i;;ヾ:|
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         ,/:ヾヽ!;;::ヾ:`''ヽ:::i;|iヽ --~-;: i/i|:ヽ|i::::リi;;;;ノ;;;i;|、 `i;ヽ,
         ((ヾ=`;;;、:::ノ:::i:::::;;|:::)!!\  ̄/!!!|i:::::i;i:::::;;/;;;;;|!ヾ'ー'i/_,,、
         ,〉-;'´;;:::イi、:::l::;ン;r'!!!!!!!! ̄!!!!!!ノン':::!;i::::|i::::l:;;;;;`i:::i:n:'iii7;;i´
         i|:;;r'"r'7l|>;;|(::::i;;|!!!!!!!!!!!!!!!!!/ri::;;:::i':::;;|_::ノ;::;ヾ ):::レ::`'i:|,
     ,,,,,,,,,i'"_ll),,ヾ-!'/(;::::ヽnヾ、!!!!!!!!!!!!!、i:::::;;;;|:::::!``‐;、、!/;;;(ヽヾi\ヽ=、
   ,、/!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヽi i i ヽ;::::| iヾi)!!!!!!!!!!!!!`ヲi;::::〉:::)::ii |!!!!!!!!!!!!!!!!!!`;ヽ;i,|;:ノ

    |:::i!:::::::::::::!!!!!!!!!!!!ノi i i iノン:::;'::ノ!、!!!!!!!!!!!/,,,i|:::i:;//i i|!!!!!!!!!::::::::::::::::i`ヾ(
   /:::i´::::::::::::::!!!!!!!!!/i i i/i|::::i::i|  `ヾ /  ノi:::ii|iヽi i iヾ!!!!!!!!!!!:::::::::::|::::!、
  /i::::::|:::::::::::!!!!!!!!!!!!/i / i|:リi;:::i|、  ,,,,, ,;;;;'"i"(;ノツ!, \i i |!!!!!!!!!!!!!::::::|:::::|ヽ
 i!!|:::::::!:::::::::!!!!!!!!!!!!ri'"   >i!|::!ノ|i))     ヾii:::|)iヽ  ヽi !!!!!!!!!!!::::::ノ:::::ノ!!|
 |!!ヽ:::::ヾ::::::!!!!!!!!!!!|i:|   (/!::::::!,ヽ  .:::.. /;;)i:::lヾlリ   li i!!!!!!!::::/:::/!!!!|
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫


  【クラススキル】
  ◆騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
 

 ◆対魔力:E
 魔術に対する守り。
 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
 
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

アサシン  【筋】:B(40)    【耐】:B(40)    【敏】:A(50)    【魔】:D(20)     【幸運】:E(10)    【宝】: B+
セイバー  【筋】:A(50)     【耐】:A(50)    【敏】:D(20)     【魔】:C(30)     【幸運】:D(20)     【宝】:EX
不具の人効果……敏捷の優位を確定

セイバー:すべてのステータスで優位

現在の勝率:100%


「暗殺者が白兵戦を挑もうとは……お前、度胸だけはあるのな」

セイバーは不敵に笑い、

「離れてろ。アサシンからも、あの奇っ怪な化け物からも。そして誰より……私からな」

言われたとおりに、俺は壁際へと走っていって、セイバーとアサシンが至近距離で間合いを確かめ合うその現場から距離を取った。


セイバーが凍てついた大理石のような気迫でその身を包んでいるとしたならば。


「ヒョォウ……」


アサシンが発する覇気は燃え上がる煉獄だ。

それは二人のちょうど中間でせめぎ合いながら、決して均衡を崩すことはない。

しかし、二人には大きな差がある。それは―――――


「―――――どうした。足の動きが鈍いぞ」


アサシンは、セイバーの剣撃によって移動力を奪われている、ということ。


「さて、来ないというならこちらから活かせてもらおう」


セイバーVSアサシン

一ラウンド目 直後コンマ二桁

コンマ反転

00に近いほどアサシン有利、99に近いほどセイバー有利

「舐めるなっっっっっっっ!!!」

しかし、優位を築きすぎて――――それ故に、セイバーはうっかり足下をすくわれてしまう。

アサシンは大鉈ではなく、腰に差していた短刀(ダーク)を抜き取り、それを流れる手さばきで投げつけた。

それはセイバーの右足を切り裂き、小さな隙を作り出す。

続いて―――――バランスを失ったセイバーめがけて、アサシンは大鉈を振り下ろす。

セイバーは間一髪で大剣を持ち上げ、重たい一撃を凌ぐ。

アサシンの二度目の振り下ろしに合わせてセイバーはバックステップを踏み、両者の距離が少し開く。

セイバーは次いで、右手をぱっと剣から放し、ぶらぶらと振った。


「参ったな……」


セイバーは苦笑いを浮かべている。


「右手がしびれて、満足に動かん」


おいおい、大丈夫なのかよお!?

本当は俺がサポートするべきなのかもしれないけど、でもできないし!

歯がゆい気持ちを抱えながら、俺はその場で身震いした。

現在の勝率:77%

セイバーVSアサシン

二ラウンド目 直後コンマ二桁

コンマ反転

00に近いほどアサシン有利、99に近いほどセイバー有利


幾たび。

幾たびのつばぜり合いと打ち合いを重ねて、戦況はまた少しずつセイバーに傾いていた。


「ははっ、さすがは最優――――私とは、持ってるものが違うってことですか?」

「住んでる世界も違うからな。

 あと、その女言葉をやめろ。吐き気がする」


両者は笑顔で語り合っているが――――その間では、身の丈以上の大鉈と大剣が、核爆発のように衝突を繰り返していた。


「さて、くっちゃべっているだけというのも興が醒めるだろう」


セイバーは、細い片腕であの鉄の塊を軽々と動かし、そして今も、いつでも仕掛けられるぞ―――――と、アサシンを牽制している。



「どうだ。ここらでひとまず、幕引きとしようではないか!」


セイバーは、左手を高く振り上げて、アサシンに一撃を打ち放った。

現在の勝率:90%

セイバーVSアサシン

最終ラウンド 直後コンマ二桁

コンマ反転

00に近いほどアサシン有利、99に近いほどセイバー有利


しかし。

渾身の力を込めて振り下ろされたその大剣は。


あっさりと、アサシンの横を通り過ぎた。


「なっ……!?」

流石のセイバーも焦ったようで、思わず大剣から手を放してしまう。


するとアサシンは、セイバーが再びその剣を握ることがないように……大剣を大鉈で押さえ込んだ。

セイバーは舌打ちする。

まさか、徒手空拳で戦うことになるとは思いもしなかったようだ。


対するアサシン、セイバーに対して五分の状態まで持っていったにもかかわらず、まだその表情は険しい。


現在の勝率:31%

「マスター……決めにかかる? それともあれは温存?」


奥に居る化け物はしばし腕をくみ首をかしげて―――――


直後ベリュトミン星人判定

5以上で使用

「いや?」

化け物はくねくねと動いて頭を振った。


「使わなくていいでしょー。だって、あのセイバー弱っちいし」


そして一言。


「なぜかステータス見えないけど、きっと弱いから隠していたのねー」


ああ、そういえば、セイバーはステータス隠蔽型のスキルを持っていたっけ。

さあ、そんなことを言われたセイバーの方は、内々に怒りを覚えているのではないか。

そう思って視線を移すと、目を閉じて、拳を構えるセイバーがいた。


「マスター。案ずるな」


セイバーは、いつもと変わりの無い落ち着いた声で言う。

その気色には若干の暴走も見受けられない。


「私は徒手空拳にも自信がある」



いや、お前、さっき似たようなこと言ってこのざまじゃん?


アサシンが大鉈を振り上げて突進してくる。

セイバーはそれを受けて構えを取った。


乾坤一擲、二つのサーヴァントの渾身の一撃が交錯する――――――!



最終勝敗判定

直後コンマ二桁反転

00~30で勝利


火花がはじける。


そこに体現された衝撃波はまるでダイナマイトの炸裂のよう。いや、もっと上か?

とりあえずダイナマイト見たことないんで分からねーが、ともかくすさまじい爆発で――――中心から巻き上がる風圧に煽られて、ついに腰抜けてしまった。

そして、中央には煙が広がり、立っている人影はただ一つ。

足下にうずくまるのは少女。髪の短い、俺より数歳年下に見える少女だった。

そして、そんな彼女を見下ろしながら、ルーラーは小さく息を吐く。

「女だと先に知っていたならば―――――もう少し手加減してやったのに」



アサシン判定
123    耐える
456789  致命的


「う……うう……」

アサシンの輪郭はだんだんとぼやけてきている。

サーヴァントとして現界を保てなくなってきたのだろう。


俺はセイバーの近くに歩み寄り、教会の床に寝そべる少女の姿を見下ろした。


「わ、私は……」


少女は、小さな声で言う。


「わたし、は、誰、だった?」


俺には、その問いの意味が分からなかった。


彼女が、何を言わんとしているのか。

彼女が、何を思ってその言葉を吐いたのか。


俺が彼女を見て感じ取ったのは―――――故郷においてきた、俺の幼なじみのことだけだ。



それは、単に、同じくらいの歳の女の子であるというただその一点から導き出されたに過ぎない。

目の前のアサシンと俺の幼なじみに、それ以外の共通点など、一切無い。



だが、俺は。


消えていく彼女と、いつまでも目を合わせていることができなかった。




【アサシン、消滅】


「さて……」


アサシンの消滅を確認してから、セイバーは背後で棒立ちの化け物に視線(とおまけに剣先)を合わせた。


「逃がさんぞ、化け物」


「ひいいっ!」

化け物は汗をだばだばかきながら縮こまった。


さて、こいつをどうしよう?


1、殺す
2、強請る
3、逃がす
4、その他
5、ヒャッハー! 陵辱だー!

↓2 ただし5を選択の場合、↓4でイエスorノーを選択。

「ひ、ひいいいっ!!」

礼拝堂の床に這いつくばって五体投地をしながら腰をふりふり動かして、頭をがしゃがしゃ床に打ち付ける。

見てるだけの俺からしてもどん引きの必死ぶりだ。



「残念でもないし、逃がすわけにもいかない」

セイバーは大剣を大上段に構え、化け物の身体に振り下ろす。

紫色の血飛沫が噴き出して、やがて化け物はでろでろに溶けてしまった。

【ベリュトミン星人、死亡】



さて、監督役を来て早々にぶっ殺してしまったわけだが……これからどうしよう?

証拠隠滅作業をするか、しないか。

それから行き先も重要だ。道具を調達してからホテルに行くか、それともさっさと帰るか。あるいは町にくりだしてもいい。それほど賑やかではないが、

俺が暮らしていた田舎よりは楽しめるはず。


↓1 まずは証拠隠滅をするかしないか。


~証拠隠滅作業中~


作業中に誰かやってくるか。

コンマ3以下でやってくる。0は特殊。

判定:来ない。


とりあえず作業中に誰か来るということもなく、一通りの証拠は隠滅し終えた。

俺たちのことをかぎつける奴もそうは居るまい。

「意外と魔術がつかえたのな。てっきり、何の素養も無いと思っていたが」

素養が無いと思ってくれて問題ねーよ。魔術で俺ができることなんて、原付の免許より小さいぜ。



「それで、マスター? 次はどうするんだ?」


↓2

「教会内を探索しよう。何か手がかりがつかめるかもしれないぜ」

 俺はそう言って、教会の奥へと足を踏み入れた。

セイバーは思案顔で俺の後ろについてくる。

「気をつけろよ、マスター。何か罠があるかもしれん」



教会内判定

123 トラップ
456 何もない
789 発見

↓2コンマ1以下で教会にやってくる人が。

この戦争で初めてかな、特殊判定

123 爆弾
456 小聖杯
789 白骨死体



カチッ。



奥の部屋に足を踏み入れた瞬間、なんだかいやな音がした。


ピ、ピ、ピピピ……


耳に付く電子音は、部屋中のあちこちから聞こえてくる。

なんだ? 一体何が起こってる?

「マスター! 下がれ!」

突如背後から聞こえる罵声。


「爆弾だ!」



123 死亡
456 負傷
789 回避


セイバーに言われるがまま――――俺は訳も分からず―――――背後に飛び退く。

爆風や爆炎を直接浴びるのからは逃れられたが―――――衝撃と同時に飛んできた破片が――――



【今日最後のコンマ、これで本日は終わり】

破片が当たった場所

123 顔面
456 腕
789 腹部

最後にしてくれないらしい。


特殊判定

123 目に刺さる
456 小聖杯のハヘーン
789 なんかすごい礼装

「はぐああああっ!」

飛んできた木っ端の破片が、俺の左目にぶっすり刺さった。

俺はそのまま足下にうずくまる。

「お、おい!? 大丈夫か!?」

セイバーはうずくまる俺を担ぎ上げ、その背中に負ぶった。

「目医者の場所はどこだ、言え!」

「知ら……ねえよっ! 俺だって、初めて……うっ、いだだだだ……」




【続く】


 「……」

 あの後俺は病院に行って、一通り診断を受けた後――――予約してあったホテルへと向かった。



 ホテルは安いビジネスホテル。駅からは離れた場所にあって、周囲にあるのは畑ばかり。

 正直存在意義が分からない。


 荷物を置き、ベッドの上に腰を下ろすと、すうっ、と、力が抜けるような感覚を味わう。

 一日の間、ずっと張っていた気が緩んだからなのか……いや、違う。


 目の前に現れる、鎧装束の美女。

 セイバーが実体化し、俺の前に現れたのだ。


 「マスター。その目は……」

 セイバーが、心配そうな表情で俺の顔をのぞき込む。

 俺の顔の半分は、少ししっとりした包帯で覆われていた。


 「大丈夫だ」

 こんなことでへこたれるわけにはいかない。

 俺は、弱音を吐きそうになっていた俺自身への激励の意味も込めて……


 「まだ、片目がある」


 光を失った目を、そっと押さえた。


 セイバーの表情が苦渋に満ちていく。

 「……済まない」

 絞り出すような声。

 「私がもう少し早く気づいていれば……」

 それを遮って、俺が話す。

 「なに、気にすんな」

 彼女が犯した判断ミスはない。

 彼女からは忠告を受けていた。それでも前に進んだのは俺だし、対応が遅れたのも俺だ。

 そしてしっぺ返しを食らったのも、俺だ。

 「……」

 薄暗い部屋の中には暗鬱とした嫌な空気が流れている。

 

 第一、この程度のことで止まってはいられない。

 「俺は、あいつを救うと決めたんだ」

 そう、謎の病に冒され、今も死の愛撫を受けているあいつを助けるために。

 そのためだけに、俺はこの仁義なき戦いに参加した。

 その過程で何を失おうとも―――――知ったことじゃない。

 「立ち止まるわけには行かない。この程度のことで……」



直後セイバー判定
12 ……そうだな。
34 この阿呆が!
56 馬鹿野郎!
78 一つ、問題を出そう
9 ん、あれは……


 「……そうだな」

 セイバーは、煮え切らない表情のまま空返事を返してきた。

 俺の方針が気に入らないのか、何なのかは知らないが……彼女のケアまで考えている余裕はない。

 「さて、聖杯戦争の本領は夜だ」

 俺は包帯を硬く締めると、腰掛けていたベッドから立ち上がった。


 「よし」

 急がなければならない。

 あいつの身体が聖杯戦争が終わるまで持ってくれるかは定かでないのだ。

 「行くぞ」

 「待て。マスター」

 するとセイバーが、俺の前に立ちふさがる。

 「まだ、この町のことも良く分かっていないのに行くのか?」

 「前を見るのは結構だが、前しか見ないのは問題だ」


 「うかつをやってしまった反省は、私は当然だが、マスター貴方もしなければならない。慎重に動け」



どうしよう?

1、素直に応じる
2、説得
3、令呪を以て命じる
4、その他

↓2


 ここでセイバーと正面からぶつかって、関係に亀裂を入れるわけには行かない。

 「分かったよ。今日はここでゆっくり休むぜ」

 俺は包帯を緩め、再びベッドに腰を下ろした。バネの弾みが、どうしてか妙に響いてくる。

 「そうしてくれると何よりだ」

 セイバーの方も肩に籠もっていた力を抜いて、机の前の椅子に腰掛けた。


 「さて、マスター、今後の指針だが――――」




直後コンマ判定
5以下で居場所が何者かにばれている

判定:バレている

それは……

123 切嗣系
456 穏健系
789 友好系

判定:穏健系


・ノゾム=アーチボルト
・清水苗
・リュカ
・モア=ユグドミレニア
・ヨッシー=ユグドミレニア
・アディリシア=レン=メイザース
・ジャミル=エルトナム=アウロラン
・ウェストランド=アブハジ=アブカール
・三沢大地
・藤村氷芽
・ジヴァ=エルトナム=ローレライ
・葛西小十郎
・ジャンゴ
・マッケンジー=カリス
・アンリ=カミンスキー
・加賀啓治
・ジェーン・ドゥ
・本郷武蔵
・大井遊里
・如月桃
・エヴァ=ギガント
・加藤松雄
・八百比丘尼
・レナ


この中から選択

↓2

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 「……」

 畑の中にぽつんと立つ、不釣り合いなビジネスホテル。

 暗闇の中に煌々と光を漏らす高層は、まるで陸の灯台だ。

 そして、周囲には人の気配がしない夜の穀倉地帯の中にあって――――一人だけ、ホテルの最上階を見つめる男がいた。


                                                     ,.、
                                                    //'
                                                 / /

                                               ///

                                              ///
                                            /´^'y<_
                                            /ヽ;/`゙~ヽニ-、_
                                        /ヽ,;:イ     ` }_i⌒
                             _,..     _,.r/   /ヾ,;:イr/r'゙冫r、
                       ヽ、__,./,  iv‐' ̄ /  /ヽ.'/ル´/)|f'i゙ 'i
                      _ / ,   i ∧ 'r-、ヽ -、/-、イ./ //`ー'‐'゙
                        /   i   l/-_ヽi 、,ヽヽ ー-'、i_ソ,r'ヾ,'
                  ‐=ニ ̄_   /i  i 迅゙'´'r.,fi ヽ =、_,.-'_/ソ
                    `7   イ/i、 l    _ 〉゙i 、 'v'i´_`ー'´
                    /  イ゙'=i ヾiヽ -‐=、 /、_}〉゙´'゙´ `'゙'゙'ー‐'゙ソ
                  フ´ _,.、 ヽ Z'、_    ,.i;'゙         ^゙=-、

                  ´  ̄ ,..L_ヾi ミiヾ' 、/`r゙             ヾ、
                 ヾ,ー-フ⌒i三'=゙ ̄7´ | | ヽ,.i、, 、、,.,r'ー'ー'⌒ヽ、-=゙

                 ,.-'-'、冫'Z     /i   | |/ _`゙´    /   ヽ:;´
               /   ソヾr',)   i ハ,/7-/`/`'゙/ヾ i _r'ナ、    _i
               f⌒i/`i´<三  i」ゝ / //_/ / / / ri  | ヽ/  ヽ_
              r'゙ `´゙、'/´ i_キ、7_゙ / / / ヽ^´'r'ミi=、/ / ヽi r ヾ_    \
             f_r ヽ i=', i´'i゙ソヽ=i |i | |     レ`レ゙ /   |   ヽ     ヽ
            _ir‐ヾ_,i゙ rノ` | /.i !_i| | |    ,____ |    ヽi   i      i
          /   ノ // /イiヾr、'r_'| | |        /--、   |   ヾi     \
        /     /゙/i f i i'゙ ゝヽ_f_ i | |     r-─亠-=、、  ゙/ヽ. |i       ヽ
      /-、 ,.   , , / //'゙ / ハソ  ヽ i__| | |     |i  ____ ヽ /  | |l        i
     /-、,.イ,. ///‐'ノ ノ ' バ、 /lf´| ! i_,   _|` ̄    `ヾ└、  | ||        ヽ
    /   / / '´,. /-イy'´   | ヽヽidi|  | |  _/ `ヽ_,.-r─--`i `'┤ ヾ、 _,.-‐_'´`、、i
   f ‐-、/ / ̄/ \ ̄     ノ  l | /i ,、 | |/        ヾ、      | r'´-'  ̄    ヾi
   |ミ_ニ| / イ    ヽ._ _ /    イ |  i | | /     _,. -亠'  ̄ ̄` ┤/         ヽ



 「……見たずら?」

 男は誰もいない空間に向かって話しかける。

 「サーヴァントの気配、そして令呪。間違いない、今あそこに上がっていったのはマスターずら。

  もっとも……あれだけ警戒心のない様子からして、一般人のようだが」



葛西のサーヴァントのクラス

↓2

謎のキャスター推し


1アレイスター・クロウリー
2エサルハドン
3シュヴァリエ・デオン
4シャーロック・ホームズ(偽)
5キャスター(未解放)
6メアリー・スー
7聖徳太子(変態)
8役小角
9ハサン=サッバーハ(初代)
0今次のどちらか


ちょうど10あったのでコンマで

直後コンマ


 すると、背後から―――――眼鏡をかけた大柄な男が現れた。

 「確かに、あれはマスターだ」

 男―――キャスターは笑う。

 「そして、あれに付いているサーヴァントはとびきりに強力な様子」



            /    /ヽ\ヽ / / ム. l  ヽ.  `、
            /  / l |、ヾヽ丶Y 〃´ | |、   '.   '.
              /  ,'. | |         __| |_ヽ   |   |
          |  |  | |___   / | |  ', │   l
          |  |  | | ̄ ̄ ヽ   r斗f≡ミ、│   |
          |  |  |,ィ≡≦ミヽ 〃=jノ‐┴<i |   |
          |  |  | f¨    ヽニニ{     .| |   |
          ',   |  l_|     l│ ヽ    イ |   |
             、 |  | |ヽ=-- ' .} 、 ` ̄ ´ jノ  │
             Ⅵ  | |      ` __   | | │
               | |  l |ヽ.  r '  ̄   /  .イ |  l     ____
          / ヽ  | |  | | | ヽ  ` -─‐ '´  / | | ノ   /\  ヽ`: : 、
.      / / ∧ レi  | | |__| \   ─ '''  , '  l | /_   /  /\  \: :\
    , ':/   /ヽ  ∧弋.│iノ |  \    .イ _| ノ-  ∨  /:::::::::ヽ  ヽ: : \
  /::::/  /:::::::,   ∧ | lリ ̄ ̄ ̄¨ ¬冖' ̄ ̄ j/    ,'   /::::::::::::/   /: : : : :ヽ
. /: : :/  /:::::::::::',   ∧i |────┐ |  ┌──‐‐¬  {::::::::::: /   /: : : : : : :l
/: : :/  / : : :::::::::::,   ト、| :.:.:.:.:.:.:. :.:.:.| |  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  |::::::::::/   /:.: : : : : : :l
|: : : ',  ヽ:::::::::::::::::|   |:.:`:.:/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ:.l  |:::::::/   /:.: : : : : : : :l
|: : : :.ヽ   ヽ :::::::::: |   |:.:.:.:.|                 |:.|   |::::/   / : : : : : : : : :l
|: : : : : :ヽ   ヽ:::::::::|   |:.:.:.:.|                 |:.|   |:/   /:.:.: : : : : : : : :|


 「で、マスター。今後はどう動くつもりだい?」

 キャスターが問うと、銃を番えた男は首をひねった。

 「まだ聖杯戦争は始まったばかり。相手も素人、こっちはキャスターで準備もできていない」

 「動く理由は、何一つねえずら?」


キャスター判定  性格+1
123 そうだね
456 そうかな?
789 違うよ!

スーパー特殊判定だヒャッハー

123 さらなる登場人物が! キャスターVS???!
456 「彼に興味♂がある」
789 ホテル爆発

重ねるかぁ……

123 「マスターが 暴走する前に レヴァンティン  せいばあ」
456 ホテル発射
789 ホテルそっちのけで全員集合


 「よし、決めた」

 セイバーが、なにやら薄気味悪いことを言い出した。

 「……一応聞くが、何を決めたんだ?」

 おそるおそる聞いてみる。が、返事をしない。

 ただ一言。

 「マスターの供給する魔力は少ないし、この暴走マスターはいつ突撃して死ぬか分からん」

 「ならば、魔力不足で使えなくなる前に……」

 セイバーが、背中の剣に手をかける。

 「対界宝具(レヴァンティン)、撃っておこうかと思ってな」



    ―――――――どうしてそうなった。


 「や、やめろセイバー!」

 「まあ待て。お前の悪いようにはしない」


 セイバーにやめる気は無い。彼女はベランダにずかずかと足を踏み入れ、そして大剣を既に振りかぶっている。


1、令呪を以て命ずる!(多分一回は耐えます)
2、やらせる
3、その他


↓2


 自分より優れた力を持つ者が乱心したとき。

 こういうときの対処法は一つ。弱小魔術師の系譜で、今は一般人同然であるうちの家系には代々伝えられてきた最後の策がある。


 それは―――――土下座。


 俺はベッドから立ち上がり、暴れ狂うスーパーボールのごとく跳ね上がってベランダに飛び出しセイバーの横に着地。

 そして蛙のように地面に這いつくばると、コンクリートの床に頭をごりごりとこすりつける。

 「もうしわけありませんでしたぁ!」

 何はともあれ、とりあえずはこの乱心を鎮めてもらわないと!

 「心を入れ替えます! 入れ替えるので! なにとぞ宝具だけはご勘弁をおおおおおおお!」

 「……」


セイバー

123 ……冗談だ
456 しかしセイバー、当然ながらこれをスルー
789 ……分かった


 「……分かった」

 若干微妙な表情になりながらも……セイバーは剣を仕舞ってくれた。

 「そこまで言うなら、今のところはやめておこう」

 よ、良かったぁ……。

 「しかし、ときにマスターよ。ずいぶんと美しい軌道を描く土下座だったが……」

 セイバーの顔から、なんと声をかけていいものか分からなくて困っているとき特有の微妙な感じの冷や汗がたらたら流れる。

 そして、苦虫をかみつぶしたようなわざとらしい苦笑!

 「……ずいぶんと辛い人生を送ってきたんだな」


 「やめてくれぇ!」

 違う! 確かに楽な人生ではなかったかもだが……毎日一回土下座生活とかはやってないから!



直後コンマ
123 他にも気づかれる
456 キャスター陣営に気づかれる
789 気づかれない

アイヤー

気づかれたマスター

123 強硬系
456 穏健系
789 友好系

しかし、この状況を見た上での友好ということは……


・エダ
・ラウ=ル=クルーゼ
・ざびまる
・シックス
・ジャミル=エルトナム=アウロラン
・ウェストランド=アブハジ=アブカール
・ゾルフ=J=キンブリー
・ジャンゴ
・エヴァ=ギガント


選択

↓2

XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

 「……ワーオ……」


                  /        ///      、      \
                  /          /  | |      i.         \
               /                 ! !     i |           \
            /           i   i !     i i           ヽ
               /           |.   i !.      i }
           /         |   / .i    !j    .} }i  ,.   i
             / /    i  i   /i i ∧/i´. i.i   `/、|ヽ_|\ }       i
         / /{  i   | i 人 |_|_|,|ィ.∨i.  'ム  /i |ゞiノー}/i |        |
         / /./ ./.    | i  ゝ',,z≠≡ミk、 ゞ. / レ'≡≠ミk、i |i |    il |
.         { {/ ./     リ〃  ,rf斧,ハ  \ /  ,.rf斧ハ  ㌔ リ.   i |.i .|
.          ヽ/ ./i . |    ( {{  {{ _人_:}}    `´   {{:._人_:}}  }} i .i / | | .i
.          // | . |    i\゙   x.`Y´ l.          l `Y´x  " / ./ /i|.| .|/
        /\./\|\  \ \. ゙vz_沙//////// / ゙vz_沙  // ./ }i| i
          /.     /\ \ \   ̄,'////,'i'/////,' ̄   フ ./レ' ' i .|
          i ./  /i   \ \ ヽ    /`ー-一´',     /./ .i.  | ,i
          |/  / }.   i\i  ̄    {       }   ∠/i   |   i i
.            /      |   | ゝ、..   `rー´二`ヽ´   , ィ /  .l  i .l l
            /   , ‐-|.   |.   >  γ,ー- 、`ゝ <   |   .|_|  l ヽ
         /  /´:::::::::: |.   |>r一/. `| ´ /^`ヽ_`┐`ヽ一i    |::: : `ヽ、
.        /  /:::::::::::::::: |.   |: /::::/i  |ィ'´,ノ`ヽ、 ̄| /} 丶|    |:::::::::::::::::}   \
       /  /::::::::::::::::::: |.   |/::::::i {  |. ̄ γヽ、_ゝ.} | i:::::i    .|::::::::::::::::::i    \
.      /   {::::::::::::::::::: : |    |:::::::{ |  {     |    l } |:::::|   |:::::::::::::::::::{



 市街地の中。

 望遠鏡で遠くを眺めていたら、唐突にすごいものを見つけてしまった。

 膨大な魔力の塊。今放たれんとしていたエネルギーは、まさにこの世界を滅ぼしかねないほどの魔力の対流。


 「すごい! すごい!」


 暴力系魔砲少女としての血が騒いだ。

 見るだけで興奮するほどの魔力なんて久しぶり!


