モバP「アイドルたちの普段の事務所での過ごし方?」 (35)

ちひろ「ええ、普段のあの子達を知ってもらおうという雑誌の企画です」

P「でもどうやって調べるんです? インタビューとかですか?」

ちひろ「いえいえ、それだと意識してしまって普段どおりにはいかないかと」

P「なるほど。となると……こっそり調べるってことですか?」

ちひろ「ええ、こっそりなのは間違いないですね」

P「ん? つまりどういうことですか?」

ちひろ「休憩スペースを盗撮……げふんげふん、録画したのがここにあります」スッ

P「何してんだ、あんた」

ちひろ「あれ? 今限定ショップが閉まっていく音が聞こえましたね?」ニッコリ

P「へへっ、さすがちひろさん。仕事が速いですねー、憧れちゃうなー」ペコペコ

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ちひろ「それはともかく録画したのにもちゃんと訳があるんですよ」

P「訳、ですか? ……どうせあとで売ったりとかだろ」ボソッ

ちひろ「プロデューサーさん?」ニッコリ

P「いや、ちひろさんのことだ。深い訳があるに違いない」キリッ

ちひろ「まぁ、ふざけるのはここまでにして。普段のあの子達ってどれだけ知ってます?」

P「どれだけって……まぁ、たまに様子を見たり、話を聞くぐらいのことなら」

ちひろ「つまり一部、ってことですよね? プロデューサーさんが居ない状況では?」

P「それは……わかりませんが。まぁ、年頃の子も居るしプライベートに干渉しすぎるのも」

ちひろ「ならこっそり調べるしかないじゃないですか。ね?」

P「いや、その理屈はおかしい。そもそも雑誌なら映像の意味がないのでは?」

ちひろ「録画なら後でまとめて確認できるので便利じゃないですか」

P「そりゃあ、通常の業務もある訳ですし、まとめて確認できるなら便利ですが……」

ちひろ「それに万が一、事務所的にNGなものは私たちが確認すれば事前に止められますし」

P「事務所的にって……大袈裟な。良い子たちですからそんなことは無いと思いますがね」

ちひろ「とりあえず前置きはここまでにして見てみましょう、ね?」

P「ええ……わかりました、既に取り終わっているなら見るだけ見ますか」

ちひろ「そんなこと言って……本当は興味があるんじゃないですか?」

P「無いとは言いませんが……いえ、まぁ……あります、ね」

ちひろ「そうでしょうそうでしょう。1週間分ありますから、誰か映ってるところだけ見ましょう」

P「しかし……これ後で記事にするんですよね、大変そうですね」

ちひろ「? プロデューサーさんが文字に起こすんですよ? 編集するのはあちらですが」

P「は? これ以上仕事が増えるのは無理ですよ。すみませんが全部あちらに――」

ちひろ「……10連ガチャを3回無料で」ボソッ

P「犬とお呼びください、ちひろさま」ズザッ

ちひろ「ではでは、見てみましょうかね?」ピッ

杏『ふぁー……おはよー』ガチャ

P「まさか杏が朝から来てるとは……偽者か?」

ちひろ「偽者って……来ても良いじゃないですか」

杏『そしてお休みー』パタリ

P「事務所に来て早々寝るとか……やっぱり本物か、良かった」

ちひろ「しかも枕持参みたいですね……わざわざ寝に来てるのかしら?」

P「あれ? あの枕……」

ちひろ「どうかしましたか? プロデューサーさん」

P「いや、杏が使ってる枕が家で使ってるのと柄が同じみたいなので」

ちひろ「アイドルとお揃いなんてすごい偶然ですね。どこかで枕の話でもしました?」

P「えっと……記憶に無いですね。まぁ、どこでも売ってそうな柄ですし」

ちひろ「こっそり調べてたりしたら面白いですよね」

P「面白くないです、怖いですよ」

ちひろ「まぁまぁ、それは置いといて続き見ますか」

杏『ぷろりゅーさー……飴ちゃんちょうだいよ……むにゃむにゃ』

P「出たな、妖怪飴くれ。杏は寝ても杏だな」

ちひろ「可愛いじゃないですか。杏ちゃんっぽくて」

凛『おはようございます』ガチャ

P「お、凛が来たみたいだな」

凛『プロデューサーは…………忙しそうだね』

ちひろ「ちょっと寂しそうな凛ちゃん、可愛い」

凛『ふぅ……あれ、杏、寝てるんだ』

杏『むにゃ? ……あ、凛ちゃんおはよー』

凛『ふふ、おはよう』

P「枕には気づかなかったがいつも通りの光景だな、うんうん」

凛『それ、プロデューサーの枕だよね? よく寝れる?』

杏『もう安眠だよ、凛ちゃん! わざわざプロデューサーの家に行って持って来てるからね』

P「うん?」

ちひろ「はい?」

P「あの……ちひろさん? 聞き間違いでなければ、今杏が俺の家から持ってきたって……」

ちひろ「あ、あはは……なにを言っているんですか、き、気のせいですよ、気のせい……」

P「……じゃあ、ちょっと巻き戻して確認を」スッ

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん! 過去は振り返っては駄目ですよ」バッ

P「あっ、ちょっとリモコンをっ」

ちひろ「つ、続き、続きを見ましょう。冗談か何かですよ、きっと」

杏『めんどくさがりな杏が自ら取りに行くだけのことはあるよ』

凛『プロデューサーの枕かぁ……ちょっと興味あるかな』

杏『あ、良かったら匂い嗅ぐ? 杏の匂いも付いちゃってると思うけ――』

凛『うん』(即答)

