遊佐こずえ「…かの人の名はジャン・ヴァルジャン」他 (28)


クライマックスを迎え、演劇が、ファンファーレとともに終幕する。


演者達が舞台上に整列して、一様に客席へと礼をする。

割れんばかりの拍手がおこる

その中で俺は目当ての小さな影を探した。


小さなコゼット。演じていた、遊佐こずえのことを



彼女はどうだろう、来ているであろう両親のことでも探しているのか

それとも…



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 幕がおりた後、すっかり顔なじみになった警備員の脇を抜けて、
関係者用通路を歩く

こずえは、舞台用の衣装をすっかり着替えて


共演者たちと談笑にふけっていた。すこし声をかけるのを躊躇われるくらいに楽しげだった。


P「…おーい、こずえやーい」

こずえ「…あー、ぷろでゅーさー」


控えめに声をかけたのだが、劇の余韻の中でも彼女は振り向いて、すぐ気づいてくれた。

仲間たちにペコリと頭をさげ、トテトテとしたゆるやかな歩みでこちらへやってくる


見ているだけで微笑ましくなる光景だ。


こずえ「……むかえ…まってたー。…ぷろでゅーさー、おつかれー」


P「はは、すっかり元のしゃべりだな、舞台の上だとあんなにはきはき喋れるのに」


こずえ「むー…あれは…えんぎ、だから…でも……すっごく…つかれる」


P「歌いながらだったしな、まあ当然か…」



舞台上の"コゼット"は文字通り、まるっきり別人のようだった。キレのある動きに朗々とした語り、

華やかなオーラをまとって、一段と輝きを放っていた。


P「いつもあれくらいだと、連絡事項とか楽なんだけどな」


こずえ「えー…それは……むーりー…なのー」


P「こら、そんなの覚えちゃいけませんっ」


こずえ「…えへへー」


彼女は文字通り、まるで花が咲くように笑う。

その笑顔があんまりかわいかったから、思わずそれに惹かれるよに

また、劇の成功を労う意味でも、彼女の肩をぽんぽんと叩いた。



こずえ「…………むぅー」


あれ、なんで不満げ?