 ああ、やっぱり聖杯戦争って素晴らしい! 初日でまさかあんなものに出会えるだなんて!

 「よーし、こうしちゃいられねえっ! 今すぐあそこに行きますよ!」


エヴァのサーヴァントのクラス (残り ランサー アーチャー ライダー バーサーカー ただしそのときのコンマ0でエクストラ突入。99系統でも同様)

↓2



Aミノス
Bローラン
Cアンタイオス
D安徳天皇
E聖徳太子(救済機構)
Fヒュドラ
Gアルバート・フィッシュ
H未出

直後トリップ判定(1~8)




 少女の背後に立つ巨大な影は、寡黙なまま仏頂面を貫いている。

 「うー、なんとか言ってくださいよぉバーサーカー!

 黙っていても分かりませんからね? ちゃんと付いてきてくださいよ?」


 少女は弾丸のように飛び出して、魔力の発生点へと向かっていく。

 その後ろから、バーサーカーは。











.        \\                              ,. イ.._ノ
            \\                 ィ、           ,. イ>‐´
            \\、.            ,イヽ \       ,. イ>´
              ゝト "'≧‐ 、..    ,イ \ . ',\. , ィ≦ト〈゙´
               | !   ``"'≧‐、イ ̄¨ト,_,.ィ≦"ー''"゙゙`  | !
                i |         ``i弋△ レ´‐- , イi`>= 、 i i、
.              | |        ,ィ´i ∧ ゚ノ. i|   | !'´  ヽ. | i|
            マ|    ィ´ 〈.i  ',.¨′/  , ィ/',    ヘレ
                 `.     |. /`ヽ、ヘェ/レ≧イ、|'´~"'' - ,,_!、
                  ,r、 レ' 〈   `! ィ'´.  _. ∨. ア、'゛゙丶\. ∧                 ―――――救済開始
                / / ,イ'´゙! ゞ===| !===ゝゝ./ /.  y  `ヽ`i ハ
                  / /|,イ   i/弋、__i 廴_. __y´/    ∨.  i ゙!  ハ ト,
               ゙!. k' ;   /'   ∨y孑=、  ィ     ヽ. ´.ノ ∧ハ`ト!
               i  ゙ヽ、_,ィェア'.  `弋=ゝ´<./      `7′'.   ハト|
.              ノo`ゝ  ,>'´     `ト、_. ゙イ.        | . i   。 qト
            / ,,zュ , '.          /`!i゙i<ヾト,         弋_  。   ヽ
.            ,ィ夂'/ /| /         ノ゙ゞ!i=ゞ!ヘ            ̄`ヽ、!゙ト、iゝ、
          ,イ´.  |< /K'.          ,イ`ヽ  ,ィ'´.∧           i.ヽ !
.     /| |    k'´/          r'. 〃. ゙Y'´ `i. ∧             ト.''\
    ,イ、`ヽ! |.  / /       , イ '∧ /iヘ   , イア  ,、          | ! _
. ,ィ´   `ヽ、!ィ / /     ,ィ'7イ    ∨ i . ゝイ   ',∧! ヘ.         |.i  \



 そう、一言だけ呟いた。


#BCADEGFH


 そして。



                    <\     /|\      />
                 ,小、     > \- ‐<::∨ム∨',    / <
                /::小 ヽ ,r//\\.::∨_仝_∨ヽ//\\  ガン!
           r‐、__ {:/::| ∨Y 〈_/  ヽ. \ヽ-|::  |-イ,.<     ヽ_〉
           !!  ヽ.!:::::! !// > - 、 l,.ヘ>{。△。}< l l ー、      ガン!
       ,r‐r=f::!\/∧:::| ! _//  /`ー、  \ヽ__/ ///!  !
      //! |:! !::l  ∀∧:!.∧___{|__ | r=f~lニニニ | ニニ〈. ヽ | ,r‐、
     / / l |:! l::!   !/ー∨  ,;;,,,;;, `ヾ/ ::l  ____}|{___/`∨ Y  l ll
     / ,' l  !:! !ヽ  !    ,;;;;;;;;;;;;;;:::: |  ::|、〈〈ニニ〉〉  l  /   じ|       |             救済訪問販売!
   ./  l  !  l::! ヾヽ l    ,;;;::;;;;;;;;:: ;;;: ! .:/ て ⌒/   ∨  ,:::::::l、     
   ./  l .!__∧:! /ヽl   ,;;' ;;;;;;;;;::: ;;;: !/  〆ヽ}       ヽ_/ ,r=、l
  /...   l_______∧!/___   '' ;;;;;;;'' ,,;;;;''   (´l | l_〉〉      ,.、 `{ l l }ヽ、                   応答望!
 / |.:::.   /::.    !} { `ヽ   ''''       えニニ{     lヽ\ ヽ-'   \     
/:! !:::::.      /´ ̄! ̄         /、__/´.:::ヽ_____// ..::ヽ、|   <\
ヽヽ..`ニニ==‐'´   / ヽ ____    ___ノ l ! 小.::::/   〃 .:::::   `ヽ∧ヽ  \
  `ー‐'´       //|  .::::::l`¨´    l∨_!_∨:::   /       /\ム\ 〉
            l/  !  :::::::::!      lム ! /:::::   /         ! ∠  \/
              /|  :::::::::|     l  ∨ヽ:::.  〈        |/ | |    ヽ



                |   |     _ ─ 、∥´      \
               |   |   > ´ /´ ̄ {`ー-、       ヽ
             |   |//   ´   / | }   \       }
            ∨ ' {/  / / /ハ , ||  }    ヽ      |
             }  ∧  {/ |/\|/| ハ }| }八\}    |
              /i   } 从_  \ ∨/_リ | } リ    リ
               /. |  /`ー⊂⊃ ̄  ' \ ,リ ト、    /
               /. |  / |  }   / ̄/  ⊂⊃|/
           / /(i_ノ  |  i`} / /   ノ ハ
           / / 〉,   | ハ ::::}ー'_ イ | ヽ
          ノ/  { ∨  |   }::::}ー、i::レ:i | ∧                                イエーイ!
         /  / | ∨ |   |:::}、i_i::i_.{ |L ∧
        /  / .八 ∨ |  {:::::| }::i_i:::、 、:|、∧
     /   /   /-\∨   _}:::| }_i::i_i::ヽ、i_\_、                             やっちゃえバーサーカー!
    /   /   / {:::::::{ヽ Y::::::::} }::i_i::i_i:ヽヽ  }\
  /   /   /    ̄L::{  ー:::: |  }:::i_i::i_i::::}ヽ.ノ  \
 /    /   /      八   }/   }:::::i_i::i_i::iー,∧、   \
./    /   /     __ ∨ /// リ:::::::::::::::::/∧ } \   \

     /   /     /:::::::::\∨:::::::::::::::::::::::::::::/  } } /\   ヽ
   /   /      (::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::/   /  /   ヽ   }


 五分も経たないうちに、ホテルの前に現れたこの陣営は。


         ,イ.| ̄i| |i ̄ ̄|i>。.

        / i|!|i才| |斗-=ミs、i| |>。.
        /|i,x ≦´ .i| |i _   i| |i  |i 。
     /斗´  i||i-‐ |!|i ̄ ̄`ヽ |ij{’ヽ.|i  `'守
    ./´ .| ,. i||i   |i|i-ニ三`ヽi!ヽ  .i!ヽ |ii|`'守 / ̄ヘ
     .|i>i! , ´i!x≦i!|i    \{  `ヽ!. ..ヽ|i  /ヘ    `ヽ/|
     .|i  i|_ ‐ |i   |i|i斗-ミ  |iヤ   ヘ. .|i|*'”          |_    _   ,イ
     .|i*'”i}  .j{--=.|i|i   .>。i! ヤ   i|`ヽ' / ̄ ヘ       `ヽ / / ̄`ヽヘヽ
     .|i  .j{_ ‐ |i|  .|i|斗-=ミ  |i `_  i|>’./            / /´ ̄ ̄ノ'ヘヘ
    .|i  |i_ ‐ .|i|‐=ニ.!!_≠ミ、’|i ― /   j{            ,'   ,.  ´  ノ'
    .|i *'” ̄.|i|-=ァ|i ̄ ̄ミxミ.j{ ヘ {    ヾ≧s、>''´    j{ヽ-   ./            _
    .|i  |i,x≦|i|.  .|i     ヘ{ミ、ヘj{    ヘ     j{___/     /i|_  _     /,―ミ、\
    .|i*'”{  .{.i!   i!-斗-=ミ |i < ’<   斗-===ミ           __,,..>,x≦´.{ {    } }
    .|i  |i _,≪ii!-=ニi|   -=ニ二 ̄    \    /|       |ヘ   /,x  ´     .{ ハ   / /
    .|i-‐|i ̄ |i _.|i ̄二ミヽ三ニ―    ヘ  ヘ,'  Tヽ   .|i/    ̄        ’<三>´
    .|i  |i -=|i ̄ .|i_ニミi、 |i>ー。._   人      | ヘ   '           ,.  ´
    .|i_.‐|i ̄._.|i,x ≦|i ̄ ̄ i!ヽ|i `ヽi| .,イヘ´   _    ヘ |i       _ -=ァニ^¨
    .|i .._|i   |i   !|i     .!|i` 、゚.i!|/     j{ ヘ    ヘ,'     ,'; -ニ_
    .|iニ..|i   |i _ニ..|irぉiひ''*x!|i.  ./ ,イ ヘY  `ヽ         ´   _ニ-
    .|i_ |i_.ニ!|i  ...|i __   .|i /-=ニ ̄!  i´            ヽヘ ̄
    .|i  |i   |i_三ニ|i ̄ ̄`ヽi!.|i  `i|*。..|  {      `ヽ      }、` ト 、
    .|i  |i-三.|i _ニ|i―ニミヽ .|i`ト、..i| `.i|  人__      }   Tヽイ ≧=-
    .|i  |i_.=-.|i ̄ !|i     `ヽ|i` 、...i|i、  |  |i /i|`ト、 _,. ´   / ヘ ヘ
    .|i=-|i   |i   !|i__   !|i>...!i| `i!|  |i' |iヘ  Y ̄`ヽ ̄   ヘ^丶
    .|i  |i_-ニ!|i-ニ .|i ̄ ̄> !|i    |`'守| /` |i  ー'ト  i| ヘ     j
    .|i..,x|i   |i   !|i__   !|ト  .|  !|./`ト.|i>。 | >i。. ヽ   _/
    .|i. . |i_ - .i! ≦´i| ̄ ̄ミ>。|i   .¨ト  i|' .>iト`  ト.、 i|  |`ー', ,i
    .|i-. |i   |i_ニ  |_ニミ   .|i>。 !|  iト _  |i >。トi、 .i|  |
    .|i  |i-=ニi} ̄ ̄|i    `ヽ |i。   ト 、.!|  =-|i 、  |>。!|、 !|
    .|i-=|i   |i   !|i      .|ト゚' * |i  |=-  |i `ヽi|   |  |




  ハイテンションそのままに、ホテルを破壊した。



セイバー陣営判定

123 死亡
456 負傷
789 無傷

【しばらく本編が真面目だからね、ノベルでふざけちゃうのも仕方ないよね】



 「う、うう……」

 突然の衝撃に意識を失っていた俺は、周囲にむせかえる土煙の匂いに目を覚ます。

 はっとして辺りを見渡すと、そこはどうやら畑(とは言っても雪が積もっているうえ時期が時期、なんの畑かは分からないが)で、


 そして。

 「大丈夫か、マスター」

 どうやらセイバーに抱きかかえられているようだった。

 「……ん?」

 状況が掴めず、困惑する俺。セイバーの顔をちらりと見たが、彼女もなかなかに微妙な表情をしていた。



 「私は昔からいろいろと戦ってきたが……」


 セイバーが見つめるその先には、大きな仏像のような……ロボ? と、銀髪の小柄な少女が立っていて、


 「こんにちはー! さっきの剣構えていた人ですよね! お近づきになりたくてきちゃいましたー!」


        ィ'" /       /ヽ\⌒`ヽ、           \\
     /  /     /  /  ゙, ヾ\  \         `、`、
    /   /            ;'   ll  ! \  \         `、`、                           r‐、
    /   /     /  /   j   ll  l   ヽ   ヽ        ヘ∧                           / }
  /     /      ;'  {   {   }} l !        ヘ         ヘ∧                           _/ /
  '   /     { \/! /l  l    !! l } }      ハ         i !                     / _>'⌒\
  j   j/l   { /l/,,l_ l`ト{、/!  ノ  ! jハ__     !  i         i i                     ノ { -―-、 `i
  l  l  {{_{ {  l lf''斧心< Vトl   -‐ナ'「 l }   人  }           i i                     /  { -‐-、  〉
  l j!  { ゝト、 ゙、ト!{:(沙ノヾ`l ∨ ,ィ笊゙)Yl ハ  } ト\j          } }                  {  { -‐-、   j
 |/  人 l  \゙、 `竺゙     ∨弋沙ノj /   j! ! `メミ=-       j i             __  -‐''"Y〈 -┬、   ノ
  j/   !\l\  ミ=:;:;:;      、 ー-  ノj / /l/           j / __   - ― ''"~ ̄        { ヽ_} ト ノ
 /    j  ! トミ=-   ,、_,,_   ;:;:;:;j ノ//             -‐7/ ̄                       __,.. -‐'"
      j  j  ト、      {   )フ    ノ/:::ヽ/⌒`ヽ    / /                   __  -‐ ''"
      /  l  lハ \    弋  /    ィ:/‐-、::/     /ユ-''"                      __>''"
     /  /  l l   > .._     ,,x<:::::::j  /    /{                    >''"
 _,,.へ  /  } l   _ `7" /:::r-、/  /   /{::λ         _  __ -‐''"
 :::::ヽ、:::∨   j __{ x<:::::::::::/ /::::::::! ̄   /  /  \::\   >''"   ̄
 :::::::::::::::/    j/ /  ヘ::::::::j  l:::::::::{    /   ノ      \:::ァ"
 ::::ニ=-/   /ァ‐r‐-<ヘ:::/l  l:::::::::廴  /  /      /
 ::::::::::/   / {+{ヽ ┼ト、l ├=:::::::::}   /    >'"
 :::::::/     /+ノ"l ┼ ┼| !::::::::::::::/   -‐ァ''"::::}
 ::::7     / /   ト、┼ ┼l  l:::::::::::/    /〈⌒`"
 ::/   /┼!ー--l ヘ ┼ l   トミ/>    ̄}::::::::ス
 /    / ┼l::::l:::::::l┼ト、┼l   l:::::::/   /::::/ヽ\



 「……あんなにこやかな襲撃も、あんな不作法な挨拶も、見たことがない」



どうしよう?

1、迎撃
2、話を聞く
3、その他
↓2


 なんだか良く分からないが、あれもサーヴァントらしい。それに……



┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:バーサーカー        【マスター】:エヴァ・ギガント
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┫
  【真名】:聖徳太子            【コスト】:80       【属性】:秩序・狂
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┫
  【筋】:A(50)     【耐】:B(40)     【敏】:C(30)     【魔】:A(50)     【運】:A(50)    【宝】:A+
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
  【特徴】:英雄(菩薩の化身)      【残存魔力】 220/220           【HP】 90/90
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

                                    _ ,,... -‐、'' "´,: :'"
             ,ィ=ュ 、          _ ,, -‐: :''"´_,..-‐''|: :.!´
.          /ハ∨;';';.:`ヽ、__, .-‐'''"~.: : : :._,..-‐'".      i!: :i!
        ム´;`;<ラ'.: : : :.》 ー ''"゙: : : y''''"゙゙.            |: : i!
         |: : ;';'. :r′:、 :l|: : _>-'´                   i!: : i!、
.        , ィ| : :;'. :,': : : : ::リ.イ',∨∧> 、              |: :r'∧
.   ,、,ィ匕彡_}: : : ノ: : : :/:',i `ヽ〈 : : マ、: >、.             i!: :l ∧
 ィ' ン' i!:|  `<"''‐ゝ /: : : |、: :.゙〈: : : :.マ、 : : 〉、.            |: :'!. ∧
  ´  i! i    `マ`ヽ、l: :/: :ヽ: :゙〈: : : :.マ、: : :.〉、            廴i、 |
    i! l       }!: :.Y;;;i: : : :.〉,: :゙〈: : : :.マ、 / /゙〉、.         弋 . >´
.    ,イ: |.        l i: : :i;;;;|: : :.i': :': : ゙〈: : : :.V /: : : i.!>、       `´
   i!|.:.l.         リヾ,: :!|.: : :.| : : '、: i≧.ェ.ュ〈_: : !レ,イ!、
.   i!.|: |       l!: :'、゙!: : :.|: : : :'、i /´ ̄>ー<,゙> 、ゝ,
.   Y'./.          ゙ヤ__i lー 、!: : : :゙i' i: :/: : : : : : : :.` < > 、  ____
.   ´         λ: :i.l: : : :!: : : :.i./ >- 、, ィ=-.: : :./ / 、,r'``´ヽ.: : : : : :. :.`丶
            /,ィ!: :.l.i,: : :.i: : :./.! ノ.: : : : : : : : :. :./ /_,..|.: : : : : : : : : : : : : : :. :.\

              // i',: :i i: : :.マ,イ´゙i.廴 : : : : : : : : ,イィ'''- 7l.: : : :.ゞ=ー、.: : : :. :. :. :.ヽ
              ,'イ ,'´l i: :l |: : :./ _, 辷- 、,.-‐≦孑 l': : :/,イ : : : : : : : : : ` 、.: : : :. :. :. :.゙ ,
.            _l il,': :イ' i: ゙リ_/'´: : ̄ー=- 、≦三.ミ|>イ〈.|! : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
.         ,ィ<7: l!: : /゙ヽイ: :,ィ=ー――ー、: : : : :.ヤ V∧ ゝ-、゙`ヽ.: : : : : : : : : : : :. :. :. :.i
       /: : : :.厂.: :. :. :. :.| ,< >――ー、 `ー―'  V ∧: : :.`ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : イ
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫




 強い。セイバーでも簡単には倒せないだろうこの強さ。

 下手に敵意をむき出しにするのは良くない。

 穏便に行こう。

 「ええと、あんたらは……」

 「エヴァ・ギガント十八歳でぇす! 実年齢はひ☆み☆つっ! キャハッ!」

 「救済予備軍?」


 ――――まるで要領を得ない。


直後キャスター陣営判定

123 撤退
456 介入
789 セイバーが察知


【キャスター陣営の動向はカットで】


 さて、立ち話も何だし、相手が聖杯戦争の参加者で、交流を深めるとするならば、場所を変える必要がある。


 「……そうしないと、警察とか来るかもしれないし……」

 「大丈夫ですよ!」

 若干汗を垂らしながら俺がこぼした一言を拾い上げた―――――エヴァとかいう少女。

 「私は生粋の魔術師です! 私の力があれば、警察ごとき楽勝です!」

 ああ、なるほど。警察に暗示をかけてくれたりするのだろうか?

 「そう、バルカンさえあればね!」

 そう言ってどこからともかく身の丈ほどの大筒を取り出したエヴァ。

  魔術って何だ。

 「こいつで全てぶっ飛ばせば……」

 「至極単純。救済完了。最大多数幸福」


 駄目だこいつら、早く何とかしないと……




【今日はここまで】

【本来は、真面目にやるのがこっちのスレの趣旨だったけど】


【今本編が真面目だし、エヴァとか救済太子とか出てきたし】

【はじけるよ】


 この町にある唯一の、サニーフロンツコーヒー。

 牛の鳴き声が聞こえてくるような、牧場の近くにぽつんと一つ立っていた。

 やはり、この町の営業担当はどこの会社も何かがおかしい。立地のミスが目立ちすぎる。

 どうして牧場の雰囲気を味わいながら、都会風のエスプレッソを飲まなければならないんだ。



 さて、普段ならこんなおしゃれなところには来ない俺だが、今日はちと事情が違う。

 手元の珈琲をあおるように傾けながら、流し目で正面をちらちらと。


 そこには、鎮座している銀髪の美少女の姿と、なにやら炎を発する仏像型の巨人のようななにか。


 全うに話が通じそうな陣営と初の接触だ。

 後ろに控えるセイバーも、神妙な面持ちを崩さない。


 「……えーと……」


 正面に座る少女―――――エヴァ・ギガントとかが、交渉の場の口火を切った。


 「私たちと同盟しませんか?」



 ど直球な、勧誘だった。




 背後でセイバーが俺の身体を小突く。

 分かってる、いくら俺といえどもここで飛び込むほど馬鹿じゃねえ。

 聖杯戦争は腹の探り合い。

 まだ互いの能力も分からないんだ。ここでの安易な動きは勝敗に直結する――――。


 慎重に、慎重に。表情の小さな機微も見逃さないように。

 まるで蛇が穴の空いたコンクリートブロックの間をくぐり抜けるように。

 神経を張り巡らせて。

 俺はエスプレッソをテーブルにおいて、

 「……なぜ、俺たちに?」

 と言いかけた。すると、

 「せいっ!」

 ゲイボルグのごとき勢いで指を突き出し、俺の言葉を遮ってくるスタイルのエヴァ。

 指さした先にあるのは俺じゃない。セイバーだ。さらに言うなら、セイバーの剣だった。


 「その剣の魔力を、遠くから見ていましたよ~!

  とんでもないものをお持ちですね!」


 「あ、ああ……」


 自陣営のサーヴァントの宝具ならともかく、現時点では敵でしか無い上にいずれ敵になると分かっているサーヴァントの宝具が

 派手だからといって喜ぶ奴なんて、そうはいない。言われたセイバー自身、困惑の色を隠せていなかった。


 「私は、その剣から最大出力のブラスタアアアアアア! が飛び出すのを! 間近で見てみたいんですよ!」

 エヴァは、まるで躁なんじゃないかと思うようなぶっ飛んだハイテンションを維持している。

 「ですから! 私とあなた方で! 同盟を組みませんかと申しているわけなんです!」

 ……理解はできないが理屈は分かった。

 さて、どうしたものか……



1、快諾
2、拒否
3、さらに質問
4、その他

↓2


 やはり、相手方の行動理念ははっきりさせておかなくてはならないだろう。

 同意できなくとも理解。 理解できなくとも、最低把握。

 「どうして」

 慎重に。

 「どうして、セイバーの剣の発動を見たいんだ?」

 聞くと、ぐっと指を立てて不敵な笑みを浮かべるエヴァ。

 「そりゃあ! 決まってるじゃないですか!」

 確かにきまってる。まるで麻薬をどか飲みしたかのようなこのハイテンション。

 まあそれはさておき。彼女があまりにも当然のことのように言うので、

 俺は一瞬、何か大きな勘違いをしていて、これには当然至極導き出されるべき摂理があるのではないかと訝しんでしまった。が。





 「私は派手なのが大好きなんです!」




 そんなことはなかった。

 いや、結論を出すのは早計だ。もう少し様子を見よう。

 俺が真顔のまま手を組んで制止していても、エヴァは構わず話し続ける。

 「いやー、もうねー!」

 へらへらと笑っているエヴァだったが――――その表情の奥に何があるかまで知ることができるわけではない。

 ただの馬鹿ではないかと、結論を出すにはまだ早い。

「私って、昔から傭兵としてあちこち回っていて……それで、ずっと戦火の中に身を置きながら生活していたんですよ」

 話題に暗い一石が投じられた。

 場の雰囲気がシリアスに変わっていくのを肌で感じる。

 やはり彼女も、何かの事情があってこの戦いに――――

 「物心ついたときにはもう戦場のまっただ中。そして、魔術と科学のコラボレーションを駆使して、戦場で毎日バズーカをぶっ飛ばす日々……」

 「そして、今回の任務はこの聖杯戦争における万能の願望機たり得る聖杯を回収すること」

 「でも、駄目なんです。この国は平和すぎる」

 そういうと、彼女は腰をもじもじと動かし始めた。

 神妙な空気にクエスチョンマークがつき始める。

 「ええと……つまり、銃弾飛び交う刺激的なアレ漬けにされてぇ……」

 アレというのは何のことだろうか、分からない。

 「もう、アレなしじゃ生きていけない身体にされちゃったんですぅ……」

 「お願いします! 爆発を、もっと爆発をおおおおおおお!」




 ―――――そんなことはなかった。



 「あ、ちなみに時給は一万円です♥」

 「いや、しらねえよ!?」

 傭兵の相場とか分からないから、高いのか安いのかも不明瞭だ。


 「さて、と……」

 目の前のフラペチーノを全て飲み干したのか、手元のプラカップを牧場に放り投げて(おい)

 そしておもむろに背中から大砲を取り出し(えっ)、それを寸分違わぬタイミングでぶっ放して、宙を舞うプラカップを粉みじんにしてから


 「返答を拝聴しましょうか」


 エヴァ・ギガントが手をさしのべてくる。


 今の行程に何の意味があったのは、俺にはさっぱり分からねえ。


 「同盟か、否か」

 「ちなみに断ったら?」

 「それは……」

 エヴァは黙って後ろを振り向く。

 「救済! 救済!」

 背後には、シャドーボクシングに勤しむ仏像の姿が。


 ……ああ、だいたい言わなくても分かった。

 救済されるのな、物理的に。


 セイバーは背後で黙ったまま目を閉じている。

 恐らく、一切の意見を出す気が無いのだろう。

 これは、俺が決めるべきことであると……





 どうする?

1、協調
2、対立
3、逃げる
4、その他

↓2


 よし、ここで荒波立ててもしょうがない。

 「分かった。ひとまずのところは同盟だ。だから騒ぎになるようなことはしないでくれ、いいね?」

 「えー……」


         x-―- 、
    //     ヽヽ
    //        ヘハ
    //         l }       __
   j j          !l  ,,.>''" ̄__  ̄ ``丶、
   l l          jl// '" ̄ ̄ ー-ミ `丶、  \
   l l          ィj -、          `ヽ、     ヽ
   l l        / /   ヽ⌒`丶、        \   \`、
   !l       / / /       \ \      \ `ヽ、ヾ、
   l !     /  ∥ l l  ハ  l \  \ \    ヽ  \ ヾ、
    l !    /  / l l l   l  l  ヽ   ヽ  ヽ   ヾミ=- ヽ ゙、
    ll    / /  l l l    l l l   ト l  Y  、  l l   \ヽ、
     ll  / j  l    l     l l l ,,,__l斗}く }ヽ ト}   l 「ヽ    ヾ゙、
      、  l  l  l   い゙、   l } !lハ } jノ ,,x云}/l   jイl  } \  \
       ゙、 l  l     { ゙、ヾ  j/l/l l  l z彡f_)沁 l /l ハ } ノ   \  \
      ゙、l l }   i  ト -へ∥ j l  j    乂;;ソj//l/  j 癶       `<,,__
       、 { l    人ト{ \ j云、         /}  //l{{ >―- 、  \  `丶、
         lトl l い  いヽ彡く,,心、         ノ// j::::У::::::::::::::::::\   \   `丶、
          }} j∧ {\l\ \ ゞ;;ソ ,;  -―- 、 /l / /::/:::::::::::::::::::::::::::::\   `ヽ、    `ヽ、
         ∥   ヽ   {j  {    / .: .: .: .: .:\ノl  /:::j:::::/:::::::::::::::::::::::::::ヽ `ヽ、 \    \
   〈(_ノ/       ノイ >''" ̄/: .: .: .: .: .: .: .: .:\┴、l::/::::::::::::::::::::::::/::::::::ヽ  \ \    ヽ
    `ー           /: .: .: .: /.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:`} ∨::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::Y   \ ヽ    ヽ
              /.: .: .: .: .: .{.: .: .: .: .: .: .: .: .j: .: .: j /:::::::::::::::::/::::::::::::::::/::::::i     \\    ゙
               j.: .: .: .: .: .: l.: .: .: .: .: .: .: .: {.: .: .:ノ l:::::::::::/::::::/::::::/:::::::::::::i      ト、ヽ  l
               {.: .: .: .: .: .: .!.: .: .: .: .: .: .: .: V.: /イ }~::::::::::/:::::::::/::::::::::::::::::::i      l ヽ\} }
              }.: .: .: .: .: .: .l.: .: .: .: .: .: .: .: .:∨:/j/:::::::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::i      l ゙、 V

                j .: .: .: .: .: .: .l.: .: .: .: .: .: .: .: .: Y::::::::::/:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::i      l  、ハ
                i.: .: .: .: .: .: .: l.: .: .: .: .: .: .: .: .: .}::::/:::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::::::::/::::i     |  ハ i
                l.: .: .: .: .: .: .: l.: .: .: .: .: .: .: .: .: j::/::::::::::::::::::::::::/ .: ヽ::::::::::::::/:::::::\      j ノノ} }


 露骨に嫌そうな顔をするエヴァ。だがしかし、そこでごねても仕方が無いと思ったのか。

 「分かりました。じゃあとりあえずはそれで我慢しましょう。ただし!」

 ぴっ、と、俺の方に指を突きつけてくる。

 「ちゃんと、見せてくださいね? あのブラスタアアアアアアアアアアアア!!」

 「お、おう……」


  やはり、彼女のテンションにはついて行けない。


 「救済不履行? 不良債権?」


  こいつにいたっては、何を言っているのかも分からない。


 一部始終を黙って聞いていたセイバー、俺が結論を出した後に、おもむろに口を開く。

 「ところでマスター、今後の宿はどうするんだ?」


   ……あっ。

コンマ判定
5以上で助け船が。


 そういえば、こいつらの訪問(襲撃?)のせいで、今後寝泊まりする予定だったホテルがぶっ壊れたんだった。

 「しまったなあ……」

 寝泊まりする場所を確保しないのはまずい。

 通常でもまずいのに、ましてや今は聖杯戦争だ。

 いつ寝首を掻かれるか分からない状況で、のざらしに無防備な身体を曝すのは、いくら馬鹿でもやらないぜ。

 しかしどうする? この町は観光するものなどなにもない小さな田舎の町だ。

 続くホテルをすんなりと見つけられるだろうか? INAKAに泊まろうなんてやっている余裕はないぞ?

