魔人ブウ「せっかく日本に来たしなんかしよっと」 (12)

ブウ「フン♪フン♪なにしよっかな~♪」

女性「あの人です!」

警察官「通報ありがとうございます。おい、そこのキミ!」

ブウ「ん? なんだおまえ?」

警察官「不審な男がいるという通報があってねぇ。交番まで来てくれるかなぁ?」

ブウ「フシンってなんだ?」

警察官「怪しいってことだ」

ブウ「オレはあるいてただけだ。べつにあやしくないぞ」

警察官「うるさい! ゴネてないでさっさと来なさい!」

警察官「名前は……ミスター・ブウ? ウソも大概にしないか!」

ブウ「ウソなんかいってないぞ」

警察官「ブウなんて変な名前の人間、いるわけないだろう!」

ブウ「カチーン! ヘンななまえって言ったな! もうおこった!」

警察官「ハイハイ。で、本当の名前は?」

ブウ「えいっ」


グシャッ


警察官「…………」ピクピク

ブウ「あれ? こいつえらそうなくせに、パンチしたらしんじゃったぞ」

ブウ「さ~て、なにしよ♪なにしよ♪」

TV『続いてのニュースです……』

ブウ「おっ、テレビ! 日本だとなにがやってるんだ?」


政治家『年金ガー』

政治家『原発ガー』

政治家『労働環境ガー』


ブウ「……なんだ、これ。こんなのばっかりみて、こいつらたのしいのか?」

若者A「ハァ……年金って、ちゃんと収めても俺たちは損しかしないんだよなぁ」

若者B「ッスよねー。でも会社で働くと強制的に天引きされるし」

若者C「65歳まで払わされるとかマジパネェ」

ブウ「ネンキンってさっきテレビでやってたぞ。おまえら、なにかこまってるのか?」

若者A「ええ。年金っていうのは、65歳まで国に金を払い続ける制度です。後で返ってきますけど」

若者B「でも返ってくる金額は収めた額より圧倒的に少ないんス」

ブウ「じゃ、おカネがへるってことか? アイスクリームもたべられないのか?」

若者C「そりゃあもうアイスも我慢するって。俺らの忍耐マジパネェ」

ブウ「ふーん。じゃあオレにまかせろ」

ブウ「よっ」スタッ

若者A「あ、ブウさん。なんか今空飛んできませんでした?」

ブウ「そんなことより、テレビみてみろ」

TV『年金を収めた者は全員得をするように、厚生年金・国民年金が見直されました』

若者A「えー!? すげぇぇぇぇ!!」

若者B「ブウさんがやってくれたんスか!? でもどうやって?」

ブウ「コウセイナントカショーのエラいヤツをオヤツにしてビビらせたらすぐだったぞ」

若者C「何言ってんのかわかんねーけどブウさんマジパネェ!」

ブウ「ほら。おまえらも、くえ」パキッ パキッ

若者A「見たことない銘柄のチョコですね。ありがとうございます!」

若者B「モグモグ……こりゃうめーッス!」

若者C「謎のチョコ持ってるブウさんマジパネェ!」

若者A「ムシャムシャ……そういえば原発もやばいらしいですね」

ブウ「ゲンパツってなんだ?」

若者B「原子力発電所ッスよ。大量のエネルギーを生む代わりに有害物質を撒き散らすっていう」

若者C「大地震と津波でブッ壊れて汚染っぷりがマジパネェ!」

ブウ「そんなにジャマならこわせばいいだろ?」

若者A「壊そうにも放射能で汚染されてて近づけないんですよ」

若者B「それに壊せたとしても、原子力の代わりのエネルギー源が見つかってないッス」

若者C「俺らの未来、悪い意味でマジパネェ!」

ブウ「ふーん。なんかおもしろいな!」

ブウ「ここがゲンパツか~。たしかに、ちょっとあついかな?」

ブウ「ズカンにのってた『ゾウノアシ』がないぞ。ザンネン……」

ブウ「えっと~。ゲンシロの1ゴーキがあっちで、2ゴーキがこっちで……」

ブウ「…………」

ブウ「めんどくさい! もう、ぜんぶふきとばそう!」

ブウ「あっ。でもふきとばしたら、ホウシャノウっていうのがちらばっちゃうな」

ブウ「どうしよっかなぁ~」

ブウ「そうだ! あれにしよっかな?」

ブウ「……か~……め~……」

ブウ「は~……め~……」

ブウ「はぁぁぁ~~~~~!」


ドゴオオオォォォォォ!!


ブウ「ふう。ゲンパツもホウシャノウもキレーにしたぞ! これでだいじょうぶ!」

ブウ「じゃ、ここにあたらしいおウチでもつくろっと!」

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