モバP「ダンガンロンパ…?」(136)

モバマスで学級裁判をやるというSSです。
以前にアイマスで建てたのですが、落ちてしまったのでモバマスで建てることにしました。
色々至らない点があると思いますがご容赦下さい。
一話は以前と展開は同じものです。

凛「ダンガンロンパ……?」

P「知ってるのか?」

凛「いや、知らないけど。見たところゲームみたいだけど…」

P「ゲームだな。その通り。いや、社長の知り合いで、そのゲームの世界を実際に体験する機械を作ってる人がいるてな」

P「気晴らしに俺達で行ってこいと言われてさ、それはその会社が以前に作ったソフトらしい」

凛「え、でも、ゲーム苦手なんだけど」

紗南「あたしはゲームなら得意だよっ!」

P「俺はそこまで得意じゃないんだが…何とかなるだろう」

凛「皆で行くの?」

P「一応それなりの人数で行きたいと思ってる。なんでも先方さんもサンプルデータを取りたいらしいから」

凛「そういうことなら、みんなで行こうか」

まゆ「Pさぁん。まゆ以外の誰かと遊びにいくんですかぁ?」

P「いや、明日の予定を話してるんだ。まゆにも言ったろ?」

まゆ「確かにそんなこと言ってましたねぇ」

P「また、今度遊んであげるからな」ナデナデ

まゆ「約束ですよぉ…うふふ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369496815

翌日

ワイワイガヤガヤ

P「どうもこんにちは。CGプロの者です」

白衣「あ、わざわざすみません。こちらになりますんで」

P「あ、わざわざご丁寧に」

白衣「招いたこちらが言うのもなんですが平気なんですか?彼女たち」チラ

P「どういう意味でしょうか?」

白衣「いや、まぁ、平気でしょうね。無理なら無理でログアウトして貰えばいい話ですんで」

P「はぁ」

P(どういう意味だろう……)

白衣「さて、CGプロの皆さんこんにちは。今日はわざわざ来て頂いてありがとうございます。プロデューサーさんにお話を聞いていると思いますが、今日は皆さんにゲームをしてもらいます」

紗南「ふふふゲーマーの腕が鳴るねぇ!」

杏「…はっ!?飴に釣られていつの間にかこんなところに」

P「二人共静かに」

紗南「ごめんごめん」

白衣「さて、話を続けますが、今回はそこにあるカプセルの中に入って貰います。入って貰えば分りますがヘルメットを付けていただけばゲーム開始となります。ゲーム内は自由に動けますんで、普段の生活の気晴らしでもしてください」

奈緒「へぇ、意外とゲームも進歩してるんだな……」

奈緒(二次元に入れるってみたいなのかな)

白衣「ま。言うより体験する方が分かりやすいでしょうからね。あ、それと言い忘れましたが、今回何があってもこっちの体
には影響ないんでご安心下さい」

P「それはどういう意味です?」

白衣「いや、ほら、例えば遊び過ぎて転んで足を捻挫してしまったり、擦りむいてもこっちの世界の体は無傷ってことですよ。ほら、皆さん一応アイドルですからね。怪我なんてしたら大変ですから」

P「なるほど。それは確かにそうですね。お気遣いありがとうございます」

P(流石社長の知り合いだけあってそういう所はしっかりしてるんだな)

白衣「えーと、そちらのスーツ姿の方も参加されるってことでよろしいですね」

ちひろ「えぇ、是非是非」

ちひろ(お金の匂いがします♪)

P「ちひろさん来てたんですか」

ちひろ「え、酷くないですか。私だってたまには遊びたくなるんですよ」

P「いや、お仕事大変だから呼ばない方がいいかなと思って声かけなかったんですけど……」

ちひろ「プロデューサーさんが凜ちゃんに話してるのを聞いて昨日の内に仕事全部終わらせましたよ」

P「流石です……。では、彼女も参加ということでお願いします」

白衣「了解しました。えーとつまり全員でCGプロのアイドルさんが11人、そしてプロデューサーさんと事務員さんが1人ずつの計14人ですね」

P「そうですね」

ちひろ「そちらの会社員の方もスタドリどうですか?」

白衣「いえ、結構です」

白衣「それでは皆さんそこにカプセルがあるんで空いてる所に入って下さい」

P(結構頑丈な作りになってるんだな)コンコン

白衣「あ、一つ言い忘れてましたが、ただ、やることもなく遊ぶだけでは面白くないでしょうからちょっとした遊びをこっちで用意しておきました。それをクリア出来ましたらこっちに帰ってきた時に賞品を差し上げます」

ちひろ「そ、それってお金ですか?」

P(ちひろさん……)

白衣「そうですね……特に考えてませんね。出来たら考えるとします」

P(やけに自信満々だな。そんなに難しいのか?)

凛「ま。そんな難しい顔しないでプロデューサー。ほら、ゲームなんだから。ね?」

P「そうだな凛」

白衣「では、皆さんヘルメットを付けて横になって下さい」

ウィーン

P(閉まってく。こういうのを見るとなんか映画みたいだな)

白衣「では皆さん目を閉じてください」

P(お、なんだ意識が吸い込まれて――……)


白衣「ふむ。どうやらデモは成功のようだ。しかし、彼女たちにやらせても平気だろうか……?まぁ所詮ゲームだ。そこまで気にすることなかろうな。うぷ。おっと――」

P「ここは……」パチクリ

P(もうゲーム内なのだろうか……)

まゆ「あ、Pさんおはようございますぅ」

P「その声はまゆか。ここはどこだ?」

まゆ「見ての通りですよぉ」

P「見ての通り……あっ」

P(見渡す限りの白い砂浜、そして青い海)

P「南国かここ?」

凛「そんな所じゃないかな?」

P「凛……お前どうして水着なんだ?」

凛「…似合う?」

P(ここに来る時は私服だったはずだが……)

凛「あぁ、これ。南国だからね。水着に着替えたんだ。この砂浜を上がった所にスーパーがあるから。水着でも食べ物でも何でも売ってるから」

P「なるほど、あれか……」

P(英語でスーパーと書いてある店がある。どちらかと言うとアメリカにありそうな巨大なスーパーだ)

凛「あそこのスーパーなんでも売ってるよ。しかも全部持っていっていいみたいだし」

まゆ「うふふ。Pさん一緒に行きましょうよぉ」

P「あ、あぁちょっと待て。分かったから引っ張るな」

P(仮想空間と言う割には随分とリアルだな。暑いし……)

P(砂浜とか本当の砂浜みたいだし、皆で来て正解だったな)

スーパー内
奈緒「あ、Pさん起きたのか。てか、これ凄くないか」

紗南「あ、プロデューサーだ。起きたの?」

杏「飴うまー」コロコロ

奈緒「そういやPさん。あたしの水着変じゃないかな?」

P「あ、あぁ可愛いんじゃないか?」

奈緒「う、うるせぇ馬鹿ッ!」カァァ

P「そうだな。ごめんごめん」

奈緒「べ、別に謝ることじゃないけどさ……」

P「そういえば他の皆はどこ行ったんだ?」

奈緒「えーと、楓さんたちは食物のコーナーに行ったみたいだよ」

まゆ「プロデューサーさぁん見て下さいよぉ」

P「ん?なんだ」

P(流石まゆだ。元読モなだけあるよ)

まゆ「どうですかぁ、Pさん」

P「よく似合ってるよ」

まゆ「ホントですかぁ?ふふ嬉しいです」ニコニコ

杏「杏は涼しいからここにいるよー」

紗南「そういや、なんでここに来たんだっけ?」

P「お前らちょっと待ってくれ。とりあえず他の人たちを見てこなきゃないと……」

まゆ「分かりましたぁ。付いていきますねプロデューサーさぁん」

P(さて……楓さん達は食品売り場の方にいるって言ってたな)

楓「これはタダなのかしら…?」

美優「み、みたいですね」

楓「ならば、お酒を避けることは出来ないですね。ふふ」

周子「外国ってなんか新鮮だね」

P「お前ら大丈夫だったか?」

楓「私たちは平気でしたよ。多分ノビてたのプロデューサーさんだけでしたよ」

P「そうか……なら皆平気なんだな」

P(とりあえず、安心だ)

周子「ほら、とりあえずアイスあげるよ」

P「あ、どうも」

楓「それより、ここはどこなんですかね?」

美優「そうですよね。私こんな場所初めて見ました」

P「とりあえず、他の連中が海に行くって聞かないんだが、皆どうだ?」

楓「そうですね。行きましょ」

美優「自然にお酒を持っていくんですね」

まゆ「ようやくですかぁ。それじゃ行きましょうかプロデューサーさぁん」

P「あぁ、ごめんな。行こうか」

P(たまには皆で遊ぶのも悪くないな……)

砂浜

ちひろ「あ、プロデューサーさん。お疲れですか?」

P「あぁ、ちひろさんですか。俺はもう暑さにやられました」

P(暑さもリアルだなぁ)

ちひろ「皆元気ですねぇ……若いっていいなぁ」

P(そんなこと言いながらきっちりビキニ着てる辺りがなぁ)

P「日頃のストレスとか諸々も飛ばせて貰えればいいんですけどね」

ちひろ「そうですねぇ」

???「もし……」

P「え?」

白衣「どうも、私です。楽しんでいただけているでしょうか」

P「あ、ありがとうございます。おかげ様で楽しいです」

P(なんか近未来ロボットアニメに出てきそうな通信画面だな……)

白衣「そうですか。それは良かったです。まぁ、気が済むまで遊んだあとはこの砂浜から少し行った所に休める場所がありますのでそこで休んでいただければ」

P「わざわざありがとうございます」

白衣「いえ、別に。あぁ、そう言えばこっちの時間が経過しても現実の時間はあまり影響ないんで存分に楽しんでいただければ」

P「ありがとうございます」

白衣「いえいえ。こちらこそ」

凛「さ、プロデューサー。行くよ」グイグイ

P「え?」

加蓮「ほら、遊ばなきゃ損だよ」

ちひろ「行ってくればいいじゃないですか。きっと凛ちゃん達もそっちの方が楽しいですって」

凛「ちひろさん。プロデューサーさん借りていくからね」

ちひろ「はいはい。行ってらっしゃい」

ちひろ(若いっていいですねぇ……。まだ私もいけるかなぁ)チラッ

ワー
キャアキャア
ヤメロッテー……

P「大分遊んだな」

凛「そうだね」

まゆ「まゆも少し疲れましたぁ」

P「何でもちょっと行った所にホテルがあるらしいからそこに行ってみようか」

奏「ちょっとプロデューサー、時間とか平気なの?」

P「あぁ、さっき連絡があってな、向こうの時間はほとんど変わってないらしい」

奏「ならいいけど」

蘭子「ふふ。帳は落ちた。これより先は我の時間也」

紗南「何を言ってるかわからないなぁ、もう」

周子「元気だねー」

P「ははは……。皆いるな?じゃあ行くぞ」

P「ここが泊まる場所かぁ……」

P(でかいなぁ。どこかの南国をモチーフにしたのか?)

杏「大きいね」

加蓮「南国っぽい感じだねー。こんなとこ来たの初めてだよ」

???「ようこそ」

加蓮「へ?どちら様?」

???「あっははははは。よく聞いてくれたね」

楓「タヌキが喋りましたね。……何も思いつきませんでした…」ガックシ

???「誰がタヌキだーッ。モノクマはクマだぞーッ」ガォー

ちひろ「モノ……クマさん?」

モノクマ「そうそう。分かって貰えた?ボクはあんな青いタヌキなんかじゃないんだよ。ほら、ただのこんにゃくー」ペカー

周子「うわ、胡散くさいなぁ。……それにただのこんにゃくってなにさ」

モノクマ「え?これはね。こんにゃくに切れ込みを入れて……」ドキドキ

奈緒「言わなくていいからな!!」

凛「それで、モノクマさんは何をしてるの?」

モノクマ「お。早速真面目な質問が来たね。ボクはねこの世界の監視人と言ったところだよ」

P「このホテルの管理人かなんかですか?」

モノクマ「この世界のものはボクが管轄してるから、そうだね。はい。これ部屋割」ペラッ

P「あ、どうも」

モノクマ「それじゃ」ヒュン

凛「あ、消えた」

蘭子「デウスエクスマキナか!?」キラキラ

P「ここにあるコテージの割り当てみたいだ。ほら、名前が書いてあるだろ」

紗南「あ、ホント。ちょっと見せてよ」

まゆ「あらぁ?まゆは、プロデューサーさんの隣が良かったです」

紗南「アタシ的にはどこでもいいかな」

モノクマ「ワガママ言ってると怒っちゃうぞー」ガォー

凛「あ、また消えた」

凛(どうなってるんだろう……)

蘭子「わぁ…」キラキラ

P(凄い目をキラキラさせてる…)

P「とりあえず、言うこと聞いとこう。な、まゆ」

まゆ「プロデューサーさんがそう言うならしょうがないですねぇ」

P「とりあえず皆自分の場所に荷物置こう。えーと、右から美優さん、周子、俺、凛、奈緒、加蓮、まゆ。道路を挟んで右から楓さん、紗南、蘭子、杏、奏の順かな。ほら鍵。合鍵ってのもレストランにあるらしいぞ」

アイドル「はーい」

ちひろ「プロデューサーさんプロデューサーさん」チョイチョイ

P「なんですか?」

ちひろ「私の名前が無いんですけど……」

モノクマ「あ、ボクおばさんに興味ないんだよねー」ヒョイ

ちひろ「お、おば……」

モノクマ「え?もしかしてそっちがボクに……」ドキドキ

モノクマ「でも、来たんだから空いてる部屋を使っていいよ」ヒョイ

ちひろ「なんか釈然としません。釈然としませんよプロデューサーさん!」

P「まぁまぁ。落ち着いて下さいって」

ガチャ
P(意外と中しっかりしてるな。シャワーも完備されてて、下手すら俺の部屋よりいいかもしれない)

P「ただ、なんでか知らないがモニターが付いてるんだよな」

ザーザー

P「いきなり電源が入った!?」

モノクマ「あー、マイクのテスト中。マイクのテスト中。それではオマエらプール先にあるレストランに集合だー」

プツン

P「き、消えた?」

P(どういうことだろう?夕食の説明かなんかか?)