こずえ「……あたま」


P「え?」


こずえ「……あたま…なでて……くれないのー…?」


P「ああ、ごめんごめん」


こずえ「……」


特に深い意味は無かったのだが、こずえにとっては何か大事だったのか

頭を十分なでなでするまで、口を尖らせたままだった。



P「お父さんとお母さん、ちゃんと見に来てたか?」


こずえ「うんー…ふたりともいて…わらって……ないてた」


P「だろうな、うん、俺も感動したよ…こずえも大きくなったなって」


こずえ「…そう…なの…?」


そう言うと彼女は両手を頭の上につけて、精一杯背伸びをした。

いや、そういう意味じゃなくてな、うん


P「…ああ、こんなとこで立ち話してる場合じゃないよな、きっと二人が愛娘のことを待ってるはずだし」


こずえ「……うん…そう…だねー」



P「今日は事務所の皆も忙しかったから来れなかったけど、公演はまだまだ続くからそれぞれどこかで観に来ると思うし」


こずえ「……うん」


P「だからこの後も気が抜けないな、こずえは」


こずえ「………うん」


P「それに……こずえ?」


こずえ「…んー?」


P「どうした?なんだか元気ないみたいだけど、疲れたか?」


こずえ「んーんー…だいじょうぶ…」


そうは言いつつも、彼女の顔色はどこか暗いままだった。

どうして?さっきまであんなに元気だったのに、急に




こずえ「………あのね…ぷろでゅーさー」


P「…なんだ?」


こずえ「…あの…こずえね…ずっと…」


P「…うん」


こずえ「ずっと…かんがえてたことがあったの…げきのあいだ…れんしゅうのときも…ずっと」



何事かと思ったそのとき、こずえはまるで舞台上のそれのようにステップをふんで

通路を遮るように、前方に躍り出た。


P「…こずえ」


こずえ「プロデューサーは…目の前から急に、消えたりしないよね?」


P「………」


果たして、それはやはり演技のような朗々とした話口だった。

それほどまでに、こちらに何かを伝えたいということなのか


こずえ「ずっとずっと、一緒にいるんだよね?…プロデューサー」


P「……なるほど、な」


彼女の瞳は切実そのもので、中には怯えのようなものさえ感じられた。

それでようやく合点がいった。


ああそうか、こういうことを言われるのは久しぶりだったから忘れていた。

こずえも、言うようになったな、と父性にも似た気持ちが湧き上がった。


これまで、たくさんの別れを目の当たりにしてきた。

笑顔で別れたときもあったけど、

ほとんどは悔しさに唇を噛み締めながら、涙をためての「さようなら」だった。


でも共通することは、かならず、別れはいつかやってくるということ


P「そうだな、約束したからな」


最初はみんな恐がる、別れたくないな、って呟く子もいた。

泣いちゃうくらい悲しがる子もいた。


P「こずえを、てっぺんまで連れて行くって」


だけどいつか、慣れる、そういうもんなんだ、人と人って

小学生には分からないだろうけれど


P「ずっと一緒だって、心配するな、流石に手紙一枚で消えたりなんてしないからさ」


だから俺はこういうとき、嘘をつく、慣れたもんだ。


しかし、そんな風に考えるなんて、この劇の仕事をとってきたのは失敗だったかな

この後、最後まで公演を終わらせるまで、何もなければいいが


こずえ「………はぁ」


そんな風なことを考えていたら、彼女は一つ、ため息をついた。


P「………」


こずえ「…つ…つかれた…のー……ふぅ」


一瞬ひやりとしたけれど、やっぱりこずえはこずえだった。


こずえ「…ありがとー…へんなこといって……ごめんなさい」


彼女はそう言って、小さいお辞儀をペコリとした。

それでいい、今はまだ余計なことを考える必要はない

どうせいつか、全部辞めた後にでも、いくらでも振り返る時間はくるのだから


P「いいよ、さ、お父さんとお母さんのとこに行こうか」


こずえ「うんー…」


そうとも、皆そうだった。

コゼットはジャンの手を離れて、いつか誰かを好きになる。

この世界のどこかにいる、マリウスの手を見つけるだろう。


そういう筋書きがふさわしいんだ、世の中ってやつは


父親が運転する車の中、後部座席から、こずえはずっと俺の方を見て手を振っていた。

もちろん俺も振りかえした。車が見えなくなって、こずえがこっちを見なくなるまで


今の彼女の目を見ていると、心がキリと痛むから

正直に、止めてくれ、と言いたかった。


プロデュース業の中で、一番辛いのだ、

こうやって嘘をつき続ける時期が、本当に


P「…さて、こっちも引き上げるか」


彼女もいつか結婚するんだろうな

初めて会ったときは、何も知らないような子供だったように思うけれど、


それでもやっぱり何かを考えてて、何かを内に秘めてるものなのだろうか


P「………」


これまで出会った、たくさんのアイドル達の顔が、頭に浮かんですぐ消えた。

もう何度目だろう、こんな光景。


from:遊佐こずえ

to:プロデューサー

件名:無し


本文:







