京太郎「風越高校1年、須賀京太郎でっす!」(112)

続きから

未春「……まぁそうなるかな」

池田「当たり前だし!」

純代「ん」

京太郎「俺も早く、それくらいキャプテンと信頼し合えるような仲になりたいっす」

池田「そうなるには、須賀はあとレベル50くらい上げないとだめだし!」

京太郎「わかんねえよ!」

ハハハッ

―――――――――――――――――――

ガチャ

池田「あ、久保コーチが帰ってきたし!」

久保「ここに男子の部内ランキングを掲示してある! 全員確認したな?」

「「「「はい!!」」」」

久保「今日はもう解散とするが、代表に選ばれた者は、あとで話があるから残るように!」

「「「「はい!!」」」」

久保「それでは、今から女子のランキングを掲示する!」

ザワザワ...

未春「わ、私……大丈夫かなぁ」

池田「き、緊張なんてしてないし……!」

純代「……」ブルッ

京太郎「みなさん、自分を信じましょう!」

久保「女子の上位5名は私が直に読み上げる! 呼ばれたら返事をしろ!」

久保「まず1位……福路!」

美穂子「はい」

久保「2位……池田ァ!!」

池田「はいだし!」

久保「3位……吉留!」

未春「は、はいっ!」

落ちてて愕然とした

前スレを貼っておく

京太郎「風越高校1年、須賀京太郎でっす!」

>>8
ありがとう

久保「4位……深堀!」

純代「んっ!」

久保「そして5位……文堂!」

文堂「え……」

未春「あ、文堂さん……ランクインできたんだ!」

文堂「き、キャプテン……わ、私……!」ブルブル

美穂子「やったわね、文堂さん!」ダキッ

文堂「あ、ありがとうございます……! うぅ……っ」ボロボロ

池田「文堂がんばってたもんな……よかったし」

未春「そりゃもちろん、部員全員が一生懸命だったとは思うけど……」

純代「……文堂は常にひたむきで、真っ直ぐ前を向いていた」

京太郎「……」

京太郎(すげえな、文堂さん……俺と同じ1年なのに)

京太郎(俺も……負けてらんねえな)グッ

この時間に落ちるのは投下間隔遅すぎじゃない?

>>16
すまん、遅筆なんだ

池田「京太郎も文堂見習ってがんばれし」

京太郎「言われなくてもそうするよ!」

未春「その意気だよ、須賀君!」

純代「ん」

久保「以上の5名は先ほど言った通り、練習後も部室に残るように! それでは、解散!」

ガヤガヤ...

京太郎「じゃ、俺先に帰ってますんで。がんばってください!」

池田「おう」

未春「また明日ね、須賀君」

純代「ん」

ガヤガヤ...

京太郎「……うっし、帰るか」スタスタ

久保「おい、須賀ァ!!」

京太郎「っ!」ビクッ

京太郎「な、なんすか……?」

池田の京太郎呼び→須賀

久保「お前ちょっとこっちこい!」

京太郎「え、ええー……」

京太郎(俺……なんかしたかな……)

京太郎「……な、なんでしょうか?」ビクビク

久保「あぁ、そこ座れ」

京太郎「は、はい……」

久保「……今度、部で合宿を行うことは知ってるな?」

京太郎「え、ええ」

久保「実は、代表選手は、その後も合宿地に残って追加の強化合宿を行う」

京太郎「そ、それが……?」

久保「……お前も出ろ」

京太郎「は、はぁ……って、ええええっ!!?」

京太郎「な、なんでっすか!? 俺、代表じゃないのに!」

久保「うぬぼれんな……別に私にはお前を鍛えようとか、ましてや代表入りさせようなんて気はない」

京太郎「はぁ……」

久保「お前には、マネージャーとして合宿で働いてもらう」

京太郎「ま、マネっすか……?」

京太郎(前の俺と同じじゃねえか……)

久保「あぁ……買い出し・掃除・洗濯・料理……」

久保「選手たちのために、合宿中、必要となるであろう些事を休む暇もなくやってもらう」

京太郎「うっ……」

久保「なんだ、不服か?」

京太郎「……」

京太郎(以前の俺なら、ここで首を横に振るんだろうな……)

京太郎(そんでいいようにこき使われて、んで終わるんだ……)

京太郎(そりゃ、マネージャーってのが大事な仕事なのはわかるし、それが選手たちを支える重要な役回りだってことも理解してる)

京太郎「……っ」

京太郎(でも……今の俺は……)

京太郎(もっと強くなりたい……!! そう思ってる……!!)