 ……などと、俺が黙って考え込んでいると、あの甲高いハイテンションな声が耳元に飛び込んでくる。

 「困ったときの魔砲少女エヴァちゃん相談室!」


 ……いや、知らないけど。


 「大丈夫ですよ! 泊まる場所がないなら私が提供します!」

直後コンマ判定
123 森
456 民宿
789 家


 「私が今泊まっている民宿、確か空いていたと思うので、其方の方に入れないかどうか聞いてみますね!」

 この脳内オールウェイズ昇天ガールにしてはあり得ないほどまともな答え。俺は度肝を抜かされた。

 そんなことをしている内に、目の前ではエヴァの手によって着々と予約の準備が進められていた。電話で。

 まだ俺は返事をしていないのに。

 「えーと、はい、はい。そんな感じでお願いします……おめでとうございます! 空きがあったそうですよ!」

 おめでとうも何も、頼んでさえいないのだが。

 「……だがマスター、彼女たちが君を罠にかけようとしているようには思えない」

 確かに。

 というか罠にかけるだけの能があるのか?

 「今突っぱねても仕方ないし、其方の方に厄介になるのが安牌だろう」

 セイバーの言うことは間違っていない。

 だが、もしこれが罠だったとしたならば――――実に荒いやり方だが、最初から仕組まれていたということになる。

 用意は周到だろう。

 警戒しなければならない。


1、受諾
2、拒否
3、その他

↓2


 まあ、罠ってことはないだろう。馬鹿っぽいし。


 「よし、じゃあ頼む」

 「はいはーい、お任せくださーい!」

 へらへらと笑いながら、その辺りを一通りくるくる回って……最後に空に向かって空砲を打ち上げてから、エヴァは仏像の上に飛び乗った。


 「ではでは! 参りましょう!」


 仏像は長い足を駆使してずかずかと歩んでいき、セイバーも軽い足取りでその後を追う。

 俺だけがひいひい良いながら、しんがりを小走りで付いていった。





直後コンマ、2以下で罠だった


 たどり着いたのは、山間にある大きなお屋敷。

 見た目は普通の家のようだが、よく見ると表札に『民宿』の二文字。

 「民宿というより、旅館だなあ」

 庭には池があって鯉が泳いでいるし(今は夜なので暗くてよく見えなかったが)

 雪が積もった松には雪づりがしてあって実に風流だ。

 玄関もやたらと大きい。少なくとも俺の家の二倍くらいはある。

 「それでは、ここがこれから私たち狂剣同盟の本拠地ですね!」

 オーナーにとってはえらい迷惑な話である。



  ……などと考えていると、目の前の扉がガチャリと音を立て、それからゆっくりと開いていった。

 自動ドア? いや違う。普通に、中から人が出てきたようだ。



 出てきた奴(オーナー)

属性判定
1混沌悪
2   中庸
3   善
4中立悪
5   中庸
6   善
7秩序悪
8   中庸
9   善
0   自由選択

属性ってあてにならないからね……
使えるメンバーだけ厳選

1・狛枝凪斗
2・三沢大地
3・清水苗
4・葛西小十郎
5・本郷武蔵
6・八百比丘尼
7・風霧早苗
8・ノゾム=アーチボルト
9 自由選択
0 ???


直後コンマ


 扉を開けて出てきたのは、いかめしい面をした大男だった。

 男は仏頂面を崩さないまま、家の中に向かって指を指す。

 「……入れ」

 その迫力。

 醸し出す熱意。

 それは、間違いなく並の人間に出せるものではなかった。



/´ ̄ ̄ ̄ ̄お ̄`ヽ              彡:.:.:./:/:.:.:ヘ: !:./:./;,'i^リ:.〃ハミヽ   γ´ ̄お ̄ ̄`ヽ
|   行 お 客   |                 (::'⌒:.〃:.,:.:i:.::!:./:,:':::::::ト、:!:.:ハ: 彡    |  客 や   |
|   け 部 様   .|                 彡'⌒'::::, '人从{リ:;{:::::,'/)ノソ:.:.人ハ    |  様  っ   |
|   ! 屋 は  .|                く</ハ:.::/ ¨モェ,ミミ;ト^'´く::/:.::/::.:ノノ    |  か. ぱ   |
|      へ      .|{⌒ヽ            ハ:、「!;'     ^' ; 人ミミ ji:.:,、'’    |  ・  り    |
ゝ______ __,ゝ\ \__         .{:./:ゝ       ,:' ^ヾ' ノ:イ/       |  ・      |
                、 ,..⌒>.、   ノノ::,’:i    _ `¨ラ^    /:;':ノ         |  ・      |
                 >  '  入  {;i!:.:} i:、  ¨-=:,':、   ,.::,.:.’         ゝ______,ノ
             _,ィ'   ./ ,:⌒ミV:.:.:! i            イ/{
         _,...ィ'    ィ'´  /   \|   \    イ .ィヘ
      ,. '" 人 __,.-==ヘ_/   _,.     \__}:::::.¨¨´   .ij iト-- 、
    /::::       'ー=/ハ人_¨'⌒,ノ、     }\:.:/   ィ' /ハ.   \__
    ;::::           -=< ̄::'^¨¨:'-‐ミ__ __ノ ノ }-v' ´  //   、      ¨ヽ
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 危機管理能力が告げる、素直に従わなければ死ぬと。


 俺は言われるがままに荷物を抱え、指定された客室へと向かっていった。

直後部屋判定
123 ボロ
456 綺麗
789 相部屋


 広い部屋。

 床の間には掛け軸が飾ってある。

 冷蔵庫には高そうな飲み物がずらり。

 掛かっている絵画も、なんだかどこかで見たことがあるような……

 畳にはしみ一つ無く。

 埃の気配さえ感じ取れない。

 そして何より、テーブルの上に和菓子(それもこの辺りの名産品!)が置いてある。

 つまり何が言いたいかというと……


 「ここ、旅館じゃね?」


 民宿という概念が良く分からなくなってきた。








 で、首をかしげていると、ドアをノックする音。

 誰だ、エヴァか誰かが訪ねに来たのか、と思っていたら……


 「ふう、済まんな。当世の服を着ると霊体化したときに都合が悪い。なるほどなるほど、なかなか便利にできているじゃないか」


 ……浴衣姿のセイバーの姿がそこにあった。

 「何してんだお前」

 「……温泉が素晴らしいぞ。実に私好みの温度だった」

 「何してんだお前」

 満喫してんじゃねえよ。自由か。自由なのか。

 「あ、風呂は午前二時から午前五時の間は使えないらしいから、入るならそれまでにな」

 もう言葉も出ない。

 俺はがっくりと膝から崩れ落ち、座布団のしいてない座椅子の上にへたりこんだ。




【今日はここまで】

諸事情により、本スレ【安価・コンマ】八百万の英霊よ、聖杯大戦だin高知fifth【募集鯖鱒】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406295825/)で行っていた聖杯大戦と
こちらでやっていた戦争を入れ替えます。

詳細は上記スレにて。




――――

―――――――


――――――――――――




―――――――――――――――――――





 水面に、波紋が広がる。

 二重のさざ波は折り重なって無数の紋様を描き、城塞を取り囲む真っ新な湖のキャンバスをざわつかせた。

 波紋は、水面の上に立つ二人の人影を起点としている。

 前方、そびえ立つ和の大天守を背にして立つのは、顔を半分ほど覆面で覆った鋭眼の女。

 後方、それに対面するように立つのは、くたびれた体勢を取る、猿顔の男。

 男―――――”赤”のランサーは、戦国の覇者にして七本槍を従える男、豊臣秀吉。

 そして女―――――ガーダーは、その側室の一人にして、かの英雄が唯一落とせなかった城、忍城の城主、甲斐姫。


 生前から並々ならぬ因縁を持つ両者は今、サーヴァントとして現代に回帰し、

 そして再び忍城の前で相対することになった。


 ただし、違っていることがある。この忍城は、ガーダーの魔力によって練り上げられた結界の一部に過ぎず――――

 さらに、今守るべき対象は、忍城ではないということだ。


 ガーダーは、抜いた刀を腰に戻して屹立する。

 彼女が今守るべきは、彼女の今の主(マスター)。

 それ以外にない。なぜなら彼女は、『守る』ためにこの場所に来たのだから。

 故に彼女のクラスは『ガーダー』であり、

 彼女の戦う理由は、そこにしかない。


 一方、”赤”のランサー――――彼はというと、しきりに辺りを見渡して、ふむふむと意味の分からない頷きを繰り返している。

 「……」

 ガーダーは、彼が何かまだ対抗する手段を持っているのではないかと訝しみ、彼の焦点の合わない目をぐっとにらみつけた。

 「ははっ、やめろよ」

 その眼光は飛ぶ鷹を射貫くほどに鋭く、並の人間ならば震え上がって仕舞うほどだったが……”赤”のランサーは、そしらぬ風におどけてみせる。

 「今回の攻防はお前の勝ちだ。俺の手札は尽き、俺にできることは何一つない」

 「だが、お前にできることもない。この状況下でも、とりあえず四分までは持って行ける余力は残っている」

 「そして、四分まで持っていけば、あとは死ぬまで粘ってやるさ」

 ――――この場合の死ぬまで、とは、”赤”のランサー自身のことではない。

 ”赤”のランサーのマスター、エーファント・ホリーが死ぬまで、の意味だ。



 この結界に”赤”のランサーが囚われる直前まで、彼は彼で、別の城塞の結界を発動させていた。

 それが彼の宝具の一つ、『墨俣一夜城』。かの宝具は、墨俣の地に奇襲的に城を築き上げた彼の妙腕――――

 軍略家としての側面が、宝具となって昇華したものだ。

 その能力は、一瞬にして霊地を完成に導き、そこから得られる全ての魔力を根こそぎ吸い尽くし、

 事実上無限大の魔力運営を可能にすること。

 尤も、それだけでは半永久的な活動が可能になったと言うだけで、戦闘面においては片手落ちだ。

 そこで彼のもう一つの宝具――――彼の切り札、『賤ヶ岳七本槍』が活きてくる。

 この宝具は、彼の手となり足となり、何より槍となって粉骨砕身の戦いを見せた七人の英雄、賤ヶ岳七本槍の面々を、

 宝具こそないもののそれ以外はほぼ完全に再現し、彼の支配下において召喚する宝具だ。

 彼が一介の農民から日の本の頂にまで登り詰めた二つの要因の一つがその軍略能力だとするならば、もう一つは『人たらし』の性分。

 その人間を陥れ、自らの手の内に陥落させる異常なまでの言論能力こそが、この『賤ヶ岳七本槍』の存在のよりどころになっている。

 当然、完全な形で英霊を復元させ、なおかつそれを個別に操るとなると、膨大な魔力が必要になる。

 なるのだが――――ここで活きてくるのが第一の宝具、『墨俣一夜城』。

 その城から得られる魔力によって、彼と彼のマスターは、英霊を何人抱え込もうといくらかの力さえ必要としない。

 あとは全て、霊脈から漏れ出す魔力がやってくれるのだから。

 そうして築き上げられた驚異の英霊八人体制は、今回の聖杯大戦に参加する誰よりも高い制圧力を発揮して、

 かの悪の手から町を、仲間を守ろうとする、青の陣営の前に立ちはだかる。


 しかしながら、その強さは二つの宝具が互いに相互補完し合う限りのものであり、片方が失われればもう片方も十全な力を発揮できなくなる。

 このときガーダーが取った戦略は、まさにこの均衡を崩すための正攻法だった。

 『墨俣一夜城』は結界宝具の一種である。これは、制作者である”赤”のランサー自身が城塞の中に居ることでその効力を発揮する。

 ――――ならば、”赤”のランサーを強制的に城から脱出させてしまえば良い。

 そのためにとれる手段はいくつかあるが、もっとも堅実かつ確実なのが、ガーダーがとったやり方――――即ち、

 別の結界宝具によってランサーを隔離するというやり方だ。



 得てしてその企みは成功し、"赤”のランサーは自らに無尽の魔力を与える野城の加護から切り離される。

 ”赤”のランサーも、ガーダーも、今結界の外側で何が起こっているかは分からない。

 だが、特にイレギュラーがなければ……ランサーと隔離されたことによって機能を失った墨俣一夜城が代行していた

 膨大な魔力消費の負荷が、”赤”のランサーのマスターであるエーファント・ホリーその人に回帰し、

 命に関わるほどの重圧を与えているだろうということは予想がつく。

 そして、バーサーカーでも無い限り、サーヴァントがマスターから魔力を吸い尽くすことで結果的に殺してしまう、などということは起こらない。

 魔力が尽きたときの出来事は至ってシンプル。サーヴァントが消滅する。それだけである。

 誰から消滅していくかは定かではない。場合によっては、賤ヶ岳七本槍の管理者である”赤”のランサー自身が真っ先に落ちることで、

 ホリーが否応なしに全てのサーヴァントを失ってしまう可能性もある。

 あるいは、七本槍で消費が大きいものから順番に落とされていく可能性もある。



 ともかく、時間が経てば経つほど”赤”のランサーの戦力は間引かれていく。

 これだけ多くの相手に喧嘩を売った後だ。一人二人の損失ならばまだしも、七本槍の半分を失ってしまえば、もう彼に勝ちの目はなくなるだろう。

 たとえ令呪を通常の二倍である六画所有しているという事実を差し引いても、だ。

 彼がランサーとして現界したのは、『賤ヶ岳七本槍』という、彼にとっての槍を保持しているからこそ。

 故に、賤ヶ岳七本槍を失うことは、槍兵が槍を失うことと同義だ。

 武器を失えば、どんな強者でも満足に戦えない。彼の場合も同様である。


 であるからにして、彼にとってこの状況を打開することは何よりも優先すべき急務だった。

 なんとしてでも、疾く、この結界を脱出しなければならない。

 誰もがそれを理解している。彼自身も、そして、彼を幽閉したガーダーも。

 だが、”赤”のランサーは動かない。無駄だと知っているから。彼に今できることはなにもないと、的確にして迅速な判断を下せているから。

 彼は、力の使いどころを知っている。天命が自らの手を離れた時を知っている。

 彼が脱出するには、彼のマスター、つまり、エーファント・ホリーが、令呪を使って彼を呼び戻すしかない。

 だが、今まで存在しなかった身体への負担が、突然に群れをなして押し寄せてきては、あるいは意識が途切れるかも知れない。

 そうでなくとも、負荷に耐えきれず、令呪を使うことが頭から転げ落ちてしまうかも知れない。そうなればどのみち、自分たちはここで脱落だ。

 だが、仮にそうだとしても、ランサーにできることは何一つない。

 故に彼は動かない。

「俺にできることは、待つだけだからな。、ま、気長に待たせてもらうわ……っと、おっと、寝転がるわけにもいかねえのか。不便だなぁ、この場所は」

 頭の後ろで腕を組むと、彼は―――――足下の水たまりを一瞥して、肩を僅かにすくめて見せた。



 ガーダーの結界宝具『忍の浮き城』は、前面が水で満たされた、固有結界とは似て非なる大魔術である。

 この場にあるガーダー以外のあらゆる存在は、足下に広がるまとわりつく水流に足を取られて、正常な移動及び戦闘を行うことができなくなる。

 ガーダーだけが、水面の上を鳥のように駆けていき、動きがとどまっている相手に対して一撃を与えることができる。

 それが、この宝具の第一の側面。



 「……」

 何の躊躇いも驚きも表情に見せない”赤”のランサーの表情を、ガーダーはじっと見つめている。

 同じだ。今目の前に立つその男の雰囲気、気位、スタンス、外見、精神性……どれも、かつて自分の前に現れた英雄豊臣秀吉と相違ない。

 だが、何かが違う。今の彼には、決定的に何かが欠けている。

 なぜそう感じるのかは分からない。だが、その原因だけは―――――ガーダーにとって、考えるまでもなく良く理解できた。

 しかし、口に出すのは憚られる。なぜならば、その答えは、英霊豊臣秀吉を、あるいは傷つけるものになり得るから。

 ガーダー個人の感情として、それは選びたくない道だった。

 ガーダーとランサーの関連性は深い。特にガーダーにとっては、”赤”のランサーの存在は自らの存在に深く関わり、

 ”赤”のランサーの名がおとしめられることは、ガーダー自身の名にも大きく影響を及ぼす。

 だが、彼女はこうも思う。

 だからこそ、乗り越えなければならないと。

 たとえ、彼の名を落とすことになろうとも、その欠缺を指摘することこそが、自分がやるべき行為なのだと。


 「貴方は……」

 ガーダーが口を開く。

 戦々恐々として、探るように静かな声で言う。

 その違和感のある口ぶりに、思わず”赤”のランサーも眉をひそめ……そして理解した。

 彼女が、何を言わんとしているかを。


 「貴方は、エーファント・ホリーの魅了の影響下にある」


 そしてガーダーは言う。決定打を。

 ”赤”のランサーは、それを、何の感動もないような表情で受け止める。

 「……どうして貴方が、このような単純なミスを犯し、うかうかと分断されてしまったのか、ようやく理解した。

  思えば、貴方が取った行動は、当初よりどことなく不可解だった。恐らく秘密兵器と思われる例の巨人の腐敗体を

  戦闘が始まる前から引っ張り出し、大きな戦力に対して自身の戦力を正面から打ち当てるという、猿でもできる凡庸な戦法を取り……

   ……まあ顔は猿ですが……

  そして極めつけは、敵方に結界宝具も違いないかを入念にチェックすることさえ怠って、迂闊に全戦力を投下し、

  今の結果を招いた。

  かつての貴方なら、犯すことのない過ちだ。

  なぜ注意力がそこまで散漫になっているのか、理由がしばし掴めなかったが……ようやく合点がいった」



 豊臣秀吉。

 多くの人間を操り、多くの人間に取り入って、その地位を高みへと押し上げていった人物。


 だが彼は、その性質故か、あるいは本来の性分故か……同様に、人に魅入りやすい質でもあった。

 織田信長。徳川家康。前田利家。石田三成。千利休。お市の方。淀殿。

 その憧れが一瞬になるか長期になるかはさておいて、彼が人生の内で魅せられてきた人物は数知れず、彼が抱いた憧れの数は、どれだけあるか分からない。

 人を魅せられるが故に、人に魅せられ。

 人を知るが故に、人を知りたいと欲し。

 耐えることのない優秀な人間への興味は、しばしば彼を陥れ。

 それでも、その探求は飽くことを知らず。

 英霊となった今でも、彼は変わらず、求め続ける。


 そして、今、ランサーの目の前に立つ姫君――――甲斐姫もまた、彼が憧れた人物の一人だった。

 だからこそ、彼は彼女を側室に迎え入れ、そして愛を注いだのだろう。


 「本当に、節操のない人間好きだ」

 ガーダーは、呆れたように腕を組み、脱力したままのランサーを見つめる。

 ランサーは目をつぶったまま、なにも答えない。

 「故に、直感も機能していないのだろう。もし正常に働いていたならば、結界の網を逃れることも不可能ではなかったかも知れない」

 「ああ、そうだろうな」

 ランサーが静かに口を開く。

 「確かに俺は今、あのマスターに魅了されているのかもしれない」


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 「だが、それがなんだ?」


 「人は人を魅了し、魅了されて、生きていくものだろう。

  いや、人じゃなくてもいい。まばゆいばかりの黄金に、華々しき栄光に、頂に立つ権力に……

  あらゆるものに魅了されて、人は生きていく。

  心を奪われ、それを取り返そうと奮闘するときに、人の営みが生まれる」

 「確かに俺は、うっかりしていれば心を奪われてしまう、ある意味チョロい奴なのかも知れない」

 「だが、この方が楽しいぜ。世界中が宝石箱みたいだからな」

 「逆に聞くぞ。

  世界のほんの少しのものにしか魅了されない……すばらしさを感じないのだとしたら、

  一体どうして、生きていくことができる?」

  ランサーの言葉は暖かだった。

  それは、かつて親交を深めたものへの配慮か、それとも―――――



 ”ランサー、令呪を以て命ずる、私の元へ! 重ねて令呪を以て命ずる! 私のところへ……”



  ―――――答えが出される前に、息も絶え絶えな令呪の招集がかけられ、ランサーの脳内に響き渡る。

 「どうやら、お姫様の呼び出しのようだ」

 「じゃあな、お姫様」

 令呪二画の消耗を以て、ランサーが結界から外へと運び出される。

 目の前から無限の水面は消え失せて、代わりに見慣れた大地が現れる。

 「よう、遅かったなマスター。今までに何人くらい消えた?」

 ランサーはそんな軽口を叩きながら、大地にうずくまってうんうんうなっている彼のマスターの前に降り立った。

 「……う、うう……」

 「おっと。消耗が激しいならしばらくゆっくりしてろ。無理に喋らなくていい。

 どちらにせよ、あんたの力が及ばなかったならば、あんたの仕事は特にない。いや、二人のマスターを行動不能にする。十分仕事をしてくれた。
            お れ た ち
 さて、ここから先はサーヴァント の仕事だ。

 何人残っているかしらねえが、点呼行くぜ! 順番に声を張り上げろ!」

 マスターをいたわり、味方の手勢へと檄を飛ばす。その手際の良さはまさに統率者としての経験の深さを表していた。

 彼の声に続き、七本槍たちが数字を読み上げる。

 「一!」

 「二?」

 「三!」

 「四!」

 「五!」

 「六!」

 「よし、脱落者はゼロ……あれ?」

 ここでランサー、異変に気づく。

 おかしい。記憶が正しければ、おおよそ五分程度は魔力供給が絶えていたはずだ。エーファント・ホリーの魔力は、魔術師としては平均以下。

 とても六体の英霊を同時に使役できるほどではない。

 一人、あるいは二人程度の損失は覚悟していたはずなのに……そこまで考えて、ランサーは一つの結論に至る。

 もしこれも、彼女が所有する魅了効果の一つだとしたら?

 スキルや宝具の恩恵によって、魅了効果が表層にまで出ることはないのかも知れない。

 だが、しかし。

 目に見える部分でその魂をつかみ取るように作用した僅かな『つなぎ止める力』が、英霊の消滅を今一瞬食い止めた――――?



 言ってしまえば、この仮説はただの根性論で、サーヴァントの現界のメカニズムがそんなことで乗り切れるようなことなのか、ランサーは知らない。

 だが、その可能性は十分にある。むしろ、それ以外の可能性を、ランサーはいまだはじき出せずに居る。

 (これは楽しみだな……)

 思わず、ぺろりと舌なめずり。

 やはり、未来有る人間の近くに居るのはいい。

 彼女がどれだけ成長し、どのように変わっていくか……聖杯戦争を通して、しかと見届けてやりたい。ランサーは改めてそう感じた。

 ならば、この戦いにも勝たなければならないだろう。

 「全員、槍を取れ」

 彼の号令と共に、武器を手に取る音が聞こえる。

 七本槍全員が、臨戦態勢を整えた。







 「野郎共、ここが天王山だ。総員気を引き締めてことに当たれ」


 ランサーが令呪によって脱出し、それから僅かに遅れて……

 結界を解いたガーダーも、墨俣城がそびえ立つ今の戦場、桂浜公園に戻ってきていた。

 「戦況は?」

 ガーダーが問う。クロノは小さく首を揺すった。

 「奴らに表面上の損失はない。令呪二画を消費したが、それだけ」

 「そうか……」

 ガーダーは、少し眉を落とした。

 鼻から下の表情は、彼女の顔を覆う布のせいで分からない。

 「あれだけ大口を叩いておきながら、大した戦果を上げられなかったこと、謝らなければなるまいな」

 「いや、気にしなくていい。今は謝る時じゃない。気にするべきは目の前の敵だ、そこを見誤るな」

 クロノは、既に戦闘の準備を整えた敵方を指さした。

 あつらえた武器を完備し、魔力面でも一切の不備をなくし、そして万全の体調でことにあたらんとする”赤”のランサー陣営。

 対して、水戸タワーの毒気に犯され、武器を”赤”のランサーの能力によって封印され、マスターの二人の動きを止められた青の陣営。

 たとえ敵の本拠であり、かつ本質的には1VS4の戦闘のはずなのに、追い込まれているのはこちらである。

 いかに相手が入念な準備を施しているか。そして、豊臣秀吉という英霊が、いかに恐るべき脅威を保持しているか。

 クロノのみならず、青の陣営の(その時点で意識のある)全員が、その事実を受け止めた。

 「だが、ここで勝利すれば、奴らは二度と霊脈の要を取ることはできない」

 それでも、クロノの精神は折れることなく、只管に前を向く。

 「それに、ユイを取り戻すことができる」

 その強靱な精神がどこから湧いてくるのか、誰も知らない。

 何故に、岸波黒野と言う人間がこうまで精錬された精神を持っているのか、当の本人ですら答えを持たない。

 だが、事実、彼の魂は朽ちることを知らない白銀の輝きであり。

 どんな絶望的な状況であっても、その輝きは曇ることを知らない。

 「皆、ついてきてくれるな」

 そして……誰よりも前線に立とうとしたクロノを……

 「待て」

 ”青”のアサシンが引き留める。

 「いったいお前はどこに行くつもりだ。まさか、前線に出て戦うつもりじゃないだろうな」

 「まさか。ちょっとしたジョークだよ」

 そういって、はにかんだ。アサシンは呆れたようにため息をつく。

 「まったく、付き合ってられんな」

 だが、口角が少し上がっていた。



 さて、青陣営の面々もやられ続けではない。

 ”赤”のランサーが隔離されていたしばしの間に、彼らも一通りの戦闘準備を固めていた。

 ”青”のライダーは、その宝具である二台の戦車を展開し、そのうちの一つに乗り込んだ。

 「正直火力不足だが……まあ、文句は言えまい」

 そうやってこぼす声は周囲に反響して、どちらの戦車から鳴るものなのかが分からなくされている。

 ヴィクティムは、困った顔をしながら、震える手で戦闘態勢を取っている。

 恐らく、元々戦える性分ではないのだろう。おそらくは宝具か武器を頼りにしていて……それが、ランサーの手によって封じ込められた。

 で、手詰まりになり、やむを得ずがたがた言いながら無理をおして出てきたということらしい。

 「う、うあ~っ! か、かかってきなさっ、い!」

 声がうわずっている。やはり無理をしているらしい。

 「……ヴィクティム、無理なら無理で下がっていれば……」

 「そんなわけにはいきませんよ!」

 声はまだ震えていて、歯はがちがち鳴っていたが……その言葉には芯があった。

 「私は……マスターに呼ばれてきたんです。だから、マスターのために戦うんです。

  私みたいなのが、まっとうなマスターに呼ばれるだなんて、想像もしていなかったから……だったら、その幸せを、手元にたぐり寄せなくちゃ、いけないんです!」


 ――――――まとも?