P「りーーーーんっ!?」

凛『……うん、杏の匂いが混ざっちゃってるね』クンカクンカ

杏『あはは、さっきまで杏が使ってたからねぇ……』

凛『…………でも、悪くないかな』クンカクンカ

杏『あの……凛ちゃん? そろそろ杏、寝たいから返してほしいんだけど』

凛『もうちょっと……今良いところだから』クンカクンカ

ちひろ「うわぁ……」

杏『あちゃー、失敗した……こうなった凛ちゃんは長いからなぁ……』ポリポリ

P「ちひろさん……ここは飛ばして次を見ましょう」ピッ

ちひろ「え、ええ……でもこの凛ちゃんと杏ちゃんは――」

P「ちひろさん……これ以上いけない」フルフル

ちひろ「あっ、はい」

P「大丈夫、おかしいのは杏と凛だけです。ええ、きっと」

ちひろ「だと良いんですけど……」

P「えっと……次に映っているのは…………ここだな」ピッ

智絵里『――うーん……どうやれば良いのかなぁ』

ありす『それならネットで調べればすぐですよ、智絵里さん』スッスッ

千枝『ネットが出来るなんてありすちゃん、すごーい』パチパチ

ありす『大したことありません、誰でも出来ますよ』キリッ

智絵里『あはは……えっと……これかな? 動画みたいだけど……』

ちひろ「何を調べてるんですかね?」

千枝『へぇー、こうやるんだぁ。プロデューサーさんも同じなのかな?』

P「ん? 俺と同じって何のことだろ」

ありす『基本的にネットどおりで問題ないと思いますよ? それほど変わらないでしょう』

智絵里『で、でも……やっぱりPさんのやり方があるなら……』

響子『あれ? 3人で何してるの?』ヒョコ

ありす『あ、響子さん。この動画のやり方を見てたのですが……』

響子『どれどれ……。あー、もしかしてプロデューサーのやり方を知りたいのかな?』

千枝『響子さん、どうしてわかったの?』

響子『私の得意分野だしねっ。なんだったら教えてあげようか?』

智絵里『ほ、本当? 響子ちゃんが良かったらお願いできるかな?』

P「響子の得意分野というと……家事関係か?」

ちひろ「ですね。お料理とかでしたらプロデューサーさんの味付けとかですかね?」

P「ははは、ありすに料理はまだ早いんじゃないかな? …………苺料理とか」

響子『じゃあ、みんな自前の出して? 持ってるんでしょ?』

P「うん? 自前? 出す?」

ちひろ「エプロンとか……それともお料理じゃないのかしら?」

智絵里『う、うん……Pさんのパンツはいつも持ってるから』スッ

千枝『千枝も持ってるよー』スッ

ありす『…………』

響子『うんうん、それじゃあプロデューサーのパンツのたたみ方を教えるね?』スッ

P「おい……何で全員持ってるんだよ……そして何で響子は俺のたたみ方を知っているんだ」

ちひろ「あっ、で、でも……ほら! ありすちゃんは持ってないみたいですよ?」

P「あ、ありす……俺は信じていたぞ」ジーン

響子『あれ? ありすちゃん持ってないの?』

ありす『いえ……あの…………』

智絵里『ありす……ちゃん?』

千枝『持ってないなら、千枝のを貸そうか?』

ちひろ「友情、ですね」

P「そんな良い話では無いですよ……周りにドン引きしてるだけですよ」

ありす『あの……Pさんのパンツは今履いているので…………ちょっと脱いできて良いですか?』

P「橘ぁっ!?」

ちひろ「えっ……履いてるって……それって」

響子『ありすちゃんじゃプロデューサーのパンツって大きくない?』

ありす『そこが良いんじゃないですか。それに落ちないように縛ってますし』ドヤァ

響子『違う意味では堕ちちゃってるけどねっ』

智絵里・千枝・ありす『wwwwww』ドッ

P「もうやだ……このアイドルたち」

ちひろ「笑いどころなんですか……今のが」

ありす『では、すぐに戻りますね』

智絵里『うん……待ってるね、Pさんのパンツの匂いを嗅いで』

千枝『スーハースーハー、千枝わるい子になっちゃう……』

響子『ふぅ……またプロデューサーの部屋の掃除に行かないと――』ピッ

P「やけに部屋が綺麗に感じるときがあったが……何それ怖い」

ちひろ「つまりプロデューサーさんの家に杏ちゃん以外も……アイドル……スキャンダル……」ブツブツ

P「まさかちひろさん、勝手に家の鍵を売っていたりとかは……?」

ちひろ「いえいえっ、持っていないものはさすがに売れませんよっ」

P「つまり持っていたら売っていたと……。しかし、ちひろさんじゃないとしたらどうやって中に」

ちひろ「つ、続きを観ればわかるかもしれませんよ? えーと、次は誰かしらー?」(震え声)

P「これまだ一日分も終わっていないって……絶望しか無いだろ……」ピッ

凛『――でね、プロデューサーの匂いって癖になるよね?』

P「………………」ピッ

ちひろ「…………あ、あの」

P「………………ふぅ」ピッ

加蓮『わかるわかる。私も家にPさんのシャツ毎週交換して常備してるし』

奈緒『ああ、この前加蓮ちに泊まったときに加蓮が着てたシャツだろ?』

凛『ふふっ、私も同じの持ってるからすぐわかったよ。あと匂いでも――』ピッ

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん……」

P「…………トライアドプリムスってなんだろ」

ちひろ「す、スタドリでも飲みますか? 無料ですよ?」スッ

P「ゴクゴクゴクゴク」

ちひろ(む、無言の一気……あ、プロデューサーさんの目から涙が)

ちひろ「あっ、ここから美嘉ちゃんが居ますよ? もっと女の子っぽい話でもしてるんじゃないですか?」ピッ

P「…………どうせ、ふひひとか言ってんだろ。そういう流れなんだろ……わかってるよ」

ちひろ(プロデューサーさんの目が腐った魚の目になってるッ!?)