P「とりあえず行ってみるか」

レストラン内

凛「見た?プロデューサー。プールあるってすごいね」

P「あぁ、凄いな」

周子「ねぇ、Pさんこれって食べていいのかな?」

美優「まだダメなんじゃないですかね…」

楓「ご自由にって書いてあるからいいんじゃないですかね。はい美優さん」

美優「は、はぁ、お酒ですか。いただきます」

P(もし、あのモノクマさんから説明があれば、その時何とかすればいいだろう)

P「それじゃ、皆で食べようか。それではいただきます」

アイドル達「いただきまーす」

奈緒「美味いなぁこれ!」

杏「む…飴の次に美味いかも」モグモグ

蘭子「燦燦たる食卓に並ぶ豪華な供物。全て我が目に叶うものよ」

P(皆楽しんでくれてるみたいだな)

モノクマ「お前らー楽しんでるかーい」ヒョイ

凛「あ、モノクマだ」

杏「な、中々良く出来たロボットだね。杏の家にも一台欲しいな」

モノクマ「でも、キャッキャウフフな南国生活はもう終わりを告げるのです」ガォー

P「どういうことですか?」

モノクマ「えーとね。まず皆にこれをあげるね。はい。スマートフォンー」ペカー

加蓮「自分で違うって言っときながら思いっきり意識してるよな」

モノクマ「そんなこと言う悪い子はお仕置きしちゃうぞー」ガォー

加蓮「な、何よ。やれるもんならやってみなさいよ!」

P「こら加蓮!すみませんモノクマさん」

モノクマ「……ふん。いいもんね。今は機嫌がいいから許してあげるよ。だけど次もしやったらお仕置きだからね」ガォー

P(お仕置きってなんだ……?)

モノクマ「はい。プロデューサーさん。これ配っといて」

P「あ、はい」

モノクマ「これは携帯電話機能も付いた簡単な電子手帳です。点かない人は今の内に言って下さいねー」

ポン

P「あ、点いた」

P(携帯の名前もプロデューサーで入ってるんだな)

モノクマ「まぁ、正直。電話の機能なんて、プロ野球チップスのチップスみたいなものです」

P(あのスナック美味しいんだけどなぁ……)

P「ん?ルール?」

この島のルール

1.行動出来る範囲は今日現在はこの島だけです。

2.夜十時には消灯します。速やかに所定の場所に行きましょう

3.この島を調べるのは自由です。行動に制限はありません。

4.モニターを壊すことは禁止です。あとモノクマに暴力を振ることを禁止します。

5.この中にいる誰かを殺したクロはこの島から脱出出来ますが、自分がクロだと知られてはいけません。

6.この中で殺人事件が起きた場合全員参加義務の裁判が行われます。

7.正しいクロを指摘した場合はクロだけが処刑されます。

8.正しいクロが指摘出来なかった場合クロ以外全員処刑です。

9.同一クロが殺せるのは二人までとする。

10.このルールは順次増えて行く場合があります。

モノクマ「ここにいる間はそのルールを守って貰うんだよ。うぷぷぷ……」

杏「ルールなんて面倒だなぁ…三行で」

モノクマ「言うこと聞けない悪い子はお仕置きしちゃうぞー」

P「さっきから言ってるお仕置きってなんですか?」

モノクマ「お仕置きはお仕置きだよ。まぁ、受けたいなら受けさせてあげるけどね。うぷぷぷぷ」

P「この子たちに危害を加えないで下さい」

モノクマ「かっこいいねぇ。王子様みたいだよ。まさかボクの王子様……」ドキドキ

P(なんなんだこのクマ……)ジー

凛「ねぇモノクマさん」

モノクマ「ん?なんだい?」

凛「クロってなんのこと?」

モノクマ「コロシアイの犯人のことだね」

凛「コロシアイってなに?」

モノクマ「キミ達は言葉の意味も分からないの?うぷぷぷ。コロシアイはコロシアイだよ」

美優「なっ……何をいきなり言ってるんですか」

モノクマ「何って君達がこの島から出る話をしてるんだよ」

P「この島から出れないだって?」

P(そういえば、さっきから会社の人と話が通じない……)

紗南「ど、どういうこと?」

奏「多分そういうことなんだろうね」

モノクマ「君達にはこれからコロシアイをしてもらいます。拒否は出来ないんだよー」

凛「そんなコロシアイなんて私達がやるわけないじゃん。アホらし」

杏「杏は寝てるだけだしね」

モノクマ「うぷぷぷ。おめでたい連中だね。お互いのことを知らない癖に……」

ちひろ「えっと……何言ってるんですか?私達がお互いのことを知らないなんてあり得ないじゃないですか」

モノクマ「ホントにそうなのかなぁ?名前だけとかじゃないのー?」

蘭子「え……」

P「なんだって……」

P(そんな馬鹿なことがあるのか。いや、待て……おかしい)

モノクマ「皆の記憶は事件が起こり易いように所々抜かせて貰いました。こうでもしなきゃ面白くないしね。うぷぷぷ」

加蓮「そんなバカなことがあるわけないじゃない」

モノクマ「ふーんあんなことがあったのによく平気でいられるねぇ。流石のボクでも耐えられないかもしれないなぁ」

加蓮「な……私に何があったのよ?」

モノクマ「記憶を無くしてないなら分かるはずだよねぇ」ゲラゲラ

加蓮(駄目。全く思い出せない。ここにいるの皆のことも分かるし、自分の生年月日も分かる)

奈緒(お、おかしいぞ。ここにいる皆とは随分色々なことを経験しているはずなのに……全く思い出せない。そんなことあり得るのか?)

モノクマ「それが今回の動機です」

P「なんだって……!」

P(動機だって?)

モノクマ「今回の事件を起こしたクロには特別に記憶を返してあげます。先着一名様です。じゃあそういうことで」ヒョイ

凛「ちょ、ちょっと……!!」

モノクマ「あ、思い出した」ヒョイ

凛「うわっ!」

モノクマ「レストラン奥の厨房に入って自由に料理作ってもいいよ。新鮮さが重要って言う人もいるかもしれないからルアーとか釣りの道具とかボウガンとか狩りの道具も用意しといたからね。それじゃあね」ヒョイ

P「とりあえず皆一旦解散しようか」

P(今は下手に何か言うべきじゃないかもな)

周子「そうだね。なんだかんだで眠いし」

P「皆CGプロだってことは覚えてるんだろ?そんな頭が覚えてなくたって心が覚えてるそうだよな皆」

加蓮「クサいねプロデューサー」

紗南「そうだね!皆仲間だよ」

凛「うんそうだね」

P(なんでだろう。何だか皆焦ってるような、余裕がない感じだ)

オヤスミー
オヤスミナサイ

奈緒「なぁ、加蓮?」

加蓮「なに?」

奈緒「あのな――」ゴニョゴニョ

加蓮「ふーん。意外と怖がりなんだね奈緒は」ニヤニヤ

奈緒「う、うるさい!…ありがとな」

加蓮「どういたしまして」

周子「奏は、あのタヌキみたいな奴……モノクマだっけかの話は信じる?」

奏「さぁねぇ。答えは神のみぞ知るんじゃないかしら」

周子「そーだね。あたしとしたことが柄じゃないこと聞いたね」

奏「いいって。私は記憶がなくても皆心で繋がっているように思うけどね」」

周子「その言葉、数年後のあんたに聞かせてやりたいよ」

奏「そういうのはこっちから願い下げだけどね」

奏(しかし、気になるなぁ。あのモノクマって)

周子「奏?怖い顔してどうしたの?」

奏「何もないわ。なにも」」

周子「それじゃおやすみー」ガチャ

奏「おやすみー」

奏(まぁ、いきなり殺し合いをしろって言われて頭が追いつくわけないよね。私も含めて)

奏「八時か…。海でも見てこようかしら」

P「全く何が何やら」

まゆ「うふふ。まゆは大丈夫ですからね」

凛「そうだよね」

まゆ「あらぁ、なんで凛さんがここにいるんですかぁ…?」

凛「別にいいでしょ。ほら、二人共ジュース飲む?」

P「どうしたんだこれ?」

凛「さっき厨房の裏口から入って冷蔵庫に入れておいたの」

P「それじゃ、貰うよ」

凛「分かった持ってくるよ」

P「というか、あのモノクマというぬいぐるみは俺達に殺し合いをさせようとしているんだよな?」

まゆ「そうですねぇ。本当に嫌になっちゃいますよねぇ」

P「ちなみに記憶を抜かれたら俺のことはどう思うんだ?」

まゆ「そうですねぇ。まず、プロデューサーさんのことは、プロデューサーってことは分かりますよぉ。まゆの大切な人なのも分かりますけど、なんか据わりが悪いんですよねぇ…」

まゆ「自分の感情が自分で決められてない感じがして非常に気持ち悪いですねぇ」

P「そっか。大切な人か」

まゆ「はい。そうですよぉ」

凛「あたしも似たような感じかな。ほら、二人ともこれ」

P「ありがとな」

まゆ「お菓子も持ってきたんですねぇ凛ちゃん」

凛「ちょっと口が寂しいかなって」

P「そういや、奈緒とか加蓮はどうしたんだ?」

凛「自分の部屋にいるんじゃないかな?見てないから分からないけど」

凛「…二人とも不安じゃないの?」

P「何が?」

凛「いや、さっきモノクマ?が言ってたじゃん。あたし達の記憶を奪ったって。なにかあったのかもしれないよ?」

P「俺は正直現実味がなさすぎてなぁ…」

まゆ「まゆはプロデューサーさんを大切な人って覚えていたんで平気ですねぇ」

凛「まゆってプロデューサーさんって呼んでたっけ?」

まゆ「覚えてないですねぇ。もしかしてPさんって呼んでいたかもしれません。Pさんって呼んでいいですかぁ?」

P「いいよ」

まゆ「ふふ。ありがとうございます。Pさん♪」

ザーザープツッ

モノクマ「お前ら十時です。消灯だー」

プツッ

P「どうやら消灯時間みたいだな」

凛「みたいだね」

まゆ「二人とも暗くなる前に帰りましょうよぉ」

P「そうだな」


凛「それじゃおやすみ」

まゆ「おやすみなさい」

P「あぁ、二人共おやすみ」

P(ふぅ、こうして見るとただの南国リゾート地なんだけどなぁ……)

P「最後にコテージを見回りして俺も寝るか」

P「よし異常なしだな。よかったよかった。帰るか」

ガチャ

P(そうだよ。俺があいつらを信じてやらないでどうする。俺は記憶が無くてもあいつらを信じてやらなきゃ)

ヴーヴー

P(ん?携帯?あぁ、モノクマさんに貰った奴か)

P「もしもし俺だが」

蘭子『わ、我が下僕か?』

P「その声は蘭子か?」

P(そう言えばこれは元々携帯だったな)

蘭子『うむ。嫌な風が暗闇の底から吹き上げてきている…』

P「分かった。気が済むまで相手してあげるよ」

蘭子『え、えっとありがとうございます』

――


P「ふぅ…ようやく寝たか」ピリリリ

P「今度は誰だ?はい、Pだけど」

紗南『あ、やっほー。いつもの癖でまだ眠くないからさ、その…』

P「付き合うよ。眠くなるまで」

紗南『あ、ありがとう!それでさ――』

モノクマ「お前ら朝だぞー」

杏「いや、朝だろうと杏には関係ないし」

???「誰かぁー!!」

杏「?」

杏(うるさいなぁ…)ガチャ

杏「杏の睡眠を邪魔する奴は誰だー」

杏(あれ?なんか空気が違う…)

紗南「あ、杏さん!」ボロボロ

美優「さ、紗南ちゃん落ち着いて!」

紗南「これで落ち着いていられるわけないじゃん!」ヒッググス

杏「朝からなに…?」

杏(なにこれ血……?)