 ヴィクティムの言い分に違和感があったのはさておき。

 前線に立てる人員は多いほどいい。ヴィクティムが戦えるというのならば、それを退かせる理由は特にない。

 「なら、頼んだ」

 「言われなくとも! は、はあっ!せいやあっ!」

 一人でシャドーボクシングのようなことをやるヴィクティム。だが、明らかに初心者の動きだ。同じく拳法を修めていないクロノにも分かる。

 大分無理しているということだけは、良く伝わってきた。



 ヴィクティムとの会話が終わり、クロノは、残り二人に目を配る。

 ガーダーは、両腕をくるくると回しながら、準備運動のまねごとのようなことをしている。

 「武器が使えないなら、徒手空拳と言うことになるが……」

 「まあ、そういうのも悪くない」

 そういって、半身になって深呼吸をするガーダーは、まるで熟練の格闘家のよう。同じ拳法のまねごとでも、ヴィクティムがやったそれとは雲泥の差。

 鍛え上げられた戦闘の経験は、たとえ土俵が変わっても、十分すぎるほどの威圧感を醸し出す。




 「マスター」

 不意に後ろから声が聞こえた。アサシンだ。クロノは振り向き、彼女が立つ姿を見る。

 「宝具を使うぞ。構わんな」

 無言で頷く。アサシンもそれに、黙ったまま答えた。

 「……我が手にて、かの軍勢の勇姿を今に伝え行かん」

 そして、まるで刀を手に持っているように、アサシンの両手が結び合わさって。

 「『新撰組顛末記』――――山南敬助」

 言の葉が空を舞い、現実となって彼女の身を包む。



 涼風。暖風。二つの相反する風の流れが渦を巻き、彼女の周囲を取り巻いていく。

 風の一部はほどけて彼女の手元に集積し、そして剣の形を織りなす。

 そして残る大半は……彼女の肉体全体を包み込み、淡く桃色に色づいた。

 「総長よ、しばし貴方の力を借りる」



 新撰組総長、山南敬助。

 温厚な性格ながら、とらえどころのない人物であり、文武両道を体現したもの。

 余りに優秀すぎたが故に、新撰組の破滅を予見し、それを理解されなかったが故に――――自ら命を絶った男。

 アサシンは、かつての日を思い出す。

 彼女が、とらわれの身となっていた山南に対し、逃げるよう助言を加えたとき、山南が言った言葉を思い出す。

 「一度、壬生の狼の頭を務めたならば―――――」

 今でもはっきりと覚えている。

 「――――――誰よりも見事に、その死を迎え入れなくてはならない」

 嗚呼。

 アサシンは、そのとき深く理解した。

 これほどまでに。これほどまでに卓絶した人格の持ち主でなければ。このような荒くれ者の集団をまとめることはかなうまい。

 だからこそ、その命を失うのが惜しい。だがそれ以上に――――この人の魂を穢してはならないと、深く感じた。

 だから、彼の覚悟は、彼の栄誉有る死を以て飾られなければならないと、理解した。

 故に彼女は、最後、彼を逃がすことなく、彼の死をしかと見届けた。

 そして、その代わりに―――――彼の気高き魂を、後生へと伝えていくことを肝要とした。


 そうしたからこそ……今、彼女の手にこれはある。

 新撰組顛末記。幕末を駆け抜けた剣豪達の足跡。

 その伝説を、後の世へと伝えるもの。


 そして、それを伝播するものとして。


 「では」


 アサシン―――――永倉新八は。



 「行こう」


 その誇りと共に、刀を握る。


 最初に仕掛けたのは、”赤”のランサー陣営側。

 誰よりも最初に動いたのが、大将首の豊臣秀吉。

 彼に続き、七本槍筆頭の福島正則、続いて加藤嘉明が飛びかかり、三名で一斉にガーダーを取り囲む。

 「……また結界を使われたら面倒だ。てめえにはここで、最初に、つぶれてもらう」

 「……」

 「……」

 一つの言葉も交わさないまま、秀吉の思惑通りの布陣が形成されていく。

 流石の戦略家である。そして、自らが選び抜いて育てた戦士達である。

 目だけで互いの意志を感じ取れる程度には、秀吉も七本槍も、互いのことを理解していた。

 ガーダーは、こうなることを始めから予見していたようで、特にうろたえるそぶりはない。

 「ああ、全力でつぶしに来い」

 どころかむしろ、さらに戦意を盛り上げて。

 「ならば私は、全力で抵抗させてもらおう」

 意気揚々と、戦いに望む。


 「ちっ――――!」

 分離させられるとまずい。

 アサシンはそう思い、ガーダーの元へと駆け出した。しかし。前に現れる大男。

 「おっと、ここは通さねえぜ」

 七本槍の一人、脇坂安治。アサシンが立ち止まると、

 「……」

 背後を、同じく七本槍の二番手、加藤清正に抑えられる。

 「分離の標的は、なにもガーダーだけじゃねえんだよ」

 「つぶせる限りの戦力を投入し、二番目に厄介なてめーも、最初からつぶしてしまおうってな!」

 「……」

 甲高い声が耳につく。アサシンは、黙って刀を構えて見せた。

 「……二人がかりで本当に良いのか?

  私の刃は、二度斬るぞ」


 残ったのは、ヴィクティムとライダー。

 そして七本槍二名。片桐且元、平野長泰。

どちらがどうという考えもなく……ただ、合流を防ぐためだけに、両者の前に立ちはだかる。

 『……実に不愉快だな』

 戦車の中から、ライダーがこぼした。

 「愉快とか不愉快とかは付け合わせに過ぎません」

 「マスターを守る。そのためには、私たちが、勝つんです!」

 ヴィクティムの声は、やはりどこか震えていた。



【今日はここまで】

【結局戦闘まで行かなかった……明日にはたどり着かせます】

【処理が重いと言った理由、分かってもらえただろうか】


やっぱ七人は多すぎるな
今度から補正的な数値に変えた方がいい気がする

乙ー
戦闘って前に出したコンマ使うんだよね?また↓35までコンマ取らないよね?

>>730
取るわけないない
>>729
恐らく今次で秀吉は引退
主人公と黒幕の両方こなした鯖なんて他にないし、ある意味頼朝より高待遇


 「せいやああああああっ!」

 ヴィクティムが、そのか細い腕を突き上げながら、正面に控える自らの相手――――平野永泰に突撃する。

 天を衝くほどの大男に対して、ヴィクティムの身体は歪なほどに小さい。

 体格差だけ見ても勝敗は火を見るより明らか。

 「らああっ!」

 そして、振り抜かれた拳の速度も、英霊というよりは人間のそれである。

 何もかも、英霊を相手にするには十分でないといえる彼女の動き。

 受ける側の平野が、そのあまりに幼く華奢な体躯を前にして、攻撃するのを戸惑うほどに。

 「―――――っ!」

 そして、戸惑っている内に……彼の鎧の腹部付近に、ヴィクティムの拳が突き立てられる。

 しかし、その一撃は薄弱にして脆弱。平野の肉体には米粒ほどの損壊も与えず、かえってヴィクティムの拳が砕けたように。

 「あっ、うぁあ!」

 「……」

 あるいは、装甲を避けて筋肉が露出している場所を狙って放てば、まだどれだけかダメージを与えられたかも知れない。

 だが、平野の心に明確な油断と戸惑いがあるのを見抜いていたヴィクティムは。

 下手な小細工でその油断を振り払ってしまうことを畏れ、まず一撃目を無謀ともいえる鎧の特攻に持っていった。

 当然ダメージはある。しかし、目の前で通じない攻撃を見せられた相手も、またいくらかばかりは攻撃に躊躇するはず、そう踏んだ。

 そしてその隙をつなげれば、やがて大きな意識の陥落が生まれる、そう踏んだ。

 ヴィクティムはさらに第二撃をがら空きの鉄の壁へ―――――

 「突っ!」

 しかし、ヴィクティムのそんな算段……あるいはこざかしい策略を、一笑の元に粉砕するように。平野の長槍が、ヴィクティムの腹部に突き立てられる。

 「ふっぐぅ!?」

 醜悪に表情をゆがめるヴィクティム。その折れそうなほど細い腕や小さな身体が、一種の猟奇性を想起させる。

 口から血とも泡ともつかぬ液体を吐き零しながら、ヴィクティムは自身の誤算に気づく。

 そうだ。自分の相手はあの平野永泰だった。

 戦国が終わり、時流が移り変わり、豊臣の天下から徳川江戸幕府へと世界が変貌していって、七本槍ですらその流れに逆らわなかった当時。

 唯一、最後まで豊臣型であることを選び、結果、大名として大成しなかった平野永泰である。

 少なくとも、この場に居る六人の配下の中では……彼以上に秀吉に対して忠誠心の強い者は居ない。

 逆に言えば、この場に居る誰よりも、豊臣秀吉という人間のために泥を被ることができるのが、平野永泰という男なのだ。

 「ちと心が痛むが……」

 永泰は、ヴィクティムを突き刺した槍を頭上に掲げる。人一人の体重が付加されているとは思えないほどに、

 その槍はあっさり軽々と持ち上がった。

 「――――これも聖杯大戦の常じゃ、お嬢ちゃん」

 そして、その槍を……地面めがけて振り下ろす。

 ヴィクティムの顔面が大地に打ちつけられ、ばきばきと、不快な音が響き渡った。

 一方、”青”のライダーと、七本槍の一人、片桐且元の戦い。

 対面するのは二台の戦車と、槍を番えた老齢の戦士。

 『進撃!』

 指向性を持たない指令が、電子音に乗せられて戦場に響く。外側から見ては、ライダーがどちらの戦車に乗っているのかは判別がつかない。

 「実に面妖な宝具じゃが……」

 片桐は、面倒そうに槍を軽く回転させて、

 「……とはいえ、やるしかあるまいて」

 そっと、構えの姿勢を取った。

 『Fire!』

 並んだ戦車の双方の砲門から、神秘の要素を含んだ榴弾が放たれる。

 本来は神秘のかけらもない近代兵器であっても、聖杯のフィルターを通して英霊の宝具として顕現することで、

 神秘に依ってしか傷つけられないサーヴァントに対して有効な攻撃手段となる。

 だが、それはあくまで『有効』であり『効果的』ではない。

 よく知られているとおり、神秘と神秘がぶつかったとき―――――

 「……他愛ない」

 ―――――打ち勝つのは威力ではなく、より高い神秘を持っている側。

 片桐が切り払うように結んだ槍の一薙ぎは、轟と音を立てて迫り来る砲丸をあっさりとはじき飛ばした。

 そして、その流れのままに、片桐は前方へと跳躍。戦車の片方に、目星を付けて飛びかかり、

 野獣を狩る蛮族の如く、戦車の中央に手元の槍を突き刺した。

 槍は鉄の装甲をあっさりと貫通。砂の山に旗を突き立てるようにあっさりと。

 そして、片桐は槍をすぐさま引き抜いて、その場を素早く飛び退いた。

 続いて、爆散。

 人の身丈より遥かに大きな戦車が、槍だけを備えた老戦士の手によって破壊される。

 これが、英霊の持つ格の差。たとえ正規に呼び出されたのでなくとも、積み上げてきた歴史の差が物語る、地力の差。

 正面衝突で有る限り、近代の軍人が近世の武将に勝てる道理はない。

 だが、それはあくまで完全なる一騎打ちならばの話である。



 破壊したのでない方の戦車から、砲丸が飛来しているのに気づき、片桐は再び槍を払う。砲丸が粉々に砕ける。

 しかし、それに続いて……片桐が予見していたよりいくらか巨大な爆発が、戦車を中心にして発生する。

 「――――――!」

 砲丸の対処で体勢を崩していた片桐は、その煽りを迂闊にも受けてしまう。

 直撃、とまでは言わないまでも、飛び散った破片のいくつかが、胴体に鈍く打ち付けられた。

 『侮るなよ、槍兵』

 たったひとつになってしまった戦車隊の中から、”青”のライダーの声が聞こえる。

 『貴様等に神秘の後押しがあるのならば、我々には人類が積み上げてきた知識と歴史の恩恵がある』

 『十七世紀の兵法と、二十世紀の軍略の違いをお見せしよう』


 ”青”のアサシンが相対するは、六本槍の加藤清正と脇坂安治。

 地震加藤に貂の皮、いずれも名だたる強者である。

 しかし、アサシンは怖じたりはしない。

 勝算があると、勝ちに持って行ける手段があると、はっきりと理解しているから。

 「……」

 ”赤”のランサー、豊臣秀吉のスキル『刀狩り』によって武器が封じられている青の陣営側にあって、

 武装を展開できているのはライダーとアサシンだけである。

 ライダーの近代的すぎる装備(戦車)は刀狩りの対象外となり、

 アサシンが編んだ魔力の刃は、彼女が背負う新撰組の栄光と強さそのものであり、武器と言うよりは本質に近い。

 これもまた、刀狩りで取り上げられるような代物とは一線を画するだろう。

 「……」

 魔力の刃を手元に携えて、アサシンは周囲を一瞥する。

 状況確認――――

 前後を熟練の戦士に囲まれている。

 外部を取り巻く情勢も決して良いとは言えず、いつ敵方の増援が来てもおかしくない。味方の援軍は期待できない。

 かつ、万全の力を出せているわけではない。地力では、あちらの方に軍配が上がる。

 ――――と、まあ、状況確認終了。そして結論が出る。

 「何の問題も無いな」

 この程度の苦境ならば、生前嫌と言うほど味わってきている。

 そして、そのたびに乗り越え続け、そして天寿を全うした。

 今目の前に立ちはだかる困難など、困難の内に入るまい。



 ただし、それは相手が凡庸な戦士であった場合の話である。

 仮にも史実に名を轟かせた英霊を相手にする以上、甘い考えで突っ込むのは早計。

 たじろがず怯えない静穏の精神は勿論不可欠であるが、それが恐れを知らぬ獣の進撃となっては、容易に足下をすくわれるだろう。

 アサシンは意識の網を広げ、距離を詰めつつある両者の一挙一動を漏らさず感知し続けた。

 「……」

 「……」

 「……」

 状況は動かない。にらみ合いは続く。

 ――――アサシンは知っている。このまま停滞し続けても活路は見いだせないことを。

 時間が経てば経つほどこちらは不利になる。ならば、無理を承知で戦況を動かさなければならないだろう。

 だが、相手もそのことを理解している。

 だからこそ無理に距離を詰めようとせず、一定の間隔を保っている。

 こちらの攻め手を封じ、他から助けが来るのを待つために。

アイヤー⁉︎
違う違う、書き込んだと思ったのに書き込めてなかった!
待って今すぐ書き込むから


 だが、対抗策がないわけではない。

 アサシンは刀の位置を下段に落とす。

 「……」

 警戒し、身構える槍兵二名。だが、こちらがなにをしようとしているのかを知っているはずがないし、それならば対策できていないのと何ら変わりは無い。

 アサシンが刀を握るその力が緩み、そして―――――

 「あまりこのような使い方はしたくなかったが」

 瞬間的に、刀を構成する魔力の全てをふりほどく。

 ぱっと、花が咲き乱れるように、仄かな淡い芳香がして、加藤と脇坂に、僅かな酩酊感のようなものを味合わせる。

 「……んくっ?」

 そして刹那、意識がふつりと途切れて―――――本当に僅かな時間だったが、隙が生まれた。

 その『一瞬』をこじ開けるように。

 比較的実力が勝ると思われる加藤清正の方にあえて狙いを定め、まず初撃は下からの掌底であごを殴打。

 「ぐはっ……!」

 脳しんとうを起こさせる。続いて、再び刀に戻した魔力の刃を構えて、大ぶりな袈裟切りを食らわせる。

 普通ならば、いくらバランスを崩しているとはいっても易々と食らってはくれないだろう。

 だが、瞬間的なカリスマ効果による擬似的魅了・精神干渉。

 加えて最初の一撃による脳震盪。

 もはや加藤の状態は戦えるものではなく、それ故に、大ぶりで適当な袈裟切りもあっさり見に受けてしまう。

 そして、袈裟切りの方を適当に終わらせたということは……

 「この……ぐっ!?」

 背後からの攻撃に対応し、振り向きざまに剣を振る。槍の穂先が弾かれ、反動を受けて揺れ動く。

 完全に弾ききることはできず、腕に僅かな傷を負ってしまったが、それは想定の範囲内だ。

 そう。

 袈裟切りを軽く流したということは、背後から槍でアサシンを突こうとしていた脇坂安治の攻撃にも対応できるということ。

 むしろ、迂闊に背を向け、加えて攻撃を完了している状態は、ある意味(少なくとも表面上は)隙だらけに映り……

 必然、脇坂の槍裁きにも甘えと油断が生じる。

 その僅かな気の緩みですら、こじ開ける。自分のものにする。

 それこそが、アサシン=永倉新八の戦闘理念。

 無数の修羅場を生き抜いてきた、新撰組最強の戦士の生き様。

 その強さ。

 「覚悟しろ―――――」

 そして、槍のコントロールを失った脇坂には、また一つの隙が生じる。

 その隙を狙い、アサシンが構える、必殺の魔剣への方程式。

 流れに一切の無駄はなく、動きに一切の迷いはない。

 上段からの切り下ろし、そして下段からの切り上げ。

 その二つの相反する剣戟を、まったく同じタイミングに繰り出す、彼女固有の必殺秘剣。

 繰り出された時点で誰も逃れられず、捕まった時点で、敗北を覚悟しなければならないんだろう。

 それほどに完成された、戦闘のための剣技。

 「――――――『龍飛剣』」


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 `''<,゙´  _,,.. -`-¨゙''l¬―- ......,,,__       ./     ./      .l゙        !               /
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`'ー ..,,,            `゙'ー ..,_   ./     /         l            ,!     `'-,   .\
    `゙''ー ,,_            `''ッ"    ./        /         l        \.   .\
            `゙'''ー ,,,、      ,/     .,iく,,_           /            |         `'、   .\
              `゙'''ー  /      ./   `゙'''ー ,,_  /          !           ヽ    \
                 /      /            `゙}゙          }            ヽ     \

 凝縮された風圧。連続する多段判定。鋭い殺意。その顕現。前に踏み込む神速の足運びが、彼女の剣技の威力を高め、

 磨き上げられた直感が相手の抵抗を封じ込める。

 必然、一切の身動きは無為となり、攻撃は必ず成功する。

 脇坂の心臓と頭蓋骨が、同時に切り裂かれ、致命傷を負った身体がぼろぼろとほころびていった。

 「貴様等は全員合わせても七人、しかも相手はたった二人……」

 崩れゆく脇坂の肢体を見下ろして一言、アサシンが言う。

 「だが私の背中には、二百人の新撰組の隊士の魂が宿っている。負ける道理は、どこにもない」



【今日はここまで】

 各所で三者三様の戦いが行われている最中、マスター達の関心を最も集めていたのは、

 ”赤”のランサーとそれが率いる二人の槍兵、その進撃を迎え撃つガーダー。

 ガーダーがこの状況を乗り切れば、再度の宝具展開によりランサー側はさらなる戦力喪失を強いられる。

 対して、ここでガーダーが潰されれば、青陣営のジョーカーが失われるだけでなく、余剰戦力が他へと流れ出す。

 現状苦戦を強いられているライダー、既に瀕死のヴィクティムはもとより、今のところは優位を築いているアサシンであっても

 これ以上戦力が投入されれば生命線を繋ぐのは難しいだろう。

 青陣営は、現在マスターの二人が昏倒している。

 仮にガーダーが倒されたならば、マスターが機能していないサーヴァント二騎が、そのまま直接的に窮地に立たされることになる。

 令呪は使用できない。つまり、ここでの敗北は即ち消滅、失格へと直結する。

 マスターの命が無事に守られるかどうかも怪しいだろう。

 情勢はまさに背水の陣であり、決して負けるわけにはいかない戦い。

 別地点で繰り広げられる三つの戦いは、突き詰めれば枝葉の部分に過ぎず――――この戦闘を望む形で終わらせた側が、

 真に勝利をつかみ取ることになるだろう。

 だからこそ、”赤”のランサーこと豊臣秀吉は、七本槍の二騎に加え、自ら戦線に加わりガーダーを殲滅しようとする。

 私情の有無など問題ではない。

 「……」

 既に、話すべきことはお互い十分に話したというのか、それとも、戦場に言葉は不要と考えているのか。

 ランサーもガーダーも、互いの口を固く結んで、一言も言葉を発しようとしない。

 ランサーが、腰に身につけた太刀を抜く。

 正宗と同格の名工とされる鎌倉時代中期の刀鍛冶、粟田口吉光が鍛えし唯一の太刀。

 本来は二尺八寸三分の長さを持っているが、小柄なランサーはそれを二寸七分まで磨き上げた。

 名工の刃が、日本史上屈指の英雄にとって、最適の形で具現化する。

 宝具と言える爆発力は持たないが、その漏らすことない堅実さ。隙の無い佇まい。

 豊臣秀吉という人物像を表しているかのようだった。

 右翼に備える七本槍筆頭福島正則は、かつて秀吉から拝領した家宝の大槍、日本号を構える。

 かつては正親町天皇や足利義昭など、時の帝や天皇が所有したこともある、脚色要らず、文句なしの大宝槍。

 左翼には加藤嘉明。沈勇の士の異名を持つ彼は、七本槍随一の賢明な判断力と柔軟な思考の持ち主である。

 武器には特に逸話は無い。



 長柄が脇を固め、中央に太刀使いを置いたその布陣は、得物を抜き出して並べてみれば、まるで三つ叉の矛のようである。

 武器。団結性。個々の格。それぞれが一流の要素要素を組み合わせることで、一種の隊列に過ぎない概念がある意味での宝具へと昇華する。

 槍のみを操るだけでは完璧とはいえず、生身では一流の武芸を体現し得ない。

 ”赤”のランサー――――豊臣秀吉という英霊が所有する槍の真髄、ここにあり。

 「……」

 対するガーダーは武器を構えず、右肩を引いて半身の体勢を取っている。

 ”赤”のランサーが保有するスキル:刀狩りによって、宝具を含めた一切の武器の発動を制限されているためだ。

 それでも物怖じすることはない。

 それが、彼女が代々受け継ぐ戦場に立つ女としての心構えであり、覚悟と責任。

 一度誰かを守ると決めたならば、それを貫くまで引いてはならぬ。

 数呼吸ほど間を空けて、ランサーが太刀を掲げる。

 戦闘が始まった。

 「!」

 脳にじんじんと響く雷のような金属音が響いて、クロノははっと目を見開いた。

 目の前で起こっている戦いを、はっきりと視認することはできない。

 ランサー側の三名から繰り出される突き、払い、切り上げ。布を織るように弾幕を作り上げる無数の剣戟を、ガーダーは間一髪のところでいなしている。

 両手両足をフルに駆使した格闘術。

 武器を失った程度で揺らぐ強さならば、それは始めから持っていないのと同じ。

 裸一貫で、それでも誰かを守れてこそ、真の強さと言える。ガーダーのスタンスはそうだ。

 攻勢を続けるランサー側の三名の動きには、一糸乱れぬものがある。

 並みの協調では、誰かと誰かの攻撃同士がぶつかってしまうだろう。それがない。

 たとえこれ以上無いほどにシンクロしていても、並みの戦士ならばどこかで攻勢を緩めてしまうだろう。それもない。

 三人一組の連続攻撃としては達人の域にあるこの攻撃に対し、たった一人で、凌ぎ続ける。

 ガーダーの技術もまた、人の身を逸脱した妙技の連続だった。



 尤も、ランサー側がこのとき本当の意味で完全な力を出し切れていたならば……あるいはガーダーは敗れていたかも知れない。

 一見、霊脈によるバックアップ、陣地による加護、加えて毒気による敵方の戦力低下と、十全すぎる準備を整えて、

 これ以上無いほどに優遇された状態にあるようにも見えるランサー陣営。

 だが実は―――――霊脈の魔力を全て吸い出したとしても、七騎の英霊全てを満足に動かしきるには不足がある。

 それは、塵埃にも似た軽微な綻びに過ぎない。大局的に動く分には、それは計算に入れるべきでないほどの欠陥に過ぎない。

 実際、維持するのみならば何の問題も無いし、戦闘を行うにも決して不足はないのだ。

 ただ、一度に吸い出せる量の限界から……あと一押しというところを、どうしても踏み切れないでいる。

 しかし、圧倒している状況に変わりは無い。

 ランサー陣営以上にガーダーは攻め入れないし、ランサー陣営が用いれる魔力は事実上無限大だが、ガーダーが使える魔力には限界がある。

 時間が経てば経つほど不利になるのは、ここでも同じ。

 そして、均衡が維持される、即ち『後一歩を踏み込めないでいる』のは、あくまで七騎の英霊がランサーの力で現界しているときに限る。

 つまり、一つでもこぼれ落ちれば――――――



 「……!」

 剣戟と格闘はそれから十分の間続く。

 流石英雄と言うべきか――――魔力がまだ足りているというのも一つの要因だが、それにしても状況に一切の曇り無く、その闘技に一切の鈍り無し。

 お互いに疲労や心労を一切感じていないからこそ、戦況は至って変わりなし。

 だが、それもこのときを境に崩れ始める。

 戦闘開始より十分と二十秒。福島正則が1430回目の突きを打ったタイミング。

 秀吉の脳裏に、糸が途切れたような感覚が走る。

 そして彼は――――一つのことを理解する。

 七本の槍の二本目が折れたことを。

 脇坂安治の消滅を。

 非情にも彼は明晰にして合理的であり、彼が今すべきことが哀悼でも弔い合戦でもないことを知っていた。否、弾き出した。

 脇坂安治が消滅したと言うことは、彼が抱える七本槍は残り五本――――魔力に余裕が生まれ、、『後一歩を踏み込む余力』が生まれる。

 「仕掛けろ」

 ランサーがパチンと指を鳴らし、一歩後ろに下がる。両翼の二人はそれに対して前方に出で、三つ叉の槍を二叉に変える。

 戦況が動き出す。

 何が起こったのかまで配慮を及ばせるには至らなかったが……ガーダーも、何かが変わったことだけは理解できた。

 今までは、三名がほぼ均等に位置取り、個々の僅かな隙を埋めるように攻撃を展開していた。

 無理に攻めようとはせず、ただ、ガーダーが攻勢に移るのだけを封じ込めるための刃の弾幕。

 だが今は――――中央に陣取り隙間を埋めていた秀吉が一歩後ろに下がり、残り二人は前のめりの攻勢をしいてきている。

 ガーダーは後ろに下がりながら、彼らの動きに目を配った。

 相手にしているのは武勇に優れた戦士であり、それは最初から変わりない。

 だが三人が三人の穴を埋めつつ、均衡を保とうとしていた先ほどと違い、二人となり、前のめりの特攻に出た今ならば。

 隙が見える。

 これまでさんざん隙の無いところを見せ続けられたが故に、通常以上に。

 「隙が……」

 何か違和感を覚えつつも、ガーダーは打って出ることにした。

 どのみち消耗戦では勝つことができないのだ。陣形を崩した直後の今であれば、つけいることも難しくない。

 むしろ、このタイミングを逃せばチャンスはない。それに、隙も―――――

 「―――――見えて居るぞ!」

  ―――――ある以上に、見えていた。

 ガーダーが振り上げた拳を、待ち構えていたかのように。

 福島正則と加藤嘉明が、互いに視線を合わせて、にやりと笑う。

 "しまった。"

 ガーダーが、嵌められたことに気づいたそのとき。

 彼女の腹部を、にほんの槍が貫いた。





【今日はここまで】

【明日には……明日までには終わるはず……】


 「―――――がはっ!」

 福島正則の槍『日本号』が、ガーダーの腹部を貫いた……しかし。

 うめき声を上げたのは、加藤嘉明。左側より出で、ガーダーに槍を突きささんとしていた、もう一人の槍兵。

 何が起こったのか理解していたのは、戦闘に参加していたサーヴァントでは、後ろに控えていた秀吉だけ。



 時を僅かに遡って三秒前。

 福島正則、加藤嘉明……この二人がガーダーに対して刺突を繰り出した瞬間、ガーダーも慌てて拳を繰り出す。

 しかしリーチの差。経験の差。体勢の差。双方の攻撃順を変える要因はなく、拳が届く可能性はないように思えた。

 だが、槍が前に突き出る直前、ほんの一秒ほどの僅かな遑。

 加藤の動きが、遅れた。

 「俗に言う予防医学という奴だ。少々荒っぽいがな」

 下手人は医者、馬場透。彼の手から飛び出す、魔力を帯びた狭長の白布。

 それは彼の手元から銃弾のように飛び出して、加藤嘉明の胴回りを一環。

 僅かながら、その動きを拘束した。

 -リファレンス- 馬場透
 ◆全自動包帯
 対象に自動で巻きつく包帯。治療の際に便利な品だが、敵に使う事で束縛し動きを制限させる事が可能。
 【使用することで対象の敏捷-20。重ねがけ不可】