美嘉『――3人とも何の話してんのー? アタシ今日はずっと暇なんだよね、混ぜてよ★』

奈緒『美嘉か……あれ? 美嘉ってこの手の話に参加してたことあったっけ?』

加蓮『えっ……あー、無いんじゃない? 別に仲間はずれにしてたわけじゃないけど』

凛『そうだね、美嘉はまだこちら側に来てないしね』

美嘉『何の話? こちら側? なになにー? 気になるじゃん★』

奈緒『何って…………』

凛『プロデューサーの匂いについてだけど?』

美嘉『はい? ……プロデューサーの匂いって……ぷ、プロデューサーの!?///』

加蓮『美嘉ってちゃんとPさんの匂いを嗅いだことある?』

美嘉『えっ……あの……す、少し……くらいなら///』

ちひろ「こ、このくらいなら可愛い反応じゃないですか? 美嘉ちゃんは大丈夫ですって!」

P「美嘉……信じて良いんだな」ポロポロ

奈緒『興味はあるってわけか……。反応も悪くないし、どう思う?』

加蓮『私は良いと思うけど……話相手が増えるし』

凛『決まりだね。美嘉……今日は暇なんだよね? 今から家に泊まりに来ない? 加蓮と奈緒もいるし』

美嘉『えっ? 今から? 別に良いけど急すぎない?』

奈緒『こういうのは早いほうが良いんだよ』

加蓮『凛はどれくらいで美嘉がこっち側に来ると思う?』

凛『……まぁ、1日あれば余裕かな』

美嘉『えっ? 何が1日なの!? こっち側ってどこ!?』

奈緒『大丈夫だって。アタシも最初は抵抗あったけど開き直っちゃえば後は……な?』

加蓮『そうそう、他の子たちもこっち側だし結構楽しいよ?』

美嘉『えっ? えっ? ちょっと? それってどういう意味!? だからこっち側ってどこなの!?』

凛『じゃあ……(美嘉に)残していこうか、私たちの足跡……!』

美嘉『何か決めセリフが駄目っぽく聞こえるんだけどー!? 引っ張らないでー押さないでー!?』ピッ

P「……………………」

ちひろ「……………………」チラッ

P「……………………俺は無力だ」ドヨーン

ちひろ「げ、元気出してください! まだ美嘉ちゃんが凛ちゃんたちみたいになったとは――」

P「本当にそう思います?」

ちひろ「…………すみません」

P「……………………」

ちひろ「つ、続き……どうしますか?」

P「見ますよ……記事にしないといけないので」

ちひろ「そ、そうですか……あの……大丈夫ですか?」

P「ええ……ただ操作はちひろさんに任せます……」プルプル

ちひろ(何でこんなことに……私はキャキャウフフなみんなが見たかっただけなのに)ピッ

李衣菜『~♪ ~~♪』

夏樹『おっ、だりー何聞いてんだ?』

李衣菜『あっ、なつきち。へへへ……いつものだけど』

夏樹『それ好きだなぁ、だりー。ったくロックだな』

李衣菜『そ、そっかな? ロックかな?』

夏樹『ああ、そこまで繰り返し聞けるならロックだな』

李衣菜『なつきちぃ……』ジーン

夏樹『ちなみにそれってアタシのも作れたりするのか?』