紗南「ねぇ、美優さん。なんでプロデューサーは動かないのかな」ユサユサ

杏「…悪い夢でも見てるのかな」

杏(その割に頬は痛いけど)

ブツッ

モノクマ「お前ら起き……間違えた。死体が発見されました。一定時間後に裁判を行います!」

とりあえず、今日はここまでで終わりたいと思います。
おやすみなさい。

>>28 そういうことですね。

凛「紗南達朝から騒がし…プロデューサー!?」タッタッタッ

まゆ「朝からなんですかぁ?」

美優「ッ!」ガバッ

まゆ「あらぁ、美優さんなにを?」

美優「き、気にしないで。それより、私と一緒に部屋に行きませんか?」グイグイ

まゆ「珍しいですねぇ美優さんが強引になんて。ふふ。分かりましたから手で目を塞ぐのは止めてくれませんか?」

美優「そ、それじゃ、杏ちゃん、紗南ちゃんをお願いね」

杏「えー。凜任せた」

凛「え、あ、うん」


楓「おはようございます」

蘭子「やみのま!」

凛「危ないッ」ドンッ

杏「え、うわぁ!」ズザァ

グサッ

凛「くっ……」ポタポタ

蘭子「あ、え、血…」フラッ

紗南「え?何どうしたの?」

凛「だ、大丈夫……杏?」

杏「え?」

蘭子「ええと、そんなことより自分の…」

楓「こんな時にプロデューサーさんは何をしてるんで……え?」

楓(え、嘘なんで…)

ピロリロローン

紗南(…何か鳴ってる)ゴソゴソ

紗南「スマホにメール?こんな時に誰から……」


『差出人:モノクマ
件名:モノクマファイル1
うぷぷぷ。きっとアイドルの皆に検死の知識なんてないだろうからボクが代わりに調べてあげたよ感謝してね。
じゃ、頑張ってね。きっと君たちのプロデューサーもそれを望んでいるはずだから。うぷぷぷ。
添付ファイルが一件あります』

紗南「モノクマファイル……」ピッ

『モノクマファイル1

被害者 プロデューサー

死亡推定時刻 午前六時頃

死因 刺殺』

紗南「え?これだけ……?」

紗南(スクロールしてもこれ以上反応がない。あとは自分で調べろってことなのかな……)

奈緒「まったく朝から…ってええ!?」

ちひろ「あわわわ、プロデューサーさん何してるんですか!それに凛ちゃんも!」アタフタアタフタ

奏「一体誰が…」

ちひろ「なんで奏ちゃんはそんな冷静なんですか!とりあえず、凛ちゃんは私の部屋に来て下さい」

凛「分かった。ありがとうちひろさん…」

杏「そう言えば、他の人は?」

紗南「ま、まだ寝てるんじゃないかな」

紗南「あれ?またメール?」

紗南(違う。さっき来たメールじゃない。モノクマから送られてきたメールよりも前に来てる)ピッ

『差出人:プロデューサー
件名:無題
寝ちゃったか?
明日からも頑張ろうな。
俺が殺し合いなんて起こさせないから紗南もその元気で皆を明るくしてくれ』

紗南「やだ……これって…。違う。こんなの……やだよ…」ボロボロ

紗南(あたしに送ったのが最後のメール……)


P『皆を元気にしてくれ』


紗南「!」ハッ

紗南(そうだよね。あたしが頑張らないと)

紗南「ねぇ、杏さん」

響「なに?」

紗南「辛いけどあたし達が前を向かなきゃいけないと思うんだ」

杏「まぁ、夢じゃないみたいだしね」

紗南「とりあえず、ここに来てない人達を集めよう。電話したら皆通じるかな?」

杏「電話出来るのかこれ」

紗南「なんか一応連絡先は登録あるみたいで、ほら、皆の名前があるじゃん。あたし、美優さんたち呼ぶね」

杏「ホントだ」

奏「それじゃ、あたしが周子さんと加蓮を呼んどくよ」

杏「それ、全員じゃん。任せたよ」

紗南(ちひろさんと凛さんは治療中だから呼ばない方がいいよね)

プルルルル

周子『……もしもし』

奏「あ、周子さん?寝てたの?」

周子『まぁ、一応目だけは覚めてたよ。でも、あのモノクマが死体発見なんか言いだしてたから夢かなって』

奏「本当のことなんです……周子さん、メールが来てるから確認してください」

周子『本当なんだね…。わかったありがとう』ガチャツーツー

バンッ

周子「奏!」

奏「あ、周子さん。……見ました?」

周子「見たも何も……こんなばかなことが。あったんだね…Pさんが倒れてるってことは」

周子「いやぁ、夢なら覚めないもんかね」

杏「ところがどっこい夢じゃないんだよね。もう杏も自分の頬を引っ張るのやなんだけどさ」

周子「そっか。ってことは誰かいるんだね。殺した人が」

紗南「え、えっと?」

周子「コロシアイ」

紗南「え?」

周子「認めたくないけどさ、いるんだよね。プロデューサーをこんな風にした奴が」

美優「あの…まゆちゃん連れて来ましたけど」

紗南「ありがと美優さん」

美優「えぇ……」チラッ


美優(まゆちゃん平気かしら…?)

紗南「まゆさん…?」

まゆ「うふふふふふ。なんですかぁ紗南さん」

紗南「い、いえ、大丈夫なのかなって」

まゆ「えぇ、平気ですよぉ。思えば美優さんはこれを見せまいとまゆを連れていってくれたんですね」

紗南「う、うん。そうだよ」

まゆ「ふふ。ありがとうございますね三船さん」

美優「え、えぇ。どういたしまして」

まゆ「そういえば、ちひろさんはどちらに?」

紗南「凛さんが怪我したからその治療をしてるよ」

まゆ「ふふ。ありがとうございますね」

紗南(あとで行って話を聞いてみようっと)

コツ

紗南「あれ?これってスマホ?」

紗南(多分プロデューサーさんのだと思うけど。倒れた拍子にここまで来たのかな?そうだ。これで履歴を見たら最後に話した人が分かるはず……。ま。多分私なんだけどね)

紗南「え……?」

奏「どうかしたの?」

紗南「いや、あたし昨日の晩プロデューサーさんの携帯に電話をしたんだけどさ。だけど履歴に残ってないんだよ。メールも
何もかも」

紗南(これってもしかして犯人が証拠を消すために消したのかな……?)

奏「そういえばさ、最初に見つけたのは誰?」

紗南「あたしだよ」

奏「その時はどうだったの?」

紗南「えーっとね。あたしは朝のアナウンスを聞いてレストランに向かおうとしてる所だったんだよ」

周子「なるほどねー。Pさんは全てのコテージの中心を走る道に倒れてたから、コテージを一番最初に出た人が第一発見者となるわけだ」

紗南「なんか目が覚めちゃってさー」

奏「そう、紗南ちゃんありがと」

紗南「気にしくていいよ。それじゃ、がんばろ!」

奏「うん。ありがと」

ちひろの部屋

奏「凛ちゃん大丈夫?」

紗南「凜さん大丈夫なの?」

凛「平気だよ。気にしないでもいいから」

杏「って言われても杏が気にしないわけにはいかないんだが」

凛「だからいいってこれくらい」

ちひろ「平気じゃないですって!今血が止まったばかりなんだから!」

紗南(凄い痛そうだなぁ……)

紗南「それが凛さんに刺さってた矢なんですか?」

ちひろ「えぇ、そうみたいです。見たところによると厨房にあった奴だと思います」

奏「なんでちひろさんそんなこと知ってるんですか?」

ちひろ「え?いや、まぁそれはね……」

凛「ちひろさん、楓さんと一緒にお酒をスーパーから持ってきて厨房の冷蔵庫で冷やしてたんだって」

ちひろ「ちょっと羽を伸ばそうかなって思いましてね…」アハハ

紗南(楓さん南国に来てもお酒飲むんだ…)

奏「ちなみにそれは何時頃ですか?」

ちひろ「実はですね…皆と解散した時以外時計を見た記憶がないんですよ……」

凛「でも、あたし食堂にいたけど十時に消灯されたんで、多分そのくらいじゃ?」

ちひろ「そうですね。あのアナウンスを聞いて美優さんが解散しようとか何とか言って……」

紗南「なるほどね。ありがとちひろさん」

杏「随分と積極的だな」

紗南「ちょっと色々あって。それに…いや、なんでもない」

紗南(あんまりいい印象はないけれどモノクマが私達を殺し合わせたいのなら、間違いなく犯人がいるはずなんだよね……)

紗南「あー、もうこういうことならもっと推理ゲーもやりこむべきだったなぁ…」

凛「そういえば杏、怪我は無かったの?」

杏「おかげ様でね」

凛「そう。それは良かった」

杏「まぁ、一応礼は言っとくよ。ありがと」

ちひろ「あ、他に怪我してる人いませんか?一応この部屋に簡単な救急箱があったから今の内に言ってもらえるとすぐに治療しますんで」

紗南「救急箱?なんでそんなものが……?」

モノクマ「うぷぷぷ。だって、つまらないでしょ?傷から細菌が入って感染症で病死とか。ボクそういうの嫌いなんだよねー」ヒョイ

ちひろ「だそうです」

奏「でなきゃ、あんな悪趣味な死体発見アナウンスなんて出来ないわね」

ちひろ「あ、そういえば。他の皆は大丈夫でしたか?」

紗南「うん。とりあえずは……あれ?」

ちひろ「どうかしたんですか?」

紗南「いや、そう言えば、加蓮さんに会ってないなーって」

紗南(奏さんが電話したみたいだったけどどうだったのかな……)

ちひろ「こういうことがあったばかりですから不安ですね。見てきてくれませんか?私がここにいるんで」

紗南(とりあえず、奏さんに聞いてみよう)

奏「ん?さっき加蓮には電話したわよ」

紗南「奏さん、加蓮さん、何か言ってた?」

奏「実はね。繋がらなかったんだよね」

紗南「え…?」

紗南(まさか加蓮さんも……)

奏「とりあえず、もう一回電話するわ」

紗南「あ、あたしがやるよ。ありがと」

奏「と言うかさ、本当にあたし達の中に犯人がいるのかしら」

紗南「多分……こればかりは嘘じゃないと思うんだ」

奏「そっか……やっぱりそうなんだね」

紗南「…うん」

紗南(そう……これは遊びじゃないんだ。ゲームでもない。現実なんだ)

紗南「加蓮さんどうしたのかな……」

加蓮『はい。なに紗南どうしたの?』

紗南「あ、加蓮さん大丈夫?」

加蓮『何が?大丈夫だけど』

紗南(あれ?知らないのかな)

紗南「あの、加蓮さんアナウンス聞こえなかったの?」

加蓮『誰かが死んだんだよね……』

紗南「…うん。あ、今どこに?」

加蓮『今は、奈緒と一緒に部屋いるよ』

紗南「え……」

奈緒『どうしたんだ加蓮?』

加蓮『え?紗南から電話あって』

奈緒『紗南から?なんだって?』

加蓮『分からないけど…ごめんなんで電話してきたんだっけ?』

紗南「あ、奏さんが電話した時に出なかったから大丈夫かなって…」

加蓮『あー。なるほどね。ごめんごめん』

加蓮『それじゃ、こっちはこっちでやるから、そっちはそっちで調べてくれない?』

紗南「え……?」

加蓮『犯人探す気なんでしょ?なら、実際に会って話すのは時間が勿体ないって言ってるの。じゃあね』

紗南「え?あ、ちょっと……切れちゃったよ」

紗南(なんでだろう。何か焦ってる気がしたんだけど…)

奏「どうだったの?電話には出たみたいだけど」

紗南「えーっと向こうは向こうでやるって言ってたんだよねぇ…」

奏「ふーん?ま、いいんじゃないの。頭付き合わせてもいい考えが出るわけじゃないんだし。メールに情報は書いてあるんだから個別に出来るしね」

紗南「ま、まぁそうだね」

奏(尤も…それだけじゃないだろうけどね)

加蓮「さてと…」

奈緒「加蓮、あたしらで本当に犯人探す気?」

加蓮「まぁね…。そっちのがやりやすいじゃん」

奈緒「……。なぁ、加蓮」

加蓮「ん?なに?」

奈緒「こっち来なよ」

加蓮「はい。来たよ…ってなんでいきなり抱き付いてくんのよ」

奈緒「なんだかこうやらなきゃいけない気がしてさ」

加蓮「…優しいんだね奈緒は」

奈緒「まぁ、こんなんでも加蓮よりは年上なんで」

加蓮「…ちょっとシャワー浴びてくる」

奈緒「ごゆっくり…」

奈緒(加蓮は電話で小さな嘘を吐いた)

奈緒「誰かが死んだんじゃない。Pさんが死んだんだ。あー、あたしは泣いちゃダメだ。泣いたら加蓮に示しがつかねぇ」

奈緒「こんな時くらいあたしがしっかりしないと」

奈緒(でも、加蓮がシャワー浴びてる時くらいはいいよね…?)