京太郎(もっと麻雀打って、いろんな人の打ち筋見て勉強して、んで……!!)

京太郎(来年こそはここ・風越の代表選手になってやりてえ……!)

京太郎「……久保コーチ……俺」

久保「ん? なんだ、辞退するか?」

久保「それならそれで一向にかまわない。お前の他にも頼める奴はいくらでもいるからな」

京太郎「いや……俺、引き受けます!!」

久保「……ほう、そうか。わかった」

京太郎「ただ、その代りに条件があります……!」

久保「あ……? 条件?」

京太郎「俺にも練習、参加させてください……!!」

久保「……」

京太郎「俺、ランキングでは下から2番目でした。だからもちろん代表にはなれない……わかってます」

京太郎「……けど! 俺、悔しいんす! もっと強くなりたいんす!」

京太郎「ワガママだってのはわかってます! 代表の選手たちに迷惑をかけるってことも!」

京太郎「でも、せっかく同じ合宿地に行くなら俺……強い人たちととことん打ち合いたい!!」

京太郎「だ、ダメ……ですか……?」

久保「……」

美穂子「久保コーチ……私からもお願いします」

京太郎「ふ、福路先輩……!?」

久保「……」

美穂子「須賀君の意志は確かなものだと思います……私は彼の気持ちを尊重してあげたいです」

池田「私も協力するし!」

未春「私も!」

文堂「わ、私も……!」

純代「……ん」

京太郎「み、みんな……」

美穂子「先ほど男子の代表選手の方たちからも聞いてきましたが、みなさん歓迎するそうです」

京太郎「せ、先輩たちが……?」

美穂子「ええ」ニコッ

京太郎(みんな……俺なんかのために……)グッ

久保「……お前ら、大事な大事な地区予選前、最後の合宿だぞ?」

久保「こいつの相手をしてる時間……もっと他の有意義なことに使うべきじゃねえのか?」

美穂子「……」

久保「……須賀、お前だってそうだ。さっき言ったマネの仕事と練習……本当に両立できんのか?」

京太郎「……」

久保「どっちかがおろそかになっただけで、選手全員に迷惑が掛かんだ……それわかってんのか!?」

京太郎「わかってます! 絶対に逃げ出したり、弱音はいたりしません!」

京太郎「だからお願いします!!」

久保「……」

美穂子「コーチ……須賀君の腕はまだまだ未熟ですが、彼との対局を有意義な時間にするかしないか……それは私たち選手しだいだと思います」

美穂子「どんな対局にも意味はあります。学ぶ姿勢さえ怠らなければ、必ずそれは新しい発見につながると思うんです」

久保「……」

京太郎「……」

美穂子「……」

久保「……わぁったよ。許可する」

美穂子「……ありがとうございます」ニコッ

池田「よかったし、須賀!」バシッ

京太郎「え、ぁ……あ……」

京太郎「ありがとうございますっ、久保コーチ!!」ペコリ

久保「……ん。まぁ、がんばれよ」

未春「ふふ……」ニコニコ

文堂「やったね、須賀君!」

京太郎「ありがとう! 先輩たちも、ありがとうございます!」

純代「……礼などいらない。ともに高め合うのみ」

京太郎「はい……!!」

池田「そうと決まったら、さっそく強化合宿のスケジュールを組むし!!」

「「「「「おうー!!」」」」」

―――――――――――――――――――

そして強化合宿―――俺、いや俺たちは朝から晩までひたすら打ち込み、ときには温泉で一時の安らぎを得たりした

俺はやはり代表の選手たちにはそうそう適わず、見事なまでにフルボッコにされたが

それでも、その中で得たものは大きかったし、最終日の対局では後半、文堂さんと激しく打ち合うなどの飛躍ぶりも見せた






そして、ついに地区予選―――

―――――――――――――――――――

『―――圧勝ッ!! 風越高校――――ッ!!』

ガチャ

池田「楽勝!」

「おつかれっす!」「お疲れ様です!」