         うそつき



………いつか来るどんな日でも、桜はいつだって咲いてくれていた。

季節はまだちょっと寒いけれど、その日はいつもそんな日に


「…ほら、見てよプロデューサー、桜が満開だよ」


ここからでもよく見える、でも

あんまり桜が眩しすぎると、彼女も紛れて見えなくなりそうで


だから二人で手を繋いだ。

遠い日の、出会った頃のように


「プロデューサー、相変わらず手が冷たいねー…えへへへ」


彼女は本当によく笑う、意味もなく、ということもないけれど。


「え?だって…手が冷たい人は、心があったかいんだよ…だって」


「こずえのために、こんなになるまで頑張ってくれたんだから…えへー」



「…ありがとう、ぷろでゅーさー…なんてね」


近くにいすぎて、さよならを言いそびれる、そんな日もあるさ



終わり

某所にあげてたのを練り直してリベンジ

何番煎じかなぁ、こんなの
それが怖い、でもこずえ可愛いprprしたい。

ーーー
ーー


こずえ「………とゆー…ゆめをみたのー…」


唯「うっひゃー、こずえちゃんってば小ちゃいのに意外とおませさーん☆」


こずえ「?……どーゆー…いみー?」


唯「ん~?うひひひ、それはねぇ…」


P「ほい、それ以上は言わなくていいぞー、唯」


杏「なんだそれー!それじゃまるで年中ぬくぬくしてる私が冷血人間だってのかー?」ガーッ


唯「…えっと」メソラシ
P「否定はしない」


杏「なにー!」


P「突然ズタボロのウサギがマイクの前に吊るされてたら、見た人は引く」

唯「あははー…」


小梅「お、おはよう…ございます」


こずえ「…ふぁ」


小梅「……あ、単眼娘さんだ」


(o 3「…ふんふふーん」


あの子「」ホントダ


小梅「こ、こんにちわ…」


( 3「うん、こんにちは小梅ちゃん」


小梅「あの、これ前言ってた、よく効く…目薬…です」


あの子「」…


(ミ3「ありがとう!早速使ってみるね」



あの子「」コウメチャン


小梅「…?…なに?」


あの子「」ソレ ネリカラシ


小梅「…あ」


X 口「ぎゃーーっ!」


小梅「ご、ごめん…なさい、間違え…ちゃった…!」


(OP1「うううっ、酷いよ小梅ちゃん!」


小梅「…うう、ごめん…なさい」


あの子「」ゴメンナサイ


X口「ひぐっ、うわーん!さっちゃーん!」


小梅「……悪いこと、しちゃった」

あの子「」ウン


小梅「あとで……お供えした方が、いい?」

あの子「」ソレハベツニ

ーーー
ーー



小梅「……っていうことが、あって」


こずえ「…ふぁぁ」


P「え?なにそれどこの横丁の話?」


唯(小梅ちゃん、どこに住んでるんだろ…)


「内」と「外」

内「おい外…」


外「なんだよ、内」


内「お前最近、"中"と仲良いみたいじゃねえか…」


外「……ああ、そうだな」


内「なんでだよ!俺たちさあ、ずっと対義語だって言ってたじゃないか!それなのに、なんで…」


外「……」


内「なぁ、おい」


外「うるっせえな!お前扱いづらいんだよ!」


内「…っ!!」


外「………ちっ」


内「…なんだよ、中の方が汎用性高いって、言いてえのかよ」


内「あんな奴、ただの浮気野郎じゃねえか!」バンッ

『大中小』『小中高』


外「こ、この写真は…!」


内「そうだよ、お前の愛しの中は、前から後ろから挟まれて随分と居心地良さそうだな、なぁ?」


外「…くっ」


内「…なあ、俺にはお前しかいないんだよ、戻ってきてくれ」


外「内、ごめん、俺間違ってた…」


内「いいんだよ、外」


外「内…」


内「…外」


「ちょっとまったー!」

「「!?」」


ナカ「うふん、あたしのこと、忘れてない?」


外「な、ナカ…お前」


内「…は?」


ナカ「いや~ん、ナカに…いっぱいでてりゅのぉ!」


外「お、お前にはちゃんと外にだしたはずだろ!」


内「なんだこれ!」

ーーー
ーー


由里子「…っていうの、考えたんだけどー、どう?」


比奈「……はぁ、そうっスね、いいと思いまス」


由里子「比奈センセー的には、外×内派?それとも外×中派?」


比奈「い、いやちょっと、考えさせて欲しいっス…」


友紀「んー、あたし的にはぁ、中×内派かなぁ?あはははー!」グビグビ


由里子「中内て、友紀ちゃんそれエーダイのナーオーwwwプククw」グビグビ

友紀「それをいうならダイエーのオーナーww」


比奈(二人とも、酔ってるっスね…)


P「事務所で酒盛りと腐女子トークはやめろよー…」


杏「こずえは、あーなっちゃ駄目だぞー」

こずえ「んー…?」


終われ

話的には三本やったけど、本当に書きたかったのは実は最後という…
何番煎じかな…それがホントに怖い

依頼だしまス。

あと愚痴スレで言ってたから実演
駄文だけどわたくし、レス乞食です。

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