杏「あー。あのさ、あそこなんかあるんだけど」

紗南「え?なになに?」

杏「なんかあるみたいだよ。行ってみる価値はあるんじゃないの?」

紗南「ほ、本当にっ!?」

――

紗南「これで凛さんが撃たれた……」

周子「紗南ちゃんさ」

紗南「なに?」

周子「プロデューサーさんが、その…殺されたのってそこじゃん?それで、凛ちゃんが撃たれたのもそこだよね」

紗南「だね」

周子「ならさ、この木の股に立て掛けると丁度いい高さになりそうじゃない?」

紗南「ちょっと見てみよっか」

紗南(ホントだ……丁度いい感じの高さだ)

紗南「えーと、ここはまゆさんの部屋の前か」

紗南「なんだろう…何かのフラグを立てた気がするよ」

周子「ん?このボウガン」カシュッ

奏「矢入ってなくても危なくない?」

周子「いやさ、このボウガンつまみがあるじゃん。何に使うのかねぇ……」

モノクマ「えーとね。それはね、タイマーだよ」ヒョイ

紗南「タイマー?」

モノクマ「もう、ボクの登場には驚かないんだね。うん。どこかに仕掛けておいて、動物をそこに追い込んで[ピーーー]ことが出来るんだよ」

周子「なにその微妙に使い道なさそうな機能。というか、本当にそんな丁度よくタイマーが設定出来るの?」

モノクマ「ボクは出来ないと思うよ。だけどね。そこはボクも考えたんだ」ガサゴソ

奏「ネコ型ロボットを意識しすぎじゃない?」

紗南「声も似てるしね」

モノクマ「ボクはそんなロボット知らないね。はい。これがボクが新しく取り付けたリモコン」

紗南「どう使うの?」

モノクマ「えー。教えないよ。でも、拾ったんだけど、もうボクが持っててもしょうがないからあげるよ」ポイ

春香「さ、行っちゃった………」

杏「それ」ポチッ

カシュ

紗南「どうやらボタンを押したら発射出来るようになってるみたいだね」

周子「こんな機能を取りつけられるなんてモノクマは未来から来たんかもね。ふふふ」

楓「あ、紗南ちゃん」

紗南「楓さん、何か分かった?」

楓「いいえ」フルフル

美優「誰がやったんですかねぇ…」

奏「それを探すために今頑張ってるんじゃん」

紗南「あのさ、確認なんだけど、プロデューサーさんを殺した凶器はこの近くに落ちてるナイフなんだよね?」

美優「えぇ。このモノクマファイルにはそう書いてありますよ」

紗南「やっぱりそうなんだよね……」

美優「あ、これはなんでしょうか……」

紗南「え?なになに?」

美優「この何かで書いたような細い跡があるのだけれど……」

楓「汚れじゃないのかしら?」

美優「そうかもしれませんね。私も気が張っていて何もかも怪しく見えてしまって…」


ピンポンパンポーン

モノクマ「時間になりました。これから裁判を開始します。オマエら、レストランに集合だ」プツッ

奏「とりあえず行かなきゃいけないみたいね」

美優「そうみたいですね」

紗南(プロデューサーさん見ててね!あたし、クリアしてみせるから!ゲームみたいに!)

レストラン

ちひろ「皆さんいらっしゃいますか?」

加蓮「いるんじゃないの?」

まゆ「うふふふふふ…」

紗南「いるみたいだよちひろさん」

モノクマ「あ、皆揃ったみたいだね。それでは。ポチっとな」

ガシャーンガシャーン

紗南(レストランの奥に更に部屋があるなんて……)

蘭子「闇の扉は…開かれた――っ!」キラキラ

凛「…もうあたしの知ってる現実とは大分離れちゃったなぁ」

モノクマ「はいはい。オマエら早く中に入ってー。席に名前があるだろうからそこに行ってね」

周子「それで、これから何させようって言うの?」

モノクマ「えーとね」

加蓮「話し合って犯人を炙りだせって言ってるんでしょ?」

モノクマ「え?うーん。まぁそうだね」

加蓮「それで犯人を指名して合ってたらその犯人がお仕置き。間違ってたらそれ以外がお仕置きよね?」

モノクマ「そうだね。ボクが言うことがないね」ショボーン

美優「か、加蓮ちゃん、詳しいわね」

加蓮「…ルールを読めばそれくらいのことは想像つくんで。それより早く始めましょう」

紗南(加蓮さん、気が立ってる……?)

加蓮「さぁ、まず最初は簡単な所から始めていこうかしらね」

こういうのってどこかで止めた方がいいんかな。
とりあえず、ここで一旦止めるけども。

加蓮「さて、この、ファイルによると、被害者は……プロデューサー。死因は刺殺。これは信じていいのモノクマ?」

モノクマ「はい。ボクは優しいウソしかつかないからね」

紗南(それがまず嘘な気がするんだけど……)

加蓮「そう。それで、この刺殺の凶器って何だろうね?奈緒、何か意見ある?」

奈緒「あ、あたしっ!?え、えーと、多分それは近くに落ちてたナイフじゃねぇかな」

紗南「あたしもそう思うなー。その……血が付いてたし」

加蓮「そう。他の意見がある人は?」

シーン

加蓮「じゃ、次に行きましょうか。だ――」

奏「ちょっと待って貰っていいかしら」

加蓮「…何よ?」

奏「まずその前に、加蓮さんはどこで何をしてたのか聞きたいな」

加蓮「…あたしはモノクマのアナウンスで目が覚めたよ。だから朝ごはんを食べに行こうか。なんて思ってたらいきなり誰かが扉を叩いてたのよ」

奈緒「ち、ちなみにそれはあたしだ。少し嫌な予感がしたからね」

加蓮「奈緒が半べそ掻いてたから、少しの間慰めたのよ」

奈緒「そ、そこまで言わなくてもいいじゃんか」カァァ

奏「それで?」

加蓮「それからあたしと奈緒は二人で何か手掛かりはないか探した。そう言えばモノクマ」

モノクマ「はい?」

加蓮「あの忌々しい死体発見アナウンスは犯人を含めて三人見つけたらアナウンスするのかしら?」

モノクマ「どういう意味かなぁ?」

加蓮「だから、犯人は目撃者に入るか聞いてるの」

モノクマ「えーとね。入らないよ。だって、そしたらすぐに犯人が分かっちゃうじゃないか」

加蓮「だってよ紗南ちゃん」ニヤ

紗南「え、う、うん?」

紗南(何か言いたかったのかな?)

凛「つまり、言いたくないけど、最初に見つけたあたしたち以外にはアリバイがないってことだよね」

加蓮「あ、また一つ聞いていいかしらモノクマ?」

モノクマ「はい?」

加蓮「例えばだけど、もし、仮に犯人が複数人いたとして、その場合はどうすればいいの?まさか投票を同数に分けろなんて
言わないわよね?」

モノクマ「勿論ですとも。クロは実際に手を下した人の方を指します」

加蓮「ふーん。ありがと」

美優「あ、あの、加蓮ちゃん?もうちょっと落ち着いて…」

加蓮「あたしは早く犯人を見つけたいの。プロデューサーを、あたしの……を殺した犯人を」

紗南(加蓮さん、泣いてる?)

楓「北条さん」

加蓮「はい?」

楓「はい。熱くなっている時ほど周りを見ないと。何事も一人では解決しませんから」

紗南「そ、そうだよ。みんな力を合わせないと。出来るゲームもできなくなるしねっ!」

加蓮「……悪かったわね。でも、それじゃあ何を決めたいわけ?」

紗南「じゃ、今、加蓮さんが凶器の説明をしてくれたから、最初に発見した時の状況を話すね」

紗南「えーとそうだなぁ…あの時、丁度モノクマの朝のアナウンスで起きて朝ごはんでも食べようかなって外に出た時に誰か
倒れてるのを見つけたんだよね。それで見てみるとプロデューサーが…」

杏「次は、杏?凜だっけか、声聞こえて部屋出たらそうなってた」

凛「あたしも同じね」

奏「紗南ちゃん。誰か怪しい人影は見たかしら?」

紗南「ううん。見なかったよ」

周子「誰もいなかった……。確かに犯行時刻から一時間後のことだし、誰もいなくても不思議じゃないね」

奏「そうね……誰も部屋の中の行動が分かるわけないし」

ちひろ「あそこにいるモノクマさんなら分かりそうですけどね」

モノクマ「勿論。分かるに決まってるじゃないか。だけど教えないよ。うぷぷぷぷぷ」

杏「めんどくさいクマだね」

モノクマ「流石にそれはアンフェアだもの」

紗南「立ち止まってもしょうがないよ。次の話に行こっか。それじゃ、凜さんが襲われた件について」

周子「あ、モノクマ。質問いい?」

モノクマ「ん?なんだい?今度から纏めてくれると嬉しいんだけど」

周子「ルールに書いてないからね。どっちかって言うとモノクマが悪いよ」

モノクマ「どういうことだい?」

周子「例えば。Pさんを殺した犯人をAとするじゃん。そして、仮に今回は平気だったけど、犯人Bのせいで凛ちゃんが運悪く死んでしまった場合、あたし達はどちらを指名すればいいのかなって?」

モノクマ「それ今聞かなくてもいいんじゃない?現に生きてるんだし」

周子「あー、じゃあ言い方変えるよ。一つの事件だと思ってたのに実は別々の事件だった場合はどうすんの?また捜査する時間をくれたりするの?」

モノクマ「そこらへんはこの裁判が終わった辺りにでも追加しておくよ。というか、今はこの裁判に集中してよ」ガオー

周子(よし。狙い通り)ニヤリ

周子「とりあえず、皆聞いてもらっていいかな。今のモノクマの発言を聞くとね、今回、プロデューサーと凛を襲った犯人は同一犯だってさ。今は、明文化する必要がないって言ってたしね」

モノクマ「ドキィ!ボ、ボクを試したなぁ」

周子「いやぁ、こんなんに引っ掛かってくれるなんてね。あ、でも、あたしは危害を加えたわけでもないよね」

モノクマ「むむむむ……そうだね」

紗南(周子さん凄い…)

蘭子「まさか、貴様、魔眼の使い手か!」クワッ

周子「ありがとねー。なに言ってるのかあんまり分からないけど。それじゃ、凜ちゃん、その時の状況を説明してくれる?」

凛「あの時、杏を庇うのに必死でよく覚えてないんだよね…。覚えてるのは痛いって感覚だけなんだ。ごめん」

杏「あの時は、ありがとね」

凛「べ、別にいいけど…」カァァ

モノクマ「美しき友情愛ってやつ?吐き気がしそうだよ。うぷぷぷぷ」

ちひろ「あ、じゃあ、私が続きを話しますね。凛ちゃんを怪我させたのはなんか矢みたいなものでしたよ」

紗南「それって、ボウガンだよね?」

ちひろ「分からないですけど……。紗南ちゃんボウガンなんてよく知ってるますね」

紗南「あったんですよ。コテージ端の木にセットされてたよ」

美優「そのボウガンって元々どこにあったものなの?」

凛「厨房じゃないかな。あたしが覗いた時何か弓みたいなのが置いてあったし」

まゆ「モノクマさんがそんなことを言ってたような気がしますねぇ。あらぁ…?」

紗南「どうしたの?」

まゆ「昨日プロデューサーとまゆは夜までいたんですよぉ、厨房に行くにはレストランを通らなきゃいけないじゃないですかぁ。まゆは誰も見てないですよぉ?」

楓「あ」

周子「どしたの?楓さん」

楓「厨房には裏口があってそこから入れますよ?私お酒冷蔵庫に入れましたし。お二人を避けて」

ちひろ「あぁ、そうでしたね」

奏「つまり、誰でも取れたって言いたいのね」

紗南「まぁ、皆部屋に引きこもってたわけだし……運悪く楓さん達と鉢合わせない限りは問題ないよね」

加蓮「結局誰が犯人だか分からないってことじゃない!」ガンッ

奈緒「待ってくれよ加蓮。まだ話していないことがあるはずだって。諦めるなよっ!」

凛「てかさ、ボウガンって誰かが発射したわけだよね?ってことは誰かそこにいたはずでしょ?つまりあそこにいたアタシた
ち以外に犯人がいるってこと?」

奏「実はそれがそうでもないんだよね。ねー紗南ちゃん」

紗南「え?あ、はい。実はそうでもないんだよね。ねぇ、モノクマさん?」

モノクマ「え?この場面でボクに話が回ってくるのかな?」

紗南「モノクマさんの改造したボウガンは実はリモコン動作一つで動くようになってたんだよ」

凛「り、リモコン?」

紗南「うん。リモコン。これなんだけど。ここのボタンを押すと発射される仕組みになってるんだ」

モノクマ「そこら辺のロボットには負けないよ!」ドヤァ

ちひろ「つまり、誰でも出来たってことなんですね」

美優「何だか議論がくるくる回ってますね…」

奈緒「あ、そういえばさ」

まゆ「なんですかぁ?」

紗南(何か引っ掛かるんだよねぇ……)

奈緒「Pさんはどうしてそんな時間にフラフラ外に出たのかな……」

紗南(それだ!)