美穂子「お疲れ様、華菜」スッ

池田「ありがとうございます」

京太郎「よくやったな、池田!」

池田「もっと言えもっと!」

京太郎「よくやったなよくやったなよくやったな池田ァ!!」

池田「うるさいし! 黙れし!」ボカッ

京太郎「いてっ!」

久保「……福路」

美穂子「は、はい?」

久保「……」

美穂子「……久保コーチ?」

久保「……明日もこの調子でみんなを率いてやれ」

美穂子「……! はい!」

久保「……それと―――池田ァ!!」

池田「にゃあっ!?」

久保「なにがにゃぁだこの……」グリグリ

池田「にゃぁああああ……!!」

久保「へっ……よくやったな、次もこの調子で行けよ」

池田「へ……?」

久保「お前ら先戻ってろ」スタスタ

バタン

京太郎「あの久保コーチが……」

池田「ほ、褒めた……?」

未春「やったね、華菜ちゃん!」

文堂「久保コーチ、すごくうれしそうでしたね」

美穂子「華菜の頑張りが認められたってことよ、よかったわね」ニコッ

池田「な、なんか逆に気持ち悪いし……」

京太郎「お前聞かれたら殺されっぞ」

―――――――――――――――――――

京太郎「んじゃ、そろそろホテル戻りますか」

池田「今日は疲れたし! 早くお風呂浸かりたいし!」

文堂「このホテル、シャワーのみってなってますけど」

池田「え、なにそれ!? ふざけんなし!」

美穂子「まぁ明日一日くらい我慢しましょう……ね?」

池田「うぅ……ホテルマンに苦情申し立ててやるし……」

京太郎(ったく……男子の俺がいる前で風呂の話とかよく平気で……)

ガヤガヤ...

??「……」スタスタ

京太郎「え……」

京太郎「っ!!」クルッ

京太郎「……ま、まさか……」

京太郎(そうだ……なんで今の今まで忘れてたんだ、俺……)

京太郎「さ、き……」

咲「……えっ?」クルッ

咲「今、私の名前……」

京太郎「……」

京太郎(なんでだ……言葉が出てこねえ……)

和「どうしました? 咲さん」

優希「ん、どうしたんだじぇ?」

京太郎「み、みんな……」

咲「あ、あの……私の名前、呼びましたか?」

京太郎「っ!!」

すま

京太郎(そっか……そうだよな……)

京太郎(薄々は気づいてたさ……俺だって)

咲「……?」

京太郎(心のどこかで恐れてた……だから思い出さないようにしてたんだ……)

京太郎(今まで通りに事が進んでいくなら、いつかは知らなきゃいけないことだったはずなのに……)

和「咲さん……誰ですか? この人」ジロッ

咲「知らないけど……私の名前呼んできて……」

優希「こっちじっと見て、気持ちわるいじぇ……」

久「どうしたのー? 行くわよー?」

咲「あ、はーい!」

京太郎(……みんな……完全に俺のこと忘れちまってるんだな……)

京太郎(いや、忘れたんじゃない……俺なんて“いなかった”んだ……)

京太郎(だって、俺は……)

池田「どうかしたか、須賀?」

京太郎「あっ、いや……なんでもない」

京太郎(そう……だって今の俺は……)

京太郎(……風越の一員だ……!!)

美穂子「そう、ならよかったわ」ニコッ

池田「早く行くし!」

京太郎「お、おう!」

京太郎(でも……これだけ、これだけは言わせてくれ……)

京太郎「咲……!!」

咲「え……な、なに?」

京太郎「……」

京太郎「がんばれよ、決勝!!」グッ

咲「……」ポカーン

京太郎「よし、行こうぜ」スタスタ

池田「ん? あぁ……」

京太郎(これでいい……これで……)

―――――――――――――――――――

その夜・ホテル

京太郎「明日はついに決勝か……」

京太郎(……戦うのは俺じゃねえけど)

京太郎「……」

京太郎「俺が風越にきてから、もう2か月か……随分いろいろとあったな」

京太郎「……」

京太郎(俺は……このままでいいのか……?)