 ガーダーはそれを見逃さない。馬場も、それを知っていたからこそ、戦場に人間が手を出すような無茶を平然と行ったのだ。

 現在、青の陣営が抱えるサーヴァントのうち、好機をものにする力はアサシンに軍配が上がるかも知れない。大局的な戦略性では、ライダーの方が上かも知れない。

 だが、それらを総合的に組み合わせた、サーヴァント全体としての評価では――――間違いなく、彼女が最上位に位置することになる。

 セイバーが落ちた今は、実力的にも彼女がトップである。

 状況を理解したガーダーは、即座に決断する。

 迷うことに意味は無い。どうせ日和っても傷を負い、

 ならば、片側のバランスが崩れた今――――片方の攻撃をたとえ食らったとしても、隙のできた方を戦闘不能にする。

 それが最善策。勝利へ繋がる細い糸をつかみ取る跳躍。

 福島正則の槍が脇腹をかっ割き、血肉が桜の花のように散らばった。

 同時にガーダーの拳が、加藤の鎧甲冑の間接部、ちょうど隙になっている部分を的確に穿つ。

 同時にそこは人体の急所。発剄の応用を用いた一撃が加藤の身体に振動を与え、槍を手元から落とさせた。


 そして今に至る。


 ガーダーは振り向くと、脇腹に添えられていた日本号を蹴り飛ばし、二人の槍兵から距離を取る。

 福島の方には大した傷を与えられていないが、加藤の足は止めた。

 自身の傷は浅くない。苦戦を強いられるのは間違いないだろう。だが、まだ戦える。

 その位の覚悟ならば、やってきた。 痛みなどものともしない。劣勢など気にとめない。

 折れることなく、ただ只管に目的を完遂しようとする不屈の意志はまさに脅威の一言である。

 だが、肉体までも折れずにいられるかというと、そうでもない。

 血液が抜けていた。意識がもうろうとしている。

 視界が少しくらんでいたようで、ふらりと意識が立ち消え―――――そのとき、目線の先に違和感を覚える。

            ……一人足りない。
                            気づいた瞬間耳元に届く低い声。
                                                      「遅いぜ」

     ガーダーの背後で、小回りの太刀がぶんとうなり、噴水のような返り血を飛び散らせた。

  「その未来はまだ受諾しない」

  青年の声。

 「Biiiiiii!!!!」

  そして電子音。に続き――――


  「―――――Ihr――――ダメージ代行システム、発令」

  ディジタルボイス。

      ―――――

         「だから、割り込ませてもらう」


 耳を疑ったのはガーダーだけではない。

 その場に居る誰もが……突如発せられた素っ頓狂な電子音に、幻聴の類いを案じた。

 そして秀吉は―――――誰よりも間近でそれを見たがために、自身の目すら疑う羽目になった。


 ガーダーと秀吉の間にするりと入り込んで、彼の剣振を受け止めたのは球形の物体―――――そう、ちょうどタマゴのような。

 刀は顔ほどの大きさのあるタマゴに取り込まれ、剣全体をすっぽりと覆われる。

 ガーダーとランサーがまず最初に事態を理解する。

 何がどうなっているのかはともかく、状況だけは。

 えてして人は何か異変が起こったとき、その理由を求めて仕舞いがち――――特に自分に不利益なことが起こった場合―――――だが、

 そこで理でなく利を見ることができるのが、畢竟英雄というものである。

 この不可解に開いた間をどう扱うか。両者が出した結論は同一だった。

 蹴る。

 ランサーの蹴り出した足とガーダーの足がぶつかってせめぎ合い、はじけ飛ぶ。

 負傷により力が出せないガーダーの方が、より遠くへと転がされる。

 「ちっ!」

 舌打ちをしたのはランサー……不用意にも、ガーダーとの距離が開いてしまったから。

 いくら手傷を負わせているとはいえ、福島からもランサー自身からも、すぐには攻められないほど開いた距離。

 しかし、今のタマゴは一体……と、ランサーは頭をひねる。

 タマゴ、タマゴ、タマゴといえば―――――ああ、そういえば……

 「なるほど……」

 ランサーはのっそりと身体を起こし、アサシンの近くに控えていた――――岸波黒野に視線を送る。

 「――――あの男の弟子だったってことかぁ? それとも兄弟?」

-リファレンス- 岸波黒野
◆身代わりタマゴ
 一回分の全攻撃を無効化。


 あの男、が誰を意味するのか、見当がつかないほどクロノも馬鹿ではない。

 ボーイスカウト高知県連盟本部、通称ポケット団の元団長、レッド。

 この状況で名指しで呼ばれるのは、彼以外にあり得ない。

 そして、クロノにとって一番大切な問題は、なぜこのランサーがそれを知っていたのか。

 記憶と推測が正しければ、あのバーサーカーがレッドを殺したはず。その後の遺体がどうなったかは知らない。

 そこから弾き出される最悪の可能性――――岸波黒野は考える。容易く沸騰してしまいそうな頭脳を全力で冷却しながら考える。

 ”赤”のランサーがレッドのことを知っていた理由如何によっては、

 自分がこの戦いで蓄積している全ての怒りをあの男にぶつけなければならないかも知れない、と思った。


 それはさておき、クロノには一つの心配があった。

 ガーダーは宝具による槍の直撃を受け、さらに数十メートルを蹴り飛ばしによって転がされている。

 とどめの一撃は回避したとはいえ、相当の重傷だ。消滅しないまでも、もう動けないのではないか――――?



 それが杞憂だと言うことは、思考を巡らすより早く理解できた。

 城から離れた芝生の上で。

 腹に大きな穴を空けたガーダーは……何事もないかのように立ち上がり、秀吉らランサー陣営の三人をにらみつける。

 対する彼らも、特に驚くことなくそれを見据える。

 知っていたから。たとえ致命傷を負っていたとしても――――ガーダーが立ち止まることはない。

 彼女が立ち止まるときは、戦いが終わるか、守るべきものを失うか、あるいはその命が果てたとき。
            その称号
 そうでなければ、ガ ー ダ ーは与えられるはずもない。

-リファレンス- ガーダー
  ◆ 女傑の血統:A
   祖母、母の代から続く、豪勇と呼ばれた女の血筋。
   ガーダーもこの血統で、「東国無双の美人」と称される程の優れた武勇を誇る。
   【HPがマイナスに達しても、その戦闘中に死亡することはない】
   【ランサーのHPが-40を越えた時、上記の効果は消失する】
   【戦闘終了後、ランサーのHPが0以上の時、ランサーは生還する】
   【筋力で与えるダメージ+20】
   【同ランク以下の精神干渉系スキルの無効化】
   【ステータスの下方修正無効】

 そして、立ち続けられるのならば―――――当然、繰り出されるは二度目の『忍城』。ランサー陣営にとって最も警戒すべきもの。




 「あっちは楽しそうなことしとるのう……」

 白熱するガーダーとランサーの戦いを遠目に見ながら、六本槍の一人、平野永泰はため息をつく。

 彼の目の前には血まみれの幼女――――ヴィクティム。彼女が使役する魔術の一端なのか、傷口が冷気によってふさがれている。

 が、時間の問題だ。

 この手の脆弱な肉体しか持たない者は、先ほどより数度繰り返した一連の攻撃だけで息絶える。

 何度も試したことがあるわけではないが、しかしそれでも経験が無いわけでは無い。

 いくら『信頼を寄せる相手』だからといって、それのために弱者を蹂躙するのは、決して良い気分ではない。

 だが、ある意味このような汚れ仕事を与えられるのは、自分がまだ他の七本槍よりは信頼されているためであり、

 しからばなおさら、その信頼を裏切るわけには行かないはず。

 「……難儀なもんじゃな、お嬢ちゃん」

 平野はヴィクティムの傷ついた肢体を見下ろしながら、槍を構える。

 「どれ、楽にしちゃる」

 そう言って、平野が槍を突き刺そうとしたそのときだった。

 「っっっっっっらああっ!」

 ヴィクティムの身体が空へと浮き上がる。風か、あるいは温度差による風圧のようなものが……満身創痍の彼女を、無理矢理高見へと押し上げた。

 「!」

 突然の挙動に驚いて、平野の思考が停止する。その隙を突いて。

 ヴィクティムの細い拳が、平野の頬に激突する。

 瞬間、頬が氷に覆われ始め――――そしてすぐに砕け散った。

 「うおっ!?」

 「……はぁっ、ぐぅっ!」

 背丈より高く飛び上がった彼女は、やがて浮力を失って、硬い大地に再びたたきつけられる。

 まともにバランス感覚を取ることができないほど消耗している。骨は折れていて、つっかい棒程度の役割しかしない。

 だが、立つ。

 それは、ガーダーの耐久力とはまた別次元の強靱さ。

 世界のために自身の身を捧げることを選んだ、異常なほどの自己犠牲の精神。

 その行きすぎた自己犠牲は、痛みの超越、死の恐怖の超越。あらゆる精神攻撃への絶対的防御。

 一種の不滅性。

 「……実に」

 平野が頬をなでる。ヴィクティムによって氷を付着させられた部分が、凍傷になっていた。

 「実に、気分が悪いものじゃな。まさか」

 槍を構える平野の目は、獣のようにぎらついていた。

 「かようないたいけな少女に、本気を出さねばならんとは……」

 「実に、残念じゃ」

 本気、というが、実際のところはその必要が無いことは自明の理だった。

 ヴィクティムはごまかしごまかし立ち続けているが、既にその体力や損傷具合は限界で、満ち足りているのは気力だけ。

 平野が本気を出すと言ったのは、強さを見せた相手に対しては、すべからく手を抜くべきでないと、そう考えたから。

 「ほんじゃ、終わりにしようぞな」

 ヴィクティムは微動だにできない。終わりが刻一刻と近づいていた。


 ―――――

 ――――――――


 ――――――――――――――


 ガーダーが、再び宝具開放の構えをとる。

 ランサーは無理にそれを止めようとしない。近場の二名も同様。

 今急いで発動そのものを食い止めようとするよりは、隔離される状況を防ぐことが重要。

 一人でも兵力を連れて行ければ、余剰戦力で重傷のガーダーを倒すことができる。

 算段を付け、ただ黙って待つ。

 ガーダーも、敵方の策略を理解している。だから迂闊に動けない。

 沈黙が続く。

 太陽が空からさんさんと照りつける。そうか、もう正午なのだ。

 クロノは遠目に、彼らの均衡を見守り続ける。バトーも同様に、情勢を見守る。

 彼らが自由に動けているのは、ひとえにランサーのマスターであるエーファント・ホリーが実質行動不能になっているため。

 彼らが善性の人間であり、マスターを殺してまでサーヴァントを止めようとしてこないことをランサーは知っている。

 だが、ランサー側からマスターを狙えば、一転して容赦しなくなるだろう。

 そうなった場合、一応動ける青の陣営側の方が僅かには有利になる。

 ならばわざわざ藪をつつく必要も無い――――というのが判断だった。

 均衡は続き、太陽が雲の中に隠れた。



 そのときだった。

 城の側面、石垣の裏側から、一人の青年が現れる。

 多くの者は、空気が明らかに変わったのを認知した。





 その青年、腰に刀を差し、背中に弓を背負い、心に千万の誇りを抱える。

 「そこまで。双方武器を仕舞い、おとなしくしろ」

 青年は静かに言う。

 「さもなくば、強権を使うほかない」

 そして、まくった袖口からは―――――大量の魔力のほとばしりが感じられた。

 特性令呪。サーヴァント全てに対して二画ずつ所有する、絶対の命令権。


 ルーラー、源頼朝。ここに推参。


【やっと終わった(戦闘が)】

【次回更新辺りから安価があるのでよろしくお願いします】

【いっそ、安価なしでやれというならそれでもいいですけど】

馬場透
ばばとおる
ば とお
バトー

今日も更新不可

こちらは地元に帰るまで(8/10まで)ストップします

想定外に本スレの処理が重い

つ脳の疲労


 「ルーラー、だと?」

 ”赤”のランサー、豊臣秀吉は怪訝そうな表情をする。
                    フス
 確かにこれだけの英霊が集う聖杯戦争において、調停者たる特殊クラス、ルーラーのサーヴァントがいることには何の違和感もない。

 このタイミングで現れることも別段おかしくはないだろう。

 しかし、現れた青年の風貌、というか迫力は、どことなく違和感が―――否、正確には

 『サーヴァントではない』

 はっきりと感じ取れる、筋骨に走る血脈の鼓動。霊的な存在ではなく、確かに実体を持っている目の前の青年は同時に、簡素な飾りが備えられた

 二尺七寸の二つの刀を腰のところに挿している。

 「サーヴァント以外がルーラーになれるなどというのは初耳だぜ。いつの間にシステムが変わったんだ?」

 「さて、どうだろうか」

 青年に答えるつもりはないのだろう。まともに取り合わず、代わりに腕をまくって見せた。その場にいる全員の視線が集中する。

 編み目のように入り組んで配置された令呪がしめて四十あまり。ある程度は察していたことだが、いずれの令呪も一画たりとも消費していない。

 マスターが自分のサーヴァントを律するために用いる通常の令呪とは違う、公平な聖杯戦争を保つための全てのサーヴァントに対する命令権。

 全ての陣営にとって、決して無視できない存在である。


 静かな公園は、人払いの影響で人っ子一人いない。

 「浮き世をば、今こそわたれ もののふの……」

 ふとランサーが呟いた一言で、彼の部下たる七本槍が僅かに反応する。

 「……少し、昔のことを思い出したぜ」

 そう言って小気味よく笑うランサーは、次いでルーラーに視線を向ける。

 「で、あんたの望みはなんだっけか?」

 ルーラーは黙って目をつぶり、腕を組んだ。

 「知れたこと。直ちに戦をやめろ。ここは公共の場で無辜の人々が平和を享受する空間、加えて今は日が昇る真っ盛りだ。

 双方武器を仕舞い、互いの陣に退け。さもなくば令呪を行使するほかなくなる」

 そこで一瞬、ルーラーの表情が曇って、閉じていたまぶたがかっと開く。

 「僕としてもそれはしたくない」

 「なるほど……」

 バトーは意味深な風に首を傾け、ルーラーに視線を送る。

 最初に宝具を解除したのは”青”のライダー、次いで”青”のガーダーが武器を収納した。

 そして、七本槍の面々も、次々と槍を地面に落としていく。

 アサシンは何か不服そうな表情をしていたが、止むなしと思ったか、同じように武器を放り投げた。


 「さて、これにて解散。すぐに片付ければ今回のことは不問に処すつもりだ。さあ、散った散った!」

 大げさに手を振って、ルーラーはそれぞれが離れるよう促す。

 この場において、ルーラーという存在は絶対の権利者であり、下手に命令に逆らえば、令呪を最大二画(ルーラー側からの令呪行使を封殺するため)

 喪失してしまう。それにかこつけて対陣の敵に攻め込まれれば、一巻の終わりだ。

 「……」

 しかし、青の陣営ボーイスカウト高知県連盟の面々にとって――――特に岸波黒野にとって、撤退は許容されるものではない。

 苦しんでいる人がいる。助けなければならない人がいる。

 前に進めば地獄だが、後ろに退けば裏切りだ。

 守ると決めた者さえ守れなかったでは、いったいどうして、団長に顔向けできるだろう?

 不意に、クロノとバトーの視線が交錯する。バトーはといえば、手持ちの包帯で倒れたKとサトシの身体を回収していた。

 「……」

 クロノの内心を察してか知らずか、バトーは何も言わなかった。



 ――――どうすればいい。

 心臓付近でぐるぐるとしたものがとぐろを巻く。

 葛藤の果てに、クロノが出した結論は――――――

1、おとなしく退く
2、行ってくる
3、ルーラーの説得を試みる
4、その他
↓1


 話が通じる相手かは分からないが、何もしないよりかは幾分かましだろう。

 そう判断したクロノは一歩前に進み出て、ルーラーに向かって声をかける。

 「言わなければならないことがある!」

 ルーラーはゆっくりとクロノに視線を合わせ、黙ったまま彼をじっと見た。

 とげとげしい雰囲気はない。悪意も敵意も見られない。

 しかし、全て見通されるような――――そんな透明な瞳だった。


 「少しなら、話を聞こう」

 ルーラーの目が僅かにちらついているのに、クロノは気づけなかった。


何について話す? または、どう話す?

 次回更新まで。

 今日はここまで。ありがとうございました。

            __  
         _   , ´ ::::::::::: `ヽ
.        〈 \,:′ ::::::::::::::::::::: ヘ               【お詫び】
        〈_/::::::::::::::::::::::::::::::: : `、
.         /i::::::::::::::::::::::::::::::::::: トハ             本スレからこちらに移動して書いていた高知聖杯大戦ですが、
        /. i:::::::::::::::::::::::::::::::: : |イ/}ノ
.        i_/'|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/ /             私の実力が至らず、この先の展開を書くのが難しくなりました。
          |::::::::::::::::::::::::::::::::::::|{___
          |::::::::::::::::::::::::::::::::::::|'//,/            そこで、このシナリオはここで絶筆とさせていただきます。
          |:::::::::::::::::::::::::::::::: : }/,/
      _,.ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::: 爪____,.          楽しみに読んでいてくださった皆さんには、深くお詫び申し上げます。
      「'///,|:::::::::::::::::::::::::::::::::: 「,'///,',^1
     |/,\..|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|'/,/ //|         今後とも、皆様から頂いたデータを元により面白い物語を作っていきたいと思いますので
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     |'///,'|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|// 7ヽ',{          引き続きご支援お願いします。
      レ///|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|i ////,V
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    /:::::::::/|:::::::::::|    .∧ ハ___ハ/.          }
.   /:::::::::/ ハ.:::::::|    / //| ト ∨.             ノ
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     |:::::::|:::::::::::| レ::::|   \/ _  ,, |  | | |      そんなわけで、こちらを進行します
     |:::::::|:::::::::::| _  _,,     ヾ=≡イ |. /| | |
     |:::::::|:::::::::::|.≠=ィ''"  、  /////. |ノ: | | |\
     |:::::::|:::::::::::| ///// .         u |:::::| | |.  \     作り方としては、サーヴァントかマスターを一名選び、それに合わせて相方を決め
     | /.|:::::::::::{ハ    マー‐ - ィ.   イ /.|_.」」.    \
     |/ .|:::::::::::| 厶 u       .ノ   /::/       /
.      /  |:::::::::::|:::::::::::≧ュ ‐┐| ィi:::::::/        /       残りのマスターやサーヴァントはコンマで決めていく感じで
.    /    |:::::::::::|\_/\≧   /\/     /
     \  |:::::::::::|  \i   \ /  /       .三≧、
.    / \ |:::::::::::|   \._/\___/.            ハ
    /:::::::::/|:::::::::::|    .∧ ハ___ハ/.          }
.   /:::::::::/ ハ.:::::::|    / //| ト ∨.             ノ
  /:::::::::{   ハ. |   // / | | \∨          /

†セイバー†                          ∮バーサーカー∮
独孤求敗                           ミノス
シンモラ                            ローラン
アスモデウス  (バーサーカーあり)           アンタイオス
聖徳太子(剣士)                      安徳天皇

鬼一法眼                           聖徳太子(救済機構)
ヘクトル                            ヒュドラ
巴御前                            アルバート・フィッシュ

ディードリッヒ・フォン・ベルン                ベンディゲイドブラン
立花道雪
ヨハン=ライヒハート

高知黒セイバー                       ∵キャスター∵
松永久秀                           アレイスター・クロウリー
                                 エサルハドン
                                 シュヴァリエ・デオン
¶アーチャー¶                         シャーロック・ホームズ(偽)
花栄                              キャスター(未解放)
マック・セネット                        メアリー・スー
香香背男                           聖徳太子(変態)
マックス                            役小角
シモ=ハユハ                        ハサン=サッバーハ(初代)

アクタイオーン                        テスピス
源頼朝                            ハリー・フーディーニ
ロビン・フッド

ナポレオン・ボナパルト                   ※アサシン※
ラーマ                             ハサン=サッバーハ(風水)
養由基                            阿頼耶識

ジュリアン                           ラシード・ウッディーン・スィナーン
                                 服部半蔵(偽)
                                 フローレンス・ナイチンゲール
♂ランサー♂                        加藤段蔵

ロアール・アムンセン                    青鬼
国司元相                           ヨナルデパズトリ
林冲      (バーサーカーあり)            ハサン=サッバーハ(偽)
ドゥクパ・キンレイ                      ジョナサン=ワイルド

ポーン                             佐々木小次郎(偽・速度厨)
晁蓋                              永倉新八
獨角ジ大王                          ハサン=サッバーハ(灼熱)
豊臣秀吉

秦良玉                            ★エクストラ★
メレアグロス                         聖徳太子(破戒者)

オセ                              ルーラー(未解放)
                                 ガイウス・ユリウス・カエサル
                                 アンネリーゼ・ミシェル
〓ライダー〓                         甲斐姫
木曽義仲

モブ
項羽
今川義元
特撮ヒーロー
段景住
ブラダマンテ
赤マントの怪人
鄭氏
武田信玄
加藤清正
マハーバリ
シャナ



まだ真名でてなかった人が何人か真名でちゃってるよ!

   /  /   /| i i   i   ! !、  ミミミ Y
.   /  ./   / i ! i i   ト、  !i li "''zニニ/ ̄ ̄ 〉
  |  ! ト―/―レ-ヘ`´/!‐' ""i i.!  /冂___ 〉
  |  i/i /フ== ill∨.l't== 、ト、、/  |\::|

  |ハ  ! i _乂__ノ_{...  |_i __ノi {.   |∨\
.   ∨i乂| ||||      `  ̄ ̄ ノ,'ト__ハ)∨´\      >>794   あっ
      | |  u   `     ij    |  |シ. ゞ''"‘
....___| `、    ,―‐ 、.    / |___|__|_
 \'///,'|   `ゝ.u  ̄ ̄   u ,'/,'////,' /           あれ? 出ていない勢でうっかり書いた中で真名に行き着いていないのって黒セイバー以外にいましたっけ?
   \//|    |/,` . _  ,   <イ/////, / |
    \|    |'///,'|_   |/////.   |
.... __ |    | / ̄フヽ `ーイ'/,'/___.i
/ T'////,|   /トフi'  /.     |/,'/////,',/ ヽ
|/,|.'////,!.. /. レト- ィ..!     ///////// '//,゙


                  __
              ..:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、
              /ハヘ :_:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
           /:.:.|   \::::::::::::::::::::::∨
             |:.l:l:∨\/l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨
            从:.|  |∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!\
            { ∨ .|/:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|

               ゝ|  |从:.:.ト::::::::::::::::l
             ヘl ∧ :::::!:::::::::::::::|       ああああああああああああ   ごめんなさーい!
             //|/ヽ∧::::::::::::::::::::::::l
                 /////∧ ::::::::::::::::::\
             ///////∧::\::::::::::::::::::\       灼熱ハサンに引き続き二連続で同じ作者のキャラを真名漏らししてしまった!
       ___ イ////////∧::::\::::::::::::::::::\

     r‐fi i/////////大__// ∧:::::\::::::::::::::::::::\
     ゝイi {//////イ////}/// ∧:::::::\::::::::::::::::::::\

         | {////////| ̄ ̄| ヽ//∧:::::::::::::\:::::::::::::::::: \
       | {///////     〈///// ∧:::::::::::::::\::::::::::::::::::::\

マスター一覧(プレイアブル)
・バーナード
・榊原尊
・清水苗
・ヨッシー=ユグドミレニア
・ジャミル=エルトナム=アウロラン
・ウェストランド=アブハジ=アブカール
・名無し
・ジン=パスカル&ソフィー
・ベリュトミン星人
・外道
・藤村氷芽
・Mr.エテモンキー
・ジヴァ=エルトナム=ローレライ
・葛西小十郎
・ジャンゴ
・アンリ=カミンスキー
・加賀啓治
・ハンナ
・ジェーン・ドゥ
・加賀部史郎
・夕凪小町
・本郷武蔵
・大井遊里
・ハーディ
・エヴァ=ギガント
・レナ
・アドルフ・ラインハルト
・ウォルコット=バーグ
エーファント=ホリー
・馬場透
・エドガー=ブラック
・レヴェリー=メザーランス
・真島える
・アンナ=バジュレ
・デリア=エアロ
・清永真心
・西城樹
・怪盗ELOS
・倉知意戸
・アドリア=アベイタ

デリアさんは現在出てる奴だからまだ参加権ないんじゃない?