紗南「あのね。これなんだけど……」

周子「携帯だね」

紗南「うん、これ、プロデューサーの携帯なんだけどさ、あたし、昨日プロデューサーに電話をしたの。これが証拠なんだけど」

奏「それがどうしたの?紗南ちゃんの携帯に履歴があるのは当然じゃない」

紗南「うん。そうなんだけどね。プロデューサーの携帯には履歴が全部ないんだよ。メールも電話も全部」

周子「何かあるって見る方がいいかもね」

美優「つまり、犯人はプロデューサーさんを電話かメールで呼び出したってことですか?」

加蓮「皆今すぐ携帯の履歴を見せてよ。これで犯人が絞れる!」

ちひろ「えーと。携帯にプロデューサーへの履歴が入ってるのは――」

奈緒「待ってくれよ。もしかしたら消したかもしれないじゃねぇか」

加蓮「そう言われてみれば、そうね。つまり履歴がない人が怪しいってわけねぇ。えーと、蘭子、紗南ちゃん、それとあたしは履歴があるから晴れるわね」

奈緒「なんだ加蓮も電話してたんだ」ニヤニヤ

加蓮「い、今はそんなことどうでもいいでしょ!」

楓(北条さん顔真っ赤……)

ごめん、一旦離脱する。
見てくれている方いらっしゃればすみません。

続き待ってる!
もし良かったら何処かのタイミングで、落ちたって言うスレも貼ってくれたら嬉しいな。

>>62 いいですけど、以前はアイマスで書いたもの、vipですがそれでもよろしければ。
後で探してきます。

ちひろ「ねぇ、紗南ちゃん。一つ気になったんですけど」

紗南「うん。なになに?」

ちひろ「よく分からないんですけど、ボウガンって見ないで打てるものなのなんですか?」

奏「ど、どういう意味?ちひろさん」

ちひろ「いや、そんな見ないで凛ちゃんたちを狙えるのかなって」

紗南「確かになぁ……木に固定されてたとは言え、何も見ないでってそんな博打みたいなことをするのかなぁ……」

紗南(ゲームならともかくさ、相手も動くわけだし)

加蓮「堂々巡りもいいとこね」

周子「固定されてるなら、その場にいなくてもいいしね。まゆちゃんは見てないの部屋の前だったけど」

まゆ「まゆは見てないですねぇ。ごめんなさい」

紗南「えーと、自動って打っても相手が止まってなきゃ意味がなくて…」

楓「あ、そう言えば、紗南ちゃん」

紗南「ん?何ですか?楓さん」

楓「さっき、ここに来る前に私が見つけた汚れみたいな奴見て何か言おうとしてなかった?」

紗南(さっき……)

紗南「あぁ、あれのことね。いや、あたしもなんでか知らないけど気になったんだよねー」

奏「なんでかしら?」

紗南「いや、だってさ――」

紗南(あれ、でも、もしかして…)

奏「ん?どうしたの?」

紗南「あたし、分かっちゃった。犯人」

まゆ「本当ですかぁ?」

犯人は凛
床の印が目張り

>>6 少しわざとらし過ぎましたねww

紗南「犯人はあなただ!……凛さん!!

凛「え、ちょっと、何言って――」

紗南「もし、あの白い汚れが目印だったとしたら」

凛「目印?」

紗南「うん。例えば、ライブの時の立ち入ちが分かるように貼ってあるシールみたいなものだとしたら?」

凛「だとしたら?」

紗南「その目印を使えるのは、アタシと杏さん、そして凛さんしかいないんだよ」

凛「あたしはそ実際にそれを見ていないから分からないけれど、そんなのただの汚れでドアからでも見ていた誰かがそのボウガンをリモコンで発射させたかもしれないじゃない。私達の後に出てきた蘭子や楓さんも出来るじゃん。
発射した瞬間に出れば、ドアから出た所で、誰かに矢が刺さるわ。何の不思議もないよ」

紗南「それじゃあ、質問を変えるけど…犯人はどうしてあそこでボウガンを撃ったんだと思う?」

凛「そんなの一度に二人殺せるからに決まってるからじゃない」

間違えた。>>66です。
紗南「違うよ。それは」

凛「え……?」

まゆ「一度に二人を[ピーーー]ことが目的じゃない……ってことは、犯人にとってボウガンを撃つメリットなんてあるんですかねぇ…」

奏「自分を容疑者から外すため。そう言いたいんだね紗南ちゃん」

紗南「うん。ただ、撃たれるだけじゃなくて、そこで誰かを庇うって言うのもシナリオ通りだったんだと思う。誰も犯人が自分を傷つけるなんて考えないだろうし。

紗南「そう考えたらさ、あの汚れはボウガンの矢の軌道の位置を知らせるためのものだと思うんだ」

美優「あぁ、どこに来るか分からないで、自分が死んじゃってもダメだし、杏ちゃんの方に飛んできてないのに突き飛ばしても意味がないですもんね」

奈緒「う、嘘だろおい…。嘘って言えよ凛!」

凛「ちょ、ちょっと待ってよ。今の話はおかしいと思うんだけど。確かにそのトリックならあたしも使えるわ。だけどそれはあの場にいた他の人も一緒のはずじゃない?
自分で怪我しない位置をあらかじめ印付けておけば、その延長線上に誰か来たら…ってことなんだから」

紗南「凛さん…」

凛「なに?」

紗南「ねぇ、モノクマさん」

モノクマ「はい?」

紗南「死体発見アナウンスの説明をして貰ってもいいかな」

モノクマ「えー、面倒だなぁ。ま。いいけど。えーと死体発見アナウンスは死体を三人以上が発見した時に放送するよ」

紗南「そこに犯人は?」

モノクマ「含まれません」

紗南「そういうことなんだよ」

凛「どういうこと?」

紗南「思い出したんだ。最初にプロデューサーさんを見つけたのがあたし。そして次に見つけたのが美優さん。そして次、三人目は杏さんなの。凛さんは四番目ってことに」

凛「――っ!」ピクッ

凛「でも。それも話が付くわよ?例えば紗南ちゃんが犯人だとしたら、第一発見者を装っていたけど、モノクマの中では第一発見者は美優さんになる。そうでしょ、モノクマさん」

モノクマ「そういうことになるね」

凛「これなら私が三人目になるけど…どう?」

紗南(もしかして、あたし間違えた…?あたしは犯人じゃないけど、例えば、他の二人が犯人だって可能性が…)

美優「どのタイミングでアナウンスが流れたか正直動転してて覚えてないんですよね…」

周子「ちょっと聞かせて欲しいことがあるんだけどなー紗南ちゃん?」

紗南「な、なに?」

周子「簡単なことなんだけど。あなたたちが発見した時の皆の立ち位置を教えてよ」

紗南「えーと……アタシの隣に美優さんがいて、プロデューサーの死体を挟んで反対に杏さんと凛さんがいたよ」

周子「そうなると、犯人は杏か、凛に絞られるわけね」

紗南「え?なんで?」

周子「簡単なことよ。ボウガンを撃った犯人とプロデューサーを殺した犯人が同一なのよね。
さっき、凛は紗南達だって自分の前に来たら撃てばいいって言ったけど、そんな博打誰が打てるんだろーね?」

ちひろ「つまり、紗南ちゃんや、美優さんが犯人だとすると、撃った瞬間が見えなくて、もし前の人が動いたりしたらまた結果が変わるだろうし不確定要素が強すぎますね…」

美優「あ、あの私、凛ちゃんが怪我したときまゆちゃんを連れていってたんでその場にいませんでしたよ?」

紗南「今になって疑問に思うことが出来ちゃったんだけど、凛さん答えてくれる?」

凛「何かしら?」

紗南「なんで、後ろから飛んでくるボウガンが分かったの?」

凛「――ッ!」

紗南「凛ちゃんの位置からは絶対ボウガンなんて見えないはずなのに……」

凛「音よ。音が聞こえて――」

紗南「もし音が聞こえたなら先に後ろを振り向くはずだよ凛さん……。でも、あの時、アタシには杏さんを脇目も振らずに押したように見えたんだよ」

凛「だから、それは――」

紗南「これでもまだ反論出来ますか?」

凛「…………」

紗南(どうなのかな…?)

凛「ふぅ。もう無理みたいだね」

奈緒「えっ」

加蓮「まさか、本当に犯人なの!?」

凛「それは皆が決めることじゃないの?モノクマさん。そろそろ投票タイムに行こうか」

モノクマ「了解しましたー」

奈緒「ちょっ……」

投票中……ピロリロリーン

モノクマ「投票結果出ました。10人が渋谷凛ということでクロは渋谷凛に決まりましたー!皆さんおめでとうございます。今回のクロは渋谷凛でしたー!!そこの二人今度間違えたらお仕置きだからねっ!」

奈緒「10人って……!」

加蓮「……嘘でしょ」

奈緒(凛は自分にいれたのか……?)

モノクマ「クロになった渋谷凛に何か言いたいことはない?なければもう――」

紗南「どうして……どうしてプロデューサーさんを」

凛「理由を聞いているのかしらね……。与えられた動機の通りよ。記憶が欲しかった。今の自分の姿を知りたかった。皆との思い出を返して欲しかった」

まゆ「理由になってませんよぉ?」

凛「……分からなくていいよ。敢えて言うならアイドルの皆は傷つけたくなかったんだ。ただのプロデューサーの方が情が無くてよかったからかな」

まゆ「あらぁ、確か昨日Pさんが大切な人だと覚えてるって…」

凛「言ってないよ。あたしは似たようなものって言ったの。アイドル達の皆が大切な仲間だったってことは覚えてたもの」

一同「……」

凛「無いか。もし犯人がバレた時どうなるんだっけ?」

モノクマ「お仕置きだよ。うぷぷぷ…」

紗南(お仕置きって一体なんなんだろう……)

モノクマ「それじゃ、そろそろ……」

凛「最後に一言言っていいかしら?」

モノクマ「えー。しょうがないなぁ。ボクもあんま気が長くないから手短にね」

凛「もし、もしまた生まれ変われることがあったら皆と一緒にアイドルをやりたいわ」

奈緒「な、何でもう会えないみたいな言いか――」

モノクマ「はい。一言終わりー。お仕置きを開始します―!!」

ガチャン ピーン
シブヤリンガクロニキマリマシタ
オシオキヲハジメマス

凛ちゃんの口調に違和感が…伏線?

凛(ここ、どこかしら…)キョロキョロ

紗南「なにこのモニター?」

モノクマ「お仕置きシーンが見れるように特別に作ってみました。褒めて褒めて」

凛「あ、これ、あたし…?」

凛「そっか、これがアイドルのあたしなんだ。色んな衣装着て、賞を貰ったりして」

凛(ふふ。これから頑張らなくちゃ)

凛「ガラスに映像を映してるのかな?随分と綺麗だけど――っ!」

凛(なに、今一瞬痛みが)

凛「あ、あああ」ガタガタ

奈緒「り、凛?」

紗南「様子がおかしいよ!」

モノクマ「ボクは望みを叶えただけなんだけどなぁ…」ニヤニヤ

凛「あ、え、嘘」

凛(なに、この記憶。あたしは今まで誰と一緒にやってきた?)
 