コンコン

京太郎「はーい、開いてます」

「須賀君、入るわね?」

京太郎「え……」

ガチャ

美穂子「ごめんなさい、突然お邪魔して」

京太郎「ふ、ふふ福路先輩!? な、なんでここに!?」

美穂子「あ、もしかして本当にお邪魔だったかしら……?」アセアセ

京太郎「め、滅相もございません! ど、どうぞどうぞ!」

美穂子「あ、ありがとう」

京太郎「そ、それで……どうしたんすか?」

美穂子「ええ……ちょっとお話があってきたの」

京太郎「お、お話……?」

京太郎(お、お話ってまさか……)ドキドキ

美穂子「須賀君……さっき会場から出る途中で、ちょっと様子がおかしかったでしょう?」

京太郎「えっ……あ、あぁ……あれっすか」

京太郎(……んなわけねえよな……ええ、わかってましたとも)

美穂子「もしかして……あれが、須賀君の元いた学校のお友達……?」

京太郎「……ええ、そうです。さすが、察しがいいですね先輩は」

美穂子「……」

京太郎「あいつら、みーんなそろって俺のこと忘れちまってて……全く薄情な連中っすよ」

美穂子「……須賀君、やっぱり……」

京太郎「……」

美穂子「ううん……こんなこと聞くのは無粋よね」

京太郎「……」

美穂子「……須賀君」

京太郎「……なんすか、先輩」

美穂子「私ね……明日の決勝が終わったら、その……」

京太郎「……?」

美穂子「す、須賀君がいなくなっちゃうんじゃないかって……そんな気がして……」

京太郎「……俺が前の世界で記憶を失ったのが、その時点だからですか?」

美穂子「……」

京太郎「……ははっ、考えすぎですよ! 先輩は」

京太郎「俺はいなくなったりしません、だって俺は……」

美穂子「うん、わかってるわ……だけど……」

京太郎「……先輩、俺のことそんなに気にしてくれるんすね」

美穂子「だって……だって……」

美穂子「須賀君は……私の大切な後輩ですもの」

京太郎(大切な後輩……か)

京太郎「……先輩は、ほんとお人よしっすね」

美穂子「そんなことないわ……私は須賀君を失いたくないと思ってるもの。自分勝手でしょう?」

京太郎「……」

美穂子「須賀君は、本当は元の世界へ戻りたいと思ってるに決まってるのに……」

京太郎「……」

美穂子「……」

京太郎「……俺、先輩のこと好きっすよ」

美穂子「……えっ?」

京太郎「それに、池田や、吉留先輩や、ドムさん、文堂さん、久保コーチ……」

京太郎「他の部員の仲間も、みんな大好きです……風越さいこー!って感じです」

京太郎「こんなにもいい人たちに恵まれて……俺は幸せ者だと、心からそう思います」

美穂子「す、須賀君……っ」ポロッ

京太郎「……俺、ご覧のとおり麻雀の腕はまだまだ初心者の域を出ない様なレベルです」

京太郎「けど……先輩たちの指導のおかげで、以前に比べたら格段に成長できたなって……今なら自信を持って言えます」

美穂子「……っ……うぅ……」ポロポロ

京太郎「前いたとこではただのマネージャーでしかなかった俺が……今は少しでも頑張ろうって思えてる」

京太郎「これって我ながらすごいことなんじゃないかと思ってます……はは、自画自賛ですかね?」

美穂子「ひっく……そんなことない……そんなことないわ……っ!」ポロポロ

京太郎「そういってもらえると、すげえ嬉しいです」ニコッ

京太郎「俺……なんで自分がこんなことになったんだろうって、ふと考えたんです」

京太郎「たぶん……ただの出来事に意味なんてないんです」

京太郎「けど、先輩が教えてくれました……」

美穂子「……っ……?」

京太郎「意味なんていくらでも見つけ出せる……その人しだいだって」

美穂子「す、須賀君……っ」

京太郎「俺、ちゃんと自分だけの意味……見つけられたような気がします」

美穂子「……っ……うん……」

京太郎「俺……もし帰るか帰らないか選べるとしたら、たぶん帰ると思います……いや、帰らなくちゃいけない……そんな気がします」

京太郎「でも俺……その時が来るまでは、精いっぱい風越の一員をやり通します……!!」

京太郎「だから、どうか心配しないでください……キャプテン」

美穂子「……っ」ゴシゴシ

美穂子「……え、ええ! わかったわ……最後までよろしくね、須賀君」ニコッ

―――――――――――――――――――

そして、決勝―――

『ついに始まりました、県予選決勝戦―――ッ!』

『泣いても笑っても全国に行けるのはこの中の1校のみ―――ッ!』

『今年はどんな戦いを見せてくれるのか―――ッ!』

美穂子「……コーチ、行ってきます」

久保「……あぁ、思う存分やってこい」

美穂子「……はい」

池田「キャプテン、ファイト!!」

未春「キャプテンならいけます!」

文堂「頑張ってください!」

純代「んぁッ!」

京太郎「先輩……」

美穂子「……須賀君、さよならはみんなで優勝した後でよ?」コソッ

京太郎「……! はい、がんばってください……!」

美穂子「……ありがとう。みんなも」ニコッ

美穂子「それじゃ、行ってきます―――ッ!!」ゴッ

『―――先鋒戦、開始!!』

―――――――――――――――――――

美穂子(最後の戦い……いえ、ここからまた一歩踏み出すための戦い……!!)