李衣菜『うんっ、プロデューサーとの普段の会話を録音して、名前のところだけ編集すればね』

夏樹『よしっ、アタシもやってみるかな!』

李衣菜『そうしなよ! プロデューサーに名前を呼んでもらえるだけで興奮してくるよ! ウッヒョー!』

P「そういえば最近、夏樹がやたら話しかけてくると思ったら……」

ちひろ「ロックって何なんですかね……」

あやめ『ふむ……なかなかですね』ハムハム

幸子『あれ? あやめさん、何を食べているんですか?』

あやめ『あっ、幸子殿。おひとついかがですか?』

幸子『おひとつって……ボクの目がおかしくなければそれって……』

あやめ『はい、P殿のパンツです』キリッ

幸子『ぱ、ぱ、パンツ!? そんなものどこで手に入れたんですか!?』

あやめ『どこって……P殿の家からですが?』キョトン

幸子『どうやってプロデューサーさんの家から……』

あやめ『わたくし、忍者ですから』キリッ

幸子『説明になってませんよ……というか何でぱ、パンツを口に……』

あやめ『まぁまぁ、他の皆さんもやっていることですし。幸子殿もどうぞ』

幸子『どうぞと言われましても……って他の人たちもやっているんですか!?』

あやめ『あれ? もしかして幸子殿、恥ずかしいんですか?』

幸子『!? な、何でボクが恥ずかしがらなくてはいけないんです!?』

あやめ『では、どうぞ』

幸子『ふ、ふふーん、よ、余裕ですよこれくらい! ボクはかわいいのでっ!?』ハムッ

あやめ『…………』ハムハム

幸子『……うぅ……あれ……でも……なんだかだんだん……』ハムハム

あやめ『やはり幸子殿も素質があったようですね』ハムハム

幸子『ぷ、プロデューサーさん……///』ハムハムハムハム

P「幸子……お前……」

ちひろ「簡単に仲間になっちゃいましたね……」

P「……これ以上見るのむーりぃ」

ちひろ「…………うちの子たちで何人あっち側なんですかね」

P「…………ちひろさん、すみませんが今回の企画は」

ちひろ「……はい、無かったことにしましょう。というか事務所NGしかないですし」

莉嘉「PくんPくーん☆ ちょっと良いー?」

P「おっ、どうした莉嘉。何か用事か?」

莉嘉「あのね、最近お姉ちゃんの様子がおかしいんだ……」

ちひろ「最近って……まさか」

莉嘉「何かねー、部屋でずっと服の匂いを嗅いでるんだよ? あれ誰のだろ?」

ちひろ「……………………美嘉ちゃん、あっち側に行ってしまったのね」

莉嘉「どうしたんだろ……部屋から変な声もするしお姉ちゃん大丈夫かな?」

P「莉嘉……、美嘉は遠いところへ行ってしまったんだ」

莉嘉「遠いところ? お姉ちゃんは別に居なくなってないよ? 変なの☆」

P「あははは、…………俺が遠いところへ行きたい」


おわり

もう方向性が迷子


次はほのぼの路線でやりたいと思います。

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