凛(誰のおかげであそこまでいけた?)

凛(そんな、ただのプロデューサーなんかじゃ…)

ピシピシシ

美優「も、モノクマさん。ガラスが黒くひび割れてます!危ないから避難させてください」

モノクマ「えー?だってこれからがお仕置きの真骨頂じゃん」

周子「――まさかっ!逃げて凛!」

凛「あぁ、崩れそう。ガラスがひび割れて」

凛(あはっ、もう、キラキラしてる自分も見れないや)

ピシピシピシッバラッ…

凛「そもそも、戻ったところで、プロデューサーがいないんじゃ、輝かしい未来なんてなかったってことなんだね」

凛「…」クルッ

紗南「えっ。こっちを見た…?」

凛「それじゃ、皆さようなら」ニコッ

周子「皆目瞑って!」

ガシャーン

美優「きゃっ!」

モノクマ「別に目瞑らなくても、衝撃も何も来ないんだからいいのにー」

奈緒「なぁ、おい。凛はどうなったんだ?」

モノクマ「ん?どうにかなったんじゃない?」

加蓮「性質の悪い冗談なんてやめてよ!」


モノクマ「いやぁ、元にいた世界に戻るためにはプロデューサーを殺したけど、そのせいで、自分の未来も殺しちゃったんだねぇ。世の中そんなに甘くないってことだよね」

モノクマ「ま。自分の偶像に押し潰されて本望だったんじゃないかな?」

奈緒「ふざけるなっ!」

モノクマ「そんな態度取るとお仕置きしちゃうよ?」

奈緒「――っ!」

杏「モノクマ」

モノクマ「モノクマだよ。何?」

杏「お仕置きって今の奴?」

モノクマ「うん。人を殺したんだから当然だよね」ギラーン

杏「ふーん」

紗南(こうして、私達が行った初めての裁判が終わりを迎えました)

to be continued……

>>74 多分普通に間違えただけの可能性もあるわ…。ごめん。

SS速報だから、落ちないし、このまま続けても平気かな?
明日位に再開出来たらいいなって感じなんだけど。

普通のゲームだったとしても精神的に病んじゃう子とかいそうなんだよなぁ…
特におしおき受けた子と殺された子
人間関係に支障が出るだろ

>>89 そう言えば書き忘れてましたが、怪我は勿論記憶も残らないようになってます。
確かにそうでもしないと人間関係に支障がですものね。すみません。

モノクマ「オマエラ朝だぞー」

加蓮「全く……人の気も知らないで」ブツブツ

加蓮(あれからどうしたのかな。皆顔色がよくなかったし。あたしもそこまで気分がいいわけじゃないし)

加蓮「奈緒とか心配だな」

加蓮(無理して強がってそうだし)

加蓮「ってか、流石に、いきなり死体が転がってるとか悪い冗談はないよね」ギィィ

加蓮(よし、平気だ)

加蓮「んー、外は気持ちいいな。こうしていると南国のリゾート地って感じだね」

奈緒「お、加蓮?」

加蓮「あ、奈緒。おはよ」

奈緒「あ、おはよう。寝れた?」

加蓮「んー。普通かな」

加蓮(やっぱり、奈緒あんまり寝れてないんだ。……目の下にクマがはっきり出来てるもん)

奈緒「あー、起きてるのはあたしらだけなのかな?」

紗南「そんなことはないって」

蘭子「やみのま!」

加蓮「あ、皆も起きてたんだ」

紗南「そっちは、えーっと…いやなんでもないや、よしご飯食べに行こうよ」

加蓮「そ、そうね」

加蓮(本当にいないんだね…。凛もプロデューサーも)

レストラン

紗南(あんなことがあったせいか空気が重いなぁ…)

周子「昨日も少し疑問に思ってたんだけどさ」

美優「はい」

周子「この料理は誰が作ってるんだろうね。見たところあたし達以外誰もいないし」

楓「ま。いいじゃないですか。そんなことは。それよりお二人ともお箸が…」

周子「……あたし小食なんだよね…はは」

美優「私も何かが喉につっかえているような気がして」

楓「まぁ、私も似たようなものですけど…」

紗南「それより、皆今日どうする?」

奈緒「どうするって何が?」

紗南「いやねっ、ずっとここにいるのも気が滅入りそうだから何かやった方がいいのかなって思って」

美優「なるほど…それは一理あるかもしれないですね…」

奈緒「じゃあ今日は皆でこの島を探検するってことでいいのか?」

周子「あたしはブラブラしてるわ」

ちひろ「ま。個人で行動しても問題ないと思いますよ」

ホテル外
紗南「あれ?杏さんは?」

周子「いなかったし、寝てるんじゃないの?」

加蓮「杏は寝てるんだ……」

加蓮(まぁ、らしいけどね)

周子「しかし、ここってどのくらいの大きさなんだろうね」

紗南「ゲーセンとかないかな」

美優「あ、それじゃ何か見つけたら昼食の時にでも報告しませんか?」

周子「それで、いいんじゃないかな」

奈緒「それじゃ、出発!」

奈緒(こうやって明るく振る舞わないと皆が暗くなっちまうよなぁ)

加蓮「で……結局昼に戻ってきたのは奈緒と美優さんだけなのね」

奈緒「紗南からゲーセンにいるってメール来てたよ」

美優「楓さんは何か見つけたって言ってましたね…」

奈緒「あの人何を見つけたんだろう…」

加蓮「まぁ、皆夕飯までには戻ってくるかもね」

奈緒「加蓮は何か見つけたのか?」

加蓮「んー、まぁぼちぼちかな。分からない建物に入る気が起きなかったし…」

奈緒「なんかいたら怖いもんな。それじゃ、あたし達はお昼ご飯にでもしようぜ」

美優「でも、私食欲が…」

奈緒「…あたしもほとんどないけど、何か入れておいた方がいいと思うんだ」

加蓮「あたしはジュースだけでいいかな」



紗南「いやー、ゲーセンのハイスコア全部塗り替えてきたよ」

周子「あ、そう言えばステージみたいのがあったよ」

奏「私は結局海を見てたわ」

奈緒「そういえば、楓さんなに見つけたんだ?」

楓「……」グビグビ

奈緒「おーい…」

奈緒(ヤケ酒でもしてるのか?)

楓「…これです」

トンッ

加蓮「この本は?」

楓「ここからずっと行ったところに、図書館がありました。そこでこんな本を見つけたんです」

奈緒「なんの本?」

楓「この島の情報が書いてありました。正直大した情報は載ってなかったですけど。それよりこっちの方が問題なんですよ」

まゆ「これは?」

奈緒「な、なんだか張り紙してるんだけど」ゴクリ

加蓮「こ、これを開けたの!?」

楓「えぇ、開けたくなってしまって」

奈緒「そ、それでそこには何が書いてあったんだ?」

モノクマ「あららー、それ開けちゃったのね」

奈緒「モ、モノクマ!?」

モノクマ「こんばんはー。ボクの秘蔵コレクションを見ちゃったわけね」

楓「……それで、ここに書いてあることは本当なんですか?」

モノクマ「ん?さぁねぇ?あ、それじゃあねー」

奈緒「な、なんて書いてあったんだ?」

楓「…私たち以外に誰かいるかもしれないってことが書いてありました。勿論嘘かもしれないですけど」

周子(あたしら以外にも誰かいるの?)

紗南「あ、あははは。皆そんな暗い顔しないでよ。あ、そうだ。ほら、気分転換にご飯食べたらゲーセンに行かない?

紗南「それでさ、アタシの記録誰か超えて見せてよ」

奈緒「あたしは行くよ」

奏「ごめん。私はここにいるわ。今はゲームをする気になれないの」

周子「あたしもここにいようかな。ごめんね」

ゲーセン

美優「意外となんでもあるんですね」

美優(もぐら叩きなんて久々に見ました。そもそもゲーセンに来たのが久々ですもんね)

紗南「ねぇねぇ。美優さん。美優さんは何やる?クレーンゲーム?」

美優「えっと、なにやろうかなぁ…」

蘭子「同士よ。我らの姿を銀板に刻み付けようぞ!」

紗南「えーとプリクラ?」

蘭子「いかにも」

紗南「そうだね。美優さんもいこっ!」

サツエイスルヨー

加蓮「奈緒押さないでよ!」

奈緒「いや、無理だろ流石によ!」

紗南「この人数だと流石に無理があったかもね」

美優「皆とりあえず落ち着いて…ね?あ…」パシャ

蘭子「我が目が世界からの攻撃を感知し、光を遮ってしまった」

紗南「目瞑ちゃったんだね…それじゃ、撮り直そっか」

加蓮「はぁ…」

加蓮(あの後、奈緒も目瞑ったから結局三回撮り直すことになるなんて…)

プッ
モノクマ「あー、マイクのテスト中、マイクのテスト中……オマエらお知らせがあるからレストランに集まってねー」プッ

加蓮「次は何を言い出すのかね」

紗南「いい予感はしないなぁ」

奈緒「でも…あたしらに拒否権はないもんな」

蘭子「…うん」

レストラン

モノクマ「あ、これで全員かな?」

奏「まだ杏が来てないわ」

周子「寝てるんじゃないの?」

モノクマ「なんだってー。ボクの放送を聞いて寝てるなんていい度胸じゃないか」ギラーン

杏「…あんな大きな音量で放送されたら誰でも起きるって」

ちひろ「あ、杏ちゃん。起きてなかったら私が起こしに行こうかと思ってましたよ」

杏「とりあえず、目がシパシパするから、も一回寝ていいか?」

モノクマ「全員揃ったみたいだねぇ。そう言えば昨日誰かさんに言われたことを追加しといたよ。もう、あんなことで言質を取られるなんて勘弁だからね」

ピロリーン

紗南「ん?何か鳴った?」

ルール追加

同時に別の犯人がいる殺人が起きた場合、片方の事件を解決した後また捜査する時間を与えます。

モノクマ「まぁ、そんなことはさせないつもりなんだけどねー」

楓「それで、モノクマさん。その為に来たんですか?」

モノクマ「あ、そうだねぇ。オマエらに質問があります」ヒョイ

美優(どこからホワイトボードを出したんだろう…)

キュッキュッ

モノクマ「はい。ボクがどうやってペンを持ってるとかのみたいな質問はいいからね。これに答えてね」

『オマエの右の人と左の人の命ってどっちが大事?』

モノクマ「えーと。じゃあ、最初にプリクラで目を瞑った人」

蘭子「わ、私!? え、えと…ふん!我らが同胞に優劣はない。同胞の死を看過することは我には出来ぬ」

周子(皆大切ってことね)

モノクマ「なるほどねぇ。そんな素晴らしい回答を貰えるなんて先生は嬉しいです。他のオマエらも同じ意見なの?」

一同「」コク

モノクマ「なるほど。これが友情パワーかぁ!って言いたくなるよね。なら、これでいっか」

ピロリロリーン

紗南「ん?また携帯が鳴った?」

モノクマ「今度はより意識しやすいように携帯の方に動機を表示しておいたよ。もし、決意が鈍りそうならそれを見て頑張っ
てコロシアイをしてね。うぷぷぷぷ」ヒョイ

楓(あ、消えた…)

奈緒「えーと、この『動機』って書いてある所を押せばいいのか」ポチ

加蓮「え……これって」

周子「分かってたけど性格悪いねこれ」


動機『えー、今回特別にクロが無事裁判から逃れた場合、任意の方一名を一緒にこの島を脱出させる方法を教えてあげますよー。
   記憶も戻します。二人で元の世界を楽しんで下さい。うぷぷぷ』


奈緒「これはどういうこと……」

加蓮「マジで言ってるの奈緒?だから、クロってばれずに学級裁判を終わらせたら、自分と処刑される内の一人から誰か好きな人を選んで一緒に帰れるってこと」

まゆ「ねぇ、モノクマさん。いますかぁ?」

モノクマ「はい?」

まゆ「例えばぁ、この一人をもう…死んじゃった人から選んでもいいんですかぁ?」

モノクマ「渋谷凛の体はもうどこにもないから無理だけど、キミたちのプロデューサーと出ることは出来ることは出来るよ。死んだままでよければ」

ちひろ「まゆちゃん?それより、いいんですかモノクマさん?クロしか出れないってルールだったのに変えちゃって」

モノクマ「まぁ、ボクとしても事件が起きなくなるとつまらないわけよ。ボクとしては最大限譲歩したつもりだから是非皆さんコロシアイを楽しんで下さい」

奈緒「そんな簡単に……ゲームなんかじゃねぇんだよ!」

モノクマ「え?まぁ、そうかもね。んじゃ、精々、命の取捨選択を考えながら頑張ってねぇ」ヒョイ

杏「話終わった?なら杏は帰るね。おやすみ」

奈緒「そんな漫画みたいな展開になってたまるかよ」

ちひろ「奈緒ちゃん…」

ちひろ(奈緒ちゃん手が震えてる…。やっぱり怖いんですよね)