美穂子(負けるわけには、いかないわね……)ニコッ

―――――――――――――――――――

美穂子『ロン、8600』

京太郎「すげえ、先輩!」

池田「当たり前だし!! だってあのキャプテンなんだし!!」

―――――――――――――――――――

終局―――

美穂子「お疲れ様でした」ペコッ

純「くそったれ……」

睦月「うむ……」

優希「じょ……」

―――――――――――――――――――

池田「お疲れ様です、キャプテン!」

文堂「やりましたね!」

美穂子「ありがとう、みんなのおかげよ」ニコッ

未春「ひっひっふー……よし」パンッ

京太郎「吉留先輩、ファイトです!」

美穂子「吉留さん、大丈夫よ。いつも通り、楽しく行きましょう」

未春「はい……!」

もう人いないか……というかここらは本編の焼きまわしだしカットでいいかな

すまんすまん、気づかずにあやうくベッドインするところだった
せっかくなので行けるところまで

文堂さんのところも入れたかったけど、ちょい巻きで行くんでキンクリします

―――――――――――――――――――

未春(と、息巻いたはいいけど……)

佳織「はぅ……みっつずつ、みっつずつ……」

未春(この人……予想以上に手ごわい……!!)

未春(……でも)

―――――――――――――――――――

久「インパチ……!!」

文堂「くっ……」

文堂(またですか……!!?)

久「ふふ……」ニヤッ

文堂「……」

文堂(だけど……!!)

―――――――――――――――――――

純代「ンァァアアアアアッ!!」

和「っ!!」

「……っ!」ビクッ

透華「な、なんなんですの……!?」

純代(ここで、負けるわけにはいかない……!)

―――――――――――――――――――

風越―――暫定2位!

久保「……ここまでいい調子で来てる」

池田「……」

久保「池田……おめえにできる精いっぱいをやってこい!」

池田「はいだし!!」

バタン

美穂子(……華菜)

京太郎(池田……頼んだぞ……!!)

―――――――――――――――――――

池田「――――ッ!!」

池田(ダメだ……全然歯が立たない……!!)

衣「ククク……」

池田(こいつ……私たちの全国への夢を……)

池田(邪魔すんなよ……っ!)ポロッ

―――――――――――――――――――

『大将戦、前半終了―――ッ!』

美穂子「……華菜っ!」ダダッ

京太郎「俺も行きます……!!」

―――――――――――――――――――

池田「……」

スタスタ...

美穂子「華菜……」

池田「キャプ……それに須賀……」

京太郎「池田ァ……」

池田「すまんだし……私、勝てそうにない……」

池田「……この大会……この試合が、須賀との最後の思い出になるかもしれないのに……」

京太郎「なっ……!」

美穂子「華菜……あなた……」

池田「ごめんだし……昨日、須賀の部屋で二人が話してるのを聞いたんだし」

池田「信じられない話だったけど、事実なんだろ……?」

京太郎「……あぁ」

池田「くっ……!」

池田「なのに……私は……!」

京太郎「……! 池田ァ!!」

池田「……っ!?」ビクッ

京太郎「俺のことなんざ気にすんな! 変に気負って調子狂うのがお前の悪いところだぜ!」

京太郎「それに思い出に残そうとか、そんなくせえセリフいらねえっての……!」

京太郎「今日この日、みんなでこの舞台に来れたことこそが、すでに俺にとっちゃかけがえのない思い出だ……!」

京太郎「それに、お前や福路先輩たちとの思い出なんて……もう抱えきれないくらいたくさんあるんだからよ……!」

池田「須賀ァ……うっ……」ポロッ

「華菜ちゃん!」

池田「……み、みはるん……みんな……」

文堂「池田先輩、いつもの元気はどうしたんですか!!」

未春「華菜ちゃんは華菜ちゃんの信じるとおりにやって!!」

純代「ンンンンンンンンンッ!!!」ズドドドッドッ

美穂子「華菜……楽しみましょう、この盛大なお祭りを、みんなで」ニコッ

池田「……っ!」ゴシゴシ

池田「……はい!!」

―――――――――――――――――――

池田「……」チラッ

衣「……ん?」

池田「……」ニヤッ

衣「……???」

池田(……楽しむんだ、麻雀を……!)