           > ´:::: ̄ ̄ ̄::::`::::<
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

        >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ'ハ
      ./.:::::::::::::::|:::::i|:::::::::::::::::::::::::Y::::i::::i ミ三冂\
     /.:::::i:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}::::| |::::彡i 弋 \

     |:::::::|:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}从:仆 彡:|  }  ヽ
     |:::::::|:::::::::::|ィ .|`|仆:::::::>iノl`==ー-.|ヘ:|__}\/     ハリー=フーディーニとアンネリーゼは結構バレてたので変にごまかして自プレイで選択できなくするより

     |:::::::|:::::::::::| レ::::|   \/ _  ,, |  | | |
     |:::::::|:::::::::::| _  _,,     ヾ=≡イ |. /| | |        いいかなと思っていましたが……
     |:::::::|:::::::::::|.≠=ィ''"  、  /////. |ノ: | | |\
     |:::::::|:::::::::::| ///// .         u |:::::| | |.  \     そうかあ、テスピス忘れてたかあ……
     | /.|:::::::::::{ハ    マー‐ - ィ.   イ /.|_.」」.    \
     |/ .|:::::::::::| 厶 u       .ノ   /::/       /
.      /  |:::::::::::|:::::::::::≧ュ ‐┐| ィi:::::::/        /
.    /    |:::::::::::|\_/\≧   /\/     /
     \  |:::::::::::|  \i   \ /  /       .三≧、
.    / \ |:::::::::::|   \._/\___/.            ハ    やらかしたなあ。まあ気を取り直して、まずマスタープレイかサーヴァントプレイか
    /:::::::::/|:::::::::::|    .∧ ハ___ハ/.          }
.   /:::::::::/ ハ.:::::::|    / //| ト ∨.             ノ    ↓2
  /:::::::::{   ハ. |   // / | | \∨          /


              /:: / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::::: ハ    /\
           /:: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::: ハ>匕.    \
.            ': : ;.::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::: / \     ノ
           |:: |::::::::::::: |....|. -|‐‐‐-::::::::::::: i -‐‐|─-ミ、}: : /      <´
           |:: |::::::::::::: |....l: : |.从:: {::::::::::::: }::: : リ从:::: /,:: /.   |\   /
           |:: |::::::::::::: Ⅳト斗ト=ミ人::::::: : 从斗=ミハ/ z|/....   |  \ \   >>802 おっと、そうですね 消すの忘れてた
           |:: |::::::::::::: | 〃,'  ヽ :: \/: :  ,'.  Y刈 V __.... |    \ \
           |:: |::::::::::::: | {! {...... i  ::::::::::::::::  {...... ! i}: . }∨::|  |..    \ |
           |:: |::::::::::::: {八 V___ノ ::::::::::::::::   V___ノ ノ / 〉リ:|  |..     ∧|
           |:: |::::::::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /_ソ::: |  |.     / /     ではサーヴァントプレイ。理性ないバーサーカーやるのもあれですし
        -=ニ//|:::::::::::::::i         ヽ       /'////,'|  |=,,,   / /
     -=≦/////,|::::::::::::: |八                  ///////,|  |/≧=-"       活躍したのも削って……
    ///////// / |::::::::::::: {//ヘ.      ‐-‐     /,'//////,'|____,|,'/////,\
   \'/////////,'|::::::::::::: |'///,|>       .イ...|//////////////////,/      以下から選んでください    ↓3

.     \'///////,|::::::::::::: |'///,| \ >   < ノ |'///////////////,/
     |/,\,'////,'|::::::::::::: |'///,|...... \   /.   |,'////////////,'/ |
     |,'//,'\///,|::::::::::::: |'///,|     ∧∧     |///////// / ///,/
     :、,'///,',\/,| ::::::::::: |///∧.    イこハ : : : : //////////// / /
†セイバー†                          ∮バーサーカー∮
アスモデウス

聖徳太子(剣士)
ヘクトル
巴御前                            アルバート・フィッシュ
ディードリッヒ・フォン・ベルン
立花道雪
ヨハン=ライヒハート

                                 ∵キャスター∵
松永久秀                           アレイスター・クロウリー
                                 エサルハドン
                                 シュヴァリエ・デオン
¶アーチャー¶                         シャーロック・ホームズ(偽)
花栄

                                 メアリー・スー
香香背男                           聖徳太子(変態)
                                 役小角
シモ=ハユハ                        ハサン=サッバーハ(初代)

                                 テスピス
                                ハリー・フーディーニ
ロビン・フッド

ナポレオン・ボナパルト                   ※アサシン※
ラーマ                             ハサン=サッバーハ(風水)
養由基                            阿頼耶識

ジュリアン                           ラシード・ウッディーン・スィナーン
                                 服部半蔵(偽)
                                 フローレンス・ナイチンゲール
♂ランサー♂                        加藤段蔵

                                 青鬼
国司元相                           ヨナルデパズトリ
                                 ハサン=サッバーハ(偽)
ドゥクパ・キンレイ                      ジョナサン=ワイルド

                                 佐々木小次郎(偽・速度厨)
晁蓋                              永倉新八
獨角ジ大王                          ハサン=サッバーハ(灼熱)
豊臣秀吉

秦良玉                            ★エクストラ★
メレアグロス
オセ

                                 ガイウス・ユリウス・カエサル
                                 アンネリーゼ・ミシェル
〓ライダー〓                         甲斐姫
木曽義仲

項羽
ブラダマンテ
鄭氏
武田信玄
加藤清正
マハーバリ
シャナ

           > ´:::: ̄ ̄ ̄::::`::::<
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

        >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ'ハ
      ./.:::::::::::::::|:::::i|:::::::::::::::::::::::::Y::::i::::i ミ三冂\ |          秀吉はネタですが、アスモデウスは素で忘れてた
     /.:::::i:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}::::| |::::彡i 弋 \

     |:::::::|:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}从:仆 彡:|  }  ヽ
     |:::::::|:::::::::::|ィ .|`|仆:::::::>iノl`==ー-.|ヘ:|__}\/
     |:::::::|:::::::::::| レ::::|:三\/_=ニ三三|  | | |            ごめんなさい、安価下でマハーバリにします
     |:::::::|:::::::::::|=Y⌒ヽ_三三三三三三|. /| |
     |:::::::|:::::::::::|=乂__ノ三、ニ三三三三|ノ: | | |\

     |:::::::|:::::::::::|三三、___ _,,ィ    |:::::| | |.  \
     | /.|:::::::::::{ハ    マ        イ /.|_.」」.   \
     |/ .|:::::::::::| 厶          丿 /::::/       /       でもこれ超ヌルゲーだわ、きっと
.      /  |:::::::::::|:::::::::::≧ュ  こ   ィi:::::::/      /
.    /    |:::::::::::|\_/\≧   /\/     /
     \  |:::::::::::|  \i   \ /  /       .三≧、
.    / \ |:::::::::::|   \._/\___/.            ハ
    /:::::::::/|:::::::::::|    .∧ ハ___ハ/.          } 
.   /:::::::::/ ハ.:::::::|    / //| ト ∨.             ノ
  /:::::::::{   ハ. |   // / | | \∨          /

           > ´:::: ̄ ̄ ̄::::`::::<
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

        >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ'ハ
      ./.:::::::::::::::|:::::i|:::::::::::::::::::::::::Y::::i::::i ミ三冂\ |      
     /.:::::i:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}::::| |::::彡i 弋 \

     |:::::::|:::::::::::|:::::i|::::i::::::::::::::::::::::}从:仆 彡:|  }  ヽ
     |:::::::|:::::::::::|ィ .|`|仆:::::::>iノl`==ー-.|ヘ:|__}\/
     |:::::::|:::::::::::| レ::::|:三\/_=ニ三三|  | | |           おっと間違えた 灼熱ハサンですね データ取ってきます
     |:::::::|:::::::::::|=Y⌒ヽ_三三三三三三|. /| |
     |:::::::|:::::::::::|=乂__ノ三、ニ三三三三|ノ: | | |\

     |:::::::|:::::::::::|三三、___ _,,ィ    |:::::| | |.  \
     | /.|:::::::::::{ハ    マ        イ /.|_.」」.   \
     |/ .|:::::::::::| 厶          丿 /::::/       /   
.      /  |:::::::::::|:::::::::::≧ュ  こ   ィi:::::::/      /
.    /    |:::::::::::|\_/\≧   /\/     /
     \  |:::::::::::|  \i   \ /  /       .三≧、
.    / \ |:::::::::::|   \._/\___/.            ハ
    /:::::::::/|:::::::::::|    .∧ ハ___ハ/.          } 
.   /:::::::::/ ハ.:::::::|    / //| ト ∨.             ノ
  /:::::::::{   ハ. |   // / | | \∨          /

↓2

                  __       上のレスの↓はミスです!申し訳ない
              ..:.:.:.:.:.:.:.:.`:..、            そして、待てよ
              /ハヘ :_:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
           /:.:.|   \::::::::::::::::::::::∨
             |:.l:l:∨\/l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨         ハサンよりかはまだアスモデウスの方がいいのではないか?
            从:.|  |∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!\
            { ∨ .|/:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|      
               ゝ|  |从:.:.ト::::::::::::::::l         だってあいつ、最近暴れたばっかりだぜ
             ヘl ∧ :::::!:::::::::::::::|
             //|/ヽ∧::::::::::::::::::::::::l      
                 /////∧ ::::::::::::::::::\
             ///////∧::\::::::::::::::::::\      まずいですね……すこしテンパってる
       ___ イ////////∧::::\::::::::::::::::::\  
     r‐fi i/////////大__// ∧:::::\::::::::::::::::::::\

     ゝイi {//////イ////}/// ∧:::::::\::::::::::::::::::::\  とりあえず、ぐだぐだやっちゃったんで基本に戻ってアスモデウスで行こう

         | {////////| ̄ ̄| ヽ//∧:::::::::::::\:::::::::::::::::: \
       | {///////     〈///// ∧:::::::::::::::\::::::::::::::::::::\

┏━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:セイバー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┫
  【真名】:アスモデウス          【消費】:重い          【属性】:混沌・悪
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┫
   【筋】:A+(60)   【耐】:C(30)     【敏】:C(30)     【魔】:A+(60)    【幸運】:D(20)      【宝】:A++
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
  【特徴】:反英霊(悪魔)
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

                          -─-
                      <: : : : : : : : : : >..
                   .: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ

                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 小
           _     /: : : :./: : : /.: : : : : : : : : : : : : : : ハ
        ∠二_二ニ=ーイ: : : :イ: :¨:¨:¨:`メ:./:.,イ : : : : : : : : : :.
          /    ,イ:.: : : :|:lイテ芋ミ小{:./ { : : : : : : : : : ::
            / ____彡':::::::::|:.l: : : |:|弋:i:i:ノ l:从{ |ル: : : : : : : : :j
        /´ と::::彡: :.人{: : :.|:l:::::::    }ノ,ィ㍉从: : : : : :./
           {ミ辷彡イ: : : : :.从      弋:i:i:i:.イ: : : : :./
           `¨¨/: : : : : : : ハ  弋__  :::::`¨´l: : : : :.:{`\
               /: : :_:_: ::j: : {::|ヽ、 __  イ 从: .:/: : 代 \
          /.::/´    `|: : |イ--ゝ---{:::::::::ア: : : /: : : :{ ヽ、 ヽ
         /: : :/     |: : lー─‐㍉´ト--ーイ: : {: : : :人  l `ヽ}
       /: : : :イ      j: :从 ヽ r─   /イ: : lヽ: : : : :ヽ.}
      ': : : : : ィ''¨¨¨¨`㍉. ノ: : :代ミ、__   彡  l: : :| ): : :{ ′
    / : : : : ノ   ___(¨`ヽ Yヽニ=ー-- ________ヽ: : :l__.:: : : |
.   / .: : :/__  =ナー、ヽ ハ ノ㍉>辷ニニニ>㍉ミ: :.l   ヽ、l
   ,イ .: : イ彡ニニニ{弋_jーY:i:i:'イ .{彡イ `ヾニニニニニl:lゝ- ___弋
   {  :{: :l ヾニニニj}i:i''¨'¨´ |  .|  人  }ニニニニ人ニニニニニ7
   人 弋代 ヾニY {    |  :l ´  ヽ彡ニ彡イ:./ニニニニ /l
    ヽ、 ヾ: ヽ  | :|    .j  ハ     }辷ニ:/:/ニニニ彡イ: |
           | :l    ;'   }  i   }ニニニ{ ̄ ̄¨¨イ: : :|
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫


  【クラススキル】
  ◆狂化:E(A)
 『悪・神約の指輪』の効果により、通常時は狂化の恩恵を受けない。
 その代わり、正常な思考力を保つ。

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

【狂化じゃねえ訂正】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

  【クラススキル】
  ◆対魔力:A
  A以下の魔術は全てキャンセル。
  事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
  かのソロモン王の支配に僅かだが抗えるほど。

  ◆騎乗:A+
  騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。
  『悪・神約の指環』との併用により、悪性のもの、狂ったものであれば竜種さえ乗りこなせる。
  ……いやらしい意味でとっても、別に構わないですけど。

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

  【保有スキル】
 ◆対魔力:A
  A以下の魔術は全てキャンセル。
  事実上、現代の魔術師ではバーサーカーに傷をつけられない。
  かのソロモン王の支配に僅かだが抗えるほど。



◆陣地作成:A
  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
  “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。


◆異形:B
  牛・人・羊の頭とガチョウの足、蝙蝠の翼、毒蛇の尻尾を持つ。
  彼女の姿は人からかけ離れていながら、異性・同性を問わず強烈な性的欲求を抱かせる。
  色欲を司る悪魔としての能力であり、対魔力で抵抗可能。
  また、炎の吐息による攻撃、3つの頭による多重詠唱を可能とする。


◆高速神言:A
  呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。
  大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。
  現代人には発音できない神代の言葉を、全ての頭が発音できる。
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
  ◆『石切蟲(シャミール)』
  ランク:C+ 種別:対城宝具 レンジ:1-20 最大捕捉:1棟
  ソロモンがエルサレム神殿を建設する際使役した、アスモデウスの使い魔。
  石を望むままの大きさと形に切り出す、石剣型の悪霊。
  命ずれば自動で石材を切り出し、音も無く神殿の基礎を組み上げていく。
  石造りのものであれば、Aランク宝具相当の神殿や城塞の解体、再構築すら可能とする。
  石以外に対しては、単なる空飛ぶ鈍器である。


◆『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』
 ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:0-50 最大捕捉:500人
  悪神アエーシュマの棍棒を竿とした、「この世全ての悪」を描いた旗。
  旗はレンジ内の悪意や穢れなど、悪なるものを引き付け集積する機能を持つ。
  旗を認識した者は、自らの内なる悪が表出することによって理性を奪われていく。
  血に塗れた竿は、「暴力」という原初の悪行。
  打撃を通じ、神代より集め続けた破壊衝動の呪いを直接叩き込む。
  真名解放により、集めた「悪」を依代とし、アスモデウスの源流、
  原初の破壊衝動そのものであるアエーシュマを一時的に現界させる。

 ◆『悪・神約の指環(リング・オブ・アスモデウス)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
  ソロモンに化ける際作成した、『神約の指環』のレプリカ。
  「悪」属性を持つ存在に対し押し付けながら真名解放することで、
  対象自身が抱える悪性にて対象を縛り、アスモデウスと対象の契約関係を成立させる。
  ソロモンとアスモデウスの契約のレプリカである為、
  正式に譲渡された指輪の所持者はアスモデウスを使役できる。
  また、所持者にアスモデウスの魔術知識と、
  いかなる状況下にあっても智慧を発揮できる平静な心を与える。
  【サーヴァントへの攻撃が成功したときに発動可能。コンマ判定を行い、9が出たらそのサーヴァントの所有権を得、
   持ち主が残していたすべての令呪を獲得する】
  【サーヴァントが狂化を持っている場合、それがA以上ならば5、B以上ならば4、C以上ならば3、D以上ならば2、
  Eならば1、上記能力のコンマ判定の成功枠を増加させる】
  【サーヴァントの属性が悪である場合、上記能力の成功枠は1つ増える】
  【サーヴァントが反英霊である場合、上記能力の成功枠は3増える】
  【この宝具によって所有権を得られるのは一騎までである】
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

【三つ目の宝具の効果欄は忘れてください 今回は効果とか決めずにシステムは緩くいく】

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【性格】

自分の異形を一目見れば誰か分かるだろうということで、自分からは名乗らない。
自分の名前を当てられることが、マスターとして認める第一条件。
敬意を払わず接する場合、隙を見せればマスターを傀儡にする。
逆に敬意を払って接するなら、神の僕だろうが外道だろうが殺人鬼だろうがOK。

敬意を払う相手には、混沌・悪とは思えない程温和で話が通じる。
マスターが善人だろうと悪人だろうと、此方を利用しているだけであろうと、協力的な態度を崩さない。
協力しながら堕落させるのが悪魔の腕の見せ所です。
淫魔じゃないので無理矢理押し倒したりはしない。相手が言い出すのを待っている。
近親相姦はゾロアスター教だと美徳だが、現在では禁忌だと知っている。
人類の敵として、召喚者を試している部分が大きい。

アスモデウスの精神干渉に耐えられるだけの精神力と強い意志を見せたら、
マスターとして認める第二条件クリア。
マスターが壊れない限り力を貸し続ける。
『悪・神約の指輪』を貸し与えることも。

ソロモンに対して取っていた態度は色々と例外。
ソロモンは狂気の塊でしかなかったアエーシュマを、
アスモデウスとして生まれ変わらせてくれた存在。
民を救うために動き続けたソロモンの精神力を、アスモデウスは高く評価している。
鉄枷つけられたり重労働させられたり御主人様と呼ばせられたり(現在は御主人様以外の呼び名で呼称できる)
色々屈辱的なことさせられたので鬱憤は溜まっていたが、
屈辱とかを理解できるようになったのもソロモンのおかげだと理解している。


代理AAであるディズィーの中央の人の顔が、アスモデウスとしての主人格。
髑髏顔がアエーシュマの特性を引き継ぐ、原初の破壊衝動。
天使っぽいのが堕天使アスモデウスとしての後付された理性。人格は希薄。

『災禍集う狂暴悪旗』の真名解放を行いアエーシュマ化したときも、
『悪・神約の指輪』を持っている限り見境を失うことは無い。

原作のディズィーとは別物。

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              .-――:::::::¨¨:::::::`
        /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  
          ィ::i´:::::::::::i:::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::\
     //::l::::l:::::::::::|::::::::::i:::::::::::::::::::i::::::::::::::\
   ///i/:/::::::i::::::::::|:::::::::::{::::::::::::::::::l:::::::l::::::::::::}          さて、初っ端からグダグダの雰囲気になってしまいましたが
  / /////:::i::::::::::」_:⊥斗ハ´:::::::::,イ::}:::::::/:::::::::/

  ヘ////{ハ!: ,イ|/ |/  ヽ::::/ |/`ヽi:::::::/            とりあえずやらないことには話にならない!
 /:::::l∨//// ∨: {  ○   ∨  ○ /レ´⌒>
 {::::::l: ∧//// ∧:人。 ゚       ゚c: : : : く            マスターは……始めてからのお楽しみで
 l::::::ヘi//////i: :ハ'///////,}: : : /´ヽ 
  l:::::::|//////|:::::N            i: : : \////ヽ        では、スタート書くのでしばしお待ちを
  |/ |//////| ̄ ̄|⌒ヽ、        人: : : : \//// i
.///.!////// i./// |      ̄`ア イ` ト、/´⌒/////
\////|///// |// ト――┬―く  :レ´\/////// 
 i.\ |////  | //|゙‐rゝ_7ィ,/゙i\ /////. /
 |:::::ゝi//////∧//|イ/〈: 只l \'‐‐r \ヽ/\        ちなみにマスターや他のサーヴァントは、今まで出てきたあらゆるサーヴァントが対象になります

 |:::::::::{ //////// / : : .个: : : \ ィ/::::\:::::\
 |:::::::::∨//////. | \イ: : .人: : \/\:::::::::::\:::::::\     不遇・非不遇関係なし
 |:::::::::::.V /////|   丿 ノ ゝ: : : ゝ  ):::::::::::\:::::::::::|



 私を呼ぶ声がする。

 誰かが、触媒を用いて私を呼び出そうとしているようだ。

 この強い引力から察するに、おそらくは触媒を使っての召喚だろう。

 ふふ、まさか私を呼び出そうとするだなんて、酔狂な人もいたものだ。

 その神をも悪魔を恐れぬ態度には敬服するけれど、それと契約は別の話。

 つまらない相手だったら、投げ捨てたって構わないんだから―――――


        !ヽ、_          ,.,._      /´ ̄`\

         ヽ  `` '' ー、   /   `ヽ    / rー 、  \
           ヽ     ヽ_f ,.,. ,. __  `ヽi  i ',   \ .\
           ヽ  ,. '´        \ ,i  ノ .',  ヽ \  \
          ,ィ‐,/ ,     ー 、 `ヽ  ヽ、/ _   ヽ \
          / / / /イi l i、    ヽ  ヽ   ','´,.,. `` ー 、
      /  //,イ /ー!l1 l l i     ヽ  ヽ  ヽ ', ___     `ーァ
     /   i' l /'>ヽヽi  l i i i  ヽ  ヽ  ヽ i   ヽ、_,. - '
   ,r=ヾ`ー─l''| /' |;;;ノ !l、 l.,__  i   ',  ',  i } ー  \  ',
.,ィ‐‐ト、 ヽ   ' |/l  "´  !l ヽヾ ヽ .',   ',  ',  i |     \ ' ,
.!      ',   ,イ ! ,   ヽ r';ヽヽヽ',   ',  ,i  i.|      ヽ
.. ゝ. 、    i ,イ'{  i r、    〈;;;;;ッl} i、.ヽ、  ',  i,  ',ゝ,     ヽ
    `.ヽ ,|/./1  | ゝ`    ´` } .|,,ヾ ',、  ',  }i, ;,|ヽ`ー──-、ヽ
     fヽ`{ | ,|  i`ヽ_       | |-i'" 'i、 ', } i ,| ヽヽ  !
      ゝヾヾ、{ ', ',ー 'ノヽ~~´   リ i,イヽヽ ', i i | \} ヽ  ',
._,. - '" ̄``! .\! ',Vf´!{  ',   _,. - '"|ヘ | ヽ!リ !ノ、 ノ.\ ゝ、 \
`ー ,イ~      ヽノ !ミ三i,.ィ ,.. - '' ~|', ヽ!\}\リ、 丶   .\  `
  ハ ,ri,. - '´ ̄ ̄   i,,..イ´,.イ     _,ゝ、、ゝヽ!,ノヽ \ヽ、 _  \
   tイ,ィ´三´     }__,/ i i,r 、 /   ヽヽ、ト、 ヽ  ` ー、 __ /
     ̄`>-'=''ト__,.- 'ヘ'__i /,.ヾ、      〉 ヽ\ .ヽ 、   ノヽ
   ,. - '    j     i   / /  ゝ、    /   ヽ ,ヽ、_ _ フ ' ,
  く      / t    }、. ,/ /     ` ー'     ヽ、 ノ'~´、`ヽ、}



 私を呼ぶ声が強まる。

 ああ、少しは骨のある相手が目の前に降りてきてくれたらいいな。

 そんなことを思いながら、召喚に応じた。


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| || || |レ|レ|| || || | ;;: ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  :   ;:゙: ;": :; ゙| :: ;: :;: ;": :; ; ;
| || |レ|レ||_|| || || |;; :  " ;  :   ;:゙: ;": :;  ;  : ": :;  ゙; |:: :;:  :: ;
| |レ|レ||_|| || || || | ;;: ; ,;   ;:゙: ;": :;  ;  :   ; ;": :;   | : :;: ;": :
レ|レ||_|| || || || ||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  : ;": :;
レ||_|| || || || ||                               \: :;: ; ;; ":
|_|| || || || ||                              \: :;:: :;  ;

 そこは薄暗い地下牢だった。

 近代的なコンクリートと鉄骨構造、綺麗に掃除されていて、罅ひとつ無い。

 どうやら作って間もないようだ。

 窓にも鉄格子が嵌めてあって、外に出られないように頑丈にしてある。

 あんまり良い気分ではないけれど、暗い場所は慣れているから、そこまで気になるわけでもない。

 さて、私のマスターは誰だろう。そんなことを思いながら辺りを見渡すと、スーツ姿の男性がそこに立っているのに気がついた。

 「お初にお目に掛かる。悪神アエーシュマ……いや、アスモデウス」

 落ち着きのある、低い声。

  、   | ll| | | !   |lト、 l|         
'、 ヽ.   ト、ト. | l ト、 「li´', l|         
 、 ',   | |l ',l!´l|_'、|_lLi,', |        
iトi|、 ト、 | l|':.l|/lzヘ|‐<l| ',|        
l!トlヽ ! ヽ| |l:.:ヾ;'´lj{_rュシ′|        
|l-l‐、i-、',! l|  ` ''"~リ´           
l| l|_ァキミ、 |           /       
ヾ<l{ rッ彳

、 ',`''"´/

丶!   /
  '.  '‐=ニァ
  ヽ        __
   ヽ  、‐ '_"´-‐''"´       /

    丶 `'´ ___,..ノ         /:
      ヽ  `""´      / .:
       ';、  ,,,,、  ,,,,,.ィリ'′ .:/
       ヾ';、,f洲liwil|||lシ′  .:/
             "´   .:/

                  /
                /
              /

             / /^>、
              //::::ヽ
              '.:::::::::::::::>、
             、::::::::::/
              |::r '´

 「俺があんたを呼び出した。今回の聖杯戦争、俺の手足となって戦ってもらう」

 おやおや。

 ……名前を当てたところは及第点。

 だけど、どうやら少し身の程が分かっていないようだ。


 ……とはいえ、一時のいらだちに身を任せていても仕方が無い。

 少しずつ『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』するとして、まずは話を合わせないと。



「はい、そうです。私はセイバーのサーヴァント、アスモデウス。此度は貴方の僕となって、貴方に勝利を授けます」


 貞節に、貞淑に。偽りの態度で礼をする。
                          このからだ
 異形とはいえ、私には魅了スキルもある。 女体    を手に入れたことによってさらに強められた、

 万物を蕩かす魅力がある。

 しかし、目の前の男はそんなもの何処吹く風と言わんばかりに、というか、目を背けたまま。

「あー、いや。俺は聖杯とか要らないから」





「は……?」


 思わず耳を疑う。この男はいったい何を言っているのだろう。


「上の命令でな。このへん荒れそうだからってんで派遣されただけ。だから、無理に聖杯取ろうとは思わない。

 無理なく疲れない程度に、戦争を適当にこなして、くれ」

 なんと言うことだろう。この展開は予想外だった。私なんていう危険物件を呼び出すくらいだから、よほど私利私欲に塗れた魔術師だと思っていたのに……!




、     ゙i. . . . . . . . . |:| |:、 . . . . . . . . . .i:. i::::::ヽ. .!:, . . . . . . . . . . . . . . . . ._{. .i===-.._...
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- '冖ー- ...! . . . . . . . . |:ヽ!|::::ヽ. iヽ . . . . . |::lj::::_;:斗':´::v..i . . . . . . . l . . . . ./. . .\
    ー=!. . . . . . . . .|::::::il\::ヽハ::\. . .__!:ィ'´_;;;;l!_::::::::v.! . . . . . . .l__. . . /:. . . . . \

      /}. . . . . . . . .|::::,xzzx;_ ヾ、::::::ヽ、 !::ィシ'二゙゙ヾミx::Vi. . . . . . . !_`V/;.: : . . . . . . .ヽ、__
  _. イ イ. !. .i . . . i. . !:ム'゙ ,ィtx゙:::::::::::::::::::::゙:::: /iニム  マi::il . . . . . . |ム i キ: : . . . . . . . ∧
 ̄    /. . .ハ. i:. . . .i:. .l:マ. {fムム::::::::::::::::::::::::: !{iujム}  リ:::V. . . . . . |:;リリ ハ : : . . . . . . . .∧
    / . . . . ハ i:ヽ. .ハ 、i:ヽ マシli}::::::::::::::::::::::::::乂ij歹 ...::::::: l. . . . . . .|z',イ  ∨: : . . . . . . . .∧
    ム . . . . . ハ:.リヽ.ハ ヾ:::`:::゙''''゙                 |. . . . . . .|'゙    ∨: : . . . . . . . .∧
   ム . . . . /: : : /!. . ヾ.∧    ′              u  |. . . . . . .!     V : : . . . . . . . .
  i . . . . . ,': : : / |. .i. . . ..゙:. u                  .|. . . . . . .!      V : : . . . . . . .
.  i . . . . .,': : : / : l .i !. . . ..i〉、     、,,,.........、       .ィ!. . . . . !.|  __,...==-ゝ‐-、. . . . . .
  i . . . . .,': : :/: : : 〉.! V . . | ゙> .   ` ̄ ̄´   . イ;x1,i. . . . i!.| ̄           マ. . . .,
  !. . . . .,': : /: : : :∧! ゙v . |    > .     ,、<.;xif{|リ/:|. . . ;':!| :            i:‐:<゙
  ト、. . . ; :,/: : : : :i     !:、 l      : >.<{|||}><{{|l㌢'': : ! . /: :l!               |: : .ヽ
   ` γ" : : : : i    | ヾ、 !     :、 : zf≧呉|||}ltx : : i /      i         |: : : :
    / . . : : : : /` ̄ニ:!_   ;'      ` :、゙'"´: : :`゙゙'''゙: : ''      ,.|        _,l二ニ=
     i. . . : : : /      ` ゙ 'i           ゙ : : :            i` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 明確に計算が狂い、思わず冷や汗がたらりと流れる。

 待て。落ち着くんだ。口ではそう言っていても実際のところはどうか分からない。

 「なら、どうしてわざわざ聖遺物を用いて私を召喚したんですか?」

 と問う。

 「上司に渡されたのがこれだった」

 そういって提示されたのは女神転生と書かれた円盤。


 解せない。


 しかし、妙だ。私の魅了スキルは、目を背けていれば回避できるというものではない。

 なのになぜ、魅了された様子が見えないのだろう?


 私のそんな疑問には答える気が無いようで、彼は面倒くさそうに頭を掻いた。

 「さてと、じゃあ面倒だが仕事に移ろう。さっさと終わらしてゆっくり飯を食いたい」

 なんとマイペースな奴なんだ……!?

 勝手に外に行こうとする男。

 付いてこいと言わんばかりに、私を一瞥もしない。

 不敬な男だが、さて……


 【行動】
 どうする?

 1、後ろから殴りかかる
 2、質問する(内容も一緒に)
 3、そのまま付いていく
 4、その他

 ↓2


 「……」

 いろいろと気になることはあるが、ひとまずそれは置いておこう。

 こんな早くに波風を立てるのもいいことじゃない。

 比較的優先順位が低いが、私にも願いはあるのだから。

 「ところで、貴方の……」

 「ん?」

 「……貴方の名前はなんですか、マスター?」

 疑念と複雑な思いを押し殺した笑顔で、彼に問いかける。

 彼はやはりこちらを向くことなく、ぽつりと呟く。

 「加賀啓治。刑事だ」


 ……駄洒落だろうか。


 地下牢が並ぶ回廊を抜け、階段を順番に上り、そして地上への扉に行き当たったそのとき。

 「そんなことはいいが、セイバー」

 加賀が、私に呼びかける。

 「外では霊体化していてくれ。魅了をばらまかれると面倒だ」


 【回答】
 なんと答える?