紗南「み、皆はさ、こんな言葉に惑わされないよね?」

まゆ「うふふふふ」

紗南「こ、怖いよ、まゆさん」

まゆ「気にしないでください紗南ちゃん」

美優「惑わされませんよ」

蘭子「我らは心で繋がった古からの同士ぞ?今更蛇の甘言に惑わされるものもおるまい」

周子「それじゃー、杏じゃないけど寝よっか」

奏「流石にまだ寝るのには早いけど、不用意に外にいない方がいいかもね。それじゃ」ガチャン

ちひろ「あ、奏ちゃんが行っちゃいました……」

奈緒「それじゃ、加蓮行こうぜ」

加蓮「うん。分かった」

奈緒「あ、それと今日は大人しく自分の部屋に籠ることにするよ」

加蓮「え……?」

奈緒「いやさ、余計なことやって疑われたくないなって思ってさ、あ、でも加蓮が寂しいって言うなら来てもいいぜ」

加蓮「ふふ。それじゃ気が向いたらね」

奈緒「お、おう。あたしのが年上だからな。頼ってくれよ」ニコ

加蓮「うん。あ、ちゃんと鍵は閉めなよ?」

奈緒「わ、分かってるって」

美優「あ、あの、今更言っても意味ないかもしれないん…ですけど、やっぱりある程度の人数でまとまってた方がいいと思うんですが…」

周子「ふーん。あたしらを疑ってるわけだ」

美優「いや、そういうわけじゃなくて…えーと」

周子「いやいいって。気持ちは分からなくないし」

紗南「ふ、二人共喧嘩はダメだよ」オロオロ

ちひろ「紗南ちゃんの言う通りですよ。周子ちゃんも喧嘩腰にならないで下さい。ね?」

楓「いっそのこと、皆でレストランで夜を明かしちゃいましょうか?」

モノクマ「それはダメだよ」ガォー

楓「あら、モノクマさん。どうしてかしら?」

モノクマ「このレストランには妖精が住んでて、毎食毎にオマエらの飯を作ってるからだよ。彼らは人に見られたくないらしいからね。余計な反論が出来ないようにルールを更新しちゃいます」

ピロリロリーン

ルール

・消灯時間以降は食堂にいてはいけない。

モノクマ「んじゃ、そういうことでここに居残る人がいたらそのままお仕置きね」

楓「質問なんですが…」

モノクマ「なにかな?」

楓「消灯後に厨房に入るのもダメですか?」

モノクマ「そりゃ、そうだよー。もし、お酒が飲みたいのであれば、スーパーからクーラーボックスでも持ってきて詰めるしかないよ」

楓「そうですよね…」

モノクマ「酒に溺れてうっかり死なないようにね。そんな事故みたいな終わりだったら、例え死体でもお仕置きするから。うぷぷぷ」

紗南「あ、そろそろ消灯時間だよ」

周子「それじゃ、帰ろっか。美優さんさっきはごめんね」

美優「こちらこそごめんなさい」

プッ

モノクマ「オマエラ消灯時間だぞー」

加蓮「じゃあね。奈緒」

奈緒「じゃあな加蓮」

加蓮(とりあえず、あたしも自分の部屋に帰るかな……ん?今誰か通った?)

加蓮「この時間に色々と出歩くとモノクマに何か言われそうなのに。どうしたんだろ?」

加蓮(もしかして……!?)

??「えぇ、だからね―――」

モノクマ「えーとね。そうだねぇ。ま。―――」

加蓮(え?奏?どうしてモノクマなんかと喋ってるんだろう?もしかして今回こんな風になった理由を知ってるのかも……)

奏「それで――誰かいる?」

加蓮(嘘…気づかれたっ!?)

奏「気のせいか…。それじゃね」

加蓮(あぶなっ。どうやらバレずに済んだけど。とりあえず、モノクマに何か言われる前に自分の部屋に戻ろうっと)

ブッ

モノクマ「オマエら朝だぞー」

加蓮「ふぁ…」

加蓮(昨日は色々あってあんまり寝れなかったなぁ…動機とか奏のこととかで)

コンコン

加蓮「はい?どうぞー」

奈緒「あ、加蓮?おはよ。よく寝れたか?」

加蓮「まぁ、普通だね。奈緒は?」

奈緒「似たようなもんだよ。とりあえず、レストランに行こうぜ」


レストラン

ちひろ「おはようございます」

奈緒「あ、おはよ。ちひろさん」

周子「杏と紗南以外は来たみたいだね」

ちひろ「あの二人はもうちょっと寝るみたいですよ。メールが入ってましたから」

奏「今日は――」

奈緒「あたしは紗南の記録を塗り替えるためにゲーセンにいようかな」

奏「あ、今日は私も行こうかな」

加蓮「それじゃ、あたしも行くよ」

レストラン 夜

奏「いやー楽しかったね。奈緒」

奈緒「う…」

奏「朝、あそこまで意気込んでたのにね」

奈緒「う、うるせぇ!」カァァ

ちひろ「奈緒ちゃん達楽しそうですね」

楓「えぇ、そうですね。あ、ちひろさんどうぞ」

ちひろ「あ、ありがとございます。楓さん」

楓「はい?」

ちひろ「もしかして、まだ、あの本のこと考えてます?」

楓「少しだけですけどね」

紗南「そ、そんな知らない人なんていないよ。は、はは…」

ちひろ「そ、そうですよ。考えすぎなんですよ!」

楓「かもしれませんね」

紗南「ほら、そんな話止めてご飯でも食べようよ楓さん」

楓「……そうね」

美優(やっぱり不安なんですかね…)

紗南「じゃ、また明日ねー」

ちひろ「明日は朝起きて下さいね」

紗南「うっ…。善処はするよ」

加蓮(明日も何もないといいな…)

加蓮「それじゃあねちひろさん」

ちひろ「はい。また明日です」

奈緒の部屋

まゆ「じゃあ奈緒さん、まゆは、そろそろ帰りますね」

奈緒「うん。話相手になってくれてありがとまゆ」

まゆ「いえいえ、まゆもちょっと眠れなくて、誰かと話したい気分だったんで気にしないでください」

奈緒「おやすみ」

まゆ「ええ、おやすみなさい」

まゆ「あ、加蓮さんどうしたんですかぁ?」

加蓮「いや、まだ寝れなくて奈緒と話そうかなって」

まゆ「そうですかぁ。それじゃ、おやすみなさい」

加蓮「じゃあね。まゆ。それでさ、奈緒――」

奈緒「ってなんだ加蓮来たのかー」

加蓮「まぁ、奈緒が泣いてるんじゃないかなって思ってね」

奈緒「……今は平気だよ」

加蓮「そう言う割に目が赤いよ?」

奈緒「ばっ、うるせぇ!」ゴシゴシ

加蓮「ま。奈緒らしいけどね――」

加蓮「じゃあね。また明日。ちゃんと鍵閉めなよ?」バタンッ

加蓮「じゃああたしも寝ようかなぁ」

奏「仲良いね二人共」

加蓮「あ、奏。どうしたの?そう見える?」

奏「見えるわ。羨ましいくらいよ」

加蓮「それはどうも――」

ピロリロリーン

加蓮「あ、ごめん奏。電話だ。あ、もしもし?奈緒?なんで部屋の前から掛けてくるのよ」

加蓮「『ありがと』って面と向かって恥ずかしいからってわざわざ電話で言わなくても…」

加蓮「別にいいよ。おやすみ」ピッ

奏「本当に仲がよろしいことで」

加蓮「まぁ、ありがとうね」

奏「私もそうやってお話出来る友達でも作ろうかしらね。それじゃおやすみなさい」ガチャ

加蓮「ふぅ。シャワーでも浴びて寝よっと」

加蓮(やっぱり南国なだけあってムシムシするし……)

紗南「……」

周子「どうしたの紗南ちゃん?」

紗南「いや、本当にプロデューサーも凛さんもいなくなったんだなぁって。周子さんの隣の部屋が二個続いて、奈緒さんの部屋まで真っ暗だもん。奈緒さんは起きてるみたいだけど」

周子「そうだね。なんかこう暗い部屋を見ると夜になると寂しくなるね」

紗南「周子さんもそういうことがあるの?」

周子「まーね。18年も生きてると偶にはそんな気分にもなるよ」

周子「それじゃ、あたしらも寝よっか」

紗南「うん。おやすみー」

周子「…センチな気分になったらいつでも来ていいよ」

加蓮「あれ?夜のアナウンス鳴ったっけ?」

加蓮「たまにはモノクマも忘れることがあるってことなのかな」

加蓮(そう言えば、モノクマって寝たりするのかな?やっぱり押し入れとかでさ。ふふ)

モノクマ「オマエら朝だぞー。昨日の夜はアナウンス出来なくて残念でした」ショボーン

加蓮(そんなにアナウンスが好きなんだ……)

ピンポンパンポーン

加蓮「ん?何か鳴った?」

ブッ

モノクマ「えー、マイクのテスト中。あー、あー、死体が発見されました。一定時間の後学級裁判を行います」

加蓮「はぁ!?」

加蓮(いや、ありえないでしょ!皆、心で繋がってるって言ってたのに!)

バンッ

ちひろ「あ、加蓮ちゃん!!」

加蓮「あ、ちひろさんおはよ」

加蓮「ってか、その場所って…」

紗南「いやいやいや、待ってよ。あたしのハイスコア超えてないのにさ…」

周子「冗談キツイよ……」

蘭子「まさか、我ら以外に招かれざらん客が!?」

加蓮「犯人は、その窓から逃げたのかな?」

周子「確か両方の窓が開いてるしそうかもね」

まゆ「お二人は誰かが出てきたのに気づきましたぁ?」

加蓮「あたしは寝ちゃってて…」

周子「あたしも寝てたよ…」

ピロリロリーン

紗南「ん?なんだろ」

『モノクマファイル

被害者 神谷奈緒
死因 窒息死』

加蓮「……なんだか前回に比べて随分とあっさりだね」

ちひろ「加蓮ちゃん大丈夫?」

加蓮「うん……まぁ、そこまで元気ってわけじゃないけどね。正直辛いよ。泣きたい。でも、それは全部終わってから」

加蓮(正直、モノクマの言われる通りに裁判をやりたくないけどやるしかないし)