シュッ...カッ!

池田「ツモ! 4000オールだし!!」

オオオオオオオオオオオ...!!

―――――――――――――――――――

美穂子「華菜……!!」

京太郎「へ、楽しそうな面しやがって……!!」

―――――――――――――――――――

池田「ん……?」

池田(なんだ……さっきまで調子よかったのに……)

池田「……」チラッ

咲「……」

池田(……清澄?)

シュゥッ...スッ!

池田「はっ……!」

バララッ

咲「ツモ……数え役満です」

池田「……ぁ」

『長野県大会決勝・終了――――――ッ!!』

―――――――――――――――――――

池田「……」トコトコ

美穂子「か、華菜……!?」

京太郎「お前、何してんだ……?」

池田「……うぅ」

久保「てめえ……!」バッ

美穂子「コーチ……!!」

池田「うぅううう……」ボロボロ

久保「……チッ……みっともねえ! 堂々としてろ!」

久保「もしかしてお前は、私との約束……破ったっていうのかよ?」

池田「約束……」

久保『―――池田……おめえにできる精いっぱいをやってこい!』

京太郎「コーチ……」

美穂子「……」

池田「……ないし」

久保「……あぁ?」

池田「悔いはないし!! 楽しかったし!!」ニコッ

久保「へっ……泣きながら笑いやがって、きもちわりぃ!」

久保「ホテルの予約はとっておいた……お前ら行ってとっとと休んでこい!」

美穂子「あ、ありがとうございます……コーチ」

久保「それと、須賀ァ!!」

京太郎「は、はいっ!」

久保「……」

久保「―――お勤め、ご苦労さん」

京太郎「……」

京太郎「あ、ありがとうございました!!」

久保「……ん」ビシッ

京太郎「……ぁ、れ」フラッ

美穂子「す、須賀君……!?」

池田「須賀、どうしたし……! ま、まさか!」

京太郎「ん……あぁ……なんか、もう行かなきゃならねえ見てえだ……」

京太郎「瞼が……どんどん重くなってきやがる……」

未春「須賀君!」

純代「ンアッ!! ンアァッ!!」ユサユサッ

京太郎「ドムさん……痛いっす」

純代「……ごめん」

文堂「す、須賀君……」ポロッ

京太郎「文堂さん……俺、もう一局くらい一緒に打ちたかったっす」

京太郎「これからも、頑張ってくださいね」

文堂「うん……うんっ……!」

池田「ぅううあぁ……須賀ァ……」ボロボロ

京太郎「吉留先輩……このバカのこと、よろしくお願いします」

未春「うん、大丈夫だから……っ……華菜ちゃんのことは任せて!」

京太郎「い、けだァ……もう泣くんじゃねえぞ……」

池田「な、泣いてないし! お前嘘つくなし!」ボロボロ

京太郎「へへ……」

美穂子「……っ……須賀……くん……」ポロポロ

京太郎「先輩……ありがとうございました……」

美穂子「す、須賀君……――――ッ!!!」




プツンッ

ん……あれ……

もう終わりか……あっけなかったな……

ちゃんとお別れ……できなかった……

もっと言いたいことたくさん……あったのに……





みんな……ありがとう……

京太郎「……ん……」

京太郎(……あれ……ゆ、夢……?)

京太郎「ふぁああ……」

京太郎(たしか……俺は……)

京太郎(……っ!!)キョロキョロ

京太郎「も、戻ってきたのか……? い、いや待て……」

「ワハハー、部室行くぞかおりんー」「智美ちゃん待ってー!」





京太郎「……ここ、どこだ?」

カン

読んでくれた人ありがとう
特に長いこと保守してくれた人には感謝してもしきれん。ゆっくり寝てくれ

別の高校編も書きたいけど、風越が予想以上にアレだったのでまた考え直します
それじゃおやすみ

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