 ↓3


 「了解しました」

 とりあえず従っておく。

 まだ私への警戒心は強いだろう。

 動くのはまだ早い。


 請われた通りに霊体化すると、加賀は軽く頷いてから扉を開いた。


 地下牢の中の静寂はどこへやら、一転、そこには青人草が交錯する喧噪が広がっていた。

 同じような服装に身を包んだ男女が、しかめ面をしながら歩いている。

 まじめくさった面を、狂気に変えるのも楽しいかも知れない。

 「それでマスター、今後はどう動くんですか?」

 念話で話しかける。

 「あー、そうだな。俺は昼は仕事だから……」


 聖杯戦争舐めているなこいつ。


 「必然、夜動くことになる。だいたい九時頃からか」

 「……マスター、言いたくないですが、それはあんまりだと……」

 「ああ、あんまりだ。

 睡眠時間は削られるし、部下までそれに付き合わせることになる。だから手早く終わらせたいんだ」

 そうじゃない。


 マスターが机仕事をしている間は、ずっと近くで霊体化して待っていた。

 現代の文字など、聖杯の知識が無くても読み解くのに造作はないが、それにしても、彼らはいったいどうしてこんなにつまらないことをしているのだろう。

 見ているこちらもつまらない。

 理性の箱に閉じ込められたような閉塞した人々。そんな風に生きていて、辛くない? 苦しくない?

 もし良ければ、いや、もし悪ければ、私がその欲望を開放してあげるけど。

 勿論、マスターとて例外でない。今のところは……まあ及第点すれすれといったところだけど、

 つまらない人間だと確信できたなら、そのときは―――――

  ――――欲望を解放し、傀儡にする。


《夜九時》


 そして夜九時。

 繁華街近くの警察署は、夜の闇の中にその存在感を薄めながら、ひっそりとそこにたたずみ続ける。

 一方側面に広がる欲望の象徴のごときネオンの光は、たわわに実った果実の如く、私の胸を躍らせる。

 窓から見下ろす町の風景はまさに私にとって酒池肉林のそれに等しい。

 あれ? あそこにあるのはもしかして風俗店?

 まさか警察署の窓から見える距離にあるだなんて、この時代の警察は、その手のものを排斥するのを諦めたのだろうか。

 ……などと、くだらないことで興を潰していると、加賀が唐突に立ち上がった。

 「仕事終了。今から夜の方だ。付いてこい、セイバー」

 加賀は警察署から出て、路地裏のゴミ置き場の近くに移動した。

 「出てこい」

 このつっけんどんな態度に若干いらだちつつ、実体化する。

 「……ようやく聖杯戦争の開始ですか、マスター」

 「ああ」

 加賀はけだるそうに答える。

 「できるだけ手早く終わらせたい、が……今のところ、手がかりは何も掴めていない。

 今、うちの部下がめぼしいところをいくつか抑えている。だが連絡が無いと言うことは、見つけられてはいないのだろう」

 彼は胸ポケットからマルボロを取り出し、慣れた手つきで火を付けた。

 煙は闇に隠れて見えないが、香りだけが漂ってくる。

 「セイバー、お前は、どう動くのが正解だと思う?」

【回答】

↓2


 「そんなときこそ、私の魅了を使えばいいんですよ」

 蠱惑的な表情を浮かべて、加賀に提案する。

 「警察も治安維持組織、意志に反するような輩には面倒なのもいるはずです。そういうのを手駒に変えて、

  情報収集に使えば……」

 「いや、それはいい」

 「どうしてです?」

 「うちの部下の張り込み能力を信頼しているというのもあるが……有象無象を集めたら後始末が面倒だ」

 「最終的に全て面倒に帰結するんですね……」

 どう考えても人選ミスである。警察は人を選ぶと言うことを知らないのか。

 それとも、彼には彼で何か特筆すべき能力があるのか?

 「さて、そんな意見しかないなら、足を使うとしよう」

 そう言って、加賀は繁華街の方向へと進んでいく。

 「手当たり次第、というわけじゃない。繁華街を抜けた先にある神社は指折りの大霊地だという調査結果がある。

 場合によってはそこに控えているサーヴァントがいるかもしれない。あ、あと、繁華街では霊体化しろよ」


 【行動】
 どうする?

 1、付いていく
 2、反論する (内容込み)
 3、質問する (内容込み)
 4、その他
 ↓2


 そちらに考えがあるのなら、わざわざ私に提示しなくとも良いだろうに。

 指示に従い霊体化し、彼の後ろを付いていく。


 《繁華街》

 醜悪な喧噪とはこういうものを言うのだろう。

 かつてバビロンの都にも、このようなふしだらで堕落した空間はなかった。

 夜という時間を自らのものにしてしまった人類は、こうまで汚れてしまうものなのか。

 夜は悪魔の時間である。夜は怪奇の時間である。

 その時間に手を出すと言うことは、即ち自らをそれら化生の類と同一視することと同義。

 無論、蒙昧な人間はそこまで配慮を及ばせていたわけではないだろう。

 だが、数千年の間暗黙として敷かれていた了解に自ら足を踏み出した以上、言い訳は通らない。


 現に、髪を染め上げ、下品な笑い声をあげる道ばたの男女を見よ。

 山姥か何かの類いにしか見えない。

 ……尤も、私にとってそれは素晴らしいことだ。

 賢明な愚か者より、愚かな愚か者の方が扱いやすい。それが姑息で狡猾ならば、尚更だ。

 聖杯などと言う欲望の権化に囚われる愚物であればなおのこと。


 それだけに、このマスターには少し手を焼いているが。


《神社》

 繁華街を500Mほど歩くと、小高い山に森林が広がっていて、中央を一本の石階段が貫いている。

 きっと登っていけば神社にたどり着けるのだろう。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                             北








                              神社?


         警察署      繁華街      参道















                              南
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


 「さて、行くぞ」

 やはり加賀は躊躇いもなく階段を上っていく。

 止める理由もない。私がセイバーとして呼ばれた以上、ほぼ全ての相手は私の敵ではないし……見たところ、

 この男も露骨に足を引っ張るほど能なしというわけでもなさそうだ。


 【判定&トリップ】
 コンマ5以上で敵が居る (0は0、特殊なし)

 居る場合のクラス決め
 ↓1 (1~6)

【トリップ入れ忘れていましたが、いなかったので省略】


 もぬけの殻だった。

 サーヴァントどころか、人の気配すら少しもしない。

 この山道を延々と登り続けて、成果はゼロ。歩かされていたら文句のひとつも言っていただろう。

 幸い霊体化していたから、そのへんの苦労はなかったが。

 「マスター……」

 「……やはりな、知っていた」

 ――――!?

 「え?」

 「予見したとおり、ここには誰も居ない。大事を取って確認してみたが、やはり誰もいないのか」

 予見していた? じゃあここに誰も居ないと言うことを知っていたと?

 どうやってそれを……いや、それよりも。この男の異常な面倒くさがりの性格を考えると、

 無駄足をわざわざ踏むのはどう考えてもおかしい。

 「さて、まだまだ夜は始まったばかりだ」

 彼は何の倦怠感も見せずに、精力的に歩を進める。

 「次は、東へ向かう。海沿いの廃倉庫地帯は戦闘するのに格好の場所だ。もしかしたら、戦いが始まっているかもしれない」

 ……本当に面倒くさがりなのだろうか?


 【行動】
 どうする?
 1、そのままついていく
 2、質問する
 3、その他

 ↓3


 良く分からないが、勤労意欲のあることは悪いことではないだろう。

 特に言うことはない。

 すたすたと勝手に進んでいく彼の後ろを三歩下がる距離くらいで付いていく。



 ……ん?


 「海まではタクシーを使っていく。無論、霊体化を忘れるな」


 【判定&トリップ】
 直後コンマ5以上で戦闘あり

 同時にトリップ判定で陣営決定 ↓1~2(1~6) 重複時、安価下 場合によってひとつずらすことあり

#魔暗狂弓騎EX槍魔暗狂弓槍騎
【1~13にしておかなきゃいけなかったけどまあいいか】

【判定&トリップ】

キャスター↓1コンマ

1アレイスター・クロウリー
2エサルハドン
3シャーロック・ホームズ(偽)
4キャスター(未解放)
5メアリー・スー
6聖徳太子(変態)
7役小角
8ハサン=サッバーハ(初代)
9テスピス
0ハリー・フーディーニ

バーサーカー↓1トリップ (1~8)

Aミノス
Bローラン
Cアンタイオス
D安徳天皇
E聖徳太子(救済機構)
Fヒュドラ
Gアルバート・フィッシュ
Hベンディゲイドブラン

さらに、↓2~3でそれぞれのマスターの属性判定 その後、マスターを安価で選択
1混沌悪
2混沌中庸
3混沌善
4中立悪
5中立中庸
6中立悪
7秩序悪
8秩序中庸
9秩序善
0 自由


#ACBDEFGH
キャスター:エサルハドン
バーサーカー:アルバート・フィッシュ

混沌善
・ざびまる
・藤村氷芽
・リュカ
・ジン=パスカル&ソフィー
・アンリ=カミンスキー
・ジェーン・ドゥ
・加賀部史郎(カカベル)
・神崎=S=アリア
・別都杏
・名無し
・エドガー・ブラック


キャスターのマスター
↓1

バーサーカーのマスター

↓3


本日はここまで。こちらは特殊判定基本なしで、落ち着いて真面目にやろうと思います


お疲れ様でした


  . :― 、γ:  ̄: ヽ
 /: . : . : . : . : .( ) :}
 { : . : . : . : . : . : . ′

  、 : . : . : ./ ) :/     ____
  \ : . :( //   / :: :: :: :: :: :: \
      ー― '   / :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ      ちなみに、私は『魔術で心を覘く』とか『催眠をかける』とか『記憶を消す』とかそういうこともできますからね、古代の魔術師ですし
    ☆   r‐ヘ. {:/:: : /{:: :: }、:: :: :: :: }
       ヽ=へ/:{:: /、ヽ:: ノ メ::ハ:: :リ       他にも、腰を落ち着けたときは『工房を作る』『工房を神殿にする』『使い魔を用意する』などなど……
        く  {: ∨◯   ◯ |:: }:― : .
      /: : >、ヽ:(   、ーッ   |::/-: : : :>  午後には本スレやるとして、まずはこちらからぼちぼち
     <: : : :_ノ´\.>ーrzュ―<ス`ヽ-<

         ̄ {_:_:ノヽ{二二ミ:二ヒ:/、:_:_}
          /ヽ:ノ}:.: l   l:.: {┘  >
         /::/ ノ:ミ:|__'__.|彡ヽ./:\
       / :: /   \:.人:_:.人:.ノ  \:: ヽ
        {:: :/    マ'マ ヽ:マ'マ_p  ヽ:: }
       ヽ:{      ∀   ∀ーq:)   }ノ

【再開します】

【倉庫群】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                             北





                                                   丘


                              神社?                 倉庫群    海


         警察署      繁華街      参道















                              南
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 幸い、二回連続で無駄足を踏むことにはならなかった。

 天幕が落ち、一日の人の営みを終えた海辺の倉庫群の中央、ひときわ大きな倉庫が建ち並ぶブロックにあるコンクリートの広場から、

 爆発音が聞こえてくる。 タクシーを降りた私たちは、海辺の小高い丘からその様子を眺めていた。

 もっとも、この音は聞こえる人間にしか聞こえない。

 高度な結界によって隠蔽処理がなされている。持ち前の魔術と対魔力を駆使すれば、この程度を突破することなど造作も無いが、

 どうやらこの結界には人の魔術だけでなく、神格の権能の一端らしき超常も含まれている。

 私が最大の対魔力を保持できる剣士(セイバー)として呼ばれたから良かったものの……

 騎兵(ライダー)や、ましてや狂戦士(バーサーカー)として召喚されていたならば、私にも突破できたか分からない。

 これほどの魔術、ただの技術としては余りに完成されている。

 現代の魔術師が為せる技ではない。

 サーヴァントの所行――――それも、宝具を用いていると考えるのが定石だろう。

 とすれば、今し方そこで戦闘を行っているサーヴァントのうち、片方はキャスターだろう。

 爆炎が広がって中の様子まではよく見えないが。


 ともかくキャスターは、私にとってはバーサーカーと並ぶ格好の餌食だ。

 何しろ殆どの魔術行使が効かない。

 「どうします? マスター」

 側に控え、黙してたばこを咥えるマスターに問いかけると、マスターは頭を掻いた。

 「……いや、どうも俺には見えん。概要を説明してくれ」

 そう言って首をかしげる。

 おや。私の魅了に耐えたマスターのこと、それなりの魔術耐性を持っていると思ったが……そうでもないのだろうか。

 しかしそれならばやはり、マスターは……

 【思考】
 どうしてマスターに魅了が有効でないのか?
1、私専用の対策を持っている
2、視力が悪い
3、ゲイだ
4、その他

 ↓2


 ……きっと、彼は目が悪いのだろう。

 だから私の魅了が効かなかったし、それに遠くの景色も見えなかった。

 全ての辻褄が合うね……

 ――――って、そんなわけあるか!

 私の魅了は視覚的なものにとどまらない。それが一要素としてあったとしても、要ではない。

 魅了を弾いたなにかは、別にある。


 それはともかく、加賀が倉庫群での情景を視認できていないのは事実の様子。

 ならば、私は―――――

 【行動】
 どうする?

1、真実を教える
2、嘘をつく(嘘の内容も)
3、その他

↓2


 特に嘘をつく理由もないだろう。真実を語る。

「倉庫群の……あのへんで、恐らくキャスターと、もう一つ、サーヴァントが戦っています。

 恐らくそのキャスターによる結界が貼られていて……戦況は、まだ分かりません」

「……なるほど」

 口元からたばこを剥がして、加賀は暗闇の中の倉庫を眺め見た。

 「……ということは、おおむねそれも予見通りだったということだ」

 ああ? またこの男はそんなことを……虚言癖には見えないが、果たして本当のことはどうだか分からない。

 「その二騎は、お前一人で突破できそうか?」

 「いや、戦況も分からないのに個々の能力なんて分かるわけないじゃないですか?」

 いくらカモの魔術師だとはいえ、相手が神代や古代の存在であることがほぼ確定だとすると、油断は禁物。

 何を物騒な宝具を持っていないとも限らない。

 「……まあそうか。そこから先はまだ俺も知らない」

 ……やっぱりこいつ、虚言癖なんじゃないだろうか。

 「さて、と。俺としてはもう少し距離を縮めて様子見するのがセオリーだと思うが、何か意見はあるか?」

【回答】
どう答える?
1、はい
2、反論する(中身も記載)
3、その他

↓2


 「あの、その前に一つ良いですか?」

 疑いを放置しておくのはいいことではない。それに、もしかしたらそこに答えが隠れているかも知れない。

 「マスターがさっきから予見、予見と言っていますが……それは一体……」

 加賀は少し目を見開いた。素っ頓狂な表情に少しいらだつ。

 「ああ、言ってなかったな。それ、俺の魔術」

 「……はあ」

 「よし、じゃあ行くぞ」

 「はあ……はあ? いやいや、待ってくださいよ。説明が不十分なんですけど……未来予知でもしたってことですか?」

 「おおむねそれに近いな。細かい説明は省くが……占星術の応用による、簡易的な未来予知と危機管理。俺ができる唯一の魔術だ」

 疑惑は広がる。

 予見、というより予言、ができるというのがこの男の特性らしいが、まだ魅了が有効でない理由がはっきりしない。

 そして、この男が動くのを嫌いながら、無駄とも思える行動を繰り返す理由も。

 「しかし、そこまで先の未来のことは占っておけないし、道ばたでやるのは少々手間だ。ここから先がどうなるのか俺にも分からん。

 セイバー、お前はどう動きたい?」

【回答】
1、乱入
2、様子見
3、撤退
4、その他
↓2

「マスターと同意見です。まだ聖杯戦争は始まったばかり。安易に動くのは早計かと」

「いや、俺はさっさと終わらせたいんだけどな。ただ、急いては事をし損じるのも事実だ」

 などと言いながらマスターが山道を下り始めたので、私はその後に続いた。

 崖道を軽快に駆け下りていくその姿を見るに、ある程度の体術の心得はあるようだ。



【倉庫街】

 戦いの様子が見える位置まで降りると、そっと陰に控える。

 隠蔽用の魔術は組んだ。少なくとも、双方の陣営が戦闘に集中する限り、こちらに気づくことはないだろう。

 改めて、戦闘の様子を眺め見る。それぞれの相貌もよく見えた。


                 ヽ _     |!
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                >‐-////////////≧=ミ
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     イ/////////////     `ヽ{// ! /斗 七 ∨// ‘,
...   ム斗-/////////,'≫ らリミメ、{/ | |≫tッ ミl|////{

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.        |//// >=ミ/∧                    |V/{
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          |///ヽ.l//// |            _ _      ′Ⅵ
          |////// / / |         ´     イ{
          |//|/|/ /|//{〕iト             イ/|/{
          |/ l|/| / l|//{      ≧=‐‐r=≦  |/,ト、{
          |  |/N  }//ハ      /,/l/!    ! /
            Ⅵ ムイ=========={ミ∧|    |,′
            /二二二二ニニニ ≧o。

             |ニニニニニニニニ{{ニ=/
            /ニニニ__,,.. --=ミニ}}ニ/
              |二二/ニ } }ニニ‘:,ニゝ、
             |ニ=/ニニ { {ニニニ‘:,ニ=丶
            |ニ/二二ニ} }ニニニ ‘:,ニニ〕iト、
.              | /ニニニ { {ニニニニ ‘:,二二二〕iト、

 「ちっ!」

 マスターは両方とも女性。サーヴァントは双方とも男性。

              .∠: : : : : : : : :_: : : : : :ミト、 : : \
             ノ ̄ ̄ ̄≧ミ、: : : : : >:、: : : : :\ : ∧
             )二二ニ≠: : : : : : : : : : :.`ヽ : : : :\ハ
                /:フー―ミニニ二:_: : : : : : :\: : : :\
             /:://:::::::::/::|:::::::}::::}::::::::::::: \ : : : : :\ : : :/
            ./:://::::/::/:::┼:::ナ/::::::::::::::}::::::\ : :ヽ: :\:{
           {://{:::/::/,二ノ:::://}:::::::::::::/:::::::::::::\: : \: :〉
            .i{ i八L/ f:} \' /::/::::::/::::::::::::::::::::::ヽ :./
                 _.ノ  {(  //::/::::::/::::/:::::::::::::::::::::}_/
               {    ー   /::/::::::/ヽ/:::::::::::::::::::::/
              .   "" /::/::::::/ノ ノ::::::::::::::::::::/
            人 r‐-/イ:::::::/-イ::::::_:::::::::: {

          _ /:::: `ー'/::::::/」:::::{ ̄: : : :`ヽ:::ハ
      / フ:::::::r': : :〃::::::::/ ̄: \::\: : : : :ノ::::::}!
     // /:::::::::: {: : :./:::::::::/ : : : : : :\::\: : :}::::::ノi!

      {:{/:::::/ ̄ ヽ:/:::::://-―――; .:.\::\':/ |
     .}{::::/   〈: : : {:::::// : : / ̄; : : : : :.):::::}、  :!
      ノ Ⅵ   /ヽ: :|::::{:{ : ̄/ ̄: : : : :.:/:::::/ }__.ノ


 巨大な魔道書を手元に控える少年と、時代外れの古びた服に身を包んだ少女の組。弾幕の如く魔術を行使している姿から考えるに、こちらがキャスター。


                              ∨ 〉∨ 〉∨ 〉∨ 〉∨,. <〔>'´ ̄

                                  ∨ 〉∨ 〉∨ 〉,. <  >'゚,.ィ≦二
                                ∨ 〉∨ 〉<  >'゚,. -={.: : : :.乂
                                    ∨ 〉く  >'゚./´   {.: : : :.ζ
                                 〕〔,>'゚ イ:/ : .     {: : :.ノ.:}
                                 _/ <ィ升}//:      {: : : :乂
                               {_,.ィ升/弌ッ /斗ャ≦二ヽ {: : : :ζ
                                 j乂i ´/ ′}ヽ 弌ッ   :}/Y.:ノ
                                     │ / /_,.         /.ノ.:}
.     ,. -----:、                             |,,j杰_ノ,、     /゙Y二.,_
     {ー---―'}                           :|"ー--゙ヾッ   /}.ィ{ΧΧX
     {(⌒゚~' }                     ,. -‐…ー} ー    ///ΧΧΧ
.    \   /ヽ                /ΧΧΧX八___ .ィ //Χ>----
      >ー-く(  :{           ,. ‐ァ……<〔\ΧΧΧX/ {   //Χ/   / // .,
   (__(_ノ、 ヽ         /// /____ヽΧX/{___ヽ,/ /Χ∠..___// ./
    (___(_)ノ .ノ      .///(_,/{{ΧΧΧΧΧ{   {ハ{ `ヽ/ΧΧΧΧΧ`ヽ/


 対しては、とげとげしい表情の少女(ジャージ姿)と、ひげ面の大男(紳士服)。

 ある程度様になっているキャスター側に対して、もう片方の陣営は実に奇妙なミスマッチ。少なくとも魔術師には見えない。

 それで、舌打ちしたのは、ミスマッチ組のマスターの方。小柄な少女が零した舌打ちだ。


 「なーにやってんだバーサーカー! キャスターなんぞに押されているんじゃねえ!」

 「ええ……心地よいですぞ? 炙られる煉獄と凍てつく氷柩のどちらも味わえるとは、まさに至上の理!」

                                  /し'{_ ノ{
                                lしイ::::::::::::::::< __
                                ト、ノ:/ニニニヽ::::::::: < _
                             \,′ニニニ 〕iト、::::::::::::>
                       _____  L __ニニニ `ヽ´

                 -‐= ニニニニニニニニニニ `ヽ二二 ‘:,
            -‐= 二二ニニニニニニニニニニニニニニ乂ニニニ\ー‐-  __
      -‐= ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ≧=‐‐-- 、ニニ{`ー=ァ
_,. -= 二二二二二二二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ:::::::::::ヽ、¨¨ `ー′
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ ____ニニニ --‐‐=≦:::::::::::::::l }

二二二二二二ニニニ ニ=-‐      ̄ ̄ ̄       }ニニニニニニ/::::::::::::://
ニニニニニニ=-‐                         }二二二二ニ/¨¨¨¨¨¨´
-‐=≦  ̄ ̄                         }二二ニニ /

                                 }ニニニニ/      ___
                                   }ニニニ≧==‐-‐==≦ニ三ニト--、
                                     }二二二二ニニニニニ{__/ニニ }
                                   寸二二ニニニニニニニノ /ニニ /
                                    ≧=‐-‐=≦ ̄ ̄ ̄ ̄ /ニニ=,.′
                                               人三 /
                                                ̄


 「そんなこと聞いてねえ!」

 少女は加速を付けてバーサーカーを蹴飛ばす。

 「あひぃん!」

 気色悪い嬌声が上げられ、次いで、

 「あはぁん! もっと! もっと罵って! もっと蹴ってください! この哀れな変態野郎に鞭をくださいませぇ!」

 訳の分からないことをいって、くねくねと腰を踊らせる。

 「なにが哀れだ、とことん幸せそうな顔しやがって!」

 目を尖らせて、そのマスターが吠えた。

 バーサーカー陣営が繰り広げる茶番劇。それを見ているキャスター陣営は、呆れた目でそれを見ている。

 いや、そんなことはどうでもいい。

 バーサーカー……?

 今、バーサーカーって言ったよね!?


 バーサーカーとは狂化しているものではない?

 私が聖杯からもらった知識が間違っていたのだろうか。

 いや、あれもあれで確かにある意味狂化はしているが。

 本来バーサーカーは、私にとって少し触れるだけで手駒にできる、カモ中のカモのはず。

 しかしそれは、それが本来持つ狂気を用いてのこと。理性を失っている獣にのみ有効な縛り。

 いくらキチガイ相手でも、理性がある相手にはそこまでこの宝具は刺さらない。

 「……一応確認しておきますが、マスター。彼らのステータスは」

 「あー。ええと。だいたいこんな感じだ」

三三三三三三三三三三三三三ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ===========───────

                                             V         / :| ト、 ヽ.  ヽ   \   \
                                           冫        /  ┼‐<i  :|  |   \ \\ \
                                            /       |   |,.斗=ミ刈  |    | \ \\|
                                          ,.'          |  《´ んハⅥ` 八   |   ト、 ! !
                                          |         \  | 弋zソ |! ,芹刈ヽ |  |:||
                                          |          \!    j/ rリ}/  /  / | i!
                                          |          | ヽ  /  -彳 /j/ / /
キャスター

   【筋】:C(30)    【耐】:D(20)       【敏】:C(30)    【魔】:B(40)    【幸運】:A+(60)  【宝】:A+
三三三三三三三三三三三三三ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ===========───────

                                VS

───────===========ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ三三三三三三三三三三三三三

   \\          ∠ィ         ノハ{《巛{トミ三彡
      ー======  T 「´  '´ ̄       {{《巛《{トミミトミ三彡
.            `トゥxノ  _,zァ―;;;;;;―-..、   ゙ミxf{Nミミミリノリハ}}リ
.          ノ ソ / ̄,. __,zェz,_`゙ヾミミ  }トNミミ三{《《{ljリ

           / / /  /ヽ  、弋ァツフ    人ミ/   `Y{リ
.          i/ /  /    ´ ̄        {ミV /⌒}ノ儿}トn
.          /_ ̄⌒}、            ー' '^} ノ /ハ{トニリ!
バーサーカー

   【筋】:D(20)    【耐】:D(20)     【敏】:C(30)     【魔】:D(20)     【幸運】:A(50)      【宝】:B+
───────===========ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ三三三三三三三三三三三三三


キャスターは比較的王道に近いが、魔力が若干弱い代わりに全体的に高水準だ。

バーサーカーといえば……ライダーかアサシンではないかと見まごうステータス。

そして彼ら、幸運高いな!?



 戦況はキャスターが押しているようだ。

 キャスターの手元にある宝具……魔道書からは、神性を織り込んだ魔術爆撃が雨あられの如くバーサーカーへと降り注ぐ。

 バーサーカーはそれを果敢に回避しているが、なにぶん物量に大きな開きがある。

 キャスターが統率する魔術の数々はもはや絨毯爆撃、あるいは全面の弾幕と呼べるほどの攻撃範囲を誇り、

 キャスターやそのマスターの懐に迫ろうとしても即死級の魔術の雨が侵攻を阻む。

 バーサーカーは長い鞭を構え、時折キャスターへと打ち付けてみるが、届く距離に近づけたことは一度も無い。

 そもそも距離を詰めたところで、近接さえキャスターの方が上手である。

 バーサーカーはステータスを売りにするものじゃなかったのか?


 ……とにかく、見る限りあのバーサーカーはとんだ外れサーヴァントのようだ。即時奪取とあいならなかったのは残念だが、

 正直あれは要らない。性能的にも、性格的にも。


 「くっ……!」

 「あひいいいん! あついいいいい! あついのきちゃううううう!」

 「……か、風神エンリルよ……!」

 キャスターが呪詛を唱えると爆風が止み、続いて

 「我に力を! その権能のことごとくを以てして大敵を切り刻め!」

 無数の風の斬撃がバーサーカーへと迫る。

 「あっ、あっアアアアアア―――――! 逝く、逝っちゃうううううううう!」

 無数の斬撃はバーサーカーを横切り、血の花弁を舞い散らせた。

 そして響くその喘ぎ声。

 「ううう……!」

 「はあ……はあ……もっと! もっともっとです!」

 誰の目から見ても、押しているのはキャスターだ。

 キャスターは傷一つ負っていないし、バーサーカーは傷だらけだ。

 だがバーサーカーは至極満悦した表情で、キャスターは今にも泣きそうだ。

 私が言うのもなんだが、どうしてこうなった。


 「……」

 加賀はといえば私の横で、その汚い濡れ場(赤)を見開く眼で見つめている。

 ……やはりゲイなのか?