ちひろ「うん。真犯人を見つけましょうね」


杏「珍しく早く起きたら…なにしてんの皆?」

紗南「あ、おはよ。杏さん」

杏「あー、そういうことね。うん分かったよ」

美優「あの…一度朝食を摂ってからまた調査した方がいいんじゃないですか?」

加蓮「でも、そんなことをしたらただでさえ、モノクマから与えられた時間が少ないのに減っちゃわない?」

ちひろ「でも、それでは頭が回らないのは事実ですもんね。ここは、モノクマさんに聞いてみましょう。モノクマさん?」

モノクマ「はいはい?」

ちひろ「裁判に至るまでの証拠集めの前にご飯食べてもいいですか?」

モノクマ「うーん。そうだねぇ。ボクはそこまで時間に厳しいわけじゃないから、時間を決めてるわけじゃないよ。気まぐれだから分かんない」

ちひろ「今回はどのくらいになりそうですか?」

モノクマ「ボクとしてはコロシアイが起きたから朝食を食べる位の時間は確保してやってもいいと思ってるよ。じゃあね」ヒョイ

レストラン内

紗南「席……大分空いてるね」

加蓮「三人も減っちゃったからしょうがないわよ」

楓「あんまり、ご飯を食べる気になれませんね」

加蓮「ねぇ、そう言えばさ、皆一つ聞いていい?」

蘭子「我が同志よ如何した?」

加蓮「昨日モノクマの夜のアナウンスって鳴ってた?」

紗南「あたしは聞いてないよ」

楓「私も聞いてないわです。モノクマさんも寝ちゃったんでしょうか」

蘭子「デウスエクスマキナは電脳羊を見るのか?」

楓「見なさそうですね…」

紗南「でも、理由なんてあるのかな?」

加蓮「あたしから聞いといてなんだけど、ただ忘れてたのかもしれないね」

ちひろ「そろそろ現場に戻りましょうか。ここに長居しても時間は過ぎてっちゃいますし」

紗南「そうだね」

加蓮「あ、奏。ちょっといい?」

奏「ん?なに?」

加蓮「ちょっとだけ時間貰っていい?」

奏「いいけど、どうかした?」

加蓮「ちょっとね。ちひろさん先に行っていって貰ってもいい?」

ちひろ「はい。分かりました」

加蓮「さて…一つ聞いていい?」

奏「なによ?」

加蓮「一昨日なんでモノクマに会ってたの?」

奏「…何のことかしら?」

加蓮「とぼけないで。一昨日、モノクマに会ってたよね」

奏「誰かに見られてる気がしたけど加蓮だったんだ」

加蓮「答えて。まさか奏があの殺人鬼なの?一応、紗南たちに聞かれると面倒かもしれないからこうして話してるわけだけど」

奏「ありがと。でも、言えないわ。ごめんなさい」

加蓮「どうして?」

奏「時期が良くないかな」

加蓮「ふーん…」

加蓮「でも、答えてくれなかったら、もしかしたら、裁判中にこれを話すかもしれないけど?」

奏「それを言ってどうなるとは思えないけど。ただ一つだけ言えるのは私が犯人じゃないってことだけね」

加蓮「その言葉、皆に信じて貰えるといいわね。それじゃ行こっか」

奏「ふふ。そうね。行きましょう」

加蓮「ちひろさん何か分かった?」

ちひろ「いいえ…窓から出たのかなぁってくらいしか」

紗南「なんか眠ってるみたい…」

紗南「何か証拠がないのかな……」

周子「そう言えば、携帯どこにいったんだろ?」

加蓮「奈緒のことだからてっきり目につく所に置いてあると思ったけど…。ってベッドの下にあるじゃん」

奏「それより、モノクマファイルに書いてなかったけど凶器はなにになるのかしらね」

ちひろ「窒息死って書いてありましたから紐みたいなものじゃないんですかね?」

奏「分からないけど、そしたら紐の跡が残るんじゃないかしら?よくサスペンスとかでやってるとそんな跡が付いてると思ったんだけど」

加蓮「そんな跡はないね…」

ちひろ「それじゃあ分かりませんねぇ…」

紗南「あ、そういえば周子さん」

周子「なに?」

紗南「昨日夜奈緒さんまだ起きてたよね」

周子「あーうん。そうだね。電気点いてたし」

楓「その時に窓は開いてましたか?」

紗南「ううん。空いてないと思うよ」

周子「うん。窓は開いてなかったと思う」

ちひろ「なるほど…。あと、昨日奈緒ちゃんに会った人は?」

まゆ「まゆはお話しましたよぉ。丁度入れ違いで加蓮さんが来ましたねぇ」

加蓮「うん。そうだね」

奏「あー、そういやそうだよね。なんか二人して仲良いとこ見せちゃってさ」

加蓮「そ、そんなことは今はいいって」

加蓮「紗南ちゃんが見た時に窓が閉まってたってことは、その…事件は、夜から朝までの間に起きたってことだよね」

加蓮(それだと、また全員にアリバイがないんじゃ……)

奏「私は昨日はちょっとだけ海を見てたわ」

楓「私は、美優さんとお酒を飲んでました」

美優「そうですね…。あ、あとちひろさんも」

ちひろ「そうでしたね。まさか本当にクーラーボックスを持ってくるハメになるなんて…」

まゆ「まゆは寝てましたねぇ」

杏「寝てた」

ピンポンパンポーン

モノクマ「はい。調べる時間は終わりです。オマエらレストランに移動してください」

蘭子「審判の時は我らと共に歩むことはなしか…」

ちひろ「行くしかないんですね…」

紗南「ベリーハードだね…」

杏「ふーん…」

レストラン

モノクマ「全員いるね。ポチッとな」

ウィーンウィーン

裁判所

モノクマ「さぁ、神谷奈緒を殺したのは誰なのか?とっととクロを見つけちゃってくださいねー」

加蓮(…ガンバレあたし!)

加蓮「まぁとりあえずこの間みたいに確認しといた方がいいのかな」

紗南「そうだね。えーと凶器がはっきりしてないから、そこからかな?」

ちひろ「えーと、多分紐以外なんですよね…」

周子「もしかして素手とかね」

奏「それこそ、手の跡が残ってすぐにバレると思うわ」

美優「そもそも紐ってなんで跡が残るんでしょうか?」

まゆ「紐が細いからそこに力が集中しちゃうんじゃないんですかねぇ? そう言えば、ずっと前にみたサスペンスで布みたいなものを使って跡を残さず首を絞めてた事件を見ましたねぇ……」

楓「つ、つまりそれこそカーテンとかで首を絞めたってことですか?」

ちひろ「まぁ、カーテンは大きすぎますから、何かしらの布を使ったんじゃないですかねぇ」

紗南「さっきも言ったけど、昨日の晩、周子さんと見た時、奈緒さんは起きてたよ」

周子「まぁ、あたしは電気を点けっぱなしで寝れないし多分ね」

奏「てか、その時は窓は閉まってたんでしょ?」

紗南「うん」

奏「なら、まだ事件は起きてなかったんじゃない?だって、事件が起きた時は窓が開いてたんだし」

ちひろ「なら…時間だけなら絞れそうですね」

紗南「えーと、アナウンスしてないから分からないけど、十時にはなってなかったような…」

周子「ま。十時から七時までの間に起きたんだろうね。あ、一つ聞いていいモノクマ?」

モノクマ「本当は受けたくないんだけど、特別に許してあげるよ」

周子「昨日なんで十時のアナウンスを流さなかったの?もしかして飽きた?」

モノクマ「ボクもたまにはそんな気分の時もあるのです。あれ?もしかしてボクの声が聞けなくて枕を濡らしてたの?」ドキドキ

周子「はいはい。そーですね」

加蓮「…」

加蓮(ああ言ってるけど、モノクマみたいなのが意味もなくそんなことをするわけがないと思うんだけどなぁ……)

楓「あ、モノクマさん質問です」

モノクマ「ん?どうぞ」

楓「あのアナウンスって録音を流してるんですか?」

モノクマ「毎回ボクが言ってるんだよ。その後の連絡もしやすいし」

楓「なるほど、ありがとうございます」

楓(そう言えば、最初の事件の時モノクマさんの朝のアナウンスの直後にまた別のアナウンスをしてましたっけ)


美優「次は犯人の正体と経路のお話ですかね…」

ちひろ「あ、そう言えば、朝行った時奈緒ちゃんの部屋の鍵は掛かってませんでした。だから見つけられたんですけどね」

奏「つまり、窓から出た可能性もあるし、ドアから普通に出た可能性もあるってことね」

加蓮「でも、あたしが鍵閉めなよって言ったから鍵は閉めたと思うよ?」

まゆ「ということはぁ、奈緒さんは自らか鍵を開けて殺されてしまったと?」

ちひろ「確かに、鍵は閉めますものね。私たち三人でいた時も閉めてましたし…」

加蓮「顔見知り…って全員顔見知りだもんね。それじゃ、アリバイって皆どうなってたのかな」

美優「お酒飲んだあとはすぐに寝ましたね」

加蓮「夜だし、みんな寝てたよね…ごめん」

周子「アリバイねぇ…。皆ないってことじゃん」

加蓮「あ、そう言えば、モノクマに一つ聞いていい?」

モノクマ「なに?」

加蓮「一昨日、なんで奏さんと話してたの?」

モノクマ「……なんのことかな?」

加蓮「とぼけても無駄だって。あたしは見たんだって。奏さんとモノクマがは夜話しているのをね。これはどういうことなの
?説明してもらえる?」

モノクマ「ボクは呼ばれたから出てきたに決まってるじゃないか」

まゆ「あらぁ、奏さんがモノクマさんを呼んだんですかぁ?」

加蓮(これが何かのきっかけになれば……)

加蓮「さぁ、答えてよ」

奏「……」

奏(本当にやるとはね…)

奏「私は犯人じゃないわよ?」

加蓮「質問に答えて貰っていい?」

奏「確信が持てないからあんまり話したくないんだけど…」

紗南「ど、どういう意味?」

奏「ただね、目に見えてる物が全て正しいのかなって。私達の脳に電極を挿して、夢でも見せてるんじゃないのかなって」

蘭子「あの…わかりやすくお願いします」

奏「まぁ、今はそれだけかな言えるのは」

加蓮(何がいいたかったんだろ?)

紗南「どういうい――」

モノクマ「これ以上、議論が脱線するなら、もう投票タイムに行っちゃうよ!」ガオー

杏「まだ早いっての。全く」ゴシゴシ

ちひろ「あ、杏ちゃん。寝てたんですか?」

杏「ん。とりあえず、話を終わらせるのは、早いから」

モノクマ「なら、ちゃんと事件の話をしてね!」

杏「はいはい。とりあえず、昨日の夜のアナウンスが流れなかったらしいけど。それは、多分、死体発見アナウンスを流そう
としたからじゃないの?」

杏「もしくは今、まさに行われていたとか」

モノクマ「ギクッ」

杏「寝てたし、杏は実際の所は知らないけど。まぁ、普通に寝てたんじゃないかな。奈緒も」

紗南「そうなの?」

杏「分からないけどね」

加蓮「いきなりどうしたの杏?」

杏「たまにはやる気出さないとって思ってさ。あんな痛い思いとかしたくないし。それで、そうなると誰もが犯人になるってことだよね」

加蓮「ん?杏。今言ったのって今までのをまとめただけじゃないの?」

杏「そうだよ」

杏「このままだとクロが分からないね」

加蓮「それはさっきも言ったわよ?」

杏「てか、誰でも犯人になれるんだよね。言ってること信じたら」

ちひろ「……杏ちゃんは何を言いたいの?」

加蓮「誰かが嘘を吐いてる。そう言いたいんだね」

杏「そういうこと」

楓「つまり、誰かが嘘を吐いてた場合を考えていけばいいんですね」

奏「分かった。じゃあ一人一人やっていけばいいね。まず、紗南ちゃんと周子さんが嘘を吐いている場合」

紗南「え?」

周子「嘘は吐いてないんだけどねぇ…」

奏「仮定の話だから。えーと二人が、嘘を吐いてたら…、奈緒が起きてるって証言が嘘なんだから、その後窓開けたり、お面被せたりするのは簡単ね」

ちひろ「それは筋が通りそうですね……」

加蓮「紗南ちゃんどうなの?」

紗南「いや、だから嘘言ってないって」

周子「てか、二人して嘘吐くってボロが出そうじゃない?」

奏「言われてみれば…そうだね。二人とも一緒のこと言ってた気もするし」

ちひろ「こうやって虱潰しにやればいいんですね」

杏「ねぇ。モノクマ」

モノクマ「ん?なにかな?」

杏「こういう携帯って失くした時のために機能付いてるの?」

美優「GPSってことですか?」

モノクマ「んー、実はあるよ」

モノクマ「さっきからオマエら携帯携帯って言ってるけどあれの主な目的は手帳だからね。人数分以上ないから失くされると困るから、そういう機能は付いてますよ」

杏「ふーん。まぁ、今はあるみたいだからいいけど」

加蓮「えーと、まゆはその次にあたしが会ってるから本当だとして、あたしが嘘を吐いてたとすると…」

奏「あたしが聞いた電話も嘘になって。そのあとの紗南ちゃんたちの話も嘘になるから本当っぽいね」

加蓮「ま、本当なんだけどさ。携帯だって奈緒のベッドの下にあったわけだし」

楓「落としちゃったんですかね?」

杏「その携帯を見つけたのは?」

加蓮「あたしだよ」

すみません。
>>130 と >>131 は反対です。

周子「結局堂々巡りしてるだけだね…」

紗南「か、完璧な事件なんてありえないよ。絶対なにかあるはず」


杏「あー。そういうことか…」ポリポリ

ちひろ「なにか分かったの?」

杏「んー、考え違いしてたみたいだよ。当たり前っちゃ当たり前なんだけどさ」

奏「どういうこと?」

杏「うん。前提が違ってたみたい。やっぱり前だよ」

周子「前?」

杏「うん。多分紗南と、周子が電気点いてるの見た時には殺されてたっぽいね」

奏「なんでそう言えるのかしら?」

杏「えーとね。全部想像なんだけど。そうじゃないと筋が通らないんだよね」

杏「だからえーと…その前に会った人が犯人ってわけだね」

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+ ' . '!     '!        ∧,,∧    みんな関西人にな~れ!
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             ジョウダンヤナイデ   カメヘンガナ
       ナルカッチュウネン    ドナイヤユウネン  セヤナ  エエンチャウ?

         ,ハ,,,ハ  (ヽ_/) ∩w∩ ∧,,∧ γ''""ヽ ヘ⌒ヽフ
         ( ・ω・) (・ω・)( ・ω・)( ・ω・) U ・ω・U ・ω・)
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