 「……ま、マスター? なにをそんなに必死に……」

 あんまり視線が強いので、心配になって尋ねてみると、

 「あの顔、昔写真で見たことがある」

 「はあ?」

 そう言って、加賀はバーサーカーを指さした。見た目に心当たりがあるらしい。

 ということは、比較的最近の英霊なのだろうか。

 「あれはアメリカ最大の殺人鬼、ブルックリンの吸血鬼―――――本名をアルバート・フィッシュという、指折りの変態だ」

 なるほど、近代の殺人鬼。それならばあの低いステータスは理解できる。

 なぜ狂化していないのかは知らないが。

 「アライメントは混沌・悪といったところだろう。お前と同じだな、セイバー」

 あれと一緒にされたくはない。


 「しかし、もしあれが本当にアルバート・フィッシュで、マスターがそれを自制していないと分かったら……面倒だが、俺は警察の職務を果たすために

 あいつを倒さなければならないだろう」

 私としては、あれ、ある意味で欲望に塗れた人類そのものだし、そういうのは好きにしてくれればいいという主義だが、まあ、関わりたくはない。

 一緒にされたくもない。私の悪は崇高な悪なのだ。

 「あんな世俗に塗れた奴と一緒にしないでください」

 「あんな世俗はねえ」

 にべもない。

 「とりあえず、優先すべきはバーサーカー側の確保だ。ところでセイバー、俺はバーサーカーに集中していたから分からなかったが、

 キャスターの方の手がかりは、どうだ。何か掴めたか」

 「あー……なにか、エンリルの力を借りるとか言っていましたし、オリエントの王族と考えるのが最も丸いかと」

 もっとも、その神族は世界中に根を広げている。

 ただあれだけのヒントでは、その正体を断定するのは難しいだろう。

 「なるほど……」

 戦況が変わる兆しは見えない。このままならキャスターが勝利するだろう。

 【行動】
 どうする?
 1、片方に加勢する
 2、傍観を続ける
 3、その他

 ↓2


ならば、安易に動くのは早計である。

バーサーカー側に加担する理由もないし、ここで一つ落ち、一つが消耗してくれれば後の戦いが楽になる。

私たちは動かないまま戦闘を見守る。

そして程なく、決着が付いた。

【判定】
戦況
1に近いほどバーサーカー、9に近いほどキャスター優位
単体での戦力差+2、宝具+2


 盤面は見るまでもなく明らかに、キャスター側に傾いていた。

 となれば必然、戦闘の結果も明らかである。

 バーサーカーの肉体をことごとくまで痛めつけた無数の魔術が彼の身体をぼろぞうきんのように変え、

 大地に伏せさせる。

        /                               \     ))       __
    〈 ( ,. -‐…‐- 、_____ __,                  )       ) )   ((     /⌒´    )
     >'´          <⌒´               (       i (    丿ヽ    (      /
    /  /          ,ヘ \                  \    | \ /   \  )ヽ   _/(___
    .′ ,へ __________乂∧ \〉               \)\|   )'       )/   ̄  /⌒´
    |\ |lーj|─|l‐‐‐l|‐‐''|l|ヘ lト、ヽ          ⌒\___)                  (____
    |!\ルヘ从 ハ  /|  |lルヘ l| )'                ⌒\       。o*∽*o。       __/⌒
    |l    )「`Tヘ_/ ムィ/|レ| jノ          .,-‐- .-‐- 、 )   。°::..     ..::゚*    ⌒ヽ、_____
    |l j l|  | `¨¨´  `¨´∧l|           , 'Z '´   `丶、Eヽ  %::.  .:::.  ..::. .::゚。       /⌒´
    レヘハ jト、   _ '  ,イ リ __       /J/        \Z` 0::.  .::. .::..   ..::0     <_______
     /〈ヽlト、_>-=≦ヘハメ´: : >、__   ,'∞, '           `、 '゚o::. ..::. .:.   ..::φ     -‐ ⌒´
   〈: : : :Vニ===ニア/|l:./´: : /: : : : : 7χ7>‐-zz、     __   ',>%::.  .:.. ...::。゚     (
.  /\.: :|Vニ=ニア/ |/.: :/.: :x-‐ァ'´|lμl|   //ア`ー-ァ'´  `>'´::::::::::゚*c。。。o*゚    ___\_____
. /: : : :)◯vヘⅴ/_◯く(=≦ニ/ /|lζl|   ///   /   イ´:::::::::::::::::::〔         _  \___⌒´
/: : : /|}  {〉>< 〈} |7ニニニ/ /  |lλl|  ム'/    |  / ̄`ヽ、 ::::::::::::::: >‐、 /⌒/´ }~'ー'⌒´
.: :/ニニl}  /〉  〉、  |〉ニニニ{  | ̄∧γ',、_|'/|    │(::::::::::::::::::::`、:::::::::/( //`‐/ ー/  __
ィ⌒~ーl} r、> `ー'/ノ丶V//\\ \/',κ',: : ̄ ̄ ̄ \\:::::::::::::::::::〉::::::,'  //  /  / //_}
7`ー-ァ、l} |r‐'l r、_/| } ヾ{'//,`¨¨´: : : :ヽk`、 : : : :\   `ー\::::'´ ̄`>、_/''   /  //  /
    /: :ヘ ヽ 」 L   '´   )'///,: : : : : : : : ` 、\ : : : \  ,.。*\ :::::::::::::::::::`ー‐'ー‐<_/
.   /: : : :}`ーr‐‐┬‐─=彡'////,: : : : : : : : : : :` `ー- ‐=≦_,..。*'´`丶、___彡ー‐'¨¨´
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 「……」

 「悪いけど、ここでとどめを刺させてもらうよ」

 キャスターは頭上に特大の火の玉を作り出す。それも、あの手に持っている魔道書の力なのだろうか。


「太陽神ウトゥよ。その権能の一部を以て敵の悉くを焼き尽くせ」

 無慈悲な一撃が、くたびれた血みどろの男めがけて放たれる――――。

 【判定】
 123 幸運EX
 456 山育ち
 789 バーサーカー消滅
  0 乱入者


 慈悲はない。

 バーサーカーは抵抗する術もなく、そのまま烈火の太陽に押しつぶされて消滅した。

 そのマスターだった少女は、ため息をついて頭を掻く。

 魔術行使を終えた後、キャスターは視線を彼女に移して問いかける。

 「どうして、バーサーカーを令呪で助けなかったんだ?」

 それは、再び参加しようという意志があるならば容赦はしないという意思表示を含んだ問いかけだった。

 しかし、そんなつもりは一切無いのか、自身に向けられた糾弾の視線を予想だにしていなかったように、彼女は肩をすくめた。

 「そいつ、食人鬼でさ。召喚したときにまず一回私を食い殺そうとしたから、令呪で縛ってたんだ。だが、逃げるのに令呪を使ってしまえば後がない。

  正直先は見えねーから、無理に助けてやる必要も無いかな、って、おい、引いてんじゃねえよ」

 話を聞いたときのキャスターの表情はともかく複雑なものだった。

 さて、恐らく聖杯戦争最初の戦いと思われる戦闘は決着し、いきなり一つの陣営が脱落した。

 重要なのはこれからの行動だ。さて、どうしよう……

 【行動】
1、帰宅
2、襲撃
3、友好的接触を試みる
4、その他

↓2

【今日はここまで】

【ちょっとだけ再開】

 おそらくは、聖杯戦争は始まってまだ一日目。

 にも関わらず、既に一陣営が脱落した。普通ならばあり得ない話だ。

 そもそも、あのバーサーカーからして異端だ。

 いったい、何が起こっているのか?

 気がかりなことは多い。まだ私がこの町の構造について深く理解していないというのもあるのだろう。

 だが、それらは現状些事であり、考えなければならないことは他にある。

 それに、しなければならないことは他にある。

 目の前にいるキャスター、あれは優秀なサーヴァントだ。

 三騎士相手以外ならば、並みのサーヴァントを一笑に付すほどの、神性を込めた大魔術の応酬。

 あれを駒にできたならば、今後の戦争は非常に楽になる。

 悪性のサーヴァントには見えないから、ただ単調に『悪・神約の指環(リング・オブ・アスモデウス)』を用いたとしても意味は無いだろう。

 だが、私には『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』がある。

 この宝具は、視認した者を立ち所に狂気に陥れる悪逆の穢旗。

 さらにこれによって殴打を加えれば、原初の悪行たる暴力の伝播、破壊衝動の呪いがこの世全ての悪の外形を為して流れ込む。

 よほど対魔力に自信があるサーヴァントで無い限り、旗を見た上で一撃でも食らわせてしまえば――――正気はもはや保てまい。


 しかし、宝具はその者の真名を表し示す。

 敵に対してこの旗を掲げると言うことは、黙したとしても名乗りをあげているのと同義である。

 真名はサーヴァントが隠すべき最も重要な情報の一つ。

 それをこの初期から衆目に曝せば、何処で足下を掬われるか分からない。

 ましてや今の私はソロモンの眷属、アスモデウスとして現界している。

 悪魔というのは往々にして数多の弱点を与えられているものであり、私とて例外ではない。

 ソロモン王の指輪にすら耐えきった対魔力を以てすればそれなりの干渉は抑えこむことができるだろうが、油断は禁物だ。



 ……仮に、『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』を使わなかった場合のことを推測してみよう。

 当然、狂気や悪意に支配された者だけに有効な『悪・神約の指環(リング・オブ・アスモデウス)』は意味をなさない。

 異形より生まれ出る炎の息吹や多角三連続攻撃は魔術で秘匿しつつ使用できる。

 それに高速神言による大魔術の連弾を加えれば、あの宝具を無力化――――とまでは言わないものの、八分の戦闘には持って行ける。

 しかし、恐らくあれの宝具はあの魔道書一つではないだろうし、あの魔道書もその真価を発揮しきっているとは思えない。

 あれからさらに火力と制圧力が伸びるとしたら、如何に対魔力を備えるとはいえ、油断は禁物だ。

 ともあれ、制圧するだけならば宝具を使うまでもないが、あれを駒として欲するならば、真名を曝す危険を冒してでも宝具を使わなければならない。


 様子を見て行動すれば隙が生まれる。

 それほど甘い相手ではない。

 仕掛けるならば、行動指針を決めておかなければならない。

 無論、加賀がどう動くのかもあらかじめ確かめておく必要があるだろう。


 「では今から攻撃を仕掛けるとして……」

 我ながら妖艶なる猫なで声で加賀に話しかける。加賀の仏頂面は揺らがない。くそぅ、いったいどうなってるんだ。

 「……マスターはどうなさるつもりです?」

 あごを押さえ、暫し考え込む加賀。そして、キャスターの背後に立つ古風な衣装の少女を指さした。

 「――――恐らく、ありゃ指名手配犯だ」

 「え?」

 また犯罪者ですか、と、呆れたため息が出る。

 「と言っても、この国のじゃない。別の国で指名手配食らってる奴が、どうやってか今ここにいる。逃げるために来たのか。

 戦うために来たのか……恐らく後者だろうな。

 俺は直接その案件を受け持ったことはない、当然だが。だからアレがどれだけの人物かを詳しく知っているわけではないが……

 間違いなく言えるのは、あれの精神力は並みのものじゃないということだ。

 俺が知ってるのは、あれは動物保護系のテロリストまがいで、活動し始めたのが六歳の頃。それから十数年、幾度となく

 死ぬより酷い目に遭ってきているらしい。それでも今の今まで戦い続けている。

 制服を着せて机に座らせてやれば高校生の人並みに埋もれそうな腑抜けた面をしているが、筋骨・心筋には針金が入っている」


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 そういうふうには見えないが、嘘をつく理由もないだろうから、きっとそうなのだろう。

 少女の精神をハックしようかとも考えたが、それでバレたら本末転倒だ。

 「無論、戦闘能力もそれなりにはあるだろう。俺じゃ勝てない可能性が高い。だから……」

 「だから?」

 「俺は積極的に戦闘に干渉しない。ここで待っているから、お前が前面に出て派手に制圧しろ。無論、周囲を壊さない程度に」

 あははー。またむちゃくちゃなことを申しつける。

 「周囲のことは保証しませんが、制圧はお約束いたしましょう」

 さて、どうしよう。戦闘プランはいくつかある。

 1、宝具無しで衝突
 2、宝具を用い、キャスターのコントロールを奪い取りにいく
 3、その他

 ↓2

 【一端ここまで。再開は午後以降】

【訂正】
12~13行目
 俺が知ってるのは、あれは動物保護系のテロリストまがいで、活動し始めたのが六歳の頃。それから十数年、幾度となく

 死ぬより酷い目に遭ってきているらしい。それでも今の今まで戦い続けている。


 俺が知ってるのは、あれは動物保護系のテロリストまがいで、活動し始めたのが六歳の頃。それから十数年、幾度となく

 死ぬより酷い目に遭ってきているらしいってことだけ。

 口にするのも憚られるほどの凄惨な扱い。肉体的にも精神的にもな。それでも今の今まで戦い続けている。

安価下

やはりあのバーサーカーは欲しい。

あれはどうやらまっとうな魔術師の系統のようだし――――

「マスター、キャスターの陣地作成のランクを教えてください」

「んあ? ……えーと、A?」

《キャスターのクラススキルを公開します》

  ◆陣地作成:A
  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。 
  国王であった彼は、母の輔弼を受けながら神殿の建築などの事業を行っている。

  ◆道具作成:D
  魔術的な道具を作成する技能。


 思った以上に当たりだ。

 あれを手駒に加えられれば、私自身が所有する陣地作成の技術と組み合わせて……

 恐らく二日で神殿を作り上げられる。

 最弱とされるキャスターでも最優であるセイバーと拮抗できるようになる神殿を、その最優のセイバーが持つのだ。

 そうなれば敗北はあり得ない。

 なれば、今後の行動指針は決定した。

 『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』と『悪・神約の指環(リング・オブ・アスモデウス)』の合わせ技で、

 あのキャスターを手に入れる。



 「では、行ってきましょう」

 軽く会釈して、翼を広げる。

 平時は抑え気味にしていた悪魔アスモデウスの本性を、表層へと顕現させる。

 さあ、悪魔時間だ。



 コンテナに隠れていた身体をさらけ出し、キャスターたちがなにやら話し込んでいる様子の空き地へと足を踏み入れる。

 三つの貌。それぞれが私と暴力(わたし)と堕天者(わたし)を表す。

 蛇の尾は、心を融かし堕落させる悪魔の本質。

 蝙蝠の翼は狡猾さと高貴さの象徴。

 鵞鳥の足は、貞節を示す証明。

 大いなる王、72の軍団を率いる32位、東方の悪魔の首座。

 私の姿を目にしたキャスターは、目を丸くしている。

 さあ、戦け。その恐怖が私を満たすだろう。




 「―――――待っていたよ、セイバー」




 ――――――は?



《キャスターのスキルを公開します》
  ◆占術(魔術):B
  自然現象や人間現象の観察によって、将来の出来事や人の運命などを判断し予言する術。
  いわゆる未来観測。


 「君が来ることは、既に自然(かみ)が教えてくれていた」

 そう言って、キャスターは魔道書を構える。マスターの方も、速やかに戦闘態勢を取る。

 また占星術か。

 また、なのか。

 人間というやつは、馬鹿のひとつ覚えのように皆同じことしかしないのか?

 ―――――ともあれ、あちらが気づいていたとしたならば、もはや戦闘の名乗りは必要あるまい。

 あの男は簡潔な終幕を望んでいる。少し癪だが、それに従ってやるのも悪くはない。

 私が右手を翳すと、夜の闇に黒曜石のような輝きが明滅する。

 光は立体的に収束し、やがて『旗』の形を為す。

 その柄は棍棒のなれの果て。赤き装飾は原初の暴力。

 「この旗の御許にて、汝の狂気を解放せよ」

 高らかに宣告し、キャスターへそれを掲げる。


◆『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』
 ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:0-50 最大捕捉:500人
  悪神アエーシュマの棍棒を竿とした、「この世全ての悪」を描いた旗。
  旗はレンジ内の悪意や穢れなど、悪なるものを引き付け集積する機能を持つ。
  旗を認識した者は、自らの内なる悪が表出することによって理性を奪われていく。
  血に塗れた竿は、「暴力」という原初の悪行。
  打撃を通じ、神代より集め続けた破壊衝動の呪いを直接叩き込む。
  真名解放により、集めた「悪」を依代とし、アスモデウスの源流、
  原初の破壊衝動そのものであるアエーシュマを一時的に現界させる。



 対魔力を持つ三騎士でもなければ、この狂気から逃れるのは不可能。

 それは、魔力を潤沢に保有するキャスターとて例外ではな―――――


 「マスター、見るな! あれは理性を吹き飛ばす悪意の権現だ!」

 明瞭なキャスターの声。

 アレ? ナンデフツウニタイオウデキテルノ?


 宝具を誇らしげに構えたまま硬直した私を見て、キャスターはあきれ顔で首を振った。

 「悪いけど、僕にそれは効かない。その手のものへの対策は心得ている」

《キャスターのスキルを開示します》
  ◆対魔力:B+
  魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
  大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
  生前からして悪霊払い、病気治癒の儀式などを積極的に行っていた。


 「そうでなければ、君ほどの大英霊がここに来ると分かっていて、それでも戦おうとするはずがないさ」


 なんだこいつ。私特化の対策でも積んでるのか。

 とは言ってもマスターの方は、狂化の浸食に耐えられまい……と思うと、平気な顔でそこにたたずんでいる。

 もう少し目を凝らしてみれば、その少女の身体が透明な円形の膜で覆われているのが見えた。

 「……星神アヌよ、大敵から我が主を守り給え」

 魔道書――――否。距離を近づけて初めて分かったが、あれは魔道書の外面をしているだけで魔道書ではない。

 魔術によって偽りの姿を施されていた石版。

 古代文字が羅列された秘宝からは常に魔力が迸っている。いや、魔力というよりは神性の片鱗。

 あれから発生する魔術は魔術の範疇にとどまらず、権能の要素を帯びた衝撃となって発散されるだろう。

 それはつまり私の対魔力でも防ぎきれない可能性があるということ。

  ――――――だが、石版ならば。


   相手が石ならば、いかようでもやるようがある。危ぶまれた勝利への道は、すんでのところで繋がった。


《セイバーのスキル》
◆高速神言:A
  呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。
  大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。
  現代人には発音できない神代の言葉を、全ての頭が発音できる。


「┗┗╋╋┃┃━┓┣┳┓┣┣┫┗┗╋╋┃┃━┣┳┓┣┣┫┗┗╋╋┃」

 唱えるは神代の呪詛。蓄えられるは古代の叡智。

 高速神言、圧縮された詠唱が三つの頭による分割詠唱によりさらに短縮される。

 結果、弾き出される刹那の大魔術。

 並みの魔術師では一日仕事になるほどの大魔術を、刹那において終局させる。

 そして穿つ、かつて太陽が沈んだ後に、従順の神スラオシャとの会合にて用いたとされる、全ての家畜を焼き尽くした焼尽の猛火。

 火山の溶岩の如く私の口から解き放たれる煉獄。

 それはさらに、私が右手に握る『災禍集め揮う暴悪(アエーシュマ・ダエーワ)』によって、

 ほんの少しばかりの血塗れの狂気と共に拡散する。


 キャスターは、対して詠唱を行い――――

 「我に石版を授けし者、風と嵐の神、エンリルよ! 清浄なる誓いを!

 かつて人を滅ぼした大災害の一端を、今、ここに、我に力を与えたまえ!」


 瞬時、凝縮された風と水の渦が発生し、キャスターを包み込む。私が発した火炎を阻む。

 権能と魔術の差。宝具と地力の差。高速神言による濃密な詠唱と、一節のみの簡易なそれ。作られた狂気と、与えられた狂気。そして属性の差。

 それぞれの短所長所は交錯し合って相殺し、果ては互いに打ち消し合って虚空となり、魔力の損失以外に何も生み出さない。

 だが、何も生み出さないならそれもそれで問題なし。

 炎弾を放った後、私は一歩前へ進む。

 今の私は魔術師ではない。騎兵でもない、狂戦士でもない。剣士だ。

 ならば、剣を使うが最上である。


 私は、腰に佩いた使い魔を左手に取る。

 それ、かつてエルサレム神殿を建造しせしめた石の子爵にして我が眷属。

 キャスターは石ではないが、それが振るう権能の発信点、かの宝具は石造りである。

 さすれば宝具たれど、かの高貴なる魔族の行使を阻むこと能わず。

 まさか、野戦で『これ』を使う機会がやってくるとは思わなかった。


 私の足はそれほど速いわけではないが、魔術の応用である程度なら補える。

 瞬間的な加速、爆発の途中で、私はキャスターとおおむね10mというところまで距離を詰めた。

 「―――――! 戦闘神ザババよ―――――」

 とっさに、新たなる神の権能を降臨させようとするキャスター。だが、遅い。

 「『石切蟲(シャミール)』!」

 手に持った悪魔は、その身から無数の触手を排出。

 幾重にも分かれてキャスターの持つ石版へと迫り―――――

 ――――数閃、それを粉々にする。

  ◆『石切蟲(シャミール)』
  ランク:C+ 種別:対城宝具 レンジ:1-20 最大捕捉:1棟
  ソロモンがエルサレム神殿を建設する際使役した、アスモデウスの使い魔。
  石を望むままの大きさと形に切り出す、石剣型の悪霊。
  命ずれば自動で石材を切り出し、音も無く神殿の基礎を組み上げていく。
  石造りのものであれば、Aランク宝具相当の神殿や城塞の解体、再構築すら可能とする。
  石以外に対しては、単なる空飛ぶ鈍器である。


 「なっ……!? 馬鹿な、宝具が崩されるだなんて―――――」

 初めて、心底驚いた表情をするキャスター。少し溜飲が下がった気もするが、まだ足りない。

 私が求めるのは安寧ではない。友愛など以ての外、驚愕ではまだ十分ではない。

 それは絶望であり、焦燥であり、渇望であり……それ以上に堕落である。

 人の子よ。

 丸腰になり、剣士相手に迫られた今でも、その身に絶望を感じずにいられるか。

 焦燥せずにいられるか。失われた力を渇望することはないか。

 とぐろを巻く蛇に囚われるように、周囲を負の感情で埋め尽くされても、それでも堕落することはないのか。

 もし、今から訪れる原初の暴力と原初の狂気の鋒の上で踊り、それでもまだ正常なままでいられるのなら、

 そのとき私は、その魂を認めよう。

 「狂え――――――」

 旗を手に取る。旗の先端に結びついた、棍棒をキャスターに突きつける。

 そして刹那に下される三連撃、空気と視覚を通じた間接的なものでない、狂気そのものから直に流れ込む暴力を前にして。

 それでもお前は、正常なままでいられるか。



 【判定】
キャスターの狂化状態  補正:直接攻撃*1.5(切り捨て) 対魔力と三連撃で相殺  神性 -1 (±補正を加えてから積の補正)
123 狂化しない
456 狂化:E
789 狂化:D
10,11,12 狂化:C
13,14,15 狂化:B


 「―――――断る!」

 なんということだろう。

 魔術の応酬を乗り越え、その宝具を破壊し、狂気を直接その身に受けておきながら、

 まだ彼は理性を保ち続ける。

 むしろ、その精神には狂気のひとかけらも見当たりはしない。

 「狂ってしまうというのは、哀しいことだ……」

 キャスターは、うわごとのように呟いた。

 その消え入りそうな声に、思わず意識を取られてしまう。

 「僕の息子達は、幼き日の戯れも、青年の日の誓いすら忘れて、互いを互いに滅ぼし合ってしまった。

  いったい何が彼らをおかしくしてしまったのか、僕には分からない。

  兄弟を平等に扱おうとしたのが間違いだったのか、それとも何か別のことに要因があるのか……」

 絞り出すような慟哭は、彼の心からの叫びである。声色は衰え小さくとも、語気は強く、魂を震えさせる迫真めいたものがある。

 「僕は、彼らのようなものを二度と生み出さないために――――そして、彼ら自身を救うために、この聖杯戦争に参加した――――

  その僕が狂っているようでは、話にならないだろう!

  消えよ悪魔! 僕は決して惑わない!

  我が身を病魔が蹂躙し、僕の肉体が朽ち果てたとしても、その精神は決して滅ぶことはない!

  僕が生き、戦うことが許されるのならば、何度だって立ち上がるだろう!」



 ……実に希望的で甘ったれた観測だ。

 三度の狂気に耐えきったとしても、六度九度とそれが続けば、いずれ決壊する時が来る。

 何人たりとも不変では居られない。特に、悪には傾きやすい。



 「……いいかな、一つ教えてあげよう」

 ここからは、従者としての言葉でもない。大悪魔としての気高き言葉でもない。

 人をたぶらかす下賤な悪魔の、身を蕩かすような毒液だ。

 それは心臓を食い破り、キャスターがよりどころとするものを丹念に切り崩していく。

 この安易な愚か者には、その現実をしっかと教えてやらねばなるまい。

 「何がおかしくしたのか? いいや違うね、始めからあるがまま、あるべき姿だったんだ。

  お前が誰かは知らないが、私はこれだけは確信できる。お前の子息が殺し合ったのは、運命の悪戯と悪神の微笑みではなく

  自然の摂理と運命の機械的執行によるものだ。

  人は本来下劣で弱い存在であり、しばしば安易に狂気に取り憑かれる。

  だが、それこそが人間だ。

  自らの欲望の望むがままに、親兄弟朋友の区別すらなく血みどろになるまで争い続ける、それが人間だ。

  ――――だが、それこそが人に課せられた生来の重荷であり、人はそれを自らの力で乗り越えていかなければならない」

 つまり、何が言いたいかというと。

 「キャスター。お前の行為は偽善で、邪悪だ」

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 僅かながら狂気を注入された影響もあるのかもしれない。キャスターは目に見えて狼狽していた。

 「な、なにを……」

 「歴史に干渉し、人の本来あるべき姿があるがままに執行されたその結果をねじ曲げ、台無しにし、」

 「ち、違う! 僕はただ……」

 「あまつさえ以後生まれる全ての人間を自分好みに改造しようなどとは、あまりに独善的。

 無自覚の悪意。その血が絶やされ、尽きたのもまた条理」

 「違う、お前は―――――」

 「お前は私を悪魔と呼んだが……お前こそ、よほど悪魔じみたことを願っていないか?

 身の程をわきまえぬ、節度無き慈愛の強制執行。これを邪悪と言わずしてなんという?」

 「やめろ、違う……」

 「もっとも、その願いも今や露と消えた。

  もはやお前に対抗手段はあるまい?

  悪は滅びるのだ、残念だったな」

 「ふざけるな、僕はただ……」

 消え入りそうなキャスターの声。語気にはかつてほどの覇気は無い。

【行動】
1、石切虫でとどめを刺す
2、魔術でとどめを刺す
3、捨て置く
4、もう一度狂気注入
5、その他

↓2


 ……詰まらない。

 もう少し堪えるかと思っていたが、所詮はこの程度。

 精神薄弱の傾向でもあるのか、最初はあえて強がっていただけか。

 いずれにせよ、この少年の消え散りそうな声を聞いていたら、さらに追い込みをかける気力さえ失われてしまった。

 もはやここに英霊の戦いはない。

 悪魔はまた一人の人間を破砕し、日常のように堕落させる。

 あれが本物の人間なら、まだ些かの愉悦もあるのだろうが、あくまであれはまがい物。

 あんなものを崩壊させて喜ぶのは、プラモデルを破壊してはしゃぐ子供くらいだ。

 こんな有様のこれは壊すに値しない。既に無力化は終えている。

 ならば、もっと別の使い方があるというものだ。



 私はその場にうずくまるキャスターを置き去りにして、きびすを返す。

 キャスターの横では、そのマスターが慌てながらひょこひょこ動いているが、そんなことももうどうでもいい。





 コンテナに戻ると、加賀が無精面で腕を組んでいた。

 「勝ったのか」

 問いかける加賀。私は繕った笑顔で、心底楽しそうな能面を作り上げる。

 「はい」

 「どうしてとどめを刺さない?」

 「飽きたから、です」

 「……飽きた?」

 怪訝な表情を浮かべる加賀。何を言っているのか分からない、という顔だ。

 「あれは最早、私と相対すに値しない。その程度のものだと、格が知れた」

 「ずいぶんないいざまだな。だが、聖杯戦争は全ての英霊を倒さなければ終わらないのは知っているよな?」

 「はい」

 「俺はさっさと終わらせたいと言ったはずだが」

 知っている。知っているとも。貴方のあり方はもう知っている。

 私は理解したのだ。私のやり方で堕とせなくても、他の方法ならいくらでもある。

 「――――では、貴方がその手に握った引き金を引けば良い。あそこに彼のマスターがいる。あれを殺せばキャスターは消滅し、

 至って問題なく聖杯戦争は前に進む。貴方が望む、迅速な終結へ一歩進む」

 彼が嫌ったサービス残業は、彼の手で引き金を引かない限り終幕を迎えることはない。

 「どうせ他国では指名手配犯なんでしょう?

  ならば迷う必要は無いはず。

  かの少女は大罪人。貴方が殺しても、誰も貴方を咎めない」

 だが、その引き金は崩壊への足音にも繋がるだろう。

 光の世界から闇の世界へと向かうための鍵。殺人とは畢竟そういうものだ。

 「……」

 「さあ、撃ちなさい。さあ―――――――

  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  
さあ さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  
 さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  
さあ さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  
 さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  さあ  !」




【判定】
加賀の判断
123 令呪を以て――――
456 帰宅
789 撃つ

判定:1 令呪を以て――――


スレ完結まで行かなかったけど、本日はここまで。

残りは次スレで。

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